JP6958495B2 - モルタル用組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保水性が高く、凝結特性に優れるモルタル用組成物の製造方法に関する。
左官用仕上材等の鏝で塗布するモルタル用組成物は、古くは天然物の「つのまた」等の海藻から得られる糊を加えることにより、高い保水性を確保していた。その後、半合成樹脂として水溶性セルロースエーテルが開発され、保水剤として広く使用されている。
モルタル用組成物には、ドライアウト等による硬化不良防止の観点から高い保水性が求められ、また工期短縮の観点から優れた凝結特性が求められている。作業現場での合理化が進む近年、これらの要求はますます高度になってきている。
例えば、高い保水性を有するセメント組成物として、セメント、細骨材、保水剤及び増粘剤を含み、保水剤がアミローゼとアミロペクチンとを含む天然多糖類を加工した化工澱粉であり、セメント100質量部に対して保水剤が0.02〜0.18質量部であることを特徴とするセメント組成物が提案されている(特開2007−269501号公報(特許文献1))。
特許文献1に記載されたセメント組成物は、増粘剤と鏝塗り作業性改良剤である加工澱粉を併用することにより、高い保水性と良好な鏝塗り作業性の両立を図っている。しかしながら、凝結遅延性の大きい加工澱粉を使用することにより、凝結時間が著しく遅くなる場合があった。
特開2007−269501号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、凝結特性を少なくとも従来レベルに維持しつつ保水性に優れるモルタル用組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を行った結果、モルタル用組成物を製造する際に、セメントと減水剤と水を混合した後、次いで水溶性セルロースエーテルを添加し混合することにより、凝結特性を少なくとも従来レベルに維持しつつ保水性に優れるモルタル用組成物が製造できることを見出し、本発明を為すに至った。
即ち、本発明は、下記のモルタル用組成物の製造方法を提供する。
1.
セメント、減水剤、水、水溶性セルロースエーテル及び細骨材を含むモルタル用組成物の製造方法であって、
セメント、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、ポリカルボン酸系減水剤及びナフタリン系減水剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である減水剤及び水を含む第1構成材料(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く)を混合して中間混合物を得る第1混合工程と、
前記中間混合物にヒドロキシアルキルアルキルセルロースである水溶性セルロースエーテルを含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る第2混合工程とを有し、
細骨材が前記第1構成材料及び/又は第2構成材料に含まれるモルタル用組成物の製造方法。
2.
前記減水剤が、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤及びポリカルボン酸系減水剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である1に記載のモルタル用組成物の製造方法。
3.
前記減水剤のセメントに対する吸着率が3%以上である1又は2に記載のモルタル用組成物の製造方法。
4.
前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルメチルセルロースである1〜3のいずれかに記載のモルタル用組成物の製造方法。
5.
前記第1混合工程において、まず前記セメントと細骨材とをドライブレンドし、これに減水剤と水とを予め混合しておいたものを添加し混合して中間混合物を得る1〜4のいずれかに記載のモルタル用組成物の製造方法。
6.
鏝塗り作業用の組成物を製造するものである1〜5のいずれかに記載のモルタル用組成物の製造方法。
7.
