以下、実施形態の監視システム、監視局及び監視方法を、図面を参照して説明する。なお、以下の図面の説明において同じ構成には同じ符号を付して説明を書略する場合がある。
先ず、図1を用いて、観測局を監視する第1の監視システムのシステム構成を説明する。図1は、実施形態の第1の監視システムのシステム構成の一例を示す図である。図1において、第1の監視システムは、複数の観測局と、複数の観測局を監視する監視局1aとを持つ。
監視局1aは、複数の観測局において生成された観測データを取得する。監視局1aは、所定の地域に配置された複数の観測局を管轄する上位局(管轄局)であり、所定の地域に1又は複数が配置される。図1においては、監視局1aの1台が配置される場合を例示している。
観測局は、CH1〜CH3の3チャネルに分類されて監視局1aに接続されている。チャネルとは、観測局をグループ化するための分類であり、例えば、河川の水系毎に観測局をグループ化する。CH1の1局目(1−1)である観測局211、CH1の2局目(1−2)である観測局212等は、CH1に分類されている。同様に、CH2の1局目(2−1)である観測局221、CH2の2局目(2−2)である観測局222等は、CH2に、CH3の1局目(3−1)である観測局231、CH3の2局目(3−2)である観測局232等は、CH3に分類されている。
CH1の観測局211、観測局212等は、監視局1aに直接、通信可能に接続されている。一方、CH2の観測局221、観測局222等は、CH2の中継局402を介して監視局1aに通信可能に接続されている。また、CH3の観測局231、観測局232等は、CH3の中継局403を介して監視局1aに通信可能に接続されている。
中継局は、観測局と監視局との通信を中継する設備であり、山岳地域等に設置されて監視局との直接の通信が困難な観測局と監視局との通信を可能にする。中継局は、観測局と通信可能な場所に設置されるため、観測局の設置場所によって中継局402、中継局403等の複数の中継局が設置される。
本実施形態では、中継局402と通信する観測局221、観測局222等をCH2に分類し、中継局402はCH2の観測局が専用する。また、中継局403と通信する観測局231、及び観測局232等をCH3に分類し中継局403はCH3の観測局が専用する。CH毎に中継局を専用することにより、CH単位で観測局から観測データを取得したり、CH単位で後述する通信テストを実施したりする観測局とのCH単位の通信をする場合に、中継局の起動又は停止制御を、CH単位の通信に合わせて行うことが可能となる。例えば、CH単位で観測データを取得する場合、CH単位で観測データを取得する前に中継局を起動して、CH単位で観測データを取得した後に中継局を停止することにより、中継局の起動と停止はCH単位の通信の前後でそれぞれ1回とすることができる。但し、中継局は異なるCHの測定局で共有するようにしてもよい。中継局を共有することにより、中継局の設置台数を削減することが可能となる。
また、本実施形態においては、観測局221等の観測局は、中継局402等の1段の中継局を介して監視局1aと通信する場合を示すが、中継局は多段に構成されるものであってもよい。例えば、観測局が中継局Aと中継局Bの2段の中継局を介して監視局1aと通信する場合、観測局は、中継局A、中継局B、監視局1aの順に通信をする。中継局を多段に構成する場合、監視局に近い中継局を複数のCHで共有し、観測局に近い中継局をCH毎に専用するようにしてもよい。
次に、図2を用いて、警報局を監視する第2の監視システムのシステム構成を説明する。図2は、実施形態の第2の監視システムのシステム構成の一例を示す図である。図2において、第2の監視システムは、複数の警報局と、複数の警報局を監視する監視局1bと監視局1cを持つ。
監視局1b及び監視局1cは、複数の警報局に対して警報装置から警報を出力させる警報出力の指示を送信し、警報局が生成する警報装置の動作状態を示す動作状態データを取得する。監視局1b及び監視局1cは、所定の地域に配置された複数の警報局を管轄する上位局(管轄局)であり、所定の地域に1又は複数が配置される。図2においては、監視局1b又は監視局1cの2台が配置される場合を例示している。監視局1bは、第1ダムを管理する第1ダム管理事務所91に設置される。また、監視局1cは、第2ダムを管理する第2ダム管理事務所92に設置される。第1ダム管理事務所91は、監視局1bと、ダム制御装置910とを持つ。また、第2ダム管理事務所92は、監視局1cと、ダム制御装置920とを持つ。ダム制御装置910は、第1ダムのゲート開閉装置911を制御して、第1ダムのゲートの開閉制御を行う。また、ダム制御装置920は、第2ダムのゲート開閉装置921を制御して、第2ダムのゲートの開閉制御を行う。
ダム制御装置910を操作して第1ダムのゲート開閉装置911を動作させてゲートが開くと、第1ダムの貯水が放流されて、第1ダムの下流の水位が増加する。従って、ダム制御装置910を操作する操作者は、第1ダムのゲートを開く前に、監視局1bを操作して、第1ダムの下流にある警報局311〜警報局313に対して、警報装置から警報を出力する出力指示を送信する。同様に、ダム制御装置920を操作して第2ダムのゲート開閉装置921を動作させてゲートが開くと、第2ダムの貯水が放流されて、第2ダムの下流の水位が増加する。従って、ダム制御装置920を操作する操作者は、第2ダムのゲートを開く前に、監視局1cを操作して、第2ダムの下流にある警報局321〜警報局322等に対して、警報装置から警報を出力する出力指示を送信する。
なお、本実施形態では、監視局1b及び監視局1cから警報出力の出力指示は、操作者による手動で実施する場合を説明したが、監視局1b及び監視局1cから送信される警報出力の出力指示は自動的に送信されるものであってもよい。例えば、ダム制御装置910がゲート開閉装置911を制御するときに、監視局1bが警報出力の出力指示を自動的に送信するように制御してもよい。
また、第2ダムのゲートが開くと、第2ダムの貯水が放流されて、第2ダム下流の水位が増加する。従って、ダム制御装置920を操作する操作者は、第2ダムのゲートを開く前に、監視局1cを操作して、第2ダムの下流にある警報局321〜警報局322等に対して、警報装置から警報を出力するようにする。
第1ダムは第2ダムの上流に位置し、第1ダムを放流すると第2ダムの貯水が増加する。第1ダム管理事務所91と第2ダム管理事務所92は通信可能に接続されて、例えば、それぞれのダムのゲート開閉制御等の情報、警報局に対する警報出力の指示の情報等を共有するようにしてもよい。
警報局は、河川の上流から順番に配置され、流域の人に対して河川の水位の情報を警告する。第1ダムの下流には、上流から、1局目(1−1)の警報局311、2局目(1−2)の警報局312、3局目(1−3)の警報局313が配置されている。警報局311〜警報局313は、第1ダムの放流によって水位が上昇する場所に配置され、監視局1bから出力される警報出力の指示に基づき警報を出力する。また、第2ダムの下流には、上流から、1局目(2−1)の警報局321、2局目(2−2)の警報局322、3局目(2−3)の警報局323等が配置されている。警報局321〜警報局322は、第2ダムの放流によって水位が上昇する場所に配置され、監視局1cから出力される警報出力の指示に基づき警報を出力する。なお、警報局の配置数は任意である。
警報局311は、監視局1bに直接、通信可能に接続されている。一方、警報局312及び警報局311は、中継局405を介して監視局1bに通信可能に接続されている。また、警報局321は、監視局1cに直接、通信可能に接続されている。一方、警報局322は、中継局406を介して監視局1cに通信可能に接続されている。
中継局は、警報局と監視局との通信を中継する設備であり、山岳地域等に設置されて監視局との直接の通信が困難な警報局と監視局との通信を可能にする。中継局は、警報局と通信可能な場所に設置される。
本実施形態では、中継局405は、第1ダム管理事務所91に設置された監視局1bと通信する警報局312及び警報局3131が専用する。監視局1bと通信する警報局312及び警報局3131が中継局405を専用することにより、監視局1bから警報局との通信テストを実施する場合に、中継局の起動又は停止制御を、監視局1bからの通信テストに合わせて行うことが可能となる。なお、中継局の配置は任意であり、例えば、中継局405と中継局406を共用するようにしてもよい。また、図1の観測局と監視局との中継と同様に、警報局との中継においても中継局を多段にするようにしてもよい。
また、監視局1bは、警報局312〜警報局313に警報出力の指示を送信する場合、下流の監視局1cに対しても警報出力の指示を送信し、監視局1bから警報出力の指示を受信した監視局1cは、監視局1cと通信する警報局321、警報局322等に警報出力の指示を送信するようにしてもよい。
次に、図3を用いて、監視局のシステム構成を説明する。図3は、実施形態の監視局のシステム構成の一例を示す図である。
