JP6959502B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
例えば、青色に発光する青色発光ダイオードと、青色発光ダイオードからの光を赤色に変換する蛍光体と、によって赤色に発光する自動車のテールランプ及びブレーキランプを形成する照明が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。具体的には、380nm〜410nmが紫色、410nm〜455nmが青紫色、455nm〜485nmが青色、485nm〜495nmが青緑色、495nm〜548nmが緑色、548nm〜573nmが黄緑色、573nm〜584nmが黄色、584nm〜610nmが黄赤色、610nm〜780nmが赤色である。
本明細書において、発光素子「上」や蛍光体層「上」、反射膜「上」などにおける「上」は接触している形態に限定されず、接触せずに間に他の部材が配置される形態であってもよい。例えば、「発光素子20の発光面上に配置され」のように「A部材上に配置され」というときには、A部材に接して設けられている場合と、A部材の上に他の層を介して設けられている場合とを含む。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
発光素子20は、発光ピーク波長の最大強度を1とした場合に、450nmの相対強度が0.3以下であることが好ましく、450nmの相対強度が0.1以下であることがより好ましい。これにより450nm付近の光を外部に放出するのを低減することができる。
蛍光体層30に含有される蛍光体は、550nm以上780nm以下に発光ピーク波長を持つことが好ましく、584nm以上680nm以下に発光ピーク波長を持つことがより好ましい。この範囲に発光ピーク波長を持つことにより発光輝度を高くすることができるからである。また、赤色発光を視認し易いからである。
これにより、第1の光と反射膜40との入射角Aが垂直(0°)でない場合でも、第1の光の透過を抑えることができ、視認する角度による色ずれを抑制できる発光装置100を提供できる。
発光素子20の平面視において活性層21bの中心を基準として、反射膜40方向に−85°から+85°の範囲における380nm以上430nm以下の光の反射率が40%以上である。この角度は、入射角Aと同じ角度である。
発光素子20上に配置される蛍光体層30は接着剤層60を介して配置してもよい。接着剤層60は透光性であることが好ましい。接着剤層60を用いることで簡易に発光素子20に蛍光体層30を配置することができる。また、発光素子20上に配置される蛍光体層30を、接着剤を介さずに直接接合してもよい。発光素子20と蛍光体層30とを直接接合することにより蛍光体層30で発生した熱を、発光素子20を介して放熱することができる。
反射膜40は単独で用いることができるが、印刷や塗布などで透光性部材50に反射膜40を形成することもできる。透光性部材50に強度の高い部材を用いることで反射膜40を簡易に設けることができる。また、印刷や塗布などで蛍光体層30に反射膜40を形成することもできる。
樹脂70には、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択される光拡散材を少なくとも一種は含まれることが好ましい。これにより発光素子20からの第1の光が、光拡散材が含有された樹脂70に照射され蛍光体層30側に戻すことができ、蛍光体層30からの第2の光の発光効率を高めることができる。また、樹脂70には、酸化チタンを含有してもよい。酸化チタンは420nmよりも短波長側の光は反射せず吸収されてしまうが、420nmよりも長波長側の光は効率良く反射するため、420nm〜430nmに発光ピーク波長を持つ発光素子20を使用する場合は、樹脂70に酸化チタンを含有させることもできる。
これにより、発光装置100が発する光は蛍光体層30が発する第2の光の発光スペクトルと実質的に等しい発光スペクトルを有する光が出射される。
ここでは表面実装型を例にとって詳細を説明する。
基台10の固定部13及び側壁14は熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂や、セラミックスやガラスなどの無機物や、絶縁処理等を施した金属などを使用することができる。
表面実装型の基台10は、絶縁性を有し、光を透過しにくいことが好ましい。基台10の材料としては、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド等の樹脂を挙げることができる。なお、樹脂を用いる場合には、必要に応じて、ガラス繊維、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ等の無機フィラーを樹脂に混合してもよい。これらの中でも、セラミックスは放熱効果が高いためより好ましい。
また、基台10は第1リード11と第2リード12と固定部13とを有している。基台10は実装面に対して略垂直方向に光を放出するトップビュー型、実装面に対して略平行方向に光を放出するサイドビュー型が主にあるが、いずれにも本件を使用することができる。第1リード11、第2リード12は板状の金属で形成される。ここでは凹部15の開口方向から見て第1リード11、第2リード12は固定部13から外側に突出していないが、固定部13から外側に突出した構成もとることができる。
