JP6968018B2 - エポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents

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本発明は、バスバー、鋼管等の金属加工分野において、塗膜形成後に曲げ加工を行うのに好適なエポキシ樹脂粉体塗料に関する。
エポキシ樹脂は機械特性、耐薬品性、耐食性、電気特性に優れ、粉体塗料としても広く使用されている。エポキシ樹脂粉体塗料としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾール系硬化促進剤及び又はイミダゾリン系硬化促進剤を含有したものが知られている(特許文献1)。
特開平10−323616号公報
特にその優れた電気特性及び耐食性を基に、エポキシ樹脂粉体塗料は、バスバー、鋼管等の加工鋼材分野でも広く使用されている。エポキシ樹脂粉体塗料を塗布した加工鋼材は、施工時に任意の角度に曲げ加工して使用されるので、塗膜にクラックが発生せずに曲げ加工を施せることが重要となる。
中でも、バスバーにエポキシ樹脂粉体塗料を塗布する場合、塗膜にクラックが発生せずに曲げ加工を施すため、塗膜に可とう性が求められると同時に、通電による熱膨張に耐えるため、塗膜には耐熱性も求められる。
また、従来のエポキシ樹脂粉体塗料は、硬化速度が遅く、硬化時間が長いため、生産性向上の観点から、速硬化性のエポキシ樹脂粉体塗料が望まれている。
特許文献1の技術では、耐熱性は満たしているものの、曲げ加工時の耐クラック性や速硬化性は現在の要求を満たしていない。
特に近年、鉄筋コンクリート内に包蔵される鉄筋の塗装のように、より厳しい環境下、例えば0℃以下の寒冷地での、塗装鉄筋について、曲げ加工時の耐クラック性の向上が求められている。
本発明は、速硬化性を保持しつつ、耐熱性とともに低温でも高い可とう性が付与され、その結果、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性とを備えた硬化物を形成しうるエポキシ樹脂粉体塗料及びその製造方法と、該エポキシ樹脂粉体塗料の硬化物からなり、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性とを備えた塗膜と、該塗膜を備えた加工鋼材と、を提供することを課題とする。
本発明者らは、下記に示す(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、(D)として(D1)及び(D2)を含む組成物中での(D2)の配合量と、融点を調整することによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す構成のエポキシ樹脂粉体塗料が提供される。
また、本発明によれば、以下に示す構成のエポキシ樹脂粉体塗料を熱硬化して得られる硬化塗膜と、該硬化塗膜が少なくとも一部に形成された加工鋼材も提供される。
さらに本発明によれば、以下に示す構成のエポキシ樹脂粉体塗料を製造する方法も提供される。
以下では、
(A):エポキシ当量670〜1200g/eqのビスフェノール型エポキシ樹脂、
(B):ゴム変性エポキシ樹脂、
(C):ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤、
(D)硬化促進剤、
(D1):イミダゾール誘導体、
(D2):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物、
とする。
このとき、物に係る本発明は、硬化物を形成するためのエポキシ樹脂粉体塗料であって、
(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、
(D)は、(D1)及び(D2)を含み、(D1):1に対する(D2)の質量比が0.5以上5.0以下である組成物の微粉砕物で構成してあり、
融点が60〜90℃であることを特徴とする。
製法に係る本発明は、硬化物を形成するためのエポキシ樹脂粉体塗料を製造する方法であって、
(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、
(D)は、(D1)及び(D2)を含み、(D1):1に対する(D2)の質量比が0.5以上5.0以下である組成物を、その融点が60〜90℃となるまでエージングした後、微粉砕することを特徴とする。
上記両発明において、(B)は、エポキシ当量800〜1300g/eqのブタジエン・アクリロニトリルゴム変性エポキシ樹脂を含むことができる。
上記両発明において、(A)と(B)の配合比は92:8〜82:18であることができる。
上記両発明において、(A)と(B)の合計エポキシ当量が750〜1250g/eqであることができる。
