以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成システム(画像形成システム1)の一構成例を表すものである。なお、本発明の実施の形態に係る画像形成条件の設定方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
画像形成システム1は、パーソナルコンピュータ10と、スキャナ11と、画像形成装置20と、サーバ40とを備えている。画像形成システム1は、例えば厚紙やクリアファイルなどのプラスチック媒体などの特殊な記録媒体9Bに画像を形成する際に、記録媒体9Bに実際に形成された画像に基づいて、画像形成装置20における画像形成条件を設定するものである。具体的には、画像形成システム1では、まず、画像形成装置20が、サーバ40から供給された印刷データDPに基づいて、特殊な記録媒体9Bに所定の画像(診断チャートDC)を形成する。次に、スキャナ11がユーザの操作に基づいてその記録媒体9Bから診断チャートDCを読み取ることにより画像データ(読取画像データDR)を生成し、パーソナルコンピュータ10が、その読取画像データDRをサーバ40に供給する。サーバ40は、読取画像データDRに基づいて画像診断を行うことにより、記録媒体9Bに形成された画像の不具合を解析する。そして、サーバ40は、その診断結果に基づいて、画像の不具合を改善するための画像形成条件を示すプロセス設定データDSを生成する。
図2は、プロセス設定データDSの一例を表すものである。プロセス設定データDSには、そのプロセス設定データDSを識別するためのプロセス設定識別子ID(この例では“MEDIA_A”)が設定されている。また、プロセス設定データDSは、画像形成装置20の定着部75(後述)における定着温度、画像形成装置20の転写ローラ92(後述)に印加される転写電圧、単位時間あたりに画像形成を行うことができるページ数を示す印刷速度、後述する最大層厚などの様々なプロセス設定を含んでいる。なお、プロセス設定データDSは、定着温度、転写電圧、印刷速度、および最大層厚に限定されるものではなく、その他の様々なパラメータを含んでいてもよい。
そして、サーバ40は、このようなプロセス設定データDSを画像形成装置20に供給する。画像形成装置20は、このプロセス設定データDSを登録する。画像形成装置20は、これ以降において、このプロセス設定データDSに基づいて画像形成条件を設定することにより、記録媒体9Bに画像を形成することができる。これにより、画像形成システム1では、記録媒体9Bにおける画質を高めることができるようになっている。
(パーソナルコンピュータ10)
パーソナルコンピュータ10は、例えば、ユーザが操作することにより文書などを作成するものである。パーソナルコンピュータ10には、オペレーティングシステム、ワードプロセッサソフトウェアやWEB(World Wide Web)ブラウザソフトウェアなどの各種アプリケーションソフトウェア、プリンタドライバなどがインストールされている。パーソナルコンピュータ10は、ネットワークNETに接続されている。このネットワークNETは、この例では有線のLAN(Local Area Network)であり、図示しないルータを介してインターネットINETに接続されている。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば無線のLANであってもよい。
パーソナルコンピュータ10は、例えば、ユーザがワードプロセッサソフトウェアを操作することにより、文書データを作成する。そして、パーソナルコンピュータ10は、プリンタドライバを用いて、この文書データに基づいて印刷データDPを生成する。印刷データDPは、印刷すべき画像を示す画像データDTと、使用すべきプロセス設定データDSを指示するプロセス設定識別子IDとを含んでいる。印刷データDPは、画像形成装置20が解釈可能なPJL(Printer Job Language)を用いて記述されたものである。具体的には、印刷データDPは、PS(PostScript(登録商標))やPCL(Printer Control Language)などのPDL(Printer Description Language)を用いて記述されている。そして、パーソナルコンピュータ10は、この印刷データDPを、ネットワークNETを介して画像形成装置20に供給するようになっている。
また、パーソナルコンピュータ10は、後述するように、ユーザがWEBブラウザソフトウェアを操作することにより、ネットワークNETおよびインターネットINETを介して、サーバ40にアクセスする機能をも有している。これにより、パーソナルコンピュータ10は、サーバ40に対して、診断チャートDCを示す画像データDTを含む印刷データDPを画像形成装置20に供給するように指示するとともに、パーソナルコンピュータ10から供給された読取画像データDRに基づいて画像診断を行い、その診断結果に基づいて生成されたプロセス設定データDSを画像形成装置20に供給するように指示するようになっている
(スキャナ11)
スキャナ11は、光走査を行うことにより、記録媒体9に印刷された画像を読み取るものである。スキャナ11は、例えば、光走査を行う読取ヘッドの移動速度および読取タイミングを変更することにより、複数の解像度で画像を読み取ることができるようになっている。この例では、スキャナ11は、診断チャートDCが印刷された記録媒体9Bから、この診断チャートDCを読み取ることにより、読取画像データDRを生成する。具体的には、スキャナ11は、高い解像度で診断チャートDCを読み取ることにより、高解像度の読取画像データDRHを生成し、低い解像度で診断チャートDCを読み取ることにより、低解像度の読取画像データDRLを生成する。読取画像データDRHの解像度は、後述する画像の不具合(後述するパターンPAT1〜PAT4)を目視で判別できる程度の解像度であり、この例では300[dpi]である。読取画像データDRLの解像度は、後述する画像の不具合のうちのかすれ(後述するパターンPAT3,PAT4におけるかすれたちり状のパターン)を目視で判別できない程度の解像度であり、この例では120[dpi]である。この例では、読取画像データDRにおける各画素の画素値は、256階調の値である。スキャナ11は、パーソナルコンピュータ10に接続されている。スキャナ11は、生成した読取画像データDRをパーソナルコンピュータ10に供給する。そして、パーソナルコンピュータ10は、この読取画像データDRをサーバ40に供給するようになっている。
(画像形成装置20)
画像形成装置20は、この例では、4色(黄色、マゼンタ色、シアン色、および黒色)のトナーを用いて、記録媒体9に画像を形成するものである。画像形成装置20は、普通紙、OHPフィルム、光沢紙などの一般的に使用される記録媒体9Aに加え、厚紙やクリアファイルなどのプラスチック媒体などの特殊な記録媒体9Bにも画像を形成することができるようになっている。画像形成装置20は、通信部21と、処理部30と、記憶部22と、画像形成部23とを有している。
通信部21は、ネットワークNETを介して通信を行うものであり、この例では、パーソナルコンピュータ10やサーバ40から送信された印刷データDP、およびサーバ40から供給されたプロセス設定データDSを受信するものである。プロセス設定データDSは、印刷データDPと同様に、PJLを用いて記述されている。
処理部30は、様々な処理を行うものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などを用いて構成されている。処理部30は、データ解析部31と、画像処理部32と、プロセス設定部33とを有している。
データ解析部31は、通信部21が受信したデータを解析するものである。そして、データ解析部31は、受信したデータが印刷データDPである場合には、その印刷データDPを画像処理部32に供給し、受信したデータがプロセス設定データDSである場合には、そのプロセス設定データDSをプロセス設定部33に供給するようになっている。
