JP6969442B2 - 光ファイバセンシング装置及び光ファイバセンシング方法 - Google Patents

光ファイバセンシング装置及び光ファイバセンシング方法 Download PDF

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Description

この発明は、ブリルアン散乱光を用いた、光ファイバセンシング装置及び光ファイバセンシング方法に関する。
光ファイバ通信の発展とともに、光ファイバ自体をセンシング媒体とする分布型光ファイバセンシングが盛んに研究されている。分布型光ファイバセンシングでは、光ファイバの片端から光パルスを入射し、光ファイバ中で後方散乱された光を時間に対して測定する時間領域リフレクトメトリ(OTDR:Optical Time Domain Reflectometry)が代表的である。光ファイバ中の後方散乱には、レイリー散乱、ブリルアン散乱及びラマン散乱がある。この中で自然ブリルアン散乱を測定するものはBOTDR(Brillouin OTDR)と呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。
ブリルアン散乱は、光ファイバに入射される光パルスの中心周波数に対して、低周波(ストークス)側及び高周波(アンチストークス)側に約11GHz程度周波数シフトした位置に観測される。以下の説明では、ブリルアン散乱により生じたストークス側の光を単にストークス光と称し、アンチストークス側に生じた光を単に反ストークス光と称する。
この周波数シフトは、光ファイバの歪みや温度に対して線形に変化する性質がある。このため、測定した周波数シフトの値から、歪みや温度を取得することができる。従って、測定対象となる大型の設備や建造物に光ファイバを適切に設置することにより、コンクリートのひび割れの検出システムや、広範囲をカバーする火災報知器としてのBOTDRの利用が期待されている。
特開2016−191659号公報
BOTDRにおける光ファイバセンシング装置の開発においては、測定誤差の低減が重要な課題として取り組まれてきた。
上述のように、ブリルアン散乱の周波数シフトは、光ファイバの歪みや温度に対して線形に変化する性質がある。従って、歪みや温度の値を正確に測定するには、周波数測定機器の誤差を低減する、又は、歪係数C(=周波数シフト/歪)・温度計数C(=周波数シフト/温度)を高めるとよい。
歪係数C・温度計数Cを高める手法として、歪係数C・温度計数Cの大きい光ファイバを用いるものがある。このためには、光ファイバセンシング用に、特殊な材料のファイバを開発する必要がある。従って、コスト面で実現性は乏しい。
他の手法として、逓倍器を用いるものがある。例えば、光素子の非線形性を利用することにより2次高調波変換を行うと、歪係数C・温度計数Cを2倍にした場合に等しい周波数シフトが得られる。
しかしながら、この手法では、2次高調波変換の際に、増幅器を通過するため、受信したブリルアン散乱光のSN(Signal to Noise)比が劣化するという問題がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、ストークス光と反ストークス光のビート成分を検出することで、ストークス光と反ストークス光の一方を測定する場合に比べて、2倍の周波数シフトを得ることができ、これにより、歪・温度の測定誤差を軽減することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光ファイバセンシング装置は、プローブ光を生成する光送信部と、プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、ストークス光及び反ストークス光を抽出する波長フィルタ部と、ストークス光及び反ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する光受信部とを備えて構成される。
また、この発明の光ファイバセンシング装置の他の実施形態によれば、第1プローブ光と、第1プローブ光より周波数が高く、かつ、第1プローブ光と位相同期している第2プローブ光を生成する光送信部と、第1プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第1ストークス光及び第1反ストークス光と、第2プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第2ストークス光及び第2反ストークス光のうち、第1反ストークス光と第2ストークス光を抽出する波長フィルタ部と、第1反ストークス光及び第2ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する光受信部とを備えて構成される。
