JP6968720B2 - ワイヤ巻回方法および磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は磁気センサのコイルを形成するワイヤの巻回方法および磁気センサに関する。
大バルクハウゼン効果を生ずる磁性線材と、コイルと、磁性線材が支持され、かつコイルが巻回されたボビンとを有する磁気センサは知られている。ボビンは、円柱状の軸部と、軸部の両端側にそれぞれ形成された鍔部とを有する。軸部には、当該軸部を軸方向に貫く穴または溝が形成され、磁性線材はその穴または溝内に収容されている。また、コイルは軸部の外周側に巻回され、磁性線材を包囲している。
このような構成を有する磁気センサにおいては、外部から磁性線材に与えられる磁界の方向が変化すると、磁性線材の磁化方向が急反転する。この磁化方向の急反転に対応して、コイルにパルス電圧が発生する。このパルス電圧を用いて磁界を検出することができる。特許文献1にはこのような磁気センサの一例が記載されている。
ところで、磁気センサの製造時においては、コイルを形成するワイヤをボビンの軸部に巻回する。その一般的な方法は例えば次の通りである。
まず、ワイヤの巻き始め端側を1〜3回程度折り返した後に捻ることにより撚り線状にする。以下、撚り線状の部分を「撚り部」という。撚り部の長さは例えば100mm〜200mm程度である。
次に、撚り部の先端側を接続部材に巻き付けて接続する。すなわち、特許文献1には記載されていないが、一般に、磁気センサのボビンの両端部には、コイルを外部の回路に電気的に接続するための金属製の棒状の接続部材が設けられている。これら接続部材のうち、ボビンの一端部に設けられた接続部材に、撚り部においてその先端から撚り部の10分の1ないし半分程度の部分を巻き付けて固定する。ワイヤに撚り部を形成するのは、ワイヤの端側の強度を高め、ワイヤを接続部材に接続する際にワイヤが容易に切れないようにするためである。
次に、ワイヤにおいて撚り部の残部およびそれに続く部分をボビンの軸部に巻回することにより、軸部の外周側にワイヤの複数の層を形成する。具体的には、まず、ワイヤにおいて撚り部の残部およびそれに続く部分を、軸部の外周面上に、軸部の一端から他端に向かって軸部の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、ワイヤの第1層を形成する。続いて、ワイヤにおいて第1層を形成した部分に続く部分を、第1層上に、軸部の他端から一端に向かって上記第1層の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、ワイヤの第2層を形成する。続いて、このような整列巻きを、軸部を往復しながら繰り返し、ワイヤの層を積み重ねていく。
次に、ワイヤの巻き終わり端側に撚り部を形成し、その撚り部の一部を、軸部に巻回されたワイヤの最外周層上に巻回した後、この撚り部の残部を、ボビンの他端部に設けられた接続部材に巻き付けて接続する。
特開平10−282194号公報
例えば、特許文献1の図16に示されているように、ボビンの軸部の外周面に形成された溝に磁性線材を収容する構造を有する磁気センサの製造において、上述したような一般的なワイヤの巻回方法を採用した場合、次のような問題が生じ得る。
すなわち、上述した一般的なワイヤの巻回方法では、ワイヤの巻き始め端側に撚り部を形成し、その撚り部の先端側を接続部材に接続した後、撚り部の残部をボビンの軸部の外周面上に巻回する。そして、撚り部の残部の全部を巻回し切った後、ワイヤにおいて撚り部に続く部分を軸部の外周面上に引き続き巻回する。この結果、ワイヤの巻き始め端側における撚り部とそれに続く部分との境界部分が、軸部の外周面に接するように配置される。
ワイヤにおいて撚り部とそれに続く部分との境界部分では、撚り部においてワイヤが折れ曲がった部分が、撚り切られておらず、外側に飛び出していることがある。ワイヤの巻き始め端側における撚り部とそれに続く部分との境界部分が軸部の外周面に接するように配置されたとき、この撚り部の折れ曲がった部分が、磁性線材を収容するために軸部の外周面に形成された溝内に入り込むことがある。