画像処理部32は、データ解析部31から供給された印刷データDPに基づいてページデータDP2を生成し、このページデータDP2を画像形成部23に供給するものである。具体的には、画像処理部32は、まず、印刷データDPを解析し、印刷データDPに含まれるプロセス設定識別子IDをプロセス設定部33に供給する。また、画像処理部32は、印刷データDPに含まれる画像データDTに基づいて、描画処理P1、色変換処理P2、層厚制御処理P3、階調補正処理P4、およびハーフトーン処理P5をこの順に行う。例えば、描画処理P1は、画像データDTに基づいて、ラスタライズされたページデータDP1を生成するものである。また、例えば、層厚制御処理P3は、色変換処理P2の結果、記録媒体9における4色のトナーによるトナー層の厚さが所定の厚さ(最大層厚)を超えると見込まれる場合に、黄色、マゼンタ色、およびシアン色のトナー量を減らすとともに、黒色のトナー量を増やすことにより、トナー層の厚さを薄くするように制御するものである。すなわち、トナー層が厚くなりすぎると、例えばトナー像を記録媒体9に転写しにくくなるおそれがあるので、画像処理部32は、トナー層の厚さが所定の最大層厚以下になるように、層厚制御処理P3を行う。この最大層厚は、プロセス設定データDSに含まれる最大層厚についての情報に基づいて制御される。そして、画像処理部32は、ハーフトーン処理P5によりページデータDP2を生成し、このページデータDP2を画像形成部23に供給するようになっている。
プロセス設定部33は、データ解析部31から供給されたプロセス設定データDSを記憶部22に登録するものである。また、プロセス設定部33は、画像処理部32から供給されたプロセス設定識別子IDに基づいて、記憶部22から、そのプロセス設定識別子IDに対応するプロセス設定データDSを読み出す機能をも有している。そして、プロセス設定部33は、読み出したプロセス設定データDSに含まれる最大層厚についての情報を画像処理部32に供給するとともに、プロセス設定データDSを画像形成部23内のコントローラ(図示せず)に供給するようになっている。
記憶部22は、複数のプロセス設定データDSを記憶するものであり、例えば、不揮発性メモリなどを用いて構成される。
図3は、記憶部22に記憶された複数のプロセス設定データDSの一例を表すものである。この例では、記憶部22は、5つのプロセス設定データDS(プロセス設定データDS1〜DS5)を記憶している。
プロセス設定データDS1は、プロセス設定識別子IDが“PP_PLAIN”に設定されたプロセス設定データDSであり、普通紙に画像を形成する際に良好な画質を得るためのプロセス設定を含んでいる。プロセス設定データDS2は、プロセス設定識別子IDが“P_OHP”に設定されたプロセス設定データDSであり、OHPフィルムに画像を形成する際に良好な画質を得るためのプロセス設定を含んでいる。プロセス設定データDS3は、プロセス設定識別子IDが“P_GLOSSY”に設定されたプロセス設定データDSであり、光沢紙に画像を形成する際に良好な画質を得るためのプロセス設定を含んでいる。これらのプロセス設定データDS1〜DS3は、画像形成装置20にプリセットされたものであり、記憶部22に書き換えできないように記憶されている。
プロセス設定データDS4は、プロセス設定識別子IDが“MEDIA_A”に設定されたプロセス設定データDSであり、ある特殊な記録媒体に画像を形成する際に良好な画質を得るためのプロセス設定を含んでいる。プロセス設定データDS5は、プロセス設定識別子IDが“MEDIA_B”に設定されたプロセス設定データDSであり、他のある特殊な記録媒体に画像を形成する際に良好な画質を得るためのプロセス設定を含んでいる。これらのプロセス設定データDS4,DS5は、この例ではサーバ40から供給されたものであり、記憶部22に書き換え可能に記憶されている。
画像形成部23は、画像処理部32から供給されたページデータDP2、およびプロセス設定部33から供給されたプロセス設定データDSに基づいて、記録媒体9に画像を形成するものである。以下に、この画像形成部23の構成について、詳細に説明する。
図4は、画像形成装置20における画像形成部23の一構成例を表すものである。画像形成部23は、ホッピングローラ72と、レジストローラ73と、4つの現像ユニット80(現像ユニット80K,80Y,80M,80C)と、4つのトナー収容部88(トナー収容部88K,88Y,88M,88C)と、4つのLED(Light Emitting Diode)ヘッド89(LEDヘッド89K,89Y,89M,89C)と、転写部90と、定着部75と、排出ローラ78とを備えている。これらの部材は、記録媒体9を搬送する搬送路70に沿って配置されている。
ホッピングローラ72は、媒体収納部71に収納されている記録媒体9をその最上部から1枚ずつ取り出し、取り出した記録媒体9を搬送路70に送り出す部材である。レジストローラ73は、搬送路70を挟む1対のローラにより構成される部材であり、ホッピングローラ72から供給された記録媒体9の斜行を矯正するとともに、搬送路70に沿って記録媒体9を搬送するものである。
4つの現像ユニット80は、トナー像を形成するものである。具体的には、現像ユニット80Kは、黒色(K)のトナー像を形成するものであり、現像ユニット80Yは、黄色(Y)のトナー像を形成するものであり、現像ユニット80Mは、マゼンタ色(M)のトナー像を形成するものであり、現像ユニット80Cは、シアン色(C)のトナー像を形成するものである。この例では、4つの現像ユニット80は、記録媒体9の搬送方向Fにおいて、現像ユニット80K,80Y,80M,80Cの順に配置されている。各現像ユニット80は、着脱可能に構成されている。
4つのトナー収容部88は、トナーを収容するものである。具体的には、トナー収容部88Kは黒色のトナーを収容し、トナー収容部88Yは黄色のトナーを収容し、トナー収容部88Mはマゼンタ色のトナーを収容し、トナー収容部88Cはシアン色のトナーを収容するようになっている。4つのトナー収容部88は、対応する4つの現像ユニット80に対してそれぞれ着脱可能に構成されている。
図5は、現像ユニット80の一構成例を表すものである。なお、この図5は、トナー収容部88をも描いている。現像ユニット80は、感光ドラム81と、クリーニングブレード82と、帯電ローラ84と、現像ローラ85と、規制ブレード86と、供給ローラ87とを有している。
感光ドラム81は、表面(表層部分)に静電潜像を担持する部材である。感光ドラム81は、ドラムモータ(図示せず)から伝達された動力により、この例では時計回りで回転する。感光ドラム81は、帯電ローラ84により帯電し、LEDヘッド89により露光される。具体的には、現像ユニット80Kの感光ドラム81はLEDヘッド89Kにより露光され、現像ユニット80Yの感光ドラム81はLEDヘッド89Yにより露光され、現像ユニット80Mの感光ドラム81はLEDヘッド89Mにより露光され、現像ユニット80Cの感光ドラム81はLEDヘッド89Cにより露光される。これにより、各感光ドラム81の表面には、静電潜像が形成される。そして、感光ドラム81に、現像ローラ85によりトナーが供給されることにより、感光ドラム81には、静電潜像に応じたトナー像が形成されるようになっている。
クリーニングブレード82は、感光ドラム81の表面(表層部分)に残留するトナーを掻き取ってクリーニングする部材である。クリーニングブレード82は、例えばゴムを用いて構成され、先端が感光ドラム81に当接するように配置されている。クリーニングブレード82は、例えば、感光ドラム81の表面において転写されずに残留したトナーを掻き取る。そして、掻き取られたトナーは、トナーボックス83に収容されるようになっている。
帯電ローラ84は、感光ドラム81の表面(表層部分)を略均一に帯電させる部材である。帯電ローラ84は、感光ドラム81の表面(周面)に接するように配置されており、所定の押し付け量で感光ドラム81に押し付けられるように配置されている。帯電ローラ84は、感光ドラム81の回転に応じて、この例では反時計回りで回転する。帯電ローラ84には、電圧制御部(図示せず)により帯電電圧が印加されるようになっている。
