以下、実施形態の監視システム、監視局及び監視方法を、図面を参照して説明する。なお、以下の図面の説明において同じ構成には同じ符号を付して説明を書略する場合がある。
先ず、図1を用いて、監視システムのシステム構成を説明する。図1は、実施形態の監視システムのシステム構成の一例を示す図である。図1において、監視システムは、監視局1、第1の観測局(211、212等)、第2の観測局(221、222等)、CH2中継局402、及びCH3中継局403を持つ。図1における監視システムは、監視局1を親局、第1の観測局及び第2の観測局を子局とするシステム構成である。以下、第1の観測局と第2の観測局を区別しないときには、「子局」という場合もある。
本実施形態において、「第1の観測局」は、自律送信方式を採用しているテレメータ装置を用いた観測局である。第1の観測局は、例えば54号観測局である。また、「第2の観測局」は、観測装置呼出方式を採用しているテレメータ装置を用いた観測局である。第2の観測局は、例えば21号観測局である。すなわち、図1は、親局である監視局1に、子局として、自律送信方式を採用している観測局と、観測装置呼出方式を採用している観測局とが接続されて、それぞれの仕様の観測局から観測データを取得する場合を示している。本実施形態では、第1の観測局として54号観測局を例示し、第2の観測局として21号観測局を例示する。
監視局1は、第1の観測局及び第2の観測局において生成された観測データを取得する。監視局1は、所定の地域に配置された複数の観測局を管轄する上位局(管轄局)であり、所定の地域に1又は複数が配置される。図1においては、監視局1が1台配置される場合を例示している。
第1の観測局及び第2の観測局は、CH1〜CH3の3チャネルに分類されて監視局1に通信可能に接続されている。チャネルとは、観測局をグループ化するための分類であり、例えば、河川の水系毎に観測局をグループ化する。CH1は、監視局1に直接接続される第1の観測局を1又は複数含む分類である。CH1には、第1の観測局211、第1の観測局212等を含む。CH2は、監視局1にCH2中継局402を介して通信可能に接続される第1の観測局を1又は複数含む分類である。CH2には、第1の観測局213、第1の観測局214等を含む。CH3は、監視局1にCH3中継局403を介して通信可能に接続される第2の観測局を1又は複数含む分類である。CH3には、第2の観測局221、第2の観測局222、第2の観測局223、第2の観測局224等を含む。
なお、図1では、第1の観測局及び第2の観測局がCH1〜CH3で監視局1に接続される場合を示したが、各CHにおける観測局の数、及びCHの数は任意である。また、CH2中継局402及びCH3中継局403は、それぞれの観測局と監視局1とを1局の中継局を介して中継する1段の中継をする場合を示したが、中継の段数は2段以上であってもよい。
中継局は、監視局1と上記観測局との通信を中継する設備であり、山岳地域等に設置されて監視局1との直接の通信が困難な観測局と監視局1との通信を可能にする。中継局は、観測局と通信可能な場所に設置されるため、観測局の設置場所によっては多段の中継局が設置される。本実施形態では、観測データの取得は同じ中継局を使用するCH毎に逐次行われる。同じ中継局を使用するCH毎に観測データを取得することにより中継局の起動している時間を短くすることができる。CH毎に観測局から観測データを取得することにより、中継局の起動又は停止を、CH毎の観測データの所得に合わせて行うことが可能となる。例えば、CH毎に観測データを取得する場合、観測データを取得する前に中継局を起動して、そのCHを利用する観測局からの観測データを逐次取得する、そのCHを利用する観測局からの観測データの取得が完了した後に中継局を停止することにより、中継局の起動と停止はCH毎の観測データの取得の前後でそれぞれ1回とすることができ、中継局の起動停止回数の節約と、中継局の起動している時間の短縮を図ることができ、中継局のバッテリの節約が可能となる。なお、中継局は異なるCHの測定局で共有するようにしてもよい。また、中継局を多段として1つの中継局に複数の中継局が接続される場合、観測データを取得する通信経路にある中継局のみを起動・停止するようにしてもよい。
次に、図2を用いて、監視局1(親局)のシステム構成を説明する。図2は、実施形態の監視局1のシステム構成の一例を示す図である。
図2において、監視局1は、監視装置11、管理端末12、操作卓13、操作盤14を持つ。監視装置11は、監視局1において子局と通信して子局を制御する。監視装置11は、例えばサーバ装置である。管理端末12は、例えばPC(Personal Computer)である。操作卓13は、監視装置11の操作を行い、監視装置11の監視を行うための卓状の操作入力装置である。操作卓13はスイッチ類、ランプ類等の入出力部品が配され、監視装置11に対する手動操作等を行う。操作盤14も操作卓13と同様に、監視装置11の操作を行い、監視装置11の監視を行うための装置であり、例えば、スイッチ類、ランプ類を制御盤のパネルに配している。
監視装置11は、制御部110、回線切換部111、通信制御部112、データ取得部113、中継制御部114、時刻制御部115、試験制御部116、操作制御部117、外部I/F(Interface)118の各機能を持つ。
なお、監視装置11の各機能は、それぞれハードウェアで実現されても、ソフトウェアで実現されても、又はハードウェアの一部にソフトウェアを用いたミドルウェアで実現されてもよい。また、監視装置11の各機能は、機能によって機能ブロックで表したものであるため、それぞれの機能は、複数の機能ブロックに分割して実現されてもよい。また、複数の機能の一部又は全部をまとめて1つの機能ブロックで実現されてもよい。すなわち、本実施形態で説明する監視装置11の各機能の区分は便宜上の区分であって、監視装置11がその機能を有する限り本実施形態に含まれるものとする。監視装置11の各機能は、例えば、制御部10が実行するプログラムによって実現される。
同様に、本実施形態において説明する各装置の各機能は、それぞれハードウェアで実現されても、ソフトウェアで実現されても、又はハードウェアの一部にソフトウェアを用いたミドルウェアで実現されてもよい。また、各装置の各機能は、機能によって機能ブロックで表したものであるため、それぞれの機能は、複数の機能ブロックに分割して実現されてもよい。また、複数の機能の一部又は全部をまとめて1つの機能ブロックで実現されてもよい。すなわち、本実施形態で説明する監視装置11の各機能の区分は便宜上の区分であって、各装置がその機能を有する限り本実施形態に含まれるものとする。各装置の各機能は、例えば、それぞれの装置における制御部が実行するプログラムによって実現されることもできる。本実施形態において説明する各装置の各機能とは、例えば、図3における第1の観測局21、図4における第2の観測局22、図5における中継局4の各機能である。
制御部110は、監視装置11を制御する。回線切換部111、通信制御部112又はデータ取得部113等の上記監視装置の各機能は、制御部110において実行されるプログラムによって実現される。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置である。
回線切換部111は、通信回線を切り換える。監視装置11には、無線装置15、多重無線装置16及び有線装置17の通信装置が接続されている。回線切換部111は、接続された各通信装置との接続を切り換える。無線装置15は、子機と無線通信を行う。多重無線装置16は、子機と多重回線による無線通信を行う。有線装置17は、子機と有線回線によって通信を行う。すなわち、回線切換部111は、接続された通信装置を切り換えることにより、子機との通信回線を切り換えることができる。図1で説明した観測局との通信は、上記無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17の通信装置のいずれかを用いた通信によって行うことができる。回線切換部111の回線の切り換えは、通信制御部112によって行われる。
通信制御部112は、子局との通信を制御する。通信制御部112は、回線切換部111を用いて無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17との接続を切り換え、無線装置15、多重無線装置16又は有線装置17のいずれかの通信回線を使用して子局と通信する。通信制御部112はそれぞれの通信回線に応じた通信データ符号化及び複合化を行う。