上記製法発明において、40〜60℃及び24〜100時間の条件下でエージングすることができる。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、(D)として(D1)及び(D2)を含む組成物中での(D2)の配合量と、融点を調整してある。このため、速硬化性を保持しつつ、硬化後の塗膜(硬化物)に耐熱性の他、低温(例えば0℃以下)でも高い可とう性が付与される。その結果、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性とを備えた硬化物を形成することができる。
すなわち、本発明によれば、速硬化性を保持しつつ、耐熱性とともに低温でも高い可とう性が付与され、その結果、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性とを備えた硬化物を形成しうるエポキシ樹脂粉体塗料と、該エポキシ樹脂粉体塗料の硬化物からなり、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性とを備えた塗膜と、該塗膜を備えた加工鋼材と、を提供することができる。
本発明方法は、(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、(D)中での(D1)に対する(D2)の配合量が調整された組成物を、その融点が所定範囲となるまでエージングする。このため、速硬化性を保持しつつ、上記性能、すなわち耐熱性とともに低温でも高い可とう性が付与され、その結果、耐熱性と曲げ加工時の耐クラック性を備えた硬化物を形成しうるエポキシ樹脂粉体塗料を製造することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し、適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲のものである。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、(A):エポキシ当量670〜1200g/eqのビスフェノール型エポキシ樹脂、(B):ゴム変性エポキシ樹脂、(C):ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤、(D):硬化促進剤を含む。(D):硬化促進剤は、(D1):イミダゾール誘導体、(D2):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物、を含有する。
以下に、本発明の粉体塗料の詳細について説明する。
<(A)>
本発明において用いられる(A)としては、従来から知られているビスフェノール型のエポキシ樹脂(フェノール類を前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の一例)をその使用目的に応じて適宜使用することができる。
具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型もしくはAD型エポキシ樹脂等を使用することができる。
このなかでも、硬化物の機械特性、耐薬品性、電気特性、耐食性の観点からは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。
また、難燃性が要求される分野においては、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することにより対処することができる。
(A)のエポキシ当量は、670〜1200g/eqである。エポキシ当量を670g/eq以上とすることで、応力に耐えうる十分な可とう性を付与することができ、1200g/eq以下とすることで、強度や耐熱性を保持することができる。(A)は、エポキシ当量が670〜1200g/eqの範囲となるように、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、硬化性を考慮すると、(A)の軟化点は80〜120℃が好ましい。(A)を2種類以上を組み合わせて使用する場合、軟化点が80〜120℃の範囲となるように組わせることが好ましい。
なお、本発明においては、低温での可とう性向上の観点で、エポキシ樹脂粉体塗料中に、フェノール類を前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の他の例である、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を選択しないことが好ましい。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−695(以上、DIC社製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬社製)などが挙げられる。
<(B)>
本発明において用いられる(B)としては、ゴム変性エポキシ樹脂を使用する。本発明において、ゴム変性エポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂中のエポキシ基にゴム成分を反応(変性)させることにより得られる。本発明において(B)成分は(A)成分に含まれない。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。耐熱性、可とう性、耐食性の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