撚り部の折れ曲がった部分が溝内に入り込むと、溝内において磁性線材が撚り部の折れ曲がった部分に接触するおそれがある。また、溝内において磁性線材が撚り部の折れ曲がった部分に押されて位置ずれし、磁性線材が溝の内面に接触するおそれがある。磁性線材が撚り部の折れ曲がった部分や溝の内面に接触すると、磁性線材が変形し、磁性線材の磁気的特性が変動するおそれがある。また、コイルを巻回した後の磁性線材を溝内に挿入する場合には、撚り部の折れ曲がった部分に磁性線材が引っ掛かって磁性線材を溝内に挿入することができなくなるおそれがある。このように、磁気センサの製造時において撚り部の折れ曲がった部分が溝内に入り込むことにより、磁気センサの不良品が発生する可能性が高まり、歩留まりが悪化するおそれがある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、ワイヤの撚り部の折れ曲がった部分が、磁性線材を収容する溝内に入り込むことを防止することができ、磁気センサの歩留まりを良くすることができるワイヤ巻回方法および磁気センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のワイヤ巻回方法は、磁性線材と、コイルと、外周面に軸方向に伸長する溝が形成された柱状の軸部および前記軸部の両端側にそれぞれ形成された鍔部を有するボビンと、ボビンに設けられコイルを外部の回路に電気的に接続するための接続部材とを備え、前記溝内には磁性線材が収容され、前記軸部の外周側にはコイルを形成するワイヤが巻回され、前記接続部材にはワイヤの一端側が接続されている磁気センサにおいて、ワイヤを前記軸部に巻回するワイヤ巻回方法であって、ワイヤの一端側を折り返して捻ることにより形成された撚り部の先端側を前記接続部材に接続する接続工程と、撚り部の残部を前記軸部の軸方向における一部の範囲である第1の巻回範囲に撚り部の残部を巻回し切るまで1層を超えるように巻回する第1の巻回工程と、ワイヤの撚り部に続く部分を前記軸部の軸方向における全範囲に亘って巻回する第2の巻回工程とを備えていることを特徴とする。
本発明のワイヤ巻回方法によれば、撚り部の残部を、ボビンの軸部の第1の巻回範囲に、撚り部の残部を巻回し切るまで1層を超えるように巻回することにより、ワイヤにおいて撚り部の残部とそれに続く部分との境界部分を、撚り部において軸部に巻回された部分の外周面上に配置することができる。これにより、当該境界部分をボビンの軸部の外周面から離すことができる。したがって、ワイヤにおいて撚り部とそれに続く部分との境界部分にて、撚り部の折れ曲がった部分が外側に飛び出している場合でも、その撚り部の折れ曲がった部分が、磁性線材を収容するため溝内に入り込むことを防止することができる。よって、磁気センサの歩留まりを良くすることができる。
また、上述した本発明のワイヤ巻回方法の第2の巻回工程において、ワイヤの撚り部に続く部分を、前記軸部において前記第1の巻回範囲以外の範囲である第2の巻回範囲に、当該第2の巻回範囲に巻回されたワイヤの最外周面が前記第1の巻回範囲に巻回された撚り部の最外周面と揃うまで巻回した後、ワイヤの残部を前記軸部の軸方向における全範囲に亘って巻回することが好ましい。この態様によれば、ワイヤの巻回量を増やすことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の磁気センサは、磁性線材と、コイルと、外周面に軸方向に伸長する溝が形成された柱状の軸部および前記軸部の両端側にそれぞれ形成された鍔部を有するボビンと、ボビンに設けられコイルを外部の回路に電気的に接続するための接続部材とを備え、前記溝内には磁性線材が収容され、前記接続部材にはコイルを形成するワイヤの一端側に形成された撚り部の先端側が接続され、前記軸部の軸方向における一部の範囲である第1の巻回範囲には撚り部の残部の全部が前記軸部の外周面上から1層を超えるように巻回され、前記軸部において前記第1の巻回範囲以外の部分にはワイヤにおいて撚り部に続く部分が前記軸部の外周面上から複数層巻回されていることを特徴とする。本発明の磁気センサによれば、磁気センサの歩留まりを良くすることができる。
本発明によれば、ワイヤの撚り部の折れ曲がった部分が、磁性線材を収容する溝内に入り込むことを防止することができ、これにより、磁気センサの歩留まりを良くすることができる。
