JP6969168B2 - フィン基材、および熱交換器の製造方法 - Google Patents

フィン基材、および熱交換器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱交換器の一部を構成する熱交換フィンの表面処理前の基材であるフィン基材、および、その熱交換器の製造方法に関するものである。
特許文献1には熱交換器が記載されており、その熱交換器は、複数本のチューブと、そのチューブの外表面に設けられたフィンとを備えている。そのフィン(すなわち、熱交換フィン)は、平面部と屈曲部とを交互に繰り返してつながる波状に形成されている。また、そのフィンの平面部には、鎧窓状のルーバが形成されている。
このルーバは平面部の全域に形成されているわけではない。具体的には、その平面部は、熱交換器を通過する空気の流れ方向で、ルーバに対する上流側と下流側とに、その空気の流れ方向に沿った平板状の平坦部を有している。
特開2003−214790号公報
特許文献1の熱交換器は、例えばロウ付け等によって組み立てられるが、その組立て完了後には、通常、表面処理が施される。その表面処理では、熱交換器は処理液に浸漬され、その後、エアブロー等によって余剰な処理液が吹き飛ばされる。熱交換器の表面処理では、このように余剰な処理液を吹き飛ばすことにより、処理液の付着液量および皮膜量の調整を行っている。
但し、熱交換器の組立て完了後に表面処理が行われるので、表面処理が施されることによりフィンになるフィン基材の表面に付着した余剰な処理液をエアブローで吹き飛ばすためには、熱交換器を通過する空気の流れ方向に沿って空気を吹き付けることになる。そのため、フィン基材のうちルーバと比較して平坦部では液切れが弱く、その結果、平坦部の皮膜量がルーバの皮膜量に比して厚くなる。要するに、表面処理後のフィンが有する皮膜量のバラツキが、熱交換器を通過する空気の流れ方向に発生する。発明者の詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は上記点に鑑みて、熱交換器の表面処理を行うときに、フィン基材に付着する液体の付着量のバラツキを抑えることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のフィン基材は、
熱交換器(100)に含まれ且つ複数本のチューブ(2)の相互間に設けられる熱交換フィン(7)の表面処理前の部材として構成されたフィン基材であって、
平板状の平坦部(721、722、741、742)と、
平坦部に対し、その平坦部に沿った一方向(DR1)の一方側または他方側に配置されたルーバ部(723、743)とを備え、
そのルーバ部は、上記一方向へ並びその一方向に対して傾斜した板状の複数の傾斜板部(724)から構成され、
平坦部は、その平坦部の表面(721b)を形成する表層部(721a)を有し、
その表層部は、その表層部に付着する液体の接触角を、その液体がルーバ部に付着する場合に比して小さくする
上述のように、フィン基材の平坦部は、その平坦部の表面を形成する表層部を有し、その表層部は、表層部に付着する液体の接触角を、その液体がルーバ部に付着する場合に比して小さくする。従って、エアブロー時の送風方向に起因して平坦部の液切れが弱いことを、上記接触角を小さくすることにより補うことが可能である。言い換えれば、エアブロー時における平坦部の液切れの程度を、上記接触角を小さくすることにより、ルーバ部の液切れの程度に近付けることが可能である。その結果、熱交換器の表面処理を行うときに、表面処理前の熱交換フィンであるフィン基材に付着する液体の付着量のバラツキを抑えることが可能である。
また、請求項5に記載の熱交換器の製造方法は、
複数本のチューブ(2)とその複数本のチューブの相互間に設けられる熱交換フィン(7)とを含む複数の構成部品からなる熱交換器(100)の製造方法であって、
複数の構成部品の基になる構成基材を相互に接合して一体化する組立工程(S100)と、
その組立工程の後に、複数の構成基材に対して表面処理を行うための処理液を複数の構成基材に付着させる液付着工程(S180)と、
その液付着工程の後に、複数の構成基材に付着した処理液の一部を送風により吹き飛ばす送風工程(S190)とを含み、
複数の構成基材のうち、表面処理が為されることにより熱交換フィンになるフィン基材(70)は、平板状の平坦部(721、722、741、742)と、その平坦部に対し、その平坦部に沿った一方向(DR1)の一方側または他方側に配置されたルーバ部(723、743)とを備え、
