JP6965198B2 - 気体精製装置及び気体精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、気体精製装置及び気体精製方法に関する。
工業ガスの製造において、複数の種類のガス成分を含む混合ガスを精製して製品ガスを得る装置として、圧力変動吸着方式の装置(PSA装置)が知られている。PSA装置を用いて複数の種類のガス成分を含む混合ガスの各成分を分離して精製する場合、除去対象となる成分の種類に合わせて、複数の種類の吸着剤が使用されることがある。
複数の種類のガス成分を含む混合ガスを精製する技術として、複数の種類の吸着剤が内部で積層されている吸着塔を用いる技術が知られている(特許文献1)。
特許文献1には、主吸着剤、次に副吸着剤の順に積層した吸着塔を有する圧力スイング吸着装置が開示されている。特許文献1に記載の圧力スイング吸着装置では、主吸着剤が一酸化炭素を優先して吸着し、副吸着剤が水素以外の残部ガス成分を吸着する。さらに主吸着剤及び副吸着剤の脱着処理では、吸着塔内を吸引することで吸着した成分を吸着剤から脱離させている。
特開2012−12635号公報
複数の種類のガス成分を含む混合ガスは、強吸着成分と呼ばれる化合物を含むことがある。強吸着成分とは、吸着剤に対する吸着力が強いガス成分である。強吸着成分を混合ガスが含む場合、吸着剤から強吸着成分が脱離しにくく、通常のPSA装置の再生工程では、吸着剤の吸着能が回復しにくい。
そのため、特許文献1に記載の圧力スイング吸着装置のように、吸引ポンプを用いて吸着塔内を減圧するだけでは、強吸着成分が吸着剤から脱離しにくい。このように、特許文献1に記載の圧力スイング吸着装置にあっては、吸着剤の吸着能が再生工程で回復しにくいため、製品ガスの純度が低下するおそれがある。したがって、通常のPSA装置は強吸着成分を含む混合ガスの精製に適用しにくいという問題を有している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、強吸着成分を含む混合ガスの精製に適用可能であり、製品ガスを高純度で精製できる気体精製装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 第1の気体と第2の気体と第3の気体とを含む原料ガスから、圧力変動吸着方式で製品ガスを精製する気体精製装置であって、前記第3の気体を吸着する第1の吸着剤を有する第1の吸着塔と、前記第2の気体を吸着する第2の吸着剤を有する第2の吸着塔と、前記第1の吸着塔の二次側と前記第2の吸着塔の一次側とを接続し、前記第1の気体及び前記第2の気体が流れる接続ラインと、前記第2の吸着塔の二次側と接続され、前記第1の気体が流れる第1の導出ラインと、前記第1の導出ラインと接続され、前記第1の気体が流れる複数の再生ガスラインと、を備え、前記第3の気体は、第1の成分と第2の成分とを少なくとも含み、前記第1の吸着剤は、前記第1の成分を吸着する第1の吸着層と、前記第2の成分を吸着する第2の吸着層とを少なくとも有し、前記第1の吸着層と前記第2の吸着層とが、前記第1の吸着塔の一次側から二次側の順に第1の吸着塔内で積層され、各吸着層に吸着している各成分の種類に合わせて前記第1の気体の温度を調節しながら、前記第1の気体を各前記吸着層の二次側に供給するように、各前記再生ガスラインが、前記第1の吸着塔と接続される、気体精製装置。
[2] 各前記第2の吸着塔の一次側と接続され、前記第2の気体が流れる第2の導出ラインと、前記第2の導出ラインに設けられ、前記第2の吸着剤から前記第2の気体を脱離させる吸引手段と、をさらに備える、[1]の気体精製装置。
[3] 各前記吸着層の二次側に位置する部分の前記第1の吸着塔に、前記第1の気体が導入される複数の導入口がそれぞれ形成され、各前記導入口と各前記再生ガスラインとが接続される、[1]又は[2]の気体精製装置。
[4] 複数の前記再生ガスラインの少なくとも一つが、前記第1の気体の温度を調節する温度調節器を有する、[1]〜[3]いずれかの気体精製装置。
[5] 前記第1の気体と前記第2の気体との組み合わせが、プロパンとプロペンとの組み合わせであり、前記第1の成分が、トルエン、ベンゼン、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、水蒸気からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記第2の成分が窒素、酸素、アルゴン、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]いずれかの気体精製装置。
[6] [1]〜[5]いずれかの気体精製装置を用いる圧力変動吸着方式の気体精製方法であって、前記第1の吸着剤を再生する際に、前記第1の導出ラインに前記第1の気体を導出し、各前記吸着層に吸着している前記各成分の種類に合わせて前記第1の気体の温度を調節しながら、前記第1の気体を各前記吸着層の二次側に供給する、気体精製方法。
