以下、発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、実施形態に係る表示装置の概略構成の一例を示す図である。
実施形態に係る表示装置10は、例えば表示装置10が搭載される電子機器の電源回路200から各種電源電圧が印加され、例えば電子機器のホストプロセッサである制御回路300から出力された信号に基づいて画像表示を行う。表示装置10が搭載される電子機器としては、例えば、電子ペーパー型表示装置を含む。
図1に示す例において、表示装置10は、例えば電気泳動層を有する電気泳動型表示パネルを具備した電気泳動装置(電気泳動型ディスプレイ(EPD:Electrophoretic Display))である。表示装置10はモノクロ表示であっても良く、複数の色のカラーフィルタ等を用いたカラー表示であっても良い。表示装置10は、画素PXの画素電極に光を反射する材料が採用されていても良いし、透光性画素電極と金属等の反射膜の組み合わせによって反射膜が光を反射する構成であっても良い。また、表示装置10はシートディスプレイなどのフレキシブルディスプレイであっても良い。
表示装置10は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)基板100上に、表示領域11と、表示パネル駆動部20と、が設けられている。表示領域11内には、第1方向(図中のX方向)と、この第1方向に直交する第2方向(図中のY方向)に2次元のマトリクス状に並ぶ複数の画素PXが構成される。以下、第1方向(図中のX方向)を行方向、第2方向(図中のY方向)を列方向とも称する。また、画素PXが行方向に並ぶ行を画素行、画素PXが列方向に並ぶ列を画素列とも称する。図1では、n×m個(行方向にn個、列方向にm個)の画素PXがマトリクス配置された例を示している。
電源回路200は、本実施形態に係る表示装置10の各部に与える各種電源電圧を生成する電源生成部である。電源回路200は、表示パネル駆動部20と接続されている。この電源回路200から表示パネル駆動部20に各種電源電圧が供給される。
制御回路300は、本実施形態に係る表示装置10の動作を制御する演算処理部である。制御回路300は、表示パネル駆動部20と接続されている。制御回路300は、例えば制御用ICで構成され、この制御用ICから表示パネル駆動部20に映像信号や各種制御信号が供給される。
表示パネル駆動部20は、ソース駆動部21及びゲート駆動部22を備えている。
ソース駆動部21は、例えば、TFT基板100上の表示領域11の外側の領域(以下、「額縁領域」とも称する)12に設けられる表示用ICで構成される。
本実施形態において、ゲート駆動部22は、TFT基板100上の額縁領域12に形成される薄膜トランジスタ(TFT)回路である。
表示パネル駆動部20は、ソース駆動部21によって映像信号を保持し、順次、表示パネル10に出力する。ソース駆動部21は、ソースバスライン(映像信号線)DTL1,・・・,DTLnによって表示領域11内の各画素列と電気的に接続され、各ソースバスライン(映像信号線)DTL1,・・・,DTLnにそれぞれソース駆動信号(映像信号)SIG1,・・・,SIGnを伝送する。各ソース駆動信号(映像信号)SIG1,・・・,SIGnは、各画素列の各画素PXに供給される。
以下、p列目(pは、1からnの整数)の画素列の各画素PXに接続されるソースバスライン(映像信号線)をDTLpと称し、ソースバスライン(映像信号線)DTLpに供給されるソース駆動信号(映像信号)をSIGpと称する。
表示パネル駆動部20は、ゲート駆動部22によって表示領域11内の各画素行を選択する。ゲート駆動部22は、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCL1(P),・・・,SCLm(P)及び第2ゲートバスライン(第2走査線)SCL1(N),・・・,SCLm(N)によって表示領域11内の各画素行と電気的に接続され、各第1ゲートバスライン(第1走査線)SCL1(P),・・・,SCLm(P)にそれぞれ第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATE1(P),・・・,GATEm(P)を伝送し、各第2ゲートバスライン(第2走査線)SCL1(N),・・・,SCLm(N)にそれぞれ第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATE1(N),・・・,GATEm(N)を伝送する。各第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATE1(P),・・・,GATEm(P)及び第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATE1(N),・・・,GATEm(N)は、各画素行の各画素PXに供給される。
以下、q行目(qは、1からmの整数)の画素行に接続される第1ゲートバスライン(第1走査線)をSCLq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)をSCLq(N)と称し、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)に供給される第1ゲート駆動信号(第1走査信号)をGATEq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)に供給される第2ゲート駆動信号(第2走査信号)をGATEq(N)と称する。
図2は、実施形態に係る表示装置の図1とは異なる概略構成の一例を示す図である。
図1では、ゲート駆動部22を図中の表示領域11の右側の額縁領域12に設けた例を示したが、図2では、図中の表示領域11の右側の額縁領域12に、奇数行の各画素行に接続されるゲートバスライン(走査線)にゲート駆動信号(走査信号)を供給するゲート駆動部22−1を設け、図中の表示領域11の左側の額縁領域12に、偶数行の各画素行に接続されるゲートバスライン(走査線)にゲート駆動信号(走査信号)を供給するゲート駆動部22−2を設けた例を示している。
図2に示す例では、表示領域11の左右両側の額縁領域12のY方向の幅を均等にすることができる。また、図2に示す例では、左右両側の額縁領域12のY方向の幅をそれぞれ狭くすることができ、表示装置10の狭額縁化が可能である。
本実施形態では、図1に示すように、ゲート駆動部22を図中の表示領域11の右側(又は左側)に設ける態様であっても良いし、図2に示すように、ゲート駆動部22−1,22−2をそれぞれ図中の表示領域11の左右に設ける態様であっても良い。ゲート駆動部の配置態様により本実施形態が限定されるものではない。
図3は、実施形態に係る表示装置における画素の構成の一例を示す図である。図3に示す例では、q行p列の画素PXにおける構成を示している。
本実施形態では、画素PXを構成する画素トランジスタTRを、PMOSトランジスタPTRと、NMOSトランジスタNTRと、を含むCMOS(相補型MOS)構成としている。
PMOSトランジスタPTRのゲートには、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)が接続される。NMOSトランジスタNTRのゲートには、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)が接続される。
また、PMOSトランジスタPTRとNMOSトランジスタNTRとは、それぞれのソース経路、及びそれぞれのドレイン経路が並列的に接続される。PMOSトランジスタPTRのソースと、NMOSトランジスタNTRのソースとが、ソースバスライン(映像信号線)DTLpに接続されている。また、PMOSトランジスタPTRのドレインとNMOSトランジスタNTRのドレインとが接続される。
すなわち、PMOSトランジスタPTRとNMOSトランジスタNTRとが並列接続されて、画素トランジスタTRが構成される。また、PMOSトランジスタPTRのドレインとNMOSトランジスタNTRのドレインとの接続点に、画素電極Pixが設けられている。画素電極Pixと共通電位VCOMを供給する共通電極との間に、画素容量CSが構成される。
PMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRのソースには、ソース駆動部21からソースバスライン(映像信号線)DTLpを介して、電圧上限値がVsig(+)、電圧下限値がVsig(−)のソース駆動信号(映像信号)SIGpが供給される。すなわち、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの取り得る電圧範囲は、Vsig(−)からVsig(+)までの電圧範囲となる。