現像ローラ85は、トナーを表面に担持する部材である。現像ローラ85は、感光ドラム81の表面(周面)に接するように配置されており、所定の押し付け量で感光ドラム81に押し付けられるように配置されている。現像ローラ85は、ドラムモータ(図示せず)から伝達された動力により、この例では反時計回りで回転する。現像ローラ85には、電圧制御部(図示せず)により現像電圧が印加されるようになっている。
規制ブレード86は、現像ローラ85の表面に当接することにより、この現像ローラ85の表面にトナーからなる層(トナー層)を形成させるとともに、そのトナー層の厚さを規制(制御,調整)する部材である。規制ブレード86は、例えば、ステンレスなどからなる板状弾性部材をL字形状に折り曲げたものを用いることができる。規制ブレード86は、その折れ曲がった部分が現像ローラ85の表面に当接するように配置されるとともに、所定の押し付け量で現像ローラ85に押し付けられるように配置されている。
供給ローラ87は、トナー収容部88内に収容されたトナーを、現像ローラ85に対して供給する部材である。供給ローラ87は、現像ローラ85の表面(周面)に接するように配置されており、所定の押し付け量で現像ローラ85に押し付けられるように配置されている。供給ローラ87は、ドラムモータ(図示せず)から伝達された動力により、この例では反時計回りで回転する。これにより、各現像ユニット80では、供給ローラ87の表面と現像ローラ85の表面との間に摩擦が生じる。その結果、各現像ユニット80では、トナーが、いわゆる摩擦帯電により帯電するようになっている。供給ローラ87には、電圧制御部(図示せず)により供給電圧が印加されるようになっている。
4つのLEDヘッド89(図4)は、対応する現像ユニット80の感光ドラム81に対して光を照射する部材である。具体的には、LEDヘッド89Kは、現像ユニット80Kの感光ドラム81に対して光を照射し、LEDヘッド89Yは、現像ユニット80Yの感光ドラム81に対して光を照射し、LEDヘッド89Mは、現像ユニット80Mの感光ドラム81に対して光を照射し、LEDヘッド89Cは、現像ユニット80Cの感光ドラム81に対して光を照射する。LEDヘッド89は、例えば、主走査線方向(図4における奥行方向)に並設された複数の発光ダイオードを有し、これらの発光ダイオードを用いて、ドット単位で感光ドラム81に対して光を照射する。これにより、これらの感光ドラム81は、対応するLEDヘッド89により露光され、感光ドラム81の表面に、静電潜像が形成されるようになっている。
転写部90は、4つの現像ユニット80により形成されたトナー像を、記録媒体9の被転写面上に転写するものである。転写部90は、転写ベルト91と、4つの転写ローラ92(92K,92Y,92M,92C)と、駆動ローラ93と、従動ローラ94とを有している。
転写ベルト91は、搬送路70に沿って記録媒体9を搬送方向Fに向かって搬送するものである。転写ベルト91は、駆動ローラ93および従動ローラ94によって張設(張架)され、駆動ローラ93の回転に応じて、搬送方向Fの方向に循環搬送されるようになっている。
4つの転写ローラ92は、対応する現像ユニット80の感光ドラム81の表面に形成されたトナー像を、記録媒体9に転写する部材である。転写ローラ92Kは、搬送路70および転写ベルト91を挟んで現像ユニット80Kの感光ドラム81に対向配置されており、転写ローラ92Yは、搬送路70および転写ベルト91を挟んで現像ユニット80Yの感光ドラム81に対向配置されており、転写ローラ92Mは、搬送路70および転写ベルト91を挟んで現像ユニット80Mの感光ドラム81に対向配置されており、転写ローラ92Cは、搬送路70および転写ベルト91を挟んで現像ユニット80Cの感光ドラム81に対向配置されている。転写ローラ92K,92Y,92M,92Cのそれぞれには、電圧制御部(図示せず)により転写電圧が印加される。この転写電圧は、プロセス設定データDSに含まれる転写電圧についての情報に基づいて制御される。これにより、画像形成装置20では、各現像ユニット80により形成されたトナー像が、記録媒体9の被転写面上に転写されるようになっている。
駆動ローラ93は、転写ベルト91を循環搬送するものである。この例では、駆動ローラ93は、搬送方向Fにおいて、4つの現像ユニット80の下流に配置されている。駆動ローラ93は、ベルトモータ(図示せず)から伝達された動力により、この例では反時計回りで回転する。従動ローラ94は、転写ベルト91の循環搬送に応じて、従動回転するものである。この例では、従動ローラ94は、搬送方向Fにおいて、4つの現像ユニット80の上流に配置されている。
定着部75は、記録媒体9に対し熱および圧力を付与することにより、記録媒体9上に転写されたトナー像を記録媒体9に定着させる部材である。定着部75は、ヒートローラ76と、加圧ローラ77とを有している。ヒートローラ76は、記録媒体9上のトナーに対して熱を付与する部材であり、内部に例えばハロゲンヒータなどのヒータ76Aを含んで構成されている。このヒータ76Aの温度は、プロセス設定データDSに含まれる定着温度についての情報に基づいて制御される。加圧ローラ77は、記録媒体9上のトナーに対して圧力を付与する部材であり、ヒートローラ76との間に圧接部が形成されるように配置されている。この構成により、定着部75では、記録媒体9上のトナーが、加熱され、融解し、加圧される。その結果、トナー像が記録媒体9上に定着するようになっている。
排出ローラ78は、搬送路70を挟んで配置された一対のローラであり、トナー像が定着された記録媒体9を搬送路70に沿って搬送し、この記録媒体9を排出する部材である。そして、排出された記録媒体9は、スタッカ79に堆積されるようになっている。
この画像形成部23における各種ローラの回転速度は、プロセス設定データDSに含まれる印刷速度についての情報に基づいて制御される。
(サーバ40)
サーバ40は、診断チャートDCを示す画像データDTを含む印刷データDPを画像形成装置20に供給するとともに、パーソナルコンピュータ10から供給された読取画像データDRに基づいて画像診断を行い、その診断結果に基づいてプロセス設定データDSを生成し、そのプロセス設定データDSを画像形成装置20に供給するものである。サーバ40は、インターネットINETに接続されている。サーバ40は、通信部41と、処理部50と、記憶部42とを有している。
通信部41は、ネットワークNETを介して通信を行うものである。この例では、通信部41は、診断チャートDCを示す画像データDTを含む印刷データDPを画像形成装置20に送信する。また、通信部41は、パーソナルコンピュータ10から送信された読取画像データDRを受信するとともに、サーバ40が生成したプロセス設定データDSを画像形成装置20に送信するようになっている。
処理部50は、様々な処理を行うものであり、例えば、CPU、RAMなどを用いて構成されている。処理部50は、WEBサーバ51と、診断チャート生成部52と、画像診断部60とを有している。
WEBサーバ51は、この例では、パーソナルコンピュータ10に対してWEBページを提供するものである。このWEBページは、画像形成システム1を使用するユーザに対するユーザインタフェースとして機能するものであり、ユーザは、このWEBページを用いて、画像診断およびプロセス設定データDSの生成を指示することができるようになっている。
診断チャート生成部52は、診断チャートDCを示す画像データDTを生成するものである。