そのルーバ部は、上記一方向へ並びその一方向に対して傾斜した板状の複数の傾斜板部(724)から構成され、
平坦部は、その平坦部の表面(721b)を形成する表層部(721a)を有し、
その表層部は、その表層部に付着する処理液の接触角を、その処理液がルーバ部に付着する場合に比して小さくするものであり、
送風工程で、フィン基材に対しては、上記一方向に沿った送風により、フィン基材に付着した処理液の一部を吹き飛ばす。
これにより、上記請求項1に記載のフィン基材と同様の効果を得ることができる。すなわち、熱交換器の表面処理を行うときに、表面処理前の熱交換フィンであるフィン基材に付着する処理液の付着量のバラツキを抑えることが可能である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の熱交換器の概略構成を示した斜視図である。 第1実施形態において、熱交換器の製造工程を示したフローチャートである。 第1実施形態のフィン基材を、チューブ積層方向を法線方向とした平面で切断した模式的な断面図であって、特許文献1の図2(b)に相当する断面図である。 図3と同じ向きでフィン基材を示した断面図であって、図3に示すフィン基材の上流部と下流部とのうち上流部を抜粋して示した断面図である。 図4のV−V断面を示した断面図である。 図5において第1平坦部を見たVI矢視図である。 図3と同じ向きで比較例のフィン基材の断面を示すと共に、図2の送風工程の後にフィン基材に付着して残存する樹脂液の分布を示した断面図である。 第1実施形態の図3において、図2の送風工程の後にフィン基材に付着して残存する樹脂液の分布を示した断面図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。なお、後述する他の実施形態を含む以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態の熱交換器100は、空気と冷媒とを熱交換することにより空気を冷却すると共に冷媒を蒸発させる蒸発器である。具体的には、熱交換器100は車両用空調ユニットに用いられる熱交換器であり、膨張弁および圧縮機等とともに冷凍サイクル装置を構成している。
図1に示すように、熱交換器100は、接続ブロック1と複数本のチューブ2とタンク部3、4、5、6と複数の熱交換フィン7とを含む複数の構成部品からなる。
熱交換器100の接続ブロック1は、不図示の膨張弁から流出する冷媒が入る冷媒入口1aと、不図示の圧縮機に向けて冷媒が流れ出る冷媒出口1bとを有している。
複数本のチューブ2は、所定間隔を空けてチューブ積層方向DRsへ並んで積層配置されている。また、複数本のチューブ2は2列配置されており、熱交換器100を通過する空気の空気流れ方向Xにおいて上流側に2列のうちの一方の列を成し、下流側に2列のうちの他方の列を成している。
また、複数本のチューブ2はそれぞれ、チューブ長手方向DRtへ延びるように形成されている。このチューブ長手方向DRtとチューブ積層方向DRsと空気流れ方向Xは、互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向となっている。
4つのタンク部3、4、5、6はそれぞれチューブ積層方向DRsへ延びるように形成されている。その4つのタンク部3、4、5、6のうちの第1タンク部3は、空気流れ下流側の各チューブ2の長手方向一端部に接合されている。そして、第1タンク部3は、冷媒入口1aから流入する冷媒を、第1タンク部3に接合された各チューブ2に分配する。
第2タンク部4は、空気流れ下流側の各チューブ2の長手方向他端部に接合されている。そして、第2タンク部4は、その第2タンク部4に接合された各チューブ2からの冷媒を集合させる。
第3タンク部5は、空気流れ上流側の各チューブ2の長手方向他端部に接合されている。そして、第3タンク部5は、第2タンク部4で集合された冷媒を、第3タンク部5に接合された各チューブ2に分配する。
第4タンク部6は、空気上流側の各チューブ2の長手方向一端部に接合されている。そして、第4タンク部6は、その第4タンク部6に接合された各チューブ2からの冷媒を集合させる。第4タンク部6で集合された冷媒は冷媒出口1bから排出される。
