JP2002320973A - 排水の消毒方法 - Google Patents

排水の消毒方法

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JP2002320973A JP2001132487A JP2001132487A JP2002320973A JP 2002320973 A JP2002320973 A JP 2002320973A JP 2001132487 A JP2001132487 A JP 2001132487A JP 2001132487 A JP2001132487 A JP 2001132487A JP 2002320973 A JP2002320973 A JP 2002320973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水の消毒処理において、残留ハロゲンの問
題を抑制しつつ有効な消毒効果を得ることのできる消毒
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係る排水の消毒方法は、ハロゲ
ン系消毒剤を排水に添加して排水を消毒する方法におい
て、消毒剤を添加された排水中の残留ハロゲン濃度をモ
ニターして、残留ハロゲン濃度が所定の数値以下に低下
した時点で排水に紫外線照射を行うことを特徴とするも
のである。本発明に係る方法は、特に、合流式下水道の
越流水の消毒処理に極めて有効に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水を消毒する方
法及び装置に関し、特に、雨水を含む下水の消毒方法及
び装置に関する。本発明は、特に、合流式下水道におけ
る越流水を消毒する用途に適している。
【0002】
【従来の技術】現在、一般家庭排水及び産業排水は、通
常、雨水と共に下水処理場に送られて、順に、沈砂池処
理(砂礫除去)、固液分離処理(懸濁物質(SS)除
去)、活性汚泥処理(有機物分解)及び消毒の各工程か
らなる浄化・消毒処理を経た後、河川、湖沼、港湾、沿
岸海域などの公共用水域に放流されている。一般家庭排
水及び産業排水と、雨水とを同一管に捕集して下水処理
場へ送る下水道方式を「合流式下水道」といい、この合
流式下水道を流れている雨水を含む下水を雨水混入下水
という。
【0003】この合流式下水道においては、降水量が多
く、下水処理場での処理可能量を超える多量の雨水混入
下水が流入するおそれがある場合には、雨水混入下水の
一部を未処理のまま、雨水吐出室、ポンプ場などの下水
排除施設から公共用水域に放流している。また、雨水混
入下水の一部は、下水処理場で沈砂池処理のみを施した
後、公共用水域に放流している。このように、雨水を多
量に含み、未処理のまま放流される雨水混入下水を「合
流式下水道越流水」という。
【0004】この合流式下水越流水には、一般的に、放
流規制値(3,000CFU/mL)を大きく越える大腸菌群
(数万〜数十万CFU/mL)が含まれており、生物学的酸素
要求量(BOD)及び懸濁物質(SS)についても、そ
れぞれ放流規制値が160mg/L及び200mg/Lであるの
に対して数十〜数百mg/及び数十〜数千mg/Lと非常に高
くなる場合がある。公共用水域への汚濁負荷及び衛生上
の観点からも、合流式下水道越流水を未処理のまま公共
用水域へ排出することは避けなければならない。なお、
CFUとは、コロニー形成単位(Colony Forming Unit)を
意味する。
【0005】従来、下水処理における消毒剤としては、
塩素系消毒剤が広く用いられている。しかしながら、塩
素系消毒剤を用いて合流式下水道越流水を消毒する場合
には、合流式下水道越流水中にアンモニウムイオンが含
まれていると、塩素系消毒剤の消毒活性成分である活性
塩素がアンモニウムイオンと反応してクロラミンを形成
し、殺菌力が低下してしまうこと;接触時間が短いと消
毒効果が得られないこと;消毒剤を多量に添加すると活
性塩素が系中に残留してしまうこと;等の問題点があ
る。
【0006】そこで、本出願人は、特に合流式下水道越
流水に対する有効な消毒方法として、臭素系消毒剤又は
ヨウ素系消毒剤を沈砂池に添加し、沈砂池滞留中に排水
を消毒する方法を提案した。臭素系消毒剤又はヨウ素系
消毒剤は、アンモニウムイオンの存在下でも消毒効果が
低減せず、塩素系消毒剤に比べて消毒に要する時間が短
く、消毒活性成分の残留も少ない、という優れた効果を
示す。
【0007】しかしながら、合流式下水道越流水の水量
と水質は時々刻々と変化し、過不足なく消毒剤を添加す