データ取得部113は、第1データ取得部1131及び第2データ取得部1132を持つ。
第1データ取得部1131は、自律送信方式を採用している54号観測局において観測された観測データを取得する。すなわち、第1データ取得部1131は、54号観測局において予め設定された観測データを送信する時刻である送信時刻に54号観測局から送信される観測データを、送信時刻に対応した受信時刻において受信することにより観測データを取得する。54号観測局が観測データを送信する送信時刻は、図3において後述する時刻制御部において管理される。一方、受信時刻は時刻制御部115によって管理される。54号観測局で管理される送信時刻と監視局1によって管理される受信時刻とは54号で定められた誤差範囲の誤差を生じるため、第1データ取得部1131は、誤差を考慮した受信時刻を設定する。なお、本実施形態における送信時刻は、観測局が起動される起動時刻であるものとする。すなわち、観測局は送信時刻に起動されて、観測データの送信が可能になったときに観測データの送信を行う。従って、送信時刻と実際に観測データが送信される時刻とはタイムラグが発生する。後述する管理端末における54号観測局からの観測データ取得においては、観測局の送信時刻(観測局が起動される時刻)に観測データの受信ができるようにするタイムスケジュールが設定される。
第2データ取得部1132は、観測装置呼出方式を採用している21号観測局において観測された観測データを取得する。すなわち、第2データ取得部1132は、予め設定された時刻になったときに21号観測局に対して呼出信号を送信し、呼出信号に対応して21号観測局が送信する観測データを受信することにより観測データを取得する。第2データ取得部1132が呼出信号を送信する時刻である呼出時刻は、第1データ取得部1131が54号観測局から送信される観測データを受信する時間と重複しないように所定のタイムスケジュールによって設定される。タイムスケジュールの設定の詳細は後述する。
中継制御部114は、中継局を制御する。中継局は、図1で説明した通り、監視局1と子局との通信を中継する。従って、監視局1が子局と通信を行う場合、中継局が正常に動作している必要がある。中継制御部114は、中継局が正常に動作しているか否かの動作状態を示すデータを取得する。また、中継局は、監視局と直接通信が困難な山岳地域に設置された子局との通信を中継するものである。このため、中継局自体も急峻な山岳の山頂等、商用電源の送電が困難な場所に設置されてバッテリで動作する場合がある。中継局がバッテリで動作をする場合等においては、中継局における消費電力の低減を図る必要がある。中継制御部114は、中継局が21号観測局を中継するときには、監視局1と21号観測局が通信するときにのみ中継局を起動し、通信が終了したときに中継局を停止する制御を行うことにより、中継局の省電力化を図ることが可能となる。なお、54号観測局を中継する中継局は、中継局において予め設定された起動時間と停止時間において、又は54号観測局からのイベント発生によって中継局が自らの電源状態を切り換える。
時刻制御部115は、タイマ(内部時計)の時刻を管理する。タイマはタイムスケジュールに基づき観測データを取得するときに利用される。時刻制御部115は、GPSアンテナ1151を介してGPS衛星が送信する電波の受信を制御するGPS装置である。時刻制御部115は、GPS衛星から受信した電波に基づきタイマの時刻を校正し、所定の誤差の範囲内になるように管理する。時刻制御部115は、NTP(Network Time Protocol)装置を制御してタイマを校正するものであってもよい。時刻制御部115は、NPT装置を利用する場合、ネットワークにおける遅延時間を考慮してタイマを校正する。
試験制御部116は、子局との通信を試験するための試験信号を制御する。試験制御部116は、21号観測局に対して試験信号の取得要求を送信する。21号観測局は取得要求に応じて試験信号を監視局1に送信する。試験制御部116は、21号観測局が送信した試験信号を取得する。21号観測局との通信を試験するための試験信号は複数種類の試験信号を用いることができる。試験制御部116は、通信を試験するための試験信号を選択可能に管理端末12に表示してもよい。
操作制御部117は操作卓13及び操作盤14を制御して、操作卓13又は操作盤14からのスイッチ等の操作による操作入力を取得し、操作卓13又は操作盤14に対してランプ等の表示出力を出力する。
外部I/F118は、管理端末12と監視装置11とを接続するためのI/Fである。外部I/F118は管理端末12と所定の通信プロトコルで通信する。本実施形態では、監視装置11と管理端末12は1対1で接続される場合を例示するが、外部I/F119は、監視装置11と管理端末12を1対他、又は他対1で接続するものであってもよい。また、外部I/F119は、ネットワークを介して管理端末12と接続するものであってもよい。
管理端末12は、制御部120、スケジュール制御部121、データフォーマット制御部122、休止制御部123を持つ。管理端末12は、例えばPCであり、キーボード・マウス等の入力部127、液晶ディスプレイ等の表示部128、プリンタ等の印字部129が接続されている。制御部120は、管理端末12の上記各機能を制御する。
スケジュール制御部121は、スケジュール設定機能及びスケジュール通知機能を有する。
スケジュール設定機能とは、子局から観測データを取得するタイムスケジュールを管理端末12の操作者が設定できるようにする機能である。スケジュール制御部121は、タイムスケジュールの設定又は変更(以下、タイムスケジュールの「設定」には「変更」を含むものとする。)を行うための表示画面(ユーザインターフェイス)を表示部128に表示する。操作者は表示された表示画面を見ながら入力部127を介してタイムスケジュールの入力を行う。スケジュール設定機能は、入力されたタイムスケジュールに基づき、54号観測局から観測データを取得する時刻と21号観測局から観測データを取得する時刻を調整して表示画面に反映することにより、操作者がタイムスケジュールを設定できるようにする。スケジュール制御部121は、設定されたタイムスケジュールを管理端末12の図示しない記憶部等に記憶する。なお、タイムスケジュールを設定するための表示画面の詳細は後述する。
スケジュール通知機能とは、設定されたタイムスケジュールを記憶部等から読み出して、タイムスケジュールに基づいたスケジュールの通知を監視装置11に対して行う機能である。例えば、スケジュール制御部121は、設定されたタイムスケジュールに基づき、監視装置11の第1データ取得部1131に対して受信時刻を通知する。第1データ取得部1131は、スケジュール制御部121から通知された受信時刻に基づき通信制御部112等を介して54号観測局から観測データを取得する。また、スケジュール制御部121は、設定されたタイムスケジュールに基づき、監視装置11の第2データ取得部1132に対して呼出時刻を通知する。第2データ取得部1132は、通知された呼出時刻に基づき、通信制御部112等を介して21号観測局に対して呼出信号を送信し、観測データを取得する。
データフォーマット制御部122は、観測データのフォーマット変換を制御する。上述の通り、21号で定められた観測データのデータフォーマットと54号で定められた観測データのデータフォーマットは異なる。本実施形態においてデータフォーマット制御部122は、21号で定められた観測データのデータフォーマットを54号で定められた観測データのデータフォーマットに変換し、データフォーマットを54号に統一する。データフォーマットを統一することにより、観測データの表示、印字、又は上位局への送信において、同一のデータ構造を使用することが可能となり、54号観測局と21号観測局の両方を監視する監視局において観測データの取り扱いが容易になる。