また、本実施形態において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)と電圧下限値Vsig(−)とは、GND電位に対して等しい電位差を有している(|Vsig(+)−GND|=|GND−Vsig(−)|)。すなわち、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)と電圧下限値Vsig(−)との半値がGND電位となる。
本実施形態においては、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)を介してPMOSトランジスタPTRのゲートにGND電位が供給されることで、PMOSトランジスタPTRがオン待機状態となり、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)を介してNMOSトランジスタNTRのゲートにGND電位よりも高い電位が供給されることで、NMOSトランジスタNTRがオン待機状態となる。
この状態でソース駆動信号(映像信号)SIGpが供給されることで、ソース駆動信号(映像信号)SIGpに応じた電荷が画素電極Pixにチャージされる。画素電極Pixは、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)と電圧下限値Vsig(−)との間の電圧値を取り得る。すなわち、画素電極Pixが取り得る電圧範囲は、ソース駆動信号(映像信号)SIGpと同様のVsig(−)からVsig(+)までの電圧範囲となる。
図3に示す構成では、PMOSトランジスタPTRは、2つのPMOSトランジスタptrが直列接続されて構成され、NMOSトランジスタNTRは、2つのNMOSトランジスタntrが直列接続されて構成された例を示している。
PMOSトランジスタPTRは、1つのPMOSトランジスタptrで構成され、NMOSトランジスタNTRは、1つのNMOSトランジスタntrで構成されていても良い。
また、PMOSトランジスタPTRは、3つの以上のPMOSトランジスタptrが直列接続されて構成され、NMOSトランジスタNTRは、PMOSトランジスタptrと同数のNMOSトランジスタntrが直列接続されて構成されていても良い。
図4は、実施形態に係る表示装置におけるゲート駆動部の構成の一例を示す図である。図5及び図6は、図4に示す構成における各部電圧遷移を示す図である。図7は、図4に示す構成における各部波形例を示す図である。なお、本実施形態では、GND電位に対して+側の電圧を「正極性電圧」と称し、GND電位に対して−側の電圧を「負極性電圧」と称する。
図4に示すように、本実施形態に係るゲート駆動部22は、ゲートパルス生成部220と、第1レベル変換部221と、第2レベル変換部222と、第3レベル変換部223と、第4レベル変換部224と、第5レベル変換部225と、を含む。
図4に示す例では、q行目の画素行に対応する構成を示している。すなわち、図4では、q行目の画素行に接続される第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)に供給される第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)、及び、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)に供給される第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成する構成を示している。
ゲート駆動部22には、制御回路300の制御用ICから映像信号1フレームのスタートパルスVPが入力される。
スタートパルスVPは、所定期間ハイ電位となるパルス状の信号である。スタートパルスVPのロー電位とハイ電位とは、制御用ICに与えられる電源電圧によって決まる値である。
図7に示すように、本実施形態において、スタートパルスVPは、ロー電位がGND電位、ハイ電位がVGOの正極性パルスとする。スタートパルスVPのハイ電位VGOは、例えば1.8Vであっても良いし、例えば3.3Vであっても良い。
第1レベル変換部221は、例えばレベルシフタ回路(L/S)等で構成される。
第1レベル変換部221には、GND電位と、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)よりも低く、スタートパルスVPのハイ電位VGOよりも高い第1正極性電圧VGIとが供給され、スタートパルスVPのハイ電位VGO、すなわち、図4に示すO点におけるハイ電位VGOを第1正極性電圧VGIに変換する(図5参照)。これにより、図4に示すA点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位がGND電位、ハイ電位がVGIの正極性パルス波形となる。本実施形態において、第1正極性電圧VGIは、例えば+8.6Vである。
ゲートパルス生成部220は、例えばシフトレジスタ回路(S/R)及び反転バッファ回路(RBuf)等で構成される。
ゲートパルス生成部220には、GND電位と、第1正極性電圧VGIとが供給され、第1レベル変換部221の出力パルスをシフトレジスタ回路(S/R)によって1水平期間毎にシフトしたゲート駆動原信号GATEq(+)と、反転バッファ回路(RBuf)によって、ゲート駆動原信号GATEq(+)のロー電位とハイ電位とを反転させたゲート駆動原信号GATEq(−)とを出力する。
これにより、図4に示すAn点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位がGND電位、ハイ電位が第1正極性電圧VGIの正極性パルス波形となり、図4に示すAp点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位がGND電位、ハイ電位が第1正極性電圧VGIの負極性パルス波形となる。なお、ゲートパルス生成部220は、上述した構成に限るものではなく、ゲート駆動原信号GATEq(+)とゲート駆動原信号GATEq(−)とを出力可能な構成であれば、どのような構成であっても良い。
第2レベル変換部222は、例えばレベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)等で構成される。
第2レベル変換部222には、GND電位と、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)よりも高い第2正極性電圧VGHとが供給され、ゲート駆動原信号GATEq(−)、すなわち図4に示すAp点におけるハイ電位を第1正極性電圧VGIから第2正極性電圧VGHに変換して、画素トランジスタTRのPMOSトランジスタPTRのゲート、すなわち図4に示すB点に第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)として出力する(図5参照)。
これにより、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)の波形、すなわち図4に示すB点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位がGND電位、ハイ電位が第2正極性電圧VGHの負極性パルス波形となる。本実施形態において、第2正極性電圧VGHは、例えば+17.2Vである。
第3レベル変換部223は、例えばレベルシフタ回路(L/S)等で構成される。
第3レベル変換部223には、第1正極性電圧VGIと、GND電位よりも低く、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(−)よりも高い第1負極性電圧VGKとが供給され、ゲート駆動原信号GATEq(+)、すなわち図4に示すAn点におけるロー電位(GND電位)を第1負極性電圧VGKに変換する(図6参照)。
これにより、図4に示すC点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位が第1負極性電圧VGK、ハイ電位が第1正極性電圧VGIの正極性パルス波形となる。本実施形態において、第1負極性電圧VGKは、例えば−8.6Vである。
第4レベル変換部224は、例えばレベルシフタ回路(L/S)等で構成される。
第4レベル変換部224には、GND電位よりも高く、第1正極性電圧VGIよりも低い第3正極性電圧VGJと、第1負極性電圧VGKとが供給され、第3レベル変換部223の出力信号、すなわち図4に示すC点におけるハイ電位(第1正極性電圧VGI)を第3正極性電圧VGJに変換する(図6参照)。