チューブ積層方向DRsにおける複数本のチューブ2の相互間には、空気流れ方向Xに空気が流通する。そして、複数の熱交換フィン7はそれぞれ、その複数本のチューブ2の相互間に設けられている。熱交換フィン7は、チューブ2の外表面に接合されて、チューブ2内の冷媒と空気との間の熱交換を促進するためのものである。本実施形態では、熱交換フィン7として、波状に形成されたコルゲートフィンが用いられている。
なお、接続ブロック1、複数本のチューブ2、タンク部3、4、5、6、および複数の熱交換フィン7はそれぞれ、アルミニウム合金からなる。
このように構成される熱交換器100の外表面には樹脂膜が形成されている。その樹脂膜は、例えば親水性を高める親水化被膜となっている。
次に、熱交換器100の製造方法の工程について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2に示すように、まず、組立工程としてのステップS100では、熱交換器100を構成する複数の構成部品の基になる構成基材を相互に接合して一体化する。具体的は、接続ブロック1、複数本のチューブ2、タンク部3、4、5、6、および複数の熱交換フィン7等である複数の構成部品の基になる構成基材を仮組み付け後に、ロウ付けして一体化する。以下、この一体化した製造中間段階の生成物(すなわち、完成前の熱交換器100)をワークという。
なお、上記の構成基材とは、完成前の熱交換器100を構成する完成前部品であり、例えば、完成後の熱交換器100を構成する構成部品の表面処理前の部品である。特に本実施形態では、熱交換フィン7の基になる構成基材をフィン基材70(図3参照)と呼ぶ。すなわち、そのフィン基材70は、熱交換フィン7の表面処理前の部材として構成されたものであり、熱交換フィン7を構成する。別言すれば、フィン基材70は、この図2の製造工程で表面処理が為されることにより熱交換フィン7になる。フィン基材70は、例えばアルミニウム合金板のプレス成形品である。
次にステップS110では、ワークに対して送風機からの送風を吹き付けて塵等を吹き飛ばし、次のステップS120ではワークを水洗いして、次のステップS130では、ワークに対して送風機からの送風を吹き付けて水を吹き飛ばす。
次のステップS140では、酸性液によりワークを洗浄してフラックス等を除去する。次のステップS150では、この洗浄後のワークに対して送風機からの送風を吹き付けて酸性液を吹き飛ばす。
次に、化成工程としてのステップS160では、ワークの外表面を化成処理液で化成処理し、それにより、ワークの外表面に対して無機物としての金属膜すなわち化成皮膜を成形する。この金属膜は、防錆機能を果たすものである。
次のステップS170では、金属膜が生成されたワークに対して送風機からの送風を吹き付けて塵等を吹き飛ばす。
次の液付着工程としてのステップS180では、ワークを樹脂液槽に一旦浸漬して、ワークの外表面に樹脂液を付着させる。すなわち、そのワークを構成する複数の構成基材に樹脂液を付着させる。このステップS180で用いられる樹脂液は、フィン基材70を含む複数の構成基材に対して表面処理を行うための処理液、要するにワークに対して表面処理を行うための処理液である。具体的に、その樹脂液は、各構成基材の外表面を親水化する親水化処理液であり、親水性樹脂を含んでいる。
ワークを樹脂液槽から引き上げた後、送風工程としてのステップS190において、ワークの外表面に付着した余剰の余剰樹脂液を除去する。
具体的には、ワークに対して送風機からの送風を吹き付けるエアブローを行う。そして、そのワークを構成する複数の構成基材に付着した樹脂液の一部である余剰樹脂液を、その送風により吹き飛ばす。これにより余剰樹脂液を除去する。この余剰樹脂液の除去により、均一厚さの樹脂液の膜を各構成基材の外表面に生成させる。
例えば、ワークのうちフィン基材70に付着した余剰樹脂液を除去するためには、熱交換器100の構造上、図1の空気流れ方向Xに沿った向きで送風する必要がある。そのため、このステップS190では、フィン基材70に対しては、空気流れ方向Xと平行な後述の平坦部一方向DR1に沿った送風により、フィン基材70に付着した余剰樹脂液を吹き飛ばす。その送風される空気は、後述の図4および図6では矢印Airで表されている。
次に、ステップS200において、余剰樹脂液の除去後のワークに熱を加えて乾燥させる。この乾燥により、各構成基材の外表面において樹脂液が架橋し、それにより親水性被膜としての樹脂膜が生成される。
ここで、熱交換フィン7の基になるフィン基材70について説明する。
熱交換フィン7が波形状のコルゲートフィンであるので、これと同様に、フィン基材70も波形状を成している。そして、その波形状のうち屈曲した山部分と屈曲した谷部分との間のフィン基材70の形状は、図3に示すようになっている。