前記ゴム成分は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応する官能基を有するゴムのことを言い、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコ−ンゴム、ブチルゴム、オレフィンゴム、スチレンゴム、NBR(ブタジエン・アクリロニトリルゴム)、SBR、IR、EPRなどが挙げられる。該ゴム成分の官能基はアミノ変性、ヒドロキシ変性、またはカルボキシル変性されたもの等が挙げられる。
これらのゴム成分とエポキシ樹脂とを公知の重合方法により適宜の配合比に反応させた生成物が本発明に使用される(B)成分であり、可とう性付与の観点から、NBR変性エポキシ樹脂が好ましい。また(B)成分は、固形のものが好ましい。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
(B)のエポキシ当量は、800〜1300g/eqであることが好ましい。エポキシ当量を800g/eq以上とすることで、より応力に耐えうる十分な可とう性を付与することができ、1300g/eq以下とすることで、より強度や耐熱性を保持することができるからである。(B)は、エポキシ当量が800〜1300g/eqの範囲となるように、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、硬化性を考慮すると、(B)の軟化点は、80〜120℃が好ましい。
(B)中のゴム成分の濃度は、可とう性の観点から、85〜95%が好ましい。
(A)と(B)の配合比は、92:8〜82:18となる範囲で使用するのが好ましい。(B)の配合比を8以上とすることで、より応力に耐えうる十分な可とう性を付与することができ、18以下とすることで、より強度や耐熱性を保持することができる。
(A)と(B)の合計エポキシ当量は、750〜1250g/eqであることが好ましい。合計エポキシ当量を750g/eq以上とすることで、より一層応力に耐えうる十分な可とう性を付与することができ、1250g/eq以下とすることで、より一層強度や耐熱性を保持することが期待できるからである。
<(C)>
本発明において用いられる(C)としては、ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤を使用する。本発明において、ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤とは、2官能エポキシ樹脂に過剰の2官能フェノール類を反応させることにより得られ、両末端にフェノール性水酸基を含むが、エポキシ基を含まないものである。
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂; 水添ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコールなどのアルコールのジグリシジルエーテル; ダイマー酸などのジグリシジルエステル類; などが挙げられる。耐熱性、可とう性、耐食性の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
2官能フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールC、テトラブロモビスフェノールA、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなどが挙げられる。中でも、ビスフェノールAまたはビスフェノールFが好ましい。
(C)としては、2官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用し、これに2官能フェノール類としてビスフェノールAまたはビスフェノールFを反応させたもの(ビスフェノールA型フェノール樹脂硬化剤)や、2官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用し、これに2官能フェノール類としてビスフェノールAを反応させたもの(ビスフェノールF型フェノール樹脂硬化剤)などが挙げられる。(C)は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
(C)の活性水酸基当量は、200〜500g/eqであることが好ましい。活性水酸基当量を200g/eq以上とすることで、応力に耐えうる十分な可とう性を付与することができ、500g/eq以下とすることで、強度や耐熱性を保持することができる。
通常、ゴム成分を配合した場合、耐熱性が著しく低下するが、エポキシ樹脂で変性した(B)と(C)を併用することにより、硬化塗膜に高可とう性を付与すると同時に、耐熱性を保持することができる。
<(D)>