また、この発明の光ファイバセンシング方法は、以下の過程を備える。先ず、プローブ光を生成する。次に、プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、ストークス光及び反ストークス光を抽出する。次に、ストークス光及び反ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する。
また、この発明の光ファイバセンシング方法の他の実施形態によれば、以下の過程を備える。先ず、第1プローブ光と、第1プローブ光より周波数が高く、かつ、第1プローブ光と位相同期している第2プローブ光を生成する。次に、第1プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第1ストークス光及び第1反ストークス光と、第2プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第2ストークス光及び第2反ストークス光のうち、第1反ストークス光と第2ストークス光を抽出する。次に、第1反ストークス光及び第2ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する。
この発明の、光ファイバセンシング装置及び光ファイバセンシング方法は、ストークス光と反ストークス光のビート成分を検出することで、ストークス光と反ストークス光の一方を測定する場合に比べて、2倍の周波数シフトを得ることができ、これにより、歪・温度の測定誤差を軽減できる。
第1センシング装置の概略構成図である。 第1センシング装置の動作を説明するための模式図である。 第2センシング装置の概略構成図である。 第2センシング装置の動作を説明するための模式図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(第1実施形態)
図1を参照して、この発明の第1実施形態に係る光ファイバセンシング装置(以下、第1センシング装置とも称する。)を説明する。図1は、第1センシング装置の概略構成図である。
第1センシング装置は、光送信部10、光サーキュレータ20、光ファイバ100、第1光フィルタ30、光増幅器40、第2光フィルタ50、光受信部60、信号処理部90を備えて構成される。
光送信部10は、プローブ光を生成する。光送信部10は、CW光源12、光パルス発生器16及びタイミング調整器18を備えて構成される。
CW光源12は、単一の線スペクトルを示すCW光を生成し、光パルス発生器16に送る。CW光源12には、例えば、DFB(Distributed Feedback)レーザ等が用いられる。また、CW光源12は、光ファイバ100内でシングルモード伝送できる波長帯で発振する。
光パルス発生器16は、タイミング調整器18で生成された電気パルスに応じて、CW光から光パルスを生成する。この光パルスの繰返し周期とパルス幅は、既存のOTDRと同様に、それぞれ最大測定距離と位置分解能に応じて決定される。
光パルス発生器16は、光強度の調整機能を備える。光パルスの強度は、光ファイバ100において、誘導ブリルアン散乱を発生させない範囲で、可能な限り高強度になるように調整される。光パルス発生器16として、例えば、強度変調器を用いることができる。
タイミング調整器18は、光パルス発生器16において光パルスを生成するための電気パルスを生成するとともに、信号処理部90で平均化処理を行うためのタイミング制御に用いられる。
光パルス発生器16が生成した光パルスは、プローブ光として送信部10から出力される。プローブ光は、光サーキュレータ20を経て、光ファイバ100に入力される。なお、光サーキュレータ20に換えて、光カプラとアイソレータを組み合わせて用いても良い。