第1混合工程における混合時間が1〜15分間であり、第2混合工程における混合時間が1〜15分間である1〜6のいずれかに記載のモルタル用組成物の製造方法。
本発明によれば、凝結特性を少なくとも従来レベルに維持しつつ保水性を改善できるモルタル用組成物を製造することができる。
以下に、本発明に係るモルタル用組成物の製造方法について説明する。なお、ここでいう数値範囲「A〜B」は、両端の数値を含むものであり、A以上B以下を意味する。
[モルタル用組成物の製造方法]
本発明に係るモルタル用組成物の製造方法は、セメント、減水剤、水、水溶性セルロースエーテル及び細骨材を含むモルタル用組成物の製造方法であって、セメント、減水剤及び水を含む第1構成材料(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く)を混合して中間混合物を得る第1混合工程と、前記中間混合物に水溶性セルロースエーテルを含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る第2混合工程とを有し、細骨材が前記第1構成材料及び/又は第2構成材料に含まれることを特徴とするものである。
ここで、本発明では、モルタル用組成物を製造するために、セメント、減水剤、水、水溶性セルロースエーテル及び細骨材を一度に混合するのではなく、水溶性セルロースエーテルを除く所定の材料を混合して(水溶性セルロースエーテルを含まない)中間混合物を得る第1混合工程と、この中間混合物に少なくとも水溶性セルロースエーテルを添加して混合する第2混合工程の2つに分けて混合処理を行うものである。
(第1混合工程)
まずセメント、減水剤及び水を含む第1構成材料(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く)を混合して中間混合物を得る。
第1構成材料は、主成分としてセメント、減水剤及び水、又はセメント、減水剤、水及び細骨材のいずれかの組み合わせを含み、水溶性セルロースエーテルを含まないものである。なお、後述する副成分を含んでもよい。
セメントは第1混合工程に必須に添加されるものであり、第2混合工程に任意に添加してもよい材料である。ここでは、第1混合工程で添加するセメントを第1のセメント(C1)ともいい、第2混合工程で添加するセメントを追加のセメント(第2のセメント、C2)ともいう。
本工程で使用するセメント(C1)としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、超早強ポルトランドセメント等の水硬性のセメント(水硬性物質)が挙げられる。
これらのセメントとして市販のものを使用することができ、後述する各混合工程においてそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1混合工程におけるセメントの添加量は、モルタル用組成物の強度、硬化後の表面ひび割れの観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法で使用するセメントの総添加量及び細骨材の総添加量の合計量100質量部中、好ましくは15〜85質量部、より好ましくは20〜80質量部、更に好ましくは25〜75質量部である。なお、セメントの総添加量とは、モルタル用組成物に含まれるセメントの全量のことである。例えば、本発明の第1及び2混合工程でモルタルに使用するセメント全量を添加する場合には第1混合工程において添加されるセメント(C1)と第2混合工程において添加される追加のセメント(C2)の合計量のことであり、第2混合工程以降の製造工程でもセメントを添加する場合にはその量も含む量のことである(以下、同じ)。また、細骨材の総添加量とは、モルタル用組成物に含まれる細骨材の全量のことである。例えば、本発明の第1及び2混合工程でモルタルに使用する細骨材全量を添加する場合には第1混合工程において添加される細骨材(S1)と、第2混合工程において添加される細骨材(S2)の合計量のことであり、第2混合工程以降の製造工程でも細骨材を添加する場合にはその量も含む量のことである(以下、同じ)。
減水剤は第1混合工程において必須に添加されるものであり、使用する減水剤としてリグニン系減水剤、メラミン系減水剤、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレン系減水剤等が挙げられる。
このうち、リグニン系減水剤の具体例としては、リグニンスルホン酸塩及びその誘導体等が挙げられる。
また、メラミン系減水剤の具体例としては、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩縮合物、メラミンスルホン酸塩ポリオール縮合物等が挙げられる。
また、ポリカルボン酸系減水剤の具体例としては、ポリカルボン酸エーテル系、ポリカルボン酸エーテル系と架橋ポリマーの複合体、ポリカルボン酸エーテル系と配向ポリマーの複合体、ポリカルボン酸エーテル系と高変性ポリマーの複合体、ポリエーテルカルボン酸系高分子化合物、マレイン酸共重合物、マレイン酸エステル共重合物、マレイン酸誘導体共重合物、カルボキシル基含有ポリエーテル系、末端スルホン基を有するポリカルボン酸基含有多元ポリマー、ポリカルボン酸系グラフトコポリマー、ポリカルボン酸系化合物、ポリカルボン酸エーテル系ポリマー等が挙げられる。
また、ナフタレン系減水剤の具体例としては、ナフタレンスルホン酸塩及びその誘導体等が挙げられる。
これらの減水剤の中で、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、リグニン系減水剤を用いることが好ましい。
