発電システムを単相3線式の電力系統の3つの電線(U相,V相およびN相)に連系する場合、潮流監視のための電圧線であるU相,V相にそれぞれ電流センサを連系点よりも電力系統側に取り付けると共に、単相3線を発電システムに引き込み、発電システム内でU相−N相間の電圧とV相−N相間の電圧とをそれぞれ検出し、検出した電流および電圧から電力を演算して潮流方向を判断していた。このため、発電システムが屋外設置の場合、発電システムに単相3線を引き込むために設置宅の壁に穴を空けて専用配線を貫通させる等の工事が必要となり、施工費が高くなるという問題があった。そこで、屋外コンセントを利用し、単相3線のうち2つの電圧線(U相,V相)のいずれかと中性線(N相)とに発電システムを連系する方式が提案されている。この方式では、発電システムが連系していない電圧線を引き込んでいないため、引き込んでいない電圧線に内部負荷を接続することができない。このため、単相3線のうち2つの電圧線のいずれかと中性線とに発電システムを連系する方式では、特許文献1記載の手法によって、電流センサの取付位置や取付方向を判定することができない。また、この方式では、発電システムが連系している電線がU相−N相間か、V相−N相間かを認識できないだけでなく、連系している電線(2つの電圧線のいずれかと中性線)が発電システムに対して正接続か逆接続かも判断できないため、こうした状況でも、電流センサの取付位置や取付方向を適切に判定できるようにする必要がある。
本発明の電流センサの取付状態判定装置は、単相2線式出力のインバータ回路が単相3線式の電力系統の2つの電圧線のいずれかと中性線とに連系する電力システムにおいて、連系点よりも電力系統側の電線に取り付けられる2つの電流センサの取付状態を適切に判定することを主目的とする。
本発明の電流センサの取付状態判定装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の電流センサの取付状態判定装置は、
発電装置と、2つの電圧線とグランドに接続された中性線とを有する単相3線式の電力系統の2線に連系して前記発電装置で発電した電力を所定の交流電力として出力する単相2線式出力のインバータ回路と、前記インバータ回路の2つの出力線のうちの一方である第1出力線と前記電力系統の2つの電圧線のいずれかとの接続と遮断とを行なう第1スイッチと、前記インバータ回路の2つの出力線のうちの他方である第2出力線と前記電力系統の中性線との接続と遮断とを行なう第2スイッチと、を備える発電システムにおいて、連系点よりも前記電力系統側の電線に取り付けられる2つの電流センサの取付状態を判定する電流センサの取付状態判定装置であって、
前記インバータ回路の前記2つの出力線間に接続された第1コンデンサと、
前記インバータ回路の前記第1出力線とグランドとの間に接続された第2コンデンサと、
前記インバータ回路の前記第2出力線とグランドとの間に接続された第3コンデンサと、
前記第1および2スイッチを駆動制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記第1および第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサのいずれでも無効電流が検出され、且つ、前記第1スイッチをオンし前記第2スイッチをオフしたときか前記第1スイッチをオフし前記第2スイッチをオンしたときかのいずれかで、前記2つの電流センサのうちの一方の電流センサで無効電流が検出されて前記2つの電流センサのうちの他方の電流センサで無効電流が検出されなかった場合、前記インバータ回路が連系している電圧線に前記一方の電流センサが取り付けられ、且つ、前記中性線に前記他方の電流センサが取り付けられていると判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の第1の電流センサの取付状態判定装置では、第1および第2スイッチをオンすると、第1コンデンサの端子間に発電システムが連系している電圧線と中性線とを介して電力系統が接続される。このため、第1および第2スイッチをオンすると、第1コンデンサには無効電流が流れ、2つの電流センサのいずれでも無効電流が検出されたときには、当該2つの電流センサは発電システムが連系している電圧線か中性線かのいずれかに取り付けられていると判断することができる。ここで、電力系統の中性線は、グランドに接続されている。いま、インバータ回路の第1出力線が第1スイッチを介して電圧線に接続されインバータ回路の第2出力線が第2スイッチを介して中性線に接続されている場合を考える。この場合、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフすれば、第2コンデンサの端子間に発電システムが連系している電圧線とグランドとを介して電力系統が接続されると共に第1および第3コンデンサが電力系統から切り離される。このため、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフしたときに、第2コンデンサには無効電流が流れ、第1および第3コンデンサには無効電流が流れない。また、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンすれば、第1〜第3コンデンサのいずれもが電力系統から切り離される。このため、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンしたときに、第1〜第3コンデンサのいずれにも無効電流が流れない。したがって、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフしたときに2つの電流センサのうちの一方で無効電流が検出された場合、無効電流が検出された方は、発電システムが連系している電圧線に取り付けられていると判断することができ、無効電流が検出されなかった方は、中性線に取り付けられていると判断することができる。