以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
なお、本実施形態の後部車体構造Vは、左右対称であるため、図7〜図9、図11では車体左側のみを図示している。
本実施形態の後部車体構造Vは、車体後部1に、リフトゲート(図示省略)により開閉可能に覆われるリヤ開口部(図示省略)を有する所謂ハッチバック型の車両であるとともに、押出し成形やダイカスト成形により製造された中空閉断面の骨格部材を溶接して車体フレームを構成したスペースフレーム構造と呼ばれる車体構造を採用したものである。
図1、図3、図4、図6に示すように、車室3(図3参照)の床面にはフロアパネル4(図1、図4、図6参照)を設け、このフロアパネル4の車幅方向中央部には車室3内方へ突出して車両の前後方向に延びるトンネル部5(フロアトンネル)を一体又は一体的に形成している。なお、図1は図2中のA−A線切断面に沿って切断した本実施形態の後部車体構造の要部を示す斜視断面図である。
図1、図4、図5の特に図5に示すように、左右のフロアパネル4とトンネル部5との間には、夫々トンネルサイドフレーム6が設けられている。
同図に示すように、左右一対のトンネルサイドフレーム6,6は、トンネル部5に、車幅方向両外側に隣接して車両前後方向に延び、その後端部が後述するフロア後側クロスメンバ20(図4、図6参照)に連結されている。左右一対のトンネルサイドフレーム6,6は、何れも断面L形に形成されている(図4、図5参照)。
そして、トンネルサイドフレーム6は、車体後部1の両サイドにおいて、トンネル部5の側壁部5aとその近傍のフロアパネル4の平坦部の上面に接合され、フロアパネル4と共に閉断面空間6sを形成している(同図参照)。
図1〜図4に示すように、トンネル部5の上部には、車両前後方向に延びるトンネルフレーム7が接合されている。このトンネルフレーム7は、トンネル部5の上面との間で車両前後方向に延びる閉断面空間7sを構成している(図3参照)。
図1、図4に示すように、フロアパネル4の車幅方向両外端にはサイドシル8を接合固定している。このサイドシル8は、内部に車両の前後方向に延びる閉断面空間8sを備えた車体強度部材である。
図2、図3に示すように、車両のルーフ部9は、車体両サイド部にて車両前後方向に延びる左右一対のルーフレール12,12と、該ルーフレール12,12の後側部にて車幅方向に延びるリヤヘッダー13と、該ルーフ部9の前後方向の中間部にて車幅方向に延びるルーフクロスメンバ14と、車室3の天井部を覆う不図示のルーフパネルとを備えている。なお、図2は実施形態の後部車体構造の車体ボディー(外装)を取り外して要部を示した左側面図である。
リヤヘッダー13の後方にはリヤ開口部(図示省略)が開口形成されており、該リヤ開口部の左右両サイドの開口縁部には、図2、図3に示すように、ルーフレール12の後端(リヤヘッダー13の車幅方向の両端部との結合部に対応する部位)から後方かつ下方へ延びる開口縁ピラー15が設けられている。
図2、図3に示すように、車体後部1の両サイド部における、上述のサイドシル8の後端部と、上述のルーフレール12の前後方向中間部(ルーフレール12の前後方向のルーフクロスメンバ14に対応する部位)との間には、車両上下方向に延びるセンタピラー16を設けており、このセンタピラー16でサイドシル8とルーフレール12とを連結している。
上述のセンタピラー16は、図4に示すように、車両上下方向の略全体をセンタピラーインナ16aとセンタピラーアウタ16bとを接合固定して構成され、これら16a,16bの間に車両上下方向に延びる閉断面空間16sを有する車体強度部材である。但し、車体両サイド部のセンタピラー16,16は、後述する前側クロスメンバ21の車幅方向の左右夫々に対応する外端に結合されており(図4参照)、この結合部位においては、センタピラーインナ16aとセンタピラーアウタ16bと、前側クロスメンバ21の後壁部21aと共に上記の閉断面空間16sを構成している(同図参照)。
図1、図3に示すように、フロアパネル4の後端部は、縦壁状に立ち上がるキックアップ部17(図1参照)を介して略水平に車両後方かつ車幅方向に延びる荷室フロア部18と連設している。
これにより車室3は、図1、図3に示すように、フロアパネル4に不図示のシート(シートクッション、シートバック)が配設された乗員空間と、該乗員空間の後方に位置し、フロアパネル4よりも一段高く形成された荷室フロア部18を底部に有する荷室19内の空間とが車両前後方向に互いに連通して設けられている。
図1、図3〜図4に示すように、このキックアップ部17は、トンネルフレーム7の上面の高さよりも高い位置まで立ち上がり、その車幅方向中間位置においてトンネル部5と接合されている。なお、キックアップ部17は、図1、図4〜図6に示すように、上側部分に相当するキックアップ上部17aと下側部分に相当するキックアップ下部17bとを有しており、これらキックアップ上部17aの下端とキックアップ下部17bの上端とを互いに連結して一体に形成している。
