JP6966298B2 - ブーム摺動機構 - Google Patents
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Description
作業機械100が折れ曲げ式のアーム101を搭載している。折れ曲げ式のアーム101は屈曲自在に接続された先端側アーム102と基端側アーム103とを有する。
非作業時には、ブーム106、107が入れ子式にブーム105内に収納されており、先端側アーム102は格納している。作業時には、ブーム106、107がそれぞれ引き出され、先端側アーム102が伸長する。先端側アーム102の伸縮時には、ブーム105内でブーム106が進退し、ブーム106内でブーム107が進退する。
特許文献1の摺動パッド120は板状の樹脂成型体であり、フッ素系樹脂を含有したポリアミド系樹脂で形成している。摺動パッド120の表面が摺動面121をなしている。摺動パッド120はブーム105の先端部の内側面上にボルト123によって固定されており、摺動パッド120の摺動面121がブーム106の外側面と対向している。同様に、ブーム106の先端部の内側面上にも摺動パッド120がボルト123によって固定されている。
また、ブーム106、107の進退の円滑化を図るために、図11に示す摺動部材装置が提唱されている(特許文献2参照)。
摺動パッド120をブーム105、106に締着しているボルト123の軸方向は、ブーム106、107の進退方向に対して直交している。このため、ブーム106、107が進退すると、摺動パッド120とブーム105、106との境界部分において、剪断力がボルト123に働く。この剪断力によるボルト123の破損を防止するには、ボルト123の径を太くしなければならない。ボルト123の径が太くなると、ボルト123の頭部も大きくなる。この結果、摺動パッド120の肉厚を厚くしなければならず好ましくない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、摺動パッドのボルト止めが不要な、簡素化された構造を有するブーム摺動機構を提供することである。
図1及び図2に示す多段式の伸縮ブーム1は従来のものと同様のものであり、箱型のブーム2、3を有する。ブーム2、3はそれぞれ6枚の側板6を有しており、これらの6枚の側板6が六角柱を形成している。ブーム2が第1のブームをなし、ブーム3が第2のブームをなす。ブーム2の内側にブーム3が進退自在に挿嵌されている。ブーム3の進退方向はブーム3の長手方向と一致している。
各ブーム摺動機構10は、装着部材11、対をなす規制部材12、及び、摺動パッド18を有する。
対をなす規制部材12は、図1及び図3(b)に示すように、細長い角柱状を有し且つ摺動パッド18の全長よりも短く構成されている。そして、対をなす押さえ部11aの間の略中間の位置に、押さえ部11aの対向方向と直交する方向に、摺動パッド18を挟んで互いの長手方向に沿った側面12fが対向する姿勢で側板6上に固着されている。対をなす規制部材12は、その側面12fが、それぞれ摺動パッド18の長手方向に沿った側面18fと接する位置に固着されている。また、対をなす規制部材12の肉厚T3は、摺動パッド18の肉厚T1よりも薄く構成され、「T3<T1」の関係が成立している。また、本実施形態では、押さえ部11aの肉厚T2と規制部材12の肉厚T3とは等しくなるように構成され、「T2=T3」の関係が成立している。
次に、本実施形態の摺動パッド18の装着手順の一例について説明する。
即ち、かかる装着手順は、例えば、図4(a)に示すように、まず、摺動パッド18を両手で持って中央付近を支点に変形力を加え、摺動パッド18を上側に凸となるように屈曲させ(弾性変形させ)る。これによって、摺動パッド18の両端部の下端間の直線距離L’を装着部材11の上端間距離Lよりも短い状態にする。つまり、本実施形態の摺動パッド18は、作業者の手の力によって直線距離L’を上端間距離Lよりも短くできる程度の弾性を有する部材から構成されている。次に、図4(b)に示すように、この状態の摺動パッド18を、対をなす押さえ部11aの間に受け入れ部11sと傾斜部18sとが対向するように配置し、その後、加えていた変形力を除去するといった手順となる。