次に、インバータ回路の第1出力線が第1スイッチを介して中性線に接続され、インバータ回路の第2出力線が第2スイッチを介して電圧線に接続されている場合を考える。この場合、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフすれば、第1〜第3コンデンサのいずれもが電力系統から切り離される。このため、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフしたときに、第1〜第3コンデンサのいずれにも無効電流が流れない。また、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンすれば、第1および第2コンデンサが電力系統から切り離されると共に第3コンデンサの端子間に発電システムが連系している電圧線とグランドとを介して電力系統が接続される。このため、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンしたときに、第1および第2コンデンサには無効電流が流れず、第3コンデンサには無効電流が流れる。したがって、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンしたときに2つの電流センサのうちの一方で無効電流が検出された場合、無効電流が検出された方は、発電システムが連系している電圧線に取り付けられていると判断することができ、無効電流が検出されなかった方は、中性線に取り付けられていると判断することができる。このように、インバータ回路の第1および第2出力線がそれぞれ電力系統の単相3線のうちどの電線に連系しているのかが不明であり、連系している電線がインバータ回路に対して正接続か逆接続かが不明であっても、2つの電流センサがそれぞれ発電システムが連系している電圧線に取り付けられているか中性線に取り付けられているかを判定することができる。また、コンデンサに流れる無効電流を利用して2つの電流センサの取付状態を判定するから、有効電力の消費を抑制し、不要な電力消費を回避することができる。
こうした本発明の第1の電流センサの取付状態判定装置において、前記インバータ回路の前記2つの出力線間の電圧を検出する電圧センサを備え、前記制御装置は、前記電圧センサにより検出された電圧と前記電流センサにより検出された無効電流との位相差に基づいて該電流センサの取付方向を判定するものとしてもよい。コンデンサを含む回路においては、コンデンサを流れる電流は当該コンデンサの電圧に対して位相が90度進むため、電圧センサにより検出された電圧と電流センサにより検出された無効電流との位相差に基づいて当該電流センサの取付方向を適切に判定することができる。
また、本発明の第1の電流センサの取付状態判定装置において、前記制御装置は、前記第1および第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサの少なくともいずれかで無効電流が検出されなかった場合、エラーと判定してもよい。これは、第1および第2スイッチをオンしたときに電流センサに無効電流が流れない場合、当該電流センサは電力系統のいずれの電線にも取り付けられていないか発電システムが連系していない電圧線に取り付けられていると考えられることに基づく。
さらに、本発明の第1の電流センサの取付状態判定装置において、前記制御装置は、前記第1スイッチをオンし前記第2スイッチをオフしたときと前記第1スイッチをオフし前記第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサのいずれでも無効電流が検出された或いは無効電流が検出されなかった場合、エラーと判定してもよい。これは、第1および第2スイッチのうち一方をオンし他方をオフした場合に、2つの電流センサのいずれでも無効電流が検出されると、当該2つの電流センサは、共にインバータ回路が連系している電圧線に取り付けられていると考えられることに基づく。また、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフしても、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンしても、2つの電流センサのいずれでも無効電流が検出されないと、当該2つの電流センサは、共に中性線に取り付けられているか故障していると考えられることに基づく。
本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置は、
発電装置と、2つの電圧線とグランドに接続された中性線とを有する単相3線式の電力系統の2線に連系して前記発電装置で発電した電力を所定の交流電力として出力する単相2線式出力のインバータ回路と、前記インバータ回路の2つの出力線のうちの一方である第1出力線と前記電力系統の2つの電圧線のいずれかとの接続と遮断とを行なう第1スイッチと、前記インバータ回路の2つの出力線のうちの他方である第2出力線と前記電力系統の中性線との接続と遮断とを行なう第2スイッチと、を備える発電システムにおいて、連系点よりも前記電力系統側の電線に取り付けられる2つの電流センサの取付状態を判定する電流センサの取付状態判定装置であって、
前記インバータ回路の前記2つの出力線間に接続された電圧センサと、
前記インバータ回路の前記2つの出力線間に接続された第1コンデンサと、
前記インバータ回路の前記第1出力線とグランドとの間に接続された第2コンデンサと、
前記インバータ回路の前記第2出力線とグランドとの間に接続された第3コンデンサと、