本発明において用いられる(D)は、複数の硬化促進剤を組み合わせてなることが必須であり、特に、(D)として、少なくとも、(D1)イミダゾール誘導体と、(D2)イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物と、を組み合わせて使用する。これに加え、(D1)と(D2)の質量比は、すべての(D)中に、(D1):1に対して、(D2):0.5以上5.0以下(好ましくは2.0〜4.0)であることも必須である。この質量比範囲で、特定の(D1)と(D2)を組み合わせて用いることにより、硬化速度を調整することができ、これにより可とう性の向上が期待される。(D1)の割合が多すぎると、硬化速度が速くなりすぎ、塗膜化した際に架橋密度が高くなり塗膜が脆くなりやすくなる。また、(D1)の割合が少なすぎると、硬化速度が不十分となり、塗膜化した際に硬化が不十分なものとなる。
(D1)は、イミダゾールに置換基などが導入された化合物であり、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾールなどが含まれる。(D1)は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。中でも、速硬化性の観点から、2−メチルイミダゾールを使用することが好ましい。
(D2)は、エポキシ樹脂の両末端エポキシ基にイミダゾール化合物が開環付加した構造を有する。イミダゾール化合物には、イミダゾール、イミダゾール誘導体が含まれる。エポキシ樹脂には、ビスフェノール型エポキシ樹脂などが含まれる。(D2)としては、例えば、2−メチルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加反応物、2−エチル−4−メチルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加反応物が含まれる。(D2)は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。中でも、硬化後の塗膜(硬化物)に低温でのより高い可とう性を付与する観点から、2−メチルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加反応物を使用することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料には、効果を損なわない範囲で、前記成分以外のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、着色剤、充填剤、レベリング剤、垂れ止め剤、カップリング剤、消泡剤、離型剤、流動性調整剤等の慣用の補助成分を適宜配合することができる。
上記難燃剤としては、リン系化合物、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、金属水酸化物を挙げることができる。
上記着色剤としては、酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、銅等を挙げることができる。
上記充填剤としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄、バリウムチタン酸化物、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性イオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ベーマイト、アパタイト、ムライト、スピネル、オリビン等、または、これらを含む化合物等を挙げることができる。
なお、本発明においては、可とう性向上の観点で、エポキシ樹脂粉体塗料中に、慣用の補助成分に含まれ得る、黄変防止剤を配合しないことが好ましい。黄変防止剤としては、アジピン酸ジヒドラジド、ジシアンジアミド、尿素、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミンなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、例えば以下の方法により製造することができる。
(A)、(B)、(C)、及び(D)を配合し、さらに必要に応じて、充填剤や顔料、添加剤などを加えて溶融混錬を行う。溶融混練は、エクストルーダー等を用いて短時間で完了させることが好ましい。溶融混練時の温度は、必要に応じて配合する充填剤の種類等にもよるが、90℃〜130℃の範囲とするのが好ましい。溶融混練時間は、5分以下が好ましく、60秒以下がより好ましい。
上述のように全成分を一度に溶融混練することもできるが、予め、一部の成分を溶融混合することもできる。例えば、まず、エポキシ樹脂成分と充填剤成分、レベリング剤およびカップリング剤などの添加剤、を予め、溶融混合した後、冷却固化し、得られた混合物を粗粉砕する。次に、得られた粗粉砕物に、硬化剤成分、硬化促進剤成分及び顔料成分、さらに必要により充填剤を乾式混合し、この得られた混合物を溶融混練することもできる。この場合、溶融混合には、ニーダー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。
