JP3668071B2 - 排水を消毒する方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水(drainage)を消毒する方法及び装置に関し、特に、雨水(rainwater)で希釈された下水(sewage)を消毒する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
下水処理場(sewage works)にて、下水は、砂等を除去するための沈砂池、浮遊固体(suspended solid;SS)を除去するための固液分離処理、活性汚泥処理、次いで、消毒をこの順序で経て、河川、湖沼、港湾、沿岸海域等の公共用水域(public water)に放流されている。
【0003】
そして、消毒としては、一般的には、塩素ガスや、塩素系消毒剤で消毒することが一般的である。下水、屎尿、産業排水等には、感染症の源になる病原菌が含まれることがあるからである。一般的には、塩素系消毒剤が添加され、1ml当たりの大腸菌群数3000個以下にしている。なお、塩素系消毒剤を添加しないで、紫外線照射やオゾン添加が行われる場合もあるが、設備が膨大になるため用途が限られている。
【0004】
「合流式下水道」(combined sewer)は、家庭汚水及び産業排水と、雨水とを同一管に捕集して下水処理場へ送る方式であり、下水処理場にて前述の処理が行われる。降雨量が多い場合には、下水処理場で処理可能な量を越える雨水混入下水が流入するおそれがあるため、雨水吐出室、ポンプ場等の(雨天時)下水排除施設から公共用水域に放流される。最近、河川等等の公共用水域の景観を守るために、下水排除施設にスクリーンを設けて粗大ゴミ、浮遊物等の流出を防止する技術が検討され始めた。しかしながら、下水排除施設から放流される排除水中に数万〜数十万含まれる大腸菌群の消毒技術に関する検討は行われていなかった。
【0005】
一方、「分流式下水道」(separated sewer)は、家庭汚水及び産業排水と、雨水とを別の管に捕集し、家庭汚水及び産業排水を下水処理場へ送り、雨水を越流水として放流する方式である。分流式下水道越流水(separated sewer overflow)は、本来、雨水のみが含まれるはずである。しかし、現実には、大量の雨が降ったときなどには、大量の雨水が下水道を流れ、このときに、道路などの地表面に存在する汚濁物や、下水道内に堆積したヘドロも一緒に流してしまう。従って、分流式下水道の越流水(separated sewer overflow)にも、地表面に存在する汚濁物及びヘドロに起因する大腸菌が含まれる。何れの場合にも、越流水中の大腸菌群数が放流規制値(3000CFU/ml以下)を超えることがあり、消毒をすることが所望される。ここで、CFUとは、コロニー形成単位(colony forming unit)を意味する。
【0006】
塩素系消毒剤は、紫外線照射やオゾン殺菌に比べて、設備が簡潔であり、汚れの状態に対して適用性が高いなど、利点が多い。
しかし、通常の下水処理に適用された技術を雨天時下水処理に転用すると次の問題点が生じる。まず、雨天時下水には、アンモニア、アミンが共存するため、下記式(1)に代表される化学反応が生じ、活性塩素がクロラミンに変化し、殺菌効果がl/10以下に低下する。従って、病原菌の数は、変わらなくてもアンモニアやアミンが存在すると、塩素系消毒剤の添加量を増大させる必要がある。
【0007】
【化1】
NH4 ++HClO→NH2Cl+H2O+H+ (1)
また、塩素系消毒剤を用いるときの消毒時間は15分以上必要であるので(“下水道施設計画・設計指針と解説”参照)、雨天時下水と塩素系消毒剤を混和し、15分以上滞留させる混和槽が必要となる。しかし、(雨天時)下水排除施設にはそのような混和槽を設置できる空間的余裕がない。
【0008】
そこで、雨天時下水処理には、消毒時間が短い消毒剤、及び、その混合方法が求められる。
Purdue University及びGreat Lakes Chemical Companyの研究者が著者の論文、 即ち、J.E. Alleman, J.E. Etzel, D.E. Gendron, J.C. Conley, W.F. McCoy,及びA.J. Hein 「臭素系殺菌の性能」(Bromine-Based Disinfection Performance)には、塩素化臭素(bromine chloride, BrCl)、臭素(bromide, Br2)、ブロモクロロジメチルヒダントイン(BCDMH)を、大腸菌群等の細菌を含む模擬排水に添加するという実験室スケールの実験を報告している。模擬排水には、低濃度のアンモニア(2mg/L)を含むpH7.2の水、又は、高濃度のアンモニア(20mg/L)を含むpH8.2の水が用いられている。細菌としては、大腸菌、Pseudomonas、Streptococcus faccalisが用いられている。しかし、模擬排水に有機物が含まれていることまでは記載されていない。
【0009】
