JP6964418B2 - 発酵乳 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵乳に関する。特に詳しくは離水が抑制された発酵乳に関する。
従来、発酵乳を製造するために多種の方法が取られてきた。
例えば、特許文献1ではラクトバチルス ヘルベチカスまたはストレプトコッカス サーモフィラスの少なくとも一方に属する特定の菌株に多糖質粘性物質を産生させ、別途安定剤を添加しなくてもホエー分離、離水等が起こらない発酵乳や乳酸菌飲料を製造する方法が開示されている。引用文献1では、SR−1乳酸菌というラクトバチルス ヘルベチカスの特定の菌株を用いた発酵乳を調製し、一晩冷却した場合の離水の割合(離水率)を測定することにより、他の菌株を用いた発酵乳と比べて離水が抑制されたことを確認している。しかし、賞味期限まで保存した場合の離水率等については検討されておらず、必ずしも離水が十分に抑制された発酵乳が得られるとはいえない。
特許文献2ではケフィール粒から分離した莢膜多糖ケフィランを生産するラクトバチルスsp.KPB−167という特定の菌株を用い、莢膜多糖ケフィランを含有する発酵乳を製造することにより、粘性の低下やホエー分離が起こらない発酵乳を得ることが開示されている。特許文献3でも、ケフィア顆粒から分離した多量に多糖粘性物質を産出する乳酸桿菌を用い、牛乳を発酵基質として発酵乳を得ており、この発酵乳が糸を引くような粘性を有し、他の菌を使用して得た発酵乳と比べて離水が抑制されていることが開示されている。しかし、これらはいずれも特徴的な粘性を有するケフィール粒等から分離される特殊な乳酸菌を用いるものである。
このように従来の方法により、ある程度、離水が抑制された発酵乳を製造することは可能であるが、賞味期限まで保存した場合でも離水抑制が維持された発酵乳の提供が望まれていた。
そこで、本発明者らは本発明において、離水が抑制された発酵乳を得るために、食品内に分散している成分の分散安定性を示す指標であるメジアン径に着目した。この指標は特許文献4において、クリーム組成物のハンドリング性や安定性を評価するために用いられている。この指標を用いることにより、離水が抑制された発酵乳を得ることが可能になると期待できる。
なお、特許文献5において発酵乳の持つ生理機能を増強し、同時に発酵乳の品質安定化やおいしさの向上を可能にする発酵乳添加剤として、キシロオリゴ糖を有効成分として含有する発酵乳添加剤が記載されており、該キシロオリゴ糖が1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有すること等が特徴として開示されている。しかし、引用文献5はあくまでも発酵乳添加剤に関するものであり発酵乳自体の発明ではなく、さらに離水等の発酵乳の組織については記載も示唆もされていない。
特開2007−236227号公報 特開平4−104761号公報 特開平5−268943号公報 特開2008−131927号公報 特開2009−44996号公報
本発明は、離水が抑制された発酵乳及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意研究した結果、次の特徴を有する発酵乳を製造することにより、離水が抑制された発酵乳が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。このような本発明の発酵乳は、メジアン径が1μm以上30μm以下であるという特徴を有する。
このように、本発明は次の(1)〜(12)に示される発酵乳に関するものである。
(1)乳酸菌の粘性多糖を含有し、メジアン径が1μm以上30μm以下である発酵乳。
(2)乳酸菌の粘性多糖を含有し、静置保存における離水率が0体積%以上30体積%以下である発酵乳。
(3)乳酸菌の粘性多糖を含有し、メジアン径が1μm以上30μm以下であり、かつ、静置保存における離水率が0体積%以上30体積%以下である発酵乳。
(4)前記乳酸菌の粘性多糖がウロン酸を含有する前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の発酵乳。
(5)前記ウロン酸の含有量が粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下である前記(4)に記載の発酵乳。
(6)乳酸菌が、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)および/またはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)である前記(1)〜(5)のいずれか1に記載の発酵乳。
(7)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)がストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104(FERM P−9442)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113(FERM P−9443)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)から選ばれるいずれか一種以上であり、前記ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)がラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098(FERM P−9440)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167(FERM P−9441)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577(FERM P−21666)から選ばれるいずれか一種以上である前記(6)に記載の発酵乳。
(8)無脂乳固形分(SNF)3重量%以上20重量%以下である前記(1)〜(7)のいずれか1に記載の発酵乳。
(9)ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)。
(10)ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)。
(11)ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)。
(12)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104(FERM P−9442)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113(FERM P−9443)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)、あるいはストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)から選ばれるいずれか一種以上のストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、または、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098(FERM P−9440)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167(FERM P−9441)、あるいはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577(FERM P−21666)から選ばれるいずれか一種以上のラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)を添加する工程を含む前記(1)〜(8)のいずれか1に記載の発酵乳の製造方法。
