JP6966837B2 - 下水処理システム - Google Patents
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Description
しかし、雨水合流式の下水道においては、下水処理場の処理能力を超えた降雨があった際に、充分な浄化および消毒処理ができず、処理水として要求される水質基準を満たさないまま放流されてしまう場合があるという問題がある。
消毒処理の方法としては、薬剤を添加する方法が一般的であり、塩素系消毒剤、特に次亜塩素酸化合物である次亜塩素酸ナトリウム水溶液が広く用いられている。処理効率を高めるためには高い濃度の次亜塩素酸ナトリウムを消毒剤として用いることが考えられる。しかし、次亜塩素酸化合物の濃度を徒らに高くすると、下水中のアンモニア性窒素との反応により生じるクロラミンが環境に残留する影響が問題となる。
[1]下水が、上流端から流入し下流端から流出する処理流路と、
前記処理流路に下流端が接続された反応流路と、
前記反応流路の上流端に接続された、次亜塩素酸化合物の水溶液を供給する次亜塩素酸供給装置および臭素化合物の水溶液を供給する臭化物供給装置とを備え、
前記反応流路は、前記次亜塩素酸供給装置から供給された次亜塩素酸化合物の水溶液と前記臭化物供給装置から供給された臭素化合物の水溶液とを流路内を空気に触れさせずに流通させながら反応させて次亜臭素酸化合物を生成せしめる流路である下水処理システム。
[2]前記処理流路の上流端から下流端までの処理流路長が、前記処理流路を流れる下水が1分間当たりに進む距離の1倍以上である、[1]に記載の下水処理システム。
[3]前記処理流路の上流端から下流端までの処理流路長が、前記処理流路を流れる下水が1分間当たりに進む距離の10倍以下である、[2]に記載の下水処理システム。
[4]制御装置を備え、前記制御装置により、前記反応流路を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離が、前記反応流路の上流端から下流端までの反応流路長に対して1/2〜1/15倍に制御される、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の下水処理システム。
[5]制御装置を備え、前記制御装置により、前記処理流路を流れる下水の1Lに対して、有効塩素量換算で0.4〜8mgの次亜臭素酸化合物が供給されるように制御される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の下水処理システム。
[6]前記反応流路を流れる水溶液を空気に触れさせずに混合する混合装置が設けられた、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の下水処理システム。
[7]次亜塩素酸化合物の水溶液と臭素化合物の水溶液とを、空気に触れさせずに流路を流通させる間に反応させ、生成した次亜臭素酸化合物を下水に供給する下水処理方法。
図1は、本発明の下水処理システムの一態様を示す模式図である。以下、図1を参照し、実施形態(以下、「本実施形態」とも言う。)を示して本発明を説明する。
処理流路10は、下水流入路60(本発明の下水処理システムには含まれない。)を通じて下水が上流端10aから流入し、処理された下水が下流端10bから流出する流路である。
処理流路10の下流端10bは公共水域70(本発明の下水処理システムには含まれない。)に接続されており、処理流路10で処理された下水は、河川や海洋を含む公共水域70に放流されるようになっている。
処理流路長としては、処理流路10を流れる下水が1分間当たりに進む距離の1倍以上であることが好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上がさらに好ましい。処理流路長が前記下限値以上であれば、下水と反応流路20から供給された次亜臭素酸化合物とが接触し、公共水域70に放流されるまでの時間を充分にとることができる。
処理流路長が、処理流路10を流れる下水が1分間当たりに進む距離の1倍である場合、下水と反応流路20から供給された次亜臭素酸化合物とが接触し、公共水域70に放流されるまでの時間は1分間である。
また、たとえば、下水流入路60から流入する下水が沈砂池に供給され、沈砂池に設けられたポンプ等を通じ、貯留池や放流梁に運ばれ、処理された下水が公共水域70に放流される場合等においては、処理流路10は、沈砂池、貯留池、放流梁等の設備を兼ねていてもよい。
この場合、後述の反応流路20内で生成した次亜臭素酸化合物は、沈砂池に供給されてもよいし、貯留池や放流梁に供給されてもよい。当該設備において、反応流路20からの次亜臭素酸化合物の供給点が、処理流路10の上流端10aとなる。
