以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造等は、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明では、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1を参照して、コンロ1について説明する。コンロ1は、ビルトインタイプのガスコンロである。コンロ1は筐体2と天板3とを備える。筐体2は、上部が開口した略直方体状に形成される。天板3は、筐体2の開口部分に設置される。天板3において、右前部に右バーナ4、左前部に左バーナ5、中央部に奥バーナ6が、それぞれ設けられる。天板3の後部には、筐体2の内部に設置されたグリル庫(図示略)の使用時にグリル庫の内部に生ずる燃焼排気を外部に排出する排気口7が設けられる。
コンロ1の前面の略中央には、グリル庫の前側開口部分を開閉するグリル扉8が設けられる。グリル扉8の右側の領域には、正面視円形状の2つの操作つまみ11,12が左右方向に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域には、操作つまみ11,12と同じ高さの位置に、同一形状の2つの操作つまみ13,14が左右方向に並んで設けられる。操作つまみ11,12,13,14のそれぞれは、右バーナ4、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)、奥バーナ6、左バーナ5の点火、消火、及び火力調節を行うために設けられる。
図2を参照して、燃料供給装置20について説明する。コンロ1は、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6のそれぞれに燃料であるガスを供給する3つの燃料供給装置20を、筐体2の内部に備える。操作つまみ11,13,14は、それぞれ、燃料供給装置20の前端部に取り付けられる。コンロ1は、グリルバーナにガスを供給する燃料供給装置(図示略)も、筐体2の内部に備える。グリルバーナにガスを供給する燃料供給装置は、燃料供給装置20の構成に加えて、グリルバーナの火力を弱火力と強火力とに切替えるための電磁弁、グリルバーナに供給するガス圧を調節するためのガバナ装置等を備える。操作つまみ12は、グリルバーナにガスを供給する燃料供給装置の前端部に取り付けられる。グリルバーナにガスを供給する燃料供給装置については、説明を省略する。以下では、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20及び奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20に対応する操作つまみ13について説明する。本発明が実現する、後述する操作つまみ13における奥バーナ6の火力表示は、操作つまみ11,12,14における右バーナ4、グリルバーナ、左バーナ5の火力表示においても同様に行われる。
操作つまみ13は、前後方向に延びる外周部132及び前端部を覆う円形の平面部である前面134を有し、前後方向に延びる円筒形状の本体部131を備える。燃料供給装置20は、操作つまみ13の押込操作に応じて奥バーナ6の点火及び消火を行い、操作つまみ13の回動操作に応じて奥バーナ6へのガスの供給量の調節を行う。押込操作は、操作つまみ13を後方へ押圧し、操作つまみ13の前面134をコンロ1の筐体2の前面F(パネル装置9Bの前面、図1参照)よりも後方に押し込む操作である。回動操作は、操作つまみ13の外周部132を指等で摘まみ、前後方向に延びる軸(軸心AX)を中心に操作つまみ13を回転する操作である。
燃料供給装置20は、プッシュ・プッシュ機構24、ガス流路部22、火力調節カム26、流量調節部31、連結部材25、中火ガイド90等を備える。プッシュ・プッシュ機構24は、公知の機構であり、本実施形態では、操作つまみ13を待機位置、押込位置、操作位置の各位置にて位置決めし、各位置に応じて後述するメイン弁(図示略)を開放状態又は閉鎖状態に維持するために用いられる。待機位置は、操作つまみ13の前面134が、コンロ1の筐体2の前面Fと前後方向においてほぼ同じ位置となる位置である。待機位置において、操作つまみ13の前面134は、前面Fよりも僅かに後側に位置してもよいし、前面Fよりも僅かに前側に位置してもよい。押込位置は、操作つまみ13の前面134が、前面Fよりも後方に押し込まれた位置である。押込位置において、操作つまみ13は待機位置よりも後方に位置する。操作位置は、操作つまみ13の後端部133が前面Fよりも後方に位置するとともに、操作つまみ13の本体部131の大部分が前面Fよりも前方に突出する位置である。操作位置において、操作つまみ13は待機位置よりも前方に位置する。操作つまみ13は、操作位置にある場合、軸心AXを中心に回転可能(回動操作可能)である。
プッシュ・プッシュ機構24は、操作つまみ13の押込操作に合わせて前後方向に移動するスライダ40、スライダ40を前方へ押し戻すバネ(図示略)、メイン弁を駆動する弁駆動部(図示略)等を備える。スライダ40は、操作つまみ13が押込操作される度に、操作つまみ13を待機位置から押込位置を経て操作位置に移動する動作と、操作位置から押込位置を経て待機位置に移動する動作とを繰り返す。弁駆動部は、操作つまみ13が待機位置から操作位置に移動する動作に連動してメイン弁を開放し、且つ開放状態に維持する動作を行い、操作つまみ13が操作位置から待機位置に移動する動作に連動してメイン弁を閉鎖し、且つ閉鎖状態に維持する動作を行う。