前記第1および2スイッチを駆動制御し、且つ、前記2つの電流センサのうちの一方の電流センサの検出信号と前記電圧センサの検出信号とに基づいて該一方の電流センサが取り付けられた電線の無効電力を測定すると共に前記2つの電流センサのうちの他方の電流センサの検出信号と前記電圧センサの検出信号とに基づいて該他方の電流センサが取り付けられた電線の無効電力を測定する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記第1および第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサのいずれの検出信号からも無効電力が測定され、且つ、前記第1スイッチをオンし前記第2スイッチをオフしたときか前記第1スイッチをオフし前記第2スイッチをオンしたときかのいずれかで、前記2つの電流センサのうちの一方の電流センサの検出信号から無効電力が測定されて前記2つの電流センサのうちの他方の電流センサの検出信号から無効電力が測定されなかった場合、前記インバータ回路が連系している電圧線に前記一方の電流センサが取り付けられ、且つ、前記中性線に前記他方の電流センサが取り付けられていると判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置では、電流センサの検出信号とインバータ回路の2つの出力線間に接続された電圧センサの検出信号とに基づいて当該電流センサが取り付けられた電線の無効電力を測定する。そして、無効電流に代えて無効電力の測定の有無によって2つの電流センサの取付状態を判定する。このため、本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置は、上記第1の電流センサの取付状態判定装置と同様の効果を奏することができる。即ち、インバータ回路の第1および第2出力線がそれぞれ電力系統の単相3線のうちどの電線に連系しているのかが不明であり、連系している電線がインバータ回路に対して正接続か逆接続かが不明であっても、2つのセンサがそれぞれ発電システムが連系している電圧線に取り付けられているか中性線に取り付けられているかを判定することができる。また、コンデンサに流れる無効電力を利用して2つのセンサの取付状態を判定するから、有効電力の消費を抑制し、不要な電力消費を回避することができる。
こうした本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置において、前記制御装置は、前記無効電力の符号に基づいて前記電流センサの取付方向を判定してもよい。これは、回路のインピーダンスが容量性か誘導性かによって無効電力の正負(進み、遅れ)が逆になることに基づく。
また、本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置において、前記制御装置は、前記第1および第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサの少なくともいずれかの検出信号から無効電力が測定されなかった場合、エラーと判定してもよい。これは、第1および第2スイッチをオンしたときに電流センサの検出信号から無効電力が測定されない場合、当該電流センサは電力系統のいずれの電線にも取り付けられていないか発電システムが連系していない電圧線に取り付けられていると考えられることに基づく。
さらに、本発明の第2の電流センサの取付状態判定装置において、前記制御装置は、前記第1スイッチをオンし前記第2スイッチをオフしたときと前記第1スイッチをオフし前記第2スイッチをオンしたときに、前記2つの電流センサのいずれの検出信号からも無効電力が測定された或いは無効電力が測定されなかった場合、エラーと判定してもよい。これは、第1および第2スイッチのうち一方をオンし他方をオフした場合に、2つの電流センサのいずれの検出信号からも無効電力が測定されると、当該2つの電流センサは、共にインバータ回路が連系している電圧線に取り付けられていると考えられることに基づく。また、第1スイッチをオンし第2スイッチをオフしても、第1スイッチをオフし第2スイッチをオンしても、2つの電流センサのいずれの検出信号からも無効電力が測定されないと、当該2つの電流センサは、共に中性線に取り付けられているか故障していると考えられることに基づく。
本発明の第1または第2の電流センサの取付状態判定装置において、前記第1コンデンサは、前記インバータ回路の出力電流を平滑化するフィルタの一部を構成してもよい。こうすれば、第1コンデンサとして専用のコンデンサを追加する必要がなく、コスト増を抑制することができる。
本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、電流センサの取付状態判定装置を含む発電システム20の構成の概略を示す構成図である。発電システム20は、単相3線式の商用電力系統10の3つの電線のうち1つの電圧線と中性線の2線に連系するシステムとして構成される。例えば、発電システム20を屋外設置する場合、屋外コンセントを利用して発電システム20を商用電力系統10に連系することができ、屋外に単相3線を引き込むための工事などが不要である。以下、商用電力系統10の3つの電線のうち中性線はN相12nとも呼び、2つの電圧線の一方はU相(電圧相)12uとも呼び、2つの電圧線の他方はV相(電圧相)12vとも呼ぶ。N相12nはポールトランス(図示せず)で接地されている。なお、図1では、U相−N相間には家庭内負荷(外部負荷)14uが接続され、V相−N相間には家庭内負荷(外部負荷)14vが接続されている。
発電システム20は、直流電力を供給する発電装置22を備え、商用電力系統10に対する逆潮流が許容されていない発電システムである。本実施形態では、発電システム20は、発電装置20として燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて水素と酸素との化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の排熱を回収して貯湯する貯湯装置と、を備える燃料電池コージェネレーションシステムとして構成される。なお、発電装置20は、原動機(ガスエンジンやガスタービンなど)とこの原動機からの動力により発電する発電機との組み合わせにより構成されてもよい。また、発電装置22は、直流電力を供給するものに限られず、交流電力を供給するものであってもよい。