発光素子20は、蛍光体層30に含まれる蛍光体を励起するためのものである。発光素子20としては、例えば、発光ダイオード(LED)チップ又はレーザダイオード(LD)チップを用いることができ、なかでもLEDチップを用いることが好ましい。発光素子20を発光ダイオードチップとすることにより、発光素子20からの光が広がりやすくなるため、蛍光体を効率良く励起できる。発光素子20として、例えば、窒化物半導体を含む青色発光の発光ダイオードチップを用いられる。ここで、青色発光の発光ダイオードチップとは、380nm〜430nmの範囲に発光ピーク波長を有するものを指す。発光素子20は半導体積層体21と基板22とを有する。半導体積層体21は基板上に積層されたものでもよく、成長基板とは異なる基板に半導体積層体21を貼り付けたものでもよい。
蛍光体層30は、発光素子20からの第1の光を吸収して異なる波長の光を発生する。蛍光体層30は、例えば、蛍光体粒子を含む透光性樹脂ペーストを、透光性部材の表面に反射膜40を介して印刷することにより形成される。蛍光体層30は、1又は2以上の層により構成してもよい。蛍光体層30は、必要に応じて拡散剤を含んでいても良い。
樹脂中に含有される蛍光体粒子全体の体積が同じである場合、粒径が小さくなると粒子表面積が増え、蛍光体粒子が発光した光が他の蛍光体粒子によって散乱されやすくなり、光取り出し効率が低下する。一方、粒径が大きくなると散乱は少なくなって光の取り出し効率は高くなるが、粒子表面積が小さくなり、蛍光体が発光する光の量が少なくなって波長変換されない光の量が増える。波長変換されずに蛍光体層30に到達した光は反射膜40によって再度蛍光体層30側へ戻されるため、蛍光体粒子の粒径を大きくすることによって、粒子表面での散乱を抑制しつつ発光素子20からの第1の光を効率よく波長変換を行うことができる。したがって、発光装置100では、蛍光体粒子の粒径を大きくすることによって、発光素子20の第1の光を効率よく波長変換を行うことができ、かつ光取り出し効率を向上させることができる。
窒化物系蛍光体は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の希土類元素により賦活される、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第IV族元素と、Nと、を含む蛍光体である。この窒化物蛍光体の組成中に、Oが含まれていてもよい。
また、窒化物系蛍光体以外では、KSF(K2SiF6:Mn)系蛍光体、硫化物系蛍光体などを用いることができる。
反射膜40としては、選択性が高い誘電体多層膜を用いることが好ましい。ここで、選択性が高いとは、反射波長帯域における反射率が高く、透過波長帯域における透過率が高く、かつ反射波長帯域と透過波長帯域間において反射率又は透過率の変化が急峻であることをいう。
透光性部材50は、一方の面に反射膜40と蛍光体層30とが設けられ、その反射膜40及び蛍光体層30を支持する。透光性部材50には、ガラスや樹脂のような透光性材料からなる板状体を用いることができる。ガラスとして、例えば、ホウ珪酸ガラスや石英ガラスから選択することができる。また、樹脂として、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂から選択することができる。透光性部材50の厚さは、製造工程における機械的強度が低下せず、蛍光体層30に十分な機械強度を付与することができる厚さであればよい。また、透光性部材50には、拡散剤を含有させてもよい。拡散剤には、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。また、発光面となる透光性部材50の上面、つまり反射膜40と蛍光体層30とが設けられた面の反対の面は、平坦な面に限定されず、微細な凹凸を有していてもよい。発光面に凹凸を有していると、発光面からの出射光が散乱されて輝度むらや色むらを抑制することが可能となる。
接着剤層60は、発光素子20と蛍光体層30とを接着する。接着剤層60は、発光素子20からの出射光を極力減衰させることなく蛍光体層30へと導光できる材料が好ましい。具体例としてはエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、およびポリイミド樹脂等の有機樹脂を挙げることができるが、シリコーン樹脂が好ましい。接着剤層60の厚さは、薄ければ薄いほど好ましい。接着剤層が薄いと、接着剤層を透過する光の損失を少なくでき、かつ放熱性を向上させることができ、発光装置から出射される光の強度を高くできるからである。
樹脂70の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。ある程度の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコーン樹脂などが挙げられる。また、これらの母体となる樹脂に、発光素子20からの光を吸収しにくく、かつ母体となる樹脂に対する屈折率差の大きい反射部材を用いることができる。具体的には、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択される光拡散材を少なくとも一種を分散することで、効率よく光を反射させることができる。