また、減水剤のセメントに対する吸着率は、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、好ましくは3%以上であり、より好ましくは3.0〜80.0%、更に好ましくは5.0〜60.0%、特に好ましくは40.0〜55.0%である。
なお、減水剤のセメントに対する吸着率は、全有機体炭素計によって測定したTOC(全有機炭素)値に基づいて算出することができる。その詳細は実施例に述べる。
減水剤は、目的に応じて、単独で又は2種類以上を併用して用いてもよく、また市販のものを用いることができる。
減水剤の添加量は、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
また、第1混合工程におけるセメント(C1)に対する減水剤(WRA)の質量比率(WRA/C1)は、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、好ましくは0.10〜4.00%、より好ましくは0.20〜3.00%である。
なお、WRA/C1(%)=(減水剤の質量(g))/(第1混合工程におけるセメント質量(g))×100である。
本工程における減水剤の添加性の観点から、減水剤と水を予め混合したものをセメントに添加し混合してもよい。
水は第1混合工程に必須に添加されるものである。水としては、水道水、海水等が挙げられるが、塩害防止の観点から、水道水が好ましい。
水の添加量は、モルタル用組成物における水/セメント比(W/C、質量比)が所望の比となるように定める。本発明では、モルタル用組成物における水/セメント比(W/C、質量比)は、モルタル用組成物の強度及び材料分離防止の観点から、好ましくは10〜60、より好ましくは15〜55である。
細骨材は、少なくとも第1混合工程、第2混合工程のいずれかにおいて添加されるものである。即ち、細骨材は第1構成材料及び/又は第2構成材料に含まれる材料である。モルタル用組成物の凝結特性の観点から第1混合工程において添加され混合されることが好ましい。なお、第1混合工程で添加される細骨材を第1の細骨材(S1)といい、第2混合工程で添加される細骨材を第2の細骨材(S2)という。
細骨材としては、川砂、山砂、海砂、陸砂、珪砂等が挙げられるが、モルタル用組成物の鏝塗作業性の観点から珪砂が好ましい。
細骨材の粒度分布は、モルタル用組成物の鏝塗作業性の観点から、好ましくは0.075〜5mm、より好ましくは0.075〜2mm、更に好ましくは0.075〜1mmである。この細骨材の粒度分布は、目開き5mm、2.5mm、1.2mm、850μm、600μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μmの篩を用いて測定することができる。
細骨材の添加量は、モルタル用組成物の強度、硬化後の表面ひび割れ防止の観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法に使用するセメントの総使用量及び細骨材の総使用量の合計量100質量部中、好ましくは15〜85質量部、より好ましくは20〜80質量部、更に好ましくは25〜75質量部である。
また、細骨材の一部を無機増量材及び/又は有機増量材に置き換えてもよい。この場合、無機増量材としては、フライアッシュ、高炉スラグ、タルク、炭酸カルシウム、大理石粉(石灰石粉)、パーライト、シラスバルーン等が挙げられる。有機増量材としては、発泡スチレンビーズ、発泡エチレンビニルアルコール及びこれらの粉砕物等が挙げられる。
細骨材に対する前記無機増量材及び/又は有機増量材の質量比は、モルタル用組成物の鏝塗作業性の観点から好ましくは0.01〜2.5である。
第1混合工程で使用する混合機としては、モルタルミキサー(C138A−48、(株)丸東製作所製)やハンドミキサー(UM22V、工機ホールディングス(株))等が挙げられる。混合機は、パドルと、公転運動を行える場合は、パドルの自転軸を回転させることのできる回転部とを備える。
なお、本明細書において、「混合機の自転運動における周速」とは、混合機において自転運動するパドルの最も早い部分(即ち、パドルの最外周)の速度である。この場合のパドルの周速v1(m/s)は、パドルの直径d(mm)、パドルの回転速度n1(rpm(1分間当たりの回転数))から次式で求められる。
v1=π×d×n1/60000
また、「混合機の公転運動における周速」とは、混合機において自転運動するパドルの自転軸の中心が描く円軌道における速度である。この場合のパドル自転軸の周速v2(m/s)は、回転部中心から自転軸中心までの距離r(mm)、回転部の回転速度n2(rpm(1分間当たりの回転数))から次式で求められる。
v2=2×π×r×n2/60000
第1混合工程における混合機の自転運動における周速(パドルの周速v1)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.5〜10m/s、より好ましくは0.5〜5.0m/sである。
第1混合工程における混合機の公転運動における周速(パドル自転軸の周速v2)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.1〜1.0m/s、より好ましくは0.1〜0.5m/sである。
第1混合工程において、セメント、減水剤及び水を含む第1構成材料を混合して中間混合物を得る場合、セメントと減水剤と水を添加してから混合してもよいし、減水剤と水を予め混合したものをセメントに添加して混合してもよい。このときの混合時間(セメント、減水剤及び水を含む第1構成材料の混合時間)は、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、好ましくは1〜15分間、より好ましくは3〜10分間である。