溶融混練した後、冷却固化し、得られた組成物(溶融混錬物)を微粉砕して、分級し、例えば、平均粒子径30〜60μmに調製することにより本発明の粉体塗料が得られる。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、その融点(Tm)が、60℃以上、好ましくは70℃以上であることが望ましい。粉体塗料の融点が70℃以上であれば、垂れ止めやエッジカバーの性能向上が期待できる。一方、塗膜均一性の観点から、粉体塗料の融点は、90℃以下、好ましくは85℃以下であることが望ましい。以上の観点から、粉体塗料の融点は、通常60〜90℃、好ましくは65〜90℃、より好ましくは70〜85℃である。なお、粉体塗料の融点は、DSC(温度範囲25℃〜280℃、昇温速度10℃/分)により求められる。
粉体塗料の融点は、配合物を溶融混錬し冷却固化して得られる組成物(溶融混錬物)を、微粉砕する前に、エージングすることにより、上記範囲に調整することができる。本発明におけるエージングとは、エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤との反応を緩やかに進行させ、融点が上記範囲となるように溶融混錬物を熟成させる工程をいう。
溶融混錬物のエージング条件は特に限定されないが、温度は、好ましくは40〜60℃の範囲、より好ましくは50〜55℃とする。時間は、好ましくは24時間以上、より好ましくは60時間以上、更に好ましくは72時間以上とし、好ましくは100時間以下、更に好ましくは90時間以下とする。
本発明では、微粉砕する前の溶融混錬物をエージングすることにより、最終的に得られる粉体塗料の融点が調整され、これにより粉体塗料の速硬化性やタレ止めなどの性能向上が期待される。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料が塗装される部材の種類及び形状は、特に限定されないが、本発明の粉体塗料は、特に、粉体塗料を塗布後、施工時に任意の角度に曲げ加工する加工鋼材に好適に使用され、本発明の効果が有効に発揮される。
即ち、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料が、曲げ加工する加工鋼材に対しての追従性が良好であることから、例えば、棒状物、線状物、筒状物、波板状物等にも好適に用いられる。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は従来から知られている塗装方法をその使用目的に応じて適宜使用することができる。例えば、流動浸漬法、静電流動床法、コロナ荷電法および摩擦荷電法等を挙げることができる。この中でも充分な膜厚の塗膜を得る場合には流動浸漬法であることが好ましい。
以下、本発明を実験例(実施例および比較例を含む)に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。以下の記載において、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
1.エポキシ樹脂粉体塗料の作製
[実験例1]
表1に示す質量比で、エポキシ樹脂A1、エポキシ樹脂3、エポキシ樹脂B5、硬化剤C1、硬化促進剤D1、硬化促進剤D2を配合し、エクストルーダーにより105℃〜120℃で溶融混練した。このときの混練時間は、20秒以下であった。溶融混錬後の組成物を冷却固化した後、表1に示す条件でエージングし、その後、微粉砕することにより粉体塗料を得た。
なお、上記各成分の詳細は次のとおりである。
・エポキシ樹脂A1: エポキシ当量910g/eq、軟化点96℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER1004、三菱化学社製)
・エポキシ樹脂3: エポキシ当量634g/eq、軟化点78℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER1002、三菱化学社製)
・エポキシ樹脂B5: エポキシ当量950g/eq、軟化点95℃のブタジエン・アクリルニトリルゴム変性エポキシ樹脂(EPOX MK−SR35K、プリンテック社製)
・硬化剤C1: 活性水酸基当量333g/eqのビスフェノールA型フェノール樹脂硬化剤(JERキュア170、三菱化学社製)
・硬化促進剤D1: 2−メチルイミダゾール(キュアゾール2MZ−H、四国化成社製)
・硬化促進剤D2: 2−メチルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加反応物(エピキュアP−101、油化シエルエポキシ社製)
[実験例2、3、4、4−2、5〜24]
配合成分及び/または配合量と、エージング条件を表1〜3に示すように変えた以外は実験例1と同様にして粉体塗料を得た。