反応流路20は、下流端20bが処理流路10の上流端10aに接続された流路である。反応流路20の上流端20aには、後述の次亜塩素酸供給装置30および臭化物供給装置40が接続されている。反応流路20は、次亜塩素酸供給装置30から供給された次亜塩素酸化合物の水溶液と前記臭化物供給装置40から供給された臭素化合物の水溶液とを、反応流路内を空気に触れさせずに流通させながら反応させて次亜臭素酸化合物を生成せしめる流路である。反応流路20内で生成した次亜臭素酸化合物は、下流端20bから処理流路10に供給される。
反応流路長としては、反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離の2〜15倍であることが好ましい。
ある態様としては、5〜15倍であることがより好ましく、5〜12倍であることがさらに好ましく、5〜10倍であることが特に好ましい。反応流路長が、反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離に対して前記範囲内にあれば、次亜塩素酸化合物と臭素化合物とが反応して生成する次亜臭素酸化合物の量を最大化できる。
また、別の態様としては、2〜10倍であることがより好ましく、2〜8倍であることがさらに好ましく、2〜5倍であることが特に好ましい。反応流路長が、反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離に対して前記範囲内にあれば、次亜塩素酸化合物と臭素化合物との反応を充分に進行させつつ、反応流路を短くすることにより設置面積を小さくでき、設置コストを抑えられる。
反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離は、たとえば、反応流路20を流れる水溶液の流量の制御や、反応流路20の管径などによって調整できる。
反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離が、反応流路長の1/5倍である場合、次亜塩素酸供給装置30から水溶液として供給された次亜塩素酸化合物と前記臭化物供給装置40から水溶液として供給された臭素化合物とが反応を開始し、処理流路10に供給されるまでの時間は5分間である。
反応流路内に空気層がない状態で水溶液を流通させる方法としては、たとえば、反応流路20の上流端20aの位置に対して、反応流路20の下流端20bの位置を高い位置として、反応流路20中の空気層を押し出しながら水溶液を流通させる方法が挙げられる。なお、不可避的な溶存空気が水溶液中に含まれていることは差し支えない。
混合装置22としては、ラインミキサー、スタティックミキサー等の公知の撹拌装置を採用することができる。
混合装置22は、反応流路20内のどの位置に備えられていてもよいが、より早い段階で撹拌による反応の促進効果を得られる点で、反応流路20の上流端20aと下流端20bの中間点より上流側に備えられることが好ましい。
次亜塩素酸供給装置30は、反応流路20に次亜塩素酸化合物の水溶液を供給する供給装置である。
次亜塩素酸添加ポンプ34としては、ダイヤフラム式やスネーク式等の定量性を持ったポンプを用いることが好ましい。
臭化物供給装置40は、反応流路20に臭素化合物の水溶液を供給する供給装置である。
臭化物添加ポンプ44としては、次亜塩素酸添加ポンプ34と同様のものが使用できる。
本発明の下水処理システムは制御装置を備えていてもよい。制御装置50は、下水処理システム1の全体または一部を制御することができる。
制御装置50は、反応流路20を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離を制御するため、次亜塩素酸供給装置30から反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物の水溶液および臭化物供給装置40から反応流路20に供給される臭素化合物の水溶液の供給量を制御できる。
反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物に対する臭素化合物のモル比は、1〜2に制御されることが好ましく、1.2〜1.8に制御されることがより好ましく、1.4〜1.6に制御されることがさらに好ましい。反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物に対する臭素化合物のモル比が前記下限値以上であれば、次亜塩素酸化合物のほぼ全量を次亜臭素酸化合物に変換することができる。反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物に対する臭素化合物のモル比が前記上限値以下であれば、過剰な臭素化合物の使用を抑制できる。