また、セメント、減水剤、水及び細骨材を含む第1構成材料を混合して中間混合物を得る場合、セメントと減水剤と水を上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは3〜10分間)混合した後、細骨材を添加し混合してもよいし、セメントと減水剤と水と細骨材とを添加してから上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは3〜10分間)混合してもよい。
あるいは、作業性の観点から、まずセメントと細骨材とをドライブレンドしてドライモルタルとし、これに減水剤と水とを予め混合しておいたものを添加し上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは3〜10分間)混合して中間混合物を得ることが好ましい。
ドライブレンドを行う混合機としては、上述した第1混合工程における混合機と同様なものが挙げられる。この場合、混合機の自転運動における周速(パドルの周速v1)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.5〜10m/s、より好ましくは0.5〜5.0m/sである。また、混合機の公転運動における周速(パドル自転軸の周速v2)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.1〜1.0m/s、より好ましくは0.1〜0.5m/sである。
ドライブレンドによる混合時間は、混合均一性の観点から好ましくは0.5〜10分間、より好ましくは1〜5分間である。
(第2混合工程)
次に、得られた中間混合物に水溶性セルロースエーテルを含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る。
第2構成材料は、主成分として水溶性セルロースエーテル、又は水溶性セルロースエーテルと共に追加のセメント(C2)及び/又は細骨材(S2)を含む。後述する副成分を含んでもよい。
水溶性セルロースエーテルは、第2混合工程において必須に添加されるものであり、非イオン性のものが好ましく、メチルセルロース等のアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース及びヒドロキシエチルエチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロースが挙げられる。
上記アルキルセルロースのうち、メチルセルロースにおいて、メトキシ基の置換度(DS)は、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、好ましくは1.00〜2.20、より好ましくは1.20〜2.00である。なお、アルキルセルロースにおけるアルキル基の置換度(DS)は、第17改正日本薬局方のメチルセルロースの置換度分析方法により測定できる値を換算することで求めることができる。
上記ヒドロキシアルキルセルロースのうち、ヒドロキシエチルセルロースにおいて、ヒドロキシエトキシ基の置換モル数(MS)は、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、好ましくは0.30〜3.00、より好ましくは0.50〜2.80であり、ヒドロキシプロピルセルロースにおいて、ヒドロキシプロピル基の置換モル数(MS)は、保水性及び凝結特性の観点から、好ましくは0.10〜3.30、より好ましくは0.30〜3.00である。なお、ヒドロキシアルキルセルロースにおけるヒドロキシアルキル基の置換モル数は、第17改正日本薬局方のヒドロキシプロピルセルロースの置換度分析方法により測定できる値を換算することで求めることができる。
上記ヒドロキシアルキルアルキルセルロースのうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースにおいて、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、メトキシ基の置換度(DS)は、好ましくは1.00〜2.20、より好ましくは1.10〜1.90、ヒドロキシプロポキシ基の置換モル数(MS)は、好ましくは0.10〜0.60、より好ましくは0.10〜0.50である。また、ヒドロキシエチルメチルセルロースにおいて、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、メトキシ基の置換度(DS)は、好ましくは1.00〜2.20、より好ましくは1.10〜1.90、ヒドロキシエトキシ基の置換モル数(MS)は、好ましくは0.10〜0.60、より好ましくは0.20〜0.40である。また、ヒドロキシエチルエチルセルロースにおいて、モルタル用組成物の保水性及び凝結特性の観点から、メトキシ基の置換度(DS)は、好ましくは1.00〜2.20、より好ましくは1.20〜2.00、ヒドロキシエチル基の置換モル数(MS)は、好ましくは0.05〜0.60、より好ましくは0.10〜0.50である。なお、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースにおけるアルキル基の置換度及びヒドロキシアルキル基の置換モル数は、第17改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により測定できる値を換算することで求めることができる。
なお、DSは、置換度(degree of substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに存在するアルコキシ基の個数であり、MSは、置換モル数(molar substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに付加したヒドロキシアルコキシ基の平均モル数である。