図6は、診断チャートDCの一構成例を表すものである。診断チャートDCは、この例では、8つの領域RK,RC,RM,RY,RCM,RMY,RYC,Rに区分されている。この例では、診断チャートDCの右側に領域RKが設けられ、左側において、上から順に、7つの領域RC,RM,RY,RCM,RMY,RYC,Rが設けられている。領域RKは、黒色のトナーが一様に塗布されるべき、いわゆるベタ領域であり、領域RCは、シアン色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域RMは、マゼンタ色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域RYは、黄色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域RCMは、シアン色のトナーおよびマゼンタ色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域RMYは、マゼンタ色のトナーおよび黄色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域RYCは、黄色のトナーおよびシアン色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域であり、領域Rは、いずれのトナーを塗布しない領域である。
診断チャート生成部52は、このような診断チャートDCを示す画像データDTを生成し、この画像データDTおよび“PP_PLAIN”を示すプロセス設定識別子IDを含む印刷データDPを生成する。そして、サーバ40は、この印刷データDPを、画像形成装置20に供給するようになっている。
画像診断部60は、パーソナルコンピュータ10から供給された読取画像データDRに基づいて画像診断を行い、その診断結果に基づいてプロセス設定データDSを生成するものである。
図7は、画像診断部60の一構成例を表すものである。画像診断部60は、画像判別部61と、特徴量抽出部62H,62Lと、不具合解析部63と、プロセス設定データ生成部64とを有している。
画像判別部61は、読取画像データDRの解像度を判別するものである。具体的には、画像判別部61は、読取画像データDRの解像度を判別し、読取画像データDRが高解像度の読取画像データDRHである場合には、この読取画像データDRHを特徴量抽出部62Hに供給し、読取画像データDRが低解像度の読取画像データDRLである場合には、この読取画像データDRLを特徴量抽出部62Lに供給するようになっている。
特徴量抽出部62Hは、高解像度の読取画像データDRHに基づいて、特徴量を抽出するものである。具体的には、特徴量抽出部62Hは、まず、読取画像データDRHに含まれる領域RKに対応する画像データDKHに基づいて、256行×256列の濃度共起行列P
h0,P
h90を生成する。具体的には、特徴量抽出部62Hは、画像データDKHにおいて、例えば、横方向に隣り合う2つの画素(画素ペア)を順次選択し、選択した2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列P
h0を生成する。例えば、ある画素における画素値が“250”であり、その右側の画素における画素値が“251”である場合には、濃度共起行列P
h0における座標(250,251)での値をインクリメントする。特徴量抽出部62Hは、画像データDKHにおける全ての画素ペアに対して、このような処理を行うことにより、濃度共起行列P
h0を生成する。また、特徴量抽出部62Hは、画像データDKHにおいて、例えば、縦方向に隣り合う2つの画素(画素ペア)を順次選択し、選択した2つの画素(画素ペア)における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列P
h90を生成する。例えば、ある画素における画素値が“250”であり、その下側の画素における画素値が“249”である場合には、濃度共起行列P
h90における座標(250,249)での値をインクリメントする。特徴量抽出部62Hは、画像データDKHにおける全ての画素ペアに対して、このような処理を行うことにより、濃度共起行列P
h90を生成する。そして、特徴量抽出部62Hは、濃度共起行列P
h0,P
h90に基づいて、以下の3つの特徴量F
h0_col,F
h90_col,F
h_reを算出する。
そして、特徴量抽出部62Hは、この3つの特徴量F
h0_col,F
h90_col,F
h_reを不具合解析部63に供給するようになっている。
特徴量抽出部62Lは、低解像度の読取画像データDRLに基づいて、特徴量を抽出するものである。具体的には、特徴量抽出部62Lは、まず、読取画像データDRLに含まれる領域RKに対応する画像データDKLに基づいて、256行×256列の濃度共起行列P
l0,P
l90を生成する。具体的には、特徴量抽出部62Lは、特徴量抽出部62Hが濃度共起行列P
h0を生成する動作と同様に、画像データDKLにおいて、例えば、横方向に隣り合う2つの画素(画素ペア)を順次選択し、選択した2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列P
l0を生成する。また、特徴量抽出部62Lは、特徴量抽出部62Hが濃度共起行列P
h90を生成する動作と同様に、画像データDKLにおいて、例えば、縦方向に隣り合う2つの画素(画素ペア)を順次選択し、選択した2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列P
l90を生成する。そして、特徴量抽出部62Lは、濃度共起行列P
l0,P
l90に基づいて、以下の特徴量F
l_colを算出する。
そして、特徴量抽出部62Lは、この特徴量F
l_colを不具合解析部63に供給するようになっている。
不具合解析部63は、特徴量抽出部62Hから供給された3つの特徴量Fh0_col,Fh90_col,Fh_re、および特徴量抽出部62Lから供給された特徴量Fl_colに基づいて、画像の不具合を解析するものである。
図8A〜8Dは、黒色のトナーが一様に塗布されるべきベタ領域における画像の不具合例を模式的に表すものであり、図8AはパターンPAT1を示し、図8BはパターンPAT2を示し、図8CはパターンPAT3を示し、図8DはパターンPAT4を示す。なお、これらの図8A〜8Dでは、説明の便宜上、画像を拡大して示している。
パターンPAT1(図8A)は、横方向に伸びるぼやけた帯状のパターンを含むものである。このパターンPAT1は、この帯状のパターンが複数生じることにより、木目のような模様になっている。なお、この例では、全ての帯状のパターンは横方向に伸びているが、これに限定されるものではなく、例えば縦方向に伸びていてもよい。
パターンPAT2(図8B)は、ランダムな位置に生じる複数のちり状のパターンを含むものである。このパターンPAT2では、ちり状のパターンのエッジが鋭くなっている。
パターンPAT3(図8C)は、ランダムな位置に生じた、かすれた複数のちり状のパターンを含むものである。このパターンPAT3では、ちり状のパターンのエッジがややぼけている。
パターンPAT4(図8D)は、ランダムな位置に生じた、かすれた複数のちり状のパターンに加え、ぼやけた斑点状のパターンを含むものである。なお、図8Dでは、ぼやけた斑点状のパターンを周期的に描いたが、実際には、この斑点状のパターンは、ランダムな位置に生じる)。
不具合解析部63は、特徴量抽出部62Hから供給された3つの特徴量Fh0_col,Fh90_col,Fh_re、および特徴量抽出部62Lから供給された特徴量Fl_colに基づいて、画像の不具合が、これらのパターンPAT1〜PAT4のいずれに該当するかを解析する。そして、不具合解析部63は、その解析結果を、プロセス設定データ生成部64に供給するようになっている。
プロセス設定データ生成部64は、不具合解析部63による解析結果に基づいて、プロセス設定データDSを生成するものである。
図9は、不具合のパターンPAT1〜PAT4と、各不具合を改善できるプロセス設定との関係を表すものである。例えば、不具合のパターンがパターンPAT1である場合には、定着温度を下げることが望ましい。また、不具合のパターンがパターンPAT2である場合には、転写電圧を下げることが望ましい。また、不具合のパターンがパターンPAT3である場合には、転写電圧を上げることが望ましい。不具合のパターンがパターンPAT4である場合には、定着温度を下げることが望ましい。