図1、図4〜図6の特に図6に示すように、フロアパネル4の後部とキックアップ部17の下部との車室3側のコーナー部に相当する部位には、車幅方向に延びる左右一対のフロア後側クロスメンバ20(所謂2.5クロスメンバ)が配設されており、該フロア後側クロスメンバ20は、左右のサイドシル8,8の後端部とトンネルサイドフレーム6,6の後端部との間を橋渡ししている(図1、図4、図5参照)。
なお、図5中の符号75はサイドシル8の後端に後述するリヤサイドフレーム23(図2参照)の前端を連結する連結ブラケットを示している。
図6はルーフ部9の構成を省略した図3中のE−E線断面図である。
図1、図4、図6の特に図6に示すように、フロア後側クロスメンバ20は、フロアパネル4と共にキックアップ部17の下部(キックアップ下部17b)との間に車幅方向に延びる閉断面空間20sを構成している。
また、図1、図3、図4、図6に示すように、キックアップ部17の上部(キックアップ上部17a)および荷室フロア部18の前部に相当するコーナー部には、前側クロスメンバ21が車幅方向に延びており、左右のセンタピラー16,16間を橋渡ししている。
図6に示すように、前側クロスメンバ21は、荷室フロア部18の前部において、キックアップ部17の上部との間に車幅方向に延びる閉断面空間21sを構成する車体強度部材である。
図1、図3、図4に示すように、トンネルフレーム7の後端と前側クロスメンバ21の中間部とは連結ブラケット22を介して接合され、トンネルフレーム7と前側クロスメンバ21とで平面視T字状に構成されている。
図1、図2、図4に示すように、荷室フロア部18の左右両サイドには、車両の前後方向に延びるリヤサイドフレーム23,23が配設されており、図8、図9に示すように、リヤサイドフレーム23の内部には、車両の前後方向に延びる閉断面空間23sを形成している。
図1〜図4、図10に示すように、リヤサイドフレーム23は、車両前後方向において前側の傾斜部23Fと後側の水平部23Rとで一体又は一体的に形成されており、サイドシル8後端から上方且つ後方に延びた後、後方のリヤバンパレインに向かって後方且つ水平に延びる構造としている。
なお、リヤサイドフレーム23の閉断面空間23sは、傾斜部23Fと水平部23Rの各内部において互いに連通するように形成されている。
具体的に図1、図2、図4に示すように、リヤサイドフレーム23の傾斜部23Fは、その前端が連結ブラケット75を介してサイドシル8の後端に接合されており、該後端から後方程、車幅方向内側かつ上方に後述するアッパアーム支持部34に向けて直線状に延び、車両側面視で傾斜状に配設されている(図2、図4、図11参照)。
リヤサイドフレーム23の水平部23Rは、図2、図4、図7〜図11に示すように、傾斜部23Fの後端から車両後方へサスペンション装置90の後方位置に相当する位置まで水平かつ直線状に延びている。左右一対の水平部23R,23Rの後端部には、クラッシュカン24が取り付けられており(図2、図11参照)、これら左右のクラッシュカン24,24の相互間には、車幅方向に延びる不図示のバンパレインフォースが横架される。
なお、図1、図3、図4、図7、図10はバンパレインフォースだけでなくクラッシュカン24の図示も省略している。
図2、図4、図7〜図11の特に図4、図8〜図10に示すように、リヤサイドフレーム23の水平部23Rの上方には、車両前後方向に延びる閉断面メンバ25が隙間なく隣接するように並設されている。
閉断面メンバ25と水平部23Rとは、共に車両前後方向に平行に延びており、上下各側に隣接配置されている。
閉断面メンバ25の内部には、主に車両前後方向に延びる閉断面空間25sが構成されており(図4参照)、図7〜図11に示すように、上側に位置する閉断面メンバ25の閉断面空間25sと下側に位置する水平部23Rの閉断面空間23sとの間には、隔壁26が介在し、該隔壁26によって閉断面メンバ25と水平部23Rとの夫々の閉断面空間25s,23sごとに上下各側に区分けしている。
ここで、図1、図2、図4、図8〜図11に示すように、水平部23Rと閉断面メンバ25との車幅方向外側には、これらの各外壁を構成するように車両上下方向に延びる1枚のアウタパネル27を備えている。また、図4、図8〜図11の特に図11に示すように、水平部23Rと閉断面メンバ25と後述するリヤサス支持構造体50(図5参照)の各車幅方向内側には、これら23R,25,50の各内壁を構成するように車両上下方向に延びる1枚のインナタパネル45を備えている。
さらに、図1〜図4、図7、図10、図11中の符号46は、水平部23Rの後部を構成するように車両前後方向の直交断面が該水平部23Rの断面形状に対応して断面矩形状をした筒状に形成された押出し部材である。
図1、図2、図4、図10、図11に示すように、傾斜部23Fの上方には、センタピラー16の下部から後方に延びる骨格部材としてのアッパサイドフレーム28が配設されている。