図3において、監視局1は、監視装置11、管理端末12、操作卓13、操作盤14を持つ。監視装置11は、監視局1において子局と通信して子局を制御する。監視装置11は、例えばサーバ装置である。管理端末12は、例えばPC(Personal Computer)である。操作卓13は、監視装置11の操作を行い、監視装置11の監視を行うための卓状の操作入力装置である。操作卓13はスイッチ類、ランプ類等の入出力部品が配され、監視装置11に対する手動操作等を行う。操作盤14も操作卓13と同様に、監視装置11の操作を行い、監視装置11の監視を行うための装置であり、例えば、スイッチ類、ランプ類を制御盤のパネルに配している。
監視装置11は、制御部110、回線切換部111、通信制御部112、データ取得部113、中継局制御部114、時刻制御部115、試験信号制御部116、操作制御部117、操作制御部118、外部I/F(Interface)119の各機能を持つ。
なお、監視装置11の各機能は、それぞれハードウェアで実現しても、ソフトウェアで実現しても、又はハードウェアの一部にソフトウェアを用いたミドルウェアで実現してもよい。また、監視装置11の各機能は、機能によって機能ブロックで表したものであるため、それぞれの機能は、複数の機能ブロックに分割して表されてもよい。また、複数の機能の一部又は全部をまとめて1つの機能ブロックで表されてもよい。すなわち、本実施形態で説明する監視装置11の各機能の区分は便宜上の区分であって、監視装置11がその機能を有する限り本実施形態に含まれるものとする。監視装置11の各機能は、例えば、制御部10が実行するプログラムによって実現することもできる。
同様に、本実施形態において説明する各装置の各機能は、それぞれハードウェアで実現しても、ソフトウェアで実現しても、又はハードウェアの一部にソフトウェアを用いたミドルウェアで実現してもよい。また、各装置の各機能は、機能によって機能ブロックで表したものであるため、それぞれの機能は、複数の機能ブロックに分割して表されてもよい。また、複数の機能の一部又は全部をまとめて1つの機能ブロックで表されてもよい。すなわち、本実施形態で説明する監視装置11の各機能の区分は便宜上の区分であって、各装置がその機能を有する限り本実施形態に含まれるものとする。各装置の各機能は、例えば、それぞれの装置における制御部が実行するプログラムによって実現することもできる。本実施形態において説明する各装置の各機能とは、例えば、図7における監視装置11、図3及び図7における管理端末12、図4における観測局2、図5における警報局3、図7における子局5、並びに図6及び図7における中継局4の各機能である。
制御部110は、監視装置11を制御する。制御部110は、回線切換部111、通信制御部112又はデータ取得部113等の上記監視装置の各機能を実現する。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置である。
回線切換部111は、通信回線を切り換える。監視装置11は、無線装置15、多重無線装置16及び有線装置17の通信装置が接続されている。回線切換部111は、接続された通信装置との接続を切り換える。無線装置15は、子機と無線通信を行う。多重無線装置16は、子機と多重回線による無線通信を行う。有線装置17は、子機と有線回線によって通信を行う。すなわち、回線切換部111は、接続された通信装置を切り換えることにより、子機との通信回線を切り換えることができる。図1又は図2で説明した観測局との通信、又は警報局との通信は、上記無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17の通信装置のいずれかを用いた通信によって行うことができる。回線切換部111の回線の切り換えは、通信制御部112によって行われる。
通信制御部112は、子局との通信を制御する。通信制御部112は、回線切換部111を用いて無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17との接続を切り換え、無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17のいずれかの通信回線を使用して子局と通信する。通信制御部112はそれぞれの通信回線に応じた通信データ符号化及び複合化を行う。
データ取得部113は、子局からデータを収集する。子局として例示する観測局は、センサが測定した測定データに基づき観測データを生成する。センサは、例えば、測定データとして河川の水位を測定する水位計、測定場所の雨量を測定する雨量計、測定場所の積雪量を測定する積雪量計等である。観測局は、センサから出力される測定データに対して所定の1次演算処理を行い観測データを生成する。すなわち、データ取得部113は、観測局から観測データを収集する。なお、1次演算処理の詳細は図4を用いて後述する。
観測局は、例えば、国土交通省で定めたテレメータ装置標準機器仕様書(国電通仕第21号)に基づくテレメータ装置を用いることができる。国電通仕第21号に基づくテレメータ装置とは、所定の呼出信号を受信したときに観測データを送信するテレメータ装置である。国電通仕第21号に基づくテレメータ装置は、呼出信号を受信することにより、観測データを送信する。
観測局が国電通仕第21号に基づくテレメータ装置である場合、データ取得部113は、観測局に対して呼出信号を送信することにより、観測局から観測データを収集する。データ取得部113は、国電通仕第21号に基づくテレメータ装置から観測データを収集する場合、呼出信号を定時間隔で自動的に送信する自動呼出と、呼出信号を操作者の操作によって送信する手動呼出のいずれかの方法を用いることができる。
データ取得部113は、自動呼出において観測局に送信する呼出信号の定時間隔を、例えば、10分、15分、30分、又は1時間等とすることができる。データ取得部113は、自動呼出を行う場合、観測データを定時間隔で繰り返し収集することができる。
データ取得部113は、呼出信号を送信する定時間隔を任意に変更できるようにしてもよい。定時間隔を任意に変更する方法としては、例えば、データ取得部113は、収集した観測データに異常がある場合、データを収集する時間間隔を短くしてもよい。観測データに異常がある場合とは、例えば、観測データの数値が所定の値を超えた場合、観測データの数値の変動量に異常があった場合、観測データが欠測となった場合等である。観測データが所定の値を超えた場合、データ取得部113は、時間間隔を短くして呼出信号を送信するようにしてもよい。また、測定データが欠測となった場合、データ取得部113は、直ちに呼出信号を送信するようにしてもよい。
また、観測局が国電通仕第21号に基づくテレメータ装置である場合、データ取得部113は、呼出において、任意のタイミングで操作者が操作卓13等を手動操作したときに子局からデータを収集するようにしてもよい。
なお、観測局が国電通仕第54号に基づくテレメータ装置である場合、データ取得部113は、観測局が定時間隔で送信する観測データを収集する。国電通仕第54号に基づくテレメータ装置とは、時刻に基づく定時間隔で自発的に観測データを送信するテレメータ装置である。定時間隔は、1分、5分、10分、30分、又は1時間であり、テレメータ装置が観測データを送信する定時間隔をいずれかの時間間隔に設定することができる。観測局が国電通仕第54号に基づくテレメータ装置である場合、データ取得部113は、観測局において設定された時間間隔でのみ観測データを取得することができ、データ取得部113から観測データの取得を要求することができない。また、国電通仕第54号に基づくテレメータ装置は、監視局から送信される信号を受信する受信機能を持たないため、本実施形態において後述する監視局から送信される試験信号の取得要求を受信することはできない。しかし、観測局において試験信号の取得要求を受信して、取得要求に応じた試験信号を送信する機能を追加することにより、観測局が国電通仕第54号に基づくテレメータ装置である場合であっても、本実施形態を適用することは可能である。
また、子局として例示する警報局は、警報を出力する警報装置の動作状態を示す動作状態データを生成する。警報装置は、例えば、サイレン設備、放送設備、回転灯、表示設備等、ダムの放流を警告する設備である。警報局は、警報装置が動作しているか否かの動作状態を検出し、動作状態を示す動作状態データを生成する。動作状態とは、例えば、起動中、停止中、保守中、起動状態不明等である。動作状態データにおいて、データの所定ビットにON又はOFFのフラグを立てることにより動作状態を示すようにしてもよい。
警報局は、例えば、国土交通省で定めた放流警報装置標準仕様書(国電通仕第27号)に基づく放流警報装置を用いることができる。国電通仕第27号に基づく放流警報装置とは、監視局から所定の呼出信号を受信したときに、警報装置を用いてサイレン吹鳴、擬似音吹鳴及び音声放送等の動作を行う放流警報装置である。呼出信号を受信した放流警報装置は、呼出信号を送信した監視局に対して、警報装置等の動作状態を示す信号を返送する。観測局が国電通仕第27号に基づく放流警報装置である場合、データ取得部113は、観測局に対して呼出信号を送信することにより、警報局から動作状態を示すデータを収集することができる。
