JP6646878B2 - 界磁巻線型回転機 - Google Patents

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Description

本発明は、界磁巻線型回転機に関する。
従来、ステータ固定巻線への通電により界磁を発生させる界磁巻線型回転機が知られている(例えば、特許文献1及び2など)。界磁巻線型回転機は、ステータと、ロータと、を備えている。ステータは、ステータコア及びそのステータコアに巻装されるステータ固定巻線を有している。ロータは、ロータコア及びそのロータコアに巻装されるロータ界磁巻線を有している。ロータ界磁巻線は、整流素子であるダイオードを介して短絡されている。すなわち、ロータ界磁巻線の両端間には、ダイオードが接続されている。
また、上記の界磁巻線型回転機は、ステータ固定巻線に接続されるインバータ回路と、ロータの回転位置に対応した電流がステータ固定巻線に流れるようにインバータ回路を制御する制御回路と、を備えている。ステータ固定巻線に流れる電流は、回転トルク発生用の電流成分である基本波電流(すなわち、同期電流)と、ロータ励磁用の電流成分である励磁電流と、の和である。ロータ励磁用の励磁電流は、基本波電流に比して短い周期(すなわち、高い周波数)の高調波電流であり、パルス状の波形に成形されている。このロータ励磁用の励磁電流がステータ固定巻線に流れると、励磁磁束がロータコアの主磁極に鎖交し、ロータ界磁巻線に電圧が発生して励磁電流が誘起される。
上記の如く、ロータ界磁巻線の両端間にはダイオードが接続されている。このため、励磁磁束が変動してロータ界磁巻線に交流電圧が発生しても、ロータ界磁巻線には電流が一方向にのみ流れることで、ロータコアが所定方向へ励磁されて一対の界磁極(具体的には、N極及びS極)が形成される。この一対の界磁極を形成するための界磁束は、ステータ固定巻線へのロータ励磁用の励磁電流の通電とロータ界磁巻線での電流の整流とにより形成される。
このように、ステータからの励磁磁束をロータ界磁巻線で受けると共にダイオードを介して一方向電流に変換することで界磁極を構成する回転機においては、回転トルクを発生させるために、ロータコアの主磁極に励磁磁束を鎖交させてロータコアの励磁を行う。このロータコアの励磁は、基本波電流にパルス状の励磁電流を重畳してロータ界磁巻線に励磁電流を誘起することにより実現される。
特開2008−178211号公報 特開2007−185082号公報
ロータ界磁巻線は、インダクタンスを有しており、各極のロータ界磁巻線は各々の部分で部分インダクタンスを構成する。界磁極に流れる磁束には漏れ磁束や高調波磁束などがある。ロータ界磁巻線の励磁時におけるインピーダンスが高いと、そのロータ界磁巻線に電流が流れ難くなる。電流が流れ難い場合において、ロータ界磁巻線に励磁電流を適切に誘起するためには、その電流の流れ難い分だけロータ励磁用の高調波成分の振幅を高くすることが必要である。このため、高調波成分に起因してトルクリップルが大きくなってしまう。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ロータ界磁巻線の励磁時におけるインピーダンスを低減することで、高調波成分に起因するトルクリップルを低減することが可能な界磁巻線型回転機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、ステータコアに巻装されるステータ固定巻線と、ロータコアに巻装されるロータ界磁巻線と、前記ロータ界磁巻線の両端間に接続される整流素子と、一端が前記整流素子の一端に接続され、他端が前記ロータ界磁巻線の途中に接続されるコンデンサと、前記ステータ固定巻線に回転トルクを発生させるための基本波成分と前記基本波成分に比して周期が短い高調波成分とを重畳した電流を流すことにより、前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起する制御回路と、を備え、前記ロータ界磁巻線のインダクタンス及び前記コンデンサの容量は、前記高調波成分の周波数に対して共振関係にある、界磁巻線型回転機である。
この構成によれば、ステータ固定巻線に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、ロータ界磁巻線に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、ロータ界磁巻線の励磁時におけるインピーダンスを低減することができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
界磁巻線型回転機において、前記高調波成分は、前記基本波成分に対して1/2周期を有する定在波であって、振幅調整されている。この構成によれば、基本波成分に重畳する定在波である高調波成分の振幅調整により、ロータ界磁巻線を励磁する励磁電流量を制御することができるので、その励磁電流量のコントロールを行い易くなっている。
界磁巻線型回転機において、前記ロータ界磁巻線は、前記コンデンサの他端と前記整流素子の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部と、前記コンデンサに並列に接続されている第2部分界磁巻線部と、を有し、前記第1部分界磁巻線部のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく第1共振周波数、及び、前記第2部分界磁巻線部のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく第2共振周波数の少なくとも一方は、前記高調波成分の周波数を含む、又は、前記高調波成分の周波数は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との間にある。
この構成によれば、ステータ固定巻線に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、ロータ界磁巻線の第1部分界磁巻線部又は第2部分界磁巻線部に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、ロータ界磁巻線の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線の励磁性を向上させることができる。
界磁巻線型回転機において、前記ロータ界磁巻線は、直列接続された複数の部分界磁巻線部を有し、前記コンデンサは、それぞれ一端が前記整流素子の一端に接続され、前記部分界磁巻線部同士の接続点ごとに他端が接続される複数の部分コンデンサを有し、複数の前記部分界磁巻線部と複数の前記部分コンデンサとにより複数の共振回路が設けられており、前記共振回路の共振周波数の少なくとも何れか一つは、前記高調波成分の周波数を含む、又は、前記高調波成分の周波数は、何れか2つの前記共振回路の共振周波数の間にある。この構成によれば、共振周波数を複数設けることができるので、高調波成分を共振回路の共振周波数に合わせ易くすることができ、又は、高調波成分を何れか2つの共振周波数の間に合わせ易くすることができるので、ロータ界磁巻線の部分界磁巻線部に誘起される界磁電流を流し易くすることができる。
界磁巻線型回転機において、前記共振回路ごとの共振周波数は、互いに異なる。この構成によれば、共振回路ごとの共振周波数を、幅を有する帯域に亘って広げることができるので、高調波成分を共振回路の共振周波数に又は何れか2つの共振周波数の間に合わせ易くすることができ、これにより、ロータ界磁巻線の部分界磁巻線部に誘起される界磁電流を流し易くすることができる。
界磁巻線型回転機において、前記基本波成分に重畳される前記高調波成分の周波数は、低回転から高回転まで、前記ロータ界磁巻線のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく共振周波数を含む所定周波数範囲内である。この構成によれば、界磁巻線型回転機の低回転から高回転まで、基本波成分の周波数に関係なく共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができるので、ロータ界磁巻線の励磁時におけるインピーダンスを低減して、そのロータ界磁巻線の励磁性を向上させることができる。また、界磁巻線型回転機の低回転から高回転まで、高調波成分の振幅を抑えることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
界磁巻線型回転機において、前記所定周波数範囲は、前記ロータ界磁巻線に誘起される励磁電流又はトルクが所定値以上となる範囲である。この構成によれば、高調波成分の生成によりロータ界磁巻線の励磁性を高めつつ、ロータ界磁巻線に誘起される励磁電流又はトルクを大きなものとすることができる。
界磁巻線型回転機において、前記ステータ固定巻線は、三相の相巻線からなり、前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の中心から電気角30°〜60°遅れた位置で、他の二相のうち一方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に所定期間だけオフするための第1負電圧パルスを付加すると共に、他の二相のうち他方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に前記第1負電圧パルスと対をなす所定期間だけオンするための第1正電圧パルスを付加し、又は、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間の中心から電気角30°〜60°遅れた位置で、他の二相のうち一方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に所定期間だけオンするための第2正電圧パルスを付加すると共に、他の二相のうち他方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に前記第2正電圧パルスと対をなす所定期間だけオフするための第2負電圧パルスを付加する。この構成によれば、隣接する二相の相巻線に一組の正負電圧パルス対を印加することができ、一制御周期中に高調波成分を一つ生成することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路は、一の相巻線を基準とした前記第1負電圧パルス及び前記第1正電圧パルスの付加並びに前記第2正電圧パルス及び前記第2負電圧パルスの付加の双方を他の二相の相巻線を基準とした場合にも行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回行い、又は、一の相巻線を基準とした前記第1負電圧パルス及び前記第1正電圧パルスの付加並びに前記第2正電圧パルス及び前記第2負電圧パルスの付加の何れか一方を他の二相の相巻線を基準とした場合にも行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で3回行う。この構成によれば、一制御周期中に6個又は3個の高調波成分を等間隔で生成することができるので、所定回転域で、共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができる。
界磁巻線型回転機において、前記ステータ固定巻線は、三相の相巻線からなり、前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に所定期間だけオフするための第1負電圧パルスを付加すると共に、他の何れか一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に前記第1負電圧パルスと対をなす所定期間だけオンするための第1正電圧パルスを付加し、又は、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に所定期間だけオン期間を継ぎ足すための第2正電圧パルスを付加すると共に、他の何れか一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に前記第2正電圧パルスと対をなす所定期間だけオフするための第2負電圧パルスを付加する、第1生成処理を実行する。この構成によれば、隣接する二相の相巻線に一組の正負電圧パルス対を印加することができ、一制御周期中に高調波成分を一つ生成することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路は、前記第1生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の双方のタイミングで行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回行う。この構成によれば、一制御周期中に6個の高調波成分を等間隔で生成することができるので、所定回転域で、共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路は、前記第1生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の何れか一方のタイミングで行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で3回行う。この構成によれば、一制御周期中に3個の高調波成分を等間隔で生成することができるので、共振周波数に近い周波数の高調波成分を生成可能な一制御周期当たりの高調波成分の数が6個である場合の回転域よりも高い回転域で、共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、互いに周方向に隣接する二つの相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形への正負電圧パルス対の付加を一制御周期当たり等間隔で4回行い、一相一制御周期当たりの印加電圧の平均値をゼロとする。この構成によれば、一制御周期中に4個の高調波成分を等間隔で生成することができるので、共振周波数に近い周波数の高調波成分を生成可能な一制御周期当たりの高調波成分の数が6個である場合の回転域と3個である場合の回転域との間の回転域で、より共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路は、前記第1生成処理を所定の相巻線で矩形波電圧波形の始端及び終端の双方のタイミングで行うと共に、前記所定の相巻線における矩形波電圧波形の始端及び終端それぞれのタイミングから電気角90°だけ離間したタイミングで、互いに周方向に隣接する二つの相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形に正負電圧パルス対を付加することにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で4回行う。この構成によれば、一制御周期中に4個の高調波成分を等間隔で生成することができる。
