JP6966298B2 - ブーム摺動機構 - Google Patents

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Description

本発明は、第1のブームの内側に第2のブームが伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブームにおいて、第2のブームの円滑な進退を可能とするブーム摺動機構に関する。
クレーン等の各種作業機械には、多段式の伸縮ブームが広く用いられている。多段式の伸縮ブームでは、複数のブームが入れ子式に伸縮自在に組み合わさっている。かかる多段式の伸縮ブームの一例を図8及び図9に示す。
作業機械100が折れ曲げ式のアーム101を搭載している。折れ曲げ式のアーム101は屈曲自在に接続された先端側アーム102と基端側アーム103とを有する。
先端側アーム102は箱型であり、多段式の伸縮ブーム105、106、107を有する。ブーム105が最も径方向外側に位置し、ブーム105内にブーム106が進退自在に挿嵌され、ブーム106内にブーム107が進退自在に挿嵌されている。
非作業時には、ブーム106、107が入れ子式にブーム105内に収納されており、先端側アーム102は格納している。作業時には、ブーム106、107がそれぞれ引き出され、先端側アーム102が伸長する。先端側アーム102の伸縮時には、ブーム105内でブーム106が進退し、ブーム106内でブーム107が進退する。
ブーム106、107の進退の円滑化を図るために、図10に示す摺動パッドが提唱されている(特許文献1参照)。
特許文献1の摺動パッド120は板状の樹脂成型体であり、フッ素系樹脂を含有したポリアミド系樹脂で形成している。摺動パッド120の表面が摺動面121をなしている。摺動パッド120はブーム105の先端部の内側面上にボルト123によって固定されており、摺動パッド120の摺動面121がブーム106の外側面と対向している。同様に、ブーム106の先端部の内側面上にも摺動パッド120がボルト123によって固定されている。
座ぐり穴122が摺動パッド120の表面から裏面まで貫通している。座ぐり穴122の座面深さはボルト123の頭部を収納可能な深さであり、ボルト123を締め付けた後、ボルト123の頭部は座ぐり穴122内に納まり、ボルト123の頭部が摺動面121から突出することはない。
また、ブーム106、107の進退の円滑化を図るために、図11に示す摺動部材装置が提唱されている(特許文献2参照)。
特許文献2の摺動部材装置130は、摺動パッド131、シム132及び摺動パッド収納部材133を有する。摺動パッド収納部材133は箱型の形状を有し、摺動パッド131及びシム132を収納している。摺動パッド収納部材133はボルト134によってブーム106後端のボス135に締着されている。同様に、ブーム107後端にも摺動部材装置130が装着されている。
特開平9−12276号公報 特許第3596640号公報
しかしながら、特許文献1の摺動パッド120には以下の問題がある。先端側アーム102が繰り返し伸縮すると、摺動パッド120の摺動面121が磨耗し、やがてボルト123の頭部が摺動面121上に露出し、露出したボルト123の頭部がブーム105、106、107の相対する摺動面と擦れ合う。この結果、ブーム106、107の円滑な進退が妨げられ、先端側アーム102の円滑な伸縮も妨げられる。
ボルト123の頭部が摺動面121上に露出することを防止するには、摺動パッド120の肉厚を厚くし、座ぐり穴122の座面深さを深くすればよい。しかし、外側のブーム105の内寸法をそのまま変えなければ、摺動パッド120の肉厚の増加分だけ、内側のブーム106、107を細くしなければならない。この結果、先端側アーム102の強度が低下して好ましくない。逆に、外側のブーム105の内寸法を大きくするならば、先端側アーム102の質量が増加して好ましくない。
摺動パッド120をブーム105の内側面上に締着させた場合には、ブーム106の内側に摺動パッド120を締着するためのボルト123の先端部がブーム106の外側面から突出することを防止しなければならない。ボルト123の先端部がブーム106の外側面から突出すると、この突出部分がブーム105の内側面に締着した摺動パッド120と擦れ合う。この結果、ブーム106の円滑な伸縮が妨げられ、先端側アーム102の円滑な伸縮も妨げられる。