ることは極めて難しい。消毒効果を優先するあまりに必
要以上に消毒剤を添加すると放流先で残留ハロゲンが検
知されて、放流先の環境に悪影響を与えることが懸念さ
れる。一方、残留ハロゲンが検知されないように消毒剤
の添加量を抑え過ぎると十分な消毒効果が得られない。
【0008】下水、排水の消毒において、消毒剤を使用
しない方法として紫外線を照射する方法がある。この方
法は大腸菌群等の細菌の核を損傷することで殺菌効果が
あると言われており、被処理水に消毒活性が残留するこ
とがなく、過剰処理を行っても放流先に悪影響を及ぼす
ことがない。しかしながら、紫外線照射を合流式下水道
越流水に適用する場合には、被処理水の濁質濃度が高く
紫外線の透過率が低下する;滞留時間が短く照射時間を
長く確保することができない;紫外線のみで消毒を行お
うとすると、大量の紫外線照射が必要となり装置が大型
化する;などの問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
各種従来技術の問題点を検討し、特に合流式下水道越流
水の消毒処理において、放流先に消毒活性を残留させ
ず、且つ消毒効果を向上する方法を提供すべく鋭意研究
を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係る方法は、ハロゲン系消毒剤を排水に
添加して排水を消毒する方法において、消毒剤を添加さ
れた排水中の残留ハロゲン濃度をモニターして、残留ハ
ロゲン濃度が所定の数値以下に低下した時点で排水に紫
外線照射を行うことを特徴とする排水の消毒方法に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る技術思想につ
いて説明する。排水の消毒にハロゲン系消毒剤を用いる
場合、消毒効果の指標として残留ハロゲン濃度がある。
一般に、残留ハロゲン濃度は消毒処理の進行と共に低下
し、ハロゲン濃度の低下につれて消毒効果は低減する。
そして、残留ハロゲン濃度が0になると、消毒活性成分
が消費し尽くされたことを意味し、もはや消毒効果は望
めない。
【0012】一方、被処理水中の大腸菌群などの細菌
は、消毒剤への暴露によって暴露後短時間で活性を失
う。しかしながら、消毒剤に暴露することによって全て
の大腸菌群が暴露後短時間で活性を失うわけではなく、
大腸菌群の一部には損傷は与えられるものの活性を失う
までには至らないものが存在する。本発明者らは、研究
の結果、排水中の細菌をハロゲン系消毒剤に暴露する
と、暴露後の活性によって便宜的に4つのグループに分
けることができることを知見した。その概念を図1に示
す。排水中に含まれる大腸菌群は、ハロゲン系消毒剤を
添加すると、残留ハロゲンがなくなった時点(活性低下
時)では、消毒剤によって活性を失った群(第1グルー
プ)と、消毒剤によって損傷を受けたが今だ活性を失っ
ていない群と(図1の中央図の「損傷あり」の群)、全
く損傷を受けていない群(第4グループ)とに分けるこ
とができる(図1の中央)。その後、系をそのままで保
持すると、消毒剤によって損傷を受けたが今だ活性を失
ってはいない群が、更に二つのグループに分けられる。
これは、消毒剤によって受けた損傷の影響により最終的
に活性を失う群(第2グループ)と、消毒剤によって損
傷を受けたがその後の時間の経過によって損傷が回復し
て最終的には活性を保つ群(第3グループ)である(図
1の右図)。即ち、消毒剤の処理によって最終的に減少
する大腸菌群は第1及び第2グループであり、第3グル
ープは、消毒剤の効果はあったものの、最終的に活性を
失わせるまでには至らなかったものである。
【0013】本発明者らは、この第3グループの大腸菌
群について、消毒剤によって損傷を受けた状態で紫外線
照射にかけることにより、損傷の回復を阻害して、最終
的に活性を失わせしめることができることを見出した。
したがって、消毒剤単独では損傷を与えるものの活性を
失わせるまでには至らなかった大腸菌群等の細菌に対し
ても有効な消毒を行うことが可能になった。
【0014】なお、消毒剤添加後の排水中の大腸菌群等
の細菌の挙動が上記第1〜第4グループに区分される基
準についてははっきりとは解明されていない。しかしな
がら、理論に縛られるものではないが、投入された消毒
剤の活性成分と個々の細菌との実際の距離(即ち消毒剤
への暴露の程度)、個々の細菌の種類及び性質(薬品耐
性等)などによって異なる挙動を示すものと考えられ
る。
【0015】本発明に係る方法においては、まず排水に
消毒剤を添加して消毒剤による消毒処理を行い、消毒剤
を添加された排水中の残留ハロゲン濃度をモニターし
