JP6971473B2 - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法に関し、特に、成形用の金型を用いて樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、繊維強化複合材部品の製造方法として、レジントランスファモールディング(RTM)法等が用いられている。これらの方法では、複数の強化繊維シートを積層した積層体を金型内にセットし、型締めした後、未硬化の樹脂を注入し、積層体に含浸させて硬化させている。この方法によれば、樹脂が含浸されていないドライ基材からなる積層体を賦形するため、比較的複雑な形状の成形品を製造することが可能である。
また、繊維強化複合材部品の製造方法として、PCM(Prepreg Compression Molding)が採用される場合もある。この方法では、強化繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグを成形金型のキャビティに配置し、プリプレグの強化繊維シートに高温・高圧を付与することで、繊維強化複合材部品を製造している。
しかしながら、樹脂を含浸させる前の強化繊維シートは、搬送中に積層された強化繊維シートがバラバラになるなど、取扱性が悪い。そのため、通常、樹脂を含浸させる本賦形の前に、予備賦形工程を設定している場合がある(特許文献1)。
予備賦形工程では、予備賦形用の金型に一枚の強化繊維シートをセットし、その表面にパウダー状の固着材を散布し、その上に次の強化繊維シートを積層する。これらを順次繰り返して強化繊維シートの積層体を形成し、その後、予備賦形型によって型締めを行う。これにより、強化繊維シートどうしを固着するとともに、その後の本賦形に適した形状に予備賦形されたプリフォーム体を形成している。本賦形工程では、このプリフォーム体を本賦形用の金型にセットすることにより、位置決めを容易にし、本賦形時の位置ずれを防止している。
また、射出成形を行う際に、樹脂成形品にインサートナットを埋設する製造方法も開発されている(特許文献2)。ここでは、磁力を用いて金型の内壁にインサートナットを吸着させ、この状態で、樹脂成型体をインサートナットと共に射出成形している。このようにすることで、インサートナットが埋設された樹脂成型体を成型することができる。
特開2008−179130号公報 特開平6−63987号公報
しかしながら、特許文献2に記載された樹脂成形方法では、インサートナットを磁力で金型に接着したとしても、樹脂成形時の金型内部圧力が大きくなれば、インサートナットが所定位置からずれてしまう課題があった。
また、インサートナットを金型の内壁に磁力で密着させたとしても、成形時にインサートナットと金型内壁との間に樹脂が進入してしまい、インサートナットの孔部に樹脂が入り込んでしまう恐れがあった。
本願発明は、上記した課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、樹脂成形品の所定箇所に締結部材を埋設することができる樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
本発明は、締結部材が埋設された樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法に於いて、前記締結部材が埋設される箇所に係合部が形成された第1金型と、第2金型と、から成る成型金型を用意する工程と、前記第1金型の前記係合部に、固定プラグを介して前記締結部材を取り付ける工程と、前記第1金型と前記第2金型とを接近させることで形成されるキャビティの内部で樹脂を成形する工程と、前記第1金型および前記第2金型から、前記固定プラグが取り付けられた状態の前記樹脂成形品を取り出す工程と、前記樹脂成形品から前記固定プラグを離脱させる工程と、を具備し、前記締結部材はインサートナットであり、前記インサートナットは螺合構造により前記固定プラグに固定され、前記係合部は、前記第1金型に形成された係合孔であり、前記固定プラグは、前記係合孔に挿入されることで、前記第1金型に固定されることを特徴とする。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグと前記係合孔との間にOリングを配設することを特徴とする。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの外周面を全周的に窪ませることで凹状部を形成し、前記固定プラグの前記凹状部に前記Oリングを係合させることを特徴とする。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの端部にフランジ部を形成し、前記成型する工程では、前記固定プラグの前記フランジ部を、前記第1金型の内面に当接させることを特徴とする。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記樹脂成形品は、繊維強化複合材部品であることを特徴とする。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの近傍にマグネットを配設することを特徴とする。