図4に示すように、車体後部1の両サイド部のアッパサイドフレーム28,28は、前端が、左右夫々に対応するサイドシル8後端から上方に延びるセンタピラー16の下部に接合され、水平かつ後方程車幅方向内側へ直線状に延び、後端が、閉断面メンバ25の前端および後述する第1後側クロスメンバ35(図4参照)の車幅方向両外端に接続(合流)している。これにより、アッパサイドフレーム28の内部には車両の前後方向に延びる閉断面空間28sが構成されており、該閉断面空間28sは、閉断面メンバ25の内部に有する上記閉断面空間25sと連続する(同図参照)。
図1〜図3、図8、図9に示すように、車体後部1の両サイド部において開口縁ピラー15と荷室フロア部18の車幅方向両外端部との間には、リヤホイールハウスインナ29が配設されている。
なお図2、図3に示すように、リヤホイールハウスインナ29の前縁上部とセンタピラー16の後端上部との間には、これらを連結する補強メンバ30が配設されており、センタピラー16と補強メンバ30とルーフレール12とで囲まれる領域31には、ウインド開口としてのクォーターウインドが形成される。
図1、図2、図4、図7、図9〜図11に示すように、リヤホイールハウスインナ29の車幅方向内側下部には、サスペンション装置90に備えたダンパ91(リヤサスダンパ)(図4、図7、図9参照)の上端部を支持するダンパ支持部32がダンパ支持補強部材33を介して設けられている。
図1、図2、図7、図9〜図11の特に、図9に示すように、ダンパ支持補強部材33は、閉断面メンバ25および水平部23Rの各外壁を形成する上記アウタパネル27の上部と、リヤホイールハウスインナ29の下部とに跨って接合されており、このダンパ支持補強部材33の上部(上記アウタパネル27の上端からの上方への突出部分)にダンパ支持部32が設けられている。
すなわち、水平部23Rと、該水平部23Rの上方に位置するダンパ支持部32との間に閉断面メンバ25が配設されており、該閉断面メンバ25は、これら水平部23Rとダンパ支持部32とを車両上下方向に連結している(図2、図7、図9〜図11参照)。
図1、図2、図4、図7、図8、図10の特に、図8、図10に示すように、ダンパ支持部32に対して下方かつ前方の近傍位置、すなわちリヤサイドフレーム23の水平部23Rの前部(傾斜部23Fの後部との結合部分)には、サスペンション装置90に備えたアッパアーム92(図1、図4参照)の車体側の枢支部92a(同図参照)を枢支するアッパアーム支持部34が設けられている。
図2、図4、図7、図8、図10に示すように、アッパアーム支持部34は、前後一対のボス状の車体側取付部34a,34aを備えており、水平部23Rの外壁を形成するアウタパネル27の前部に、前後一対の車体側取付部34a,34aが閉断面空間23sに突出するように取り付けられている(図8、図10参照)。
一方図10、図11に示すように、上記の隔壁26における、車両側面視で前後一対の車体側取付部34a,34aに対応する部位には、これら車体側取付部34a,34aを上方から保持する前後一対の保持部26a,26aが設けられており、前後一対のボス状の車体側取付部34a,34aの上半分が隔壁26の対応する保持部26a,26aに夫々溶接等により接合固定されている(図10参照)。
また図1、図3、図4、図6〜図10に示すように、荷室フロア部18の後部には、該荷室フロア部18の後端を構成する第1後側クロスメンバ35と(図1、図3、図4、図6、図8、図10参照)、該後部に対して後方かつ上方位置で該第1後側クロスメンバ35に隣接する第2後側クロスメンバ36(図1、図3、図6〜図10参照)と、が配設されている。これら第1、第2の後側クロスメンバ35,36は共に車幅方向に延びており、押出し成形等によって構成された骨格部材である。
図1、図3、図6に示すように、第1後側クロスメンバ35は、荷室フロア部18と共に荷室底面19aを形成する上壁部35aと、該上壁部35a(荷室フロア部18)に対して下方へオフセットして配設された本体部35b(図3、図6参照)とで一体に形成されている。すなわち、第1後側クロスメンバ35は、上壁部35aと本体部35bとの間に車幅方向に延びる閉断面空間35sを有しており、荷室底面19aの後端の骨格を形成するものである。
第1後側クロスメンバ35はその左右両端部が、左右夫々に対応する閉断面メンバ25,25の前部の相互間に橋渡し(連結)されている(図4参照)。
具体的に図4、図8に示すように、第1後側クロスメンバ35はその両サイド部が、左右夫々に対応する閉断面メンバ25の前部にその車幅方向内側から連結(合流)しており、互いの連結部位において、閉断面メンバ25と第1後側クロスメンバ35との各閉断面空間25s,35sは互いに連通(合流)している。一方図4、図8、図10、図11に示すように、閉断面メンバ25の第1後側クロスメンバ35との連結部位に対応する部位には、上記アッパアーム支持部34が配設されている。なお、このアッパアーム支持部34は、上述したように前後一対のボス状の車体側取付部34a,34aが夫々に対応する保持部26a,26aによって車幅方向外側のアウタパネル27側から取り付けられたものである。
