JP6964120B2 - 耐油紙及び耐油紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は耐油紙及び耐油紙の製造方法に関する。
耐油紙は、例えば紙器、食品用トレー、食品用包装紙、たばこのカートン、医療用途などに用いられている。
耐油剤としては、耐油性を利用したフッソ系樹脂のものが広く知られているが、有機フッ素樹脂の体内蓄積、高温条件下での有害ガスの発生などから、近年では、アクリル樹脂系のもの、ポリビニルアルコール系樹脂のものなどが知られてようになっている(特許文献1)。アクリル樹脂系のもの及びポリビニルアルコール樹脂系のものは、被膜形成機能によって耐油性を確保しようとするものである。
基材に耐油剤を内添する方法では耐油剤の歩留まりの悪化を招き、また別途、例えば印刷機等で耐油剤を基材に塗布する方法では製造工程が複雑化する。そのため、抄紙段階で、基紙の表面に耐油剤を塗工することで耐油性を付与することが、工数の低減、耐油剤等の材料の使用量を低減するうえで好ましいとともに、特に高い坪量の板紙(厚紙)においては塗工形態が適している。
他方、板紙(厚紙)への塗工では、低坪量で高密度の上質紙などの塗工と異なり、具体的な要因は不明であるが(一つの要因として紙の密度などが関係する可能性がある。)、耐油剤液の一部がカスとなって基紙の表層に留まり、そのままでカレンダー加工がなされると、カスがカレンダーロールに転写され、最終的に、紙にスジ状の欠陥が発生してしまう事態を招来する。
特開2015−155582号公報
したがって、本発明の主たる課題は、耐油性を満足するとともに、塗工欠陥のない耐油紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明の耐油紙は、
基紙の少なくとも片面に、耐油層が形成され、
前記耐油層は、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂とを主成分とし、前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、前記スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対して、15〜50質量部である、ことを特徴とする。
また、本発明の耐油紙の製造方法は、
紙料を抄紙して得た基紙の少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂とを主成分とする耐油剤を15℃以上40℃未満で塗工して、耐油層を形成し、その後にカレンダー加工する工程を有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対して、10〜50質量部である、ことを特徴とする。
本発明によれば、耐油性を満足するとともに、塗工欠陥のない耐油紙を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を詳説する。
(耐油剤)
耐油剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂とを主成分とし、前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対して、15〜50質量部とするものを使用し、基紙の少なくとも片面に塗工することにより、耐油層が形成される。
スチレン−アクリル共重合樹脂はエマルジョン形態で提供されるものが望ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、未変性の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールが挙げられ、変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
スチレン−アクリル共重合樹脂とポリビニルアルコール系樹脂とが固形分質量部比で、90:10〜65:35で含有されているのが望ましい。より好ましい、スチレン−アクリル共重合樹脂とポリビニルアルコール系樹脂との固形分質量部比は、85:15〜75:25である。また、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対して、15〜50質量部含有されてなるものも好ましい。
親水性被膜を形成するポリビニルアルコール系樹脂が少ないと、耐水性を満足しない傾向がみられる。さらに、ポリビニルアルコール系樹脂は、スチレン−アクリル共重合樹脂を保護する役割があり、ポリビニルアルコール系樹脂が少ないと、耐油剤のカスの析出量が多くなる傾向がある。他方、ポリビニルアルコール系樹脂が過度に多いと、耐油剤の塗工液の粘度が高くなり、ポンプ搬送性が悪化し、また塗工適性が悪くなる傾向がある。
さらに、前述の耐油層中に、スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対し、剥離剤としてパラフィンワックスを1.0〜10.0質量部含有させるのがより望ましい。パラフィンワックスも耐油性を向上させる。また、カレンダー加工する際に、カレンダーロールにカスが付着するのを防止する効果も奏する。
前記基紙の坪量が、180〜1310g/m2である、特に紙製容器などに利用される250〜600g/m2である耐油紙を対象にし、例えば耐油層の片面塗工量の合計が2.0〜8.0g/m2、特に2.2〜6.0g/m2で塗工を抄造工程内(オンマシン塗工)で行うときに、既述のスジ欠陥を抑制できる効果が顕著にあらわれる。