本発明は、締結部材が埋設された樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法に於いて、前記締結部材が埋設される箇所に係合部が形成された第1金型と、第2金型と、から成る成型金型を用意する工程と、前記第1金型の前記係合部に、固定プラグを介して前記締結部材を取り付ける工程と、前記第1金型と前記第2金型とを接近させることで形成されるキャビティの内部で樹脂を成形する工程と、前記第1金型および前記第2金型から、前記固定プラグが取り付けられた状態の前記樹脂成形品を取り出す工程と、前記樹脂成形品から前記固定プラグを離脱させる工程と、を具備し、前記締結部材はインサートナットであり、前記インサートナットは螺合構造により前記固定プラグに固定され、前記係合部は、前記第1金型に形成された係合孔であり、前記固定プラグは、前記係合孔に挿入されることで、前記第1金型に固定されることを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法では、固定プラグでキャビティの内部に於ける締結部材の位置を決定し、更に、離型工程では固定プラグを締結部材と共に成型金型から取り出すので、樹脂成形品に安定して締結部材を埋設することができる。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグと前記係合孔との間にOリングを配設することを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、固定プラグと係合孔との間にOリングを配設することで、第1金型の係合孔に固定プラグを配設することができる。また、離脱する工程に於いては、固定プラグを係合孔から容易に離脱させることができる。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの外周面を全周的に窪ませることで凹状部を形成し、前記固定プラグの前記凹状部に前記Oリングを係合させることを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、固定プラグの凹状部にOリングを係合させることで、固定プラグとOリングとの係合を強化することができる。よって、成形工程に於いて、Oリングにより、第1金型の係合部に固定プラグを強固に係合し、固定プラグの不用意な移動や離脱を防止することができる。また、離脱工程に於いて固定プラグと共にOリングを成型金型から容易に取り出すことができる。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの端部にフランジ部を形成し、前記成型する工程では、前記固定プラグの前記フランジ部を、前記第1金型の内面に当接させることを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、固定プラグのフランジ部を、第1金型の内面に当接させることで、樹脂が固定プラグと係合部と間に進入することを防止することができる。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記樹脂成形品は、繊維強化複合材部品であることを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、繊維強化複合材部品の繊維が係合部と固定プラグとの間に進入すること抑制し、固定プラグと係合部との間隙に樹脂が進入することを抑止することができる。
また、本発明の樹脂成形品の製造方法では、前記固定プラグの近傍にマグネットを配設することを特徴とする。従って、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、マグネットの磁力で、固定プラグを第1金型に仮止めすることができる。
本発明の樹脂成形品の製造方法により製造される樹脂成形品を示す図であり、(A)は樹脂成形品を示す斜視図であり、(B)は(A)の切断面線A−Aに於ける断面図であり、(C)は取付部を拡大して示す斜視図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法に用いられる成型金型を示す斜視図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法に用いられる上金型を示す斜視図である。 (A)は本発明の樹脂成形品の製造方法に用いられる係合治具およびインサートナットを離して示す斜視図であり、(B)はインサートナットを示す斜視図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法に用いられる係合治具およびインサートナットが組み合わせた状態を示す斜視図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)は成型金型を示す断面図であり、(B)は(A)の要所を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)は成型金型を示す断面図であり、(B)は(A)の要所を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)は成型金型を示す断面図であり、(B)は(A)の要所を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)は成型金型を示す断面図であり、(B)は(A)の要所を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)は取り出した樹脂成形品を示し、(B)は(A)の要所を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示す図であり、(A)および(B)は、要所を拡大して示す拡大断面図である。
以下に図を参照して、本実施の形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図1を参照して、本実施の形態に係る製造方法により製造される樹脂成形品である繊維強化複合材部品10を説明する。図1(A)は繊維強化複合材部品10を上方から見た斜視図であり、図1(B)は図1(A)の切断面線A−Aに於ける断面図であり、図1(C)は取付部16を拡大して示す斜視図である。
図1(A)を参照して、繊維強化複合材部品10は、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)である。繊維強化複合材部品10は、一例として略トレー形状を呈している。具体的には、繊維強化複合材部品10は、上方から見て略四角形形状の底面部13と、底面部13の周縁部から上方に向かって立設された枠状の側面部14と、を有している。ここで、本実施形態では、繊維を含まない樹脂成形体を製造することも可能である。
図1(B)を参照して、繊維強化複合材部品10は、強化繊維シート11と、強化繊維シート11に含浸されて硬化されている樹脂12とから構成されている。
強化繊維シート11を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等を用いることができる。強化繊維シート11の形態として、織物や編物等のファブリック材、UD材(単一方向材)を採用することができる。強化繊維シート11は、シート状の強化繊維が複数積層された積層体として構成されている。
樹脂12としては、エポキシ樹脂等の熱硬化型樹脂、または、ポリアミド(PA)やポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂を採用することができる。樹脂12は、強化繊維シート11に含浸された状態、即ち強化繊維シート11に入り込んだ状態で硬化されている。
図1(C)を参照して、上記した底面部13を部分的に上方に向かって部分的に隆起させることで取付部16が形成されている。取付部16は、略円筒状に上方に向かって突出している。取付部16は、繊維強化複合材部品10の他の部位と同様に、樹脂12と強化繊維シート11との複合材料から成る。取付部16の上面は略平坦面とされている。
取付部16の上面には、締結部材としてインサートナット15が埋設されている。インサートナット15は、繊維強化複合材部品10と他の部材とを締結するための部材であり、その内部にはネジ溝が形成されている。また、インサートナット15の上面は、取付部16の上面と同一平面上に配置されている。
後述するように、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法によれば、インサートナット15の内部空間に樹脂成分が流入してしまうことを防止しているため、インサートナット15のネジ穴が樹脂で不用意に埋まってしまうことを防止することができる。
図2は、繊維強化複合材部品10の製造方法に用いられる成型金型20を上方から見た斜視図である。ここでは、上金型21と下金型22とを上下方向に分離して示している。
成型金型20は、樹脂成形用の金型であり、上金型21(第1金型)および下金型22(第2金型)と、を有する。成形工程に於いては、上金型21が下降して下金型22に接近することで、上金型21と下金型22との間隙としてキャビティ25(図8(A))が形成される。また、上金型21を上昇させて下金型22から離すことで、樹脂成形品である繊維強化複合材部品10を成型金型20から取り出すことができる。また、上金型21には係合孔26が形成されている。係合孔26は、上記したインサートナット15を固定する治具を係合するための係合部である。
図3に上記した上金型21を示す。図3は上金型21を下方から見た斜視図である。この図を参照して、上金型21には係合孔26が形成されている。係合孔26は、上金型21を厚み方向に貫通する貫通孔である。
図4を参照して、成形工程に於いて取付部16を係合する係合治具30の構成等を説明する。図4(A)は、係合治具30およびインサートナット15を下方から見た斜視図であり、図4(B)は、インサートナット15を上方から見た斜視図である。