また、発電システム20は、図1に示すように、発電装置22の他に、発電装置22からの電力を交流電力に変換するインバータ回路24と、インバータ回路24から出力されるパルス電圧を平滑化するフィルタ回路26と、商用電力系統10に対して連系/解列を行なう解列リレーRY1,RY2と、インバータ回路24(フィルタ回路26)の出力線24a,24b間の電圧を検出する電圧センサVRと、逆潮流を監視するための電流センサCT1,CT2と、制御装置30と、を備える。
インバータ回路24は、発電装置22からの直流電力を交流電力に変換して商用電力系統10の2線に連系する単相2線式出力のインバータとして構成される。インバータ回路24の2つの出力線24a,24bは、それぞれ解列リレーRY1,RY2を介して連系点16でU相12u,V相12vのいずれかとN相12nとに接続される。図1では、出力線24aが解列リレーRY1を介してU相12uに接続され出力線24bが解列リレーRY2を介してN相12nに接続される例を示している。但し、インバータ回路24は、出力線24aが解列リレーRY1を介してN相12nに接続され出力線24bが解列リレーRY2を介してU相12uに接続されたり、出力線24aが解列リレーRY1を介してV相12vに接続され出力線24bが解列リレーRY2を介してN相12nに接続されたり、出力線24aが解列リレーRY1を介してN相12nに接続され出力線24bが解列リレーRY2を介してV相12vに接続されたりする場合もあり、発電システム20が連系している電線がU相−N相間であるか、V相−N相間かを認識することはできず、連系している電線が発電システム20(出力線24a,24b)に対して正接続か逆接続かも認識することはできない。
フィルタ回路26は、インバータ回路34から出力される交流電流を平滑化して正弦波状にする回路であり、リアクトルL1,L2とコンデンサC1とを含んで構成される。
インバータ回路24の一方の出力線24aにおけるフィルタ回路26(リアクトルL1)と解列リレーRY1との間にはコンデンサC2の一端が接続されている。コンデンサC2の他端は、発電システム20の図示しない筐体に接続されて接地されている。また、インバータ回路24の他方の出力線24bにおけるフィルタ回路26(リアクトルL2)と解列リレーRY2との間にはコンデンサC3の一端が接続されている。コンデンサC3の他端は、発電システム20の筐体に接続されて接地されている。
電流センサCT1,CT2は、商用電力系統10の2つの電圧線(U相12u,V相12v)のうち発電システム20が連系している電圧線(図1の例ではU相12u)と中性線(N相12n)とにそれぞれ取り付けられる。電流センサCT1,CT2は、本実施形態では、カレントトランスであり、電線を流れる電流の大きさと方向とを検出できるようになっている。
制御装置30は、図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,ワークメモリとしてのRAM、入出力ポートなどを備える。この制御装置30には、電圧センサVRからの電圧信号(連系電圧)や、電流センサCT1からの電流信号(CT1電流)、電流センサCT2からの電流信号(CT2電流)などが入力ポートを介して入力されている。一方、制御装置30からは、インバータ回路24の図示しないスイッチング素子への駆動信号や、解列リレーRY1,RY2への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
制御装置30は、商用電力系統10のU相12uを流れる電流とV相12vに流れる電流とに基づいて潮流方向を監視する。そして、逆潮流(発電システム20から商用電力系統10へ向かう有効電力の流れ)が発生したと判定すると、解列リレーRY1,RY2をオフして発電システム20を商用電力系統10から切り離す。これにより、逆潮流が許容されていない発電システム20において、逆潮流を防止することができる。上述したように、電流センサCT1,CT2は発電システム20が連系している電圧線(U相12u,V相12vの一方)と中性線(N相12n)とに取り付けられるため、発電システム20が連系していない電圧線(U相12u,V相12vの他方)を流れる電流Ir’を電流センサCT1,CT2によって直接検出することはできない。そこで、本実施形態の発電システム20では、連系している電圧線を流れる電流Irと中性線を流れる電流Inとを電流センサCT1,CT2により検出し、連系していない電圧線を流れる電流Ir’を検出された電流Ir,Inに基づいて次式(1)により算出することで、電流Ir,Ir’を用いて潮流監視を行なう。
Ir'=Ir-In …(1)
このように、電流センサCT1,CT2は、潮流方向の監視に用いられ、取付位置や取付方向が誤っていると、潮流監視を正しく行なうことができない。このため、本実施形態の発電システム20では、その施工後に、電流センサCT1,CT2の取付状態を判定することができるように電流センサ取付状態判定装置を備えている。電流センサ取付状態判定装置は、コンデンサC1と、コンデンサC2,C3と、制御装置30とにより構成される。
図2〜図4は、制御装置30により実行される電流センサ取付状態判定処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、発電装置22の発電が停止している状態で、オペレータにより取付状態の判定が指示されたときに実行される。