界磁巻線型回転機において、前記制御回路による電圧パルスの付加周波数は、前記所定周波数範囲内である。この構成によれば、電圧パルスの付加により、界磁巻線型回転機の低回転から高回転まで、基本波成分の周波数に関係なく共振周波数に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができる。
本発明の第1実施形態に係る界磁巻線型回転機を含むシステムの回路図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機の構成図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機を回転軸に対して垂直方向に広がる面で切断した際の断面図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機におけるステータ固定巻線の各相に流す相電流、ロータ励磁用の励磁電流、及び発生トルクそれぞれの一例の時間変化を表した波形図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機におけるステータ固定巻線の一相の相電流、その相電流を構成する基本波成分、及びその相電流を構成するロータ励磁用の高調波成分それぞれの一態様の時間変化を表した波形図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機におけるステータ固定巻線の一相の相電流、その相電流を構成する基本波成分、及びその相電流を構成するロータ励磁用の高調波成分それぞれの別態様の時間変化を表した波形図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機におけるロータ界磁巻線の電圧方向とトータル電圧と発生電流と電流変換効率との関係を表す図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機のロータ界磁巻線を含む要部回路図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機においてロータ界磁巻線の各部分界磁巻線部に発生する電圧が相互に打ち消し合う方向でコンデンサが充電されることを説明するための図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機においてロータ界磁巻線の各部分界磁巻線部に発生する電圧が相互に打ち消し合う方向でコンデンサが放電されることを説明するための図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機においてV相の相巻線に流れる電流が最大であるときにステータとロータとの間に生じる磁界の発生を表した図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機において、ロータが4極対である場合における、回転数ごとの、ステータ固定巻線に流す基本波成分の周期と、高調波成分の目標パルス数と、実パルス数と、高調波成分の実周波数が共振周波数に対してずれるズレ率と、を表した図である。 図12における回転数とズレ率との関係を表した図である。 界磁巻線型回転機の共振周波数近傍での高調波成分の周波数と、得られる励磁電流及びトルクと、の関係を表した図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機において高調波成分を生成するために正負電圧パルス対を印加する隣接二相の組み合わせとその印加タイミング(ロータ位置)とを表した図である。 第1実施形態の界磁巻線型回転機において一制御周期(電気角360°)当たり高調波成分を6回生成する場合の各相電圧波形を表した図である。 第1実施形態の変形形態である界磁巻線型回転機において、ロータが4極対である場合における、回転数ごとの、ステータ固定巻線に流す基本波成分の周期と、高調波成分の目標パルス数と、実パルス数と、高調波成分の実周波数が共振周波数に対してずれるズレ率と、を表した図である。 図17における回転数とズレ率との関係を表した図である。 第1実施形態の上記した変形形態の界磁巻線型回転機において一制御周期当たり高調波成分を4回生成する場合の各相電圧波形を表した図である。 本発明の第2実施形態に係る界磁巻線型回転機のロータ界磁巻線を含む要部回路図である。 第2実施形態の界磁巻線型回転機を回転軸に対して垂直方向に広がる面で切断した際の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る界磁巻線型回転機のロータ界磁巻線を含む要部回路図である。 本発明の第1変形形態に係る界磁巻線型回転機を回転軸に対して垂直方向に広がる面で切断した際の断面図である。 本発明の第2変形形態に係る界磁巻線型回転機を回転軸に対して垂直方向に広がる面で切断した際の断面図である。 本発明の第3変形形態に係る界磁巻線型回転機を回転軸に対して垂直方向に広がる面で切断した際の断面図である。 本発明の第4変形形態に係る界磁巻線型回転機のロータ界磁巻線を含む要部回路図である。 本発明の第5変形形態に係る界磁巻線型回転機のロータ界磁巻線を含む要部回路図である。
以下、本発明に係る界磁巻線型回転機の具体的な実施形態について、図1〜図27を参照しつつ説明する。
[実施形態1]
本発明の第1実施形態において、界磁巻線型回転機20は、例えば車両などに搭載される同期型の発電電動機である。以下、界磁巻線型回転機20を単に回転機20と称す。回転機20は、図1に示す如くバッテリなどの電源22から電力が供給されることで車両を駆動するための駆動力を発生すると共に、また、車両のエンジンから駆動力が供給されることでバッテリを充電するための電力を発生する装置である。回転機20は、図2に示す如く、ステータ24と、ロータ26と、ハウジング28と、軸受30と、を備えている。
ステータ24は、ハウジング28により囲まれた空間に収容されていると共に、そのハウジング28に固定されている。ステータ24は、ステータコア32と、ステータ固定巻線34と、を有している。ステータコア32は、磁束が流れる磁路の一部を構成する。ステータコア32は、軸中心に孔36が空いた中空円筒状に形成されている。ステータコア32は、図3に示す如く、スロット38と、ティース40と、を有している。スロット38は、コア本体に対して径方向内側に開口しており、軸方向に沿って延びている。スロット38は、周方向において複数設けられており、所定角度ごとに並ぶように配置されている。スロット38には、ステータ固定巻線34の直線部が収容される。ステータ固定巻線34は、ステータコア32のティース40に巻装されている。ステータ固定巻線34は、三相U,V,Wそれぞれの相巻線を有している。
ロータ26は、ステータコア32の孔36に回転可能に収容されている。ロータ26は、ステータ24に対して径方向内側に所定のエアギャップを空けて対向して配置されている。ロータ26は、ハウジング28に軸受30を介して回転可能に支持されている。ロータ26は、ロータコア42と、ロータ界磁巻線44と、を有している。ロータコア42は、磁束が流れる磁路の一部を構成する。
ロータコア42は、ボス部46と、突極部48と、を有している。ボス部46は、円筒状に形成されており、その中空孔にロータシャフト50が嵌挿された部位である。突極部48は、ボス部46から径方向外側へ向けて突出する部位である。突極部48は、周方向において複数設けられており、所定間隔をおいて並ぶように配置されている。突極部48は、一対の界磁極(具体的には、N極及びS極)をなす主磁極である。ロータ界磁巻線44は、ロータコア42の突極部48にその回りを囲むように巻装されている。ロータ界磁巻線44は、突極部48ごとに集中的に巻かれている。
回転機20は、整流素子52を備えている。整流素子52は、ロータ界磁巻線44の両端間に接続されるダイオードである。整流素子52のアノード端子はロータ界磁巻線44の一端に接続されていると共に、整流素子52のカソード端子はロータ界磁巻線44の他端に接続されている。整流素子52は、ロータ界磁巻線44に誘起された交流電圧を半波整流して、ロータ界磁巻線44に流れる電流の方向を一方向に限定する機能を有している。この整流素子52の機能により、突極部48は、N極及びS極のうち何れか一方に励磁される。各突極部48はそれぞれ、周方向においてN極の突極部48とS極の突極部48とが交互に並ぶよう励磁される。
回転機20は、コンデンサ54を備えている。コンデンサ54は、一端が整流素子52のアノード端子及びロータ界磁巻線44の一端に接続されていると共に、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されているコンデンサであって、電荷を蓄えることが可能な受動素子である。コンデンサ54は、容量Cを有している。尚、コンデンサ54の他端とロータ界磁巻線44との接続位置は、ロータ界磁巻線44を界磁極に流れる磁束の漏れ磁束や高調波磁束などの影響を受け易い部分と受け難い部分とに分ける境界位置であることが望ましい。ロータ界磁巻線44と整流素子52とコンデンサ54とは、極ごと或いは極対ごとに回路配置されてもよいし、全体で一セットでもよい。
ロータ界磁巻線44は、直列接続された複数個nの部分界磁巻線部44−1,44−2,・・・,44−nを有している。以下、本実施形態において、ロータ界磁巻線44は、2つの部分界磁巻線部を有するものとし、それぞれ第1部分界磁巻線部44−1及び第2部分界磁巻線部44−2と称す。第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2との接続点は、コンデンサ54の他端に接続されている。
第1部分界磁巻線部44−1は、整流素子52のカソード端子とコンデンサ54の他端との間に接続されている部位である。また、第2部分界磁巻線部44−2は、コンデンサ54に並列に接続され、コンデンサ54の一端(すなわち、整流素子52のアノード端子)とコンデンサ54の他端との間に両端が接続されている部位である。コンデンサ54は、第1部分界磁巻線部44−1の両端に発生する電圧e1の方向と第2部分界磁巻線部44−2の両端に発生する電圧e2の方向とが互いに逆方向となって両電圧e1,e2が相互に打ち消し合うときに、その打ち消し合う電圧分の励磁エネルギを蓄える機能を有している。
第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2との接続点は、ロータ界磁巻線44を漏れ磁束や高調波磁束などの影響を受け易い部分と受け難い部分とに分ける箇所に設定されていればよい。第1部分界磁巻線部44−1は、インダクタンスL1を有している。第2部分界磁巻線部44−2は、インダクタンスL2を有している。第1部分界磁巻線部44−1は、突極部48の径方向においてステータコア32に近い側に配置されている。第2部分界磁巻線部44−2は、突極部48の径方向においてステータコア32から遠い側に配置されている。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1は、第2部分界磁巻線部44−2に比してステータコア32に近い側(すなわち、径方向外側)に配置されている。
尚、第1部分界磁巻線部44−1及び第2部分界磁巻線部44−2の配置は、例えば、ロータコア42の突極部48に第2部分界磁巻線部44−2を巻装した後にその第2部分界磁巻線部44−2の径方向外側に第1部分界磁巻線部44−1を巻装することにより実現されるものであってよい。
図1に示す如く、回転機20には、電源22に並列に接続されるインバータ回路60が接続されている。インバータ回路60は、ステータ固定巻線34に接続されており、ステータ固定巻線34の各相U,V,Wの相巻線に電圧印加を行う回路である。インバータ回路60は、電源22の両端間に直列接続される上アーム素子62及び下アーム素子64を有している。上アーム素子62及び下アーム素子64は、各相U,V,Wの相巻線に対応して3組設けられている。
各アーム素子62,64はそれぞれ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(すなわちIGBT)やMOS電界効果トランジスタなどのスイッチング素子66と、フライホイルダイオード68と、により構成されている。各相U,V,Wそれぞれの上アーム素子62のスイッチング素子66と下アーム素子64のスイッチング素子66とは、互いに逆相でオン/オフされる。各相U,V,Wの上アーム素子62のスイッチング素子66は、所定位相差を伴って所定期間だけオンされる。
インバータ回路60の両端間には、平滑コンデンサ70が接続されている。平滑コンデンサ70は、電源22の両端間に接続されており、電源22に並列に接続されている。平滑コンデンサ70は、インバータ回路60の両端間に生じる電圧を平滑化するためのものである。
