JP6969529B2 - 界磁巻線型回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、界磁巻線型回転電機に関する。
この種の回転電機としては、特許文献1に見られるように、ステータ巻線を有するステータと、第1,第2巻線部の直列接続体からなる界磁巻線と、ロータコア及び主極部を有するロータと、ダイオードとを備えるものが知られている。主極部は、周方向において所定間隔で設けられてかつロータコアから径方向に突出している。ロータにおいて、上記直列接続体の両端のうち、第1巻線部側にダイオードのカソードが接続され、第2巻線部側にダイオードのアノードが接続されている。第1,第2巻線部のそれぞれは、各主極部に巻回されている。ステータ巻線には、トルクを発生させることを主とする基本波電流と、界磁巻線を励磁することを主とする高調波電流とが流れる。
ここで、高調波電流が流れると、周方向において隣り合う主極部とロータコアとを含む磁気回路に主磁束が流れる。主磁束が流れることにより、直列接続された第1,第2巻線部それぞれに誘起電圧が発生し、第1,第2巻線部に電流が誘起される。この際、ダイオードにより、第1,第2巻線部に流れる電流が一方向に整流される。これにより、ダイオードにより整流された方向に界磁巻線に界磁電流が流れ、界磁巻線が励磁される。
一方、高調波電流が流れると、主磁束の他に、漏れ磁束が発生する。漏れ磁束は、周方向に隣り合う主極部の一方から他方へとロータコアを介さずに横切るように流れ、界磁巻線に鎖交する。この場合、各巻線部内において、互いに逆極性となる誘起電圧が発生し、誘起される電流が減少する。その結果、第1,第2巻線部それぞれに誘起される電流の合計値が減少し、ひいては界磁巻線に流れる界磁電流が減少する。
そこで、特許文献1に記載の回転電機は、第2巻線部に並列接続されたコンデンサを備えている。これにより、界磁電流を増加させている。
特開2018−42401号公報
ここで、回転電機のトルクを高めるためには、界磁電流をさらに増加させることが望まれる。
本発明は、界磁巻線に流れる界磁電流を増加させることができる界磁巻線型回転電機を提供することを主たる目的とする。
本発明は、ステータ巻線を有するステータと、
第1巻線部及び第2巻線部の直列接続体を有する界磁巻線と、
ロータコア、及び周方向において所定間隔で設けられてかつ前記ロータコアから径方向に突出する主極部を有するロータと、を備え、
前記第1巻線部及び前記第2巻線部のそれぞれが前記各主極部に巻回され、前記界磁巻線に界磁電流を誘起させるための高調波電流が前記ステータ巻線に流れる界磁巻線型回転電機において、
前記直列接続体の両端のうち、前記第1巻線部側にカソードが接続され、前記第2巻線部側にアノードが接続されたダイオードと、
前記第2巻線部に並列接続されたコンデンサと、を備え、
前記第1巻線部及び前記コンデンサを含む直列共振回路と、前記第2巻線部及び前記コンデンサを含む並列共振回路とが構成されており、
前記第1巻線部のインダクタンスをL1とし、前記第2巻線部のインダクタンスをL2とする場合、「0.5<L2/L1<2」及び「0.5<L1/L2<2」のうち、少なくとも一方を満たすように、前記第1巻線部及び前記第2巻線部それぞれのインダクタンスが設定されている。
上記直列共振回路及び上記並列共振回路それぞれの共振周波数が等しく、ステータ巻線に流す高調波電流の周波数を上記共振周波数に一致させた場合に、界磁電流が最大となり、ひいてはトルクが最大となる特性を有する回転電機がある。ここで、回転電機のトルクが最大となる場合の高調波電流の周波数を基準周波数f0とする。
回転電機のトルクが最大となる高調波電流の周波数を設定するのが望ましいものの、実際には、ある幅を持って高調波電流の周波数範囲が設定される。この際、回転電機のトルクが、要求されるトルクの下限値(以下、許容下限値Tmin)以上となるように、その周波数範囲が設定される。
ここで、トルクが許容下限値Tminと一致する高調波電流の2つの周波数のうち、低い方を下限周波数fLとし、高い方を上限周波数fHとする。本願発明者が開発中の回転電機においては、下限周波数fLが上記基準周波数f0の0.7倍の周波数であり、上限周波数fHが基準周波数f0の1.4倍である。下限周波数fL及び上限周波数fHと基準周波数f0との上述した関係を前提として、本願発明者は、上記直列共振回路の共振周波数を基準周波数f0に一致させるとの条件を課すと、「0.5<L2/L1<2」なる条件が導かれるとの知見を得た。また、本願発明者は、上記並列共振回路の共振周波数を基準周波数f0に一致させるとの条件を課すと、「0.5<L1/L2<2」なる条件が導かれるとの知見を得た。
そこで、本発明では、「0.5<L2/L1<2」及び「0.5<L1/L2<2」のうち、少なくとも一方を満たすように、前記第1巻線部及び前記第2巻線部それぞれのインダクタンスが設定されている。これにより、界磁電流を増加させることができる。