なお、本実施形態では、データフォーマット制御部122は、データフォーマットを54号に変換して統一する場合を説明するが、データフォーマット制御部122は、観測データを他のデータフォーマットに変換するものであってもよい。例えば、データフォーマット制御部122は、54号のデータフォーマットの観測データを21号のデータフォーマットに変換して統一するものであってもよい。データフォーマット制御部122は、操作者の指示によって統一するデータフォーマットを変更してもよい。また、データフォーマット制御部122は、上位局(例えば、複数の監視局を統括する統括局)からのリクエスト又は設定に基づき変換するデータフォーマットを変更するようにしてもよい。例えば、監視局1が21号観測局のみを監視する場合であっても、他の監視局が54号観測局を監視する場合、上位局は54号観測局の観測データと21号観測局の観測データを取得することになる。データフォーマット制御部122は、上位局からのリクエスト等に基づきデータフォーマットを変換することにより、上位局における観測データのデータフォーマットを統一させることができる。
休止制御部123は、子局から取得する観測データの休止を管理端末12の操作者が設定できるようにする機能である。観測データの休止の設定とは、子局が送信する観測データの中で、所定の観測値(データ)を取得しないようにする設定である。観測データは、複数の観測値(2量、10量等の複数のデータ)を含んで構成されている。本実施形態では、それぞれの観測値のことを「ワード」という。1ワードは観測データの中で所定のビット数によって構成される。例えば、観測値1量当り32ビットで構成される。休止制御部123は、ワード単位で取得しない観測値を設定する。例えば、センサに突発的な故障が発生した場合、故障したセンサに対応したワードが欠落する。欠落したワードが発生した場合、監視局1はそのワードを欠測(測定できなかった)として観測データを記録する。しかし、例えばセンサの一時的な休止等によってワードの欠落が発生することが予め分かっている場合、そのワードについての休止を設定することにより、センサの突発的な故障との区別をすることが可能となる。休止制御部123は、観測局毎に休止となるワードを設定可能とすることにより、欠落したワードを欠測扱いしないようにすることができる。
ところで、本実施形態においては、上述の通り、監視局1は54号観測局と21号観測局の2つの仕様の子局から観測データを取得する。休止制御部123は、54号観測局から取得する観測データについてワード毎の休止の設定(休止設定)を可能にするとともに、21号観測局から取得する観測データについてワード毎の休止設定を可能にする。
休止制御部123は、休止設定を行うための表示画面を表示部128に表示する。操作者は表示された表示画面を見ながら入力部127を介して休止するワードを選択する。休止制御部123は、選択された休止設定を管理端末12の図示しない記憶部等に記憶する。なお、休止設定の表示画面の詳細は後述する。
次に、図3を用いて、54号観測局(子局)として例示する第1の観測局のシステム構成を説明する。図3は、実施形態の第1の観測局のシステム構成の一例を示す図である。図3において、観測局21は、制御部2100、センサ通信部2110、時刻制御部2120、通信制御部2130、回線切換部2140、電源部2150を持つ。
制御部2100は、第1の観測局21を制御する。センサ通信部2110等の上記第1の観測局の各機能は、制御部2100において実行されるプログラムによって実現される。制御部2100は、例えばCPU等の演算処理装置である。
センサ通信部2110は、水位計2111、雨量計2112、積雪量計2113等の各センサと通信し、各センサが測定した測定データを取得する。水位計2111は、河川等の水位を測定する。雨量計2112はセンサ設置場所の雨量を測定する。積雪量計2113は、センサ設置場所の積雪量を測定する。センサ通信部2110に接続されるセンサの種類又は数は任意である。センサは、例えば、道路気象に関して、気温、路面温度、風速、風向等を測定するものであってもよい。また、センサは、水質に関して、水温、pH、電気伝導度、濁度、溶存酸素等を測定するものであってもよい。
センサ通信部2110が各センサから取得した測定データは、制御部2100において1次演算処理される。1次演算処理とは、例えば測定データの補正や単位変換である。各センサから取得した測定データは、センサの型式、設置場所等により測定誤差を含む場合がある。制御部2100は、取得された測定データに基づき、測定データを補正する1次処理を行うことにより、誤差を補正した観測データを生成する。また、各センサから出力される測定データは、センサが出力する電圧値や電流値である場合があり、制御部20は、電圧値等の測定データに基づき、水位(m)、雨量(mm)、積雪量(mm)、気温(度)、ペーハー(pH)等、データの意味を理解可能な単位に単位変換した観測データを生成する。
センサ通信部2110は、取得した測定データ1量を1ワードとして観測データを生成する。取得した測定データをどのワードに割り当てるかは予め設定される。センサ通信部2110は、予め設定された割り当てに基づき、測定データをワードに割り当てる。例えば、測定データが水位、雨量、及び積雪量の3データである場合、センサ通信部2110は、1ワード目に水位、2ワード目に雨量、及び3ワード目に積雪量を割り当てる。ここで、水位計2111が故障等によって測定データが取得できない場合、センサ通信部2110は、1ワード目に測定データが無効であることを示すデータを入力し、2ワード目に雨量、及び3ワード目に積雪量を入力した観測データを生成する。すなわち、センサ通信部2110は、センサの故障等によって測定データを取得できない場合であっても、予め設定された測定データとワードの割り当ては変更しない。監視局1は、予め設定された割り当てに基づきワードに含まれる測定データの種類を判断することができる。
時刻制御部2120は、タイマ(内部時計)の時刻を管理する。観測データを送信する送信時刻は、タイマに基づき判断される。時刻制御部2120は、GPSアンテナ2121を介してGPS衛星が送信する電波の受信を制御するGPS装置である。時刻制御部2120は、GPS衛星から受信した電波に基づきタイマの時刻を校正し、所定の誤差の範囲内になるように管理する。時刻制御部2120は、NTP(Network Time Protocol)装置を制御してタイマを校正するものであってもよい。時刻制御部2120は、NPT装置を利用する場合、ネットワークにおける遅延時間を考慮してタイマを校正する。
通信制御部2130は、監視局1との通信を制御する。通信制御部2130は、時刻制御部2120のタイマに基づき、観測データを送信する送信時刻であるか否かを判断する。通信制御部2130は、送信時刻であると判断した場合、センサ通信部2110において生成された観測データを監視装置1に送信する。
送信時刻は、第1の観測局毎に他の第1の観測局と重複しないように設定する。例えば、図1で説明した監視システムにおいて、第1の観測局は、第1の観測局211〜第1の観測局214等の複数の観測局が監視局1に接続されており、それぞれの第1の観測局の送信時刻は所定の時間差をもって設定する。監視局1はそれぞれの第1の観測局の送信時刻に基づき受信時刻が決められたタイムスケジュールを設定し、タイムスケジュールに従ってそれぞれの第1の観測局の観測データを逐次取得していく。
なお、通信制御部2130から送信される観測データには、過去の送信時刻で送信された測定データを含んでいてもよい。観測データに過去の送信時刻で送信された測定データを含ませることにより、監視局1は、観測データの取得に失敗した場合であっても、次の送信時刻に過去の測定データを取得可能になる。
通信制御部2130は、回線切換部2140に対して通信に使用する通信回線の切り換えを指示して、無線装置2160、多重無線装置2170又は有線装置2180のいずれかの通信回線を用いて監視局と通信する。通信制御部2130はそれぞれの通信回線に応じた通信データの符号化及び複号化を行う。
回線切換部2140は、通信制御部2130が使用する通信回線を切り換える。回線切換部2140は、無線装置2160、多重無線装置2170又は有線装置2180との接続を切り換えることにより通信回線を切切り換える。無線装置2160、多重無線装置2170及び有線装置2180は、図2で説明した監視局1に接続される、無線装置15、多重無線装置16及び有線装置17とそれぞれの通信回線において通信する。
電源部2150は、観測局21で使用する電力を供給する。電源部2150は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。制御部2100は、電源部2150が供給する電力の低下等の電源の異常を監視して、電源に異常が発生した場合、通信制御部2130を介して電源の異常を監視局1に通信するようにしてもよい。
