JP6968772B2 - 表皮ヒアルロン酸産生促進剤 - Google Patents

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本発明は、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤に関する。
体組織への親和性を保つヒアルロン酸塩は、含水系の中では紫外線、酵素等によって分解され、分子量の低下に伴って保水効果も減少する。また、ヒアルロン酸は細胞間組織として存在し、血管透過性とも関与している。更に、ヒアルロニダーゼは肥満細胞中にあって活性化により、肥満細胞からの脱顆粒に関与していると考えられている。したがってヒアルロン酸の加水分解酵素であるヒアルロニダーゼの活性を阻害することにより、ヒアルロン酸の安定化をはかり、肥満細胞からの種々のケミカルメディエーターの放出を防止し、抗炎症が期待できる。このようなヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有する生薬としては、例えば、オスベッキア属植物の抽出物(特許文献1参照)、藤茶抽出物(特許文献2参照)、ローズマリー抽出物、タイム抽出物及びメリッサ抽出物(特許文献3参照)、などが報告されている。
これまでの美白剤開発は、メラニン生成の律速酵素であるチロシナーゼに注力して進められてきたが、最近、紫外線UVB照射後に表皮ケラチノサイトからの産生が上昇し、色素細胞(メラノサイト)を活性化するサイトカインとしてα−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、エンドセリン−1(ET−1)、一酸化窒素(NO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、顆粒球・マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)、幹細胞因子(SCF)等が報告されており、これらが関与する情報伝達系を遮断することによりメラニン産生を抑制して美白効果を導く物質の開発が盛んに行われるようになってきている。このようなエンドセリン−1(ET−1)の色素細胞(メラノサイト)への作用を阻害する生薬の抽出物として、例えば、カミツレ抽出物及びアルテア抽出物が報告されている(非特許文献1参照)。
また、従来は、皮膚のバリア機能は角層のみが担っていると考えられていたが、表皮顆粒層に存在するタイトジャンクション(以下、TJと略記することがある。)の構成タンパク質を遺伝子レベルで欠損させると皮膚のバリア機能が崩壊することから、近年、TJも皮膚のバリア機能に重要な役割を担うと考えられている(非特許文献2参照)。TJは、隣接する細胞同士を密着させるだけでなく、細胞と細胞の隙間をシールすることで物質の透過を制御する結合装置である。このTJを構成しているタンパク質には、クローディン、オクルディン、ZO−1及びZO−2などがあり、これらのタンパク質はTJストランドの骨格を構成し、TJのバリア機能を制御すると考えられている(非特許文献3参照)。以上のことから、クローディン、オクルディン、ZO−1、ZO−2の発現が何らかの原因で減少した場合、TJの構造的な破壊が起こり、物質の透過バリアとして機能しなくなることによって、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状の原因となると予想される。
したがって、表皮においてクローディン、オクルディン、ZO−1、及びZO−2の産生を促進することにより表皮角化細胞のTJ形成を促すことで、皮膚のバリア機能及び水分保持機能を高め、前記皮膚症状を予防又は改善することができると考えられる。このような考えに基づき、TJ形成促進作用を介して皮膚バリア機能を向上させるものとして、天然物由来のオウレン抽出物(特許文献4参照)、トウヒ抽出物(特許文献5参照)などが開示されている。
アミノ酸、ペプチド、タンパク質のアミノ基とケトン、アルデヒド、特にグルコースなどの還元糖が反応して褐色色素を生成する反応をメイラード反応という。このメイラード反応の最終産物として生成する物質を最終糖化産物(advanced glycation end products、以下、「AGEs」と称することもある。)という。メイラード反応は、アミノ基とグルコースが非酵素的に反応しシッフ塩基を形成し、ついでアマドリ転位を起こす早期反応、更に3−デオキシグルコソン(3−DG)などのジカルボニル基を有する活性中間体を生成する中期反応、活性中間体が更にアミノ基と非酵素的に反応し、脱水、縮合反応を繰り返してAGEs形成する後期反応からなる。
AGEsとしては、例えば、イミダゾロン(非特許文献4参照)、Nε−カルボキシメチルリシン(CML)(非特許文献5参照)、ペントシジン、ピラリン、クロスリン、Nε−カルボキシエチルリシン、メチルグリオキサールリシンダイマー、グリオキサールリシンダイマーなどが同定されている。イミダゾロンは3−DGがアルギニンと反応して生成することが報告されている(非特許文献4参照)。
AGEsが発症、進展に関与している病態の一つして、老化症状がある。生体組織におけるメイラード反応の進行により、皮膚組織においては皮膚弾性繊維の架橋などによる老化(弾性低下)を招き、また、血管壁組織や神経原線維へのAGEsの沈着により動脈硬化やアルツハイマー病を招くともいわれている。
AGEs生成抑制作用を有する天然物由来のものとしては、例えば、マメ科ディアリウムインダムの果皮抽出物が開示されている(特許文献6参照)。
また、AGEs生成抑制作用を有する化合物として、例えば、アミノグアニジン、OPB−9195、ピリドキサミンなどの化合物が知られているが、これら化合物は副作用等の問題を有している(非特許文献4〜6参照)。
多くのステロイドホルモンは産生臓器から分泌された分子型で受容体と結合してその作用を発現するが、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの場合、例えば、テストステロンは標的臓器の細胞内に入ってテストステロン5α−レダクターゼにより5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に還元されてから受容体と結合し、アンドロゲンとしての作用を発現する。
前記アンドロゲンは重要なホルモンであるが、それが過度に作用すると、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等のさまざまな好ましくない症状を誘発する。そこで、これらの各種症状を改善するために過剰のアンドロゲンの作用を抑制する方法、具体的には、テストステロンを活性型5α−DHTに還元するテストステロン5α−レダクターゼの作用を阻害することにより、活性な5α−DHTが生じるのを抑制する方法や、テストステロンから生じた5α−DHTが受容体と結合するのを阻害することによりアンドロゲン活性を発現させない方法が開示されている。このような5α−DHTとその受容体との結合を阻害する作用を有する植物抽出物としては、例えば、マジト及びカチュアの少なくともいずれかの抽出物などが開示されている(特許文献7参照)。
毛髪は、成長期、退行期及び休止期からなる周期的なヘアサイクル(毛周期)に従って成長及び脱落を繰り返している。このヘアサイクルのうち、休止期から成長期にかけての新たな毛包が形成されるステージが、発毛に最も重要であると考えられており、このステージにおける毛包上皮系細胞の増殖乃至分化に重要な役割を果たしているのが、毛乳頭細胞であると考えられている。毛乳頭細胞は、毛根近傍にある外毛根鞘細胞とマトリックス細胞とからなる毛包上皮系細胞の内側にあって、基底膜に包まれている毛根の根幹部分に位置する細胞であり、毛包上皮系細胞に働きかけてその増殖を促進する等、毛包上皮系細胞の増殖乃至分化及び毛髪の形成において重要な役割を担っている。前記毛乳頭細胞は、毛包上皮系細胞の増殖乃至分化及び毛髪の形成において最も重要な役割を果たしており、培養毛乳頭細胞に対象物質を接触させて、その細胞の増殖活性の有無乃至強弱を特定することで、その対象物質の育毛効果を検定する方法が提案されている。このような毛乳頭細胞増殖促進作用を有する生薬としては、例えば、オウギ抽出物、オウレン抽出物、クマノギク抽出物などが開示されている(特許文献8及び9参照)。
しかしながら、現在までのところ、上述した少なくともいずれかの作用を有し、かつ安全性が高く、そのため、化粧料、飲食品、研究用試薬などの成分として広く利用が可能な優れた物質は、未だ得られておらず、その速やかな提供が強く求められている。
特開2003−55242号公報 特開2003−12532号公報 特開平8−333267号公報 特開2007−176830号公報 特開2007−176835号公報 特開2010−111615号公報 特開2002−241297号公報 特開平9−208431号公報 特開平11−12134号公報
「フレグランスジャーナル」,Vol.28,No.9,p65〜71,2000年発行 J.Cell Biol.,vol.156,pp.1099−1111(2002) 日本香粧品科学会誌,vol.31,pp.296−301(2007) J.Clin.Invest.,vol.99,pp.1272−1280(1997) Kidney Int.,vol.50,pp.1303−1309(1996) J.Biol.Chem.,vol.275,pp.21177−21184(2000)
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性の高いヒアルロニダーゼ活性阻害剤、優れた過酸化水素消去作用を有し、かつ安全性の高い過酸化水素消去剤、優れた美白作用を有し、かつ安全性の高い美白剤、優れた抗老化作用を有し、かつ安全性の高い抗老化剤、優れた育毛作用を有し、かつ安全性の高い育毛剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、ハイビスカスの抽出物が、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、美白作用、抗老化作用、及び育毛作用を有することを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ハイビスカスの抽出物を含有することを特徴とするヒアルロニダーゼ活性阻害剤である。
