JP6966508B2 - 尿バイオマーカーコホート、遺伝子発現特性、およびその使用の方法 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2013年8月6日に出願された米国特許仮出願番号第61/862,630号の利益を主張するものであり、その内容の全体を参照により本明細書中に援用する。
発明の分野
本発明は、概してバイオマーカー分析の分野、特に尿サンプルから遺伝子発現特性を決定することに関する。
癌細胞内で起こる遺伝的および後成的変化に関する知識の増加は、腫瘍関連核酸配列およびプロファイルを分析することによって腫瘍を検出し、特徴づけし、そして、観察する機会を提供する。これらの変化は、さまざまな癌関連バイオマーカーのいずれかを検出することによって見つけることができる。様々な分子診断アッセイが、これらのバイオマーカーを検出し、患者、医師、臨床医、および研究者にとって貴重な情報をもたらすために使用される。今までのところ、これらのアッセイは主に、外科的に取り出された腫瘍組織または生検検体によって得られた組織から得られた癌細胞に対しておこなわれてきた。
しかしながら、体液サンプルを使用してこれらの試験をおこなう能力は、患者の組織サンプルを使用するよりも望ましいことが多い。例えば、前立腺において、組織細胞に容易に接近できない場合であっても、体液サンプルを使用した侵襲性の低いアプローチは、患者福祉、長期的な疾患モニタリングをおこなう能力、および発現プロファイルを得る能力の点から広範囲にわたる影響を有する。これらのサンプルに関して、以前に開示された採取方法は、尿中に十分な前立腺由来の細胞液が入るように直腸指診(DRE)または前立腺マッサージを必要とすることが多かった。DREまたは前立腺マッサージなしに採取されたサンプルは、これらのバイオマーカーに関して低い検出率を示した。
従って、バイオマーカー、例えば、前立腺の疾患または他の医学的状態の診断、予後診断、モニタリング、または治療法選択に役立つような、尿中の微小胞のバイオマーカーの新しくて、非侵襲的検出方法を必要としている。特に、尿サンプル採取前にDREまたは前立腺マッサージを必要としないで、且つ、尿サンプルからの細胞ペレットの分離を含めたサンプル調製ステップを必要としない非侵襲的方法を必要としている。
本発明は、例えば、癌、特に対象の前立腺の疾患または他の医学的状態などの疾患に関する診断、予後診断、モニタリング、または治療法選択に役立つように、尿中微小胞の1もしくは複数のバイオマーカーを検出する方法を提供する。その方法は、対象からの無作為尿サンプルを得;そのサンプルからmRNAを抽出し、PCA3およびERGのmRNA発現レベルを検出し;そして、KLK3またはSPDEFに対してPCA3およびERGのmRNA発現レベルを正規化することを含む。その方法はさらに、所定の式を使用してPCA3およびERGの正規化されたmRNA発現レベルの出力値を計算し;そして、PCA3およびERGの組み合わせに基づいて作成したROC曲線を使用して決定された所定のカットオフ値と出力値とを比較して、癌リスクの低い対象と癌リスクの高い対象を識別することを含む。さらに、これらの方法は、高GS前立腺癌のリスクが低い対象と比較して、高グリーソンスコア(GS)前立腺癌(例えば、グリーソンスコア(GS)>6)のリスクが高い対象を識別することを可能にする。例えば、PCA3およびERGの組み合わせに基づいて作成したROC曲線を使用して決定した所定のカットオフ値より大きい出力値を有する対象、いくつかの実施形態において、等しい出力値を有する対象は、高GS前立腺癌のリスクが高く、それに対して、所定のカットオフ値より低い出力値を有する対象は、高GS前立腺癌のリスクが低い。よって、これらの方法は、高GS前立腺癌のリスクが低い対象と高GS前立腺癌のリスクが高い対象を識別するのに有用である。
本発明は、それを必要としている対象の診断、予後診断、モニタリングまたは治療法選択のための方法であって、該対象からの無作為尿サンプルを得;該サンプルから1もしくは複数のmRNAを抽出し;PCA3およびERG mRNAの発現レベルを検出し;PCA3およびERG mRNAの発現レベルを基準遺伝子に対して正規化し;PCA3およびERG mRNAの正規化された発現レベルを所定の式に当てはめることによって出力値を計算し;そして、PCA3 mRNAとERG mRNAの組み合わせに基づいて作成したROC曲線を使用して決定した所定のカットオフ値と出力値を比較して、癌再発のリスクが低い対象と癌再発のリスクが高い対象とを識別するステップから成る方法を提供する。
開示の方法は、雄性対象からの尿サンプル、例えば、25〜40mLの初尿サンプルを使用する。開示の方法は、直腸指診(DRE)を必要としない、そして、好ましくは、これらの方法で使用される尿サンプルは、DREを受けていない患者からのサンプルである。
いくつかの実施形態において、患者のPSAレベルは検出される。いくつかの実施形態において、前記方法は、2〜10ng/mLのPSAレベルを有するPSA「グレーゾーン」にある患者からのサンプルを分析するのに使用される。いくつかの実施形態において、患者は少なくとも50歳のヒト男性対象である。
いくつかの実施形態において、患者サンプルは、以下のアルゴリズムを使用して分析される:
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、EXO106スコアは、患者が前立腺癌のリスクが低いのかまたは前立腺癌のリスクが高いのかを予測するのに使用される。例えば、上記のアルゴリズムを使用して計算した場合に、10未満のEXO106スコアを有する患者は、前立腺癌のリスクが低いと認定され、そして、10以上のEXO106スコアを有する患者は、前立腺癌のリスクがより高いと認定される。
いくつかの実施形態において、EXO106スコアは、患者が高グリーソンスコア(GS)前立腺癌のリスクが低いのかまたは高GS前立腺癌のリスクが高いのかを予測するのに使用される。例えば、上記のアルゴリズムを使用して計算した場合に、10未満のEXO106スコアを有する患者は、高GS前立腺癌のリスクが低いと認定され、そして、10以上のEXO106スコアを有する患者は、高GS前立腺癌のリスクがより高いと認定される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法はさらに、無作為尿サンプルから微小胞画分を分離し、そして、微小胞画分から核酸を抽出することを含む。
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、AMACR、BIRC5、HOXC6、および/またはSPARCL1の発現レベルを検出することを含む。いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、AMACR、BIRC5、HOXC6、および/またはSPARCL1の発現レベルを検出し、そして、PCA3およびERGの組み合わせ、ならびにAMACR、BIRC5、HOXC6、および/またはSPARCL1に基づく出力値を計算することを含む。
任意の上記の方法において、既知量のQβ粒子が核酸抽出前に尿サンプルに加えられる。Qβ標的遺伝子の発現レベルが検出され、そして、検出された発現レベルが既知量のQβ粒子と比較される。
本発明は、対象の医学的状態の診断、予後診断、モニタリングまたは治療法選択のための方法であって、以下のステップ:(a)対象からの尿サンプルから微小胞画分を得;(b)微小胞画分から1もしくは複数の核酸を抽出し;そして(c)抽出された核酸を分析して、PCA3およびERGの存在、不存在または発現レベルを検出することを含む方法を提供する。これらのマーカーは、新鮮な尿サンプル、および前もって冷凍し、解凍した尿サンプルにおいて安定したレベルで検出可能である。好ましくは、尿サンプルは、40mLまたは20mLである。より好ましくは、尿サンプルは、膀胱から排尿された最初の40mLまたは膀胱から排尿された最初の20mLである。これらのマーカーの検出は、同じ患者からのサンプルを通じて、ならびに様々な患者からのサンプルを通じて再現性がよい。
本発明はまた、基準遺伝子の発現レベルを検出し、そして、バイオマーカーの正規化した相対発現レベルを決定するステップをさらに含む方法も提供し、ここで、該バイオマーカーの相対発現レベルは、バイオマーカー発現レベル対基準遺伝子の発現レベルの比であり;およびここで、対象は、該バイオマーカーの相対発現レベルがバイオマーカー発現のカットオフレベルより高いとき、癌などの医学的状態に罹患しているか、またはリスクが高いと認定される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーは、少なくともERGおよびPCA3である。いくつかの実施形態において、バイオマーカーは、少なくともERGおよびPCA3、ならびにAMACR、BIRC5、HOXC6、SPARCL1、およびその組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの他のバイオマーカーである。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は前立腺特異的遺伝子である。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は、KLK3もしくはSPDEF、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態において、基準遺伝子はKLK3である。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は、例えば、GAPDHなどのハウスキーピング遺伝子である。
いくつかの実施形態において、それぞれのバイオマーカーのレベルまたはバイオマーカーの組み合わせによって作成されたスコアの受診者動作特性(ROC)曲線から得られた曲線下面積(AUC)は、対照と疾患を患っている患者の両方からのバイオマーカー結果を使用して計算される。いくつかの好ましい実施形態において、それぞれのバイオマーカーのレベルまたはバイオマーカーの組み合わせで作成されたスコアのROC曲線から得られたAUC値は、0.5、0.6、0.7、または0.8より大きい。好ましくは、AUC値は0.7より大きい。当業者は、臨床有用性に必要な感度、特異性、陰性適中率(NPV)、陽性適中率(PPV)、陽性尤度比(PLR)、および陰性尤度比(NLR)を考慮したカットオフ分析を実行することによって、バイオマーカーレベルまたはバイオマーカーの組み合わせの診断精度を容易に最大にすることができる。バイオマーカーの結果またはバイオマーカーの組み合わせの結果は、任意のさまざまな方法で分析される。いくつかの実施形態において、結果は、単変量解析、または単変数解析(SV)を使用して分析される。いくつかの実施形態において、結果は、多変量解析(MV)を使用して分析される。バイオマーカーおよび/またはバイオマーカーコホートのSV解析およびMV解析の両方の例は、以下の表に示されている。
いくつかの実施形態において、基準遺伝子は前立腺特異的遺伝子である。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は、KLK3、SPDEF、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は、例えば、GAPDHなどのハウスキーピング遺伝子である。
バイオマーカーおよびのバイオマーカーの組み合わせ(本明細書中でバイオマーカーコホートとも呼ばれる)は、侵襲性の強い癌を含めた癌などの医学的状態の診断、予後診断、モニタリングまたは治療法選択の方法に有用である。いくつかの実施形態において、バイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせは、検出された発現レベルおよび/または発現のパターンに基づいた対象が侵襲性の強い癌に罹患しているかまたは罹患するリスクがある見込みと、バイオマーカーおよび/またはコホート発現とを相関させるのに有用である。いくつかの実施形態において、バイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせは、検出された発現レベルおよび/または発現のパターンに基づいた対象が癌再発に罹患しているかまたは罹患するリスクがある見込みと、バイオマーカーおよび/またはコホート発現とを相関させるのに有用である。いくつかの実施形態において、バイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせは、検出された発現レベルおよび/または発現のパターンに基づいた対象が侵襲性の強い前立腺癌に罹患しているかまたは罹患するリスクがある見込みと、バイオマーカーおよび/またはコホート発現とを相関させるのに有用である。バイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせは、対象のグリーソンスコアと、バイオマーカーおよび/またはコホート発現とを相関させるのに有用である。例えば、バイオマーカーおよび/またはコホートの発現レベルは、検出した発現レベルおよび/または発現のパターンに基づいた対象のグリーソンスコアを認定するのに使用できる。例えば、PCA3およびERGの発現レベルは、対象のグリーソンスコアが6より大きいことを認定するのに使用できる。バイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせは、発現レベルおよび/または発現のパターンに基づいた対象が根治的前立腺切除を必要とする見込みと、バイオマーカーおよび/またはコホート発現とを相関させるのに有用である。
