以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1を参照し、ガスコンロ1について説明する。ガスコンロ1は、ビルトインコンロである。ガスコンロ1は筐体2と天板3を備える。筐体2は上部が開口し、開口部分に天板3が設置される。天板3において、右手前には右バーナ4、左手前には左バーナ5、中央奥側には奥バーナ6が設けられる。天板3の後方部には、筐体2内に設置されたグリル装置(図示略)の排気口7が設けられる。
ガスコンロ1の前面の略中央には、グリル扉8が設けられる。グリル扉8は、グリル装置に設けられるグリル庫(図示略)の前側開口部分を開閉する。グリル扉8の右側の領域には、正面視円形状の2つの操作つまみ11、12が横方向に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域には、操作つまみ11、12と同じ高さ位置に、同一形状の2つの操作つまみ13、14が横方向に並んで設けられる。操作つまみ11〜14の夫々は、右バーナ4、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)、奥バーナ6、左バーナ5の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ11〜14は、夫々、燃料供給装置20(図2参照)の前端部に取り付けられる。
図2を参照し、燃料供給装置20について説明する。ガスコンロ1は、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6、及びグリル装置にガスを供給する4つの燃料供給装置を備える。そのうち、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20は公知のプッシュ・プッシュ機構24を備えた同一構成の装置である。また、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置(図示略)は、燃料供給装置20と同様のプッシュ・プッシュ機構を備えるが、ガス流量の調節を電磁弁によって行うため、流量調節部(図示略)を別体に設ける。以下では、左バーナ5にガスを供給する燃料供給装置20を一例として説明し、右バーナ4、奥バーナ6、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置については説明を省略する。なお、右バーナ4にガスを供給する燃料供給装置と、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置は、燃料供給装置20と同一構成であるので、便宜上、同一の符号を付して燃料供給装置20と呼ぶ。
図2に示すように、燃料供給装置20は、操作つまみ14の押し込み操作と回動操作により、左バーナ5の点火と消火、及び左バーナ5に供給するガス量の調節を行う装置である。押し込み操作は、操作つまみ14の前面を後方へ押圧し、ガスコンロ1の前面よりも奥側に押し込む操作である。回動操作は、操作つまみ14の側面を把持し、前後方向の軸(軸心AX)を中心に回転する操作である。燃料供給装置20は、操作部21、ガス流路部22、火力調節カム26、流量調節部31等を備える。
操作部21は操作つまみ14、プッシュ・プッシュ機構24、連結部材25を備える。連結部材25は後述する。操作つまみ14は略円柱状に形成される。操作つまみ14は、ガスコンロ1の後方へ向けて押し込み移動させることにより、待機位置、押込位置、操作位置の各位置に移動する。待機位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面とほぼ面一となる位置である。待機位置において、操作つまみ14の先端面は、ガスコンロ1の前面よりも僅かに後側に位置してもよいし、僅かに前側に位置してもよい。なお、図2に示す燃料供給装置20は、操作つまみ14が待機位置に位置する。押込位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面よりも後方に押し込まれた位置である。操作つまみ14は、押込位置にて待機位置よりも後方に位置する。操作位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面に対して突出する位置である。操作つまみ14は、操作位置にて待機位置よりも前方に位置する。操作位置にあるとき、操作つまみ14は、前後方向に沿う軸心AXを中心に回転可能(回動操作可能)である。
