JP6962763B2 - 微粒子センサおよび微粒子センサの製造方法 - Google Patents

微粒子センサおよび微粒子センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微粒子を含む測定対象ガスが流通する金属製の通気管に装着して用いる微粒子センサ、及びその製造方法に関する。
通気管に装着されて用いられ、通気管内を流通する測定対象ガス中に含まれる微粒子の量を検知する微粒子センサが知られている。例えば、内燃機関(ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなど)の排気管に装着され、排気ガス中に含まれるススなどの微粒子の量を検知する微粒子センサがある。より具体的には、排気管内を流通する排気ガスを取り入れ、この取入ガス中の微粒子に気中放電によって発生させたイオンを付着させて帯電微粒子とした後、取入ガスと共に排気管へ排出する微粒子センサがある。
この微粒子センサは、例えば、外側金具と内側金具と絶縁スペーサとを備える。このうち外側金具は、排気管に装着されて接地電位とされる筒状の部材である。また、内側金具は、外側金具の径方向内側に外側金具と絶縁して配置され、接地電位とは異なる第1電位とされる部材である。また、絶縁スペーサは、内側金具と外側金具との間に保持されて両者を電気的に絶縁する筒状の部材であり、排気管内に露出して排気ガスに曝される。このような微粒子センサは、例えば特許文献1に開示されている。
国際公開第2016/027894号
この微粒子センサでは、放電電位とされる放電電極体を有する放電素子を、第1電位とされた内側金具で包囲してファラデーケージを構成しつつ、気密に保持している。具体的には、放電素子の先端部を内側金具をなすガス取入排出管内に配置し、先端部よりも基端側の部位をガス取入排出管に導通した複数の筒状の金属部材で包囲する。その一方、放電素子をこれらの金属部材内に絶縁セラミックからなる絶縁体や滑石粉末などの絶縁粉末の圧粉体で保持すると共に、放電素子及び金属部材に密着する上述の圧粉体で、放電素子の周囲を気密に封止する形態としている。
しかしながら、この形態の微粒子センサは、放電素子及びこれを気密に保持する絶縁体や圧粉体、これらを取り囲んで保持する主体金具などを要し、構造が複雑で、高コストになりがちである。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、内部に放電素子を気密に保持した微粒子センサ、及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、微粒子を含む測定対象ガスが流通し、接地電位とされた金属製の通気管に装着され、上記測定対象ガス中の上記微粒子を検知する微粒子センサであって、上記測定対象ガスの一部である被測定ガスを自身の内部に取り入
れた後に排出するガス取入排出管と、絶縁セラミックからなり、上記接地電位とは異なる放電電位とされる放電電極体を有する放電素子であって、上記放電素子のうち先端側に位置し、上記ガス取入排出管内に配置され、上記放電電極体と上記ガス取入排出管との間の放電により、上記被測定ガス中の上記微粒子を帯電させる素子先端部、及び、上記素子先端部の基端側に位置し、上記放電電極体が内部に配置され外表面から絶縁された被シール部、を有する放電素子と、上記接地電位及び上記放電電位とは異なる第1電位とされ、上記放電素子のうち、上記被シール部よりも基端側の素子基端側部を包囲する包囲部材と、導電性ガラスからなり、上記包囲部材と上記ガス取入排出管との間を導通し、上記放電素子の上記被シール部の上記外表面に密着して気密に封止する導電性シール体と、を備え、 前記包囲部材のうち先端側の先端側部、前記導電性シール体、及び、前記ガス取入排出管のうち基端側の管基端側部の径方向外側に配置され、絶縁セラミックからなる筒状の絶縁スペーサを備え、上記導電性シール体が、上記絶縁スペーサの内周面に気密に密着すると共に、上記導電性シール体を介して、上記包囲部材の上記先端側部及び上記ガス取入排出管の上記管基端側部が、上記絶縁スペーサに固定された微粒子センサである。
この微粒子センサでは、導電性ガラスからなる導電性シール体が、放電素子の被シール部の外表面を囲んで気密に密着している。このため、放電素子は、この被シール部において、導電性シール体に気密に保持される。
しかも、この導電性シール体は、導電性ガラスからなり、第1電位とされた包囲部材とガス取入排出管との間を導通しているので、ガス取入排出管を第1電位とするべく、包囲部材とガス取入排出管との間を導通するのに、主体金具などの金属ブロック状の部材を要しないため、簡単な構成でありながら、内部に放電素子を気密に保持した微粒子センサとすることができる。
加えて、この微粒子センサでは、絶縁スペーサの内周面と導電性シール体との間も気密に密着しており、絶縁スペーサの内側で、導電性シール体により、基端側と先端側との間を気密にシールできる。
しかも、導電性ガラスからなる簡単な構成の導電性シール体を介して、包囲部材の先端側部及びガス取入排出管の管基端側部を絶縁スペーサに固定した微粒子センサを構成できる。
なお、放電素子の被シール部は、放電電極体が絶縁体内に配置されているので、被シール部において、放電電極体が導電性シール体と短絡することが防止されている。即ち、放電素子は、その被シール部において放電電極体が導電シール体と導通すること無く、放電素子の放電電極体が、第1電位とされた包囲部材、導電性シール体、及びガス取入排出管で構成されるファラデーケージ内に保持される。
ガス取入排出管は、被測定ガスを自身の内部に取り入れた後に排出する管状の部材であるが、一重管構造のほか、2つの管を内側と外側の同軸に配置した二重管構造や、内部を流通する被測定ガスの経路を複雑化したラビリンス構造を有するものも用いることができる。
また、ガス取入排出管は、導電性シール体に接触して導通する形態のほか、他の金属部材を介して、導電性シール体に間接に導通する形態としても良い。
導電性シール体をなす導電性ガラスとしては、例えば、絶縁性ガラス中に、金属粒子などの導電性粒子を分散させたものが挙げられる。このような導電性ガラスからなる導電性シール体の形成に当たっては、絶縁性ガラス粉末と導電性粉末とを含む導電性ガラス粉末を、絶縁性ガラス粉末の軟化点以上に昇温させ、絶縁性ガラス粉末同士を融着させる手法が挙げられる。導電性ガラスに用いる導電性粉末としては、例えば、銅粉末、真鍮粉末、ニッケル粉末などの金属粉末や、黒鉛粉末、カーボンブラックなどの非金属の導電性粉末が挙げられる。絶縁性ガラスとしては、ホウケイ酸カルシウムガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスなどが挙げられる。また、導電性ガラス粉末として、ガラス粉末に金属皮膜をメッキ等によって形成した金属皮膜付きガラス粉末を用いることもできる。
上述の微粒子センサであって、前記放電素子は、一端が前記接地電位に接続され、前記素子先端部を昇温させる素子ヒータ配線、及び、上記素子ヒータ配線と前記放電電極体との間に介在して両者間を電磁シールドするシールド電極層を有し、上記シールド電極層は、前記導電性シール体に導通してなる微粒子センサとすると良い。
微粒子センサでは、放電素子のうち、被測定ガスに曝される素子先端部に、異物粒子が付着するのを防止したり、付着した異物粒子を除去したりするために、素子先端部を昇温させるべく、放電素子に素子先端部を加熱する素子ヒータ配線を設ける場合がある。
しかるに、素子先端部を加熱するための素子ヒータ配線を放電素子に設けた場合、放電電極体での放電により誘導電流が素子ヒータ配線に流れる。このため、微粒子センサを制御する制御回路において、この素子ヒータ配線の一端が接続する接地電位が変動するために、微粒子センサの出力信号にノイズが重畳する場合がある。
そこでこの微粒子センサでは、放電素子のうち素子ヒータ配線と放電電極体との間にシールド電極層を設けてある。このシールド電極層は、導電性シール体に導通して、第1電位とされ、素子ヒータ配線と放電電極体との間を電磁シールドする。
これにより、放電電極体での放電による誘導電流が素子ヒータ配線に流れるのが抑制され、接地電位の変動や、それに伴う微粒子センサの出力信号へのノイズの重畳が抑制される。
しかも、シールド電極層を導電性シール体に導通して、シールド電極層を第1電位にできる。このため、シールド電極層を第1電位とするべく、微粒子センサ内に放電素子のシールド電極層に第1電位を供給するための配線を設ける必要が無い。
さらに上述の微粒子センサであって、前記放電素子は、前記被シール部の前記外表面に形成され、上記シールド電極層に導通するシールド電極パッドを有し、上記シールド電極層は、上記シールド電極パッドを介して、前記導電性シール体に導通してなる微粒子センサとすると良い。
この微粒子センサでは、シールド電極層に導通するシールド電極パッドを被シール部の外表面に設けることで、導電性シール体に容易に導通して、シールド電極層を第1電位にできる。また、導電性シール体に、拡がりを有するシールド電極パッドで接続するので、シールド電極パッドひいてはシールド電極層と、導電性シール体との導通を確実に行うことができる。
あるいは前述の微粒子センサであって、前記シールド電極層は、前記放電素子の前記外表面にまで延びる延出部を有し、上記シールド電極層は、上記延出部で、前記導電性シール体に接続してなる微粒子センサとすると良い。
この微粒子センサでは、シールド電極層自身が延出部を有しており、この延出部で導電性シール体に接続しているので、放電素子にシールド電極層に接続するビアなどを設ける必要が無く、簡単な構造でシールド電極層を導電性シール体に接続できる。
なお、被シール部の外表面にまで延びる延出部に加えて、被シール部の外表面に、延出部に接続するシールド電極パッドを設け、このシールド電極パッドでも導電性シール体に接続するようにしても良い。
さらに上述の微粒子センサであって、前記絶縁スペーサは、径方向内側に張り出した段状のスペーサ段部を有し、前記ガス取入排出管の前記管基端側部は、基端側よりも先端側が縮径した段状で、上記スペーサ段部に係止される管段部、及び、上記管段部よりも基端側に位置し基端側の端縁を含む管基端部を有し、前記導電性シール体は、上記管基端部に接触している微粒子センサとすると良い。
この微粒子センサでは、導電性シール体がガス取入排出管の管基端部に接触しているので、導電性シール体を介して、確実に、ガス取入排出管を第1電位とすることができる。
なお、導電性シール体が、ガス取入排出管の管基端部に径方向外側から接触する形態や、管基端部に径方向内側から接触する形態、管基端部に径方向外側及び内側の両方から接触する形態などを採用することができる。