制御部2100は、電源部2150からの電力供給状態に応じて観測局2の起動の状態を変更するようにしてもよい。例えば、通常は監視局1からの通信を受信できるだけの電力供給状態(「停止状態」又は「省電力状態」という。)にしておき、監視局1との通信を行うときに、上述した測定データの取得、観測データの生成、観測データの送信、試験信号の送信等の動作を行うことができる電力供給状態(「起動状態」という。)としてもよい。観測データの送信等の通信が終了したときには、制御部2100は、再び停止状態に戻すようにしてもよい。
なお、制御部2100は、監視局1との通信を時刻制御部2120のタイマに基づいた送信時刻に合わせて電力供給状態を変更する。例えば、制御部2100は、送信時刻の数秒前に電力供給状態を停止状態から起動状態にして、観測データの送信が終了したときに電力供給状態を起動状態から停止状態にしてもよい。
次に、図4を用いて、21号観測局(子局)として例示する第2の観測局のシステム構成を説明する。図4は、実施形態の第2の観測局のシステム構成の一例を示す図である。図4において、観測局22は、制御部2200、センサ通信部2210、呼出制御部2120、試験部2230,通信制御部2240、回線切換部2250、及び電源部2260を持つ。
制御部2200は、第2の観測局22を制御する。センサ通信部2210等の上記第2の観測局の各機能は、制御部2200において実行されるプログラムによって実現される。制御部2200は、例えばCPU等の演算処理装置である。
センサ通信部2210、水位計2211、雨量計2212及び積雪量計2213は、それぞれ図3で説明したセンサ通信部2110、水位計2111、雨量計2112及び積雪量計2113と同様の機能であるため説明を省略する。センサ通信部2210に接続されるセンサの種類又は数が任意であることもセンサ通信部2110と同様である。
センサ通信部2210が各センサから取得した測定データは、制御部2200において1次演算処理される。制御部2200において実行される1次演算処理は図3において説明した制御部2100において実行される1次演算処理と同様である。
センサ通信部2210は、センサ通信部2110と同様に、取得した測定データ1量を1ワードとして観測データを生成する。取得した測定データをどのワードに割り当てるかは予め設定される。センサ通信部2210は、予め設定された割り当てに基づき、測定データをワードに割り当てる。
呼出制御部2220は、監視局1の第2データ取得部1132から送信される呼出信号を受信して、センサ通信部2210が取得した測定データに基づく観測データを監視局1に送信する。呼出信号には第2の観測局22が送信可能な観測データの中で取得対象を指定する指定情報を含んでいてもよい。指定情報は、例えば、水位、雨量等、個別の観測データを指定する。呼出制御部2220は、指定された観測データを監視局に送信する。なお、観測データには、上述した水位等の気象データ以外に、例えば電源の異常、観測所のドアの開閉等の特殊情報を含んでいてもよい。
試験部2230は、図2の試験制御部116から送信される試験信号の取得要求に対応した試験信号を送信する。試験信号は第2の観測局と監視局1の通信状況を試験するために用いられる。試験信号は例えば、S/N制御信号、N制御信号、1KHz信号、マーク信号又はスペース信号等である。
通信制御部2240は、監視局1との通信を制御する。通信制御部2240は、呼出制御部2220が監視局1から受信した呼出信号に応じて、センサ通信部2210において生成された観測データを監視装置1に送信する。
通信制御部2240、回線切換部2250、及び電源部2260は、図3で説明した通信制御部2130、回線切換部2140、及び電源部2150と同様の機能であるため説明を省略する。
なお、制御部2200は、監視局1から受信した呼出信号等に応じて電力供給状態を変更する。例えば、制御部2200は、監視局1から呼出信号等を受信したときに電力供給状態を停止状態から起動状態にして、観測データの送信が終了したときに電力供給状態を起動状態から停止状態にしてもよい。
次に、図5を用いて、中継局のシステム構成を説明する。図5は、実施形態の中継局のシステム構成の一例を示す図である。図5において、中継局4は、制御部40、中継制御部41、状態返送部42、試験部43及び電源部44の各機能を持つ。
制御部40は、中継局4を制御する。中継制御部41等の上記中継局4の各機能は、制御部40において実行されるプログラムによって実現される。制御部40は、例えばCPU等の演算処理装置である。
中継制御部41は、監視局1と子局との通信の中継を制御する。中継制御部41は、無線受信機1号411、無線受信機2号412、無線送信機1号413、無線送信機2号414を制御する。中継制御部41は、監視局1から受信する通信データを中継局4に接続された子局に対して中継する。
無線受信機1号411及び無線受信機2号412は、通信データを受信する。中継制御部41は、無線受信機1号411又は無線受信機2号412の少なくともいずれか一の受信機を動作させて、監視局1又は子局から送信された通信データを受信する。無線受信機1号411及び無線受信機2号412が同一周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として、一方の無線装置に不具合が発生した場合他方の無線装置からの通信に切り換える。また、無線受信機1号411及び無線受信機2号412が異なる周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として使用する以外に、無線受信機1号411及び無線受信機2号412の両方を使用して無線通信を多重化するようにしてもよい。
また、無線送信機1号413及び無線送信機2号414は、通信データを送信する。中継制御部41は、無線送信機1号413又は無線送信機2号414の少なくともいずれか一の送信機を動作させて、無線受信機1号411又は無線受信機2号412が受信した通信データを監視局1又は子局に対して送信することにより、通信データを中継する。無線送信機1号413及び無線送信機2号414が同一周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として、一方の無線装置に不具合が発生した場合他方の無線装置からの通信に切り換える。また、無線送信機1号413及び無線送信機2号414が異なる周波数帯を利用する無線装置である場合、中継制御部41は、いずれか一方の無線装置を使用して他方の無線装置は予備として使用する以外に、無線送信機1号413及び無線送信機2号414の両方を使用して無線通信を多重化するようにしてもよい。
状態返送部42は、図2で説明した監視局1の中継制御部114からの動作状態の取得要求に対して、中継局4の動作状態データを返送する。中継局4の動作状態とは、例えば、電源部44から供給される電力の電力供給状態である。制御部40は、バッテリの省電力のため、監視局と子局が通信するときにのみ中継動作を行う電力供給制御を行うことができる。
中継局4が21号に定める中継局である場合、制御部40は、中継制御部114から起動を指示する信号を受信して、中継動作が可能な電力供給状態(起動状態)にするとともに、中継制御部114から停止を指示する信号を受信して、監視局からの通信データを受信をすることができる電力供給状態(省電力状態)にする、電力供給状態の制御を行う。状態返送部42は、中継制御部114から起動を指示する信号を受信したときに、起動状態になったことを示す動作状態を監視局に対して返送する。
一方、中継局4が54号に定める中継局である場合、制御部40は、監視局1との通信を図示しないタイマに基づいた54号観測局の送信時刻に応じて電力供給状態を変更する。例えば、制御部40は、中継する54号観測局の送信時刻の数秒前に電力供給状態を停止状態から起動状態にして、観測データの送信が終了したときに電力供給状態を起動状態から停止状態にしてもよい。制御部40は、送信時刻から予め設定された時間が経過することにより観測データの送信の終了を判断する。また、中継する54号観測局が複数であり、複数の54号観測局の送信時刻が連続している場合、制御部40は、連続した送信時刻の最初の送信時刻に応じて電力供給状態を起動状態にするとともに、連続した送信時刻の最後の送信時刻に応じて(送信終了に応じて)、電力供給状態を停止状態にする。
試験部43は、図2で説明した監視局1の試験制御部116から取得した試験信号取得要求に対して、中継局4の動作試験を実施する。動作試験は、電力供給状態を省電力状態から起動状態に切り換える動作が正常に行われるか否かを試験する。試験部43は、電力供給状態を切り換えるとともに、動作状態を監視局1に返送する。
