本発明は、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体または他の結合物質を、任意でさらなる抗がん治療用物質(例えば、本明細書において記述されるもののいずれか)と組み合わせて用いた、がん、例えば、結腸直腸がん、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)がん、膵臓がん、および子宮内膜がんの処置のための方法を提供する。本発明はまた、治療的組み合わせを含む組成物およびキットを特徴とする。
第1の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、腫瘍と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある種の態様において、接触させる段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある種の態様において、接触させる段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法を提供する。ある種の態様において、がんは結腸直腸がんである。ある種の態様において、投与する段階は、腫瘍が別の抗がん処置に応答できなかった後で行われる(例えば、前記組み合わせが第二選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
方法にロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンの投与が含まれるある種の態様において、これらの剤はFOLFIRIプロトコルにしたがって投与される。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の有効量を、パクリタキセル、およびカルボプラチンと組み合わせて、腫瘍と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、接触させる段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の有効量を、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管(fallopian)腫瘍(例えば、白金抵抗性腫瘍)の成長を阻害する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍(例えば、白金抵抗性腫瘍)の成長を阻害する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍(例えば、白金抵抗性腫瘍)の腫瘍原性を低減する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍(例えば、白金抵抗性腫瘍)内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において卵巣がん、原発性腹膜がん、または卵管がん(例えば、白金抵抗性がん)を処置する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、卵巣がん、原発性腹膜がん、または卵管がん(例えば、白金抵抗性がん)を有する対象において血管新生を調節する方法を提供する。いくつかの態様において、抗体または結合物質はタキサン(例えば、パクリタキセル)と組み合わせて投与される。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
上記の6つの局面のいずれかにおいて、抗体、他の結合物質、または抗体もしくは結合物質を含む組み合わせは、少なくとも1つ、2つ、3つ、もしくは4つの先行療法の失敗(例えば、3つもしくは4つなど、3つ以上の先行療法の失敗)後に投与される、および/または先行する抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブなどの抗VEGF抗体)を投与されている。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の有効量を、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))と組み合わせて、腫瘍と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は膵臓腫瘍である。ある種の態様において、接触させる段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は膵臓腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は膵臓腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は膵臓腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法を提供する。ある種の態様において、がんは膵臓がんである。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、本明細書において記述されるゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法を提供する。ある種の態様において、がんは膵臓がんである。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法を提供する。ある種の態様において、がんは子宮内膜がんである。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置の前に行われる(例えば、前記組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の有効量を、腫瘍と接触させる段階を含む、子宮内膜腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、接触させる段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、接触させる段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、投与する段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍の腫瘍原性を低減する方法を提供する。ある種の態様において、投与する段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。ある種の態様において、投与する段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
他の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜がんを処置する方法を提供する。ある種の態様において、投与する段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、子宮内膜がんを有する対象において血管新生を調節する方法を提供する。ある種の態様において、投与する段階は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて行われる。ある種の態様において、投与する段階は、別の抗がん処置による処置の前に行われる(例えば、抗体または抗体を含む組み合わせが第一選択処置として用いられる)。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記述される抗体または他の結合物質のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)による処置に適応されるか、またはその処置を受けている対象において血圧を管理する方法を特徴とする。本方法は、(a) 140/90を超える血圧が高血圧を示す、対象において血圧を判定する段階; (b) 急性(例えば、48〜72時間より長くない)血圧低下について対象の収縮期圧が180 mm Hgを超える場合、ヒドララジンまたはクロニジンを高血圧対象に投与する段階; (c) 慢性血圧管理のためアムロジピンおよびProcardia XL (登録商標)の1つの初回用量(例えば、アムロジピンの場合には毎日経口5 mgまたはProcardia XL (登録商標)の場合には毎日経口30〜60 mg)を高血圧対象に投与する段階; (d) 血圧が初回用量によって十分に制御され(例えば、140/90未満に低下され)ていない場合、アムロジピンまたはProcardia XL (登録商標)の用量を、最大用量(例えば、アムロジピンの場合には毎日経口10 mgまたはProcardia XL (登録商標)の場合には毎日経口120 mg)まで調整する段階; (e) 血圧がアムロジピンまたはProcardia XL (登録商標)の最大用量によって十分に制御され(例えば、140/90未満に低下され)ていない場合、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはβ遮断薬である第2の降圧薬を投与する段階; (f) 血圧が第1の2つの医薬によって十分に制御されていない場合、第2の降圧薬としてどちらも使われなかった、ACE阻害薬またはβ遮断薬である第3の降圧薬を対象に投与する段階; ならびに(g) 本明細書において記述される抗体(または他の結合物質)のいずれかを含む、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合する抗体(または他の結合物質)の用量を対象に投与する段階を含む。ある種の態様において、抗体は、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、例えば、305B83など本明細書において記述される任意のものである。
上記または本明細書における他の箇所の局面のいずれかにおいて、対象はヒトである。
本発明において用いられる結合物質(例えば、抗体)は、VEGF、DLL4、またはVEGFおよびDLL4の両方に結合することができる(VEGF/DLL4結合物質)。VEGFまたはDLL4、および少なくとも1つのさらなる抗原または標的に結合する物質、ならびにそのような物質の薬学的組成物を用いることもできる。ある種の態様において、結合物質は、抗体、抗体断片、およびそのような抗体に関連する他のポリペプチドなどの、ポリペプチドである。ある種の態様において、結合物質は、ヒトVEGFに特異的に結合する抗体である。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する抗体である。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合する二重特異性抗体である。薬学的組成物などの組成物、および本明細書において記述される結合物質を含むキットも提供される。これらの組成物およびキットは、本明細書において記述される方法のいずれかにおいて用いることができる。
いくつかの態様において、結合物質は、VEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は、VEGFとVEGFR-1および/またはVEGFR-2との結合を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は血管新生を調節する。ある種の態様において、抗体または他の結合物質はさらに、ヒトVEGFに加えて、ヒトDLL4に特異的に結合する、および/またはヒトDLL4を阻害する。
いくつかの態様において、結合物質は、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む抗体である。
ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体である。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:11の重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を含む抗体である。
いくつかの態様において、結合物質は、抗体219R45、二重特異性抗体219R45-MB-21M18(305B18としても公知)、二重特異性抗体219R45-MB-21R79(305B79としても公知)、二重特異性抗体219R45-MB-21R75(305B75としても公知)または二重特異性抗体219R45-MB-21R83(305B83としても公知)である。
別の局面において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合する、抗体などの結合物質を提供する。いくつかの態様において、結合物質は、DLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は、DLL4とNotch1、Notch2、Notch3および/またはNotch4との結合を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は、Notchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は、非生産的血管新生を促進する。ある種の態様において、抗体または他の結合物質はさらに、ヒトDLL4に加えて、ヒトVEGFに特異的に結合する、および/またはヒトVEGFを阻害する。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトDLL4に結合する抗体であり、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:10と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域; ならびに/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体である。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:10の重鎖可変領域; およびSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を含む抗体である。
いくつかの態様において、結合物質は、抗体21R79または二重特異性抗体219R45-MB-21R79(305B79)である。
いくつかの態様において、結合物質は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:58と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域; ならびに/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体である。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:58の重鎖可変領域; およびSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を含む抗体である。
いくつかの態様において、結合物質は、抗体21R75または二重特異性抗体219R45-MB-21R75(305B75)である。
いくつかの態様において、結合物質は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:64と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域; ならびに/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体である。ある種の態様において、結合物質は、SEQ ID NO:64の重鎖可変領域; およびSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を含む抗体である。
いくつかの態様において、結合物質は、抗体21R83または二重特異性抗体219R45-MB-21R83(305B83)である。
各々の上記の局面または態様、ならびに本明細書の他の箇所に記述の他の局面および/または態様のある種の態様において、結合物質は、二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFおよび第2の標的に特異的に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトDLL4および第2の標的に特異的に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4の両方に特異的に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、血管新生を調節する。ある種の態様において、二重特異性抗体は、Notchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、血管新生を調節し、Notchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、がん幹細胞の数または頻度を低減する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2つの同一の軽鎖を含む。ある種の態様において、二重特異性抗体は、IgG抗体(例えば、IgG2抗体)である。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
(a) NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位を含む。
ある種の態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、およびRDYDYDVGMDY(SEQ ID NO:16)を含んだ重鎖CDR3を含む、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含む。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、
TAYYIH(SEQ ID NO:13)
を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合し、SEQ ID NO:11と少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域、および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合し、SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域、および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトDLL4に特異的に結合し、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58もしくはSEQ ID NO:64と少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトDLL4に特異的に結合し、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58もしくはSEQ ID NO:64と少なくとも95%の配列同一性を有する重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合し、(a) SEQ ID NO:11と少なくとも90%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; (b) SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64と少なくとも90%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに(c) SEQ ID NO:12と少なくとも90%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、(a) SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; (b) SEQ ID NO:9と少なくとも95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに(c) SEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、(a) SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; (b) SEQ ID NO:10と少なくとも95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに(c) SEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、(a) SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; (b) SEQ ID NO:58と少なくとも95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに(c) SEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、(a) SEQ ID NO:11と少なくとも95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; (b) SEQ ID NO:64と少なくとも95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに(c) SEQ ID NO:12と少なくとも95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(a) 約0.1 nM〜約1.0 nMのKDでヒトVEGFに結合する第1の抗原結合部位と、(b) 約0.1 nM〜約20 nMのKDでヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、二重特異性抗体は、2つの同一の軽鎖を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、219R45-MB-21M18(305B18)、219R45-MB-21R79(305B79)、219R45-MB-21R75(305B75)および219R45-MB-21R83(305B83)からなる群より選択される二重特異性抗体である。
各々の上記の局面、ならびに本明細書の他の箇所に記述の他の局面および/または態様のある種の態様において、結合物質または抗体は単離される。
別の局面において、本発明の方法、組成物、またはキットは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択されるポリペプチドを使用する。いくつかの態様において、ポリペプチドは単離される。ある種の態様において、ポリペプチドは実質的に純粋である。ある種の態様において、ポリペプチドは抗体、または抗体断片などの、抗体の部分である。
別の局面において、本発明の方法、組成物、またはキットは、各々の上記の局面、ならびに本明細書に記述の他の局面および/または態様の結合物質および/またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んだ単離ポリヌクレオチド分子を援用する。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73およびSEQ ID NO:74からなる群より選択される配列を含む。本発明は、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、ならびに前記発現ベクターおよび/または前記ポリヌクレオチドを含む細胞をさらに提供する。いくつかの態様において、細胞は原核細胞または真核細胞である。
本明細書において記述される態様のいずれかにおいて、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83)は、0.1 mg/kg〜20 mg/kgもしくは0.5 mg/kg〜10 mg/kgの用量で、または約0.5、1、2.5、3、4、5、10、もしくは15 mg/kgで投与されうる。いくつかの態様において、用量は3 mg/kgである。他の態様において、用量は5 mg/kgである。他の態様において、用量は10 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は2週間ごとに(例えば、1 mg/kg、3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、または15 mg/kgで)投与される。いくつかの態様において、用量は3週間ごとに投与される。他の態様において、用量は、毎週、10日ごとに、4週間ごとに、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投与される。
VEGF/DLL4結合物質およびさらなる治療用物質の組み合わせを伴う態様において、物質およびさらなる治療用物質は、任意の順番でまたは同時に投与されうる。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)による処置は、さらなる治療用物質の投与の前に、さらなる治療用物質の投与と同時に、またはさらなる治療用物質の投与の後に行うことができる。併用投与は、1種類の薬学的製剤に入れた、もしくは別個の製剤を用いた同時投与を含んでもよく、またはどちらの順番でもよいが、活性物質の全てがその生物学的活性を同時に発揮できるように、一般的にある期間内で行われる、連続投与を含んでもよい。そのような化学療法剤の調製および投薬計画は、製造業者の指示にしたがってまたは当業者により実験的に決定されるように用いられうる。そのような化学療法の調製および投薬計画はまた、The Chemotherapy Source Book, 4th Edition, 2008, M. C. Perry, Editor, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PAに記述されている。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質およびさらなる治療用物質は、実質的に同時にまたは時を同じくして投与される。例えば、対象は、第2の治療剤(例えば、化学療法)による一連の処置を受けると同時に、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)を投与されうる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による処置の1年以内に投与される。ある種の代替的な態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の10ヶ月以内、8ヶ月以内、6ヶ月以内、4ヶ月以内または2ヶ月以内に投与される。ある種の他の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の4週間以内、3週間以内、2週間以内または1週間以内に投与される。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の5日以内、4日以内、3日以内、2日以内または1日以内に投与される。さらに、数時間または数分のうちに(すなわち、実質的に同時に)、2種(またはそれ以上)の剤または処置が対象に投与されうることが理解されよう。
本発明の局面または態様がマーカッシュ群または代替物に関するその他の群分けにより記述されている場合、本発明は、記載されている群全体をまとめて包含するだけでなく、個別的に群の各要素も、主群のなかで可能なあらゆる下位群も包含し、群の要素の1つまたは複数を欠いた主群も包含する。本発明は、主張する発明における群の要素のいずれかの1つまたは複数の明示的な除外も想定する。
[本発明1001]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1002]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1003]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法。
[本発明1004]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法。
[本発明1005]
腫瘍が結腸直腸腫瘍である、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法。
[本発明1007]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法。
[本発明1008]
がんが結腸直腸がんである、本発明1006または1007の方法。
[本発明1009]
二重特異性抗体とロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンとの組み合わせが第2選択処置として用いられる、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の有効量を、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、白金抵抗性である卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管(fallopian)腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1011]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において白金抵抗性である卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1012]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において白金抵抗性である卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍の腫瘍原性を低減する方法。
[本発明1013]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において白金抵抗性である卵巣腫瘍、原発性腹膜腫瘍、または卵管腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法。
[本発明1014]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において白金抵抗性である卵巣がん、原発性腹膜がん、または卵管がんを処置する方法。
[本発明1015]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、白金抵抗性である卵巣がん、原発性腹膜がん、または卵管がんを有する対象において血管新生を調節する方法。
[本発明1016]
二重特異性抗体がパクリタキセルと組み合わせて投与される、本発明1010〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
二重特異性抗体または二重特異性抗体を含む組み合わせが、3つ以上の先行治療の失敗後におよび/または抗VEGF剤の事前投与後に投与される、本発明1010〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
抗VEGF剤がベバシズマブである、本発明1017の方法。
[本発明1019]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の有効量を、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))と組み合わせて、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1020]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1021]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法。
[本発明1022]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法。
[本発明1023]
腫瘍がすい臓腫瘍である、本発明1019〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法。
[本発明1025]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法。
[本発明1026]
がんがすい臓がんである、本発明1024または1025の方法。
[本発明1027]
二重特異性抗体、ゲムシタビン、およびABRAXANE(登録商標)の組み合わせが第1選択処置として用いられる、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1029]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1030]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍の腫瘍原性を低減する方法。
[本発明1031]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象において腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法。
[本発明1032]
腫瘍が子宮内膜腫瘍である、本発明1028〜1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法。
[本発明1034]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて、対象に投与する段階を含む、がんを有する対象において血管新生を調節する方法。
[本発明1035]
がんが子宮内膜がんである、本発明1033または1034の方法。
[本発明1036]
二重特異性抗体、パクリタキセル、およびカルボプラチンの組み合わせが第1選択処置として投与される、本発明1028〜1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の有効量を、腫瘍または腫瘍細胞と接触させる段階を含む、子宮内膜腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1038]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍の成長を阻害する方法。
[本発明1039]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍の腫瘍原性を低減する方法。
[本発明1040]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法。
[本発明1041]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、対象において子宮内膜がんを処置する方法。
[本発明1042]
ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む二重特異性抗体の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、子宮内膜がんを有する対象において血管新生を調節する方法。
[本発明1043]
二重特異性抗体がパクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて投与される、本発明1037〜1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
二重特異性抗体または二重特異性抗体を含む組み合わせが第1選択処置として投与される、本発明1037〜1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
(a) 第1の抗原結合部位が、
NYWMH (SEQ ID NO:17)を含む重鎖CDR1、
を含む重鎖CDR2、および
を含む重鎖CDR3
を含み;
(b) 第2の抗原結合部位が、
TAYYIH (SEQ ID NO:13)を含む重鎖CDR1、
を含む重鎖CDR2、および
を含む重鎖CDR3
を含み; ならびに
(c) 第1の抗原結合部位および第2の抗原結合部位の両方が、
を含む軽鎖CDR1、
を含む軽鎖CDR2、および
を含む軽鎖CDR3
を含む、
本発明1001〜1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
二重特異性抗体が、
(a) SEQ ID NO:11と少なくとも約90%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域;
(b) SEQ ID NO:64と少なくとも約90%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに
(c) SEQ ID NO:12と少なくとも約90%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域
を含む、本発明1001〜1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
二重特異性抗体が、
(a) SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域;
(b) SEQ ID NO:64と少なくとも約95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびに
(c) SEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域
を含む、本発明1046の方法。
[本発明1048]
二重特異性抗体が、
(a) SEQ ID NO:11の第1の重鎖可変領域;
(b) SEQ ID NO:64の第2の重鎖可変領域; ならびに
(c) SEQ ID NO:12の第1および第2の軽鎖可変領域
を含む、本発明1047の方法。
[本発明1049]
二重特異性抗体が、各々がヘテロ多量体の形成を促進するように修飾されている第1のCH3ドメインおよび第2のCH3ドメインを含む、本発明1001〜1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
二重特異性抗体の第1および第2のCH3ドメインが、静電効果に基づき修飾されている、本発明1049の方法。
[本発明1051]
二重特異性抗体が、
SEQ ID NO:42の位置249および288に対応する位置に、アミノ酸がグルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩で置き換えられているアミノ酸置換を有する、第1のヒトIgG2定常領域、ならびに
SEQ ID NO:42の位置236および278に対応する位置に、アミノ酸がリジンで置き換えられているアミノ酸置換を有する、第2のヒトIgG2定常領域
を含む、本発明1001〜1050のいずれかの方法。
[本発明1052]
二重特異性抗体が、
SEQ ID NO:42の位置236および278に対応する位置に、アミノ酸がリジンで置き換えられているアミノ酸置換を有する、第1のヒトIgG2定常領域、ならびに
SEQ ID NO:42の位置249および288に対応する位置に、アミノ酸がグルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩で置き換えられているアミノ酸置換を有する、第2のヒトIgG2定常領域
を含む、本発明1001〜1050のいずれかの方法。
[本発明1053]
二重特異性抗体が、
(a) SEQ ID NO:7の第1の重鎖;
(b) SEQ ID NO:62の第2の重鎖; ならびに
(c) SEQ ID NO:8の第1および第2の軽鎖
を含む、本発明1001〜1050のいずれかの方法。
[本発明1054]
二重特異性抗体が、