さらに上述の微粒子センサであって、絶縁セラミックからなり、外周面に、基端側よりも先端側が縮径し、前記ガス取入排出管の前記管段部に係止される段状のホルダ段部、及び、前記放電素子のうち前記素子先端部と前記被シール部との間の素子挿通部が挿通された挿通孔を有し、上記挿通孔で上記放電素子を保持し、上記導電性シール体に先端側から当接した素子ホルダを備える微粒子センサとすると良い。
この微粒子センサでは、素子ホルダのホルダ段部がガス取入排出管の管段部に係止されている。ガス取入排出管の管段部は、絶縁スペーサのスペーサ段部に係止されているので、素子ホルダは、間接的に、絶縁スペーサに係止されている。しかもこの素子ホルダは、導電性シール体に先端側から当接しているので、導電性シール体が絶縁スペーサ内で先端側へ移動するのを、この素子ホルダで確実に抑止できる。
さらに、上述のいずれか1項に記載の微粒子センサであって、前記包囲部材は、金属からなり、先端側の先端底部が閉じた有底筒状で、上記先端底部に、前記放電素子を挿通する挿通孔を有し、上記放電素子の前記素子基端側部を径方向外側から包囲する内筒を有し、上記内筒の上記先端底部は、前記導電性シール体に基端側から接触している微粒子センサとすると良い。
この微粒子センサでは、包囲部材は先端底部を含む内筒を有しており、内筒で放電素子の素子基端側部を径方向外側から包囲することで、ファラデーケージを構成できるほか、内筒の先端底部が導電性シール体と接触しているので、内筒と導電性シール体とを適切に導通し、導電性シール体を第1電位とすることができる。
上記課題を解決するための本発明の他の態様は、微粒子を含む測定対象ガスが流通し、接地電位とされた金属製の通気管に装着され、上記測定対象ガス中の上記微粒子を検知する微粒子センサの製造方法であって、上記測定対象ガスの一部である被測定ガスを自身の内部に取り入れた後に排出するガス取入排出管と、絶縁セラミックからなり、上記接地電位とは異なる放電電位とされる放電電極体を有する放電素子であって、上記放電素子のうち先端側に位置し、上記ガス取入排出管内に配置され、上記放電電極体と上記ガス取入排出管との間の放電により、上記被測定ガス中の上記微粒子を帯電させる素子先端部、及び、上記素子先端部の基端側に位置し、上記放電電極体が内部に配置され外表面から絶縁された被シール部、を有する放電素子と、上記接地電位及び上記放電電位とは異なる第1電位とされ、上記放電素子のうち、上記被シール部よりも基端側の素子基端側部を包囲する包囲部材と、導電性ガラスからなり、上記包囲部材と上記ガス取入排出管との間を導通し、上記放電素子の上記被シール部の上記外表面に密着して気密に封止する導電性シール体と、を備え、前記包囲部材のうち先端側の先端側部、前記導電性シール体、及び、前記ガス取入排出管のうち基端側の管基端側部の径方向外側に配置され、絶縁セラミックからなる筒状の絶縁スペーサを備え、上記導電性シール体が、上記絶縁スペーサの内周面に気密に密着すると共に、上記導電性シール体を介して、上記包囲部材の上記先端側部及び上記ガス取入排出管の上記管基端側部が、上記絶縁スペーサに固定されており、軟化した導電性ガラスを、上記包囲部材、上記ガス取入排出管、及び、上記放電素子の上記被シール部の外表面に密着させて、上記導電性シール体を形成するシール体形成工程を備える微粒子センサの製造方法とすると良い。
この製造方法によれば、包囲部材及びガス取入排出管に、導電性シール体を確実に導通させ、放電素子の被シール部に導電シール体を密着させた状態の微粒子センサを容易に形成することができる。
実施形態及び変形形態1−3に係り、車両に搭載したエンジンの排気管に微粒子センサを適用した状態を説明する説明図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサの縦断面図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサのうち、セパレータ内における放電素子の接続を拡大して示す、図2と平行な縦断面における縦断面図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサの、図2と直交する縦断面における縦断面図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサの構造を示す分解斜視図である。 実施形態に係る微粒子センサのうち、(6A)は放電素子の形態を示す斜視図、及び、(6B)は放電素子の構造を示す分解斜視図である。 微粒子センサを用いた微粒子検知システムの回路構成を示す説明図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサにおける、排気ガスの取り入れ及び排出の様子を模式的に示した説明図である。 実施形態及び変形形態1−3に係る微粒子センサの製造方法のうち、シール体形成工程を説明する説明図である。 変形形態1に係る微粒子センサのうち、(10A),(10B)は放電素子の形態を示す斜視図、及び、(10C)は放電素子の構造を示す分解斜視図である。 変形形態2に係る微粒子センサのうち、(11A)は放電素子の形態を示す斜視図、(11B)は放電素子の被シール部付近の形態を示す部分拡大斜視図、及び、(11C)は放電素子の構造を示す分解斜視図である。 変形形態3に係る微粒子センサのうち、(12A)は放電素子の形態を示す斜視図、(12B)は放電素子の被シール部付近の形態を示す部分拡大斜視図、及び、(12C)は放電素子の構造を示す分解斜視図である。
(実施形態)
以下、本実施形態に係る微粒子センサ10及び微粒子検知システム1について、図面を参照しつつ説明する。図1は、車両AMに搭載したエンジンENGの排気管EPに微粒子センサ10を適用した状態を説明する説明図である。図2は、実施形態にかかる微粒子センサ10の縦断面図である。図3は、微粒子センサ10のうち、セパレータ75,76内における放電素子60と放電電位ケーブル82及び素子ヒータリード線84,86との接続を拡大して示す、図2と平行な縦断面における縦断面図である。図4は、微粒子センサ10を、図2とは軸線AXの回りに90°ずれた位置で切断した縦断面図である。図5は、微粒子センサ10の分解斜視図である。図6は、微粒子センサ10のうち、放電素子60の斜視図及び分解斜視図である。図7は、微粒子検知システム1に用いる制御装置100の回路構成を示す説明図である。図8は、微粒子センサ10における、排気ガスEGの取り入れ及び排出の様子を模式的に示した説明図である。図9は、微粒子センサ10の製造方法のうち、シール体形成工程を説明する説明図である。
なお、本明細書においては、図2等に示すように、微粒子センサ10の軸線AXに沿う軸線方向GH(軸線AXが延びる方向、図2において上下方向)のうち、プロテクタ31(ガス取入排出管)が配置された側(図2において下方)を先端側GS、これと反対側の電線165等が延出する側(図2において上方)を基端側GKとする。また、軸線AXに対し径方向の外方向(図2において左右外向き)を径方向外側DO、内方向(図2において左右内向き)を径方向内側DIとする。
本実施形態の微粒子検知システム1(以下、単にシステム1ともいう)は、図1に示すように、微粒子センサ10と、この微粒子センサ10を制御する制御装置100とを備える。このうち微粒子センサ10は、車両AMに搭載したエンジンENG(内燃機関)の排気管EP(通気管)に装着され、排気管EP内を流通する排気ガスEG(測定対象ガス)中のススなどの微粒子Sを検知する。詳細には、微粒子センサ10は、金属製の排気管EPに固定され、その先端側GSの一部が排気管EP内に配置されて、排気ガスEGに曝される(図8参照)。
制御装置100は、放電電位ケーブル82、素子ヒータリード線84,86、スペーサヒータリード線92,94を介して微粒子センサ10に接続されている(図1〜図4、図7参照)。放電電位ケーブル82は、同軸ケーブルであり、芯線(中心導体)の放電電位リード線82Lは、放電電位DVとされる(図7参照)。一方、素子ヒータリード線84,86及びスペーサヒータリード線92,94は、細径で単芯の絶縁被覆線である。なお、放電電位ケーブル82は、シャーシグランド電位CGNDとされ、金属細線を筒状に編んだ編組チューブ23に包囲されている。
制御装置100は、図7に示すように、大別してイオン源電源回路110と計測制御回路120とを有している。このうち、イオン源電源回路110は、センサグランド電位SGNDとされる第1出力端111と、放電電位DVとされる第2出力端112とを有している。第2出力端112は、放電電位ケーブル82の芯線である放電電位リード線82Lに接続されている。放電電位DVは、センサグランド電位SGNDを基準として、半波整流された正の高電位(例えば、1〜2kV0-p)とされている。なお、イオン源電源回路110は、その出力電流の大きさがフィードバック制御されており、その実効値が予め定めた電流値(例えば、5μA)となる定電流電源を構成している。このイオン源電源回路110は、後述する放電素子60の放電電極体62に印加する放電電位DVを生成する(図2,図6参照)。
一方、計測制御回路120は、信号電流検知回路140及び素子ヒータ制御回路150及びスペーサヒータ制御回路160を含んでいる。このうち、信号電流検知回路140は、センサグランド電位SGNDとされる第1入力端141と、第2入力端142とを有しており、第1入力端141と第2入力端142との間を流れる信号電流Isを検知する。なお、センサグランド電位SGNDは、シャーシグランド電位CGND(接地電位)に対し、オフセット電圧Voffset(具体的には、0.5V)だけ高い電位とされている。
素子ヒータ制御回路150は、PWM制御によって、後述する放電素子60に内蔵された素子ヒータ配線64への通電を制御する回路である(図6参照)。この素子ヒータ制御回路150は、素子ヒータリード線84に接続される第1出力端151と、素子ヒータリード線86に接続される第2出力端152を有する。なお、第2出力端152及び素子ヒータリード線86は、シャーシグランド電位CGNDに導通している。また、第1出力端151及び素子ヒータリード線84は、素子ヒータ電位EHVとされる。
また、スペーサヒータ制御回路160は、PWM制御によって、後述する絶縁スペーサ41のスペーサヒータ層41HTへの通電を制御する回路である(図4参照)。このスペーサヒータ制御回路160は、スペーサヒータリード線92に接続される第1出力端161と、スペーサヒータリード線94に接続される第2出力端162を有する。なお、第2出力端162及びスペーサヒータリード線94は、シャーシグランド電位CGNDに導通している。また、第1出力端161及びスペーサヒータリード線92は、スペーサヒータ電位SHVとされる。
イオン源電源回路110は、センサグランド電位SGNDとされる内側回路ケース170に包囲されている。イオン源電源回路110の第1出力端111、信号電流検知回路140の第1入力端141、及び、絶縁トランス130の二次側鉄心131Bは、この内側回路ケース170に導通している。