測定対象となる光ファイバ100は、センシング媒体であり、測定対象物に適切に設置される。光ファイバ100の一端は、光サーキュレータ20に接続され、他端は、端面反射を抑制するように終端される。光ファイバ100として、CW光源12の発振周波数帯において、シングルモード伝送が可能であり、低損失であり、及び、非線形散乱現象を観測できる程度の非線形光学定数を有するものが用いられる。この光ファイバ100として、例えば、光通信で用いられる標準型シングルモードファイバ(SSMF:Standard Single Mode Fiber)が用いられる。
光ファイバ100からの後方散乱光は、光サーキュレータ20を経て、波長フィルタ部としての第1光フィルタ30に送られる。
第1光フィルタ30は、プローブ光(周波数f)と同一の周波数帯に現れるレイリー散乱光(周波数f)を除去し、ストークス光(周波数f)と反ストークス光(周波数fAS)を抽出する周波数特性を有する。第1光フィルタ30が抽出した、ストークス光と反ストークス光は、光増幅部40に送られる。第1光フィルタ30として、例えば、レイリー散乱光の周波数帯に除去帯がある帯域除去フィルタを用いることができる。
光増幅部40は、ストークス光と反ストークス光の周波数帯域において、十分な増幅利得を有する素子で構成される。光増幅部40として、1550nm帯においては、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)を用いることができる。なお、光増幅部40として、半導体増幅器やパラメトリック増幅器を用いてもよい。光増幅部40で増幅された光信号は、第2光フィルタ50に送られる。
第2光フィルタ50は、光増幅部40で付加された雑音を低減する。第2光フィルタ50として、例えば、ストークス光から反ストークス光までの周波数帯に通過帯を有する帯域通過フィルタを用いることができる。第2光フィルタ50を通過した、ストークス光と反ストークス光は、光受信部60に送られる。
光受信部60は、フォトダイオード(PD)62、ミキサ64、発振器66、フィルタ68、及び、周波数・強度変換回路70を備えて構成される。
光受信部60に送られたストークス光及び反ストークス光は、同一受光素子であるPD62に入力される。
PD62に入力された、ストークス光及び反ストークス光は、ビート成分を生成するとともに光電変換される。ここでは、図2を参照して、光ファイバ100の温度がTからT+ΔTに変化した場合を例に挙げて第1センシング装置の動作を説明する。図2は、光ファイバの温度がTからT+ΔTに変化した場合の動作を説明するための模式図であり、PD62に入力される、ストークス光及び反ストークス光の周波数スペクトルを示している。図2(A)は、光ファイバ100の温度がTの場合を示し、図2(B)は、光ファイバ100の温度がT+ΔTの場合を示している。
光ファイバ100の温度がTの場合(図2(A))、ストークス光の振幅をES0、反ストークス光の振幅をEAS0とすると、ストークス光と反ストークス光の複素振幅は以下の式で表される。
(T)=ES0exp(j2πft)
AS(T)=EAS0exp(j2πfASt)
ここで、tは時間である。この両者をPD62に入力したときの、PD62の出力電圧VPD(T)は、以下の式(1)で表される。
PD(T)∝ES0 +EAS0 +ES0AS0cos{2π(fAS−f)t} (1)
また、光ファイバ100の温度がT+ΔTの場合(図2(B))、ストークス光と反ストークス光の複素振幅は以下の式で表される。
(T+ΔT)=ES0exp{j2π(f−CΔT)t}
AS(T+ΔT)=EAS0exp{j2π(fAS+CΔT)t}
この両者をPD62に入力したときのPD62の出力電圧VPD(T+ΔT)は、以下の式(2)で表される。
PD(T+ΔT)
∝ES0 +EAS0 +ES0AS0cos{2π(fAS−f+2CΔT)t} (2)
上記式(1)及び式(2)を比べると、光ファイバ100の温度がTからT+ΔTに変化した場合における周波数シフトは、2CΔTとなっていることが分かる。このように、ストークス光と反ストークス光の一方を測定する場合の周波数シフト(CΔT)に比べて、2倍の周波数シフトを得ることができる。
ここで、PD62の出力電圧の中で、温度変化の情報を含んだ項の周波数fAS−fは、光ファイバ100がSSMFの場合では、約22GHzである。従って、PD62として、帯域幅が22GHz以上あり、アバランシェフォトダイオードのような高感度の素子を用いるのが良い。
PD62の出力は、ミキサ64に送られる。ミキサ64には、発振器66で生成された周波数fLOの正弦波も入力される。ミキサ64は、PD62の出力をダウンコンバートする。ダウンコンバートされた信号は、フィルタ68を経て、周波数・強度変換回路70に送られる。