[7] 前記第2の吸着層の二次側に前記第1の気体を供給した後に、前記第1の吸着層の二次側に前記第1の気体を供給する、[6]の気体精製方法。
本発明によれば、強吸着成分を含む混合ガスの精製に適用可能であり、製品ガスを高純度で精製できる気体精製装置を提供できる。
本発明を適用した一実施形態である第1の実施形態に係る気体精製装置の構成の一例を示す模式図である。 図1の気体精製装置の関連技術に係る気体精製装置の構成の一例を示す模式図である。 図1の気体精製装置の関連技術に係る気体精製装置の構成の一例を示す模式図である。
本明細書における下記の用語の意味は以下の通りである。
「PSA」は、Pressure Swing Adsorptionの略である。本明細書では圧力変動吸着方式を「PSA方式」と記し、PSA方式で気体を精製する装置を「PSA装置」と記す。
吸着剤の「再生」とは、除去対象成分が吸着された吸着剤を再び除去対象成分が吸着され得る状態に戻すことを意味する。
「再生ガス」とは、再生の対象となる吸着剤を有する吸着塔に、吸着剤を再び除去対象成分が吸着され得る状態に戻すために供給される気体を意味する。
「再生排ガス」とは、再生の対象となる吸着剤を有する吸着塔から排出される気体であり、吸着剤の再生に使用された気体を意味する。
「強吸着成分」とは、吸着剤に対する吸着力が相対的に強いガス成分を意味する。
「弱吸着成分」とは、吸着剤に対する吸着力が相対的に弱いガス成分を意味する。
以下、本発明を適用した一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
<気体精製装置>
本実施形態の気体精製装置は、第1の気体と第2の気体と第3の気体とを含む原料ガスから、第2のガスを製品ガスとして精製する装置である。
第1の気体、第2の気体は特に限定されない。第1の気体、第2の気体の具体例としては、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタン、ブテン等の炭化水素が例示される。
第1の気体と第2の気体の組合せとしては、前記の具体例から、少なくとも2種以上を選択できる。これらのなかから、化学的性質又は物理的性質が似ている化合物同士の組合せを選択しても、本発明の効果を得ることができる。化学的性質又は物理的性質が似ている化合物の組合せとしては、エタン及びエチレンの組合せ、プロパン及びプロペンの組合せ、ブタン及びブテンの組合せ等が例示される。
第3の気体は、第1の成分と第2の成分とを少なくとも含む。第3の気体は、第1の成分及び第2の成分以外の他の成分を含んでもよい。
第1の成分、第2の成分及び他の成分としては、窒素、酸素、アルゴン、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種の弱吸着成分;トルエン、ベンゼン、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、水蒸気からなる群より選ばれる少なくとも1種の強吸着成分等が例示される。
第3の気体における第1の成分と第2の成分の組合せとしては、前記の具体例から、少なくとも1種以上を選択できる。これらのなかでも、第1の成分と第2の成分の組合せとしては、前記の強吸着成分から1つ以上と前記の弱吸着成分から1つ以上との組み合わせを選択することができる。第3の気体が、少なくとも1つの強吸着成分を含む場合でも、本発明の効果を得ることができる。
以下の実施形態においては、原料ガスがプロパン(第1の気体)及びプロペン(第2の気体)を含み、第3の気体が第1の成分としてブチルアルコールを、第2の成分として二酸化炭素を含み、製品ガスとしてプロペンを回収する場合を一形態例として説明する。
本実施形態の気体精製装置は、PSA装置である。そのため、以下の実施形態においては、一般的なPSA装置が備える脱圧ライン及び均圧ライン並びにこれらの各ラインに設けられる開閉弁等の構成(即ち、本発明の特徴との関連性が低い構成)に関する説明を省略し、図示を省略する。
図1は、本実施形態に係る気体精製装置10の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、気体精製装置10は、原料ガスの供給源1と第1のPSAユニット2と第2のPSAユニット3と吸引ポンプ4と冷却器5と原料ラインL1と接続ラインL2と第1の導出ラインL3と第2の導出ラインL4と第1の再生ガスラインL5と第2の再生ガスラインL6と再生排ガスラインL7とを備える。
図1に示す気体精製装置10においては、原料ガスが第1のPSAユニット2に供給され、プロパンとプロペンとを含む気体が後述の第2の吸着塔3aの一次側に供給されている。また、第2の吸着塔3aの二次側からプロパンが第1の導出ラインL3に導出されている。そして、後述の第2の吸着塔3bの一次側からプロペンが導出されている。
以下に気体精製装置10の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