プロセス設定データ生成部64は、不具合解析部63による解析結果に基づいて、図9に示したような、不具合を改善できるプロセス設定を含むプロセス設定データDSを生成する。具体的には、プロセス設定データ生成部64は、不具合解析部63による解析結果に基づいて、あらかじめ記憶部42に記憶された複数のプロセス設定データDS0のうち、解析結果が示す不具合のパターンに対応づけられた、その不具合を改善できるプロセス設定を含むプロセス設定データDS0を選択する。そして、プロセス設定データ生成部64は、選択したプロセス設定データDS0に、ユーザの指示に基づいてプロセス設定識別子IDを付与することにより、プロセス設定データDSを生成する。また、プロセス設定データ生成部64は、このプロセス設定データDSの登録要求を生成する。そして、サーバ40は、このプロセス設定データDSを、この登録要求とともに、画像形成装置20に供給するようになっている。
記憶部42(図1)は、複数のプロセス設定データDS0を記憶するものである。この複数のプロセス設定データDS0は、様々な画質の不具合に対応しており、複数のプロセス設定データDSのそれぞれは、対応する不具合を改善することができるプロセス設定を含んでいる。
ここで、画像形成部23は、本発明における「画像形成部」の一具体例に対応する。スキャナ11は、本発明における「画像読取部」の一具体例に対応する。処理部50は、本発明における「処理部」の一具体例に対応する。プロセス設定データDSは、本発明における「第1の設定データ」および「第2の設定データ」の一具体例に対応する。診断チャートDCは、本発明における「所定の画像」の一具体例に対応する。感光ドラム81は、本発明における「像担持体」の一具体例に対応する。転写ローラ92は、本発明における「転写部材」の一具体例に対応する。ヒータ76Aは、本発明における「ヒータ」の一具体例に対応する。濃度共起行列Ph0は、本発明における「第1の統計結果」の一具体例に対応する。濃度共起行列Ph90は、本発明における「第2の統計結果」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の画像形成システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、画像形成システム1の全体動作概要を説明する。画像診断を行う場合には、画像形成システム1では、まず、例えば、画像形成装置20が、サーバ40から供給された印刷データDPに基づいて、特殊な記録媒体9Bに所定の画像(診断チャートDC)を印刷する。次に、スキャナ11がユーザの操作に基づいてその記録媒体9Bから診断チャートDCを読み取ることにより画像データ(読取画像データDR)を生成し、パーソナルコンピュータ10が、その読取画像データDRをサーバ40に供給する。サーバ40は、読取画像データDRに基づいて診断処理を行うことにより、記録媒体9Bに形成された画像の不具合を解析する。そして、サーバ40は、その診断結果に基づいて、画像の不具合を解消するための画像形成条件を含むプロセス設定データDSを生成する。そして、サーバ40は、このようなプロセス設定データDSを画像形成装置20に供給する。画像形成装置20は、このプロセス設定データDSを登録する。
(詳細動作)
まず、画像診断に基づくプロセス設定の登録について説明する前に、通常の画像形成動作について説明する。
図10は、画像形成システム1における、通常の画像形成動作の一例を表すものである。画像形成システム1では、パーソナルコンピュータ10は、印刷データDPを画像形成装置20に対して供給し、画像形成装置20は、この印刷データDPに基づいて記録媒体9に画像を形成する。以下に、この動作について詳細に説明する。
まず、パーソナルコンピュータ10は、印刷データDPを生成する(ステップS101)。具体的には、パーソナルコンピュータ10のプリンタドライバは、例えば、ユーザがワードプロセッサソフトウェアを操作することにより生成した文書データに基づいて印刷データDPを生成する。
図11は、プリンタドライバの設定画面100の一例を表すものである。この設定画面100は、“原稿サイズ”プルダウンリスト101、“用紙種類” プルダウンリスト102と、“プロセス設定識別子”テキストボックス103と、“部数”テキストボックス104と、上下ボタン105と、“拡大縮小”プルダウンリスト106と、“その他設定”ボタン107と、“印刷”ボタン108と、“キャンセル”ボタン109とを含んでいる。
“原稿サイズ”プルダウンリスト101は、ユーザが例えばワードプロセッサソフトウェアを操作することにより生成した文書データにおける原稿サイズを選択するためのものであり、例えば、“A4”,“B5”,“Letter”,“はがき”などのうちの1つを選択することができるようになっている。
“用紙種類”プルダウンリスト102は、記録媒体9の種類を選択するためのものであり、例えば、“普通紙”,“OHPフィルム”,“光沢紙”,“ユーザ定義”などのうちの1つを選択することができるようになっている。この“用紙種類”プルダウンリスト102において、例えば“普通紙”が選択された場合には、プリンタドライバは、プロセス設定識別子IDを“PP_PLAIN”に設定し、“OHPフィルム”が選択された場合には、プリンタドライバは、プロセス設定識別子IDを“P_OHP”に設定し、“光沢紙”が選択された場合には、プリンタドライバは、プロセス設定識別子IDを“P_OHP”に設定する。
“プロセス設定識別子”テキストボックス103は、プロセス設定識別子IDを入力するためのものである。プリンタドライバは、“用紙種類”プルダウンリスト102において“ユーザ定義”が選択された場合に、プロセス設定識別子IDを、このテキストボックス103に入力されたプロセス設定識別子に設定するようになっている。
“部数”テキストボックス104は、印刷を行う部数を入力するためのものである。上下ボタン105は、印刷を行う部数を増やし、または減らすためのものである。
“拡大縮小”プルダウンリスト106は、拡大印刷または縮小印刷を行う際に選択するためのものであり、例えば、“A4→B5”,“B5→A4”などのうちの1つを選択することができるようになっている。例えば、“原稿サイズ”プルダウンリスト101において設定した原稿サイズが“A4”であり、記録媒体9の媒体サイズが“B5”である場合には、ユーザは“A4→B5”を選択する。
“その他設定”ボタン107は、印刷画質の設定、カラーマッチポリシーなどの設定を行う設定画面を表示するためのものである。“印刷”ボタン108は、設定画面100において設定されたパラメータに基づいて印刷データDPを生成するためのものである。“キャンセル”ボタン109は、印刷をキャンセルするためのものである。
“印刷”ボタン108が操作されると、プリンタドライバは、設定画面100において設定されたパラメータに基づいて、画像データDTおよびプロセス設定識別子IDを含む印刷データDPを生成する。そして、パーソナルコンピュータ10は、この印刷データDPを画像形成装置20に供給する。画像形成装置20の通信部21は、この印刷データDPを受け取る。
次に、画像形成装置20のデータ解析部31は、この印刷データDPを解析する(ステップS102)。そして、データ解析部31は、この印刷データDPを画像処理部32に供給する。
次に、画像形成装置20は、画像形成条件を設定する(ステップS103)。具体的には、画像処理部32は、印刷データDPに含まれるプロセス設定識別子IDをプロセス設定部33に供給し、プロセス設定部33は、画像処理部32から供給されたプロセス設定識別子IDに基づいて、記憶部22から、そのプロセス設定識別子IDに対応するプロセス設定データDSを読み出す。そして、プロセス設定部33は、読み出したプロセス設定データDSを画像形成部23に供給する。また、プロセス設定部33は、このプロセス設定データDSに含まれる最大層厚についての情報を画像処理部32に供給する。
次に、画像形成装置20の画像処理部32は、印刷データDPに含まれる画像データDTに基づいて、描画処理P1、色変換処理P2、層厚制御処理P3、階調補正処理P4、およびハーフトーン処理P5を行うことにより、ページデータDP2を生成する(ステップS104)。この層厚制御処理P3において、画像処理部32は、プロセス設定部33から供給された最大層厚についての情報に基づいて画像処理を行う。