なお、実験例2は、(A)として、エポキシ当量が750g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂3を併用した。また、当量比を合わせるために、表1に示す質量比で、硬化剤C1と難燃剤を配合した。実験例3は、(A)として、エポキシ当量が799g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂3を併用した。また、当量比を合わせるために、表1に示す質量比で、硬化剤C1を配合した。実験例5は、(A)として、エポキシ当量が1017g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂2を併用した。また、当量比を合わせるために、表1に示す質量比で、硬化剤C1を配合した。実験例6は、(A)として、エポキシ当量が1404g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂2を併用した。また、当量比を合わせるために、表1に示す質量比で、硬化剤C1を配合した。
実験例8は、(A)として、エポキシ当量が1343g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂2を併用した。また、当量比を合わせるために、表2に示す質量比で、硬化剤C1を配合した。
実験例20〜24は、実験例3と同様に、(A)として、エポキシ当量が799g/eqとなるようにエポキシ樹脂A1とエポキシ樹脂3を併用した。また、当量比を合わせるために、表3に示す質量比で、硬化剤C1を配合した。
表1〜3中に示す実験例2以降で用いた成分以外の成分は、次のとおりである。
・エポキシ樹脂2: エポキシ当量1880g/eq、軟化点123℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER1007、三菱化学社製)
・エポキシ樹脂4: エポキシ当量625g/eqの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER5051、三菱化学社製)
・エポキシ樹脂6: エポキシ当量230g/eqのウレタン(非ゴム)変性エポキシ樹脂(アデカレジンEPU−78−11、ADEKA社製)
・硬化剤C2: 活性水酸基当量222g/eqのビスフェノールA型フェノール樹脂硬化剤(JERキュア171N、三菱化学社製)
・硬化剤3: 活性水酸基当量106g/eqのノボラック型フェノール樹脂硬化剤(タマノル759、荒川化学社製)
・硬化促進剤3: トリフェニルホスフィン(PP−360、ケイ・アイ化成社製)
・黄変防止剤: アジピン酸ジヒドラジド(ADH、大塚化学社製)
2.評価
各実験例で得られた粉体塗料について、下記に示す方法で各種特性(融点、速硬化性)を評価した。また、各実験例で得られた粉体塗料の硬化物(熱硬化塗膜)について、下記に示す方法で各種特性(可とう性、耐熱性)を評価した。結果を表1〜3に示す。
(2−1)融点
各実験例で得られた粉体塗料について、示差走査熱量測定装置(商品名DSC6220、エスアイアイ・ナノテクノロジー社)を用い、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:室温(25℃)〜280℃、流量40±20ml/minの窒素雰囲気下の条件で、アルミパンに密閉した3mg〜8mgの試料の示差走査熱量測定(DSC)を行った。得られた結果より、相転移に伴うエネルギー変化が起こる温度(吸熱反応ピーク温度)を融点とした。
また、各実験例で得られた粉体塗料を室温から加熱し、10℃加熱する毎に温度を30秒安定させ、その都度偏光顕微鏡にて相転移が起こっているかどうかをクロスニコル状態で観察(100倍率)した。上記DSCで得られた融点と同じ温度付近で相転移が観察されれば、上記DSCで得られた吸熱反応ピークの温度を融点とした。また、上記DSCで吸熱反応ピークが得られなかった場合で、偏光顕微鏡観察にて相転移の様子が観察された場合、その観察された温度も融点とした。
(2−2)速硬化性
速硬化性については、ゲル化時間を測定することにより、以下の基準で評価した。
各実験例で得られた粉体塗料の約0.05〜0.1gを150℃に保持した熱板の円形凹部に入れ、かきまぜ棒でかきまぜ、糸がひかなくなるまでの時間、すなわちゲル化に至るまでの時間(秒)を測定した。JIS C 2104に準じて測定した。
速硬化性の評価基準は以下のとおりである。
○:ゲル化時間が100秒未満
×:ゲル化時間が100秒以上
(2−3)可とう性
可とう性については、エリクセン値を測定することにより、以下の基準で測定した。
厚さ1mm、幅100mmの一枚の板材に、各実験例で得られた粉体塗料を膜厚150〜280μmの範囲になるように流動浸漬法で塗布した。塗装時間は、1〜3秒とした。210℃で15分以上予熱した恒温送風炉にて170℃下、90秒間で硬化させた。硬化直後に水に30秒間浸漬し冷却し、試験板を得た。得られた試験板に対し、JIS Z 2247に準じて、エリクセン試験によって評価した。押込み速度5〜10mm /分で実施し、割れが発生したときの押し込み深さをエリクセン値とした。
可とう性の評価基準は以下のとおりである。
◎:エリクセン値が10 mm以上
○:エリクセン値が9mm以上10mm未満
