JP6970028B2 - 油圧ショベル - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベルに係り、更に詳しくは、油圧ショベルのブームやアームに用いるのに好適なボス構造に関する。
油圧ショベルは、ブームやアーム等の構成部品で構成された作業腕を備えている。作業腕を動作させるために、油圧シリンダ等の伸縮部材が回転自由(回転自在)な軸を介して作業腕に取り付けられている。ブームやアームは、箱形状をした鋼板の溶接構造である場合が多い。油圧シリンダが取り付けられる回転軸は、ブームやアームを構成する側板に設けたボスと呼ばれる軸受部材によって支持される。このボスは、溶接によって側板に固定される場合が多い。
ボスは、回転軸を介して油圧シリンダから様々な方向の負荷を受ける。そのため、ボスと側板とを接合した溶接部には、ブームやアームの動き、それらの負荷状況等に合わせて様々な応力が生じる。ボスと側板との溶接部に生じる応力を低減する方法として、特許文献1〜特許文献3に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の技術は、ボスに形成したフランジ部をブームの側板に溶接することによりボスを側板に固定した建設機械のブーム構造において、側板とボスのフランジ部との溶接部に応力が集中することを防止してブームの信頼性を高めることを目的として、ボスのフランジ部に溝状の肉厚調整部を形成することにより、溶接位置における側板の肉厚とフランジ部の肉厚とを等しくするものである。
特許文献2に記載の技術は、軸挿入孔が設けられた厚肉のボス部の周囲に比較的薄肉のフランジ状接続部を一体に形成し、この接続部に溶接継手部を介して板材を一体に接続した溶接構造物において、ボス部から漸次薄肉となるフランジ状接続部の途中部に段差部を設け、段差部により厚肉部分から薄肉部分へと肉厚を急激に変化させるものである。
特許文献3に記載の技術(作業機械)は、複数の構成部材をピン等の連結部材で可動的に連結することで構成された作業装置を機体に設け、作業装置の一構成部材であるアームの表面であって連結部材の近傍にクラック観察溝を設けることで、クラックの発見を容易にすると共に、クラック観察溝以外の箇所でのクラック発生を防止しようとするものである。詳述すると、アームは、複数の板部材で形成された箱形断面の腕本体に嵌着された軸受部材によって連結部材を介して作業装置の他の構成部材(例えば、ブーム)と結合されている。軸受部材は、連結部材と嵌合する軸受筒の両端部にそれぞれ軸受プレートを設けたものであり、当該軸受プレートが腕本体の板部材に溶接されている。このような構成のアームにおいて、クラックが発生しやすい軸受部材の近傍であって腕本体を構成する板部材の表面にクラック観察溝が設けられている。
特開2012−219441号公報 特開平9−3956号公報 特開2007−16543号公報
しかし、特許文献1〜特許文献3に記載の従来技術には、次のような課題がある。
特許文献1に記載の技術のように、ボスの外周部に設けられた溶接部の厚みと側板の板厚とを等しくすることで、両者に生じる応力を略等しくすることができる。しかし、溶接部と被溶接部とでは疲労強度が異なり、溶接部の疲労強度は被溶接部のそれよりも小さい。したがって、溶接部の厚みと側板の板厚とを等しくして両者の発生応力をほぼ同じにすると、疲労き裂は溶接部から生じてしまう。例えば、ボスに作用する荷重によって側板が面外方向(ブームの箱形状の内面側及び外面側の方向)の曲げ変形が生じる場合において、ボスの外周部における溶接部の厚みと側板の板厚とをほぼ等しくすると、当該溶接部、ボスのフランジ部の外周部、及び側板における曲げ応力は、ほぼ等しくなる。したがって、強度のより小さい溶接部において疲労破壊が発生する。
特許文献2に記載の技術は、被溶接部であるボスの接続部の途中部に設けた段差部に応力集中を生じやすくさせることで、溶接部における負担を軽減しようとするものである。しかしその一方で、ボスの接続部に段差を設けると、ボスの広範囲の部分が薄板となってしまい、ボス自体の剛性が低下してしまう。
特許文献3に記載の技術では、連結部材に結合する軸受部材の軸受筒からの位置が溶接部よりも離れている腕本体の板部材(側板)にクラック観察溝が設けられている。すなわち、連結部材を介して軸受部材に作用する力の伝達経路において、溶接部の方がクラック観察溝よりも荷重の作用点側に位置している。したがって、当該クラック観察溝では、溶接部におけるクラックの発生そのものを抑制すること、或いは、クラックの発生要因である溶接部における応力集中を軽減させることについての配慮が十分ではない。
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたもので、その目的は、ボスの剛性低下を抑えつつボスと側板とを接合する溶接部の応力を低減させ、当該溶接部の疲労寿命を向上させることができる油圧ショベルを提供することである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ブーム及び前記ブームに回動可能に取り付けられたアームを含む作業腕と、前記作業腕の先端に回動可能に取り付けられ、前記作業腕と協働して掘削作業を含む作業を行うバケットとを備え、前記ブームは、一対のブームシリンダによって駆動され、前記ブームは、複数の板部材により断面が矩形状に形成された箱型構造体と、前記複数の板部材のうち対向する板部材に取り付けられた一対のボスと、前記一対のボスの間に配置されて前記一対のボスを連結するボス連結部材とを有し、前記一対のボスの各々は、ピン挿入孔が形成されたボス本体部と前記ボス本体部の外周部に形成され、外周縁が前記対向する板部材に溶接部を介して接合されたつば部とを有、前記一対のボスと前記ピン挿入孔に挿入された連結ピンとで前記一対のブームシリンダの一端側前記ブームに相対的に回動可能に連結する連結部が構成された油圧ショベルにおいて、前一対のボスの各々は、前記つば部の外周部に設けられ、その表面が前記ピン挿入孔の軸方向に対して前記つば部の表面よりも前記箱型構造体の内側に位置し、前記つば部が接合される前記板部材に前記溶接部を介して接合される円環状のあて板部を更に有し、前記ボスは、前記つば部における、前記溶接部の延在する領域のうちの一部分に対応する位置に設けられた溝を有し、前記溝は、前記ボスの径方向において、前記溶接部よりも前記ボス本体部側に配置され、前記溝が設けられた部分の前記つば部の板厚は、前記ボスが接合される前記板部材の板厚の85%以上、かつ、前記ボスが接合される前記板部材の板厚よりも小さく、前記溝は、その半径方向の幅が前記つば部の外径の1%以上かつ4.5%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ボスが連結ピンから受ける様々な大きさの負荷に対し、つば部における溝を設けた部分がつば部の他の部分及びつば部に溶接された板部材よりも変形することで、ボスのあて板部と板部材との境界に生じる不溶着部を含む溶接部の曲げ応力が緩和され、不溶着部を含む溶接部の疲労寿命が長くなる。