ガス流路部22は、プッシュ・プッシュ機構24の後側に連結される。ガス流路部22の内部には第一ガス通路(図示略)が形成される。第一ガス通路は、下部に開口する導入口23に接続するガス供給管(図示略)から供給されるガスを、流量調節部31に流通する。第一ガス通路には安全弁(図示略)とメイン弁(図示略)とが設けられる。安全弁は、第一ガス通路を閉じる閉状態に弾性付勢された電磁操作式の弁である。メイン弁は、操作つまみ13の押込操作に応じて第一ガス通路の開閉を行う弁である。なお、メイン弁及び安全弁は周知のものであるので、動作の詳細な説明は省略する。
流量調節部31はプッシュ・プッシュ機構24とガス流路部22との上部に設けられる。流量調節部31の内部には第二ガス通路(図示略)が形成される。第二ガス通路は、ガス流路部22から供給されるガスを流通し、上部に開口する流出口(図示略)に接続されるガス供給管(図示略)を介して奥バーナ6に供給する。なお、図示しないが、グリルバーナにガスを供給する燃料供給装置の上側にはガバナ装置が設けられ、流出口から流出するガスがガバナ装置の内部に導入される。ガバナ装置は、内部に導入したガスの圧力を調節してグリルバーナに供給する。
流量調節部31の前端部には第二ガス通路に連通する穴部30が形成され、ニードル弁28が挿入される。ニードル弁28は、前端部側が穴部30から外部に露出され、後端部側が第二ガス通路内にて前後方向に移動可能に配置される。ニードル弁28の前端部には、上下方向に延びるピン29が設けられる。
火力調節カム26は略半円筒状に形成され、プッシュ・プッシュ機構24の前端側上部を覆うようにして、軸心AXの周りを回転可能に設けられる。火力調節カム26は、前後方向への移動が規制される。火力調節カム26の外周部には、カム溝27が設けられる。カム溝27は、軸心AXを中心とする螺旋状に形成される。カム溝27にはニードル弁28に設けられたピン29の下端部が係合する。火力調節カム26が回転すると、カム溝27がピン29を案内し、ニードル弁28を前後方向に移動する。
火力調節カム26は、前方に延びる延伸部34を備え、延伸部34の前端部分に、内向きに突出する歯部35を有する。操作つまみ13が操作位置にある場合、歯部35は連結部材25の歯部38(後述)に噛み合い、連結部材25を介して火力調節カム26を操作つまみ13とともに軸心AXを中心に回転する。延伸部34の外周面には、筒状体操作部材36が固定される。筒状体操作部材36は、前方に延びる係合片36Bを有する。筒状体操作部材36は筒状体70(後述)に係合し、筒状体70を火力調節カム26とともに軸心AXを中心に回転する。延伸部34は、途中で狭窄するテーパ部34Aを備える。操作つまみ13に対する押込操作がなされる場合、テーパ部34Aは中火ガイド90に係合し、中火ガイド90を回転する。
連結部材25は、プッシュ・プッシュ機構24のスライダ40から前方に延び、軸心AXを軸とする軸体37に係合する。連結部材25は軸体37の前端部に保持され、軸心AXを中心に軸体37の周囲を回転可能な状態で、スライダ40とともに前後方向へ移動可能に設けられる。操作つまみ13は連結部材25の先端部25Aに保持され、連結部材25とともに前後方向へ移動可能、且つ軸心AXを中心に回転可能に設けられる。連結部材25は、火力調節カム26の歯部35に噛み合う歯38Aを複数有する歯部38を、後端部の外周面に有する。操作つまみ13が操作位置にある場合、連結部材25の歯部38は火力調節カム26の歯部35と噛み合い、操作つまみ13と火力調節カム26とを連結する。操作つまみ13が操作位置にない場合、火力調節カム26の歯部35は連結部材25の歯部38の前方に位置して歯部38と噛み合わず、操作つまみ13と火力調節カム26との連結状態を解除する。
中火ガイド90は連結部材25の後側に配置される。中火ガイド90はスライダ40の軸体37に固定されて、スライダ40とともに前後方向へ移動可能に設けられる。中火ガイド90は、固定部91、半鍔部92、案内部93を有する。固定部91は筒状であり、中火ガイド90を軸体37に固定する。半鍔部92は固定部91の前端部のうち下側の部分から径方向外向きに鍔状に突出する。連結部材25は半鍔部92の前面に対して回転可能に設けられる。
案内部93は略筒状であり、下側部分の後端部内面が半鍔部92の外周部分に接続する。案内部93の上側部分は下側部分よりも大径に設けられ、後端部内面と固定部91の前端部のうち上側の部分との間に開口部94が形成される。開口部94には、火力調節カム26の延伸部34のテーパ部34Aが挿通される。案内部93の下側部分の内径は、連結部材25の歯部38の最大径よりも大きい。また、案内部93の上側部分の上面には、案内突起95が設けられる。案内突起95は、筒状体操作部材36の下面に設けられる溝部36Aに係合する。
操作つまみ13の押込操作及び回動操作による奥バーナ6の点火及び消火と火力の調節について説明する。奥バーナ6が消火している場合、操作つまみ13は待機位置にある。コンロ1の使用者が待機位置にある操作つまみ13を押し込み、操作つまみ13が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁が開放され、イグナイタ(図示略)によって奥バーナ6が点火される。使用者が押込位置にある操作つまみ13から手を離すと、プッシュ・プッシュ機構24のバネがスライダ40を前方へ押し戻すことに応じて、操作つまみ13が操作位置に移動する。安全弁とメイン弁は開放状態に維持される。連結部材25によって、操作つまみ13と火力調節カム26とが連結される。
操作位置にある操作つまみ13が回動操作されると、連結部材25の歯部38が火力調節カム26の歯部35と噛み合った状態で、火力調節カム26が操作つまみ13とともに軸心AXの周りを回転する。火力調節カム26が回転すると、ニードル弁28のピン29がカム溝27に案内されて、前後方向に移動する。これにより、ニードル弁28が前後方向に移動する。ニードル弁28の位置に応じて、第二ガス通路を流通するガスの流量が調節され、奥バーナ6の火力が変更される。