<2> ハイビスカスの抽出物を含有することを特徴とする過酸化水素消去剤である。
<3> ハイビスカスの抽出物を含有することを特徴とする美白剤である。
<4> B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、及びプロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制作用の少なくともいずれかを有する前記<3>に記載の美白剤である。
<5> ハイビスカスの抽出物を含有することを特徴とする抗老化剤である。
<6> 表皮ヒアルロン酸産生促進作用、グルタチオン産生促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用、メイラード反応阻害作用、最終糖化産物形成抑制作用、最終糖化産物分解促進作用、クローディン−1産生促進作用試験、オクルディン産生促進作用、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進作用、及び皮膚バリア機能低下抑制作用の少なくともいずれかを有する前記<5>に記載の抗老化剤である。
<7> ハイビスカスの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤である。
<8> テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用、及び毛乳頭細胞増殖作用の少なくともいずれかを有する前記<7>に記載の育毛剤である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有し、かつ安全性の高いヒアルロニダーゼ活性阻害剤、優れた過酸化水素消去作用を有し、かつ安全性の高い過酸化水素消去剤、優れた美白作用を有し、かつ安全性の高い美白剤、優れた抗老化作用を有し、かつ安全性の高い抗老化剤、優れた育毛作用を有し、かつ安全性の高い育毛剤を提供することができる。
図1Aは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の対照の結果を示す写真である。 図1Bは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図1Cは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図1Dは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の対照の結果を示す写真である。 図1Eは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図1Fは、実施例16におけるクローディン−4免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図2Aは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の対照の結果を示す写真である。 図2Bは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図2Cは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図2Dは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の対照の結果を示す写真である。 図2Eは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図2Fは、実施例16におけるZO−1免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図3Aは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の対照の結果を示す写真である。 図3Bは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図3Cは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図3Dは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の対照の結果を示す写真である。 図3Eは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。 図3Fは、実施例16におけるZO−2免疫蛍光染色画像を示し、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示す写真である。
(ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤)
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤は、いずれもハイビスカスの抽出物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤は、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有するものである。
前記過酸化水素消去剤は、過酸化水素消去作用を有するものである。
前記美白剤は、B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、及びプロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制作用の少なくともいずれかに基づく美白作用を有するものである。
前記抗老化剤は、表皮ヒアルロン酸産生促進作用、グルタチオン産生促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用、メイラード反応阻害作用、最終糖化産物形成抑制作用、最終糖化産物分解促進作用、クローディン−1産生促進作用試験、オクルディン産生促進作用、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進作用、及び皮膚バリア機能低下抑制作用の少なくともいずれかに基づく抗老化作用を有するものである。
前記育毛剤は、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用、及び毛乳頭細胞増殖作用の少なくともいずれかに基づく育毛作用を有するものである。
前記ハイビスカスの抽出物が含有する、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、美白作用、抗老化作用、及び育毛作用の少なくともいずれかを発揮する物質の詳細については不明であるが、前記ハイビスカスの抽出物がこのような優れた作用を有し、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤として有用であることは、従来には全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
前記ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属に属する常緑低木で、学名:ハイビスカスサブダリファ(Hibiscus sabdarifa)といいアフリカを原産とし、和名ではロゼルと呼ばれている。前記ハイビスカスは、さわやかな酸味があり、フランス料理やイタリア料理のソースとしても使われており、ハーブとして用いられている。
抽出原料として使用する前記ハイビスカスの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花、がく、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根、根茎、根皮、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも、花、がく、蕾等の花部が好ましい。
抽出原料である前記ハイビスカスは、例えば、乾燥した後に、そのままの状態で又は粗砕機等を用いて粉砕した状態で、溶媒抽出に供することができる。中でも、前記抽出原料としては、採取後ただちに乾燥し、粉砕したものが好ましい。前記乾燥は、例えば、天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。なお、前記ハイビスカスは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、前記ハイビスカスの極性溶媒による抽出処理を、効率よく行うことができる。
前記ハイビスカスの抽出物は、植物の抽出に一般に用いられる方法を利用することによって、容易に得ることができる。また、前記ハイビスカスの抽出物としては、市販品を使用してもよい。なお、前記ハイビスカスの抽出物には、前記ハイビスカスの抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又は、これらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