なお、イオン源電源回路110の第1出力端111は、放電電位ケーブル82の外側導体82Dに導通している。
絶縁トランス130は、一次側と二次側が絶縁されたトランスであり、その鉄心131が、一次側コイル132を捲回した一次側鉄心131Aと、二次側コイル133を捲回した二次側鉄心131Bとに分離して構成されている。このうち、一次側鉄心131Aは、シャーシグランド電位CGNDに導通している。一方、二次側鉄心131Bは、上述したように、センサグランド電位SGND(イオン源電源回路110の第1出力端111)に導通している。
さらに、信号電流検知回路140と素子ヒータ制御回路150とスペーサヒータ制御回路160とを含む計測制御回路120、イオン源電源回路110、内側回路ケース170、及び、絶縁トランス130は、シャーシグランド電位CGNDとされる外側回路ケース180に包囲されている。さらに、信号電流検知回路140の第2入力端142、素子ヒータ制御回路150の第2出力端152、スペーサヒータ制御回路160の第2出力端162、及び、絶縁トランス130の一次側鉄心131Aは、この外側回路ケース180に接続して、シャーシグランド電位CGNDとされている。加えて、この外側回路ケース180は、放電電位ケーブル82を囲む編組チューブ23に導通している。
なお、計測制御回路120は、所定電圧の直流電圧を供給するレギュレータ電源PSを内蔵している。このレギュレータ電源PSは、電源配線BCを通じて、車両AMに搭載された外部のバッテリBTと接続されており、このバッテリBTで駆動される。また、バッテリBTの一端は、シャーシグランド電位CGNDに接続されている。また、計測制御回路120は、マイクロプロセッサ122を含み、通信線CCを介してエンジンENGを制御する電子制御ユニットECUと通信可能となっている。これにより、前述した信号電流検知回路140の測定結果(信号電流Isの大きさ)などの信号を、電子制御ユニットECUに送信可能となっている。
また、レギュレータ電源PSを通じて、外部のバッテリBTから計測制御回路120に入力された電力の一部は、絶縁トランス130を介して、イオン源電源回路110に分配される。なお、絶縁トランス130においては、計測制御回路120の一部をなす一次側コイル132と、イオン源電源回路110の一部をなす二次側コイル133と、鉄心131(一次側鉄心131A,二次側鉄心131B)とは、互いに電気的に絶縁されている。このため、計測制御回路120から、イオン源電源回路110に電力を分配しながらも、これらの間の電気的絶縁を保つことができている。
次に、本実施形態の微粒子センサ10について、図2〜図6を参照して説明する。
微粒子センサ10は、図2〜図4に示すように、軸線方向GHに延びる直棒状の形態をなしている。この微粒子センサ10は、後述するように、プロテクタ31と自身の素子先端部60Sにおいて突出する針状電極部62Dとの間の気中放電(具体的には、コロナ放電)により、イオンCPを生成する放電素子60を備える。微粒子センサ10は、このほか、放電素子60と電気的絶縁を確保し、放電素子60を保持しつつ、センサグランド電位SGNDとされた導体で取り囲んでファラデーケージをなすセンサグランド部材30を備える。さらにその外側には、センサグランド部材30と電気的絶縁を確保しつつ、これらを囲んで保持し、且つ、排気管EPに取り付けられて、センサグランド電位SGNDとは異なるシャーシグランド電位CGNDとされるシャーシグランド部材20を備える。
なお本実施形態において、センサグランド部材30には、後述する、プロテクタ31、導電性シール体37、第2内筒38、及び、第1内筒39が含まれる。また、シャーシグランド部材20には、後述する、取付金具21、外筒22、編組チューブ23、及び、編組保持金具24が含まれる。
具体的には、微粒子センサ10は、自身の先端側GSに、筒状の取付金具21を備える。この取付金具21は、径方向外側に膨出して外形六角形状をなす工具係合部21Hを有する。また工具係合部21Hよりも先端側GSには、後述するプロテクタ31(ガス取入排出管)の外周を取り囲む筒状壁部21Wを有している。この筒状壁部21Wの外周には、微粒子センサ10を排気管EPに固定するための雄ネジ部21Nが形成されている。従って、微粒子センサ10は、取付金具21の雄ネジ部21Nを用いて、排気管EPに別途設置された金属製の取付用ボス(図示しない)を介して、排気管EPに固定される。このため、取付金具21は、排気管EPと同じシャーシグランド電位CGNDとされる。
また、取付金具21の基端側GKには、金属製で筒状の外筒22が固設されている。具体的には、取付金具21の基端部21Kに、外筒22の先端部22Sが外嵌されレーザ溶接されて、取付金具21と外筒22とが一体とされている。
外筒22の基端側GKの基端部22Kは、先端部22Sよりも縮径した形態とされ、絶縁ゴム製のグロメット46が嵌め込まれ、金属線で構成された編組チューブ23を介して筒状の編組保持金具24が被せられ、加締められて、グロメット46、編組チューブ23、及び編組保持金具24が、外筒22の基端部22Kに保持されている。
このため、排気管EPに微粒子センサ10の取付金具21を取り付けることで、取付金具21、及びこれに導通する外筒22、編組チューブ23、編組保持金具24が、シャーシグランド電位CGNDとされる。
なお、グロメット46には、放電電位ケーブル82、素子ヒータリード線84,86及びスペーサヒータリード線92,94が挿通されている。
加えて、取付金具21の径方向内側DIには、絶縁性セラミックからなる絶縁ホルダ42、滑石圧粉体43、絶縁性セラミックからなる絶縁スリーブ44、線パッキン45を介して、絶縁性セラミックからなる円筒状の絶縁スペーサ41が保持されている。なお、絶縁ホルダ42、滑石圧粉体43、絶縁スリーブ44、線パッキン45は、取付金具21の基端21KKを径方向内側DIに加締め屈曲させて、軸線方向GHに圧縮されている。
また、外筒22の径方向内側DIには、絶縁スペーサ41のほか、放電素子60のうち基端側GKの素子基端側部60Kを包囲する円筒状の第1内筒39及び第2内筒38が配置されている。
なお詳述しないが、この絶縁スペーサ41は、外周面上にスペーサヒータ層41HTが形成されたヒータ付き絶縁スペーサであり、通電により、絶縁スペーサ41の先端部41Sを昇温可能となっている。
絶縁スペーサ41内には、プロテクタ31、導電性シール体37、第2内筒38、素子ホルダ71等を介して、放電素子60が保持されている。
これらのうち、放電素子60は、絶縁セラミックからなり、センサグランド電位SGND及びシャーシグランド電位CGNDとは異なる放電電位DVとされる放電電極体62を有する多層配線基板である。またこの放電素子60は、先端側GSに位置し、プロテクタ31内に配置され、放電電極体62(具体的にはその針状電極部62D)とプロテクタ31との間の放電により、イオンCPを生成し、被測定ガスSG中の微粒子Sを帯電させる素子先端部60Sを有している。加えて、素子先端部60Sの基端側GKに位置し、放電電極体62(具体的にはその放電配線62L)が内部に配置され、外表面60CSから絶縁された被シール部60Cを有している(図2,図4,図6参照)。
一方、プロテクタ31は、放電素子60の素子先端部60Sを水滴や異物から保護するほか、排気管EP内を流通する排気ガスEGの一部である被測定ガスSGを放電素子60の素子先端部60Sの周囲に導く役割を有している。このプロテクタ31は、金属からなる筒状で、微粒子センサ10の先端側GSに配置され、被測定ガスSGをガス取入口32Iから自身の内部空間Kに取り入れた後にガス排出口32Oから排出する。なお、プロテクタ31の先端側GSの部位は、先端側GSに向かうにしたがって縮径するテーパ形状のテーパ部32cとなっている。
また、第1内筒39及び第2内筒38は、第1内筒39のケーブル接続部39Cが外側導体82Dに接続しているためセンサグランド電位SGNDとされており、放電素子60のうち、被シール部60Cよりも基端側GKの素子基端側部60Kを包囲している。
さらに、導電性シール体37は、導電性ガラスからなり、第2内筒38とプロテクタ31とに接触して導通し、かつ、放電素子60の被シール部60Cの外表面60CSに密着して放電素子60を気密に封止している。
このように、この微粒子センサ10では、導電性ガラスからなる導電性シール体37が、放電素子60の被シール部60Cの外表面60CSを囲んで気密に密着している。このため、放電素子60は、この被シール部60Cにおいて、導電性シール体37に気密に保持される。
しかも、この導電性シール体37は、導電性ガラスからなり、第1内筒39を介してセンサグランド電位SGNDとされた第2内筒38とプロテクタ31との間を導通している。このため、プロテクタ31をセンサグランド電位SGNDとするべく、第1内筒39あるいは第2内筒38とプロテクタ31との間を導通する主体金具などの金属ブロック状の部材を要さず、簡単な構成でありながら、内部に放電素子60を気密に保持した微粒子センサ10とすることができる。
次いで、絶縁スペーサ41と導電性シール体37との関係について説明する。導電性ガラスからなる導電性シール体37は、絶縁スペーサ41の円筒状の内周面41Iに気密に密着している。そして、この導電性シール体37を介して、第2内筒38のうち先端側の先端側部38Sが、また、プロテクタ31のうち、基端側GKに位置する管基端側部31Kが、絶縁スペーサ41に固定されている。
このように、この微粒子センサ10では、絶縁スペーサ41の内周面41Iと導電性シール体37との間も気密に密着しており、放電素子60と導電性シール体37とのシールと相俟って、絶縁スペーサ41の内側で、導電性シール体37により、基端側GKと先端側GSとの間を気密にシールすることができる。
しかも、導電性シール体37によって、第2内筒38の先端側部38S及びプロテクタ31の管基端側部31Kを絶縁スペーサ41に固定した簡単な構成の微粒子センサ10とすることができる。
さらに、絶縁スペーサ41、プロテクタ31及び導電性シール体37について説明すると、絶縁スペーサ41は、径方向内側DIに張り出した段状のスペーサ段部41Dを有している。一方、概略円筒状のプロテクタ31のうち、基端側GKに位置する管基端側部31Kは、基端側GKよりも先端側GSが縮径した段状の管段部31KDを有するほか、この管段部31KDよりも基端側GKに位置し、基端側GKの基端縁31KFを含む管基端部31KKを有している。そしてこのプロテクタ31の管段部31KDは、絶縁スペーサ41のスペーサ段部41Dに、基端側GKから先端側GSに向けて係止されている。即ち、プロテクタ31は、絶縁スペーサ41に固定されている。