ブーム106の肉厚を厚くすれば、ボルト123の先端部がブーム106の外側面から突出することを防止できるが、先端側アーム102の質量が増加して好ましくない。
摺動パッド120をブーム105、106に締着しているボルト123の軸方向は、ブーム106、107の進退方向に対して直交している。このため、ブーム106、107が進退すると、摺動パッド120とブーム105、106との境界部分において、剪断力がボルト123に働く。この剪断力によるボルト123の破損を防止するには、ボルト123の径を太くしなければならない。ボルト123の径が太くなると、ボルト123の頭部も大きくなる。この結果、摺動パッド120の肉厚を厚くしなければならず好ましくない。
特許文献2の摺動部材装置130には以下の問題がある。先端側アーム102が繰り返し伸縮すると、摺動パッド131が磨耗して薄くなる。薄くなった摺動パッド131は摺動パッド収納部材133から抜け落ち易い。特に、図8及び図9に示すように、先端側アーム102は様々な角度で回転して様々な姿勢をとる。先端側アーム102が上下を反転させたり直立したりすると、薄くなった摺動パッド131が摺動パッド収納部材133から簡単に抜け落ちてしまう。摺動パッド131が摺動パッド収納部材133から抜け落ちると、ブーム106、107の円滑な伸縮が妨げられる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、摺動パッドのボルト止めが不要な、簡素化された構造を有するブーム摺動機構を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るブーム摺動機構は、第1のブームの内側に第2のブームが伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブームにおいて、当該第1のブームと当該第2のブームとの間に設けられているブーム摺動機構であって、前記第1のブームの前端側の内側面又は前記第2のブームの後端側の外側面に装着されて、他方の面に摺接する板状の摺動パッドと、前記摺動パッドの装着位置を定める装着部材と、前記摺動パッドの位置ずれを規制する一対の規制部材と、を備え、前記装着部材は、前記内側面又は前記外側面上に所定間隔を空けて対向して固着された一対の押さえ部を有し、各押さえ部の互いに対向する側には、固着面側を下方として上端側から下端側に向かって前記対向する側からその反対側の面へと連続的又は段階的に近づく構成の対向面を有する受け入れ部が設けられており、前記一対の規制部材は、前記装着部材と同じ面上に、前記摺動パッドを挟んで前記一対の押さえ部の対向方向と直交する方向に対向して前記摺動パッドの側面と接する位置に固着され、前記摺動パッドは、弾性変形可能な部材から構成され、且つ、その両端部は前記受け入れ部と前記固着面とで構成される凹部に嵌入可能な形状に構成され、前記一対の押さえ部は、前記受け入れ部の上端間距離が、前記摺動パッドの全長よりも短く、且つ、屈曲変形時の前記摺動パッドの両端部間の直線距離以上の長さとなるように構成されている。
本発明によれば、弾性変形可能な部材から構成された板状の摺動パッドを屈曲変形させてその両端部を一対の押さえ部の受け入れ部に対向させて変形力を除去することで、摺動パッドがその復元力によって真っ直ぐに戻り、摺動パッドの両端部が受け入れ部と固着面とで構成される凹部に嵌入することで摺動パッドを装着することが可能である。受け入れ部の上端間距離は、摺動パッドの全長(下端間距離)よりも短く構成されており、押さえ部の対向方向への移動に加えて、固着面側から離れる方向への移動が阻止される。加えて、規制部材によって押さえ部の対向方向と直交する方向の位置ずれが規制されている。そのため、ブームの伸縮動作による摺接やブームの様々な姿勢変化による外力の付加に対して摺動パッドが脱落するのを防ぐことが可能である。加えて、摺動パッドをボルト止めする必要がなく、弾性変形を利用して装着することが可能となるので、工具等を用いずに手作業によって簡易に摺動パッドを装着することが可能である。また、ボルト止めが不要なため、全体の薄型化が容易であり、第1のブームと第2のブームとの間の隙間を小さくすることが可能となる。