前記抽出に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性有機溶媒、又は、これらの混合溶媒を、室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。前記ハイビスカスに含まれるヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、美白作用、抗老化作用、及び育毛作用の少なくともいずれかを示す成分は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって、容易に抽出することができる。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。したがって、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、該親水性有機溶媒と水との混合溶媒なども用いることができる。なお、前記水と前記親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する際には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1質量部〜40質量部を混合したものを使用することが好ましい。また、多価アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部を混合したものを使用することが好ましい。
前記ハイビスカスの抽出物の抽出方法としては、前記ハイビスカスの抽出原料に含まれる脂溶性成分を前記溶媒に溶出させることが可能であれば、特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。また、抽出処理の際には、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
具体的には、前記ハイビスカスの抽出物の抽出方法としては、例えば、エタノール水溶液などの前記溶媒を満たした処理槽に、ハイビスカスの花等の抽出原料を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過して脂溶性成分を溶出した後、エバポレーターを用いて減圧下で濃縮し、更に同様の濾過処理を行う方法が挙げられる。
この際、抽出条件は、前記抽出原料などに応じて適宜調整し得るが、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料に対して5倍量〜20倍量(質量比)が好ましく、抽出時間は1時間〜3時間が好ましく、抽出温度は20℃〜95℃が好ましい。
なお、得られた前記ハイビスカスの抽出物は、前記ハイビスカスの抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
また、得られた前記ハイビスカスの抽出物は、そのままでも前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤のいずれかとして使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、矯味剤、矯臭剤、などが挙げられる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸、などが挙げられる。前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖、などが挙げられる。前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸、などが挙げられる。また、前記矯味剤乃至矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸、などが挙げられる。
以上のようにして得られる前記ハイビスカスの抽出物は、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、プロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制作用、表皮ヒアルロン酸産生促進作用、グルタチオン産生促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用、メイラード反応阻害作用、最終糖化産物形成抑制作用、最終糖化産物分解促進作用、クローディン−1産生促進作用試験、オクルディン産生促進作用、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進作用、皮膚バリア機能低下抑制作用、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用、及び毛乳頭細胞増殖作用の少なくともいずれかを有し、これらの作用に基づき、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤の少なくともいずれかの有効成分として好適に利用可能なものである。
なお、前記ハイビスカスの抽出物は、前記した各作用に基づき、B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制剤、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制剤、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制剤、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制剤、プロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制剤、表皮ヒアルロン酸産生促進剤、グルタチオン産生促進剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進剤、メイラード反応阻害剤、最終糖化産物形成抑制剤、最終糖化産物分解促進剤、クローディン−1産生促進剤、オクルディン産生促進剤、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進剤、皮膚バリア機能低下抑制剤、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害剤、及び毛乳頭細胞増殖剤としても、それぞれ好適に利用可能である。
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤は、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用に基づいて発揮される。
本発明の過酸化水素消去剤は、過酸化水素消去作用に基づいて発揮される。
本発明の美白剤における美白作用は、B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、及びプロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制作用の少なくともいずれかに基づいて発揮される。
本発明の抗老化剤における抗老化作用は、表皮ヒアルロン酸産生促進作用、グルタチオン産生促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用、メイラード反応阻害作用、最終糖化産物形成抑制作用、最終糖化産物分解促進作用、クローディン−1産生促進作用試験、オクルディン産生促進作用、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進作用、及び皮膚バリア機能低下抑制作用の少なくともいずれかに基づいて発揮される。
本発明の育毛剤における育毛作用は、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用、及び毛乳頭細胞増殖作用の少なくともいずれかに基づいて発揮される。
前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤中の前記ハイビスカスの抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、また、前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤は、前記ハイビスカスの抽出物そのものであってもよい。
また、前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤中に含まれ得る、前記ハイビスカスの抽出物以外のその他の成分としても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ハイビスカスの抽出物を所望の濃度に希釈等するための、生理食塩液などが挙げられる。また、前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤中の前記その他の成分の含有量にも、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、前記過酸化水素消去剤、前記美白剤、前記抗老化剤、及び前記育毛剤は、必要に応じて製剤化することにより、粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とすることができる。
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、美白作用、抗老化作用、及び育毛作用を有すると共に、安全性に優れるため、例えば、各種化粧料、飲食品などへの利用に好適である。
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<ハイビスカスの抽出物>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用いた。
(実施例1)
<ヒアルロニダーゼ活性阻害作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりヒアルロニダーゼ活性阻害作用を試験した。