本発明によって、離水が抑制された発酵乳及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の発酵乳について詳細に説明する。
本発明の発酵乳は離水が抑制されたものである。
ここで“離水が抑制された”とは、次の方法によって離水率を測定した際の静置保存における離水率が0体積%以上35.0体積%未満である発酵乳のことをいう。この離水率は0体積%以上30体積%以下であることが好ましく、特に0体積%以上25体積%以下であることが好ましく、0体積%以上20体積%以下であることが最も好ましい。
発酵乳の離水率の測定方法は、目盛り付き試験管を用いて、発酵乳全体の体積に対する離水体積を算出することによって測定することができる。具体的には、50mLの目盛り付き試験管に発酵乳を50mL充填して、50mLに対する離水の体積から算出できる。測定において使用する発酵乳は調製直後のものでもよく、賞味期限まで10℃で保存したものであってもよい。測定温度は品温10℃とする。
このような離水が抑制された発酵乳は、メジアン径によって特定することができ、メジアン径が1μm以上30μm以下であるものであれば、本願発明の離水が抑制された発酵乳に該当する。本発明の発酵乳はさらに、メジアン径が1μm以上25μm以下であることが好ましく、特に1μm以上20μm以下であることが好ましい。
この発酵乳におけるメジアン径は、レーザー回析式粒度分布測定装置、レーザー回析・散乱式粒子径分布測定装置、画像解析式粒子径分布測定装置、精密粒度分布測定装置、リアルタイムゼータ電位・ナノ粒子径測定装置、動的光散乱式(DLS)粒子径文応測定装置、分析用超遠心システムなど、粒度分布を測定する装置で測定することができる。
得られた体積基準での積分分布曲線の50%に相当する粒子径をメジアン径といい、いわゆる50%粒子径、50%径、d50等といわれる。測定において使用する発酵乳は調製直後のものでもよく、賞味期限まで保存したものであってもよい。測定温度は品温10℃とする。
このような本発明の発酵乳は、メジアン径が1μm以上30μm以下と小さいことから、離水が少ないだけでなく、発酵乳に含まれる乳成分等の凝集が少なく、十分な滑らかさを有する発酵乳となる。
この本発明における発酵乳とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)の発酵乳を指し、いわゆるドリンクヨーグルト、撹拌型ヨーグルト(Stirred type)、静置型ヨーグルト(Set type)、前発酵ヨーグルト、後発酵ヨーグルト、ソフトヨーグルト、ハードヨーグルトを例示できる。このような本発明の発酵乳は、乳酸菌の粘性多糖を含有する発酵乳であれば特に限定されるものではない。
本発明の発酵乳を得るにあたり、乳酸菌としてストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)および/またはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)を使用することが好ましい。これらの乳酸菌のうち、高粘性産生能を有する株、いわゆる粘性物産生株、多糖産生株等とされる株であれば乳酸菌のみの使用、または乳酸菌と少量の安定剤との併用で求める最大荷重、カード粒数が得られるため、食感やコスト面で好ましい。
本発明の高粘性産生能を有する乳酸菌はウロン酸を含む多糖類を産生するものがよく、このような乳酸菌として、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104(FERM P−9442)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113(FERM P−9443)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)、またはストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)が挙げられる。
また同様に、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098(FERM P−9440)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167(FERM P−9441)、またはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577(FERM P−21666)を例示することができる。
本発明の発酵乳の製造にあたり、これらの乳酸菌から選ばれる一種又は複数種を用いることができる。
これらの乳酸菌の培養は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、12重量%無脂乳固形分からなる脱脂粉乳培地を用い、培地に対して乳酸菌を3重量%接種し、37℃で16時間培養して乳酸菌スターターを得ることができる。
本発明の発酵乳に含まれる乳酸菌の粘性多糖は公知の方法に従って分離・精製することができる。例えば、乳酸菌の培養物を5℃、10000rpm、18592g、15分間遠心して上清を採取し、次いで1.5倍量のエタノールを加えて沈殿させ、沈殿物をMilliQ水に溶解し、トリクロロ酢酸(最終7.7v/v%)を加えて5℃で1時間保存する。その後、10℃、8000rpm、1189g、15分間遠心して上清を得て、この上清をイオン交換水に対して透析し、凍結乾燥した後、リン酸緩衝液に溶解し、たんぱく分解酵素(アクチナーゼAS、科研製薬株式会社製)を用いてたんぱく質を分解する。これを透析し不純物の除去を行った後、得られた溶液の凍結乾燥品を乳酸菌の粘性多糖の凍結乾燥物とし、ウロン酸測定に供することができる。なお、たんぱく分解酵素としては、パンクレアチン(天野エンザイム社製)、パパインW40(天野エンザイム社製)、アルカラーゼ(ノボザイム社製)等、一般的に市販されているものでよく、動物起源、植物起源、あるいは微生物起源は問わない。
乳酸菌の粘性多糖におけるウロン酸は、標準液としてグルクロン酸溶液を用い、カルバゾール・硫酸法(Galambos,1967)で測定することができる。
ここで、本発明の発酵乳に含まれるウロン酸は、発酵乳に含まれる粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下であることが好ましい。さらに0.2重量%以上20.0重量%以下であることが好ましく、特に0.2重量%以上10.0重量%以下であることが好ましい。