発振器66が生成する正弦波の周波数fLOは、ダウンコンバート後の信号の周波数が、周波数・強度変換回路70の動作周波数範囲に収まるように調整される。発振器66の周波数揺らぎは、測定精度に大きく影響するので、水晶発振器を参照信号とした位相同期ループ(PLL:Phase Locked Loop)回路など、安定性の良いものを用いる必要がある。なお、周波数・強度変換回路70の動作周波数範囲が十分に高ければ、ミキサ64及び発振器66を備えなくてもよい。
フィルタ68は、ミキサ64の出力信号に含まれる、不要な周波数成分(例えば、発振器66が生成する正弦波など)を除去し、ストークス光及び反ストークス光のビート成分に対応する周波数帯を通過させる。
周波数・強度変換回路70は、ストークス光及び反ストークス光のビート成分の周波数変化を強度変化に変換する回路である。周波数・強度変換回路70の帯域幅は、必要とされる温度測定範囲や、歪測定範囲により決定される。例えば、0℃から100℃までの温度測定範囲が必要である場合、第1センシング装置における周波数シフトは200MHzとなる。従って、周波数・強度変換回路65の低域遮断周波数が10MHzであるならば、高域遮断周波数は210MHz以上にする必要がある。
信号処理部90は、タイミング調整器18が生成するトリガー信号に応じて、平均化処理を行い、歪み・温度変化の解析を行う。
なお、信号処理部90は、従来公知の特許文献1と同様に構成することができるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
上述した、第1センシング装置では、ストークス光と反ストークス光のビート成分を検出することで、ストークス光と反ストークス光の一方を測定する場合に比べて、2倍の周波数シフトを得ることができ、これにより、歪・温度の測定誤差を軽減することができる。
(第2実施形態)
図3を参照して、この発明の第2実施形態に係る光ファイバセンシング装置(以下、第2センシング装置とも称する。)を説明する。図3は、第2センシング装置の概略構成図である。
第2センシング装置は、光送信部11、光サーキュレータ20、光ファイバ100、第1光フィルタ31、光増幅器40、第2光フィルタ51、光受信部61、信号処理部90を備えて構成される。
光送信部11は、22GHz程度の周波数間隔で、互いに位相同期した2つのプローブ光を生成する。
光送信部11は、CW光源12、光変調器14、発振器15、光パルス発生器16及びタイミング調整器18を備えて構成される。
CW光源12は、第1センシング装置のCW光源と同様に構成され、単一の線スペクトルを示すCW光を生成する。CW光源12が生成したCW光は光変調器14に送られる。
光変調器14は、発振器15が生成した正弦波で駆動され、22GHz間隔の側帯波を生成する。光変調器14は、例えば、電界吸収型変調器、位相変調器、マッハツェンダ変調器など、22GHzで動作可能な素子で構成される。
発振器15は、第1センシング装置の発振器66と同様に、周波数安定性の良い正弦波を発生させるものが用いられる。発振周波数は22GHz程度であり、その振幅は、光変調器14において、1次側帯波の強度が十分に得られる値に設定される。光変調器14をマッハツェンダ変調器で構成する場合は、発振器15の発振周波数を11GHz、振幅を光変調器14の半波長電圧の2倍に設定して、CSRZ(Carrier Suppressed Return to Zero)駆動することにより、22GHz間隔の側帯波を発生させてもよい。
22GHzの周波数間隔の2つのCW光は、光パルス発生器14に送られる。光パルス発生器16は、タイミング調整器16で生成された電気パルスに応じて、2つのCW光から、22GHzの周波数間隔の2つの光パルスを生成する。これらの光パルスは、第1及び第2のプローブ光として、光サーキュレータ20を経て、光ファイバ100に入射される。ここでは、第1プローブ光(周波数fP1)を低周波側とし、第2プローブ光(周波数fP2)を高周波側として説明する。
光源部11は、CW光源12と光パルス発生器16の間に、発振器15で駆動される光変調器14を備える点を除いて、第1センシング装置の光源部10と同様に構成できるので、重複する説明を一部省略している。