電流センサ取付状態判定処理が実行されると、制御装置30のCPUは、まず、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力すると共に(S100)、電圧センサVRからの連系電圧を入力する(S110)。続いて、解列リレーRY1,RY2を共にオンとし(S120)、その後、再び、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力すると共に(S130)、電圧センサVRからの連系電圧を入力して(S140)、解列リレーRY1,RY2を共にオフとする(S150)。そして、S100,S130でそれぞれ入力したCT1電流の差分によりCT1電流の変化量を算出すると共にそれぞれ入力したCT2電流の差分によりCT2電流の変化量を算出し(S160)、算出したCT1電流の変化量に基づいて電流センサCT1に無効電流が流れたか否かを判定すると共に算出したCT2電流の変化量に基づいて電流センサCT2に無効電流が流れたか否かを判定する(S170)。ここで、解列リレーRY1,RY2を共にオンすると、コンデンサC1の一端に発電システム20が連系している電圧線と中性線のうちの一方(図1の例ではU相12u)が接続され、コンデンサC1の他端に発電システム20が連系している電圧線と中性線のうちの他方(図1の例ではN相12n)が接続される。このため、コンデンサC1には無効電流が流れる。したがって、電流センサCT1,CT2の両方に無効電流が流れた場合には、当該電流センサCT1,CT2が連系している電圧線と中性線のいずれかに取り付けられていると判定することができる。なお、解列リレーRY1,RY2を共にオンしたときにコンデンサC1に流れる電流はコンデンサC1の静電容量に応じた大きさとなるため、S170の判定は、CT1電流の変化量,CT2電流の変化量をそれぞれコンデンサC1の静電容量に応じて定められる閾値と比較することにより行なうことができる。また、S110,S140でそれぞれ入力した連系電圧の差分により連系電圧の変化量を算出し(S180)、連系電圧を基準としたCT1電流の位相差θ1と連系電圧を基準としたCT2電流の位相差θ2とを算出しておく(S190)。なお、位相差θ1,θ2を用いた処理については後述する。
制御装置30のCPUは、S170の判定結果、電流センサCT1,CT2のいずれか又は両方で無効電流が流れなかったときには(S200の「NO」)、無効電流が流れなかったと判定した電流センサは発電システム20が連系していない方の電圧線(図1の例ではV相12v)に取り付けられているかどの電線にも取り付けられていないと判断し、図示しない表示装置にエラーを出力して(S210)、電流センサ取付状態判定処理を終了する。
一方、電流センサCT1,CT2の両方で無効電流が流れたときには(S200の「YES」)、電流センサCT1,CT2は発電システム20が連系している電圧線(図1の例ではU相12u)に取り付けられているか中性線(N相12n)に取り付けられていると判断する。次に、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力し(S220)、解列リレーRY1のみをオンとし(S230)、その後、再び、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力して(S240)、解列リレーRY1をオフとする(S250)。そして、上述したS160と同様の処理により、CT1電流の変化量,CT2電流の変化量を算出し(S260)、算出したCT1電流の変化量,CT2電流の変化量に基づいてそれぞれ電流センサCT1,CT2に無効電流が流れたか否かを判定する(S270)。ここで、解列リレーRY1をオンすると、コンデンサC2の一端に発電システム20が連系している電圧線(U相12uまたはV相12v)と中性線(N相12n)のうちの一方が接続される。上述したように、コンデンサC2の他端は、接地されている。いま、図1に示すように、コンデンサC2の一端に解列リレーRY1を介してU相12uが接続され、コンデンサC3の一端に解列リレーRY2を介してN相12nが接続されている場合を考える。商用電力系統10のN相12nは接地されているから、解列リレーRY1をオンすると、コンデンサC2の端子間にはU相12uとグランドとを介して商用電力系統10が接続され、コンデンサC2には無効電流が流れる。一方、コンデンサC1とコンデンサC3は解列リレーRY2がオフされて商用電力系統10から切り離されているから、コンデンサC1およびコンデンサC3には無効電流が流れない。したがって、解列リレーRY1のみをオンしたときに電流センサCT1,CT2のうちの片方のみに無効電流が流れた場合、無効電流が流れた方は、U相12uに取り付けられていると判定することができ、無効電流が流れなかった方は、N12n相に取り付けられていると判定することができる。なお、発電システム20がV相12vに連係し、コンデンサC2の一端に解列リレーRY1を介してV相12vが接続され、コンデンサC3の一端に解列リレーRY2を介してN相12nが接続されている場合についても同様である。次に、コンデンサC2の一端に解列リレーRY1を介してN相12nが接続され、コンデンサC3の一端に解列リレーRY2を介してU相12uが接続されている場合を考える。上述したように、N相12nは接地され、コンデンサC2の他端も接地されているから、解列リレーRY1をオンすると、コンデンサC2の両端はいずれも接地されて同電位となり、コンデンサC2には無効電流が流れない。また、解列リレーRY2がオフされているため、コンデンサC1およびコンデンサC3にも無効電流が流れない。したがって、解列リレーRY1のみをオンしたときに電流センサCT1,CT2のいずれにも無効電流が流れなかった場合、電流センサCT1,CT2の取付位置を判定することができない。この場合は、後述するS320〜S410の処理を実行することで、電流センサCT1,CT2の取付位置を判定する。