そして、画像形成装置20の画像形成部23は、画像処理部32から供給されたページデータDP2、およびプロセス設定部33から供給されたプロセス設定データDSに基づいて、記録媒体9に画像を形成する(ステップS105)。
具体的には、画像形成部23は、プロセス設定データDSに含まれる印刷速度についての情報に基づいて各種ローラを動作させ、プロセス設定データDSに含まれる転写電圧についての情報に基づいて4つの転写ローラ92に印加する転写電圧を生成し、プロセス設定データDSに含まれる定着温度についての情報に基づいて定着部75のヒータ76Aの温度を設定する。また、画像形成部23は、ページデータDP2に基づいて、4つのLEDヘッド89(LEDヘッド89K,89Y,89M,89C)における露光動作を制御する。4つの現像ユニット80のそれぞれでは、感光ドラム81の表面に静電潜像が形成され、その静電潜像に応じたトナー像が形成(現像)される。4つの転写ローラ92は、対応する感光ドラム81に形成されたトナー像を、記録媒体9の被転写面上に転写する。定着部75は、トナー像を記録媒体9上に定着させる。そして、トナー像が定着した記録媒体9が、スタッカ79に堆積される。
以上で、このフローは終了する。
次に、画像診断に基づくプロセス設定の登録について詳細に説明する。まず、パーソナルコンピュータ10は、ユーザがWEBブラウザソフトウェアを操作することにより、サーバ40にアクセスする。そして、サーバ40のWEBサーバ51は、パーソナルコンピュータ10に対してWEBページを提供する。画像形成システム1は、このWEBページを利用して、ユーザからの指示に基づいて、画像診断に基づくプロセス設定の登録を行う。
図12は、画像診断に基づくプロセス設定の登録動作を表すものである。図13は、WEBページを表示しているWEBブラウザソフトウェアの画面110の一例を表すものである。
図13に示したWEBページは、アドレスバー111にWEBサーバ51に対応する所定のURL(Uniform Resource Locator)を入力することにより表示される。この画面110は、“設定登録”タブ112と、“設定削除”タブ119とを含んでいる。“設定登録”タブ112は、画像診断に基づくプロセス設定の登録を行う際にユーザが操作するものである。“設定削除”タブ119は、画像形成装置20にすでに登録されているプロセス設定データDSを削除する際にユーザが操作するものである。この例では、“設定登録”タブ112が選択されている。
画面110は、“診断チャート印字”ボタン113と、“スキャン・診断”ボタン114と、“プロセス設定名”テキストボックス115と、“設定登録”ボタン116とを含んでいる。“診断チャート印字”ボタン113は、画像形成システム1に対して、診断チャートDCの印刷を指示する際に操作するものである。“スキャン・診断”ボタン114は、ユーザが、診断チャートDCが印刷された記録媒体9Bをスキャナ11にセットした後に、画像診断を行う際に操作するものである。“プロセス設定名”テキストボックス115は、画像診断結果に基づいて生成されたプロセス設定データDSに付与するプロセス設定識別子IDを入力するためのものである。“設定登録”ボタン116は、プロセス設定データDSの画像形成装置20への登録を指示する際に操作するものである。
まず、ユーザが、“診断チャート印字”ボタン113(図13)を操作することにより、画像形成装置20は、サーバ40から送信された印刷データDPに基づいて、特殊な記録媒体9Bに診断チャートDCを印刷する(ステップS110)。
次に、ユーザが、“プロセス設定名”テキストボックス115(図13)に、生成するプロセス設定データDSに付与するプロセス設定識別子IDを入力し、“スキャン・診断”ボタン114を操作することにより、サーバ40は、特殊な記録媒体9Bに印刷された診断チャートDCに基づいて画像診断を行うことによりプロセス設定データDSを生成し、プロセス設定データDSを画像形成装置20に登録する(ステップS120)。
以下に、これらのステップS110の動作およびステップS120の動作について、詳細に説明する。
図14は、図12に示したステップS110の動作を詳細に表すものである。画像形成装置20は、サーバ40から供給された印刷データDPに基づいて、特殊な記録媒体9Bに診断チャートDCを印刷する。以下に、この動作について詳細に説明する。
まず、サーバ40の診断チャート生成部52は、診断チャートDCを示す画像データDTを生成し、この画像データDTおよび“PP_PLAIN”を示すプロセス設定識別子IDを含む印刷データDPを生成する(ステップS111)。そして、サーバ40の通信部41は、この印刷データDPを画像形成装置20に送信する。画像形成装置20の通信部21は、この印刷データDPを受け取る。
次に、画像形成装置20のデータ解析部31は、この印刷データDPを解析する(ステップS112)。そして、データ解析部31は、この印刷データDPを画像処理部32に供給する。次に、画像形成装置20は、ステップS103(図10)と同様に、画像形成条件を設定する(ステップS113)。次に、画像形成装置20の画像処理部32は、ステップS104(図10)と同様に、印刷データDPに含まれる画像データDTに基づいて、ページデータDP2を生成する(ステップS114)。そして、画像形成装置20の画像形成部23は、ステップS105(図10)と同様に、画像処理部32から供給されたページデータDP2、およびプロセス設定部33から供給されたプロセス設定データDSに基づいて、記録媒体9Bに診断チャートDCを形成する(ステップS115)。
このようにして、画像形成装置20は、診断チャートDCを印刷する。ユーザは、この診断チャートDCが印刷された記録媒体9Bをスキャナ11にセットする。
図15は、図12に示したステップS120の動作を詳細に表すものである。サーバ40は、記録媒体9Bに印刷された診断チャートDCに基づいて画像診断を行うことによりプロセス設定データDSを生成し、プロセス設定データDSを画像形成装置20に登録する。以下に、この動作について詳細に説明する。
まず、スキャナ11は、サーバ40からの指示に基づいて、高い解像度で診断チャートDCを読み取ることにより、高解像度の読取画像データDRHを生成する(ステップS121)。そして、パーソナルコンピュータ10は、この読取画像データDRHをサーバ40に供給する。サーバ40の通信部41は、この読取画像データDRHを受け取る。
次に、サーバ40の画像診断部60は、この読取画像データDRHに基づいて、特徴量Fh0_col,Fh90_col,Fh_reを算出する(ステップS122)。具体的には、まず、画像判別部61が、読取画像データDRHの解像度を判別し、この読取画像データDRHを特徴量抽出部62Hに供給する。そして、特徴量抽出部62Hは、この読取画像データDRHに含まれる領域RKに対応する画像データDKHに基づいて、濃度共起行列Ph0,Ph90を生成し、この濃度共起行列Ph0,Ph90に基づいて、式(1)を用いて、特徴量Fh0_col,Fh90_col,Fh_reを算出する。そして、特徴量抽出部62Hは、算出した特徴量Fh0_col,Fh90_col,Fh_reを、不具合解析部63に供給する。
次に、サーバ40の不具合解析部63は、特徴量Fh0_colおよび特徴量Fh90_colの差の絶対値が所定のしきい値TH1よりも大きい(|Fh0_col−Fh90_col|>TH1)かどうかを確認する(ステップS123)。すなわち、不具合解析部63は、特徴量Fh0_colおよび特徴量Fh90_colの差の絶対値が所定のしきい値TH1よりも大きいかどうかを確認することにより、不具合のパターンにおいて方向依存性が高いかどうかを確認する。特徴量Fh0_colおよび特徴量Fh90_colの差の絶対値が所定のしきい値TH1よりも大きい場合(ステップS123において“Y”)には、不具合解析部63は、方向依存性が高いので、不具合のパターンはパターンPAT1(図8A)であると判断し(ステップS124)、ステップS132に進む。