本発明の実施形態のワイヤ巻回方法が適用された磁気センサを示す外観図である。 図1中の磁気センサのボビンおよび接続部材を示す外観図である。 図1中の矢示A−A方向から見た磁気センサを示す断面図である。 ワイヤの端側に撚り部を形成する方法を示す説明図である。 ワイヤの端側に形成された撚り部を示す説明図である。 本発明の実施形態のワイヤ巻回方法における巻き始め端接続工程を示す説明図である。 本発明の実施形態のワイヤ巻回方法における第1の巻回工程を示す説明図である。 本発明の実施形態のワイヤ巻回方法における第2の巻回工程を示す説明図である。 図8に続く第2の巻回工程を示す説明図である。 磁気センサの線材収容溝に磁性線材を挿入する工程を示す説明図である。 磁性線材を接着剤によりボビンに固定する工程を示す説明図である。 従来のワイヤ巻回方法により巻回されたワイヤにおいてワイヤの折れ曲がった部分が溝内に入り込んでいる状態を示す説明図である。
まず、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法の適用対象である磁気センサについて説明する。図1は本発明の実施形態のワイヤ巻回方法の適用対象である磁気センサ1を示している。図2は磁気センサ1のボビン5を示している。図3は図1中の矢示A−A方向から見た磁気センサ1の横断面を示している。なお、実施形態を説明するに当たり、説明の便宜上、磁気センサ1の上(U)、下(D)、左(L)、右(R)、前(F)、後(B)の方向を図中の右下に描いた矢印が示す方向とする。
図1に示すように、磁気センサ1は、磁性線材2、コイル3、ボビン5および一対の接続部材11を備えている。磁性線材2は、大バルクハウゼン効果を生ずる線材である。磁性線材2は、例えばコバルトおよびバナジウムを含む合金(バイカロイ合金)等の半硬質磁性材料を、熱処理を介在させながら数回線引きすることにより0.1mm〜1mm程度の直径を有する線材を形成し、この線材に捻りを加えることにより形成されている。なお、磁性線材の材料および直径はこれらに限定されない。コイル3を形成するワイヤ4は、絶縁被膜が施された電線であり、例えばエナメル線である。巻回量を増やすために、ワイヤ4の直径は例えば0.05mm程度である。
ボビン5は例えば樹脂材料に形成されている。ボビン5は、図2に示すように、円柱状の軸部6と、軸部6の両端側にそれぞれ形成された鍔部7とを有している。なお、軸部6を角柱状に形成してもよい。軸部6には、磁性線材2を収容するための線材収容溝8が形成されている。線材収容溝8は軸部の外周面を軸方向に伸長している。また、ボビン5の各端部には、磁性線材2の端部をボビン5に固定するための接着剤を滞留させる凹部9が形成されている。また、ボビン5の右側の先端部には、磁性線材2を線材収容溝8内にボビン5の右方から挿入するための線材挿入口10が形成されている。
図1および図3に示すように、線材収容溝8内には磁性線材2が収容されている。また、軸部6の外周側にはコイル3が巻回されている。磁性線材2は、線材収容溝8内を、ボビン5の一端部から他端部にかけて直線状に伸長している。磁性線材2の軸方向中間部はコイル3に包囲されており、磁性線材2の両端部はコイル3から外へ出ている。また、磁性線材2の軸方向中間部はその全周に亘って線材収容溝8の内面および軸部6に巻回されたコイル3から離間している。また、磁性線材2の両端部は、各凹部9に注入された接着剤によりボビン5に固定されている(図11参照)。
また、左右の鍔部7には、コイル3を外部の回路に電気的に接続するための接続部材11がそれぞれ設けられている。各接続部材11は、導電性を有する金属製の棒状の部材により形成されている。図1に示すように、各接続部材11の上端側部分にはワイヤ4の端側がそれぞれ接続されている。なお、外部の回路とは、コイル3に発生するパルス電圧の出力先となるもので、特に限定されない。
次に、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法を含む磁気センサ1の製造方法について説明する。図4は、コイル3を形成するワイヤ4の端側に撚り部4Aを形成するためにワイヤ4の端側を折り返した状態を示している。図5はワイヤ4の端側に形成された撚り部4Aを示している。図6ないし図9は本発明の実施形態のワイヤ巻回方法を示している。なお、図6中のボビン5は図2中のボビン5を前方から見た状態を模式的に示したものである。図7ないし図11中のボビン5の断面は図3中の矢示C−C方向から見たボビン5の断面を模式的に示したものである。また、図10は線材収容溝8に磁性線材2を挿入する工程を示している。図11は磁性線材2を接着剤によりボビン5に固定する工程を示している。