まず、マイナスドライバ等で摺動パッド18を下側(裏面側)から押し上げて弾性変形させ、摺動パッド18を装着部材11の押さえ部11a同士の間から取り外す。磨耗した摺動パッド18を取り外したら、新しい摺動パッド18を例えば上記説明した装着手順にて装着し、新しい摺動パッド18を固定する。
本実施形態に係るブーム摺動機構10は、ブーム2の内側にブーム3が伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブーム1において、ブーム2とブーム3との間に設けられている。このブーム摺動機構10は、ブーム3の後端側の外側面5に装着されて、ブーム2の内側面4に摺接する細長い板状の摺動パッド18と、この摺動パッド18の装着位置を定める装着部材11と、摺動パッド18の位置ずれを規制する一対の規制部材12とを備える。
一対の規制部材12は、摺動パッド18を挟んで一対の押さえ部11aの対向方向と直交する方向に対向して摺動パッド18の側面18fと接する位置に固着されている。
具体的に、摺動パッド18の両端部は、下端側から上端側に向かって長手方向の外側から内側へと向けて上記第1の傾斜面と同じ傾斜角度で連続的に傾斜する第2の傾斜面を有する傾斜部18sとなっている。
この構成であれば、例えば、細長い板状の摺動パッド18を屈曲変形させて直線距離L’を上端間距離Lよりも短くした状態でその両端部(両傾斜部18s)を一対の押さえ部11aの受け入れ部11sに対向させて変形力を除去することで、摺動パッド18がその復元力によって真っ直ぐに戻り、摺動パッド18を装着することが可能である。その際、摺動パッド18の両端の傾斜部18sが受け入れ部11sと上記固着面とで構成された凹部内に嵌入して摺動パッド18が一対の押さえ部11aの間に配置される。これにより、摺動パッド18の摺動方向(ブーム3の伸縮方向)への移動が規制される。更に、受け入れ部11sの上端間距離Lは、摺動パッド18の全長Rよりも短く構成されているため、摺動パッド18の固着面側から離れる方向への移動が規制される。加えて、一対の規制部材12によって押さえ部11aの対向方向と直交する方向の位置ずれが規制される。
また、傾斜部18sと受け入れ部11sとが互いに傾斜角度が同じ傾斜面を有するため、一対の押さえ部11aの間で摺動パッド18が屈曲変形した状態から真っ直ぐな状態に戻る際に傾斜部18sの第2の傾斜面が受け入れ部11sの上端部分等に引っかかることなく円滑に凹部内に嵌入される。その結果、摺動パッド18を、比較的容易に装着することが可能となる。
この構成であれば、摺動パッド18を装着時に受け入れ部11sの第1の傾斜面と傾斜部18sの第2の傾斜面とが略隙間無く当接して摺動パッド18の装着位置を安定して定めることが可能となる。加えて、摺動パッド18の伸縮方向への移動(ガタツキ)を規制することが可能となり、安定した摺接状態を維持してブーム3の円滑な進退をより確実に実現することが可能となる。
この構成であれば、摺動パッド18の短手方向への大きな変形を抑えることが可能となるため、規制部材12を、例えば押さえ部11aの近傍に配置するよりも、より確実に摺動パッド18の脱落を防止することが可能となる。
なお、上記実施形態では、4基のブーム摺動機構10を、ブーム3の6枚の側板6のうち4枚の側板6の外側面5上に設ける構成としたが、この構成に限らない。ブームの形状やサイズ等に応じて3基以下又は5基以上のブーム摺動機構10を設ける構成としてもよい。
例えば、図5(a)〜(b)に示す例では、ブーム3の上側2枚の側板6の後端側の外側面5上にそれぞれブーム摺動機構10を1基ずつ設け、ブーム2の下側2枚の側板7の前端側の内側面4上にそれぞれブーム摺動機構10を1基ずつ設けている。
また、上記実施形態では、装着部材11と規制部材12とを別体とする構成としたが、この構成に限らない。例えば、図7(a)に示す装着部材13に示すように、対をなす押さえ部13aに規制部材12の機能を有する側壁部13bを設ける構成としてもよい。即ち、上記実施形態の受け入れ部11sと同等の受け入れ部13sを設け、その摺動パッド18(図7(a)では図示略)を挟む両端位置にそれぞれ押さえ部13aの対向方向に突出する側壁部13bを設ける。側壁部13bの摺動パッド18を挟んで対向する側の面は、摺動パッド18の長手方向に沿った側面18fと接するように構成されている。このような構成の装着部材13に摺動パッド18を装着することで、側壁部13bが規制部材12と同様の機能を発揮して、摺動パッド18の短手方向の位置ずれを規制することが可能となる。この構成であれば、ブーム摺動機構の部品点数を減らすことが可能となり製造コストを低減することが可能となる。