被験試料を溶解した0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)0.2mLにヒアルロニダーゼ溶液(Type IV−S(ウシ精巣由来)、400 NF units/mL;Sigma−Aldrich Japan社製)0.1mLを加え、37℃で20分間反応した。更に、活性化剤として2.5mmol/L塩化カルシウム0.2mLを加え、37℃で20分間反応した。これに0.8mg/mLヒアルロン酸ナトリウム溶液(トリ鶏冠由来ヒアルロン酸ナトリウム、和光純薬工業株式会社製)0.5mLを加え、37℃で40分間反応した。その後、0.4mol/L水酸化ナトリウム0.2mLを加えて反応を止め冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。氷冷後、p−DABA試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、和光純薬工業株式会社製)6mLを加え、37℃で20分間反応した。その後、波長585nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表1に示した。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)=
1−(St−Sb)/(Ct−Cb)}×100
ただし、前記式中、Stは、被験試料溶液の波長585nmにおける吸光度、Sbは、被験試料溶液ブランクの波長585nmにおける吸光度、Ctは、コントロール溶液の波長585nmにおける吸光度、Cbはコントロール溶液ブランクの波長585nmにおける吸光度、をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
表1の結果から、ハイビスカスの抽出物が、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することが認められた。
(実施例2)
<過酸化水素消去作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により過酸化水素消去作用を試験した。
96wellプレートに被験試料溶液25μLを入れ、0.15mMのHを10μL、0.1mol/LのPIPES緩衝液(pH7.0)(0.5%のトライトンX−100、100 unit/mLのペルオキシダーゼ1mL含有)25μLを添加し、37℃で20分間反応した。反応後、速やかに100μMのDA−67を180μL添加した後、エタノール10μLを加え、37℃で5分間の発色反応を行った。発色反応終了後、波長650nmにおける吸光度を測定した。また、同様の方法で空試験を行い補正した。
過酸化水素消去率の計算方法は、以下のとおりである。また、50%阻害活性濃度(IC50:μg/mL)を算出した。これらの結果を表2に示した。
過酸化水素消去率(%)={1−(St−Sb)/(Ct−Cb)}×100
ただし、前記式中、Stは、被験試料溶液の波長650nmにおける吸光度、Sbは、被験試料溶液ブランクの波長650nmにおける吸光度、Ctは、コントロール溶液の波長650nmにおける吸光度、Cbは、コントロール溶液ブランクの波長650nmにおける吸光度、をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
表2の結果から、ハイビスカスの抽出物が、過酸化水素消去作用を有することが認められた。
(実施例3)
<B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりB16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用を試験した。
B16メラノーマ細胞を10体積%FBS(STANDARD FETAL BOVINE SERUM、HyClone社製)含有ダルベッコMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(1)、日水製薬株式会社製)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を10体積%FBS及び1mmol/Lテオフィリン(Theophylline、和光純薬工業株式会社製)含有ダルベッコMEMで24.0×10細胞/mLの濃度に希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり300μLずつ播種し、6時間培養した。培養終了後、10体積%FBS及び1mmol/Lテオフィリン含有ダルベッコMEMで溶解した被験試料を各ウェルに300μL添加し、4日間培養した。培養終了後、各ウェルから培地を取り除き、2mol/LのNaOH溶液200μLを添加して超音波破砕器により細胞を破壊し、波長475nmにおける吸光度を測定した。測定した吸光度の値から合成メラニン(SIGMA社製)を用いて作成した検量線を基にメラニン量を算出した。
また、細胞生存率の測定のため、同様に培養後、400μLのPBS(−)リン酸生理緩衝液で洗浄し、終濃度0.05mg/mLで10体積%FBS含有ダルベッコMEMに溶解した13.8mmol/Lニュートラルレッドを各ウェルに200μL添加した。2.5時間培養した後、ニュートラルレッド溶液を捨て、エタノール・酢酸溶液(エタノール:酢酸:水=50:1:49)を各ウェルに200μL添加し、色素を抽出した。抽出後、波長540nmにおける吸光度を測定した。
空試験として、10体積%FBS及び1mmol/Lテオフィリン含有ダルベッコMEMのみで培養した細胞を同様の方法で試験した。
メラニン産生抑制率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表3に示した。
メラニン産生抑制率(%)={1−(B/D)/(A/C)}×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料を添加しない細胞での波長475nmにおける吸光度、Bは、被験試料を添加した細胞での波長475nmにおける吸光度、Cは、被験試料を添加しない細胞での波長540nmにおける吸光度、Dは、被験試料を添加した細胞での波長540nmにおける吸光度、をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
表3の結果から、ハイビスカスの抽出物が、メラニン産生抑制作用を有することが認められた。
(実施例4)
<エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりエンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermal keratinocyte;NHEK)を75cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
KGMを用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10cells/2mL/シャーレずつ播き、37℃、5%CO下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加え、UV−B照射(50mJ/cm)を行い、その後KGMで必要濃度に溶解した被験試料を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN II(NIPPON GENE;Cat.No.311−07361)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調製した。
このtotal RNAを鋳型とし、エンドセリン−1及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(R)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR(R) PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(code No.RR063A)によるリアルタイム2ステップRT−PCR反応により行った。
エンドセリン−1のmRNAの発現量は、「紫外線未照射、被験試料無添加」、「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、被験試料無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」の補正値を算出した。
そして、これらの結果から、下記数式により、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制率を算出した。結果を表4に示した。
エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式中、Aは、「紫外線未照射、被験試料無添加」時の補正値、Bは、「紫外線照射、被験試料無添加」時の補正値、Cは、「紫外線照射、被験試料添加」時の補正値である。
Figure 0006968772
表4の結果から、ハイビスカスの抽出物が、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用を有することが認められた。
(実施例5)
<幹細胞増殖因子(SCF)mRNA発現上昇抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により幹細胞増殖因子(SCF)mRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermal keratinocyte;NHEK)を80cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
KGMを用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10cells/2mLシャーレずつ播き、37℃、5%CO下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加えUV−B照射(50mJ/cm)を行った。その後、KGMで必要濃度に溶解した被験試料を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN II(NIPPON GENE;Cat.No.311−07361)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調製した。