図3、図6、図8、図10に示すように、第1後側クロスメンバ35は、車両側面視(車幅方向の直交断面視)で縦長の断面形状であり、該第1後側クロスメンバ35の上下方向中間部に上記閉断面空間35sを上下各側に分割する分割壁部35cが設けられている。第1後側クロスメンバ35の閉断面空間35sは、車幅方向に延びる分割壁部35cによって上側閉断面空間35saと下側閉断面空間35sbとに分割されている。
図1、図3、図6、図7、図9、図10に示すように、第2後側クロスメンバ36は、荷室底面19aの後端よりも後方に位置する下壁部36a(図3、図6、図9参照)と、該下壁部36aに対して上方へ突設した本体部36bとで一体に形成されている。第2後側クロスメンバ36は、下壁部36aと本体部36bとの間に車幅方向に延びる閉断面空間36sを有している(同図参照)。
第2後側クロスメンバ36はその両サイド部が、左右夫々に対応する閉断面メンバ25,25の後部の相互間に橋渡し(連結)されている(図1参照)。
具体的に図9、図10に示すように、第2後側クロスメンバ36はその両サイド部が、左右夫々に対応する閉断面メンバ25の後部にその車幅方向内側から連結(合流)しており、互いの連結部位において、閉断面メンバ25と第2後側クロスメンバ36との各閉断面空間25s,36sは互いに連通(合流)している。一方図1、図2、図7、図9、図10に示すように、閉断面メンバ25の第2後側クロスメンバ36との連結部位に対応する、車幅方向外側のアウタパネル27には、上記ダンパ支持部32が配設されている。これにより、第2後側クロスメンバ36はその両サイド部が、左右夫々に対応するダンパ支持部32の相互間に橋渡し(連結)されている(同図参照)。
ここで図3、図6、図10に示すように、第1後側クロスメンバ35の上壁部35aの後端部には、本体部35bの後端よりも後方へ延出する後側フランジ35dが形成される一方で、第2後側クロスメンバ36の下壁部36aの前端には、本体部36bの前端よりも前方へ延出する前側フランジ36cが形成されている。
そして、第1後側クロスメンバ35の後側フランジ35dと第2後側クロスメンバ36の前側フランジ36cとは、上下各側から当接した状態でスポット溶接等にて接合されている。
これにより、これら第1、第2の後側クロスメンバ35,36は車幅方向の直交断面視(車両上下方向および車両前後方向)において互いに隣接配置された状態で一体に連結されている。
なお、車体後部1の第2後側クロスメンバ36の後方且つ下方には、図示省略するがトランクルームが構成されている。図3、図6に示すように、第2後側クロスメンバ36は、下壁部36aの後端から後方に延出された後側フランジ36dを備えており、後側フランジ36dは、トランクルームの前壁を構成する前壁パネル37の上端が接合されるとともに、前壁パネル37の後面には、前壁パネル37の補強用のクロスメンバ38が車幅方向に配設されている。
図2、図3、図9に示すように、車体後部1の両サイド部には、リヤヘッダー13と第2後側クロスメンバ36とを車両上下方向に連結する骨格部材としてのリヤピラー39を備えている。
具体的に図2、図3、図8、図9に示すように、リヤピラー39は、上端部が車両前後方向に延びる左右一対のルーフレール12を介して車幅方向に延びるリヤヘッダー13に連結されるとともに、図1、図3、図7、図9、図10に示すように、下端部が車幅方向に延びる第2後側クロスメンバ36の左右両端部に連結されている(図1、図3、図7、図9、図10参照)。
そして車体後部1の両サイド部のリヤピラー39,39は、左右夫々に対応するルーフレール12と第2後側クロスメンバ36との間において、リヤホイールハウスインナ29およびダンパ支持補強部材33に対して車幅方向内側から接合されており(図1、図3参照)、該リヤホイールハウスインナ29およびダンパ支持補強部材33との間に内部に車両上下方向に延びる閉断面空間39sを構成している(図9参照)。
第2後側クロスメンバ36の両サイド部と、左右夫々に対応するリヤピラー39の下端部とが結合(連結)されることによって、リヤピラー39の下端部と閉断面メンバ25とは互いに連結(合流)されている(図1、図3、図9参照)。すなわち、リヤピラー39の下端部と第2後側クロスメンバ36の両サイド部との結合部(連結部)において、車両上下方向に延びるリヤピラー39の閉断面空間39sと、車両前後方向に延びる閉断面メンバ25の閉断面空間25sとは互いに連通している(図9参照)。すなわち、車両前後方向に延びる上述したアッパサイドフレーム28と、車幅方向に延びる第2後側クロスメンバ36と、車両上下方向に延びるリヤピラー39とは共に骨格部材であり、これら骨格部材28,36,39が合流する合流部40において、上述した閉断面メンバ25が、図2、図4、図9に示すように構成されている。