坪量が高い耐油紙を得るには、前記基紙は、複数層の中層と、この中層の表裏に形成された一対の表層とを有する、抄き合わせのものが好ましい。中層の層数としては、限定はないものの、2〜7層、特に4〜5層が好適である。
坪量は、JIS−P8124(2011)に準拠して測定される。多層紙の各層の坪量は均等である必要はなく、表層及び中層の坪量は、特に限定されるものではないが、表層1層の坪量としては、30〜260g/m2が好ましい。また、中層全体の坪量としては、600〜950g/m2が好ましい。
紙厚は、JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該多層紙の紙厚としては、180〜1870μmが好ましい。
耐油紙の基紙密度(耐油層を除く)としては、0.70〜1.00g/cm3、特に0.80〜0.95g/cm3が好ましい。例えば、当該多層紙の密度は、表層又は中層のパルプフリーネスや灰分、カレンダー工程によって調節することができる。
基紙を構成するパルプ、すなわち、表層及び中層のパルプが、針葉樹クラフトパルプ及び広葉樹クラフトパルプを主成分としているものが望ましい。古紙パルプを例えば20重量%以内で配合できるものの、例えば食品用途などについては適しておらず、100%バージンパルプ品であるのが望ましい。
当該針葉樹クラフトパルプとして、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)などを挙げることができる。また、当該広葉樹クラフトパルプとして、例えば、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を挙げることができる。これらの中で、加工後の製品の外観及び強度を両立できる観点から、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを用いることが好ましい。
針葉樹クラフトパルプ及び広葉樹クラフトパルプを混合して配合することが望ましい。紙厚が厚くなり、十分な強度を確保できる。
また、多層の耐油紙の場合では、表層において前記針葉樹晒クラフトパルプにおける前記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比を5/95以上15/85以下にすることで、比較的剛直で高密度化しやすい広葉樹クラフトパルプを多く含有するので、一対の表層は高密度で剛直な特性を得ることができ、強度に優れる。さらに、表層は、食品等の被対象物由来の水分又は油成分の内部への浸透抑制効果が高い。
一方、前記中層における前記針葉樹クラフトパルプの前記広葉樹クラフトパルプに対する質量比を20/80以上40/60以下にすることで、柔軟性に富む針葉樹クラフトパルプを多く含有するので、中層は良好な柔軟性を備える。
当該多層紙の各層は、必要に応じて、例えば広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、あるいは、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを適宜組合せて使用することができる。
実施の形態の多層紙は、例えば紙製食器に用いられ場合には、食品等の被対象物に直接接触されるものである。このため、当該多層紙に使用するその他のパルプとしては、化学パルプであることが好ましく、中でも、ECFパルプ、TCFパルプ、未晒クラフトパルプ(UKP)がより好ましい。ECFパルプとは、塩素(Cl2)を使用せず、二酸化塩素(ClO2)で漂白して製造した無塩素漂白化学パルプである。TCFパルプとは、塩素(Cl2)を使用せず、酸素(O)や過酸化水素(H22)、オゾン(O3)で漂白して製造した完全無塩素漂白化学パルプである。すなわち、ECFパルプ及びTCFパルプは、塩素イオンの含有量が微量または0であるため、低温焼却によってもダイオキシン類等の有機塩素化合物が生成される危険が少ないとの利点があり、結果として環境負荷を軽減できる。また、未晒クラフトパルプは、使用することで木材(アイスバー等)の色目に似せる事ができ、漂白工程を省くことでエネルギーの削減及びCO2の削減といった環境負荷の軽減を図ることができる。
基紙(表層及び中層からなる多層紙を含む)には、製紙用添加剤としてサイズ剤及び紙力増強剤を含有することが好ましい。
(サイズ剤)
当該多層紙は、食品等の被対象物由来の水分又は油成分の内部への浸透をより抑制するために、各層にサイズ剤を添加することができる。サイズ剤としては、スチレン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンサイズ剤、ロジンサイズ剤、変性ロジンエマルジョンサイズ剤などが挙げられる。これらの中でもロジンサイズ剤及び変性ロジンエマルジョンサイズ剤が好ましい。
前記ロジンサイズ剤は、製紙分野で従来公知のものであって、特に限定されない。ロジン系の物質は、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン類をフマル酸、マレイン酸、アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性した強化ロジンや、前記ロジン類をグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコールを反応させて得られるロジンエステルを挙げることができる。また、本発明において、ロジン系サイズ剤には、これらの単独またはその混合物をエマルジョン化したもの、単独でエマルジョン化した後に混合したものも含まれる。さらに、前記エマルジョン化したものに、サイズ発現性をより向上させるために各種ポリマーを添加したものも含まれる。