特開平4−156994号公報には、冷却水へ殺菌剤を注入する方法が記載されている。殺菌剤としては、オゾンと臭素イオンとの酸化還元反応により、次亜臭素酸イオンを生成することが記載されている。しかし、冷却水には、アンモニアは含まれていない。
【0010】
特開平11−47755号公報には、ヒダントイン系化合物を有効成分とするスライムコントロール剤及び方法が記載されている。パルプ工場、製紙工場において使用する用水にスライムコントロール剤が用いられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面では、HOX(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子である)を生成することができ、かつ、臭素原子又はヨウ素原子を含む消毒剤を水に混合して、消毒水を得る工程と、前記消毒水を、有機物と、アンモニア又はアンモニウムイオンとを含む排水に添加して、消毒する工程と、を含む、排水を消毒する方法が提供される。
【0012】
本発明において、前記排水中の全有機物炭素(total organic carbon)が、5mg/l以上であることが好ましい。前記排水中のアンモニウムイオン濃度が、1mg/l以上であることが好ましい。
【0013】
前記排水が、雨水を含むことが好ましい。前記排水が、雨水で希釈された下水を含むことが好ましい。
また、前記消毒剤が、他の環と縮合していてもよい、窒素原子又は硫黄原子からなるヘテロ原子、1〜4個を含む、4〜10員複素環を含むことが好ましい。更に、前記複素環が、式−N(X)−C(=O)−で示される基(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子を含む。)を環骨格に含むことが好ましい。更にまた、消毒剤が固体であり、消毒水を得る工程が、前記消毒剤を前記排水に溶解させる工程を含むことが好ましい。
【0014】
前記消毒水中の消毒剤の濃度が、活性塩素濃度に換算して、100mg/l as Cl〜10g/l as Clであることが好ましい。
前記排水中の消毒剤の添加濃度が、活性塩素濃度に換算して、0.5mg/las Cl〜25mg/l as Clであることが好ましい。
【0015】
前記添加工程が、前記消毒水を前記排水の水面下に導入させる工程を含むことが好ましい。更に、消毒された排水を公共用水域に放流する工程を更に含むことが好ましい。
【0016】
本発明の他の側面では、消毒剤と排水とから消毒水を製造する装置と、
排水中の砂を除去するための沈砂池と、
前記消毒水を沈砂池に導入するための第1流路と、
を有し、前記排水が前記沈砂池に滞留中に消毒される、排水を消毒する装置が提供される。
【0017】
本発明において、前記消毒水製造装置は、消毒剤貯留装置と、前記消毒剤を前記排水に添加する装置と、前記消毒剤と前記排水とを混合する装置とを有することが好ましい。また、前記沈砂池が2以上の沈砂部を有し、前記第1流路は、各々の沈砂部に消毒水を導入するための分配槽を有することが好ましい。
【0018】
前記第1流路は、前記消毒水を前記排水の水面下に導入するための添加装置に連結されていることが好ましい。
消毒された排水を公共用水域に放流することができるように貯留するための貯留池又は放流水路を更に含むことが好ましい。
【0019】
前記貯留池又は放流水路に、消毒された排水の水質を検査するための計測器が設けられていることが好ましい。
前記沈砂池中の排水の一部を前記消毒水製造装置に導入するための第2流路を更に有することが好ましい。
【0020】
前記消毒剤が、HOX(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子である)を生成することができ、かつ、臭素原子又はヨウ素原子を含むことが好ましい。
前記消毒剤が、他の環と縮合していてもよい、窒素原子又は硫黄原子からなるヘテロ原子、1〜4個を含む、4〜10員複素環を含むことが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一側面では、有機物と、アンモニア又はアンモニウムイオンとを含む排水が消毒される。
【0022】
例えば、合流式下水道では、生下水及び雨水が混合して下水道を流れる。そして、このように両者が混合した雨天時下水、特に、下水処理場で未だ処理されていない雨天時下水が、本発明の方法で消毒される。
【0023】
分流式下水道では、生下水の下水道と雨水の下水道とが別れている方式であり、雨水用下水道を流れる雨天時下水が、本発明の方法で消毒される。
排水中の有機物の含有量としては、例えば、この排水には、全有機物炭素(total organic carbon)が、5mg/l以上であってもよく、10mg/l以上であってもよく、30mg/l以上であってもよく、50mg/l以上であってもよい。合流式下水でも、分流式下水でも、一般的には、全有機物炭素(total organic carbon)が、5mg/l以上である。
【0024】