使用者が操作位置にある操作つまみ13を押し込み、操作つまみ13が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁とが閉鎖される。奥バーナ6は消火する。使用者が押込位置にある操作つまみ13から手を離すと、プッシュ・プッシュ機構24のバネがスライダ40を前方へ押し戻すことに応じて、操作つまみ13が待機位置に移動する。安全弁とメイン弁は閉鎖状態に維持される。
このように、操作位置にある操作つまみ13の回動操作に伴い、連結部材25が火力調節カム26を回転させる。回転する火力調節カム26がニードル弁28を移動することによって、流量調節部31の第二ガス通路を流通するガスの流量が無段階に調節される。すなわち、操作つまみ13の回転量に応じて連結部材25が奥バーナ6へのガスの供給量を調節し、奥バーナ6へのガスの供給量に応じて奥バーナ6の火力が変化する。操作つまみ11,12,14の押込操作及び回動操作による右バーナ4、グリルバーナ、左バーナ5の点火及び消火と火力の調節についても同様である。
次いで、パネル装置9Bについて説明する。コンロ1は、グリル扉8の右側の領域にパネル装置9Aを備え、グリル扉8の左側の領域にパネル装置9Bを備える(図1参照)。パネル装置9A,9Bは、筐体2の前面Fに操作つまみ11~14を配置するために設けられる。パネル装置9A,9Bは、燃料供給装置20の前方において筐体2に固定され、グリル扉8とともに筐体2の前面Fを構成する。
図3を参照して、パネル装置9Bについて説明する。なお、操作つまみ13における火力表示に係るパネル装置9Bの構成は、操作つまみ14におけるものと同様である。また、操作つまみ11,12における火力表示に係るパネル装置9Aの構成は、パネル装置9Bの構成と同様であるので、説明を省略する。
パネル装置9Bは、パネル本体部50、光源基板60、筒状体70、化粧パネル80を備える。パネル本体部50は、筐体2の前端部に組み付けられる。パネル本体部50の下側部分51は箱型に形成され、使用者が調理内容に応じた火力制御の選択等の入力、タイマ設定等を行うための操作パネル(図示略)が収容される。パネル本体部50の上側部分52は、下側部分51から上方に向けて板状に突出する。上側部分52には、上側部分52の前面56を前後方向に貫通する2つの貫通穴53が左右方向に並んで形成される。2つの貫通穴53の上部には、貫通穴53と同様に前面56を前後方向に貫通する矩形状の切欠部54が形成される。上側部分52は、貫通穴53の縁部のうち切欠部54が形成される部分を含む上部を、前面56よりも前方に膨出させた膨出部58を備える。貫通穴53の内径は、操作つまみ13,14の外径より大きい。奥バーナ6の燃料供給装置20は、パネル本体部50の上側部分52に後側から固定される。奥バーナ6の燃料供給装置20の連結部材25と操作つまみ13とは、右側の貫通穴53内に配置される。なお、左バーナ5の燃料供給装置20は、奥バーナ6の燃料供給装置20の左側に並んで配置され、パネル本体部50の上側部分52に後側から固定される(図示略)。
上側部分52の後面には、光源基板60が固定される。光源基板60は、光源であるLED61を複数実装する実装面69が、左右方向に長い略矩形状に形成される基板である(図6参照)。光源基板60は、光源基板60を保持する基板ホルダ62に保持される。基板ホルダ62は、複数のネジ63によって、貫通穴53よりも上方の位置において、上側部分52の後面に対して固定される。
化粧パネル80は、パネル本体部50の上側部分52の前側に組み付けられる板状体である。化粧パネル80は、前後方向に貫通する2つの開口部86と、それぞれの開口部86の上部に配置される透光部81とを備える。化粧パネル80は正面視略長方形状であり、上端部にスライドロック85を備える。化粧パネル80がパネル本体部50の上側部分52に組み付けられた状態において、スライドロック85が右側にスライドされると、化粧パネル80がパネル本体部50に固定される。
2つの開口部86は左右方向に並んで形成される。2つの開口部86の内径は、それぞれ、操作つまみ13,14の外径より大きい。2つの開口部86内にはそれぞれ、操作つまみ13,14が配置される。透光部81は、化粧パネル80がパネル本体部50の上側部分52に組み付けられた状態において、光源基板60の前方に設けられる。
図4を参照して、操作つまみ13の詳細について説明する。操作つまみ13は、本体部131、導光部136、固定部139を備える。本体部131の外周部132には、前後方向に延びる平面である平面部135が複数設けられる。平面部135は、その法線を円筒形状の外周部132の径方向に沿って等間隔に配置する。すなわち、平面部135は、本体部131の外周部132に対する接線に沿って前後方向に延びる複数の面部のそれぞれである。
導光部136は、導光材料を用いて構成される。導光部136は、導光材料として、アクリル系樹脂等、透明性を有して光を導くことのできる材料を採用できる。導光材料を板状に形成した板状体は、板状体の端面(小口)から入射した光を内部で拡散させることによって、板状体の表面の任意の一部又は全体に導光する。導光部136は、後方配置部137と、前方配置部138とを備える。後方配置部137は、本体部131の後端部133の外径とほぼ同じ内径を有する円環状である。前方配置部138は、後方配置部137から前方に向けて櫛歯状に等間隔に突出する突出部138Aを複数備える。後方配置部137は、操作つまみ13が操作位置にある場合、パネル本体部50の上側部分52よりも後方(化粧パネル80よりも後方)に配置される。前方配置部138は、操作つまみ13が操作位置にある場合、後方配置部137に近接する部分を除く大部分が、化粧パネル80よりも前方(筐体2の前面Fよりも前方)に配置される。