なお、処理流路10に下水を供給する下水流入路60は、いわゆる下水管に接続され、下水管から流入する下水を処理流路10に供給することが想定できる。下水管の管壁には、下水流量の増減、すなわち下水の水面が上下することにより、有機廃棄物を含む多くの汚泥が残存している場合がある。このような場合に、多量の降雨等による下水流量の急な増加があると、下水管の管壁に残存する汚泥が洗い流されることにより、下水中の消毒対象物濃度が一時的に上昇する場合がある。その場合には、反応流路20から処理流路10に供給される次亜臭素酸化合物の量は、前述の量を超え、たとえば有効塩素量換算で8mg〜20mgに制御されることもある。しかし、下水管の管壁に残存する汚泥が洗い流されたあと等、下水中の消毒対象物濃度が定常状態に戻れば、反応流路20から処理流路10に供給される次亜臭素酸化合物の量は前述の量に制御される。
また、処理流路10を流れる下水とは、下水流入路60から処理流路10に流入する下水と、反応流路20から処理流路10に流入する次亜臭素酸化合物を含む水溶液とを合わせたものを意味する。
反応流路20から処理流路10に供給される水溶液中の次亜臭素酸化合物の濃度を低くする方法としては、次亜塩素酸供給装置30から反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物の水溶液および臭化物供給装置40から反応流路20に供給される臭素化合物の水溶液の一方または両方を、反応流路20に供給する前に希釈することも考えられるが、反応流路20に希釈水を供給してもよい。
希釈水としては、上水または処理流路10にて処理された下水を使用できる。また、希釈水として下水流入路60から流入する下水や、処理流路10における処理が進行中の下水を用いることもできる。
反応流路20に希釈水を供給する場合、反応流路20の上流端20aと下流端20bの中間点より上流側で供給されることが好ましく、反応流路20の上流端20aから供給されてもよい。
また、次亜塩素酸供給装置30から反応流路20に供給される次亜塩素酸化合物の水溶液および臭化物供給装置40から反応流路20に供給される臭素化合物の水溶液の一方または両方を、反応流路20に供給する前に希釈する場合、希釈水は、次亜塩素酸添加流路36および臭化物添加流路46の一方または両方に供給されてもよい。この場合、希釈水の供給点は、次亜塩素酸添加ポンプ34または臭化物添加ポンプ44の上流であっても、下流であっても、その両方であってもよい。
本発明の下水処理システムによれば、水溶液として供給される次亜塩素酸化合物と臭素化合物とを、反応流路内を流通させながら反応させて次亜臭素酸化合物を生成させ、ただちに処理流路に供給できる。
また、次亜塩素酸化合物と臭素化合物とを流路内で空気との接触を避けて反応させることにより、生成した次亜臭素酸化合物の分解を抑制できる。
また、次亜塩素酸化合物と臭素化合物とを反応流路内を流通させながら反応させることにより、反応に一定時間を要する次亜塩素酸化合物と臭素化合物とを充分に反応させることができ、かつ、生成した次亜臭素酸化合物は、ただちに処理流路に供給できる。そのため、次亜臭素酸化合物を安定した濃度で処理流路に供給でき、かつ、次亜臭素酸化合物の消毒効果を迅速かつ効率的に利用できる。
〔例A1〕
有効塩素濃度5質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の0.1mLを、100mLのメスフラスコを用いて蒸留水で希釈し、およそ50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(以下、「I液」と言う。)を得た。I液の1.0〜1.5mLを分光光度計セルに加えた。
およそ0.4gの臭化ナトリウムを、100mLのメスフラスコを用いて蒸留水に溶解し、さらにこの水溶液の1mLを50mLのメスフラスコを用いて蒸留水で希釈して、およそ80ppmの臭化ナトリウム水溶液(以下、「II液」と言う。)を得た。I液の1.0〜1.5mLが入った分光光度計セルに、II液を、I液とほぼ同量加え、次亜臭素酸ナトリウムの生成反応を開始させた。
当該分光光度計セルを分光光度計にセットし、波長330nm(次亜臭素酸ナトリウムの極大吸収波長)にて、その後30分経過時までの吸光度を経時的に測定した。
上記試験における吸光度の経時変化を表1に示す。
例A1と同様に、I液とII液を混合したセルを分光光度計にセットし、波長330nmにて、その後15分経過時までの吸光度を経時的に測定した。そして、15分経過時の吸光度を測定したあと、ボルテックスミキサーを用いて1分間、溶液を振り混ぜ、空気との接触を促した。20分経過時、26分経過時、32分経過時の吸光度を測定したあとにも、上記と同様にしてボルテックスミキサーを用いて溶液を振り混ぜ、その後、38分経過時の吸光度を測定した。
上記試験における吸光度の経時変化を表1に示す。
一方、例A2においては、空気との接触を促したあとは、330nmにおける吸光度が例A1と比較して急激に低下し、32分後には混合直後の吸光度を下回った。これにより、空気との接触を促す3回目の操作で、生成した次亜臭素酸ナトリウムはほぼ分解したものと考えられる。