プッシュ・プッシュ機構24は、操作つまみ14を待機位置、押込位置、操作位置の各位置にて位置決めし、各位置に応じて後述するメイン弁(図示略)を開放状態又は閉鎖状態に維持する。プッシュ・プッシュ機構24の内部には、操作つまみ14の押し込み操作に合わせて前後方向に移動するスライダ(図示略)と、スライダを前方へ向けて付勢するバネと、メイン弁を駆動する弁駆動部(図示略)が設けられる。スライダには公知のカム機構(図示略)が設けられる。スライダは、操作つまみ14が押し込み操作される度に、操作つまみ14を待機位置から押込位置を経て操作位置に移動する動作と、操作位置から押込位置を経て待機位置に移動する動作とを繰り返す。弁駆動部は、操作つまみ14が待機位置から操作位置に移動する動作に連動してメイン弁を開放し、且つ開放状態に維持する動作を行い、操作つまみ14が操作位置から待機位置に移動する動作に連動してメイン弁を閉鎖し、且つ閉鎖状態に維持する動作を行う。
ガス流路部22は、プッシュ・プッシュ機構24の後側に連結される。ガス流路部22の内部には第一ガス通路(図示略)が形成される。第一ガス通路は、下部に開口する導入口23に接続するガス供給管(図示略)から供給されるガスを、流量調節部31に流通する。第一ガス通路には安全弁(図示略)とメイン弁(図示略)が設けられる。安全弁は、第一ガス通路を閉じる閉状態に弾性付勢された電磁操作式の弁である。メイン弁は、操作つまみ14の押し込み操作に応じて第一ガス通路の開閉を行う弁である。なお、メイン弁と安全弁は何れも周知のものであるので、動作の詳細な説明は省略する。
流量調節部31はプッシュ・プッシュ機構24とガス流路部22の上部に設けられる。流量調節部31の内部には第二ガス通路(図示略)が形成される。第二ガス通路は、ガス流路部22から供給されるガスを流通し、上部に開口する流出口32に接続されるガス供給管(図示略)を介して左バーナ5に供給する。流量調節部31の前端部には第二ガス通路に連通する穴部30が形成され、ニードル弁28が挿入される。ニードル弁28は、前端部側が穴部30から外部に露出され、後端部側が第二ガス通路内にて前後方向に移動可能に配置される。ニードル弁28の前端部には、上下方向に延びるピン29が設けられる。ピン29の下端部は、火力調節カム26のカム溝27(後述)に係合する。
火力調節カム26は略半円筒状に形成され、プッシュ・プッシュ機構24の前端側上部を覆うようにして、軸心AXの回りを回転可能に設けられる。火力調節カム26は、前後方向への移動が規制される。火力調節カム26の外周部には、カム溝27が設けられる。カム溝27は、軸心AXを中心とする螺旋状に形成される。カム溝27にはニードル弁28に設けられたピン29の下端部が係合する。火力調節カム26が回転すると、カム溝27がピン29を案内し、ニードル弁28を前後方向に移動する。
火力調節カム26は、前方に延びる延伸部(図示略)を備え、延伸部の前端部分に内向きに突出する歯部35(図3参照)を有する。歯部35は操作つまみ14が操作位置にあるときに連結部材25の歯部38(後述)に噛合し、連結部材25を介して火力調節カム26を操作つまみ14と共に軸心AXを中心に回転する。火力調節カム26の延伸部の外周面には、LED操作部材36が固定される。LED操作部材36は、前方に延びる係合片37を有する。LED操作部材36は鍔付筒部70(後述)に係合し、鍔付筒部70を火力調節カム26と共に軸心AXを中心に回転する。
操作部21の連結部材25は、プッシュ・プッシュ機構24のスライダから前方に延び、軸心AXを軸とする軸体(図示略)に係合する。連結部材25は、前端部にて操作つまみ14を一体に固定し、操作つまみ14と共に軸心AXを中心に回転可能に設けられる。連結部材25は、後端部外周面に、火力調節カム26の歯部35に噛合する歯部38を有する。操作つまみ14が操作位置にあるとき、連結部材25の歯部38は火力調節カム26の歯部35と噛合し、操作つまみ14と火力調節カム26を連結する。操作つまみ14が操作位置にない場合には、火力調節カム26の歯部35は連結部材25の歯部38の前方に位置して噛合せず、操作つまみ14と火力調節カム26の連結状態を解除する。