第1実施形態に係る回転電機の制御システムの全体構成図。 ロータに備えられる電気回路を示す図。 ロータ及びステータの横断面図。 基本波電流及び高調波電流等の推移を示す図。 3相電流の推移を示す図。 基本波電流及び高調波電流等の推移を示す図。 3相電流の推移を示す図。 誘起電圧の発生パターンを示す図。 パターン2,3に対応する電気回路を示す図。 直列共振回路を示す図。 並列共振回路を示す図。 界磁電流の整流回路を示す図。 第1,第2巻線部及びコンデンサそれぞれに流れる電流の推移を示すタイムチャート。 第1,第2巻線部及びコンデンサそれぞれに流れる電流の推移を示すタイムチャート。 第1,第2巻線部及びコンデンサそれぞれに流れる電流の実機シミュレーションの結果を示すタイムチャート。 高調波電流の周波数、界磁電流及びトルクの関係を示す特性図。 第1実施形態の変形例2に係るロータに備えられる電気回路を示す図。 第1実施形態の変形例3に係るロータに備えられる電気回路を示す図。 第1実施形態の変形例3に係るロータに備えられる電気回路を示す図。 第1実施形態の変形例4に係るロータ及びステータの横断面図。 第2実施形態に係る磁束の流れを示す図。 磁束の流れを示す図。 第3実施形態に係るロータ及びステータの横断面図。 図23の一部を拡大して示す図。 第4実施形態に係るロータ及びステータの横断面図。 ロータに備えられる電気回路を示す図。 第4実施形態の変形例に係るロータに備えられる電気回路を示す図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における回転電機は、例えば車両に搭載される。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
<第1実施形態>
まず、図1〜図3を用いて説明する。制御システムは、直流電源10、インバータ20、回転電機30及び制御装置40を備えている。本実施形態では、回転電機30として、界磁巻線型の同期機が用いられている。また、本実施形態において、制御装置40は、回転電機30が、電動機兼発電機であるISG(Integrated Starter Generator)やMG(Motor Generator)として機能するように、回転電機30を制御する。例えば、回転電機30、インバータ20及び制御装置40を備えて機電一体型駆動装置が構成されたり、回転電機30、インバータ20及び制御装置40それぞれが各コンポーネントで構成されたりしている。
回転電機30は、界磁巻線70を有するロータ60を備えている。界磁巻線70は、第1巻線部71a及び第2巻線部71bの直列接続体からなる。界磁巻線70は、例えば圧縮成形にて構成されている。これにより、占積率が向上し、界磁巻線の組付性が向上する。なお、界磁巻線70は、例えばアルミ線で構成されていればよい。アルミ線は、比重が小さく、ロータ60が回転する場合における遠心力を低減できる。また、アルミ線は、銅線に比べて強度及び硬さが低く、圧縮成形する場合に好適である。
回転電機30は、ステータ巻線31を有するステータ50を備えている。ステータ巻線31は、例えば銅線で構成されており、電気角で互いに120°ずれた状態で配置されたU,V,W相巻線31U,31V,31Wを含む。
インバータ20は、U,V,W相上アームスイッチSUp,SVp,SWpと、U,V,W相下アームスイッチSUn,SVn,SWnとの直列接続体を備えている。U,V,W相上アームスイッチSUp,SVp,SWpと、U,V,W相下アームスイッチSUn,SVn,SWnとの接続点には、U,V,W相巻線31U,31V,31Wの第1端が接続されている。U,V,W相巻線31U,31V,31Wの第2端は、中性点で接続されている。すなわち、本実施形態において、U,V,W相巻線31U,31V,31Wは、星形結線されている。なお、本実施形態において、各スイッチSUp〜SWnは、IGBTである。各スイッチSUp,SVp,SWp,SUn,SVn,SWnには、フリーホイールダイオードが逆並列に接続されている。
U,V,W相上アームスイッチSUp,SVp,SWpのコレクタには、直流電源10の正極端子が接続されている。U,V,W相下アームスイッチSUn,SVn,SWnのエミッタには、直流電源10の負極端子が接続されている。なお、直流電源10には、平滑コンデンサ11が並列接続されている。
制御システムは、角度検出部41を備えている。角度検出部41は、ロータ60の回転角に応じた信号である角度信号を出力する。角度検出部41の出力信号は、制御装置40に入力される。
続いて、ステータ50及びロータ60について説明する。
ステータ50及びロータ60は、いずれも回転軸32と共に同軸上に配置されている。以下の記載では、回転軸32が延びる方向を軸方向とし、回転軸32の中心から放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸32を中心として円周状に延びる方向を周方向としている。
ステータ50は、軟磁性体からなる積層鋼板により構成されており、円環状のステータコア51と、ステータコア51から径方向内側に向かって突出する複数のティース52とを有している。本実施形態において、各相巻線31U,31V,31Wは、ティース52に分布巻き又は集中巻きされている。本実施形態では、図3に示すように、ティースは周方向において等間隔に48個設けられている。このため、回転電機30は、48スロットのものである。