原料ラインL1は、第1のPSAユニット2に原料ガスを供給するためのラインである。原料ラインL1は、第1のPSAユニット2の一次側(上流側)と接続される。
第1のPSAユニット2は、原料ガスから第3の気体(本形態例では二酸化炭素とブチルアルコールとを含む混合気体である。)を除去する。第1のPSAユニット2は、第1の吸着塔2a,2bを有する。第1の吸着塔2a,2bは、中空円筒状である。第1の吸着塔2a,2bは内部に第1の吸着剤を有する。
第1の吸着剤は第3の気体を吸着する。本実施形態では第1の吸着塔2a内の第1の吸着剤は、第1の吸着層6aと第2の吸着層7aとを少なくとも有する。同様に第1の吸着塔2b内の第1の吸着剤は、第1の吸着層6bと第2の吸着層7bとを少なくとも有する。第1の吸着塔2a内の第1の吸着剤は、第3の気体の構成成分の種類の数に応じて、第1の吸着層6a及び第2の吸着層7a以外に、さらに吸着層を有してもよい。同様に第1の吸着塔2b内の第1の吸着剤は、第3の気体の構成成分の種類の数に応じて、第1の吸着層6b及び第2の吸着層7b以外に、さらに吸着層を有してもよい。
第1の吸着層6a,6bは、第1の成分(本形態例ではブチルアルコールである。以下、「ブチルアルコール」と記す。)を吸着する。第1の吸着層6a,6bの具体例としては、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、アミン担持アルミナ、シリカゲル、シリカアルミナ、マイクロ又はメソポーラス樹脂系吸着剤等が例示される。これらは一種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2の吸着層7a,7bは、第2の成分(本形態例では二酸化炭素である。以下、「二酸化炭素」と記す。)を吸着する。第2の吸着層7a,7bの具体例としては、分子篩炭(MSC)、ゼオライト等が例示される。これらは一種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の吸着層6aと第2の吸着層7aとは、第1の吸着塔2aの一次側から二次側の順に第1の吸着塔2a内で積層されている。同様に第1の吸着層6bと第2の吸着層7bとは、第1の吸着塔2bの一次側から二次側の順に第1の吸着塔2b内で積層されている。
第1の吸着層6a,6bと第2の吸着層7a,7bとの積層の順序は、ブチルアルコール(第1の成分)と二酸化炭素(第2の成分)との吸着の順序によって決定できる。例えば、本形態例のように、第3の気体がブチルアルコールのような強吸着成分を含む場合、第1の吸着塔2a,2bの一次側にブチルアルコールを吸着する第1の吸着層6a,6bを積層することが好ましい。この場合、二次側に第2の吸着層7a,7bを積層することで、ブチルアルコール、二酸化炭素の順に原料ガスから除去される。その結果、強吸着成分が二次側の第2の吸着層7a,7bに到達しにくくなり、第2の吸着層7a,7bの吸着能が低下しにくく、製品ガス(プロペン)の純度がさらに高くなる。
第1の吸着塔2a,2bにおいて、第1の吸着層6a,6bが占める容積Vと第2の吸着層7a,7bが占める容積Vとの比(V:V)は、1:9〜3:7が好ましい。V:Vが1:9〜3:7であると、ブチルアルコール及び二酸化炭素がさらに効果的に除去され、製品ガスの純度がさらによくなる。
第1の吸着層6a,6bの二次側に位置する部分の第1の吸着塔2a,2bの側面には、導入口8a,8bが形成されている。導入口8aは第1の再生ガスラインL5の分岐した端部(分岐ラインL5a)と接続される。導入口8bは第1の再生ガスラインL5の分岐した端部(分岐ラインL5b)と接続される。導入口8a,8bには第1の再生ガスラインL5からプロパンが導入される。導入口8a,8bを経由することで、第1の吸着層6a,6bを再生する再生ガスとして、プロパンを第1の吸着層6a,6bの二次側に供給できる。
第1の吸着層7a,7bの二次側に位置する部分の第1の吸着塔2a,2bの上面には、導入口9a,9bが形成されている。導入口9aは第2の再生ガスラインL6の分岐した端部(分岐ラインL6a)と接続される。導入口9bは第2の再生ガスラインL6の分岐した端部(分岐ラインL6b)。導入口9a,9bには第2の再生ガスラインL6からプロパンが導入される。導入口9a,9bを経由することで、第2の吸着層7a,7bを再生する再生ガスとして、プロパンを第2の吸着層7a,7bの二次側に供給できる。
接続ラインL2は、プロパン(本形態例ではプロパン(C)である。以下、「プロパン」と記す。)と第2の気体(本形態例ではプロペン(C)である。以下、「プロペン」と記す。)とを含む気体を第1のPSAユニット2から第2のPSAユニット3に導出するためのラインである。接続ラインL2は、第1のPSAユニット2の二次側(下流側)と第2の吸着塔3a,3bの一次側(上流側)とを接続する。具体的には、接続ラインL2は、第1の端部が第1のPSAユニット2の二次側と接続され、分岐した第2の端部が第2の吸着塔3a,3bの一次側のそれぞれと接続される。