しかも、導電性シール体37は、プロテクタ31の管基端側部31Kのうち管基端部31KKに、基端側GK、径方向内側DI及び径方向外側DOから密着して、プロテクタ31に導通している(図2,図4参照)。
このように、この微粒子センサ10では、導電性シール体37が、プロテクタ31の管基端部31KKに接触しているので、導電性シール体37を介して、確実に、プロテクタ31をセンサグランド電位SGNDとすることができる。
また、矩形板状の放電素子60は、絶縁セラミックからなる素子ホルダ71に保持されている。この素子ホルダ71は、その外周面71Rに、基端側GKよりも先端側GSが縮径した段状のホルダ段部71Dを有しているほか、放電素子60を挿通する挿通孔71Hを有している。この挿通孔71Hには、放電素子60のうち、素子ホルダ71よりも先端側GSでプロテクタ31内に突出配置される素子先端部60Sと導電性シール体37に気密に密着して取り囲まれた被シール部60Cとの間に位置する、素子挿通部60Pが挿通されている。放電素子60の素子挿通部60Pは、挿通孔71Hに充填した滑石圧粉体72によって素子ホルダ71に保持されている(図6も参照)。
なお、素子ホルダ71のうちホルダ段部71Dは、基端側GKから先端側GSに向けて、プロテクタ31の管段部31KDに係止されている。しかも、この素子ホルダ71は、導電性シール体37に先端側GSから当接して、導電性シール体37を保持している。
上述のように、この微粒子センサ10では、素子ホルダ71のホルダ段部71Dがプロテクタ31の管段部31KDに係止されている。プロテクタ31の管段部31KDは、絶縁スペーサ41のスペーサ段部41Dに係止しているので、素子ホルダ71は、間接的に、絶縁スペーサ41に係止されている。しかもこの素子ホルダ71は、導電性シール体37に先端側GSから当接しているので、導電性シール体37が絶縁スペーサ41内で先端側GSへ移動するのを確実に抑止できる。
なお、本実施形態の微粒子センサ10では、矩形板状の放電素子60は、絶縁セラミックからなる素子ホルダ71の挿通孔71Hに挿通され、この挿通孔71Hのうち径大とされた凹部71Pに充填され圧縮された滑石圧粉体72により、素子ホルダ71に固定されている。
但し、滑石圧粉体72を用いず、素子ホルダ71の凹部71Pにセメントを充填固化したり、素子ホルダ71の凹部71Pにも、導電性シール体37をなす導電性ガラスを充填して、素子ホルダ71への放電素子60の固定、及び、素子ホルダ71と導電性シール体37との結合を図るようにしても良い。
さらに第1内筒39及び第2内筒38は、金属からなり、第2内筒38は、先端側GSの先端底部38SSが閉じた有底筒状である。但し、先端底部38SSには、放電素子60を挿通する挿通孔38SHを有している。またこの第2内筒38は、放電素子60の素子基端側部60Kを径方向外側DOから包囲している。そしてこの第2内筒38の先端底部38SSは、導電性シール体37に基端側GKから接触している。
このように、この微粒子センサ10において、第1内筒39及び第2内筒38は、先端底部38SSを含む第2内筒38を有しており、第2内筒38で放電素子60の素子基端側部60Kを径方向外側DOから包囲することで、ファラデーケージを構成できる。加えて、第2内筒38の先端底部38SSで導電性シール体37と接触しているので、第2内筒と導電性シール体37とを適切に導通し、導電性シール体37をセンサグランド電位SGNDとすることができる。
第2内筒38のうち先端側GSの先端側部38S内には、絶縁セラミックからなる素子スリーブ73が配置され、先端側部38Sの加締めにより固定されている。放電素子60は、この素子スリーブ73の挿通孔73Hにも挿通されて基端側GKに延びている。また、絶縁スペーサ41及び第2内筒38の基端側GKには、放電素子60の素子基端側部60Kの周りを囲んで、絶縁セラミックからなる外側セパレータ74、下部セパレータ75、上部セパレータ76が配置されている。
これらのうち、最も先端側GSの外側セパレータ74は、絶縁スペーサ41内及び第2内筒38内に全部が挿入される形態で、第2内筒38に、及び、この第2内筒38を介して間接に絶縁スペーサ41に、基端側GKから先端側GSに向けて係止されている。また、各セパレータ74〜76は、第1内筒39あるいは第2内筒38に、径方向外側DOから覆われており、最も基端側GKに位置する上部セパレータ76は、第1内筒39に基端側GKからも覆われている。
第1内筒39には、基端側GKに突出する筒状のケーブル接続部39Cが設けられており、このケーブル接続部39C内に放電電位ケーブル82が挿通され,かつ加締め固定されている。より正確には、放電電位ケーブル82の外側導体82Dが、第1内筒39のケーブル接続部39C内で第1内筒39に導通している。これにより、第1内筒39は、放電電位ケーブル82の外側導体82Dを介して、制御装置100のイオン源電源回路110の第1出力端111や内側回路ケース170と導通する。かくして、第1内筒39、第2内筒38、導電性シール体37、及び、プロテクタ31は、いずれもセンサグランド電位SGNDとされ、これらで放電素子60を取り囲んでファラデーケージをなしている。
次いで、本実施形態で用いる放電素子60の構造について、図6を参照して説明する。放電素子60は、絶縁セラミックからなる矩形板状であり、その第1面60A(図6Aにおいて上面)のうち、中央よりも基端側GKには放電電極パッド62Pが、中央よりも先端側GSにはシールド電極パッド63P1が形成されている。図3に示すように、放電電極パッド62Pには、放電電位接続端子81を介して、放電電位ケーブル82の芯線である放電電位リード線82Lが接続される。これにより、放電電極パッド62Pを含む放電電極体62は、放電電位DVとされ、放電電位ケーブル82を通じて、イオン源電源回路110で通電制御される(図7参照)。
一方、シールド電極パッド63P1は、放電素子60のうち、被シール部60Cの外表面60CSに位置するように形成されており、この外表面60CSを囲んで気密に密着している導電性シール体37に導通している(図2参照)。従って、シールド電極パッド63P1を含むシールド電極部63は、センサグランド電位SGNDとされる。
また、放電素子60の第2面60B(図6Aにおいて下面)のうち、中央よりも基端側GKには、素子ヒータパッド64P1,64P2が形成されている(図6B参照)。図3に示すように、この素子ヒータパッド64P1,64P2には、素子ヒータ接続端子83,85を介して、素子ヒータリード線84,86がそれぞれ接続される。これにより、素子ヒータパッド64P1,64P2を含む素子ヒータ配線64は、素子ヒータリード線84,86を通じて、素子ヒータ制御回路150で通電制御される(図7参照)。
この放電素子60は、絶縁セラミックからなる平板状のセラミック層61A〜61Eと、これらの間に介在して、各セラミック層61A〜61E同士を貼り合わせる貼合層65A〜65Dを有している。
このうち、貼合層65Aとセラミック層61Aとの間で、先端側GS寄りの部位には、概略平板直線状の放電配線62L、及び、この放電配線62Lから先端側GSに延びて、放電素子60の素子先端部60Sから針状に突出する針状電極部62Dが設けられている。放電配線62Lは、セラミック層61Aに設けた放電電極ビア62Vを通じて、セラミック層61Aの外側面、即ち、放電素子60の第1面60Aに設けた放電電極パッド62Pに導通している。
なお、図6Bから容易に理解できるように、放電電極体62のうち放電配線62Lは、放電素子60の被シール部60Cにおいて、外表面60CSに露出しておらず、放電素子60の内部に位置している。このため、外表面60CSに導電性シール体37が密着して形成されても、放電電極体62の放電配線62Lが、導電性シール体37に導通することはなく、両者間は絶縁されている。
また、セラミック層61Eと貼合層65Dとの間には、互いに平行でかつ軸線方向GHに延びる二本の平板直線状の素子ヒータリード線64L1,64L2、及び、これらの先端側GSを結ぶメアンダ状の配線からなる素子ヒータ部64HTが設けられている。素子ヒータリード線64L1,64L2は、セラミック層61Eに設けた素子ヒータビア64V1,64V2を通じて、セラミック層61Eの外側面、即ち、放電素子60の第2面60Bに設けた素子ヒータパッド64P1,64P2にそれぞれ導通している。
これらで構成される素子ヒータ配線64は、放電素子60のうち、被測定ガスSGに曝される素子先端部60Sに、ススなどの異物粒子が付着するのを防止したり、付着した異物粒子を除去したりするために、素子先端部60Sを昇温させるべく設けられている。
図5に示すように、素子ヒータパッド64P1,64P2には、素子ヒータリード線84,86が接続された素子ヒータ接続端子83,85が接触している。前述したように、素子ヒータリード線86は、素子ヒータ制御回路150の第2出力端152に接続され、シャーシグランド電位CGNDとされる。一方、素子ヒータリード線84は、素子ヒータ制御回路150の第1出力端151に接続され、素子ヒータ電位EHVとされる(図7参照)。
なお、図6Bから容易に理解できるように、素子ヒータ配線64の素子ヒータリード線64L1,64L2も、放電素子60の被シール部60Cにおいて、外表面60CSに露出しておらず、放電素子60の内部に位置している。このため、外表面60CSに導電性シール体37が密着して形成されても、素子ヒータ配線64の素子ヒータリード線64L1,64L2が、導電性シール体37に導通することはなく、両者間は絶縁されている。
そのほか、セラミック層61Bと貼合層65Bとの間で、先端側GS寄りの部位には、平板状のシールド電極層63Sが設けられている。このシールド電極層63Sは、セラミック層61B,61Aにそれぞれ設けたシールド電極ビア63V2,63V1及びシールド電極パッド63P3,63P2を通じて、セラミック層61Aの外側面、即ち、放電素子60の第1面60Aに設けたシールド電極パッド63P1に導通している。なお、貼合層65Aには、シールド電極パッド63P3,63P2を内部に含む形態のスルーホール65ATHが設けられており、シールド電極パッド63P3と63P2とが互いに接触して導通可能となっている。このため、放電素子60の外表面60CSに導電性シール体37が密着して形成されると、シールド電極パッド63P1が導電性シール体37に導通するので、シールド電極層63S、シールド電極ビア63V1,63V2、シールド電極パッド63P1,63P2,63P3からなるシールド電極部63はいずれの部位も、導電性シール体37に導通し、センサグランド電位SGNDとされる。