ロータ60は、軟磁性体からなる積層鋼板により構成されており、円筒形状のロータコア61と、ロータコア61から径方向外側に向かって突出する複数の主極部62とを有している。各主極部62の先端側の面は、ティース52の端面に対向している。本実施形態において、主極部62は、周方向において等間隔に8個設けられている。
各主極部62において、径方向外側に第1巻線部71aが巻回され、第1巻線部71aよりも径方向内側に第2巻線部71bが巻回されている。各主極部62において、第1巻線部71a及び第2巻線部71bの巻方向は互いに同じになっている。また、周方向に隣り合う主極部62のうち、一方に巻回された各巻線部71a,71bの巻方向と、他方に巻回された各巻線部71a,71bの巻方向とが逆になっている。このため、周方向に隣り合う主極部62同士で互いに磁化方向が逆になる。
図2に、共通の主極部62に巻回された各巻線部71a,71bを備えるロータ側の電気回路を示す。ロータ60には、整流素子としてのダイオード80と、コンデンサ90とが設けられている。ダイオード80のカソードには、第1巻線部71aの第1端が接続され、第1巻線部71aの第2端には、第2巻線部71bの第1端が接続されている。第2巻線部71bの第2端には、ダイオード80のアノードが接続されている。第2巻線部71bには、コンデンサ90が並列接続されている。図2において、L1は第1巻線部71aのインダクタンスを示し、L2は第2巻線部71bのインダクタンスを示し、Cはコンデンサ90の静電容量を示す。
続いて、制御装置40について説明する。なお、制御装置40の各機能の一部又は全部は、例えば、1つ又は複数の集積回路等によりハードウェア的に構成されていてもよい。また、制御装置40の各機能は、例えば、非遷移的実体的記録媒体に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータによって構成されていてもよい。
制御装置40は、角度検出部41の角度信号を取得し、取得した角度信号に基づいて、インバータ20を構成する各スイッチSUp〜SWnをオンオフする駆動信号を生成する。詳しくは、制御装置40は、回転電機30を電動機として駆動させる場合、直流電源10から出力された直流電力を交流電力に変換してU,V,W相巻線31U,31V,31Wに供給すべく、各アームスイッチSUp〜SWnをオンオフする駆動信号を生成し、生成した駆動信号を各アームスイッチSUp〜SWnのゲートに供給する。一方、制御装置40は、回転電機30を発電機として駆動させる場合、U,V,W相巻線31U,31V,31Wから出力された交流電力を直流電力に変換して直流電源10に供給すべく、各アームスイッチSUp〜SWnをオンオフする駆動信号を生成する。
制御装置40は、各相巻線31U,31V,31Wに基本波電流及び高調波電流の合成電流を流すように各スイッチSUp〜SWnをオンオフする。基本波電流は、図4(a)に示すように、回転電機30にトルクを発生させることを主とする電流である。高調波電流は、図4(b)に示すように、界磁巻線70を励磁することを主とする電流である。図4(c)は、基本波電流と高調波電流との合成電流としての相電流を示す。図4に示す縦軸の値は、図4(a)〜図4(c)それぞれに示す波形の大きさの相対関係を示す。各相巻線31U,31V,31Wに流れる相電流IU,IV,IWは、図5に示すように、電気角で120°ずつずれている。
本実施形態では、図4(a),(b)に示すように、高調波電流の包絡線が、基本波電流の1/2の周期を有している。包絡線を、図4(b)に一点鎖線にて示す。そして、包絡線がそのピーク値となるタイミングが、基本波電流がそのピーク値となるタイミングからずれている。具体的には、包絡線がそのピーク値となるタイミングが、基本波電流がその変動中心(0)となるタイミングとされている。制御装置40は、基本波電流及び高調波電流それぞれの振幅及び周期を独立に制御する。
図4(b)に示す高調波電流を流すことにより、各相巻線31U,31V,31Wに流れる相電流の最大値を低減でき、インバータ20の容量を増やさずに回転電機30のトルクを指令されたトルクにすることができる。
ちなみに、高調波電流としては、図6(b)に示すものであってもよい。図6(a),(c)は、先の図4(a),(c)に対応している。図6(a),(b)に示すように、高調波電流の包絡線がそのピーク値となるタイミングが、基本波電流がそのピーク値となるタイミングとされている。図6(b)に示す高調波電流は、図4(b)に示す高調波電流の位相を、基本波電流の周期の1/4だけずらしたものである。この場合に各相巻線31U,31V,31Wに流れる相電流IU,IV,IWの推移を図7に示す。
本実施形態では、第1巻線部71a、コンデンサ90及びダイオード80からなる直列共振回路が構成され、第2巻線部71b及びコンデンサ90からなる並列共振回路が構成されている。直列共振回路の共振周波数である第1共振周波数をf1とし、並列共振回路の共振周波数である第2共振周波数をf2とする。各共振周波数f1,f2は、下式(eq1),(eq2)で表される。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