第2のPSAユニット3は、プロパンとプロペンとを分離する。第2のPSAユニット3は第2の吸着塔3aと第2の吸着塔3bとを有する。第2の吸着塔3a,3bは基本的に同じ構成であり、中空円筒状である。第2の吸着塔3a,3bは内部に第2の吸着剤(図示略)を有する。本形態例においては、第2の吸着剤はプロペンを吸着できる形態であれば特に限定されない。第2の吸着剤としては、ゼオライト、銀イオン担持活性炭等を含む吸着剤が好ましい。
第2の吸着塔3a,3bでプロペンが第2の吸着剤に吸着されることにより、プロパンとプロペンとを含む気体からプロペンが除去可能である。プロペンの第2の吸着剤への吸着反応は発熱反応である。そのため、プロペンが第2の吸着剤に吸着すると、第2の吸着塔3a,3bの二次側から導出されるプロパンを主に含む気体(以下、単に「プロパン」と記す。)の温度が上昇する。すなわち、第2の吸着塔3a,3bの二次側から導出された後のプロパンの温度は、第2の吸着塔3a,3bに導入される前の温度と比較して相対的に高くなる。
第1の導出ラインL3は、第2のPSAユニット3の二次側から導出されるプロパンが流れるラインである。第1の導出ラインL3は、分岐した第1の端部が第2の吸着塔3a,3bのそれぞれの二次側と接続され、第2の端部(後述の接続点d2)が第2の再生ガスラインL6と接続される。
第1の導出ラインL3は、第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6と接続されている。具体的に第1の導出ラインL3は、接続点d1で第1の再生ガスラインL5と接続され、接続点d2で第2の再生ガスラインL6と接続される。
第2の導出ラインL4は、第2のPSAユニット3の一次側から導出されるプロペンが流れるラインである。第2の導出ラインL4は、分岐した第1の端部が第2の吸着塔3a,3bの一次側のそれぞれと接続され、第2の端部が図示略の製品ガスタンクと接続されている。第2の導出ラインL4には、吸引ポンプ4が設けられている。図示略の製品ガスタンクには、プロペンが製品ガスとして貯蔵される。
吸引ポンプ4は第2の吸着剤にプロペンが吸着されている状態において、第2の吸着剤からプロペンを脱離させる吸引手段の一例である。これにより、第2のPSAユニット3によって分離されたプロパンの一部を第2の吸着剤の再生ガスとして第2の吸着塔3a,3b内に供給せずに、第2の吸着剤からプロペンを脱離させることができる。吸引ポンプ4としては真空ポンプが好ましい。
第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6は、第1の吸着剤を再生する再生ガスとしてプロパンが流れるラインである。第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6は、第1の導出ラインL3からそれぞれ分岐されている。
第1の再生ガスラインL5は、第1の端部が接続点d1で第1の導出ラインL3と接続され、第2の端部が分岐ラインL5aと分岐ラインL5bとに分岐される。第1の再生ガスラインL5の分岐した第2の端部のそれぞれは、導入口8a,8bと接続される。
第2の再生ガスラインL6は、第1の端部が接続点d2で第1の導出ラインL3と接続され、第2の端部が分岐ラインL6aと分岐ラインL6bとに分岐される。第2の再生ガスラインL6は、冷却器5を有する。第2の再生ガスラインL6の分岐した第2の端部のそれぞれは、導入口9a,9bと接続される。
第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6に第1の導出ラインL3から導入されるプロパンは、第2の吸着塔3a,3bの二次側から導出されるプロパンである。第2の吸着塔3a,3bから導出されるプロパンは、吸着反応の発熱により加温され、相対的に温度が高い。よって第1の再生ガスラインL5は、相対的に温度の高いプロパンを導入口8a,8bを介して第1の吸着層6a,6bの二次側に供給可能である。
第1の吸着層6a,6bに供給されるプロパンの温度は、ブチルアルコール(第1の成分)の脱離に適した温度Tに調節される。温度Tは特に限定されないが、例えば、50〜250℃とすることができる。温度Tの調整は、例えば第2の吸着塔3a,3b内の第2の吸着剤の量の調整で行ってもよい。
冷却器5は、第2の吸着層7a,7bに再生ガスとして供給されるプロパンを冷却する。よって、第2の再生ガスラインL6は、相対的に温度の低いプロパンを導入口9a,9bを介して第2の吸着層7a,7bの二次側に供給可能である。
第2の吸着層7a,7bに供給されるプロパンの温度は、二酸化炭素(第2の成分)の脱離に適した温度Tに調節される。温度Tは特に限定されないが、例えば、0〜45℃とすることができる。温度Tの調整は、冷却器5で行うことができる。
なお、冷却器5は、第2の再生ガスラインL6内のプロパンの温度を調節する温度調節器の一例である。