したがって、油圧ショベルの耐久性及び信頼性が向上する。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルを示す全体構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルの作業フロントを示す側面図である。 図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルの作業フロントをIII−III矢視から見た断面図である。 図3の符号Xで示すブームの側板とブームセンターボスとの接合部(溶接部)を拡大した断面図である。 比較例の油圧ショベルにおける最大荷重発生時の掘削姿勢を示す説明図である。 比較例の油圧ショベルのブームをブームセンターボス(ボス部)の位置で切断した横断面図であり、バケット押し荷重時におけるブームの変形状態を示す図である。 比較例の油圧ショベルのブームをブームセンターボス(ボス部)の位置で切断した横断面図であり、バケット引き荷重時におけるブームの変形状態を示す図である。 比較例の油圧ショベルにおけるブームの側板とブームセンターボス(ボス部)のあて板部との境界(隙間)に生じる不溶着部上の角度のとり方を説明する図である。 比較例の油圧ショベルにおけるブームの側板とブームセンターボス(ボス部)のあて板部との境界(隙間)に生じる不溶着部の応力分布を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図である。 図3の符号Yで示すブームセンターボスのつば部に設けた溝を拡大した断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る油圧ショベルにおけるブームセンターボス(ボス部)のつば部に設けた溝の各条件に対するつば部の溝底の隅部の最大応力の関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る油圧ショベルにおけるブームセンターボス(ボス部)のつば部に設けた溝の溝底の隅部の曲率半径に対するつば部の溝底の隅部の最大応力の関係を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る油圧ショベルのブームにおけるブームセンターボスのつば部に設けた溝を含む一部分を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る油圧ショベルのブームにおけるブームセンターボスのつば部に設けた溝を含む一部分を示す断面図である。
以下、本発明の油圧ショベルの実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態の全体構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルを示す全体構成図である。
図1において、油圧ショベル100は、自走可能なクローラ式の下部走行体1と、下部走行体1上に旋回軸受装置4を介して旋回自在に搭載された上部旋回体2とを備えている。上部旋回体2の前端部には、作業フロント3が俯仰動(回動)可能に取り付けられている。
上部旋回体2は、支持構造体であるフレーム6と、フレーム6上の前側に設置されたキャブ7と、フレーム6の後端部に設けられたカウンタウェイト8と、キャブ7とカウンタウェイト8の間に配置された機械室9とを含んで構成されている。キャブ7には、下部走行体1や作業フロント3等の動作を指示する操作装置やオペレータが着座する運転席等(ともに図示せず)が配置されている。カウンタウェイト8は、作業フロント3と重量バランスをとるためのものである。機械室9には、エンジンや油圧ポンプ(ともに図示せず)等が収容されている。
作業フロント3は、掘削作業等を行うための多関節型の作業装置であり、作業腕を構成するブーム11及びアーム12と、作業腕の先端に取り付けられた作業具(アタッチメント)としてのバケット13とで構成されている。ブーム11の基端側は、フレーム6の前端部に回動可能に取り付けられている。ブーム11の先端部には、アーム12の基端部が回動可能に取り付けられている。アーム12の先端側には、バケット13の基端部が回動可能に取り付けられている。アーム12の先端側とバケット13との間には、バケットリンク15が設けられている。
ブーム11は、一対のブームシリンダ16(図1では、1つのみ図示)によって回動される。アーム12は、アームシリンダ17によって回動される。バケット13は、バケットリンク15を介してバケットシリンダ18によって回動される。すなわち、ブームシリンダ16、アームシリンダ17及びバケットシリンダ18は、それぞれブーム11、アーム12及びバケット13を駆動する駆動装置を構成する。本実施の形態では、ブームシリンダ16、アームシリンダ17及びバケットシリンダ18は、油圧シリンダにより構成されている。
フレーム6の前端部とブーム11の基端側、ブーム11の先端部とアーム12の基端部、バケット13の基端部とアーム12の先端側は、それぞれ連結ピン19により連結されており、連結ピン19はそれぞれの構造物のブラケットとボスとにより支持されている。同様に、ブームシリンダ16の一端側とブーム11の中央部は、連結ピン19により連結されており、連結ピン19はそれぞれの構造物のブラケットとボスとにより支持されている。
次に、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態の一部を構成する作業フロントの各部の構成を図2〜図4を用いて説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルの作業フロントを示す側面図、図3は図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルの作業フロントをIII−III矢視から見た断面図、図4は図3の符号Xで示すブームの側板とブームセンターボスとの接合部を拡大した断面図である。
図2において、作業腕を構成するブーム11及びアーム12の大部分は複数の板部材により断面が矩形状を成す箱形に形成されており、複数の板部材のうち所定の板部材にボスが溶接により接合されている。