このtotal RNAを鋳型とし、SCF(Stem Cell Factor)及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(R)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR(R) PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(code No.RR063A)によるリアルタイム2ステップRT−PCR反応により行った。
SCFのmRNAの発現量は、「紫外線未照射、被験試料無添加」、「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、被験試料無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」の補正値を算出した。
そして、これらの結果から、下記数式により、幹細胞増殖因子(SCF)mRNA発現上昇抑制率を算出した。結果を表5に示した。
幹細胞増殖因子(SCF)mRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式中、Aは「紫外線未照射、被験試料無添加」時の補正値、Bは「紫外線照射、被験試料無添加」時の補正値、Cは「紫外線照射、被験試料添加」時の補正値をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
表5の結果から、ハイビスカスの抽出物が、幹細胞増殖因子(SCF)mRNA発現上昇抑制作用を有することが認められた。
(実施例6)
<塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)mRNA発現上昇抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)mRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermal keratinocyte;NHEK)を75cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞培養用増殖培地(KGM)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
KGMを用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10cells/2mLシャーレずつ播き、37℃、5%CO下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加えUV−B照射(50mJ/cm)を行った。その後、KGMで必要濃度に溶解した被験試料を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN II(NIPPON GENE;Cat.No.311−07361)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調製した。
このtotal RNAを鋳型とし、bFGF(basic Fibroblast Growth Factor;塩基性線維芽細胞増殖因子)及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(R)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR(R) PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(code No.RR063A)によるリアルタイム2ステップRT−PCR反応により行った。
bFGFのmRNAの発現量は、「紫外線未照射、被験試料無添加」、「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、被験試料無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」の補正値を算出した。
これらの結果から、下記数式により、bFGFmRNA発現上昇抑制率を算出した。結果を表6に示した。
bFGFmRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式中、Aは、紫外線未照射・被験試料無添加時の補正値、Bは、紫外線照射・被験試料無添加時の補正値、Cは、紫外線照射・被験試料添加時の補正値を表す。
Figure 0006968772
表6の結果から、ハイビスカスの抽出物が、強いbFGFmRNA発現上昇抑制作用を有することが認められた。
(実施例7)
<プロオピオメラノコルチン(POMC)mRNA発現上昇抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりプロオピオメラノコルチン(POMC)mRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermal keratinocyte;NHEK)を75cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞培養用増殖培地(KGM)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
KGMを用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10cells/2mLシャーレずつ播き、37℃、5%CO下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加えUV−B照射(50mJ/cm)を行った。その後、KGMで必要濃度に溶解した被験試料を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN II(NIPPON GENE;Cat.No.311−07361)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調製した。
このtotal RNAを鋳型とし、POMC(proopiomelanocortin;プロオピオメラノコルチン)及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(R)(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR(R) PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(code No.RR063A)によるリアルタイム2ステップRT−PCR反応により行った。
POMCのmRNAの発現量は、「紫外線未照射、被験試料無添加」、「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、被験試料無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、被験試料無添加」、及び「紫外線照射、被験試料添加」の補正値を算出した。
これらの結果から、下記数式により、POMCmRNA発現上昇抑制率を算出した。結果を表7に示した。
POMCmRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式中、Aは、「紫外線未照射、被験試料無添加」時の補正値、Bは、「紫外線照射、被験試料無添加」時の補正値、Cは、「紫外線照射、被験試料添加」時の補正値を表す。
Figure 0006968772
表7の結果から、ハイビスカスの抽出物が、POMCmRNA発現上昇抑制作用を有することが認められた。
(実施例8)
<表皮ヒアルロン酸産生促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により表皮ヒアルロン酸産生促進作用を試験した。
ヒト正常新生児皮膚表皮角化細胞(NHEK)を、ヒト正常新生児表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10細胞/mLの濃度になるようにKGMで希釈した後、96ウェルプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、24時間培養した。培養終了後、KGMで溶解した被験試料を各ウェルに100μL添加し、7日間培養した。培養後、各ウェルの培地中のヒアルロン酸量を、ヒアルロン酸結合タンパク(HABP、生化学バイオビジネス株式会社製)を用いたサンドイッチ法により測定した。
ヒアルロン酸産生促進率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表8に示した。
ヒアルロン酸産生促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料添加時のヒアルロン酸量、Bは、被験試料無添加時のヒアルロン酸量、を表す。
Figure 0006968772
表8の結果から、ハイビスカスの抽出物が、表皮ヒアルロン酸産生促進作用を有することが認められた。
(実施例9)
<グルタチオン産生促進作用試験(ヒト正常皮膚線維芽細胞)>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりグルタチオン産生促進作用試験(ヒト正常皮膚線維芽細胞)を試験した。
ヒト正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を10質量%FBS含有α−MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの濃度に10質量%FBS含有α−MEM培地で希釈した後、48wellプレートに1well当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。培養後、1質量%FBS含有α−MEM培地で溶解した被験試料を各wellに200μL添加し、24時間培養した。培養終了後、各wellから培地を抜き、400μLのPBS(−)にて洗浄後、150μLのM−PER(R)(PIERCE社)を用いて細胞を溶解した。このうちの100μLを用いて総グルタチオンの定量を行った。