いくつかの実施形態において、医学的状態とは癌である。例えば、前記癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態において、前記癌は、泌尿生殖器の癌、例えば、前立腺癌、腎臓癌、膀胱癌、または泌尿生殖器に広がった転移癌である。いくつかの実施形態において、前記癌は侵襲性の強い癌である。例えば、いくつかの実施形態において、医学的状態とは、侵襲性の強い前立腺癌、侵襲性の強い腎臓癌、または侵襲性の強い膀胱癌である。
それを必要としている対象は、癌、例えば、侵襲性の強い癌に罹患しているかまたは罹患するリスクがある。いくつかの実施形態において、対象は、前立腺癌に罹患しているかまたは罹患するリスクがある。いくつかの実施形態において、対象は、前立腺癌に罹患するリスクがない。いくつかの実施形態において、対象は、前立腺癌を患っていて、且つ、特定のグリーソンスコアが与えられた。例えば、いくつかの実施形態において、対象には、7以上のグリーソンスコアが与えられた。いくつかの実施形態において、対象には、1、2、3、4、5、6、7、8または9以上のグリーソンスコアが与えられた。いくつかの実施形態において、対象には、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜10、7〜9、7〜8、8〜10、8〜9または9〜10の範囲のグリーソンスコアが与えられた。いくつかの実施形態において、対象は、前立腺切除、例えば、根治的前立腺切除を受けたか、または前立腺切除、例えば、根治的前立腺切除を受けなければならないリスクがある。
例えば、対象は、例えば、PSA検査結果および/または疑わしいDREに基づいて前立腺癌に関して臨床的な疑いがあるヒト男性対象である。いくつかの実施形態において、対象には、陰性の生検検体の病歴がある。いくつかの実施形態において、対象には、陰性の生検検体の病歴がない。いくつかの実施形態において、対象には、再度の生検検体が推薦された。いくつかの実施形態において、対象には、初回のまたは初めての生検検体が推薦された。
いくつかの実施形態において、対象には、前立腺切除が推薦されたかまたは予定されている。いくつかの実施形態において、対象には、組織学的に腺房型(すなわち、典型的な)前立腺癌が確認された。いくつかの実施形態において、前立腺癌は限局的である。いくつかの実施形態において、前立腺癌は限局的に進行している。
いくつかの実施形態において、対象は、例えば、肝炎(すべての型)および/またはHIVといった感染症などの疾患に罹患していないか、および/または罹患していることが疑われない。いくつかの実施形態において、対象には、腎腫瘍および/または膀胱腫瘍の併発の病歴がない。いくつかの実施形態において、対象は、いずれのタイプの前立腺癌のネオアジュバント治療または局所治療も以前に受けたことがないか、または同時に受けたことがない。いくつかの実施形態において、対象は、尿サンプル提供後6カ月以内に男性ホルモン誘導療法を含めたいずれのタイプのネオアジュバント治療または局所治療も以前に受けたことがないか、または同時に受けていない。
本明細書中に記載したマーカーおよび/またはマーカーの組み合わせは、さまざまな患者からの尿サンプルを試験するのに使用できるさまざまなキット、例えば診断キットに有用である。いくつかの実施形態において、尿サンプルは、キットでサンプルを試験する前に、例えば、濾過濃縮ステップを使用して濃縮される。結果は、高速qPCR読み出しのための装置を含めたさまざまな方法のいずれかを使用して処理できる。
図1Aおよび1Bは、1日目(図1A)および2日目(図1B)の患者コホート7サンプルの分析のための施設ワークフローを示す一連の略図である。 図1Aおよび1Bは、1日目(図1A)および2日目(図1B)の患者コホート7サンプルの分析のための施設ワークフローを示す一連の略図である。 図2Aは、258個のコホート7サンプルについて検出されたQβのCt値の密度分布を示すグラフである。Y軸が密度を表し、X軸がCt値を表す。図2Bは、258個のコホート7サンプルについて検出されたQβのCt値の密度分布を示すボックスプロットである。X軸がCt値を表す。 図2Aは、258個のコホート7サンプルについて検出されたQβのCt値の密度分布を示すグラフである。Y軸が密度を表し、X軸がCt値を表す。図2Bは、258個のコホート7サンプルについて検出されたQβのCt値の密度分布を示すボックスプロットである。X軸がCt値を表す。 図3Aおよび3Bは、コホート7の各患者のサンプル体積に対する、KLK3に対して正規化したPCA3のAUC値の相関関係を示す2つのグラフである。図3Aでは、Y軸がAUC値を表し、X軸がコホート7の各サンプルを表す。図3Bでは、Y軸がサンプル体積を示し、X軸がコホート7に各サンプルを表す。凡例は、各サンプルがどこの臨床現場に由来するかを示す。図3Aおよび3Bは、供与体積が20mLだけに制限される場合に、(KLK3に対して正規化した)PCA3のAUCが<0.65から>0.7まで改善されることを実証する。これらの図面は、AUCがサンプル体積に非常に依存していたことを実証する。 図3Aおよび3Bは、コホート7の各患者のサンプル体積に対する、KLK3に対して正規化したPCA3のAUC値の相関関係を示す2つのグラフである。図3Aでは、Y軸がAUC値を表し、X軸がコホート7の各サンプルを表す。図3Bでは、Y軸がサンプル体積を示し、X軸がコホート7に各サンプルを表す。凡例は、各サンプルがどこの臨床現場に由来するかを示す。図3Aおよび3Bは、供与体積が20mLだけに制限される場合に、(KLK3に対して正規化した)PCA3のAUCが<0.65から>0.7まで改善されることを実証する。これらの図面は、AUCがサンプル体積に非常に依存していたことを実証する。 図4Aおよび4Bは、サンプル体積が100mL以下であった患者コホート7(N=236)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図4A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図4B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図4Aおよび4Bは、サンプル体積が100mL以下であった患者コホート7(N=236)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図4A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図4B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図5Aおよび5Bは、サンプル体積が40mL以下であった患者コホート7(N=189)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図5A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図5B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図5Aおよび5Bは、サンプル体積が40mL以下であった患者コホート7(N=189)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図5A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図5B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図6Aおよび6Bは、サンプル体積が20mL以下であった患者コホート7(N=122)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図6A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図6B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図6Aおよび6Bは、サンプル体積が20mL以下であった患者コホート7(N=122)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERG発現解析(非データ補完、図6A)およびKLK3に対して正規化したPCA3(図6B)発現解析に基づくROC曲線を示す2つのグラフである。両図面では、X軸が特異性を表し;Y軸が感度を表す。 図7は、サンプル体積が100mL以下であった患者コホート7(N=236)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERGおよびPCA3発現解析に基づくROC曲線を示すグラフである。ERG発現解析はデータ補完された。X軸は特異性を表し;Y軸は感度を表す。 図8は、サンプル体積が40mL以下であった患者コホート7(N=189)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERGおよびPCA3発現解析に基づくROC曲線を示すグラフである。ERG発現解析はデータ補完された。X軸は特異性を表し;Y軸は感度を表す。 図9は、サンプル体積が20mL以下であった患者コホート7(N=122)からのサンプルを用いたKLK3に対して正規化したERGおよびPCA3発現解析に基づくROC曲線を示すグラフである。ERG発現解析はデータ補完された。X軸は特異性を表し;Y軸は感度を表す。 図10は、以前にコホート5データに適用された所定の式およびモデルカットオフ閾値を使用したコホート7データの2×2分析を示す一連の4つの表である(Sens=感度;Spec=特異性;NPV=陰性適中率;PPV=陽性適中率;C5=コホート5;C7=コホート7)。例えば、抽出プロトコールやプローブ化学反応などのC5とC7との間のいくつかの違いにもかかわらず、C7に適用される場合、C5のデータに当てはめられた加重は、良好に機能した。40mLの体積のサンプルがより多く、C5コホート体積は概してC6のものに比べて低かった。 図11は、それぞれのサンプル群(ドイツ プール=対照プールサンプル、患者=コホート7の患者、基準=基準対照、およびRT−対照=逆転写酵素対照)において検出された遺伝子(AMACR、BIRC5、ERG、HOXC6、KLK3、PCA4、QBETA、SPARCL1、およびSPDEF)のCt値の分布を示すボックスプロットである。 図12は、少量(20mL)のサンプルにおけるそれぞれの示した遺伝子(PCA3、ERG、AMACR、BIRC5、HOXC6、SPARCL1、およびSPDEF)の単変量解析によって作成したAUC値をすべてのサンプルのAUC値と比較したグラフである。CI全体とCI 20mLは、それぞれ「すべてのサンプル」と「20mLのサンプル」のAUCに関する95%信頼区間を示す。Y軸はAUC値を表し;X軸は試験したそれぞれの遺伝子を表す。 図13は、示した遺伝子(AMACR、BIRC5、ERG、HOXC6、KLK3、PCA3、SPARCL1、およびSPDEF)のそれぞれの単変量解析によって作成されたAUC値を示し、そして、以下のサブセット間のAUC値:SPDEFまたはKLK3に対して正規化したもの;データ補完し、SPDEFまたはKLK3に対して正規化したもの;少量サンプルに対するすべてのサンプル体積;およびCt値に対するコピー数、を比較したグラフである。 図14は、3つの遺伝子分析によるコホート5(C5)とコホート7(C7)の分析の比較を示す2つのグラフである。左のグラフは、すべてのサンプルに関するC7とC5との比較を示す。右のグラフは、C7の少量サンプルとC5との比較を示す。FTO=PCA3を使用しない3つの遺伝子モデルである。FTOは、PCA3を使用しない3つの遺伝子モデルを指す。 図14は、3つの遺伝子分析によるコホート5(C5)とコホート7(C7)の分析の比較を示す2つのグラフである。左のグラフは、すべてのサンプルに関するC7とC5との比較を示す。右のグラフは、C7の少量サンプルとC5との比較を示す。FTO=PCA3を使用しない3つの遺伝子モデルである。FTOは、PCA3を使用しない3つの遺伝子モデルを指す。 図15は、以下の遺伝子:AMACR、BIRC5、ERG、HOXC6、KLK3、PCA3、SPARCL1、およびSPDEFのうちの示した組み合わせの3つの遺伝子モデル解析によって作成したAUC値を示し、そして、以下のサブセット間のAUC値:SPDEFまたはKLK3に対して正規化したもの;データ補完し、SPDEFまたはKLK3に対して正規化したもの;少量サンプルに対するすべてのサンプル体積;およびCt値に対するコピー数、を比較するグラフである。 図16は、患者コホートにおける代表的なEXO106スコア分布を示すグラフであり、ここで、n=453個のサンプル、PSA中央値=5.3ng/mL、および80%のサンプル2<PSA<10ng/mLである。 図17は、標準的治療(SOC)処置のAUCと比較した、任意のグリーソンスコアを有する患者に対するEXO106成績のAUCを示すグラフである。 図18Aおよび18Bは、四分位によるEXO106成績、すなわち、EXO106スコア四分位に従い生検検体によって陽性と認定されたサンプルのパーセンテージ、を示す一連のグラフである。 図18Aおよび18Bは、四分位によるEXO106成績、すなわち、EXO106スコア四分位に従い生検検体によって陽性と認定されたサンプルのパーセンテージ、を示す一連のグラフである。 図19は、例えば、6より高いグリーソンスコアである高悪性度前立腺癌に関するEXO106スコアの成績を示すグラフである。 図20は、グリーソンスコアのサブグループに基づくEXO106スコア成績の概要を示すグラフである。