これらの水溶性セルロースの中で、モルタル用組成物の保水性及び鏝塗り作業性の観点から、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースが好ましく、具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルメチルセルロースが好ましい。
水溶性セルロースエーテルの1質量%水溶液の20℃における粘度は、モルタル用組成物の保水性及び鏝塗り作業性の観点から、好ましくは5〜30,000mPa・s、より好ましくは10〜25,000mPa・s、更に好ましくは15〜23,000mPa・s、とりわけ好ましくは30〜15,000mPa・sである。なお、水溶性セルロースエーテルの1質量%水溶液の20℃における粘度は、B−H型粘度計を用いて回転数20rpmの測定条件にて測定することができる。
水溶性セルロースエーテルの添加量は、モルタル用組成物の保水性及び鏝塗り作業性の観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量100質量部に対し、好ましくは0.02〜1.2質量部、より好ましくは0.03〜0.7質量部、更に好ましくは0.04〜0.55質量部である。
なお、水溶性セルロースエーテルは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。また、水溶性セルロースエーテルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で製造したものを用いてもよい。
第2混合工程で使用する混合機としては、第1混合工程で使用する混合機と同様なものでよく、上記第1混合工程の後、該第1混合工程で使用した混合機をそのまま使用してもよい。
第2混合工程における混合機の自転運動における周速(パドルの周速v1)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.5〜10m/s、より好ましくは0.5〜5.0m/sである。また、第2混合工程における混合機の公転運動における周速(パドル自転軸の周速v2)は、添加材料の混合均一性の観点から、好ましくは0.1〜1.0m/s、より好ましくは0.1〜0.5m/sである。
第2混合工程において上記中間混合物に水溶性セルロースエーテルを含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る場合、その混合時間は、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、好ましくは1〜15分間、より好ましくは2〜10分間である。
また、第2混合工程において上記中間混合物に水溶性セルロースエーテルと追加のセメント及び/又は細骨材を含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る場合のうち、水溶性セルロースエーテル及び追加のセメントを第2構成材料として添加するとき、水溶性セルロースエーテルの添加性の観点から、水溶性セルロースエーテルと追加のセメントを予め混合したものを中間混合物に添加し上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは2〜10分間)混合してもよい。あるいは、水溶性セルロースエーテルと追加のセメント及び/又は無機増量材を予め混合したものを中間混合物に添加し上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは2〜10分間)混合してもよい。
ここで、追加のセメント(第2のセメント、C2)は、第1混合工程におけるセメント(C1)の定義と同様である。即ち、第1混合工程で使用したセメントと同じセメントを用いることが好ましい。
無機増量材としては、フライアッシュ、高炉スラグ、タルク、炭酸カルシウム、大理石粉(石灰石粉)、パーライト、シラスバルーン等が挙げられる。
なお、追加のセメント及び/又は無機増量材は、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。また、追加のセメント及び/又は無機増量材は、市販のものを用いることができる。
第1混合工程におけるセメント(C1)と第2混合工程における追加のセメント(C2)(あるいは追加のセメント及び/又は無機増量材)の質量比は、モルタル用組成物の保水性及び凝結時間の観点から、好ましくは99:1〜20:80、より好ましくは99:1〜45:55である。
また、第2混合工程において上記中間混合物に水溶性セルロースエーテルと追加のセメント及び/又は細骨材を含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る場合のうち、水溶性セルロースエーテル及び細骨材を第2構成材料として添加するとき、中間混合物と水溶性セルロースエーテルとを上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは2〜10分間)混合した後、細骨材を添加し更に混合するとよい。あるいは、中間混合物に水溶性セルロースエーテルと細骨材とを添加し上記時間(好ましくは1〜15分間、より好ましくは2〜10分間)混合してもよい。
ここで、第2混合工程で添加する細骨材(S2)は、第1混合工程における細骨材(S1)の定義と同様である。
また、第1混合工程で添加する細骨材(S1)と第2混合工程で添加する細骨材(S2)の質量比(S1:S2)は、モルタル用組成物の保水性の観点から、好ましくは100:0〜0:100である。