本発明の発酵乳に用いられる乳原料は、通常のドリンクヨーグルト、撹拌型ヨーグルトや静置型ヨーグルト等の発酵乳の製造で用いられるものであれば良く、特に限定されない。
例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエー、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエーパウダー、たんぱく質濃縮ホエーパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、ホエーたんぱく質濃縮物(Whey Protein Concentrate:WPC)、ホエイたんぱく質分離物(Whey Protein Isolate:WPI)、乳たんぱく質濃縮物(Milk Protein Concentrate:MPC)、乳たんぱく質分離物(Milk Protein Isolate:MPI)、トータルミルクプロテイン(Total Milk Protein:TMP)、脱乳糖パーミエイト粉末(牛乳の限外濾過膜透過成分)、変性たんぱく質球状粒子(Microparticulated Whey:MPホエー)、酸カゼイン、レンネットカゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等を挙げることができる。これらの乳原料のいずれでも使用することができ、これらの乳原料を二種以上組み合わせたものであっても使用することができる。また、油脂、オリゴ糖、甘味料、酸味料、香料、果汁、果肉、ナッツ乳化剤等を配合してもよい。
また、本発明の発酵乳は、例えば、次のような公知の各処理工程を経ることによって製造することができる。
まず、乳原料、油脂原料、ショ糖を所定量計量し、加温、溶解した後、60〜70℃の温度で100〜270kg/cmの均質圧で均質処理し、80〜95℃の温度で2秒〜10分間保持して殺菌処理する。次いで30〜45℃程度に冷却する。この均質処理、殺菌および冷却した原料液をミックスという。
製造する発酵乳がドリンクヨーグルトの場合、このミックスに乳酸菌を添加し、30〜40℃で7〜20時間発酵する。ミックスの乳酸酸度が0.7〜1.3%に到達したところで発酵を終了し、ただちに撹拌して凝固したカードを粉砕し、プレートクーラーや冷却タンクで10℃以下まで冷却する。これを100〜270kg/cmの均質圧で均質処理し、所定の容器に充填し5〜10℃に冷却することによりドリンクタイプの発酵乳を得ることができる。
製造する発酵乳が撹拌型ヨーグルトの場合、発酵後、カードを粉砕し、冷却して容器に充填する。なお、フルーツヨーグルトを製造する場合には、これに加工果肉類等の副原料を添加して充填する。
また、製造する発酵乳が静置型ヨーグルトの場合、ミックスに乳酸菌を添加し、所定の容器に充填した後、発酵室に移送し発酵させる。発酵終了後、5〜10℃に冷却することにより発酵乳を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
[実施例1〜10]
表1〜3に示す配合に従い、次の調製方法によって実施例品1〜10及び比較例品1の発酵乳を調製した。実施例品の発酵乳はいずれもメジアン径が1μm以上30μm以下であり、離水率が0体積%以上30体積%以下であった。
また、比較例品の発酵乳はメジアン径が30μmを超え、離水率も30体積%を超えていた。
これらの実施例品の発酵乳は、ウロン酸を発酵乳の粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下含有するものであった。また実施例品及び比較例品の発酵乳のSNFはいずれも9.2%であった。
調製方法
脱脂粉乳9.7重量%、グラニュー糖6.0重量%を45℃の温水に溶解した後、65℃に加温してホモゲナイザーで150kg/cmの均質圧で均質処理した。この溶液を90℃で5秒間保持して加熱殺菌した後、35℃まで冷却してヨーグルトミックスを得た。
次にストレプトコッカス・サーモフィルスを1.5重量%、ラクトバチルス・ブルガリクスを0.15重量%添加して34℃で酸度0.85〜0.95%まで発酵した後、10℃以下に冷却し、ホモゲナイザーで150kg/cmの均質圧で均質処理して容器に充填後、フィルム状蓋材でシールして発酵乳(ドリンクヨーグルト)11種(実施例1〜10、比較例1)を得た。
なお、各発酵乳の調製において使用した乳酸菌の種類は表1〜3に示した。
Figure 0006964418
Figure 0006964418
Figure 0006964418
評価方法
前記にて調製した発酵乳を10℃で18日間保存した後、安定性について評価した。安定性について、官能評価の訓練を積んだ専門パネル10名によって5点法で実施した。結果は、次の評価基準に基づいて評価した。
ここで、本発明における組織とは、目視観察で不均一な状態を組織状態不良とし、均一な状態を組織状態良好とした。
評価基準
(安定性)
5:離水少なく、組織状態も極めて良好
4:離水少なく、組織状態も良好
3:離水少なく、組織状態もやや良好
2:離水やや多く、組織状態もやや不良
1:離水多く、組織状態も不良
結果を表4示した。表4から明らかなように、実施例品1〜10は、離水が少なく、組織状態も良好であった。一方、実施例品よりメジアン径が大きく、離水率も高い比較例品1の発酵乳は離水が多く、組織状態も不良であった。
Figure 0006964418
[実施例11]
実施例1〜10、比較例品1と同様の調製方法によって、脱脂粉乳を7.5重量%、MPCを1.5重量%、グラニュー糖を4.5重量%、ヤシ油を0.81重量%、ストレプトコッカス・サーモフィルス SBT0104を1.5重量%、ラクトバチルス・ブルガリクス SBT0167を0.15重量%含む発酵乳を調製した。この発酵乳は、メジアン径が5.096μm、離水率が7.8%、発酵乳の粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たりのウロン酸が4.8重量%であり、無脂乳固形分が8.5重量%であった。
調製した発酵乳を10℃に18日間保存した後、実施例1〜10、比較例品1と同様の方法により、安定性について評価した結果、離水少なく、組織状態も極めて良好(5点)であった。
[実施例12、比較例2]
実施例1〜11、比較例品1と同様の調製方法によって、生乳を34.9重量%、グラニュー糖を4.5重量%、ストレプトコッカス・サーモフィルスを3.0重量%、ラクトバチルス・ブルガリクスを3.0重量%含む無脂乳固形3.0%の発酵乳を調製した。
なお、各発酵乳の調製において使用した乳酸菌の種類は表5に示した。
調製した発酵乳を10℃に1日間保存した後、実施例1〜11、比較例品1と同様の方法により、安定性について評価した結果、実施例12は、離水少なく、組織状態も極めて良好(5点)であった。比較例2は、離水多く、組織も不良(1点)であった。
Figure 0006964418
本発明により、乳酸菌の粘性多糖を含有する発酵乳を提供することにより、離水が抑制された発酵乳を提供することが可能となる。
[寄託生物材料への言及]
(1)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成29年1月17日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