また図4に示すように、荷室底面19a(図1、図3参照)の前端を構成する前側クロスメンバ21と、荷室底面19aの後端を構成する第1後側クロスメンバ35との車両前後方向の間には、左右一対のサイドメンバとしての上記のアッパサイドフレーム28,28と、これら左右一対のアッパサイドフレーム28,28よりも幅方向中央側に配設された左右一対のセンタメンバ41,41とを備えている。
アッパサイドフレーム28は、荷室底面19aの両サイド部において、前端が前側クロスメンバ21の車幅方向の外端部(後壁部21a)に接続されるとともに後端が第1後側クロスメンバ35の車幅方向の外端部に接続されている(図4参照)。
詳しくは、前側クロスメンバ21の車幅方向の外端部(後壁部21a)は、上述したように、センタピラー16に接合されており、アッパサイドフレーム28の前端は、前側クロスメンバ21の後壁部21aを介してセンタピラー16に接合されている(同図参照)。
図4に示すように、センタメンバ41は、荷室底面19aの車幅方向中央側の両サイドにおいて、前端が前側クロスメンバ21の車幅方向の中央部に接続されるとともに後端が第1後側クロスメンバ35の車幅方向の中央部の外側に接続されている。
図3、図4に示すように、左右一対のセンタメンバ41,41の前端は、前側クロスメンバ21の車幅方向における、トンネル部5の上部に閉断面空間7sを有して形成されるトンネルフレーム7の後端と連結ブラケット22を介して連結される連結部に相当する位置に接続されている。
図1、図3、図4、図6に示すように、左右一対のアッパサイドフレーム28,28とセンタメンバ41,41とは、荷室フロア部18の下方に配設され、該荷室フロア部18との間に各メンバ28,41の長手方向(延伸方向)に沿って延びる閉断面空間28s(図6参照),41sが構成されている。
これにより、荷室底面19aは、その両サイド部において、前側クロスメンバ21、アッパサイドフレーム28、センタメンバ41および第1後側クロスメンバ35によって囲まれた領域に、平面視で略トラス構造Tua,Tuaを構成している(図4参照)。
さらに、荷室底面19aは、その車幅方向の中央部に備えた左右一対のセンタメンバ41,41および第1後側クロスメンバ35によって囲まれた領域に平面視で略トラス構造Tubを構成している(同図参照)。これにより、荷室底面19aは、その全体に複数の略トラス構造Tua,Tua,Tubを構成している。
また図3、図5、図10、図11に示すように、本実施形態の後部車体構造Vは、車体後部1の両サイド部のリヤサスペンション装置90の一部(主に下部)を支持するリヤサス支持構造体50(「サイドメンバ」とも称する)を、左右各側のリヤサスペンション装置90の車幅方向内側に備えている。
図5、図10、図11に示すように、リヤサス支持構造体50は、その前辺を構成する前側リヤサス支持メンバ51(図5、図10参照)と、下辺を構成する下側リヤサス支持メンバ52と、後辺を構成する後側リヤサス支持メンバ53とで、車両側面視で上方に開口したコ字状に一体又は一体的に構成されている。
図5、図10に示すように、前側リヤサス支持メンバ51の上端と後側リヤサス支持メンバ53の上端とには、夫々接合フランジ部54a,54bが設けられており、リヤサス支持構造体50は、これら前後の接合フランジ部54a,54bをリヤサイドフレーム23の水平部23Rの下面23aに接合固定することで該水平部23Rに支持されている(図5、図8〜図10参照)。
図2、図5、図7、図10に示すように、車両前後方向に延びる下側リヤサス支持メンバ52の前後各側には、リヤサスペンション装置90に備えたロアアーム93(Aアーム)の車幅方向内端93a(図7、図10参照)を枢支するロアアーム支持部55が設けられている。
図10に示すように、車両上下方向に延びる後側リヤサス支持メンバ53は、その下部にリヤサスペンション装置90に備えたトーコントロールリンク94(図7参照)の車幅方向内端94aを枢支するトーコントロールリンク支持部56が設けられている。さらに、図10、図11に示すように、後側リヤサス支持メンバ53の車両上下方向の中間部には、車幅方向に延びるスタビライザ95(図2参照)の左右夫々に対応する端部を支持する支持ブラケット57が取り付けられている。なお、図2、図7、図10以外はトーコントロールリンク94の図示を省略するとともに、図2、図10以外はスタビライザ95の図示を省略している。さらに、図4、図5中においてスタビライザ95の支持ブラケット57の図示を省略している。また図3、図4、図11中の符号47は、荷室底面19aの下方かつリヤサス支持構造体50(図5参照)の前方に備え、該リヤサス支持構造体50の前側リヤサス支持メンバ51(図5、図10参照)と、隔壁26と、アッパサイドフレーム28(図11参照)と、リヤサイドフレーム23等に接合してこれらを補強するガセットである。