なお、モルタル用組成物には、必要に応じて副成分として、水溶性セルロース以外の他の水溶性高分子物質、凝結遅延剤、凝結促進剤、ポリマーディスパージョン、有機繊維等を添加してもよい。
このうち、水溶性セルロース以外の水溶性高分子物質としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の合成高分子物質や、ペクチン、ゼラチン、カゼイン、ウェランガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム等の天然物由来の高分子物質が挙げられるが、ダレ防止の観点から、ポリアクリルアミドが好ましい。水溶性セルロース以外の水溶性高分子の添加量は、モルタル用組成物の保水性の観点から、水溶性セルロースエーテル100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部である。
凝結遅延剤としては、塩化カルシウム、蟻酸カルシウム等が挙げられる。凝結遅延剤の添加量は、凝結時間のコントロールの観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量及び細骨材の総添加量の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部である。
凝結促進剤としては、グルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。凝結促進剤の添加量は、凝結時間のコントロールの観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量及び細骨材の総添加量の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部である。
ポリマーディスパージョンとしては、酢酸ビニル樹脂、バーサチック酸ビニル樹脂等が挙げられる。ポリマーディスパージョンの添加量は、強度及び鏝塗作業性の観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部である。なお、ポリマーディスパージョンは、スプレードライ法により、粉末化されたもの(再乳化形粉末樹脂)を使用してもよい。
有機繊維としては、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられる。有機繊維の添加量は、モルタル用組成物の強度又は鏝塗作業性の観点から、本発明のモルタル用組成物の製造方法において添加するセメントの総添加量及び細骨材の総添加量の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部である。
なお、水溶性セルロース以外の他の水溶性高分子物質、凝結遅延剤、凝結促進剤、ポリマーディスパージョン、有機繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、水溶性セルロース以外の他の水溶性高分子物質、凝結遅延剤、凝結促進剤、ポリマーディスパージョン、有機繊維は、市販のものを用いることができる。水溶性セルロース以外の他の水溶性高分子物質、凝結遅延剤、凝結促進剤、ポリマーディスパージョン、有機繊維は、前記第1構成材料及び/又は第2構成材料に含めることができる。
以上の本発明のモルタル用組成物の製造方法により、保水性を改善しつつ凝結特性に優れるモルタル用組成物を製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例、比較例]
<使用材料明細>
(1)減水剤;表1に記載のもの
(2)水溶性セルロースエーテル;表2に記載のもの
(3)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
(4)細骨材;珪砂5・6号(三河珪石(株)製、粒度分布0.075〜0.425mm)
(5)水;水道水
Figure 0006958495
(吸着率の算出方法)
表1中、吸着率は減水剤のセメントに対する吸着率のことであり、以下の方法で算出した。
まず、減水剤5g(乾燥前の質量)を秤量瓶に量りとり、恒量になるまで105℃で乾燥し、乾燥後の質量を測定した。そして、下記算出式より、減水剤の固形分濃度を算出した。
減水剤の固形分濃度(%)=(乾燥後の質量(g))/(乾燥前の質量(g))×100
次に、算出した減水剤の固形分濃度を基に、減水剤にイオン交換水を加え、減水剤の固形分を0.5質量%含む減水剤の水溶液30g(試料1)を調製した。
次いで、試料1(30g)に普通ポルトランドセメント5gを添加し、ロータリーミキサー(NA−404、(株)日信理化製)を用いて、回転数15rpmで1時間混合した後、遠心機(RS−205、(株)トミー精工製)を用いて遠心分離(回転数3,000rpm、処理時間5分間)を行い、上澄み液(試料2)を得た。
得られた試料1及び2のTOC値を、燃焼式全有機炭素分析装置(TOC−V、(株)三菱ケミカルアナリテック製)を用いて下記の測定条件にて分析した。
(測定条件)
サンプル量:100μL
ヒーター温度:870℃
キャリアガス流量:300ml/min
キャリアガス種:酸素
なお、減水剤としてリグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、ナフタリン系減水剤を用いた場合、試料1を体積基準(mL)で40倍にイオン交換水で希釈し、試料2を体積基準(mL)で20倍にイオン交換水で希釈してTOC値を測定した。また、減水剤としてポリカルボン酸系減水剤を用いた場合、試料1及び2をそれぞれ体積基準(mL)で50倍にイオン交換水で希釈してTOC値を測定した。
次に、得られた試料1及び2のTOC値に基づき、下記算出式より減水剤のセメントに対する吸着率(%)を算出した。