具体的には、熱交換器100のチューブ2は上記したように2列配置であるので、図3に示すように、フィン基材70は、空気流れ方向Xに並んだ上流部72と下流部74とを有している。この上流部72は、2列配置されたチューブ2のうち空気流れ上流側の列を構成するチューブ2の相互間に配置され、下流部74は、空気流れ下流側の列を構成するチューブ2の相互間に配置される。この上流部72は下流部74に対し空気流れ上流側に設けられ、その下流部74に不図示の連結部を介して連結されている。
図3および図4に示すように、フィン基材70の上流部72は、第1平坦部721と第2平坦部722とルーバ部723とを有している。第1平坦部721と第2平坦部722は何れも、1つの平面上に形成された平板形状を成している。
ルーバ部723は、その第1平坦部721および第2平坦部722に沿った一方向DR1である平坦部一方向DR1で、第1平坦部721と第2平坦部722との間に配置されている。言い換えれば、ルーバ部723は、第1平坦部721に対し平坦部一方向DR1の一方側に配置され、第2平坦部722に対し平坦部一方向DR1の他方側に配置されている。なお、その平坦部一方向DR1は、空気流れ方向Xと平行な方向である。従って、平坦部一方向DR1の上記一方側とは空気流れ方向Xの下流側であり、平坦部一方向DR1の上記他方側とは空気流れ方向Xの上流側である。
ルーバ部723は複数の傾斜板部724を含んで構成されている。その複数の傾斜板部724はそれぞれ、平坦部一方向DR1に対して傾斜した板状を成しており、その平坦部一方向DR1へ並んで設けられている。その複数の傾斜板部724は、例えば、平坦部一方向DR1に沿った向きから捩り起こされるように成形されている。
そして、複数の傾斜板部724は、第1平坦部721の表面721b(図5参照)よりも、第1平坦部721の厚み方向へ突き出ている。また、第2平坦部722の表面は第1平坦部721の表面721bと共通の平面上に位置するので、複数の傾斜板部724は、第2平坦部722の表面よりも、第2平坦部722の厚み方向へ突き出ている。なお、第1平坦部721の厚み方向も第2平坦部722の厚み方向も同じ方向であり、図4では紙面上下方向になっている。
図5および図6に示すように、第1平坦部721は、その第1平坦部721の表面721bを形成する表層部721aを有している。なお、第2平坦部722の構成は第1平坦部721の構成と同様であるので、以下の説明では、第2平坦部722が第1平坦部721と異なる点を説明する場合を除き、第2平坦部722の説明を省略する。また、図5は図4のV−V断面図であり、何れの平坦部721、722でも図5に図示される形状は同じであるので、図5では、両平坦部721、722の符号が併記されている。また、図6は、図5において第1平坦部721を見たVI矢視図として図示されている。
表層部721aは凹凸形状を有し、その凹凸形状により、表層部721aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させる。その液体とは、例えば、図2のステップS180で使用される樹脂液である。表層部721aの凹凸形状は、例えば、レーザ加工または金型によるプレス加工などによって形成される。
具体的には、表層部721aの凹凸形状は、第1平坦部721の厚み方向への凹凸であり、第1平坦部721の表面721bの全域にわたって設けられている。そして、その凹凸形状は、第1平坦部721の厚み方向へ突き出る複数の凸部721cを有している。その複数の凸部721cはそれぞれ、基端721dと先端721eとを有している。
また、複数の凸部721cはそれぞれ、第1平坦部721の表面721bに付着する液体の表面張力を低減させる作用を生じるように微細に形成されている。そのため、第1平坦部721の厚み方向における凸部721cの基端721dからの凸部721cの凸高さHp(図5参照)は、その厚み方向における基端721dからの複数の傾斜板部724の突出し高さHi(図4参照)よりも格段に低い。また、その厚み方向における第1平坦部721の総厚Tp(図5参照)は、その厚み方向における複数の傾斜板部724の全幅Ti(図4参照)よりも格段に小さい。なお、液体の表面張力を低減させる上記の凹凸形状は、ルーバ部723には形成されていない。また、図5および図6では、凸部721cを分かり易く図示するために、凸部721cが他の形状よりも拡大されて表示されている。