図4(A)を参照して、係合治具30は、固定プラグ27と、Oリング28と、固定ボルト37とを有する。
固定プラグ27は、上記した係合孔26の内側端部に挿入される治具であり、筒状部33と、フランジ部34と、から構成されている。固定プラグ27の材料としては、所定形状に成形された金属、シリコン、樹脂、木材等を採用することができる。筒状部33の上下方向中間部を内側に向かって窪ませることで凹状部29が形成されている。凹状部29は、筒状部33の周囲に沿って、帯状に且つ全周的に形成されている。フランジ部34は、筒状部33の下端から半径方向外側に向かって広がる部位である。フランジ部34の下面および上面は平坦に成形されている。フランジ部34は、上記した上金型21の係合孔26の周囲に面的に接する部位である。また、固定プラグ27を中心軸に沿って貫通する孔部38が形成されている。孔部38は、固定ボルト37が挿通可能な大きさに形成されている。
Oリング28は、リング状に形成されたゴムなどの弾性体から成り、固定プラグ27の凹状部29に嵌め込まれる。Oリング28は、上記した上金型21の係合孔26に、係合治具30を係合させるための部材である。
固定ボルト37は、軸部32と頭部31とから成り、所定形状に成形された鋼材から成る。軸部32にはネジ山が形成されている。頭部31の上面には、ここでは図示しないが、六角レンチなどの工具を嵌合させることができる孔部が形成されている。
インサートナット15は、所定形状に成形された鋼材、プラスチック等から成り、筒状部35と、フランジ部36とを有する。筒状部35は略円筒状に形成されている。フランジ部36は、筒状部35の上端部を半径方向外側に広げることで形成されている。フランジ部36の上面は平坦面とされている。成型時に於いては、インサートナット15のフランジ部36の上面は、固定プラグ27のフランジ部34の下面に密着する。
図4(B)を参照して、インサートナット15には、孔部39が形成されている。孔部39の内面には、上記した固定ボルト37に形成されるネジ山と螺合可能なネジ溝が形成されている。ここでは、孔部39は有底孔であるが、孔部39はインサートナット15を貫通する無底孔であっても良い。
図5に、インサートナット15が係合治具30に組み込まれた状況を示す斜視図である。ここでは、インサートナット15の内部に形成されたネジ溝に、固定ボルト37に形成されたネジ山が螺入されている。このようにすることで、固定プラグ27のフランジ部34の下面と、インサートナット15のフランジ部36の上面とを密着させることができる。従って、後述する樹脂成形工程に於いて、フランジ部36とフランジ部34との間に樹脂が進入せず、インサートナット15の内部に樹脂が進入してしまうことを防止することができる。
次に、図6以降の図を参照して、図1に構成を示した繊維強化複合材部品10の製造方法を説明する。
図6を参照して、繊維強化複合材部品10の製造方法に用いる成型金型20の断面を説明する。図6(A)は図2の切断面線B−Bに於ける成型金型20の断面であり、図6(B)は図6(A)の点線の円で囲んだ部分を拡大して示す拡大断面図である。
図6(A)を参照して、先ず、上金型21と下金型22とから成る成型金型20を用意する。下金型22の下部には凸状部23が形成されており、下金型22の上部には凹状部24が形成されている。上金型21を上下方向に貫通する係合孔26が形成されており、係合孔26の下端を拡径することで取付部形成部40が形成されている。
上金型21を下降させ、上金型21の凸状部23を下金型22の凹状部24に挿入することで、凸状部23と凹状部24との間に後述するキャビティ25を形成する。
図6(B)を参照して、取付部形成部40は、図1(C)に示した取付部16を形成するための部位である。取付部形成部40は、下方に向かってその幅が徐々に広くなるテーパ形状とされている。また、取付部形成部40の上端には、平坦なフランジ受部41が形成されている。フランジ受部41の大きさは、図4(A)に示した固定プラグ27のフランジ部34と同等とされている。このようにすることで、後述するように、固定プラグ27のフランジ部34の上面を、フランジ受部41の上面に当接させ、成形工程に於いて両者の間隙に繊維や樹脂が入り込むことを防止することができる。
図7を参照して、次に、成型金型20に、インサートナット15が取り付けられた係合治具30を嵌め込む。図7(A)は本工程を示す断面図であり、図7(B)は図7(A)の点線で囲まれた部分を拡大して示す拡大断面図である。
図7(A)を参照して、成型金型20の上金型21と下金型22とが離間している状態に於いて、成型金型20の取付部形成部40に係合治具30を嵌め込む。