排水のアンモニウムイオン濃度が、1mg/l以上であってもよく、10mg/l以上であってもよい。排水中にアンモニウムイオンが含まれているときには、活性臭素又は活性ヨウ素がNH2X、NHX2等(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子を意味する。)に変化する。しかし、ブロモアミン(NH2Br)の場合には、次亜臭素酸と同程度の消毒効果を維持するため、効果的に消毒することができる。合流式下水では、一般的には、アンモニウムイオン濃度が、1mg/l以上である。また、分流式下水では、降雨直後のファーストフラッシュ(first flush)と呼ばれる越流水では、アンモニウムイオン濃度が1mg/l以上であることが多い。
【0025】
本発明の一側面では、排水は、雨水で希釈された下水を主対象とするが、分流式下水道による雨水を対象にしてもよい。更に、下水、し尿、若しくは、産業排水、又は、これらの処理水など、有機物とアンモニア又はアミンを含む水を、本発明の方法で処理してもよい。
【0026】
本発明の一側面では、被処理水には、大腸菌を含んでいる。このような水は、特に消毒をする必要が高いからである。合流式下水には、一般的には、大腸菌も含まれている。また、分流式雨水にも、大腸菌が含まれていることが多い。
【0027】
本発明の一側面では、HOX(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子である)を生成することができ、かつ、臭素原子又はヨウ素原子を含む消毒剤が用いられ、好ましくは、次亜臭素酸(HOBr)を生成することができ、かつ、臭素原子を含む消毒剤が用いられる。塩素系消毒剤と比べて、上記の臭素系消毒剤又はヨウ素系消毒剤は、消毒時間が短いことが特徴である。例えば、臭素系消毒剤などでは、数十秒から数分の消毒ができる。また、次亜ハロゲン酸(HOX、式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子である)は天然で容易に分解するので、排水に残存した次亜ハロゲン酸を分解処理するための装置を設ける必要がない。これに対して、塩素系消毒剤では、活性塩素が下水中のアンモニアと反応し、クロラミンを形成し、殺菌力を低下させるため、(雨天時)下水排除施設の滞留時間内で消毒することは困難である。また、クロラミンの残留性が高いため、分解処理するための装置を設ける必要がある。
【0028】
本発明で好適に用いられる消毒剤としては、例えば、ヒダントイン類、シアヌール酸類、イソチアゾロン類、ε−カプロラクタム類、フタールイミド類、ピロリドン類、アクリドン類、ウラシル類、スクシンイミド類、バルビツール酸類、クレアチニン類、ジオキソピペラジン類、ウラゾール類、グリシン無水物類、ω−ヘプタラクタム類、マレイン酸ヒドラジド類、マレイン酸イミド類、オクタラクタム類、オキシインドール類などが挙げられる。
【0029】
ヒダントイン類(hydantoins)は、例えば、式(II)で示される。
【0030】
【化2】
【0031】
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1及びR2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数6以下の低級アルキル基であり、更に好ましくは、水素原子又は炭素数3以下の低級アルキル基である。
【0032】
ヒダントイン類としては、例えば、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(式(I)で示される化合物:BCDMH)が挙げられる。ブロモクロロジメチルヒダントインは、高い安定性を有し、直射日光を避ければ数年間、活性を維持することができる。BCDMHは固体であり、解離することによって次亜臭素酸イオンが生成し、高い消毒効果を発揮する。
【0033】
シアヌール酸類(cyanuric acids)は、例えば、式(III)で示される。
式中、R1、R2及びR3は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、但し、R1、R2及びR3の少なくとも一つは、臭素原子又はヨウ素原子である。低級アルキル基は、炭素数6以下が更に好ましく、炭素数3以下が更に好ましい。
【0034】
イソチアゾロン類(isothiazolon)は、例えば、式(IV)で示される。
式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1及びR2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基である。低級アルキル基は、炭素数6以下が更に好ましく、炭素数3以下が更に好ましい。
【0035】
例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましい。
ε−カプロラクタム類(ε-caprolactams)は、例えば、式(V)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0036】
フタールイミド類(phtalimides)は、例えば、式(VI)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