図6に示すように、フィン基材70の上流部72は、上述した第1平坦部721、第2平坦部722、およびルーバ部723に加え、一対のルーバ側方部725を有している。この一対のルーバ側方部725は、第1および第2平坦部721、722と共に1つの平面上に形成された平板形状を成している。要するに、一対のルーバ側方部725は何れも、第1および第2平坦部721、722に沿った平板状を成している。また、一対のルーバ側方部725はそれぞれ、第1平坦部721から第2平坦部722まで平坦部一方向DR1に沿って延設されている。
一対のルーバ側方部725のうちの一方は、ルーバ部723に対し第2の方向DR2の一方側に配置され、一対のルーバ側方部725のうちの他方は、ルーバ部723に対し第2の方向DR2の他方側に配置されている。その第2の方向DR2とは、第1の方向としての平坦部一方向DR1に直交し且つ第1および第2平坦部721、722に沿った方向である。また、第2の方向DR2は、本実施形態ではチューブ積層方向DRsに一致するが、チューブ積層方向DRsに対して傾斜した方向となっていてもよい。
また、ルーバ側方部725は、第1平坦部721の表層部721aと同様のルーバ側方表層部725aを有している。すなわち、そのルーバ側方表層部725aはルーバ側方部725の表面を形成している。そして、そのルーバ側方表層部725aは、第1平坦部721の表層部721aの凹凸形状と同じ凹凸形状を有している。
詳細に言えば、そのルーバ側方表層部725aの凹凸形状は、第1平坦部721の凸部721cと同じ複数の凸部721cを有している。そのため、ルーバ側方表層部725aも第1平坦部721の表層部721aと同様に、ルーバ側方表層部725aの凹凸形状により、ルーバ側方表層部725aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させる。
フィン基材70の上流部72は上述したとおりであるが、図3に示すように、フィン基材70の下流部74は、その上流部72と同様に構成されている。例えば、下流部74も、第1平坦部741と第2平坦部742とルーバ部743とを有している。そして、下流部74の第1平坦部741は上流部72の第1平坦部721と同様であり、下流部74の第2平坦部742は上流部72の第2平坦部722と同様であり、下流部74のルーバ部743は上流部72のルーバ部723と同様である。また、下流部74は、上流部72のルーバ側方部725と同様の一対のルーバ側方部を有している。
次に、本実施形態のフィン基材70と比較される比較例のフィン基材90を、図7を用いて説明する。この比較例のフィン基材90は、基本的な形状においては本実施形態のフィン基材70と同様であるが、比較例のフィン基材90の平坦部721、722、741、742は、凹凸形状を有する表層部721aを備えていない。従って、比較例のフィン基材90では平坦部721、722、741、742であってもルーバ部723、743であっても、それに付着する液体の表面張力は同じである。この点において、比較例のフィン基材90は本実施形態のフィン基材70と異なっている。
このような比較例のフィン基材90に対し、図2のステップS190において、平坦部一方向DR1に沿った向きで図7の矢印Airのように空気を吹き付け、それにより、余剰樹脂液を吹き飛ばすと、吹き飛ばされずに残存する樹脂液Lsは、図7に示すようにフィン基材90に付着して分布する。具体的には、比較例のフィン基材90では、ルーバ部723、743よりも平坦部721、722、741、742の方に、厚く樹脂液Lsが付着した状態になる。これは、平坦部721、722、741、742がステップS190での送風方向に沿っているため、平坦部721、722、741、742上の樹脂液が吹き飛び難いからである。
この比較例に対し、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、フィン基材70の上流部72に含まれる第1平坦部721は、その第1平坦部721の表面721bを形成する表層部721aを有する。その表層部721aは、表層部721aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させる。そして、他の平坦部722、741、742も、この第1平坦部721と同様である。従って、図2のステップS190のエアブロー時における送風方向に起因して平坦部721、722、741、742の液切れが弱いことを、上記表面張力の低減により補うことが可能である。