具体的には、ブーム11は、図2及び図3に示すように、弓形状に湾曲しつつ一方向(図2では、略左右方向)に延びる長尺で、かつ、断面が矩形状の箱型構造体を備えている。箱型構造体は、油圧ショベル100の幅方向(図3では、左右方向)において間隔をもって対向しボスが溶接された側板21と呼ばれる一対の板部材と、両側板21の上端側に配置される上板22と呼ばれる板部材と、両側板21の下端側に配置される下板23と呼ばれる板部材とを溶接により接合することで形成されている。
同様に、アーム12は、図2に示すように、一方向(図2では、略左右方向)に延びる長尺で、かつ、断面が矩形状の箱型構造体を備えている。箱型構造体は、油圧ショベル100の幅方向において間隔をもって対向しつつ一方向に延びる側板31と呼ばれる一対の板部材と、両側板31の上端側に配置された上板32と呼ばれる板部材と、両側板31の下端側に配置された下板33と呼ばれる板部材と、両側板31、上板32、下板33で形成される基端側(後端側)の開口を閉塞する後板34と呼ばれる板部材とを溶接により接合することで形成されている。
ブーム11の両側板21の長手方向の中央部には、ブームシリンダ16(図1参照)の一端部が連結されるボス25が1つずつ設けられている。ブーム11の側板21の中央部に設けたボス25は、ブームセンターボス(ボス部)と呼ばれる。ブーム11は、ブームシリンダ16の一端部が連結されるブームセンターボス25を備えており、ブームシリンダ16により駆動される。両ブームセンターボス25は同様な構成を有している。
ブームセンターボス25は、図3に示すように、ピン挿入孔(貫通孔)51aが形成されたボス本体部51と、ボス本体部51の外周部に形成されたつば部52とを有している。ボス本体部51は、ピン挿入孔51aの軸方向における寸法(厚さ)がつば部52の板厚寸法に対して大きくなるように形成されている。つば部52は、ボス本体部51の外周部から環状に径方向外側に向かって延出するように形成されている。両ブームセンターボス25は、ボス本体部51におけるブーム11の内側に位置する端部同士がパイプ60により結合されており、つば部52の外周縁が側板21に突き合わされて溶接により(溶接部61を介して)接合されている。この接合部(溶接部)61では、作用する荷重(力)がブームセンターボス25から側板21に滑らかに伝わるように、つば部52と側板21の突き合わせ部分及びその近傍の厚さがほぼ同一になるように設定されている。また、つば部52は、ボス本体部51の近傍においてはボス本体部51に向かって厚さが漸増する曲面部52aを有している。ブームセンターボス25のピン挿入孔51aに連結ピン19を挿入して連結ピン19をブームセンターボス25により支持することで、ブームシリンダ16がブーム11に回動可能に連結される。
ブームセンターボス25と側板21との溶接は、ブーム11の構造物が矩形断面であるので、ブーム11の構造物の外側から行われる。この溶接の際にブーム11の構造物内部への溶接金属の溶け落ちを防止するために、ブームセンターボス25のつば部52と側板21とを突き合わせて接合する部分におけるブーム11の内側の位置に、あて板部53を設けている。具体的には、つば部52の外周部に円環状のあて板部53を一体に設けている。あて板部53は、つば部52の裏面(ブーム11の構造物の内側を向く面)から径方向外側(つば部52の突出方向の外側)につば部52の外周縁よりも突出するように形成されている。すなわち、あて板部53は、その表面(ブーム11の構造物の外側を向く面)がピン挿入孔51aの軸方向に対してつば部52の表面(ブーム11の構造物の外側を向く面)よりもブーム11の構造物の内側に位置がずれるように設けられている。このように、つば部52とあて板部53が一体成形される場合、つば部52に作用する荷重はあて板部53にも伝達されて作用し、つば部52及びあて板部53が共に荷重に応じて変形する。
上記構造のあて板部53は、ボス25のつば部52と側板21とを突き合わせ溶接する際に、溶接金属の溶け落ち防止の機能の他に、ボス25に対する側板21の位置決めの機能も有している。あて板部53は、図4に示すように、つば部52と側板21とを接合する溶接部61を介して側板21に接合された状態となる。また、様々な要因により側板21とあて板部53とを完全に密着させることは難しく、側板21とあて板部53と境界には僅かながら隙間が生じている。そのため、溶接部61には、側板21とあて板部53との境界(隙間)に、不溶着部62が存在する。当該不溶着部62は、溶接部61の他の部分よりも高い応力が発生する。これは、不溶着部62がつば部52やあて板部53の変形及び側板21の変形の両方の変形の影響を受けやすいためである。
なお、以下において、ボス25、ボス25のつば部52、ボス25のあて板部53の両面のうち、矩形断面を有する作業腕(ブーム11及びアーム12)の外側を向く面を表面と称し、作業腕の内側を向く面を裏面と称することとする。
図2に戻り、ブーム11は、さらに、ブーム11とフレーム6(図1参照)とを結合するボス26を備えている。アーム12は、ブーム11とアーム12とを結合するアームボス36及びアーム12とバケット13とを結合するボス(図示せず)を備えている。また、ブーム11、アーム12、バケット13にはそれぞれ、油圧シリンダを取り付けるためのブラケット40が設けられている。ブラケット40と油圧シリンダは回動可能にピン結合されている。
このように、ブーム11とアーム12とからなる作業腕は、ボス25、26、36を備えており、これらを介して、作業腕がフレーム6に連結されたり、作業腕の構成部品同士(具体的には、ブーム11とアーム12)が連結されたり、作業腕に他の部品(具体的には、バケット13)が連結されたりしている。すなわち、ボス25、26、36とボス25、26、36のピン挿入孔51aに挿入される連結ピン19は、複数の部品を相互に(相対的に)回動可能に連結する連結部を構成する。
次に、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態の特徴部を比較例の油圧ショベルにおける掘削時のブームの状態を示しつつ図面を用いて説明する。
先ず、比較例の油圧ショベルにおける掘削時の状態を図5〜図9を用いて説明する。図5は比較例の油圧ショベルにおける最大荷重発生時の掘削姿勢を示す説明図、図6は比較例の油圧ショベルのブームをブームセンターボス(ボス部)の位置で切断した横断面図であり、バケット押し荷重時におけるブームの変形状態を示す図、図7は比較例の油圧ショベルのブームをブームセンターボス(ボス部)の位置で切断した横断面図であり、バケット引き荷重時におけるブームの変形状態を示す図、図8は比較例の油圧ショベルにおけるブームの側板とブームセンターボス(ボス部)のあて板部との境界(隙間)に生じる不溶着部上の角度のとり方を説明する図、図9は比較例の油圧ショベルにおけるブームの側板とブームセンターボス(ボス部)のあて板部との境界(隙間)に生じる不溶着部の応力分布を示す特性図である。なお、図5〜図9に示す比較例の油圧ショベルの構成に関して、本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルの構成と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