なお、上記の反応を最大値のほぼ100%まで進行させることを考慮すれば、次亜臭素酸化合物を下水処理に用いるにあたって、次亜塩素酸化合物と臭素化合物の混合から5分以降15分以内に下水に接触させることが好ましいものと考えられる。その一方、反応流路の設置面積の制約やコストの観点とのバランスを取り、上記の反応を最大値の80%程度以上進行させて次亜臭素酸化合物を下水処理に用いることを考えた場合には、次亜塩素酸化合物と臭素化合物の混合から2分以降5分以内に下水に接触させることが好ましい場合がある。
また、例A2の結果から、次亜臭素酸化合物は空気との接触により、急激に分解するため、次亜臭素酸化合物の生成に当たっては、空気との接触を避けて生成させる必要性が明らかとなった。
〔例B1〕
有効塩素濃度0.4mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液の4.95mLを、15mLの遠沈管に分注し、次亜塩素酸ナトリウムの1.5倍モルの臭化ナトリウムを含む臭化ナトリウム水溶液の4.95mLを混合した。混合してから1分後に大腸菌液の0.1mLを加えた。
大腸菌液は以下にしたがって調製した。大腸菌をNutrient broth培地で一晩、37℃で培養した。遠心分離によって培養液から培地成分を除き、大腸菌を滅菌した生理食塩水に懸濁させ、大腸菌液を調製した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液と臭化ナトリウム水溶液の混合物に大腸菌液を加えて1分後に、0.025mg/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液の1mLを加えて、残留する次亜臭素酸を中和した。
得られた混合物を滅菌した生理食塩水を用いて希釈し、Nutrient broth培地に100μL塗布した。37℃で一晩培養し、形成されたコロニー数から大腸菌生菌数を算出した。その結果、大腸菌生菌数は2.8×105CFU/mLであった。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度(有効塩素濃度A)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と臭化ナトリウム水溶液を混合してから大腸菌液を加えるまでの時間(反応時間B)、および大腸菌液を加えてからチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えるまでの時間(処理時間C)を、それぞれ以下の表2〜4に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、大腸菌生菌数を算出した。
その結果を表2〜4に示す。
有効塩素濃度1.0mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液の4.95mLを、15mLの遠沈管に分注し、次亜塩素酸ナトリウムの1.5倍モルの臭化ナトリウムを含む臭化ナトリウム水溶液の4.95mLを混合した。混合開始から1分後に、0.025mg/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液の1mLを加えて、生成した次亜臭素酸を中和し、次いで大腸菌液の0.1mLを加えた。得られた混合物について、例B1の方法と同様にして大腸菌生菌数を算出した。その結果、大腸菌生菌数は3.9×107CFU/mLであった。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液と臭化ナトリウム水溶液を混合してからチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えるまでの時間(反応時間D)を、以下の表5に示すように変更した以外は参照例B1と同様にして、大腸菌生菌数を算出した。
その結果を表5に示す。
なお、これらの例においては、有効塩素濃度0.4mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同量の臭化ナトリウム水溶液を混合しているため、例B1〜例B15における次亜塩素酸化合物と臭素化合物とが反応を開始する前の混合物中の次亜塩素酸の有効塩素濃度は0.2mg/Lである。また、これらの例においては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の4.95mL、臭化ナトリウム水溶液の4.95mL、および大腸菌液の0.1mLを混合しているため、大腸菌液を含めた混合物1L中の次亜臭素酸化合物の量(処理流路10を流れる下水の1L中の次亜臭素酸化合物の量に対応する。)は、有効塩素量換算で0.198mgである。