このように、第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6は、各成分(ブチルアルコール及び二酸化炭素)の種類に合わせてプロパンの温度を調節する。第1の再生ガスラインL5及び第2の再生ガスラインL6は、各成分の脱離に適した温度に調節されたプロパンを第1の吸着層6a,6bと第2の吸着層7a,7bとのそれぞれの二次側に供給するように、第1の吸着塔2a,2bと接続される。
再生排ガスラインL7は、第1の吸着塔2a,2bから再生排ガスを排出するためのラインである。再生排ガスラインL7は、第1の吸着塔2a,2bの一次側と接続される。
(作用効果)
以上説明した気体精製装置10にあっては、第1の再生ガスラインL5と第2の再生ガスラインL6とを備え、各吸着層に吸着している各成分の種類に合わせてプロパンの温度を調節しながら、各吸着層の二次側に供給可能な構成を採用している。そのため、各吸着層から脱離させる各成分の脱離に適した温度で各吸着層の再生を行うことができる。その結果、強吸着成分が第1の吸着層に吸着しても、各吸着層の再生が容易であるから、吸着能が回復しやすくなり、製品ガスの純度がよくなる。
気体精製装置10によれば、プロパンを第1の吸着剤を再生する再生ガスとして、第1の吸着塔2a,2bに供給できるため、製品ガスとして貯蔵されるプロペンを第1の吸着剤の再生に使用する必要がなくなる。よって、製品ガスであるプロペンの収率が高くなり、さらに高収率でプロペンを精製できる。
気体精製装置10は、第1のPSAユニット2と第2のPSAユニット3とを備えるため、第3の気体を第1のPSAユニット2で確実に除去した後に、第2のPSAユニット3でプロパンとプロペンとを分離できる。その結果、プロペンの純度が高くなり、高純度でプロペンを精製できる。
気体精製装置10は吸引ポンプ4を備えるため、第2のPSAユニット3によって分離されたプロパンの一部を第2の吸着塔3a,3b内に供給せずに、第2の吸着剤からプロペンを脱離させることができる。そのため、製品ガスであるプロペンにプロパンが混入しにくくなる。その結果、プロペンの純度が高くなり、高純度でプロペンを精製できる。
気体精製装置10は冷却器5を備えるため、第2の吸着層7a,7bの再生の際に、過度に第1の吸着塔2a,2bの温度が上がりにくく、第1の吸着塔2a,2bを二酸化炭素の除去に適した温度に維持しやすい。そのため、二酸化炭素の除去効率がよくなり、製品ガスであるプロペンの純度がさらに高くなる。
以下、気体精製装置10の比較対象として、関連技術のPSA装置について説明する。図2は、気体精製装置10の関連技術に係る気体精製装置100の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、気体精製装置100は、第1の再生ガスラインL5を備えない点以外は、気体精製装置10と同様の構成を備える。ただし、図2においては簡略化のため、第1の吸着塔2a,2b及び第2の再生ガスラインL6の分岐した各端部(分岐ラインL6a,L6b)の図示を省略している。
図2に示す気体精製装置100においては、原料ガスが第1のPSAユニット2に供給されている。また、第2の吸着塔3aの二次側からプロパンが第1の導出ラインL3に導出されている。そして、第2の吸着塔3bの一次側からプロペンが導出されている。
第2の吸着塔3a内でプロペンの吸着反応が起き、吸着反応にともなう熱が発生する。その結果、第2の吸着塔3aから導出されるプロパンの温度が高くなる。
一方で第2の吸着層7a,7bにおける二酸化炭素の脱離は、脱離効率の点から、相対的に低い温度下で行われる。そこで、冷却器5によって第2の再生ガスラインL6内の温度を下げる必要がある。
ところが、第1の吸着層6a,6bにおけるブチルアルコールの脱離は、脱離効率の点から、相対的に高い温度下で行われる。そのため、第2の吸着層7a,7bの脱離効率に合わせてプロパンを冷却器5で冷却し、第1の吸着層6a,6bの二次側にそのまま供給すると、ブチルアルコールの脱離効率が低下するおそれがある。よって、気体精製装置100においては、第1の吸着層6a,6bの吸着能が回復しにくく、製品ガスの純度が低下するおそれがある。
なお、第2の吸着層7a,7bの脱離効率に合わせてプロパンを冷却し、さらに第1の吸着層6a,6bを相対的に低温でも脱離可能な吸着層に置換することも考えられる。しかし、このような吸着層の置換を行うと、製品ガスの純度を高くするために、置換後の吸着層の使用量を多くする必要が生じ、吸着塔が大型化し、コストが増大する。
図3は、気体精製装置10の関連技術に係る気体精製装置200の構成の一例を示す模式図である。図3に示すように、気体精製装置200は、下記の点以外は気体精製装置10と同様の構成を備える。
・第1の再生ガスラインL5を備えない点。
・非再生式の除去器30を備える点。
・第1のPSAユニット2が第1のPSAユニット20に置換されている点。
図2に示す気体精製装置100においては、原料ガスが第1のPSAユニット20に供給されている。また、第2の吸着塔3aの二次側からプロパンが第1の導出ラインL3に導出されている。そして、第2の吸着塔3bの一次側からプロペンが導出されている。