(a) 寄託番号PTA-13236を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じものである第1の重鎖可変領域配列;
(b) 寄託番号PTA-13278を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じものである第2の重鎖可変領域配列; および
(c) 寄託番号PTA-13235を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じものである軽鎖可変領域配列
を含む、本発明1001〜1044のいずれかの方法。
[本発明1055]
二重特異性抗体が、
(a) 寄託番号PTA-13236を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされる第1の重鎖;
(b) 寄託番号PTA-13278を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされる第2の重鎖; および
(c) 寄託番号PTA-13235を有するATCCに寄託されたプラスミドによってコードされる軽鎖
を含む、本発明1001〜1044のいずれかの方法。
[本発明1056]
二重特異性抗体が219R45-MB-21R83 (305B83)である、本発明1001〜1044のいずれかの方法。
[本発明1057]
腫瘍またはがんが転移している、本発明1001〜1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
対象がヒトである、本発明1002〜1009、1011〜1018、1020〜1027、および1029〜1036、および1038〜1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
二重特異性抗体が、毎週、1週おきに、3週間ごとに、または4週間ごとに投与される、本発明1001〜1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
二重特異性抗体が、2週間ごとにまたは3週間ごとに投与される、本発明1059の方法。
[本発明1061]
二重特異性抗体が、約0.5 mg/kg〜約20 mg/kgの用量で投与される、本発明1001〜1060のいずれかの方法。
[本発明1062]
二重特異性抗体が、約0.5 mg/kg、1.0 mg/kg、2.0 mg/kg、3.0 mg/kg、4.0 mg/kg、5 mg/kg、または10 mg/kgの用量で投与される、本発明1061の方法。
発明の詳細な説明
本発明は、任意でさらなる抗がん剤と組み合わせて、抗体などのポリペプチドを含むがこれらに限定されない、VEGFおよび/またはDLL4に結合する結合物質(例えば、VEGF/DLL4結合物質)を用いて、がん、特に結腸直腸がん、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)がん、膵臓がん、および子宮内膜がんを処置するための方法を提供する。本発明はまた、治療的組み合わせ、例えば、(a) ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカン、(b) パクリタキセル、(c) ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)、または(c) パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせた抗DLL4/VEGF二重特異性抗体(例えば、305B83)を用いて、がんを処置するための方法を提供する。VEGF/DLL4結合物質およびさらなる抗がん剤を含む組成物およびキットも提供される。本発明の方法は、結腸直腸、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)、膵臓および子宮内膜の腫瘍成長を阻害する方法、結腸直腸がん、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)がん、膵臓がんおよび子宮内膜がんを処置する方法、結腸直腸腫瘍、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)腫瘍、膵臓腫瘍および子宮内膜腫瘍の腫瘍原性を低減する方法、結腸直腸腫瘍、卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)腫瘍、膵臓腫瘍および子宮内膜腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法、ならびに/または卵巣(例えば、白金抵抗性卵巣)がん、結腸直腸がん、膵臓がんおよび子宮内膜がんを有する患者において血管新生を調節する方法を含む。
I. 定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語および語句を以下に定義する。
本明細書において用いられる「抗体」という用語は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖質、ポリヌクレオチド、脂質または前記の組み合わせなどの標的を、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原識別部位または抗原結合部位によって認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書において用いられる場合、「抗体」という用語は、抗体が所望の生物学的活性を示す限り、無傷のポリクローナル抗体、無傷のモノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab'、F(ab')2およびFv断片などの)、一本鎖Fv (scFv)変異体、二重特異性抗体などの多重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原結合部位を含む融合タンパク質、および抗原結合部位を含む改変されたその他任意の免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれα、δ、ε、γおよびμといわれる重鎖定常ドメインの同一性に基づき、5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、またはそのサブクラス(アイソタイプ) (例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)のいずれかでありうる。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なる周知のサブユニット構造および三次元構造を有する。抗体はありのままでも、または毒素および放射性同位体を含むが、これらに限定されない、他の分子に結合されていてもよい。
「抗体断片」という用語は、無傷の抗体の一部をいい、本明細書において用いられる場合、無傷の抗体の抗原決定可変領域または抗原結合部位をいう。本明細書において用いられる「抗体断片」は、抗原結合部位またはエピトープ結合部位を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片、直鎖状抗体、一本鎖抗体、ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
抗体の「可変領域」という用語は、単独または組み合わせのいずれかの、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域をいう。重鎖および軽鎖の可変領域は一般的に、3つの相補性決定領域(CDR)(超可変領域としても知られる)によって連結された、4つのフレームワーク領域からなる。各鎖中のCDRは、フレームワーク領域によって近接してともに保持され、そして他の鎖由来のCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するには少なくとも2つの技術がある: (1) 種間配列変動に基づくアプローチ(すなわち、Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Edition, National Institutes of Health, Bethesda, MD)、および(2) 抗原-抗体複合体の結晶学的研究に基づくアプローチ(Al-Lazikani et al., 1997, J. Mol. Biol., 273:927-948)。さらに、CDRを決定するために当技術分野においてこれらの2つのアプローチの組み合わせが用いられることもある。
「モノクローナル抗体」という用語は、1つの抗原決定基またはエピトープの極めて特異的な認識および結合に関わる、均質な抗体集団をいう。これは、種々の異なる抗原決定基に対して作製された異なる抗体の混合物を典型的に含むポリクローナル抗体と対照的である。「モノクローナル抗体」という用語は、無傷のかつ全長のモノクローナル抗体と抗体断片(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv断片)、一本鎖Fv(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、および抗原結合部位を含む改変されたその他任意の免疫グロブリン分子の両方を包含する。さらに、「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ産生、ファージ選択、組み換え発現、およびトランスジェニック動物を含むがこれらに限定されない、任意のいくつかの技法によって作出されたそのような抗体をいう。
「ヒト化抗体」という用語は、最小限の非ヒト(例えば、マウス)配列を含む特異的な免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン、またはその断片である非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態をいう。
「ヒト抗体」という用語は、ヒトによって産生された抗体、またはヒトによって産生された抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味し、当技術分野において公知の技法のいずれかを用いて作出されうる。ヒト抗体のこの定義は、無傷のまたは全長抗体、およびその断片を含む。
「キメラ抗体」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つまたはそれ以上の種に由来する抗体をいう。典型的には、軽鎖および重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性および/または能力を有する、ある1つの哺乳動物種(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体の可変領域に対応するが、定常領域は、その種における免疫応答の誘発を回避するために、別の種(通常はヒト)に由来する抗体中の配列と相同である。
本明細書において用いられる「親和性成熟抗体」という語句は、抗体の1つまたは複数のCDRにおける1つまたは複数の改変を有する抗体であって、それらの改変を保有していない親抗体と比べて、抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす該抗体をいう。この定義には、CDR残基に対する改変と併せて作出された非CDR残基における改変も含まれる。望ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルまたはさらにピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、重鎖軽鎖シャッフリングによる親和性成熟、軽鎖可変領域シャッフリング、CDR残基のランダム変異導入法、フレームワーク残基のランダム変異導入法、CDR残基の部位特異的突然変異、フレームワーク残基の部位特異的突然変異を含むがそれに限定されない当技術分野において周知の技術によって、産生されうる。
「エピトープ」および「抗原決定基」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、特定の抗体により認識され特異的に結合されうる抗原のその部分をいう。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは連続的なアミノ酸からも形成され、タンパク質の三次元的折り畳みによって近接して並べられた非連続的なアミノ酸からも形成されうる。連続的なアミノ酸から形成されたエピトープ(直鎖状エピトープともいわれる)は、タンパク質が変性した場合にも典型的には維持されるが、三次元的折り畳みによって形成されたエピトープ(立体配座エピトープともいわれる)は、タンパク質が変性すると典型的には失われる。エピトープは、典型的には、独特の空間的配置の中に少なくとも3アミノ酸、より一般的には、少なくとも5アミノ酸または8〜10アミノ酸を含む。
「ヘテロ多量体分子」または「ヘテロ多量体」または「ヘテロ多量体複合体」または「ヘテロ多量体ポリペプチド」という用語は、第2のポリペプチドが少なくとも1つのアミノ酸残基だけ第1のポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる、少なくとも第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む分子をいうように本明細書において互換的に用いられる。ヘテロ多量体分子は、第1および第2のポリペプチドによって形成された「ヘテロ二量体」を含むことができ、またはさらなるポリペプチドが存在するさらに高次の三次構造を形成することができる。
本明細書において用いられる「アンタゴニスト」および「アンタゴニストの」という用語は、標的および/またはシグナル伝達経路(例えば、Notch経路)の生物学的活性を部分的にまたは完全に遮断する、阻害する、低減する、または無力化する任意の分子をいう。「アンタゴニスト」という用語は、タンパク質の活性を部分的にまたは完全に遮断する、阻害する、低減する、または無力化する任意の分子を含むように本明細書において用いられる。適当なアンタゴニスト分子は特に、アンタゴニスト抗体または抗体断片を含むが、これらに限定されることはない。
本明細書において用いられる「調節」および「調節する」という用語は、生物学的活性の変化または改変をいう。調節は、活性の刺激または阻害を含むが、これらに限定されることはない。調節は、活性の増加もしくは減少(例えば、血管新生の減少もしくは血管新生の増加)、結合特性の変化、またはタンパク質の活性、経路もしくは関心対象の他の生物学的要点(biological point)と関連した生物学的、機能的もしくは免疫学的特性の任意の他の変化でありうる。
「選択的に結合する」または「特異的に結合する」という用語は、結合物質または抗体が、関連のないタンパク質を含む別の物質とよりも、エピトープ、タンパク質または標的分子と、より高頻度に、より迅速に、より長い持続時間で、より高い親和性で、または前記のいくつかの組み合わせで反応または結合することを意味する。ある種の態様において、「特異的に結合する」とは、例えば、抗体が約0.1 mMまたはそれ以下、しかし、より通常には、約1 μM未満のKDでタンパク質に結合することを意味する。ある種の態様において、「特異的に結合する」とは、抗体が、時には、少なくとも約0.1 μMまたはそれ以下、またある時には、少なくとも約0.01 μMまたはそれ以下、またある時には、少なくとも約1 nMまたはそれ以下のKDで標的に結合することを意味する。異なる種における相同タンパク質間の配列同一性のため、特異的結合は、2種以上の種におけるタンパク質(例えば、ヒトVEGFおよびマウスVEGF)を認識する抗体を含むことができる。同様に、異なるタンパク質のポリペプチド配列のある種の領域内の相同性のため、特異的結合は、2種以上のタンパク質(例えば、ヒトVEGF-AおよびヒトVEGF-B)を認識する抗体(または他のポリペプチドもしくは結合物質)を含むことができる。ある種の態様において、第1の標的に特異的に結合する抗体または結合部分は、第2の標的に特異的に結合してもしなくてもよいことが理解されよう。したがって、「特異的な結合」とは、排他的な結合、すなわち単一の標的との結合を(含むことができるが)必ずしも必要としない。かくして、抗体は、ある種の態様において、2種以上の標的に特異的に結合することができる。ある種の態様において、複数の標的が抗体上の同じ抗原結合部位によって結合されうる。例えば、抗体は、場合によっては、それぞれが2種またはそれ以上のタンパク質上の同じエピトープに特異的に結合する2つの同一の抗原結合部位を含むことができる。ある種の代替的な態様において、抗体は多重特異性であることができ、異なる特異性を有する少なくとも2つの抗原結合部位を含むことができる。非限定的な例として、二重特異性抗体は、1つのタンパク質(例えば、ヒトVEGF)上のエピトープを認識する1つの抗原結合部位を含むことができ、第2のタンパク質(例えば、ヒトDLL4)上の異なるエピトープを認識するもう1つの、異なる抗原結合部位をさらに含むことができる。一般的に、しかし必ずというわけではないが、結合への言及は特異的な結合を意味する。
「ポリペプチド」および「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、任意の長さのアミノ酸の重合体をいう。この重合体は直鎖または分岐鎖であってよく、修飾アミノ酸を含んでよく、非アミノ酸によって中断されてよい。これらの用語は同様に、天然によりあるいは介入により、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分との結合などの、その他任意の操作もしくは修飾により改変されたアミノ酸重合体を包含する。例えば、1つまたは複数のアミノ酸類似体(例えば、非天然アミノ酸を含む)、ならびに当技術分野において公知の他の修飾を含有するポリペプチドも、この定義のなかに含まれる。本発明のポリペプチドは、ある種の態様において、抗体に基づきうるので、ポリペプチドは一本鎖または結合した鎖として生じてもよいことが理解されよう。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、任意の長さのヌクレオチドの重合体をいい、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、および/またはその類似体、あるいはDNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼによって重合体に組み込むことができる任意の基質でもよい。
「高ストリンジェンシーの条件」は、(1) 洗浄のために低いイオン強度および高い温度、例えば50℃で15 mM塩化ナトリウム/1.5 mMクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを利用する; (2) ハイブリダイゼーションの間に5×SSC (0.75 M NaCl、75 mMクエン酸ナトリウム)中、変性剤、例えばホルムアミド、例えば、50% (v/v)ホルムアミド + 0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/50 mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.5を42℃で利用する; または(3) ハイブリダイゼーションの間に5×SSC中50%ホルムアミド、50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理済みサケ精子DNA (50 μg/ml)、0.1% SDS、および10%硫酸デキストランを42℃で利用し、42℃で0.2×SSCおよび50%ホルムアミド中にて洗浄し、その後、EDTAを含有する0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄を55℃で行うものによって特定されうる。
2つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチドという文脈において、「同一の」または「同一性」の割合という用語は、保存的アミノ酸置換を配列同一性の一部として全く考慮することなく、最大一致を得るように比較されアライメントされた場合に(必要であれば、ギャップを導入して)、同じであるか、または特定の割合の同じヌクレオチドもしくはアミノ酸残基を有するかの、2つまたはそれ以上の配列または部分配列をいう。同一性の割合は、配列比較ソフトウェアもしくはアルゴリズムを用いて、または目視検査によって測定することができる。アミノ酸またはヌクレオチド配列のアライメントを得るために使用できるさまざまなアルゴリズムおよびソフトウェアが当技術分野において公知である。これらにはBLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Packageおよびそのバリエーションが含まれるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、本発明の2つの核酸またはポリペプチドは実質的に同一であり、それらが、最大一致を得るように比較されアライメントされ、配列比較アルゴリズムを用いてまたは目視検査によって測定された場合に、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、およびいくつかの態様において少なくとも95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有することを意味する。いくつかの態様において、同一性は、長さが少なくとも約10残基、少なくとも約20残基、少なくとも約40〜60残基、少なくとも約60〜80残基またはその間の任意の整数値である配列の領域にわたって存在する。いくつかの態様において、同一性は、少なくとも約80〜100残基などの、60〜80残基よりも長い領域にわたって存在し、いくつかの態様において、配列はヌクレオチド配列のコード領域などの、比較されている配列の全長にわたって実質的に同一である。
「保存的アミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基で置換されるものである。塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが当技術分野において定義されている。例えば、チロシンをフェニルアラニンで置換するのが保存的置換である。本発明のポリペプチドおよび抗体の配列における保存的置換は、アミノ酸配列を含有するポリペプチドまたは抗体と、ポリペプチドまたは抗体が結合する抗原との結合を阻止しないことが好ましい。抗原結合を妨げない、ヌクレオチドおよびアミノ酸の保存的置換を特定する方法は当技術分野において周知である。
本明細書において用いられる「ベクター」という用語は、宿主細胞において関心対象の1つまたは複数の遺伝子または配列を送達できる、通常は、発現できる構築体を意味する。ベクターの例としては、ウイルスベクター、裸のDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、カチオン性縮合剤と結合したDNAまたはRNA発現ベクター、およびリポソーム中にカプセル封入されたDNAまたはRNA発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されることはない。
「単離された」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物は、天然では見られない形態にあるポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物には、天然で見られる形態にはない程度まで精製されたものが含まれる。いくつかの態様において、単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物は実質的に純粋である。
本明細書において用いられる「実質的に純粋な」という用語は、少なくとも50%純粋である(すなわち、夾雑物を含まない)、少なくとも90%純粋である、少なくとも95%純粋である、少なくとも98%純粋である、または少なくとも99%純粋である材料をいう。
本明細書において用いられる「がん」および「がん性」という用語は、無秩序な細胞増殖を特徴とする細胞集団を含む哺乳動物における生理的状態をいい、または記述する。
本明細書において用いられる「腫瘍」および「新生物」という用語は、過度の細胞成長または増殖に起因する、前がん病変を含む良性(非がん性)病変または悪性(がん性)病変の任意の組織塊をいう。
本明細書において用いられる「転移」という用語は、身体の出現部位から他の領域にがんが拡散または移動し、新たな場所での類似のがん性病変の発生を伴う過程をいう。「転移」または「転移性」細胞は、隣接する細胞との接着性接触を失い、疾患の原発部位から血流またはリンパを介して移動し、隣接する身体構造に浸潤する細胞である。
「がん幹細胞」および「CSC」および「腫瘍幹細胞」および「腫瘍開始細胞」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、(1) 高い増殖能を有し; 2) 非対称細胞分裂を行って、増殖能力または発生能力の低下した1つまたは複数のタイプの分化した細胞子孫を作出でき; かつ(3) 自己複製または自己維持のための対称細胞分裂を行うことができる、がんまたは腫瘍由来の細胞をいう。これらの特性によって、がん幹細胞には、免疫不全宿主(例えば、マウス)に累代移植されると、腫瘍を形成できない大多数の腫瘍細胞と比較して腫瘍またはがんを形成または樹立する能力が付与される。がん幹細胞は、分化に対して無秩序な様式で自己複製を起こし、変異が生じるにつれて経時変化しうる異常細胞型を含む腫瘍を形成する。
「がん細胞」および「腫瘍細胞」という用語は、がん細胞集団の大部分を構成する非腫瘍形成性細胞および腫瘍形成性幹細胞(がん幹細胞)の両方を含む、がんまたは腫瘍または前がん病変に由来する細胞の全集団をいう。本明細書において用いられる場合、「がん細胞」または「腫瘍細胞」という用語は、再生および分化する能力が無い腫瘍細胞のみをいう場合に、腫瘍細胞とがん幹細胞を区別するために「非腫瘍形成性の」という用語で修飾される。
本明細書において用いられる「腫瘍形成性の」という用語は、(さらなる腫瘍形成性がん幹細胞を生じる)自己複製の特性、および(分化した、したがって、非腫瘍形成性の腫瘍細胞を生じる)他の全ての腫瘍細胞を発生する増殖を含む、がん幹細胞の機能的特徴をいう。
本明細書において用いられる「腫瘍形成性」という用語は、腫瘍由来細胞の無作為サンプルが、免疫不全宿主(例えば、マウス)に累代移植されると、触診可能な腫瘍を形成する能力をいう。この定義には、免疫不全宿主(例えば、マウス)に累代移植されると、触診可能な腫瘍を形成するがん幹細胞の濃縮されたおよび/または単離された集団も含まれる。
卵巣がんの文脈における「白金抵抗性」という用語は、白金に基づく化学療法に対する応答を有しない再発性疾患(すなわち、疾患の進行、もしくは最良の応答として安定疾患)を有するか、または一次処置の6ヶ月以内に再発した患者をいう。再発性卵巣がんを有するほとんどの患者は、白金抵抗性を最終的に生じる。
「対象」という用語は、特定の処置のレシピエントとなるべき、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、げっ歯類などを含むが、これに限定されない任意の動物(例えば、哺乳動物)をいう。典型的には、ヒト対象に関して、本明細書では「対象」および「患者」という用語が互換的に用いられる。
「薬学的に許容される」という用語は、ヒトを含めて、動物での使用が、連邦政府もしくは州政府の監督官庁によって承認された(もしくは承認可能な)または米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に記載されている製品もしくは化合物をいう。
「薬学的に許容される賦形剤、担体もしくは補助剤」または「許容される薬学的な担体」という用語は、少なくとも1つの本開示の結合物質(例えば、抗体)とともに、対象に投与でき、かつその結合物質の活性を破壊しない賦形剤、担体または補助剤をいう。賦形剤、担体または補助剤は、治療効果を送達するのに十分な用量で結合物質とともに投与された場合に無毒でなければならない。
「有効量」または「治療的有効量」または「治療的効果」という用語は、対象または哺乳動物における疾患または障害を「処置する」のに有効な、結合物質、抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、有機低分子または他の薬物の量をいう。がんの場合、薬物(例えば、抗体)の治療的有効量は、治療的効果を有し、したがってがん細胞の数を減らす; 腫瘍形成性、腫瘍形成頻度もしくは腫瘍形成能を下げる; がん幹細胞の数もしくは頻度を減らす; 腫瘍サイズを減らす; がん細胞集団を減らす; 例えば、軟組織もしくは骨へのがんの拡散を含む末梢臓器へのがん細胞の浸潤を阻むおよび/もしくは止める; 腫瘍もしくはがん細胞転移を阻むおよび/もしくは止める; 腫瘍もしくはがん細胞増殖を阻むおよび/もしくは止める; がんと関連する症状の1つもしくは複数をある程度まで和らげる; 有病率および死亡率を減らす; 生活の質を良くする; またはこのような効果の組み合わせをもたらすことができる。剤、例えば抗体が、既存のがん細胞の増殖を抑止する、かつ/または既存のがん細胞を死滅化する限りにおいて、それを、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性ということができる。
「処置する」もしくは「処置」もしくは「処置するため」または「緩和する」もしくは「緩和するため」という用語は、1) 診断された病理学的状態もしくは障害の症状を治癒する、減速する、軽減する、および/または診断された病理学的状態もしくは障害の進行を食い止める治療的手段、ならびに2) 標的化された病理学的状態または障害の発生を阻止するまたは遅延する予防的または防止的手段の両方をいう。したがって、処置を必要とする者には、障害を既に有する者; 障害を有する傾向がある者; および障害が予防されるべき者が含まれる。いくつかの態様において、患者が以下の1つまたは複数を示すなら、対象は本発明の方法によって成功裏に「処置されて」いる: がん細胞の数の低下もしくはがん細胞の完全な非存在; 腫瘍サイズの低下; 軟組織および骨へのがん細胞の拡散を含む末梢臓器へのがん細胞浸潤の阻害もしくは非存在; 腫瘍もしくはがん細胞転移の阻害もしくは非存在; がん成長の阻害もしくは非存在; 特異的ながんと関連する1つもしくは複数の症状の緩和; 有病率および死亡率の低下; 生活の質の改善; 腫瘍形成性の低下; がん幹細胞の数もしくは頻度の低下; またはこのような効果のいくつかの組み合わせ。
「FOLFIRI」とは、ロイコボリン(LV)、5-フルオロウラシル(FU)、およびイリノテカンの組み合わせを意味し、l-LV 200 mg/m2もしくはdl-LV 400 mg/m2が2時間の注入として与えられ、同時に(例えば、Yコネクタによって)180 mg/m2のイリノテカンがデキストロース5% 500 mL中で90分の注入として与えられ、続いてボーラスFU 400 mg/m2および2,400 mg/m2〜3,000 mg/m2での46時間のFU注入が2週間ごとに与えられる。
「膵臓がん」または「膵臓腫瘍」とは、初めに膵臓において発生する任意のがんまたは腫瘍を意味する。最も一般的なタイプの膵臓がんは、膵臓腺がんである。他のタイプの膵臓がんには、膵島細胞がん、膵臓芽細胞腫、および膨大部がんが含まれる。
「結腸直腸がん」または「結腸直腸腫瘍」とは、大腸、すなわち、結腸または直腸において発生する任意のがんを意味する。最も多くの結腸直腸がんは腺がんである。他のタイプの結腸直腸がんには、カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、および肉腫が含まれる。
「卵巣がん」とは、卵巣、卵管、または原発性腹膜中に発生し、卵巣へと広がる任意のがんを意味する。最も一般的な卵巣がんは、卵巣上皮がんである。他の卵巣がんには、胚細胞がんが含まれる。
「子宮内膜がん」とは、子宮内膜において発生する任意のがんを意味する。子宮内膜がんには、子宮内膜がん、例えば、腺がん、がん肉腫、扁平上皮がん、未分化がん、小細胞がん、および移行性がんが含まれ、そのうちで最も一般的なものは腺がんである。
本開示および特許請求の範囲において用いられる場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という単数形は、文脈上明らかに他の指示がない限り、複数形を含む。
本明細書において「含む/含んだ」という言い回しで態様が記述された場合はいつでも、「からなる」および/または「から本質的になる」によって記述される他の類似する態様も提供されることが理解されよう。本明細書において「から本質的になる」という言い回しで態様が記述された場合はいつでも、「からなる」によって記述される他の類似する態様も提供されることも理解されよう。
本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句において用いられる「および/または」という用語は、AおよびB; AまたはB; A (のみ); およびB (のみ)も含むことが意図される。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの語句において用いられる「および/または」という用語は、以下の態様のそれぞれを含むことが意図される: A、BおよびC; A、BまたはC; AまたはC; AまたはB; BまたはC; AおよびC; AおよびB; BおよびC; A (のみ); B (のみ); ならびにC (のみ)。
II. 使用の方法および薬学的組成物
VEGFおよび/またはDLL4に結合する(例えば、特異的に結合する)本発明の結合物質(ポリペプチドおよび抗体を含む)は、特に、ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカンと(例えば、結腸直腸がんの処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣がんなどの卵巣がんの処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓がんの処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜がんの処置のために)組み合わせて、がんの処置などの、治療的処置方法を含むがこれに限定されない、種々の用途において有用である。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣がんである。いくつかの態様において、がんは子宮内膜がんである。ある種の態様において、物質は、VEGF活性を阻害するために、DLL4誘導性Notchシグナル伝達を阻害するために、腫瘍成長を阻害するために、腫瘍体積を低減するために、腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減するために、腫瘍の腫瘍原性を低減するために、腫瘍を有する患者において血管新生を調節するために、および/または腫瘍を有する患者において血管新生を阻害するために有用である。使用の方法は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボでありうる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒトVEGFのアンタゴニストである。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒトDLL4のアンタゴニストである。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒトVEGFおよびヒトDLL4の両方のアンタゴニストである。
本発明は、特に、FOLFIRIと(例えば、結腸直腸腫瘍の処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣腫瘍などの卵巣腫瘍の処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓腫瘍の処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜腫瘍の処置のために)組み合わせて、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質または抗体を用いて腫瘍の成長を阻害するための方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、インビトロで腫瘍細胞をVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)と接触させる段階を含む。例えば、不死化細胞株またはがん細胞株を、抗VEGF抗体、抗DLL4抗体、抗VEGF /抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせが添加されている培地中で培養して、腫瘍細胞増殖を阻害する。いくつかの態様において、腫瘍細胞を、例えば、組織生検材料または血液サンプルなどの患者サンプルから単離し、VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせが添加されている培地中で培養して腫瘍細胞増殖を阻害する。
いくつかの態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、特にFOLFIRIと(例えば、結腸直腸腫瘍の処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣がんなどの卵巣腫瘍の処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓腫瘍の処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜腫瘍の処置のために)組み合わせて、インビボで腫瘍または腫瘍細胞をVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)と接触させる段階を含む。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍または腫瘍細胞をVEGF/DLL4結合物質と接触させる段階は、動物モデルにおいて行われる。例えば、抗VEGF抗体、抗DLL4抗体、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体、または治療的組み合わせは、腫瘍異種移植片を有する免疫不全宿主動物(例えば、NOD/SCIDマウス)に投与されうる。いくつかの態様において、腫瘍細胞および/またはがん幹細胞を、例えば、組織生検材料または血液サンプルなどの患者サンプルから単離し、免疫不全宿主動物(例えば、NOD/SCIDマウス)に注射し、次いで、腫瘍細胞増殖を阻害するようにVEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせを投与する。いくつかの態様において、腫瘍成長を抑止するように、VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせは、動物への腫瘍形成性細胞の導入と同時に、またはその直後に投与される(「予防モデル」)。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせは、腫瘍が特定の大きさに成長した後に、治療用物質として投与される(「治療モデル」)。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合する二重特異性抗体である。