中継局制御部114は、中継局を制御する。中継局は、図1又は図2で説明した通り、監視局1と子局(観測局又は警報局)との通信を中継する。従って、監視局1が子局と通信を行う場合、中継局が正常に動作している必要がある。中継局制御部114は、例えば、中継局を制御して、中継局が正常に動作しているか否かの動作状態を示すデータを取得する。また、中継局は、監視局と直接通信が困難な山岳地域に設置された子局との通信を中継するものである。このため、中継局自体も急峻な山岳の山頂等、商用電源の送電が困難な場所に設置されてバッテリで動作する場合がある。中継局がバッテリで動作をする場合等においては、中継局における消費電力の低減を図る必要がある。中継局制御部114は、監視局と子局が通信するときにのみ中継局を起動し、通信が終了したときに中継局を停止する制御を行うことにより、中継局の省電力化を図ることが可能となる。
時刻制御部115は、内部時計の時刻を制御する。タイマはデータ取得部113が定時間隔でデータを収集するときに時刻を判断するときに利用される。時刻制御部115は、例えば、GPS装置やNTP(Network Time Protocol)装置によって内部時計の時刻が所定の誤差の範囲内になるように制御する。
試験信号制御部116は、子局との通信を試験するための試験信号を制御する。試験信号制御部116は、子局に対して試験信号の取得要求を送信する。子局は取得要求に応じて試験信号を監視局1に送信する。試験信号制御部116は、子局が送信した試験信号を取得する。子局との通信を試験するための試験信号は複数種類の試験信号を用いることができる。試験信号制御部116は、通信を試験するための試験信号を選択可能に管理端末12に表示する。試験信号制御部116は、管理端末12において選択された試験信号を取得する取得要求を子局に送信する。子局は取得要求に応じて試験信号を選択し、選択した試験信号を監視局1に送信する。試験信号制御部116は、選択された試験信号を取得することにより、選択された試験信号による子局との通信を試験することができる。
試験信号制御部116は、試験信号として、子局との通信における通信ノイズを測定して通信を試験するための試験信号を選択可能に表示する。通信ノイズを測定して通信を試験するための試験信号としては、例えば、S/N制御信号、N制御信号等を用いることができる。S/N制御信号は、所定の信号情報を含む信号であり、受信されたS/N制御信号の信号情報とノイズの信号レベルの比によって子局との通信状態を試験するものである。また、N制御信号は、S/N制御信号における信号情報を含まない信号であり、受信されたN制御信号のノイズの信号レベルによって子局との通信状態を試験するものである。
また、試験信号制御部116は、試験信号として、所定周波数における子局との通信における通信状況を確認して通信を試験するための試験信号を選択可能に表示する。所定周波数における子局との通信における通信状況を確認して通信を試験するための試験信号としては、例えば、1KHz信号、マーク信号、スペース信号等を用いることができる。
1KHz信号とは、周波数が1KHzの試験信号であり、1KHzの試験信号において子局と通信可能であるか否かを試験するものである。
マーク信号とは、例えば、中心周波数に対して−400Hz(通信が1200bps(ビット毎秒)である場合)、又は中心周波数に対して−100Hz(通信が200bpsである場合)等の試験信号であり、マーク信号において子局と通信可能であるか否かを試験するものである。ここで中心周波数とは、通信で用いる信号の中心の周波数であり、例えば、通信が1200bpsである場合は1700Hz、通信が200bpsである場合は、800Hz、1200Hz、1600Hz、2000Hz又は2400Hz等の周波数を用いることができる。中心周波数に対して−の周波数をマーク信号として使用する。
また、スペース信号とは、例えば、中心周波数に対して+400Hz(通信が1200bpsである場合)、又は中心周波数に対して+100Hz(通信が200bpsである場合)等の試験信号であり、スペース信号において子局と通信可能であるか否かを試験するものである。中心周波数に対して+の周波数をスペース信号として使用する。
操作制御部117は操作卓13を制御して、操作卓13からのスイッチ等の操作による操作入力を取得し、ランプ等の表示出力を出力する。操作制御部118は操作盤14を制御して、操作盤14からのスイッチ等の操作による操作入力を取得し、ランプ等の表示出力を出力する。
外部I/F119は、管理端末12と監視装置11とを接続するためのI/Fである。
外部I/F119は管理端末12と所定の通信プロトコルで通信する。本実施形態では、監視装置11と管理端末12は1対1で接続される場合を例示するが、外部I/F119は、監視装置11と管理端末12を1対他、又は他対1で接続するものであってもよい。
また、外部I/F119は、ネットワークを介して管理端末12と接続するものであってもよい。
管理端末12は、制御部120、子局選択制御部121、試験信号選択制御部122、表示部123及び操作・入力部124の各機能を持つ。制御部120は、管理端末12の各機能を制御する。
子局選択制御部121は、通信試験をする試験対象の子局を選択可能に表示部123に表示する。試験対象の子局は、監視局1と通信する観測局又は警報局である。子局選択制御部121は、子局の選択画面を表示部123に表示し、操作者に対が子局を選択できるようにする。操作者は表示部123に表示された子局の中から通信の試験対象の子局を選択する。子局の選択は1の子局を選択するものであっても複数の子局を選択するものであってもよい。子局選択制御部121は、選択された子局を試験信号制御部116に対して通知する。試験信号制御部116は、子局選択制御部121で選択された子局に対して試験信号の取得要求を送信する。
試験信号選択制御部122は、通信試験で使用する試験信号を選択可能に表示部123に表示する。試験信号の種類は後述する。試験信号選択制御部122は、試験信号の選択画面を表示部123に表示し、操作者が試験信号を選択できるようにする。操作者は表示部123に表示された試験信号の中から試験に使用する試験信号を選択する。試験信号の選択は1の試験信号を選択するものであっても複数の試験信号を選択するものであってもよい。試験信号選択制御部122は、選択された試験信号を試験信号制御部116に対して通知する。試験信号制御部116は、試験信号選択制御部122で選択された試験信号の取得要求を、子局選択制御部121で選択された子局に対して送信する。
表示部123は、管理端末12の表示装置であり、例えば液晶表示装置である。また、操作・入力部124は、管理端末12の操作入力装置であり、例えばキーボードやマウスである。
次に、図4を用いて、子局として例示する観測局のシステム構成を説明する。図4は、実施形態の観測局のシステム構成の一例を示す図である。図4において、観測局2は、制御部20、センサ通信部21、呼出制御部22、試験部23、通信制御部24、回線切換部25及び電源部26の各機能を持つ。制御部20は、観測局2の各機能を制御する。
センサ通信部21は、水位計2101、雨量計2102、積雪量計2103等の各センサと通信し、各センサが測定した測定データを収集する。センサ通信部21に接続されるセンサの種類又は数は任意である。センサは、例えば、道路気象に関して、気温、路面温度、風速、風向等を測定するものであってもよい。また、センサは、水質に関して、水温、pH、電気伝導度、濁度、溶存酸素等を測定するものであってもよい。
センサ通信部21が各センサから取得した測定データは、制御部20において1次演算処理される。1次演算処理とは、例えば測定データの補正や単位変換である。各センサから取得した測定データは、センサの型式、設置場所等により測定誤差を含む場合がある。
制御部20は、取得された測定データに基づき、測定データを補正する1次処理を行うことにより、誤差を補正した観測データを生成する。また、各センサから出力される測定データは、センサが出力する電圧値や電流値である場合があり、制御部20は、電圧値等の測定データに基づき、水位(m)、雨量(mm)、積雪量(mm)、気温(度)、ペーハー(pH)等、データの意味を理解可能な単位に単位変換した観測データを生成する。
呼出制御部22は、監視局1のデータ取得部113から送信される呼出信号を受信して、センサ通信部21が取得した測定データに基づく観測データを監視局1に送信する。呼出信号には観測局2が送信可能な観測データの中で取得対象を指定する指定情報を含んでいてもよい。指定情報は、例えば、水位、雨量等、個別の観測データを指定する。呼出制御部22は、指定された観測データを監視局に送信する。なお、観測データには、上述した水位等の気象データ以外に、例えば電源の異常、観測所のドアの開閉等の特殊情報を含んでいてもよい。