前述したように、本実施形態の微粒子センサ10では、放電素子60のうち、被測定ガスSGに曝される素子先端部60Sに、この素子先端部60Sを加熱する素子ヒータ配線64を設けた。なお、素子ヒータ配線64の一端(素子ヒータパッド64P2)は、素子ヒータリード線86を介して、シャーシグランド電位CGNDに接続されている。
しかるに、このような素子先端部60Sを加熱するために素子ヒータ配線64を設けた場合、放電電極体62での放電により誘導電流が素子ヒータ配線64に流れる。このため、微粒子センサ10を制御する制御装置100(図7参照)において、この素子ヒータ配線64の一端(素子ヒータパッド64P2)が接続するシャーシグランド電位CGNDが変動するために、微粒子センサ10の出力信号(計測制御回路120からの出力信号)にノイズが重畳する場合がある。
これに対し、本実施形態では、図6Bから容易に理解できるように、センサグランド電位SGNDとされるシールド電極層63Sが、放電電極体62の放電配線62Lと、素子ヒータ配線64の素子ヒータリード線64L1,64L2及び素子ヒータ部64HTとの間に介在しており、放電配線62Lと、素子ヒータリード線64L1,64L2及び素子ヒータ部64HTとの間を電磁シールドする。
これにより、放電電極体62での放電による誘導電流が素子ヒータ配線64に流れるのが抑制され、シャーシグランド電位CGNDの変動や、それに伴って微粒子センサ10の出力信号(計測制御回路120からの出力信号)にノイズが重畳することが抑制される。
しかも、シールド電極層63Sを導電性シール体37に導通してセンサグランド電位SGNDにする。具体的には、シールド電極層63Sに導通するシールド電極パッド63P1を、被シール部60Cの外表面60CSに設けたので、導電性シール体37に容易に導通して、シールド電極層63Sをセンサグランド電位SGNDにできる。このため、シールド電極層63Sをセンサグランド電位SGNDとするべく、微粒子センサ10内に放電素子60のシールド電極層63Sにセンサグランド電位SGNDを供給するための配線を設ける必要が無い。また、導電性シール体37に、拡がりを有するシールド電極パッド63P1で接続するので、シールド電極パッド63P1ひいてはシールド電極層63Sと、導電性シール体37との導通を確実に行うことができる。
続いて、プロテクタ31の構造、及び、微粒子センサ10における微粒子Sの検知について、図2,図4,図5,図8を参照して説明する。プロテクタ31は、先端側GSが窄んだ円筒状のプロテクタ本体32と、このプロテクタ本体32内に収容された複数(本実施形態では4つ)のトラップ部材33〜36から構成されている。
プロテクタ31(プロテクタ本体32)の基端側GKには、複数のガス取入口32Iが、周方向に等間隔で並ぶ態様で形成されている(図5参照)。このガス取入口32Iを通じて、微粒子Sを含む被測定ガスSGが、プロテクタ31の内部空間Kに取り入れられる。このガス取入口32Iは、取付金具21の筒状壁部21Wの径方向内側DIに位置している。また、プロテクタ31(プロテクタ本体32)の先端部分には、取り入れた被測定ガスSGを排出するためのガス排出口32Oが形成されている。このガス排出口32Oは、その中心が微粒子センサ10の軸線AXと一致する円形状の開口であり、プロテクタ31の先端部分に1つだけ設けられている。
プロテクタ31(プロテクタ本体32)内で素子ホルダ71よりも先端側GSの内部空間Kに、放電素子60の素子先端部60Sが突出している。そこで、針状電極部62Dを放電電位DVとして、センサグランド電位SGNDとされたプロテクタ31との間でコロナ放電(気中放電)を発生させると、この内部空間Kに酸素分子等が電離したイオンCPが発生する。このため、内部空間Kに被測定ガスSGを流通させると、被測定ガスSG中の微粒子SにイオンCPが付着し、帯電微粒子SCとなり、ガス排出口32Oから排気管EPに排出される。このようにして排出された排出イオンCPHに相当する電気量が、信号電流Isとして検知される。
一方、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFのガス排出口32Oからの排出を抑制するため、プロテクタ31には、トラップ部材33〜36によって、プロテクタ31内を流通する被測定ガスSGの流通経路を迷路状にしている。これにより、被測定ガスSG中の浮遊イオンCPFを、センサグランド電位SGNDとされたトラップ部材33〜36に効率的に付着させるためである。
即ち、トラップ部材33〜36は、図5及び図8を見れば理解できるように、1又は複数の貫通孔33d,34d,35d,36dが穿孔された板状部33b,34b,35b,36bを有している。しかも、隣り合うトラップ部材に設けた貫通孔同士が、軸線方向GHに見て重ならない配置とされている。このため、図8において破線の矢印で示すように、被測定ガスSGが、各トラップ部材33〜35の貫通孔33d,34d,35dを流通する際、被測定ガスSGが各トラップ部材34〜36の板状部34b,35b,36bに当たって進む流通経路を取る。このため、被測定ガスSG中の浮遊イオンCPFも、センサグランド電位SGNDとされた各トラップ部材34〜36の板状部34b〜36bに衝突したり引き寄せられ易くなり、浮遊イオンCPFがガス排出口32Oから排出されるのが抑制される。
このような構成の微粒子センサ10及びこれに接続した制御装置100を備える微粒子検知システム1では、簡単な構造で、内部に放電素子60を気密に保持した微粒子センサ10を用いており、微粒子検知システム1としても、安価なシステムとすることができる。
次いで、微粒子センサ10の製造方法について、図9を参照して説明する。
まず、予め形成しておいた放電素子60を、素子ホルダ71の挿通孔71Hに挿通し、滑石粉末を素子ホルダ71の凹部71Pに充填し圧縮して、放電素子60の素子挿通部60Pを素子ホルダ71に仮固定する。
次いで、絶縁スペーサ41内にプロテクタ31を挿入し、絶縁スペーサ41のスペーサ段部41Dにプロテクタ31の管段部31KDを係合させる。さらに、放電素子60を仮固定した素子ホルダ71のホルダ段部71Dがプロテクタ31の管段部31KDに係合するように、放電素子60付きの素子ホルダ71をプロテクタ31内に挿入する。
その後、絶縁スペーサ41等を、プロテクタ31が下方に位置するように保持した状態、即ち、絶縁スペーサ41、プロテクタ31等を、先端側GSが、下方を向く姿勢としたうえで、絶縁スペーサ41内に導電性ガラス粉末を所定量投入し、図示しないプレス治具を用いて、放電素子60の周囲に投入した導電性ガラス粉末を先端側GSに向けて圧縮する。
これにより、放電素子60のうち、素子挿通部60Pよりも基端側GKの被シール部60Cの外表面60CSが、圧縮済みの導電性ガラス粉末に包囲される。
また前述したように、プロテクタ31のうち管基端側部31Kは、段状の管段部31KDを有するほか、この管段部31KDよりも基端側GKに位置し、基端側GKの基端縁31KFを含む管基端部31KKを有している。このため、プロテクタ31の管基端部31KKには、導電性ガラス粉末が径方向外側DOから接触する。
別途、第2内筒38の先端側部38Sに素子スリーブ73を挿入し、先端側部38Sを加締め変形させて、先端側部38S内に素子スリーブ73を固定しておく。この素子スリーブ73付き第2内筒38の挿通孔38SH,73Hに放電素子60を挿通し、第2内筒38の先端底部38SSを、絶縁スペーサ41内に投入した圧縮済みの導電性ガラス粉末に当接させる。
さらにシール体形成工程として、絶縁スペーサ41内に投入した圧縮済みの導電性ガラス粉末が、放電素子60の被シール部60Cの外表面60CSに密着し、また、第2内筒38の先端底部38SS及びプロテクタ31の管基端部31KKに接触させた状態で、これらを筒状炉(図示しない)内に挿入する。そして、絶縁スペーサ41を径方向外側から加熱して、導電性ガラスの軟化点よりもやや高い温度まで昇温させ、導電性ガラス粉末を溶融させて、導電性ガラスからなる導電性シール体37を形成する。
次いで、絶縁スペーサ41等を筒状炉から取り出し、導電性シール体37が溶融(導電性ガラスが軟化)している期間内に、図示しない押圧治具を用いて、図9において矢印で示すように、下方、即ち先端側GSに向けて、素子スリーブ73に押圧力FPを掛ける。そして、この押圧力を保ちつつ徐冷し、導電性シール体37を固化させる。これにより、プロテクタ31、絶縁スペーサ41、素子ホルダ71、滑石圧粉体72、第2内筒38、及び放電素子60に、導電性ガラスからなる導電性シール体37を密着させる。
かくして、導電性シール体37の形成のための型を別途用いることなく、第2内筒38及びプロテクタ31に、導電性シール体37を確実に接触導通させ、放電素子60の被シール部60Cに気密に導電性シール体37を密着させた状態の微粒子センサ10を容易に形成することができる。
しかも、上述のシール体形成工程では、導電性ガラスからなる導電性シール体37を、放電素子60に設けたシールド電極パッド63P1にも密着させた状態に形成している。
このため、シールド電極層63Sをシールド電極パッド63P1を介して導電性シール体37に確実に導通させ、シールド電極層63Sを確実にセンサグランド電位SGNDにすることができる。
さらに、上述のシール体形成工程では、絶縁スペーサ41の内周面41Iにも、第2内筒38の先端側部38S及びプロテクタ31の管基端側部31Kにも密着させた状態に導電性シール体37を形成している。
このため、絶縁スペーサ41の内周面41Iにも導電性シール体37を気密に密着させて、絶縁スペーサ41の径方向内側DIで、導電性シール体37により、基端側GKと先端側GSとの間を気密にシールした微粒子センサ10を製造できる。
また、導電性シール体37を介して、第2内筒38の先端側部38S及びプロテクタ31の管基端側部31Kを、絶縁スペーサ41の内周面41Iに容易かつ確実に固定できる。
このようにして、導電性シール体37を形成した後は、取付金具21内に絶縁スペーサ41を挿入し、これらの間に、環状の絶縁ホルダ42、滑石粉末からなる環状の滑石圧粉体43、環状の絶縁スリーブ44、線パッキン45を挿入し、取付金具21の基端21KKを内側に屈曲させるように加締めを行って、取付金具21内に絶縁スペーサ41を保持させる。
次いで、第2内筒38内に外側セパレータ74及び下部セパレータ75をこの順に挿入する。さらに、放電電位ケーブル82の放電電位リード線82Lの先端に圧着した放電電位接続端子81を下部セパレータ75の所定位置に配置して、放電電位接続端子81を放電素子60の放電電極パッド62Pに接触させる(図3参照)。これにより、制御装置100のうちイオン源電源回路110の第2出力端112に生成される放電電位DVを、放電素子60の放電電極体62に印加可能となる。