インバータ回路60には、制御回路72が接続されている。制御回路72は、インバータ回路60の各アーム素子62,64のスイッチング素子66に接続されており、そのインバータ回路60を制御する回路である。制御回路72には、ロータ26の回転位置を検出するための位置センサ74が接続されている。制御回路72は、位置センサ74から得られたロータ26の回転位置に基づいて、ステータ固定巻線34に所望の電流が流れるようにインバータ回路60を駆動する。インバータ回路60は、制御回路72からの駆動指令に従ってスイッチング素子66が駆動されることにより、ステータ固定巻線34から所望の回転磁界が発生するように各相U,V,Wの相巻線に電圧印加を行う。
次に、本実施形態の回転機20の動作について説明する。
制御回路72は、ロータ界磁巻線44に界磁電流を誘起するために、回転機20に回転トルクを発生させるための電流である基本波成分(すなわち同期電流)とは別に、ロータコア42を励磁させるための電流である励磁成分をステータ固定巻線34に通電させる。すなわち、制御回路72は、回転トルク発生用の基本波成分とその基本波成分に比して周期が短いロータ励磁用の励磁成分とを重畳した電流がステータ固定巻線34に流れるように、インバータ回路60を制御する。制御回路72は、基本波成分及び励磁成分それぞれの振幅及び周期をそれぞれ独立して制御する。
ステータ固定巻線34に流す電流は、図4に示す如く、上記の基本波成分と上記の励磁成分とを重畳した、電流の和である。図5及び図6に示す如く、基本波成分は、時間経過に伴って正弦波状に変化する電流である。ロータ励磁用の励磁成分は、基本波成分に比して短い周期(すなわち、高い周波数)の電流であると共に、基本波成分に比して小さい振幅の電流である。この励磁成分は、基本波成分に対して脈動する電流であって、時間経過に伴って連続的に変化する高調波成分である。
ロータ励磁用の高調波成分は、基本波成分に対して1/2周期を有する定在波である。ロータ励磁用の高調波成分の、基本波成分に対する位相は、高調波成分の最大振幅が基本波成分の必要なタイミングを避けて生じるように設定されている。例えば、高調波成分は、図5に示す如く、その最大振幅が基本波成分の最大振幅時を避けたタイミングで生じるように位相調整されていてよい。また、高調波成分は、図6に示す如く、その最大振幅が基本波成分の最大振幅時に生じるように位相調整されていてよい。ロータ励磁用の高調波成分は、基本波成分の振幅に比して小さくなるように振幅調整されている。
制御回路72の駆動指令に従ってインバータ回路60からステータ固定巻線34の各相巻線に基本波電流が流れると、ロータ26を回転させる回転磁界が発生する。また、そのステータ固定巻線34の各相巻線に高調波電流が流れると、その高調波電流に応じた交流磁界が発生して励磁磁束が発生する。この場合、励磁磁束がロータコア42の突極部48に鎖交し、ロータ界磁巻線44に交流電圧が発生して界磁電流が誘起される。ステータ固定巻線34の基本波電流とロータ界磁巻線44の界磁電流とにより、回転機20を回転させる回転トルクが発生する。
ロータ界磁巻線44の両端間には整流素子52が接続されており、ロータ界磁巻線44は整流素子52を介して短絡されている。このため、上記の如くロータ界磁巻線44に交流電圧が発生しても、そのロータ界磁巻線44には電流が一方向にのみ流れることで、ロータコア42が所定方向へ励磁されてロータコア42に一対の界磁極が形成される。この一対の界磁極を形成するための界磁束は、ステータ固定巻線34へのロータ励磁用の励磁電流の通電とロータ界磁巻線44での電流の整流とにより形成される。
ところで、ロータ界磁巻線44は、インダクタンスを有しており、各極のロータ界磁巻線44は各々の部分で部分インダクタンスを構成する。界磁極に流れる磁束には漏れ磁束や高調波磁束などがあるので、ロータ界磁巻線44の位置によって貫く磁束量やその向きは互いに異なるものとなり、ロータ界磁巻線44の各部分インダクタンスに発生する電圧の方向は一様でなく時間やロータ回転位置によって変化する。
具体的には、2つの部分界磁巻線部44−1,44−2からなるロータ界磁巻線44に発生する電圧の方向としては、図7に示す如く4つのパターンがある。この4つのパターンは、第1部分界磁巻線部44−1に発生する電圧e1の方向と第2部分界磁巻線部44−2に発生する電圧e2の方向とが同方向である場合(パターン1及びパターン4)と、逆方向である場合(パターン2及びパターン3)と、である。パターン2及びパターン3に示す如くロータ界磁巻線44の各部分インダクタンスに相互に打ち消し合う電圧が発生すると、そのロータ界磁巻線44の全体電圧が下がって励磁電流が減少し、励磁エネルギの損失が発生するおそれがある。
これに対して、本実施形態の回転機20においては、図8に示す如く、ロータ界磁巻線44の両端間に整流素子52が接続されていると共に、整流素子52のアノード端子とロータ界磁巻線44の途中との間にコンデンサ54が接続されている。すなわち、一端が整流素子52のアノード端子に接続され、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されるコンデンサ54が設けられている。
かかる回転機20の構造においては、図9に示す如く、ロータ界磁巻線44におけるコンデンサ54との接続点で分かれた第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2とで、印加電圧方向が互いに逆方向となって両電圧e1,e2が相互に打ち消し合うと共に、それらの電圧e1,e2が、各部分界磁巻線部44−1,44−2を整流素子52との接続部側からコンデンサ54の他端との接続部側へ電流が流れるように印加される場合(パターン2)、それらの各部分界磁巻線部44−1,44−2を流れた電流がコンデンサ54に向けて流れる。この場合は、第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2とで相互に打ち消し合う電圧分の励磁エネルギがコンデンサ54に蓄えられて、コンデンサ54が充電される。
上記したコンデンサ54の充電後、図10に示す如く、第1部分界磁巻線部44−1の電圧方向と第2部分界磁巻線部44−2の電圧方向とが切り替わって、それらの電圧e1,e2が、相互に打ち消し合う方向で、各部分界磁巻線部44−1,44−2をコンデンサ54の他端との接続部側から整流素子52との接続部側へ電流が流れるように印加される場合(パターン3)、コンデンサ54側から各部分界磁巻線部44−1,44−2に電流が流れる。この場合は、コンデンサ54に蓄えられていたエネルギが各部分界磁巻線部44−1,44−2へ放出されて、コンデンサ54が放電される。そして、コンデンサ54の充電と放電とが繰り返される。
このように、漏れ磁束や高調波磁束などに起因して第1部分界磁巻線部44−1に発生する電圧e1と第2部分界磁巻線部44−2に発生する電圧e2とが相互に打ち消し合うときに、ロータ界磁巻線44の全体に作用する電圧は下がるが、その相互に打ち消し合う電圧分の励磁エネルギはコンデンサ54に蓄えられる。そして、そのコンデンサ54の充電後に上記の電圧方向が切り替わったときに、そのコンデンサ54に蓄えられていたエネルギがロータ界磁巻線44へ放出されて、ロータコア42を励磁する励磁電流に変換される。
従って、本実施形態の回転機20によれば、ロータ界磁巻線44の各部分界磁巻線部44−1,44−2に相互に打ち消し合う方向の電圧が発生するとき、ロータ界磁巻線44で発生した励磁エネルギを効率良く励磁電流に変換することで、界磁電流を確保することができる。このため、ロータ界磁巻線44の各部分界磁巻線部44−1,44−2に相互に打ち消し合う方向の電圧が発生するときの励磁電流の減少に伴う励磁エネルギ損失の発生を防止することができ、それらの電圧が相互に打ち消し合う事態が生じても、ロータコア42を効率良く励磁することができる。
また、上記の如く界磁電流が確保されるので、ロータコア42に界磁極を形成するうえで必要な、ステータ固定巻線34に流すステータ電流として基本波成分に重畳させる高調波成分を小さい振幅に抑えることができる。このため、回転機20の構造によれば、高調波成分の振幅が比較的大きいときに比べて、トルクリップルを低減することができる(図4参照)。
また、回転機20においては、ロータ界磁巻線44の第1部分界磁巻線部44−1が突極部48の径方向においてステータコア32に近い側に配置されていると共に、第2部分界磁巻線部44−2が突極部48の径方向においてステータコア32から遠い側に配置されている。ロータコア42の突極部48を貫く磁束には漏れ磁束などがあるので、ロータ界磁巻線44の位置によって貫く磁束量やその向きは互いに異なるものとなり得る。この現象は特に高調波磁束において顕著であり、ロータ界磁巻線44のステータコア32に近い側と遠い側(すなわちロータコア42のボス部46側)とで磁束量の差が大きい。このため、上記した回転機20の構造によれば、その差の分だけコンデンサ54に蓄えるエネルギを大きくすることができ、効果的に界磁電流を得ることができる。
また、回転機20において、ロータ界磁巻線44の第1部分界磁巻線部44−1とコンデンサ54とは、共振回路を構成する。以下、この第1部分界磁巻線部44−1とコンデンサ54とからなる共振回路を第1共振回路80と称す。第1共振回路80は、第1共振周波数f1を有している。第1共振周波数f1は、第1部分界磁巻線部44−1のインダクタンスL1とコンデンサ54の容量Cとに基づいて次式(1)に従って算出される。
また、ロータ界磁巻線44の第2部分界磁巻線部44−2とコンデンサ54とは、共振回路を構成する。以下、この第2部分界磁巻線部44−2とコンデンサ54とからなる共振回路を第2共振回路82と称す。第2共振回路82は、第2共振周波数f2を有している。第2共振周波数f2は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2とコンデンサ54の容量Cとに基づいて次式(2)に従って算出される。
f1=1/(2×π×(L1×C)1/2) ・・・(1)
f2=1/(2×π×(L2×C)1/2) ・・・(2)
第1部分界磁巻線部44−1のインダクタンスL1及びコンデンサ54の容量Cは、ステータ固定巻線34に流す電流としての基本波成分に対して重畳される、ロータ励磁用の連続的に時間変化する高調波成分の周波数に対して共振関係にある。又は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2及びコンデンサ54の容量Cは、その高調波成分の周波数に対して共振関係にある。すなわち、第1共振周波数f1及び第2共振周波数f2の少なくとも一方は、高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にある。尚、第1共振周波数f1及び第2共振周波数f2の双方が、高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にあることとしてもよい。
また、第1共振周波数f1と第2共振周波数f2とを互いに異なるように設定することで共振周波数帯を広げることとしてもよい。この構成によれば、高調波成分を共振回路80,82の共振周波数f1,f2に合わせ易くすることができる。また、この場合において、両共振周波数f1,f2が互いに近似することでそれら2つの共振周波数f1,f2の間の周波数でも共振が生じるときは、高調波成分の周波数は、それらの第1共振周波数f1と第2共振周波数f2との間にあってもよく、この構成によれば、高調波成分を両共振周波数f1,f2の間に合わせ易くすることができる。
このように第1共振周波数f1及び第2共振周波数f2の少なくとも何れか一つと高調波成分の周波数とが共振関係にある構成においては、共振関係にない構成に比べて、ステータ固定巻線34に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、各極のロータ界磁巻線44に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、回転機20によれば、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。
ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスが低いときは、ロータ励磁用の高調波成分の振幅が小さくても、ロータ界磁巻線44の励磁が適切に行われる。すなわち、ロータ界磁巻線44に励磁電流を適切に誘起するうえで、ロータ励磁用の高調波成分の振幅が小さくても十分である。このため、本実施形態の回転機20によれば、ステータ固定巻線34に流す電流として基本波成分に重畳する高調波成分の振幅を抑えることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
また、回転機20において、ロータ励磁用の高調波成分は、基本波成分とは独立して制御される。この高調波成分は、基本波成分に対して1/2周期を有する定在波である。ロータ励磁用の高調波成分の、基本波成分に対する位相は、高調波成分の最大振幅が基本波成分の必要なタイミングを避けて生じるように設定されている。このため、基本波成分による回転トルクの発生を適切に行いつつ、高調波成分によるロータ界磁巻線44の励磁を適切に行うことができる。更に、上記の高調波成分は、基本波成分の振幅に比して小さくなるように振幅調整されている。このため、基本波成分に重畳する定在波である高調波成分の振幅調整により、ロータ界磁巻線44を励磁する励磁電流量を制御することができるので、その励磁電流量のコントロールを行い易くなっている。
次に、制御回路72における高調波成分の生成手法について説明する。