次に、操作つまみ14の回動操作による点火及び消火と火力の調節について説明する。左バーナ5の消火時、操作つまみ14は、待機位置にある。ユーザが操作つまみ14を押し込み、操作つまみ14が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁が開放され、イグナイタ(図示略)によって左バーナ5が点火される。ユーザが操作つまみ14から手を離すと、操作つまみ14はバネの付勢により操作位置に移動する。安全弁とメイン弁は開放状態に維持される。連結部材25によって、操作つまみ14と火力調節カム26が連結される。
操作つまみ14が操作位置にある状態で操作つまみ14が回動操作されると、火力調節カム26は操作つまみ14と共に軸心AXの回りを回転する。火力調節カム26が回転すると、ニードル弁28のピン29がカム溝27に案内されて、前後方向に移動する。これにより、ニードル弁28が前後方向に移動するので、ニードル弁28の位置に応じて、第二ガス通路を流通するガスの流量が調節され、左バーナ5の火力が変更される。
ユーザが操作つまみ14を押し込み、操作つまみ14が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁が閉鎖される。左バーナ5は消火する。ユーザが操作つまみ14から手を離すと、操作つまみ14はバネの付勢により待機位置に移動する。安全弁とメイン弁は閉鎖状態に維持される。
このように、燃料供給装置20は、操作つまみ14の回動操作に伴い、火力調節カム26がニードル弁28を移動することによって、流量調節部31の第二ガス通路を流通するガスの流量を無段階に調節する。即ち、操作つまみ14の回転量に応じて、左バーナ5の火力がリニアに変化する。右バーナ4、奥バーナ6に夫々対応する操作つまみ11、13についても同様である。ガスコンロ1は、操作つまみ11、13、14の夫々の回転量に応じた火力表示を行うため、前面に設けるパネル装置9A、9Bに火力表示機能を備える。
図1に示すように、ガスコンロ1は、グリル扉8の右側の領域に、右バーナ4とグリル装置の火力表示を行うパネル装置9Aを備え、グリル扉8の左側の領域に、左バーナ5と奥バーナ6の火力表示を行うパネル装置9Bを備える。
なお、グリル装置の燃料供給装置は、操作つまみ12の回転位置に応じてオン・オフが切り替わる複数のスイッチ(図示略)を備える。グリル装置の流量調節部は、複数のスイッチのオン・オフの状態に応じて複数の電磁弁の開閉状態を切り替えることによって、グリルバーナの火力調節を行う。従って、グリル装置の火力表示は、複数のスイッチのオン・オフの状態に合わせ、パネル装置9Aに設けたLEDの点灯・消灯の状態を段階的に切り替えることによって行われる。
これに対し、パネル装置9Aにおける右バーナ4の火力表示と、パネル装置9Bにおける左バーナ5と奥バーナ6の火力表示を行う上で、燃料供給装置20は、操作つまみ11、13、14の回転量を検出するエンコーダを搭載しない。よって、パネル装置9A、9Bは、操作つまみ11、13、14の回転位置に応じてLEDの点灯・消灯の状態を切り替える制御は行わない。本実施形態では、パネル装置9A、9Bは、操作つまみ11、13、14の回転位置に対応する位置のLED光を透過し、他の位置のLED光を遮蔽することによって火力表示を行う。
図2〜図5を参照し、パネル装置9Bについて説明する。なお、パネル装置9Aにおける右バーナ4の火力表示に係る部分の構成は、パネル装置9Bにおける左バーナ5、奥バーナ6の火力表示に係る部分の構成と同じである。よって、パネル装置9Aの構成は、パネル装置9Bの構成に準ずるものとして、説明を省略する。
図3に示すように、パネル装置9Bは、パネル本体部100、電装基板60、鍔付筒部70、化粧パネル80を備える。パネル本体部100は、筐体2の前端部に組み付けられる。パネル本体部100の下側部分101は箱型に形成され、操作パネル(図示略)が収容される。図3、図4に示すように、パネル本体部100の上側部分102は、下側部分101から上方へ向けて板状に突出する前壁部110を有する。前壁部110の上端部、左端部、及び右端部は、夫々後方に突出する上壁部115、左壁部117、右壁部118を形成する。