ある種の態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、特に、FOLFIRIと(例えば、結腸直腸腫瘍の処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣がんなどの卵巣がんの処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓がんの処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜腫瘍の処置のために)組み合わせて、VEGF/DLL4結合物質の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。ある種の態様において、対象はヒトである。ある種の態様において、対象は腫瘍(例えば、膵臓腫瘍、結腸直腸腫瘍もしくは子宮内膜腫瘍)を有するか、または腫瘍の少なくとも一部分が外科的に除去されている。ある種の態様において、腫瘍はがん幹細胞を含む。ある種の態様において、腫瘍内のがん幹細胞の頻度はVEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせの投与によって低減される。本発明はまた、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体)または治療的組み合わせの有効量を、腫瘍と接触させる段階を含む、腫瘍(例えば、結腸直腸腫瘍、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、または子宮内膜腫瘍)内のがん幹細胞の頻度を低減する方法を提供する。いくつかの態様において、腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する方法は、腫瘍を有する対象に、VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせの治療的有効量を投与する段階を含む。
本発明はさらに、特に、FOLFIRIと(例えば、結腸直腸腫瘍の処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣がんなどの卵巣がんの処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓がんの処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜腫瘍の処置のために)組み合わせて、VEGF/DLL4結合物質の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む、がんを処置するための方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣腫瘍である。ある種の態様において、腫瘍は子宮内膜腫瘍である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質はVEGFに結合し、がん(例えば、結腸直腸がん、卵巣がん、膵臓がん、または子宮内膜がん)の成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質はDLL4に結合し、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFおよびDLL4に結合する二重特異性抗体であり、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFに結合し、VEGF/VEGF受容体相互作用を妨害し、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4に結合し、DLL4/Notch相互作用を妨害し、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFおよびDLL4の両方に結合し、VEGF/VEGF受容体相互作用を妨害し、DLL4/Notch相互作用を妨害し、がんの成長を阻害または低減する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4に結合し、がん内のがん幹細胞の頻度を低減する。
本発明は、特に、FOLFIRIと(例えば、結腸直腸腫瘍の処置のために)組み合わせて、パクリタキセルと(例えば、白金抵抗性卵巣がんなどの卵巣がんの処置のために)組み合わせて、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと(例えば、膵臓がんの処置のために)組み合わせて、ならびにパクリタキセルおよび/またはカルボプラチンと(例えば、子宮内膜腫瘍の処置のために)組み合わせて、VEGF/DLL4結合物質の治療的有効量を、対象(例えば、処置を必要とする対象)に投与する段階を含む、がんを処置する方法を提供する。ある種の態様において、腫瘍は白金抵抗性卵巣腫瘍である。ある種の態様において、がんは子宮内膜がんである。ある種の態様において、対象はヒトである。ある種の態様において、対象はがん性腫瘍を有する。ある種の態様において、対象は腫瘍(例えば、結腸直腸腫瘍、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、または子宮内膜腫瘍)の少なくとも一部分が外科的に除去されている。
対象のがん/腫瘍は、いくつかの態様において、ある種の処置に不応性でありうる。いくつかの態様において、対象のがん(または腫瘍)は化学療法抵抗性でありうる。それらの場合、本明細書において提供される療法は、がん/腫瘍の第二選択療法または第三選択療法であることができる。ある種の態様において、対象のがんは、抗VEGF療法または抗DLL4療法に抵抗性でありうる。
本明細書において記述される方法のいずれかのある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
本明細書において記述される方法のいずれかのある種の態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、SEQ ID NO:11と少なくとも約80%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64と少なくとも約80%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4二重特異性抗体は、SEQ ID NO:11と少なくとも約80%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:64と少なくとも約80%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。
本明細書において記述される方法のいずれかのいくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗VEGF抗体である。いくつかの態様において、抗VEGF抗体は抗体219R45である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗DLL4抗体である。いくつかの態様において、抗DLL4抗体は抗体21R79、抗体21R83、または抗体219R45である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79、抗体21R75、または抗体21R83由来の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体219R45由来の第1の抗原結合部位および抗体21R79、抗体21M18、抗体21R75、または抗体21R83由来の第2の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18(305B18)である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79(305B79)である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75(305B75)である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83(305B83)である。
本発明は、結合物質をさらなる治療剤(たとえば、本明細書に記述されているもの)と組み合わせて含んだ薬学的組成物をさらに提供する。ある種の態様において、薬学的組成物はさらに、薬学的に許容される媒体を含む。これらの薬学的組成物には対象(例えば、ヒト患者)における腫瘍成長の阻害(たとえば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜の腫瘍成長)および/またはがんの処置(たとえば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜がん)において用途がある。
ある種の態様において、本発明は、組成物中の抗体の少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%が二重特異性抗体またはヘテロ二量体抗体である、二重特異性抗体を含んだ薬学的組成物を提供する。ある種の態様において、二重特異性抗体はIgG (例えば、IgG2またはIgG1)抗体である。ある種の態様において、組成物中の全抗体の約10%未満、約5%未満、約2%未満または約1%未満が単一特異性抗体またはホモ二量体抗体である。ある種の態様において、組成物中の抗体は少なくとも約98%ヘテロ二量体性である。
ある種の態様において、本発明の精製された抗体、剤、または治療的組み合わせと、薬学的に許容される媒体(例えば、担体または賦形剤)とを組み合わせることによって、保管および使用のための製剤が調製される。適当な薬学的に許容される媒体には、無毒の緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、および他の有機酸緩衝液; 塩、例えば、塩化ナトリウム; アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化物質; 防腐剤、例えば塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチルパラベンまたはプロピルパラベン、カテコール、ゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾール; 低分子量ポリペプチド(例えば、約10未満のアミノ酸残基); タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン; 親水性重合体、例えば、ポリビニルピロリドン; アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン; 炭水化物、例えば、単糖、二糖、グルコース、マンノース、またはデキストリン; キレート剤、例えば、EDTA; 糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトール; 塩を形成する対イオン、例えば、ナトリウム; 金属錯体、例えばZn-タンパク質錯体; および非イオン界面活性剤、例えばTWEENまたはポリエチレングリコール(PEG)が含まれるが、これらに限定されることはない。(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical Press, London)。
本発明の薬学的組成物は、局所処置または全身処置のための多様な手法で投与することができる。投与は表皮パッチもしくは経皮パッチ、軟膏、ローション剤、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレイ、液剤および散剤による局所投与; 噴霧器による投与を含む、散剤もしくはエアロゾル剤の吸入もしくはガス注入による肺投与、気管内投与および鼻腔内投与; 経口投与; または静脈内投与、動脈内投与、腫瘍内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与(例えば、注射もしくは注入)もしくは頭蓋内投与(例えば、くも膜下腔内投与もしくは脳室内投与)を含む、非経口投与でもよい。
治療用製剤は単位剤形でもよい。このような製剤には、錠剤、丸剤、カプセル、散剤、顆粒剤、水もしくは非水性媒体に溶解した溶液もしくは懸濁液、または坐剤が含まれる。錠剤などの固形組成物では、主要な有効成分が薬学的担体と混合されている。従来の錠剤化成分には、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム、および他の希釈剤(例えば、水)が含まれる。本発明の化合物またはその無毒な薬学的に許容される塩の均一混合物を含む固体の予備処方組成物を形成するために、これらを用いることができる。次いで、固体予備処方組成物を、上述の型の単位剤形へ細分する。持効性の長所を与える剤形を提供するために、製剤または組成物の錠剤、丸剤などをコーティングするか、他の方法で調合することができる。例えば、錠剤または丸剤は、外部成分によって覆われた内部組成物を含むことができる。さらに、崩壊に抵抗するよう働いて、内部成分にそのまま胃を通過させるかまたはその放出を遅らせることができる腸溶層によって、二つの成分を分離することができる。このような腸溶層またはコーティングにはさまざまな材料を用いることができる。このような材料は、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸と、セラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料との混合物を含む。
本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質、抗体、または治療的組み合わせをマイクロカプセル中に封入することもできる。このようなマイクロカプセルは、例えば、コアセルベーション技術または界面重合法によって、それぞれ、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルが、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中に、またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical Press, Londonに記述されているマクロエマルジョン中に調製される。
ある種の態様において、薬学的製剤には、リポソームと複合体化された本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせが含まれる。リポソームを作出するための方法は、当業者に公知である。例えば、いくつかのリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発によって生成することができる。規定の孔径のフィルタに通してリポソームを押し出すことにより、所望の直径を有するリポソームが得られる。
ある種の態様において、徐放性調製物を調製することができる。徐放性調製物の適当な例には、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体) または治療的組み合わせを含む、固体疎水性重合体の半透性マトリックスが含まれ、そのマトリックスは、成形された物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形をしている。徐放性マトリックスのさらなる例には、ポリエステル、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)などのヒドロゲル、ポリラクチド、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタメートの共重合体、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標) (乳酸-グリコール酸共重合体および酢酸ロイプロリドからなる注射可能なミクロスフェア)などの分解性乳酸-グリコール酸共重合体、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、およびポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。
III. ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)との組み合わせ
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83などの抗VEGF/DLL4二重特異性抗体)は、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と組み合わせて投与される。ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)を含む組み合わせは、例えば、膵臓がんを処置するために用いることができる。的確な投薬およびタイミングは、医師によって決定されうるか、または本明細書において記述される投薬レジメンのいずれかでありうる。特定の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)の3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、1週間、3日、2日、または1日以内に投与される。
VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83)は、0.1 mg/kg〜20 mg/kgもしくは0.5 mg/kg〜10 mg/kgの用量でまたは約0.5、1、2.5、4、5、10、もしくは15 mg/kgで投与されうる。いくつかの態様において、用量は3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、または15 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約1 mg/kg、2.5 mg/kg、または5 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約2週間ごとにまたは約3週間ごとに投与される。他の態様において、用量は、ほぼ毎週、10日ごとに、4週間ごとに、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投与される。
ある種の態様において、ABRAXANE(登録商標)は、毎週、1週おきに、3週間ごとに、21日サイクルの1日目、8日目、および15日目に、または28日サイクルの1日目、8日目、および15日目に投与される、50〜300 mg/m2の用量で、例えば、約50、100、125、150、175、200、225、250、260、275、または300 mg/m2で提供される。典型的には、ABRAXANE(登録商標)は静注で、例えば20〜60分、例えば30〜40分または約30分かけて送達される。ある種の態様において、ABRAXANE(登録商標)は、3週間ごとに約30分にわたって静脈内に約260 mg/m2の用量で、または各21日サイクルの1日目、8日目、および15日目に約30分にわたって静脈内に約100 mg/m2の用量で、投与される。
特定の態様において、ABRAXANE(登録商標)は、各28日サイクルの1日目、8日目、および15日目に30〜40分にわたって静脈内に約125 mg/m2で投与され、かつゲムシタビンはABRAXANE(登録商標)の直後に各28日サイクルの1日目、8日目、および15日目に投与される。これらの態様において、ゲムシタビンは約30分間、静脈内に約1000 mg/m2で投薬されることができる。
いくつかの態様において、ゲムシタビンは、静脈内に100〜2000 mg/m2で、例えば、約100、200、300、500、700、1000、1250、1500、または2000 mg/m2で投薬され、例えば、20〜60分または約30分注入される。
IV. ロイコボリン、フルオロウラシル、およびイリノテカンとの組み合わせ
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83などの抗VEGF/DLL4二重特異性抗体)は、ロイコボリン、フルオロウラシル、およびイリノテカンと組み合わせて投与される。この組み合わせは、結腸直腸がん(例えば、転移性結腸直腸がん)を処置するために用いることができる。的確な投薬およびタイミングは、医師によって決定されうるか、または本明細書において記述される投薬レジメンのいずれかでありうる。特定の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ロイコボリン、フルオロウラシル、およびイリノテカンの3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、1週間、3日、2日、または1日以内に投与される。
VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83)は、0.1 mg/kg〜20 mg/kgもしくは0.5 mg/kg〜10 mg/kgの用量でまたは約0.5、1、2.5、3、4、5、10、もしくは15 mg/kgで投与されうる。いくつかの態様において、用量は約3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、または15 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約1 mg/kg、2.5 mg/kg、または5 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約2週間ごとにまたは約3週間ごとに投与される。他の態様において、用量は、ほぼ毎週、10日ごとに、4週間ごとに、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投与される。
ある種の態様において、タイミングおよび投薬は、Tournigand et al., J. Clin. Oncol. 22:229-237, 2004に記述されているものにしたがう。これらの態様において、剤は「FOLFIRI」の組み合わせとして与えられ、すなわち、ここでl-ロイコボリン200 mg/m2またはdl-ロイコボリン400 mg/m2が2時間の注入として与えられ、同時に(例えば、Yコネクタによって)180 mg/m2のイリノテカンがデキストロース5% 500 ml中で90分の注入として与えられ、続いてボーラスでフルオロウラシル400 mg/m2および2,400 mg/m2〜3,000 mg/m2での46時間のフルオロウラシル注入が2週間ごとに与えられる。
他の態様において、dl-ロイコボリンは、100〜700 mg/m2で、例えば、約100、200、250、300、350、400、450、500、600、または700 mg/m2で(またはl-ロイコボリンが用いられる場合には適した等価な投薬で)与えることができる。ロイコボリンは、例えば、0.5〜3時間、例えば、約0.5、1、1.5、2、2.5、または3時間にわたる静注によって投与することができる。イリノテカンは、50〜300 mg/m2の用量で、例えば、約100、125、150、175、180、200、225、250、275、または300 mg/m2で投与することができる。イリノテカンは0.5〜3時間、例えば、約0.5、1、1.5、2、2.5、または3時間にわたって投与することができる。総フルオロウラシル投与量は、1000〜5000 mg/m2、例えば、約1000、1250、1500、2000、2500、3000、3500、4000 4500、または5000 mg/m2とすることができる。薬物は、例えば、週2回、毎週、1週おきに、3週に1回、または4週に1回投与することができる。
ある種の態様において、オキサリプラチンは、イリノテカンの代わりに、またはイリノテカンに加えて投与することができる。例えば、オキサリプラチンは、FOLFOX4、FOLFOX6、またはFOLFIRINOX投与計画の一部として投与されうる。
V. パクリタキセルとの組み合わせ
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83などの抗VEGF/DLL4二重特異性抗体)は、パクリタキセルと組み合わせて投与される。この組み合わせは、卵巣がん(例えば、白金抵抗性卵巣がん)を処置するために用いることができる。ある種の態様において、がんは、2つまたはそれ以上の先行治療(例えば、3つの先行治療もしくは4つの先行治療)で処置されており、かつ/またはベバシズマブなどの抗VEGF剤でこれまでに処置されている。的確な投薬およびタイミングは、医師によって決定されうるか、または本明細書において記述される投薬レジメンのいずれかでありうる。特定の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、パクリタキセルの3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、1週間、3日、2日、または1日以内に投与される。VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83)は、0.1 mg/kg〜20 mg/kgもしくは0.5 mg/kg〜10 mg/kgの用量で、または約0.5、1、2.5、3、4、5、10、もしくは15 mg/kgで投与されうる。いくつかの態様において、用量は3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、または15 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は1 mg/kg、2.5 mg/kg、または5 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約2週間ごとにまたは約3週間ごとに投与される。他の態様において、用量は、毎週、10日ごとに、4週間ごとに、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投与される。
パクリタキセルは、175 mg/m2の用量で与えることができるが、50〜300 mg/m2の範囲内で、例えば、約50、75、100、125、135、150、175、200、225、250、または300 mg/m2で与えることもできる。パクリタキセルは、毎週、2週間ごとに、3週間ごとに、4週間ごとに、毎月、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投薬することができる。
V. パクリタキセルおよびカルボプラチンとの組み合わせ
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83などの抗VEGF/DLL4二重特異性抗体)は、パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせて投与される。この組み合わせは、子宮内膜がんを処置するために用いることができる。的確な投薬およびタイミングは、医師によって決定されうるか、または本明細書において記述される投薬レジメンのいずれかでありうる。特定の態様において、VEGF/DLL4結合物質はパクリタキセルおよびカルボプラチンの3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、1週間、3日、2日、または1日以内に投与される。
VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83)は、0.1 mg/kg〜20 mg/kgもしくは0.5 mg/kg〜10 mg/kgの用量でまたは約0.5、1、2.5、3、4、5、10、もしくは15 mg/kgで投与されうる。いくつかの態様において、用量は3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、または15 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は1 mg/kg、2.5 mg/kg、または5 mg/kgである。いくつかの態様において、用量は約2週間ごとにまたは約3週間ごとに投与される。他の態様において、用量は、毎週、10日ごとに、4週間ごとに、6週間ごとに、または2ヶ月ごとに投与される。
ある種の態様において、カルボプラチンの投与量は300〜500 mg/m2である。投与量は、患者の糸球体(glomular)ろ過率に基づくことができ、一般に、曲線下面積(AUC)に関して記述される。処置を行っている医師に決定されるとおり、投薬はAUC 4、AUC 5、またはAUC 6でありうる。
パクリタキセルの投薬は、175 mg/m2の用量で与えることができるが、50〜300 mg/m2の範囲内で、例えば、約50、75、100、125、135、150、175、200、225、250、または300 mg/m2で与えることもできる。
特定の態様において、カルボプラチンおよびパクリタキセルは、例えば、静注により、例えば、約3週間ごとに、投与される。他の態様において、薬物は、ほぼ毎週、1週おきに、4週間ごとに、6週間ごとに、8週間ごとに、または3ヶ月ごとに投与される。
VI. 追加の併用療法
ある種の態様において、本明細書に記述されているVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせを投与する段階に加えて、前記の方法または処置は、少なくとも一種のさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも一種のさらなる治療剤は1種、2種、3種またはそれ以上のさらなる治療剤を含む。
少なくとも2種の治療剤による併用療法では、異なる作用機序によって働く剤を用いることが多いが、これは必要とされない。異なる作用機序を有する剤を用いた併用療法は、相加効果または相乗効果をもたらしうる。併用療法は単剤療法において用いられるよりも各剤の用量を低くすることを可能にし、それによって毒性副作用を低減しおよび/または少なくとも1種の剤の治療指数を増大しうる。併用療法は、耐性がん細胞が発現する可能性を減らしうる。いくつかの態様において、併用療法は、非腫瘍形成性細胞に主に影響を与える(例えば、阻害または死滅化する)治療剤、および腫瘍形成性CSCに主に影響を与える(例えば、阻害または死滅化する)治療剤を含む。
治療剤の有用なクラスには、例えば、抗チューブリン剤、アウリスタチン、DNA副溝結合物質、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えば、シスプラチン、モノ(白金)、ビス(白金)およびトリ-核白金錯体、ならびにカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質、抗葉酸剤、代謝拮抗物質、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソ尿素、プラチノール、プリン代謝拮抗物質、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどが含まれる。ある種の態様において、第2の治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、トポイソメラーゼ阻害剤または血管新生阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、カルボプラチンまたはシスプラチンなどの白金錯体である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、タキサンと組み合わせた白金錯体である。
VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせと共に投与されうるさらなる治療剤には、化学療法剤が含まれる。したがって、いくつかの態様において、前記の方法または処置は、さらなる化学療法剤または複数の異なる化学療法剤のカクテルと組み合わせた本発明の抗VEGF結合物質または抗体または治療的組み合わせの投与を伴う。いくつかの態様において、前記の方法または処置は、さらなる化学療法剤または複数の異なる化学療法剤のカクテルと組み合わせた本発明の抗DLL4結合物質または抗体または治療的組み合わせの投与を伴う。いくつかの態様において、前記の方法または処置は、さらなる化学療法剤または複数の異なる化学療法剤のカクテルと組み合わせた、VEGFおよびDLL4と結合する本発明の二重特異性抗体または治療的組み合わせの投与を伴う。
本発明において有用な化学療法剤には、アルキル化剤、例えば、チオテパおよびシクロホスファミド(シトキサン(CYTOXAN)); アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン; アジリジン、例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa); アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチローロメラミン(trimethylolomelamime)を含む、エチレンイミンおよびメチルアメラミン(methylamelamine); ナイトロジェンマスタード、例えば、クロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード; ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン; 抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ユベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン; 代謝拮抗物質、例えば、メトトレキセートおよび5-フルオロウラシル(5-FU); 葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート; プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン; ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シトシンアラビノシド、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FU; アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン; 抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン; 葉酸補充剤、例えば、フォリン酸; アセグラトン; アルドホスファミドグリコシド; アミノレブリン酸; アムサクリン; ベストラブシル; ビサントレン; エダトレキサート(edatraxate); デフォファミン(defofamine); デメコルチン; ジアジクオン; エルフォルミチン(elformithine); 酢酸エリプチニウム; エトグルシド; 硝酸ガリウム; ヒドロキシウレア; レンチナン; ロニダミン; ミトグアゾン; ミトキサントロン; モピダモール; ニトラクリン; ペントスタチン; フェナメット; ピラルビシン; ポドフィリニック酸; 2-エチルヒドラジド; プロカルバジン; PSK; ラゾキサン; シゾフラン(sizofuran); スピロゲルマニウム; テヌアゾン酸; トリアジクオン; 2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; ウレタン; ビンデシン; ダカルバジン; マンノムスチン; ミトブロニトール; ミトラクトール; ピポプロマン; ガシトシン(gacytosine); アラビノシド(Ara-C); タキソイド、例えば、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール); クロランブシル; ゲムシタビン; 6-チオグアニン; メルカプトプリン; メトトレキセート; 白金類似体、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン; ビンブラスチン; 白金; エトポシド(VP-16); イホスファミド; マイトマイシンC; ミトキサントロン; ビンクリスチン; ビノレルビン; ナベルビン; ノバントロン; テニポシド; ダウノマイシン; アミノプテリン; イバンドロン酸; CPT11; トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000; ジフルオロメチルオルニチン(DMFO); レチノイン酸; エスペラミシン; カペシタビン(ゼローダ); および前記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が含まれるが、これらに限定されることはない。化学療法剤にはまた、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように働く抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(FARESTON)を含む抗エストロゲン、ならびにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン、ならびに前記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体も含まれる。ある種の態様において、さらなる治療剤はシスプラチンである。ある種の態様において、さらなる治療剤はオキサリプラチンである。ある種の態様において、さらなる治療剤はドキソルビシン(アドリアマイシン)である。ある種の態様において、さらなる治療剤はエピルビシンである。
ある種の態様において、化学療法剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼ酵素(例えば、トポイソメラーゼIまたはII)の作用を妨害する化学療法剤である。トポイソメラーゼ阻害剤には、ドキソルビシンHCl、クエン酸ダウノルビシン、ミトキサントロンHCl、アクチノマイシンD、エトポシド、トポテカンHCl、テニポシド(VM-26)およびイリノテカン、ならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が含まれるが、これらに限定されることはない。ある種の態様においてさらなる治療剤はイリノテカンである。
ある種の態様において、化学療法剤は、代謝拮抗物質である。代謝拮抗物質は、正常な生化学反応に必要な代謝産物に似ているが、細胞の1つまたは複数の正常機能、例えば、細胞分裂を妨害するのに十分に異なる構造を有する化学物質である。代謝拮抗物質には、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキセートナトリウム、ラリトレキセド、ペメトレキセド、テガフール、シトシンアラビノシド、チオグアニン、5-アザシチジン、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、6-チオグアニン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビン、ならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が含まれるが、これらに限定されることはない。ある種の態様において、さらなる治療剤は5-フルオロウラシルである。ある種の態様において、さらなる治療剤は5-フルオロウラシルおよびイリノテカンである。ある種の態様において、さらなる治療剤は5-フルオロウラシルおよびオキサリプラチンである。ある種の態様において、さらなる治療剤は5-フルオロウラシルおよびシスプラチンである。ある種の態様において、さらなる治療剤はメトトレキサートである。
ある種の態様において、化学療法剤は、チューブリンに結合する剤を含むが、これに限定されない、有糸分裂阻害剤である。いくつかの態様において、剤はタキサンである。ある種の態様において、剤は、パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはパクリタキセルもしくはドセタキセルの薬学的に許容される塩、酸もしくは誘導体である。ある種の態様において、剤は、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))、DHA-パクリタキセル、またはPG-パクリタキセルである。いくつかの態様において、有糸分裂阻害剤は、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、もしくはビンデシン、またはその薬学的に許容される塩、酸もしくは誘導体を含む。いくつかの態様において、有糸分裂阻害剤は、キネシンEg5の阻害剤または有糸分裂キナーゼ、例えば、AuroraAもしくはPlk1の阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる剤はドセタキセルである。