各相巻線31U,31V,31Wに高調波電流が流れると、周方向において隣り合う主極部62、ロータコア61、ティース52及びステータコア51を含む磁気回路に主磁束の高調波による変動が発生する。主磁束の変動が起きることにより、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれに誘起電圧が発生し、第1,第2巻線部71a,71bに電流が誘起される。この際、図8のパターン1,4に示すように、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれに極性の同じ誘起電圧が発生する場合、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれの誘起電流が相殺されないため、誘起電流が増加する。ダイオード80により、第1,第2巻線部71a,71bに流れる電流が一方向に整流される。これにより、ダイオード80により整流された方向に界磁巻線70に界磁電流が流れ、界磁巻線が励磁される。なお、図8において、e1は第1巻線部71aに発生する誘起電圧を示し、e2は第2巻線部71bに発生する誘起電圧を示す。
一方、高調波電流が流れると、主磁束の変動の他に、漏れ磁束が発生し易くなる。漏れ磁束は、周方向に隣り合う主極部62の一方から他方へとロータコア61を介さずに横切るように流れ、界磁巻線70に鎖交する。この際、各巻線部71a,71bに鎖交する漏れ磁束も発生する。漏れ磁束が界磁巻線70に鎖交すると、第1巻線部71a内において、ある方向の誘起電圧が発生し、また、第2巻線部71b内においては異なる方向の誘起電圧が発生する場合がある。その結果、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれに誘起される電流の合計値が減少し、ひいては界磁巻線70に流れる界磁電流が減少する。
そこで、本実施形態では、第2巻線部71bにコンデンサ90が並列接続されている。このため、図8のパターン2,3に示すように、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれに発生する誘起電圧が逆極性となる場合であっても、コンデンサ90を介して誘起電流が流れるため、第1,第2巻線部71a,71bに流れる誘起電流は、互いに相殺されることがない。このため、図9(a)に示すように、第1巻線部71aで誘起された電流と、第2巻線部71bで誘起された電流とがコンデンサ90を介してダイオード80のアノード側へと流れたり、図9(b)に示すように、コンデンサ90から第2巻線部71bを介してダイオード80のアノード側へと電流が流れたりする。その結果、界磁巻線70に流れる界磁電流を増加させることができる。
本実施形態において、ステータ巻線31に流す高調波電流の周波数fhは、第1共振周波数f1と同じ周波数又はその近傍の周波数に設定されている。このため、第1,第2巻線部71a,71bに誘起される電流をより増加でき、界磁電流をより増加させることができる。
ここで、本発明者は、パターン2,3の場合についてさらに考察した。以下、これについて説明する。
図2に示した回路は、基本的には、図10〜図12に示す3つの回路からなる。図10は、第1巻線部71a、コンデンサ90及びダイオード80からなる直列共振回路を示し、図11は、第2巻線部71b及びコンデンサ90からなる並列共振回路を示す。図12は、第1,第2巻線部71a,71b及びダイオード80からなる界磁電流の整流回路を示す。
図10に示す直列共振回路では、第1共振周波数f1でインピーダンスが最小となり、交流電流が最大となる。また、この直列共振回路には、ダイオード80があるため半波電流が流れる。
図11に示す並列共振回路では、第2共振周波数f2でインピーダンスが最小となり、交流電流が最大となる。
ステータ巻線31に流す高調波電流の周波数が第1共振周波数f1とされる場合、直列共振回路において、第1共振周波数f1で変動する電流がコンデンサ90に供給される。コンデンサ90に供給された電流は、ダイオード80により半波電流となる。ここで、直列共振回路においてダイオード80により阻止された電流は、並列共振回路の第2巻線部71bを介してダイオード80のカソード側へと戻される。第1共振周波数f1と第2共振周波数f2とが等しい又は近い値の場合、直列共振回路及び並列共振回路それぞれに流れる交流電流は最大又は最大に近い値となる。
図12に示す回路では、第1,第1巻線部71a,71bの合成インピーダンスが第1共振周波数f1近傍において非常に大きくなる。このため、図12に示す回路に流れる電流は、図10及び図11に示した回路に流れる交流成分の電流が主となる。図12に示す回路には、ダイオード80により整流された直流成分の電流が流れる。
続いて、図13及び図14に、図10〜図12に示した回路に流れる電流の推移を示す。図13及び図14において、ICは、コンデンサ90に流れる電流であるコンデンサ電流を示し、IL1は、第1巻線部71aに流れる電流を示す。IL2は、第2巻線部71bに流れる電流を示し、Ifは、図12に示した回路に流れる直流成分の電流である界磁電流を示す。図13及び図14に示す縦軸の値は、各波形の大きさの相対関係を示すためのものである。