本発明に係るブーム摺動機構の斜視図である。 本発明に係るブーム摺動機構の断面構成図である。 本発明に係るブーム摺動機構を構成する各部材の説明図であり、(a)は摺動パッドの斜視図、(b)は装着部材及び規制部材の斜視図である。 摺動パッドの装着作業の説明図である。 ブーム摺動機構の配置位置の変形例を模式的に示す図であり、(a)は伸縮ブームを後端側から見た図であり、(b)は伸縮ブームを前端側から見た図であり、(c)は、後端側に配置されたブーム摺動機構の部分断面構成図であり、(d)は前端側に配置されたブーム摺動機構の部分断面構成図である。 (a)〜(d)は変形例に係るブーム摺動機構の摺動パッドの装着作業の説明図である。 (a)及び(b)は、変形例に係る装着部材の斜視図である。 従来ある作業機械がアームを伸ばした状態の説明図である。 従来ある作業機械がアームを折り曲げた状態の説明図である。 従来例に係る摺動パッドの構成図である。 他の従来例に係る摺動部材装置の構成図である。
以下、本発明に係るブーム摺動機構の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
(構成)
図1及び図2に示す多段式の伸縮ブーム1は従来のものと同様のものであり、箱型のブーム2、3を有する。ブーム2、3はそれぞれ6枚の側板6を有しており、これらの6枚の側板6が六角柱を形成している。ブーム2が第1のブームをなし、ブーム3が第2のブームをなす。ブーム2の内側にブーム3が進退自在に挿嵌されている。ブーム3の進退方向はブーム3の長手方向と一致している。
4基のブーム摺動機構10がブーム3の後端部分の外側面5上に設けられている。ブーム3の6枚の側板6のうち4枚の側板6上に、それぞれ1基のブーム摺動機構10が設けられている。
各ブーム摺動機構10は、装着部材11、対をなす規制部材12、及び、摺動パッド18を有する。
装着部材11は対をなす押さえ部11aを有し、各押さえ部11aは側板6上にそれぞれ固着されており、押さえ部11a同士はブーム3の伸縮方向に所定の間隔をあけて並んでいる。対をなす押さえ部11aは、図3(b)に示すように、互いの対向する側に摺動パッド18を装着するための受け入れ部11sが設けられている。各受け入れ部11sは、押さえ部11aの固着されている側板6の面(以下、「固着面」と称す)側を下方として上端11uから下端11dに向かって所定の傾斜角度(例えば45°)で対向する側とは反対側の面へと向けて傾斜する第1の傾斜面を有している。即ち、受け入れ部11sの互いに対向する側には、固着面と第1の傾斜面とから凹みが形成されている。
摺動パッド18は、図1、図2及び図3(a)に示すように、細長い板状の樹脂成型体であり、フッ素系樹脂を含有したポリアミド系樹脂や、ポリアセタール系樹脂などの良好な摺動特性を持つ弾性変形可能な部材で形成している。摺動パッド18の長手方向両端にはそれぞれ傾斜部18sが形成されている。傾斜部18sは、下端から上端に向かって摺動パッド18の長手方向外側から内側へと向けて所定の傾斜角度(例えば45°)で傾斜する第2の傾斜面を有している。第2の傾斜面の傾斜角度と受け入れ部11sの第1の傾斜面の傾斜角度とは等しい角度に構成されている。また、傾斜部18sの上端部分には丸みが設けられている。また、図2に示すように、正常状態(例えば未使用状態)の摺動パッド18の中央部(傾斜部18sを除く部分)の肉厚T1は、装着部材11の押さえ部11aの肉厚T2よりも厚く構成され、「T1>T2」の関係が成立している。
摺動パッド18は、図1及び図2に示すように、対をなす押さえ部11aの間に挟まれて装着されており、摺動パッド18の長手方向がブーム3の進退方向と一致している。
対をなす規制部材12は、図1及び図3(b)に示すように、細長い角柱状を有し且つ摺動パッド18の全長よりも短く構成されている。そして、対をなす押さえ部11aの間の略中間の位置に、押さえ部11aの対向方向と直交する方向に、摺動パッド18を挟んで互いの長手方向に沿った側面12fが対向する姿勢で側板6上に固着されている。対をなす規制部材12は、その側面12fが、それぞれ摺動パッド18の長手方向に沿った側面18fと接する位置に固着されている。また、対をなす規制部材12の肉厚T3は、摺動パッド18の肉厚T1よりも薄く構成され、「T3<T1」の関係が成立している。また、本実施形態では、押さえ部11aの肉厚T2と規制部材12の肉厚T3とは等しくなるように構成され、「T2=T3」の関係が成立している。