なお、光送信部11の構成は、上述の例に限定されない。CW光源と光変調器に変えて、22GHzの間隔の複数の周波数成分のCW光を生成するコム光源と、隣接する周波数成分を透過させるフィルタとで構成してもよい。また、光変調器として、マッハツェンダ変調器を用い、タイミング調整器の制御信号と、発振器の正弦波を乗算してから、マッハツェンダ変調器に入力する構成として、パルス発生器を備えない構成にしてもよい。
送信部10から出力された第1及び第2プローブ光は、第1センシング装置と同様に、光サーキュレータ20を経て、光ファイバ100に入射される。
光ファイバ100からの後方散乱光は、光サーキュレータ20を経て、第1光フィルタ31に送られる。光ファイバ100では、第1プローブ光により、レイリー散乱光、ストークス光、反ストークス光(以下、それぞれ、第1レイリー散乱光、第1ストークス光、第1反ストークス光とも称する。)が発生する。また、光ファイバ100では、第2プローブ光により、レイリー散乱光、ストークス光、反ストークス光(以下、それぞれ、第2レイリー散乱光、第2ストークス光、第2反ストークス光とも称する。)が発生する。
第1光フィルタ31は、第1反ストークス光(周波数fAS1)と第2ストークス光(周波数fS2)を抽出し、第1ストークス光(周波数fS1)、第2反ストークス光(周波数fAS2)、第1レイリー散乱光(周波数fR1)及び第2レイリー散乱光(周波数fR2)を除去する。
光増幅部40は、第1反ストークス光と第2ストークス光の周波数帯域において、十分な増幅利得を有する素子で構成される。光増幅部40で増幅された光信号は、第2光フィルタ51に送られる。
第2光フィルタ51は、光増幅部40で付加された雑音を低減する。第2光フィルタ51として、例えば、第1反ストークス光から第2ストークス光までの周波数帯に通過帯を有する帯域通過フィルタを用いることができる。第2光フィルタ51を通過した、第1反ストークス光と第2ストークス光は、光受信部61に送られる。
光受信部61は、フォトダイオード(PD)62、フィルタ68、及び、周波数・強度変換回路70を備えて構成される。
光受信部61に送られた第1反ストークス光及び第2ストークス光は、同一受光素子であるPD62に入力される。
PD62に入力された、第1反ストークス光及び第2ストークス光は、ビート成分を生成するとともに光電変換される。ここでは、図4を参照して、第1センシング装置と同様に、光ファイバ100の温度がTからT+ΔTに変化した場合を例に挙げて動作を説明する。図4は、光ファイバの温度がTからT+ΔTに変化した場合の第2センシング装置の動作を説明するための模式図であり、PD62に入力される、ストークス光及び反ストークス光の周波数スペクトルを示している。図4(A)は、光ファイバ100の温度がTの場合を示し、図4(B)は、光ファイバ100の温度がT+ΔTの場合を示している。
光ファイバ100の温度がTの場合(図4(A))、第1反ストークス光の振幅をEAS10、第2ストークス光の振幅をES20とすると、ストークス光と反ストークス光の複素振幅は以下の式で表される。
AS1(T)=EAS10exp(j2πfAS1t)
S2(T)=EAS20exp(j2πfS2t)
ここで、tは時間である。この両者をPD62に入力したときの出力電圧VPD(T)は、以下の式(3)で表される。
PD(T)
∝EAS10 +ES20 +EAS10S20cos{2π(fS2−fAS1)t} (3)
また、光ファイバ100の温度がT+ΔTの場合(図4(B))、ストークス光と反ストークス光の複素振幅は以下の式で表される。
AS1(T+ΔT)=EAS10exp{j2π(fAS1+CΔT)t}
S2(T+ΔT)=ES20exp{j2π(fS2−CΔT)t}
この両者をPD62に入力したときの出力電圧VPD(T)は、以下の式(4)で表される。
PD(T+ΔT)
∝EAS10 +ES20 +EAS10S20cos{2π(fS2−fAS1−2CΔ T)t} (4)
上記式(3)及び(4)を比べると、光ファイバ100の温度がTからT+ΔTに変化した場合における周波数シフトは、−2CΔTとなっていることが分かる。
PD62の出力電圧の中で、温度変化の情報を含んだ項の周波数fS2−fAS1は、以下の式で与えられる。
S2−fAS1=(fP2−f)−(fP1+f
ここで、fは、ブリルアンシフトである。f≒11GHzであるので、fP2−fP1が22GHz程度になるように、設定されていると、fS2−fAS1が低周波となり、PD62に要求される帯域は軽減される。