図5において、比較例の油圧ショベルは、バケット13が下部走行体1の位置よりも下側(地下)を掘削している状態の姿勢である。この図のように、盛り土上に乗って、下部走行体1よりも下方を掘るのが、油圧ショベルの典型的な掘削姿勢である。油圧ショベルは、通常、この姿勢で最大の力が発揮できるように設計されている。なお、本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベル100の場合も同様である。
図5に示す比較例の油圧ショベルのブーム11のボス25には、ピン挿入孔51a(図3参照)に挿入された連結ピン19を介してブームシリンダ16から荷重が作用する。この荷重によって、図6及び図7に示すように、ボス25のつば部52やあて板部53及びブーム11の側板21には、面外方向(構造体の外面側の方向又は内面側の方向)に曲げ変形が生じる。これにより、ボス25のつば部52やあて板部53、側板21、つば部52やあて板部53と側板21との溶接部61に応力が発生する。具体的には、ブームシリンダ16に引張荷重が作用すると、図6に示すように、ボス25のボス本体部51及びボス連結部材であるパイプ60が上に凸形状に変形することで、ブーム11を構成するボス25のつば部52やあて板部53、側板21、上板22、下板23に面外方向の曲げ変形が生じる。一方、ブームシリンダ16に圧縮荷重が作用すると、図7に示すように、ボス本体部51とパイプ60が下に凸形状に変形することで、ボス25のつば部52やあて板部53、側板21、上板22、下板23に面外方向の曲げ変形が生じる。なお、本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベル100の場合においても同様に、このようなブーム11の変形が生じる。
ボス25のつば部52やあて板部53及び側板21の曲げ変形は、つば部52やあて板部53と側板21とを接合する溶接部61に高い応力を発生させる。特に、あて板部53と側板21との境界(隙間)の不溶着部62(図4参照)は、つば部52やあて板部53の変形及び側板21の変形の両方の変形の影響を受ける。したがって、不溶着部62には、溶接部61の他の部分よりも高い応力が発生しやすい。不溶着部62を含む溶接部61の応力は、ブームシリンダ16の動作に応じて変動する。応力値及び応力変動の繰返し数が溶接材料に固有の閾値を超えると疲労破壊が発生する。被溶接部材を接合する溶接部61では、溶接時の熱によって残留応力や残留変形が生じることが多いので、溶接部61における疲労破壊の閾値は、被溶接部材のそれよりも小さいことが知られている。すなわち、ブーム11では、溶接部61の方が、側板21及びボス25のつば部52やあて板部53よりも疲労破壊が生じやすい。特に、あて板部53と側板21との境界(隙間)に存在する不溶着部62において、疲労き裂が発生するおそれがある。このような状況は、本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベル100の場合においても同様である。
図9は比較例の油圧ショベルにおけるブーム11の側板21とブームセンターボス25(ボス部)のあて板部53との境界(隙間)の不溶着部62の応力分布を示す特性図である。図9において、横軸θは不溶着部62(溶接部61)上の角度位置を示している。この角度位置は、図8に示すように、円環状の不溶着部62(図4参照)がブーム11の上板22に最も接近する位置を基準(0゜)に、ブーム11の外側からボス25を見て時計回りの角度で表している。縦軸σwは、不溶着部62の応力を示しており、油圧ショベル動作の中で、特にバケット13に働く荷重が大きい図5に示す状況下におけるバケット13の前後方向の動作パターンの掘削負荷状態で生じる応力である。
図9において、不溶着部62の応力σwが大きい角度位置θの不溶着部62の部位は、大きな曲げ応力が発生している部位に相当する。角度位置が315°付近の不溶着部62の応力σwが特に大きくなっている。
次に、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態の特徴部を図3、図10、図11を用いて説明する。図10は本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図、図11は図3の符号Yで示すブームセンターボスのつば部に設けた溝を拡大した断面図である。
上述したように、比較例の油圧ショベルでは、ボス25のつば部52やあて板部53及びブーム11の側板21の曲げ変形により、ボス25のつば部52やあて板部53と側板21とを接合する溶接部61に高い応力が発生する。特に、側板21とあて板部53との境界(隙間)の不溶着部62に高い応力が発生する。
そこで、本実施の形態においては、図3及び図10に示すように、ボス25の表面側における溶接部61の近傍に、つば部52を減厚するように溝54が設けられている。溶接部61は、ボス25のつば部52の外周に設けられており、溝54は、ボス本体部51と溶接部61との間に設けられている。溝54は、ボス25のピン挿入孔51aの軸心Aを中心とした円弧状に形成されている。つば部52のうち溝54を設けた部分の板厚tgは、ボス25が溶接される側板21の板厚tpよりも小さくなるように設定されている。溝54は、図11に示すように、溝底の隅部55に適切な曲率半径rgのR部を有しており、溝底の隅部55の応力集中による破壊が起きないように構成されている。
また、上述したように、比較例の油圧ショベルでは、315°付近の角度位置での不溶着部62の応力が他の角度位置θでの不溶着部62の応力よりも相対的に大きくなっている。
そこで、本実施の形態においては、図10に示すように、円環状の不溶着部62(図4参照)がブーム11の上板22に最も接近する位置を基準(0゜)に、ブーム11の外側からボス25を見て時計回りの角度位置θ(図8の角度位置θと同じ定義)で、315°を中心に所定の角度位置±α°分延在する円弧状に溝54を形成している。すなわち、不溶着部62が延在する領域のうち不溶着部62の応力が相対的に高くなる部分に対応する角度位置に溝54を設けている。
次に、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態の作用効果を図3〜図7、図9、図10を用いて説明する。