詳細な説明
癌関連バイオマーカーとしては、例えば、遺伝子配列における特異的突然変異(Cortez and Calin, 2009; Diehl et al., 2008; Network, 2008; Parsons et al., 2008)、mRNAおよびmiRNA発現の上方および下方調節(Cortez and Calin, 2009; Itadani et al., 2008; Novakova et al., 2009)、mRNAスプライシングのバリエーション、DNAメチル化パターンの変化(Cadieux et al., 2006; Kristensen and Hansen, 2009)、ゲノム領域の増幅および欠失(Cowell and Lo, 2009)、および反復DNA配列の異常発現(Ting et al., 2011)が挙げられる。変異解析や、ゲノムDNAのメチル化状態や、遺伝子発現分析などの様々な分子診断アッセイは、これらのバイオマーカーを検出し、そして、患者、医師、臨床医、および研究者にとって貴重な情報を生じることもある。今までのところ、これらのアッセイは主に、外科的に取り出された腫瘍組織または生検検体によって得られた組織から得られた癌細胞に対しておこなわれてきた。例えば、PCA3、TMPRSS2:ERG、およびERGは、正常前立腺組織と比較して、前立腺癌において示差的に発現されることが、生検検体分析によってこれまでに示されてきた(Bussemakers et al., 1999; Petrovics et al., 2005; Tomlins et al., 2005)。
しかしながら、体液サンプルを使用してこれらの試験をおこなう能力は、患者の組織サンプルを使用するよりも望ましいことが多い。例えば、前立腺において、組織細胞に容易に接近できない場合であっても、体液サンプルを使用した侵襲性の低いアプローチは、患者福祉、長期的な疾患モニタリングをおこなう能力、および発現プロファイルを得る能力の点から広範囲にわたる影響を有する。
尿サンプルを使用したPSA(KLK3とも呼ばれる)、PCA3、TMPRSS2:ERG、およびERGなどの前立腺癌マーカーの検出は、これまでに調査されている(Hessels et al., 2007; Laxman et al., 2008; Laxman et al., 2006; Nguyen et al., 2011; Rice et al., 2010; Rostad et al., 2009; Salami et al., 2011; Tomlins et al., 2005)。しかしながら、以前に開示された採取方法は、尿中に十分な前立腺由来の細胞液が入るように直腸指診(DRE)または前立腺マッサージを必要とすることが多かった。DREまたは前立腺マッサージなしに採取されたサンプルは、これらのバイオマーカーに関して低い検出率を示した。例えば、TMPRSS2:ERGの検出率は、DREを伴うと約69%であったにもかかわらず、DREなしでは約24%にすぎなかった(Rostad et al., 2009)。
実際には、前立腺癌バイオマーカーの尿検査のための現在のサンプル採取方法は、前立腺の触診表面全体にわたる軽い指圧、それぞれの側葉を3回軽くこする前立腺への指圧、3回の基部から尖(apex)へのおよび各葉の側部から正中線への強い圧力、あるいは基部から尖へおよび各葉の側部から(前立腺表面のくぼみが0.5〜1cmである)正中線への強い圧力の系統的な適用を用いたDREの使用を必要とする(Deras et al., 2008; Hessels et al., 2007; Laxman et al., 2008; Laxman et al., 2006; Nguyen et al., 2011; Rice et al., 2010; Salami et al., 2011)。
加えて、先に開示されたサンプル調製法は、遠心分離によってDRE後の尿サンプルから細胞ペレットの分離を必要とする(Hessels et al., 2007; Laxman et al., 2008; Laxman et al., 2006; Nguyen et al., 2011; Rostad et al., 2009; Salami et al., 2011)。
多くの従来の試験が、非侵襲的前立腺遺伝子分析のために採取される十分なRNA材料を可能にするのにDREが重大なステップであると示唆している(Deras et al., 2008; Hessels et al., 2007; Laxman et al., 2008; Laxman et al., 2006; Nguyen et al., 2011; Rice et al., 2010; Rostad et al., 2009; Salami et al., 2011; Tomlins et al., 2011)。これらの試験のいくつかでは、尿サンプルが、採取の4時間以内に加工される必要がある(Deras et al., 2008; Tomlins et al., 2011)。
これらの従前のサンプル採取方法および尿中バイオマーカーの検出方法とは対照的に、本明細書中に提供された方法は、尿サンプル採取前にDREまたは前立腺マッサージを必要とせず、且つ、これらの方法は、尿サンプルからの細胞ペレットの分離にかかわるサンプル調製ステップを必要としない。これらの新しく、非侵襲的な方法は、前立腺の疾患または他の医学的状態の診断、予後診断、モニタリング、または治療法選択に役立つバイオマーカーを検出するために尿中の微小胞を使用する。腫瘍細胞によって放出された微小胞は、腫瘍の遺伝子状態を決定するのに使用できる(Skog et al., 2008)。また、WO2009/100029、WO2011/009104、WO2011/031892、およびWO2011/031877を参照のこと。
微小胞は、細胞の外側に向かって真核細胞によって放出されるか、または原形質膜から出芽する。これらの膜小胞は大きさが不均一であり、約10nm〜約5000nmの直径を有する。細胞が放出した直径0.8μm未満のすべての膜小胞が、本明細書中において集合的に「微小胞」と呼ばれる。
本発明は、尿中微小胞が対象の前立腺の疾患または他の医学的状態に関するバイオマーカーを含むという驚くべき知見に基づいている。よって、患者の尿サンプルは、対象の前立腺の疾患または他の医学的状態に関するバイオマーカーの検出のためにアッセイされる。
本明細書中に提供された方法では、対象からの無作為尿サンプルは、採尿前の直腸指診(DRE)または前立腺マッサージを使用することなく採取される。尿サンプルは、60mL、50mL、40mL、30mL、20mL、15mL、または10mLである。いくつかの好ましい実施形態において、尿サンプルは、40mLまたは20mLである。いくつかの実施形態において、尿サンプルは1〜40mL、1〜35mL、1〜30mL、1〜25mL、1〜20mL、1〜15mL、1〜10mL、1〜5mL、5〜40mL、5〜35mL、5〜30mL、5〜25mL、5〜20mL、5〜15mL、5〜10mL、10〜40mL、10〜35mL、10〜30ml、10〜25ml、10〜20ml、10〜15ml、15〜40ml、15〜35ml、15〜30ml、15〜25ml、15〜20ml、20〜40ml、20〜35ml、20〜30ml、20〜25ml、25〜40ml、25〜35ml、25〜30ml、30〜40ml、30〜35ml、または35〜40mlであってもよい。
好ましい実施形態において、尿サンプルは、膀胱から最初に排尿された尿であって、「初」尿としても知られている。最初に排尿された尿は、前立腺由来の微小胞を最高濃度で含むので、そのため最初に排尿された尿の分析は前立腺バイオマーカーのより高いシグナルをもたらす。本明細書中に示されたように、前立腺癌の診断および予後診断で有用なバイオマーカーの診断精度は、最初に排尿された尿サンプルのサンプル体積が減少するほど増強される。本明細書中に記載した知見は、40mLまたは20mLの最初に排尿された尿がより優れた診断精度(すなわち、AUC値)を示すことを実証する。従って、好ましい実施形態において、尿サンプルは、膀胱から排尿された最初の40mL以下である。例えば、尿サンプルは、膀胱から排尿された最初の20mLである。
開示のキットおよび/または方法における使用に好適でない尿サンプルとしては、サンプルが適切に保存および/または輸送されていないサンプルが挙げられる。例えば、標本は、室温(例えば、15〜25℃)で長時間保管してはいけない。いくつかの実施形態において、標本は、室温(例えば、15〜25℃)で24時間を超えて保管してはいけない。いくつかの実施形態において、標本は、室温(例えば、15〜25℃)で36時間を超えて保管してはいけない。いくつかの実施形態において、標本は、室温(例えば、15〜25℃)で48時間を超えて保管してはいけない。標本は、冷蔵温度(例えば、2〜8℃)で長期間保管してはいけない。例えば、標本は、冷蔵温度(例えば、2〜8℃)で21日間を超えて保管してはいけない。いくつかの実施形態において、標本は、冷蔵温度(例えば、2〜8℃)で30日間を超えて保管してはいけない。一般的に、標本は、無期限に冷凍(例えば、70℃)できる。標本は、コールドパックで、または標本が冷凍されている場合には、ドライアイス上で輸送されなければならない。
開示のキットおよび/または方法における使用に好適でない尿サンプルとしては、肉眼で確認できる出血のある標本が挙げられる。
尿サンプルの採取のタイミングもまた、さまざまな適用に依存して異なってもよい。サンプルは、スポット尿サンプルとして任意にいつでも採取されてもよい。分析されるべき微小胞のバイオマーカーの量が1日の間で非常に大きく変動することがない場合には、スポット尿は、バイオマーカー分析に十分であり得る。他の場合では、分析される微小胞のバイオマーカーの量の変動があって、24時間の採取が変動の影響を緩和し得る場合には、24時間の尿サンプルが採取される。より一層さらなる場合では、微小胞のバイオマーカーの量の変動を試験するために、一連の尿サンプルが採取される。一連の採取は、特定の時間間隔、例えば、6時間毎に、または治療的介入の前後、例えば、シナリオ間隔でおこなわれてもよい。
本明細書中に提供された方法では、尿サンプルは、最初に、少なくとも1回の濾過ステップを含む方法を使用することによって前処理される。例えば、コースフイルター(0.8ミクロン)が、細胞と細胞破片を取り除くのに利用される。この濾過の後には、限外濾過ステップが続いて、微小胞を保持しながら、溶媒や小分子検体を取り除き得る。最初の濾過に使用されるフイルターは、細胞および細胞破片を取り除くのに十分な任意のサイズ、例えば、0.22ミクロン超の任意のサイズである。尿中微小胞を単離するために、次いで、前処理サンプルは、濾過濃縮ステップにかけられ、そこでは、分画分子量を有するフイルターが利用されて、直径10nm超の微小胞を保持し、濃縮する。例えば、サンプルは、次いで、1mL未満、好ましくは100〜200μLの体積まで濃縮される。例えば、分画分子量は、少なくとも100kDaである。
いくつかの実施形態において、尿サンプルを前処理および加工する方法は、以下のステップを含む。まず、尿サンプルの一部、例えば、少なくとも20mLが、0.8μmのフイルターを使用して処理される。例えば、サンプル体積が≦50mLである場合、少なくとも20mLが、0.8μmのフイルターに取り付けられたシリンジ内に吸い込まれ、次に、清潔な容器、例えば、清潔な50mLのチューブ内に押し出される。サンプル尿量が≧50mLである場合、サンプルは、0.8μmのボトルフィルターユニットを使用して濾過され、そして、いくつかの実施形態において、ボトルフィルターユニットを通してサンプルを吸い込むのに吸引が使用される。次いで、最初のサンプル体積にかかわらず、清潔な容器内の濾過した尿は、数秒、例えば、1〜2秒、パルスボルテックスにかけられる。濾過した尿は、次いで、濾液濃縮を始める準備ができるまで、保存される。
濾過した尿の一部、例えば、15mLは、次いで、フイルター濃縮器(FC)を使用して処理される。濾過した尿がFCチャンバー(すなわち、FC容器のトップチャンバー)内にピペットで入れられた時点で、内部対照、例えば、Qβバクテリオファージ内部対照(Attostar、カタログ#BAC200)が適当な濃度で加えられ得る。次に、FC容器は、例えば、スウィング型ローター遠心分離機により、室温(例えば、20〜25℃)にて5分間、4,500×gで回転させて遠心分離される。サンプルが完全に濾過されない(>500μLの滞留物がFC内に残っている)場合には、その後、FCは2〜5分間、再び遠心分離されなければならない。濾過の最小限の形跡しか示さない(>10mLの滞留物がFC内に残っている)サンプルは、捨てなければならない。
次に、遠心分離機からサンプルが取り出され、そして、濾液(すなわち、FC容器の下部の液体)が捨てられる。滞留物は、次に、5mLの残った濾過尿と10mLの1×PBS中に再懸濁される。サンプルは、例えば、FC容器を3〜4回転倒することによって、一様に混合される。FC容器は、次に、例えば、スウィング型ローター遠心分離機により、室温(例えば、20〜25℃)にて5分間、4,500×gで回転させて遠心分離される。次に、遠心分離機からサンプルを取り出し、そして、濾液が捨てられる。
第一の洗浄ステップでは、滞留物は15mLの1×PBS中に再懸濁される。サンプルは、例えば、FC容器を3〜4回転倒することによって、一様に混合される。FC容器は、次に、例えば、スウィング型ローター遠心分離機により、室温(例えば、20〜25℃)で5分間、4,500×gで回転させて遠心分離される。