制御装置30のCPUは、S270の判定結果、電流センサCT1に無効電流が流れ、電流センサCT2に無効電流が流れなかったときには(S280の「YES」)、電流センサCT1は発電システム20が連系している電圧線(図1の例ではU相12u)に取り付けられており、電流センサCT2は中性線(N相12n)に取り付けられていると判定して(S300)、S420の処理に進む。また、電流センサCT1に無効電流が流れず、電流センサCT2に無効電流が流れたときには(S290の「YES」)、電流センサCT1は中性線(N相12n)に取り付けられており、電流センサCT2は発電システム20が連系している電圧線(図1の例ではU相12u)に取り付けられていると判定して(S310)、S420の処理に進む。
一方、S280,S290でいずれも否定的な判定(「NO」)のときには、次に、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力し(S320)、解列リレーRY2のみをオンとし(S330)、その後、再び、電流センサCT1からのCT1電流と電流センサCT2からのCT2電流とを入力して(S340)、解列リレーRY2をオフとする(S350)。そして、上述したS160,S260と同様の処理により、CT1電流の変化量,CT2電流の変化量を算出し(S360)、算出したCT1電流の変化量,CT2電流の変化量に基づいてそれぞれ電流センサCT1,CT2に無効電流が流れたか否かを判定する(S370)。ここで、解列リレーRY2をオンすると、コンデンサC3の一端に発電システム20が連系している電圧線(U相12uまたはV相12v)と中性線(N相12n)のうちの一方が接続される。上述したように、コンデンサC3の他端は、接地されている。いま、コンデンサC2の一端に解列リレーRY1を介してN相12nが接続され、コンデンサC3の一端に解列リレーRY2を介してU相12uが接続されている場合を考える。上述したように、商用電力系統10のN相12nは接地されているから、解列リレーRY2をオンすると、コンデンサC3の端子間にはU相12uとグランドとを介して商用電力系統10が接続され、コンデンサC3には無効電流が流れる。一方、コンデンサC1とコンデンサC2は解列リレーRY1がオフされて商用電力系統10から切り離されているから、コンデンサC1およびコンデンサC2には無効電流が流れない。したがって、解列リレーRY2のみをオンしたときに電流センサCT1,CT2のうちの片方のみに無効電流が流れた場合、無効電流が流れた方は、U相12uに取り付けられていると判定することができ、無効電流が流れなかった方は、N12n相に取り付けられていると判定することができる。なお、発電システム20がV相12vに連係し、コンデンサC2の一端に解列リレーRY1を介してN相12nが接続され、コンデンサC3の一端に解列リレーRY2を介してV相12vが接続された場合についても同様である。このように、発電システム20(インバータ回路24)が商用電力系統10の単相3線のうちどの電圧線と中性線に連系しているのかが認識できず、連系している線が発電システム20に対して正接続か逆接続かも認識できない場合であっても、解列リレーRY1をオンし解列リレーRY2をオフしたときに2つの電流センサCT1,CT2の片方のみに無効電流が流れるか、解列リレーRY1をオフし解列リレーRY2をオンしたときに2つの電流センサCT1,CT2の片方のみに無効電流が流れれば、無効電流が流れた方が連系している電圧線(U相12uまたはV相12v)に取り付けられていると判定することができ、無効電流が流れなかった方が中性線(N相12n)に取り付けられていると判定することができる。また、各コンデンサに流れる無効電流を利用して2つの電流センサCT1,CT2の取付位置を判定するから、有効電力の消費を抑制し、不要な電力消費を回避することができる。
制御装置30のCPUは、S370の判定結果、電流センサCT1に無効電流が流れ、電流センサCT2に無効電流が流れなかったときには(S380の「YES」)、電流センサCT1は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられており、電流センサCT2は中性線に取り付けられていると判定して(S400)、S420の処理に進む。また、電流センサCT1に無効電流が流れず、電流センサCT2に無効電流が流れたときには(S390の「YES」)、電流センサCT1は中性線に取り付けられており、電流センサCT2は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられていると判定して(S410)、S420の処理に進む。
一方、S380,S390でいずれも否定的な判定(「NO」)のときには、図示しない表示装置にエラーを出力して(S460)、電流センサ取付状態判定処理を終了する。なお、S270およびS370の処理の片方で、電流センサCT1,CT2のいずれにも無効電流が流れたと判定した場合、電流センサCT1,CT2は、いずれも連系している電圧線に取り付けられていると判断される。また、S270およびS370の処理の両方で、電流センサCT1,CT2のいずれにも無効電流が流れなかったと判定した場合、電流センサCT1,CT2は、いずれも中性線(N相12n)に取り付けられているか故障していると判断される。