図3に示すブーム11のボス25には、ピン挿入孔51aに挿入された連結ピン19を介してブームシリンダ16(図1参照)から荷重が作用する。この荷重によって、ボス25のつば部52やあて板部53及びブーム11の側板21には、図6及び図7に示す面外方向の曲げ変形と同様な曲げ変形が生じる。このため、ボス25のつば部52やあて板部53と側板21との溶接部61に応力が発生する。特に、図4に示す側板21とあて板部53との境界(隙間)に存在する不溶着部62に高い応力が発生する。
本実施の形態では、図3に示すつば部52における溝54を設けた部位の面外方向の曲げ変形がつば部52の他の部位及び側板21よりも大きくなる。これは、つば部52における溝54を設けた部位の板厚tgがつば部52の他の部位及び側板21の板厚tpよりも小さいためである。ボス25に作用する荷重による面外曲げを主に溝54を設けた部分のつば部52において発生させることで、不溶着部62を含む溶接部61の面外方向の曲げ変形量が相対的に軽減される。このため、不溶着部62を含む溶接部61の応力が小さくなり、不溶着部62を含む溶接部61の疲労寿命が増加する効果を生む。また、溝54の加工により、ボス25の質量が小さくなり、軽量化の効果も合わせて生まれる。
また、本実施の形態では、溝54がボス本体部51と溶接部61との間に設けられている。このため、連結ピン19を介してボス25に作用する荷重の伝達経路において、溝54は溶接部61よりも荷重の作用点Ld側に位置する。したがって、面外方向の曲げ変形を主につば部52の溝54を設けた部分で発生させることにより、溶接部61、特に不溶着部62の曲げ応力を抑制する効果が更に高まる。
また、本実施の形態では、不溶着部62が延在する領域のうち不溶着部62の応力が高くなる部分に対応した位置のみに溝54を設けている。具体的には、315°の角度位置を中心に所定の角度位置±α°分延在する溝54を設けている。これにより、図5に示すような最大掘削荷重が発生する掘削姿勢において図9に示すような応力分布が発生した際に、不溶着部62の応力のピークを効率よく低減することができる。その結果、油圧ショベル100の疲労寿命を延ばすことができる。さらに、つば部52の表面側の部分のうち、不溶着部62を含む溶接部61が延在する領域(本実施の形態においては、全周)のうちの一部分に対応した位置(本実施の形態においては、315°の角度位置を中心に所定の角度位置±α°の範囲)に溝54を設けているので、つば部52の全体の剛性はほとんど低下しない。
上述したように、本発明の油圧ショベルの第1の実施の形態によれば、ボス25が連結ピン19から受ける様々な大きさの負荷に対し、つば部52における溝54を設けた部分がつば部52の他の部分及びつば部52に溶接された側板(板部材)21よりも変形することで、ボス25のあて板部53と側板(板部材)21との境界に生じる不溶着部62を含む溶接部61の曲げ応力が緩和され、不溶着部62を含む溶接部61の疲労寿命が長くなる。したがって、油圧ショベル100の耐久性及び信頼性が向上する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の油圧ショベルの第2の実施の形態を図12及び図13を用いて説明する。図12は本発明の第2の実施の形態に係る油圧ショベルにおけるブームセンターボス(ボス部)のつば部に設けた溝の各条件に対するつば部の溝底の隅部の最大応力の関係を示す特性図、図13は本発明の第2の実施の形態に係る油圧ショベルにおけるブームセンターボス(ボス部)のつば部に設けた溝の溝底の隅部の曲率半径に対するつば部の溝底の隅部の最大応力の関係を示す特性図である。なお、図12及び図13において、第1の実施の形態と共通する構成については、第1の実施の形態の場合と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12のうち、左端の特性図は、溝54を設けた部分のつば部52の板厚tg(図3参照)を側板21の板厚tp(図3参照)で除した値(%)とつば部52の溝54の溝底の隅部55(図11参照)の最大応力σgとの関係を示すものである。左から2番目の特性図は、溝54の半径方向幅Wg(図3参照)をつば部52の外径Df(図3参照)で除した値(%)とつば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgとの関係を示すものである。左から3番目の特性図は、溝54の径方向位置(ピン挿入孔51aの軸心Aからの距離の2倍)Dg(図3参照)をつば部52の外径Dfで除した値(%)とつば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgとの関係を示すものである。右端の特性図は、円環状の不溶着部62(溶接部61)がブーム11の上板22に最も接近する位置を基準(0゜)にブーム11の外側からボス25を見て時計回りの角度位置で315°を中心とした溝54の長さ方向の端縁の周方向位置を示す角度α°(図10参照)とつば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgとの関係を示すものである。
図12の左端の特性図から明らかなように、溝54を設けた部分のつば部52の板厚tgが大きくなるにしたがって、つば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgは小さくなる。図12の左から2番目の特性図から明らかなように、溝54の半径方向幅Wgが小さくなるにしたがって、つば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgは小さくなる。図12の左から3番目の特性図から明らかなように、溝54の径方向位置Dgが小さくなるにしたがって、つば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgは小さくなる。図12の右端の特性図から明らかなように、溝54の長さ方向の端縁の周方向位置を示す角度α°が小さくなるにしたがって、つまり、溝54の長さが短くなるにしたがって、つば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgは小さくなる。
図12に示す実線Lは、つば部52を構成する材料の疲労寿命曲線から得られる、設計繰返し数において疲労破壊を引き起こさない応力の制限値である。図12に示す各特性図から、溝54の形状として以下の各条件を設定することが好ましく、本実施の形態では以下の各条件を設定し、ボス25のつば部52が設計繰返し数において疲労破壊を引き起こさないようしている。