電源部44は、中継局4で使用する電力を供給する。電源部44は、商用電源からの電力又はバッテリからの電力を供給する。制御部40は、電源部44が供給する電力の低下等の電源の異常を監視して、電源に異常が発生した場合、中継制御部41を介して電源の異常を監視局1に通信するようにしてもよい。
次に、図6及び図7を用いて、監視システムにおける、第1の観測局(54号観測局)からの観測データ取得動作、及び第2の観測局(21号観測局)からの観測データ取得動作を説明する。図6の観測データ取得動作と図7の観測データ取得動作は、連続して行われる。
先ず、図6を用いて、監視システムにおける第1の観測局(54号観測局)からの観測データ取得動作を説明する。図6は、実施形態の第1の観測局からの観測データ取得動作を示すシーケンス図である。
図6において、監視システムは、図1で説明した通り、監視局1、第1の観測局211、第1の観測局212、CH2中継局402、第1の観測局213及び第1の観測局214を持つ。
図6(a)〜(d)は、監視局1がCH1及びCH2の第1の観測局211〜第1の観測局214から観測データを取得する動作である。CH1の第1の観測局211及び第1の観測局212は、中継局を介さずに監視局1と直接通信する。CH2の第1の観測局213及び第1の観測局214は、中継局402を介して監視局1と通信する。
第1の観測局211は、第1の観測局211の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(a)。次に、第1の観測局212は、第1の観測局212の送信時刻に従い、観測データを監視局1に送信する(b)。第1の観測局211の送信時刻と第1の観測局212の送信時刻には、所定の時間間隔が設けられる。例えば、第1の観測局211の送信時刻をt0、とすると、第1の観測局211から観測データを送信するための送信時間をT1とすると、第1の観測局212の送信時刻t1は、t1>t0+T1になるように設定する。第1の観測局211の観測データの送信が終了してから第1の観測局212の送信時刻までの時間間隔(インターバル)である、I1=t1−(t0+T1)を局間時間という。すなわち、送信時刻t1=t0+T1+I1である。
中継局402は、CH2の第1の観測局213の送信時刻より前に設定された起動時刻に自らの電力供給状態を停止状態から起動状態として、通信の中継が可能な状態にする。中継局の電力供給状態を停止状態から起動状態にするには所定の起動時間が必要となるため、中継局402においては、起動時間を考慮して起動時刻を設定しておく。
第1の観測局213は、第1の観測局213の送信時刻に従い、中継局402を介して観測データを監視局1に送信する(c)。次に、第1の観測局214は、第1の観測局214の送信時刻に従い、中継局402を介して観測データを監視局1に送信する(d)。
中継局402は、CH2の第1の観測局213及び第1の観測局214の観測データの送信が終了すると、停止時刻に電力供給状態を起動状態から停止状態として、省電力状態になる。停止時刻は、第1の観測局214の観測データの送信が終了した後、所定時間が経過した後に設定される。
図6の観測データ取得動作を終了後、監視局1は、図7の観測データ取得動作を開始する。
次に、図7を用いて、監視システムにおける第2の観測局(21号観測局)からの観測データ取得動作を説明する。図7は、実施形態の第2の観測局からの観測データ取得動作を示すシーケンス図である。
図7において、監視システムは、図1で説明した通り、監視局1、CH3中継局403、第2の観測局221、第2の観測局222、第2の観測局223及び第2の観測局224を持つ。
図7(a)〜(l)は、監視局1がCH3の第2の観測局221〜第2の観測局224から観測データを取得する動作である。CH3の第2の観測局221〜第2の観測局224は、中継局403を介して監視局1と通信する。
監視局1は、中継局403に対して起動指令を送信する(a)。中継局403は起動指令を受信すると中継局403を起動状態にして通信を中継可能な状態にする。中継局403は、監視局1に対して、中継局403が起動中であることを示す動作状態を返送する(b)。
中継局403が起動中であることを示す動作状態を返送された監視局1は、第2の観測局221に対して中継局403を介して呼出信号を送信する(c)。呼出信号に対して、第2の観測局221は観測データを返送する(d)。第2の観測局221から観測データを取得した監視局1は、第2の観測局222に対して中継局403を介して呼出信号を送信する(e)。呼出信号に対して、第2の観測局222は観測データを返送する(f)。同様に、監視局1は、第2の観測局223及び第2の観測局224から観測データを取得する(g)〜(j)。
なお、監視局1は、観測データを取得できなかった観測局に対しては再度呼出信号を送付して観測データを取得してもよい。また、監視局1は、観測データを取得できなかった場合、後述する休止設定がされているときを除き、観測データの欠測として記録する。
CH3の全ての観測局から観測データを取得した監視局1は、中継局403に対して停止指令を送信する(k)。中継局403は停止指令を受信すると中継局403を停止状態にする。中継局403は、監視局1に対して、中継局403が停止中であることを示す動作状態を返送する(l)。
本実施形態では、第1の観測局(54号観測局)からの観測データを取得した後に第2の観測局(21号観測局)からの観測データを取得する。第1の観測局からの観測データの取得は、上述の通り54号観測局にいて予め定められた送信時刻において観測データが送信されることによって行われるため、観測データ取得のタイミングは監視局1では変更できない。一方、第2の観測局からの観測データの取得は、21号観測局に対して呼出信号を送付するタイミング行うことができるので、観測データ取得のタイミングは監視局1で制御することができる。54号観測局から観測データを取得した後に21号観測局から観測データを取得することにより、54号観測局からの観測データを定時で取得するとともに、21号観測局からの観測データの取得は、54号観測局からの観測データの取得が終了してから監視局1が制御可能なタイミングで開始することができる。従って、54号観測局と21号観測局が混在する監視システムにおいても両方の観測データを取得することが可能となる。
次に、図8を用いて、図6及び図7のシーケンス図を用いて説明した、第1の観測局及び第2の観測局からの観測データ取得動作を説明する。図8は、実施形態の第1の観測局及び第2の観測局からの観測データ取得動作を示すタイミングチャートである。
図8において、図8(A)は、第1の観測局(54号観測局)からの観測データの取得動作を示し、図8(B)は、第2の観測局(21号観測局)からの観測データの取得動作を示す。
図8に示すt0〜t18は、所定の時刻を示す。t0から次にt0までの時間を定時間隔として、54号観測局からの観測データの取得動作と21号観測局からの観測データの取得動作を行う。定時間隔は、例えば10分、5分等、任意の時間を設定することができる。
図8(A)において、t0は、第1の観測局211の送信時刻である。t2は、第1の観測局212の送信時刻である。t5は、第1の観測局213の送信時刻である。t7は、第1の観測局214の送信時刻である。T1は第1の観測局211が送信する観測データのデータ量に応じて設定する送信時間である。T2は第1の観測局212が送信する観測データのデータ量に応じて設定する送信時間である。T3は第1の観測局213が送信する観測データのデータ量に応じて設定する送信時間である。T4は第1の観測局214が送信する観測データのデータ量に応じて設定する送信時間である。I1は、第1の観測局211と第1の観測局212の観測データ受信のインターバルである局間時間である。I2は、第1の観測局212と第1の観測局213の観測データ受信の局間時間である。I3は、第1の観測局213と第1の観測局214の観測データ受信の局間時間である。I4は、第1の観測局214の観測データ受信から中継局402を停止状態にするまでの時間である。
第1の観測局211は、t0において観測データの送信を開始する。監視局1は、第1の観測局211の送信時間T1で観測データを受信する。監視局1は、t0から送信時間T1が経過したt1から、第1の観測局212の送信時刻であるt2まで、局間時間I1を設ける。送信時刻等を定めるタイマは、所定の誤差を含むため、誤差に比べて十分長い局間時間を設けることにより、観測データ受信の重複を避けることができる。