試験部23は、試験信号の取得要求に対応した試験信号を送信する。図3において説明したように、監視局1の管理端末12において、監視装置S/N制御信号、N制御信号、1KHz信号、マーク信号又はスペース信号の少なくともいずれか1の試験信号が選択され、監視局1から観測局2に対して、選択された試験信号を取得する取得要求が送信される。試験部23は、選択された試験信号の取得要求を受信して、選択された試験信号を監視局に対して送信する。試験信号のデータは、予め試験部23が所定の記憶部に記憶しておくことができる。試験部23は、取得要求に応じて、予め記憶部に記憶された試験信号のデータを用いて、試験信号を監視局に送信するようにしてもよい。また、試験部23は、取得要求に応じた試験信号を生成して監視局に送信するようにしてもよい。
通信制御部24は、監視局との通信を制御する。通信制御部24は、回線切換部25で使用する通信回線を切り換えて、無線装置27、多重無線装置28又は有線装置29のいずれかの通信回線を用いて監視局と通信する。通信制御部24はそれぞれの通信回線に応じた通信データ符号化及び複合化を行う。なお、使用する通信回線は、監視局が使用する通信回線と予め定めておく。
回線切換部25は、通信制御部24が使用する通信回線を切り換える。回線切換部25は、無線装置27、多重無線装置28及び有線装置29の通信装置との接続を切り換えることができる。無線装置27、多重無線装置28及び有線装置29は、図3で説明した監視局1に接続される無線装置15、多重無線装置16及び有線装置17とそれぞれの通信回線において通信する。
電源部26は、観測局2で使用する電力を供給する。電源部26は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。制御部20は、電源部26が供給する電力の低下等の電源の異常を監視して、電源に異常が発生した場合、通信制御部24を介して電源の異常を監視局に通信するようにしてもよい。
制御部20は、電源部26からの電力供給状態に応じて観測局2の起動状態を変更するようにしてもよい。例えば、通常は監視局からの通信を受信できるだけの電力供給状態(省電力状態)にしておき、呼出信号又は試験信号取得要求を受信したときに、上述した測定データの収集、観測データの生成、観測データの送信、試験信号の送信等の動作を行うことができる電力供給状態(起動状態)としてもよい。観測データの送信、試験信号の送信等の動作が終了したときには、制御部20は、再び省電力状態に戻すようにしてもよい。
次に、図5を用いて、子局として例示する警報局のシステム構成を説明する。図5は、実施形態の警報局のシステム構成の一例を示す図である。図5において、警報局3は、制御部30、警報制御部31、呼出制御部32、試験部33、通信制御部34、回線切換部35及び電源部36の各機能を持つ。制御部30は、警報局3の各機能を制御する。
警報制御部31は、サイレン設備3101、放送設備3102、回転灯3103、表示設備3104の動作を制御する。警報制御部31は、呼出制御部32が監視局から取得した呼出信号に基づいて、サイレン設備3101、放送設備3102、回転灯3103、表示設備3104の動作を制御する。
サイレン設備3101は、サイレンを吹鳴してサイレン音を出力して危険を報知する設備である。サイレン設備3101は、擬似音(擬声音)を出力するものであってもよい。
放送設備3102は、警報局3又は監視局等に設置されたマイク設備によって集音された操作者等の音声を出力して危険を報知する設備である。回転灯3103は、所定色のライトを回転表示させて視覚によって危険を報知する設備である。表示設備3104は、電光掲示等により文字や図形を表示して危険を報知する設備である。サイレン設備3101、放送設備3102、回転灯3103及び表示設備3104は、ダムの放流による水位上昇等の危険情報を報知する。以下、サイレン設備3101、放送設備3102、回転灯3103又は表示設備3104等の装置を「警報装置」という。
警報制御部31は、警報装置が正常に動作しているかを監視する。例えば、警報制御部31は、各警報装置の電源が正常であるか否かを監視する。また、警報制御部31は、サイレン設備3101が出力したサイレン音をマイクで集音し、集音した音量に異常値が検出されたか否かを監視してもよい。また、警報制御部31は、回転灯3103の動作をセンサで検出して動作が正常であるか否かを監視してもよい。警報制御部31は、警報装置の動作が正常であるか否か、又は異常値が検出されたか否か等の警報装置の動作状態を示す動作状態データを生成する。動作状態データは、呼出制御部32が取得した呼出信号において動作が指定された警報装置の動作状態を含む。例えば、呼出信号がサイレン設備3101からサイレン音を出力させるものである場合、警報制御部31は、サイレン設備3101の動作状態を監視してサイレン設備3101の動作状態に基づき動作状態データを生成する。但し、動作状態データには、呼出信号によって動作が指定された警報装置以外の警報装置の動作状態が含まれていてもよい。例えば、呼出信号がサイレン設備3101の動作を指定するものである場合であっても、警報制御部31は、放送設備3102、回転灯3103又は表示装置314の動作状態を動作状態データに含めてもよい。また、警報制御部31は、呼出制御部32が呼出信号を受信する前に検知した警報装置の異常を含む動作状態データを生成してもよい。すなわち、警報制御部31は、生成する動作状態データの内容、動作状態データの生成時期を任意に変更するようにしてもよい。警報制御部31は、生成した動作状態データを、呼出信号を受信した呼出制御部32に送信する。また、警報制御部31は、生成した動作状態データを、通信制御部34を介して監視局に直接送信してもよい。
呼出制御部32は、監視局1のデータ取得部113から送信される呼出信号を受信して、警報制御部31に対して、動作させる警報装置を指定する。また、呼出制御部32は、警報制御部31が生成した動作状態データを取得して、通信制御部34を介して監視局に送信する。呼出信号には上述したように、動作させる警報設備を指定する情報が含まれる。呼出制御部22は、動作を指定された警報設備の動作状態を含む動作状態データを監視局に送信する。なお、動作状態データには、警報装置の動作状態以外に、例えば電源の異常、観測所のドアの開閉等の特殊情報を含んでいてもよい。
試験部33は、図で説明した監視局1の試験信号制御部116から取得した試験信号取得要求に対して、警報装置の動作試験を実施する。動作試験は、警報制御部31に対して警報装置を起動して試験動作させる。警報装置の試験動作は、呼出信号に基づく警報装置の動作と同様に、サイレン設備3101、放送設備3102、回転灯3103、表示設備3104を動作させる。しかし、試験動作は、呼出信号に基づく警報装置の動作より警報装置の動作時間を短縮したり、出力されるサイレン音や表示内容を変更したりするものであってもよい。試験部33は、警報制御部が生成する動作状態データを取得して、監視局に送信する。
通信制御部34は、監視局との通信を制御する。通信制御部34は、回線切換部35で使用する通信回線を切り換えて、無線装置37、多重無線装置38又は有線装置39のいずれかの通信回線を用いて監視局と通信する。通信制御部34はそれぞれの通信回線に応じた通信データ符号化及び複合化を行う。なお、使用する通信回線は、監視局が使用する通信回線と予め定めておく。
回線切換部35は、通信制御部34が使用する通信回線を切り換える。回線切換部35は、無線装置37、多重無線装置38及び有線装置39の通信装置との接続を切り換えることができる。無線装置37、多重無線装置38及び有線装置39は、図3で説明した監視局1に接続される無線装置15、多重無線装置16及び有線装置17とそれぞれの通信回線において通信する。
電源部36は、警報局3で使用する電力を供給する。電源部36は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。制御部30は、電源部36が供給する電力の低下等の電源の異常を監視して、電源に異常が発生した場合、通信制御部34を介して電源の異常を監視局に通信するようにしてもよい。
制御部30は、電源部36からの電力供給状態に応じて警報局3の起動状態を変更するようにしてもよい。例えば、通常は監視局からの通信を受信できるだけの電力供給状態(省電力状態)にしておき、呼出信号又は試験信号取得要求を受信したときに、上述した、警報装置の動作、警報装置の動作状態の監視、動作状態データの生成、動作状態データの送信等の動作を行うことができる電力供給状態(起動状態)としてもよい。動作状態データの送信の送信等の動作が終了したときには、制御部30は、再び省電力状態に戻すようにしてもよい。
次に、図6を用いて、中継局のシステム構成を説明する。図6は、実施形態の中継局のシステム構成の一例を示す図である。図6において、中継局4は、制御部40、中継制御部41、状態返送部42、試験部43及び電源部44の各機能を持つ。制御部40は、中継局4の各機能を制御する。