コンデンサ電流ICは、図10の矢印にて示すように、第1巻線部71aからコンデンサ90へと向かう方向に流れる場合を正とする。第1巻線部71aに流れる電流IL1は、図10の矢印にて示すように、第1巻線部71aの第1端から第2端へと向かう方向に流れる場合を正とする。第2巻線部71bに流れる電流IL2は、図11の矢印にて示すように、第2巻線部71bの第1端から第2端へと向かう方向に流れる場合を正とする。界磁電流Ifは、図12の矢印にて示すように、ダイオード80のアノードからカソードへと向かう方向に流れる場合を正とする。
図13には、界磁巻線70が励磁され始めた直後の状態を示す。図13の第1期間T1においては、コンデンサ電流ICが正の値となる。すなわち、第1期間T1においては、図10の直列共振回路において、第1巻線部71aからコンデンサ90へと電流が流れ込む。流入するコンデンサ電流ICの大きさと、第1巻線部71aに流れる電流IL1の大きさとは同等である。ここで、ステータ巻線31に流す高調波電流の周波数fhを第1共振周波数f1とすることにより、直列共振回路に流れる交流電流が増加する。
図13の第1期間T1に時間的に隣接する第2期間T2においては、コンデンサ電流ICが負の値となる。すなわち、第2期間T2においては、図11の並列共振回路において、コンデンサ90から第2巻線部71bへと電流が流れ出る。流出するコンデンサ電流ICの大きさと、第2巻線部71bに流れる正の電流IL2の大きさとは同等である。
第1期間T1の状態と、第2期間T2の状態とが繰り返されることにより、界磁電流Ifは、図14に示すように増加する。なお、図15に、実機モデル相当の構成でシミュレーションを実施した結果を示す。
本実施形態では、図14に示すように、第1巻線部71aに流れる電流IL1と、第2巻線部71bに流れる電流IL2との位相のずれ量θsが電気角で180°である。これにより、第1,第2巻線部71a,71bで発生する磁界の合成磁界のリップル分を打ち消し合うようにすることができ、合成磁界をそのリップル分が平滑化された一定磁界にすることができる。
なお、位相のずれ量θsは、「120°<θs<240°」のうち180°以外の値であってもよい。ずれ量θsが180°±60°の範囲にあれば、第1巻線部71aに流れる電流による磁界と第2巻線部71bに流れる電流による磁界との合成磁界のリップルを低減することはできる。
位相のずれ量θsを上記のようにするために、本実施形態では、下式(eq3),(eq4)を満たすように、第1,第2巻線部71a,71bのインダクタンスL1,L2が設定されている。以下、この設定について説明する。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
図16に、高調波電流の周波数fh、界磁巻線70に流れる界磁電流、及び回転電機30のトルクの関係を示す。回転電機30のトルクは、高調波電流の周波数fhとして使用が想定される範囲において、ある周波数で最大となる。この最大トルクとなる周波数を基準周波数f0と称すこととする。基準周波数f0は、第1共振周波数f1が第2共振周波数f2と等しくなる場合の周波数である。高調波電流の周波数fhを基準周波数f0から乖離させていくと、界磁電流が低下し、ひいてはトルクが低下する。ここでは、界磁電流が小さくなるほど、トルクが低下する。
ここで、回転電機30のトルクをその許容下限値Tmin以上にすることを考える。許容下限値Tminは、例えば、上記最大トルクの80%〜90%の値に設定される。図16において、トルクが許容下限値Tminと一致する高調波電流の2つの周波数fhのうち、低い方を下限周波数fLと称し、高い方を上限周波数fHと称すこととする。ここで、下限周波数fL及び上限周波数fHを下式(eq5)のように表す。例えば、A=0.3(30%)に設定され、B=0.4(40%)に設定される。
Figure 0006969529
上式(eq5)において、実数A,Bは、例えば、「0<A≦0.5、0<B≦0.5」の範囲の値に設定され、望ましくは「0<A≦0.4、0<B≦0.4」の範囲の値に設定される。第1共振周波数f1及び第2共振周波数f2のそれぞれは、下限周波数fLよりも高くてかつ上限周波数fHよりも低い周波数範囲にあることが望ましい。これにより、下式(eq6),(eq7)が導かれる。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
上式(eq6),(eq1)により、下式(eq8)が導かれる。
Figure 0006969529
ここで、下式(eq9)を用いると、上式(eq8)は下式(eq10)になる。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
上式(eq10)において、L1について整理すると、下式(eq11)が導かれる。
Figure 0006969529
一方、上式(eq7),(eq2)により、下式(eq12)が導かれる。
Figure 0006969529
上式(eq11)と同様に、上式(eq12),(eq9)から下式(eq13)が導かれる。
Figure 0006969529
ここで、第1共振周波数f1を基準周波数f0に等しくするとの条件から、下式(eq14)が導かれる。この場合、「L1=K」となる。
Figure 0006969529
「K=L1」を上式(eq13)に代入して整理すると、上式(eq3)が導かれる。