ピロリドン類(pyrrolidones)は、例えば、式(VII)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0037】
アクリドン類(acrydones)は、例えば、式(VIII)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
ウラシル類(uracils)は、例えば、式(IX)で示される。
【0038】
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1は、水素原子、炭素数10以下の低級アルキル基、アミノ基又はニトロ基である。低級アルキル基は、炭素数6以下であることが好ましく、炭素数3以下であることが更に好ましい。
【0039】
R2及びR3は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数6以下の低級アルキル基であり、更に好ましくは、水素原子又は炭素数3以下の低級アルキル基である。
【0040】
スクシンイミド類(succinimides)は、例えば、式(X)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0041】
【化3】
【0042】
バルビツール酸類(barbituric acids)は、例えば、式(XI)で示される。
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1及びR2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数6以下の低級アルキル基であり、更に好ましくは、水素原子又は炭素数3以下の低級アルキル基である。
【0043】
クレアチニン類(creatinines)は、例えば、式(XII)で示される。
式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
Rは、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数6以下の低級アルキル基であり、更に好ましくは、水素原子又は炭素数3以下の低級アルキル基である。
【0044】
ジオキソピペラジン類(dioxopiperazines)は、例えば、式(XIII)で示される。
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0045】
ウラゾール類(urazoles)は、例えば、式(XIV)で示される。
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1、R2及びR3は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、R1、R2及びR3の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子である。低級アルキル基は、炭素数6以下が好ましく、炭素数3以下が更に好ましい。
【0046】
グリシン無水物類(glycine anhydrides)は、例えば、式(XV)で示される。
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水素原子又は炭素数10以下の低級アルキル基であり、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子である。低級アルキル基は、炭素数6以下が好ましく、炭素数3以下が更に好ましい。
【0047】
ω−ヘプタラクタム類(ω−heptalactams)は、例えば、式(XVI)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
マレイン酸ヒドラジド類(maleic acid hydrazides)は、例えば、式(XVII)で示される。
【0048】
式中、X1及びX2は、それぞれ、同一又は異なって、独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、ただし、X1及びX2の何れかは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0049】
マレイン酸イミド類(maleimides)は、例えば、式(XVIII)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0050】
【化4】
【0051】
オクタラクタム類(octalactams)は、例えば、式(XIX)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
オキシインドール類(oxindoles)は、例えば、式(XX)で示される。式中、Xは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0052】