さらに本実施形態の後部車体構造Vは、車体後部1の両サイド部のリヤサスペンション装置90,90を、左右夫々に対応するリヤサス支持構造体50を介して後述するリヤサブフレーム60によって支持する構成を採用している(図2、図3、図5、図6、図10参照)。このリヤサブフレーム60は、リヤサス支持構造体50を介して車体後部1に対して底面側から組み付けられる車体部品である。
具体的に本実施形態の後部車体構造Vは、不図示のギアやドライブシャフトなどから構成されるドライブトレインを、車体後部1の内部に底面側からサブアッシーしてから車体部品としてのリヤサブフレーム60を車体後部1の底面側に対して後付けで組み付けられる。
図2、図3、図5、図6に示すように、リヤサブフレーム60は、車体両サイド部のリヤサス支持構造体50,50の相互間に橋渡しされるサブフレーム本体部61と、その前方に配設されたサブフレームフロント部70とを備えている。
サブフレーム本体部61は、前側本体クロスメンバ62、中間本体クロスメンバ63および後側本体クロスメンバ64を前方から後方へこの順に間隔を隔てて備えており、共に車幅方向に延びる閉断面空間62s,63s,64sを構成している(図3、図6参照)。前側本体クロスメンバ62および後側本体クロスメンバ64は、それぞれサブフレーム本体部61の前縁、後縁を構成している。
図3、図5、図6に示すように、サブフレーム本体部61の前側、中間の各本体クロスメンバ62,63の車両前後方向の間には、これら本体クロスメンバ62,63を連結する前側連結パネル65が配設されるとともに、サブフレーム本体部61の中間、後側の各本体クロスメンバ63,64の車両前後方向の間には、これら本体クロスメンバ63,64を連結する後側連結パネル66が配設されている。
サブフレーム本体部61における、前側本体クロスメンバ62および後側本体クロスメンバ64と、左右両サイド部のリヤサス支持構造体50,50における下側リヤサス支持メンバ52,52とによって、車両底面視で井桁状に構成されている(図5中の仮想線で示した符号C参照)。
図3、図4、図6に示すように、サブフレームフロント部70は、荷室底面19a(荷室フロア部18)の下方に配設され、図2、図3、図5に示すように、両サイド部において左右夫々に対応するサイドシル8とサブフレーム本体部61とを連結する左右一対のサブフレーム側サイドメンバ71,71と、図5に示すように、左右一対のフロア後側クロスメンバ20,20(所謂2.5クロスメンバ)の車幅方向の内端部とサブフレーム本体部61とを連結する左右一対のサブフレーム側センタメンバ72,72と、図3、図5に示すように、左右一対のサブフレーム側センタメンバ72,72の前端部の相互間を橋渡しする前側サスクロスメンバ73(「トンネルメンバ73」とも称する)と、を備えている。
図5に示すように、前側サスクロスメンバ73は、左右両側のサブフレーム側センタメンバ72,72およびフロア後側クロスメンバ20,20を介しトンネル部5間、すなわち、左右両側のトンネルサイドフレーム6,6間を車幅方向に連結している。
そして図1、図3〜図6の特に図5に示すように、前側サスクロスメンバ73と左右一対のフロア後側クロスメンバ20,20とで、左右のサイドシル8,8間を橋渡しするセンタクロスメンバ74を構成している。
車体両サイド部においてサブフレーム側サイドメンバ71,71は、左右夫々において前端がサイドシル8の後端部に接合されるとともに(図1、図2、図4、図5参照)、後端が前側本体クロスメンバ62の車幅方向外端部に連結ブラケット76を介して接合されており(図3、図5参照)、水平かつ後方程車幅方向内側へ直線状に延びている。
左右一対のサブフレーム側センタメンバ72,72は、左右夫々に対応するトンネルサイドフレーム6と同じ車幅方向位置で前端がフロア後側クロスメンバ20の車幅方向内端を介してトンネルサイドフレーム6の後端に接合されるとともに、後端が前側本体クロスメンバ62の車幅方向外端部に連結ブラケット76を介して接合されており、水平かつ後方程車幅方向外側へ直線状に延びている(図5参照)。
サブフレーム側サイドメンバ71はその長手方向(延伸方向)の直交断面が上方へ凸のハット状に構成し、内部には下方へ開口した開口断面空間71sを備える一方で、サブフレーム側センタメンバ72はその内部に長手方向(延伸方向)に延びる閉断面空間72sを備えている(図3、図5参照)。
上述によりサブフレームフロント部70は、図5に示すように、その両サイド部の夫々に、サブフレーム側サイドメンバ71とサブフレーム側センタメンバ72とフロア後側クロスメンバ20とによって車両底面視でトラス構造Tda,Tdaを構成している。さらに同図に示すように、サブフレームフロント部70は、その車幅方向の中央に、左右のサブフレーム側センタメンバ72,72と前側サスクロスメンバ73と前側本体クロスメンバ62とによって車両底面視で略トラス構造Tdbを構成している。