NITE P−02403
(2)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
昭和62年6月30日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−9442
(3)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
昭和62年6月30日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−9443
(4)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成29年1月17日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
NITE P−02404
(5)ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成29年1月17日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
NITE P−02405
(6)ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
昭和62年6月30日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−9440
(7)ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
昭和62年6月30日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−9441
(8)ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成20年9月4日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−21666

Claims (10)

  1. 乳酸菌の粘性多糖を含有し、前記乳酸菌の粘性多糖がウロン酸を含有し、前記ウロン酸の含有量が粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下であり、メジアン径が1μm以上30μm以下である発酵乳。
  2. 乳酸菌の粘性多糖を含有し、前記乳酸菌の粘性多糖がウロン酸を含有し、前記ウロン酸の含有量が粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下であり、静置保存における離水率が0体積%以上30体積%以下である発酵乳。
  3. 乳酸菌の粘性多糖を含有し、前記乳酸菌の粘性多糖がウロン酸を含有し、前記ウロン酸の含有量が粘性多糖の凍結乾燥物の重量当たり0.1重量%以上30.0重量%以下であり、メジアン径が1μm以上30μm以下であり、かつ、静置保存における離水率が0体積%以上30体積%以下である発酵乳。
  4. 乳酸菌が、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)および/またはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)である請求項1〜のいずれか1項に記載の発酵乳。
  5. ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)がストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104(FERM P−9442)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113(FERM P−9443)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)から選ばれるいずれか一種以上であり、前記ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)がラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098(FERM P−9440)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167(FERM P−9441)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577(FERM P−21666)から選ばれるいずれか一種以上である請求項に記載の発酵乳。
  6. 無脂乳固形分(SNF)3重量%以上20重量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の発酵乳。
  7. ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)。
  8. ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)。
  9. ストレプトコッカス・サーモフィルスに属する新規乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)。
  10. ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0087(NITE P−02403)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0104(FERM P−9442)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT0113(FERM P−9443)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT10134(NITE P−02404)、あるいはストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)SBT1014(NITE P−02405)から選ばれるいずれか一種以上のストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、または、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0098(FERM P−9440)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT0167(FERM P−9441)、あるいはラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)SBT10577(FERM P−21666)から選ばれるいずれか一種以上のラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)を添加する工程を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の発酵乳の製造方法。
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