磁気センサ1の製造方法は次の通りである。まず、図4に示すように、コイル3を形成するワイヤ4の巻き始め端側を例えば1〜3回程度折り返して捻ることにより、図5に示すような撚り部4Aを形成する(第1の撚り部形成工程)。撚り部4Aの長さは例えば100mm〜200mm程度である。
次に、図6に示すように、撚り部4Aの先端側をボビン5の巻き始め側(右側)に設けられた接続部材11の上端側部分に巻き付けて接続する(巻き始め端接続工程)。例えば、撚り部4Aにおいてその先端から撚り部4Aの10分の1ないし半分程度の部分を接続部材11に巻き付ける。
次に、図7に示すように、撚り部4Aの残部を、軸部6における第1の巻回範囲K1に、撚り部4Aの残部を巻回し切るまで、1層を超えるように巻回する(第1の巻回工程)。第1の巻回範囲K1は、軸部6の右端(右側の鍔部7の左端面の位置)から軸部6の左端(左側の鍔部7の右端面の位置)までの全巻回範囲Kaの一部である。第1の巻回範囲K1は全巻回範囲Ka内における巻き始め側に位置する。
第1の巻回工程において、撚り部4Aの残部を軸部6の第1の巻回範囲K1に巻回する具体的な方法は例えば次の通りである。まず、撚り部4Aの残部を、軸部6の外周面上に、第1の巻回範囲K1の右端(巻き始め側の端部)から左端(巻き終わり側の端部)に向かって、第1の巻回範囲K1内における軸部6の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、撚り部4Aの第1層を形成する。続いて、撚り部4Aの残部において第1層を形成した部分に続く部分を、撚り部4Aの第1層上に、第1の巻回範囲K1の左端から右端に向かって、撚り部4Aの第1層の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、撚り部4Aの第2層を形成する。続いて、このような撚り部4Aの残部の整列巻きを、第1の巻回範囲K1を往復しながら、撚り部4Aの残部を巻回し切るまで繰り返す。
第1の巻回範囲K1に形成される撚り部4Aの層数は、撚り部4Aの長さが長いほど多くなり、または第1の巻回範囲K1が短いほど多くなる。第1の巻回範囲K1において撚り部4Aの層数が1層を超えるように、撚り部4Aの長さや第1の巻回範囲K1の長さを設定する。すなわち、最低でも、第1の巻回範囲K1に撚り部4Aの第1層が完全に形成され、かつ第2層の一部が形成されるように、撚り部4Aの長さや第1の巻回範囲K1の長さを設定する。なお、図7に示す例では、第1の巻回範囲K1に2層を超える撚り部4Aの層が形成されるように、撚り部4Aの長さおよび第1の巻回範囲K1の長さが設定されている。また、撚り部4Aの長さを長くし、または第1の巻回範囲K1の長さを短くし、第1の巻回範囲K1に3層を超える撚り部4Aの層を形成してもよい。
次に、ワイヤ4において撚り部4Aに続く部分を軸部6の軸方向における全範囲に亘って巻回する(第2の巻回工程)。第2の巻回工程においては、まず、図8に示すように、ワイヤ4において撚り部4Aに続く部分を、軸部6において第1の巻回範囲K1以外の範囲である第2の巻回範囲K2に、当該第2の巻回範囲K2に巻回されたワイヤ4の最外周面が第1の巻回範囲K1に巻回された撚り部4Aの最外周面と揃うまで巻回する。
具体的には、まず、ワイヤ4において撚り部4Aに続く部分を、軸部6の外周面上に、第2の巻回範囲K2の右端(巻き始め側の端部)から左端(巻き終わり側の端部)に向かって、第2の巻回範囲K2内における軸部6の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、第2の巻回範囲K2内にワイヤの第1層を形成する。続いて、ワイヤ4において当該第1層を形成した部分に続く部分を、当該第1層上に、第2の巻回範囲K2の左端から右端に向かって、当該第1層の外周面全体を埋めるように整列巻きすることにより、第2の巻回範囲K2内にワイヤの第2層を形成する。続いて、このようなワイヤ4の整列巻きを、第2の巻回範囲K2を往復しながら、第2の巻回範囲K2に巻回されたワイヤ4の最外周面が第1の巻回範囲K1に巻回された撚り部4Aの最外周面と揃うまで繰り返す。
その後、図9に示すように、ワイヤ4の残部を軸部6の全巻回範囲Kaの全体に亘って巻回する。具体的には、ワイヤ4の残部を、ワイヤ4において軸部6に既に巻回された部分の上に、その部分の全体を埋めるように、全巻回範囲Kaを往復しながら整列巻きを繰り返す。なお、図9では、軸部6に巻回されたワイヤ4を模式的に示しており、第2の巻回工程におけるワイヤ4の巻回量が少ないが、実際には、第2の巻回工程におけるワイヤ4の巻回量はもっと多い。