第1のPSAユニット20は図示略の第1の吸着塔を有する。第1のPSAユニット20においては、第1の吸着塔は、第1のPSAユニット2における第1の吸着塔2a,2bと異なり、第1の吸着層6a,6b及び第3の吸着層7a,7bを有さない。そして、第1のPSAユニット20においては、第1の吸着塔は、二酸化炭素の吸着剤を吸着塔内に有する。
非再生式の除去器30は、ブチルアルコール等の強吸着成分を除去する。非再生式であるため、一度ブチルアルコールが除去器30内に吸着すると、脱離が困難である。
除去器30は非再生式であるため、ブチルアルコール等の強吸着成分が吸着し、吸着能が低下すると、新品の除去器30と取り換える必要がある。強吸着成分の含有量が原料ガス100体積%に対し、0.1%未満程度であれば、年間の維持コストも増大しにくく、気体精製装置200は、強吸着成分を含む原料ガスの精製に適用可能であるが、強吸着成分の含有量が原料ガス100体積%に対し、0.1%以上であると、年間の維持コストが増大する。
これに対し、気体精製装置10は強吸着成分に適した温度でプロパンを第1の吸着層に供給することで、第1の吸着層の再生を可能としているため、低コストで製品ガスを製造できる。
<気体精製方法>
以下、上述した気体精製装置10を用いる本実施形態の気体精製方法について説明する。本実施形態の気体精製方法は、PSA方式の気体精製方法である。そのため、以下の実施形態においては、一般的な(即ち、本発明の特徴との関連性が低い)PSA方式の気体精製方法で行われる脱圧及び均圧等の操作に関する説明を省略する。
以下に示す実施形態では、原料ガスを第1の吸着塔2bに供給し、第1の吸着層6bにブチルアルコールを吸着させ、第2の吸着層7bに二酸化炭素を吸着させ、第1の吸着塔2bから第2の吸着塔3bにプロパン及びプロペンを供給し、第2の吸着塔3b内にプロペンを吸着させた後を一例として、説明する。
即ち、以下の実施形態では、第1の吸着塔2aで第3の気体の吸着工程が行われ、第1の吸着塔2bで第1の吸着剤の再生工程が行われている。そして、第2の吸着塔3aでプロペンの吸着工程が行われ、第2の吸着塔3bでプロペンの脱離による回収工程が行われている。
以下、図1を参照しながら本実施形態の気体精製方法について説明する。図1中、矢印の向きは、気体が流れている方向を意味する。
本実施形態の気体精製方法では、原料ガスを第1の吸着塔2aに供給し、第1の吸着層6aにブチルアルコールを吸着させ、第1の吸着層6bに二酸化炭素を吸着させる。これにより、原料ガスから第3の気体が除去される。
次いで、プロパンとプロペンとを含む気体を第1の吸着塔2aから接続ラインL2に導出し、プロパン及びプロペンを第2の吸着塔3aに供給する。そして、第2の吸着塔3a内の図示略の第2の吸着剤にプロペンを吸着させる。これにより、プロパンとプロペンとが分離される。なお、第2の吸着塔3b内では、図示略の第2の吸着剤からプロペンがプロペンを脱離させている。
本実施形態では、第1の吸着塔2b内の第1の吸着剤を再生する際に、第1の導出ラインL3にプロパンを導出する。これにより、第1の導出ラインL3に導出されるプロパンの温度が、プロペンの吸着反応による発熱の影響で第2の吸着塔3aに導入される前の温度と比較して相対的に高くなる。その後、第1の導出ラインL3内のプロパンは、接続点d1で第1の再生ガスラインL5に導出される。第1の導出ラインL3内のプロパンは、接続点d2で第2の再生ガスラインL6に導出される。
まず、第2の再生ガスラインL6内の相対的に高温のプロパンは、冷却器5によって冷却され、相対的に温度が低くなる。このように第2の再生ガスラインL6内では、第2の吸着層7bに吸着する二酸化炭素の脱離温度に合わせて、プロパンの温度が調整される。
その後、第2の再生ガスラインL6内の相対的に低温のプロパンが、分岐ラインL6bを経由し、導入口9bを介し、第2の吸着層7bの二次側に供給される。これにより、第2の吸着層7bに吸着している二酸化炭素が脱離に適した温度下で脱離する。脱離した二酸化炭素は、プロパンとともに第2の吸着層7bから第1の吸着層6bに向かって流れ、再生排ガスラインL7にプロパンとともに導出される。
次いで、第1の再生ガスラインL5内の相対的に高温のプロパンは、分岐ラインL5bを経由し、導入口8bを介し、第1の吸着層6bの二次側に供給される。これにより、第1の吸着層6bに吸着しているブチルアルコールが脱離し、再生排ガスラインL7にプロパンとともに導出される。
ここで、第1の再生ガスラインL5内のプロパンは、相対的に高温であり、その温度は、第1の吸着層6bに吸着するブチルアルコールの脱離温度に近い。すなわち、第1の再生ガスラインL5内のプロパンは、すでに第1の導出ラインL3への導出によって、第1の吸着層6bに吸着するブチルアルコールの脱離温度に合わせて、調節済であることが多い。そのため、本実施形態では、さらなるプロパンの冷却又は加熱等の温度調節を行っても、行わなくてもよい。