制御回路72は、回転機20の低回転(例えば0[rpm])から高回転(例えば15000[rpm]などのMAX[rpm])まで上記の高調波成分が基本波成分に重畳されるようにインバータ回路60を制御する。この制御回路72によるインバータ回路60の制御は、高調波成分が回転機20の低回転から高回転まで共振回路80,82の共振周波数f1,f2の少なくとも何れかを含む所定周波数範囲内で基本波成分に重畳されるように行われる。この所定周波数範囲は、重畳高調波成分によってロータ界磁巻線44に流れる励磁電流又はその励磁電流により得られるトルクが所定値以上となる範囲であって、共振周波数f1,f2に対して例えば±40%の範囲内である。尚、所定周波数範囲は、好ましくは、共振周波数f1,f2に対して例えば±25%の範囲内である。
かかる制御処理によれば、低回転から高回転まで、基本波成分の周波数に関係なく上記の共振周波数f1,f2に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができるので、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減して、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。そして、低回転から高回転まで、ステータ固定巻線34に流す電流である基本波成分に重畳する高調波成分の振幅を抑えることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
具体的には、制御回路72は、ステータ固定巻線34の三相の相巻線に電圧印加を行うインバータ回路60の制御を、PWM(Pulse Width Modulation)制御方式と矩形波制御方式とを切り替えながら行う。尚、PWM制御方式は、電流フィードバックを行う制御方式であって、トルク指令に従って生成される電圧指令と搬送波(例えば三角波)との比較によりパルス幅変調された多数のパルス電圧をインバータ回路60に向けて出力するものである。PWM制御方式は、制御応答性に優れた制御方式であり、回転機20の低回転域から中回転域にかけて行われる。また、矩形波制御方式は、矩形波電圧の位相制御を行うことでトルクフィードバックを行う制御方式であって、一制御周期(すなわち、電気角360°)内で振幅が電気角180°ごとに最大値又は最小値に固定された一つの矩形波状の電圧をインバータ回路60に向けて出力するものである。矩形波制御方式は、回転機20の中回転域から高回転域にかけて行われる。
制御回路72は、PWM制御方式が実施されるPWM制御領域(低回転〜中回転)では、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起する高調波成分を生成するために、基本波成分と高調波成分とが重畳した電流が流れるようにインバータ回路60をPWM駆動する。また、矩形波制御方式が実施される矩形波制御領域(中回転〜高回転)では、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起する高調波成分を生成するために、後に詳述する高調波生成処理を実行する。
矩形波制御方式においてロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起する磁束を発生させるうえでは、ステータ固定巻線34に基本波成分に対して電気角90°遅れた位置で、その基本波成分のときと同じ方向の磁界を発生させるパルス状の電流を流すことが有効である。ある相(以下、基準相と称す。例えばV相)を基準とすると、上記のパルス状の電流を流すことが可能な相は、その基準相とは異なる互いに周方向に隣接する隣接二相(例えばU相及びW相)である。従って、基本波成分のときと同じ方向の磁界を発生させるパルス状の電流を流すうえでは、基準相の基本波成分に対して電気角90°遅れた位置で隣接二相にパルス電流を流すこととすればよい。
例えば、図11に示す如く、基準相であるV相の相巻線に流れる基本波成分のV相電流が最大であるときは、ステータ24とロータ26との間でそのV相電流に基づいて、右回りの磁束φ1が発生すると共に、周方向に隣接して左回りの磁束φ2が発生する。すなわち、周方向に隣り合う磁束φ1,φ2が互いに反対方向に向く。この場合、ロータコア42の一方側(図11において左側)の突極部48は、矢印方向A1に磁化されてN極になり、他方側(図11において右側)の突極部48は、矢印方向A2に磁化されてS極になる。
尚、図11などにおいて、「U」,「V」,「W」は、ステータ固定巻線34の各相を示し、また、それら各相に添えられた「+」,「−」は、ステータ固定巻線34に流れる電流の方向を示す。例えば、V相に正電流が流れたとき、「V+」は、V相の相巻線に紙面手前方向に電流が流れることを示し、「V−」は、V相の相巻線に紙面奥側方向に電流が流れることを示す。尚、V相に負電流が流れたときは、この逆になる。
また、上記の磁束φ1,φ2が発生しているときでも、ステータ24とロータ26との間に、磁束φ1,φ2の双方に周方向に隣接してすなわち磁束φ1,φ2の周方向中央に磁束φ1の方向と同様の右回りの磁束φpを生じさせて、ロータ界磁巻線44を励磁することが可能である。この右回りの磁束φpは、基準相であるV相とは異なる、「U−」で示す相巻線に流れるパルス電流と、その「U−」の相巻線に周方向で隣接する「W+」で示す相巻線に流れるパルス電流と、により発生される。従って、磁束φ1,φ2と共に磁束φpを発生させることによりロータ界磁巻線44を励磁することができる。
また、基本波成分の電流は、電圧に対して力率分(例えば、0.7〜0.9)だけ遅れ、所定電気角分(例えば、20°〜45°)だけ遅れる。更に、パルス電流は、パルス電圧に対してほとんど遅れない。従って、隣接二相に流すパルス電流に相当する正負の電圧パルス対をそれらの隣接二相の基本波成分に付加する最適位置は、基準相の基本波成分の正電流中心に対応する矩形波電圧波形のオン期間の中心(正電圧中心)から上記した力率分の所定電気角分だけ遅れた位置である。
しかし、隣接二相の相巻線に正負電圧パルス対を印加するうえでは、それらの隣接二相の基本波成分に対応する矩形波電圧が互いに異なる状態(すなわち、Hi状態とLo状態)にあることが必要である。基準相の正電圧中心から隣接二相の矩形波電圧が互いに異なる状態になるまでの電気角は、その基準相の正電圧中心からその隣接二相のうちの一相の基本波成分に対応する矩形波電圧波形のオン期間の始端までの30°である。従って、基準相の正電圧中心から電気角30°遅れた位置以降で正負電圧パルス対を隣接二相の相巻線に印加すれば、基本波成分に高調波成分を重畳することができ、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起する磁束を発生させることが可能となる。すなわち、矩形波制御領域で、基準相の基本波成分の電流流通により生じる磁界と同じ方向の磁界を隣接二相で発生させることができ、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起することができる。
上記した共振回路80,82の共振周波数f1,f2は、一定である。一方、ステータ固定巻線34に流す基本波成分の周波数(或いは周期)は、回転機20の回転数rpmに応じて変化する。具体的には、回転機20の回転数rpmが多くなるほど、基本波成分の周期が小さくなる。また、高調波成分の、ロータ界磁巻線44の励磁性を向上させるために最適な一制御周期(すなわち電気角360°)当たりの目標パルス数は、回転機20の回転数rpmが多くなるほど少なくなる。回転機20のロータ26が例えば4極対である場合における上記の目標パルス数は、図12に示す如く、回転数rpmが多くなるほど少なくなり、例えば、回転数rpmが中回転(具体的には、“4000”)より多くなった場合は上記の目標パルス数が“9”個より少なくなる。
一制御周期中に基準相(例えばV相)の基本波成分に重畳する高調波成分を一つ生成するうえでは、互いに隣接する隣接二相(例えばU相及びW相)の相巻線に正負電圧パルス対を一組、印加すればよい。隣接二相に正負電圧パルス対を一組印加する手法としては、隣接二相のうちの一相(第1相)の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に、そのオン期間を所定期間aだけ切り欠いてオフするための負電圧パルス(図16に網掛けで示すもの)を付加すると共に、その隣接二相のうちの他の一相(第2相)の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に、その負電圧パルスと対をなす所定期間aだけオンするための正電圧パルス(図16に斜線で示すもの)を付加する手法がある。これらの第1相の矩形波電圧波形のオン期間の始端への負電圧パルスの印加と、第2相の矩形波電圧波形のオフ期間への正電圧パルスの印加と、は同タイミングで行われる(例えば図16における電気角ω5〜ω6)。尚、上記の所定期間aは、ロータ界磁巻線44の励磁性を向上させるための高調波成分を生成するうえで必要な電気角である。
この基準相に対する隣接二組への一組の正負電圧パルス対の印加処理によれば、高調波成分を一つ生成することができる。この基準相に対する隣接二相の相巻線への一組の正負電圧パルス対の印加を、三相すべてを基準相とした場合それぞれで行うことで(図15におけるロータ位置“1”、“3”、及び“5”、並びに、図16における電気角ω1〜ω2、ω5〜ω6、及びω9〜ω10)、一制御周期当たり三個の高調波成分を等間隔で生成することができる。
また、隣接二相に正負電圧パルス対を一組印加する手法としては、隣接二相のうちの第1相の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に、所定期間aだけオン期間を継ぎ足してオンするための正電圧パルスを付加すると共に、その隣接二相のうちの第2相の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に、その正電圧パルスと対をなす所定期間aだけオフするための負電圧パルスを付加する手法がある。これらの第1相の矩形波電圧波形のオン期間の終端への正電圧パルスの印加と、第2相の矩形波電圧波形のオン期間への負電圧パルスの印加と、は同タイミングで行われる(例えば電気角ω11〜ω12)。
この基準相に対する隣接二組への一組の正負電圧パルス対の印加処理によっても同様に、高調波成分を一つ生成することができる。この基準相に対する隣接二相の相巻線への一組の正負電圧パルス対の印加を、三相すべてを基準相とした場合それぞれで行うことで(図15におけるロータ位置“2”、“4”、及び“6”、並びに、図16における電気角ω3〜ω4、ω7〜ω8、及びω11〜ω12)、一制御周期中に三個の高調波成分を等間隔で生成することができる。
従って、三相U,V,Wそれぞれの基本波成分生成のための矩形波電圧波形を所定期間aだけ遅らせ、その所定期間aに対応する期間に他の何れかの相で逆のパルス電圧を印加すれば、一制御周期中に6個の高調波成分を等間隔で生成することができ、ロータ界磁巻線44を一制御周期当たり等間隔で6回励磁することができる。
回転機20のロータ26が例えば4極対である場合における高調波成分の一制御周期当たりの目標パルス数は、図12に示す如く、回転機20の回転数rpmが“5000”、“6000”、“7000”、及び“8000”であるとき、それぞれ“7.2”、“6”、“5.1”、及び“4.5”である。この場合は、回転機20の回転数rpmが“5000”以上かつ“8000”以下の中回転域であるときに一制御周期当たりにステータ固定巻線34に正負電圧パルス対を等間隔で6回印加してロータ界磁巻線44を等間隔で6回励磁すれば、回転機20の共振回路80,82の共振周波数f1,f2に対する高調波成分の実周波数のズレ率(=(高調波成分の実周波数)/f1)又は(高調波成分の実周波数)/f2))が所定範囲内に限定される。具体的には、そのズレ率は、図12に示す如く、回転機20の回転数rpmが“5000”、“6000”、“7000”、及び“8000”であるとき、それぞれ“0.83”、“1.00”、“1.17”、及び“1.33”となる。
このため、回転機20の回転数rpmが“5000”以上かつ“8000”以下の範囲内にあるとき、一制御周期当たりロータ界磁巻線44を等間隔で6回励磁すれば、高調波成分の実周波数は、図12及び図13に示す如く、共振周波数f1,f2を含むその共振周波数f1,f2に対して概ね±40%の範囲内に抑えられる。高調波成分の実周波数がこの範囲内に抑えられれば、図14に示す如く、ロータ界磁巻線44に得られる励磁電流が、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となり、回転機20で得られる回転トルクが、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となる。
そこで、制御回路72は、回転数rpmが“5000”以上かつ“8000”以下の中回転域である矩形波制御領域で実行する高調波生成処理として、上記した手法に基づいて、三相U,V,Wの相巻線ごとにそれぞれの基本波成分生成のための矩形波電圧波形を所定期間aだけ遅らせ、その所定期間aに対応する期間に他の何れかの相で逆のパルス電圧を付加する。この高調波生成処理においては、中回転域で一制御周期(すなわち電気角360°)当たり6個の高調波成分を等間隔で生成することができ、ロータ界磁巻線44を一制御周期当たり等間隔で6回励磁することができる。
この高調波生成処理によれば、回転数rpmが“5000”以上かつ“8000”以下である中回転域で、矩形波状の基本波成分の周波数に関係なく、その基本波成分に共振周波数f1,f2に近い周波数(具体的には、共振周波数f1,f2に対して概ね±40%の範囲内)の高調波成分を重畳することができる。
また、回転機20のロータ26が例えば4極対である場合における高調波成分の一制御周期当たりの目標パルス数は、図12に示す如く、回転機20の回転数rpmが“8000”、“9000”、“10000”、“12000”、及び“15000”であるとき、それぞれ“4.5”、“4”、“3.6”、“3”、及び“2.4”である。この場合は、回転機20の回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下の高回転域であるときに一制御周期当たりにステータ固定巻線34に正負電圧パルス対を等間隔で6回印加してロータ界磁巻線44を等間隔で6回励磁するものとすると、共振周波数f1,f2に対する高調波成分の実周波数のズレ率が所定範囲(±40%)を超えてしまう。