前壁部110には、前後方向に貫通する2つの貫通穴120、125が左右方向に並んで形成される。貫通穴120、125の内径は、操作つまみ13、14の外径より大きい。左バーナ5と奥バーナ6の燃料供給装置20は、左右に並べた状態で、取付金具33を用い、前壁部110に後側から固定される。奥バーナ6用の燃料供給装置20の連結部材25と操作つまみ13は、貫通穴120内に配置される。左バーナ5用の燃料供給装置20の連結部材25と操作つまみ14は、貫通穴125内に配置される。
2つの貫通穴120、125の縁部上側には、夫々、複数の導光部130、135が周方向に並んで設けられる。導光部130、135は、前壁部110から後方へ向けて前後方向に延びる筒状体であり、夫々、貫通穴120、125上側の縁部分から後方に突出する。本実施形態では、導光部130、135は夫々7つずつ設けられ、周方向に連結されて円弧状の壁状を呈する。導光部130、135の夫々の筒穴131、136は、互いに独立に形成される。
図4に示すように、導光部130の左端部と、導光部135の右端部は接続し、背面視、上側に凸状の円弧を左右に連結した形状を呈する。導光部130の左側面132と、導光部135の右側面137は、左右方向において対面し、前壁部110の後面111を底面とする凹部の一側面を構成する。導光部130の左側面132と、導光部135の右側面137と、前壁部110の後面111とは、前壁部110の後側に、凹部状の領域Sを形成する。領域Sは、後述する電装基板60のコネクタ66(図5参照)を配置可能な大きさを有する。導光部130、135の周囲には、後述する電装基板60を前壁部110にネジで固定するネジ穴である複数の固定部113と、電装基板60を位置決めする突起部114が設けられる。突起部114は、貫通穴120の右側と、貫通穴125の左側に設けられ、後方に突出する。導光部130、135の後面には電装基板60の実装面61(図5参照)が当接する。
上壁部115の下面116は、導光部130、135よりも上方に位置する。下面116は、電装基板60がパネル本体部100に組み付けられた状態で、電装基板60の上端部62よりも上方に位置し、上端部62との間に、後述するケーブル50の端子部51が通過可能な間隙G(図6参照)を有する。また、上壁部115は、下面116において導光部130、135の後面よりも後方の位置から下方に突出し、先端部105Aが前方へ向けて鉤状に屈曲する引掛部105を備える。引掛部105は導光部130の上方に位置し、ケーブル50の貫通穴120よりも右側において敷設される部分を掛け留める。
前壁部110は、貫通穴120の縁部右側に、後面111から後方に突出する案内壁部106を有する。案内壁部106は、円弧状の板状に突出し、パネル本体部100の上側部分102の右壁部118との間に間隙を有する。右壁部118と案内壁部106は、夫々、導光部130、135の後面よりも後方に延びる。案内壁部106の後端部106Aは、右壁部118側(右側)に鉤状に屈曲する。案内壁部106はケーブル50の貫通穴120よりも右側において敷設される部分を掛け留める。
また、前壁部110の左上角部には、開口部112が形成される。開口部112内には、赤外線送信部112Aが配置される。赤外線送信部112Aは、ガスコンロ1の駆動に連動する換気扇(図示略)等の操作に用いられる。
上側部分102の後面には、電装基板60が固定される。図5に示すように、電装基板60は左右方向に長く延び、貫通穴120、125に干渉しないように、下端部63A、63Bが二双の円弧状に形成される。電装基板60は片面実装型の基板であり、実装面61にのみ電子部品が実装される。実装面61には、複数のLED65A、65Bと、LED65A、65Bに通電するケーブル50の端子部51が接続されるコネクタ66が設けられる。
LED65Aは、貫通穴120側の下端部63Aに沿って円弧状に並んで配置される。LED65Bは、貫通穴125側の下端部63Bに沿って円弧状に並んで配置される。本実施形態では、LED65A、65Bは、夫々7つ設けられる。LED65A、65Bは実装面61上で、導光部130、135の各筒穴131、136の形成位置に対応する位置に実装される。電装基板60がパネル本体部100に組み付けられると、導光部130、135の後面に実装面61が当接し、筒穴131、136の後側開口が閉じられる。各LED65A、65Bは各筒穴131、136内に配置される。