中継制御部41は、監視局と子局との通信の中継を制御する。中継制御部41は、無線受信機1号411、無線受信機2号412、無線送信機1号413、無線送信機2号414を制御する。中継制御部41は、監視局から受信する通信データを中継局4に接続された子局に対して中継する。
無線受信機1号411及び無線受信機2号412は、通信データを受信する。中継制御部41は、無線受信機1号411又は無線受信機2号412の少なくともいずれか一の受信機を動作させて、監視局又は子局から送信された通信データを受信する。無線受信機1号411及び無線受信機2号412が同一周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として、一方の無線装置に不具合が発生した場合他方の無線装置からの通信に切り換える。また、無線受信機1号411及び無線受信機2号412が異なる周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として使用する以外に、無線受信機1号411及び無線受信機2号412の両方を使用して無線通信を多重化するようにしてもよい。
また、無線送信機1号413及び無線送信機2号414は、通信データを送信する。中継制御部41は、無線送信機1号413又は無線送信機2号414の少なくともいずれか一の送信機を動作させて、無線受信機1号411又は無線受信機2号412が受信した通信データを監視局又は子局に対して送信することにより、通信データを中継する。無線送信機1号413及び無線送信機2号414が同一周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として、一方の無線装置に不具合が発生した場合他方の無線装置からの通信に切り換える。また、無線送信機1号413及び無線送信機2号414が異なる周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として使用する以外に、無線送信機1号413及び無線送信機2号414の両方を使用して無線通信を多重化するようにしてもよい。
状態返送部42は、図3で説明した監視局1の中継局制御部114からの動作状態の取得要求に対して、中継局4の動作状態データを返送する。中継局4の動作状態とは、例えば、電源部44から供給される電力の電力供給状態である。制御部40、バッテリの省電力のため、監視局と子局が通信するときにのみ中継動作を行う電力供給制御を行うことができる。制御部40は、中継局制御部114から起動を指示する信号を受信して、中継動作が可能な電力供給状態(起動状態)にするとともに、中継局制御部114から停止を指示する信号を受信して、監視局からの通信データを受信することができる電力供給状態(省電力状態)にする、電力供給状態の制御を行う。状態返送部42は、中継局制御部114から起動を指示する信号を受信したときに、起動状態になったことを示す動作状態を監視局に対して返送する。
試験部43は、図3で説明した監視局1の試験信号制御部116から取得した試験信号取得要求に対して、中継局4の動作試験を実施する。動作試験は、電力供給状態を省電力状態から起動状態に切り換える動作が正常に行われるか否かを試験する。試験部43は、電力供給状態を切り換えるとともに、動作状態を監視局に返送する。
電源部44は、中継局4で使用する電力を供給する。電源部44は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。制御部40は、電源部44が供給する電力の低下等の電源の異常を監視して、電源に異常が発生した場合、中継制御部41を介して電源の異常を監視局に通信するようにしてもよい。
次に、図7を用いて監視システムのテスト動作を説明する。図7は、実施形態の監視システムのテスト動作の一例を示す図である。
図7において、監視システムは、管理端末12、監視装置11、中継局4及び子局5を持つ。
管理端末12は、テスト信号出力要求指示部1201、状態表示部1202及びテスト結果表示部1204の各機能を持つ。例えば、テスト信号出力要求指示部1201、状態表示部1202及びテスト結果表示部1204の機能は、例えば、図3で説明した制御部120によって実現することができる。
監視装置11は、中継局起動停止指令部1101、状態受信部1102、テスト信号出力要求取得部1103、テスト信号出力要求部1104、テスト信号判定部1105及び判定結果通知部1106の各機能を持つ。中継局起動停止指令部1101及び状態受信部1102は、例えば、図3で説明した中継局制御部114で実現することができる。テスト信号出力要求取得部1103、テスト信号出力要求部1104、テスト信号判定部1105及び判定結果通知部1106の機能は、例えば、図3で説明した試験信号制御部116で実現することができる。
中継局4は、起動停止指令受信部4001、起動制御部4002、状態返送部4003の各機能を持つ。例えば、起動停止指令受信部4001は、中継制御部41の機能によって実現することができる。起動制御部4002は制御部40の機能によって実現することができる。状態返送部4003の機能は、状態返送部42の機能によって実現することができる。
子局5は、テスト信号要求受信部501及びテスト信号出力部502の各機能を持つ。
テスト信号要求受信部501及びテスト信号出力部502の機能は、例えば、図4で説明した試験部23又は図5で説明した試験部33で実現することができる。
管理端末12のテスト信号出力要求指示部1201は、テスト信号の出力要求の送信を指示するためのテスト信号出力要求指示を送信する。テスト信号出力要求指示には、テスト信号の出力を要求する子局5を指定する情報が含まれている。
中継局起動停止指令部1101は、中継局4の起動停止指令受信部4001に対して中継局4を起動又は停止する指令である起動指令又は停止指令を送信する。テスト信号出力要求指示を受信した中継局起動停止指令部1101は、指定された子局が、中継局を介して監視局と通信する、中継局を介さずに監視局と通信するのかを判断する。子局が、中継局を介して監視局と通信する中継有りの子局であるか、中継局を介さずに監視局と通信する中継なしの子局であるかは、予め管理端末12から監視装置11に対して設定しておくことができる。子局が中継有りの子局であった場合、中継局起動停止指令部1101は、中継局4の起動停止指令受信部4001に対して中継局4を起動する指令である起動指令を送信する。
起動指令又は停止指令を受信した起動停止指令受信部4001は、受信した起動指令又は停止指令を起動制御部4002に送信する。起動指令を受信した起動制御部4002は、中継局4を起動(起動状態に)し、停止指令を受信した起動制御部4002は、中継局4を停止(省電力状態に)する。起動制御部4002は、状態返送部4003に対して、中継局4が起動中か停止中か等を示す動作状態の返送を指示する。状態返送部4003は、監視局1の状態受信部1102に対して動作状態を返送する。
状態受信部1102は返送された動作状態を、中継局起動停止指令部1101に通知するとともに、管理端末12の状態表示部1202に通知する。なお、中継局起動停止指令部1101は、中継局4が既に起動状態である場合には中継局4に対して起動指令を送信しない。また、中継局起動停止指令部1101は、中継局起動停止指令部1101から受信したテスト信号出力要求指示で指定された子局からのテスト信号の受信が完了したときには、中継局4の起動停止指令受信部4001に対して中継局4を停止する指令である起動指令を送信する。
状態表示部1202は通知された中継局4の動作状態を図3で説明した表示部123等に表示する。
一方、子局が中継なしの子局であった場合、又は子局が中継有りの子局であって中継局が起動状態となった場合、中継局起動停止指令部1101は、監視装置11のテスト信号出力要求取得部1103に対して、テスト信号の出力要求の送信を指示するためのテスト信号出力要求指示を送信する。
テスト信号出力要求指示を受信したテスト信号出力要求取得部1103は、テスト信号出力要求部1104に対してテスト信号の出力要求の送信を指示する。テスト信号の出力要求の送信を指示されたテスト信号出力要求部1104は、子局5のテスト信号要求受信部501に対して、テスト信号出力要求を送信する。なお、監視装置11と子局5が中継局4を中継して通信を行う場合、テスト信号出力要求の送信は中継局4を介して行われる。
テスト信号出力要求を受信したテスト信号要求受信部501は、テスト信号出力部502に対して、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を送信するテスト信号送信指示を送信する。テスト信号送信指示を受信したテスト信号出力部502は、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を監視装置11のテスト信号判定部1105に送信する。なお、監視装置11と子局5が中継局4を中継して通信を行う場合、テスト信号の送信は中継局4を介して行われる。