これにより、図4に示すD点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位が第1負極性電圧VGK、ハイ電位が第3正極性電圧VGJの正極性パルス波形となる。本実施形態において、第3正極性電圧VGJは、例えば+3.3Vである。
第5レベル変換部225は、例えばレベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)等で構成される。
第5レベル変換部225には、第3正極性電圧VGJと、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値Vsig(−)よりも低い第2負極性電圧VGLとが供給され、第4レベル変換部224の出力信号、すなわち図4に示すD点におけるロー電位(第1負極性電圧VGK)を第2負極性電圧VGLに変換して、画素トランジスタTRのNMOSトランジスタNTRのゲート、すなわち図4に示すE点に第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)として出力する(図6参照)。
これにより、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)の波形、すなわち図4に示すE点におけるパルス波形は、図7に示すように、ロー電位が第2負極性電圧VGL、ハイ電位が第3正極性電圧VGJの正極性パルス波形となる。本実施形態において、第2負極性電圧VGLは、例えば−17.2Vである。
以下、図4から図8を参照して、本実施形態に係る表示装置100における各部電圧範囲について説明する。図8は、実施形態の比較例における画素トランジスタの構成及びゲート駆動部の構成の一例を示す図である。
本実施形態において、第2正極性電圧VGHと第2負極性電圧VGLとは、GND電位に対して等しい電位差を有している(|VGH−GND|=|GND−VGL|)。
図8に示す比較例では、本実施形態の比較例として、画素トランジスタTRがNMOSトランジスタNTRのみで構成されている例を示している。
画素トランジスタTR(NMOSトランジスタNTR)のオフ状態を維持するためのゲート駆動信号(走査信号)GATEqの電圧値は、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値よりも低くする必要があり、画素トランジスタTR(NMOSトランジスタNTR)のオン状態を維持するためのゲート駆動信号GATEqの電圧値は、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値よりも高くする必要がある。
このため、図8に示すように、画素トランジスタTRがNMOSトランジスタNTRのみで構成されている場合において、画素電極Pixの電圧範囲をソース駆動信号(映像信号)SIGpと同様のVsig(−)からVsig(+)までの電圧範囲とするためには、ゲート駆動部22から供給するゲート駆動信号(走査信号)GATEqの電圧範囲を、|Vsig(+)−Vsig(−)|よりも大きくする必要がある。
すなわち、図8に示す構成では、レベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)に供給する電源電圧範囲|V(+)−V(−)|を、|Vsig(+)−Vsig(−)|よりも大きくする必要がある(|V(+)−V(−)|>|Vsig(+)−Vsig(−)|)。
図8に示す比較例において、例えば、画素トランジスタTR(NMOSトランジスタNTR)のオフ状態を維持するためのゲート駆動信号(走査信号)GATEqの電圧値がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値よりも−側に2.2V大きい値であり、画素トランジスタTR(NMOSトランジスタNTR)のオン状態を維持するためのゲート駆動信号(走査信号)GATEqの電圧値がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値よりも+側に2.2V大きい値である場合に、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの取り得る電圧範囲が−15Vから+15Vまでの30Vである場合には、ゲート駆動部から供給するゲート駆動信号(走査信号)GATEqの電圧範囲は、−17.2Vから+17.2Vまでの電圧範囲とする必要がある。
このため、図8に示す比較例の構成では、レベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)に+17.2V以上の正極性電源電圧V(+)、及び、−17.2V以下の負極性電源電圧V(−)を供給する必要がある。
このとき、レベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)に供給される負極性電源電圧V(−)と正極性電源電圧V(+)との電位差|V(+)−V(−)|は、34.4V以上に及ぶ(|V(+)−V(−)|≧34.4V)。
また、画素トランジスタTRを構成するNMOSトランジスタNTRに印加される電圧振幅は、負極性電源電圧V(−)と正極性電源電圧V(+)との電位差|V(+)−V(−)|に相当する。
このため、図8に示す比較例の構成では、レベルシフタ回路(L/S)及びバッファ回路(Buf)を構成する薄膜トランジスタ(TFT)や、画素トランジスタTRを構成するNMOSトランジスタNTRに要求される耐圧が大きくなり、特性劣化のリスクが高くなる。また、ゲート駆動部や各画素PXで消費される電力が大きくなる。
図8に示す比較例に対し、本実施形態に係る表示装置10では、上述したように、画素PXを構成する画素トランジスタTRを、PMOSトランジスタPTRとNMOSトランジスタNTRとが並列接続されたCMOS(相補型MOS)構成としている。
このため、本実施形態に係る表示装置10では、NMOSトランジスタNTRとPMOSトランジスタPTRのそれぞれに印加される電圧振幅を小さくすることができ、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRの耐圧を小さくすることができる。
また、本実施形態に係る表示装置10では、上述したように、ゲートパルス生成部220から出力されるゲート駆動原信号GATEq(+)及びゲート駆動原信号GATEq(−)が取り得る電圧範囲(|VGI−GND|)、第2レベル変換部222から出力される第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)の波形が取り得る電圧範囲(|VGH−GND|)、第3レベル変換部223から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGI−VGK|)、第4レベル変換部224から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGK|)、及び、第5レベル変換部225から出力される第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEp(N)が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGL|)は、何れも、ソース駆動信号(映像信号)SIGp及び画素電極Pixが取り得る電圧範囲(|Vsig(+)−Vsig(−)|)よりも小さくすることができ、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の耐圧を小さくすることができる。
本実施形態において、例えば、第1正極性電圧VGIを+8.6Vとし、第2正極性電圧VGHを、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)(+15V)よりも+側に2.2V大きい+17.2Vとし、第3正極性電圧VGJを+3.3Vとし、第1負極性電圧VGKを−8.6Vとし、第2負極性電圧VGLを、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値Vsig(−)(−15V)よりも−側に2.2V大きい−17.2Vとした場合、ゲートパルス生成部220から出力されるゲート駆動原信号GATEq(+)及びゲート駆動原信号GATEq(−)が取り得る電圧範囲(|VGI−GND|)は8.6V、第2レベル変換部222から出力される第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)の波形が取り得る電圧範囲(|VGH−GND|)は17.2V、第3レベル変換部223から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGI−VGK|)は17.2V、第4レベル変換部224から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGK|)は12.9V、及び、第5レベル変換部225から出力される第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEp(N)が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGL|)は17.2Vとなる。