て、残留ハロゲン濃度が所定の数値以下に低下した時点
で排水に紫外線照射を行う。
【0016】本発明方法において用いることのできる消
毒剤としては、通常、放流下水の消毒に用いることので
きるものであれば特に制限なく用いることができるが、
本発明においては、酸化能力を有する消毒剤が特に好ま
しく用いられる。
【0017】酸化能力を有する消毒剤としては、次亜塩
素酸ソーダ、塩素、さらし粉などの塩素系消毒剤や、B
CDMH(1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチル
ヒダントイン)等の臭素系消毒剤などが挙げられるが、
これらに制限されない。特に、合流式下水道の越流水の
消毒に本発明方法を用いる場合には、短時間での消毒効
果、消毒成分の非残留性などの点から、臭素又はヨウ素
を含む消毒剤を用いることが好ましい。
【0018】消毒液の添加率は、処理する排水中に含ま
れる大腸菌群等の細菌の濃度によっても変動するが、一
般に、有効ハロゲン濃度(塩素換算値)として、排水の
量に対して0.005〜50mg/Lが好ましく、0.2〜
30mg/Lがより好ましく、0.5〜20mg/Lが更に好ま
しい。消毒液の添加率が0.005mg/Lよりも少ない場
合には、有効な消毒効果が期待できず、消毒液添加率が
50mg/Lを超えると消毒剤が残留するために好ましくな
い。
【0019】本発明方法において、排水に照射する紫外
線の量は、排水中に初期状態で含まれる大腸菌群などの
細菌数や排水量などの種々のパラメータによって異なる
が、一般に、2〜50W-s/Lのレベルが好ましく用いら
れ、5〜20W-s/Lのレベルがより好ましく用いられ
る。また、排水に対する紫外線の照射時間は、照射率等
のパラメータによって異なり、照射率が低い場合には、
同じ照射量を与える為により長時間の照射が必要であ
る。これは、紫外線照射のみによって排水中の大腸菌群
等の細菌の消毒を行う従来法においては、200W-s/L
の量の紫外線(20W/Lの照射率において10秒間の照
射に相当)を照射する必要があったのと比較して、極め
て小さい量及び時間であり、より小型の装置によって、
より迅速な処理を行うことが可能である。
【0020】本発明方法において、消毒剤を添加した排
水に紫外線を照射する時期は、排水中の消毒剤の活性が
なくなった時点で紫外線の照射を行うことが好ましい。
具体的には、排水中の残留ハロゲン濃度をモニターし
て、例えば、濃度が0.2mg/Las Cl2以下、より好まし
くは0.05mg/L as Cl2以下となった時点で紫外線の
照射を行うことが好ましい。なお、排水中の残留ハロゲ
ン濃度は、吸光光度法(ジエチル−p−フェニレンジア
ミン法)、比色法(オルトトリジン法)などの方法によ
って測定することができる。上記の0.05mg/L as Cl
2はジエチル−p−フェニレンジアミン吸光光度法によ
るハロゲン濃度測定の検出限界下限値であり、従って、
実施上は、ジエチル−p−フェニレンジアミン吸光光度
法によって残留ハロゲン濃度をモニターしてその測定値
が検出限界以下になった時点で紫外線の照射を行えばよ
い。
【0021】本発明によれば、従来の消毒剤単独による
処理では損傷を与えるのみで、消毒活性が消失した以降
には損傷を回復して最終的には活性を維持していた大腸
菌群についても、有効に活性を失わせることができ、従
来よりも少ない消毒剤量でより有効な消毒が可能にな
る。また、紫外線照射のみで消毒を行う従来法と比べて
も、必要な紫外線の照射量及び照射時間が大幅に少なく
て済み、装置の小型化及びより迅速な消毒処理を行うこ
とが可能になる。
【0022】なお、本発明方法によっても、図1の第4
グループ(消毒剤によっても活性を失わず、損傷も受け
ないグループ)については消毒できない。しかしなが
ら、この第4グループの細菌の数は当初に加える消毒剤
の量を増減することによって制御可能である(即ち、消
毒剤の量を増やせば第4グループの細菌数は減少する)
ので、放流水中にハロゲンが残留せず、且つ、最終的に
大腸菌群数の放流規制値である3000CFU/mL以下にな
るように、消毒剤の添加量を制御することによって、有
効な排水の消毒を実施することが可能になる。
【0023】更に、本発明によれば、上記に説明した消
毒方法を実施するための消毒装置が提供される。即ち、
本発明の他の態様は、排水を消毒する消毒槽;消毒槽に
排水を供給する排水供給管;消毒槽に消毒剤を供給する
消毒剤供給管;消毒槽内の被処理水の残留ハロゲン濃度
を測定する測定器;消毒槽内の被処理水に紫外線を照射
する紫外線照射装置;測定された被処理水の残留ハロゲ