図4(b)に示すように、対をなす押さえ部11aの受け入れ部11sの下端11d間の距離である下端間距離rと、上端11u間の距離である上端間距離Lと、摺動パッド18の長手方向の全長Rとの間には、「R=r>L」の関係が成立している。即ち、摺動パッド18は、その全長Rが装着部材11の上端間距離Lよりも長く且つ下端間距離rと等しくなる寸法に構成されている。
(装着手順)
次に、本実施形態の摺動パッド18の装着手順の一例について説明する。
即ち、かかる装着手順は、例えば、図4(a)に示すように、まず、摺動パッド18を両手で持って中央付近を支点に変形力を加え、摺動パッド18を上側に凸となるように屈曲させ(弾性変形させ)る。これによって、摺動パッド18の両端部の下端間の直線距離L’を装着部材11の上端間距離Lよりも短い状態にする。つまり、本実施形態の摺動パッド18は、作業者の手の力によって直線距離L’を上端間距離Lよりも短くできる程度の弾性を有する部材から構成されている。次に、図4(b)に示すように、この状態の摺動パッド18を、対をなす押さえ部11aの間に受け入れ部11sと傾斜部18sとが対向するように配置し、その後、加えていた変形力を除去するといった手順となる。
これにより、摺動パッド18の復元力によって、図4(c)に示すように、摺動パッド18が屈曲した状態から真っ直ぐな状態へと戻って、その際に傾斜部18sの一部が受け入れ部11sに嵌入し、その第2の傾斜面が受け入れ部11sの第1の傾斜面にぴったりと押し当てられた状態となる。その結果、摺動パッド18は復元力によって押さえ部11a同士の間に固定された状態となる。加えて、摺動パッド18の両側面18fは、対となる規制部材12の対向する側面12fと当接した状態となり、摺動パッド18の短手方向への位置ずれが規制された状態となる。
また、正常状態の摺動パッド18の中央部の肉厚T1と、押さえ部11a及び規制部材12の肉厚T2及びT3との大小関係(T1>T2=T3)から、摺動パッド18の中央部の上側の部分は、押さえ部11a及び規制部材12よりも上側に突出した状態となる。そして、この状態の摺動パッド18の上端面は摺動面18Ssをなし、ブーム2の内側面4に摺接される。摺動パッド18は良好な摺動特性を持つ部材で形成しているので、ブーム3は円滑に進退することができる。
また、ブーム3が繰り返し進退し、摺動パッド18が磨耗し、摺動パッド18の中央部の肉厚T1が押さえ部11a及び規制部材12の肉厚T2及びT3に近づいてきたら、磨耗した摺動パッド18を新しい摺動パッド18と交換する。
まず、マイナスドライバ等で摺動パッド18を下側(裏面側)から押し上げて弾性変形させ、摺動パッド18を装着部材11の押さえ部11a同士の間から取り外す。磨耗した摺動パッド18を取り外したら、新しい摺動パッド18を例えば上記説明した装着手順にて装着し、新しい摺動パッド18を固定する。
(実施形態の作用及び効果)
本実施形態に係るブーム摺動機構10は、ブーム2の内側にブーム3が伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブーム1において、ブーム2とブーム3との間に設けられている。このブーム摺動機構10は、ブーム3の後端側の外側面5に装着されて、ブーム2の内側面4に摺接する細長い板状の摺動パッド18と、この摺動パッド18の装着位置を定める装着部材11と、摺動パッド18の位置ずれを規制する一対の規制部材12とを備える。
装着部材11は、ブーム3の進退方向に所定間隔を空けて対向して並べて固着された一対の押さえ部11aを有し、各押さえ部11aの対向する側には、固着面(外側面5)側を下方として上端側から下端側に向かって対向する側からその反対側の面へと向けて連続的に傾斜する第1の傾斜面を有する受け入れ部11sが設けられている。
一対の規制部材12は、摺動パッド18を挟んで一対の押さえ部11aの対向方向と直交する方向に対向して摺動パッド18の側面18fと接する位置に固着されている。