監視局1は、同様に、第1の観測局212から送信時間T2で観測データを受信し、局間時間I2の後に、第1の観測局213から送信時間T3で観測データを受信し、さらに局間時間I3の後に、第1の観測局214から送信時間T4で観測データを受信する。
中継局402は、第1の観測局213の送信時刻t5より所定の時間早いt4において起動状態となり、第1の観測局214からの観測データの送信時間T4が終了する時刻t8が経過した後、所定の時間遅いt9において停止状態となる。
図8(B)において、t10は、第2の観測局211に呼出信号を送信する呼出時刻である。t12は、第2の観測局212に呼出信号を送信する呼出時刻である。t14は、第2の観測局213に呼出信号を送信する呼出時刻である。t16は、第2の観測局214に呼出信号を送信する呼出時刻である。t11、t13、t15及びt17は、それぞれ第2の観測局211〜第2の観測局214からの観測データの所得が終了する時刻である。なお、複数の21号観測局から観測データを取得する際には、前の21号観測局からの観測データの取得が終了したのを確認してから呼出信号を送信するため、54号観測局において設定した局間時間は設けない。従って、例えば、第2の観測局211からの観測データの所得が終了するt11とt12の間隔は任意である。
時刻t9において、監視局1は、中継局403を起動状態にする。監視局1は、中継局403が起動状態になるまでの時間I5を待機した後に、呼出時刻t10において第2の観測局211に呼出信号を送信して観測データを取得する。監視局1は、同様に、呼出時刻t12において第2の観測局212に呼出信号を送信して観測データを取得し、呼出時刻t14において第2の観測局213に呼出信号を送信して観測データを取得し、さらに、呼出時刻t16において第2の観測局214に呼出信号を送信して観測データを取得する。CH3の観測局からの観測データの取得が終了した後、時刻t18において、監視局1は、中継局403を停止状態にする。
次に、図9〜図11を用いて、第1の観測局から観測データを取得するスケジュールの設定を説明する。図9〜図11は、実施形態の第1の観測局からの観測データ取得スケジュールの設定を示す図である。
図9において、制御画面1000は、図2で説明した管理端末12の表示部128に表示される表示画面である。制御画面1000は、現況データ1001、システム監視1002、観測履歴1003、表示/設定1004、保守1005及び21号ソフト1006の選択ボタンを持つ。なお、以下において説明する選択ボタンは、例えば、マウスによって制御画面1000に表示されたカーソルを選択ボタンの上に移動してクリックをすることにより選択ボタンが押下されて選択操作が可能なユーザーインターフェイスである。
現況データ1001、システム監視1002、観測履歴1003、表示/設定1004、保守1005及び21号ソフト1006は、いずれか一の選択ボタンを選択することにより、制御画面1000の表示画面を変更する。図9における制御画面1000は、表示/設定1004の選択ボタンが選択されていることを示している。
現況データ1001は、それぞれの観測局から取得した観測データを表示するための表示画面に切り換える選択ボタンである。現況データ1001を選択したときの表示画面の詳細は図17を用いて後述する。
システム監視1002は、それぞれの観測局、中継局等のシステム状態を監視するための表示画面に切り換える選択ボタンである。システム監視1002の表示画面においては、例えば、観測局、中継局又は上位局が稼働中であるか停止中であるか、障害が発生していないか等の動作状態、観測局、中継局又は上位局との通信に異常が発生しているか等の通信状態、観測データの欠測情報等の情報を表示することができる。システム監視1002の表示画面に表示する情報は、障害等が発生した時間順、障害等が発生した局順、又は障害等の種別順に並び順を整列してもよい。
観測履歴1003は、それぞれの観測局から観測データを取得した履歴を表示するための表示画面に切り換える選択ボタンである。観測データを取得した履歴は、例えば、観測データの取得に成功したか否かの履歴である。観測履歴1003の表示画面によって、所定の期間観測データを取得がされていない観測局を確認することができる。また、観測履歴1003の表示画面においては、過去のデータを検索して参照できるようにしてもよい。過去のデータを検索できるようにすることにより、データの解析等が容易となる。
保守1005は、観測システムの保守をするための表示画面に切り換える選択ボタンである。保守1005の表示画面においては、例えば、それぞれの観測局や中継局の保守状況を表示する。
21号ソフト1006は、21号に基づくテレメータ装置を制御するための表示画面に切り換える選択ボタンである。本実施形態においては、21号観測局を制御するための機能を管理端末12に搭載して監視装置11を制御することにより、21号観測局専用の監視装置を設置しなくてもよい。
表示/設定1004は、図9に図示する、表示画面に切り換える選択ボタンである。表示/設定1004の表示画面は、時刻表示部1007、受信間隔1008、タイムスケジュール1021、休止設定1022、上位装置(1)1091、上位装置(2)1092、上位装置(3)1093、手動禁止1094、測定中1095、受信障害1096、システム終了1097、タイムスケジュール設定画面1010を持つ。
時刻表示部1007は、現在の時刻の表示である。受信間隔1008は、54号観測局から観測データを取得する定時間隔を表示する選択ボタンである。受信間隔1008の選択ボタンを選択することにより観測データを取得する定時の間隔を変更する表示画面を表示できるようにしてもよい。なお、受信間隔1008に表示される時間は、図8で説明したt0〜t0の時間である。
タイムスケジュール1021は、タイムスケジュール設定画面1010を表示させるための選択ボタンである。図9は、タイムスケジュール1021が選択されていることを示している。休止設定1022は、図12を用いて後述する、休止設定画面1040を表示させるための選択ボタンである。タイムスケジュール1021と休止設定1022は、いずれかの選択ボタンを選択して選択状態を切り換えることにより、タイムスケジュール設定画面1010の表示と休止設定画面1040の表示を切り換えることができる。
上位装置(1)1091、上位装置(2)1092、及び上位装置(3)1093は、上位装置(上位局)との通信状態を示す表示である。例えば、上位局との通信異常が発生した場合、上位装置(1)1091、上位装置(2)1092、及び上位装置(3)1093の表示色を緑から赤に変える。
手動禁止1094、測定中1095及び受信障害1096は、監視装置11の状態を示す表示である。手動禁止1094は、監視局1からの子局又は中継局の手動操作が禁止された状態であることを示す。測定中1095は、監視装置11が子局から観測データを受信中であることを示す。受信障害1096は、監視装置11による子局からの観測データの受信に障害が発生中であることを示す。システム終了1097は、管理端末12を停止させるための選択ボタンである。
タイムスケジュール設定画面1010は、タイムスケジュール1021の選択ボタンを選択することによって表示される。タイムスケジュール設定画面1010は、タイムスケジュール設定部1030を持つ。また、タイムスケジュール設定画面1010は、ms/s切換1011、及び設定1012の選択ボタンを持つ。ms/s切換1011は、タイムスケジュール設定部1030に表示される時刻及び時間の単位をms(m sec)とs(sec)とで切り換える選択ボタンである。設定1012は、タイムスケジュール設定部1030において設定した値を確定しタイムスケジュール設定部1030の設定を保存するための選択ボタンである。
タイムスケジュール設定部1030は、表形式の設定画面である。タイムスケジュール設定部1030は、管理端末12の操作者が54号観測局の観測データを受信するタイムスケジュールを設定するための表示画面である。タイムスケジュールの設定は、例えば表示画面に表示されたタイムスケジュール設定部1030内の設定項目をマウスによってクリック等をすることによって選択し、選択された設定項目にキーボード等から数値等を入力することによって行うことができる。タイムスケジュール設定部1030は、No1031、系統1032、受信ライン1033、観測局1034、観測局起動時刻1035、送信時間1036、局間時間1037、回線切換時刻1038の項目を持つ。