一方、第2共振周波数f2を基準周波数f0に等しくするとの条件から、下式(eq15)が導かれる。この場合、「L2=K」となる。
Figure 0006969529
「K=L2」を上式(eq11)に代入して整理すると、上式(eq4)が導かれる。
ここで、「A=0.3、B=0.4」とする場合、上式(eq3)は「0.5<L2/L1<2」となる。また、「A=0.3、B=0.4」とする場合、上式(eq4)は「0.5<L1/L2<2」となる。
ここで、L1,L2の関係について、例えば、「L1=L2」に設定してもよい。この場合、f1=f2となり、界磁電流の増大効果が大きくなる。
また、例えば、「0.5<L2/L1<2」及び「0.5<L1/L2<2」を満たすことを条件に、「L1≠L2」となるようにL1,L2を設定してもよい。以下、この設定の具体例について説明する。
<具体例1>
f1>f2とする場合、上式(eq1),(eq2)から「L2>L1」が導かれる。この場合、下式(eq16)が成立する。
Figure 0006969529
ここで、「A=0.2、B=0.2」に設定する。この設定は、例えば、許容下限値Tminが上記最大トルクの90%の値に設定される場合のものである。この場合、上式(eq3),(eq4),(eq16)から、「1<L2/L1<1.56」及び「0.69<L1/L2<1」が導かれる。
<具体例2>
f2>f1とする場合、上式(eq1),(eq2)から「L1>L2」が導かれる。この場合、下式(eq17)が成立する。
Figure 0006969529
ここで、上記具体例1と同様に、「A=0.2、B=0.2」に設定する。この場合、上式(eq3),(eq4),(eq17)から、「0.69<L2/L1<1」及び「1<L1/L2<1.56」が導かれる。
以上のように、A,Bの絶対値を小さくする、すなわち、fL〜fHで規定される周波数範囲を狭くすると、L2/L1及びL1/L2それぞれが取り得る範囲が狭くなる。
以上説明したように、上式(eq3),(eq4)を満たすように第1,第2巻線部71a,71bのインダクタンスL1,L2を設定することにより、界磁電流を増加させることができる。
また、本実施形態によれば、各インダクタンスL1,L2といった簡易なパラメータに基づいて、界磁電流を増加させる構成を実現することができる。
<第1実施形態の変形例1>
界磁巻線の第1,第2巻線部のそれぞれが、平角線にて構成されていてもよい。平角線が用いられることにより、界磁巻線の占積率を高めることができ、損失を低減できる。また、平角線によれば、巻線部に遠心力が作用した場合に、巻線間にかかる荷重を面で受けることができるため、巻線の被膜の損傷を防止できる。また、平角線によれば、アンペアターン(AT)を大きくすることができ、界磁巻線の励磁範囲を拡大できる。その結果、トルク制御性が向上する。
なお、第1,第2巻線部のそれぞれが、平角線を使用したα巻にて構成されていてもよい。平角線を使用したα巻の巻線部としては、例えば、特開2008−178211号公報の図5(A)に示すものを用いることができる。
<第1実施形態の変形例2>
図17に示すように、整流ダイオード80にツェナーダイオード81が並列接続されていてもよい。これにより、ダイオード80、界磁巻線70及びコンデンサ90にかかるサージ電圧を吸収することができ、ダイオード80、界磁巻線70及びコンデンサ90の劣化を抑制することができる。
なお、サージ電圧は、例えば、ステータ巻線31に流れる高調波電流が正弦波から大きく歪むことにより発生し得る。特に、特開2010−273476号公報や特開2018−98907号公報に記載されているように、180度矩形波通電制御が実施される場合において、高調波電流を流すために、ステータ巻線31に印加する電圧にパルス状の電圧が重畳されるときは、高調波電流の歪が大きくなり、サージ電圧が大きくなりやすい。このため、サージ電圧が大きくなりやすい構成においては、ツェナーダイオード81が備えられるメリットが大きい。
<第1実施形態の変形例3>
図18に示すように、整流ダイオード80に代えて、ツェナーダイオード81のみが備えられていてもよい。これにより、ツェナーダイオード81が、整流機能及びサージ吸収機能を兼ねることになる。その結果、回転電機30の部品数を削減することができる。
なお、ツェナーダイオード81は、図19に示すように、複数備えられていてもよい。図19には、ツェナーダイオード81が2つ備えられる例を示した。
<第1実施形態の変形例4>
図20に示すような界磁巻線73が用いられてもよい。詳しくは、主極部62に第1巻線部74aが巻回され、第1巻線部74aの外側に第2巻線部74bが巻回されている。
<第2実施形態>
本実施形態では、第1巻線部71aのターン数をN1とし、第2巻線部71bのターン数をN2とする場合、「N1<N2」に設定されている。以下、この設定について説明する。
第1巻線部71aのインダクタンスL1は下式(eq18)で表すことができ、第2巻線部71bのインダクタンスL2は下式(eq19)で表すことができる。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
上式(eq18),(eq19)において、μは透磁率を示し、S1,S2は、第1,第2巻線部71a,71bに通電された場合に形成される磁気回路の磁路面積(磁路の断面積)を示し、m1,m2は、第1,第2巻線部71a,71bに通電された場合に形成される磁気回路の磁路長を示す。