このように、本実施形態では、第1の吸着層6b及び第2の吸着層7bにそれぞれ吸着している各成分の種類に合わせて、プロパンの温度を調節しながら、プロパンを第1の吸着層6b及び第2の吸着層7bのそれぞれの二次側に供給する。第1の吸着層6bにおける各成分の脱離時の圧力は特に限定されない。前記圧力は例えば大気圧とすることができる。
(作用効果)
以上説明した本実施形態の気体精製方法では、気体精製装置10を用い、各吸着層に吸着している各成分の種類に合わせてプロパンの温度を調節しながら、プロパンを各吸着層の二次側に供給するため、原料ガスが強吸着成分を含む場合でも、強吸着成分が吸着剤から脱離しやすい。このように、本実施形態にあっては、第1の吸着層6bの吸着能が再生工程で回復しやすいため、製品ガスの純度が高くなる。したがって、気体精製装置10は強吸着成分を含む混合ガスの精製に適用可能である。
さらに本実施形態では、第2の吸着層7bの二次側にプロパンを供給した後に、第1の吸着層6bの二次側にプロパンを供給している。これにより、相対的に温度が低いプロパンで第2の吸着層7bの二酸化炭素が脱離した後に、脱離した二酸化炭素とプロパンを含む再生排ガスが第1の吸着層6bを通過する。この際に、二酸化炭素とプロパンを含む再生排ガスが若干量のブチルアルコールを脱離する効果が期待できる。そのため、第1の吸着層6bに吸着しているブチルアルコールの一部が相対的に温度の低いプロパンで脱離した後に、相対的に温度が高いプロパンを第1の吸着層6bの二次側にプロパンを供給できるようになる。その結果、さらにブチルアルコールが脱離しやすくなり、製品ガスの高純度化を期待できる。
以上説明した本実施形態では、第2の吸着塔3aでプロペンの吸着反応が起き、第2の吸着塔3aから導出されるプロパンを第1の吸着塔2a,2bの再生ガスとして使用する場合を一例として説明した。当然ながら、第2の吸着塔3bでプロペンの吸着反応が起き、第2の吸着塔3bから導出されるプロパンを第1の吸着塔2a,2bの再生ガスとして使用する場合でも、同様の作用効果が得られる。
他にも、第2の吸着塔3aは、スチーム等の外部熱源により加温されてもよい。この場合において、第2の吸着塔3aから導出されるプロパンを第1の吸着塔2a,2bの再生ガスとして使用しても、同様の作用効果が得られる。
以上、一実施形態に係る気体精製装置10を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。気体精製装置10は、その他の様々な形態で実施可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、接続ラインL2、第1の再生ガスラインL5、第2の再生ガスラインL6のそれぞれには、各ラインを流れる気体の流量の変動を抑制して安定化させることを目的とし、気体を貯蔵するタンクが設けられてもよい。
なお、他の実施形態においては、複数の再生ガスラインの数は、第3の気体の構成成分の数に応じて決定してもよい。この場合、第1の吸着塔における吸着層の数も、第3の気体の構成成分の数に応じて決定される。すなわち、複数の再生ガスラインの数及び吸着層の数は、第3の気体の構成成分の数に応じて決定可能である。第3の気体の構成成分の数が3以上である場合、積層の順番は、第3の気体の構成成分の中から除去する順番に応じて選択できる。
<実施例>
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(略号)
L4:第2のPSAユニット3における製品ガス(プロペン)の流量[Nm/h]。
L2:第1のPSAユニット2の吸着時の圧力[kPaG]。
L5:第1の再生ガスラインL5内のプロパンの温度[℃]。
L6:冷却器5の二次側の第2の再生ガスラインL6内のプロパンの温度[℃]。
L5:第1の再生ガスラインL5内のプロパンの流量[Nm/h]。
L6a,L6b:第2の再生ガスラインL6の分岐した各端部(分岐ラインL6a,L6b)内のプロパンの流量[Nm/h]。
「V:V」:第1の吸着塔内で、第1の吸着層が占める容積Vと第2の吸着層が占める容積Vとの比。
:第2の再生ガスラインL6から第1の供給塔へのプロパンの供給時間[秒間]。
:第1の再生ガスラインL5から第1の供給塔へのプロパンの供給時間[秒間]。
(実施例1)
実施例1では気体精製装置10を用いて、PSA方式で原料ガスを精製し、プロペンを製品ガスとして回収した。実施例1で使用した原料ガスは、プロパンを45体積%、プロペンを25体積%、ブチルアルコールを5体積%、二酸化炭素を25体積%含んでいた。
実施例1ではまず、原料ガスを第1のPSAユニット2に供給し、ブチルアルコールと二酸化炭素とを除去した。第1のPSAユニット2では、第1の吸着層6a,6bとしてシリカアルミナを使用し、第2の吸着層7a,7bとしてMSC(分子篩活性炭)を使用した。第1のPSAユニット2における第1の吸着塔の吸着と脱離の切替時間は、180秒とした。
次いで、第2のPSAユニット3にプロパン及びプロペンを供給し、プロパンとプロペンとを分離した。第2のPSAユニット3におけるプロペンの吸着温度は150℃とした。第2のPSAユニット3では、第2の吸着剤としてゼオライトを使用した。