また、上記式(3)及び(4)に示される、PD62の出力電圧の第1項及び第2項は、ブリルアン光の二乗検波の成分であり、直流から10MHz程度までの帯域を占有する。従って、温度・歪の情報を含む第3項の周波数は、測定する温度・歪の範囲において、二乗検波の成分が占有する周波数帯を含まないように設定されている必要がある。
PD62の出力は、フィルタ68に入力され、上記式(3)及び(4)の第3項の成分のみが抽出される。抽出された成分は、周波数・強度変換回路70に送られる。
周波数・強度変換回路70及び信号処理部90の構成及び動作は、第1センシング装置と同様なので、重複する説明を省略する。
上述した、第2センシング装置では、第1プローブ光と、第1プローブ光より周波数が高く、かつ、第1プローブ光と位相同期している第2プローブ光を用いているが、第1センシング装置と同様に、ストークス光と反ストークス光のビート成分を検出することで、ストークス光と反ストークス光の一方を測定する場合に比べて、2倍の周波数シフトを得ることができ、これにより、歪・温度の測定誤差を軽減することができる。
また、第2センシング装置では、第1プローブ光と第2プローブ光を用いることで、ビート成分の周波数を低くすることができる。この結果、光受信部に、ミキサ及び発振器が不要となり、また、PDに要求される周波数が低くなる。
10、11 光送信部
12 CW光源
14 光変調器
15、66 発振器
16 光パルス発生器
18 タイミング調整器
20 光サーキュレータ
30、31、50、51 光フィルタ
40 光増幅部
60、61 光受信部
62 フォトダイオード(PD)
64 ミキサ
68 フィルタ
70 周波数・強度変換回路
90 信号処理部
100 光ファイバ

Claims (4)

  1. プローブ光を生成する光送信部と、
    前記プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、ストークス光及び反ストークス光を抽出する波長フィルタ部と、
    前記ストークス光及び反ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する光受信部と
    を備えることを特徴とする光ファイバセンシング装置。
  2. 第1プローブ光と、前記第1プローブ光より周波数が高く、かつ、第1プローブ光と位相同期している第2プローブ光を生成する光送信部と、
    前記第1プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第1ストークス光及び第1反ストークス光と、前記第2プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第2ストークス光及び第2反ストークス光のうち、第1反ストークス光と第2ストークス光を抽出する波長フィルタ部と、
    前記第1反ストークス光及び第2ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する光受信部と
    を備えることを特徴とする光ファイバセンシング装置。
  3. プローブ光を生成する過程と、
    前記プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、ストークス光及び反ストークス光を抽出する過程と、
    前記ストークス光及び反ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する過程と
    を備えることを特徴とする光ファイバセンシング方法。
  4. 第1プローブ光と、前記第1プローブ光より周波数が高く、かつ、第1プローブ光と位相同期している第2プローブ光を生成する過程と、
    前記第1プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第1ストークス光及び第1反ストークス光と、前記第2プローブ光により光ファイバで発生する後方散乱光に含まれる、第2ストークス光及び第2反ストークス光のうち、第1反ストークス光と第2ストークス光を抽出する過程と、
    前記第1反ストークス光及び第2ストークス光を同一受光素子で受光し、これらのビート成分を検出する過程と
    を備えることを特徴とする光ファイバセンシング方法。
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