また、各レベル変換部における電圧変位を小さくすることができる。具体的には、上述した例において、第2レベル変換部222におけるハイ電位の電圧変位(|VGH−VGI|)は+8.6V、第3レベル変換部223におけるロー電位の電圧変位(|GND−VGK|)は+8.6V、第4レベル変換部224におけるハイ電位の電圧変位(|VGI−VGJ|)は+5.3V、第5レベル変換部225におけるロー電位の電圧変位(|VGK−VGL|)は+8.6Vとなる。
ゲート駆動原信号GATEq(−)から第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成する際、第3レベル変換部223、第4レベル変換部224、及び第5レベル変換部225を1つのレベル変換部で構成した場合、An点におけるゲート駆動原信号GATEq(−)のロー電位をGND電位から第2負極性電圧VGLに変位させて、E点における第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成することとなる。上述した例において、このときのロー電位の電圧変位(|GND−VGL|)は+17.2Vとなり、薄膜トランジスタ(TFT)に過大な負荷が掛かることとなる。このため、レベル変換部を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の特性劣化を招く可能性がある。
一方、ゲート駆動原信号GATEq(+)から第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成する場合には、上述した例に示すように、第2レベル変換部222におけるハイ電位の電圧変位(|VGH−VGI|)は+8.6Vとなる。すなわち、本実施形態では、ゲート駆動原信号GATEq(−)から第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成するレベル変換部(ここでは、第3レベル変換部223、第4レベル変換部224、第5レベル変換部225)の数を、ゲート駆動原信号GATEq(+)から第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成するレベル変換部(ここでは、第2レベル変換部222)の数よりも多くすることで、各レベル変換部における電圧変位を小さくすることができる。
従って、本実施形態に係る表示装置10においては、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTR、また、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の特性劣化のリスクを低くすることができ、図8に示す比較例よりも信頼性の低下を抑制することができる。また、各画素PX及びゲート駆動部22における消費電流を図8に示す比較例よりも小さくすることができるので、低消費電力駆動を実現することができる。
なお、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成するレベル変換部の数、又は、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成するレベル変換部の数は、各レベル変換部における電圧変位が最適値となるように適宜設定すれば良く、上記に限るものではない。また、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成するレベル変換部の数と、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成するレベル変換部の数とは、ゲート駆動原信号から第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)又は第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成する際の電圧変位の大きさに応じた異なる数であれば良く、上記に限るものではない。
以下、図4から図7を参照して、本実施形態に係る表示装置10における動作例について説明する。
図7では、フレーム1では、q行目の画素行においてソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧上限値Vsig(+)、q+1行目の画素行においてソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧下限値Vsig(−)となり、フレーム2では、q行目の画素行においてソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧下限値Vsig(−)、q+1行目の画素行においてソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧上限値Vsig(+)となる例を示している。以下、q行p列の画素PXの画素トランジスタTRの駆動例について説明する。
図7に示す例において、ゲート駆動原信号GATEq(+)がロー電位(GND電位)からハイ電位(第1正極性電圧VGI)に遷移するタイミングtn0,tp0を、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングと称し、ソース駆動信号(映像信号)SIGpがGND電位から電圧上限値Vsig(+)に遷移するタイミングtn1、及び、ソース駆動信号(映像信号)SIGpがGND電位から電圧下限値Vsig(−)に遷移するタイミングtp1を、画素PXの書き込みタイミングと称し、ゲート駆動原信号GATE(+)がハイ電位(第1正極性電圧VGI)からロー電位(GND電位)に遷移するタイミングtn2,tp2を、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち下がりタイミングと称する。
また、本実施形態では、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtn0,tp0において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpがGND電位となるように、ソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧上限値Vsig(+)からGND電位に遷移するタイミングtn3、及び、ソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧下限値Vsig(−)からGND電位に遷移するタイミングtp3を、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの立ち下がりタイミングとして設けている。
図7に示すフレーム1において、q行目の画素行が選択されると、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtn0において、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)がハイ電位(第2正極性電圧VGH)からロー電位(GND電位)に遷移する。これにより、PMOSトランジスタPTRのゲート電圧がGND電位となり、PMOSトランジスタPTRがオン待機状態となる。
また、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)がロー電位(第2負極性電圧VGL)からハイ電位(第3正極性電圧VGJ)に遷移する。
これにより、NMOSトランジスタNTRのゲート電圧が第3正極性電圧VGJとなり、NMOSトランジスタNTRがオン待機状態となる。
画素PXの書き込みタイミングtn1において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpがGND電位から電圧上限値Vsig(+)に遷移すると、画素電極Pixにソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)が書き込まれる。