即ち、96wellプレートに溶解した細胞抽出液100μL、0.1Mのリン酸緩衝液50μL、2mMのNADPHを25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mMの5,5’−dithiobis(2−nitorobenzoic acid)25μLを加え、5分間後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は酸化型グルタチオンを用いて作成した検量線に基づき算出した。
得られた値は総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記数式によりグルタチオン産生促進率を算出した。試料濃度12.5μg/mL、50μg/mL、及び200μg/mLでの結果を表9に示した。
グルタチオン産生促進率(%)=(B/A)×100
ただし、前記数式中、Aは、被験試料を添加しない細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量(対照)、Bは、被験試料を添加した細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量を表す。
Figure 0006968772
表9の結果から、ハイビスカスの抽出物が、グルタチオン産生促進作用を有することが認められた。
(実施例10)
<セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermis keratinocyte;NHEK)を75cmフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)において、37℃、5%CO下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
KGMを用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10cells/2mL/シャーレずつ播き、37℃、5%CO下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、KGMで必要濃度に溶解した被験試料を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN II(NIPPON GENE;Cat.no.311−07361)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotalRNAを調製した。
このtotalRNAを鋳型とし、SPT及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(登録商標)(Cepheid社)を用いて、TaKaRa SYBR(登録商標)PrimeScriptTM RT−PCR Kit(Perfect Real Time)(code No.RR063A)によるリアルタイム2 Step RT−PCR反応により行った。SPTの発現量は、被験試料無添加、被験試料添加でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に被験試料無添加の補正値を100とした時の被験試料添加の補正値を算出した。
SPTmRNA発現促進率の計算方法は、以下の通りである。結果を表10に示した。
SPTmRNA発現促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは被験試料添加時の補正値、Bは被験試料無添加時の補正値を表す。
Figure 0006968772
表10の結果から、ハイビスカスの抽出物が、高いセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)産生促進作用を有することが認められた。
(実施例11)
<メイラード反応阻害作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、メイラード反応阻害作用を試験した。
被験試料の凍結乾燥品を蒸留水に溶解した被験試料溶液50μL、100mmol/LのD(−)−リボース200μL、25mg/mLのリゾチーム200μL、100mmol/Lのリン酸水素ナトリウム(pH7.4)500μL、及び滅菌蒸留水50μLを混合(全量1,000μL)し、37℃で静置した。コントロールは、被験試料溶液に代えて蒸留水とした以外は、前記と同様にして調製した。ブランクは、被験試料溶液に代えて蒸留水としたこと、37℃に代えて4℃で静置した以外は、前記と同様にして調製した。
7日間後、ボルテックスで攪拌し、反応液40μLにSDS−PAGE用サンプルバッファー40μLを混合した後、沸騰浴中で3分間加熱し、分析サンプルとした。アクリルアミド濃度を、分離ゲル15%、濃縮ゲル4%に調製したポリアクリルアミドゲルに分析サンプル12μLをアプライし、電気泳動を行った。
泳動したゲルをクマシーブリリアントブルー染色後脱色し、画像撮影装置ChemiDocXRS Plus(Bio−Rad Laboratories社製)を用いて検出し、バンドをImage Lab Software version2.0(Bio−Rad Laboratories社製)にて定量的に測定した。
結果は、各バンドのNet intensity(バンド強度)を用いて、リゾチームの二量体及び三量体の形成阻害率を、下記式から算出した。結果を表11に示した。
メイラード反応阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
ただし、前記数式中、Aは、被験試料添加時の二量体と三量体のNet intensityの和、Bは、被験試料無添加時(コントロール)の二量体と三量体のNet intensityの和、Cは、被験試料無添加時の4℃で静置(ブランク)の二量体と三量体のNet intensityの和を、それぞれ表す。
Figure 0006968772
表11の結果から、ハイビスカスの抽出物が、メイラード反応阻害作用を有することが認められた。
(実施例12)
<最終糖化産物(AGEs)形成抑制作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、最終糖化産物(AGEs)形成抑制作用を試験した。
96穴のI型コラーゲンコートプレートにPBS(−)にて調製した0.2MのD(−)−リボース及び被験試料(試料濃度:6.25μg/mL、25μg/mL、100μg/mL又は400μg/mL)の混合物を100μL添加し、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。このとき、陰性対照としてPBS(−)のみを添加したもの、陽性対照としてD(−)−リボースのみを添加したものを同様に静置した。17日後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs形成抑制作用を評価した。
AGEs形成抑制率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表12に示した。
AGEs形成抑制率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
ただし、前記式中、Aは陰性対照の波長405nmにおける吸光度を、Bは陽性対照の波長405nmにおける吸光度を、Cは被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度を表す。
Figure 0006968772
表12の結果から、ハイビスカスの抽出物が、極めて強い最終糖化産物形成抑制作用を有することが認められた。
(実施例13)
<最終糖化産物(AGEs)分解促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、最終糖化産物(AGEs)分解促進作用を試験した。
96穴のI型コラーゲンコートプレートにPBS(−)にて調製した0.2MのD(−)−リボース100μLを添加し、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。陰性対照として、PBS(−)を添加したものを同様に静置した。2週間後、PBS(−)にて調製した被験試料(試料濃度:6.25μg/mL、25μg/mL、100μg/mL又は400μg/mL)を100μLずつ添加し、更に16日間静置した。この時、陽性対照としてD(−)−リボース処理後被験試料の代わりにPBS(−)を添加したものを同様に静置した。また、陰性対照は引き続きPBS(−)を処理した。16日後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs分解促進作用を評価した。
AGEs分解促進率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表13に示した。
AGEs分解促進率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
ただし、前記式中、Aは陰性対照の波長405nmにおける吸光度を、Bは陽性対照の波長405nmにおける吸光度を、Cは被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度を表す。
Figure 0006968772
表13の結果から、ハイビスカスの抽出物が、最終糖化産物分解促進作用を有することが認められた。
(実施例14)
