JP6287762B2 - 表面実装インダクタの製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2の表面実装インダクタは、2つあるコイルの引き出し端部のうち、片方の引き出し端部が表面実装インダクタの底面付近から底面に向かって引き出され、もう片方の引き出し端部が表面実装インダクタの上面付近から底面に向かって引き出されているため、引き出し端部の長さが異なる。このため、コイルの形状は左右非対称となる。左右非対称なコイルを内蔵した表面実装インダクタは、一方の外部端子に入力した場合の電気的特性と、他方の外部端子に入力した場合の電気的特性が異なっていた。このような表面実装インダクタは、電気的特性の極性を示すマーキングを印字することが多い。
表面実装インダクタの実装面とコイルの巻き軸方向とが平行になるようにコイルを巻回することにより、コイルの形状を左右対称にすることができる。
以上より、コイルへの熱ストレス・機械的ストレスを低減し、抵抗値を抑え、さらに電気的特性の極性が無い表面実装インダクタの製造方法を提供することができる。
1対のスピンドル3は、円柱形状の第1の巻回部分3aと、第1の巻回部分3aと中心軸が一致して隣接し、第1の巻回部分3aの外径より大きい外径を有する円柱状の第2の巻回部分3bと、第2の巻回部分3bと中心軸が一致して隣接する、第2の巻回部分3bの外径より大きい外径を有する円柱状の壁部とをそれぞれ有している。各巻回部分の巻軸方向の長さは、コイルに用いる平角線の幅の長さより長く、スピンドル3の先端3cは、第2の巻回部分3bとは反対方向にある、第1の巻回部分3aの端面部である。図2(a)に示すように、2つのスピンドル3は、先端3cが向かい合った状態になるよう配置される。
図3に示すように、タブレット4aは、一つの側面に開口端を備えた立方体であり、内部にコイル2を収納するためのスペース4bを有している。開口端を有する面と向かい合う面の内壁の中央部からは、コイル2の巻軸に挿入するための軸4cが、開口端を有する面に向かって突出している。コイル2の巻軸に挿入される軸4cは円柱状に形成される。
タブレット4aの上面もしくは底面が実装面4eとなる。図4に示す様に、実装面4eの形状はそれぞれ長方形であり、この長方形を構成する4辺のうち、開口端に一番近い辺を含む、向かい合う一対の辺を短辺とし、他方の向かい合う一対の辺を長辺とする。実装面4eの短辺方向の両端部にはそれぞれ、コイル2の引き出し端部2bを引き出すための細長いスリット4dが設けられている。
図5(a)、(b)は図4のA−A断面図であり、図5(c)は、実装面4eの平面図である。
図5(a)に示すように、コイル2の両側にタブレット4aを、開口端が向き合うようにして配置する。この時、一方のタブレット4aにコイル2の巻軸にタブレットの軸4cを挿入し、実装面4eのスリット4dからコイルの引き出し端部2bを、あらかじめ引き出しておく。次に、図5(b)に示すように、コイル2の巻軸方向の残りの端から、タブレットの軸4cがコイル2の空芯部に挿入されるように、他方の2つのタブレット4aを嵌め合わせる。タブレット4aの内部には、コイル2を収納するためのスペース4bが内部に設けられており、コイル2が2つのタブレット4aの内部に収納される。そして、コイル2の引き出し端部2bは、一方のスリット4dから、実装面の短辺と平行に引き出され、もう片方のスリット4dに入れ込まれる。さらに、この状態で、これらを成形金型を用いて加熱・圧縮することにより、図5(c)に示すように、コイル2の引き出し端部2bは、実装面4eに表面が露出するように埋め込まれた状態で固定され、また2つタブレット4aは押し固められて、コイル2が封止された成形体4となる。