その後、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち下がりタイミングtn2において、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)がロー電位(GND電位)からハイ電位(第2正極性電圧VGH)に遷移する。
これにより、PMOSトランジスタPTRのゲート電圧が第2正極性電圧VGHとなり、PMOSトランジスタPTRがオフ状態となる。
また、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち下がりタイミングtn2において、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)がハイ電位(第3正極性電圧VGJ)からロー電位(第2負極性電圧VGL)に遷移する。
これにより、NMOSトランジスタNTRのゲート電圧が第2負極性電圧VGLとなり、NMOSトランジスタNTRがオフ状態となる。
このため、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの立ち下がりタイミングtn3において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧上限値Vsig(+)からGND電位に遷移しても、画素トランジスタTRのオフ状態が維持され、画素容量CSによって画素電極Pixの電位がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)に維持される。
続いて、図7に示すフレーム2において、q行目の画素行が選択されると、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtp0において、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)がハイ電位(第2正極性電圧VGH)からロー電位(GND電位)に遷移する。
これにより、PMOSトランジスタPTRのゲート電圧がGND電位となり、PMOSトランジスタPTRがオン待機状態となる。
また、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtp0において、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)がロー電位(第2負極性電圧VGL)からハイ電位(第3正極性電圧VGJ)に遷移する。
これにより、NMOSトランジスタNTRのゲート電圧が第3正極性電圧VGJとなり、NMOSトランジスタNTRがオン待機状態となる。
画素PXの書き込みタイミングtp1において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpがGND電位から電圧下限値Vsig(−)に遷移すると、画素電極Pixにソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値Vsig(−)が書き込まれる。
その後、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち下がりタイミングtp2において、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)がロー電位(GND電位)からハイ電位(第2正極性電圧VGH)に遷移する。
これにより、PMOSトランジスタPTRのゲート電圧が第2正極性電圧VGHとなり、PMOSトランジスタPTRがオフ状態となる。
また、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち下がりタイミングtp2において、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)がハイ電位(第3正極性電圧VGJ)からロー電位(第2負極性電圧VGL)に遷移する。
これにより、NMOSトランジスタNTRのゲート電圧が第2負極性電圧VGLとなり、NMOSトランジスタNTRがオフ状態となる。
このため、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの立ち下がりタイミングtp3において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpが電圧下限値Vsig(−)からGND電位に遷移しても、画素トランジスタTRのオフ状態が維持され、画素容量CSによって画素電極Pixの電位がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値Vsig(−)に維持される。
このように、本実施形態に係る表示装置10では、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧範囲(|Vsig(+)−Vsig(−)|)よりも電圧振幅値が小さい第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)及び第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を用いて、画素トランジスタTRを駆動することができる。
従って、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTR、また、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の特性劣化のリスクを低くすることができ、信頼性の低下を抑制することができる。
また、ゲート駆動部22における消費電流を小さくすることができるので、低消費電力駆動を実現することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtn0において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpをGND電位とし、画素PXの書き込みタイミングtn1において、GND電位から電圧上限値Vsig(+)に遷移する。
また、本実施形態では、上述したように、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtp0において、ソース駆動信号(映像信号)SIGpをGND電位とし、画素PXの書き込みタイミングtp1において、GND電位から電圧上限値Vsig(−)に遷移する。
例えば、画素電極Vpixがソース駆動信号(映像信号)SIGpの下限電圧Vsig(−)を維持した状態で、ソース駆動信号(映像信号)SIGpが上限電圧Vsig(+)となり、画素トランジスタTRがオンとなると、瞬間的に画素トランジスタTRのソース−ドレイン間に|Vsig(+)−Vsig(−)|の電圧(|Vsig(+)|=|−Vsig(−)|=Vsigとしたとき、2×Vsig)が印加された状態で、画素容量CSに蓄積された電荷が移動する(大きな電流が流れる)ことととなり、画素トランジスタTRの劣化要因となる可能性がある。
また、本実施形態では、上述したように、ゲート駆動原信号GATEq(+)の立ち上がりタイミングtn0,tp0において画素トランジスタTR(PMOSトランジスタPTR、NMOSトランジスタNTR)をオン待機状態として画素容量CSに蓄積された電荷を放電し、画素電極Pixの電位をGND電位としてから、画素PXの書き込みタイミングtn1,tp1においてソース駆動信号(映像信号)SIGpを遷移させる。
これにより、画素PXの書き込みタイミングtn1,tp1において画素容量CSに蓄積された電荷が移動する(電流が流れる)ことを防ぐことができ、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRの劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)のハイ電位を、GND電位よりも高く、第1正極性電圧VGIよりも低い第3正極性電圧VGJとしている。
例えば、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)のハイ電位及び第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)のロー電位の双方をGND電位とした場合、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRのソース−ゲート間のオフセット電圧によって画素PXにGND電位を書き込めず、画素電極Pixに放電残圧Voffset(Voffset(P),Voffset(N))が現れる(図7中の破線)。