第二の洗浄ステップでは、滞留物は、15mLの1×PBS中に再懸濁されるサンプルは、例えば、FC容器を3〜4回転倒することによって、一様に混合される。FC容器は、次に、例えば、スウィング型ローター遠心分離機により、室温(例えば、20〜25℃)で7分間、4,500×gで回転させて遠心分離される。予想される残留容量は100〜200μLである。サンプル体積が250μL超である場合には、次いで、FC容器はRTにてさらに5分間、4,500×gで遠心分離される。
尿中微小胞の分離および濃縮後に、サンプルは、核酸抽出前にRNアーゼ阻害剤で前処理されて、抽出されたRNAの消化を予防し、抽出の質を高める。適宜、サンプルは、少なくとも一度適当なバッファーを使用して洗浄されて、さらに微小胞画分の濃度を高めるかまたは精製してもよい。いくつかの実施形態において、サンプルは、二度適当なバッファーを使用して洗浄されて、さらに微小胞画分の濃度を高めるかまたは精製する。RNAは、高品質のRNA調製を達成するように設計された適切な条件下での、微小胞の溶解、RNA結合カラムによる溶解物の加工、およびRNA結合カラムからのRNAの溶出を含めた方法によって微小胞から抽出される。適宜、濃縮された微小胞は、前処理ステップに使用されるフイルターで溶解される。これらの高品質のRNA調製は、前立腺癌および前立腺の他の疾患に関する尿ベースの分子診断を提供する。
いくつかの実施形態において、4μLのRNアーゼ阻害剤がFC容器の上部チャンバーに追加される。容器は、次いで、横方向に振盪されて、必ずRNアーゼ阻害剤がよく懸濁されるようにする。そして、サンプルは、室温(例えば、15〜25℃)で2〜3分間、RNアーゼ阻害剤と共にインキュベートされる。次に、RNA溶解バッファー、例えば、2%の1−チオグリセロール含有Promega RNA Lysis Buffer(カタログ#Z3051)が、それぞれサンプルに250μlの体積で加えられる。そのサンプルは、次に、軽くボルテックスされ、室温で1分間インキュベートされる。
次に、ピペットが(容器またはフイルターの側を触れないまたは引っ掻かないように慎重に)FC容器の下部に入れられ、150μlの溶液(すなわち、サンプル+RNアーゼ阻害剤)が2mLのRNアーゼフリーのチューブに移される。このステップは、すべてのサンプルが取り出され、2mLのRNアーゼフリーのチューブに移されるまで繰り返される。単離された微小胞画分は次に、核酸抽出、例えば、RNA抽出のため準備される。
次に、イソプロパノールが、150μlの体積で2mLのチューブに加えられ、そして、溶液がピペットによって混合される。溶解物が抽出カラムに移され、そして、抽出カラムが13,000×gで30秒間、遠心分離される。次に、抽出カラムが新しい採取チューブに移され、そして、13,000×gで30秒間の遠心処理および抽出カラムから新しい採取チューブへの移動が、すべての溶解物を移すまで繰り返される。次に、Promega製のRNA Wash Solution(RWA Buffer)(カタログ#Z309B-C)が500μlの体積で採取チューブに加えられ、そして、そのチューブが13,000×gで30秒間、遠心分離される。次に、サンプルは新しい採取チューブに移され、そして、300μlのRWA Bufferが採取チューブに加えられ、そして、次に、13,000×gで2分間、採取チューブが遠心分離される。次に、サンプルは新しい採取チューブに移され、次に、13,000×gで2分間、採取チューブが遠心分離される。そして、採取チューブの内容物は、RNアーゼDNアーゼフリーである1.5mLのEppendorf(登録商標)チューブに移される。チューブの内容物は、次に、16μlのヌクレアーゼフリーの水、例えば、Promega Nuclease Free Water(カタログ#P119E)を使用して溶出され、13,000×gで1分間、遠心分離される。
そして、微小胞画分からの抽出されたRNAは、超低温冷凍庫内で≦−70℃にて保存される。
本明細書中に記載した方法は、微小胞分離および/または微小胞核酸抽出の質を判断または評価するために対照粒子の使用を含んでもよい。対照粒子は、微小胞分離または核酸抽出ステップ中のいくつかの時点で加えられる微小胞の粒径範囲の粒子を集合的に指し、ここで、該粒子はDNAまたはRNAなどの対照核酸を含んでいる。具体的には、対照核酸は、分離または抽出ステップ中の対照粒子の回収量を測定するためにアッセイまたは評価されるための少なくとも1つの標的遺伝子を含んでいる。
対照粒子は、本明細書中で「Qβ粒子」と呼ばれるQβバクテリオファージであることが好ましい。本明細書中に記載した方法で使用されるQβ粒子は、天然のウイルス粒子であっても、または遺伝子組み換えもしくは遺伝子操作ウイルスであってもよく、後者では、ウイルス粒子の少なくとも1つの成分(例えば、ゲノムまたはコートタンパク質の一部)が当該技術分野で知られている組換えDNA技術または分子生物学技術によって合成される。Qβはレヴィウイルス科のメンバーであり、4つのウイルスタンパク質であるコートタンパク質、成熟タンパク質、溶解タンパク質、およびRNAレプリカーゼをコードする3つの遺伝子から成る直鎖状一本鎖RNAゲノムを特徴とする。平均的な微小胞に類似したサイズのため、Qβは、本明細書中に記載したように微小胞を単離するのに使用されるのと同じ精製方法を使用して生物学的サンプルから容易に精製される。加えて、Qβウイルスの一本鎖遺伝子構造の低い複雑性が増幅ベースの核酸アッセイにおける対照としてのそのウイルスの使用に有利である。Qβ粒子はサンプル中のQβ粒子の量の定量のために検出または評価される対照標的遺伝子または対照標的配列を含む。例えば、対照標的遺伝子はQβコートタンパク質遺伝子である。尿サンプルまたは単離された尿由来微小胞へのQβ粒子の添加後に、本明細書中に記載した抽出法を使用してQβ粒子由来の核酸が微小胞、および/または尿サンプル由来の核酸と共に抽出される。Qβ対照標的遺伝子の検出は、例えば、着目のバイオマーカー(すなわち、BIRC5、ERG、およびSPARCL1)と共に同時にRT−PCR分析によって判定され得る。対照標的遺伝子の少なくとも2、3、または4つの既知の10倍希釈濃縮の検量線を使用してコピー数を決定することができる。添加したQβ粒子の検出コピー数と量を比較して、分離および/または抽出ステップの質を判定することができる。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号1の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を含むQβ粒子を使用する:
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、Qβ粒子は核抽出前に尿サンプルに加えられる。例えば、Qβ粒子は、限外濾過前および/または事前濾過ステップ後に尿サンプルに加えられる。
いくつかの実施形態において、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、1,000または5,000コピーのQβ粒子が尿サンプルに加えられる。いくつかの実施形態において、100コピーのQβ粒子が尿サンプルに加えられる。Qβ粒子のコピー数は、Qβバクテリオファージが標的細胞に感染する能力に基づいて計算され得る。従って、Qβ粒子のコピー数はQβバクテリオファージのコロニー形成単位に相関する。
本明細書中に提供された方法は、例えば、高いPSA、疑わしいDREまたは前立腺癌の診断のための当該技術分野で認識されているその他の技術により、前立腺癌を患っていることを疑われた対象に有用である。いくつかの実施形態において、本明細書中に提供された方法は、PSA試験、DRE、または前立腺癌の診断のための当該技術分野で認識されているその他の技術などの従前の診断検査をまったく有していなかった対象に有効である。
本明細書中に提供された方法は、尿中微小胞のバイオマーカーと、前立腺生検によって決定される前立腺癌の知見とが相関することを実証する。前立腺生検は、前立腺癌診断の現行標準であるが、特に毎年、合衆国では100万の生検検体が実施されていることを考慮した場合に、前立腺生検に関連するリスクは著しい。疼痛、出血、尿閉、および尿路感染は珍しくなく、命に関わる重大な感染もまた起こり得る。
本明細書中に記載した方法は、尿サンプルまたは尿中微小胞の癌関連転写産物のRNA発現レベルの非侵襲的分析の方法を提供する。特に、その方法は、尿サンプル中の少なくともPCA3およびERGのmRNA発現を検出するのに使用される。ERG mRNAは、ERG1、ERG2、ERG3、ERG4、ERG5、ERG6、ERG7、ERG8、ERG9、ERGの前立腺癌に特異的なアイソフォーム1(EPC1)、およびERGの前立腺癌に特異的なアイソフォーム2(EPC2)を含めたERGの1もしくは複数のアイソフォームを含み得る。本明細書中で実証したように、尿中微小胞のPCA3およびERGの発現レベルを検出することは、以前に前立腺生検(本明細書中では生検検体コホートまたは患者コホートとも呼ばれる)を受けた対象において前立腺癌および他の前立腺関連疾患のバイオマーカーとして素晴らしい感度および特異性を提供する。いくつかの実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上のバイオマーカーが組み合わせて検出される。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、以下の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、および/または少なくとも250個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するERG mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
本明細書中に示されたように、PCA3およびERGは、単変量解析で分析され、(KLK3などの基準遺伝子に対して正規化した場合に)各遺伝子単独で高い診断精度を有する(AUC値が0.6超)ことが実証された。本明細書中に開示された分析は、PCA3およびERGが、正規化した両発現レベルが単独よりも一緒に測定された場合に、より多くの診断的価値を有することを示す。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、以下の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、および/または少なくとも450個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するPCA3 mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号2の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、および/または少なくとも250個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するERG mRNAならびに配列番号3の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、および/または少なくとも450個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するPCA3 mRNAを検出するのに使用される。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号2の完全長の核酸配列を有するERG mRNAおよび配列番号3の完全長の核酸配列を有するPCA3 mRNAを検出するのに使用される。
追加のバイオマーカーの組み合わせは、PCA3およびERGと共に使用され、ここで、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上の追加の遺伝子が、侵襲性の強い癌または前立腺癌などの癌のバイオマーカーとして高い診断的価値を有し得る。これらの追加の遺伝子の例としては、AMACR、BIRC5、HOXC6、およびSPARCL1が挙げられる。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号4、配列番号37、または配列番号38の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するAMACR mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
Figure 0006966508
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Figure 0006966508
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Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号5、配列番号39、または配列番号40の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するBIRC5 mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号6または配列番号41の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するHOXC6 mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号7、配列番号42、配列番号43、または配列番号44の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するSPARCL1 mRNAを検出するのに使用される:
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、(i)配列番号2の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、および/または少なくとも250個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するERG mRNA、(ii)配列番号3の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、および/または少なくとも450個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するPCA3 mRNA、ならびに(iii)以下の(1)配列番号4、配列番号37、または配列番号38の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するAMACR mRNA;(2)配列番号5、配列番号39、または配列番号40の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するBIRC5 mRNA;(3)配列番号6または配列番号41の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するHOXC6 mRNA;ならびに(4)配列番号7、配列番号42、配列番号43、または配列番号44の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するSPARCL1 mRNA、から成る群から選択される少なくとも1つの他のmRNAの少なくとも一部、を検出するのに使用される。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、配列番号2の完全長の核酸配列を有するERG mRNA、配列番号3の完全長の核酸配列を有するPCA3 mRNA、ならびに配列番号4、配列番号37、または配列番号38の完全長の核酸配列を有するAMACR mRNA、配列番号5、配列番号39、または配列番号40の完全長の核酸配列を有するBIRC5 mRNA、配列番号6または配列番号41の完全長の核酸配列を有するHOXC6 mRNA、および配列番号7、配列番号42、配列番号43、または配列番号44の完全長の核酸配列を有するSPARCL1 mRNAから成る群から選択される他の少なくとも1つのmRNAを検出するのに使用される。
mRNA発現レベルは、さまざまな当該技術分野で認識されている技術のいずれかを使用して検出される。例えば、RT−qPCR分析は、尿中微小胞の各バイオマーカーのCt(サイクル閾値)値を決定する。リアルタイムPCRアッセイでは、陽性反応は蛍光シグナルの蓄積によって検出される。Ct値は、その蛍光シグナルが閾値を超える(すなわち、バックグラウンドレベルを超える)ために必要とされるサイクル数として定義される。Ctレベルはサンプル中の標的核酸の量に反比例する(すなわち、Ctレベルが低いほどサンプル中の標的核酸の量が多い)。
いくつかの実施形態において、検出された遺伝子(すなわち、PCA3およびERG)のコピー数が計算される。コピー数はまた、尿中微小胞から抽出された1もしくは複数の核酸のRT−qPCR分析を使用して定量される。当業者は、検量線を使用することによるなどの当該技術分野で知られている方法を使用してコピー数を容易に決定する。
検量線を作成するために、検出された遺伝子と同一の合成RNA配列の既知のコピー数のcDNAの希釈系列が、それらの同じ遺伝子に関して分析されるサンプルと同じプレート上で分析される。サンプルのCt値を検量線のCt値と比較することによって、分析サンプル中の配列の正確なコピー数が決定できる。同じプレート上の検量線をサンプルCt値と相関させることによって、ピペットの不正確性、アッセイ構成要素の性能(例えば、酵素、プローブ、プライマー、dNTPsなど)、qPCRサーモサイクラー装置の性能(例えば、フィルタ、温度など)、および起こり得るプレート間での変動によるアッセイの性能の違いについて、プロセスを「正規化する」。
本明細書中に提供された方法では、発現レベルが相対発現レベルの計算に使用されるそれらの遺伝子は「基準遺伝子」と集合的に呼ばれる。微小胞由来RNAに関する尿サンプルの十分性を決定するのに使用される基準遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子または前立腺特異的遺伝子などの尿中微小胞で一般的に見られる遺伝子である。これらの基準遺伝子の発現レベルは、サンプル間で単離された微小胞の量の変動を制御するために検出されたシグナル量について正規化するのに使用される。例えば、本明細書中に提供された方法では、PCA3およびERG発現の正規化に使用された基準遺伝子は、KLK3、前立腺特異的抗原(PSA)をコードする遺伝子、またはSPDEFであり得る。基準遺伝子は、前立腺特異的遺伝子であってもよい。いくつかの実施形態において、基準遺伝子は、非組織特異的ハウスキーピング遺伝子、例えば、GAPDHであってもよい。本明細書中に提供された方法では、相対発現解析、または正規化は、ΔCtとも呼ばれる結果を伴うPCA3およびERGに関して得られたCt値から前立腺特異的マーカー遺伝子(例えば、KLK3)に関するCt値を減算することによって達成される。コピー数は、「検量線」を得るためのプレート上の希釈系列の既知の較正点に対して、以下の式:
Figure 0006966508
の曲線に当てはめることによって計算される。次に、サンプルのコピー数は、式:
Figure 0006966508
によって計算される
このコピー数計算は、各マーカー遺伝子(例えば、PCA3および/またはERG)ならびに基準遺伝子(例えば、KLK3またはSPDEF)に関して独立におこなわれる。そして、マーカー遺伝子(例えば、PCA3および/またはERG)からの得られたシグナルの「正規化」は、基準遺伝子コピー数によって遺伝子マーカーコピー数を除算することによって達成される(例えば、ERG/SPDEF、ERG/KLK3、PCA3/SPDEF、およびERG/SPDEF)。
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、以下の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、および/または少なくとも250個のヌクレオチド、あるいはそれ以上を有するKLK3 mRNAを含めた基準遺伝子を使用する:
Figure 0006966508
いくつかの実施形態において、開示のキットおよび/または方法は、以下の核酸配列の少なくとも一部、例えば、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも150個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも250個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも350個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも450個のヌクレオチド、および/または少なくとも500個のヌクレオチド、あるいはそれ以上の核酸配列を有するSPDEF mRNAを含めた基準遺伝子を使用する:
Figure 0006966508
PCA3およびERG、ならびに基準遺伝子の相対発現レベルまたは正規化した発現レベルはまた、さまざまな当該技術分野で認識されている技術のいずれかを使用して分析され、そして、比較される。例えば、受診者動作特性(ROC)分析は、PCA3およびERG、ならびに適宜少なくとも1つの他のバイオマーカーに関しておこなわれ、ここで、該バイオマーカーの発現レベルは、計測した各バイオマーカーの曲線下面積(AUC)をもたらす。バイオマーカーのROC分析は、個別に、すなわち、個々のバイオマーカーとして実施されるか、または線形回帰分析のために組み合わせられる。高い診断能力を有する本明細書中に記載したバイオマーカーとして高い診断的価値を有するバイオマーカーの組み合わせは、0.5、0.6、0.7、または0.8より高いROC曲線由来のAUC値を有する。好ましくは、バイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせが、0.7超のAUC値を有する。例えば、PCA3およびERGの組み合わせは、0.7超のAUC値をもたらす。
ROC曲線は、バイオマーカーの識別能力および診断能力を評価するために広く使用されたツールである。いくつかの観察においてバイオマーカー値が欠けている場合、減少したサンプルサイズのため、完全なケースのみに基づくROC分析は有効性を失い、より重要なことに、それは潜在的な偏りに晒される。従って、データ補完方法は、バイオマーカー値が欠けている場合に実行される。
それぞれのバイオマーカーのレベルまたはバイオマーカーの組み合わせによって作成したスコアに関する、受診者動作特性(ROC)曲線から得られた曲線下面積(AUC)は、対照と疾患を患っている患者の両方からのバイオマーカー結果を使用して計算される。当業者は、臨床有用性に必要な感度、特異性、陰性適中率(NPV)、陽性適中率(PPV)、陽性尤度比(PLR)、および陰性尤度比(NLR)を考慮したカットオフ分析を実行することによって、バイオマーカーレベルまたはバイオマーカーの組み合わせの診断精度を容易に最大にすることができる。
ROC曲線の作成とサンプルの集団の分析は、異なった対象のサブグループを識別するのに使用されるカットオフ値を確立するのに使用される。例えば、カットオフ値は、癌再発のリスクが低い対象と癌再発のリスクが高い対象を見分けることができる。いくつかの実施形態において、カットオフ値は、癌を患っていない対象と癌を患っている有する対象を見分けることができる。いくつかの実施形態において、カットオフ値は、非侵襲性の癌を患っている対象と侵襲性の強い癌を患っている対象を見分けることができる。いくつかの実施形態において、カットオフ値は、グリーソンの高グリーソンスコア(例えば、GS>6)前立腺癌を患っている対象と低グリーソンスコア癌を患っている対象とを見分けることができる。
本明細書中に記載したように、対象の尿サンプルから決定される正規化したPCA3およびERGの発現レベルは、カットオフ値と比較して対象サブグループ間で識別するための出力値へと計算される。いくつかの実施形態において、正規化したPCA3およびERGの発現レベルは、次のように:
Figure 0006966508
Figure 0006966508
基準遺伝子としてKLK3を使用して決定される。そして、ERGおよびPCA3のΔCt値は、数式に当てはめられて、出力値をもたらす。出力値をもたらす式の例は、以下の:
Figure 0006966508
である。
コピー数の場合、以下の:
Figure 0006966508
{式中、係数はすべて等しくてもよい、例えば、1(一)であってもよい}のように分析の出力値として計算される。係数が等しい場合では、全遺伝子が出力値に対して同じ相対寄与を有する。いくつかの実施形態において、係数は各マーカー遺伝子に関して異なっていて、それは、各マーカー遺伝子が出力値、従って、陽性生検検体の尤度に対して異なった寄与をしていることを示す。1つのアプローチでは、係数は、線形回帰法によって既存のデータセットに方程式:
Figure 0006966508
を当てはめることによって定義される。
本明細書中に提供した実施例に示したように、PCA3とERGの組み合わせは、それぞれ77.8%と61.8%の感度で生検検体陰性対象と生検検体陽性対象とを明確に区別できた。これらの値は、前立腺癌などの癌に関する高感度で特異的な診断バイオマーカーとしての本明細書中に開示されたバイオマーカー遺伝子の組み合わせの強みを実証する。
「対象」という用語は、尿中に核酸含有微小胞および/または循環核酸を有することが示されているかまたは予想されるすべての動物を含むものとする。特定の実施形態において、対象は哺乳動物、例えば、ヒトあるいはヒト以外の霊長目動物、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、他の家畜、または齧歯動物(例えば、マウス、ラット、モルモットなど)である。
尿サンプルからの微小胞画分の調達
尿サンプルから微小胞画分を調達するための方法が、本出願、ならびに科学刊行物および特許出願に記載されている(Chen et al., 2010; Miranda et al., 2010; Skog et al., 2008)。また、WO2009/100029、WO2011/009104、WO2011/031892、およびWO2011/031877も参照のこと。これらの刊行物を、微小胞分離または画分調達の方法および技術に関係するそれらの開示についての参照により本明細書中に援用される。これらの方法は、例えば、画分中の18Sおよび28S RNA発現レベルを検出することによって、単離された微小胞画分のRNAの完全性を評価するステップを含んでもよい。