第1の条件は、溝54を設けた部分のつば部52の板厚tgを側板21の板厚tpで除した値が85%以上である。かつ、溝54の曲げ変形を側板21よりも小さくする必要があるため、先に述べたようにつば部52の板厚tgを側板21の板厚tpで除した値は100%未満である。第2の条件は、溝54の半径方向幅Wgをつば部52の外径Dfで除した値が4.5%以下である。かつ、溝54の溝底隅部55で疲労破壊を引き起こさない曲率半径から決定される最小の溝幅より、溝54の半径方向幅Wgをつば部52の外径Dfで除した値が1%以上である。第3の条件は、溝54の径方向位置Dgをつば部52の外径Dfで除した値が85%以下である。かつ、溝54がボス本体部51と溶接部61との間に設けられる必要があるため、ボス本体部51の外径を考慮し、溝54の径方向位置Dgをつば部52の外径Dfで除した値が50%以上である。第4の条件は、ピン挿入孔51aの軸心Aを中心とした円弧状の溝54を形成し、溝54の長さ方向の端縁の周方向位置を示す角度α°が35°以下である。かつ、溝54の加工の容易さ、および不溶着部62の設計繰り返し数向上の効果より5°以上とする。すなわち、280°から350°の範囲に溝54を形成する。
また、図13は、溝54の溝底の隅部55の曲率半径rg(図11参照)を側板21の板厚tp(図3参照)で除した値(%)とつば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgとの関係を示すものである。図13から明らかなように、曲率半径rgが大きくなるにしたがって、つば部52の溝54の溝底の隅部55の最大応力σgは低下し、ある一定値に漸近する。図13に示す実線Lは、つば部52を構成する材料の疲労寿命曲線から得られる、設計繰返し数において疲労破壊を引き起こさない応力の制限値である。
そこで、本実施の形態では、図13に示す特性図から、溝54の溝底の隅部55の曲率半径rgを側板21の板厚tpで除した値が4%以上になるように溝54の形状を設定することで、ボス25のつば部52が設計繰返し数において疲労破壊を引き起こさないようしている。また、曲率半径rgは側板21の板厚tpよりも大きくなることはないため、溝54の溝底の隅部55の曲率半径rgを側板21の板厚tpで除した値は100%未満である。
上述したように、本発明の油圧ショベルの第2の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、ボス25のつば部52が設計繰返し数において疲労破壊を確実に引き起こさないようにすることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の油圧ショベルの第3の実施の形態を図14を用いて説明する。図14は本発明の第3の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図である。なお、図14において、第1の実施の形態と共通する構成については、第1の実施の形態の場合と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14に示す本発明の油圧ショベルの第3の実施の形態が第1の実施の形態に対して相違する点は、溝を形成する範囲である。本実施の形態に係る溝の形成範囲は、次のことを考慮して設定されたものである。図9に示す不溶着部62の応力分布は、図5に示すような掘削姿勢を前提としたものである。この応力分布では、最大応力σwが315°付近の角度位置でピークP1となる山が225°〜360°の範囲に存在する。しかし、図5に示す掘削姿勢とは多少異なる姿勢で掘削した場合、図9に示す応力分布における最大応力σwのピークP1が、315°から山の225°〜360°の範囲のいずれかの角度位置にずれることが想定される。そこで、ボス25Aのつば部52には、円環状の不溶着部62(溶接部61)がブーム11の上板22に最も接近する位置を基準(0゜)に、ブーム11の外側からボス25Aを見て時計回りの角度位置θで225°から360°までの範囲に、ピン挿入孔51aの軸心A(図3参照)を中心とした円弧状の溝54Aが形成されている。
上述した本発明の油圧ショベルの第3の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、角度位置θが225°から360°に延在する溝54Aをつば部52に設けたので、図9に示す不溶着部62の応力分布において、225°から360°の範囲に存在する最大応力σwのピークを確実に低減することができる。そのため、図5に示すような掘削姿勢から多少異なる姿勢で掘削した場合でも、当該不溶着部62の疲労寿命を確実に向上させることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の油圧ショベルの第4の実施の形態を図15を用いて説明する。図15は本発明の第4の実施の形態に係る油圧ショベルのブームを示す側面図である。なお、図15において、第1の実施の形態と共通する構成については、第1の実施の形態の場合と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示す本発明の油圧ショベルの第4の実施の形態が第1の実施の形態に対して相違する点は、溝を形成する範囲である。本実施の形態に係る溝の形成範囲は、次のことを考慮して設定されたものである。図9に示す不溶着部62の応力分布は、図5に示すような掘削姿勢を前提としたものである。この応力分布では、最大応力σwが最大値となる第1のピークP1を有する山(225°〜360°)及び最大応力σwが2番目となる第2のピークP2を有する山(0°〜90°)が存在している。しかし、図5に示す掘削姿勢と異なる姿勢で掘削した場合、図9に示す応力分布における最大応力σwの第1のピークP1が225°〜360°の範囲内でずれること及び第2のピークP2が0°〜90°の範囲内でずれることが想定される。そこで、ボス25Bのつば部52には、円環状の不溶着部62(溶接部61)がブーム11の上板22に最も接近する位置を基準(0゜)に、ブーム11の外側からボス25Bを見て時計回りの角度位置θで、0°から90°の範囲、かつ、225°から360°の範囲に、ピン挿入孔51aの軸心A(図3参照)を中心とした1つの連続した円弧状の溝54Bが形成されている。