コネクタ66は、実装面61の左右方向の略中央で、LED65Aの左斜め上方、且つLED65Bの右斜め上方に配置される。コネクタ66の下部は、複数のLED65Aのうち、最も上部に配置されるLED65Aよりも下側に配置される。ケーブル50の端子部51がコネクタ66に接続された場合で、端子部51の上端部は電装基板60の上端部62よりも突出する。実装面61におけるコネクタ66の表面高さD、即ちコネクタ66が実装面61から前方に突出する長さは、導光部130、135が前壁部110から後方へ向けて延びる長さLよりも小さい(図3参照)。
図2に示すように、鍔付筒部70は、本体部71とフランジ部76を備える。本体部71は前後方向に延びる円筒形状を呈する。本体部71の外径はパネル本体部100の貫通穴120、125の内径より小さく、内径は操作つまみ11、13、14の外径より大きい(図3参照)。本体部71は周方向の3ヶ所に、2つのフック75と1つの係合部74を有する。2つのフック75は、貫通穴120、125の後面に掛け留められ、鍔付筒部70を、軸心AXを中心に回転可能に保持する。係合部74は、LED操作部材36の係合片37に係合する。本体部71において、係合部74を周方向の両側から挟む部分は夫々後方へ延び、係合片37を外れにくくする。フランジ部76は、本体部71の前端部分にて径方向外向きに突出し、周方向に一周する鍔状に形成される。フランジ部76は、切り欠き状の光通過部77を有する。
図3に示すように、化粧パネル80は、パネル本体部100の上側部分102の前側に組み付けられる板状体である。化粧パネル80は、前後方向に貫通する2つの開口部86A、86Bと、夫々の開口部86A、86Bの上部に配列される複数の透光部81A、81Bと、左側の開口部86Bの斜め左上に形成される窓部82を有する。化粧パネル80は正面視略長方形状であり、上端部にスライドロック85を備える。化粧パネル80をパネル本体部100の上側部分102に組み付けたとき、スライドロック85を右側にスライドすると、化粧パネル80がパネル本体部100に固定される。
開口部86A、86Bは左右方向に並んで形成される。開口部86A、86Bの内径は、夫々、操作つまみ13、14の外径より大きい。2つの開口部86A、86B内には夫々、操作つまみ13、14が配置される。透光部81A、81Bは、化粧パネル80をパネル本体部100の上側部分102に組み付けたときの導光部130、135の夫々の形成位置に対応する位置に設けられる。透光部81A、81B、LED65A、65Bから出射され、導光部130、135を介して後面から入射する光を、内部を通して前面に導き、前面から前方へ出射する。また、窓部82は、赤外線送信部112A(図4参照)から送信される赤外線を通過する。
次に、電装基板60の組み付けについて説明する。図3、図6に示すように、電装基板60は、実装面61(図5参照)を前方へ向けた状態で、パネル本体部100の前壁部110の後面111側に配置される。電装基板60の下端部63A右側の下端64Aが、貫通穴120の右側の突起部114に当接し、下端部63B左側の下端64Bが、貫通穴125の左側の突起部114に当接することによって、電装基板60が位置決めされる。
コネクタ66は、導光部130の左側面132と、導光部135の右側面137と、前壁部110の後面111とで形成される凹部状の領域S(図4参照)内に配置される。よってコネクタ66は左側面132及び右側面137に接触せず、導光部130、135と干渉しない。コネクタ66の表面高さDは、導光部130、135が前壁部110の後面111から突出する長さLより小さい。よってコネクタ66は後面111に接触せず、前壁部110とも干渉しない。各LED65A、65Bは各筒穴131、136内に配置される。よって実装面61は、導光部130、135の後面に当接することができる。電装基板60は固定部113にネジ止めされ、パネル本体部100に組み付けられる。実装面61が導光部130、135の後面に密接するので、LED65A、65Bが発する光は筒穴131、136から漏れない。