減水剤のセメントに対する吸着率(%)={1−(試料2のTOC値)/(試料1のTOC値)}×100
Figure 0006958495
なお、表2中のHPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロース、HEMCはヒドロキシエチルメチルセルロースの略記である。
また、表2中の置換度(DS)はアルキル基の置換度、置換モル数(MS)はヒドロキシアルキル基の置換モル数である。
表2中の粘度は、1質量%水溶液の20℃におけるB−H型粘度計(回転数20rpm)での測定値である。
<モルタル用組成物の製造>
(実施例1)
直径140mmのパドルを回転部中心から自転軸中心までの距離が30mmである位置に一つ備える5リットルのモルタルミキサー(C138A−48、(株)丸東製作所製)に所定量のセメント(C1)及び細骨材(S1)を入れ、モルタルミキサーの自転運動における周速を1.0m/s(回転数140rpm)、公転運動における周速を0.2m/s(回転数62rpm)としてドライブレンドを1分間行うことによりドライモルタルを調製した。次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、減水剤(No.1)及び水の所定量全量を予め混合したものを投入し、3分間混合することにより中間混合物を得た(第1混合工程)。
次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、所定量の水溶性セルロースエーテル(No.1)を投入し、2分間混合することによりモルタル用組成物を製造した(第2混合工程)。
各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例2)
直径140mmのパドルを回転部中心から自転軸中心までの距離が30mmである位置に一つ備える5リットルのモルタルミキサー(C138A−48、(株)丸東製作所製)に所定量のセメント(C1)、減水剤(No.1)及び水を入れ、モルタルミキサーの自転運動における周速を1.0m/s(回転数140rpm)、公転運動における周速を0.2m/s(回転数62rpm)にて、3分間混合することにより中間混合物を得た(第1混合工程)。
次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、水溶性セルロースエーテル(No.1)及び細骨材(S2)の所定量全量を予め混合したものを投入後、2分間混合することによりモルタル用組成物を製造した(第2混合工程)。
各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例3)
直径140mmのパドルを回転部中心から自転軸中心までの距離が30mmである位置に一つ備える5リットルのモルタルミキサー(C138A−48、(株)丸東製作所製)に所定量のセメント(第1のセメント(C1))及び細骨材(S1)を入れ、モルタルミキサーの自転運動における周速を1.0m/s(回転数140rpm)、公転運動における周速を0.2m/s(回転数62rpm)としてドライブレンドを1分間行うことによりドライモルタルを調製した。次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、減水剤(No.1)及び水の所定量全量を予め混合したものを投入し、3分間混合することにより中間混合物を得た(第一工程)。
次に、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、水溶性セルロースエーテル(No.1)及びセメント(第2のセメント(C2))の所定量全量を予め混合したものを投入し、2分間混合することによりモルタル用組成物を製造した(第2混合工程)。なお、C1:C2=95:5とした。
各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例4、5)
実施例3において、第1のセメント(C1)と第2のセメント(C2)の質量比(C1:C2)を50:50、25:75に変更し、それ以外は実施例3と同じ条件でモルタル用組成物を製造した。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例6、7)
実施例4において、第1混合工程又は第2混合工程における混合時間を10分間に変更し、それ以外は実施例4と同じ条件でモルタル用組成物を製造した。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例8〜10)
実施例4において、水溶性セルロースエーテルの種類をNo.2、3、4のものに変更し、それ以外は実施例4と同じ条件でモルタル用組成物を製造した。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例11〜14)
実施例4において、減水剤の種類をNo.2、3、4、5のものに変更し、それ以外は実施例4と同じ条件でモルタル用組成物を製造した。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例15)
実施例4において、減水剤の添加量を1.0質量部に変更し、それ以外は実施例4と同じ条件でモルタル用組成物を製造した。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(実施例16)
直径140mmのパドルを回転部中心から自転軸中心までの距離が30mmである位置に一つ備える5リットルのモルタルミキサー(C138A−48、(株)丸東製作所製)に所定量のセメント(第1のセメント(C1))、減水剤(No.1)及び水を入れ、モルタルミキサーの自転運動における周速を1.0m/s(回転数140rpm)、公転運動における周速を0.2m/s(回転数62rpm)にて、3分間混合することにより中間混合物を得た(第1混合工程)。