表層のサイズ剤の含有量としては、固形分で0.5kg/t以上5.0kg/t以下が好ましい。また、中層のサイズ剤の含有量としては、固形分で2.0kg/t以上5.0kg/t以下が好ましい。なお、「kg/t」はパルプ1tあたりの質量(kg)を示す。サイズ剤の含有量を前記範囲とすることで、耐水性を向上できる。
(紙力増強剤)
当該多層紙は、各層に紙力増強剤を添加することができる。紙力増強剤を添加することで、各層に紙製食器として用いるために適切な諸強度を付与できる。また、樹脂系の紙力剤を内添することで、耐油剤(樹脂)塗工時に耐油剤が染み込み難くなり、塗工しやすくなる。
紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミン系樹脂、アクリル樹脂系、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂など公知の種々のものを使用できる。これらの中でも、両性紙力増強剤を使用することが好ましい。両性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドと前記のアニオン性モノマー及びカチオン性モノマーの共重合物、アクリルアミドと前記のアニオン性モノマーとの共重合物のマンニッヒ変性物、ホフマン分解物等が挙げられる。本発明者らの知見では、特に両性ポリアクリルアミドが好ましく、両性ポリアクリルアミドは、自己定着機能を有しているため、紙間強度を向上させるべく増添したとしても、カチオン過多になることがなく、変性ロジンエマルジョンサイズ剤を安定的に定着させることができる。
各層の紙力増強剤の含有量としては、固形分で12.0kg/t〜30.0kg/tが好ましい。前記紙力増強剤の含有量を前記範囲とすることで、多層紙の層間強度などの各種紙力を付与することができる。紙力増強剤の含有量が前記範囲を下回ると層間強度が十分でないおそれがある。一方、紙力増強剤の含有量が前記範囲を超えると層間強度の向上はほぼ横ばいとなり、さらに、添加した紙力増強剤の歩留りが低下することで、抄紙機系内の汚れ、発泡などが発生し、操業性が低下するおそれがある。
(その他の添加剤)
また、当該耐油紙は、本発明の目的とする効果を損ねない範囲でその他の各種製紙用添加剤を含有させてもよい。当該耐油紙に添加可能なその他の添加剤としては、例えば、公知の製紙用薬剤などが挙げられる。
[製造方法]
耐油紙を製造するに際しては、紙料を抄紙して得た基紙の片面又は両面に、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂とを主成分とする耐油剤を塗工して、耐油層を形成し、その後にカレンダー加工する。
さらなる具体例としては次のとおりである。
(1)パルプ繊維を水に分散させてスラリーを調成する。複数層の基紙を製造する場合は、複数層各々に対応するスラリーを調成する。
(2)次に、これらの原料スラリーを用いて、6以上8以下のpHの下で抄紙機にて抄紙して基紙を得る。複数層の基紙を製造する場合は、各層の抄合せで抄紙する。抄紙手法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、すなわち長網、円網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用することができる。
抄紙後、サイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ブレードコーター、カレンダーロールなどの塗工装置等を使用して、基紙における表面及び裏面の少なくともいずれか一方に、耐油剤を塗工して耐油層を形成することができる。
耐油剤は、温度15℃以上40℃未満で塗工するのが好ましい。耐油剤は水に分散させて、塗工するのが望ましい。ここで、耐油剤の温度調整方法は、製紙産業で公知の方法を用いることができる。
(3)次に、加圧ロールによりプレスし、水分を除去する。
(4)ドライヤーシリンダーにて乾燥する。
乾燥後には、ニップカレンダー、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理を行うことにより、耐油紙に高い光沢度が付与されて高級感を有する製品となる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
水を所定量入れたタンクに、ポリビニルアルコールを投入し、加熱溶解させ1時間以上放置する。その後、このタンクにスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン及びパラフィンワックスを投入し、攪拌して、耐油剤を得た。
表に示す基紙に、円網多筒式抄き合わせ抄紙機により抄紙するとともに、前記耐油剤をカレンダーロールで転写塗工し、その後にカレンダー処理して耐油紙を得た。
(析出試験)
耐油紙(試験例1〜7)について、マロン式機械的安定度試験(JIS K 6828−3(2003))に準拠して析出試験を行った。
析出率(%)は次の計算で求めた。
析出率(%)=析出物の質量(g)/塗工液(耐油剤)の質量(g)×100
析出試験結果を表1に示す。
Figure 0006964120
耐油剤の温度をほぼ一定にして、PVAの割合を増加させた場合は、析出率が低い傾向となった(試験例2〜4)。また、耐油剤中の薬剤等の割合を一定にして、耐油剤の温度を低下させると、析出率が低い傾向となった(試験例6、7)。