摺動パッド18は、弾性変形可能な部材から構成され、且つ、その両端部は受け入れ部11sと押さえ部11aの固着面とで構成される凹部に嵌入可能な形状に構成されている。
具体的に、摺動パッド18の両端部は、下端側から上端側に向かって長手方向の外側から内側へと向けて上記第1の傾斜面と同じ傾斜角度で連続的に傾斜する第2の傾斜面を有する傾斜部18sとなっている。
そして、一対の押さえ部11aの対向間距離の最短距離となる受け入れ部11sの上端間距離Lは、摺動パッド18の全長Rよりも短く、且つ、屈曲変形時の摺動パッド18の両端部間(傾斜部18sの下端間)の直線距離L’以上の長さに構成されている。
この構成であれば、例えば、細長い板状の摺動パッド18を屈曲変形させて直線距離L’を上端間距離Lよりも短くした状態でその両端部(両傾斜部18s)を一対の押さえ部11aの受け入れ部11sに対向させて変形力を除去することで、摺動パッド18がその復元力によって真っ直ぐに戻り、摺動パッド18を装着することが可能である。その際、摺動パッド18の両端の傾斜部18sが受け入れ部11sと上記固着面とで構成された凹部内に嵌入して摺動パッド18が一対の押さえ部11aの間に配置される。これにより、摺動パッド18の摺動方向(ブーム3の伸縮方向)への移動が規制される。更に、受け入れ部11sの上端間距離Lは、摺動パッド18の全長Rよりも短く構成されているため、摺動パッド18の固着面側から離れる方向への移動が規制される。加えて、一対の規制部材12によって押さえ部11aの対向方向と直交する方向の位置ずれが規制される。
以上の構成によって、伸縮ブーム1の伸縮動作や伸縮ブーム1の様々な姿勢変化による外力の付加に対して摺動パッド18が脱落するのを防ぐことが可能である。更に、摺動パッド18をボルト止めする必要がなく、弾性変形を利用して装着することが可能となるので、工具等を用いずに手作業によって簡易に摺動パッド18を装着することが可能である。
また、摺動パッド18の装着にボルト等が不要であるため、装着部材11、規制部材12及び摺動パッド18の肉厚を薄くすることが容易である。これによって、ブーム摺動機構10の全体の厚さを薄くすることが可能である。ブーム摺動機構10の全体の厚さが薄くなれば、ブーム2とブーム3との間の隙間を狭くできるので、ブーム2の内側のブーム3を太くでき、伸縮ブーム1の強度を高めることが可能となる。
また、装着部材11の肉厚のみを薄くすれば、摺動パッド18の磨耗代を大きくすることができ、摺動パッド18の交換頻度を減らすことが可能である。
また、傾斜部18sと受け入れ部11sとが互いに傾斜角度が同じ傾斜面を有するため、一対の押さえ部11aの間で摺動パッド18が屈曲変形した状態から真っ直ぐな状態に戻る際に傾斜部18sの第2の傾斜面が受け入れ部11sの上端部分等に引っかかることなく円滑に凹部内に嵌入される。その結果、摺動パッド18を、比較的容易に装着することが可能となる。
また、本実施形態に係るブーム摺動機構10は、更に、一対の押さえ部11aが、受け入れ部11sの下端間距離rが、摺動パッド18の全長Rに等しい長さとなるように構成されている。
この構成であれば、摺動パッド18を装着時に受け入れ部11sの第1の傾斜面と傾斜部18sの第2の傾斜面とが略隙間無く当接して摺動パッド18の装着位置を安定して定めることが可能となる。加えて、摺動パッド18の伸縮方向への移動(ガタツキ)を規制することが可能となり、安定した摺接状態を維持してブーム3の円滑な進退をより確実に実現することが可能となる。
また、本実施形態に係るブーム摺動機構10は、一対の規制部材12が、摺動パッド18の長手方向の中央を挟んで対向する位置に固着されている。
この構成であれば、摺動パッド18の短手方向への大きな変形を抑えることが可能となるため、規制部材12を、例えば押さえ部11aの近傍に配置するよりも、より確実に摺動パッド18の脱落を防止することが可能となる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、4基のブーム摺動機構10を、ブーム3の6枚の側板6のうち4枚の側板6の外側面5上に設ける構成としたが、この構成に限らない。ブームの形状やサイズ等に応じて3基以下又は5基以上のブーム摺動機構10を設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、4基のブーム摺動機構10を、全てブーム3側に設ける構成としたが、この構成に限らない。例えば、4基のブーム摺動機構10を、ブーム2側に全て設ける構成や、ブーム3側に2基とブーム2側に2基とそれぞれに分けて設ける構成とするなど他の構成としてもよい。