後方配置部137及び前方配置部138は、ともに導光材料を板状に形成した板状体の表面を外周面とする。導光部136に用いられる導光材料を用いた板状体は、端面から光が入射された場合、入射された入射光が表面の全体に導光され、表面の全体が均一に発光するように構成されている。導光部136は、本体部131の後端部133に組み付けられる。突出部138Aの数は、連結部材25の歯部35の歯38Aの数と同じである。また、本体部131の外周部132における平面部135の数と、前方配置部138における突出部138Aの数とは同じである。本体部131の後端部133に導光部136が組み付けられた状態において、後方配置部137は本体部131の後端部133の外側を環状に覆い、前方配置部138の突出部138Aのそれぞれは、2つの平面部135同士の間の位置に配置される。
固定部139は、導光部136を本体部131に固定するとともに、操作つまみ13を連結部材25の先端部25Aに保持させるための部品である。固定部139は円筒状であり、円筒状の側面139Aの外径は、本体部131の側面の内径とほぼ同じである。導光部136が本体部131の後端部133に組み付けられた状態で、固定部139が後方から本体部131の内側に挿入される。側面139Aは、本体部131の内側に係合するフック片139Bを備える。固定部139の後端部には、固定部139が本体部131の内側に挿入された状態で本体部131の後端部133に当接するフランジ部139Cが設けられる。フック片139Bとフランジ部139Cとによって、固定部139及び導光部136が本体部131に組み付けられた状態で抜け止めされる。固定部139の内側は、連結部材25の先端部25Aを保持する保持部(図示略)を備える。連結部材25は、先端部25Aにおいて操作つまみ13を一体に固定する。
図5を参照して、筒状体70の詳細について説明する。筒状体70は、本体部71とフランジ部76とを備える。本体部71は、前後方向に延びる円筒状である。本体部71の外径は、パネル本体部50の貫通穴53の内径よりも小さい。本体部71の内径は、操作つまみ11,12,13,14の外径よりも大きい(図3参照)。本体部71の前端部には、光通過部77が形成される。光通過部77は、本体部71の前端部のうちほぼ半分が後方に所定の幅で切り欠かれた部位である。
フランジ部76は、本体部71の前端部のうち光通過部77が設けられない部分において、径方向外向きに鍔状に形成される。本体部71は、周方向の2か所に(図2参照)、パネル本体部50の貫通穴53の縁部に対して後側から掛け留めされるフック片75を備える。貫通穴53の縁部の前面に当接するフランジ部76と、フック片75とによって、筒状体70は本体部71が貫通穴53内に配置された状態で抜け止めされ、且つ貫通穴53内で軸心AXを中心に回転可能に保持される。本体部71において2つのフック片75の間の位置に係合部74が設けられる。係合部74は、筒状体操作部材36の先端部に設けた係合片36B(図2参照)に係合する。本体部71において、係合部74を周方向の両側から挟む部分はそれぞれ後方へ延び、係合片36Bを外れにくくする。
図6を参照して、光源基板60について説明する。光源基板60が実装面69に実装するLED61は、第一LED64と第二LED65とを備える。第一LED64は、実装面69の中央部において上下方向における同じ位置に左右方向に並んだ2つのLED61からなる。第二LED65は、左側の第一LED64から左方に離間した位置及び右側の第一LED64から右方に離間した位置のそれぞれに配置される2つのLED61からなる。左側の第一LED64と左側の第二LED65との間の距離は、右側の第一LED64と右側の第二LED65との間の距離と同様である。実装面69において、第二LED65は、第一LED64よりも下方に配置される。
図7から図9を参照して、操作つまみ13における火力表示について説明する。図7から図9において、操作つまみ13は操作位置にある。光源基板60は、実装面69の垂線がパネル本体部50の上側部分52の貫通穴53(図7参照)の上部に向けて延びる角度で、実装面69が正面よりも下方を向くように傾斜した状態で設置される。
図8及び図9に示すように、LED61のうち第一LED64は、貫通穴53の左右方向における中央部に近接して配置される。なお、図9では、光源基板60と操作つまみ13等との配置を明確に示すため、パネル本体部50を省略した状態における光源基板160及び操作つまみ13を含む部分の拡大図をW2として示す。左側の第二LED65は、第一LED64よりも左方に離間した位置において、第一LED64よりも下方に配置される。右側の第二LED65は、第一LED64よりも右方に離間した位置において、第一LED64よりも下方に配置される。また、実装面69が斜め下方に傾斜して配置されるので、第一LED64と操作つまみ13の後端部133との間の距離と、第二LED65と操作つまみ13の後端部133との間の距離とが近似する。
光源基板60の複数のLED61は、安全弁の開放時に全てが点灯する。複数のLED61は、実装面69に対して垂直方向に光を出射する。LED61の出射光は、操作位置にある操作つまみ13の後端部133のうち上側の部分に向けて、斜め下方に向かう。図9に示すように、左側の第二LED65、左側の第一LED64、右側の第一LED64、右側の第二LED65から出射される出射光は、矢印Y1,Y2,Y3,Y4のそれぞれが示すように主に進行する。