上述した本発明の油圧ショベルの第4の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、角度位置θが0°から90°、かつ、225°から360°まで延在する1つの溝54Bをつば部52に設けたので、図9に示す不溶着部62の応力分布において、225°から360°の範囲に存在する最大応力σwのピークの他に、0°から90°の範囲に存在する応力の第2のピークも低減することができる。そのため、図5に示すような掘削姿勢から大きく異なる姿勢で掘削した場合においも、当該不溶着部62の疲労寿命を確実に向上させることができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の油圧ショベルの第5の実施の形態を図16を用いて説明する。図16は本発明の第5の実施の形態に係る油圧ショベルのブームにおけるブームセンターボスのつば部に設けた溝を含む一部分を示す断面図である。なお、図16において、第1の実施の形態と共通する構成については、第1の実施の形態の場合と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16に示す本発明の油圧ショベルの第5の実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、ボス25Cのつば部52の表面側ではなく、つば部52の裏面側に溝54Cを設けたことである。具体的には、ボス25Cの溶接部61の近傍のボス25の裏面側に、つば部52を減厚するように溝54Cが形成されている。溶接部61はボス25Cのつば部52の外周に設けられており、溝54Cはピン挿入孔51aが形成されたボス本体部51と溶接部61との間に設けられている。溝54Cは、ボス25Cのピン挿入孔51aの軸心A(図3参照)を中心として円弧状に部分的に形成されている。すなわち、つば部52において、不溶着部62が延在する領域のうちの一部分に対応した位置に溝54を設けている。また、溝54Cを設けた部分のつば部52の板厚tgは、ボス25が溶接される側板21の板厚tpよりも小さくなるように設定されている。溝54Cは、図11に示す第1の実施の形態と同様に、溝底の隅部55に適切な曲率半径rgのR部を有しており、溝底の隅部55の応力集中による破壊が起きないように構成されている。
本実施の形態においては、溝54Cを設けた部分のつば部52における面外方向の曲げ変形がつば部52の他の部位及び側板21よりも大きく生じる。これは、溝54Cを設けた部分のつば部52の板厚tgが、つば部52の板厚や側板21の板厚tpよりも小さいためである。ボス25Cに作用する荷重による面外曲げを主に溝54Cを設けた部分のつば部52で発生させることで、不溶着部62(図4参照)を含む溶接部61の面外方向の曲げ変形量が相対的に軽減される。その結果、不溶着部62を含む溶接部61の曲げ応力が小さくなり、不溶着部62を含む溶接部61の疲労寿命が増加する効果を生む。また、溝54Cの加工により、その分、ボス25Cの質量が小さくなるので、軽量化の効果も合わせて生まれる。
また、溝54Cはボス本体部51と溶接部61との間に設けられている。このため、ボス25Cに作用する荷重の伝達経路において、溝54Cは溶接部61よりも荷重の作用点Ld側に位置する。溝54Cで面外方向の曲げ変形を発生させることにより、溶接部61の曲げ応力を抑制する効果が高まる。
上述したように、本発明の油圧ショベルの第5の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、溝54Cをボス25Cの裏面側に加工しているので、腐食や錆の原因となる雨水や海水などが溝54Cに溜まることがない。したがって、ブーム11の経年劣化を抑制することができ、ブーム11の信頼性を向上することができる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の油圧ショベルの第6の実施の形態を図17を用いて説明する。図17は本発明の第6の実施の形態に係る油圧ショベルのブームにおけるブームセンターボスのつば部に設けた溝を含む一部分を示す断面図である。なお、図17において、第1の実施の形態と共通する構成については、第1の実施の形態の場合と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示す本発明の油圧ショベルの第6の実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、ボス25Dのつば部52の表面側に溝54Dを1つでなく複数設けたことである。具体的には、溶接部61の近傍のボス25Dの表面側に、つば部52を減厚するように溝54Dが2箇所加工されている。2つの溝54Dは、ボス25Dのピン挿入孔51aの軸心A(図3参照)を中心とした円弧状で、半径方向の位置が異なるように形成されている。2つの溝54Dはそれぞれ、不溶着部62の延在する領域のうち、不溶着部62の応力が高くなる領域に対応する角度位置に設けられている。具体的には、例えば、第1の実施の形態と同じ角度位置(315°±α°)の範囲に亘って形成されている。すなわち、2つの溝54Dは、ほぼ同じ角度位置θの範囲に設けられている。また、各溝54Dを設けた部分のつば部52の板厚tgはそれぞれ、ボス25Dが溶接される側板21の板厚tpよりも小さくなるように設定されている。なお、2つの溝54Dを設けた部分のつば部52の板厚tgは同じである必要はない。すなわち、2つの板厚tgを異なる大きさ(寸法)にしてもよい。
本実施の形態においては、複数の溝54Dが次のように作用する。ボス25Dに作用する荷重によってつば部52及びつば部52に溶接された側板21には、面外方向に曲げ変形を生じさせようとする力が作用する。この力により、2つの溝54Dを設けた部分のつば部52にそれぞれ曲げ変形が生じるので、その分、不溶着部62(図4参照)を含む溶接部61の曲げ変形が小さくなる。その結果、不溶着部62を含む溶接部61の応力が低下し、不溶着部62を含む溶接部61の疲労寿命が向上する。
上述した本発明の油圧ショベルの第6の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、つば部52における半径方向の位置が異なる2箇所に溝54Dを設けたので、前述した第1の実施の形態のように1つの溝54のみを設ける場合と比較して、各溝54Dの深さ及び幅を共に小さくすることが可能となる。溝54Dの形状をこのように小さくすることで、つば部52の溝底の隅部55の応力を軽減することができるので、つば部52の溝底の隅部55の疲労寿命が向上する効果を生む。また、ボス25Dに溝54Dを複数加工することで、更なる軽量化の効果も生まれる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は、本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述した本発明の油圧ショベルの第1〜第6の実施の形態においては、つば部52の外周部にあて板部53を一体に形成した構成の例を示したが、予め加工した円環状の部材を溶接などによってつば部52の裏面側に固定してあて板部を設ける構成も可能である。このような構造の場合でも、つば部52とあて板部53が一体形成された場合と同様に、つば部52に作用する荷重があて板部にも伝達され、つば部52及びあて板部が共に荷重に応じて変形する。