また図2、図3、図5に示すように、サブフレームフロント部70は、車両底面視で上記各メンバ20,62,71,72,73に囲まれた領域に、平板状のアンダカバー77を底面側から配設しており、このアンダカバー77によって車体後部1の底面の空力特性を高めた構成としている。
ここで、リヤサブフレーム60は、上述したように、車体後部1に対してその底面側から不図示のドライブトレインよりも後付けで取り付けられる車体部品であるが、続いてリヤサブフレーム60の車体後部1への取り付け構造について説明する。
なお、図5においてトンネルサイドフレーム6,6、キックアップ部17,17、フロア後側クロスメンバ20,20(図4参照)、リヤサス支持構造体50,50および連結ブラケット75,75は、何れも車体側の構成部材を示す一方で、サブフレーム側サイドメンバ71,71、サブフレーム側センタメンバ72,72、前側サスクロスメンバ73、アンダカバー77、前側、中間、後側の各本体クロスメンバ62,63,64、前側、後側の各連結パネル65,66および連結ブラケット76は、何れもリヤサブフレーム60を構成する車体部品を示す。
図2、図3に示すように、サブフレーム本体部61の車幅方向の両外端には、その前後方向に複数(当例では左右5つずつ)のサブフレーム側ボルト挿通部67が台座状に配設けられている。これらサブフレーム側ボルト挿通部67には、それぞれ不図示のサブフレーム側ボルト挿通孔が車両上下方向に貫通形成されている。
一方、リヤサス支持構造体50の下側リヤサス支持メンバ52における、車両底面視でサブフレーム側ボルト挿通部67に対応する部位には、該下側リヤサス支持メンバ52の下部から下方へ突出するボス状の車体側ボルト取付部58が設けられている。これら車体側ボルト取付部58の夫々には、上記サブフレーム側ボルト挿通孔(図示省略)と連通する不図示の車体側ボルト挿通孔が車両上下方向に形成されている。
そして、車体部品としてのリヤサブフレーム60を、車体後部1に備えたリヤサス支持構造体50への組み付け時には、リヤサブフレーム60を車体後部1の底面側に配置し、複数組の車体側ボルト取付部58とサブフレーム側ボルト挿通部67との夫々において、スタッドボルト59(図3参照)により一体に締結固定している。
加えて、サブフレームフロント部70の両サイドの左右夫々の左右一対のサイドメンバ71を(キックアップ部17の車幅方向外端を介して)車体側のサイドシル8後端に、サブフレーム側センタメンバ72を(キックアップ部17の車幅方向内端を介して)フロア後側クロスメンバ20の車幅方向内端に、夫々溶接等にて接合するとともに、サブフレームフロント部70のアンダカバー77を、キックアップ下部17bの下面にスポット溶接等により接合することによってリヤサブフレーム60は、車体後部1に組み付けられている(図5参照)。
上述した実施形態の車両の後部車体構造Vは、車体両サイド部に設けられ、左右夫々に対応するリヤサスペンション装置90に備えたサスペンション部材(92)を支持するリヤサスペンション支持部(34)と(図1、図2、図4、図7、図8、図10参照)、これら車体両サイド部のリヤサスペンション支持部(34,34)間同士を連結する第1後側クロスメンバ35(後側クロスメンバ)と(図4、図8、図10参照)、該第1後側クロスメンバ35の前方の車体両サイド部間に橋渡しされる前側クロスメンバ21と(図1、図3、図4、図6参照)、前端が前側クロスメンバ21の側端部(車幅方向の外端部)に接続されるとともに後端が第1後側クロスメンバ35の側端部(車幅方向の外端部)に接続されるアッパサイドフレーム28(サイドメンバ)と(図1、図2、図4、図10、図11参照)、前端が前側クロスメンバ21の車幅方向の中央部に接続されるとともに後端が第1後側クロスメンバ35の側端部(車幅方向の中央部の外側)に接続されるセンタメンバ41と、を備えた(図4参照)ものである。
上記構成によれば、第1後側クロスメンバ35と前側クロスメンバ21とアッパサイドフレーム28とセンタメンバ41とによって底面視でトラス構造Tua,Tua,Tubを構成できるため(図4参照)、リヤサスペンション支持部としてのアッパアーム支持部34の前方を、トラス構造Tua,Tua,Tubを介し車体と連結することで、高重量化を避け効率的にサスペンション支持剛性を高めることができる。
この発明の態様として、トンネル部5の上部に、該トンネル部5との間に閉断面空間7s(図3参照)を構成するトンネルフレーム7を備え(図1〜図4参照)、前側クロスメンバ21に、トンネルフレーム7の後端が連結され(図1、図3、図4参照)、センタメンバ41の前端が、前側クロスメンバ21の車幅方向における、トンネルフレーム7の連結部相当位置に連結されたものである(図4参照)。
上記構成によれば、センタメンバ41前端の支持部剛性を向上できる。
この発明の態様として、車体両サイド部に車両前後方向に延びるリヤサイドフレーム23,23を備え(図4参照)、第1後側クロスメンバ35がリヤサイドフレーム23の上面(隔壁26)に隣接して橋渡しされ(図10参照)、リヤサスペンション支持部(34)がリヤサイドフレーム23と第1後側クロスメンバ35との合流部40に支持されたものである(図4、図8、図10参照)。