×:エリクセン値が9 mm未満
××:塗料が被着体に付着しにくく、塗膜が不均一のため試験ができなかったもの
(2−4)耐熱性
耐熱性については、以下の基準で評価した。
恒温送風炉を210℃で15分以上予熱し、各実験例で得られた粉体塗料を170℃下で90秒間硬化させた硬化物について、DSC(示差走査熱量計)を用い、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:25℃〜280℃の条件下で、各々約3〜8mg精秤した試料のDSC測定を行い、ガラス転移温度を測定した。以下、ガラス転移温度をTgとする。
耐熱性の評価基準は以下のとおりである。
○:Tgが90℃以上
×:Tgが90%未満
Figure 0006968018
Figure 0006968018
Figure 0006968018
3.考察
表1で示すように、実験例2〜5の粉体塗料は、(A)、(B)、(C)、(D1)及び(D2)を適正な範囲で含有し、かつ適切なエージングを行ったため、融点が適正範囲のものとなった。その結果、粉体塗料は速硬化性に優れたものであった。また得られた硬化塗膜は、耐熱性と可とう性が優れたものであった。特に実験例3及び実験例4の粉体塗料は、融点が、それぞれ70℃及び75℃のものであり、塗膜化した際に可とう性が極めて優れたものとなった。
これに対し、実験例1及び6の粉体塗料は、融点が適正な範囲のものではなかった。実験例1の粉体塗料は、融点が低く、実験例2〜5と比べ、架橋密度が高く塗膜が固くなりやすいため、塗膜化した際に可とう性が劣るものであった。一方、実験例6の粉体塗料は、融点が高く、塗料が被着体に付着しにくく、塗膜が不均一になったため実用に耐えないものとなった。さらに架橋密度が低いため塗膜化した際にTgが低く耐熱性が劣るものとなった。
次に、表2に示すように、実験例7の粉体塗料は、(A)エポキシ樹脂の全体のエポキシ当量は670g/eq未満のものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際に可とう性が劣るものとなった。
また、実験例8の粉体塗料は、(A)エポキシ樹脂の全体のエポキシ当量は1200g/eqを超えるものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際にTgが低く耐熱性が劣るものとなった。
また、実験例9の粉体塗料は、(B)ゴム変性エポキシ樹脂を含まないものであった。その結果、実験例4と比べて塗膜化した際に可とう性が劣るものとなった。
また、実験例10の粉体塗料は、(B)ゴム変性エポキシ樹脂の代わりに、ウレタン変性エポキシ樹脂を用いたものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際にTgが低く耐熱性が劣るものとなった。
また、実験例11の粉体塗料は、(C)ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤の代わりノボラック型フェノール樹脂硬化剤を用いたものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際に可とう性が劣るものとなった。
また、実験例12の粉体塗料は、硬化促進剤として、(D1)イミダゾール誘導体、及び(D2)イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物の代わりに、トリフェニルホスフィンを用いたものであった。その結果、実験例4と比べて、速硬化性が劣るものであり、塗膜化した際に硬化が不十分なものとなったため、可とう性及び耐熱性が劣るものとなった。
また、実験例13の粉体塗料は、硬化促進剤として、(D1)イミダゾール誘導体を含まず、(D2)イミダゾール化合物のみを用いたものであった。その結果、実験例4と比べて、速硬化性が劣るものであり、塗膜化した際に硬化が不十分なものとなったため、Tgが低く耐熱性が劣るものとなった。
また、実験例14の粉体塗料は、硬化促進剤として、(D2)イミダゾール化合物を含まず、(D1)イミダゾール誘導体のみを用いたものであった。その結果、実験例4と比べて、硬化速度が速く、塗膜化した際に架橋密度が高くなりすぎたため、可とう性が劣るものとなった。
また、実験例15の粉体塗料は、(A):(B)が92:8よりも(B)が少なく配合したものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際に可とう性は低いものとなったが、実用上は全く問題のないものであった。
また、実験例16の粉体塗料は、(A):(B)が82:18よりも(B)が多く配合したものであった。その結果、実験例4と比べて、塗膜化した際にTgが低く耐熱性が低いものとなったが、実用上は全く問題のないものであった。
また、実験例17の粉体塗料は、(D1)1に対して(D2)が1配合したものであり、実験例4と比べて(D1)の配合量が多いものであった。その結果、実験例4と比べて、架橋密度が高くなり、塗膜化した際に可とう性は低いものとなったが、実用上は全く問題のないものであった。