いくつかの態様において、さらなる治療剤は、低分子等の剤を含む。例えば、処置は、本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせと、EGFR、ErbB2、HER2および/またはVEGFを含むが、これらに限定されない、さらなる腫瘍関連タンパク質に対する阻害剤として作用する低分子との併用投与を伴ってもよい。ある種の態様において、さらなる治療剤は、がん幹細胞経路を阻害する低分子である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Notch経路の低分子阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Wnt経路の低分子阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、BMP経路の低分子阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、β-カテニンシグナル伝達を阻害する低分子である。
いくつかの態様において、さらなる治療剤は、抗体などの生体分子を含む。例えば、処置は、本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体) または治療的組み合わせと、EGFR、ErbB2、HER2、VEGFおよび/またはVEGF受容体に結合する抗体を含むが、これらに限定されない、さらなる腫瘍関連タンパク質に対するさらなる抗体との併用投与を伴ってもよい。いくつかの態様において、さらなる治療剤は抗HER2抗体トシリツズマブである。いくつかの態様において、さらなる治療剤は抗VEGFR-2抗体ラムシルマブである。ある種の態様において、さらなる治療剤は、抗がん幹細胞マーカー抗体である抗体である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Notch経路の構成成分に結合する抗体である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Wnt経路の構成成分に結合する抗体である。ある種の態様において、さらなる治療剤は、がん幹細胞経路を阻害する抗体である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Notch経路の抗体阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、Wnt経路の抗体阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、BMP経路の抗体阻害剤である。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、β-カテニンシグナル伝達を阻害する抗体である。ある種の態様において、さらなる治療剤は、血管新生の阻害剤または調節剤である抗体(例えば、抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体)である。ある種の態様において、さらなる治療剤は、ベバシズマブ(アバスチン)、トラスツズマブ(ハーセプチン)、パニツムマブ(ベクチビックス)またはセツキシマブ(エルビタックス)である。
さらに、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせによる処置は、1つまたは複数のサイトカイン(例えば、リンホカイン、インターロイキン、腫瘍壊死因子および/または増殖因子)などの、他の生体分子によるさらなる処置を含んでもよく、あるいは腫瘍、がん細胞の外科的除去によって、または処置を行っている医師により必要とみなされた他の任意の療法によって達成されてもよい。
VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせおよびさらなる治療剤は、任意の順番でまたは同時に投与されうることが理解されよう。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)による処置は、化学療法の投与の前に、化学療法の投与と同時に、または化学療法の投与の後に行うことができる。併用投与は、1種類の薬学的製剤に入れた、もしくは別個の製剤を用いた同時投与を含んでもよく、またはどちらの順番でもよいが、活性物質の全てがその生物学的活性を同時に発揮できるように、一般的にある期間内で行われる、連続投与を含んでもよい。そのような化学療法剤の調製および投薬計画は、製造業者の指示にしたがって、または当業者により実験的に決定されるように、用いられうる。そのような化学療法の調製および投薬計画はまた、The Chemotherapy Source Book, 4th Edition, 2008, M. C. Perry, Editor, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PAに記述されている。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせおよびさらなる治療剤は、実質的に同時にまたは時を同じくして投与される。例えば、対象は、さらなる治療剤(例えば、化学療法)による一連の処置を受けると同時に、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせを投与されうる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による処置の1年以内に投与される。ある種の代替的な態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の10ヶ月以内、8ヶ月以内、6ヶ月以内、4ヶ月以内または2ヶ月以内に投与される。ある種の他の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の4週間以内、3週間以内、2週間以内または1週間以内に投与される。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、さらなる治療剤による任意の処置の5日以内、4日以内、3日以内、2日以内または1日以内に投与される。さらに、数時間または数分のうちに(すなわち、実質的に同時に)、剤または処置が対象に投与されうることが理解されよう。
ある種の態様において、がんの処置は、放射線療法と組み合わせた本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせの投与を伴う。VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせによる処置は、放射線療法の実施の前に、放射線療法の実施と同時に、または放射線療法の実施の後に行ってもよい。当業者は、このような放射線療法の投薬計画を決定することができる。
ある種の態様において、がんの処置は、外科手術と組み合わせた本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせの投与を伴う。VEGF/DLL4結合物質または治療的組み合わせによる処置は、外科手術の前に、外科手術と同時に、または外科手術の後に行ってもよい。
がんの処置のために、本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)または治療的組み合わせの適切な投与量は、がんの重篤度および経過、がんの応答性、VEGF/DLL4結合物質または抗体または治療的組み合わせが治療目的または予防目的で投与されているかどうか、患者が以前に受けた療法、患者の病歴などに依り、全て、処置を行っている医師の自由裁量で決まる。VEGF/DLL4結合物質または抗体または治療的組み合わせは、一回で投与されてもよく、または数日〜数ヶ月に及ぶ一連の処置として投与されてもよく、あるいは治癒が達成され、または疾患状態の減退が達成される(例えば、腫瘍のサイズが縮小する)まで投与されてもよい。最適な投薬計画は、患者の体内の薬物蓄積の測定から計算することができ、個々の抗体または剤の相対効力に依って変化するであろう。投与を行っている医師は、最適な投与量、投薬方法および反復率を決定することができる。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体の投与量は、約0.01 μg〜約100 mg/kg体重、約0.1 μg〜約100 mg/kg体重、約1 μg〜約100 mg/kg体重、約1 mg〜約100 mg/kg体重、約1 mg〜約80 mg/kg体重、約10 mg〜約100 mg/kg体重、約10 mg〜約75 mg/kg体重、または約10 mg〜約50 mg/kg体重である。ある種の態様において、抗体または他のVEGF/DLL4結合物質の投与量は、約0.1 mg〜約20 mg/kg体重である。ある種の態様において、投与量は、1日に、1週間に、1ヶ月にまたは1年に1回または複数回与えることができる。ある種の態様において、抗体または他のVEGF/DLL4結合物質は、週に1回、2週間に1回、3週間に1回または月に1回与えられる。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、初回の、より高い「負荷」用量で投与され、その後に1回または複数回の、より低い用量で投与されうる。いくつかの態様において、投与の頻度は変化してもよい。いくつかの態様において、投薬レジメンは、初回用量の投与、その後に週に1回、2週間に1回、3週間に1回または月に1回のさらなる用量(または「維持」用量)の投与を含みうる。例えば、投薬レジメンは、初回負荷用量の投与、その後に、例えば初回用量の2分の1の、週1回の維持用量の投与を含みうる。あるいは投薬レジメンは、初回負荷用量の投与、その後に、例えば隔週に初回用量の2分の1の、維持用量の投与を含みうる。あるいは投薬レジメンは、3週間3回の初回用量の投与、その後に、例えば隔週に同量の、維持用量の投与を含みうる。あるいは投薬レジメンは、初回用量の投与、その後に3週ごとまたは月に1回のさらなる用量の投与を含みうる。処置を行っている医師は、測定された滞留時間および体液または組織中の薬物濃度に基づいて、投薬のための反復率を評価することができる。治療の経過は、従来の技法およびアッセイ法によってモニターすることができる。
当業者には公知であるように、いずれかの治療剤の投与は、副作用および/または毒性をもたらしうる。場合によっては、副作用および/または毒性は、治療的に有効な用量での特定の剤の投与を妨げるほど重篤である。場合によっては、薬物治療を中断しなければならず、他の剤を試さなければならない。しかしながら、同じ薬効分類内の多くの剤は、類似の副作用および/または毒性を示すことが多く、このことは、患者が治療を止めるか、または可能なら、治療剤に関連した不快な副作用に苦しむのを止めるかしなければならないことを意味している。
治療剤由来の副作用には、じんましん、皮膚発疹、そう痒、吐き気、嘔吐、食欲減退、下痢、悪寒、発熱、疲労、筋肉の痛みおよび疼痛、頭痛、低血圧、高血圧、低カリウム血症、低血球数、出血、ならびに心臓障害が含まれうるが、これらに限定されることはない。
したがって、本発明の1つの局面は、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの投与に関連した副作用および/または毒性を低減しうる間欠投薬レジメンを用いて、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせを投与する段階を含む、患者においてがん(たとえば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜がん)を処置する方法を対象とする。本明細書において用いられる場合、「間欠投薬」は、週1回超の投薬間隔を用いた投薬レジメン、例えば、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回などの投薬をいう。いくつかの態様において、ヒト患者においてがんを処置するための方法は、間欠投薬レジメンにしたがって抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの有効な用量を患者に投与する段階を含む。いくつかの態様において、ヒト患者においてがんを処置するための方法は、間欠投薬レジメンにしたがって抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの有効な用量を患者に投与する段階、および抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの治療指数を増加させる段階を含む。いくつかの態様において、間欠投薬レジメンは、患者に抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの初回用量を投与する段階、および、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの後続用量を約2週間に1回投与する段階を含む。いくつかの態様において、間欠投薬レジメンは、患者に抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの初回用量を投与する段階、および抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの後続用量を約3週間に1回投与する段階を含む。いくつかの態様において、間欠投薬レジメンは、患者に抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの初回用量を投与する段階、および抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体または治療的組み合わせの後続用量を約4週間に1回投与する段階を含む。
いくつかの態様において、間欠投薬レジメンにおける後続用量は、初回用量とほぼ同じ量であるか、または初回用量よりも少ない。他の態様において、後続用量は、初回用量よりも多い量である。当業者によって知られるように、用いられる用量は、達成されるべき臨床目標に依って変化するであろう。いくつかの態様において、初回用量は、約0.25 mg/kg〜約20 mg/kgである。いくつかの態様において、初回用量は、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約0.5 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約1 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約2.5 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約5 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約7.5 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約10 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約12.5 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約15 mg/kgである。ある種の態様において、初回用量は、約20 mg/kgである。いくつかの態様において、後続用量は、約0.25 mg/kg〜約15 mg/kgである。ある種の態様において、後続用量は、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15 mg/kgである。ある種の態様において、後続用量は、約0.5 mg/kgである。ある種の態様において、後続用量は、約1 mg/kgである。ある種の態様において、後続用量は、約2.5 mg/kgである。ある種の態様において、後続用量は、約5 mg/kgである。いくつかの態様において、後続用量は、約7.5 mg/kgである。いくつかの態様において、後続用量は、約10 mg/kgである。いくつかの態様において、後続用量は、約12.5 mg/kgである。
いくつかの態様において、投薬レジメンは、特定の回数の投与または「サイクル」に限定されうる。いくつかの態様において、本明細書において記述される抗体は、3、4、5、6、7、8またはそれ以上のサイクルの間に投与される。いくつかの態様において、本明細書において記述される抗体は、間欠投薬と組み合わせて3、4、5、6、7、8またはそれ以上のサイクルの間に投与される。例えば、抗体は3週間ごとに6サイクル投与される、抗体は4週間ごとに6サイクル投与される、抗体は3週間ごとに4サイクル投与される、抗体は4週間ごとに4サイクル投与される、などである。当業者は、投薬計画を決定し、その後に変更することができる。
初回用量および後続用量のための送達方法の選択は、動物またはヒト患者が、体内への抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体の導入を許容できることにしたがって行われる。したがって、本明細書において記述される局面および/または態様のいずれかにおいて、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体の投与は、静脈内注射または静脈内によるものでありうる。いくつかの態様において、投与は静脈内注入によるものである。本明細書において記述される局面および/または態様のいずれかにおいて、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体の投与は、非静脈内経路によるものでありうる。
III. 抗体
本発明に記述されている方法、組成物、およびキットは、ヒトVEGFタンパク質および/またはヒトDLL4タンパク質に特異的に結合する剤を提供する。これらの剤は、本明細書において「VEGF/DLL4結合物質」といわれる。「VEGF/DLL4結合物質」という語句は、VEGFだけに結合する剤、DLL4だけに結合する剤、ならびにVEGFおよびDLL4の両方に結合する二重特異性物質を包含する。ある種の態様において、VEGFおよび/またはDLL4に特異的に結合することに加えて、VEGF/DLL4結合物質はさらに、少なくとも1つのさらなる標的または抗原に特異的に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質はポリペプチドである。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒトVEGFに特異的に結合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒトDLL4に特異的に結合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、二重可変ドメイン型免疫グロブリン(DVD-Ig、たとえばJakob et al., MAbs 5:358-63, 2013を参照)などの分子を含む二重特異性抗体である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合する二重特異性抗体である。ヒトVEGF (VEGF-A)およびヒトDLL4に対する全長アミノ酸(aa)配列は、当技術分野において公知であり、本明細書においてSEQ ID NO:27 (VEGF)およびSEQ ID NO:23 (DLL4)として提供されている。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約1 μMもしくはそれ以下、約100 nMもしくはそれ以下、約40 nMもしくはそれ以下、約20 nMもしくはそれ以下、約10 nMもしくはそれ以下、約1 nMもしくはそれ以下または約0.1 nMもしくはそれ以下の解離定数(KD)でVEGFおよび/またはDLL4に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約20 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよび/またはDLL4に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約10 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよび/またはDLL4に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよび/またはDLL4に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約0.1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよび/またはDLL4に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約100 nMまたはそれ以下のKDでヒトVEGFおよびマウスVEGFの両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約50 nMまたはそれ以下のKDでヒトVEGFおよびマウスVEGFの両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約100 nMまたはそれ以下のKDでヒトDLL4およびマウスDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約50 nMまたはそれ以下のKDでヒトDLL4およびマウスDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGFに対する結合物質(例えば、抗体)の解離定数は、Biacoreチップ上に固定化されている少なくともVEGFの一部分を含んだVEGF融合タンパク質を用いて決定された解離定数である。いくつかの態様において、DLL4に対する結合物質(例えば、抗体)の解離定数は、Biacoreチップ上に固定化されている少なくともDLL4の一部分を含んだDLL4-融合タンパク質を用いて決定された解離定数である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位およびDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約100 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよびDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約50 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよびDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約20 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよびDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約10 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよびDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、約1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFおよびDLL4の両方に結合する。いくつかの態様において、抗原結合部位の1つの親和性は、他の抗原結合部位の親和性よりも弱くてよい。例えば、1つの抗原結合部位のKDは約1 nMであってよく、かつもう1つの抗原結合部位のKDは約10 nMであってよい。いくつかの態様において、2つの抗原結合部位間の親和性の差異は、約2倍もしくはそれ以上、約3倍もしくはそれ以上、約5倍もしくはそれ以上、約8倍もしくはそれ以上、約10倍もしくはそれ以上、約15倍もしくはそれ以上、約20倍もしくはそれ以上、約30倍もしくはそれ以上、約50倍もしくはそれ以上、または約100倍もしくはそれ以上であってよい。2つの抗原結合部位の親和性の調節は、二重特異性抗体の生物学的活性に影響を与えうる。例えば、DLL4またはVEGFに対する抗原結合部位の親和性を低下させることは、所望の効果、例えば結合物質の毒性の低下または治療指数の増加を及ぼしうる。
非限定的な例として、二重特異性抗体は、(a) 約0.1 nM〜約1.0 nMのKDでヒトVEGFに結合する第1の抗原結合部位と、(b) 約0.1 nM〜約20 nM、約0.5 nM〜約20 nM、約1.0 nM〜10 nMのKDでヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含みうる。ある種の態様において、二重特異性抗体は、2つの同一の軽鎖を含む。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は約1 μMもしくはそれ以下、約100 nMもしくはそれ以下、約40 nMもしくはそれ以下、約20 nMもしくはそれ以下、約10 nMもしくはそれ以下、約1 nMもしくはそれ以下または約0.1 nMもしくはそれ以下の半最大有効濃度(EC50)でVEGFおよび/またはDLL4に結合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は約1 μMもしくはそれ以下、約100 nMもしくはそれ以下、約40 nMもしくはそれ以下、約20 nMもしくはそれ以下、約10 nMもしくはそれ以下、約1 nMもしくはそれ以下または約0.1 nMもしくはそれ以下の半最大有効濃度(EC50)でVEGFおよび/またはDLL4に結合する。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗体である。いくつかの態様において、抗体は組み換え抗体である。いくつかの態様において、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗体はキメラ抗体である。いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。いくつかの態様において、抗体はヒト抗体である。いくつかの態様において、抗体はIgA、IgD、IgE、IgGまたはIgM抗体である。ある種の態様において、抗体はIgG1抗体である。ある種の態様において、抗体はIgG2抗体である。ある種の態様において、抗体は、抗原結合部位を含む抗体断片である。いくつかの態様において、抗体は二重特異性抗体である。いくつかの態様において、抗体は一価、単一特異性、二価または多重特異性である。いくつかの態様において、抗体は細胞傷害性部分に結合される。いくつかの態様において、抗体は単離される。いくつかの態様において、抗体は実質的に純粋である。
本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、当技術分野において公知の任意の方法により特異的結合についてアッセイすることができる。使用できるイムノアッセイ法には、例えば、Biacore分析、FACS分析、免疫蛍光、免疫細胞化学、ウエスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ法、ELISA法、「サンドイッチ」イムノアッセイ法、免疫沈降アッセイ法、沈殿反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ法、凝集アッセイ法、補体固定アッセイ法、免疫放射線測定法、蛍光イムノアッセイ法、均一時間分解蛍光アッセイ(HTRF)法およびプロテインAイムノアッセイ法などの技法を用いた、競合的アッセイ系および非競合的アッセイ系が含まれるが、これらに限定されることはない。このようなアッセイ法は日常的なものであり、当技術分野において周知である(例えば、Ausubel et al., Editors, 1994-present, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York, NYを参照のこと)。
例えば、抗体とヒトVEGFおよび/またはヒトDLL4との特異的結合は、ELISA法を用いて決定されうる。ELISAアッセイ法には抗原を調製する段階、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを抗原でコーティングする段階、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)基質などの検出可能な化合物を結合させた抗体または他の結合物質をウェルに添加する段階、一定時間インキュベートする段階、および抗原に結合した結合物質の存在を検出する段階が含まれる。いくつかの態様において、結合物質または抗体に検出可能な化合物を結合させないが、その代わりに、結合物質または抗体を認識する第2の抗体(例えば、抗Fc抗体)であって、検出可能な化合物を結合させた該抗体がウェルに添加される。いくつかの態様において、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、結合物質または抗体をウェルにコーティングしてもよく、コーティングされたウェルに抗原を添加した後に、検出可能な化合物を結合させた第2の抗体を添加してもよい。当業者であれば、検出されたシグナルを増加させるためにパラメータを変えられること、および当技術分野において公知のELISAの他のバリエーションに精通しているであろう。
別の例において、抗体とヒトVEGFおよび/またはヒトDLL4との特異的結合は、FACSを用いて決定されうる。FACSスクリーニングアッセイ法には、融合タンパク質として抗原を発現するcDNA構築体を作出する段階、構築体を細胞にトランスフェクションする段階、細胞の表面に抗原を発現させる段階、結合物質または抗体とトランスフェクションされた細胞とを混合する段階、および一定時間インキュベートする段階が含まれうる。結合物質または抗体が結合した細胞は、検出可能な化合物を結合させた二次抗体(例えば、PE結合抗Fc抗体)およびフローサイトメーターを用いることによって特定されうる。当業者であれば、検出されたシグナルを最適化するためにパラメータを変えられること、およびスクリーニング(例えば、ブロッキング抗体のスクリーニング)を増強しうるFACSの他のバリエーションに精通しているであろう。
抗原(例えばVEGFまたはDLL4)に対する抗体または他の結合物質の結合親和性および抗体-抗原相互作用のオフ速度は、競合的結合アッセイ法によって決定することができる。競合的結合アッセイ法の一例は、漸増量の非標識抗原の存在下で、標識された抗原(例えば、3Hもしくは125I)またはその断片もしくは変種と関心対象の抗体とをインキュベーションした後に、標識された抗原に結合した抗体を検出する段階を含む、ラジオイムノアッセイ法である。抗原に対する抗体の親和性および結合オフ速度は、スキャッチャードプロット分析によってデータから決定することができる。いくつかの態様において、Biacore動態解析を用いて、抗原(例えばVEGFまたはDLL4)に結合する抗体または剤の結合オンオフ速度を決定する。Biacore動態解析は、その表面に固定化された抗原(例えばVEGFまたはDLL4)を有するチップからの抗体の結合および解離を解析する段階を含む。
ある種の態様において、本発明は、抗体219R45のCDRの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、および/または6つを含む、ヒトVEGFに特異的に結合するVEGF結合物質(例えば、抗体)を提供する(表1参照)。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、219R45のCDRの1つもしくはそれ以上、219R45のCDRの2つもしくはそれ以上、219R45のCDRの3つもしくはそれ以上、219R45のCDRの4つもしくはそれ以上、219R45のCDRの5つもしくはそれ以上、または219R45のCDRの6つ全てを含む。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、ヒトVEGFおよびマウスVEGFに結合する。
ある種の態様において、本発明は、ヒトVEGFに特異的に結合するVEGF結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記VEGF結合物質が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、
(a)NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトVEGFに特異的に結合するVEGF結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記VEGF結合物質が、
(a)NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(b)
を含んだ重鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(c)
を含んだ重鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(d)
を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(e)
を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;および
(f)
を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種
を含む。ある種の態様において、アミノ酸置換は保存的置換である。
ある種の態様において、本発明は、VEGFに特異的に結合するVEGF結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記VEGF結合物質が、SEQ ID NO:11と少なくとも約80%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:11を含んだ重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:11から本質的になる重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12から本質的になる軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:49を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。いくつかの態様において、VEGF結合抗体または他の剤は、SEQ ID NO:7を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。
いくつかの態様において、VEGF結合物質は、約10 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、約1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、約0.1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、約0.01 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合する。いくつかの態様において、VEGF結合物質の少なくとも1つのCDRにおける少なくとも1つのアミノ酸残基は、VEGFに対するVEGF結合物質の親和性が改変されるように、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの態様において、VEGF結合物質の親和性は増加する。いくつかの態様において、VEGF結合物質の親和性は減少する。いくつかの態様において、VEGF結合物質はヒトVEGFに結合する。いくつかの態様において、VEGF結合物質はヒトVEGFおよびマウスVEGFに結合する。
ある種の態様において、VEGF結合物質は、219R45抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は、(リーダー配列を有するまたは有しない) 219R45抗体の重鎖および軽鎖を含む。ある種の態様において、VEGF結合物質は219R45抗体である。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13236として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域を含む。プラスミドPTA-13236は、2012年9月21日付でブダペスト条約の条件の下、10801 University Boulevard, Manassas, VA, 20110の、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託された。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。プラスミドPTA-13235は、2012年9月21日付でブダペスト条約の条件の下、10801 University Boulevard, Manassas, VA, 20110の、ATCCに寄託された。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13236として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域およびATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、VEGF結合物質は、抗体219R45を含むか、抗体219R45から本質的になるか、または抗体219R45からなる。
ある種の態様において、VEGF結合物質(例えば、抗体)は、本発明の抗体と同じVEGF上のエピトープまたは本質的に同じVEGF上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF結合物質は、本発明の抗体が結合するVEGF上のエピトープと重複するVEGF上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、VEGF結合物質(例えば、抗体)は、抗体219R45と同じVEGF上のエピトープまたは本質的に同じVEGF上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF結合物質は、抗体219R45が結合するVEGF上のエピトープと重複するVEGF上のエピトープに結合する抗体である。
いくつかの態様において、VEGF結合物質は、VEGFと少なくとも1つのVEGF受容体との結合を阻害する。ある種の態様において、VEGF結合物質は、ヒトVEGFとVEGFR-1またはVEGFR-2との結合を阻害する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、VEGFに特異的に結合し、血管新生を調節する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、VEGFに特異的に結合し、血管新生を阻害する。いくつかの態様において、VEGF結合物質は、VEGFに特異的に結合し、腫瘍成長を阻害する。
ある種の態様において、本発明は、抗体21R79のCDRの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、および/または6つを含む、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供する(表2参照)。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、21R79のCDRの1つもしくはそれ以上、21R79のCDRの2つもしくはそれ以上、21R79のCDRの3つもしくはそれ以上、21R79のCDRの4つもしくはそれ以上、21R79のCDRの5つもしくはそれ以上、または21R79のCDRの6つ全てを含む。ある種の態様において、本発明は、抗体21R75のCDRの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、および/または6つを含む、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供する(表2参照)。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、21R75のCDRの1つもしくはそれ以上、21R75のCDRの2つもしくはそれ以上、21R75のCDRの3つもしくはそれ以上、21R75のCDRの4つもしくはそれ以上、21R75のCDRの5つもしくはそれ以上、または21R75のCDRの6つ全てを含む。ある種の態様において、本発明は、抗体21R83のCDRの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、および/または6つを含む、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供する(表2参照)。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、21R83のCDRの1つもしくはそれ以上、21R83のCDRの2つもしくはそれ以上、21R83のCDRの3つもしくはそれ以上、21R83のCDRの4つもしくはそれ以上、21R83のCDRの5つもしくはそれ以上、または21R83のCDRの6つ全てを含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、ヒトDLL4およびマウスDLL4に結合する。