なお、このしきい値TH1は、様々な不具合のパターンを含む複数の読取画像データDRHから取得した、特徴量Fh0_colおよび特徴量Fh90_colの差の絶対値(|Fh0_col−Fh90_col|)についてのデータを教師データとして収集し、この収集したデータに基づいて、機械学習を含む統計的手法により決定することができる。
ステップS123において、特徴量Fh0_colおよび特徴量Fh90_colの差の絶対値が所定のしきい値TH1よりも大きくない場合(ステップS123において“N”)には、不具合解析部63は、特徴量Fh_reが所定のしきい値TH2min以上であり所定のしきい値TH2max未満である(TH2max>Fh_re≧TH2min)かどうかを確認する(ステップS125)。すなわち、不具合解析部63は、特徴量Fh_reが所定の範囲内にあるかどうかを確認することにより、不具合のパターンにおけるエッジの鋭さを確認する。特徴量Fh_reが所定のしきい値TH2min以上であり所定のしきい値TH2max未満である場合(ステップS125において“Y”)には、不具合解析部63は、パターンにおけるエッジが鋭いので、不具合のパターンはパターンPAT2(図8B)であると判断し(ステップS126)、ステップS132に進む。
なお、このしきい値TH2max,TH2minは、しきい値TH1と同様に、様々な不具合のパターンを含む複数の読取画像データDRHから取得した特徴量Fh_reについてのデータを教師データとして収集し、この収集したデータに基づいて、機械学習を含む統計的手法により決定することができる。
ステップS125において、特徴量Fh_reが所定のしきい値TH2min以上でない場合、または特徴量Fh_reが所定のしきい値TH2max未満でない場合(ステップS125において“N”)には、スキャナ11は、サーバ40からの指示に基づいて、低い解像度で診断チャートDCを読み取ることにより、低解像度の読取画像データDRLを生成する(ステップS127)。そして、パーソナルコンピュータ10は、この読取画像データDRLをサーバ40に供給する。サーバ40の通信部41は、この読取画像データDRHを受け取る。
次に、サーバ40の画像診断部60は、この読取画像データDRLに基づいて、特徴量Fl_colを算出する(ステップS128)。具体的には、まず、画像判別部61が、読取画像データDRLの解像度を判別し、この読取画像データDRLを特徴量抽出部62Lに供給する。そして、特徴量抽出部62Lは、この読取画像データDRLに含まれる領域RKに対応する画像データDKLに基づいて、濃度共起行列Pl0,Pl90を生成し、この濃度共起行列Pl0,Pl90に基づいて、式(2)を用いて、特徴量Fl_colを算出する。そして、特徴量抽出部62Hは、算出した特徴量Fl_colを不具合解析部63に供給する。
次に、サーバ40の不具合解析部63は、特徴量Fl_colが所定のしきい値TH3min以上であり所定のしきい値TH3max未満である(TH3max>Fl_col≧TH3min)かどうかを確認する(ステップS129)。すなわち、不具合解析部63は、特徴量Fl_colが所定の範囲内にあるかどうかを確認することにより、かすれた点状のパターン以外の特徴を確認する。特徴量Fl_colが所定のしきい値TH3min以上であり所定のしきい値TH3max未満である場合(ステップS129において“Y”)には、不具合解析部63は、不具合のパターンはパターンPAT4(図8D)であると判断し(ステップS130)、ステップS132に進む。
ステップS129において、特徴量Fl_colが所定のしきい値TH3min以上でない場合、または特徴量Fl_colが所定のしきい値TH3max未満でない場合(ステップS129において“N”)には、不具合解析部63は、不具合のパターンはパターンPAT3(図8C)であると判断する(ステップS131)。
なお、このしきい値TH3max,TH3minは、しきい値TH1などと同様に、様々な不具合のパターンを含む複数の読取画像データDRLから取得した特徴量Fl_colについてのデータを教師データとして収集し、この収集したデータに基づいて、機械学習を含む統計的手法により決定することができる。
次に、プロセス設定データ生成部64は、不具合解析部63における解析結果に基づいて、プロセス設定データDSを生成する(ステップS132)。具体的には、プロセス設定データ生成部64は、不具合解析部63による解析結果に基づいて、記憶部42が記憶している複数のプロセス設定データDS0のうち、解析結果が示す不具合のパターンに対応づけられた、その不具合を改善できるプロセス設定を含むプロセス設定データDS0を選択する。そして、プロセス設定データ生成部64は、選択されたプロセス設定データDS0に、“プロセス設定名”テキストボックス115(図13)に入力されたプロセス設定識別子IDを付与することにより、プロセス設定データDSを生成する。また、プロセス設定データ生成部64は、このプロセス設定データDSの登録要求を生成する。サーバ40の通信部41は、このプロセス設定データDSを、この登録要求とともに、画像形成装置20に供給する。画像形成装置20の通信部21は、このプロセス設定データDSを受け取る。
そして、画像形成装置20は、このプロセス設定データDSを登録する(ステップS133)。具体的には、画像形成装置20のデータ解析部31は、このプロセス設定データDSをプロセス設定部33に供給し、プロセス設定部33は、このプロセス設定データDSを記憶部22に登録する。
以上で、このフローは終了する。
画像形成装置20は、これ以降において、この登録されたプロセス設定データDSに基づいて画像形成条件を設定することにより、記録媒体9Bに画像を形成することができる。これにより、画像形成システム1では、記録媒体9Bにおける画質を高めることができる。
このように、画像形成システム1では、記録媒体9に実際に印刷された画像に基づいて画像診断を行い、この診断結果に基づいてプロセス設定データDSを生成するようにした。これにより、画像形成システム1では、不具合に応じた画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。すなわち、記録媒体9に良好な画像を形成できるような画像形成条件は、その記録媒体9の種類に応じて異なる。特に、ユーザによっては、通常はあまり使用されない記録媒体9(この例では特殊な記録媒体9B)に画像を形成したい場合もある。画像形成システム1では、例えば、このような記録媒体9Bに形成された画像に基づいて、画像形成装置20における画像形成条件を設定することができるので、特殊な記録媒体9Bに画像を形成する場合でも、画質を高めることができる。
また、画像形成システム1では、複数の解像度で診断チャートDCを読み取ることにより、複数の読取画像データDR(この例では高解像度の読取画像データDRHおよび低解像度の読取画像データDRL)を生成し、これらの読取画像データDRに基づいて画像診断を行うようにした。これにより、例えば1つの解像度を用いた場合には不具合の特徴を検出しにくい場合でも、複数の解像度を用いることにより不具合の特徴を検出しやすくすることができるので、より適切に画像診断を行うことができる。その結果、画像形成システム1では、診断された不具合に応じた適切な画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。
また、画像形成システム1では、読取画像データDRHに含まれる領域RKに対応する画像データDKHに基づいて、横方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列Ph0を生成するとともに、縦方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列Ph90を生成し、これらの濃度共起行列Ph0,Ph90に基づいて、画像診断を行うようにした。同様に、読取画像データDRLに含まれる領域RKに対応する画像データDKLに基づいて、横方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列Pl0を生成するとともに、縦方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列Pl90を生成し、これらの濃度共起行列Pl0,Pl90に基づいて、画像診断を行うようにした。これにより、不具合のパターンの方向依存性を診断することができるので、より適切に画像診断を行うことができる。その結果、画像形成システム1では、診断された不具合に応じた適切な画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。