No1031は、タイムスケジュール設定部1030の行番号を示す項目である。系統1032は、図1で説明したCHを示す項目である。受信ライン1033は、子局と通信する通信回線を示す項目である。図2等においては、監視局と子局との通信を行う通信回線として、無線装置、多重無線装置、又は有線装置を切り換える場合を説明したが、受信ライン1033によって、いずれかの通信装置における通信回線を設定することができる。図9においては、系統“1”の観測局は“2”の受信ラインが設定され、系統“2”の観測局は“3”の受信ラインが設定されていることを示している。観測局1034は、54号観測局を特定する項目である。
観測局起動時刻1035は、図8において説明した、観測局毎に設定する送信時刻である。図9は、観測局211、観測局212、観測局213、及び観測局214、の観測局起動時刻1035が、それぞれ、t0、t2、t5、及びt7に設定されていることを示している。なお、図9は、説明のため時刻及び時間を図8と対比しやすいようにt0、T1等の符号で説明するが、実際のタイムスケジュール設定部1030には図10等に示すように数値が入力される。
送信時間1036は、それぞれの観測局から送信される観測データのデータ量に応じて設定される時間である。送信時間1036は、例えば、観測データに含まれる測定データが2量(2ワード)である場合と、10量(10ワード)である場合で、約8ワード分の送信時間の差が生じる。図9は、観測局211、観測局212、観測局213、及び観測局214、の送信時間1036が、それぞれ、T1(t0→t1)、T2(t2→t3)、T3(t5→t6)、及びT4(t7→t8)に設定されていることを示している。
局間時間1037は、観測データを受信する受信先を切り換えるためのインターバル時間が設定される。図9は、観測局211、観測局212、観測局213、及び観測局214、の局間時間1037が、それぞれ、I1(t1→t2)、I2(t3→t5)、I3(t6→t7)、及びI4(t8→t9)に設定されていることを示している。
回線切換時刻1038は、受信ライン1033で設定された通信回線に切り替える時刻である。図9は、受信ラインが“2”の観測局212から、受信ラインが“3”の観測局213に受信先を切り換える時刻がt4であり、受信ラインが“3”の観測局214から次の受信ラインに受信先を切り換える時刻がt9であることを示している。回線切換時刻は、局間時間になるように設定される。例えば、回線切換時刻t4は、局間時間I2(t3→t5)になるように設定する。
図8において、観測局起動時刻1035、送信時間1036、局間時間1037、回線切換時刻1038のそれぞれの設定項目はお互いに影響されるため、いずれかの設定項目を変更した場合、他の設定項目を変更する必要がある。例えば、観測局212の観測局起動時刻は、観測局211の観測局起動時刻t0に観測局211の送信時間T1と局間時間I1を足した時刻t2である。すなわち、観測局212の観測局起動時刻は、観測局211の観測局起動時刻t0、観測局211の送信時間T1、又は局間時間I1のいずれの設定項目を変更した場合であっても設定を変更する必要がある。図2で説明したスケジュール制御部121は、いずれかの設定項目が変更された場合、その変更によって影響を受ける他の設定項目を変更に応じて自動的に算出して修正(自動調整)することができる。
例えば、観測局211が送信する観測データのデータ量がセンサの増加又は減少等によって増減した場合、送信時間T1はT1aに変更される。操作者はT1の設定項目を選択して、新たにT1aの数値を入力する。スケジュール制御部121は、送信時間T1の変更によって影響を受ける観測局起動時刻、及び回線切換時刻を再計算して新たな時刻をタイムスケジュール設定部1030に入力する。
図10は、図9で説明したタイムスケジュール設定部1030に実際の数値を入力した例を示す。
図10において、観測局起動時刻1035、送信時間1036、局間時間1037、回線切換時刻1038には、ms単位の時刻及び時間を入力することができる。図10においては、観測局213の送信時間は1890msに設定されている。観測局214の観測局起動時刻は、観測局213の起動時刻6340msに観測局213の送信時間1890msと局間時間1050msを足した9280msに設定されていることを示している。また、観測局214の回線切換時刻は、観測局214の観測局起動時刻に観測局214の送信時間と局間時間を足した12600msに設定されていることを示している。
図11は、図10における観測局213の送信時間を1890msから2390msに変更した場合の観測局起動時刻と回線切換時刻の再計算を示している。観測局213の送信時間が2390msに変更されて500ms増加されると、観測局214の観測局起動時刻は、増加分の500ms遅い9780msに自動的に変更される。また、回線切換時刻についても増加分の500ms遅い13100msに自動的に変更される。スケジュール制御部121は、いずれかの設定項目が変更された場合、その変更によって影響を受ける他の設定項目を自動的に算出して修正する自動調整をする。例えば、スケジュール制御部121は、54号観測局の設定項目を変更したときに影響を受ける21号観測局のタイムスケジュールを自動的に算出して修正する。図8で説明した通り、t9から開始される21号観測局からの観測データの取得は、54号観測局からの観測データの取得が終了した後に行われる。スケジュール制御部121は、図9〜図11において説明した54号観測局からの観測データを取得するタイムスケジュールを変更したときには、54号観測局のタイムスケジュールの変更によって影響を受ける21号観測局のタイムスケジュールを54号観測局のタイムスケジュールと重複しないように自動的に変更して、作業者が21号観測局からのデータ取得の時刻を手動で入力する手間を省き、時刻の入力ミスによる観測データ取得の失敗等を防ぐことを可能とする。
操作者は、設定1012の選択ボタンを選択することにより、変更されたタイムスケジュールを確定して設定(記憶)する。
スケジュール制御部121は、設定されたタイムスケジュールを図2の第1データ取得部1131及び第2データ取得部1132に通知することにより、第1データ取得部1131における54号観測局からの観測データの取得タイミングと第2データ取得部1132における21号観測局からの観測データの取得タイミングを制御することができる。
なお、本実施形態では、送信時間を操作者が変更し、その変更によって影響を受ける観測局起動時刻と回線切換時刻を自動的に修正する場合を説明したが、操作者が観測局起動時刻、局間時間、又は回線切換時刻のいずれかを変更した場合、スケジュール制御部121は、操作者によって変更された設定項目に影響を受ける他の設定項目を自動的に算出して修正する。
また、本実施形態においては、54号観測局の設定項目を変更可能にして54号観測局のタイムスケジュールの表示画面を表示する場合を説明したが、54号観測局の設定項目を変更したときに影響を受ける21号観測局のタイムスケジュールを表示画面に表示するようにしてもよい。
また、54号観測局及び21号観測局から観測データを取得するのに必要な時間を表示するようにしてもよい。本実施形態では、54号観測局及び21号観測局から観測データを取得するのに必要な時間は受信間隔(例えば、10分)に対して十分短い場合を想定して説明したが、観測局の数が多くなった場合等には受信間隔に影響を与える可能性がある。54号観測局及び21号観測局から観測データを取得するのに必要な時間を表示することにより、受信間隔に問題があることを報知することができる。
次に、図12〜図16を用いて、第1の観測局及び第2の観測局からの観測データ取得の休止の設定について説明する。図12〜図15は、実施形態の第1の観測局及び第2の観測局からの観測データ取得の休止の設定を示す図である。図16は、実施形態の第2の観測局からの観測データ取得の休止の設定を示す図である。
図12は、休止設定1022の選択ボタンを選択したときに表示される表示画面である。制御画面1000は、休止設定画面1040を持つ。休止設定画面1040は、観測データに含まれる測定データの休止をワード毎に設定するワード休止設定を、観測局毎に設定可能にするための表示画面である。休止設定画面1040は、54号観測局のワード休止設定1041〜ワード休止設定1044を持つ。また、休止設定画面1040は、21号観測局のワード休止設定1041〜ワード休止設定1044を持つ。