また、実験例18の粉体塗料は、(D1)1に対して(D2)が5配合したものであり、実験例4と比べて、(D1)は同量で、(D2)の配合量は多いものであった。その結果、実験例4と比べて、総じて反応性が大きくなり架橋密度が高くなったと考えられ、塗膜化した際に可とう性は低いものとなったが、実用上は全く問題のないものであった。
また、実験例19の粉体塗料は、実験例4の粉体塗料に、黄変防止剤を含有させたものであった。その結果、黄変防止剤であるアジピンサンジヒドラジドは硬化反応に関与し、塗膜を固くする傾向にあるため、実験例4と比べて、塗膜化した際に可とう性が劣るものとなったが、実用上は全く問題のないものであった。
また、表2には記載していないが、実験例3の粉体塗料に、黄変防止剤を含有させて評価したところ、実験例4と実験例19で比較した場合と同じ傾向、すなわち実験例3に黄変防止剤を含有させたものは実験例3と比べて、塗膜化した際に可とう性が劣るものとなった。ただし、実用上は全く問題のないものであった。
次に、表3に示すように、実験例20〜24の粉体塗料は、エージング条件が適切でなく、融点が適正範囲から外れたものとなった。実験例20〜22の粉体塗料は、融点が60℃未満のものであり、実施例3と比べて、速硬化性が劣るものであり、塗膜化した際に硬化が不十分なものとなったため、可とう性及びTgが低く耐熱性が低いものとなった。
また、実験例23、24の粉体塗料は、融点が90℃を超えるものであり、実施例3と比べて、塗料が被着体に付着しにくく、塗膜が不均一になったため実用に耐えないものとなった。

Claims (9)

  1. 硬化物を形成するためのエポキシ樹脂粉体塗料であって、
    下記に示す(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、
    (D)は、下記に示す(D1)及び(D2)を含み、(D1):1に対する(D2)の質量比が0.5以上5.0以下である組成物の微粉砕物で構成してあり、融点が60〜90℃であるエポキシ樹脂粉体塗料。
    (A):エポキシ当量670〜1200g/eqのビスフェノール型エポキシ樹脂
    (B):ゴム変性エポキシ樹脂
    (C):ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤
    (D):硬化促進剤
    (D1):イミダゾール誘導体
    (D2):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物
  2. (B)は、エポキシ当量800〜1300g/eq のブタジエン・アクリロニトリルゴム変性エポキシ樹脂を含む請求項1に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  3. (A)と(B)の配合比が92:8〜82:18である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  4. (A)と(B)の合計エポキシ当量が750〜1250g/eqである請求項1〜3のいずれか記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  5. JIS C 2104に準じて測定したゲル化時間が100秒未満である請求項1〜4のいずれか記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載のエポキシ樹脂粉体塗料を熱硬化して得られ、
    JIS Z 2247に準じたエリクセン試験(押込み速度5〜10mm/分)による割れ発生時の押し込み深さ(エリクセン値)が9mm以上で、DSC(温度範囲25℃〜280℃、昇温速度10℃/分)によるガラス転移温度が90℃以上の硬化塗膜。
  7. 請求項6に記載の硬化塗膜が少なくとも一部に形成された加工鋼材。
  8. 硬化物を形成するためのエポキシ樹脂粉体塗料を製造する方法であって、
    下記に示す(A)、(B)、(C)、及び(D)を含み、(D)は、(D1)及び(D2)を含み、(D1):1に対する(D2)の質量比が0.5以上5.0以下である組成物を、その融点が60〜90℃となるまでエージングした後、微粉砕することを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
    (A):エポキシ当量670〜1200g/eqのビスフェノール型エポキシ樹脂
    (B):ゴム変性エポキシ樹脂
    (C):ビスフェノール型フェノール樹脂硬化剤
    (D):硬化促進剤
    (D1):イミダゾール誘導体
    (D2):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の付加反応物
  9. 40〜60℃及び24〜100時間の条件下でエージングする請求項8記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
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