例えば、分別遠心法による微小胞調達の方法は、Raposoらによる論文(Raposo et al., 1996)、Skogらによる論文(Skog et al., 2008)およびNilssonらによる論文(Nilsson et al., 2009)に記載されている。陰イオン交換および/またはゲル浸透クロマトグラフィーの方法は、米国特許第6,899,863号および同第6,812,023号に記載されている。ショ糖密度勾配またはオルガネラ電気泳動の方法は、米国特許第7,198,923号に記載されている。磁気活性化細胞選別(MACS)の方法は、Taylor and Gercel-Taylorによる論文(Taylor and Gercel-Taylor, 2008)に記載されている。ナノ膜限外濾過濃縮の方法は、Cheruvankyらによる論文(Cheruvanky et al., 2007)に記載されている。さらに、微小胞を、腫瘍由来の微小胞を分離するためにマイクロ流体プラットフォームを用いるマイクロチップ技術によって、対象の体液から同定すること、および単離することもできる(Chen et al., 2010)。前記の参照文献のそれぞれは、これらの方法に関するその教示のために参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載された方法の一実施形態において、尿から単離された微小胞は、前立腺細胞または癌細胞から生じたものに富む。微小胞は多くの場合、それらのドナー細胞由来の抗原などの表面分子を保有するため、表面分子を用いて特定のドナー細胞種由来の微小胞を同定すること、単離することおよび/または濃縮することができる(Al-Nedawi et al., 2008;Taylor and Gercel-Taylor, 2008)。このようにして、別個の細胞集団から生じた微小胞を、それらの核酸内容物に関して分析することができる。例えば、腫瘍(悪性および非悪性)微小胞は腫瘍関連表面抗原を保有しており、これらの特異的な腫瘍関連表面抗原を介してそれらを検出すること、単離することおよび/または濃縮することができる。1つの例では、表面抗原は上皮細胞接着分子(EpCAM)であり、これは肺、結腸直腸、乳房、前立腺、頭頸部および肝臓起源の癌由来の微小胞に対しては特異的であるが、血液細胞起源のものに対してはそうでない(Balzar et al., 1999;Went et al., 2004)。
加えて、腫瘍特異的な微小胞を、CD80およびCD86といった表面マーカーの欠如によって特徴づけることもできる。これらの場合では、CD80やCD86などのマーカーを有する微小胞は、腫瘍特異性マーカーのさらなる分析のために排除されてもよい。排除は、様々な方法、例えば、親和性排除によって達成されてもよい。
前立腺からの微小胞画分の調達は、例えば、所望の表面抗原に対して特異的な、抗体、アプタマー、アプタマー類似体または分子インプリントポリマー(molecularly imprinted polymer)を用いることによって達成することができる。いくつかの実施形態において、表面抗原は癌の種類に対して特異的である。いくつかの実施形態において、表面抗原は、必ずしも癌性ではない細胞種に対して特異的である。
細胞表面抗原に基づく微小胞分離の方法の一例は、米国特許第7,198,923号に提示されている。例えば、米国特許第5,840,867号および同第5,582,981号、WO/2003/050290、ならびにJohnson et al.による刊行物(Johnson et al., 2008)に記載されている通り、アプタマーおよびそれらの類似体は表面分子と特異的に結合することができ、細胞種特異的な微小胞を回収するための分離用ツールとして用いることができる。分子インプリントポリマーも、例えば、米国特許第6,525,154号、同第7,332,553号および同第7,384,589号、ならびにBossiらによる刊行物(Bossi et al., 2007)に記載されている通り表面分子を特異的に認識し、これらも細胞種特異的な微小胞を回収および単離するためのツールである。前記の参照文献のそれぞれは、これらの方法に関するその教示のために本明細書に組み入れられる。
本明細書中に記載した方法では、尿サンプルは、1もしくは複数の濾過または遠心分離ステップによって前処理されて、細胞破片および他の非微小胞物質が取り除かれてもよい。例えば、尿サンプルは0.8μmのフイルターを通して濾過されてもよい。適宜、0.8μmのフイルターから得られた濾液は、0.22μmのフイルターを通してさらに濾過されてもよい。尿中微小胞を単離するために、次いで、前処理されたサンプルは濾過濃縮ステップを使用する濃縮される。このステップは、直径10nm超の微小胞を保持し、濃縮するような分画分子量を有するフイルターを利用することを含む。例えば、次いで、サンプルは1mL未満、好ましくは100〜200μLの体積まで濃縮される。例えば、分画分子量は少なくとも100kDaである。好ましくは、分画分子量は100kDaである。
微小胞からの核酸抽出
核酸抽出のための方法は一般に、当該技術分野でよく知られる手順に基づいている。当業者は、特定の生物学的サンプルに好適な抽出手法を選択する。抽出手法の例は、特許公開広報WO2009/100029、US201/00196426、US2011/0003704、US2011/0053157、WO2011/009104、およびWO2011/031892に提供されている。これらの刊行物は、微小胞核酸抽出方法および技術に関係するそれらの開示についての参照により本明細書中に援用される。
本明細書中に記載した方法では、RNアーゼ阻害剤は、微小胞単離および精製後にサンプルに追加されるが、抽出後に核酸の望ましくない分解を予防する目的で微小胞溶解と核酸抽出の前に追加される。微小胞はRNアーゼ阻害剤の存在下で溶解される。次に、溶解物が、微小胞RNAがそのカラムに結合するような当該技術分野で知られている条件下でRNA結合カラムに添加される。適宜、カラムはRNAの質と収率を高めるために洗浄される。次に、RNAは、高品質のRNAが回収されるように当該技術分野で知られている条件下で溶出される。
いくつかの実施形態において、抽出された核酸の質は、18Sおよび28SリボソームRNAを検出し、比を決定することによって評価され得る。18S:28S rRNAの比は、好ましくは約1:1〜約1:2;より好ましくは約1:2である。
いくつかの実施形態において、核酸は、微小胞画分の分離もまたは精製もなしに尿サンプルから抽出されてもよい。
核酸バイオマーカーの検出
バイオマーカー検出は、多くの異なった方法で抽出された核酸においておこなわれ、多くの態様を構成する。いくつかの実施形態において、1もしくは複数の尿サンプルからの核酸バイオマーカーの検出は、抽出された核酸のすべてまたは一部のプロファイルを得ることである。
本明細書中に使用される用語としての、プロファイルとは、核酸の採取物の特定の特徴の説明を指し、そしてそれは、対象からの尿サンプルから単離された微小胞または微小胞画分に含まれる1もしくは複数の核酸の定量または定性分析によって決定できる。基準プロファイルは、独立した対象または対象群から、あるいは同じ対象から異なった時点で入手されたプロファイルと定義される。
微小胞の核酸は1もしくは複数の型の核酸であり、その例は本明細書中に提供される。
核酸はRNAであってもよい。RNAは、コーディングRNA、例えばタンパク質をコードし得るメッセンジャーRNAであってもよい。RNAはまた、非コーディングRNA(ncRNA)、例えば、リボソームRNA、トランスファーRNA、マイクロRNA、ゲノムDNAに由来し得る他の非コーディング転写産物であってもよい。これらの非コーディングRNA転写物としては、サテライト反復から転写される転写産物;およびDNAトランスポゾンまたはレトロトランスポゾンであり得るトランスポゾンを挙げることもできる。好ましくは、核酸はmRNAである。
核酸はDNAであってもよい。DNAは、RNAから逆転写された一本鎖DNA、例えばcDNAである。逆転写は、細胞内の逆転写酵素遺伝子によってコードされた逆転写酵素によって通常媒介される。DNAはまた、DNA複製中に作製された一本鎖DNAであってもよい。ゲノムDNAは、細胞が分裂している間に核内で複製される。複製しているDNAの一部は、その鋳型を離れ、核外にエクスポートされ、微小胞内に詰め込まれることもある。DNAはさらに二本鎖DNAの断片であってもよい。
加えて、DNAは非コーディングDNA(ncDNA)であってもよい。ヒトゲノムは、約20,000種のタンパク質コード遺伝子しか含んでおらず、ゲノムの2%未満に相当する。非コーディングDNA配列対タンパク質コードDNA配列の比は、分化の複雑性に応じて高くなる(Mattick, 2004)。原核生物は25%未満のncDNAを有し、簡単な真核生物は25〜50%を有し、植物および動物などのより複雑な多細胞生物は50%超のncDNAを有し、ヒトは約98.5%のncDNAを有する(Mattick, 2004)。
ゲノムからのncDNAの一部がncRNAsに転写される。ncRNAsは、細胞における多くの重要なプロセス、例えば、酵素(リボザイム)、タンパク質への特異的な結合(アプタマー)、および転写および転写後レベルの両方での遺伝子活性の調整に関与している。
核酸のプロファイルは、当該技術分野における標準プロトコールに応じて単離された微小胞から得られた核酸について分析することで得られる。例えば、DNAの分析は、抽出物中の核酸種を決定するためのマイクロアレイ解析、遺伝子の発現レベルを評価するための定量的PCR、遺伝子内の変異を検出するためのDNA配列決定、および遺伝子のメチル化パターンを検出するための重亜硫酸メチル化アッセイを含めた当該技術分野で知られている1もしくは複数の様々な方法でおこなわれてもよい。
プロファイルを得るために、場合によっては、データ分析がおこなわれてもよい。斯かるデータ分析は、例えば、クラスタリング分析、主成分分析、線形判別分析、受診者動作特性曲線分析、バイナリー分析、Cox比例ハザード分析、サポートベクターマシーンおよび再帰的特徴消去(Recursive Feature Elimination)(SVM−RFE)、最近傍重心(Nearest Centroid)への分類、科学的根拠に基づく分析、または上記の解析技術のいずれかの組み合わせによっておこなわれ得る。
別の例に関して、RNAの分析は、デジタル遺伝子発現(DGE)解析(Lipson et al., 2009)を使用しておこなわれてもよい。RNA分析のさらに別の例に関して、RNAは、消化され、そして、一本鎖cDNAに変換されてもよく、そしてそれは、次いで、Tingら(Ting et al., 2011)による刊行物に記載のようにDNA配列決定装置、例えば、Helicos BioSciences製のHeliScope(商標)Single Molecule Sequencerによる配列解析にかけられてもよい。
他の例では、RNAを、逆転写させて相補的DNA(cDNA)にして、その後にさらに増幅してもよい。そのような逆転写は、単独で行ってもまたは増幅段階と組み合わせて行ってもよい。逆転写および増幅の段階を組み合わせる方法の一例は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)であり、これをさらに定量的であるように改変することもでき、これには例えば、この教示のために参照により本明細書に援用される、米国特許第5,639,606号に記載された定量的RT-PCRがある。方法に関する別の例は2つの別々のステップ:RNAをcDNAに変換するための逆転写から成る第一のステップおよび定量的PCRを使用するDNAの量を定量する第二のステップ、を含む。
核酸増幅方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第5,219,727号)およびその変形物、例えば、インサイチューポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,538,871号)、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,219,727号)、ネステッドポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,556,773号)、自家持続配列複製法およびその変形物(Guatelli et al., 1990)、転写増幅システムおよびその変形物(Kwoh et al., 1989)、Qbレプリカーゼ(Qb Replicase)およびその変形物(Miele et al., 1983)、コールド−PCR(cold-PCR)(Li et al., 2008)、BEAMing(Li et al., 2006)、または任意の他の核酸増幅方法が非限定的に含まれ、その後に、増幅された分子の検出を当業者に周知の方法を用いて行う。特に有用なのは、そのような分子が極めて少数しか存在しない場合の検出のために設計された、核酸分子の検出スキームである。前記の参照文献は、これらの方法に関するそれらの教示のために本明細書に組み入れられる。
いくつかの実施形態において、核酸増幅のステップはおこなわれない。非増幅核酸は、定量的PCR(RT PCR)によって分析できるか、または例えば、次世代配列決定法またはナノストリング技術によって直接分析できる。
単離された微小胞中に存在する核酸の分析は、定量的および/または定性的であり得る。定量分析のためには、単離された微小胞内の関心対象の特定の核酸の、相対的または絶対的な発現レベルを、当技術分野において公知および本明細書中に記載の方法を用いて測定する。定性分析のためには、微小胞内の関心対象の核酸種を、それが野生型であるか変異体であるかを問わず、当技術分野において公知の方法を用いて同定する。