ある種の態様において、DLL4結合抗体の重鎖CDR1は、AYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ最小限のHC CDR1である。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトDLL4に結合する抗体であり、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(b)
を含んだ重鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(c)
を含んだ重鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(d)
を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(e)
を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;および
(f)
を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種
を含む。ある種の態様において、アミノ酸置換は保存的置換である。
ある種の態様において、本発明は、DLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、SEQ ID NO:10と少なくとも約80%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:10と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:10と少なくとも約95%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:10を含んだ重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:10から本質的になる重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12から本質的になる軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:48を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。いくつかの態様において、DLL4結合抗体または他の剤は、SEQ ID NO:6を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は二重特異性抗体である。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(b)
を含んだ重鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(c)
を含んだ重鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(d)
を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(e)
を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種; および
(f)
を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種
を含む。ある種の態様において、アミノ酸置換は保存的置換である。
ある種の態様において、本発明は、DLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、SEQ ID NO:58と少なくとも約80%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:58と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:58と少なくとも約95%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:58を含んだ重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:58から本質的になる重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12から本質的になる軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:56を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトDLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(b)
を含んだ重鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(c)
を含んだ重鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(d)
を含んだ軽鎖CDR1、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;
(e)
を含んだ軽鎖CDR2、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種;および
(f)
を含んだ軽鎖CDR3、または1、2、3もしくは4個のアミノ酸置換を含んだその変種
を含む。ある種の態様において、アミノ酸置換は保存的置換である。
ある種の態様において、本発明は、DLL4に特異的に結合するDLL4結合物質(例えば、抗体)を提供し、前記DLL4結合物質が、SEQ ID NO:64と少なくとも約80%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:64と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:64と少なくとも約95%の配列同一性を有する重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:64を含んだ重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:64から本質的になる重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12から本質的になる軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:62を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む。いくつかの態様において、剤は二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:5を含んだ重鎖、およびSEQ ID NO:8を含んだ軽鎖を含む抗体である。いくつかの態様において、抗体は二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、DLL4結合物質は、25 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、10 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、約1 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、約0.1 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、約0.01 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、DLL4結合物質の少なくとも1つのCDRにおける少なくとも1つのアミノ酸残基は、DLL4に対するDLL4結合物質の親和性が改変されるように、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの態様において、DLL4結合物質の親和性は増加する。いくつかの態様において、DLL4結合物質の親和性は減少する。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、21R79抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、(リーダー配列を有するまたは有しない) 21R79抗体の重鎖および軽鎖を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は21R79抗体である。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13236として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域を含む。プラスミドPTA-13232は、2012年9月21日付でブダペスト条約の条件の下、10801 University Boulevard, Manassas, VA, 20110の、ATCCに寄託された。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13232として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域およびATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R79を含むか、抗体21R79から本質的になるか、または抗体21R79からなる。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、21R75抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、(リーダー配列を有するまたは有しない) 21R75抗体の重鎖および軽鎖を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は21R75抗体である。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13234として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域を含む。プラスミドPTA-13234は、2012年9月21日付でブダペスト条約の条件の下、10801 University Boulevard, Manassas, VA, 20110の、ATCCに寄託された。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13232として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域およびATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R75を含むか、抗体21R75から本質的になるか、または抗体21R75からなる。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、21R83抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は、(リーダー配列を有するまたは有しない) 21R83抗体の重鎖および軽鎖を含む。ある種の態様において、DLL4結合物質は21R83抗体である。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13278として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域を含む。プラスミドPTA-13278は、2012年10月24日付でブダペスト条約の条件の下、10801 University Boulevard, Manassas, VA, 20110の、ATCCに寄託された。いくつかの態様において、DLL4結合物質はATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、ATCC Patent Deposit Designation PTA-13278として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ重鎖可変領域およびATCC Patent Deposit Designation PTA-13235として寄託のプラスミドによってコードされるポリペプチドと同じ軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R83を含むか、抗体21R83から本質的になるか、または抗体21R83からなる。
ある種の態様において、DLL4結合物質(例えば、抗体)は、本発明の抗体と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じ、DLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、DLL4結合物質は、本発明の抗体が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、DLL4結合物質(例えば、抗体)は抗体21R79と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R79が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、DLL4結合物質(例えば、抗体)は、抗体21R75と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R75が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、DLL4結合物質(例えば、抗体)は、抗体21R83と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、DLL4結合物質は、抗体21R83が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。
いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4と少なくとも1つのNotch受容体との結合を阻害する。ある種の態様において、Notch受容体はNotch1、Notch2、Notch3またはNotch4である。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、DLL4活性を阻害する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、Notchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、血管新生を調節する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、腫瘍成長を阻害する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、腫瘍形成を阻害する。いくつかの態様において、DLL4結合物質は、DLL4に特異的に結合し、腫瘍中のCSCの数または頻度を低減する。
ある種の態様において、本発明は、二重特異性抗体であるVEGF/DLL4結合物質を提供する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位および腫瘍関連標的に結合する第2の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体であり、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体であり、第1の抗原結合部位が、
(a)NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約80%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、SEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域をさらに含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、本発明は、二重特異性抗体であるVEGF/DLL4結合物質を提供する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位および腫瘍関連標的に結合する第2の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体であり、第1の抗原結合部位が、
TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体であり、第1の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含む第1の抗原結合部位を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3をさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4に特異的に結合する第1の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体であり、第1の抗原結合部位が、
(a)TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3、ならびに
(b)
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64と少なくとも約80%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域を含んだ二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、SEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域をさらに含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58もしくはSEQ ID NO:64と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; および/またはSEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
ある種の態様において、本発明は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合するVEGF/DLL4結合物質(例えば、二重特異性抗体)を提供する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、a) ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、b) ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; 第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)またはAYYIH(SEQ ID NO:79)を含んだ重鎖CDR1、
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3; ならびに
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、219R45-MB-21R79である。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、219R45-MB-21M18である。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、
を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、219R45-MB-21R75である。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFに特異的に結合する第1の抗原結合部位と、ヒトDLL4に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含み、第1の抗原結合部位が、NYWMH(SEQ ID NO:17)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み、ならびに第2の抗原結合部位が、TAYYIH(SEQ ID NO:13)を含んだ重鎖CDR1、
を含んだ重鎖CDR2、および
を含んだ重鎖CDR3を含み; かつ第1および第2の抗原結合部位の両方が、
を含んだ軽鎖CDR1、AASNQGS(SEQ ID NO:21)を含んだ軽鎖CDR2、および
を含んだ軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、219R45-MB-21R83である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、二重特異性抗体)は、SEQ ID NO:11と少なくとも約80%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64と少なくとも約80%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも80%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域; SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域; ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%または少なくとも約99%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:9と少なくとも約95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:10と少なくとも約95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:58と少なくとも約95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:64と少なくとも約95%の配列同一性を有する第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12と少なくとも約95%の配列同一性を有する第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11を含んだ第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:9を含んだ第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12を含んだ第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11を含んだ第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:10を含んだ第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12を含んだ第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11を含んだ第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:58を含んだ第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12を含んだ第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11を含んだ第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:64を含んだ第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12を含んだ第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11から本質的になる第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:9から本質的になる第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12から本質的になる第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11から本質的になる第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:10から本質的になる第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12から本質的になる第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11から本質的になる第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:58から本質的になる第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12から本質的になる第1および第2の軽鎖可変領域を含む。ある種の態様において、二重特異性VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:11から本質的になる第1の重鎖可変領域、SEQ ID NO:64から本質的になる第2の重鎖可変領域、ならびにSEQ ID NO:12から本質的になる第1および第2の軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗VEGF抗体219R45由来の重鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗DLL4抗体21M18由来の重鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗DLL4抗体21R79由来の重鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗DLL4抗体21R75由来の重鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗DLL4抗体21R83由来の重鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗VEGF抗体219R45由来の重鎖可変領域、抗DLL4抗体21R79由来の重鎖可変領域および2つの同一の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗VEGF抗体219R45由来の重鎖可変領域、抗DLL4抗体21M18由来の重鎖可変領域および2つの同一の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗VEGF抗体219R45由来の重鎖可変領域、抗DLL4抗体21R75由来の重鎖可変領域および2つの同一の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗VEGF抗体219R45由来の重鎖可変領域、抗DLL4抗体21R83由来の重鎖可変領域および2つの同一の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、各々がヘテロ多量体の形成を促進するように修飾されている第1のCH3ドメインおよび第2のCH3ドメインを含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、第1および第2のCH3ドメインは、ノブ・イントゥ・ホール(knobs-into-holes)技法を用いて修飾される。いくつかの態様において、第1および第2のCH3ドメインは、静電相互作用の改変を引き起こすアミノ酸の変化を含む。いくつかの態様において、第1および第2のCH3ドメインは、疎水性/親水性相互作用の改変を引き起こすアミノ酸の変化を含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(a) SEQ ID NO:41の位置253および292に相当するアミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている第1のヒトIgG1定常領域、ならびにSEQ ID NO:41の位置240および282に相当するアミノ酸がリジンで置換されている第2のヒトIgG1定常領域; (b) SEQ ID NO:42の位置249および288に相当するアミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている第1のヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の位置236および278に相当するアミノ酸がリジンで置換されている第2のヒトIgG2定常領域; (c) SEQ ID NO:43の位置300および339に相当するアミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている第1のヒトIgG3定常領域、ならびにSEQ ID NO:43の位置287および329に相当するアミノ酸がリジンで置換されている第2のヒトIgG3定常領域; かつ(d) SEQ ID NO:44の位置250および289に相当するアミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている第1のヒトIgG4定常領域、ならびにSEQ ID NO:44の位置237および279に相当するアミノ酸がリジンで置換されている第2のIgG4定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域を含む二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:41の位置253および292に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている、第1のヒトIgG1定常領域、ならびにSEQ ID NO:41の位置240および282に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG1定常領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:42の位置249および288に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている、第1のヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の位置236および278に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG2定常領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:43の位置300および339に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている、第1のヒトIgG3定常領域、ならびにSEQ ID NO:43の位置287および329に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG2定常領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:44の位置250および289に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がグルタメートまたはアスパルテートで置換されている、第1のヒトIgG4定常領域、ならびにSEQ ID NO:44の位置237および279に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG4定常領域を含む二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:42の位置249および288に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がグルタメートで置換されている、第1のヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の位置236および278に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG2定常領域を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:42の位置249および288に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がアスパルテートで置換されている、第1のヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の位置236および278に相当する位置に置換を有し、当該アミノ酸がリジンで置換されている、第2のヒトIgG2定常領域を含む二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:7の重鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:5の重鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:56の重鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:62の重鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、SEQ ID NO:12の軽鎖をさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:7の重鎖、SEQ ID NO:5の重鎖およびSEQ ID NO:8の2つの軽鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:7の重鎖、SEQ ID NO:6の重鎖およびSEQ ID NO:8の2つの軽鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:7の重鎖、SEQ ID NO:56の重鎖およびSEQ ID NO:8の2つの軽鎖を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:7の重鎖、SEQ ID NO:62の重鎖およびSEQ ID NO:8の2つの軽鎖を含む二重特異性抗体である。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約50 nMもしくはそれ以下、約25 nMもしくはそれ以下、約10 nMもしくはそれ以下、約1 nMもしくはそれ以下または約0.1 nMもしくはそれ以下のKDでVEGFに結合する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約50 nMもしくはそれ以下、約25 nMもしくはそれ以下、約10 nMもしくはそれ以下、約1 nMもしくはそれ以下または約0.1 nMもしくはそれ以下のKDでDLL4に結合する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、約50 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合し、かつ約50 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、約25 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合し、かつ約25 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、約10 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合し、かつ約10 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、約1 nMまたはそれ以下のKDでVEGFに結合し、かつ約1 nMまたはそれ以下のKDでDLL4に結合する。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、もう1つの抗原結合部位の結合親和性よりも弱い結合親和性を有する1つの抗原結合部位を含む二重特異性抗体である。例えば、いくつかの態様において、二重特異性抗体は、約0.1 nMから1 nMに及ぶKDでVEGFに結合することができ、約1 nMから10 nMに及ぶKDでDLL4に結合することができる。あるいは二重特異性抗体は、約1 nMから10 nMに及ぶKDでVEGFに結合することができ、約0.1 nMから1 nMに及ぶKDでDLL4に結合することができる。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、約0.1 nMから1 nMに及ぶKDでDLL4に結合することができ、約1 nMから10 nMに及ぶKDでVEGFに結合することができる。あるいは二重特異性抗体は、約1 nMから10 nMに及ぶKDでDLL4に結合することができ、約0.1 nMから1 nMに及ぶKDでVEGFに結合することができる。いくつかの態様において、2つの抗原結合部位間の親和性の差異は、約2倍もしくはそれ以上、約3倍もしくはそれ以上、約5倍もしくはそれ以上、約8倍もしくはそれ以上、約10倍もしくはそれ以上、約15倍もしくはそれ以上、約30倍もしくはそれ以上、約50倍もしくはそれ以上、または約100倍もしくはそれ以上であってよい。いくつかの態様において、VEGFに対する抗原結合部位の少なくとも1つのCDRにおける少なくとも1つのアミノ酸残基は、VEGF結合部位の親和性が改変されるように、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの態様において、VEGF結合部位の親和性は増加する。いくつかの態様において、VEGF結合部位の親和性は減少する。いくつかの態様において、DLL4に対する抗原結合部位の少なくとも1つのCDRにおける少なくとも1つのアミノ酸残基は、DLL4結合部位の親和性が改変されるように、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの態様において、DLL4結合部位の親和性は増加する。いくつかの態様において、DLL4結合部位の親和性は減少する。いくつかの態様において、VEGFおよびDLL4の両方の抗原結合部位の親和性が改変される。
本発明は、VEGFおよび/またはDLL4に特異的に結合する、抗体を含むが、これに限定されない、ポリペプチドを提供する。いくつかの態様において、ポリペプチドはヒトVEGFに結合する。いくつかの態様において、ポリペプチドはヒトDLL4に結合する。いくつかの態様において、ポリペプチドはヒトVEGFおよびマウスVEGFに結合する。いくつかの態様において、ポリペプチドはヒトDLL4およびマウスDLL4に結合する。