(製品評価試験)
試料(試験例8〜18)について、はつ油度、スジ欠陥の状態を評価した。結果を表2、3に示した。
はつ油度の評価は、次記のとおり行った。JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法(No.41)紙及び板紙のはつ油度試験方法−キット法−に準拠して耐油度(はつ油度)を測定した。試験操作を次記に示す。
(1)耐油剤(スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン、パラフィンワックス、ポリビニルアルコール(PVA)を成分に有するもの)の塗工量や耐油剤温度、基紙の物性を種々変えて、はつ油度試験に用いる試料(試験例8〜18)とした。
(2)基紙は、湿紙が7層、貼り合せて形成されたものである。基紙全体の米坪(坪量)、紙厚、密度は表2、表3に示すとおりである。
(3)基紙の表面(フェルト面)に耐油層が備わった耐油紙について、はつ油度(耐油度)を測定した。
(4)はつ油度が8以上のものを良好とする。
前記試験例8〜18について、併せてスジ欠陥の状態を以下の基準で評価した。
○:耐油紙の表面にスジ欠陥がなく、外観が良好である。
△:耐油紙の表面にスジ欠陥が存在するが、性能に問題ないレベルである。
×:耐油紙の表面にスジ欠陥が多数存在し、スジ欠陥箇所のはつ油度が低下する可能性がある。
試料(試験例8〜18)における基紙の配合は次記のとおりである。表層は、フリーネス420mLのNBKP:LBKP比が20:80の100質量部のパルプスラリーを原料とした。中層は、フリーネス480mLのNBKP:LBKP比が20:80の100質量部のパルプスラリーを原料とした。これらパルプスラリーをワイヤーパートが円網の多層抄紙機を用いて表層、中層及び表層の多層構造で抄き合わせた。各層の坪量は一対の表層が100g/m2、中層が280g/m2とし、全坪量380g/m2とした。
Figure 0006964120
Figure 0006964120
(その他)
・[坪量(g/m2)]
JIS−P8124(2011)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
・[紙厚(μm)]
JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
・[密度(g/cm3)]
JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
・[B型粘度(cps)]
B型粘度は、JIS−Z8803(2011)の「液体の粘度測定方法」に準拠して測定した。B型粘度は耐油剤を攪拌したときの抵抗トルクであり、高いほど攪拌に必要なエネルギーが多くなることを意味する。
本発明の耐油紙は、紙製食器、紙製医療器具、紙製家具への塗工に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 基紙の少なくとも片面に、耐油層が形成され、
    前記耐油層は、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョンとの配合物を主成分とし、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、スチレン−アクリル共重合樹脂100質量部に対して、15〜50質量部であり、
    さらに、前記耐油層中に、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン100質量部に対し、パラフィンワックスが1.0〜10.0質量部含有されている、
    ことを特徴とする耐油紙。
  2. 前記基紙の密度が、0.70〜1.00g/cm3である請求項1に記載の耐油紙。
  3. 前記基紙の坪量が、180〜1310g/m2である、
    請求項1又は請求項2に記載の耐油紙。
  4. 前記基紙は、複数層の中層と、この中層の表裏に形成された一対の表層とを有し、前記表層及び中層のパルプが、針葉樹クラフトパルプ及び広葉樹クラフトパルプを主成分とし、前記中層は前記針葉樹クラフトパルプの、前記広葉樹クラフトパルプに対する質量比が20/80以上40/60以下である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙。
  5. 前記耐油層の片面塗工量の合計が2.0〜8.0g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油紙。
  6. 請求項1〜5記載の耐油紙から形成される、紙製食器、紙製医療器具及び紙製家具。
  7. 紙料を抄紙して得た基紙の少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョンとの配合物を主成分とする耐油剤を15℃以上40℃未満で塗工して、耐油層を形成し、その後にカレンダー加工する工程を有し、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン100質量部に対して、10〜50質量部であり、
    さらに、前記耐油層中に、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン100質量部に対し、パラフィンワックスが1.0〜10.0質量部含有されている、
    ことを特徴とする耐油紙の製造方法。
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