次いで、下部セパレータ75の基端側GKに上部セパレータ76をセットし、素子ヒータリード線84,86の先端に圧着した素子ヒータ接続端子83,85を、上部セパレータ76の所定位置にそれぞれ配置して、素子ヒータ接続端子83,85を放電素子60の素子ヒータパッド64P1,64P2にそれぞれ接触させる(図3参照)。これにより、制御装置100のうち素子ヒータ制御回路150による、放電素子60の素子ヒータ配線64の素子ヒータ部64HTに印加可能となる。
次いで、第1内筒39を上部セパレータ76に基端側GKから被せ、第1内筒39及び第2内筒38の径方向周囲の重なり部分を加締めて一体とする。
さらに、放電電位ケーブル82が挿通されている第1内筒39のケーブル接続部39Cの周囲を加締めて、放電電位ケーブル82をケーブル接続部39Cに固定すると共に、放電電位ケーブル82の外側導体82Dをケーブル接続部39Cと導通させる。これにより、第1内筒39をはじめとするセンサグランド部材30を、制御装置100のうちイオン源電源回路110の第1出力端111のセンサグランド電位SGNDに導通させる。
一方、スペーサヒータリード線92,94の先端にそれぞれ設けたスペーサヒータ接続端子91,93を、絶縁スペーサ41のスペーサヒータ層41HT(このうち図示しない接続パッド)に接合する。
さらに、外筒22の先端部22Sが取付金具21の基端部21Kに重なるように、取付金具21に外筒22を外嵌し、外筒22の先端部22Sを取付金具21の基端部21Kにレーザ溶接する。
次いで、外筒22の基端部22K内にグロメット46を挿入する一方、外筒22の基端部22Kの径方向外側DOに編組チューブ23及び編組保持金具24を被せ、周囲を加締める。これにより、グロメット46内の放電電位ケーブル82、素子ヒータリード線84,86、及び、スペーサヒータリード線92,94が、グロメット46に保持される。
かくして、放電電位ケーブル82、素子ヒータリード線84,86、スペーサヒータリード線92,94、及び編組チューブ23によって、制御装置100と接続された微粒子センサ10及び微粒子検知システム1が完成する。
(変形形態1)
次いで、第1の変形形態に係る微粒子センサ210について、図10及び図2,図4,図9を参照して説明する。本変形形態1の微粒子センサ210は、実施形態の微粒子センサ10とは、放電素子260の形態が異なる点(図10)、及び、導電性シール体237が2層構造である点(図2,図4,図9)で異なり、その他は同様である。そこで、異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、同じ符号を用い、説明を省略あるいは簡略化する。
まず、本変形形態1の微粒子センサ210に用いる放電素子260の構造について、図10を参照して説明する。放電素子260は、放電素子60と同形で、絶縁セラミックからなる矩形板状の多層配線基板である。また、この放電素子260でも、実施形態の放電素子60と同じ位置に、同形の放電電極パッド62Pが形成されている。従って、放電電極パッド62Pを含む放電電極体62は、放電電位DVとされ、放電電位ケーブル82を通じて、イオン源電源回路110で通電制御される(図7参照)。また、素子ヒータパッド264P1,264P2も、実施形態の放電素子60における素子ヒータパッド64P1,64P2と同じ位置に形成されており、素子ヒータパッド264P1,264P2を含む素子ヒータ配線264は、素子ヒータリード線84,86を通じて、素子ヒータ制御回路150で通電制御される。
但し、実施形態の放電素子60では、第1面60A(図6Aにおいて上面)にシールド電極パッド63P1が形成されていたのに対し、本変形形態1の放電素子260では、第1面260Aとは逆の第2面260B(図10Aにおいて下面、図10Bにおいて上面)に、シールド電極パッド263P1が形成されている。
なお、実施形態の放電素子60におけるシールド電極パッド63P1と同じく、このシールド電極パッド263P1も、放電素子260のうち、被シール部260Cの外表面260CSに位置するように形成されており、この外表面260CSを囲んで気密に密着している導電性シール体237に導通している(図2参照)。従って、シールド電極パッド263P1を含むシールド電極部263も、センサグランド電位SGNDとされる。
放電素子260の構造について説明する。この放電素子260は、絶縁セラミックからなる平板状のセラミック層261A〜261Eと、これらの間に介在して、各セラミック層261A〜261E同士を貼り合わせる貼合層265A〜265Dを有している。
このうち、実施形態の放電素子60と同じく、図10Cにおいて最上層のセラミック層261Aと貼合層265Aとの間で、先端側GS寄りの部位には、概略平板直線状の放電配線62L、及び、この放電配線62Lから先端側GSに延びて、放電素子260の素子先端部260Sから針状に突出する針状電極部62Dが設けられている。放電配線62Lは、セラミック層261Aに設けた放電電極ビア62Vを通じて、セラミック層261Aの外側面、即ち、放電素子260の第1面260Aに設けた放電電極パッド62Pに導通している。
一方、下から2番目のセラミック層261Dと貼合層265Dとの間には、実施形態の放電素子60の素子ヒータ配線64と同じく、互いに平行でかつ軸線方向GHに延びる二本の平板直線状の素子ヒータリード線264L1,264L2、及び、これらの先端側GSを結ぶメアンダ状の配線からなる素子ヒータ部264HTが設けられている。但し、実施形態とは異なり、素子ヒータリード線264L1,264L2は、貼合層265Dのスルーホール265DTH2,265DTH3内に設けた素子ヒータパッド264P3,264P4、及び、セラミック層261Eに設けた素子ヒータビア64V1,64V2を通じて、セラミック層261Eの外側面、即ち、放電素子260の第2面260Bに設けた素子ヒータパッド264P1,264P2にそれぞれ導通している。
そのほか、実施形態におけるシールド電極層63Sと同じく、セラミック層261Bと貼合層265Bとの間には、平板矩形状のシールド電極層263Sが設けられている。但し、本変形形態1におけるシールド電極層263Sは、実施形態におけるシールド電極層63Sよりも、基端側GKに延びた矩形平板状を有している。
このシールド電極層263Sは、セラミック層261C〜261Eにそれぞれ設けたシールド電極ビア263V1,263V2,263V3、シールド電極パッド263P2,263P3,263P4、及び、貼合層265Dとセラミック層261Eとの間に設けた概略平板直線状のシールド配線263Lを通じて、セラミック層261Eの外側面、即ち、放電素子260の第2面260Bに設けたシールド電極パッド263P1に導通している。なお、貼合層265B,265C,265Dには、それぞれ、シールド電極パッド263P4,263P3,263P2を内部に含む形態のスルーホール265BTH,265CTH,265DTH1が設けられており、シールド電極ビア263V3,263V2を介して相互に導通可能となっている。
従って、放電素子260の被シール部260Cの外表面260CSに、導電性シール体237が密着して形成されると、この導電性シール体237にシールド電極パッド263P1が導通するので、シールド電極層263S、シールド電極ビア263V1,263V2,263V3、シールド電極パッド263P1,263P2,263P3,263P4、シールド配線263Lからなるシールド電極部263はいずれの部位も、導電性シール体237に導通し、センサグランド電位SGNDとされる。
かくして、シールド電極層263Sは、センサグランド電位SGNDとされ、素子ヒータ配線264と放電電極体62との間を電磁シールドするので、放電電極体62での放電による誘導電流が素子ヒータ配線264に流れるのが抑制され、シャーシグランド電位CGNDの変動や、それに伴う微粒子センサ210の出力信号へのノイズの重畳が抑制される。
なお、前述の実施形態の放電素子60(図6参照)では、高電圧が印加される放電電極体62の放電配線62Lと、センサグランド電位SGNDとされるシールド電極部63のシールド電極パッド63P2とが近接しているため、両者の間で、短絡が生じる虞があった。
これに対し、本変形形態1の微粒子センサ210では、上述のように、放電素子260のうち、放電電極パッド62Pが設けられた第1面260Aとは逆の第2面260Bに、導電性シール体237に導通するシールド電極パッド263P1を設けた。また、放電電極体62が、放電配線62Lから、放電電極ビア62V、放電電極パッド62Pにより、第1面260A(図10Cにおいて上方)に向けて延びるのに対し、シールド電極部263を、シールド電極層263Sから第2面260B(図10Cにおいて下方)に向けて延びる形態にした。このため、高電圧が印加される放電電極体262と、センサグランド電位SGNDとされるシールド電極部263との距離が、実施形態の放電素子60における放電電極体62とシールド電極部63との間の距離よりも離間しているため、両者の間で、短絡が生じる虞を低減できている。
次に、本変形形態1の微粒子センサ210における導電性シール体237の構造について説明する。前述の実施形態に係る微粒子センサ10では、均一組成の導電性ガラスからなる導電性シール体37を有している。
これに対し、本変形形態1の微粒子センサ210に係る導電性シール体237も、実施形態に係る導電性シール体37と同形である。但し、図2,図4,図9において破線で示すように、導電性シール体237は、先端側GSに位置する第1導電性シール体237Aと、この基端側GKに位置し、第1導電性シール体237Aとは異なる導電性ガラスからなる第2導電性シール体237Bとの、軸線方向GHに2層構造となっている点で、実施形態の導電性シール体37と異なる。
具体的には、2層構造の導電性シール体237のうち、先端側GSの第1導電性シール体237Aは、金属からなるプロテクタ31の管基端部31KKとの密着性のほか、セラミックからなる放電素子260、絶縁スペーサ41の内周面41I及び素子ホルダ71との密着性の向上のため、比較的軟化点が低く、密着性の良好な導電性ガラスからなる。
一方、基端側GKの第2導電性シール体237Bは、金属からなる第2内筒38の先端底部38SSとの、及び、放電素子260の被シール部260Cの外表面260CSに露出するシールド電極部263(具体的には、シールド電極パッド263P1)との導通性の向上のため、第1導電性シール体237Aに用いた導電性ガラスに比して導電性が良好な導電性ガラスからなる。
なお、このような導電性シール体237は、実施形態の微粒子センサ10の製造における導電性シール体37の形成と同様に、導電性ガラス粉末を加熱し溶融させたのち、圧縮して形成する。