いくつかの態様において、VEGF結合物質は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:47およびSEQ ID NO:49からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドを含む。
いくつかの態様において、DLL4結合物質は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ NO ID:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドを含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドを含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドを含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:47およびSEQ ID NO:49からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドをさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:12からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドをさらに含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:47およびSEQ ID NO:49からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドを含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID N0:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドをさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:12からなる群より選択される配列を含んだポリペプチドをさらに含む。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、VEGFとの特異的結合について、SEQ ID NO:11を含んだ重鎖可変領域およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む抗体と競合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトVEGFとの特異的結合について、抗体219R45と競合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、インビトロ競合的結合アッセイ法においてVEGFとの特異的結合について競合する。いくつかの態様において、VEGFはヒトVEGFである。いくつかの態様において、VEGFはマウスVEGFである。
ある種の態様において、VEGF-DLL4結合物質(例えば、抗体)は、本発明の抗体と同じVEGF上のエピトープまたは本質的に同じVEGF上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、本発明の抗体が結合するVEGF上のエピトープと重複するVEGF上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、抗体219R45と同じVEGF上のエピトープまたは本質的に同じVEGF上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体219R45が結合するVEGF上のエピトープと重複するVEGF上のエピトープに結合する抗体である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) VEGFとの特異的結合について、抗体219R45と競合する剤である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、DLL4との特異的結合について、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:58またはSEQ ID NO:64を含んだ重鎖可変領域およびSEQ ID NO:12を含んだ軽鎖可変領域を含む抗体と競合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4との特異的結合について、抗体21R79と競合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4との特異的結合について、抗体21R75と競合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、ヒトDLL4との特異的結合について、抗体21R83と競合する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、インビトロ競合的結合アッセイ法においてDLL4との特異的結合について競合する。いくつかの態様において、DLL4はヒトDLL4である。いくつかの態様において、DLL4はマウスDLL4である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、本発明の抗体と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じ、DLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、本発明の抗体が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R75と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R83と同じDLL4上のエピトープまたは本質的に同じDLL4上のエピトープに結合する。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R75が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。別の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体21R83が結合するDLL4上のエピトープと重複するDLL4上のエピトープに結合する抗体である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) DLL4との特異的結合について、抗体21R79と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) DLL4との特異的結合について、抗体21R75と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) DLL4との特異的結合について、抗体21R83と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) DLL4との特異的結合について、抗体21M18と競合する剤である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) VEGFおよび/またはDLL4との特異的結合について、二重特異性抗体219R45-MB-21M18と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) VEGFおよび/またはDLL4との特異的結合について、二重特異性抗体219R45-MB-21M79と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) VEGFおよび/またはDLL4との特異的結合について、二重特異性抗体219R45-MB-21M75と競合する剤である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、(例えば、競合的結合アッセイ法において) VEGFおよび/またはDLL4との特異的結合について、二重特異性抗体219R45-MB-21M83と競合する剤である。
ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、VEGFに結合し、VEGF活性を調節する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFアンタゴニストであり、VEGF活性を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFアンタゴニストであり、血管新生を調節する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFアンタゴニストであり、血管新生を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFアンタゴニストであり、腫瘍成長を阻害する。
ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、ヒトDLL4に結合し、DLL4活性を調節する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、DLL4活性を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、Notch活性を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、Notchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、血管新生を調節する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、異常な血管新生を促進する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4アンタゴニストであり、腫瘍成長を阻害する。
ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、ヒトVEGFに結合し、かつVEGF活性を調節する二重特異性抗体である。ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、ヒトDLL4に結合し、かつDLL4活性を調節する二重特異性抗体である。ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に結合し、かつVEGFおよびDLL4の両方の活性を調節する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、VEGF活性およびDLL4活性の両方を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、VEGF活性およびNotch活性を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、VEGF活性およびNotchシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、血管新生を調節する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、異常な血管新生を促進する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、血管新生を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、VEGFアンタゴニストかつDLL4アンタゴニストであり、腫瘍成長を阻害する。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体または二重特異性抗体)は、VEGFのアンタゴニストである。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFのアンタゴニストであり、VEGF活性を阻害する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はVEGF活性を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%または約100%だけ阻害する。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体219R45である。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、219R45の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18である。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79である。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75である。ある種の態様において、ヒトVEGF活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、DLL4のアンタゴニストである。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4のアンタゴニストであり、DLL4活性を阻害する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はDLL4活性を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%または約100%だけ阻害する。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R75である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R83である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R79の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R75の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R83の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75である。ある種の態様において、ヒトDLL4活性を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、Notchシグナル伝達のアンタゴニストである。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はNotchシグナル伝達を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%または約100%だけ阻害する。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R75である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R83である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R79の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R75の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R83の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75である。ある種の態様において、Notchシグナル伝達を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、VEGFと少なくとも1種の受容体との結合を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、VEGFとVEGFR-1またはVEGFR-2との結合を阻害する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%または少なくとも約95%だけ阻害する。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体219R45である。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、219R45の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18である。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79である。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75である。ある種の態様において、ヒトVEGFと少なくとも1種のVEGF受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83である。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)は、DLL4タンパク質と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害する。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は、DLL4とNotch1、Notch2、Notch3および/またはNotch4との結合を阻害する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%または少なくとも約95%だけ阻害する。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R79である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R75である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、抗体21R83である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R79の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R75の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、21R83の抗原結合部位を含んだ二重特異性抗体である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75である。ある種の態様において、ヒトDLL4と少なくとも1種のNotch受容体との結合を阻害するVEGF/DLL4結合物質は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83である。
VEGF/DLL4結合物質(または候補VEGF/DLL4結合物質)がVEGFを阻害するか、または血管新生に影響を与えるかどうかを判定するためのインビボおよびインビトロでのアッセイ法は、当技術分野において公知である。血管新生のインビトロでのアッセイ法には、HUVEC増殖アッセイ法、内皮細胞管腔形成アッセイ法、発芽(または芽形成)アッセイ法、HUVEC細胞移動アッセイ法、および浸潤アッセイ法が含まれるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、VEGFの存在下かつVEGF/DLL4結合物質の存在下での細胞を、VEGFの存在下、VEGF/DLL4結合物質の非存在下での細胞と比較し、血管新生に及ぼす効果(または血管新生に関連した生物学的効果)について評価する。血管新生のインビボでのアッセイ法には、マトリゲル・プラグ・アッセイ法、角膜マイクロポケット・アッセイ法、およびニワトリ絨毛尿膜(CAM)アッセイ法が含まれるが、これらに限定されることはない。
VEGF/DLL4結合物質(または候補VEGF/DLL4結合物質)がNotch活性化またはシグナル伝達を阻害するかどうかを判定するためのインビボおよびインビトロでのアッセイ法は、当技術分野において公知である。例えば、ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流に複数コピーのTCF結合ドメインを含有するTCF/Lucレポーターベクターを利用した、細胞に基づくルシフェラーゼレポーターアッセイ法を用いて、インビトロでNotchシグナル伝達レベルを測定することができる(Gazit et al., 1999, Oncogene, 18; 5959-66; TOPflash, Millipore, Billerica MA)。いくつかの態様において、ホタルルシフェラーゼレポーター(report)遺伝子の上流に複数コピーのCBF結合ドメインを含有するCBF/Lucレポーターベクターを利用した、細胞に基づくルシフェラーゼレポーターアッセイ法が用いられうる。1種または複数種のNotchリガンド(例えば、トランスフェクション細胞の表面に発現されたDLL4または可溶性DLL4-Fc融合タンパク質)の存在下でのかつVEGF/DLL4結合物質の存在下でのNotchシグナル伝達のレベルを、VEGF/DLL4結合物質の非存在下でのNotchシグナル伝達のレベルと比較する。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、腫瘍細胞の増殖を阻害する、腫瘍成長を阻害する、腫瘍の腫瘍形成性を低減する、腫瘍内のがん幹細胞の頻度を低減する、腫瘍細胞の細胞死を誘発する、腫瘍細胞の転移を抑止する、腫瘍細胞の生存を低下させる、血管新生を調節する、血管新生を阻害する、非生産的血管新生を阻害する、または異常な血管新生を促進するという効果の1つまたは複数を有する。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、腫瘍成長(例えば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜の腫瘍)を阻害することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、インビボで(例えば、異種移植マウスモデルで、および/またはがんを有するヒトで)腫瘍成長を阻害することができる。ある種の態様において、腫瘍成長は非処置腫瘍と比べて少なくとも約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、または約1000倍阻害される。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、腫瘍(例えば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜の腫瘍)の腫瘍形成性を低減することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、マウス異種移植モデルなどの、動物モデルにおいてがん幹細胞を含む腫瘍の腫瘍形成性を低減することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、腫瘍内のがん幹細胞の数または頻度を減少させることにより腫瘍(例えば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜の腫瘍)の腫瘍形成性を低減することができる。ある種の態様において、腫瘍(例えば、結腸直腸、卵巣、膵臓、または子宮内膜の腫瘍)内のがん幹細胞の数または頻度は、少なくとも約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、または約1000倍だけ低減される。ある種の態様において、がん幹細胞の数または頻度の低減は、動物モデルを用いた限界希釈アッセイ法によって判定される。腫瘍内のがん幹細胞の数または頻度の低減を判定するために限界希釈アッセイ法を用いることに関するさらなる例および手引きは、例えば、国際公開番号WO 2008/042236; 米国特許出願公開第2008/0064049号; および米国特許出願公開第2008/0178305号において見出すことができる。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、血管新生を調節することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、インビボで(例えば、異種移植マウスモデルで、および/またはがんを有するヒトで)血管新生を調節することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、血管新生を阻害することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、異常な血管新生を促進することができる。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、血管新生を阻害しおよび/または異常な血管新生を促進し、非生産的脈管化をもたらしうる。
ある種の態様において、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質は、少なくとも約2時間、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約24時間、少なくとも約3日、少なくとも約1週間または少なくとも約2週間の、マウス、カニクイザルまたはヒトでの循環血中半減期を有する。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、少なくとも約2時間、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約24時間、少なくとも約3日、少なくとも約1週間または少なくとも約2週間の、マウス、カニクイザルまたはヒトでの循環血中半減期を有するIgG (例えば、IgG1またはIgG2)抗体である。ポリペプチドおよび抗体などの剤の半減期を増加させる(または減少させる)方法は、当技術分野において公知である。例えば、IgG抗体の循環血中半減期を増加させる公知の方法には、pH 6.0で抗体と新生児型Fc受容体(FcRn)とのpH依存的な結合を増加させるFc領域における変異の導入が含まれる(例えば、米国特許出願公開第2005/0276799号、同第2007/0148164号および同第2007/0122403号を参照のこと)。Fc領域を欠く抗体断片の循環血中半減期を増加させる公知の方法には、PEG化などの技法が含まれる。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗体である。ポリクローナル抗体は任意の公知の方法によって調製することができる。いくつかの態様において、ポリクローナル抗体は、複数回の皮下注射または腹腔内注射により関心対象の抗原(例えば、精製されたペプチド断片、完全長組み換えタンパク質または融合タンパク質)で動物(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ヤギ、ロバ)を免疫することによって産生される。抗原は任意で、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または血清アルブミンなどの担体に結合されてもよい。抗原(担体タンパク質ありまたはなしの)を滅菌食塩水中に希釈し、通常、アジュバント(例えば、完全フロイントアジュバントまたは不完全フロイントアジュバント)と組み合わせて安定な乳濁液を形成させる。十分な時間の後、免疫した動物から、通常は血液または腹水からポリクローナル抗体を回収する。ポリクローナル抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動および透析を含むが、これらに限定されない、当技術分野において標準的な方法にしたがって血清または腹水から精製することができる。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は当業者に公知のハイブリドーマ法を用いて調製することができる。いくつかの態様において、ハイブリドーマ法を用いて、マウス、ハムスターまたは他の適切な宿主動物を上述のように免疫して、免疫用の抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘発させる。いくつかの態様において、リンパ球はインビトロで免疫することができる。いくつかの態様において、免疫用の抗原はヒトタンパク質またはその部分であることができる。いくつかの態様において、免疫用の抗原はマウスタンパク質またはその部分であることができる。
免疫の後、リンパ球を単離し、例えば、ポリエチレングリコールを用いて適当な骨髄腫細胞株と融合させる。当技術分野において公知のように特殊培地を用いてハイブリドーマ細胞を選択するが、融合していないリンパ球および骨髄腫細胞はこの選択過程を生き延びられない。選択された抗原に対して特異的に作製されたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、免疫沈降法、免疫ブロッティング法およびインビトロ結合アッセイ法(例えば、フローサイトメトリー、FACS、ELISAおよびラジオイムノアッセイ法)を含むが、これらに限定されない、さまざまな技法によって特定することができる。ハイブリドーマは標準的な組織培養法を用いるインビトロの培養で、またはインビボで動物中の腹水腫瘍として増殖することができる。モノクローナル抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動および透析を含むが、これらに限定されない、当技術分野において標準的な方法にしたがって培地または腹水から精製することができる。
いくつかの態様において、モノクローナル抗体は当業者に公知であるように組み換えDNA技法を用いて作出することができる。モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを、成熟B細胞またはハイブリドーマ細胞から、例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT-PCRによって単離し、それらの配列を、標準的な技法を用いて決定する。重鎖および軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチドを次いで、トランスフェクションされていなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌(E. coli)、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または骨髄腫細胞などの宿主細胞へトランスフェクションされた場合にモノクローナル抗体を産生する適当な発現ベクターへクローニングする。
ある種の他の態様において、組み換えモノクローナル抗体またはその断片を、所望の種の可変ドメインまたはCDRを発現するファージディスプレイライブラリから単離することができる。
モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを、例えば、組み換えDNA技術を用いることによって改変し、代わりの抗体を作製することができる。いくつかの態様において、例えば、マウスモノクローナル抗体の軽鎖および重鎖の定常ドメインを、例えば、ヒト抗体のそれらの領域に置き換えてキメラ抗体を作製することができ、または非免疫グロブリンポリペプチドに置き換えて融合抗体を作製することができる。いくつかの態様において、定常領域を切断または除去してモノクローナル抗体の望ましい抗体断片を作製する。可変領域の部位特異的変異誘発または高密度変異誘発を用いて、モノクローナル抗体の特異性、親和性などを最適化することができる。
いくつかの態様において、VEGFおよび/DLL4に対するモノクローナル抗体はヒト化抗体である。典型的には、ヒト化抗体は、CDR由来の残基が当業者に公知の方法を用いて、所望の特異性、親和性および/または結合能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスターなど)のCDR由来の残基により置き換えられている、ヒト免疫グロブリンである。いくつかの態様において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域残基が、所望の特異性、親和性および/または結合能力を有する非ヒト種由来の抗体における対応残基で置き換えられる。いくつかの態様において、ヒト化抗体を、Fvフレームワーク領域中および/または置き換えられた非ヒト残基内のさらなる残基の置換によりさらに改変して、抗体の特異性、親和性および/または能力を改良および最適化することができる。一般に、ヒト化抗体は、フレームワーク領域の全て、または実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものであるのに対して、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDRの全て、または実質的に全てを含んだ少なくとも1つ、および典型的には2つまたは3つの可変ドメイン領域の実質的に全てを含む。いくつかの態様において、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの少なくとも一部を含むことができる。ある種の態様において、そのようなヒト化抗体は、ヒト対象に投与された時に抗原性およびHAMA (ヒト抗マウス抗体)反応を低減しうるので治療的に用いられる。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はヒト抗体である。ヒト抗体は当技術分野において公知のさまざまな技法を用いて直接調製することができる。いくつかの態様において、ヒト抗体は、インビトロで免疫された不死化ヒトBリンパ球から、または免疫個体から単離されたリンパ球から作製されうる。どちらの場合にも、標的抗原に対して作製された抗体を産生する細胞を、当技術分野で公知の技術によって作製かつ単離することができる。いくつかの態様において、ヒト抗体を発現するファージライブラリーから、ヒト抗体を選択することができる。あるいは、ファージディスプレイ技術を用いて、非免疫ドナー由来の免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体および抗体断片を産生してもよい。抗体ファージライブラリの作出および使用のための技法は当業者には周知である。抗体が特定されたら、鎖シャッフリングおよび部位特異的突然変異誘発法を含むが、これらに限定されない、当技術分野において公知の親和性成熟戦略を利用して、高親和性ヒト抗体を作製してもよい。
いくつかの態様において、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む遺伝子導入マウスにおいて作出することができる。免疫によって、これらのマウスは、内因性免疫グロブリンを産生せずに、ヒト抗体の全レパートリーを産生することができる。
本発明は二重特異性抗体も包含する。二重特異性抗体は、少なくとも2種の異なる抗原またはエピトープに特異的に認識かつ結合することができる。異なるエピトープは、同じ分子内(例えば、単一のタンパク質上に2種のエピトープ)であってよく、または異なる分子上(例えば、1つのタンパク質上に1種のエピトープかつもう1つのタンパク質上に1種のエピトープ)であってよい。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、個別の抗体と比べてまたは2種以上の抗体の組み合わせと比べて効力の増強を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、個別の抗体と比べてまたは2種以上の抗体の組み合わせと比べて毒性の低減を有する。いずれの結合物質(例えば、抗体)も特有の薬物動態(PK) (例えば、循環血中半減期)を持ちうることが当業者には公知である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の個別の結合物質が異なるPKプロファイルを有する2種の活性な結合物質のPKを同調させる能力を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の結合物質(例えば、抗体)の作用を共通の領域(例えば、腫瘍および/または腫瘍環境)中に集中させる能力を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の結合物質(例えば、抗体)の作用を共通の標的(例えば、腫瘍または腫瘍細胞)へ集中させる能力を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の結合物質(例えば、抗体)の作用を2種以上の生物学的経路または機能へ標的化する能力を有する。
ある種の態様において、二重特異性抗体は、VEGFおよび第2の標的に特異的に結合する。ある種の態様において、二重特異性抗体は、DLL4および第2の標的に特異的に結合する。ある種の態様において、二重特異性抗体は、VEGFおよびDLL4に特異的に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、ヒトVEGFおよびヒトDLL4に特異的に結合する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、モノクローナルヒト抗体またはヒト化抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、血管新生を阻害し、がん幹細胞数または頻度を低減する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、血管成長を阻害し、血管成熟を阻害する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、内皮過剰増殖を抑止する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、毒性および/または副作用の減少を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の個別の抗体の混合物または単剤としての抗体と比べて毒性および/または副作用の減少を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、治療指数の増加を有する。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2種の個別の抗体の混合物または単剤としての抗体と比べて治療指数の増加を有する。
いくつかの態様において、二重特異性抗体は、第1の抗原標的を発現する細胞に細胞防御機構を集中させるために第1の抗原標的(例えば、DLL4)に特異的に認識かつ結合することができるだけでなく、白血球上のエフェクタ分子(例えば、CD2、CD3、CD28、CD80、もしくはCD87)またはFc受容体(例えば、CD64、CD32もしくはCD16)などの、第2の抗原標的も特異的に認識かつ結合することができる。いくつかの態様において、二重特異性抗体を用いて、特定の標的抗原を発現する細胞に細胞傷害剤を向けることができる。これらの抗体は抗原結合部位(例えば、ヒトDLL4に対する)、および細胞傷害剤または放射性核種キレート剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTAもしくはTETAに結合する第2の部位を保有する。