それぞれのワード休止設定は、実装ワード、休止ワード、及び非実装ワードを識別可能に表示する。例えば、観測局211のワード休止設定1041は、1ワード〜3ワードが実装されていて、4ワード以降が非実装であることを示している。休止設定画面1040は、観測局毎に何れのワードが非実装であるかを表示することができる。
図13は、図12の休止設定画面1040において、観測局221のワード休止設定1045が選択された状態を示している。休止設定画面1040の表示に上に、休止詳細設定1050が重畳されて表示される。休止詳細設定1050は、観測局221の休止をワード毎に設定するための表示画面である。
休止詳細設定1050は、実装ワードである、ワード1雨量1051、ワード2水位(1)1052、及びワード3水位(2)1053の選択ボタンを持つ。ワード1雨量1051、ワード2水位(1)1052、及びワード3水位(2)1053は、それぞれの選択ボタンが選択されることにより、休止させるワードの設定を可能にする選択ボタンである。
また、休止詳細設定1050は、全休止/解除1057、閉じる1058、及び設定1059の選択ボタンを持つ。全休止/解除1057は、実装ワード全てを休止にする、又は全ての休止を解除するための選択ボタンである。閉じる1058は、休止詳細設定1050を閉じるための選択ボタンである。設定1059は、設定された休止設定を確定して記憶するとともに休止詳細設定1050を閉じるための選択ボタンである。
図14は、図13において、ワード2水位(1)1052の選択ボタンが選択されて休止設定されたことを図示斜線によって示している。設定1059の選択ボタンを選択することにより、ワード2水位(1)の休止設定が確定し、休止詳細設定1050の表示画面が閉じられる。
図15は、観測局221のワード休止設定1045において、2ワードが休止設定されていることを示している。また、観測局222のワード休止設定1046において、1ワードが休止設定されていることを示している。ワード休止設定1046は、実装ワードが全て休止設定された状態であるため、観測局222からは観測データを取得しない。。ワード休止設定1046において図示する観測局名の斜線は、観測局222が休止状態になっていることを示している。
図16は、図15において、21号ソフト1006の選択ボタンが選択されたときの表示画面を示している。図16は、21号観測局に関する設定及び監視をするための表示画面である。テレメータ設定画面2030は、テレメータ2021、及びテレメータ2022の選択ボタンを持つ。テレメータ2021、及びテレメータ2022は、21号観測局をCH毎に表示するための選択ボタンである。図16は、テレメータ2021が選択されていることを示す。テレメータ設定画面2030は、観測局(221)2031、観測局(222)2032、観測局(223)2033、及び観測局(224)2034の選択ボタンを持つ。図16は、観測局222が休止設定されていることを示している。テレメータ設定画面2030は、観測局詳細2035、通話/テスト2036、全局選択2037、及び起動2038の選択ボタンを持つ。休止設定されている観測局222に対しては、例えば通話/テスト2036等の選択ボタンの選択をできないようにしてもよい。
次に、図17を用いて、現況データ1001の選択ボタンを選択したときの観測データの表示について説明する。図17は、実施形態の第1の観測局及び第2の観測局から取得した観測データの表示を示す図である。
図17において、制御画面1000は、実況データ表示1060を持つ。実況データ表示1060は、観測月日1061、観測時刻1062の表示項目を持つ。また、実況データ表示1060は、左右にスクロール可能な観測局(213)1063、観測局(214)1064、観測局(221)1065、及び観測局(222)1066の表示項目を持つ。
観測局(213)1063、観測局(214)1064、観測局(222)1066の表示項目は、それぞれの観測局において実装されているワードに対応した測定データの表示項目を持つ。図17は、左右スクロールによって、観測局(213)1063及び観測局(222)1066の一部の表示項目が表示され、観測局(214)1064、及び観測局(221)1065の全部表示項目が表示されていることを示している。観測局(222)1066に表示されている「*****」の表示は、欠測データであることを示している。
観測時刻“10:40.00”以降において、観測局(221)1065の水位1、及び観測局(222)1066の雨量において表示されている空白の表示は、観測局221の水位1、及び観測局222の雨量のワードが、観測時刻“10:30.00”〜“10:40.00”の間において休止設定されていることを示す。休止設定されたワードを欠測のワードと識別可能に表示することにより、センサの故障等によって測定データが欠測となったのか、休止設定によって測定データを記録していないのかを容易に区別することが可能となる。
次に、図18及び図19を用いて、21号フォーマットの54号フォーマットへの変換を説明する。図18は、実施形態のデータフォーマットの変換を示す図である。
図18において、21号フォーマットには、局番、局状態、1量目データ〜10量目データのデータ項目を含む。一方、54号フォーマットには、局番、局状態、時刻データ、1量目最新データ〜10量目最新データ、1量目過去1回データ〜10量目過去10回データのデータ項目を含む。すなわち、54号フォーマットには、21号フォーマットには含まれない時刻データが含まれている。
図2で説明したデータフォーマット制御部122は、21号フォーマットで取得された21号観測局の観測データに対して時刻データを追加することにより54号フォーマットに変換する。なお、データフォーマット制御部122は、54号フォーマットに含まれる過去データのデータ項目は値を入力しないNullデータとすることができる。また、データフォーマット制御部122は、過去に21号観測局から取得した観測データを記憶しておき、記憶された観測データから54号フォーマットの過去データのデータ項目を入力してもよい。
一方、図19において、観測データに含まれる局状態を示す局状態詳細のデータフォーマットにおいては、21号フォーマットには、欠測、無効、異常、及び予備のデータ項目を含む。一方、54号フォーマットには、欠測、無効、異常、及び時刻校正のデータ項目を含む。すなわち、54号フォーマットには、21号フォーマットに含まれる予備のデータ項目が含まれていない。
データフォーマット制御部122は、21号フォーマットで取得された21号観測局の局状態詳細のデータから予備のデータ項目を削除することにより54号フォーマットに変換する。データフォーマット制御部122は、54号フォーマットに含まれる時刻校正のデータ項目には、Nullデータを入力することができる。
21号観測局の観測データを54号フォーマットに変換することにより、21号観測局の観測データと54号観測局の観測データのデータフォーマットが同じになるため、表示、又は印字等をしたときに21号観測局の観測データと54号観測局の観測データがずれて表示されたり、ずれて印字されることがなくなる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、監視システムは、第1の観測局、第2の観測局及び監視局を持つ。第1の観測局は、監視局に対して、センサで測定した第1の測定データを所定の時刻で送信する制御部を持ち、第2の観測局は、監視局に対して、センサで測定した第2の測定データの取得を要求する取得要求に応じて送信する制御部を持ち、監視局は、第1データ取得部と、第2データ取得部と、スケジュール制御部とを持つことにより、1台の観測装置において観測装置呼出方式の観測局の観測データと自律送信方式の観測局の観測データの両方を取得することができる。
なお、上述した装置は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
また、図を用いて説明した装置の各機能部は、ソフトウェア機能部であるものとしたが、機能の一部又は全部は、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。