但し、絶縁スペーサ41、プロテクタ31等を、先端側GSが、下方を向く姿勢としたうえで、絶縁スペーサ41内に導電性ガラス粉末を投入し、プレスして圧縮済みの導電性ガラス粉末を形成するにあたり、まず、第1導電性シール体237A用の導電性ガラス粉末を投入する。その後、図示しないプレス治具を用いて、放電素子60の周囲に投入した第1導電性シール体237A用の導電性ガラス粉末を先端側GSに向けて圧縮する。さらに、第2導電性シール体237B用の導電性ガラス粉末を投入し、再度プレス治具を用いて、2層の導電性ガラス粉末を先端側GSに向けて圧縮して、圧縮済みの導電性ガラス粉末を得る。その後、導電性シール体37の形成と同様に、圧縮済みの2層の導電性ガラス粉末を加熱し軟化させた後に圧縮して、導電性シール体237を形成する。
本変形形態1の微粒子センサ210でも、放電素子260は、被シール部260Cにおいて、導電性シール体237に気密に保持される。しかも、導電性シール体237で第2内筒38とプロテクタ31との間を導通している。このため、プロテクタ31をセンサグランド電位SGNDとするべく、第1内筒39あるいは第2内筒38とプロテクタ31との間を導通する主体金具などの金属ブロック状の部材を要さず、簡単な構成でありながら、内部に放電素子260を気密に保持した微粒子センサ210とすることができる。
また、導電性シール体237に導通するシールド電極パッド263P1を介して、シールド電極層263Sをセンサグランド電位SGNDとするので、微粒子センサ210内に放電素子260のシールド電極層263Sにセンサグランド電位SGNDを供給するための配線を設ける必要が無い。
しかも、導電性シール体237に、拡がりを有するシールド電極パッド263P1で接続するので、シールド電極パッド263P1ひいてはシールド電極層263Sと、導電性シール体237との導通を確実に行うことができる。
(変形形態2)
次いで、第2の変形形態に係る微粒子センサ310について、図11を参照して説明する。本変形形態2の微粒子センサ310は、実施形態及び変形形態1の微粒子センサ10、210とは、放電素子360の形態が異なる点でのみ異なり、その他は同様である。そこで、異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、同じ符号を用い、説明を省略あるいは簡略化する。
まず、本変形形態2の微粒子センサ310に用いる放電素子360の構造について、図11を参照して説明する。放電素子360は、放電素子60と同形で、絶縁セラミックからなる矩形板状の多層配線基板である。また、この放電素子360も、実施形態の放電素子60と同じ位置に、同形の放電電極パッド62Pが形成されている。従って、放電電極パッド62Pを含む放電電極体62は、放電電位DVとされ、放電電位ケーブル82を通じて、イオン源電源回路110で通電制御される(図7参照)。また、実施形態と同じ位置に、同形の素子ヒータパッド64P1,64P2が形成されており(図6参照)、素子ヒータパッド64P1,64P2を含む素子ヒータ配線64は、素子ヒータリード線84,86を通じて、素子ヒータ制御回路150で通電制御される。
但し、実施形態の放電素子60では、第1面60A(図6Aにおいて上面)にシールド電極パッド63P1が、また、本変形形態1の放電素子260では、第1面260Aとは逆の第2面260B(図10Aにおいて下面、図10Bにおいて上面)に、シールド電極パッド263P1が形成されていた。
これに対し、本変形形態2の放電素子360では、第1面360A及び第2面360B(図11Aにおいて、上面及び下面)のいずれにもシールド電極パッドは形成されず、シールド電極層363Sの延出部363SEが、放電素子360の被シール部360Cの外表面360CSのうち、放電素子360の側面をなす側部360CSSに露出している。
このため、本変形形態2のシールド電極層363Sは、その延出部363SEにおいて、放電素子360の被シール部360Cの外表面360CSを囲んで気密に密着している導電性シール体37に導通している(図2参照)。従って、シールド電極層363Sは、直接、センサグランド電位SGNDとされる。
放電素子260の構造について説明する(図11参照)。この放電素子360は、実施形態1の放電素子60と同じく、絶縁セラミックからなる平板状のセラミック層361A〜361Eと、これらの間に介在して、各セラミック層361A〜361E同士を貼り合わせる貼合層365A〜365Dを有している。
このうち、図11Cにおいて最上層のセラミック層361Aと貼合層365Aとの間で、先端側GS寄りの部位には、実施形態の放電素子60と同じく、概略平板直線状の放電配線62L、及び、この放電配線62Lから先端側GSに延びて、放電素子360の素子先端部360Sから針状に突出する針状電極部62Dが設けられている。放電配線62Lは、セラミック層361Aに設けた放電電極ビア62Vを通じて、セラミック層361Aの外側面、即ち、放電素子360の第1面360Aに設けた放電電極パッド62Pに導通している。
また、最下層のセラミック層361Eと貼合層365Dとの間には、実施形態の放電素子60と同じく、二本の素子ヒータリード線64L1,64L2、及び、これらの先端側GSを結ぶ素子ヒータ部64HTが設けられている。素子ヒータリード線64L1,64L2は、セラミック層61Eに設けた素子ヒータビア64V1,64V2を通じて、セラミック層61Eの外側面、即ち、放電素子60の第2面60Bに設けた素子ヒータパッド64P1,64P2にそれぞれ導通している。
そのほか、実施形態におけるシールド電極層63Sと同じく、セラミック層361Bと貼合層365Bとの間には、概略、平板矩形状のシールド電極層363Sが設けられている。但し、本変形形態2におけるシールド電極層363Sのうち、放電素子360の被シール部360Cに含まれる部位には、他の部位よりも幅広の延出部363SEが設けられている。
このシールド電極層363Sの延出部363SEは、放電素子360の被シール部360Cにおいて、外表面360CSのうち側部360CSSに露出している(図11B参照)。
このため、放電素子360の被シール部360Cの外表面360CSに、導電性シール体37が密着して形成されると、この導電性シール体37にシールド電極層363Sの延出部363SEが接触し導通する(図2参照)ので、シールド電極層363Sがセンサグランド電位SGNDとされる。なお、本変形形態2においては、シールド電極部363は、延出部363SEを含むシールド電極層363Sのみから構成されている。
かくして、シールド電極層363Sは、センサグランド電位SGNDとされ、素子ヒータ配線64と放電電極体62との間を電磁シールドするので、放電電極体62での放電による誘導電流が素子ヒータ配線264に流れるのが抑制され、シャーシグランド電位CGNDの変動や、それに伴う微粒子センサ310の出力信号へのノイズの重畳が抑制される。
なお、本変形形態2の微粒子センサ310では、上述のように、放電素子360のうち、放電電極パッド62Pが設けられた第1面360Aではなく、側部360CSSに露出する延出部363SEを設けた。このため、高電圧が印加される放電電極体362と、センサグランド電位SGNDとされるシールド電極部363(シールド電極層363S)との距離が、実施形態の放電素子60における放電電極体62とシールド電極部63との間の距離よりも離間しているため、両者の間で、短絡が生じる虞を低減できている。
本変形形態2の微粒子センサ310でも、放電素子360は、被シール部360Cにおいて、導電性シール体37に気密に保持される。しかも、導電性シール体37で第2内筒38とプロテクタ31との間を導通している。このため、プロテクタ31をセンサグランド電位SGNDとするべく、第1内筒39あるいは第2内筒38とプロテクタ31との間を導通する主体金具などの金属ブロック状の部材を要さず、簡単な構成でありながら、内部に放電素子360を気密に保持した微粒子センサ310とすることができる。
また、導電性シール体37に導通する延出部363SEを介して、シールド電極層363Sをセンサグランド電位SGNDとするので、微粒子センサ310内に放電素子360のシールド電極層363Sにセンサグランド電位SGNDを供給するための配線を設ける必要が無い。
しかも、本変形形態2の微粒子センサ310の放電素子360では、シールド電極層363S自身が延出部363SEを有しており、この延出部363SEで導電性シール体37に接続しているので、放電素子360にシールド電極層363Sに接続するビアなどを設ける必要が無く、簡単な構造でシールド電極層363Sを導電性シール体37に接続できる。
(変形形態3)
次いで、第3の変形形態に係る微粒子センサ410について、図12を参照して説明する。本変形形態3の微粒子センサ410は、変形形態2の微粒子センサ310とは、放電素子460の形態が、放電素子360と一部異なるのみであり、その他は同様である。そこで、異なる部分を中心に説明し、同様の部分は説明を省略あるいは簡略化する。また、異なる部分のみ符号を変更し、同様の部分は、同じ符号を用いる。
即ち、本変形形態3の微粒子センサ410における放電素子460では、シールド電極層363Sの下層に位置する貼合層465Bのうち、延出部363SEに重なる位置が、幅狭のくびれ部465BCとされている。さらに、貼合層465Bの下層に位置するセラミック層461Cのうち、くびれ部465BCに重なる位置に、半円状の窪み部461CCが(本変形形態3では、片側3箇所ずつ)設けられている(図12C参照)。
このため、本変形形態3の放電素子460では、変形形態2の放電素子360と同様、シールド電極層363Sの延出部363SEが、放電素子460の被シール部460Cにおいて、外表面460CSのうち側部460CSSに露出している(図12B参照)。
このため、シールド電極層363Sは、その延出部363SEにおいて、放電素子460の被シール部460Cの外表面460CSを囲んで気密に密着している導電性シール体37に導通しており、シールド電極層463Sは、直接、センサグランド電位SGNDとされる。
従って、変形形態2の放電素子360と同様、放電素子460にシールド電極層363Sに接続するビアなどを設ける必要が無く、簡単な構造でシールド電極層363Sを導電性シール体37に接続できる。
加えて、本変形形態3の放電素子460では、変形形態2の放電素子360とは異なり、貼合層465B及びセラミック層461Cのうち、シールド電極層363Sの延出部363SEの下方に、幅狭のくびれ部465BC及び半円状の窪み部461CCが設けられている。このため、放電素子460の側部460CSSにおいて、シールド電極層363Sの延出部363SEが、くびれ部465BC及び半円状の窪み部461CCから露出している(図12B参照)。