図7(B)を参照して、上金型21の取付部形成部40に係合治具30を嵌め込む際には、係合治具30の固定プラグ27を係合孔26に挿入する。上記したように、固定プラグ27には、円環状に成形されたゴムから成るOリング28が備えられている。よって、下方から固定プラグ27を係合孔26に挿入すると、係合孔26の内壁と固定プラグ27の筒状部33の外壁とは、圧縮力により変形したOリング28を介して接触している。よって、Oリング28の大きな摩擦力で、固定プラグ27は係合孔26の内壁に密着する。よって、係合治具30を係合孔26に挿入したら、重力の作用により係合治具30が係合孔26から離脱することはない。
また、固定プラグ27のフランジ部34の上面は、上金型21のフランジ受部41の下面に密着している。このようにすることで、樹脂成形の工程に於いて、フランジ受部41とフランジ部34との間に樹脂が侵入することを防ぎ、筒状部35の内部に樹脂が侵入することを防止できる。
上記のように係合治具30を配置することで、インサートナット15は取付部形成部40に配置される。
図8を参照して、次に、強化繊維シート11を成型金型20に配置する。図8(A)は本工程を示す断面図であり、図8(B)は図8(A)の点線で囲まれた部分を拡大して示す拡大断面図である。
図8(A)および図8(B)を参照して、下金型22の凹状部24の上面に、強化繊維シート11を配置し、上金型21を下降させることで、キャビティ25の内部に強化繊維シート11を配置させる。ここで、強化繊維シート11は、樹脂12が含浸されたプリプレグの状態で用意されても良い。
図8(B)を参照して、強化繊維シート11は、取付部形成部40にも配置される。これは、取付部形成部40に形成される取付部16(図1(C))の強度を高めるためである。上記したように、インサートナット15のフランジ部36と、固定プラグ27のフランジ部34とは密着しているので、強化繊維シート11を構成する繊維が、インサートナット15と固定プラグ27との間に進入することはない。同様に、上金型21のフランジ受部41と、固定プラグ27のフランジ部34とは密着しているので、フランジ受部41とフランジ部34との間に強化繊維シート11を構成する繊維が進入することもない。
図9を参照して、樹脂形成を行う。図9(A)は本工程を示す断面図であり、図9(B)は図9(A)の点線で囲まれた部分を拡大して示す拡大断面図である。
図9(A)および図9(B)を参照して、上金型21および下金型22を加熱した状態で、樹脂成形を行う。強化繊維シート11がプリプレグの場合は、上金型21および下金型22で強化繊維シート11を加熱成形することで、強化繊維シート11に含浸された樹脂12を硬化させる。一方、強化繊維シート11のみをキャビティ25に内蔵させ、その後に樹脂12をキャビティ25に注入しても良い。
図9(B)を参照して、本工程では、固定ボルト37の締結力で、インサートナット15のフランジ部36と、固定プラグ27のフランジ部34とは密着しているので、樹脂12が、インサートナット15と固定プラグ27との間に進入することはない。また、上金型21のフランジ受部41と、固定プラグ27のフランジ部34とが密着しているので、フランジ受部41とフランジ部34との間に樹脂12が進入することもない。ここで、固定プラグ27のフランジ部34は、成型時の内圧により、上金型21のフランジ受部41に押しつけられている。
本工程が終了した後は、上金型21を上昇させることで、上金型21と下金型22とを離す。
図10(A)に、図9(A)に示した成型金型20から離型した繊維強化複合材部品10を示す。図10(A)は、繊維強化複合材部品10の断面図である。図10(A)に示すように、上記した工程にて成型金型20から繊維強化複合材部品10を離型することで、底面部13の上面に取付部16が形成されている。
図10(B)は取付部16の近傍を示す断面図である。この図を参照して、取付部16にはインサートナット15が埋設されている。また、インサートナット15には固定ボルト37が螺入されているので、繊維強化複合材部品10を上記した成型金型20から離型すると、係合治具30は繊維強化複合材部品10と共に成型金型20から外れる。この状態で、治工具を用いて固定ボルト37を回転させることで、固定ボルト37をインサートナット15から離脱させる。
固定プラグ27は、繊維強化複合材部品10と共に上記した成型金型20から取り出されるので、繊維強化複合材部品10とは別に固定プラグ27を成型金型20から取り外す必要が無い。よって、固定プラグ27を採用することにより離型工程が煩雑化することを抑制している。
更に、図4(B)に示したように、Oリング28は固定プラグ27の凹状部29に取り付けられている。よって、Oリング28も繊維強化複合材部品10と共に取り出すことができ、Oリング28が成型金型20に残存することがない。このことから、繊維強化複合材部品10とは別にOリング28を成型金型20から取り外す必要が無い。よって、Oリング28を採用することにより離型工程が煩雑化することを抑制している。
図11(A)は、上記した固定ボルト37を離脱させた後の、取付部16の近傍の断面図である。この図を参照して、固定プラグ27は、取付部16の上面に載置されている。
図11(B)に、固定プラグ27を離した後の断面図を示す。インサートナット15は、取付部16に埋設されている。また、インサートナット15のフランジ部36の上面は、取付部16の上面と、同一平面上に配置されている。