テスト信号を受信したテスト信号判定部1105は、テスト信号に基づき子局5との通信状態を判定し、判定結果を判定結果通知部1106に送信する。判定結果を受信した判定結果通知部1106は、判定結果を管理端末12のテスト結果表示部1204に通知する。
判定結果が通知されたテスト結果表示部1204は、通知された判定結果を図3で説明した表示部123等に表示する。
次に、図8を用いて、図1で説明した監視局、中継局及び観測局からなる第1の監視システムにおける、第1の動作について説明する。図8は、実施形態の第1の監視システムの第1の動作の一例を示すシーケンス図である。ここで第1の監視システムにおける第1の動作とは、監視局が観測局から観測データをCH毎に収集する動作をいう。
図8において、第1の監視システムは、図1で説明した通り、監視局1a、観測局211、観測局212、中継局402、観測局221及び観測局222を持つ。
図8(a)〜(d)は、監視局1aがCH1の観測局211及び観測局212から観測データを収集する動作である。CH1の観測局211及び観測局212は、中継局を介さずに監視局1aと直接通信する。
監視局1aは、観測局211に対して呼出信号を送信するとともに(a)、観測局212に対して呼出信号を送信する(b)。第1の動作においては、観測データの収集をCH毎に行うため、呼出信号の送信をCH毎に行う。呼出信号に対して、観測局211は観測データを返送する(c)。観測データの返送は、図4で説明した呼出制御部22によって行うことができる。同様に、観測局212も観測データを返送する(d)。
図8(e)〜(l)は、監視局1aがCH2の観測局221及び観測局222から観測データを収集する動作である。CH2の観測局211及び観測局212は、中継局402を介して監視局1aと通信する。
監視局1aは、中継局402に対して起動指令を送信する(e)。図7で説明した通り、中継局402の起動停止指令受信部4001は起動指令を受信すると起動指令を起動制御部4002に送信し、起動指令を受信した起動制御部4002は、中継局402を起動(起動状態に)して通信を中継可能な状態にする。起動制御部4002は、状態返送部4003に対して、中継局402が起動中であることを示す動作状態の返送を指示し、状態返送部4003は、監視局1aの状態受信部1102に対して動作状態を返送する(f)。
監視局1aは、観測局221に対して中継局402を介して呼出信号を送信するとともに(g)、観測局222に対して中継局402を介して呼出信号を送信する(h)。呼出信号に対して、観測局221は観測データを返送する(i)。呼出信号に対して、観測局222は観測データを返送する(j)。
監視局1aは、CH1の観測局211及び観測局212、並びにCH2の観測局221及び観測局222からの観測データの収集が終了すると、中継局402に対して停止指令を送信する(k)。停止指令を受信した起動制御部4002は、中継局4を停止(省電力状態に)する。起動制御部4002は、状態返送部4003に対して、中継局4が停止中であることを示す動作状態の返送を指示する。状態返送部4003は、監視装置11の状態受信部1102に対して動作状態を返送する(l)。
監視局1aが観測局から観測データをCH毎に収集することにより、中継局を介して通信を行う観測局からの観測データの収集を短時間で完了することができるため、中継局を起動する時間を短くすることができる。
次に、図9を用いて、監視局、中継局及び観測局からなる第1の監視システムにおける、第2の動作について説明する。図9は、実施形態の第1の監視システムの第2の動作の一例を示すシーケンス図である。ここで第1の監視システムにおける第2の動作とは、監視局が観測局との通信テストをCH毎に実行する動作をいう。
図9における第1の監視システムは、図8で説明した第1の監視システムと同一であり、監視局1a、観測局211、観測局212、中継局402、観測局221及び観測局222を持つ。
図9(a)〜(d)は、監視局1aがCH1の観測局211及び観測局212との通信テストを実行するときの動作である。CH1の観測局211及び観測局212は、中継局を介さずに監視局1aと直接通信する。
第2の動作においては、通信テストを観測局毎に行うため、テスト信号出力要求の送信を観測局毎に行う。監視局1aは、観測局211に対してテスト信号出力要求を送信する(a)。テスト信号出力要求に対して、観測局211はテスト信号を返送する(b)。観測局211の通信テストを完了すると、監視局1aは、観測局212に対してテスト信号出力要求を送信する(c)。テスト信号出力要求に対して、観測局212はテスト信号を返送する(d)。なお、テスト信号の返送は、図7で説明した通り、テスト信号出力要求を受信したテスト信号要求受信部501が、テスト信号出力部502に対して、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を送信するテスト信号送信指示を送信し、テスト信号送信指示を受信したテスト信号出力部502が、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を監視局1aに送信することにより実行される。なお、本実施形態では、通信テストを観測局毎に実施する場合を説明したが、通信テストはCH毎に実施してもよい。例えば、監視局1aは、CH1の観測局211及び観測局212の通信テストを自動的に順次行うようにしてもよい。
図9(e)〜(l)は、監視局1aがCH2の観測局221及び観測局222との通信テストを実行するときの動作である。CH2の観測局211及び観測局212は、中継局402を介して監視局1aと通信する。
監視局1aは、テスト信号出力要求を送信する観測局221が中継局402を介して監視局1aと通信する場合、中継局402に対して起動指令を送信する(e)。図8と同様に、中継局402の起動制御部4002は中継局402を起動(起動状態に)して通信を中継可能な状態にして、状態返送部4003は、中継局402が起動中であることを示す動作状態を監視局1aに返送する(f)。
監視局1aは、観測局221に対して中継局402を介してテスト信号出力要求を送信する(g)。テスト信号出力要求に対して、観測局221はテスト信号を返送する(h)。続いて、監視局1aは、観測局222に対して中継局402を介してテスト信号出力要求を送信する(i)。テスト信号出力要求に対して、観測局222はテスト信号を返送する(j)。
監視局1aは、CH1の観測局211及び観測局212、並びにCH2の観測局221及び観測局222との通信テストが終了すると、中継局402に対して停止指令を送信する(k)。停止指令を受信した起動制御部4002は、中継局402を停止(省電力状態に)する。状態返送部4003は、中継局402が停止中であることを示す動作状態を監視装置11に返送する(l)。
監視局1aが観測局との通信テストをCH毎に実行することにより、中継局を介して通信を行う観測局との通信テストを短時間で完了することができるため、中継局を起動する時間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、中継局402の停止は、CH2の観測局221及び観測局222との通信テストが終了してから行う場合を説明したが、中継局の起動・停止は、各観測局の通信テスト毎に行ってもよい。すなわち、(h)において観測局221がテスト信号を返送したときに、(k)〜(l)で説明した中継局402を停止させる処理を実行し、観測局222の通信テストを開始するときに(e)〜(f)で説明した中継局402を起動させる処理を再度実行するようにしてもよい。
次に、図10を用いて、図2で説明した監視局、中継局及び警報局からなる第2の監視システムにおける、第1の動作について説明する。図10は、実施形態の第2の監視システムの第1の動作の一例を示すシーケンス図である。ここで第2の監視システムにおける第1の動作とは、監視局が警報局からの警報出力を実行する動作をいう。
図10において、第2の監視システムは、図2で説明した通り、監視局1b、警報局311、中継局405、警報局312及び警報局313を持つ。
図10(a)〜(b)は、監視局1bが警報局311からの警報出力を実行する動作である。警報局311は、中継局を介さずに監視局1bと直接通信する。
監視局1bは、警報局311に対して呼出信号を送信する(a)。呼出信号に対して、警報局311は警報装置を動作させて警報を出力する。警報の出力は、図5で説明した呼出制御部32が警報制御部31に対して警報出力を指示することによって行うことができる。
図10(c)〜(j)は、監視局1bが警報局312及び警報局313からの警報出力を実行する動作である。警報局312及び警報局313は、中継局405を介して監視局1と通信する。
監視局1は、中継局405に対して起動指令を送信する(c)。中継局405において、起動指令を受信した起動制御部4002は、中継局405を起動(起動状態に)して通信を中継可能な状態にする。状態返送部4003は、中継局405が起動中であることを示す動作状態を監視装置1に対して返送する(d)。