次に、こうして電流センサC1T,CT2の取付位置を判定すると、制御装置30のCPUは、S190で算出したCT1電流の位相角θ1が連系電圧に対して90度進んでいるか否かを判定し(S420)、位相差θ1が90度進んでいない、即ち90度遅れていると判定すると、電流センサCT1は逆方向(家庭内負荷から商用電力系統10に向かう方向)に取り付けられていると判断し、電流センサCT1の極性(符号)を反転させる(S430)。一方、位相差θ1が90度進んでいると判定すると、電流センサCT1は順方向(商用電力系統10から家庭内負荷に向かう方向)に取り付けられていると判断し、S430の処理をスキップする。また、S190で算出したCT2電流の位相角θ2が連系電圧に対して90度進んでいるか否かを判定し(S440)、位相差θ2が90度進んでいない、即ち90度遅れていると判定すると、電流センサCT2は逆方向に取り付けられていると判断し、電流センサCT2の極性(符号)を反転させて(S450)、電流センサ取付状態判定処理を終了する。一方、位相差θ2が90度進んでいると判定すると、電流センサCT2は順方向に取り付けられていると判断し、S450の処理をスキップして電流センサ取付状態判定処理を終了する。これは、コンデンサに流れる電流がコンデンサに印加される電圧に対して位相が90度進むことを利用したものである。
以上説明した実施形態の電流センサの取付状態判定装置によれば、インバータ回路24の2つの出力線24a,24b間と出力線24aとグランドとの間と出力線24bとグランドとの間とにそれぞれコンデンサC1〜C3を設け、解列リレーRY1,RY2を共にオンしたときに、2つの電流センサCT1,CT2のいずれでも無効電流が検出され、且つ、解列リレーRY1をオンし解列リレーRY2をオフしたときか解列リレーRY1をオフし解列リレーRY2をオンしたときかのいずれかに、2つの電流センサCT1,CT2のうちの一方の電流センサで無効電流が検出され他方の電流センサで無効電流が検出されなかった場合に、発電システム20(インバータ回路24)が連系している電圧線に一方の電流センサが取り付けられ、且つ、中性線に他方の電流センサが取り付けられていると判定する。これにより、発電システム20(インバータ回路24)が商用電力系統10の単相3線のうちどの電圧線と中性線に連系しているのかが認識できず、連系している線が発電システム20に対して正接続か逆接続かも認識できない場合であっても、2つの電流センサCT1,CT2の取付位置を適切に判定することができる。また、各コンデンサC1〜C3に流れる無効電流を利用して2つの電流センサCT1,CT2の取付位置を判定するから、有効電力の消費を抑制し、不要な電力消費を回避することができる。
また、実施形態の電流センサの取付状態判定装置によれば、解列リレーRY1,RY2を共にオンしたときに電流センサCT1,CT2によりそれぞれ検出される無効電流(コンデンサC1を流れる電流)と電圧センサVRにより検出される連系電圧(コンデンサC1に印加される電圧)との位相差θ1,θ2に基づいて、電流センサCT,CT2の取付方向を判定する。コンデンサに流れる電流は、コンデンサに印加される電圧に対して位相が90度進むから、位相差θ1,θ2に基づいて電流センサCT,CT2の取付方向を適切に判定することができる。
更に、実施形態の電流センサの取付状態判定装置では、コンデンサC1としてフィルタ回路26の一部を構成するコンデンサを用いるから、専用のコンデンサを追加する必要がなく、コスト増を抑制することができる。
実施形態では、本発明の電流センサの取付状態判定装置を、逆潮流が許容されていない発電システム20に適用して説明したが、逆潮流が許容されている発電システムに適用するものとしてもよい。この場合、電流センサCT1,CT2を用いて発電システム20から商用電力系統10へ向かう電力(売電)を測定することができる。
また、無効電流に代えて無効電力の測定の有無によって電流センサの取付状態を判定するものとしてもよい。この場合、図2〜図4の電流センサ取付状態判定処理に代えて、図5〜図7の変形例の電流センサ取付状態判定処理を実行するものとすればよい。即ち、制御装置30のCPUは、解列リレーRY1,RY2を共にオンする前後において、それぞれ、電流センサCT1,CT2からCT1電流,CT2電流を入力すると共にインバータ回路24の出力線24a,24b間に設けられた電圧センサVRからの電圧(連系電圧)を入力し、入力したCT1電流と連系電圧とに基づいて電流センサCT1が取り付けられた電線の無効電力(CT1側無効電力)を測定すると共に入力したCT2電流と連系電圧とに基づいて電流センサCT2が取り付けられた電線の無効電力(CT2側無効電力)を測定する(S500〜S540)。そして、解列リレーRY1,RY2をオフとし(S550)、解列リレーRY1,RY2をオンする前後におけるCT1側無効電力の変化量とCT2側無効電力の変化量とを算出し(S560)、電流センサCT1の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かと電流センサCT2の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かとを判定する(S570)。S570の判定結果、電流センサCT1,CT2のいずれか又は両方の検出信号から無効電力が測定されなかったときには(S580の「NO」)、無効電力が測定されなかった電流センサは発電システム20が連系していない方の電圧線に取り付けられているかどの電線にも取り付けられていないと判断し、図示しない表示装置にエラーを出力する(S590)。一方、電流センサCT1,CT2のいずれの検出信号からも無効電力が測定されたときには(S580の「YES」)、電流センサCT1,CT2は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられているか中性線に取り付けられていると判断し、次のS600の処理に進む。
