JP6962738B2 - 逆止弁組立体及び逆止弁組立体の製造方法 - Google Patents
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この従来の逆止弁は、例えばエラストマーやシリコンなどのゴム材料を設置した金型を加圧・加熱することで、逆止弁の躯体を止水部も連接した形で一体的に成形し、成形物を金型から取り出した後、切断手段である刃物等によって止水部を切開することにより形成されていた。
このように形成された従来の逆止弁は、逆止弁が設置される流路等の受け座に装着されて使用されることになるが、装着に際しては、例えば、特許文献2(図6参照)に開示されているように、取付部と弁体から構成されている逆止め弁が、排水の流路の開口に差し込まれることによって着脱可能に取り付けられている。このような逆止め弁(逆止弁)においては、通常、逆止弁の装着に際し、弁体下端の平坦面部を逆止弁の受け座となる取付部の平坦面部に当接させた状態で、取り付けられ一体化されている。
そこで、この発明の目的は、弁部の開口のばらつきが少なく、製造を容易にすることができる逆止弁組立体、及び、弁部の開口のばらつきが少なく、製造が容易になる、逆止弁組立体の製造方法を提供することである。
この発明の逆止弁組立体では、前記弁本体部は、外表面が半球状に形成されている、ことが好ましい。この構成によれば、弁部がより振動し難くなり、騒音がより発生し難くなる。
この発明の逆止弁組立体では、前記リブは、前記弁本体部の前記流入流体の流入口に達している、ことが好ましい。この構成によれば、弁部の開口径を広げて開き易くすることができる。
図1に示すように、本実施形態の逆止弁組立体10は、逆止弁11と、この逆止弁11が取り付けられた受け座12とからなり、逆止弁11は、流入流体に対し開口して流出させ、流出方向とは逆方向からの逆流流体に対しては閉口して流入を阻止する、弁部13を備え、受け座12は、取り付けられた逆止弁11の、弁部13を閉塞状態にする変形を可能にする、曲面状に形成された受け面12aを有している。
図1から図3に示すように、本実施形態の逆止弁11は、流入流体の流出方向に突出する、内部空間を備える、受け座12に取り付けられた状態で、外表面が半球状(例えば略お椀形状)となる弁本体部14と、受け座12への取付部15と、をさらに有しており、取付部15は、弁本体部14の流入開口に、開口周縁全周にわたって、弁本体部14の外表面から一段高い円環状段部として形成されている。
本実施形態の逆止弁組立体10における逆止弁11の弁部13は、弁本体部14の突出方向に沿って、即ち、半球状外表面に沿う曲線状に、延在し、弁本体部14を3方向に切り離して開口するスリット状に形成されており、流入流体の流出口となる弁本体部14の先端部から取付部15の上まで、3方向に切り離された弁本体部14の各弁本体部片14aは、先端部で隣接する弁本体部片14aの間に、間隙を有している(図2,3参照)。
本実施形態において、略三角形状の外観を有する各弁本体部片14aは、取付部15の全周を略3等分した位置で取付部15から立ち上がるように、取付部15と一体的に形成されており、各弁本体部片14aの、取付部15側を除く2辺の端縁には、取付部15に連続するリブ16が突設されている。よって、隣接する各弁本体部片14aは、リブ16同士が対向することになる。
本実施形態の弁部13は、予め切り離されて開放状態にある(図2,3参照)が、変形可能形状に形成されている取付部15の変形により、閉塞動作を行って閉塞する(図1,3参照)。ここで、閉塞動作とは、予め切り離されて開放状態にある弁部の、切り離されている部分が互いに当接し密着することをいう。即ち、予め3方向に切り離されている弁本体部14の各弁本体部片14aは、それぞれ、恰も開いた口の唇のように、離間して間隙を有する開放状態にあるが、取付部15の変形動作によって、取付部15と一体化している、それぞれ離間する各弁本体部片14aは、隣接する弁本体部片14a同士が、間隙を閉じるように接近して互いに当接し、恰も閉じた口の唇のように、密着することで、開放状態にあった弁部13は閉塞状態になり、逆止弁11の流出口は閉じられる(図3、二点鎖線参照)。
本実施形態の逆止弁組立体10における取付部15は、例えばゴム材料を用いて、曲面形状への変形、本実施形態においては弾性変形を可能にする平坦形状(変形可能形状)に形成されており、平坦形状から曲面形状へと変形させられることにより、取り付けられた逆止弁11の、弁部13を閉塞状態にする変形が可能であるように、構成されている(図3参照)。この取付部15には、取付部15の内周面全周にわたって、外周面方向を深さ方向として内周面に開口する溝15aが、取付部15の流出方向幅略中央を通って、即ち、取付部15の平坦形状に沿った形状に、形成されている(図2、破線参照)。