その後、本実施形態で説明した方法に従い、第1の吸着層及び第2の吸着層の再生を行い、表1に示す条件下でプロペンを製品ガスとして第2の導出ラインL4から回収した。なお、実施例1では、第1の吸着塔におけるブチルアルコールと二酸化炭素との脱離は、大気圧下で行った。
Figure 0006965198
(比較例1)
比較例1では気体精製装置100を用いた以外は、実施例1と同様にし、表1に示す条件下でプロペンを製品ガスとして回収した。なお比較例1でも、第1の吸着塔におけるブチルアルコールと二酸化炭素との脱離は、大気圧下で行った。
実施例1では、製品ガス中の不純物の濃度が39体積%であったのに対し、比較例1では、49体積%であった。この結果から実施例1では比較例1より効果的に第1の吸着層及び第2の吸着層の再生を行うことができ、プロペンを高純度で精製できたことが示唆された。
本発明の気体精製装置及び気体精製方法は、例えば、複数の炭化水素を含む有機物と無機物とを含む混合物から、高濃度の炭化水素ガスを高回収率で回収する技術として産業上利用可能である。
1…原料ガスの供給源、2,20…第1のPSAユニット、2a,2b…第1の吸着塔、3…第2のPSAユニット、3a,3b…第2の吸着塔、4…吸引ポンプ、5…冷却器、6a,6b…第1の吸着層、7a,7b…第2の吸着層、8a,8b,9a,9b…導入口、10,100,200…気体精製装置、30…除去器、L1…原料ライン、L2…接続ライン、L3…第1の導出ライン、L4…第2の導出ライン、L5…第1の再生ガスライン、L6…第2の再生ガスライン、L7…再生排ガスライン、d1,d2…接続点

Claims (6)

  1. 第1の気体と第2の気体と第3の気体とを含む原料ガスから、圧力変動吸着方式で製品ガスを精製する気体精製装置であって、
    前記第3の気体を吸着する第1の吸着剤を有する第1の吸着塔と、
    前記第2の気体を吸着する第2の吸着剤を有する第2の吸着塔と、
    前記第1の吸着塔の二次側と前記第2の吸着塔の一次側とを接続し、前記第1の気体及び前記第2の気体が流れる接続ラインと、
    前記第2の吸着塔の二次側と接続され、前記第1の気体が流れる第1の導出ラインと、
    前記第1の導出ラインと接続され、前記第1の気体が流れる複数の再生ガスラインと、
    を備え、
    前記第3の気体は、第1の成分と第2の成分とを少なくとも含み、
    前記第1の吸着剤は、前記第1の成分を吸着する第1の吸着層と、前記第2の成分を吸着する第2の吸着層とを少なくとも有し、
    前記第1の吸着層と前記第2の吸着層とが、前記第1の吸着塔の一次側から二次側の順に第1の吸着塔内で積層され、
    各吸着層に吸着している各成分の種類に合わせて前記第1の気体の温度を調節しながら、前記第1の気体を各前記吸着層の二次側に供給するように、各前記再生ガスラインが、前記第1の吸着塔と接続され、
    前記第1の気体と前記第2の気体との組み合わせが、プロパンとプロペンとの組み合わせであり、
    前記第1の成分が、トルエン、ベンゼン、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、水蒸気からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記第2の成分が窒素、酸素、アルゴン、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、気体精製装置。
  2. 各前記第2の吸着塔の一次側と接続され、前記第2の気体が流れる第2の導出ラインと、
    前記第2の導出ラインに設けられ、前記第2の吸着剤から前記第2の気体を脱離させる吸引手段と、
    をさらに備える、請求項1に記載の気体精製装置。
  3. 各前記吸着層の二次側に位置する部分の前記第1の吸着塔に、前記第1の気体が導入される複数の導入口がそれぞれ形成され、
    各前記導入口と各前記再生ガスラインとが接続される、請求項1又は2に記載の気体精製装置。
  4. 複数の前記再生ガスラインの少なくとも一つが、前記第1の気体の温度を調節する温度調節器を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の気体精製装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の気体精製装置を用いる圧力変動吸着方式の気体精製方法であって、
    前記第1の吸着剤を再生する際に、前記第1の導出ラインに前記第1の気体を導出し、
    各前記吸着層に吸着している前記各成分の種類に合わせて前記第1の気体の温度を調節しながら、前記第1の気体を各前記吸着層の二次側に供給する、気体精製方法。
  6. 前記第2の吸着層の二次側に前記第1の気体を供給した後に、前記第1の吸着層の二次側に前記第1の気体を供給する、請求項に記載の気体精製方法。
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