図21には、S1/m1がS2/m2と同等である例を示す。ここでは、無負荷に近い状態を示し、磁束は細い破線のみを通る。この場合、「L1=L2」とするためには「N1=N2」とすればよい。
しかしながら、実際には、図21の太い破線の様な漏れ磁束が存在し、その漏れ磁束等に起因して、S1がS2に対して大きくなり、また、m1がm2に対して短くなる傾向にある。その結果、S1/m1がS2/m2よりも大きくなる。この場合の他の例を図22に示す。この例は、最大負荷に近い状態を示す。S1/m1がS2/m2よりも大きくなる場合、「L1=L2」とするためには「N1<N2」にすることが要求される。
<第3実施形態>
図23に示すように、ロータ60において、第1巻線部71aと第2巻線部71bとの間に、軟磁性体からなる仕切部100が設けられていてもよい。仕切部100は、例えば、環状をなしており、仕切部100の中心孔が主極部62に挿し込まれた状態とされている。仕切部100は、軸方向から見た場合において、周方向に延びる扁平形状をなしている。仕切部100が第1巻線部71aと第2巻線部71bとの間に介在することにより、径方向において第1巻線部71aと第2巻線部71bとが仕切部100により遮断されている。仕切部100の径方向厚さは、第1巻線部71a及び第2巻線部71bそれぞれの径方向厚さよりも小さい。また、仕切部100の周方向長さは、各巻線部71a,71bの周方向長さ以上とされている。
仕切部100は、図24に示すように、軟磁性体が径方向に積層されることにより構成されていればよい。これにより、渦電流損失の低減を図ることができる。また、積層方向を径方向とすることにより、仕切部100の周方向長さを確保しつつ、径方向厚さを鋼板板厚寸法に合わせて薄く設定できる。
仕切部100が設けられることにより、漏れ磁束の大部分は、界磁巻線70ではなく、仕切部100を流れるようになる。その結果、第1,第2巻線部71a,71bそれぞれにおいて、さらにその内部の部分コイルで互いに逆極性となる誘起電圧が発生しにくくなり、誘起される電流が増加する。これにより、図8に示すパターン1〜4それぞれにおいて第1,第2巻線部71a,71bそれぞれに誘起される電流を増加させることができる。
なお、図20に示す構成においても、第1巻線部74aと第2巻線部74bとの間に仕切部が介在していてもよい。
<第4実施形態>
本実施形態において、界磁巻線70は、図25に示すように、第1巻線部71a、第2巻線部71b及び第3巻線部71cの直列接続体からなる。各主極部62において、径方向において最も外側に第1巻線部71aが巻回され、第1巻線部71aよりも径方向内側に第2巻線部71bが巻回され、第2巻線部71bよりも径方向内側に第3巻線部71cが巻回されている。各主極部62において、各巻線部71a,71b,71cの巻方向は互いに同じになっている。また、周方向に隣り合う主極部62のうち、一方に巻回された各巻線部71a,71b,71cの巻方向と、他方に巻回された各巻線部71a,71b,71cの巻方向とが逆になっている。
図26に、共通の主極部62に巻回された各巻線部71a,71b,71cを備えるロータ側の電気回路を示す。なお、本実施形態では、コンデンサ90を第1コンデンサ90と称すこととする。
ロータ60には、第1コンデンサ90と、第2コンデンサ91とが設けられている。第2巻線部71bの第2端には、第3巻線部71cの第1端が接続されている。第3巻線部71cの第2端には、ダイオード80のアノードが接続されている。第3巻線部71cには、第2コンデンサ91が並列接続されている。図26において、L3は第3巻線部71cのインダクタンスを示し、C1,C2は第1,第2コンデンサ90,91の静電容量を示す。
本実施形態において、第1巻線部71a、第1コンデンサ90及びダイオード80からなる直列共振回路を第1直列共振回路と称し、第2巻線部71b及び第1コンデンサ90からなる並列共振回路を第1並列共振回路と称すこととする。本実施形態では、さらに、第1,第2巻線部71a,71b、第2コンデンサ91及びダイオード80からなる第2直列共振回路と、第3巻線部71c及び第2コンデンサ91からなる第2並列共振回路とが構成されている。第2直列共振回路の共振周波数である第3共振周波数をf3とし、第2並列共振回路の共振周波数である第4共振周波数をf4とすると、各共振周波数f3,f4は、下式(eq20),(eq21)で表される。
Figure 0006969529
Figure 0006969529
第2直列共振回路及び第2並列共振回路は、第1直列共振回路及び第1並列共振回路と同様に機能する。この構成によれば、例えば、各相巻線31U,31V,31Wに流す高調波電流の周波数が設定した周波数からずれた場合であっても、ずれた周波数が第3,第4共振回路の共振周波数f3,f4となるとき、その周波数において界磁電流の増大効果を得ることができる。ちなみに、f1,f2と同様に、「f3=f4」に設定されればよい。