本発明で用いることができる消毒剤は、上記式(I)〜(XX)に示されるように、窒素原子又は硫黄原子を含む、4〜10員複素環を含むことが好ましく、5〜9員複素環を含むことが更に好ましい。複素環は、1〜4個のヘテロ原子を含むことが好ましく、1〜3個のヘテロ原子を含むことが更に好ましい。ヘテロ原子は、窒素原子又は硫黄原子である。
【0053】
複素環の環骨格には、式−N(X)−で示される基(Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは、臭素原子又はヨウ素原子であり、更に好ましくは、臭素原子である。)を含むことが好ましい。
【0054】
式(XXI)で示されるように、複素環Aの環骨格には、式−N(X)−C(=O)−で示される基(式中、Xは臭素原子又はヨウ素原子を含む。)を含むことが更に好ましい。この構造の場合には、特に、次亜ハロゲン酸を生成し易いからである。
【0055】
【化5】
【0056】
複素環は、上記式(VI)、(VIII)、(XX)で示されるように、他の環、例えば、ベンゼン環のような芳香族環と縮合していてもよい。
本発明の一側面では、所定の消毒剤を水に混合する工程を含む。本発明では、(雨天時)下水排除施設で消毒剤を排水に添加してもよい。例えば、(雨天時)下水排除施設に流入する下水管渠で添加しても良いし、沈砂池、特に、沈砂池の流入部で添加してもよいし、雨水排除ポンプ井で添加してもよいし、雨水排除ポンプ流入管内で添加してもよい。即ち、これらの何れでもよく、1ヶ所に限らず、数ヶ所に分けて添加することができる。
【0057】
あるいは、(雨天時)下水排除施設に、排水が流れる主流路と、主流路から分岐するバイパス流路とを設け、このバイパス流路に消毒槽を設置してもよい。この消毒槽にて、消毒剤を排水に添加し、消毒剤を排水に溶解させてもよい。
【0058】
消毒剤を添加する場所が雨水排除ポンプの流入側であれば、ポンプ内の撹拌力によって、消毒剤と雨天時下水との混合が十分行われるため、好ましい。また、消毒剤を沈砂池流入部で添加すれば、沈砂池での滞留時間を反応時間に利用することができるので好ましい。
【0059】
本発明で用いられる消毒剤は、室温で固体である場合が多い。固体の消毒剤を排水に直接、添加したときには、溶解していない固体が排水とともに放流され、公共用水域で水棲生物に悪影響を与える危険がある。そこで、消毒剤が固体であるときには、消毒剤を水に溶解させて消毒水にして、排水に添加することが好ましい。溶解方法は特に限定しないが、エジェクターによる水流撹拌、流路撹拌、混合装置を設けた溶解槽のいずれでもよい。
【0060】
例えば、消毒剤の飽和溶解濃度に対して、1重量%以上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上の消毒剤が溶解している消毒水を用いても良い。もっとも、消毒剤が固体であるときでも、添加した消毒剤の全てを水に溶解させる必要はなく、消毒水中に固体の消毒剤が残留していてもよい。
【0061】
一方、消毒剤が室温で液体である場合であっても、少量の液体を多量の排水に添加したときには、両者が混合するのには若干の時間がかかり、必ずしも均一に混合しない。そこで、消毒剤を水に添加してから、排水に添加することが好ましい。
【0062】
消毒水の濃度は、活性塩素濃度に換算して、100mg/l as Cl〜10g/l as Clであることが好ましく、200mg/l as Cl〜2g/l as Clであることが更に好ましい。消毒水の濃度が、100mg/l as Clより小さい場合には、消毒水の添加量が多量になるばかりでなく、希釈水によって消毒剤が消費される場合もあるので、殺菌が十分でないおそれがある。一方、消毒水の濃度が、10g/l as Clより大きい場合には、消毒剤と排水との混合が不充分となり、消毒効果が低減する。
【0063】
消毒水添加量は、消毒水中の消毒剤の濃度、降雨量、排水の水質等に依存し、一般には、降雨量、即ち、排水の量及び水質の増加に対応して、消毒水添加量が増加する。しかし、本発明の一実施態様では、雨水が増すことによって流入水質の汚濁度が減じる。したがって、本発明の一実施態様では、雨水が増え、流入水量が3倍になったとしても、消毒水又は消毒剤の添加量を3倍にする必要はない。したがって、あらかじめビーカテスト等で流入水質における最適添加量を見出し、その値に流入水量を乗じて消毒水又は消毒剤添加量を定めるのが合理的である。
【0064】
流入水質の把握については、濁度もしくは電気伝導度を測定することにより、雨水の混入状態を把握することができる。この指標であれば、オンタイム検出が可能である。これらの指標以外には、降雨パターン、雨天時下水中の粒子性状、SS含有量、化学的酸素要求量(COD、Chemical Oxygen Demand)、生物学的酸素要求量(BOD、Biological Oxygen Demand)等を用いることができ、これらの指標を任意に組み合わせても良い。また、流入水量については、様々な流量計を利用してもよいが、雨水排除ポンプの稼動台数・負荷状況から割り出してもかまわない。
【0065】