また、上記実施形態では、装着手順の一例として、摺動パッドの両端側を手で持って変形力を加え摺動パッドを上側に凸に屈曲させて装着する構成を例に挙げたが、この構成に限らず他の装着手順を用いる構成としてもよい。例えば、まず、摺動パッドの一端部を一方の受け入れ部と固着面とで構成される凹部に嵌入し、次に、この嵌入した状態で摺動パッドの他端部側に力を加えてその両端間の直線距離L’又はL2’が上端間距離L又はL2よりも短くなるように屈曲させる。引き続き、この状態の摺動パッドの他端部を他方の受け入れ部に対向する位置まで移動し、その後、変形力を除去するといった装着手順としてもよい。
2、3 ブーム
4 内側面
5 外側面
6、7 側板
10 ブーム摺動機構
11、13、14、15 装着部材
11a、13a、14a、15a 押さえ部
11s、13s、14s、15c 受け入れ部
12 規制部材
13b、14b 側壁部
18、19 摺動パッド
18f 側面
18s 傾斜部
18Ss、19Ss 摺動面
19s 段部
R 摺動パッドの全長
r 受け入れ部の下端間距離
L、L2 受け入れ部の上端間距離
L’、L2’ 屈曲状態の摺動パッドの両端間直線距離
T1 摺動パッドの肉厚
T2 押さえ部の肉厚
T3 規制部材の肉厚
Claims (5)
- 第1のブームの内側に第2のブームが伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブームにおいて、当該第1のブームと当該第2のブームとの間に設けられているブーム摺動機構であって、
前記第1のブームの前端側の内側面又は前記第2のブームの後端側の外側面に装着されて、他方の面に摺接する板状の摺動パッドと、
前記摺動パッドの装着位置を定める装着部材と、
前記摺動パッドの位置ずれを規制する一対の規制部材と、を備え、
前記装着部材は、前記内側面又は前記外側面上に所定間隔を空けて対向して固着された一対の押さえ部を有し、各押さえ部の互いに対向する側には、固着面側を下方として上端側から下端側に向かって前記対向する側からその反対側の面へと連続的又は段階的に近づく構成の対向面を有する受け入れ部が設けられており、
前記一対の規制部材は、前記装着部材と同じ面上に、前記摺動パッドを挟んで前記一対の押さえ部の対向方向と直交する方向に対向して前記摺動パッドの側面と接する位置に固着され、
前記摺動パッドは、弾性変形可能な部材から構成され、且つ、その両端部は前記受け入れ部と前記固着面とで構成される凹部に嵌入可能な形状に構成され、
前記一対の押さえ部は、前記受け入れ部の上端間距離が、前記摺動パッドの全長よりも短く、且つ、屈曲変形時の前記摺動パッドの両端部間の直線距離以上の長さとなるように構成されていることを特徴とするブーム摺動機構。 - 前記受け入れ部は、前記対向面として、上端側から下端側に向かって対向する側からその反対側の面へと向けて連続的に傾斜する第1の傾斜面を有し、
前記摺動パッドの前記両端部は、下端側から上端側に向かって外側から内側へと向けて前記第1の傾斜面と同じ傾斜角度で連続的に傾斜する第2の傾斜面を有する請求項1に記載のブーム摺動機構。 - 前記一対の押さえ部は、前記受け入れ部の下端間距離が、前記摺動パッドの全長に等しい長さとなるように構成されている請求項1又は2に記載のブーム摺動機構。
- 前記一対の押さえ部は、前記第2のブームの進退方向に対向して固着され、
前記摺動パッドは、細長い板状を有し、その長手方向を前記進退方向に一致させて装着されている請求項1から3のいずれか1項に記載のブーム摺動機構。 - 前記一対の規制部材は、前記摺動パッドの長手方向の中央を挟んで対向する位置に固着されている請求項4に記載のブーム摺動機構。
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