実装面4eに表面が露出するように埋め込まれている引き出し端部2bは、幅広面2aにレーザーをあてられて、絶縁被覆が剥離される。平角線を用いているので、レーザー剥離の条件設定が容易であり、外部端子は全て同一の面に形成されているので、1回の工程で済ませることができる。次に、引き出し端部2bにSnをスパッタリングしてSn層を形成し、続いてNiとCrとを所定の割合で同時にスパッタリングし、Ni−Cu層を形成する。このようにスパッタリングをすることによって、引き出し端部2bを外部端子5へと加工することができる。平角線を用いているので、丸線に比べて固着強度が強く、端子平坦度も高い。
コイルが、内径の異なる2層以上で構成されている場合は、内径の異なる層ごとに、最も内側にある層から、第1の巻回部、第2の巻回部…として巻回部の番号をつける。ある番号Xのつけられた巻回部(第Xの巻回部)の外径よりも、ある番号Xに1を足した巻回部(第X+1の巻回部)の内径が大きい。例えば、図7に示すように、内径の異なる3層で構成されたコイル12は、1番内側にある巻回部の外径より、2番目に内側にある巻回部の内径が大きく、2番目に内側にある巻回部の外径より、3番目に内側にある巻回部の内径が大きい。コイルの一番内側の巻回部の外径・内径が一番小さく、外側の巻回部になるにつれて、外径・内径が大きくなる。
図1に示すコイルの各巻回部は、それぞれ2段であったが、これに限定されるものではなく、4段以上に巻回しても良い。
また、3つ巻回部がある場合の第2の巻回部は、コイルの巻軸に沿って、斜めに傾斜しても良い。
例えば、内径の異なる3つの巻回部を備えたコイルの巻回に用いるスピンドルは、円柱形状の第1の巻回部分と、第1の巻回部分に隣接して中心軸が一致し、第1の巻回部分の外径より大きい外径を有する、円柱状の第2の巻回部分と、第2の巻回部分に隣接して中心軸が一致し、第2の巻回部分の外径より大きい外径を有する、円柱状の第3の巻回部分と、第3の巻回部分に隣接して中心軸が一致し、第3の巻回部分の外径より大きい外径を有する、円柱状の壁部と、を有している。
また、第2の巻回部分はそれぞれ複数有していても良い。
さらに、スピンドルの形状は、左右対称でかつ、巻回を阻害しなければ、異なる形でも良い。例えば、各巻回部分がコイルの巻軸に沿って斜めに傾斜していても良いし、各巻回部分の間が段差ではなく、コイルの巻軸に沿って斜めに傾斜していても良い。
2、12 コイル
2a 幅広面
2b 引き出し端部
2c 第1の巻回部
2d 第2の巻回部
3 スピンドル
3a 第1の巻回部分
3b 第2の巻回部分
3c 先端
4 成形体
4a タブレット
4b スペース
4c 軸
4d スリット
4e 実装面
5 外部端子
Claims (3)
- 導線を巻回して形成したコイルと、樹脂と充填材を含む封止材で該コイルを封止した成形体を備えた表面実装インダクタの製造方法において、
導線を巻回するための1対の巻軸を有し、それぞれの巻軸にそれぞれ外径が異なる少なくとも2つの巻回部分を設けた巻線機を用い、該巻線機の1対の巻軸の先端を接触させた状態で、断面が平角形状の導線の途中を巻線機のスピンドルに接触させ、導線の両端部が外周に位置する様に2段に巻回した第1の巻回部と、その内径が該第1の巻回部の外径以上となる様に該コイルの巻軸に沿って互いに反対方向に位置をずらして巻回した第2の巻回部を備え、それぞれの第2の巻回部の外周から該導線の端部を引き出して引き出し端部としたコイルを形成する工程と、
該コイルの両端から、1対のタブレットを嵌め合わせ、加熱圧縮して該コイルを内蔵した成形体を形成する工程を備え、
該成形体内に、該コイルが、巻軸が該成形体の実装面と平行かつ、該引き出し端部の表面が該成形体の実装面の表面に露出する様に形成されたことを特徴とする表面実装インダクタの製造方法。 - 前記巻線機の1対の巻軸は、それぞれ先端から離れるに従って外径が大きく形成された請求項1に記載の表面実装インダクタの製造方法。
- 前記第2の巻回部を複数備える請求項1又は請求項2に記載の表面実装インダクタの製造方法。
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