本実施形態では、上述したように、第4レベル変換部224及び第5レベル変換部225に対し、GND電位よりも高く、第1正極性電圧VGIよりも低い第3正極性電圧VGJを供給する。換言すれば、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)のハイ電位を、第3正極性電圧VGJとする。
この第3正極性電圧VGJを、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値と電圧下限値との電位差の半値であるGND電位に対し、NMOSトランジスタNTRのソース−ゲート間のオフセット電圧分だけ高い値とすることで、NMOSトランジスタNTRを介して、画素PXにGND電位を書き込むことができる。
なお、上述した構成に代えて、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)のロー電位を、所定の負極性電圧としても良い。
この場合には、この負極性電圧を、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値と電圧下限値との電位差の半値であるGND電位に対し、PMOSトランジスタPTRのソース−ゲート間のオフセット電圧分だけ低い値とすることで、PMOSトランジスタPTRを介して、画素PXにGND電位を書き込むことができる。
次に、本実施形態に係る表示装置10におけるTFT基板100の構造について説明する。
図9は、実施形態に係るTFT基板の表示領域における画素の配置例を示す図である。図10は、実施形態に係るTFT基板の1画素の構成例を示す図である。図11は、図10に示す平面図をX−X’線で切断した断面図である。図12は、実施形態に係るTFT基板の額縁領域におけるゲート駆動部の配置例を示す図である。図13は、実施形態に係るTFT基板の額縁領域においてゲート駆動部を構成する薄膜トランジスタの断面図である。
図11及び図13に示すように、TFT基板100は、基材1と、基材1の一方の面1a上に設けられた第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)、及びゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)のゲートと、基材1の一方の面1a上に設けられたゲート絶縁膜13とを有する。ゲート絶縁膜13は、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)、及び薄膜トランジスタ(TFT)のゲートを覆っている。
また、図11及び図13に示すように、TFT基板100は、ゲート絶縁膜13上に設けられた半導体膜32と、ゲート絶縁膜13上に設けられた層間絶縁膜23とを有する。層間絶縁膜23は、半導体膜32を覆っている。図13に示す半導体膜32は、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)に対応して設けられている。層間絶縁膜23には、第1コンタクトホールH1と、第2コンタクトホールH2とが設けられている。第1コンタクトホールH1及び第2コンタクトホールH2は、半導体膜32を底面とする貫通穴である。なお、半導体膜32は、画素トランジスタTRにも対応して設けられており、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)において、半導体膜32と交差する部分が、NMOSトランジスタNTRのゲートを構成し、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)において、半導体膜32と交差する部分が、PMOSトランジスタPTRのゲートを構成する。
また、図9、図10、図11及び図13に示すように、TFT基板100は、薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31と、を有する。薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31は、層間絶縁膜23上にそれぞれ設けられている。薄膜トランジスタ(TFT)のソースは、第1コンタクトホールH1を埋め込んでいる。また、薄膜トランジスタ(TFT)のドレインは、第2コンタクトホールH2を埋め込んでいる。
薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31とは、例えば、同一組成の導電膜で構成されている。
また、TFT基板100は、ソースバスライン(映像信号線)DTLpと、画素トランジスタTRのソース及びドレインと、を有する。これらソースバスライン(映像信号線)DTLp、画素トランジスタTRのソース及びドレインは、薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレイン、第2反射膜31と同様に、層間絶縁膜23上にそれぞれ設けられ、例えば、同一組成の導電膜で構成されている。なお、図9及び図10に示す例では、画素トランジスタTRのソース及びドレインの図示を省略している。
また、図11及び図13に示すように、TFT基板100は、層間絶縁膜23上に設けられた絶縁性の平坦化膜33を有する。平坦化膜33は、第2反射膜31と、薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインとを覆っている。また、平坦化膜33は、ソースバスライン(映像信号線)DTLpと、ここでは図示しない画素トランジスタTRのソース及びドレインとを覆っている。平坦化膜33の上面33aは平坦であり、基材1の一方の面1aに平行となっている。
また、図11及び図13に示すように、TFT基板100は、平坦化膜33上に設けられた共通電極41と、共通電極41上に設けられた第1反射膜43と、平坦化膜33上に設けられた絶縁膜45と、を有する。
図10に示すように、各画素PXにおいて、第1反射膜43と、第2反射膜31は、平面視で並んで配置されている。
図11及び図13に示すように、絶縁膜45は、共通電極41と第1反射膜43とを覆っている。絶縁膜45は、画素PXにおける画素容量CS(図3参照)の誘電体である。
また、図10及び図11に示すように、TFT基板100は、絶縁膜45上に設けられた画素電極Pixを有する。画素電極Pixは、絶縁膜45を介して共通電極41を覆っている。画素電極Pixは、ここでは図示しない画素トランジスタTRのドレインと接続されている。
画素電極Pixの平面視による形状は、例えば矩形である。図9に示したように、複数の画素電極Pixは、TFT基板100の表示領域11において、X方向と、X方向と交差するY方向とにそれぞれ並んでおり、表示領域11において、2次元のマトリクス状に配置されている。本実施形態では、画素電極Pixと平面視で重なる領域が、1つの画素PXとなっている。
ゲート駆動部22は、複数の薄膜トランジスタで構成され、図12に示すように、TFT基板100の表示領域11の外側の額縁領域12に設けられる。図12では、図1に示すように、表示領域11の右側の額縁領域12にゲート駆動部22の各構成部が設けられた例を示している。
図12に示す例では、図中右側から、ゲートパルス生成部220、第2レベル変換部222、第3レベル変換部223、第4レベル変換部224、第5レベル変換部225の順に並び配置され、表示領域11の各画素PXに第1ゲート駆動信号(第1査信号)GATEq(P)及び第2ゲート駆動信号(第1査信号)GATEq(N)が供給される。
次に、TFT基板100の各部を構成する材料について、例を挙げて説明する。基材1は、ガラスもしくは可撓性の樹脂基板で構成されている。第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)、及び薄膜トランジスタ(TFT)のゲートは、モリブデンを含む材料で構成されている。ゲート絶縁膜13は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜で構成されている。例えば、ゲート絶縁膜13は、基材1側からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜がこの順で積層された積層構造の膜で構成されている。
半導体膜32は、ポリシリコンで構成されている。層間絶縁膜23は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜で構成されている。例えば、層間絶縁膜23は、基材1側からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜がこの順で積層された積層構造の膜で構成されている。
薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31とは、チタン及びアルミニウムで構成されている。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31とは、基材1側からチタン、アルミニウム、チタンがこの順で積層された積層構造の膜で構成されている。
平坦化膜33は、アクリル樹脂で構成されている有機絶縁膜である。共通電極41は、透光性の導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)で構成されている。第1反射膜43は、モリブデン及びアルミニウムで構成されている。例えば、第1反射膜43は、基材1側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンがこの順で積層された積層構造の膜で構成されている。
絶縁膜45は、シリコン窒化膜で構成されている。画素電極Pixは、ITOで構成されている。
なお、上記材料はあくまで一例である。本実施形態では、上記以外の材料でTFT基板の各部を構成しても良い。例えば、第1ゲートバスライン(第1走査線)SCLq(P)、第2ゲートバスライン(第2走査線)SCLq(N)、及び薄膜トランジスタ(TFT)のゲートは、アルミニウム、銅、銀、モリブデン又はこれらの合金膜で構成されていても良い。また、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)のソース及びドレインと、第2反射膜31とは、チタンとアルミニウムとの合金である、チタンアルミニウムで構成されていても良い。
上述したように、本実施形態では、表示領域11の各画素PXの平面視において、共通電極41のない領域には、第2反射膜31を設け、共通電極41上に第1反射膜43を設けている。具体的には、図10に示すように、表示領域11の各画素PXの平面視において、第1反射膜43と第2反射膜31とは、平面視で並んで配置されている。このうち、第1反射膜43は、画素トランジスタTRのチャネル領域を遮光する機能を有している。
屋外のような強い光が表示装置10に当たる環境下では、表示面に入射する光が電気泳動層を透過して、画素トランジスタTRのチャネル領域に入射すると、光伝導効果によって画素トランジスタTRに光リーク電流が流れ、画素トランジスタTRの動作が不安定になって表示不良や誤動作が発生することが懸念される。本実施形態では、第1反射膜43によって画素トランジスタTRのチャネル領域を遮光することにより、光リーク電流による表示不良や誤動作を抑制している。
本実施形態では、TFT基板100の表示領域11の外側の額縁領域12に設けられるゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ回路においても、図12及び図13に示すように、第1反射膜43で薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域を遮光する。
具体的には、図12及び図13に示すように、平面視において薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aを、第1反射膜43で覆うようにしている。これにより、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域が遮光され、ゲート駆動部22が光リーク電流によって誤動作することを防ぐことができる。
例えば、額縁領域12の全面を第1反射膜43で覆う等、平面視において薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aの外側にも第1反射膜43を設けた場合には、配線経路等と共通電極41を介して電気的に容量接続され、結果的に負荷容量が増加し消費電力が増加する可能性がある。本実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aのみ第1反射膜43で覆う構成とすることで、負荷容量の増加を抑制しつつ、光リーク電流の発生を抑制することができる。なお、薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aを覆う第1反射膜43は、各々がフローティング状態であることが好ましいが、隣り合う薄膜トランジスタ(TFT)の距離が近接している場合には、各々の薄膜トランジスタ(TFT)を覆う第1反射膜43が電気的に接続されていても良い。
また、薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aを覆う第1反射膜43の各々をフローティング状態に保つためには、額縁領域12に設けられる共通電極41は、表示領域11に設けられる共通電極41とは離間していることが好ましく、また、額縁領域12において、薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aに設けられる第1反射膜43に重なる共通電極41の各々がフローティング状態であることが好ましいが、これに限るものではない。例えば、表示領域11に設けられる共通電極41と額縁領域12に設けられる共通電極41とが一体的に連続して設けられる構成であっても良い。また、額縁領域12に設けられる共通電極41及び第1反射膜43が、表示領域11に設けられる共通電極41を介して共通電位VCOMを供給する配線に電気的に接続される構造であっても良い。
図14は、図11に示す断面図の変形例を示す図である。図14に示すように、TFT基板100は、画素電極Pix上に設けられた保護膜61を備える。保護膜61は、例えばレジストである。このような構成であれば、画素電極Pixは保護膜61に覆われて保護される。これにより、例えば、TFT基板100が搬送される際に、TFT基板100に外部物体が接触するような事態が生じても、外部物体が画素電極Pixに直接接触することを防ぐことができる。また、複数枚のTFT基板100を重ねた場合でも、TFT基板100の画素電極Pixが他のTFT基板100に直接接触することを防ぐことができる。このため、画素電極Pixが傷つくことを防ぐことができる。
次に、実施形態に係る表示装置10の構造について説明する。図15は、実施形態に係る表示装置の構造例を示す断面図である。図15に示すように、実施形態に係る表示装置10は、上述のTFT基板100と、TFT基板100と対向して配置された対向基板130と、TFT基板100と対向基板130との間に配置された電気泳動層160と、シール部152と、を備える。
対向基板130は、基材131と、対向電極133とを有する。基材131は、透光性のガラス基板、透光性の樹脂基板又は透光性の樹脂フィルムである。対向電極133は、基材131において、TFT基板100と対向する面側に設けられている。対向電極133は、透光性の導電膜であるITOで構成されている。対向電極133と画素電極Pixは、電気泳動層160を挟んで対向している。
シール部152は、TFT基板100と対向基板130との間に設けられている。TFT基板100、対向基板130及びシール部152により囲まれた内部の空間に電気泳動層160が封止されている。シール部152には接続部材153が設けられている。対向電極133は、接続部材153を介して、TFT基板100の共通電極41と接続される。これにより、対向電極133に共通電位VCOMが供給される。
電気泳動層160は、複数のマイクロカプセル163を含む。マイクロカプセル163の内部には、複数の黒色微粒子161と、複数の白色微粒子162と、分散液165とが封入されている。複数の黒色微粒子161及び複数の白色微粒子162は、分散液165に分散されている。分散液165は、例えばシリコーンオイル等の、透光性の液体である。黒色微粒子161は、電気泳動粒子であり、例えば負に帯電したグラファイトが用いられる。白色微粒子162は、電気泳動粒子であり、例えば正に帯電した酸化チタン(TiO2)が用いられる。
画素電極Pixと対向電極133との間に電界が形成されることにより、黒色微粒子161と白色微粒子162との分散状態が変化する。黒色微粒子161と白色微粒子162の分散状態に応じて、電気泳動層160を透過する光の透過状態が変化する。これにより、表示面に画像が表示される。例えば、対向電極133に共通電位VCOM(例えば、GND電位)が供給され、画素電極Pixに負の電位が供給されると、負に帯電している黒色微粒子161は対向基板130側に移動し、正に帯電している白色微粒子162はTFT基板100側に移動する。これにより、対向基板130側からTFT基板100を見ると、画素電極Pixと平面視で重なる領域(画素)は、黒表示となる。