次に、ワイヤ4の巻き終わり端側を折り返して捻ることにより撚り部4Bを形成する(第2の撚り部形成工程)。
次に、撚り部4Bの一部を、軸部6に巻回されたワイヤ4の最外周層上に巻回した後(図9参照)、撚り部4Bの残部を、ボビン5の巻き終わり側(左側)に設けられた接続部材11に巻き付けて接続する(巻き終わり端接続工程)。
次に、図10に示すように、ボビン5の右方から線材挿入口10を介して線材収容溝8内に磁性線材2を挿入する(磁性線材挿入工程)。次に、図11に示すように、ボビン5の両端部にそれぞれ形成された凹部9に接着剤12を注入し、磁性線材2をボビン5に固定する(接着工程)。接着剤12の硬化により、磁気センサ1が完成する。
この磁気センサ1の製造方法において、第1の撚り部形成工程から巻き終わり端接続工程までが、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法に当たる。本発明の実施形態のワイヤ巻回方法では、撚り部4Aの先端側を巻き始め側の接続部材11に接続した後、撚り部4Aの残部を、ボビン5の軸部6における第1の巻回範囲K1に、撚り部4Aの残部を巻回し切るまで1層を超えるように巻回する。これにより、ワイヤ4において撚り部4Aの残部とそれに続く部分との境界部分を、撚り部4Aにおいて軸部6に巻回された部分の外周面上に配置することができる。これにより、当該境界部分をボビン5の軸部6の外周面から離すことができる。したがって、ワイヤ4において撚り部4Aとそれに続く部分との境界部分にて、ワイヤ4の折れ曲がった部分15が外側に飛び出している場合でも(図5参照)、そのワイヤ4の折れ曲がった部分15が線材収容溝8内に入り込むことを防止することができる。
ここで、図12は、従来の一般的なワイヤ巻回方法によりワイヤ4をボビン5の軸部6に巻回した場合に、ワイヤ4における撚り部4Aの折れ曲がった部分15が線材収容溝8内に入り込んでいる状態を示している。上述したように、従来の一般的なワイヤ巻回方法では、ワイヤ4の巻き始め端側における撚り部4Aとそれに続く部分との境界部分がボビン5の軸部6の外周面に接するように配置されるため、図12に示すように、撚り部4Aの折れ曲がった部分15が、軸部6の外周面に形成された線材収容溝8内に入り込むことがある。本発明の実施形態のワイヤ巻回方法によれば、ワイヤ4において撚り部4Aの残部とそれに続く部分との境界部分をボビン5の軸部6の外周面から離すことができるので、撚り部4Aの折れ曲がった部分15が線材収容溝8内に入り込むことを防止することができる。したがって、撚り部4Aの折れ曲がった部分15と磁性線材2が接触すること、および撚り部4Aの折れ曲がった部分15に押されて磁性線材2が線材収容溝8の内面に接触することを防止することができ、このような接触により磁性線材2が変形して磁性線材2の磁気的特性が変動することを防止することができる。よって、磁気センサ1の不良品の発生率を下げることができ、歩留まりを良くすることができる。
また、撚り部4Aの折れ曲がった部分15が線材収容溝8に入り込むと、上記磁性線材挿入工程において、磁性線材2が撚り部4Aの折れ曲がった部分15に引っ掛かって磁性線材2を線材収容溝8内に挿入することができなくなるおそれがある。しかしながら、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法によれば、撚り部4Aの折れ曲がった部分15が線材収容溝8に入り込むことを防止することができるので、磁性線材挿入工程において、磁性線材2を線材収容溝8内に確実に挿入することができる。したがって、磁気センサ1の歩留まりを良くすることができる。
また、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法では、第2の巻回工程において、ワイヤ4の撚り部4Aに続く部分を、ボビン5の軸部6において第2の巻回範囲K2に、当該第2の巻回範囲K2に巻回されたワイヤ4の最外周面が第1の巻回範囲K1に巻回された撚り部4Aの最外周面と揃うまで巻回した後、ワイヤ4の残部を軸部6における全巻回範囲Kaの全体に亘って巻回する。これにより、ボビン5におけるワイヤ4の巻回量を増やすことができ、磁性線材2の磁化方向の反転に応じてコイル3に発生するパルス電圧のレベルを大きくすることができる。