ン濃度が所定値以下になった時点で紫外線照射装置を稼
働させる制御手段;消毒処理された被処理水を排出する
排出管;を具備することを特徴とする排水の消毒装置に
関する。
【0024】本発明に係る排水の消毒装置の一具体例の
概念を図6に示す。図6に示す本発明の一具体例に係る
排水の消毒装置は、消毒槽2を有する。消毒槽2には、
処理される排水を供給する排水供給管1及び消毒槽2に
消毒剤を添加するための消毒剤供給管3が接続されてい
る。また、消毒槽2には、消毒槽内の被処理水の残留ハ
ロゲン濃度を測定するための測定手段4、及び槽内の被
処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置5が取り付け
られている。図6に示す装置の運転にあたっては、処理
される排水を供給管1から消毒槽2内に導入し、所定量
の消毒剤を供給管3から同様に消毒槽2内に供給する。
消毒槽2内では、撹拌装置8によって消毒剤が添加され
た被処理水が撹拌されて、消毒剤による消毒処理が行わ
れる。一方、消毒槽2内の被処理水の残留ハロゲン濃度
をハロゲン濃度測定装置4によってモニターする。そし
て、残留ハロゲン濃度が、所定の値、例えばハロゲン濃
度の検出限界である0.05mg/L as Cl2以下となった
時点で、制御装置6によって紫外線照射装置5を稼働し
て、紫外線の照射を開始する。そして、所定時間の紫外
線照射が行われて、消毒処理が終了した被処理水は排出
管7より公共用水域に排出される。
【0025】また、図7には、本発明方法によって排水
の連続処理を行うための消毒装置の一具体例を示す。排
水(被処理水)及び消毒剤が消毒槽11に供給されて、
撹拌装置12によって消毒剤が添加された被処理水が撹
拌されて、消毒剤による消毒処理が行われる。なお、下
水の処理を行う場合には、沈砂池を消毒槽11として用
いることができる。次に、処理水は排出管13を通って
排出される。排出管13には残留ハロゲン計が配置され
ており、排出管13内の処理水の残留ハロゲン濃度が測
定される。ここで、処理水の残留ハロゲン濃度が所定の
値以下であった場合には、紫外線照射装置1により紫外
線照射処理が行われる。一方、排出管13内の処理水の
残留ハロゲン濃度が所定の値以上であった場合には、紫
外線照射装置1は稼働させずに、そのまま排出管14に
引き続き送られる。そして、排出管14に配置されてい
る残留ハロゲン計によって、処理水中の残留ハロゲン濃
度を再度測定して、所定の値以下となったことを確認し
たら紫外線照射装置2によって紫外線照射処理を行い、
その後排出管15によって公共用水域に放流する。な
お、図7には残留ハロゲン計と紫外線照射装置の対を2
つ並べた形態を示しているが、必要に応じてこの対を更
に設置することもできる。
【0026】
【実施例】以下において、実施例により本発明をより具
体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の好ま
しい具体的態様を説明するものであり、本発明はこれら
によって限定されるものではない。
【0027】実施例1 合流式下水道の排水を採取してビーカーテストを行っ
た。消毒剤としては、1−ブロモ−2−クロロ−5,5
−ジメチルヒダントイン(BCDMH)を用い、排水に
対する消毒剤の添加量を3mg/L(有効ハロゲン濃度:塩
素換算値)として、消毒剤添加後の経過時間に対する残
留ハロゲン濃度と大腸菌群数の関係を求めた。結果を図
2に示す。なお、大腸菌群数の測定は下水試験法のデソ
キシコール酸塩培地法により、残留ハロゲン濃度の測定
はオルトトリジン法によって行った。BCDMH添加後
100秒の時点で残留ハロゲン濃度が0.05mg/L as
Cl2(検出限界)以下となり、消毒活性がなくなったが
(A時点)、その後も大腸菌群数が減少し、最終的に1
80CFU/mLとなった。A時点までの大腸菌群数の減少
は、消毒剤によって図1に示す第1グループが活性消失
したことを示し、A時点以降の大腸菌群数の減少は、第
2グループが、消毒剤によって受けた損傷により最終的
に活性を消失したことを示すものであると理解される。
【0028】次に、同じ排水に対して、同じ消毒剤を同
量添加し、残留ハロゲン濃度が0.05mg/L as Cl
2(検出限界)以下となった時点で、紫外線ランプ(株
式会社ユーヴィ製AHH−15S)によって紫外線照射
を行った。紫外線の波長は254nm、照射出力は1W/
L、照射時間は10秒であった。結果を図3に示す。図
2と比較して、図3においては、残留ハロゲンが検出限
界以下になった時点(A時点)以降の大腸菌群数の減少