電装基板60は片面実装型であるので、後面には電子部品が配置されていない。ケーブル50は、ガスコンロ1のコントローラ(図示略)と電装基板60を電気的に接続する。ケーブル50の端子部51は、電装基板60の固定前に、予め、コネクタ66に接続される。ケーブル50は電装基板60の上端部62とパネル本体部100の上壁部115の下面116との間隙Gを通り、電装基板60の後面側に引き出される。間隙Gは、上下方向において、ケーブル50の端子部51が通過可能な大きさを有する。故に端子部51は、電装基板60をパネル本体部100に組み付けた後からでも、コネクタ66に取り付けたり、コネクタ66から取り外したりすることができる。
コントローラからのケーブル50は、前壁部110の左角部に設けられる赤外線送信部112Aと、パネル本体部100の下側部分101に設けられる操作パネル(図示略)にも配線される。赤外線送信部112Aに配線されるケーブル50は、端子部51の近くにおいて分岐され、上壁部115の下面116に沿って左方に敷設される。操作パネルに配線されるケーブル50は、端子部51の近くにおいて分岐され、上壁部115の下面116に沿って右方に敷設され、引掛部105の先端部105Aに引っ掛けられる。これにより、ケーブル50は電装基板60の後面側で下方に垂れず、下面116の直下において敷設されるので、例えば煮汁がパネル本体部100内に進入しても、ケーブル50には付着しにくい。
更にケーブル50は、右壁部118の左面に沿って下方に敷設される。ケーブル50は、右壁部118と案内壁部106の間を通る経路で敷設され、下側部分101の操作パネルに接続される。故にケーブル50は、貫通穴120内に配置される操作つまみ13や、奥バーナ6用の燃料供給装置20に接触することが防止される。
図3に示すように、電装基板60が組み付けられたパネル本体部100の裏面には、左バーナ5用の燃料供給装置20と、奥バーナ6用の燃料供給装置20とが、左右に並べられた状態で、取付金具33を用い、ネジで固定される。LED操作部材36の係合片37は、鍔付筒部70の係合部74に係合する。よって鍔付筒部70は、LED操作部材36が固定される火力調節カム26が軸心AXの周りを回転するとき、パネル本体部100の貫通穴120、125内で軸心AXを中心に回転する。
電装基板60のLED65A、65Bは、安全弁の開放時に全てが点灯する。前述したように、操作つまみ13、14が操作位置にあるとき、火力調節カム26は操作つまみ13、14と連結し、操作つまみ13、14の回動操作に応じて奥バーナ6、左バーナ5の火力を調節することができる。操作つまみ13、14が回転すると、鍔付筒部70はLED操作部材36を介して火力調節カム26と共に軸心AXの周りを回転する。フランジ部76は、光通過部77と重なる位置を除き、導光部130、135の筒穴131、136を介して前方に照射されるLED65A、65Bの光を遮る。操作つまみ13、14が回転され、火力が変更されると、光通過部77が軸心AXの周りを周方向に移動し、LED65A、65Bの光が通過可能となる導光部130、135が周方向の並びに従って変更される。光通過部77を通過したLED65A、65Bの光は、導光部130、135に対応する透光部81A、81Bを介することによって、化粧パネル80の表面において点灯表示される。よってパネル装置9Bは、化粧パネル80の表面においてLED65A、65Bの光が点灯した位置によって、火力表示を行うことができる。
以上説明したように、2つの導光部130、135は、コネクタ66の表面高さDよりも長い長さLで前後方向に延びる。固定部113に電装基板60を固定したとき、導光部130、135が電装基板60のLED65A、65Bに対向するので、実装面61と前壁部110の後面111との間には、導光部130、135の前後方向の長さ分の間隙が形成される。また、導光部130、135が隣り合う貫通穴120、125の縁部上側に夫々位置する形態であるので、2つの導光部130、135の側面のうち、隣の導光部130、135側に位置する左側面132、右側面137は、左右方向において間隙を形成する。よって、導光部130、135の左側面132、右側面137と前壁部110の後面111との間には、コネクタ66を配置可能な領域Sが形成される。電装基板60の実装面61において、電装基板60を固定部113に固定した時に上記の領域S内にコネクタ66が配置される部位にコネクタ66を実装することで、コネクタ66が前壁部110とも導光部130、135とも干渉することなく、電装基板60をパネル装置9Bに組み付けることができる。故に、電装基板60として片面実装型の電装基板60を使用することができ、ガスコンロ1の製造コストを低減することができる。