例えば、図3のB1、B2、B3部分の液切れが、上記表面張力の低減により促進される。そのため、エアブロー時における平坦部721、722、741、742の液切れの程度を、上記表面張力の低減により、ルーバ部723、743の液切れの程度に近付けることが可能である。その結果、熱交換器100の表面処理を行うときに、表面処理前の熱交換フィン7であるフィン基材70に付着する液体の付着量のバラツキを抑えることが可能である。例えば本実施形態では、エアブロー時に吹き飛ばされずに残存する樹脂液Lsを、図8に示すように、フィン基材70の全体にわたって均等に分布させることが可能である。
このように残存する樹脂液Lsの付着量を均一化することで、品質確保を目的とした最低皮膜量を確保するために必要とされる樹脂液の必要量を抑えることが可能である。これにより、表面処理で消費される樹脂液の消費量を低減でき、延いては、熱交換器100の製造コストを低減することが可能である。また、樹脂液によって形成される皮膜の厚さが厚くなり過ぎることが原因でその皮膜が剥がれ易くなる等の品質低下を回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、表層部721aは凹凸形状を有し、その凹凸形状により表面張力を低減させる。従って、各平坦部721、722、741、742が備える形状によって上記表面張力を低減させることが可能である。
また、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、表層部721aは、表層部721aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させ、その液体とは、表面処理を行うための処理液である。従って、その表面処理用の処理液(例えば、樹脂液)をフィン基材70全体にわたって均等に付着させることが可能である。その結果、熱交換フィン7の全体にわたってバラツキを抑えた表面処理を行うことが可能である。
また、本実施形態によれば、図6に示すように、ルーバ側方部725は、第1平坦部721の表層部721aと同様のルーバ側方表層部725aを有している。すなわち、そのルーバ側方表層部725aは、第1平坦部721の表層部721aと同様に、ルーバ側方表層部725aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させる。従って、図2のステップS190のエアブロー時における送風方向に起因してルーバ側方部725の液切れが弱いことを、第1平坦部721と同様に、上記表面張力の低減により補うことが可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態において、図5に示す表層部721aは、その表層部721aに付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部723に付着する場合に比して低減させ、その液体として、表面処理用の樹脂液が例示されているが、これに限らない。その液体は、表面処理用ではない液であってもよい。
(2)上述の実施形態において、図2のステップS180で用いられる樹脂液は、ワークの各構成基材の外表面を親水化する親水化処理液であるが、その外表面を撥水化する撥水化処理液であっても差し支えない。ステップS180で用いられる樹脂液は、熱交換器100の用途に応じて適宜選択されればよい。
(3)上述の実施形態において、図5に示す表層部721aは、凹凸形状を有することにより、表層部721aに付着する液体の表面張力を低減させるが、その表面張力は他の方法によって低減されても差し支えない。例えば、表層部721aが、塗布された薬液で構成され、表面張力はその薬液によって低減されても差し支えない。
(4)上述の実施形態では図6に示すように、ルーバ部723を挟んで一対のルーバ側方部725が設けられているが、その一対のルーバ側方部725のうちの片方または両方が設けられていないことも想定される。
(5)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、フィン基材の平坦部は、その平坦部の表面を形成する表層部を有し、その表層部は、表層部に付着する液体の表面張力を、その液体がルーバ部に付着する場合に比して低減させる。
また、第2の観点によれば、表層部は凹凸形状を有し、その凹凸形状により表面張力を低減させる。従って、平坦部が備える形状によって上記表面張力を低減させることが可能である。