なお、本実施形態では、表示装置10が電気泳動層を有する電気泳動型表示パネルを具備した電気泳動装置(電気泳動型ディスプレイ)を例示したが、表示装置10が液晶層を有する液晶表示パネルを具備した液晶表示装置(液晶ディスプレイ)等である場合にも適用可能である。
実施形態に係る表示装置10が電気泳動装置である場合は、電気泳動型表示パネルを液晶表示パネル等よりも高電圧で駆動する必要がある。このため、ソース駆動信号の電圧上限値と電圧下限値との電位差が液晶表示パネル等よりも大きく、これに伴いゲート駆動信号の電圧振幅値が液晶表示パネル等よりも大きくなる。従って、実施形態に係る表示装置10が電気泳動装置である場合、NMOSトランジスタNTRとPMOSトランジスタPTRのそれぞれに印加される電圧振幅を小さくすることによるNMOSトランジスタNTRとPMOSトランジスタPTRの特性劣化、又は信頼性低下の抑制効果が液晶表示装置よりも大きい。
以上説明したように、実施形態に係る表示装置10は、画素PXを構成する画素トランジスタTRを、PMOSトランジスタPTRとNMOSトランジスタNTRとが並列接続されたCMOS(相補型MOS)構成とし、PMOSトランジスタPTRのゲートには、ハイ電位がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値Vsig(+)よりも高く、ロー電位がGND電位以下の負極性パルスである第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を供給し、NMOSトランジスタNTRのゲートには、ロー電位がソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧下限値Vsig(−)よりも低く、ハイ電位がGND電位以上の正極性パルスである第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を供給するゲート駆動部22を備える。
これにより、NMOSトランジスタNTRとPMOSトランジスタPTRのそれぞれに印加される電圧振幅を小さくすることができ、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRの耐圧を小さくすることができる。
また、画素トランジスタTRを構成するPMOSトランジスタPTR及びNMOSトランジスタNTRの特性劣化のリスクを低くすることができ、信頼性の低下を抑制することができる。
さらに、各画素PXにおける消費電流を小さくすることができる。
また、具体的に、ゲート駆動部22は、レベルシフタ回路(L/S)から出力される、ロー電位がGND電位、ハイ電位が第3正極性電圧VGIの正極性パルスから、a個のレベル変換部を経由して、ロー電位がGND電位、ハイ電位が第2正極性電圧VGHの負極性パルスである第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成すると共に、b個のレベル変換部を経由して、ロー電位が第2負極性電圧VGL、ハイ電位が第3正極性電圧VGJの正極性パルスである第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成する。第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)を生成するレベル変換部の数aと第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成するレベル変換部の数bとは異なっている。
これにより、第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)及び第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)を生成するゲート駆動部22の各部の電圧範囲を小さくすることができる。
より具体的には、ゲートパルス生成部220から出力されるゲート駆動原信号GATEq(+)及びゲート駆動原信号GATEq(−)が取り得る電圧範囲(|VGI−GND|)、第2レベル変換部222から出力される第1ゲート駆動信号(第1走査信号)GATEq(P)の波形が取り得る電圧範囲(|VGH−GND|)、第3レベル変換部223から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGI−VGK|)、第4レベル変換部224から出力される出力パルスの波形が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGK|)、及び、第5レベル変換部225から出力される第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEp(N)が取り得る電圧範囲(|VGJ−VGL|)は、何れも、ソース駆動信号(映像信号)SIGp及び画素電極Pixが取り得る電圧範囲(|Vsig(+)−Vsig(−)|)よりも小さくすることができる。
また、各レベル変換部における電圧変位を小さくすることができる。具体的には、例えば、第2正極性電圧VGHを+17.2V、第1正極性電圧VGIを+8.6V、第3正極性電圧VGJを+3.3V、第1負極性電圧VGKを−8.6V、第2負極性電圧VGLを−17.2Vとしたとき、第2レベル変換部222におけるハイ電位の電圧変位(|VGH−VGI|)は+8.6V、第3レベル変換部223におけるロー電位の電圧変位(|GND−VGK|)は+8.6V、第4レベル変換部224におけるハイ電位の電圧変位(|VGI−VGJ|)は+5.3V、第5レベル変換部225におけるロー電位の電圧変位(|VGK−VGL|)は+8.6Vとなる。
これにより、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の耐圧を小さくすることができる。
また、ゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ(TFT)の特性劣化のリスクを低くすることができ、信頼性の低下を抑制することができる。
さらに、ゲート駆動部22における消費電流を小さくすることができる。
このように、実施形態に係る表示装置10によれば、画素トランジスタTR及びゲート駆動部22を構成する各部品の特性劣化のリスクを低くすることができ、信頼性の低下を抑制することができる。
また、各画素PX及びゲート駆動部22における消費電流を小さくすることができるので、低消費電力駆動を実現することができる。
また、第4レベル変換部224及び第5レベル変換部225に対し、GND電位よりも高く、第1正極性電圧VGIよりも低い第3正極性電圧VGJを供給し、第2ゲート駆動信号(第2走査信号)GATEq(N)のハイ電位を、第3正極性電圧VGJとする。
この第3正極性電圧VGJを、ソース駆動信号(映像信号)SIGpの電圧上限値と電圧下限値との電位差の半値であるGND電位に対し、NMOSトランジスタNTRのソース−ゲート間のオフセット電圧分だけ高い値とすることで、NMOSトランジスタNTRを介して、画素PXにGND電位を書き込むことができる。
また、TFT基板100の表示領域11の外側の額縁領域12に設けられるゲート駆動部22を構成する薄膜トランジスタ回路において、平面視で薄膜トランジスタ(TFT)に重なる領域Aを、第1反射膜43で遮光することにより、ゲート駆動部22が光リーク電流によって誤動作することを防ぐことができる。また、薄膜トランジスタ(TFT)が重なる領域Aのみ第1反射膜43で覆う構成とすることで、負荷容量の増加を抑制しつつ、光リーク電流の発生を抑制することができる。
本実施形態により、信頼性の低下を抑制すると共に、低消費電力駆動を実現可能な表示装置10を提供することができる。
なお、上述した実施形態において、第1正極性電圧VGI、第2正極性電圧VGH、第3正極性電圧VGJ、第1負極性電圧VGK、第2負極性電圧VGL等の各電源電圧は、電源回路200から供給された何れかの正極性電圧を昇圧あるいは降圧して他の正極性電圧を生成する構成であっても良いし、電源回路200から供給された何れかの負極性電圧を昇圧あるいは降圧して他の負極性電圧を生成する構成であっても良い。
また、全ての電源電圧が電源回路200で生成されて供給される構成であっても良い。これら各電源電圧を生成あるいは供給する構成により本開示が限定されるものではない。
上述した各実施形態は、各構成要素を適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本実施形態によりもたらされるものと解される。