また、本発明の実施形態のワイヤ巻回方法を適用して製造された磁気センサ1においては、巻き始め側の接続部材11にワイヤ4の撚り部4Aの先端側が接続され、軸部6の第1の巻回範囲K1には撚り部4Aの残部の全部が軸部6の外周面上から1層を超えるように巻回され、軸部6の第2の巻回範囲K2にはワイヤ4において撚り部4Aに続く部分が軸部6の外周面上から複数層巻回されている。このような構成を有する磁気センサ1によれば、当該磁気センサ1の製造において磁気センサ1の歩留まりを良くすることができる。
なお、上述した実施形態では、ワイヤ4の巻き始め側をボビン5の右側とする場合を例にあげたが、これをボビン5の左側としてもよい。また、上述した実施形態の第2の巻回工程において、ワイヤ4の撚り部4Aに続く部分を、ボビン5の軸部6において第2の巻回範囲K2に、当該第2の巻回範囲K2に巻回されたワイヤ4の最外周面が第1の巻回範囲K1に巻回された撚り部4Aの最外周面と揃うまで巻回した後、ワイヤ4の残部を軸部6における全巻回範囲Kaの全体に亘って巻回する場合を例にあげた。しかしながら、第2の巻回工程におけるワイヤ4の巻回方法として他の方法を採用してもよい。例えば、ワイヤ4の撚り部4Aに続く部分を、まず、第1の巻回範囲K1において既に巻回された撚り部4Aの外周側にある程度巻回してから、ワイヤ4の残部を第2の巻回範囲に巻回してもよい。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うワイヤ巻回方法および磁気センサもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 磁気センサ
2 磁性線材
3 コイル
4 ワイヤ
4A 撚り部
5 ボビン
6 軸部
7 鍔部
8 線材収容溝(溝)
11 接続部材
K1 第1の巻回範囲
K2 第2の巻回範囲

Claims (3)

  1. 磁性線材と、コイルと、外周面に軸方向に伸長する溝が形成された柱状の軸部および前記軸部の両端側にそれぞれ形成された鍔部を有するボビンと、前記ボビンに設けられ前記コイルを外部の回路に電気的に接続するための接続部材とを備え、前記溝内には前記磁性線材が収容され、前記軸部の外周側には前記コイルを形成するワイヤが巻回され、前記接続部材には前記ワイヤの一端側が接続されている磁気センサにおいて、前記ワイヤを前記軸部に巻回するワイヤ巻回方法であって、
    前記ワイヤの一端側を折り返して捻ることにより形成された撚り部の先端側を前記接続部材に接続する接続工程と、
    前記撚り部の残部を前記軸部の軸方向における一部の範囲である第1の巻回範囲に前記撚り部の残部を巻回し切るまで1層を超えるように巻回する第1の巻回工程と、
    前記ワイヤの前記撚り部に続く部分を前記軸部の軸方向における全範囲に亘って巻回する第2の巻回工程とを備えていることを特徴とするワイヤ巻回方法。
  2. 前記第2の巻回工程において、前記ワイヤの前記撚り部に続く部分を、前記軸部において前記第1の巻回範囲以外の範囲である第2の巻回範囲に、当該第2の巻回範囲に巻回された前記ワイヤの最外周面が前記第1の巻回範囲に巻回された前記撚り部の最外周面と揃うまで巻回した後、前記ワイヤの残部を前記軸部の軸方向における全範囲に亘って巻回することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ巻回方法。
  3. 磁性線材と、コイルと、外周面に軸方向に伸長する溝が形成された柱状の軸部および前記軸部の両端側にそれぞれ形成された鍔部を有するボビンと、前記ボビンに設けられ前記コイルを外部の回路に電気的に接続するための接続部材とを備え、前記溝内には前記磁性線材が収容され、前記接続部材には前記コイルを形成するワイヤの一端側に形成された撚り部の先端側が接続され、前記軸部の軸方向における一部の範囲である第1の巻回範囲には前記撚り部の残部の全部が前記軸部の外周面上から1層を超えるように巻回され、前記軸部において前記第1の巻回範囲以外の部分には前記ワイヤにおいて撚り部に続く部分が前記軸部の外周面上から複数層巻回されていることを特徴とする磁気センサ。
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