監視局1bは、警報局312に対して中継局405を介して呼出信号を送信するとともに(e)、警報局313に対して中継局405を介して呼出信号を送信する(g)。呼出信号に対して、警報局312は警報装置を動作させて警報を出力し、警報装置の動作状態を監視局1bに返送する(f)。同様に、呼出信号に対して、警報局313は警報装置を動作させて警報を出力し、警報装置の動作状態を監視局1bに返送する(h)。
監視局1bは、警報局312及び警報局313から動作状態の返信を受信すると、中継局405に対して停止指令を送信する(i)。停止指令を受信した中継局405の起動制御部4002は、中継局405を停止(省電力状態に)する。中継局405の状態返送部4003は、中継局405が停止したことを示す動作状態を監視局1bに対して返送する(l)。
次に、図11を用いて、監視局、中継局及び警報局からなる第2の監視システムにおける、第2の動作について説明する。図11は、実施形態の第2の監視システムの第2の動作の一例を示すシーケンス図である。ここで第2の監視システムにおける第2の動作とは、監視局が警報局との通信テストを実行する動作をいう。
図11において、第2の監視システムは、監視局1b、警報局311、中継局405、警報局312及び警報局313を持つ。
図11(a)〜(b)は、監視局1bが警報局311との通信テストを実行する動作である。警報局311は、中継局を介さずに監視局1bと直接通信する。
監視局1bは、警報局311に対してテスト信号出力要求を送信する(a)。テスト信号出力要求に対して、警報局311はテスト信号を返送する(b)。テスト信号の返送は、図7で説明した通り、テスト信号出力要求を受信した警報局311のテスト信号要求受信部501が、テスト信号出力部502に対して、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を送信するテスト信号送信指示を送信し、テスト信号送信指示を受信したテスト信号出力部502が、テスト信号出力要求に対応したテスト信号を監視局1bに送信することにより実行される。
図11(c)〜(j)は、監視局1bが警報局312及び警報局313からの警報出力を実行する動作である。警報局312及び警報局313は、中継局405を介して監視局1と通信する。
監視局1は、中継局405に対して起動指令を送信する(c)。中継局405において、起動指令を受信した起動制御部4002は、中継局405を起動(起動状態に)して通信を中継可能な状態にする。状態返送部4003は、中継局405が起動中であることを示す動作状態を監視装置1に対して返送する(d)。
監視局1bは、警報局312に対して中継局405を介してテスト信号出力要求を送信するとともに(e)、警報局313に対して中継局405を介してテスト信号出力要求を送信する(g)。テスト信号出力要求に対して、警報局312は監視局1bに対して中継局405を介してテスト信号を返送する(f)。同様に、テスト信号出力要求に対して、警報局313は監視局1bに対して中継局405を介してテスト信号を返送する(h)。
監視局1bは、警報局312及び警報局313からテスト信号の返信を受信すると、中継局405に対して停止指令を送信する(i)。停止指令を受信した中継局405の起動制御部4002は、中継局405を停止(省電力状態に)する。中継局405の状態返送部4003は、中継局405が停止したことを示す動作状態を監視局1bに対して返送する(l)。
次に、図12、図13及び図14を用いて、監視装置と子機との通信テストを実行するための監視システムの試験方法を説明する。図12、図13及び図14は、実施形態の監視システムの試験方法の一例を示す図である。
図12において、制御画面1000は、図3で説明した子局選択制御部121及び試験信号選択制御部122が管理端末12の表示部123に表示する表示画面である。制御画面1000は、テレメータ制御1001、警報局制御1002、中継局制御1003、通信モニタ1004及び54号ソフト1006の選択ボタンを持つ。なお、図12において説明する選択ボタンは、例えば、マウスによって制御画面1000に表示されたカーソルを選択ボタンの上に移動してクリックをすることにより選択操作が可能なユーザーインターフェイスである。
テレメータ制御1001、警報局制御1002、中継局制御1003、通信モニタ1004及び54号ソフト1006は、いずれか一の選択ボタンを選択することにより、制御画面1000の表示内容を変更する。図12における制御画面1000は、テレメータ制御1001の選択ボタンが選択されていることを示している。テレメータ制御1001は、観測局を制御するための制御画面1000に切り換える選択ボタンである。警報局制御1002は、警報局を制御するための制御画面1000に切り換える選択ボタンである。
中継局制御1003は、中継局を制御するための制御画面1000に切り換える選択ボタンである。通信モニタ1004は、子局との通信状況をモニタするための制御画面1000に切り換える選択ボタンである。また、54号ソフト1006は、テレメータが国電通仕第54号に基づくテレメータ装置である場合の制御画面1000に切り換える選択ボタンである。以下は、テレメータが国電通仕第21号に基づくテレメータ装置である場合の制御画面1000である。
時刻表示部1011は、現在の時刻の表示である。呼出間隔1012は、観測局から観測データを取得する時間間隔を表示する選択ボタンである。呼出間隔1012の選択ボタンを選択することにより観測データを取得する時間間隔を変更する表示画面を表示できるようにしてもよい。
テレメータ1021、警報局1022及び中継局1023は、テレメータ制御1001、警報局制御1002及び中継局制御1003のいずれか一の選択ボタンを選択したときに選択されるタブ表示である。テレメータ1021、警報局1022及び中継局1023は選択ボタンとして直接選択できるようにしてもよい。図12は、テレメータ1021が選択されていることを示している。
手動禁止1071、送信中1072、測定中1073及びロック中1074は、監視装置11の状態を示す表示である。手動禁止1071は、監視局からの子局又は中継局の手動操作が禁止された状態であることを示している。送信中1072は、監視局から子局又は中継局に対して信号を送信中であることを示している。送信中の信号とは、例えば、図8等で説明した呼出信号、起動指令、停止司令、又は図9で説明したテスト信号出力要求等である。測定中とは、観測局から観測データを取得中であることを示している。ロック中は、監視局の操作卓や操作盤からの操作がロックされていることを示している。
観測局設定部1030、観測局設定部1040及び観測局設定部1050は、制御対象の観測局を選択するための表示画面である。観測局設定部1030は、CH1の観測局を選択するための選択ボタンを表示している。観測局設定部1030は、CH1の観測局である、観測局1−1〜観測局1−8を選択するための観測局選択ボタン1031〜観測局選択ボタン1038を持つ。観測局選択ボタン1039は、CH1の全観測局を選択するための選択ボタンである。
観測局設定部1040は、CH2の観測局を選択するための選択ボタンを表示している。観測局設定部1040は、CH2の観測局である、観測局2−1〜観測局2−4を選択するための観測局選択ボタン1041〜観測局選択ボタン1044を持つ。観測局選択ボタン1049は、CH2の全観測局を選択するための選択ボタンである。
観測局設定部1050は、CH3の観測局を選択するための選択ボタンを表示している。観測局設定部1050は、CH3の観測局である、観測局3−1〜観測局3−7を選択するための観測局選択ボタン1051〜観測局選択ボタン1057を持つ。観測局選択ボタン1059は、CH3の全観測局を選択するための選択ボタンである。
制御画面1000に表示する観測局の数、又はCHの数は任意である。CH4以降のCHに対応する観測局設定部は、観測局設定部1030、観測局設定部1040及び観測局設定部1050の右側に表示されるスクロールバーの操作によって表示される。
中継局状態1060は、中継局の動作状態を表示する。中継局状態1060は、それぞれの中継局の動作状態を示す、状態表示1061〜状態表示1063を持つ。状態表示1061は、CH2の中継局が起動中でることを示している。状態表示1062は、CH3の中継局が停止中でることを示している。状態表示1063は、CH3の中継局が停止中でることを示している。
通信テスト1079は、選択された観測局との通信テストを実行するためのダイアログを表示する選択ボタンである。図12に示した制御画面1000の表示状態において、観測局1−1を選択するための観測局選択ボタン1031が選択され、さらに通信テスト1079が選択されると、制御画面1000の表示状態は図13に遷移する。
図13において、図12で説明した制御画面1000に、観測局選択ボタン1031が選択されたときに表示されるテスト信号選択1080のダイアログが重畳されて表示される。