次いで、上記消毒水を、所定の排水に添加して、消毒する。例えば、消毒水槽中の消毒水をバイパス流路を介して、メイン流路に導入させる。
排水が、下水、屎尿、又は、産業排水等の場合には、通常、排水中の消毒剤の添加濃度が、活性塩素濃度に換算して、0.5〜25mg/l as Clであることが好ましく、1〜15mg/l as Clであることが更に好ましい。消毒剤の添加濃度は、消毒水中の消毒剤の濃度及び量、並びに、排水の量から計算することができる。消毒剤の添加濃度は、排水中で消毒剤が消費される前の値である。
【0066】
被処理水が下水、尿尿、産業排水等の場合、これらの被処理水は、一般的に大腸菌群が104〜107CFU/mLの範囲で含まれるが、消毒剤の上記添加量により、確実に速やかに通常、1分程度で被処理水に対する殺菌を行うことができる。
【0067】
図1は、本発明の方法の一実施形態を説明する概略説明図である。
雨天時下水が、メイン流路から沈砂池10に流れこんでいる。そして、沈砂池10には、流入部12と、互いに平行して配置されている沈砂部14a、14b、14cとが含まれる。雨天時下水は、流入部12から沈砂部14a、14b、14cに流れ込むことができる。
【0068】
沈砂池10の出口には、排除ポンプ16が配置されており、排除ポンプ16は消毒された雨天時下水を放流水路17に移動させる。次いで、放流水路17中の雨天時下水について、残留ハロゲン検出器、濁度計、電気伝導度計などの計測器18で計測する。残留ハロゲン検出器は、次亜臭素酸等の活性ハロゲンの残留濃度を測定する。このように、残留ハロゲン検出器は、通常、沈砂池出口から放流口の手前の間に配置されることが好ましい。
【0069】
残留ハロゲン検出器で検出した活性ハロゲン濃度がLC50値(例えば、BCDMHの場合には、活性塩素(Cl2)換算で、0.4mg/l)以上の場合には、LC50値以下になるように、望ましくはLC50値の1/2(例えば、BCDMHの場合には、活性塩素(Cl2)換算で0.2mg/l)以上の場合には、LC50値の1/2以下になるように、消毒剤又は消毒水の供給量を減らすか、もしくは一時的に遮断する。これにより、公共用水域中の水棲生物に与える悪影響を軽減することができる。
【0070】
そして、これらの計測値及び大腸菌群数が所定の放流基準を満たしていることを確認して、河川等の公共用水域に放流される。
公共用水域(public water)には、河川、湖沼、港湾、沿岸海域、公共溝渠、かんがい用水路、及び、その他の公共の用に供される水域または水路が含まれる。しかし、公共用水域には、下水道、特に、下流に終末処理場を有する下水道は含まれない。
【0071】
図1の実施態様では、沈砂池10の流入部12にバイパス流路20が接続している。沈砂池10の流入部12に流れ込んだ雨天時下水の一部が、バイパス流路20に導入される。そして、この雨天時下水には、消毒剤が添加されて、消毒水に変換して、再び、沈砂池10に戻される。
【0072】
沈砂池10の流入部12には、汲み上げポンプ13が配置されている。流入部12の雨天時下水の一部は、汲み上げポンプ13によってバイパス流路20に揚水される。一方、流入部12の雨天時下水の他の部分は、沈砂部14a、14b、14cに流入する。
【0073】
バイパス流路20には、一対の自動スクリーン22a、22b、流量計23、消毒剤添加装置30、溶解装置40、ポンプ46及び分配槽48がこの順序に配置されている。自動スクリーン22a、22bは互いに並列に配置されている。
【0074】
消毒剤添加装置30は、消毒剤39を貯蔵するためのホッパー32と、消毒剤39を供給するための供給機34と、消毒剤を流路に排出するためのエジェクター36とを有する。
【0075】
消毒剤が添加された雨天時下水は、装置40に導かれる。装置40は、消毒剤が固体のときには、消毒剤を雨天時下水に溶解するものである。消毒剤が液体のときには、消毒剤を雨天時下水に混合するものである。装置40は、槽41を有し、図1の実施態様では、槽41は攪拌槽41aと貯留槽41bに分かれている。もっとも、このように2槽に分ける必要はない。
【0076】
攪拌槽41aには、水位計42及び排水を攪拌するための攪拌機44が設けられている。攪拌機44は、例えば、モータ44aと、モータ44aに連結した軸44bと、軸に固定された羽根、インペラー等の攪拌具44cとを有する。攪拌槽41a内の排水は、攪拌機44で攪拌され、排水中の固体の消毒剤を溶解することができる。貯留槽41aでオーバフローした排水が、貯留槽41bに移送される。
【0077】
固体の消毒剤の溶解度が小さいときには、溶解装置40を設けることが好ましい。一方、固体の消毒剤の溶解度が大きいときには、流路中で速やかに消毒剤が溶解するので、必ずしも溶解装置は必要でない。
【0078】
装置40で得られた消毒水は、好ましくは、ポンプ46により、流路47を介して、沈砂池10に導かれる。消毒水は、図1に示されるように、直接、沈砂池10に導かれても良いし、図2に示されるように、分配槽48を介して、沈砂池10に導かれても良い。
【0079】
即ち、図2では、流路47に、分配槽48が設けられている。図2では、説明の便宜上、沈砂池10の沈砂部14a、14b、14cを図示し、流入部12は省略されている。