一方、回転機20の回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下の高回転域であるときに一制御周期当たりにステータ固定巻線34に正負電圧パルス対を等間隔で3回印加してロータ界磁巻線44を等間隔で3回励磁すれば、共振周波数f1,f2に対する高調波成分の実周波数のズレ率が所定範囲内に限定される。具体的には、そのズレ率は、図12に示す如く、回転機20の回転数rpmが“9000”、“10000”、“12000”、及び“15000”であるとき、それぞれ“0.75”、“0.83”、“1.00”、及び“1.25”となる。尚、回転数rpmが“8000”であるときは、3回励磁時のズレ率が、6回励磁時のズレ率“1.33”に比してズレ率“1.00”との差が同じ“0.67”となる。
このため、回転機20の回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下の範囲内にあるとき、一制御周期当たりロータ界磁巻線44を等間隔で3回励磁すれば、高調波成分の実周波数は、図12及び図13に示す如く、共振周波数f1,f2を含むその共振周波数f1,f2に対して概ね±40%の範囲内に抑えられる。高調波成分の実周波数がこの範囲内に抑えられれば、図14に示す如く、ロータ界磁巻線44に得られる励磁電流が、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となり、回転機20で得られる回転トルクが、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となる。
そこで、制御回路72は、回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下の高回転域である矩形波制御領域で実行する高調波生成処理として、上記した手法に基づいて、三相U,V,Wの相巻線ごとにそれぞれの基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に、そのオン期間を所定期間aだけ切り欠いてオフするための負電圧パルスを付加すると共に、同時に、他の何れかの隣接する相で基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に、その負電圧パルスと対をなす所定期間aだけオンするための正電圧パルスを付加する。又は、その矩形波電圧波形のオン期間の始端タイミングへの正負電圧パルス対の付加に代えて、三相U,V,Wそれぞれの基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に、そのオン期間を所定期間aだけ継ぎ足してオンするための正電圧パルスを付加すると共に、同時に、他の何れかの隣接する相で基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に、その正電圧パルスと対をなす所定期間aだけオフするための負電圧パルスを付加する。この高調波生成処理においては、高回転域で一制御周期(すなわち電気角360°)当たり3個の高調波成分を等間隔で生成することができ、ロータ界磁巻線44を一制御周期当たり等間隔で3回励磁することができる。
この高調波生成処理によれば、回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下である高回転域で、矩形波状の基本波成分の周波数に関係なく、その基本波成分に共振周波数f1,f2に近い周波数(具体的には、共振周波数f1,f2に対して概ね±40%の範囲内)の高調波成分を重畳することができる。
このように、回転機20の回転数rpmが中回転より高いとき、一制御周期当たり基本波成分に最大6個の高調波成分を等間隔で重畳し、更に回転数rpmが高回転に達したときは、一制御周期当たり基本波成分に等間隔で重畳する高調波成分の個数を3個に切り替えることで、ロータ界磁巻線44の励磁を行うことができる。このため、回転機20の中回転から高回転まで、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減して、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。また、ステータ固定巻線34に流す電流である基本波成分に重畳する高調波成分の振幅を抑えることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
以上、説明したことから明らかなように、回転機20は、ステータコア32に巻装されるステータ固定巻線34と、ロータコア42に巻装されるロータ界磁巻線44と、ロータ界磁巻線44の両端間に接続される整流素子52と、一端が整流素子52の一端に接続され、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されるコンデンサ54と、ステータ固定巻線34に回転トルクを発生させるための基本波成分と基本波成分に比して周期が短い高調波成分とを重畳した電流を流すことにより、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起する制御回路72と、を備える。ロータ界磁巻線44のインダクタンスL1,L2及びコンデンサ54の容量Cは、ロータ励磁用の高調波成分の周波数に対して共振関係にある。
この構成によれば、ステータ固定巻線34に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、ロータ界磁巻線44に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
回転機20において、ロータ励磁用の高調波成分は、基本波成分に対して1/2周期を有する定在波であって、振幅調整されている。この構成によれば、ロータ界磁巻線44を励磁する励磁電流量を容易にコントロールすることができる。
また、回転機20において、ロータ界磁巻線44は、コンデンサ54の他端と整流素子52の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部44−1と、コンデンサ54に並列に接続されている第2部分界磁巻線部44−2と、を有し、第1部分界磁巻線部44−1のインダクタンスL1及びコンデンサ54の容量Cに基づく第1共振周波数f1、及び、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2及びコンデンサ54の容量Cに基づく第2共振周波数f2の少なくとも一方は、ロータ励磁用の高調波成分の周波数を含む、又は、ロータ励磁用の高調波成分の周波数は、第1共振周波f1と第2共振周波数f2との間にある。
この構成によれば、ステータ固定巻線34に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、ロータ界磁巻線44の第1部分界磁巻線部44−1又は第2部分界磁巻線部44−2に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。
回転機20において、基本波成分に重畳される高調波成分の周波数すなわち正負電圧パルス対を付加する周波数は、低回転から高回転まで、ロータ界磁巻線44のインダクタンスL1,L2及びコンデンサ54の容量Cに基づく共振周波数f1,f2を含む、得られる励磁電流又は回転トルクが必要以上(閾値以上)となる所定周波数範囲(具体的には、共振周波数f1,f2に対して例えば±40%の範囲)内である。この構成によれば、低回転から高回転まで、基本波成分の周波数に関係なく上記の共振周波数f1,f2に近い周波数の高調波成分を基本波成分に重畳することができ、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減して、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。
回転機20において、制御回路72は、矩形波制御領域でロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起するうえで、三相の相巻線のうちの一の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に所定期間aだけ切り欠いてオフするための負電圧パルスを付加すると共に、他の何れかの相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に、その負電圧パルスと対をなす所定期間aだけオンするための正電圧パルスを付加する、高調波生成処理を実行する。又は、三相の相巻線のうちの一の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に所定期間aだけ継ぎ足してオンするための正電圧パルスを付加すると共に、他の何れかの相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に、その正電圧パルスと対をなす所定期間aだけオフするための負電圧パルスを付加する、高調波生成処理を実行する。
この構成によれば、隣接二相に正負電圧パルス対を印加する高調波生成処理により、基本波成分の電流流通により生じる磁界と同じ方向の磁界を発生させることができ、ロータ界磁巻線44に励磁電流を誘起することができる。
回転機20において、制御回路72は、回転機20の中回転から高回転までの所定回転域(具体的には、回転数rpmが“5000”以上かつ“8000”以下である回転域)で、上記の高調波生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の双方のタイミングで行うことにより、ロータ界磁巻線44による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回行う。この構成によれば、回転機20の中回転から高回転までの所定回転域で、生成される高調波成分の周波数を共振回路80,82の共振周波数f1,f2に対して所定範囲内に抑えることができ、ロータ界磁巻線44に得られる励磁電流や回転機20で得られる回転トルクを許容できる閾値以上とすることができる。
回転機20において、制御回路72は、回転機20の高回転域(具体的には、回転数rpmが“8000”を超えかつ“15000”以下である回転域)で、上記の高調波生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の何れか一方のタイミングで行うことにより、ロータ界磁巻線44による励磁を一制御周期当たり等間隔で3回行う。この構成によれば、回転機20の高回転域で、生成される高調波成分の周波数を共振回路80,82の共振周波数f1,f2に対して所定範囲内に抑えることができ、ロータ界磁巻線44に得られる励磁電流や回転機20で得られる回転トルクを許容できる閾値以上とすることができる。
ところで、上記の第1実施形態においては、回転機20の中回転以上の回転域で、上記の高調波生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び/又は終端のタイミングで行うことにより、ロータ界磁巻線44による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回又は3回行うこととしている。そして、回転機20の回転数rpmが“8000”近傍にあるときに、ロータ界磁巻線44による励磁の一制御周期当たりの回数を6回と3回とで切り替えることとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。この一制御周期当たりの励磁回数を切り替える回転数“8000”rpm近傍において、その励磁回数を6回と3回との間の回数に設定できれば、生成される高調波成分の周波数を共振回路80,82の共振周波数f1,f2により近づけることが可能となる。
回転機20のロータ26が例えば4極対である場合における高調波成分の一制御周期当たりの目標パルス数は、図17に示す如く、回転機20の回転数rpmが“7000”、“8000”、“9000”、及び“10000”であるとき、それぞれ“5.1”、“4.5”、“4”、及び“3.6”である。この場合は、回転機20の回転数rpmが“7000”を超えかつ“10000”以下の回転域であるときに一制御周期当たりにステータ固定巻線34に正負電圧パルス対を等間隔で4回印加してロータ界磁巻線44を等間隔で4回励磁すれば、回転機20の共振回路80,82の共振周波数f1,f2に対する高調波成分の実周波数のズレ率が所定範囲内に限定される。具体的には、そのズレ率は、図17に示す如く、回転機20の回転数rpmが“8000”、“9000”、及び“10000”であるとき、それぞれ“0.89”、“1.00”、及び“1.11”となる。尚、回転数rpmが“7000”であるときは、4回励磁時のズレ率が、6回励磁時のズレ率“1.17”に比してズレ率“1.00”との差が大きい“0.78”となる。
このため、回転機20の回転数rpmが“7000”を超えかつ“10000”以下の範囲内にあるとき、一制御周期当たりロータ界磁巻線44を等間隔で4回励磁すれば、高調波成分の実周波数は、図18に示す如く、共振周波数f1,f2を含むその共振周波数f1,f2に対して概ね±25%の範囲内に抑えられ、上記した6回励磁や3回励磁の場合と比較して狭い範囲に抑えられる。従って、高調波成分の実周波数がこの範囲内に抑えられれば、ロータ界磁巻線44に得られる励磁電流が、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となり、上記した6回励磁や3回励磁の場合と比較して大きくなる。また、回転機20で得られる回転トルクが、高調波成分の実周波数が共振周波数f1,f2であるときに最大値をとりつつ、許容できる閾値以上となり、上記した6回励磁や3回励磁の場合と比較して大きくなる。