反応時間Bが5分である例B19〜例B21において、反応時間Bが1分である例B16〜例B18よりも高い殺菌効果が認められた。これにより、次亜塩素酸化合物と臭素化合物との反応開始から下水との接触までには、5分程度の時間を必要とすることが分かった。
例B19〜例B21における殺菌効果は、反応時間Bが15分である例B22〜例B24よりも高く、次亜塩素酸化合物と臭素化合物との反応開始から下水との接触までに15分の時間を要すると、その殺菌効果が低下することが分かった。これは、生成した次亜臭素酸化合物が分解したことによるものと考えられる。
なお、これらの例においては、有効塩素濃度1.0mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同量の臭化ナトリウム水溶液を混合しているため、例B16〜例B30における次亜塩素酸化合物と臭素化合物とが反応を開始する前の混合物中の次亜塩素酸の有効塩素濃度は0.5mg/Lである。また、これらの例においては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の4.95mL、臭化ナトリウム水溶液の4.95mL、および大腸菌液の0.1mLを混合しているため、大腸菌液を含めた混合物1L中の次亜臭素酸化合物の量(処理流路10を流れる下水の1L中の次亜臭素酸化合物の量に対応する。)は、有効塩素量換算で0.495mgである。
例B19〜例B21における殺菌効果と、例B4〜例B6における殺菌効果の結果から、大腸菌液を含めた混合物1L中の次亜臭素酸化合物の量は、有効塩素量換算で0.4mg以上であることが必要であることが分かった。
例B34〜例B36においては、処理時間Cが1分である例B34でも非常に高い殺菌効果が認められた。
なお、これらの例においては、有効塩素濃度2.0mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同量の臭化ナトリウム水溶液を混合しているため、例B31〜例B45における次亜塩素酸化合物と臭素化合物とが反応を開始する前の混合物中の次亜塩素酸の有効塩素濃度は1.0mg/Lである。また、これらの例においては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の4.95mL、臭化ナトリウム水溶液の4.95mL、および大腸菌液の0.1mLを混合しているため、大腸菌液を含めた混合物1L中の次亜臭素酸化合物の量(処理流路10を流れる下水の1L中の次亜臭素酸化合物の量に対応する。)は、有効塩素量換算で0.99mgである。
10 処理流路
10a 処理流路上流端
10b 処理流路下流端
20 反応流路
20a 反応流路上流端
20b 反応流路下流端
30 次亜塩素酸供給装置
32 次亜塩素酸貯留槽
34 次亜塩素酸添加ポンプ
36 次亜塩素酸添加流路
40 臭化物供給装置
42 臭化物貯留槽
44 臭化物添加ポンプ
46 臭化物添加流路
50 制御装置
60 下水流入路
70 公共水域
Claims (5)
- 下水が、上流端から流入し下流端から流出する処理流路と、
前記処理流路に下流端が接続された反応流路と、
前記反応流路の上流端に接続された、次亜塩素酸化合物の水溶液を供給する次亜塩素酸供給装置および臭素化合物の水溶液を供給する臭化物供給装置とを備え、
前記反応流路は、前記反応流路の上流端の位置に対して、前記反応流路の下流端の位置が高い位置とされており、前記次亜塩素酸供給装置から供給された次亜塩素酸化合物の水溶液と前記臭化物供給装置から供給された臭素化合物の水溶液とを流路内を空気に触れさせずに流通させながら反応させて次亜臭素酸化合物を生成せしめる流路であり、
さらに制御装置を備え、前記制御装置により、前記反応流路を流れる水溶液が1分間あたりに進む距離が、前記反応流路の上流端から下流端までの反応流路長に対して1/2〜1/15倍に制御される下水処理システム。 - 前記処理流路の上流端から下流端までの処理流路長が、前記処理流路を流れる下水が1分間当たりに進む距離の1倍以上である、請求項1に記載の下水処理システム。
- 前記処理流路の上流端から下流端までの処理流路長が、前記処理流路を流れる下水が1分間当たりに進む距離の10倍以下である、請求項2に記載の下水処理システム。
- 制御装置を備え、前記制御装置により、前記処理流路を流れる下水の1Lに対して、有効塩素量換算で0.4〜8mgの次亜臭素酸化合物が供給されるように制御される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の下水処理システム。
- 前記反応流路を流れる水溶液を空気に触れさせずに混合する混合装置が設けられた、請求項1〜4のいずれか一項に記載の下水処理システム。
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