前述したように、操作つまみ13が操作位置にある場合、火力調節カム26は操作つまみ13と連結し、操作つまみ13の回動操作に応じて奥バーナ6の火力を調節する。操作つまみ13が回転すると、筒状体70は筒状体操作部材36を介して火力調節カム26とともに軸心AXの周りを回転する。図9に示す状態において、矢印Y1,Y2,Y3の示す左側の第二LED65及び2つの第一LED64の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられている。光通過部77は、矢印Y1,Y2,Y3の示す左側の第二LED65及び2つの第一LED64の出射光を通過させて、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達させることができる。筒状体70の本体部71は、光通過部77が設けられる位置を除き、操作つまみ13の後端部133に対してLED61の出射光を遮る。図9に示す状態において、矢印Y4の示す右側の第二LED65の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられていない。したがって、右側の第二LED65の出射光は、本体部71に遮られ、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達しない。操作つまみ13が回転されて火力が変更されると、光通過部77が軸心AXの周りを周方向に移動するので、LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が変化する。
前述したように、操作つまみ13が待機位置にある場合、導光部136は、その全体が化粧パネル80よりも後方(筐体2の前面Fよりも後方)に配置される。このため、操作つまみ13が待機位置にある場合、使用者は導光部136を視認することができない。一方、操作つまみ13が待機位置から押込位置を経て操作位置に移動すると、操作つまみの本体部131の大部分が、前面Fよりも前方に突出する。これに伴い、図8に示すように、前方配置部138の先端部分が、化粧パネル80よりも前方(筐体2の前面Fよりも前方)に突出して配置される。よって、操作つまみ13が操作位置にある場合、使用者は導光部136の前方配置部138の先端部分を視認できる。
図7に示すように、操作つまみ13の後端部133は導光部136の後方配置部137によって覆われている。光通過部77を通過するLED61の出射光は、後方配置部137のうち光通過部77が配置される位置に対応する部分を照射する。後方配置部137を照射する光は、後方配置部137の端面から導光部136の内部に進入し、進入した光は導光部136の内部で拡散し、拡散した光が突出部138Aに導かれる。このため、後方配置部137のうちLED61の出射光が到達した部分の近傍に配置される突出部138Aが発光する。一方、後方配置部137のうち光通過部77が配置されない位置に対応する部分からはLED61の出射光が進入しないので、その部分に対応する突出部138Aは発光しない。よって、操作つまみ13が回転されて火力が変更されることに応じて、LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達する範囲が変化する。
前方配置部138は、複数の突出部138Aを備えるので、後方配置部137のうちLED61の出射光が到達した部分の前方に配置される突出部138Aが発光し、出射光が到達しない部分の突出部138Aは発光しない。すなわち、奥バーナ6の火力に応じて、突出部138Aのそれぞれが独立して発光する。LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が広くなるほど、発光する突出部138Aの数が増加する。また、出射光が後端部133に到達する範囲が狭くなるほど発光する突出部138Aの数が減少する。したがって、操作つまみ13は、操作つまみ13の回転量に対応する奥バーナ6の火力の程度を、操作つまみ13の外周部132の上側部分において、前方配置部138が発光する範囲(発光する突出部138Aの数)によって示すことができる。
本実施形態では、奥バーナ6の火力が強くなるほどLED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が広くなり、前方配置部138の発光する範囲が広くなる(発光する突出部138Aの数が多くなる)。また、奥バーナ6の火力が弱くなるほどLED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が狭くなり、前方配置部138が発光する範囲が狭くなる(発光する突出部138Aの数が少なくなる)。したがって、コンロ1は、前方配置部138が発光する範囲によって、奥バーナ6の火力を使用者に直観的に把握させることができる。操作位置における操作つまみ13の外周部132は、コンロ1の筐体2の前面F(図1参照)よりも前方に配置される。調理等でコンロ1を使用する使用者は、外周部132における前方配置部138の発光範囲を、調理中の姿勢のまま上方から見下ろすことで、奥バーナ6の火力を認識できる。
前述したよう第一LED64及び第二LED65が配置されるので、第一LED64と操作つまみ13の後端部133との間の距離と、第二LED65と操作つまみ13の後端部133との間の距離とが近似する。このため、光通過部77を通過した第一LED64及び第二LED65の出射光は、後端部133の上部のうち第一LED64の出射光が主に到達する中央部分と、中央部分より左方又は右方に寄った、第二LED65の出射光が主に到達する部分とを、近似した光度で照射できる。よって、操作つまみ13の上側部分のうち中央部に配置される前方配置部138と、中央部分より左方又は右方に寄った部分に配置される前方配置部138との発光の光度が均一になる。したがって、前方配置部138が広い範囲で発光する場合にも明るさが均一で、見栄えの良い火力表示が実現される。