次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま、水溶性セルロースエーテル(No.1)、セメント(第2のセメント(C2))及び細骨材(S2)の所定量全量を予め混合したものを投入後、2分間混合することによりモルタル用組成物を製造した(第2混合工程)。なお、C1:C2=50:50とした。
各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、第1混合工程及び第2混合工程における混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表3に示す。
(比較例1〜4)
混合工程を2つに分けることなく、1つの混合工程でモルタル用組成物を製造した。即ち、直径140mmのパドルを回転部中心から自転軸中心までの距離が30mmである位置に一つ備える5リットルのモルタルミキサー(CB−34、(株)丸東製作所製)に所定量の水溶性セルロースエーテル(No.1)、セメント及び細骨材を入れ、モルタルミキサーの自転運動における周速を1.0m/s(回転数140rpm)、公転運動における周速を0.2m/s(回転数62rpm)としてドライブレンドを1分間行うことによりドライモルタルを調製した。次いで、モルタルミキサーの自転運動及び公転運動における周速を維持したまま減水剤(No.1、3、4、5のいずれか)及び水の所定量全量を予め混合したものを投入し、3分間混合することによりモルタル用組成物を得た。
減水剤及び水溶性セルロースエーテルの種類、各構成材料の添加量、水/セメント比(W/C)、混合時間等のモルタル用組成物の製造条件を表4に示す。
得られたモルタル用組成物について、以下に示す評価を行った。
<モルタル用組成物の評価>
1.保水率
JIS A 6916:2014付属書Aに準じた。
2.凝結始発時間
JIS A 1147:2007に準じた。
得られた結果を表3、4に示す。
Figure 0006958495
Figure 0006958495
以上の結果、表3に示すように、実施例では水の存在下に減水剤及びセメントを先に混合し(第1混合工程)、水溶性セルロースエーテルを後で添加して混合して(第2混合工程)モルタル用組成物を製造することにより、凝結始発時間をあるレベル以上に維持しつつ保水率を上昇させることができた。特に水の存在下に減水剤、セメント及び水溶性セルロースエーテルを同時に混合した表4に示す比較例との間において、実施例1、12、13、14と比較例1、2、3、4とをそれぞれ同じ種類の減水剤を用いた組成間で比較すると、実施例は保水率を増加させるだけではなく、凝結始発時間を早めることもできることが分かった。
これは、水溶性セルロースエーテルを含むモルタル用組成物の保水性や凝結特性は水溶性セルロースエーテルのセメントに対する吸着の程度の違いにより異なるが、減水剤をセメントと先に混合して吸着させることにより、水溶性セルロースエーテルのセメントに対する吸着を見掛け上、低下させることができたためと考えられる。
なお、これまで本発明を上記実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (7)

  1. セメント、減水剤、水、水溶性セルロースエーテル及び細骨材を含むモルタル用組成物の製造方法であって、
    セメント、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、ポリカルボン酸系減水剤及びナフタリン系減水剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である減水剤及び水を含む第1構成材料(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く)を混合して中間混合物を得る第1混合工程と、
    前記中間混合物にヒドロキシアルキルアルキルセルロースである水溶性セルロースエーテルを含む第2構成材料を添加し混合してモルタル用組成物を得る第2混合工程とを有し、
    細骨材が前記第1構成材料及び/又は第2構成材料に含まれるモルタル用組成物の製造方法。
  2. 前記減水剤が、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤及びポリカルボン酸系減水剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のモルタル用組成物の製造方法。
  3. 前記減水剤のセメントに対する吸着率が3%以上である請求項1又は2に記載のモルタル用組成物の製造方法。
  4. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルメチルセルロースである請求項1〜3のいずれか1項に記載のモルタル用組成物の製造方法。
  5. 前記第1混合工程において、まず前記セメントと細骨材とをドライブレンドし、これに減水剤と水とを予め混合しておいたものを添加し混合して中間混合物を得る請求項1〜4のいずれか1項に記載のモルタル用組成物の製造方法。
  6. 鏝塗り作業用の組成物を製造するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のモルタル用組成物の製造方法。
  7. 第1混合工程における混合時間が1〜15分間であり、第2混合工程における混合時間が1〜15分間である請求項1〜6のいずれか1項に記載のモルタル用組成物の製造方法。
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