ここで、上記したように、インサートナット15のフランジ部36の上面は、図11(A)に示した固定プラグ27のフランジ部34の下面に密着した状態で、上記した樹脂成形が行われている。このことから、インサートナット15の内部には、図10(B)等に示した樹脂12や強化繊維シート11が入り込むことがない。よって、インサートナット15の内部は、異物の混入がない正常な状態とされている。
上記工程が終了した後は、繊維強化複合材部品10を、構造体または筐体の一部として機器に組み込む。例えば、繊維強化複合材部品10は、大型体重計の底部、自動車の部品を構成する部材となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。
図1(C)を参照して、上記した実施の形態では、繊維強化複合材部品10に埋設される締結部材としてインサートナット15を採用したが、締結部材としてインサートボルトを採用することもできる。更には、繊維強化複合材部品10に埋設される部材として、螺合構造を有するインサートプレートを採用することもできる。
図4(A)を参照して、係合治具30において固定ボルト37と固定プラグ27とは別部材として形成されていたが、固定プラグ27と固定ボルト37とを一体の部材として形成することもできる。しかしながら、上記のように、固定プラグ27と固定ボルト37とを別部品とすることで、インサートナット15に応じた固定ボルト37を採用することができ、係合治具30の汎用性を向上することができる。
更に、図7(B)を参照して、上記形態では、固定プラグ27の仮止めはOリング28で行ったが、Oリング28の替わりにマグネットを用いることもできる。この場合は、係合孔26の内部に於いて、強磁性体から成る固定プラグ27の上方にマグネットを配置する。このようにすることで、マグネットの磁力が固定プラグ27を引き寄せることで、固定プラグ27を係合させることが出来る。また、成形が終了した後は、固定プラグ27を容易に取り外すことができる。
10 繊維強化複合材部品
11 強化繊維シート
12 樹脂
13 底面部
14 側面部
15 インサートナット
16 取付部
20 成型金型
21 上金型
22 下金型
23 凸状部
24 凹状部
25 キャビティ
26 係合孔
27 固定プラグ
28 Oリング
29 凹状部
30 係合治具
31 頭部
32 軸部
33 筒状部
34 フランジ部
35 筒状部
36 フランジ部
37 固定ボルト
38 孔部
39 孔部
40 取付部形成部
41 フランジ受部



Claims (6)

  1. 締結部材が埋設された樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法に於いて、
    前記締結部材が埋設される箇所に係合部が形成された第1金型と、第2金型と、から成る成型金型を用意する工程と、
    前記第1金型の前記係合部に、固定プラグを介して前記締結部材を取り付ける工程と、
    前記第1金型と前記第2金型とを接近させることで形成されるキャビティの内部で樹脂を成形する工程と、
    前記第1金型および前記第2金型から、前記固定プラグが取り付けられた状態の前記樹脂成形品を取り出す工程と、
    前記樹脂成形品から前記固定プラグを離脱させる工程と、を具備し、
    前記締結部材はインサートナットであり、前記インサートナットは螺合構造により前記固定プラグに固定され、
    前記係合部は、前記第1金型に形成された係合孔であり、前記固定プラグは、前記係合孔に挿入されることで、前記第1金型に固定されることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記固定プラグと前記係合孔との間にOリングを配設することを特徴とする請求項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記固定プラグの外周面を全周的に窪ませることで凹状部を形成し、
    前記固定プラグの前記凹状部に前記Oリングを係合させることを特徴とする請求項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記固定プラグの端部にフランジ部を形成し、
    前記成形する工程では、前記固定プラグの前記フランジ部を、前記第1金型の内面に当接させることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記樹脂成形品は、繊維強化複合材部品であることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記固定プラグの近傍にマグネットを配設することを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の樹脂成形品の製造方法。
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