二重特異性抗体を作出するための技法は当業者によって知られており、例えば、Millstein et al., 1983, Nature, 305:537-539; Brennan et al., 1985, Science, 229:81; Suresh et al., 1986, Methods in Enzymol., 121: 120; Traunecker et al., 1991, EMBO J., 10:3655-3659; Shalaby et al., 1992, J. Exp. Med., 175:217-225; Kostelny et al., 1992, J. Immunol, 148: 1547-1553; Gruber et al., 1994, J. Immunol, 152:5368; 米国特許第5,731,168号; 国際公開番号WO 2009/089004; および米国特許出願公開第2011/0123532号を参照されたい。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、2つの重鎖間の界面の一部であるアミノ酸の改変を有する重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、「ノブ・イントゥ・ホール」戦略を用いて作製することができる(例えば、米国特許第5,731,168号; Ridgway et. al., 1996, Prot. Engin., 9:617-621を参照のこと)。時には、「ノブ」および「ホール」という専門用語は、「突起」および「空洞」という用語に置き換えられる。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、重鎖間でジスルフィド結合を形成できない可変蝶番領域を含みうる(例えば、WO 2006/028936参照)。いくつかの態様において、改変は、静電相互作用の改変を引き起こすアミノ酸の変化を含みうる。いくつかの態様において、改変は、疎水性/親水性相互作用の改変を引き起こすアミノ酸の変化を含みうる。
二重特異性抗体は、無傷の抗体または抗原結合部位を含む抗体断片であることができる。三価以上の結合価を有する抗体も企図される。例えば、三重特異性抗体を調製することができる(Tutt et al., 1991, J. Immunol., 147:60)。したがって、ある種の態様において、VEGFおよび/またはDLL4に対する抗体は多重特異性である。
ある種の態様において、本明細書において記述される抗体(または他のポリペプチド)は単一特異性であってよい。ある種の態様において、抗体が含む1つまたは複数の抗原結合部位のそれぞれが、異なるタンパク質上の相同なエピトープに結合することができる(または結合する)。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は抗体断片である。抗体断片は無傷の抗体とは異なる機能または能力を有することができ; 例えば、抗体断片は増大した腫瘍浸透性を有することができる。無傷の抗体のタンパク質分解消化を含むが、これに限定されない、さまざまな技法が抗体断片の産生で公知である。いくつかの態様において、抗体断片は抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab')2断片を含む。いくつかの態様において、抗体断片は、F(ab')2断片のジスルフィド架橋を還元することによって作出されたFab断片を含む。他の態様において、抗体断片はパパインおよび還元剤による抗体分子の処理によって作出されたFab断片を含む。ある種の態様において、抗体断片は組み換えにより産生される。いくつかの態様において、抗体断片はFvまたは一本鎖Fv (scFv)断片を含む。Fab、FvおよびscFv抗体断片は大腸菌または他の宿主細胞内で発現させ、大腸菌または他の宿主細胞から分泌させることができ、したがって、これらの断片の大量産生が可能である。いくつかの態様において、抗体断片は、本明細書において論じられるように抗体ファージライブラリから単離される。例えば、Fab発現ライブラリの構築(Huse et al., 1989, Science, 246: 1275-1281)のための方法を用いて、VEGFおよび/もしくはDLL4、またはその誘導体、断片、類似体もしくは相同体に対する所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ有効な特定を可能にすることができる。いくつかの態様において、抗体断片は直鎖状の抗体断片である。ある種の態様において、抗体断片は単一特異性または二重特異性である。ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質はscFvである。VEGFまたはDLL4に特異的な一本鎖抗体の産生のために、当業者に公知のさまざまな技法を用いることができる。
さらに、とりわけ抗体断片の場合には、その血清中半減期を変化させる(例えば増加または減少させる)ために抗体を改変することが望ましい場合がある。これは、例えば、抗体断片中の適切な領域の変異による、抗体断片中へのサルベージ受容体結合エピトープの組み込みにより、またはペプチドタグにエピトープを組み込み、これを次いで抗体断片のいずれかの端にもしくは真ん中に(例えば、DNAもしくはペプチド合成によって)融合することにより行うことができる。
ヘテロ結合体抗体も本発明の範囲内である。ヘテロ結合体抗体は2種類の共有結合した抗体から構成される。例えば、免疫細胞を不必要な細胞に標的化するために、そのような抗体が提案されている(例えば、米国特許第4,676,980号を参照のこと)。ヘテロ結合体抗体は、架橋剤が関与する方法を含む、合成タンパク質化学における公知の方法を用いてインビトロで調製できることも企図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いてまたはチオエーテル結合を形成させることによって構築することができる。この目的に適した試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル-4-メルカプトブチリミデートが挙げられる。
本発明の目的のためには、改変抗体が、抗体と標的(すなわち、ヒトVEGFまたはヒトDLL4)との会合を提供する任意のタイプの可変領域を含みうることを理解されたい。この点で、可変領域は、液性反応の開始および所望の抗原に対する免疫グロブリンの作出を誘導できる、任意のタイプの哺乳動物のものを含んでもまたはそれに由来してもよい。したがって、改変抗体の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、マカクなど)またはウサギ由来であってよい。いくつかの態様において、改変された免疫グロブリンの可変領域および定常領域の両方がヒトのものである。他の態様において、結合特性を改善するように、または分子の免疫原性を低減するように、適合性を有する抗体(通常、非ヒト供給源に由来する)の可変領域を遺伝子操作することができ、または特異的に調整することができる。この点に関して、移入アミノ酸配列を含めることにより、本発明において有用な可変領域をヒト化することができ、または他の方法で改変することができる。
ある種の態様において、重鎖および軽鎖の両方の可変ドメインを、1つまたは複数のCDRの少なくとも一部の置き換えによって、必要な場合には、部分的なフレームワーク領域の置き換えならびに配列の変更および/または改変によって改変する。CDRは、フレームワーク領域が得られた抗体と同じクラス、さらには同じサブクラスの抗体に由来しうるが、CDRが、異なるクラスの抗体、多くの場合、異なる種からの抗体に由来することが想定される。ある可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに移すためには、CDRの全てを、供与側の可変領域からのCDRの全てで置き換えることは必要でない場合がある。むしろ、抗原結合部位の活性を維持するのに必要な残基を移すことのみが必要な場合がある。
可変領域への変化にもかかわらず、当業者であれば、本発明の改変抗体は、天然のまたは変化していない定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗体と比較して、望ましい生化学的特徴が得られるように、例えば、腫瘍局在性が増大または血清中半減期が増大するように、定常領域ドメインの1つまたは複数の少なくとも一部が欠失されている、または他の方法で変えられている抗体(例えば、完全長抗体またはその免疫反応性断片)を含むことを理解するだろう。いくつかの態様において、改変抗体の定常領域はヒト定常領域を含む。本発明に適合する定常領域への改変は、1つまたは複数のドメイン内の1つまたは複数のアミノ酸の付加、欠失または置換を含む。本明細書において開示された改変抗体は、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2もしくはCH3)の1つまたは複数へのおよび/または軽鎖定常ドメイン(CL)への改変または修飾を含んでもよい。いくつかの態様において、1つまたは複数のドメインが改変抗体の定常領域から部分的または全体的に欠失される。いくつかの態様において、改変抗体は、CH2ドメイン全体が除去されているドメイン欠失構築体または変種(ΔCH2構築体)を含む。いくつかの態様において、除かれた定常領域ドメインは、典型的には、存在しない定常領域によって付与される、ある程度の分子可撓性をもたらす短いアミノ酸スペーサー(例えば、10アミノ酸残基)により置換される。
いくつかの態様において、改変抗体は、CH3ドメインを抗体の蝶番領域へ直接融合するように遺伝子操作される。他の態様において、蝶番領域と改変されたCH2および/またはCH3ドメインの間にペプチドスペーサーが挿入される。例えば、CH2ドメインが欠失され、かつ残りのCH3ドメイン(改変または未改変)が蝶番領域に5〜20個のアミノ酸スペーサーを用いて連結された、構築体を発現させることができる。このようなスペーサーを付加して、定常ドメインの調節エレメントを遊離状態でアクセス可能に保つこと、または蝶番領域の可撓性を保つことを確実にすることができる。しかしながら、アミノ酸スペーサーは、場合によっては、免疫原性を有することが判明しており、構築体に対する望ましくない免疫反応を誘発しうることに留意すべきである。したがって、ある種の態様において、構築体に付加されるどのスペーサーも、改変抗体の望ましい生化学的特質を維持するように、比較的、非免疫原性であろう。
いくつかの態様において、改変抗体は定常ドメインの部分的欠失または少数のもしくは単一のアミノ酸の置換だけを有することができる。例えば、CH2ドメインの選択域における単一のアミノ酸の変異は、Fc結合を大幅に低減し、それによって腫瘍局在性および/または腫瘍浸透性を増大させるのに十分でありうる。同様に、調節しようとする特定のエフェクタ機能(例えば、補体C1q結合)を制御する1つまたは複数の定常領域ドメインの部分を単純に欠失させることが望ましい場合がある。定常領域のこのような部分的欠失は、この定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能をそのままにしておく一方で、抗体の選択的特徴(血清中半減期)を改善しうる。さらに、上にも示唆したように、開示された抗体の定常領域は、得られる構築体のプロファイルを向上させる、1つまたは複数のアミノ酸の変異または置換によって改変されてもよい。この点で、改変抗体の構成および免疫原性プロファイルを実質的に維持する一方で、保存された結合部位(例えば、Fc結合活性)によって提供される活性を妨害することが可能な場合がある。ある種の態様において、改変抗体は、エフェクタ機能の減少もしくは増加などの望ましい特徴を増強するように、またはさらに多くの細胞毒素もしくは糖鎖の付着部位をもたらすように、定常領域への1つまたは複数のアミノ酸の付加を含んでもよい。
定常領域がいくつかのエフェクタ機能を媒介することが当技術分野において公知である。例えば、補体のC1成分と(抗原に結合した) IgGまたはIgM抗体のFc領域が結合すると補体系が活性化される。補体活性化は、細胞病原体のオプソニン化および溶解において重要である。補体活性化はまた炎症反応を刺激し、自己免疫過敏にも関与する場合がある。さらに、抗体のFc領域は、Fc受容体(FcR)を発現している細胞に結合することができる。IgG (γ受容体)、IgE (ε受容体)、IgA (α受容体)およびIgM (μ受容体)を含む、異なるクラスの抗体に特異的ないくつかのFc受容体がある。抗体と、細胞表面上のFc受容体が結合すると、貪食および抗体コーティング粒子の破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体コーティング標的細胞の溶解(抗体依存性細胞傷害またはADCCと呼ばれる)、炎症メディエータの放出、胎盤通過および免疫グロブリン産生の制御を含む、いくつかの重要かつ多様な生物学的反応が誘発される。
ある種の態様において、改変抗体は変化したエフェクタ機能をもたらし、これが、今度は、投与された抗体の生物学的プロファイルに影響を与える。例えば、いくつかの態様において、定常領域ドメインの(点変異または他の手段を通じた)欠失または不活性化は、血中改変抗体のFc受容体結合を低減し、それによってがん細胞局在性および/または腫瘍浸透性を増大しうる。他の態様において、定常領域の修飾は抗体の血清中半減期を増大する。他の態様において、定常領域の修飾は抗体の血清中半減期を低減する。いくつかの態様において、定常領域を修飾して、ジスルフィド結合またはオリゴサッカライド部分を除去する。本発明による定常領域に対する修飾は、当業者に知られる周知の生物化学工学または分子工学の技法を用いて容易に作出されうる。
ある種の態様において、抗体であるVEGF/DLL4結合物質は、1つまたは複数のエフェクタ機能を有しない。例えば、いくつかの態様において、抗体は、ADCC活性を有さず、および/または補体依存性細胞傷害(CDC)活性を有しない。ある種の態様において、抗体は、Fc受容体および/または補体因子に結合しない。ある種の態様において、抗体はエフェクタ機能を有しない。
本発明は、本明細書において記載される、キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体、またはその抗体断片に実質的に相同な変種および等価体をさらに包含する。これらは、例えば、保存的置換変異、すなわち、類似のアミノ酸による1つまたは複数のアミノ酸の置換を含みうる。例えば、保存的置換は、例えば、もう1つの酸性アミノ酸との1つの酸性アミノ酸の置換、もう1つの塩基性アミノ酸との1つの塩基性アミノ酸の置換またはもう1つの中性アミノ酸による1つの中性アミノ酸の置換などの、同じ一般的クラス内の別のアミノ酸とのアミノ酸の置換をいう。保存的アミノ酸置換によって意図されているものは、当技術分野において周知であり、本明細書において記述されている。
したがって、本発明は、VEGFおよびDLL4の両方に特異的に結合する二重特異性抗体を含めて、VEGFおよび/またはDLL4に結合する抗体を産生するための方法を提供する。いくつかの態様において、VEGFおよび/またはDLL4に結合する抗体を産生するための方法は、ハイブリドーマ技法を使用する段階を含む。いくつかの態様において、VEGFもしくはDLL4に結合する抗体またはVEGFおよびDLL4に結合する二重特異性抗体を作製する方法は、ヒトファージライブラリをスクリーニングする段階を含む。本発明は、VEGFおよび/またはDLL4に結合する抗体を特定する方法をさらに提供する。いくつかの態様において、抗体は、VEGFまたはその一部分との結合のFACSスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、DLL4またはその一部分との結合のFACSスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、VEGFまたはその一部分およびDLL4またはその一部分の両方との結合のFACSスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、VEGFとの結合を、ELISAを用いてスクリーニングすることにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、DLL4との結合を、ELISAを用いてスクリーニングすることにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、VEGFおよびDLL4との結合を、ELISAを用いてスクリーニングすることにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、ヒトVEGFとヒトVEGF受容体との結合の遮断のFACSスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、ヒトDLL4とヒトNotch受容体との結合の遮断のFACSスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、Notchシグナル伝達の阻害または遮断のスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、VEGF活性(例えば、HUVEC増殖の誘導)の阻害または遮断のスクリーニングにより特定される。いくつかの態様において、抗体は、血管新生の調節のスクリーニングにより特定される。
ある種の態様において、本明細書において記述される抗体は単離される。ある種の態様において、本明細書において記述される抗体は、実質的に純粋である。
本発明のいくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質はポリペプチドである。ポリペプチドは、VEGFおよび/またはDLL4に結合する、抗体またはその断片を含む組み換えポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチドであることができる。タンパク質の構造または機能にほとんど影響を与えずに本明細書において記述される結合物質のいくつかのアミノ酸配列を変化させられることが当技術分野において認識されよう。したがって、本発明は、ヒトVEGFおよび/またはDLL4に対する実質的な活性を示すか、または抗体もしくはその断片の領域を含む、ポリペプチドのバリエーションをさらに含む。いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合ポリペプチドのアミノ酸配列のバリエーションは欠失、挿入、逆位、繰り返し、および/または他のタイプの置換を含む。
いくつかの態様において、本明細書において記述されるポリペプチドは単離される。いくつかの態様において、本明細書において記述されるポリペプチドは、実質的に純粋である。
ポリペプチド、その類似体および変種は、通常、タンパク質の部分にはない、さらなる化学的部分を含有するようにさらに改変することができる。誘導体化部分は、ポリペプチドの溶解度、生物学的半減期および/または吸収を改善するまたは他の方法で調節することができる。この部分はまた、ポリペプチドおよび変種の任意の望ましくない副作用を低減または除外することもできる。そのような化学的部分の概説は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical Press, Londonにおいて見出すことができる。
本明細書において記述されるポリペプチドは、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって産生することができる。そのような方法は、直接的なタンパク質合成法から、ポリペプチド配列をコードするDNA配列の構築と、適当な宿主におけるこれらの配列の発現に及ぶ。いくつかの態様において、DNA配列は、組み換え技術を用いて、関心対象の野生型タンパク質をコードするDNA配列を単離または合成することによって構築される。任意で、この配列は、その機能的類似体を得るために、部位特異的変異誘発によって変異誘発されてもよい。
いくつかの態様において、関心対象のポリペプチドをコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成機を用いた化学合成によって構築されうる。オリゴヌクレオチドは、望ましいポリペプチドのアミノ酸配列と、関心対象の組み換えポリペプチドが産生される宿主細胞に好ましいコドンを選択することに基づいて設計することができる。標準的な方法を適用して、関心対象の単離ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を合成することができる。例えば、完全なアミノ酸配列を用いて、逆翻訳(back-translate)した遺伝子を構築することができる。さらに、特定の単離ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、望ましいポリペプチドの一部をコードする、いくつかの小さなオリゴヌクレオチドを合成し、次いで、核酸連結することができる。個々のオリゴヌクレオチドは、典型的には、相補的なアッセンブリのための5'または3'突出部を含有する。
(合成、部位特異的変異誘発または別の方法によって)アセンブルされたら、関心対象の特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入し、望ましい宿主におけるタンパク質の発現に適した発現制御配列に機能的に連結することができる。適切なアッセンブリは、ヌクレオチド配列決定、制限酵素マッピング、および適当な宿主での生物学的に活性なポリペプチドの発現によって確認することができる。当技術分野において周知のように、宿主におけるトランスフェクションされた遺伝子の高い発現レベルを得るために、遺伝子は、選択された発現宿主において機能する転写発現制御配列および翻訳発現制御配列に機能的に連結されなければならない。
ある種の態様において、ヒトVEGFおよび/またはDLL4に対する、抗体またはその断片をコードするDNAを増幅および発現するために、組み換え発現ベクターが用いられる。例えば、組み換え発現ベクターは、哺乳動物遺伝子、微生物遺伝子、ウイルス遺伝子または昆虫遺伝子に由来する適当な転写調節エレメントおよび/または翻訳調節エレメントに機能的に連結された、抗VEGF抗体もしくは抗DLL4抗体またはその断片などの、VEGF/DLL4結合物質のポリペプチド鎖をコードする合成DNA断片またはcDNAに由来するDNA断片を有する複製可能なDNA構築体であることができる。転写単位は、一般的に、(1) 遺伝子発現において調節的な役割を果たす遺伝的エレメント、例えば、転写プロモーターまたはエンハンサー、(2) mRNAに転写され、タンパク質に翻訳される構造配列またはコード配列、ならびに(3) 適切な転写および翻訳の開始配列および終結配列のアッセンブリを含む。調節エレメントは、転写を制御するためのオペレーター配列を含むことがある。通常、複製起点によって付与される、宿主において複製する能力、および形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子をさらに組み込むことができる。DNA領域は、それらが互いに機能的に関連している場合に、「機能的に連結され」ている。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNAは、ポリペプチド分泌に関与する前駆体としてポリペプチドが発現されるのであれば、ポリペプチドDNAに機能的に連結されており; プロモーターは、コード配列の転写を制御すれば、コード配列に機能的に連結されており; またはリボソーム結合部位は、コード配列が翻訳されるように配置されていれば、コード配列に機能的に連結されている。いくつかの態様において、酵母発現系における使用を目的とした構造エレメントには、宿主細胞により翻訳されるタンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列が含まれる。他の態様において、組み換えタンパク質がリーダー配列も輸送配列もなく発現される状況では、N末端メチオニン残基を含むことがある。この残基は任意で、最終産物を得るために、発現された組み換えタンパク質から後に切断されてもよい。
発現制御配列および発現ベクターの選択は宿主の選択に依る。多種多様の発現宿主/ベクターの組み合わせを利用することができる。真核生物宿主に有用な発現ベクターには、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルスおよびサイトメガロウイルスに由来する発現制御配列を含んだベクターが含まれる。細菌宿主に有用な発現ベクターには、公知の細菌プラスミド、例えば、pCR1、pBR322、pMB9およびその誘導体を含む大腸菌に由来するプラスミド、さらに広い宿主域のプラスミド、例えば、M13、ならびに他の繊維状一本鎖DNAファージが含まれる。
本発明のVEGF/DLL4結合物質(例えば、ポリペプチド)は、1つまたは複数のベクターから発現させることができる。例えば、いくつかの態様において、1つの重鎖ポリペプチドは1つのベクターにより発現され、もう1つの重鎖ポリペプチドはもう1つのベクターにより発現され、かつ軽鎖ポリペプチドは第3のベクターにより発現される。いくつかの態様において、第1の重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、1つのベクターにより発現され、かつ第2の重鎖ポリペプチドはもう1つのベクターにより発現される。いくつかの態様において、2つの重鎖ポリペプチドは1つのベクターにより発現され、かつ軽鎖ポリペプチドはもう1つのベクターにより発現される。いくつかの態様において、3つのポリペプチドが1つのベクターから発現される。したがって、いくつかの態様において、第1の重鎖ポリペプチド、第2の重鎖ポリペプチド、および軽鎖ポリペプチドは単一のベクターにより発現される。
VEGF/DLL4結合ポリペプチドもしくは抗体(または抗原として使用するVEGFもしくはDLL4タンパク質)の発現に適した宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下にある、原核生物、酵母細胞、昆虫細胞または高等真核細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、例えば、大腸菌または杆菌(Bacillus)が含まれる。高等真核細胞には、下記に記述の哺乳動物に由来する樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系も利用されうる。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物の細胞宿主で用いるのに適したクローニングおよび発現ベクターは、Pouwels et al., 1985, Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York, NYに記述されている。抗体産生を含む、タンパク質産生の方法に関するさらなる情報は、例えば、米国特許出願公開第2008/0187954号; 米国特許第6,413,746号; 同第6,660,501号; および国際特許公開番号WO 04/009823において見出すことができる。
組み換えポリペプチドを発現させるために、さまざまな哺乳動物培養系または昆虫細胞培養系が用いられうる。哺乳動物細胞における組み換えタンパク質の発現は、これらのタンパク質がおおむね正しく折り畳まれ、適切に修飾され、かつ生物学的に機能するので望ましいこともある。適当な哺乳動物宿主細胞株の例としては、COS-7 (サル腎臓由来)細胞株、L-929 (マウス線維芽細胞由来)細胞株、C127 (マウス乳腺腫瘍由来)細胞株、3T3 (マウス線維芽細胞由来)細胞株、CHO (チャイニーズハムスター卵巣由来)細胞株、HeLa (ヒト子宮頸がん由来)細胞株、BHK (ハムスター腎臓線維芽細胞由来)細胞株、HEK-293 (ヒト胎児腎臓由来)細胞株およびこれらの細胞株の変種が挙げられるが、これらに限定されることはない。哺乳動物発現ベクターは、非転写エレメント、例えば、複製起点、発現させようとする遺伝子に連結される適当なプロモーターおよびエンハンサー、ならびに他の5'または3'隣接非転写配列、ならびに5'または3'非翻訳配列、例えば、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびスプライスアクセプター部位、ならびに転写終結配列を含んでもよい。
昆虫細胞培養系(例えば、バキュロウイルス)における組み換えタンパク質の発現も、正しく折り畳まれ、生物学的に機能的なタンパク質を産生するための確固たる方法を供与する。昆虫細胞において異種タンパク質を産生するためのバキュロウイルス系は、当業者には周知である。
したがって、本発明は、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質を含んだ細胞を提供する。いくつかの態様において、細胞は、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質を産生する。ある種の態様において、細胞は抗体を産生する。いくつかの態様において、細胞は、抗VEGF抗体などの、VEGF結合物質を産生する。いくつかの態様において、細胞は、VEGFに結合する二重特異性抗体を産生する。いくつかの態様において、細胞は、抗DLL4抗体などの、DLL4結合物質を産生する。いくつかの態様において、細胞は、DLL4に結合する二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、VEGFおよびDLL4に結合する二重特異性抗体などの、二重特異性VEGF/DLL4結合物質を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R79を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R75を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R83を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R79由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R75由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体21R83由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45由来の抗原結合部位および抗体21R79由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45由来の抗原結合部位および抗体21M18由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45由来の抗原結合部位および抗体21R75由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、抗体219R45由来の抗原結合部位および抗体21R83由来の抗原結合部位を含む二重特異性抗体を産生する。ある種の態様において、細胞は、二重特異性抗体219R45-MB-21M18を産生する。ある種の態様において、細胞は、二重特異性抗体219R45-MB-21R79を産生する。ある種の態様において、細胞は、二重特異性抗体219R45-MB-21R75を産生する。ある種の態様において、細胞は、二重特異性抗体219R45-MB-21R83を産生する。
形質転換宿主により産生されたタンパク質は、任意の適当な方法にしたがって精製することができる。標準的な方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティーカラムクロマトグラフィー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、またはタンパク質精製のための他の任意の標準的な技法が含まれる。適切なアフィニティーカラム上での通過による容易な精製を可能にするために、アフィニティータグ、例えば、ヘキサヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列およびグルタチオン-S-トランスフェラーゼをタンパク質に付着させることができる。免疫グロブリンを精製するために用いられるアフィニティークロマトグラフィーは、プロテインA、プロテインGおよびプロテインLクロマトグラフィーを含むことができる。単離されたタンパク質は、タンパク質分解、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、質量分析(MS)、核磁気共鳴(NMR)、等電点電気泳動(IEF)、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびx線結晶構造解析などの技法を用いて物理的に特徴付けることができる。単離されたタンパク質の純度は、SDS-PAGE、SEC、キャピラリーゲル電気泳動、IEF、およびキャピラリー等電点電気泳動(cIEF)を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の技法を用いて判定することができる。
いくつかの態様において、最初に、市販のタンパク質濃縮フィルタ、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて、組み換えタンパク質を培地に分泌する発現系からの上清を濃縮することができる。濃縮段階後に、濃縮物を適当な精製マトリックスに適用することができる。いくつかの態様において、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基材を利用することができる。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたはタンパク質精製において一般に利用される他のタイプでもよい。いくつかの態様において、陽イオン交換段階を利用することができる。適当な陽イオン交換体には、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含むさまざまな不溶性のマトリックスが含まれる。いくつかの態様において、セラミックハイドロキシアパタイト(CHT)を含むがこれに限定されない、ハイドロキシアパタイト媒体を利用することができる。ある種の態様において、組み換えタンパク質(例えば、VEGF/DLL4結合物質)をさらに精製するために、疎水性RP-HPLC媒体、例えば、ペンダントメチル基または他の脂肪族基を有するシリカゲルを利用した、1つまたは複数の逆相HPLC段階を利用することができる。均一な組み換えタンパク質を得るために、前記の精製段階の一部または全部を、さまざまな組み合わせで、利用することができる。
いくつかの態様において、二重特異性抗体などのヘテロ二量体タンパク質は、本明細書において記述される方法のいずれかにしたがって精製される。いくつかの態様において、抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体は、少なくとも1つのクロマトグラフィー段階を用いて単離および/または精製される。いくつかの態様において、少なくとも1つのクロマトグラフィー段階は、アフィニティークロマトグラフィーを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのクロマトグラフィー段階は、陰イオン交換クロマトグラフィーをさらに含む。いくつかの態様において、単離および/または精製された抗体産物は、少なくとも90%のヘテロ二量体抗体を含む。いくつかの態様において、単離および/または精製された抗体産物は、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%のヘテロ二量体抗体を含む。いくつかの態様において、単離および/または精製された抗体産物は、約100%のヘテロ二量体抗体を含む。
いくつかの態様において、細菌培養において産生された組み換えタンパク質は、例えば、最初に、細胞ペレットから抽出し、その後に、1回または複数回の濃縮、塩析、水性イオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィー段階を行うことによって単離することができる。最後の精製段階にはHPLCを利用することができる。組み換えタンパク質の発現において利用される微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊または細胞溶解剤の使用を含む任意の従来法によって破壊することができる。
抗体および他のタンパク質の精製のための当技術分野における公知の方法にはまた、例えば、米国特許出願公開第2008/0312425号; 同第2008/0177048号; および同第2009/0187005号に記述の方法が含まれる。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質は、抗体ではないポリペプチドである。高親和性で、タンパク質標的に結合する非抗体ポリペプチドを特定および産生するためのさまざまな方法が当技術分野において公知である。例えば、Skerra, 2007, Curr. Opin. Biotechnol., 18:295-304; Hosse et al., 2006, Protein Science, 15: 14-27; Gill et al., 2006, Curr. Opin. Biotechnol, 17:653-658; Nygren, 2008, FEBS J., 275:2668-76; およびSkerra, 2008, FEBS J., 275:2677-83を参照されたい。ある種の態様において、ファージまたは哺乳動物細胞ディスプレイ技術を用いて、抗体ではないVEGF/DLL4結合ポリペプチドを産生および/または特定することができる。ある種の態様において、ポリペプチドは、プロテインA、プロテインG、リポカリン、フィブロネクチンドメイン、アンキリンコンセンサス反復ドメインおよびチオレドキシンからなる群より選択されるタイプのタンパク質足場を含む。
ある種の態様において、VEGF/DLL4結合物質または抗体は、いくつかの結合型(例えば、免疫結合体もしくは放射性結合体)または非結合型のいずれか1つで用いることができる。ある種の態様において、抗体は、悪性細胞またはがん細胞を排除するために、補体依存性細胞傷害および抗体依存性細胞毒性を含む対象の天然の防御機構を生かすために非結合型で用いることができる。
いくつかの態様において、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体またはポリペプチド)は細胞傷害剤に結合される。いくつかの態様において、細胞傷害剤は、メトトレキセート、アドリアマイシン、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤を含むが、これらに限定されない、化学療法剤である。いくつかの態様において、細胞傷害剤は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α-サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンシンタンパク質、アメリカヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、ニガウリ(Momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(Sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン(enomycin)、ならびにトリコテセンを含むが、これらに限定されない、細菌、真菌、植物もしくは動物に由来する酵素活性を有する毒素、またはその断片である。いくつかの態様において、細胞傷害剤は、放射線結合体または放射線結合抗体を産生するための放射性同位体である。放射性結合抗体の産生のために、90Y、125I、131I、123I、111In、131In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu、186Re、188Reおよび212Biを含むが、これらに限定されない、さまざまな放射性核種を利用することができる。抗体と1つまたは複数の低分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシン(例えば、メルタンシン)、メイタンシノイド、トリコテセンおよびCC1065、ならびにこれらの毒素の毒素活性を有する誘導体との結合体も用いることができる。抗体と細胞傷害剤の結合体は、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジジチオール(pyridyidithiol))プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能基誘導体(例えば、ジメチルアジプイミダートHCl)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベラート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス-アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6-ジイソシアネート)、およびビス活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を含むが、これらに限定されない、さまざまな二官能基性タンパク質カップリング剤を用いて作出されうる。