コンロ1は、光源基板60の実装面69を正面よりも下方を向くように傾斜させることによって、LED61の出射光が導光部136の後方配置部137に向けて主に進行するようにし、後方配置部137が重点的に照射されるようにできる。また、LED61から斜め前方に向かう出射光が導光部136の後方配置部137から入射するので、導光部136の内部で拡散する光の方向が前方に向かいやすくなり、前方配置部138がより明るく発光しやすくなる。また、実装面69が斜め下方を向いて傾斜しているので、LED61の出射光は、従来技術のように前方に向かいにくい。操作つまみ13の後端部133及び導光部136の後方配置部137はパネル本体部50の後方に配置されるので、操作つまみ13の後端部133及び後方配置部137に到達した出射光が化粧パネル80の前側に漏れ出ることがない。仮に、上側部分52における貫通穴53の配置、化粧パネル80における開口部86の配置等に多少の寸法誤差が生じ、意図しない隙間が化粧パネル80等に生じた場合であっても、その隙間からLED61の出射光が化粧パネル80の前側に漏れ出ることが防止される。
また、図8のW1領域に示すように、光源基板60の上部は、膨出部58の後側に寄せて配置される。これにより、コンロ1は、膨出部58を設けない場合よりも光源基板60を前方に寄せて配置し、第一LED64及び第二LED65と、操作つまみ13の後端部133とを近接させている。よって、LED61の出射光が導光部136の後方配置部137に照射される光度が、より向上する。したがって、コンロ1は、使用者が視認しやすい適切な明度で、操作つまみ13の外周部132において火力表示を行うことができる。
なお、化粧パネル80において光源基板60の前方の位置に設けられる透光部81(図8参照)は、LED61から出射され、パネル本体部50の上側部分52の切欠部54(図7参照)を介して後面から入射する光を、化粧パネル80の前面から前方へ出射する。透光部81は、LED61の光を出射することによって、奥バーナ6が点火中であることを使用者に報知できる。なお、光源基板60の複数のLED61は、安全弁の閉鎖時においてコンロ1に何らかのエラーが生じている場合にも点灯する。この場合、透光部81は、LED61の光を出射することによって、コンロ1に何らかのエラーが生じていることを使用者に報知できる。安全弁の閉鎖時においては、操作つまみ13は待機位置にあり、導光部136による奥バーナ6の火力表示が行われないので、使用者は、コンロ1に何らかのエラーが生じていることと、奥バーナ6が点火中であることとを誤認することがない。
以上説明したように、パネル本体部50の上側部分52に対して、貫通穴53よりも上方の位置に後側から固定される光源基板60は、第一LED64と第二LED65とを備える。第一LED64は、貫通穴53の中央部に近接して配置される。左側の第二LED65は、第一LED64よりも左方に離間した位置において、第一LED64よりも下方に配置される。右側の第二LED65は、第一LED64よりも右方に離間した位置において、第一LED64よりも下方に配置される。このため、第一LED64及び第二LED65からの出射光は、後端部133の上部のうち第一LED64の出射光が主に到達する中央部分と、中央部分より左方又は右方に寄った、第二LED65の出射光が主に到達する部分とを、近似した光度で照射できる。したがって、コンロ1は、操作つまみ13の上側部分のうち中央部に配置される前方配置部138と、中央部分より左方又は右方に寄った部分に配置される前方配置部138との発光の光度を均一にし、見栄えが良く明確な火力表示を行うことができる。
コンロ1は、光源基板60を備え、その実装面69に第一LED64と第二LED65とを実装する。したがって、コンロ1は、例えば光源基板を複数備える場合よりもコンロ1に用いられる部品点数を少なくしつつ、操作つまみ13に設けられる導光部136の前方配置部138の発光の光度を均一にできる。
コンロ1は、光源基板60の実装面69を正面よりも下方を向くように傾斜させることによって、LED61の出射光が導光部136の後方配置部137に向けて主に進行するようにし、出射光が後方配置部137を重点的に照射するようにできる。
コンロ1は、貫通穴53の縁部のうち、光源基板60が固定される上部を前面56よりも前方に膨出させた、膨出部58を備える。光源基板60の上部は、膨出部58の後側に寄せて配置される。これにより、コンロ1は、膨出部58を設けない場合よりも光源基板60を前方に寄せて配置し、第一LED64及び第二LED65と、操作つまみ13の後端部133とを近接させている。よって、コンロ1は、LED61の出射光が導光部136の後方配置部137に照射される光度を向上させ、導光部136を用いた火力表示を、適切な明度で行うことができる。コンロ1の電源には、乾電池等の内部電源が用いられることが多く、このような場合にはLED61として採用できる光源の輝度、LED61の発光のために用いられる電圧等が制限される事もある。コンロ1は、膨出部58を設け、第一LED64及び第二LED65と、操作つまみ13の後端部133とを近接させることで、LED61として採用できる光源の輝度の制約等を減じて、コンロ1の設計に自由度を与えることができる。
本実施形態において、コンロ1が、本発明の「コンロ」に相当する。筐体2が、本発明の「筐体」に相当する。右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6、グリルバーナが、本発明の「コンロバーナ」に相当する。燃料供給装置20が、本発明の「燃料供給装置」に相当する。パネル装置9A,9Bが、本発明の「パネル部」に相当する。パネル本体部50が、本発明の「パネル本体」に相当する。貫通穴53が、本発明の「貫通穴」に相当する。操作つまみ11,12,13,14が、本発明の「操作つまみ」に相当する。光源基板60が、本発明の「発光部」及び「第一基板」に相当する。LED61が、本発明の「光源」に相当する。第一LED64が、本発明の「第一光源」に相当する。第二LED65が、本発明の「第二光源」に相当する。実装面69が、本発明の「実装面」に相当する。