例えば、図5(a)〜(b)に示す例では、ブーム3の上側2枚の側板6の後端側の外側面5上にそれぞれブーム摺動機構10を1基ずつ設け、ブーム2の下側2枚の側板7の前端側の内側面4上にそれぞれブーム摺動機構10を1基ずつ設けている。
この構成とした場合は、図5(c)に示すように、ブーム後端側にて側板6上に設けられたブーム摺動機構10がブーム2の内側面4と摺接し、図5(d)に示すように、ブーム前端側にて側板7上に設けられたブーム摺動機構10がブーム3の外側面5と摺接する。この構成であれば、上記実施形態と同様に伸縮ブーム1の姿勢が様々な姿勢に変化しても各2つのブーム摺動機構10がバランス良く摺接してブーム3の円滑な進退を可能とする。
また、上記実施形態では、摺動パッド18の両端部(両傾斜部18s)と、一対の押さえ部11aの受け入れ部11sとを所定傾斜角度(例えば45°)の傾斜形状としたが、この構成に限らない。例えば、図6(a)の摺動パッド19に示すように、その両端部に下端側に長手方向の外側に凸となる凸部を有する階段状の段部19sを有する構成としてもよい。この場合は、図6(c)に示すように、装着部材15の一対の押さえ部15aの受け入れ部15cの形状が、上端側に、対向する側(内側)に凸となる凸部を有する形状となる。なお、この凸部によって形成される下端側の部分と固着面とで構成される凹部に段部19sの凸部が嵌入可能な形状とする。この場合、摺動パッド19の全長R2は、受け入れ部15cの上端間距離L2よりも長くする。即ち、「R2>L2」の関係が成立している。装着手順は、上記実施形態の摺動パッド18の装着手順の一例を採用でき、まず、図6(b)に示すように、摺動パッド19を屈曲変形させてその両端間の直線距離L2’を上端間距離L2よりも短くする。次に、この状態の摺動パッド19を、対をなす押さえ部15aの間に受け入れ部15cと段部19sとが対向するように配置し、その後、加えていた変形力を除去するといった手順となる。これにより、摺動パッド19の復元力によって、図6(d)に示すように、摺動パッド19が屈曲した状態から真っ直ぐな状態へと戻って、その際に段部19sの下端側の凸部が受け入れ部15cの下端側の凹部に嵌入し、摺動パッド19は復元力によって押さえ部15a同士の間に固定された状態となる。この状態において、摺動パッド19の表面は摺動面19Ssをなす。
なお、摺動パッドの両端部の形状や受け入れ部の形状は、図6に示す形状に限らず、同様の機能を有する形状であれば他の形状としてもよい。
また、上記実施形態では、装着部材11と規制部材12とを別体とする構成としたが、この構成に限らない。例えば、図7(a)に示す装着部材13に示すように、対をなす押さえ部13aに規制部材12の機能を有する側壁部13bを設ける構成としてもよい。即ち、上記実施形態の受け入れ部11sと同等の受け入れ部13sを設け、その摺動パッド18(図7(a)では図示略)を挟む両端位置にそれぞれ押さえ部13aの対向方向に突出する側壁部13bを設ける。側壁部13bの摺動パッド18を挟んで対向する側の面は、摺動パッド18の長手方向に沿った側面18fと接するように構成されている。このような構成の装着部材13に摺動パッド18を装着することで、側壁部13bが規制部材12と同様の機能を発揮して、摺動パッド18の短手方向の位置ずれを規制することが可能となる。この構成であれば、ブーム摺動機構の部品点数を減らすことが可能となり製造コストを低減することが可能となる。
また、装着部材13の側壁部13bを、対をなす押さえ部13a間で接続して一対の抑え部と規制部とを一体形成する構成としてもよい。即ち、図7(b)の装着部材14に示すように、対をなす押さえ部14aの互いに対向する側に、上記実施形態の受け入れ部11sと同等の受け入れ部14sを設け、その摺動パッド18(図7(b)では図示略)を挟んだ両端位置にそれぞれ押さえ部14a同士を接続する形で側壁部14bを設ける。なお、側壁部14bの摺動パッド18を挟んで対向する側の面は、摺動パッド18の長手方向に沿った側面と接するように構成されている。