が大きいことが分かる。最終的な大腸菌群数は60CFU/
mLであった。これは、図1に示す第3グループ(消毒剤
によって損傷を受けたが活性を失うまでには至らなかっ
たグループ)の大腸菌群についても、紫外線照射により
損傷の回復が妨げられて、最終的に活性消失に至ったこ
とを示すものと理解される。
【0029】実施例2 実施例1と同じ排水を用いて、BCDMHの添加量を2
mg/L(有効ハロゲン濃度:塩素換算値)として同様の試
験を行った。消毒剤添加のみの結果を図4に、消毒剤添
加と紫外線照射とを組合せた結果を図5に示す。図4で
は、実施例1と同様に、残留ハロゲンが検出限界以下に
なった時点(B時点)以降も大腸菌群数が減少し、最終
的に1000CFU/mLとなった。図5では、図4と比べて
B時点以降の大腸菌群数の減少が大きく、最終的な大腸
菌群数は250CFU/mLであった。実施例1と同様に、消
毒剤で損傷を受けたが活性を失うまでには至らなかった
大腸菌群についても、紫外線照射により損傷の回復が妨
げられて、最終的に活性消失に至ったことが示された。
なお、実施例1で紫外線照射を行わなかった場合の最終
的な大腸菌群数が180CFU/mLであったことを鑑みる
と、BCDMH添加量を2/3に減らしても、紫外線照
射を併用することによって、最終的な大腸菌群数を同等
程度まで低減できることが分かった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、より少ない消毒剤量で
より有効な排水の消毒を達成することが可能になり、例
えば、合流式下水道の越流水の消毒のように、残留ハロ
ゲンが問題となる用途において極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者らによって知見された消毒剤による大
腸菌群の変化を示す図である。
【図2】実施例1において、紫外線照射を行わない場合
のBCDMH添加後の大腸菌群数と残留ハロゲン濃度の
経時変化を示すグラフである。
【図3】実施例1において、残留ハロゲン濃度が検出限
界以下になった時点で紫外線照射を行った場合のBCD
MH添加後の大腸菌群数と残留ハロゲン濃度の経時変化
を示すグラフである。
【図4】実施例2において、紫外線照射を行わない場合
のBCDMH添加後の大腸菌群数と残留ハロゲン濃度の
経時変化を示すグラフである。
【図5】実施例2において、残留ハロゲン濃度が検出限
界以下になった時点で紫外線照射を行った場合のBCD
MH添加後の大腸菌群数と残留ハロゲン濃度の経時変化
を示すグラフである。
【図6】本発明方法を実施するための消毒装置の一具体
例を示す概略図である。
【図7】本発明方法を連続的に実施するための消毒装置
の一具体例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 C02F 1/50 550H 550L ZAB ZAB 1/32 1/32 1/76 1/76 A E03C 1/126 E03C 1/126 Fターム(参考) 2D061 AB06 AB10 4D037 AA11 AB03 BA18 CA16 4D050 AA15 AB06 BB03 BD03 BD06 CA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン系消毒剤を排水に添加して排水
    を消毒する方法において、消毒剤を添加された排水中の
    残留ハロゲン濃度をモニターして、残留ハロゲン濃度が
    所定の数値以下に低下した時点で排水に紫外線照射を行
    うことを特徴とする排水の消毒方法。
  2. 【請求項2】 排水が、雨水を含む下水である請求項1
    に記載の消毒方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン系消毒剤が、臭素又はヨウ素を
    含むものである請求項1又は2に記載の消毒方法。
  4. 【請求項4】 排水を消毒する消毒槽;消毒槽に排水を
    供給する排水供給管;消毒槽に消毒剤を供給する消毒剤
    供給管;消毒槽内の被処理水の残留ハロゲン濃度を測定
    する測定器;消毒槽内の被処理水に紫外線を照射する紫
    外線照射装置;測定された被処理水の残留ハロゲン濃度
    が所定値以下になった時点で紫外線照射装置を稼働させ
    る制御手段;消毒処理された被処理水を排出する排出
    管;を具備することを特徴とする排水の消毒装置。
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