【0080】
消毒水は、図1に示されるように、沈砂池10の流入部12に導かれても良いし、図2に示されるように、沈砂池10の沈砂部14a、14b、14cの各々の上流に導入されてもよい。
【0081】
図2に示されるように、消毒水が、沈砂池10の沈砂部14a、14b、14cの各々の上流に導入される場合には、分配槽48において、消毒水を沈砂部14a、14b、14cの各々に導かれる消毒水を予め分配することが好ましい。
【0082】
沈砂部14a、14b、14cでは、雨天時下水中に含まれている砂が沈降して除去される。同時に、雨天時下水と消毒水とが混合し、雨天時下水が消毒される。沈砂部14a、14b、14cでは、雨天時下水及び消毒水は、好ましくは、1秒〜30分滞留し、更に好ましくは、1秒〜15分滞留し、更になお好ましくは、1秒〜10分滞留する。
【0083】
図3に、消毒水を沈砂部に添加するための添加装置の一実施態様を示す。添加装置50は、水平方向に伸びる管52と、この管52に連通し、消毒水を排水に導入する導入部を有する。管52は、流路49aに連流し、図示されていない支持体で支えられている。導入部の一実施態様は、例えば、管52から吊り下がる複数のホース54である。ホースの開口端56は、沈砂部14aの上流に位置し、かつ、水面下に位置することが好ましい。分配槽48から分配された消毒水は、流路49a、管52、ホース54をこの順序に流れて、沈砂部14a中の排水15に添加される。
【0084】
ホース54の開口端56が沈砂部14aの排水15の水面上に位置するときには、ホースの開口端56から消毒水の飛沫が風等により、ミストを形成し、沈砂池10の周囲の機器、特に電装機器を腐食させる危険がある。ホースの開口端56は沈砂部14a、14b、14cの排水15の水面下に配置されていることが好ましい。
【0085】
管52は、消毒水で腐食されない材質であることが好ましく、例えば、インコネル等の金属材料、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチック材料を用いることができる。管52は、ホースを支えるのに十分な機械強度を有することが好ましい。剛性であることが好ましいが、柔軟であってもよい。
【0086】
各々の管52には、例えば、2〜20本、好ましくは、2〜10本、更に好ましくは、2〜6本のホースを吊り下げても良い。隣接する2本のホース間の間隔は、一定であることが好ましい。消毒水を排水に効率よく混合することができるからである。もっとも、隣接する2本のホース間の間隔が異なっていても良い。ホース54は、柔軟であることが好ましいが、剛性であってもよい。
【0087】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。下記の実施例では、図1〜3で示されるシステムで、排水の処理をした。
実施例1
大腸菌群を含む下水処理水を被処理水として、殺菌試験を行った。消毒剤としては、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(以下、BCDMHという。)(実施例l)及び次亜塩素酸ソーダ(比較例1)を用いた。消毒剤の濃度を変えて、大腸菌群に対する殺菌試験を行った。被処理水の水質を表1に、試験結果を表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
BCDMHは次亜塩素酸ソーダに比べ、1/2以下の濃度で殺菌効果を発揮し、1mg/L as Clの添加濃度で大腸菌群数を3000CFU/mL以下にすることができた。
【0091】
BCDMHをlmg/L as Clで添加した条件でトリハロメタンは0.1mg/L以下であった。
尚、本明細書にて、消毒剤の添加率の表示は、臭素系消毒剤、塩素系消毒剤ともに活性塩素表示とし、活性塩素濃度に換算して「mg/L as Cl」と表示する。例えば、1gのBCDMHを1lの排水に添加したときには、540mg/L as Clになる。
【0092】
反応時間についても、BCDMHでは1分で十分な効果が認められたのに対し、次亜塩素酸ソーダでは、5分以上の時間が必要であった。
実施例2
水産加工排水を、凝集加圧浮上分離した後、更に、活性汚泥処理して得られた排水を被処理水とした。この被処理水に対して消毒剤添加濃度を変更し殺菌試験を行った。被処理水の水質を表3に試験結果を表4に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
有機性窒素とは、アミンに加え、蛋白質等の有機性窒素全体としての値をいう。例えば、タンパク質の場合には、タンパク質中の窒素原子のみの量をいい、タンパク質中の炭素原子又は水素原子の量は含まれない。有機性窒素には、アンモニア、アンモニウムイオンのような無機窒素は含まれない。
【0095】
【表4】
【0096】
BCDMHは次並塩素酸ソーダに比べ、1/3以下の濃度で殺菌効果を発撰し、2.5mg/L as Clの添加濃度で大腸菌群数を3000CFU/mL以下にすることができた。
実施例3