いくつかの実施形態において、核酸バイオマーカーの検出は、遺伝子異常の1つまたは一群の存在または不存在の検出を伴う。「遺伝子異常」という用語は、本明細書中に使用される場合、微小胞内の核酸量ならびに核酸変異体のことを指して用いられる。具体的には、遺伝子異常には、1つの遺伝子(例えば、癌遺伝子)または一群の遺伝子の過剰発現、1つの遺伝子(例えば、p53またはRBなどの腫瘍抑制遺伝子)または一群の遺伝子の過小発現、1つの遺伝子または一群の遺伝子のスプライス変異体の選択的産生、1つの遺伝子または一群の遺伝子の、遺伝子コピー数変異体(CNV)(例えば、二重微小DNA(DNA double minute))(Hahn, 1993)、核酸修飾(例えば、メチル化、アセチル化およびリン酸化)、一塩基多型(SNP)(例えば、Alu構成要素における多型性)、染色体再配列(例えば、逆位、欠失および重複)および突然変異(挿入、欠失、重複、ミスセンス、ナンセンス、同義的または任意の他のヌクレオチド変化)が非限定的に含まれ、それらの突然変異は、多くの場合には、最終的には遺伝子産物の活性および機能に影響を及ぼして、選択的転写スプライシング変異体および/または遺伝子発現レベルの変化、あるいは上記のいずれかの組み合わせを招く。
遺伝子異常は核酸の多くの型で見られる。 そのような遺伝子異常の判定は、当業者に公知の種々の手法によって実施することができる。例えば、核酸の発現レベル、選択的スプライシング変異体、染色体再配列および遺伝子コピー数は、マイクロアレイ分析(米国特許第6,913,879号、同第7,364,848号、同第7,378,245号、同第6,893,837号および同第6,004,755号も参照のこと)および定量的PCRによって決定することができる。コピー数変化は、例えば、Illumina Infinium II全ゲノム遺伝子型判定アッセイ法、またはAgilent Human Genome CGHマイクロアレイを用いて検出することができる(Steemers et al., 2006)。
核酸修飾は、例えば、米国特許第7,186,512号および特許公報WO/2003/023065に記載された方法によってアッセイすることができる。メチル化プロファイルは、Illumina DNA Methylation OMA003 Cancer Panelによって決定することができる。
SNPおよび突然変異は、アレル特異的プローブを用いたハイブリダイゼーション、酵素的突然変異検出、ミスマッチヘテロ二重鎖の化学切断(Cotton et al., 1988)、ミスマッチ塩基のリボヌクレアーゼ切断(Myers et al., 1985)、質量分析(米国特許第6,994,960号、同第7,074,563号および同第7,198,893号)、核酸シークエンシング、一本鎖高次構造多型(SSCP)(Orita et al., 1989)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Fischer and Lerman, 1979a;Fischer and Lerman, 1979b)、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)(Fischer and Lerman, 1979a;Fischer and Lerman, 1979b)、制限断片長多型(RFLP)(Kan and Dozy, 1978a;Kan and Dozy, 1978b)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ法(OLA)、アレル特異的PCR(ASPCR)(米国特許第5,639,611号)、ライゲーション連鎖反応(LCR)およびその変形物(Abravaya et al., 1995;Landegren et al., 1988;Nakazawa et al., 1994)、フローサイトメトリーヘテロ二重鎖分析(WO/2006/113590)およびそれらの組み合わせ/改変物によって検出することができる。
いくつかの実施形態において、突然変異の検出は、バイオマーカーのある変異体を消化するだけで、バイオマーカーの他の変異体は消化しない制限酵素を使用することによっておこなわれる。当該技術分野で知られているように、制限酵素は、ポリヌクレオチドの特定の範囲を忠実に認識するので、そのポリヌクレオチドの範囲内の1もしくは複数のヌクレオチドの変化がポリヌクレオチドをほとんど認知できにくくし、そして、酵素によって消化できにくくする。このように、バイオマーカーの1つの変異体の検出は、酵素によって認識される他の変異体のいくつかまたはすべてを消化することによって助けられてもよい。検出されるべき変異体は、野生型変異体であっても、または突然変異体であってもよい。
遺伝子発現レベルは、遺伝子発現連続分析(SAGE)法(Velculescu et al., 1995)、定量的PCR、定量的な逆転写PCR法、マイクロアレイ解析、および次世代DNA配列決定によって測定することができる。
一般に、遺伝子異常を分析するための方法は、本明細書中に引用されたものに限定されない、数多くの刊行物において報告されており、それらは当業者にとって利用可能である。分析の適切な方法は、分析の具体的な目的、患者の状態/病歴、検出、モニタリングまたは治療をおこなおうとする具体的な癌、疾患または他の医学的状態に依存すると考えられる。
疾患または他の医学的状態に関連しているバイオマーカー
多くのバイオマーカーは、対象の疾患または他の医学的状態の存在または不存在に関連する可能性がある。そのため、本明細書中に開示された方法に従った、単離された微小胞からの核酸抽出物中の斯かるバイオマーカーの存在または不存在の検出は、対象における疾患または他の医学的状態の診断、予後診断、あるいは経過または再発の観察を助ける可能性がある。
ERGは、本明細書中に使用される場合、v−ets赤芽球症ウイルスE26癌遺伝子相同体としても知られている遺伝子、およびあらゆる同定済アイソフォームを指す。例えば、ERGアイソフォームとしては、ERG1、ERG2、ERG3、ERG4、ERG5、ERG6、ERG7、ERG8、およびERG9が挙げられる。ERGはまた、ERG前立腺癌特異的アイソフォーム1(EPC1)およびERG前立腺癌特異的アイソフォーム2(EPC2)も指す。ERGまたはERGのアイソフォームの任意の1つは、前立腺癌のバイオマーカーとして使用できる。
PCA3は、本明細書中に使用される場合、DD3としても知られている遺伝子、およびあらゆる同定済アイソフォームを指し、前立腺癌のバイオマーカーとして有用である。
多くのバイオマーカーはまた、特定の患者のための治療法選択に影響を及ぼすこともわかった。本明細書中に開示された方法に従った、単離された微小胞からの核酸抽出物中の斯かるバイオマーカーの存在または不存在の検出は、所定の患者における治療法選択を助ける可能性がある。
患者のサブグループ
本発明は、例えば、癌、特に侵襲性の強い癌などの疾患に関して診断、予後診断、モニタリング、または治療法選択に役立つように対象からの尿サンプル中の1もしくは複数のバイオマーカーを検出する方法を提供する。
微小胞を単離する個体の選択は、当業者により、種々の要因のうち1つまたは複数の分析に基づいて行われる。そのような検討要因には、対象に特定の疾患(例えば、癌)の家族歴があるか否か、そのような疾患の遺伝的素因があるか否か、素因を指し示す身体症状、または環境的な理由からそのような疾患のリスクが高いか否かがある。環境的な理由には、生活様式、疾患を引き起こすかそれに寄与する作用物質、例えば、大気、土地、水または食事などの中にあるものに対する曝露が含まれる。本明細書中に開示された方法をおこなうための個人を選択する他の理由としては、その疾患を患っていた既往歴、治療法の前または治療法の後にその疾患を有すると現時点で診断されていること、その疾患に対して現時点で治療されていること(治療法を受けていること)、またはその疾患から寛解または回復中であること、が挙げられる。
診断される、モニタリングされる、または他の様式で本願発明の方法が評価される癌は、任意の種類の癌または前癌状態であってよい。これには、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、乳癌、脳癌、結腸癌および前立腺癌などの上皮細胞癌が非限定的に含まれる。同じく含まれるものには、消化管癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、神経系の癌、網膜癌、皮膚癌、肝臓癌、膵癌、腎臓癌、生殖器癌および膀胱癌、黒色腫および白血病がある。加えて、本発明の方法および組成物は、個体における非癌(例えば、神経線維腫、髄膜腫およびシュワノーマ)の検出、診断および予後診断に対しても等しく適用することができる。癌は任意の侵襲性の強い癌であってもよい。いくつかの実施形態において、癌は、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、および尿生殖路に広がった転移癌などの泌尿生殖器の癌である。
本発明は、異なった患者サブグループで有意な診断的および予後診断的価値を有するバイオマーカーを提供する。患者は癌、例えば前立腺癌を患っている。いくつかの実施形態において、1もしくは複数のバイオマーカーは根治的前立腺切除を受けた患者において検出される。いくつかの実施形態において、1もしくは複数のバイオマーカーは特定のグリーソンスコアが与えられた患者において検出される。いくつかの実施形態において、1もしくは複数のバイオマーカーはERGを発現する患者、または癌がERG発現によって決定されるべきと判断される患者において検出される。これらの患者は、本明細書中で「ERG発現体」とも呼ばれる。特定の所定の閾値を超えるERGまたはERG発現の存在は、ERG発現によって決定された癌を確定する。いくつかの実施形態において、1もしくは複数のバイオマーカーはERGを発現しない患者、または癌がERG発現によって決定されないと判断される患者において検出される。これらの患者は、本明細書中で「ERG非発現体」とも呼ばれる。
グリーソン格付けシステムは、前立腺癌に関して他の予後因子または検査と組み合わせて使用されることも多く、予後に関するパラメーターとして当該技術分野で一般的に使用される。前立腺生検サンプルは、例えば、顕微鏡によって調べられ、そして、グリーソンスコアは前立腺腫瘍の構造パターンに基づいて病理学者によって決定される。グリーソンスコアは、正常な腺性組織構造(すなわち、形状、サイズ、および腺の分化)の損失度に基づいている。サンプルには、最も多くみられる腫瘍パターンに対するグレード、および次に最も多くみられる腫瘍パターンに対する第二のグレードが与えられる。同定し得る主要なまたは最も多くみられるパターンと次によく見られるパターンが存在しても;あるいは、1つのグレードだけが存在してもよい。グリーソンパターンは以下の特徴を伴う:
・パターン1−癌性前立腺は正常前立腺組織に非常に類似している。腺は、小さく、よく整っており、密に詰まっている。
・パターン2−組織にはよく整った腺がまだあるが、それらは、大きく、それらの間にはより多くの組織がある。
・パターン3−組織には認識可能な腺がまだあるが、細胞はより暗い。高倍率では、これらの細胞の一部が、腺を残して、周辺組織に浸潤し始めている。
・パターン4−組織には認識可能な腺がわずかしかない。多くの細胞が周辺組織に浸潤している。
・パターン5−組織には認識可能な腺がない。周辺組織中にまさしく細胞シートが存在することが多い。
2つのグレードが、グリーソン合計としても知られるグリーソンスコアを得るために合計される。2〜4のスコアは癌の攻撃性の程度が非常に低い。5〜6のスコアは軽度に侵襲性である。7のスコアは、癌が中程度に侵襲性があることを示す。8〜10のスコアは、癌が非常に侵襲性であることを示す。
膀胱癌または腎臓癌などの他の癌に関して侵襲性の強い癌から侵襲性のない癌を階層化する他の格付けシステムが当該技術分野で知られている。
実施例1:材料と方法:
プライマー/プローブ配列:尿バイオマーカーコホートを検出するためのキットおよび方法は、以下のプライマー/プローブ配列を使用する。以下の略語は、以下の表1で使用される:Integrated DNA Technologies製のプローブは「IDT」と示され、5’−FAMは5’レポーター色素を指し、「3IABkFQ」は3’−IowaBlackクエンチャーを指し、および「ZEN」はIDT製の配列内ZEN(商標)クエンチャーを指す。
Figure 0006966508
Figure 0006966508
実施例2:患者コホート7サンプルの調製
患者集団サンプルを、尿由来微小胞から抽出した核酸からの前立腺癌の検出に有用なバイオマーカーを同定するのに使用した。この実施例で「コホート7」と呼ばれる、258人の対象から成る患者コホートを、この分析に組み入れた。258人の対象のうち、196人は彼らの初めての生検を受け、そして、59人は再度の生検を受けた。最初の生検の患者のうち、87人は陽性の生検結果を有し、そして、109人は陰性の生検結果を有した。再生検患者のうち、15人は陽性の生検結果を有し、そして、44人は陰性の生検結果を有した。
尿サンプル体積は20〜100mLの範囲に及んだ。患者からの尿サンプルの最初の体積分布は、以下のとおりである:サンプル体積(V)が20mLに相当(すなわち、V=20mL)、患者の21%(n=55);サンプル体積が20mL超だが40mL以下(すなわち、20mL<V≦40mL)、患者の27%(n=70);またはサンプル体積が40mL超(すなわち、V>40mL)、患者の52%(n=133)。