この構成であれば、装着部材と規制部材とを複数に分けることなく一体形成することが可能となり製造コストを低減することが可能となる。加えて、摺動パッド18の全周囲を壁で囲んだ形となるため、外力による変形をより確実に抑え、摺動パッド18の位置ずれをより確実に防ぐことが可能となる。
また、上記実施形態では、装着手順の一例として、摺動パッドの両端側を手で持って変形力を加え摺動パッドを上側に凸に屈曲させて装着する構成を例に挙げたが、この構成に限らず他の装着手順を用いる構成としてもよい。例えば、まず、摺動パッドの一端部を一方の受け入れ部と固着面とで構成される凹部に嵌入し、次に、この嵌入した状態で摺動パッドの他端部側に力を加えてその両端間の直線距離L’又はL2’が上端間距離L又はL2よりも短くなるように屈曲させる。引き続き、この状態の摺動パッドの他端部を他方の受け入れ部に対向する位置まで移動し、その後、変形力を除去するといった装着手順としてもよい。
1 伸縮ブーム
2、3 ブーム
4 内側面
5 外側面
6、7 側板
10 ブーム摺動機構
11、13、14、15 装着部材
11a、13a、14a、15a 押さえ部
11s、13s、14s、15c 受け入れ部
12 規制部材
13b、14b 側壁部
18、19 摺動パッド
18f 側面
18s 傾斜部
18Ss、19Ss 摺動面
19s 段部
R 摺動パッドの全長
r 受け入れ部の下端間距離
L、L2 受け入れ部の上端間距離
L’、L2’ 屈曲状態の摺動パッドの両端間直線距離
T1 摺動パッドの肉厚
T2 押さえ部の肉厚
T3 規制部材の肉厚

Claims (5)

  1. 第1のブームの内側に第2のブームが伸縮自在に挿嵌されている伸縮ブームにおいて、当該第1のブームと当該第2のブームとの間に設けられているブーム摺動機構であって、
    前記第1のブームの前端側の内側面又は前記第2のブームの後端側の外側面に装着されて、他方の面に摺接する板状の摺動パッドと、
    前記摺動パッドの装着位置を定める装着部材と、
    前記摺動パッドの位置ずれを規制する一対の規制部材と、を備え、
    前記装着部材は、前記内側面又は前記外側面上に所定間隔を空けて対向して固着された一対の押さえ部を有し、各押さえ部の互いに対向する側には、固着面側を下方として上端側から下端側に向かって前記対向する側からその反対側の面へと連続的又は段階的に近づく構成の対向面を有する受け入れ部が設けられており、
    前記一対の規制部材は、前記装着部材と同じ面上に、前記摺動パッドを挟んで前記一対の押さえ部の対向方向と直交する方向に対向して前記摺動パッドの側面と接する位置に固着され、
    前記摺動パッドは、弾性変形可能な部材から構成され、且つ、その両端部は前記受け入れ部と前記固着面とで構成される凹部に嵌入可能な形状に構成され、
    前記一対の押さえ部は、前記受け入れ部の上端間距離が、前記摺動パッドの全長よりも短く、且つ、屈曲変形時の前記摺動パッドの両端部間の直線距離以上の長さとなるように構成されていることを特徴とするブーム摺動機構。
  2. 前記受け入れ部は、前記対向面として、上端側から下端側に向かって対向する側からその反対側の面へと向けて連続的に傾斜する第1の傾斜面を有し、
    前記摺動パッドの前記両端部は、下端側から上端側に向かって外側から内側へと向けて前記第1の傾斜面と同じ傾斜角度で連続的に傾斜する第2の傾斜面を有する請求項1に記載のブーム摺動機構。
  3. 前記一対の押さえ部は、前記受け入れ部の下端間距離が、前記摺動パッドの全長に等しい長さとなるように構成されている請求項1又は2に記載のブーム摺動機構。
  4. 前記一対の押さえ部は、前記第2のブームの進退方向に対向して固着され、
    前記摺動パッドは、細長い板状を有し、その長手方向を前記進退方向に一致させて装着されている請求項1から3のいずれか1項に記載のブーム摺動機構。
  5. 前記一対の規制部材は、前記摺動パッドの長手方向の中央を挟んで対向する位置に固着されている請求項4に記載のブーム摺動機構。
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