ここで、高調波電流の周波数が設定した周波数からずれる現象は、例えば、回転電機30の電気角周波数が高い領域で生じ得る。これは、電気角周波数が高いほど、基本波電流の1周期に重畳できる高調波電流の数M(Mは自然数)が少なくなり、重畳する高調波電流の数がMからM−1になる場合の周波数変動が大きいためである。例えば、Mが4と3の間で変わる場合、30%前後の周波数の変動があり、この前後における高調波電流の周波数fhは、少なくとも30%程度の変動がある。M=3は、3相電流のうち1相あたりの基本波電流の1周期に3周期分の高調波電流が含まれることを示し、界磁巻線の励磁周波数としては最小単位であると考えられる。
<第4実施形態の変形例>
界磁巻線が4つ以上の巻線部の直列接続体からなっていてもよい。この場合、図27に示すように、巻線部の数をn+1個とすると、コンデンサの数がn個となる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上式(eq3),(eq4)の双方ではなく、いずれか1つを満たすように、第1,第2巻線部71a,71bのインダクタンスL1,L2が設定されていてもよい。具体的には例えば、「0.5<L2/L1<2」及び「0.5<L1/L2<2」のいずれか1つを満たすように、インダクタンスL1,L2が設定されていてもよい。
・回転電機としては、インナロータ型のものに限らず、アウタロータ型のものであってもよい。この場合、主極部は、ロータコアから径方向内側に突出している。
・ロータの界磁巻線としては、アルミ線に限らず、例えば、銅線又はCNT(カーボンナノチューブ)等であってもよい。また、界磁巻線は、圧縮成形で無くてもよい。
30…回転電機、50…ステータ、60…ロータ、70…界磁巻線、71a,71b…第1,第2巻線部、80…ダイオード、90…コンデンサ。

Claims (8)

  1. ステータ巻線(31U〜31W)を有するステータ(50)と、
    第1巻線部(71a,74a)及び第2巻線部(71b,74b)の直列接続体を有する界磁巻線(70,73)と、
    ロータコア(61)、及び周方向において所定間隔で設けられてかつ前記ロータコアから径方向に突出する主極部(62)を有するロータ(60)と、を備え、
    前記第1巻線部及び前記第2巻線部のそれぞれが前記各主極部に巻回され、前記界磁巻線に界磁電流を誘起させるための高調波電流が前記ステータ巻線に流れる界磁巻線型回転電機(30)において、
    前記直列接続体の両端のうち、前記第1巻線部側にカソードが接続され、前記第2巻線部側にアノードが接続されたダイオード(80,81)と、
    前記第2巻線部に並列接続されたコンデンサ(90)と、を備え、
    前記第1巻線部及び前記コンデンサを含む直列共振回路と、前記第2巻線部及び前記コンデンサを含む並列共振回路とが構成されており、
    前記第1巻線部が、径方向において前記第2巻線部よりも前記ステータに近い側に配置されており、
    前記第2巻線部のターン数(N2)が前記第1巻線部のターン数(N1)よりも大きくされており、
    前記直列共振回路に流れる電流と、前記並列共振回路に流れる電流との位相のずれ量θsが「120°<θs<240°」となるように、前記第1巻線部及び前記第2巻線部それぞれのインダクタンスが設定されている界磁巻線型回転電機。
  2. 記高調波電流の周波数を前記直列共振回路の共振周波数に近づけていくほど前記回転電機のトルクが大きくなる特性を有し、
    記回転電機のトルクが最大となる場合の前記高調波電流の周波数を基準周波数(f0)とする場合、前記回転電機のトルクがその許容下限値(Tmin)と等しくなる前記高調波電流の2つの周波数のうち、低い方である下限周波数fLと、高い方である上限周波数fHとを下式(c1)で表し、
    Figure 0006969529
    前記第1巻線部のインダクタンスをL1とし、前記第2巻線部のインダクタンスをL2とする場合、下式(c2)を満たすように、前記第1巻線部及び前記第2巻線部それぞれのインダクタンスが設定されている請求項1に記載の界磁巻線型回転電機。
    Figure 0006969529
  3. 前記下限周波数が前記基準周波数の0.7倍の周波数であり、前記上限周波数が前記基準周波数の1.4倍の周波数であり、
    0.5<L2/L1<2」を満たすように、前記第1巻線部及び前記第2巻線部それぞれのインダクタンスが設定されている請求項2に記載の界磁巻線型回転電機。
  4. 前記許容下限値は、前記高調波電流の周波数を前記共振周波数に一致させた場合における前記回転電機の最大トルクの80%〜90%の値である請求項2又は3に記載の界磁巻線型回転電機。
  5. 前記ダイオードは、互いに並列接続された整流ダイオード(80)及びツェナーダイオード(81)である請求項1〜のいずれか1項に記載の界磁巻線型回転電機。
  6. 前記ダイオードは、ツェナーダイオード(81)のみからなる請求項1〜のいずれか1項に記載の界磁巻線型回転電機。
  7. 前記ダイオードは、直列接続された複数のツェナーダイオード(81)である請求項1〜のいずれか1項に記載の界磁巻線型回転電機。
  8. 前記高調波電流の周波数が前記直列共振回路の共振周波数に設定されている請求項1〜のいずれか1項に記載の界磁巻線型回転電機。
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