図1〜3で示されるシステムで、排水の処理をした。その結果を表5にまとめる。
【0097】
【表5】
【0098】
*1 Aは、BCDMH(有効ハロゲン濃度54%)を示す。Bは、次亜塩素酸ナトリウム(有効ハロゲン濃度10%)を示す。
*2 塩素(Cl2)換算での添加量[mg/l]。
【0099】
*3 NDは、検出せずを意味する。
RUN1(下水量120m3/hour)では、BCDMH添加量12mg/lで、大腸菌群数を3000CFU/ml以下にすることができる。
【0100】
RUN2(下水量250m3/hour)では、BCDMH添加量10mg/lでは消毒は十分であるが、残留ハロゲン濃度が0.72mg/lであり、適切ではない
。BCDMH添加量5mg/lで、大腸菌群数を3000CFU/ml以下にすること
ができ、しかも残留ハロゲン濃度が0.03mg/lであり、適切である。
【0101】
RUN3(下水量530m3/hour)は、降雨量が多い場合であり、BCDMH添加量3〜4.5mg/lで適正な消毒が可能であった。なお、この時のBCDMHが雨水排除下水と接触した時間を求めたところ、50秒程度であり、極めて短時間で消毒することができた。
【0102】
RUN4(下水道250m3/hour)は塩素系消毒剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いた比較例である。RUN4では、次亜塩素酸ナトリウム添加量を60mg/lとしても、大腸菌群数を3000CFU/ml以下にすることができず、しかも残留ハロゲン濃度が1.53mg/lとLC50値(具体的には、塩素(Cl2)換算で、0.4mg/l)よりも高く、不適切である。
【0103】
なお、RUN1〜RUN4のいずれの場合も、消毒剤添加量が0(ゼロ)の場合が、雨水排除処理場へ流入した雨天時下水の流入水質を示す。
【0104】
【発明の効果】
本発明では、雨天時下水等の排水を効率的に消毒することができる。また、残留ハロゲン濃度をLC50値以下の0.4mg/l以下にしても消毒することが可能である。更に、残留ハロゲン濃度を検知することによって、残留ハロゲン濃度の管理値を超えた場合には、消毒剤又は消毒水の供給量を減じたり、遮断することができ、環境上の配慮ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の装置の一実施態様の説明図である。
【図2】図2は、本発明の装置の他の実施態様の部分の説明図である。
【図3】図3は、本発明に用いることができる装置の一実施態様の断面図である。
【符号の説明】
10…沈砂池、12…流入部、14a、14b、14c…沈砂部、16…排除ポンプ、17…放流水路、18…計測器、20…バイパス流路、22a、22b…自動スクリーン、23…流量計、30…消毒剤添加装置、32…ホッパー、34…供給機、36…エジェクター、39…消毒剤、40…溶解装置、41…槽、41a…攪拌槽41a、41b…貯留槽、42…水位計、44…攪拌機、46…ポンプ、47…流路、48…分配槽、49a…流路、50…添加装置、52…管、54…ホース、56…開口端
Claims (7)
- 有機物とアンモニア又はアンモニウムイオンと雨水とを含む、雨天時に合流式下水道の雨天時下水排除施設から公共用水域に放流される雨天時放流下水を消毒する方法であって、
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインからなる群から選択される化合物からなる固体消毒剤を水に添加・溶解して、消毒水を得る工程と、
前記消毒水を前記下水に添加して消毒する工程と、
を含む方法。 - 前記下水への消毒剤の添加濃度が、活性塩素濃度に換算して、0.5mg/L as Cl〜25mg/L as Clである請求項1に記載の方法。
- 前記消毒剤を前記下水に添加することによって前記消毒水を得る請求項1又は2に記載の方法。
- 前記添加工程が、前記消毒水を前記下水の水面下に導入させる工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 有機物とアンモニア又はアンモニウムイオンと雨水とを含む、雨天時に合流式下水道の雨天時下水排除施設から公共用水域に放流される雨天時放流下水を消毒する装置であって、
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインからなる群から選択される化合物からなる固体消毒剤を貯留する消毒剤貯留装置と、
前記固体消毒剤を水に添加・溶解して消毒水を製造する装置と、
前記消毒水を、前記下水に添加する装置と、
を有することを特徴とする装置。 - 前記消毒水を製造する装置が、前記固体消毒剤を前記下水に添加・溶解するものである請求項5に記載の装置。
- 固体消毒水を下水に添加・溶解する装置が、雨天時下水排除施設に流入する下水管渠、沈砂池の流入部、雨水排除ポンプ井、雨水排除ポンプ流入管のいずれか1以上に設置される請求項5又は6に記載の装置。
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