テスト信号選択1080は、観測局1−1との通信テストにおいて使用する試験信号を選択するための表示である。テスト信号選択1080は、S/N制御選択ボタン1081、N制御選択ボタン1082、1KHz選択ボタン1083、マーク選択ボタン1084及びスペース選択ボタン1085を持つ。S/N制御選択ボタン1081は、試験信号にS/N制御信号を選択するための選択ボタンである。N制御選択ボタン1082は、試験信号にN制御信号を選択するための選択ボタンである。1KHz選択ボタン1083は、試験信号に1KHz信号を選択するための選択ボタンである。マーク選択ボタン1084は、試験信号にマーク信号を選択するための選択ボタンである。また、スペース選択ボタン1085は、試験信号にスペース信号を選択するための選択ボタンである。図13は、観測局1−1に対して試験信号として/N制御信号が選択されたことを示している。通信テストは、S/N制御選択ボタン1081、N制御選択ボタン1082、1KHz選択ボタン1083、マーク選択ボタン1084又はスペース選択ボタン1085のいずれかの選択ボタンを選択して、実行ボタン1086を選択することにより実行される。図13は、実行ボタン1086が選択されたことを示している。
なお、図13は、S/N制御選択ボタン1081のみが選択された場合を説明したが、試験信号の選択は複数を選択するものであってもよい。例えば、S/N制御信号による通信テストとマーク信号による通信テストを行う場合、S/N制御選択ボタン1081とマーク選択ボタン1084を選択することにより、S/N制御信号とマーク信号を用いた通信テストを連続して実行するようにしてもよい。
実行ボタン1086が選択されると、図7で説明したテスト信号出力要求指示部1203から監視装置11に対して、選択された子局(観測局)と選択されたテスト信号を示すテスト信号出力要求が送信されて通信テストが開始される。
キャンセルボタン1087が選択されると、通信テストがキャンセルされる。実行ボタン1086が選択された状態でキャンセルボタン1087が選択されると、図13における実行ボタン1086が選択される前の状態にテスト信号選択1080の表示が戻る。また、いずれかの試験信号が選択された状態でキャンセルボタン1087が選択されると、図13における試験信号が選択される前の状態にテスト信号選択1080の表示が戻る。
また、試験信号が選択されていない状態でキャンセルボタン1087が選択されると、図12に表示が戻る。
なお、図13は観測局1−1が選択されたときのテスト信号選択1080が表示される場合を説明したが、他の観測局選択ボタンが選択されたときには、選択された観測局に対応した図示しないテスト信号選択が表示される。すなわち、本実施形態においては、図12の選択局の選択において選択された観測局に対して通信テストを実行する。例えば、図12の選択局の選択において全局選択の選択ボタン等によって複数の観測局が選択された場合、図13で説明したテスト信号の選択は、選択された観測局との通信テストにおいて使用される。
図14は、実行ボタン1086が選択された後に遷移する表示画面であり、選択された観測局1−1とS/N制御信号において通信テスト中であることを示すステータス画面1090のダイアログが制御画面1000において重畳表示されていることを示す。なお、ステータス画面1090は、例えば、テストの終了、テスト結果、テストの失敗等のステータスを表示してもよい。
なお、図12〜図14においては、観測局との通信テストを行う場合の試験方法について説明したが、警報局との通信テストを行う場合には、観測局の選択と同様に警報局を選択することができる。すなわち、警報局を選択するための選択ボタンを選択可能に表示して、選択された警報局に対する試験信号を選択することで警報局との通信テストを行うようにすることができる。また、中継局を選択するための選択ボタンを選択可能に表示して、選択された中継局に対する試験信号を選択することで中継局との通信テストを行うようにすることができる。
また、制御画面1000には、通信テストの試験結果を帳票出力する帳票出力選択ボタンを設けてもよい。帳票の出力は、所定の報告フォーマットにおいて出力されて、表示部123又は図示しないプリンタから印字できるようにしてもよい。
上記に説明した実施形態において、監視局は、子局に対して子局が生成したデータの取得を要求し、要求したデータを子局から取得するデータ取得部と、試験対象の子局を選択可能に表示装置に表示する子局選択表示制御部と、子局との通信を試験するための試験信号を選択可能に表示装置に表示する試験信号選択表示制御部と、選択された子局に対して選択された試験信号の取得要求を送信し、子局から取得要求に応じた試験信号を取得する試験信号制御部とを持つ場合を説明したが、実施形態は上記に限定されない。
例えば、本実施形態では、試験信号制御部は、選択された子局に対して選択された試験信号の取得要求を送信し、子局から取得要求に応じた試験信号を取得するが、試験信号の取得要求とは、選択されて監視局から送信された試験信号に対するテスト結果を取得要求するものであって、子局から取得要求に応じた試験信号を取得するとは、テスト結果の取得要求に応じた試験信号を取得するものであってもよい。例えば、試験信号が1KHz信号であった場合、監視局から子局に対して1KHz信号の試験信号を送信し、子局から1KHz信号おける通信の試験結果に応じた試験信号を取得するものであってもよい。子局が送信する試験信号の取得要求に応じた試験信号には、監視局から送信された試験信号をそのまま試験信号として送信するものであっても、他の試験信号を送信するものであってもよい。例えば、1KHz信号を受信した子局からが1KHz信号をそのまま返送することにより、監視局は1KHz試験信号における子局との通信が正常に行われていると判断することができる。
また、試験対象の子局を選択は、制御画面1000から操作者がマウス等の操作によって選択する場合を例示したが、試験対象の子局の選択はこれに限定されるものではない。
例えば、試験対象の子局は監視局が通信する全ての子局を選択(全局選択)するものであってもよい。試験対象の選択は、表示部123に選択可能に表示されず、予め定められた子局が選択されるものであってもよい。
また、上記に説明した実施形態において、監視局の試験信号選択表示部は、子局との通信における通信ノイズを測定して通信を試験するための試験信号、又は所定周波数における前記子局との通信における通信状況を確認して通信を試験するための試験信号を選択可能に表示する場合を説明したが、実施形態は上記に限定されない。
例えば、通信ノイズを測定して通信を試験するための試験信号は、S/N制御信号又はN制御信号以外の試験信号であってもよい。また、所定周波数における前記子局との通信における通信状況を確認して通信を試験するための試験信号は、1KHz信号、マーク信号又はスペース信号以外の試験信号であってもよい。
また、上記に説明した実施形態において、子局はセンサで測定した測定データに基づいて観測データを生成する観測局が国電通仕第21号に基づくテレメータ装置テレメータである場合を説明したが、観測局はテレメータ以外の装置であってもよい。
また、観測データの生成は、観測局において生成される場合を説明したが、観測局はセンサを含み、観測データはセンサにおいて生成されるものであってもよい。
また、上記に説明した実施形態において、子局は警報を出力する警報装置の動作状態を示す動作状態データを生成する警報局である場合を説明したが、警報装置の動作状態は警報局において警報装置を動作させることができるか否かを示すものであってもよい。例えば、警報装置の電源が警報局から供給される場合の警報局の電源状態等、警報局の動作に影響する警報局の異常等を警報装置の動作状態として動作状態データを生成するものであってもよい。
また、上記に説明した実施形態において、子局との通信を中継する中継局を、取得要求を送信する前に起動制御するとともに、試験信号を取得した後に停止制御する場合を説明したが、取得要求を送信する前と試験信号を取得した後のタイミングは、タイマ等で計測された時刻で判断するようにしてもよい。例えば、通信試験を開始する時刻及び終了する時刻が予め定められている場合、中継局の起動・停止は、通信試験を開始する時刻及び終了する時刻に基づき予め定めるものであってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の監視システムは、監視局と複数の子局を持ち、監視局は、データ取得部と、子局選択表示制御部と、試験信号選択表示制御部と、試験信号制御部とを持ち、さらに、子局は、送信部を持つことにより、子局との通信テストを容易にすることができる。
なお、上述した装置は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
また、図を用いて説明した装置の各機能部は、ソフトウェア機能部であるものとしたが、機能の一部又は全部は、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。