コホート7からの尿サンプルを、図1Aおよび1Bで示したように分析した。例えば、尿サンプルを、採取し、0.8μmのフイルターを通して濾過して、微小胞から細胞および他の細胞片を分離し、そして、微小胞の濃度を高めた画分を−80℃で冷凍した。各サンプルからの第一のアリコート(S1)をさらに加工した。追加処理ステップは、遠心分離、濾過濃縮器による濃縮、1〜2回の洗浄ステップ、および/またはRNアーゼ阻害剤の添加を含んでもよい。適宜、分離または核酸抽出の質を判断するために、Qβ粒子などの対照粒子を微小胞分離または核酸抽出前にサンプルに追加してもよい。例えば、Qβ対照欠如のため分析から18人の対象を除外した。
特に、尿サンプルは最初に濾過し、そして、濾液を捨てる。Qβ対照を、適切な濃度(例えば、100コピー)で濾過した尿サンプルのアリコート(例えば、15mL)に加える。次に、アリコートをフイルター濃縮器を通して加工し、そして、濾液を捨てる。滞留物を、濾過した尿サンプルの第二のアリコート(例えば、5mLの濾過した尿)で再懸濁し、そして、フイルター濃縮器を通して加工する。滞留物を、次に、少なくとも一度(例えば、二度)洗浄し、フイルター濃縮器により再度遠心する。RNアーゼ阻害剤を、フイルター濃縮器の上部チャンバーにある滞留物に加え、例えば、2〜3分間、室温でインキュベートする。溶解バッファーを、次に、直接サンプルに添加し、1分間インキュベートする。そして、溶解物を別のコンテナに移して、核酸抽出を続行する。
そして、サンプルを、当該技術分野で周知の方法および高品質のRNAをもたらすのに好適な条件を使用して核酸抽出にかける。12μlの抽出したRNAを、BioAnalyzer Profileによって分析する。抽出したRNAをcDNAに逆転写する(SUPERSCRIPT(登録商標)VILO cDNA Synthesis Kit、Life Technologies)。定量的リアルタイムPCRをcDNAサンプルに対しておこない、PCA3、ERGと、KLK3、およびQβ(1遺伝子あたり2μl)の遺伝子発現を測定する。較正検量線がそれぞれのqPCRプレートに存在した。
プライマーおよびプローブ配列は表1で見ることができる。
実施例3:PCA3およびERG遺伝子発現解析 複合分析を、qPCR実験の遺伝子発現結果を使用しておこなった。ROC曲線を、正規化遺伝子KLK3に対するデルタCtまたはコピー数に基づいて作成した。データ補完は、欠測値を得るのに使用してもよい。正規化遺伝子としてKLK3を使用したPCA3のROC分析は0.727のAUC値をもたらした(図3)。PCA3およびERGのROC曲線分析は0.756の高いAUC値をもたらした(図4)。他の実験では、利用した正規化遺伝子はSPDEFであり(図13)、SPDEF正規化を使用した分析からもたらされたAUC値は、KLK3およびSPDEFが同等に機能したことを示した。
PCA3およびERG遺伝子発現のモデル値または出力値もまた、別の患者コホート(コホート5)のデータ分析から決定した以下の式:
Figure 0006966508
を使用して各サンプルについて計算した。モデルカットオフ値を選択し、例えば、この実施例で使用するカットオフ値は4.7であり、そして、4.7のカットオフモデル値を用いたPCA3およびERGの組み合わせを使用する診断精度を、2×2分析およびグリーソン分析で決定した(図10)。
コホート7のそれぞれのサンプル体積サブグループに関するPCA3およびERG遺伝子発現を使用した2×2分析の結果を、表2a、3aおよび4aにまとめる。PCA3およびERGの組み合わせは、生検によって陽性と認定されたサンプルにおいて前立腺癌の認定に関して84%超の感度であった。特に、データは、20mLの尿サンプル体積で83.6%の感度と58.7%の特異性を有するより良好な診断精度をもたらしたことを実証した。この方法はまた、79.4%の高い陰性適中率、および53.4%の陽性適中率を有した。
さらなる分析は、表2b、3bおよび4bに示したようなそれらのグリーソンスコアによるサンプルの階層化、および表2d、2e、3d、3e、4d、および4eに示したような四分位分析を含んだ。特に、6以上のグリーソンスコアを有する患者のサンプルは、サンプルの70%を正しく認定した。
実施例4:PCA3を含めた三遺伝子モデル
多変量解析を、PCA3を含めた遺伝子セットを使用しておこなった。図15に示したように、PCA3含有モデル(すなわち、AMACR、BIRC5、HOXC6及びSPARCL1などの追加遺伝子をともなったPCA3およびERG)は、PCA3を含まないFTO三遺伝子モデルより一貫して優れていた。図15における正規化のためのいずれかの遺伝子を使用した一貫したAUC値によって示されるように、使用した基準遺伝子はKLK3またはSPDEFであり得る。
三遺伝子モデルはまた、すべてのサンプルと比較して、少量サンプル(すなわち、20mL)を使用したときに改善されたAUC値を有することも示した(図15)。
実施例5:最適な尿サンプル体積
患者コホート7からの尿サンプルは20〜100mLの範囲に及んだ。コホート7の中の20mL以下、40mL以下だが20mL超、および40mL超の体積を有するサンプルの分布を図1に示した。
実施例1及び2に記載のように、微小胞を単離し、RNAを抽出し、そして、バイオマーカー遺伝子発現を測定した。コホート7におけるバイオマーカー(すなわち、PCA3、ERG)の生物統計分析を、コホート中のすべてのサンプルに関するコピー数およびKLK3正規化遺伝子発現に基づくAUCおよびROCプロットを作成することによっておこなった。図3は、PCA3発現解析から作成したAUCがサンプル体積に非常に依存していることを示す。例えば、0.70超のAUCをもたらしたサンプルは、サンプル体積が40mL未満であるサンプルに由来した。逆に、0.60〜0.65の範囲内のAUCをもたらしたサンプルは、40mL超のサンプル体積を有した。図12は、示した遺伝子(PCA3、ERG、AMACR、BIRC5、HOXC6、SPARCL1、およびSPDEF)それぞれと、すべてのサンプルに関してもたらされたAUCと比較した、20mL以下であったサンプルに関してもたらされたAUCとの単変量解析を示す。これらの結果は、20mL以下のサンプルが高いAUC値をもたらし、単一遺伝子の診断能力がより少量の尿サンプルにおいて増強されることを示唆した。SPDEFは正規化に利用される基準遺伝子であり、そのため、AUC値は、よりわずかなサンプル体積でも改善しない。
Ct値よりむしろコピー数に関するバイオマーカー発現の分析もまた、すべてのサンプルと比較して、少量(20mL)のサンプルが改善されたAUC値をもたらしたことを示す(図13)。
実施例6.患者サンプルのスコア化とその統計的な較正
本明細書中に記載した分析では、サンプルが以下の評価基準:(i)最初の生検のみ;(ii)患者の年齢≧50歳;(iii)2〜10ng/mLの範囲内のPSA「グレーゾーン」レベル;および(iv)20〜49mLの尿供与体積、を満たした場合に、それらのサンプルを使用した。高いPSAレベルを有する患者がほとんど必ず生検されていて、且つ、低いPSAレベルを有する患者は通常、他の非PSA決定理由で生検が薦められるだけなので、PSAグレーゾーン内の患者サンプルを選択する。
患者サンプルは、以下のアルゴリズム:
Figure 0006966508
{式中、コピー数はプレート上較正曲線を使用して各遺伝子に関してRGQソフトウェア(Qiagen)を使用して計算され、および式中、カットオフは10である}を使用したEXO106スコアと本明細書中で呼ばれる施設開発試験(LDT)スコアによりスコア化する。10未満のEXO106スコアは、前立腺癌のリスクがより低いスコアである。10以上のEXO106スコアは、前立腺癌のリスクがより高いスコアである。
スコアが、EXO106スコアをより魅力的で読みやすい範囲に変換するために1.83を掛け、そして、16.92を加算することによって補正することによってスケーリングしたことに注意する。しかしながら、このスケーリング及び補正は、分析能力に対して効果はない。EXO106スコアの変換は、0〜30の範囲内にデータの大部分を入れるが、いずれかの末端のスコアの頂点は範囲外である(すなわち、個々のサンプルはこの範囲の外側にスコア化される可能性がある)。EXO106スコアのアルゴリズムは、10のカットオフ値におけるEXO106スコアの陰性適中率(NPV)が前立腺癌予防試験リスク計算(PCPTRC)のNPVより大きくなるように構成され、そこでは、NPVPCPTRCカットオフが少なくとも30%の患者を陰性と予測するように選ばれている。EXO106スコアのアルゴリズムはまた、陰性と予測される患者の割合が少なくとも30%(すなわち、EXO106スコア10未満)になるように設計された。
コホート8(すなわち、C8、n=453サンプル、PSA中央値=5.3ng/mL、および80%のサンプルが2<PSA<10ng/mL)と本明細書中で呼ばれる患者コホートにおける代表的なEXO106スコア分布が図16に示されている。標準的治療(SOC)処置に関するAUCと比較した、任意のグリーソンスコアを有する患者に対するEXO106成績に関するAUCを図17に示し、ここで、SOCに関するAUC=0.595;EXO106に関するAUC=0.738;そして、EXO106+SOCに関するAUC=0.764。図17で使用した患者コホートは以下の特性を有した:すべてのサンプルが、PSAグレーゾーン内にあり、最初の生検だけに由来し、そして、少量尿サンプルに由来した。四分位によるEXO106成績、すなわち、EXO106スコア四分位に対する生検検体で陽性と認定されたサンプルのパーセンテージを、図18A及び18Bに示した。一方、これらのサンプルは、あらゆるグリーソンスコアを有する患者に由来した。
高悪性度前立腺癌、例えば、6超のグリーソンスコアに関するEXO106スコアの成績を図19に示し、グリーソンスコアサブグループに基づくEXO106スコアの成績の概要を図20に示した。
これにより、EXO106スコアが、高悪性度前立腺疾患、例えば、6超のグリーソンスコアを有する疾患の予測を決定するのに有用である。通常、最初の生検と再生検の集団からのサンプルは非常に異なっているので、別々に分析されなければならない。
本発明をいくつかの特定の実施形態を参照しながら開示してきたが、記載された実施形態に対する数多くの修正、変更および変化が、上記および添付の特許請求の範囲において記載される本発明の要旨および範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本発明は、具体的に記載された実施形態に限定されるのではなく、法の下で権利が認められる全範囲が与えられるものとする。
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Claims (9)

  1. 対象において高グリーソンスコア前立腺癌のリスクを決定するために尿サンプルを分析する方法であって、ここで前記高グリーソンスコア前立腺癌が、6よりも高いグリーソンスコアを有し、以下のステップ:
    a.対象から得た尿サンプルから1又は複数のmRNAを抽出し;
    b.PCA3、ERGおよびSPDEFのmRNA発現レベルを検出し;
    c.PCA3およびERGのmRNA発現レベルをSPDEFに対して正規化し;
    d.PCA3およびERGの正規化したmRNA発現レベルに関して式:
    Figure 0006966508
    を使用して出力値を計算して、EXO106スコアを作成し;そして
    e.EXO106スコアを、所定のカットオフ値と比較して、高グリーソンスコア前立腺癌のリスクが高い対象と、高グリーソンスコア前立腺癌のリスクが低い対象とを識別すること、
    を含む、前記方法。
  2. 前記尿サンプルが、膀胱から排尿された最初の40mLである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記尿サンプルが、膀胱から排尿された最初の20mLである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記所定のカットオフ値が10である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップ(a)が、前記尿サンプルから小胞画分を単離し、そして、該微小胞画分から前記1又は複数のmRNAを抽出することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記微小胞画分を単離するステップが、サンプルを処理して細胞および細胞破片を取り除き、そして、前記微小胞画分を限外濾過または濾過濃縮器にかけることによって微小胞画分を濃縮し、そして、該微小胞画分から前記1もしくは複数のmRNAを抽出する前に微小胞画分を洗浄することを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記微小胞画分から前記1もしくは複数のmRNAを抽出する前に、前記微小胞画分にRNアーゼ阻害剤を加えることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. ステップ(a)の前に、前記尿サンプルに既知量の対照粒子を添加し、ここで前記対照粒子が、少なくとも1の標的遺伝子を含む対照核酸を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1の標的遺伝子の発現レベルがステップ(b)で検出され、そして前記少なくとも1の標的遺伝子の検出された発現レベルが、対照粒子の前記既知量と比較される、請求項8に記載の方法。
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