そこで、制御回路72は、回転数rpmが“7000”を超えかつ“10000”以下の回転域である矩形波制御領域で実行する高調波生成処理として、互いに周方向に隣接する隣接二相の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形への正負電圧パルス対の付加を一制御周期当たり等間隔で4回行い、一相一制御周期当たりの印加電圧の平均値をゼロとする。
具体的には、上記の高調波生成処理として、三相U,V,Wのうちの特定の一相(図19に示す例ではW相)の相巻線の基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に、そのオン期間を所定期間aだけ切り欠いてオフするための負電圧パルスを付加すると共に、その所定期間aに対応して、他の何れかの隣接する相(図19に示す例ではU相)で基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に、その負電圧パルスと対をなす所定期間aだけオンするための正電圧パルスを付加する。更に、上記特定の一相の相巻線の基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に、オン期間を所定期間aだけ継ぎ足してオンするための正電圧パルスを付加すると共に、その所定期間aに対応して、他の何れかの隣接する相(図19に示す例ではU相)で基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に、その正電圧パルスと対をなす所定期間aだけオフするための負電圧パルスを付加する。
この高調波生成処理においては、特定の一相(例えばW相)の相巻線の矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の双方のタイミング(図19における電気角ω24〜ω25及びω29〜ω30)でその相を含む隣接二相の相巻線の矩形波電圧波形に正負電圧パルス対が付加されるので、所定の回転域で一制御周期(すなわち電気角360°)当たり2個の高調波成分が等間隔(すなわち電気角180°)で生成される。
制御回路72は、上記の高調波生成処理に加えて更に、上記の特定の一相の相巻線の矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端それぞれのタイミング(すなわち、特定の一相を含む隣接二相の相巻線の矩形波電圧波形への正負電圧パルス対の付加)から電気角90°だけ離間したタイミングで、正負電圧パルス対を付加可能な隣接二相(図19に示す例ではV相及びW相)の相巻線の矩形波電圧波形に正負電圧パルス対を付加する。ここで、特定の一相をW相とした場合、電気角90°だけ離間したタイミングにおいて隣接二相で所定期間aの正負電圧パルス対を印加可能な相の組み合わせは、W相及びV相である(図15参照)。
この正負電圧パルス対の付加によれば、一制御周期当たり2個の高調波成分が等間隔で生成されるタイミングから電気角90だけずれたタイミング(図19における電気角ω22〜ω23及びω27〜ω28)で、一制御周期(すなわち電気角360°)当たり2個の高調波成分が等間隔(すなわち電気角180°)で生成される。
従って、三相U,V,Wのうちの特定の一相の基本波成分生成のための矩形波電圧波形を所定期間aだけ遅らせ、その所定期間aに対応する期間に他の何れかの相で逆のパルス電圧を印加すると共に、その特定の一相の基本波成分生成のための矩形波電圧波形の始端及び終端それぞれのタイミングから電気角90°だけ離間したタイミングにおいて隣接二相で所定期間aの正負電圧パルス対を印加すれば、一制御周期中に4個の高調波成分を等間隔で生成することができ、ロータ界磁巻線44を一制御周期当たり等間隔で4回励磁することができる。
この高調波生成処理によれば、回転数rpmが“7000”を超えかつ“10000”以下である回転域で、矩形波状の基本波成分の周波数に関係なく、その基本波成分に共振周波数f1,f2に近い周波数(具体的には、共振周波数f1,f2に対して概ね±25%の範囲内)の高調波成分を重畳することができる。この場合は、回転数rpmが“7000”を超えかつ“10000”以下である回転域で、一制御周期中に6個又は3個の高調波成分を等間隔で生成する上記第1実施形態の構成に比べて、生成される高調波成分の周波数を共振周波数f1,f2に近づけることができる。
この変形形態においては、回転機20の回転数rpmが中回転より高いとき、一制御周期当たり基本波成分に最大6個の高調波成分を等間隔で重畳し、回転数rpmが所定の高回転に達したときは、一制御周期当たり基本波成分に等間隔で重畳する高調波成分の個数を4個に切り替え、更に回転数rpmがより高い所定の高回転に達したときは、一制御周期当たり基本波成分に等間隔で重畳する高調波成分の個数を3個に切り替えることで、ロータ界磁巻線44の励磁を行うことができる。
このため、この変形形態によれば、上記の第1実施形態に比べて更に、回転機20の中回転から高回転まで、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減して、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができる。また、ステータ固定巻線34に流す電流である基本波成分に重畳する高調波成分の振幅を更に抑えることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを更に低減することができる。
尚、上記の第1実施形態やその変形形態においては、回転機20のロータ26が4極対である場合の例を示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、極対数が他の数であるロータ26に適用することとしてもよい。
また、上記の第1実施形態においては、基準相で電流として流す基本波成分に高調波成分を重畳させるための正負電圧パルス対を印加するタイミングとして、その基準相の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の中心(正電圧中心)又はオフ期間の中心(負電圧中心)から電気角30°遅れた位置とし、その基準相とは異なる一相の相巻線に印加する基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端又は終端としている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。上記の正負電圧パルス対を印加するタイミングとしては、基準相の正電圧中心又は負電圧中心から遅れて電気角30°〜60°の位置であってよい。回転機20における力率が概ね0.5以上であり、その力率角が概ね電気角60°以下であるので、この電気角範囲の上限値は電気角60°に設定されるのが好ましい。
また、上記の第1実施形態においては、ロータ界磁巻線44とコンデンサ54とからなる共振回路80,82の共振周波数f1,f2を共振周波数と定義しているが、界磁巻線型回転機20の共振周波数としては、基本波成分に高調波成分を重畳させた電流をステータ固定巻線34に流しながらその高調波成分の周波数を変化させた場合に、ロータ界磁巻線44に流れる励磁電流又はその励磁電流により発生するトルクがピークを示す周波数を用いることとしてもよい(図14参照)。
[実施形態2]
上記の第1実施形態の回転機20においては、ロータ界磁巻線44が直列接続された2つの部分界磁巻線部44−1,44−2を有しており、それらの部分界磁巻線部44−1,44−2同士の接続点に他端が接続される唯一つのコンデンサ54が設けられている。これに対して、本発明の第2実施形態に係る回転機100においては、図20に示す如く、ロータ界磁巻線44が直列接続された3つの部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3を有しており、それらの部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3同士の接続点ごとに他端が接続される2つのコンデンサ54−1,54−2が設けられている。
以下適宜、部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3を第1部分界磁巻線部44−1、第2部分界磁巻線部44−2、及び第3部分界磁巻線部44−3と称し、コンデンサ54−1,54−2を第1部分コンデンサ54−1及び第2部分コンデンサ54−2と称す。尚、図20及び図21において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
コンデンサ54−1,54−2はそれぞれ、一端が整流素子52のアノード端子及び第3部分界磁巻線部44−3の一端に接続されていると共に、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されているコンデンサである。第1部分コンデンサ54−1の他端は、第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2との接続点に接続されている。第2部分コンデンサ54−2の他端は、第2部分界磁巻線部44−2と第3部分界磁巻線部4−3との接続点に接続されている。第1部分コンデンサ54−1は、容量C1を有している。第2部分コンデンサ54−2は、容量C2を有している。
第1部分界磁巻線部44−1は、整流素子52のカソード端子と第1部分コンデンサ54−1の他端との間に接続されている。第2部分界磁巻線部44−2は、第1部分コンデンサ54−1の他端と第2部分コンデンサ54−2の他端との間に接続されている。第3部分界磁巻線部44−3は、第2部分コンデンサ54−2に並列に接続されている。第1部分コンデンサ54−1は、第1部分界磁巻線部44−1の両端に発生する電圧の方向と第2部分界磁巻線部44−2側に発生する電圧の方向とが互いに逆方向となって両電圧が相互に打ち消し合うときに、その打ち消し合う電圧分の励磁エネルギを蓄える機能を有している。第2部分コンデンサ54−2は、第2部分界磁巻線部44−2側に発生する電圧の方向と第3部分界磁巻線部44−3側に発生する電圧の方向とが互いに逆方向となって両電圧が相互に打ち消し合うときに、その打ち消し合う電圧分の励磁エネルギを蓄える機能を有している。
第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2との接続点、及び、第2部分界磁巻線部44−2と第3部分界磁巻線部44−3との接続点は、ロータ界磁巻線44を漏れ磁束や高調波磁束などの影響を受け易い部分と受け難い部分とに段階的に分ける箇所に設定されていればよい。第1部分界磁巻線部44−1は、インダクタンスL1を有している。第2部分界磁巻線部44−2は、インダクタンスL2を有している。第3部分界磁巻線部44−3は、インダクタンスL3を有している。
第1部分界磁巻線部44−1、第2部分界磁巻線部44−2、及び第3部分界磁巻線部44−3は、図21に示す如く、突極部48の径方向においてステータコア32に近い側から順に配置されている。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1は、第2部分界磁巻線部44−2に比してステータコア32に近い側(すなわち、径方向外側)に配置されている。第2部分界磁巻線部44−2は、第3部分界磁巻線部44−3に比してステータコア32に近い側(すなわち、径方向外側)に配置されている。
回転機100においては、ロータ界磁巻線44の3つの部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3と2つのコンデンサ54−1,54−2とにより4つの共振回路が設けられている。すなわち、ロータ界磁巻線44の第1部分界磁巻線部44−1と第1部分コンデンサ54−1とは、第1共振回路102を構成する。第1共振回路102は、第1共振周波数f11を有している。第1共振周波数f11は、第1部分界磁巻線部44−1のインダクタンスL1と第1部分コンデンサ54−1の容量C1とに基づいて次式(3)に従って算出される。
ロータ界磁巻線44の第2部分界磁巻線部44−2と第1部分コンデンサ54−1とは、第2共振回路104を構成する。第2共振回路104は、第2共振周波数f12を有している。第2共振周波数f12は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2と第1部分コンデンサ54−1の容量C1とに基づいて次式(4)に従って算出される。
ロータ界磁巻線44の第2部分界磁巻線部44−2と第2部分コンデンサ54−2とは、第3共振回路106を構成する。第3共振回路106は、第3共振周波数f13を有している。第3共振周波数f13は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2と第2部分コンデンサ54−2の容量C2とに基づいて次式(5)に従って算出される。
ロータ界磁巻線44の第3部分界磁巻線部44−3と第2部分コンデンサ54−2とは、第4共振回路108を構成する。第4共振回路108は、第4共振周波数f14を有している。第4共振周波数f14は、第3部分界磁巻線部44−3のインダクタンスL3と第2部分コンデンサ54−2の容量C2とに基づいて次式(6)に従って算出される。
f11=1/(2×π×(L1×C1)1/2) ・・・(3)
f12=1/(2×π×(L2×C1)1/2) ・・・(4)
f13=1/(2×π×(L2×C2)1/2) ・・・(5)
f14=1/(2×π×(L3×C2)1/2) ・・・(6)