<クローディン−1産生促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法によりクローディン−1産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚表皮角化細胞(NHEK)を80cmのフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)にて37℃、5%CO下で培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10個/mLの細胞密度となるようにKGMで希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、5%CO下、37℃で1日間培養した。
培養終了後、KGMで溶解した被験試料の溶液を各ウェルに100μLずつ添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。培養終了後、培地を抜き、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したクローディン−1の量をポリクローナルクローディン−1抗体を用いたELISA法により測定した。
得られた測定結果から、下記式によりクローディン−1産生促進率(%)を算出した。結果を表14に示した。
クローディン−1産生促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度、Bは、被験試料無添加時の波長405nmにおける吸光度を表す。
Figure 0006968772
表14の結果から、ハイビスカスの抽出物が、有意なクローディン−1産生促進作用を有することが認められた。
(実施例15)
<オクルディン産生促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、オクルディン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚表皮角化細胞(NHEK)を80cmのフラスコで正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)にて37℃、5%CO下で培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10個/mLの細胞密度となるようにKGMで希釈した後、96穴プレートに1穴あたり100μLずつ播種し、5%CO2下、37℃で一晩培養した。
培養終了後、KGMで溶解した被験試料(試料濃度:3.13μg/mL、12.5μg/mL、又は50μg/mL)を各ウェルに100μLずつ添加し、37℃、5%CO2下で24時間培養した。培養終了後、培地を抜き、細胞をプレートに固定し、細胞表面に発現したオクルディンの量をポリクローナル抗ヒトオクルディン抗体を用いたELISA法により測定した。
オクルディン産生促進率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表15に示した。
オクルディン産生促進率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは被験試料添加時の波長405nmにおける吸光度を表し、Bは被験試料無添加時の波長405nmにおける吸光度を表す。
Figure 0006968772
表15の結果から、ハイビスカスの抽出物が、オクルディン産生促進作用を有することが認められた。
(実施例16)
<ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成タンパク質産生促進作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成タンパク質産生促進作用を試験した。
試験は正常ヒト皮膚三次元モデル(EPI−200、KURABO社製)を用いて行った。
三次元皮膚モデルを購入後、6ウェルプレートにてアッセイ培地(EPI−NMM Maintenance Medium、KURABO社製)を用いて37℃、5%COの条件下で1時間培養した。培養後、1%DMSOに溶解した被験試料を含む、又は含まない(コントロール)アッセイ培地100μLを皮膚モデルの表面に供し、皮膚モデル底面にアッセイ培地(維持培地)を供し、37℃、5%CO条件下で7日間培養した。培養期間中は常時試験試料での曝露を行った。培養4日目に維持培地と被験試料を含むアッセイ培地を交換した。培養4日目及び培養終了後に6mmのバイオプシパンチを用いて切り抜き、プラスチック製包埋皿に包埋剤を入れ、ドライアイスと液体窒素で凍結させた。その後、クリオスタットHM550(MICROM社製)にて、4μmの厚さに切り切片をスライドグラスに貼り付け、切片を乾燥させた。
<クローディン−4免疫蛍光染色>
切片を貼り付けたスライドグラスを染色バットに入れ、4%パラホルムアルデヒドにて固定し、PBS(−)にて切片のまわりの包埋剤を良く洗い流した。1%BSAでブロッキングを行った後、液を捨て、1次抗体であるマウス由来抗ヒトクローディン−4モノクローナル抗体(ZYMED(R) Laboratories)を各スライドグラス上に注ぎ、室温で1時間インキュベートした。抗体液を捨て、PBS(−)にて洗浄し、2次抗体であるAlexa−Fluor 488標識ヤギ由来抗マウスIgG抗体(invitrogen社製)を処理し、4℃の暗所で1時間インキュベートした。更にPBS(−)にて洗浄し、DAPI溶液により核染色をした。蛍光顕微鏡により、目的のクローディン−4を解析した。結果を図1A〜図1Fに示した。
図1A〜図1Fの画像は角質層下部〜基底層の部分を示しており、図1Aは、培養4日目の対照、図1Bは、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図1Cは、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物、図1Dは、培養7日目の対照、図1Eは、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図1Fは、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示し、クローディン−4が緑色(顆粒層の細胞膜付近)に染色されている。
また、培養4日目と培養7日目の両方において、対照と比較して、ハイビスカスの抽出物では顆粒層細胞膜付近の線状の蛍光が強くなったことから、クローディン−4産生促進作用が皮膚三次元モデルにおいて確認できた。
<ZO−1、ZO−2免疫蛍光染色>
切片を貼り付けたスライドグラスを染色バットに入れ、4%パラホルムアルデヒドにて固定し、PBS(−)にて切片のまわりの包埋剤を良く洗い流した。1%BSAでブロッキングを行った後、液を捨て、1次抗体であるマウス由来抗ヒトZO−1モノクローナル抗体(invitrogen社製)及びウサギ由来抗ヒトZO−2ポリクローナル抗体(invitrogen社製)を各スライドグラス上に注ぎ、室温で1時間インキュベートした。抗体液を捨て、PBS(−)にて洗浄し、2次抗体であるAlexa−Fluor 488標識ヤギ由来抗マウスIgG抗体(invitrogen社製)及びAlexa−Fluor 594標識ヤギ由来抗ウサギIgG抗体(invitrogen社製)を処理し、4℃の暗所で1時間インキュベートした。更に、PBS(−)にて洗浄し、DAPI溶液により核染色をした。蛍光顕微鏡により、目的のZO−1及びZO−2を解析した。結果を図2A〜図2F、及び図3A〜図3Fに示した。
図2A〜図2Fの写真は角質層下部〜基底層の部分を示している。
図2Aは、培養4日目の対照、図2Bは、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図2Cは、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物、図2Dは、培養7日目の対照、図2Eは、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図2Fは、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示し、図2A〜図2FよりZO−1が緑色(顆粒層〜基底層の細胞膜付近)に染色されている。
図3A〜図3Fの写真は角質層下部〜基底層の部分を示している。
図3Aは、培養4日目の対照、図3Bは、培養4日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図3Cは、培養4日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物、図3Dは、培養7日目の対照、図3Eは、培養7日目の試料濃度100μg/mLのハイビスカスの抽出物、図3Fは、培養7日目の試料濃度500μg/mLのハイビスカスの抽出物の結果を示し、図3A〜図3FよりZO−2が赤色(顆粒層〜基底層の細胞膜付近)に染色されている。
培養4日目において、対照と比較して、ハイビスカスの抽出物は100μg/mLの濃度において細胞膜付近の線状の蛍光が強くなったことから、ZO−1及びZO−2の産生促進作用が三次元皮膚モデルにおいて確認できた。
(実施例17)
<皮膚バリア機能低下抑制作用試験(電気抵抗値TER測定及びFITC−Dexによる透過性評価>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、皮膚バリア機能低下抑制作用を試験した。
ヒト正常新生児皮膚表皮角化細胞(NHEK)をヒト正常新生児表皮角化細胞用培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.2×10cells/mLの濃度になるようにKGMで希釈した後、12wellトランスウェル(Corning社製、直径12mm、0.4μmポア)の上層に1well当たり0.5mLずつ播種し、更に下層に0.5mLずつKGMを加え3日間培養した。培養終了後、KGMで溶解したCaCl(最終濃度1.8mM)を各wellの上下層に0.5mLずつ添加し、3日間培養してタイトジャンクション形成を誘導した。培養終了後、高CaCl培地を除去し、KGMのみ、又はKGMで溶解した被験試料を各wellの上下層に0.5mLずつ添加して低CaCl状態で培養を開始した。また同時に、対照として高CaCl培地でバリア機能を維持したwellも設定した。培養開始3日後にMillicell−ERS抵抗値測定システム(ミリポア社製)を用いて、電気抵抗値(TER)を測定し、コントロールと比較して被験試料のバリア低下抑制率(%)を算出した。