VI. ポリヌクレオチド
ある種の態様において、本発明において用いられるVEGF/DLL4結合物質は、本明細書に記述される1つまたは複数のポリヌクレオチドによりコードされる。これらのポリヌクレオチドは、VEGF、DLL4、VEGFおよびDLL4の両方に特異的に結合するポリペプチド(またはポリペプチドの断片)をコードするポリヌクレオチドを含んだポリヌクレオチドであることができる。「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という用語は、ポリペプチドのコード配列だけを含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。例えば、いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、ヒトVEGFに対する抗体をコードする、またはこのような抗体の断片(例えば、抗原結合部位を含んだ断片)をコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、本発明は、ヒトDLL4に対する抗体をコードする、またはこのような抗体の断片(例えば、抗原結合部位を含んだ断片)をコードするポリヌクレオチド配列を含んだポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドはRNAの形態であってもよく、DNAの形態であってもよい。DNAは、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを含み、二本鎖または一本鎖でもよく、一本鎖ならコード鎖または非コード(アンチセンス)鎖でもよい。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:62およびSEQ ID NO:64からなる群より選択される配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77およびSEQ ID NO:78からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77およびSEQ ID NO:78からなる群より選択される配列を含んだポリヌクレオチドと少なくとも約80%同一の、少なくとも約85%同一の、少なくとも約90%同一の、少なくとも約95%同一の、およびいくつかの態様において、少なくとも約96%、97%、98%または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77およびSEQ ID NO:78からなる群より選択される配列を含んだポリヌクレオチドと少なくとも約80%同一の、少なくとも約85%同一の、少なくとも約90%同一の、少なくとも約95%同一の、およびいくつかの態様において、少なくとも約96%、97%、98%または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID N0:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77およびSEQ ID NO:78とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドも提供される。ある種の態様において、ハイブリダイゼーションは高ストリンジェンシーの条件下である。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、宿主細胞からのポリペプチドの発現および分泌を補助するポリヌクレオチド(例えば、細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列)と同じ読み枠で融合した、成熟ポリペプチドのコード配列を含む。リーダー配列を有するポリペプチドはプレタンパク質であり、成熟型のポリペプチドを形成させるために宿主細胞によって切断されるリーダー配列を有する場合がある。ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパク質とさらなる5'アミノ酸残基であるプロタンパク質をコードすることもできる。プロ配列を有する成熟タンパク質がプロタンパク質であり、不活性型のタンパク質である。プロ配列が切断されると、活性のある成熟タンパク質が残る。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、コードされるポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列と同じ読み枠で融合した、成熟ポリペプチドのコード配列を含む。例えば、細菌宿主の場合、マーカー配列は、マーカーと融合した成熟ポリペプチドを精製するための、pQE-9ベクターによって供給されるヘキサヒスチジンタグでもよく、または哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)が用いられる場合、マーカー配列は、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来する血球凝集素(HA)タグでもよい。いくつかの態様において、マーカー配列はFLAGタグ、つまり配列
のペプチドであり、これを他のアフィニティータグとともに用いてもよい。
本発明はさらに、例えば、断片、類似体および/または誘導体をコードする前記ポリヌクレオチドの変種に関する。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは、本明細書において記述されるVEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)またはその断片を含んだポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも約80%同一の、少なくとも約85%同一の、少なくとも約90%同一の、少なくとも約95%同一の、およびいくつかの態様において、少なくとも約96%、97%、98%または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
本明細書において用いられる場合、参照ヌクレオチド配列と少なくとも、例えば、95%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドという語句は、参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり点変異を5個までポリヌクレオチド配列が含むことができる以外は、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることを意味するように意図される。言い換えると、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列のヌクレオチドの5%までが欠失されても、または別のヌクレオチドで置換されてもよく、あるいは参照配列における全ヌクレオチドの5%までのいくつかのヌクレオチドが参照配列中に挿入されてもよい。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端の位置または末端位置間の任意の場所で行われてもよく、参照配列の中のヌクレオチドの間に個々に、あるいは参照配列内の1つもしくは複数の近接するグループの中に分散されてもよい。
ポリヌクレオチド変種は、コード領域、非コード領域、またはその両方の変化を含有してもよい。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、サイレントな置換、付加、または欠失を生じるが、コードされるポリペプチドの性質または活性を変えない変化を含有する。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、(遺伝暗号の縮重によって)ポリペプチドのアミノ酸配列に対する変化を生じさせないサイレントな置換を含む。ポリヌクレオチド変種は、さまざまな理由で、例えば、特定の宿主に向けてコドン発現を最適化するように産生することができる(すなわち、ヒトmRNAのコドンを大腸菌などの細菌宿主に好まれるコドンに変える)。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、配列の非コード領域またはコード領域において少なくとも1つのサイレントな変異を含む。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、コードされるポリペプチドの発現(または発現レベル)を調節するようにまたは変化させるように産生される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、コードされるポリペプチドの発現を増加させるように産生される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、コードされるポリペプチドの発現を減少させるように産生される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、親のポリヌクレオチド配列と比べてコードされるポリペプチドの発現の増加を有する。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、親のポリヌクレオチド配列と比べてコードされるポリペプチドの発現の減少を有する。
いくつかの態様において、少なくとも1つのポリヌクレオチド変種は、ヘテロ多量体分子の産生を増加させるように(コードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることなく)産生される。いくつかの態様において、少なくとも1つのポリヌクレオチド変種は、二重特異性抗体の産生を増加させるように(コードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることなく)産生される。
ある種の態様において、ポリヌクレオチドは単離される。ある種の態様において、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。
本明細書において記述されるポリヌクレオチドを含んだベクターおよび細胞も提供される。いくつかの態様において、発現ベクターはポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの態様において、宿主細胞は、ポリヌクレオチド分子を含んだ発現ベクターを含む。いくつかの態様において、宿主細胞は、ポリヌクレオチド分子を含む。
VII. VEGF/DLL4結合物質を含むキット
本発明はまた、VEGF/DLL4結合物質(例えば、抗体)および少なくとも1つのさらなる治療剤を含むキットを提供する。また、VEGF/DLL4結合物質(例えば、305B83などの抗VEGF/抗DLL4二重特異性抗体)および少なくとも1つのさらなる治療剤を含むキットも提供される。ある種の態様において、第2の(またはそれ以上の)治療剤は化学療法剤である。ある種の態様において、第2の(またはそれ以上の)治療剤は、血管新生阻害剤である。ある種の態様において、さらなる剤は、(a) ロイコボリン、5-フルオロウラシル、およびイリノテカン; (b) パクリタキセル; (c) ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標); ならびに(d) パクリタキセルおよびカルボプラチンからなる群より選択される。キットは、本明細書において記述される投与レジメンのいずれかのために構成されうる。
本開示の態様を、以下の非限定的な実施例を参照してさらに明確にすることができる。実施例は、本開示のある種の抗体の調製および本開示の抗体を用いるための方法を詳述する。本開示の範囲から逸脱することなく、材料と方法の両方に多くの変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。
実施例1 卵巣がん、原発性腹膜がんまたは卵管がんにおいてパクリタキセルとともに305B83を試験する臨床試験
白金抵抗性(処置中に進行せずに治療の完了から6ヶ月以内に進行したと定義される)悪性度2または3卵巣がん、原発性腹膜または卵管がんを有する対象におけるパクリタキセル + OMP-305B83の第1b相試験を実施する。最大30人の対象が研究に登録されている。対象は、事前のベバシズマブ治療および/または3つ以上の事前治療を受けている必要がある。さらに、対象は、再発性疾患のために事前に週1回のパクリタキセルを受けていてはならない。登録前に、対象は試験の適格性を決定するためにスクリーニングを受ける。デキサメタゾン、抗ヒスタミン剤、およびH-2遮断薬は、パクリタキセルを投与する前に前投薬として与えられる。パクリタキセル80 mg/m2を各28日サイクルの0日目、7日目、および14日目に静脈内投与し、完全な応答、不耐性、または疾患進行が確認されるまで継続する。OMP-305B83をパクリタキセルの前に静脈内(IV)注入によって投与する。試験の用量漸増部では、対象は、2週間に1回IV投与される3、5、および10 mg/kgで投薬される。用量コホート内では、OMP-305B83の用量漸増または低減は認められない。用量制限毒性(DLT)が観察されない場合、各用量レベルで3人の対象を処置する。3人の対象のうちの1人がDLTを経験する場合、その用量レベルを6人の対象に拡大する。2人またはそれ以上の対象がDLTを経験した場合、そのレベルではさらなる対象は投薬されず、6人の対象がその用量レベルで既に処置されていなければ、さらに3人の対象がその前の用量コホートに追加される。0〜28日目までDLTについて対象を評価する。パクリタキセルと組み合わせたOMP-305B83 (すなわち、2週間に1回、3、5、または10 mg/kgのいずれか)の最大許容用量が確立されたら、さらなる対象を拡張コホートに登録し、その結果、計30人の対象を試験において処置する。完全な応答、不耐性または疾患進行が確認されるまで処置を継続する。
試験56日目に対象の反応を評価する。試験56日目の応答評価において、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST 1.1)の基準にしたがって対象が進行性疾患を有していなかった場合、疾患進行が起きるまで、対象の初回用量レベルで2週間ごとに処置を継続する。
実施例2 子宮内膜がんにおいてパクリタキセルおよびカルボプラチンとともに305B83を試験する臨床試験
パクリタキセルおよびカルボプラチンと組み合わせた抗VEGF/DLL4二重特異性抗体305B83の組み合わせを試験する第1b相臨床試験を、子宮内膜がんにおける第1選択療法として実施する(図1B)。1 mg/kgで開始する用量漸増を実施する。この試験では、最初に3人の患者に第1レベル(1 mg/kg)で2週間ごとにまたは3週間ごとに305B83を投薬し、パクリタキセル/カルボプラチンの組み合わせを標準治療にしたがって投与する。第1レベルで患者において用量制限毒性(DLT)が認められない場合、さらに3人の患者を第2レベル(2.5 mg/kg)で投薬する。1人の患者が第1レベルでDLTを示す場合、第1レベルでさらに3人の対象を処置する。第1レベルの6人の患者のうちの他の患者がDLTを経験していない場合、さらに3人の患者を第2レベルで投薬し、このプロセスを第2レベルで繰り返す。2人の患者がDLTを示す場合、さらなる対象は第1レベルでは処置されない。一般に、最大耐量(MTD)は、0〜1人の対象がDLTを経験したレベルである。投薬レベルの上昇は、2.5 mg/kgおよび5.0 mg/kgで継続する。
用量漸増後、MTDの拡張コホートを処置し、21日ごとに、身体検査、バイタルサイン、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)レベルを含む臨床検査結果を含めて、処置の安全性をモニターする。患者は、その疾患が進行するまで、または治療の中止が適切であることを他の安全基準が示唆しない限り、処置することができる。
実施例3 結腸直腸がんに対する、FOLFIRIを用いた305B83の臨床試験
抗VEGF/DLL4二重特異性抗体と結腸直腸がんにおける第2選択療法としてのFOLFIRIとの組み合わせを試験する第1b相臨床試験を実施する(図2A)。実施例1または2において上述したように、2週間ごとにまたは3週間ごとに3 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、および任意で5 mg/kgを与えて用量漸増を実施し、引き続きMTDで拡張コホートを行う。MTDが確立されたら、患者は、その疾患が進行するまで、または治療の中止が適切であることを他の安全基準が示唆しない限り処置することができる。
別の例では、抗VEGF/DLL4二重特異性抗体と結腸直腸がんにおける第2選択療法としてのFOLFIRIとの組み合わせを試験する第1b相臨床試験を実施する(図2B)。実施例2において上述したように、2週間ごとにまたは3週間ごとに1 mg/kg、2 mg/kg、4 mg/kg、および任意で5 mg/kgを与えて用量漸増を実施し、引き続きMTDで拡張コホートを行う。MTDが確立されたら、患者は、その疾患が進行するまで、または治療の中止が適切であることを他の安全基準が示唆しない限り、処置されることができる。
実施例4 膵臓がんに対する、ゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)を伴う305B83の臨床試験
すい臓がんにおける第1選択療法としてのゲムシタビンおよびABRAXANE(登録商標)と抗VEGF/DLL4二重特異性抗体との組み合わせを試験する第1b相臨床試験を実施する(図3)。この研究は、(示されるように) 0.5 mg/kgまたは1 mg/kgのいずれかで開始する用量拡大から開始する。
これは、一次(first line)転移性膵臓がんを有する対象におけるABRAXANE(登録商標)、ゲムシタビン、および305B83の第1b相用量漸増試験である。最大で計24人の対象を処置する。対象を、安全性、免疫原性、有効性、および診査バイオマーカーについて評価する。登録前に、対象は試験の適格性を決定するためにスクリーニングを受ける。その後、患者は、各28日の処置サイクルの0日目、7日目、および14日目(または毒性が用量の低減もしくは保持を必要とするまで)に1000 mg/m2の用量での静脈内(IV)注入によって投与されるゲムシタビン、ならびに各28日の処置サイクルの0日目、7日目、および14日目に30分にわたって125 mg/m2の用量でIV注入によって投与されるABRAXANE(登録商標)を受ける。
305B83は、14日ごとにまたは21日ごとに1回30分にわたりIV注入によって投与される。研究の初期段階では、最大耐量(MTD)を決定するために用量漸増を行う。305B83の用量レベルは、0.5、1.0、2 mg/kg、任意で4 mg/kg、および任意で5 mg/kgで、2週間または3週間ごとに1回IV投与される。用量コホート内では用量漸増または低減は認められない。中間投薬コホートは、研究者および試験スポンサーとの同意により追加することができる。さらに、305B83の別の投薬計画コホート(例えば、4週間ごとの投薬)は、研究者および試験スポンサーとの合意により研究することができる。用量制限毒性(DLT)が観察されない場合、各用量レベルで3人の対象を処置する。3人の対象のうちの1人がDLTを経験する場合、その用量レベルを6人の対象に拡大する。2人またはそれ以上の対象がDLTを経験した場合、そのレベルではさらなる対象は投薬されず、6人の対象がその用量レベルで既に処置されていなければ、さらに3人の対象が前の用量コホートに追加される。対象を、初回投薬時から28日目までDLTについて評価する。コホート内の全ての対象がその28日目のDLT評価を完了した後に、必要に応じて、用量漸増を行う。最大耐量(MTD)は、6人の対象のうちの0人または1人がDLTを経験した最高用量レベルである(すなわち、6人の対象は最終的にMTD用量レベルで処置される)。試験された最も高い計画的用量の後にMTDに達していない場合、その用量(例えば、2 mg/kg、4 mg/kg、または5 mg/kg)をMTDと考える。研究の用量漸増部の完了後、6人の患者を拡張コホートに登録し、MTDで処置する。
登録から処置中止後30日まで継続的に、有害事象のモニタリング(有害事象および重篤な有害事象の特定を含む)、身体検査、バイタルサイン、21日ごとのBNP評価を含む臨床検査、ドップラー心エコー図、抗305B83検査、尿検査、ならびに対象との面会によって、安全性を評価する。2つの連続するBNP値が100 pg/ml超であるかまたは1つの値が200 pg/ml超である対象は、ACE阻害剤またはカルベジロールを開始する。対象を、8週間ごとに病状について評価し、来院ごとにおよび処置終了後30日まで安全性について評価する。試験0、21、49、70日目に、その後12週間ごとに、および処置終了時に、バイオマーカー評価を実施する。PKおよび免疫原性のための血清サンプルも得る。
実施例5 DLL4およびVEGFの同時遮断によって優れた抗腫瘍効果が得られる
305B83 + 抗mDLL4抗体および抗mVEGF抗体によるDLL4およびVEGFの同時阻害は、抗hDLL4 + 抗mDLL4または抗hVEGF + 抗mVEGFのものより優れた抗腫瘍効果をもたらした。さらに、DLL4およびVEGF阻害の組み合わせは、血管系関連遺伝子の有意なダウンレギュレーションを誘導し、腫瘍における血管密度を減少させ、血管新生の抗VEGF媒介性阻害が内皮細胞過剰増殖に及ぼす抗DLL4効果よりも優位であることを示唆した。抗DLL4および抗VEGFの両方のみが最適以下の抗腫瘍効果を生じた用量では、二重標的化は腫瘍成長阻害の増強をもたらした。化学療法剤と組み合わせた305B83 + 抗mDLL4および抗mVEGFは、腫瘍縮小をもたらし、この効果は化学療法の中止後も持続した。抗マウス代用抗体を用いた実験に加えて、ヒト皮膚移植モデルを用いて、ヒト微小環境において腫瘍細胞が増殖する腫瘍由来および間質由来VEGFおよびDLL4に及ぼす、抗DLL4/VEGFの効果を評価した。
これらの実験は、代用抗体−抗マウスDLL4 (21R30)および抗マウスVEGF (B20)を含めることによって行った。患者由来の卵巣異種移植腫瘍OMP-OV40を用いて、DLL4およびVEGFの同時阻害は、抗DLL4または抗VEGF単独のものよりも優れた抗腫瘍効果をもたらすことが示された(図4)。305B83 + mDLL4およびmVEGFによるDLL4およびVEGFの同時阻害は、血管系関連遺伝子の有意なダウンレギュレーションを誘導し、腫瘍間質における血管密度を減少させ、内皮細胞過剰増殖の抗DLL4効果よりも血管新生の阻害をもたらす優位な抗VEGF媒介性効果を示唆した(図5)。305B83は、抗DLL4と同様に、腫瘍におけるNotch標的遺伝子発現を調節した。特に、抗DLL4および抗VEGFの両方のみが最適以下の抗腫瘍効果を生じた用量では、二重標的化は抗腫瘍成長阻害の増強をもたらした(図6A)。同様の結果が、胃腫瘍OMP-STM1において観察された(図6B)。
実施例6 DLL4およびVEGFの同時遮断は腫瘍再発を遅延させる
腫瘍再発に及ぼす二重特異性抗体305B83 + 21R30 (抗mDLL4)およびB20 (抗mVEGF)によるDLL4およびVEGFの同時遮断の効果を決定するために、卵巣漿液性がん腫瘍モデルOMP-OV19および膵臓腺がんモデル OMP-PN42を、標準治療剤(卵巣がんでのパクリタキセルおよび膵臓がんでのゲムシタビン/nab-パクリタキセル)と組み合わせて4週間処置し、その後3〜4週間の化学療法維持段階を行った。その後、腫瘍成長を、処置の中止後2ヶ月までモニターした。本発明者らの結果から、化学療法で処置された腫瘍が、研究の経過中絶え間なく成長したことが示された。化学療法剤と305B83 + 21R30およびB20との組み合わせは腫瘍収縮をもたらし、この効果は化学療法の中止後も持続した(図7Aおよび7B)。研究の終了時に、腫瘍は完全に退縮した、または安定化した。
実施例7 305B83は、ヒト皮膚移植片に移植された腫瘍の成長を阻害する
ヒト細胞から構成される微小環境における、腫瘍成長に及ぼす二重特異性抗DLL4/VEGF抗体の効果を評価するために、マウスへ以前に移植されたヒト皮膚の全層へヒト腫瘍細胞が皮内移植されている、ヒト-マウスキメラ皮膚移植片モデルを用いた。このモデルにおけるヒトの微小環境は、腫瘍由来および間質由来のVEGFおよびDLL4標的の両方を提供し、これにより本発明者らはインビボでの有効性を評価することが可能になる。図8Aおよび8Bに示されるように、305B83は、対照抗体と比較して、腫瘍成長の有意な阻害(87% TGI)を引き起こし(p<0.00005)、この効果はデムシズマブ(45% TGI)またはベバシズマブ(70% TGI)よりも優れていた。
上記の実施例に記述の研究は、DLL4およびVEGFの同時阻害が、抗DLL4または抗VEGFのいずれか単独による処置より優れた抗腫瘍効果を生じたことを実証している。DLL4およびVEGFの同時阻害は、血管系関連遺伝子の有意なダウンレギュレーションを誘導し、血管密度を減少させ、抗DLL4媒介性内皮細胞過剰増殖より優位な抗VEGF媒介性抗血管新生効果を示唆した。化学療法剤と抗DLL4/VEGFとの組み合わせは、腫瘍退縮をもたらし、治療中断後に腫瘍再発を有意に遅延させた。ヒト皮膚移植片モデルにおいて、二重特異性抗体は、デムシズマブまたはベバシズマブのいずれかと比較して、結腸腫瘍成長の有意な阻害を生じる。
実施例8 膵臓がんにおいて、ゲムシタビンと組み合わせた305B83は活性である
本発明者らの最初の実験では、患者由来の膵臓がん異種移植片における、ゲムシタビンと組み合わせた抗DLL4/VEGFの抗腫瘍活性を、抗DLL4 (デムシズマブ)に対しておよび抗VEGF (ベバシズマブ)に対して比較した。4週間の処置後、ゲムシタビン処置を中止し、抗体処置を維持した。対照群では、ゲムシタビンを中止した後に腫瘍が急速に再成長し、ゲムシタビンとベバシズマブとの組み合わせは効果を有さなかった。一方、デムシズマブまたは抗DLL4/VEGF二重特異性抗体のいずれかによる処置は、腫瘍成長を有意に遅延させた(図9)。
膵臓がんにおける腫瘍開始細胞の頻度に及ぼすDLL4およびVEGF阻害の効果を決定するために、連続移植研究を実施した。OMP-PN8腫瘍担持マウスを対照Ab、デムシズマブ、ベバシズマブ、またはDLL4/VEGF二重特異性抗体で処置した。処置の4週間後、腫瘍を採取し、各処置からの腫瘍細胞を新しい組のマウスに移植した。次いで腫瘍を処置なしで83日間成長させた。対照群では、10匹のマウスのうち9匹が大きな腫瘍を成長させた(図10)。腫瘍成長の頻度は、抗DLL4処置およびDLL4/VEGF二重特異性抗体によって低減されたが、ベバシズマブによっては低減されず、デムシズマブの抗CSC活性がDLL4/VEGF二重特異性抗体において保持されることを示した。
患者由来の異種移植実験では、間質および血管系はマウス細胞から構成されるが、腫瘍細胞はヒトのものである。DLL4およびVEGFは腫瘍細胞においても間質/血管系においても発現されるので、これまでの実験は、マウスタンパク質ではなく、ヒトタンパク質のシグナル伝達を遮断するDLL4およびVEGFアンタゴニストで行われ、これらの経路を遮断する完全な抗腫瘍効果を過小評価していた可能性がある。この問題に対処するために、本発明者らの異種移植研究ではヒト腫瘍およびマウス間質/血管系細胞の両方でのDLL4およびVEGFの同時遮断の効果を評価した。これは、305B83 (これはヒトDLL4およびVEGFを遮断する)に加えて、代用抗体 - 抗マウスDLL4 (21R30)および抗マウスVEGF (B20)を含む実験で行われた。OMP-PN42腫瘍におけるゲムシタビン + nab-パクリタキセルと組み合わせた完全DLL4/VEGF阻害を試験した。図11に示されるように、ゲムシタビン処置だけでもこの腫瘍にわずかな影響を及ぼした。nab-パクリタキセルを含めることで腫瘍成長が遅延されたが、最終的にこの化学療法の対で処置した群では腫瘍が成長した。一方、DLL4/VEGF阻害とゲムシタビンおよびnab-パクリタキセル処置との組み合わせは、完全な腫瘍退縮をもたらした。
実施例9 305B83を受ける患者における高血圧の管理
第1a相試験中に観察された副作用の1つは、305B83を受けた患者の一部における高血圧の発症または悪化であった。この副作用を管理するために、処置アルゴリズムが開発された。第1に、患者の血圧が140/90を超える場合、患者は治験責任医師に電話するように指示される。最初の目標は、48〜72時間で血圧を正常化することである。抗高血圧薬による処置は、血圧が140/90以上である場合、毎日調整する必要がある。
収縮期圧が180 mm Hgを超える場合、ヒドララジンまたはクロニジンのいずれかを用いて、血圧を急速に低下させる。これらの剤は、180 mm Hgより低い収縮期血圧を有する患者にも、または慢性的な高血圧管理にも用いられてはならない。
305B83を投与する前におよび慢性血圧管理を維持するために、アムロジピンおよびProcardia XL (登録商標)の1つが、第1の慢性抗高血圧薬として用いられる。アムロジピンに推奨される開始用量は、経口で1日5 mgである。血圧が制御されない場合は、経口で1日10 mgの最大用量に達するまで、用量を毎日調整する必要がある。Procardia XL (登録商標)に推奨される開始用量は、経口で1日30〜60 mgである。血圧が制御されない場合は、経口で1日120 mgの最大用量に達するまで、用量を毎日調整する。
アムロジピンまたはProcardia XL (登録商標)の最大有効用量が与えられた後に血圧が制御されない場合、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(心拍数が低い場合)またはカルベジロールなどのβ遮断薬(心拍数が高い場合)を追加する。
アムロジピンまたはProcardia XL (登録商標)に第2の抗高血圧薬の最大投与量を追加しても血圧が制御されない場合、第3の抗高血圧薬を混合物に追加する。第3の抗高血圧剤は、第2の抗高血圧薬として追加されなかったACE阻害剤またはβ遮断薬のいずれかでなければならない。
研究エントリで抗高血圧治療を既に受けている患者は、禁忌でない限り、この一般的なアルゴリズムに従うべきである。すなわち、適切であれば、投薬の前にヒドララジンまたはクロニジンの投薬が与えられなければならない。さらに、患者がアムロジピン、Procardia XL (登録商標)、または類似のカルシウムチャネル遮断薬をまだ受けていない場合、アムロジピンまたはProcardia XL (登録商標)は、既存の抗高血圧レジメンに追加される第1の剤でなければならない。
本明細書において記述された実施例および態様は例示する目的のためだけのものであると、ならびにそれらを踏まえてさまざまな修正または変更が当業者に示唆されるであろうが、それらは本出願の趣旨および範囲内に含まれるものと理解される。
本明細書において引用された、全ての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、ならびにアクセッション番号/ポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列の両方を含むデータベース配列は、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、またはアクセッション番号/データベース配列が参照により本明細書に組み入れられるように詳細かつ個々に示されるのと同じ程度に、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
以下は、本願で開示される配列である。
シグナル配列(下線)を有する21M18重鎖(SEQ ID NO:1)
シグナル配列(下線)を有する21R79重鎖(SEQ ID NO:2)
シグナル配列(下線)を有する219R45重鎖(SEQ ID NO:3)
シグナル配列(下線)を有する軽鎖(SEQ ID NO:4)
予測されるシグナル配列を有しない21M18重鎖(SEQ ID NO:5)
予測されるシグナル配列を有しない21R79重鎖(SEQ ID NO:6)
予測されるシグナル配列を有しない219R45重鎖(SEQ ID NO:7)
予測されるシグナル配列を有しない軽鎖(SEQ ID NO:8)
21M18重鎖可変領域(SEQ ID NO:9)
21R79重鎖可変領域(SEQ ID NO:10)
219R45重鎖可変領域(SEQ ID NO:11)
軽鎖可変領域(SEQ ID NO:12)
21R75、21R79、21R83および21M18重鎖CDR1 (SEQ ID NO:13)
TAYYIH
21R79重鎖CDR2 (SEQ ID NO:14)
21M18重鎖CDR2 (SEQ ID NO:15)
21R75、21R79、21R83および21M18重鎖CDR3 (SEQ ID NO:16)
219R45重鎖CDR1 (SEQ ID NO:17)
NYWMH
219R45重鎖CDR2 (SEQ ID NO:18)
219R45重鎖CDR3 (SEQ ID NO:19)
軽鎖CDR1 (SEQ ID NO:20)
軽鎖CDR2 (SEQ ID NO:21)
軽鎖CDR3 (SEQ ID NO:22)
シグナル配列(下線)を有するヒトDLL4 (SEQ ID NO:23)
予測されるシグナル配列を有しないヒトDLL4 (SEQ ID NO:24)
ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO:25)
ヒトDLL4 DSLドメイン(SEQ ID NO:26)
シグナル配列(下線)を有するヒトVEGF-A (SEQ ID NO:27)
予測されるシグナル配列を有しないヒトVEGF-A (SEQ ID NO:28)
21M18重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:29)
21R79重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:30)
21R79重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:31)
219R45重鎖ヌクレオチド配列(13Aバージョン1) (SEQ ID NO:32)
219R45重鎖ヌクレオチド配列(13Aバージョン2) (SEQ ID NO:33)
軽鎖ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:34)
21M18重鎖可変領域ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:35)
21R79重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13B) (SEQ ID NO:36)
21R79重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:37)
219R45重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Aバージョン1) (SEQ ID NO:38)
219R45重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Aバージョン2) (SEQ ID NO:39)
軽鎖可変領域ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:40)
ヒトIgG1重鎖定常領域(SEQ ID NO:41)
ヒトIgG2重鎖定常領域(SEQ ID NO:42)
ヒトIgG3重鎖定常領域(SEQ ID NO:43)
ヒトIgG4重鎖定常領域(SEQ ID NO:44)
FLAGペプチド(SEQ ID NO:45)
シグナル配列に下線を引いた親21R79重鎖 非修飾鎖(SEQ ID NO:46)
シグナル配列に下線を引いた親219R45重鎖(SEQ ID NO:47)
予測されるシグナル配列を有しない親21R79重鎖(SEQ ID NO:48)
シグナル配列を有しない親219R45重鎖(SEQ ID NO:49)
親21R79重鎖可変領域ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:50)
親219R45重鎖可変領域ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:51)
シグナル配列を有する親21R79重鎖ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:52)
シグナル配列を有する親219R45重鎖ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:53)
親21R79および219R45軽鎖可変領域ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:54)
親21R79および219R45軽鎖ヌクレオチド配列(SEQ ID NO:55)
予測されるシグナル配列を有しない21R75重鎖(SEQ ID NO:56)
予測されるシグナル配列(下線)を有する21R75重鎖(SEQ ID NO:57)
21R75重鎖可変領域(SEQ ID NO:58)
21R75重鎖CDR2 (SEQ ID NO:59)
シグナル配列を有する21R75重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:60)
シグナル配列を有する21R75重鎖ヌクレオチド配列(13BバージョンS1-2) (SEQ ID NO:61)
予測されるシグナル配列を有しない21R83重鎖(SEQ ID NO:62)
予測されるシグナル配列(下線)を有する21R83重鎖(SEQ ID NO:63)
21R83重鎖可変領域(SEQ ID NO:64)
21R83重鎖CDR2 (SEQ ID NO:65)
シグナル配列に下線を引いた21R83重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:66)
シグナル配列に下線を引いた21R75重鎖ヌクレオチド配列(13BバージョンS1-2) (SEQ ID NO:67)
21R75重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:68)
21R75重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:69)
21R83重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン1) (SEQ ID NO:70)
21R75重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:71)
シグナル配列に下線を引いた21R83重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:72)
21R83重鎖可変領域ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:73)
シグナル配列に下線を引いた21R75重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン2) (SEQ ID NO:74)
21M18重鎖ヌクレオチド配列(バージョン2) (SEQ ID NO:75)
21M18重鎖可変領域(バージョン2) (SEQ ID NO:76)
シグナル配列を有する21R75重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1T) (SEQ ID NO:77)
シグナル配列に下線を引いた21R83重鎖ヌクレオチド配列(13Bバージョン1T) (SEQ ID NO:78)
代替的な21R75、21R79、21R83、および21M18重鎖CDR1(13Bバージョン1T) (SEQ ID NO:79)
AYYIH
抗DLL4重鎖CDR2コンセンサス配列(SEQ ID NO:80):
配列中でX
1がセリンまたはアラニンであり、X
2がセリン、アスパラギンまたはグリシンであり、X
3がアスパラギンまたはリジンであり、かつX
4がグリシン、アルギニンまたはアスパラギン酸である。