このため、変形形態2の放電素子360では、シールド電極層363Sの延出部363SEの端面のみで、導電性シール体37に接触し導通していたのに比して、本変形形態3の放電素子460では、シールド電極層363Sの延出部363SEのうち、端面のみならず、くびれ部465BC及び半円状の窪み部461CCから露出する部分も、導電性シール体37に接触し導通する。かくして、シールド電極層363Sの延出部363SEを、より確実に導電性シール体37に接触し導通することができる。
以上では、本発明を実施形態及び変形形態1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、放電素子60内にシールド電極層63S等のシールド電極部63を設け、素子ヒータ配線64と放電電極体62との間の電磁シールドを行った。しかし、発生するノイズが小さい場合には、放電素子60内にシールド電極層63S等のシールド電極部63を設けないようにしても良い。
逆に、素子ヒータ配線64と放電電極体62との間の電磁シールドをより確実に行うべく、シールド電極層63Sを複数層設ける、シールド電極層で放電電極体62の放電配線62Lを囲むなどの形態とすることもできる。
変形形態1では、導電性シール体237として、互いに特性の異なる導電性ガラスを用いて、軸線方向GHに2層に重なる第1導電性シール体237A及び第2導電性シール体237Bを示したが、3層以上に重なる構成としても良い。
また、変形形態3では、セラミック層461Cに窪み部461CCを、片側3箇所ずつ設けたが、窪みの数は、1つでも複数の適切な数としても良い。また、セラミック層461Cに、窪み部として、貼合層465Bのくびれ部465BCと同様の形態の窪みを設けても良い。
あるいは、変形形態2,3の放電素子360,460の側部360CSS,460CSSのうち、延出部363SEに重なる位置に、シールド電極パッドを設けて、導電性シール体37に、より確実に接触し導通するようにしても良い。
1 微粒子検知システム
10,210,310,410 微粒子センサ
30 センサグランド部材
31 プロテクタ(ガス取入排出管)
31K (プロテクタの)管基端側部
31KD (プロテクタの)管段部
31KK (プロテクタの)管基端部
31KF (プロテクタの)基端縁(基端側の端縁)
37,237 導電性シール体
237A 第1導電性シール体
237B 第2導電性シール体
38 第2内筒(包囲部材,内筒)
38S (第2内筒の)先端側部
38SS (第2内筒の)先端底部
38SH (第2内筒の先端底部の)挿通孔
39 第1内筒(包囲部材)
39C (第1内筒の)ケーブル接続部
41 絶縁スペーサ
41I (絶縁スペーサの)内周面
41D (絶縁スペーサの)段部
41HT スペーサヒータ層
60,260,360,460 放電素子
60S,260S,360S,460S (放電素子の)素子先端部
60P,260P,360P,460P (放電素子の)素子挿通部
60C,260C,360C,460C (放電素子の)被シール部
60CS,260CS,360CS,460CS (被シール部の)外表面
360CSS,460CSS (被シール部の外表面のうち)側部
60K,260K,360K,460K (放電素子の)素子基端側部
461CC (セラミック層の)窪み部
62 放電電極体
62L 放電配線
62D 針状電極部
63,263,363 シールド電極部
63S,262S,363S シールド電極層
363SE (シールド電極層の)延出部
63P1,63P2,63P3,263P1,263P2,263P3 シールド電極パッド
64,264 素子ヒータ配線
64P1,64P2,264P1,264P2,264P3,264P4 素子ヒータパッド
64HT,264HT 素子ヒータ部
71 素子ホルダ
71R (素子ホルダの)外周面
71D (素子ホルダの)ホルダ段部
71H (素子ホルダの)挿通孔
82 放電電位ケーブル
82L 放電電位リード線
82D 外側導体
84,86 素子ヒータリード線
92,94 スペーサヒータリード線
AM 車両
ENG エンジン
EP 排気管(通気管)
EG 排気ガス(測定対象ガス)
SG 被測定ガス
CGND シャーシグランド電位(接地電位)
SGND センサグランド電位(第1電位)
DV 放電電位
Is 信号電流
100 制御装置
110 イオン源電源回路
130 絶縁トランス
140 信号電流検知回路
150 素子ヒータ制御回路
160 スペーサヒータ制御回路
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
CPH 排出イオン
GH 軸線方向
GS 先端側(軸線方向先端側)
GK 基端側(軸線方向基端側)
DO 径方向外側
DI 径方向内側

Claims (8)

  1. 微粒子を含む測定対象ガスが流通し、接地電位とされた金属製の通気管に装着され、上記測定対象ガス中の上記微粒子を検知する微粒子センサであって、
    上記測定対象ガスの一部である被測定ガスを自身の内部に取り入れた後に排出するガス取入排出管と、
    絶縁セラミックからなり、上記接地電位とは異なる放電電位とされる放電電極体を有する放電素子であって、
    上記放電素子のうち先端側に位置し、上記ガス取入排出管内に配置され、上記放電電極体と上記ガス取入排出管との間の放電により、上記被測定ガス中の上記微粒子を帯電させる素子先端部、及び、
    上記素子先端部の基端側に位置し、上記放電電極体が内部に配置され外表面から絶縁された被シール部、を有する
    放電素子と、
    上記接地電位及び上記放電電位とは異なる第1電位とされ、上記放電素子のうち、上記被シール部よりも基端側の素子基端側部を包囲する包囲部材と、
    導電性ガラスからなり、上記包囲部材と上記ガス取入排出管との間を導通し、上記放電素子の上記被シール部の上記外表面に密着して気密に封止する導電性シール体と、を備え
    前記包囲部材のうち先端側の先端側部、前記導電性シール体、及び、前記ガス取入排出管のうち基端側の管基端側部の径方向外側に配置され、絶縁セラミックからなる筒状の絶縁スペーサを備え、
    上記導電性シール体が、上記絶縁スペーサの内周面に気密に密着すると共に、
    上記導電性シール体を介して、上記包囲部材の上記先端側部及び上記ガス取入排出管の上記管基端側部が、上記絶縁スペーサに固定された
    微粒子センサ。
  2. 請求項1に記載の微粒子センサであって、
    前記放電素子は、
    一端が前記接地電位に接続され、前記素子先端部を昇温させる素子ヒータ配線、及び、
    上記素子ヒータ配線と前記放電電極体との間に介在して両者間を電磁シールドするシールド電極層を有し、
    上記シールド電極層は、前記導電性シール体に導通してなる
    微粒子センサ。
  3. 請求項2に記載の微粒子センサであって、
    前記放電素子は、
    前記被シール部の前記外表面に形成され、前記シールド電極層に導通するシールド電極パッドを有し、
    上記シールド電極層は、上記シールド電極パッドを介して、前記導電性シール体に導通してなる
    微粒子センサ。
  4. 請求項2に記載の微粒子センサであって、
    前記シールド電極層は、
    前記放電素子の前記外表面にまで延びる延出部を有し、
    上記シールド電極層は、上記延出部で、前記導電性シール体に接続してなる
    微粒子センサ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の微粒子センサであって、
    前記絶縁スペーサは、
    径方向内側に張り出した段状のスペーサ段部を有し、
    前記ガス取入排出管の前記管基端側部は、
    基端側よりも先端側が縮径した段状で、上記スペーサ段部に係止される管段部、及び、
    上記管段部よりも基端側に位置し基端側の端縁を含む管基端部を有し、
    前記導電性シール体は、
    上記管基端部に接触している
    微粒子センサ。
  6. 請求項5に記載の微粒子センサであって、
    絶縁セラミックからなり、
    外周面に、基端側よりも先端側が縮径し、前記ガス取入排出管の前記管段部に係止される段状のホルダ段部、及び、
    前記放電素子のうち前記素子先端部と前記被シール部との間の素子挿通部が挿通された挿通孔を有し、
    上記挿通孔で上記放電素子を保持し、
    上記導電性シール体に先端側から当接した
    素子ホルダを備える
    微粒子センサ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の微粒子センサであって、
    前記包囲部材は、
    金属からなり、先端側の先端底部が閉じた有底筒状で、
    上記先端底部に、前記放電素子を挿通する挿通孔を有し、
    上記放電素子の前記素子基端側部を径方向外側から包囲する
    内筒を有し、
    上記内筒の上記先端底部は、前記導電性シール体に基端側から接触している
    微粒子センサ。
  8. 微粒子を含む測定対象ガスが流通し、接地電位とされた金属製の通気管に装着され、上記測定対象ガス中の上記微粒子を検知する微粒子センサの製造方法であって、
    上記測定対象ガスの一部である被測定ガスを自身の内部に取り入れた後に排出するガス取入排出管と、
    絶縁セラミックからなり、上記接地電位とは異なる放電電位とされる放電電極体を有する放電素子であって、
    上記放電素子のうち先端側に位置し、上記ガス取入排出管内に配置され、上記放電電極体と上記ガス取入排出管との間の放電により、上記被測定ガス中の上記微粒子を帯電させる素子先端部、及び、
    上記素子先端部の基端側に位置し、上記放電電極体が内部に配置され外表面から絶縁された被シール部、を有する
    放電素子と、
    上記接地電位及び上記放電電位とは異なる第1電位とされ、上記放電素子のうち、上記被シール部よりも基端側の素子基端側部を包囲する包囲部材と、
    導電性ガラスからなり、上記包囲部材と上記ガス取入排出管との間を導通し、上記放電素子の上記被シール部の上記外表面に密着して気密に封止する導電性シール体と、を備え、
    前記包囲部材のうち先端側の先端側部、前記導電性シール体、及び、前記ガス取入排出管のうち基端側の管基端側部の径方向外側に配置され、絶縁セラミックからなる筒状の絶縁スペーサを備え、
    上記導電性シール体が、上記絶縁スペーサの内周面に気密に密着すると共に、
    上記導電性シール体を介して、上記包囲部材の上記先端側部及び上記ガス取入排出管の上記管基端側部が、上記絶縁スペーサに固定されており、
    軟化した導電性ガラスを、上記包囲部材、上記ガス取入排出管、及び、上記放電素子の上記被シール部の外表面に密着させて、上記導電性シール体を形成するシール体形成工程を備える
    微粒子センサの製造方法。
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