また、画像形成システム1では、まず、高い解像度で、印刷された診断チャートDCを読み取り、その後に必要に応じて、低い解像度で、印刷された診断チャートDCを読み取るようにしたので、効率よく画像診断を行うことができ、その結果、効率よく画質を高めることができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、記録媒体に実際に印刷された画像に基づいて画像診断を行い、この診断結果に基づいてプロセス設定データを生成するようにしたので、不具合に応じた画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。
本実施の形態では、複数の解像度で診断チャートを読み取ることにより、複数の読取画像データを生成し、これらの読取画像データに基づいて画像診断を行うようにした。これにより、例えば1つの解像度を用いた場合には不具合の特徴を検出しにくい場合でも、複数の解像度を用いることにより不具合の特徴を検出しやすくすることができるので、より適切に画像診断を行うことができる。その結果、適切な画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。
本実施の形態では、横方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列を生成するとともに、縦方向に隣り合う2つの画素における画素値(濃度)についての統計をとることにより、濃度共起行列を生成し、これらの濃度共起行列に基づいて、画像診断を行うようにした。これにより、不具合のパターンの方向依存性を診断することができるので、より適切に画像診断を行うことができる。その結果、適切な画像形成条件を設定することができるので、画質を高めることができる。
本実施の形態では、まず、高い解像度で、印刷された診断チャートを読み取り、その後に必要に応じて、低い解像度で、印刷された診断チャートを読み取るようにしたので、効率よく画像診断を行うことができ、その結果、効率よく画質を高めることができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、サーバ40に、診断チャート生成部52および画像診断部60を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、診断チャート生成部52を、パーソナルコンピュータ10に設けてもよいし、この診断チャート生成部52を、画像形成装置20に設けてもよい。また、例えば、診断チャート生成部52および画像診断部60を、パーソナルコンピュータ10に設けてもよいし、この診断チャート生成部52および画像診断部60を、画像形成装置20に設けてもよい。図16は、診断チャート生成部52および画像診断部60を画像形成装置20(画像形成装置20A)に設けた、画像形成システム1Aの一構成例を表すものである。この画像形成システム1Aは、画像形成装置20Aと、パーソナルコンピュータ10と、スキャナ11とを備えている。画像形成装置20Aは、処理部30Aと、記憶部24Aとを有している。処理部30Aは、WEBサーバ34Aと、診断チャート生成部35Aと、画像診断部36Aとを有している。これらのWEBサーバ34A、診断チャート生成部35A、画像診断部36A、および記憶部24Aは、上記実施の形態に係るWEBサーバ51、診断チャート生成部52、画像診断部60、および記憶部42に対応するものである。
[変形例2]
上記実施の形態では、スキャナ11をパーソナルコンピュータ10に接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、スキャナ11を、ネットワークNETに接続してもよい。また、例えば多機能周辺装置(MFP;Multi Function Peripheral)のように、画像読取機能を有する画像形成装置20を用いてもよい。図17は、画像読取機能を有する画像形成装置20(画像形成装置20A)を用いた画像形成システム1Bの一構成例を表すものである。この画像形成システム1Bは、上記画像形成システム1A(図16)に本変形例を適用したものである。この画像形成システム1Bは、画像形成装置20Bと、パーソナルコンピュータ10とを備えている。画像形成装置20Bは、処理部30Bと、画像読取部25Bとを有している。画像読取部25Bは、光走査を行うことにより、記録媒体9に印刷された画像を読み取るものであり、複数の解像度で画像を読み取ることができるものである。
[変形例3]
上記実施の形態では、プロセス設定データDSを記憶する記憶部22を画像形成装置20に設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、この記憶部22をパーソナルコンピュータ10に設けてもよい。この場合には、パーソナルコンピュータ10は、画像形成装置20に印刷データDPを供給する際に、その印刷データDPに基づく印刷で用いられるべきプロセス設定データDSをも、画像形成装置20に供給することが望ましい。また、例えば、この記憶部22をサーバ40に設けてもよい。この場合には、画像形成装置20は、印刷データDPに基づいて印刷を行う際に、サーバ40から、その印刷データDPに基づく印刷で用いられるべきプロセス設定データDSを取得することが望ましい。
[変形例4]
上記実施の形態では、読取画像データDRHに含まれる領域RKに対応する画像データDKHに基づいて濃度共起行列Ph0,Ph90を生成し、読取画像データDRLに含まれる領域RKに対応する画像データDKLに基づいて濃度共起行列Pl0,Pl90を生成したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、領域RC,RM,RY,RCM,RMY,RYCのいずれかの領域に対応する画像データに基づいて濃度共起行列を生成してもよい。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
以上、実施の形態およびいくつかの変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態等では、LEDヘッド89を用いて、記録媒体9に画像を形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばレーザ光源を用いて画像を形成してもよい。また、上記の実施の形態等では、4色(黒色、黄色、マゼンタ色、シアン色)のトナーを用いて記録媒体9に画像を形成したが、これに限定されるものではない。例えば、さらに白色のトナーや、いわゆる透明トナーを用いて画像を形成してもよいし、黒色のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成してもよい。
例えば、上記の実施の形態等では、本技術を単機能のプリンタに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、コピー機能、ファックス機能、スキャン機能、プリント機能などを有する、いわゆる多機能周辺装置(MFP;Multi Function Peripheral)に適用してもよい。
例えば、上記の実施の形態等では、画像形成装置20を、ネットワークNETを介してパーソナルコンピュータ10に接続したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、画像形成装置20を、ネットワーク以外のインタフェース(例えばUSB(Universal Serial Bus)、パラレルインタフェースなど)を用いてパーソナルコンピュータ10に接続してもよい。