また、第3の観点によれば、複数の傾斜板部は、平坦部の表面よりも、平坦部の厚み方向へ突き出ている。表層部の凹凸形状は、その厚み方向へ突き出る凸部を有している。そして、その厚み方向における凸部の基端からの凸部の凸高さは、その厚み方向における基端からの複数の傾斜板部の突出し高さよりも低い。
また、第4の観点によれば、上記液体は、表面処理を行うための処理液である。従って、その表面処理用の処理液をフィン基材全体にわたって均等に付着させることが可能である。
また、第5の観点によれば、表面処理が為されることにより熱交換フィンになるフィン基材は、平板状の平坦部と、その平坦部に対し、その平坦部に沿った一方向の一方側または他方側に配置されたルーバ部とを備える。そのルーバ部は、一方向へ並びその一方向に対して傾斜した板状の複数の傾斜板部から構成される。平坦部は、その平坦部の表面を形成する表層部を有し、その表層部は、その表層部に付着する処理液の表面張力を、その処理液がルーバ部に付着する場合に比して低減させるものである。そして、送風工程で、フィン基材に対しては、上記一方向に沿った送風により、フィン基材に付着した処理液の一部を吹き飛ばす。
2 チューブ
7 熱交換フィン
70 フィン基材
100 熱交換器
721、741 第1平坦部
721a 表層部
721b 平坦部の表面
722、742 第2平坦部
723、743 ルーバ部
724 傾斜板部

Claims (5)

  1. 熱交換器(100)に含まれ且つ複数本のチューブ(2)の相互間に設けられる熱交換フィン(7)の表面処理前の部材として構成されたフィン基材であって、
    平板状の平坦部(721、722、741、742)と、
    前記平坦部に対し、該平坦部に沿った一方向(DR1)の一方側または他方側に配置されたルーバ部(723、743)とを備え、
    該ルーバ部は、前記一方向へ並び該一方向に対して傾斜した板状の複数の傾斜板部(724)から構成され、
    前記平坦部は、該平坦部の表面(721b)を形成する表層部(721a)を有し、
    該表層部は、該表層部に付着する液体の接触角を、該液体が前記ルーバ部に付着する場合に比して小さくするフィン基材。
  2. 前記表層部は凹凸形状を有し、該凹凸形状により前記接触角小さくする請求項1に記載のフィン基材。
  3. 前記複数の傾斜板部は、前記平坦部の表面よりも、前記平坦部の厚み方向へ突き出ており、
    前記表層部の凹凸形状は、前記厚み方向へ突き出る凸部(721c)を有し、
    前記厚み方向における前記凸部の基端(721d)からの該凸部の凸高さ(Hp)は、前記厚み方向における前記基端からの前記複数の傾斜板部の突出し高さ(Hi)よりも低い請求項2に記載のフィン基材。
  4. 前記液体は、前記表面処理を行うための処理液である請求項1ないし3のいずれか1つに記載のフィン基材。
  5. 複数本のチューブ(2)と該複数本のチューブの相互間に設けられる熱交換フィン(7)とを含む複数の構成部品からなる熱交換器(100)の製造方法であって、
    前記複数の構成部品の基になる構成基材を相互に接合して一体化する組立工程(S100)と、
    該組立工程の後に、複数の前記構成基材に対して表面処理を行うための処理液を複数の前記構成基材に付着させる液付着工程(S180)と、
    該液付着工程の後に、複数の前記構成基材に付着した前記処理液の一部を送風により吹き飛ばす送風工程(S190)とを含み、
    複数の前記構成基材のうち、前記表面処理が為されることにより前記熱交換フィンになるフィン基材(70)は、平板状の平坦部(721、722、741、742)と、該平坦部に対し、該平坦部に沿った一方向(DR1)の一方側または他方側に配置されたルーバ部(723、743)とを備え、
    該ルーバ部は、前記一方向へ並び該一方向に対して傾斜した板状の複数の傾斜板部(724)から構成され、
    前記平坦部は、該平坦部の表面(721b)を形成する表層部(721a)を有し、
    該表層部は、該表層部に付着する前記処理液の接触角を、該処理液が前記ルーバ部に付着する場合に比して小さくするものであり、
    前記送風工程で、前記フィン基材に対しては、前記一方向に沿った送風により、前記フィン基材に付着した前記処理液の一部を吹き飛ばす熱交換器の製造方法。
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