第1部分界磁巻線部44−1のインダクタンスL1及び第1部分コンデンサ54−1の容量C1は、ロータ励磁用の高調波成分の周波数に対して共振関係にある。又は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2及び第1部分コンデンサ54−1の容量C1は、その高調波成分の周波数に対して共振関係にある。又は、第2部分界磁巻線部44−2のインダクタンスL2及び第2部分コンデンサ54−2の容量C2は、ロータ励磁用の高調波成分の周波数に対して共振関係にある。又は、第3部分界磁巻線部44−3のインダクタンスL3及び第2部分コンデンサ54−2の容量C2は、その高調波成分の周波数に対して共振関係にある。
すなわち、共振周波数は、4つの共振回路102〜108に対応して4つ設けられている。第1共振周波数f11、第2共振周波数f12、第3共振周波数f13、及び第4共振周波数f14の少なくとも何れか一つは、高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にある。尚、第1共振周波数f11、第2共振周波数f12、第3共振周波数f13、及び第4共振周波数f14のすべてが、高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にあることとしてもよい。
また、共振回路102〜108ごとの第1共振周波数f11〜第4共振周波数f14を互いに異なるものに設定することで共振周波数帯を広げることとしてもよい。この構成によれば、高調波成分を共振回路102〜108の共振周波数f11〜f14に合わせ易くすることができる。また、この場合において、4つの共振周波数f11〜f14のうち何れか2つの共振周波数が互いに近似することでそれら2つの共振周波数の間の周波数でも共振が生じるときは、高調波成分の周波数は、それら2つの共振周波数の間にあってもよく、この構成によれば、高調波成分を2つの共振周波数の間に合わせ易くすることができる。
このように第1共振周波数f11、第2共振周波数f12、第3共振周波数f13、及び第4共振周波数f14の少なくとも何れか一つと高調波成分の周波数とが共振関係にある構成においては、共振関係にない構成に比べて、ステータ固定巻線34に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、各極のロータ界磁巻線44に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、回転機100によれば、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
[実施形態3]
上記の第2実施形態の回転機100においては、ロータ界磁巻線44が直列接続された3つの部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3を有しており、それらの部分界磁巻線部44−1,44−2,44−3同士の接続点ごとに他端が接続される2つのコンデンサ54−1,54−2が設けられている。これに対して、本発明の第3実施形態に係る回転機200においては、図22に示す如く、ロータ界磁巻線44が直列接続された(n+1)個の部分界磁巻線部44−1,44−2,・・・,44−(n+1)を有しており、それらの部分界磁巻線部44−1,44−2,・・・,44−(n+1)同士の接続点ごとに他端が接続されるn個の部分コンデンサ54−1,54−2,・・・,54−nが設けられている。尚、nは、3以上の整数であればよいが、第1実施形態及び第2実施形態を含めるときは1以上の整数であってよい。また、図22において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
回転機200においては、ロータ界磁巻線44の(n+1)個の部分界磁巻線部44−1〜44−(n+1)とn個のコンデンサ54−1〜54−nとにより(2×n)個の共振回路が設けられている。すなわち、ロータ界磁巻線44の(n+1)個の部分界磁巻線部44−1〜44−(n+1)とn個の部分コンデンサ54−1〜54−nとは、(2×n)個の共振回路を構成する。(n+1)個の部分界磁巻線部44−1〜44−(n+1)は、インダクタンスL1〜L(n+1)を有する。n個の部分コンデンサ54−1〜54−nは、容量C1〜Cnを有する。これら(2×n)個の共振回路の共振周波数の少なくとも何れか一つは、ロータ励磁用の高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にある。尚、(2×n)個の共振周波数のすべてが、高調波成分の周波数を含む或いはその高調波成分の周波数付近にあることとしてもよい。
また、(2×n)個の共振回路ごとの共振周波数を互いに異なるものに設定することで、共振周波数帯を所定幅を有する帯域に亘って広げることとしてもよい。この構成によれば、高調波成分を何れかの共振回路の共振周波数に合わせ易くすることができる。また、この場合において、(2×n)個の共振周波数のうち何れか2つの共振周波数が互いに近似することでそれら2つの共振周波数の間の周波数でも共振が生じるときは、高調波成分の周波数は、それら2つの共振周波数の間にあってもよく、この構成によれば、高調波成分を2つの共振周波数の間に合わせ易くすることができる。
このように共振回路の共振周波数と高調波成分の周波数とが共振関係にある構成においては、共振関係にない構成に比べて、ステータ固定巻線34に基本波成分と高調波成分とを重畳した電流が流れたときに、各極のロータ界磁巻線44に誘起される界磁電流が流れ易くなる。従って、回転機200においても、ロータ界磁巻線44の励磁時におけるインピーダンスを低減することができ、そのロータ界磁巻線44の励磁性を向上させることができるので、ロータ励磁用の高調波成分に起因するトルクリップルを低減することができる。
[その他]
ところで、上記の第1実施形態においては、整流素子52のカソード端子とコンデンサ54の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部44−1が、突極部48の径方向においてステータコア32に近い側に配置されると共に、コンデンサ54に並列に接続されている第2部分界磁巻線部44−2が、突極部48の径方向においてステータコア32から遠い側に配置される。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1が第2部分界磁巻線部44−2に比してステータコア32に近い側(すなわち、径方向外側)に配置される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、第1部分界磁巻線部44−1が突極部48の径方向においてステータコア32から遠い側に配置されると共に、第2部分界磁巻線部44−2が突極部48の径方向においてステータコア32に近い側に配置されるものであってもよい。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1が第2部分界磁巻線部44−2に比してステータコア32から遠い側(すなわち、径方向内側)に配置されていてもよい。尚、第2実施形態や第3実施形態においても、これと同様の構成を適用することが可能である。
[変形形態1]
ところで、界磁極に流れる磁束には漏れ磁束があるが、この漏れ磁束には主磁極である突極部48間においてステータ24側とロータ26側とを跨いで漏れる磁束があるので、効率良い磁束形成が阻害されるおそれがある。
そこで、第1変形形態に係る回転機300においては、図23に示す如く、ロータコア42が、ボス部46及び複数の突極部48を有していると共に、更に補助極部302を有している。突極部48は、一対の界磁極をなす主磁極である。補助極部302は、突極部48間に配置されており、突極部48間ごとに設けられている。補助極部302は、周方向において複数設けられており、突極部48と交互に所定角度をおいて並ぶように配置されている。補助極部302は、周方向に隣り合う突極部48の間に境界を設けるために設置された補助極であって、ボス部46から径方向外側へ向けて突出する部位である。尚、図23において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
尚、補助極部302は、突極部48に比して周方向幅の小さいものであってよく、また、その補助極部302の先端とステータコア32のティース40の先端との間の隙間が、突極部48の先端とそのティース40との間のエアギャップに比して大きいものであってよい。
回転機300は、補助極部302に設けられる磁石304を備えている。磁石304は、突極部48間においてステータ24側とロータ26側とを跨いで漏れる漏れ磁束を打ち消す方向に着磁されており、その着磁がなされるように配置されている。磁石304は、例えば、補助極部302の径方向内側にN極が配置されかつその径方向外側にS極が配置されるように補助極部302に埋設されている。磁石304は、突極部48間においてステータ24側とロータ26側とを跨いで磁束が漏れるのを抑える機能を有している。
かかる回転機300の構造においては、補助極部302に設けられた磁石304により、突極部48間においてステータ24側とロータ26側とを跨いで磁束が素通りして漏れるのを抑えことができる。従って、回転機300によれば、界磁極に流れる磁束を主磁極に効率良く通すことができ、効果的に界磁電流を得ることができる。
尚、磁石304は、永久磁石でもよいが、電磁石により構成されてもよい。この場合、補助極部302に、ステータ24からロータ26への漏れ磁束を打ち消す方向の磁束を発生する巻線が設けられている。
[変形形態2]
上記の実施形態や変形形態においては、ロータ界磁巻線44の直列接続される複数の部分界磁巻線部が突極部48の径方向に並んで配置される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ロータ界磁巻線44の直列接続される複数の部分界磁巻線部が突極部48の周方向に並んで配置されてもよい。すなわち、この第2変形形態に係る回転機400においては、図24に示す如く、整流素子52のカソード端子とコンデンサ54の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部44−1が、周方向においてロータコア42の突極部48に近い側に配置されると共に、コンデンサ54に並列に接続されている第2部分界磁巻線部44−2が、周方向においてロータコア42の突極部48から遠い側に配置されてもよい。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1が、第2部分界磁巻線部44−2に比してロータコア42の突極部48に近い側に配置されてもよい。尚、図24において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
これらの第1部分界磁巻線部44−1及び第2部分界磁巻線部44−2の配置は、例えば、ロータコア42の突極部48に第1部分界磁巻線部44−1を巻装した後にその第1部分界磁巻線部44−1の周方向外側に第2部分界磁巻線部44−2を巻装することにより実現されるものであってよい。また、第1部分界磁巻線部44−1及び第2部分界磁巻線部44−2は、一本の巻線をコンデンサ54の他端との接続位置を境界にして分けたものであってもよく、また、二本の別々の巻線をコンデンサ54の他端との接続位置で繋げたものであってもよい。
このため、回転機400の構造においては、ロータ界磁巻線44の突極部48に近い側(すなわち主磁極側)と遠い側(すなわち主磁極間側)とで生じる磁束量の差その差の分だけコンデンサ54に蓄えるエネルギを大きくすることができ、効果的に界磁電流を得ることができる。
尚、この第2変形形態においては、第1部分界磁巻線部44−1が、第2部分界磁巻線部44−2に比してロータコア42の突極部48に近い側に配置される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、第1部分界磁巻線部44−1が周方向においてロータコア42の突極部48から遠い側に配置されると共に、第2部分界磁巻線部44−2が周方向においてロータコア42の突極部48に近い側に配置されるものであってもよい。すなわち、第1部分界磁巻線部44−1が第2部分界磁巻線部44−2に比してロータコア42の突極部48から遠い側に配置されていてもよい。
[変形形態3]
また、上記の第2変形形態においては、上記第1変形形態で示した補助極部及びその補助極部に設けられた磁石が設けられていない。これに対して、第3変形形態に係る回転機500においては、ロータコア42が、図25に示す如く、上記第1変形形態の補助極部302と同様の補助極部502、及び、上記第1変形形態の磁石304と同様の磁石504を有するものとしてもよい。尚、図25において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。この構造においては、補助極部502に設けられた磁石504により、突極部48間においてステータ24側とロータ26側とを跨いで磁束が素通りして漏れるのを抑えことができるので、界磁極に流れる磁束を主磁極に効率良く通すことができ、効果的に界磁電流を得ることができる。
尚、磁石504は、永久磁石でもよいが、電磁石により構成されてもよい。この場合、補助極部502に、ステータ24からロータ26への漏れ磁束を打ち消す方向の磁束を発生する巻線が設けられている。
[変形形態4]
上記の実施形態や変形形態においては、回転機20が備える整流素子52に並列に何らコンデンサが接続されていない。これに対して、第4変形形態に係る回転機600においては、図26に示す如く、整流素子52に並列にコンデンサ602が接続されている。尚、図26において、上記第1実施形態において用いた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。コンデンサ602は、ロータ界磁巻線44に誘起されかつ整流素子52により半波整流された交流電圧を平滑化して、脈動を低減する機能を有する。かかるコンデンサ602が設けられた回転機600によれば、整流素子52により半波整流された交流電圧を平滑化することができ、その脈動を低減することができる。