導光部130、135を構成する夫々の筒状体の筒穴131、136内にLED65A、65Bを夫々配置し、実装面61を固定部113に当接させて電装基板60を固定することで、導光部130、135からの光漏れを抑制することができる。また、筒穴131、136を介することで効率よくLED65A、65Bの光を前方に照射することができるので、操作つまみ13、14の回動位置に対応する火力表示の認識性を高めることができる。
ガスコンロ1の使用時に煮汁等がこぼれてパネル装置9B内に進入したとき、上壁部115は、煮汁が電装基板60に付着することを防止することができる。また、コネクタ66に接続されるケーブル50を引掛部105に引っ掛けることで、パネル装置9B内でケーブル50が上壁部115の下側に配置されるように位置決めすることができるので、煮汁がケーブル50に付着し、ケーブル50を伝って電装基板60に付着することを防止することができる。
コネクタ66が電装基板60の上端部62寄りにあり、パネル装置9Bの上壁部115と上端部62との間に、ケーブル50の端子部51の大きさに対応する間隙Gが設けられている。故に、電装基板60を固定部113に固定した状態でもコネクタ66にケーブル50の端子部51を抜き差しできるので、ガスコンロ1内におけるケーブル50の取り回しを容易に行うことができる。
パネル装置9B内でケーブル50が右壁部118と案内壁部106の間を通る経路で敷設されるように位置決めすることができるので、ケーブル50が燃料供給装置20に接触することを防止できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。導光部130、135は、円弧状に配列されていなくてもよい。例えば、図7に示すように、パネル装置9Bのパネル本体部100における電装基板60の組み付け構造を、導光部235が円弧状に配列されていない、パネル装置9Aのパネル本体部200にも適用できる。パネル本体部200の右側の貫通穴220内には、右バーナ4用の燃料供給装置20の操作つまみ11が配置される。右バーナ4の火力表示を行うための導光部230は、左バーナ5の火力表示を行う導光部130と同様の構成であり、貫通穴220の縁部上側において円弧状に配置される。一方、グリルバーナ用の燃料供給装置は、複数のスイッチによって電磁弁の開閉状態を切り替える。故に、グリルバーナの火力表示は、例えば3列2段に配置した6つのLEDによって行われ、グリルバーナ用の導光部235も、3列2段に配置される。このような構成のパネル本体部200においても、導光部230の左側面232と、導光部235の右側面237と、前壁部210の後面211とで凹部状の領域Sを形成することができ、電装基板のコネクタ266を、領域S内に配置することができる。
引掛部105、案内壁部106は、夫々複数あってもよい。または、引掛部105、案内壁部106はなくてもよい。あるいは、上壁部115側に案内壁部を設け、右壁部118側に引掛部を設けてもよい。LED65A、65Bは、導光部130、135の数の分なくてもよく、少数のLEDと拡散板を用い、導光部130、135の筒穴131、136内にLED光が導かれるようにしてもよい。
電装基板60の上端部62と上壁部115の下面116との間隙Gは、コネクタ66に接続するケーブル50の端子部51が通過できない大きさであってもよい。この場合、ケーブル50の途中に、挿抜可能なコネクタを設けてもよい。また、赤外線送信部112、操作パネル、電装基板60は、夫々異なる経路で配線されてもよい。
上記説明において、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6、グリルバーナが、本発明の「バーナ」の一例である。LED65A、65Bが、本発明の「発光部」の一例である。ケーブル50が、本発明の「信号線」の一例である。左側面132、232、右側面137、237が、本発明の「側面」の一例である。右壁部118が、本発明の「側壁部」の一例である。