次に、制御装置30のCPUは、解列リレーRY1のみをオンする前後において、それぞれ、CT1電流,CT2電流を入力すると共に連系電圧を入力し、入力したCT1電流と連系電圧とに基づいてCT1側無効電力を測定すると共に入力したCT2電流と連系電圧とに基づいてCT2側無効電力を測定する(S600〜S640)。そして、解列リレーRY1をオフとし(S650)、解列リレーRY1のみをオンする前後におけるCT1側無効電力の変化量とCT2側無効電力の変化量とを算出し(S660)、電流センサCT1の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かと電流センサCT2の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かとを判定する(S670)。S670の判定の結果、電流センサCT1の検出信号から無効電力の変化が測定され、電流センサCT2の検出信号から無効電力の変化が測定されなかったときには(S680の「YES」)、電流センサCT1は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられており、電流センサCT2は中性線に取り付けられていると判定して(S700)、S840の処理に進む。また、電流センサCT1の検出信号から無効電力の変化が測定されず、電流センサCT2の検出信号から無効電力の変化が測定されたときには(S690の「YES」)、電流センサCT1は中性線に取り付けられており、電流センサCT2は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられていると判定して(S710)、S840の処理に進む。
一方、S680,S690でいずれも否定的な判定(「NO」)のときには、解列リレーRY2のみをオンする前後において、それぞれ、CT1電流,CT2電流を入力すると共に連系電圧を入力し、入力したCT1電流と連系電圧とに基づいてCT1側無効電力を測定すると共に入力したCT2電流と連系電圧とに基づいてCT2側無効電力を測定する(S720〜S760)。そして、解列リレーRY2をオフとし(S770)、解列リレーRY2のみをオンする前後におけるCT1側無効電力の変化量とCT2側無効電力の変化量とを算出し(S780)、電流センサCT1の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かと電流センサCT2の検出信号から無効電力(の変化)が測定されたか否かとを判定する(S790)。S790の判定の結果、電流センサCT1の検出信号から無効電力の変化が測定され、電流センサCT2の検出信号から無効電力の変化が測定されなかったときには(S800の「YES」)、電流センサCT1は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられており、電流センサCT2は中性線に取り付けられていると判定して(S820)、S840の処理に進む。また、電流センサCT1の検出信号から無効電力の変化が測定されず、電流センサCT2の検出信号から無効電力の変化が測定されたときには(S810の「YES」)、電流センサCT1は中性線に取り付けられており、電流センサCT2は発電システム20が連系している電圧線に取り付けられていると判定して(S830)、S840の処理に進む。
一方、S800,S810でいずれも否定的な判定(「NO」)のときには、図示しない表示装置にエラーを出力して(S880)、電流センサ取付状態判定処理を終了する。なお、S800およびS810の処理の片方で、電流センサCT1,CT2のいずれの検出信号からも無効電力の変化が測定されたと判定した場合、電流センサCT1,CT2は、いずれも連系している電圧線に取り付けられていると判断される。また、S800およびS810の処理の両方で、電流センサCT1,CT2のいずれの検出信号からも無効電力の変化が測定されなかったと判定した場合、電流センサCT1,CT2は、いずれも中性線に取り付けられているか故障していると判断される。
こうして電流センサC1T,CT2の取付位置を判定すると、制御装置30のCPUは、S540で測定したCT1側無効電力の符号が負(進みの無効電力)であるか否かを判定し(S840)、CT1側無効電力の符号が負でなく正、即ち遅れの無効電力であると判定すると、電流センサCT1は逆方向(家庭内負荷から商用電力系統10に向かう方向)に取り付けられていると判断し、電流センサCT1の極性(符号)を反転させる(S850)。一方、CT1側無効電力の符号が負であると判定すると、電流センサCT1は順方向(商用電力系統10から家庭内負荷に向かう方向)に取り付けられていると判断し、S850の処理をスキップする。また、S540で測定したCT2側無効電力の符号が負(進みの無効電力)であるか否かを判定し(S860)、CT2側無効電力の符号が正、即ち遅れの無効電力であると判定すると、電流センサCT2は逆方向に取り付けられていると判断し、電流センサCT2の極性(符号)を反転させる(S870)。一方、CT2側無効電力の符号が負であると判定すると、電流センサCT2は順方向に取り付けられていると判断し、S870の処理をスキップして電流センサ取付状態判定処理を終了する。これは、コンデンサに流れる電流がコンデンサに印加される電圧に対して位相が90度進むため、電流センサが順方向に取り付けられていると、進みの無効電力として測定されることに基づく。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、発電装置22が「発電装置」に相当し、インバータ回路24が「インバータ回路」に相当し、解列リレーRY1が「第1スイッチ」に相当し、解列リレーRY2が「第2スイッチ」に相当し、コンデンサC1が「第1コンデンサ」に相当し、コンデンサC2が「第2コンデンサ」に相当し、コンデンサC3が「第3コンデンサ」に相当し、電流センサCT1,CT2が「電流センサ」に相当し、制御装置30が「制御装置」に相当する。また、電圧センサVRが「電圧センサ」に相当する。フィルタ回路26が「フィルタ」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。