[変形形態5]
上記の実施形態や変形形態においては、一端が整流素子52のアノード端子に接続されていると共に、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されているコンデンサ54が設けられている。これに対して、第5変形形態に係る回転機700は、第1実施形態におけるコンデンサ54に代えて、コンデンサ702を備えている。図27に示す如く、コンデンサ702は、一端が整流素子52のカソード端子に接続されていると共に、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されているものである。
ロータ界磁巻線44は、整流素子52のアノード端子とコンデンサ702の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部44−1と、コンデンサ702に並列に接続されている第2部分界磁巻線部44−2と、を有している。コンデンサ702は、第1部分界磁巻線部44−1の両端に発生する電圧の方向と第2部分界磁巻線部44−2の両端に発生する電圧の方向とが互いに逆方向となって両電圧が相互に打ち消し合う方向であるときに、その打ち消し合う電圧分のエネルギを蓄える機能を有している。
かかる回転機700においては、第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2とで電圧方向が互いに逆方向となって両電圧が相互に打ち消し合う方向になると共に、それらの電圧が、各部分界磁巻線部44−1,44−2を整流素子52との接続部側からコンデンサ702の他端との接続部側へ電流が流れるように印加されている場合(パターン2)、それらの各部分界磁巻線部44−1,44−2を流れた電流がコンデンサ702に向けて流れる。この場合は、第1部分界磁巻線部44−1と第2部分界磁巻線部44−2とで相互に打ち消し合う電圧分の励磁エネルギがコンデンサ702に蓄えられて、コンデンサ702が充電される。
上記したコンデンサ702の充電後、第1部分界磁巻線部44−1の電圧方向と第2部分界磁巻線部44−2の電圧方向とが切り替わって、それらの電圧が、相互に打ち消し合う方向で、各部分界磁巻線部44−1,44−2をコンデンサ702の他端との接続部側から整流素子52との接続部側へ電流が流れるように印加される場合(パターン3)、コンデンサ702側から各部分界磁巻線部44−1,44−2に電流が流れる。この場合は、コンデンサ702に蓄えられていたエネルギが各部分界磁巻線部44−1,44−2へ放出されて、コンデンサ702が放電される。そして、コンデンサ702の充電と放電とが繰り返される。
従って、回転機700においても、ロータ界磁巻線44の各部分界磁巻線部44−1,44−2に相互に打ち消し合う方向の電圧が発生するとき、ロータ界磁巻線44で発生した励磁エネルギを効率良く励磁電流に変換することで、界磁電流を確保することができる。このため、ロータ界磁巻線44の各部分界磁巻線部44−1,44−2に相互に打ち消し合う方向の電圧が発生するときの励磁電流の減少に伴う励磁エネルギ損失の発生を防止することができ、それらの電圧が相互に打ち消し合う事態が生じても、ロータコア42を効率良く励磁することができるので、上記の実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、この第5変形形態の構成は、第2実施形態の図20に示す回転機100や第3実施形態の図22に示す回転機200にも適用できる。すなわち、回転機100,200の各部分コンデンサは、一端が整流素子52のカソード端子に接続されていると共に、他端がロータ界磁巻線44の途中に接続されていてもよい。
尚、上記の第2及び第3実施形態や各変形形態においても、上記の第1実施形態と同様に、基本波成分に重畳される高調波成分の周波数を、回転機の低回転から高回転まで、共振周波数を含む所定周波数範囲内であることが、ロータ界磁巻線に得られる励磁電流や回転機のトルクを所定値以上とするうえで望ましい。また、この場合において、矩形波制御領域で高調波成分を生成してロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえでは、上記の第1実施形と同様に、隣接二相で正負電圧パルス対を印加する高調波生成処理を実行すればよい。
更に、上記の実施形態や変形形態においては、ロータ界磁巻線44が突極部48ごとに集中的に巻かれている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ロータ界磁巻線44が幾つかの突極部48に分布して巻かれたものに適用することとしてもよい。
また、上記の実施形態や変形形態において、コンデンサは、複数のコンデンサを直列、並列、又は直列及び並列の双方に接続させたものを用いたものであってよい。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
20,100,200,300,400,500,600,700:界磁巻線型回転機、24:ステータ、26:ロータ、32:ステータコア、34:ステータ固定巻線、42:ロータコア、44:ロータ界磁巻線、44−1:第1部分界磁巻線部、44−2:第2部分界磁巻線部、44−3:第3部分界磁巻線部、52:整流素子、54:コンデンサ、54−1:第1部分コンデンサ、54−2:第2部分コンデンサ、60:インバータ回路、72:制御回路、80,82,102,104,106,108:共振回路、L1,L2,L3:インダクタンス、C,C1,C2:容量。

Claims (15)

  1. ステータコア(32)に巻装されるステータ固定巻線(34)と、
    ロータコア(42)に巻装されるロータ界磁巻線(44,44−1,44−2,44−3)と、
    前記ロータ界磁巻線の両端間に接続される整流素子(52)と、
    一端が前記整流素子の一端に接続され、他端が前記ロータ界磁巻線の途中に接続されるコンデンサ(54,54−1,54−2)と、
    前記ステータ固定巻線に回転トルクを発生させるための基本波成分と前記基本波成分に比して周期が短い高調波成分とを重畳した電流を流すことにより、前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起する制御回路(72)と、
    を備え、
    前記ロータ界磁巻線のインダクタンス及び前記コンデンサの容量は、前記高調波成分の周波数に対して共振関係にある、界磁巻線型回転機。
  2. 前記高調波成分は、前記基本波成分に対して1/2周期を有する定在波であって、振幅調整されている、請求項1記載の界磁巻線型回転機。
  3. 前記ロータ界磁巻線は、前記コンデンサの他端と前記整流素子の他端との間に接続されている第1部分界磁巻線部(44−1)と、前記コンデンサに並列に接続されている第2部分界磁巻線部(44−2)と、を有し、
    前記第1部分界磁巻線部のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく第1共振周波数、及び、前記第2部分界磁巻線部のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく第2共振周波数の少なくとも一方は、前記高調波成分の周波数を含む、又は、前記高調波成分の周波数は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との間にある、請求項1又は2記載の界磁巻線型回転機。
  4. 前記ロータ界磁巻線は、直列接続された複数の部分界磁巻線部(44−1,44−2,44−3)を有し、
    前記コンデンサは、それぞれ一端が前記整流素子の一端に接続され、前記部分界磁巻線部同士の接続点ごとに他端が接続される複数の部分コンデンサ(54−1,54−2)を有し、
    複数の前記部分界磁巻線部と複数の前記部分コンデンサとにより複数の共振回路(102,104,106,108)が設けられており、
    前記共振回路の共振周波数の少なくとも何れか一つは、前記高調波成分の周波数を含む、又は、前記高調波成分の周波数は、何れか2つの前記共振回路の共振周波数の間にある、請求項1又は2記載の界磁巻線型回転機。
  5. 前記共振回路ごとの共振周波数は、互いに異なる、請求項4記載の界磁巻線型回転機。
  6. 前記基本波成分に重畳される前記高調波成分の周波数は、低回転から高回転まで、前記ロータ界磁巻線のインダクタンス及び前記コンデンサの容量に基づく共振周波数を含む所定周波数範囲内である、請求項1乃至5の何れか一項記載の界磁巻線型回転機。
  7. 前記所定周波数範囲は、前記ロータ界磁巻線に誘起される励磁電流又はトルクが所定値以上となる範囲である、請求項6記載の界磁巻線型回転機。
  8. 前記ステータ固定巻線は、三相の相巻線からなり、
    前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の中心から電気角30°〜60°遅れた位置で、他の二相のうち一方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に所定期間だけオフするための第1負電圧パルスを付加すると共に、他の二相のうち他方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に前記第1負電圧パルスと対をなす所定期間だけオンするための第1正電圧パルスを付加し、又は、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間の中心から電気角30°〜60°遅れた位置で、他の二相のうち一方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に所定期間だけオンするための第2正電圧パルスを付加すると共に、他の二相のうち他方の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に前記第2正電圧パルスと対をなす所定期間だけオフするための第2負電圧パルスを付加する、請求項6又は7記載の界磁巻線型回転機。
  9. 前記制御回路は、一の相巻線を基準とした前記第1負電圧パルス及び前記第1正電圧パルスの付加並びに前記第2正電圧パルス及び前記第2負電圧パルスの付加の双方を他の二相の相巻線を基準とした場合にも行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回行い、又は、一の相巻線を基準とした前記第1負電圧パルス及び前記第1正電圧パルスの付加並びに前記第2正電圧パルス及び前記第2負電圧パルスの付加の何れか一方を他の二相の相巻線を基準とした場合にも行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で3回行う、請求項8記載の界磁巻線型回転機。
  10. 前記ステータ固定巻線は、三相の相巻線からなり、
    前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の始端に所定期間だけオフするための第1負電圧パルスを付加すると共に、他の何れか一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオフ期間に前記第1負電圧パルスと対をなす所定期間だけオンするための第1正電圧パルスを付加し、又は、一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間の終端に所定期間だけオン期間を継ぎ足すための第2正電圧パルスを付加すると共に、他の何れか一の相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形のオン期間に前記第2正電圧パルスと対をなす所定期間だけオフするための第2負電圧パルスを付加する、第1生成処理を実行する、請求項6又は7記載の界磁巻線型回転機。
  11. 前記制御回路は、前記第1生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の双方のタイミングで行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で6回行う、請求項10記載の界磁巻線型回転機。
  12. 前記制御回路は、前記第1生成処理を三相の相巻線ごとに矩形波電圧波形のオン期間の始端及び終端の何れか一方のタイミングで行うことにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で3回行う、請求項10記載の界磁巻線型回転機。
  13. 前記制御回路は、矩形波制御領域で前記ロータ界磁巻線に励磁電流を誘起するうえで、互いに周方向に隣接する二つの相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形への正負電圧パルス対の付加を一制御周期当たり等間隔で4回行い、一相一制御周期当たりの印加電圧の平均値をゼロとする、請求項8又は10記載の界磁巻線型回転機。
  14. 前記制御回路は、前記第1生成処理を所定の相巻線で矩形波電圧波形の始端及び終端の双方のタイミングで行うと共に、前記所定の相巻線における矩形波電圧波形の始端及び終端それぞれのタイミングから電気角90°だけ離間したタイミングで、互いに周方向に隣接する二つの相巻線に印加する前記基本波成分生成のための矩形波電圧波形に正負電圧パルス対を付加することにより、前記ロータ界磁巻線による励磁を一制御周期当たり等間隔で4回行う、請求項10記載の界磁巻線型回転機。
  15. 前記制御回路による電圧パルスの付加周波数は、前記所定周波数範囲内である、請求項8乃至14の何れか一項記載の界磁巻線型回転機。
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