図10を参照して、第一変形例について説明する。第一変形例は、光源基板60に替えて、光源基板160を備える。光源基板160は、光源基板60と同様の形状、大きさを有しており、その実装面169に4つのLED161を搭載する。LED161は、実装面169の延びる方向に沿って(実装面169に平行な方向に)、光を出射するように構成されている。
光源基板160は、実装面169を正面に向けた状態で、LED161と導光部136の後方配置部137とが前後方向において略同じ位置になるように、パネル本体50部の上側部分52の後面に対して、貫通穴53の上側の位置に固定される。なお、図10では、光源基板160と操作つまみ13等との配置を明確に示すため、パネル本体部50を省略した状態における光源基板160及び操作つまみ13を含む部分の拡大図をW3として示す。LED161は、第一LED162と第二LED163とを備える。第一LED64は、貫通穴53の中央部に近接して配置される。第二LED163は、第一LED162よりも左方及び右方のそれぞれに離間した位置において、第一LED162よりも下方に配置される。実装面169において、第一LED162及び第二LED163は、本体部131の外周部132の上部が描く円弧の曲率に沿った弧状に並んで配置される。
左側の第二LED163、左側の第一LED162、右側の第一LED162、右側の第二LED163から出射される出射光は、矢印Y11,Y12,Y13,Y14のそれぞれが示すように下方に向けて主に進行する。矢印Y11,Y12,Y13の示す左側の第二LED163及び2つの第一LED162の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられている。光通過部77は、矢印Y11,Y12,Y13の示す出射光を通過させて、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達させることができる。一方、矢印Y14の示す右側の第二LED163の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられていない。したがって、右側の第二LED163の出射光は、本体部71に遮られ、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達しない。操作つまみ13が回転されて火力が変更されると、光通過部77が軸心AX(図2,3参照)の周りを周方向に移動するので、LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が変化する。
実装面169が操作つまみ13の外周部132に対して直行する右方向に延びるので、実装面169において第一LED162及び第二LED163を本体部131の外周部132の上部が描く円弧の曲率に沿った弧状に配置することは容易である。このため、光源基板160は、第一LED162と後方配置部137との上下方向における距離と、第二LED163と後方配置部137との上下方向における距離とを同じ距離にしやすい。よって、後方配置部137のうち第一LED162の出射光が到達する部分と、第二LED163の出射光が到達する部分とが、同様の光度で照射される。したがって、第一変形例は、操作つまみ13の上側部分のうち中央部に配置される前方配置部138と、中央部分より左方又は右方に寄った部分に配置される前方配置部138との発光の光度を、上記実施形態よりも均一にすることができる。第一変形例において、光源基板160が、本発明の「発光部」及び「第一基板」に相当する。LED161が、本発明の「光源」に相当する。第一LED162が、本発明の「第一光源」に相当する。第二LED163が、本発明の「第二光源」に相当する。実装面169が、本発明の「実装面」に相当する。
図11及び図12を参照して、第二変形例について説明する。図11に示すように、第二変形例は、光源基板60に替えて、光源基板260と光源基板360とを備える。光源基板260は、光源基板60の約半分の大きさの矩形状であり、その実装面269に2つのLED61を搭載する。2つのLED61は、第一LED262と、実装面269において第一LED262の左下方に実装される第二LED263とを備える。光源基板360は、光源基板260と略左右対称の形状であり、その実装面369に2つのLED61を搭載する。2つのLED61は、第一LED362と、実装面369において第一LED262の右下方に実装される第二LED363とを備える。LED61は、上記実施形態と同様であり、実装面269,369に対して垂直方向に光を出射する。
図12に示すように、光源基板260,360は、それぞれの実装面269,369が正面よりも下方を向くように傾斜した状態で、パネル本体50部の上側部分52の後面に対して、貫通穴53の上側の位置に固定される。光源基板260は、第一LED262を貫通穴53の左右方向における中央部に近接して配置し、第二LED263を第一LED262よりも左方に離間した位置において、第一LED262よりも下方に配置する。光源基板260の実装面269は、第一LED262が実装される右側から第二LED263が実装される左側に向けて下り傾斜する。光源基板360は、第一LED362を貫通穴53の左右方向における中央部に近接して配置し、第二LED363を第一LED362よりも右方に離間した位置において、第一LED362よりも下方に配置する。光源基板360の実装面369は、第一LED362が実装される左側から第二LED363が実装される右側に向けて下り傾斜する。なお、図12では、光源基板260,360と操作つまみ13等との配置を明確に示すため、パネル本体部50を省略した状態における光源基板260,360及び操作つまみ13を含む部分の拡大図をW4として示す。