<実施形態2>
以上により、発光装置100を簡易に製造することができる。
実施例1及び実施例2、比較例1の発光装置を作製する。実施形態と重複する箇所については説明を省略することもある。
以上のようにして作製した実施例1及び実施例2、比較例1の発光装置の発光特性を表1に示す。
11 第1リード
12 第2リード
13 固定部
14 側壁
15 凹部
16 内底面
17 内側面
20 発光素子
21 半導体積層体
21a 第1半導体層
21b 活性層
21c 第2半導体層
22 基板
30 蛍光体層
40 反射膜
41 第1誘電体層
42 第2誘電体層
50 透光性部材
60 接着剤層
70 樹脂
100 発光装置
A 入射角
Claims (13)
- 380nm以上430nm以下に発光ピーク波長を持ち、かつ前記発光ピーク波長の最大強度を1とした場合に、450nmの相対強度が0.3以下である第1の光を発光する、発光面を持つ発光素子と、
前記発光素子の発光面上に配置され、前記第1の光によって励起されて前記第1の光より長波長の第2の光を発光する蛍光体を含有する蛍光体層と、
前記蛍光体層の上面に設けられ、前記第1の光を反射し、かつ前記第2の光を透過する反射膜と、を有し、
前記反射膜の反射スペクトルにおいて、前記反射膜は、前記反射膜に対する前記第1の光の入射角が0°から85°における380nm以上430nm以下の光の反射率が40%以上であり、
CIE1931色度図のxy色度座標系において、
(x=0.645、y=0.335)、(x=0.665、y=0.335)、(x=0.735、y=0.265)、(x=0.721、y=0.259)の4点を結んでできる四角形で囲まれる範囲内の色度の光を発する発光装置。 - 前記反射膜に対する第1の光の入射角が0°から45°における380nm以上430nm以下の光の反射率が90%以上である請求項1に記載の発光装置。
- 前記第1の光と前記反射膜との入射角が0°において、前記反射膜は、380nm以上530nm以下の反射率が90%以上である請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記蛍光体は、550nm以上780nm以下に発光ピーク波長を持つ請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光装置は、さらに前記反射膜上に設けられた透光性部材を備えている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光装置は、さらに基台を備えており、前記発光素子は、前記基台に配置されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光装置は、さらに基台を備えており、
前記基台は内底面と内側面を持つ凹部を形成しており、
前記発光素子は、前記基台の凹部の内底面に配置されており、
前記基台の母材は、セラミックであり、前記発光素子及び前記透光性部材と接するように前記基台の凹部内に樹脂が配置されている請求項5に記載の発光装置。 - 前記基台の凹部の内底面に対して、前記基台の凹部の最上面は、前記透光性部材の表面よりも高い位置にある請求項7に記載の発光装置。
- 前記樹脂は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択される光拡散材を少なくとも一種含む請求項7又は8に記載の発光装置。
- 前記蛍光体は、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu蛍光体、CaAlSiN3:Eu蛍光体、K2SiF6:Mn蛍光体、から選択される少なくとも1種、またはその組み合わせである請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記蛍光体層は複数積層されており、前記発光素子に近い側にCaAlSiN3:Eu蛍光体層、遠い側に(Sr,Ca)AlSiN3:Eu蛍光体層を配置している請求項1乃至9のいずれ一項に記載の発光装置。
- 前記反射膜は、誘電体多層膜である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の発光装置。
- 380nm以上430nm以下に発光ピーク波長を持ち、かつ前記発光ピーク波長の最大強度を1とした場合に、450nmの相対強度が0.3以下である第1の光を発光する、第1半導体層、活性層、第2半導体層の順に積層された発光素子と、
前記発光素子上に配置され、前記第1の光によって励起されて前記第1の光より長波長の第2の光を発光する蛍光体を含有する蛍光体層と、
前記蛍光体層の上面に設けられ、前記第1の光を反射し、かつ前記第2の光を透過する反射膜と、を有し、
前記発光素子の平面視において前記活性層の中心を基準として、前記反射膜方向に−85°から+85°の範囲における380nm以上430nm以下の光の反射率が40%以上であり、
CIE1931色度図のxy色度座標系において、
(x=0.645、y=0.335)、(x=0.665、y=0.335)、(x=0.735、y=0.265)、(x=0.721、y=0.259)の4点を結んでできる四角形で囲まれる範囲内の色度の光を発する発光装置。
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