本実施形態の逆止弁組立体10における逆止弁11は、例えば、エラストマーやシリコンなどのゴム材料を用いた射出成形等により成形されて製造されており、弁部13は、予め切り離されていて閉塞動作により閉塞する開放状態に形成され、取付部15は、山形形状への変形を可能にして、この変形により弁部13を閉塞状態にすることが可能になるように、平坦形状に形成される。
また、平坦形状に形成された取付部15を設け、この取付部15は山形形状への変形を可能にして、変形により弁部13を閉塞状態にするので、予め弁部13が切り離された状態に形成されていても、受け座12への取り付けに際し、取付部15を山形状態にすることにより、弁部13を閉塞状態にした逆止弁11とすることができる。
図5は、本実施形態の逆止弁組立体における、逆止弁と受け座の組み合わせ例について、表にして示す説明図である。なお、図5においては、理解を容易にするため、曲面(曲面の組合せ)ではなく、平坦面の組合せにより簡略化して示しており、また、組合せ例Cの受け座12については、他の組合せ例とは逆向きの上向き凸形状になり、底部12bは頂部12bとなる。
図5に示すように、本実施形態の逆止弁組立体10は、上述した、逆止弁11の取付部15が平坦形状の逆止弁11と、取り付けられた逆止弁11の弁部13を閉塞動作させる曲面状に形成されている受け座12との組合せ例Aの他、取付部15と受け座12が共に上向きに屈曲した曲面状に形成されている組合せ例B、取付部15と受け座12が共に下向きに屈曲した曲面状に形成されている組合せ例C、取付部15が下向きに屈曲した曲面状に形成され、受け座12が上向きに屈曲した曲面状に形成されている組合せ例D、としても良い。
なお、組合せA、組合せB、組合せC、組合せDの何れにおいても、受け座12の屈曲角度βは、取付部15を受け座12に取り付けた際、弁部13を閉塞状態にすることができる角度であれば良い。
弁部13が、リブ16に形成されていることにより、弁部13の逆止強度を向上させることができる。また、弁部13が形成されているリブ16が、弁本体部14の流入流体の流入口に達することにより、弁部13を流入流体の流入口近傍まで開口することができるので、弁部13の開口径を広げて開き易くすることができる。
弁部13が閉塞状態になっている逆止弁組立体18により、受け座19の装着部19bを、例えばボルト・ナット等により、逆止弁11の装着対象(例えば排水流出口)に固定することができる。
よって、この逆止弁組立体18は、切開することなく開口を形成することができ、切り込みのばらつきが無く、製造が容易になる逆止弁11を、山形形状等からなる曲面状を有する受け座12の有無にかかわらず、任意の逆止弁装着対象に装着することができる。
その他の構成及び作用は、切り離される方向がY字状スリットの3方向の逆止弁11と略同様である。
Claims (6)
- 逆止弁と該逆止弁が取り付けられた受け座とからなる、逆止弁組立体であって、
前記逆止弁は、流入流体に対し開口して流出させ、流出方向とは逆方向からの逆流流体に対しては閉口して流入を阻止する、弁部を備え、
前記受け座は、取り付けられた前記逆止弁の、前記弁部を閉塞状態にする変形を可能にする、曲面状に形成された受け面を有しており、
前記受け座の前記受け面は、曲面状の山形形状に形成されており、
前記逆止弁は、前記受け座への取付部をさらに有しており、
前記逆止弁の前記取付部は、前記逆止弁が前記受け座に取り付けられていない状態において、平坦形状に形成されていることを特徴とする、逆止弁組立体。 - 前記逆止弁は、前記流入流体の流出方向に突出する、内部空間を備える、弁本体部をさらに有し、
前記弁部は、前記弁本体部の突出方向に沿って延在し、前記弁本体部を3方向以上に切り離して開口するスリット状に形成されている、請求項1に記載の逆止弁組立体。 - 前記弁本体部は、外表面が半球状に形成されている、請求項2に記載の逆止弁組立体。
- 前記弁部は、前記弁本体部の外表面に突設されたリブに形成されている、請求項2または3に記載の逆止弁組立体。
- 前記リブは、前記弁本体部の前記流入流体の流入口に達している、請求項4に記載の逆止弁組立体。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の逆止弁組立体を得るための、逆止弁組立体の製造方法であって、
前記弁部が閉塞動作により閉塞する開放状態に形成されている前記逆止弁を、前記受け座の前記受け面に取り付けることにより、前記弁部を閉塞状態にすることを特徴とする、逆止弁組立体の製造方法。
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