第二LED263、第一LED262から出射される出射光は、矢印Y21,Y22のそれぞれが示すように、実装面269に直行する斜め右下方向に主に進行する。第一LED362、第二LED363から出射される出射光は、矢印Y13,Y14のそれぞれが示すように、実装面369に直行する斜め左下方向に主に進行する。矢印Y21,Y22,Y23の示す第一LED262,362、第二LED263の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられている。光通過部77は、矢印Y11,Y12,Y13の示す出射光を通過させて、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達させることができる。一方、矢印Y14の示す第二LED363の出射光が向かう先には、光通過部77が設けられていない。したがって、第二LED363の出射光は、本体部71に遮られ、操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達しない。操作つまみ13が回転されて火力が変更されると、光通過部77が軸心AX(図2,3参照)の周りを周方向に移動するので、LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133に到達する範囲が変化する。
第二変形例では、二枚一組の光源基板260,360のそれぞれの実装面269,369が、第一LED262,362の実装される側から第二LED263,363の実装される側に向けて下り傾斜する。このため、第二変形例は、第一LED262,362と後方配置部137との上下方向における距離と、第二LED263,363と後方配置部137との上下方向における距離とを、1枚の光源基板60を用いる上記実施形態よりも近似させることができる。したがって、第二変形例は、操作つまみ13の上側部分のうち中央部に配置される前方配置部138と、中央部分より左方又は右方に寄った部分に配置される前方配置部138とを、より均一な光度で発光させることができる。第二変形例において、光源基板260,360が、本発明の「発光部」及び「第二基板」に相当する。第一LED262,362が、本発明の「第一光源」に相当する。第二LED263,363が、本発明の「第二光源」に相当する。実装面269,369が、本発明の「実装面」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、膨出部58は、光源基板60が固定される貫通穴53の上部に少なくとも設けられれば良い。したがって、貫通穴53の上部以外の部分が、膨出部58と同様に前方に膨出していてもよい。
導光部136の前方配置部138が突出部138Aを備えず、後方配置部137に連続して操作つまみ13の外周部132を前方に向けて環状に延びる形状であってもよい。
筒状体70における光通過部77の形状、大きさ等は、上記実施形態から変更できる。例えば、光通過部77として本体部71の前端部が周方向に切り欠かかれる幅は、上記実施形態よりも広くても狭くてもよい。光通過部77として本体部71の前端部が周方向に切り欠かかれる幅が、前方配置部138の1つの突出部138Aの周方向の幅と同じ程度であってもよい。この場合、操作つまみ13が回転されて火力が変更されることに応じて、LED61の出射光が操作つまみ13の後端部133の上側の部分に到達する位置が変化し、出射光が到達した位置に対応する1つの突出部138Aが発光する。したがって、操作つまみ13は、導光部136の前方配置部138が発光する位置(1つの突出部138Aが発光する位置)を変化させることで、奥バーナ6の火力を示すことができる。また、光通過部77が、本体部71を貫通する穴状に設けられてもよい。
操作つまみ13は、完全な円筒状である必要はなく、例えば、操作つまみ13の本体部131が、後端部133から前面134に向けて徐々に先細る形状であってもよい。
操作つまみ13は、少なくとも回動操作による火力調節が行われる場合に操作位置にあればよい。したがって、操作つまみ13が待機位置に配置されることがなく、奥バーナ6が消火している場合にも、操作位置と同様に、操作つまみ13の外周部132が化粧パネル80よりも前方に突出して配置されてもよい。この場合、導光部136の前方配置部138は、奥バーナ6の点火時及び消火時のいずれにおいても化粧パネル80よりも前方(筐体2の前面Fよりも前方)に配置される。前方配置部138は、発光することによる奥バーナ6が点火中であることの表示及び発光する範囲による奥バーナ6の火力表示を行い、消灯することによって奥バーナ6が消火していることを示すことができる。
コンロ1は、ビルトインタイプのガスコンロであるが、この他、コンロ1は、操作つまみ13の回動操作によって火力調節を行う、ガステーブルコンロ、カセット式のガスコンロ等であってもよい。
コンロ1において、操作つまみ11,12,13,14の全てが、その外周部において導光部136を用いた火力表示を行う必要はない。例えば、グリルバーナの火力調節が、無段階ではなく複数段階に調節可能にされている場合には、操作つまみ12の導光部136の前方配置部138の発光によって複数段階のそれぞれが表示されてもよいし、操作つまみ12に導光部136が設けられなくてもよい。