また、上述した第6の実施の形態においては、ボス25Dのつば部52に2つの溝54Dを設ける構成の例を示したが、ボス25Dのつば部52に3つ以上の溝を設ける構成も可能である。この場合も第6の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
11…ブーム、 12…アーム、 16…ブームシリンダ、 19…連結ピン、 21…側板、 22…上板、 23…下板、 25、25A、25B、25C、25D…ブームセンターボス(ボス)、 51…ボス本体部、 51a…ピン挿入孔、 52…つば部、 53…あて板部、 54、54A、54B、54C、54D…溝、55…溝底の隅部、 61…溶接部、 100…油圧ショベル

Claims (5)

  1. ブーム及び前記ブームに回動可能に取り付けられたアームを含む作業腕と、前記作業腕の先端に回動可能に取り付けられ、前記作業腕と協働して掘削作業を含む作業を行うバケットとを備え、
    前記ブームは、一対のブームシリンダによって駆動され、
    前記ブームは、複数の板部材により断面が矩形状に形成された箱型構造体と、前記複数の板部材のうち対向する板部材に取り付けられた一対のボスと、前記一対のボスの間に配置されて前記一対のボスを連結するボス連結部材とを有し、
    前記一対のボスの各々は、ピン挿入孔が形成されたボス本体部と前記ボス本体部の外周部に形成され、外周縁が前記対向する板部材に溶接部を介して接合されたつば部とを有
    前記一対のボスと前記ピン挿入孔に挿入された連結ピンとで前記一対のブームシリンダの一端側前記ブームに相対的に回動可能に連結する連結部が構成された油圧ショベルにおいて
    一対のボスの各々は、前記つば部の外周部に設けられ、その表面が前記ピン挿入孔の軸方向に対して前記つば部の表面よりも前記箱型構造体の内側に位置し、前記つば部が接合される前記板部材に前記溶接部を介して接合される円環状のあて板部を更に有し、
    前記ボスは、前記つば部における、前記溶接部の延在する領域のうちの一部分に対応する位置に設けられた溝を有し、
    前記溝は、前記ボスの径方向において、前記溶接部よりも前記ボス本体部側に配置され、
    前記溝が設けられた部分の前記つば部の板厚は、前記ボスが接合される前記板部材の板厚の85%以上、かつ、前記ボスが接合される前記板部材の板厚よりも小さく、
    前記溝は、その半径方向の幅が前記つば部の外径の1%以上かつ4.5%以下である
    ことを特徴とする油圧ショベル。
  2. ブーム及び前記ブームに回動可能に取り付けられたアームを含む作業腕と、前記作業腕の先端に回動可能に取り付けられ、前記作業腕と協働して掘削作業を含む作業を行うバケットとを備え、
    前記ブームは、一対のブームシリンダによって駆動され、
    前記ブームは、複数の板部材により断面が矩形状に形成された箱型構造体と、前記複数の板部材のうち対向する板部材に取り付けられた一対のボスと、前記一対のボスの間に配置されて前記一対のボスを連結するボス連結部材とを有し、
    前記一対のボスの各々は、ピン挿入孔が形成されたボス本体部と前記ボス本体部の外周部に形成され、外周縁が前記対向する板部材に溶接部を介して接合されたつば部とを有
    前記一対のボスと前記ピン挿入孔に挿入された連結ピンとで前記一対のブームシリンダの一端側前記ブームに相対的に回動可能に連結する連結部が構成された油圧ショベルにおいて
    一対のボスの各々は、前記つば部の外周部に設けられ、その表面が前記ピン挿入孔の軸方向に対して前記つば部の表面よりも前記箱型構造体の内側に位置し、前記つば部が接合される前記板部材に前記溶接部を介して接合される円環状のあて板部を更に有し、
    前記ボスは、前記つば部における、前記溶接部の延在する領域のうちの一部分に対応する位置に設けられた溝を有し、
    前記溝は、前記ボスの径方向において、前記溶接部よりも前記ボス本体部側に配置され、
    前記溝が設けられた部分の前記つば部の板厚は、前記ボスが接合される前記板部材の板厚の85%以上、かつ、前記ボスが接合される前記板部材の板厚よりも小さく、
    前記溝から前記ピン挿入孔の軸心までの距離を2倍した値が、前記ボス本体部の外径よりも大きく、かつ、前記つば部の外径の85%以下である
    ことを特徴とする油圧ショベル。
  3. ブーム及び前記ブームに回動可能に取り付けられたアームを含む作業腕と、前記作業腕の先端に回動可能に取り付けられ、前記作業腕と協働して掘削作業を含む作業を行うバケットとを備え、
    前記ブームは、一対のブームシリンダによって駆動され、
    前記ブームは、複数の板部材により断面が矩形状に形成された箱型構造体と、前記複数の板部材のうち対向する板部材に取り付けられた一対のボスと、前記一対のボスの間に配置されて前記一対のボスを連結するボス連結部材とを有し、
    前記一対のボスの各々は、ピン挿入孔が形成されたボス本体部と前記ボス本体部の外周部に形成され、外周縁が前記対向する板部材に溶接部を介して接合されたつば部とを有
    前記一対のボスと前記ピン挿入孔に挿入された連結ピンとで前記一対のブームシリンダの一端側前記ブームに相対的に回動可能に連結する連結部が構成された油圧ショベルにおいて
    一対のボスの各々は、前記つば部の外周部に設けられ、その表面が前記ピン挿入孔の軸方向に対して前記つば部の表面よりも前記箱型構造体の内側に位置し、前記つば部が接合される前記板部材に前記溶接部を介して接合される円環状のあて板部を更に有し、
    前記ボスは、前記つば部における、前記溶接部の延在する領域のうちの一部分に対応する位置に設けられた溝を有し、
    前記溝は、前記ボスの径方向において、前記溶接部よりも前記ボス本体部側に配置され、
    前記溝が設けられた部分の前記つば部の板厚は、前記ボスが接合される前記板部材の板厚の85%以上、かつ、前記ボスが接合される前記板部材の板厚よりも小さく、
    前記溝は、その溝底の隅部の曲率半径が、前記ボスが接合される前記板部材の板厚の4%以上かつ100%未満である
    ことを特徴とする油圧ショベル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の油圧ショベルにおいて、
    前記溝は、前記つば部における前記箱型構造体の内側を向く裏面側に設けられている
    ことを特徴とする油圧ショベル。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の油圧ショベルにおいて、
    前記溝は、前記ピン挿入孔の軸心からの径方向の距離が異なるように複数個設けられている
    ことを特徴とする油圧ショベル。
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