また、TER測定後、PBS(−)で上下層を洗浄し、上層にP buffer(10mM HEPES、pH7.4、1mM sodium pyruvate、10mM glucose、3mM CaCl、145mM NaCl)で1mg/mLとなるように溶解した4kDa FITC−Dextran(FITC−Dex、Sigma社製)を0.5mL、下層にP bufferを0.5mL添加して、37℃で90分間培養した。培養終了後、各下層から100μLずつ採取して、励起波長485nm、蛍光波長545nmにおける蛍光強度を測定し、検量線を基に上層から下層に透過したFITC−Dex量を求め、コントロールと比較して被験試料の透過抑制率(%)を算出し、透過バリア機能を評価した。
バリア低下抑制率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表16に示した。
バリア低下抑制率(%)={1−(C−A)/(C−B)}×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料を添加した細胞での電気抵抗値(TER)、Bは、被験試料を添加しない細胞での電気抵抗値(TER)、Cは高CaCl培地で処理した細胞での電気抵抗値(TER)、をそれぞれ表す。
透過抑制率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表17に示した。
透過抑制率(%)={1−(C−A)/(C−B)}×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料を添加した細胞での透過したFITC−Dex量、Bは、被験試料を添加しない細胞での透過したFITC−Dex量、Cは、高CaCl培地で処理した細胞での透過したFITC−Dex量、をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
Figure 0006968772
表16及び表17の結果から、ハイビスカスの抽出物が、電気抵抗値の低下抑制作用及びFITC−Dex透過抑制作用を有することが認められた。
(実施例18)
<テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を試験した。
まず、蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製した4.2mg/mLのテストステロン20μL、1mg/mL NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)含有5mmol/mL Tris−HCl緩衝液(pH7.13)825μLを混合した。これに、エタノール、50%エタノール又は精製水で調製した被験試料80μL及びS−9(オリエンタル酵母工業株式会社)75μLを加え再び混合し、37℃にて30分間反応させた後、塩化メチレン1mLを加え反応を停止した。これを遠心(1,600×g、10分間)し、塩化メチレン層をガスクロマトグラフィーにより分析した。前記ガスクロマトグラフィーの条件は以下の通りである。また、同様の方法で空試験を行った。
なお、前記S−9とは、SDラットの雄に酵素誘導剤(フェノバルビタール、5,6−ベンゾフラボン)を腹腔内投与したのち肝臓をすりつぶして、9,000×gで遠心した上清である。
<ガスクロマトグラフィーの条件>
使用機器 :Shimadzu GC−7A
カラム :DB−1701(直径0.53mm×30m、膜厚;1.0μm)
カラム/注入温度:240℃/300℃
検出器 :FID
キャリアガス :窒素ガス
あらかじめ、3α−アンドロスタンジオール(SIGMA社)、ジヒドロテストステロン(DHT、東京化成工業株式会社)及びテストステロン(東京化成工業株式会社)の標準品の塩化メチレン溶液をガスクロマトグラフィーにより分析し、これら3化合物の精秤量とピーク面積よりピーク面積あたりの化合物量を算出した。
そして、S−9による反応後の3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)及びテストステロンをガスクロマトグラフィーにより分析し、それぞれのピーク面積あたりの濃度を、下記の(2)式に従って算出した。次に、被験試料の変換率を下記の(3)式に従って算出した。そして、前記変換率に基づいて、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率を、下記の(4)式に従って算出した。結果を表18に示した。
濃度(%)=(被験試料のピーク面積×標準品濃度)/標準品のピーク面積・・・(2)
変換率(%)=(A+B)/(A+B+C)・・・(3)
ただし、前記(3)式中、Aは、3α−アンドロスタンジオールの濃度、Bは、ジヒドロテストステロン(DHT)の濃度、Cは、テストステロンの濃度、を表す。
テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率(%)=(1−E/D)×100・・・(4)
ただし、前記(4)式中、Dは、空試験での変換率、Eは、被験試料添加での変換率を表す。
Figure 0006968772
表18の結果から、ハイビスカスの抽出物が、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有することが認められた。
(実施例19)
<毛乳頭細胞増殖作用試験>
ハイビスカス花部抽出液(丸善製薬株式会社製)の凍結乾燥物を被験試料として用い、下記の試験方法により、毛乳頭細胞増殖作用を試験した。
正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(東洋紡績株式会社製)を、1%FCS及び増殖添加剤を含有した毛乳頭細胞増殖培地(東洋紡績株式会社製)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を、10体積%FBS含有ダルベッコMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(1)、日水製薬株式会社製)を用いて1.0×10細胞/mLの濃度に希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェル当り200μL播種し、3日間培養した。培養後、培地を抜き、無血清DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(1)、日水製薬株式会社製)に溶解した被験試料を各ウェルに200μL添加し、更に4日間培養した。毛乳頭細胞増殖作用はMTTアッセイを用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLで無血清のDMEMに溶解した3−(4,5−ジメチル-チアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT、株式会社同仁化学研究所製)を各ウェルに100μL添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。
毛乳頭細胞増殖率の計算方法は、以下のとおりである。結果を表19に示した。
毛乳頭細胞増殖率(%)=A/B×100
ただし、前記式中、Aは、被験試料添加時のブルーホルマザン生成量、Bは、被験試料無添加時のブルーホルマザン生成量をそれぞれ表す。
Figure 0006968772
表19の結果から、ハイビスカスの抽出物が、毛乳頭細胞増殖作用を有することが認められた。
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤、過酸化水素消去剤、美白剤、抗老化剤、及び育毛剤は、安全性に優れ日常的に摂取可能であり、かつ安価でありながら、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用、過酸化水素消去作用、B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制作用、プロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制作用、表皮ヒアルロン酸産生促進作用、グルタチオン産生促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用、メイラード反応阻害作用、最終糖化産物形成抑制作用、最終糖化産物分解促進作用、クローディン−1産生促進作用試験、オクルディン産生促進作用、ヒト皮膚三次元モデルにおける表皮タイトジャンクション構成蛋白質産生促進作用、皮膚バリア機能低下抑制作用、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用、及び毛乳頭細胞増殖作用の少なくともいずれかを有するので、化粧料、飲食品の成分や、研究用の試薬として好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. ハイビスカスの抽出物を有効成分として含有し、角化細胞におけるヒアルロン酸産生促進作用を有することを特徴とする表皮ヒアルロン酸産生促進剤。
  2. ハイビスカスの花部の抽出物である請求項1に記載の表皮ヒアルロン酸産生促進剤。
  3. ハイビスカスの花部の水抽出物、親水性有機溶媒抽出物、又は水と親水性溶媒との混合溶媒抽出物である請求項1及び2のいずれかに記載の表皮ヒアルロン酸産生促進剤。
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