上記構成によれば、リヤサイドフレーム23と第1後側クロスメンバ35との合流部40にリヤサスペンション支持部(34)が支持されるため、サスペンション支持剛性をさらに高めることができる。
この発明の態様として、第1後側クロスメンバ35の車幅方向の直交断面が、車幅方向に対して車両上下方向に長い縦長形状であり、該第1後側クロスメンバ35の上下方向中間部に上記直交断面を上下各側に分割する分割壁部35cが形成されたものである(図6、図8、図10参照)。
上記構成によれば、第1後側クロスメンバ35の上記直交断面を縦長形状に形成するとともに、上下各側に分割して形成することで該第1後側クロスメンバ35によるサスペンション支持剛性をさらに高めることができる。
詳述すると、上述したように、第1後側クロスメンバ35の車幅方向の直交断面が、車幅方向に対して車両上下方向に長い縦長形状に形成することにより、ダンパ91からダンパ支持部32を介して第1後側クロスメンバ35に入力される車両上下方向の荷重に対して該第1後側クロスメンバ35が断面崩れすることを効果的に阻止することができる。
しかも当例では第1後側クロスメンバ35は、その本体部35bを荷室底面19aに対して下方にオフセットして該第1後側クロスメンバ35の上壁部35aによって荷室底面19aの一部を形成するように該上壁部35aを該荷室底面19aの高さに一致して形成しているため、縦長形状の第1後側クロスメンバ35を車幅方向に配設しても荷室19が狭くなることを防ぐことができる。
一方、第1後側クロスメンバ35の上下方向中間部に分割壁部35cを形成することで縦長形状に形成しながらも車両前後方向の荷重に対する強度も確保することができる。
この発明の態様として、上記リヤサスペンション支持部は、上記サスペンション部材としてのアッパアーム92を支持するアッパアーム支持部34である(図1、図2、図4、図7、図8、図10参照)。
上記構成によれば、リヤサスペンション装置90に備えたアッパアーム92からアッパアーム支持部34に入力される荷重を、トラス構造Tua,Tua,Tub(図4参照)を介して車体側へ分散してサスペンション支持剛性を高めることができる。
この発明の態様として、アッパアーム支持部34の後方に隣接して、リヤサスペンション装置90に備えたダンパ91の上端を支持するダンパ支持部32(リヤサスダンパ支持部)が形成されるとともに(図1、図2、図7、図9〜図11参照)、第1後側クロスメンバ35に隣接して車体両サイド部のダンパ支持部32,32間同士を連結する第2後側クロスメンバ36が設けられたものである(図1、図3、図6、図7、図9、図10の特に図1、図9、図10参照)。
上記構成によれば、アッパアーム支持部34の剛性とともにダンパ支持部32の剛性も向上することができる。
特に、ダンパ支持部32の前側に、上述したように、センタメンバ41、アッパサイドフレーム28、前側クロスメンバ21および第1後側クロスメンバ35によってトラス構造Tua,Tua,Tub(図4参照)を構成することで、リヤサスペンション装置90のダンパ91の上下動によってダンパ支持部32に入力される車両上下方向の振動を効果的に抑制できるとともに、車体両サイド部のダンパ支持部32,32間に橋渡しした第2後側クロスメンバ36によって車幅方向の振動を効果的に抑制することができる。
しかも上記トラス構造Tua,Tua,Tubは、荷室底面19aを形成するように水平面上に構成しているため、広い荷室19を確保しながらアッパアーム支持部34の剛性およびダンパ支持部32の剛性を高めることができる。
この発明は、上述した実施形態の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
具体的には、図3、図4に示すように、第1後側クロスメンバ35は、左右のアッパアーム支持部34,34間に橋渡しされた構成であるとともに、図1、図3に示すように、第2後側クロスメンバ36は、左右のダンパ支持部32,32間に橋渡しされた構成であり、共にリヤサスペンション支持部間に橋渡しした構成であるが、第1、第2の後側クロスメンバ35,36の双方がリヤサスペンション支持部間に橋渡しされた構成に限らず、第1および第2の後側クロスメンバ35,36のうち少なくとも一方を例えば、車体サイド部のリヤサスペンション支持部以外の部位に橋渡しした構成を採用してもよい。
図12は他の実施形態の後部車体構造VAを骨格構造にて示した斜視図である。
以下、図12を用いて他の実施形態の後部車体構造VAについて説明するが、上述した実施形態の後部車体構造Vと同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
他の実施形態の後部車体構造VAは、図12に示すように、第1後側クロスメンバ35(図3参照)に相当する後側クロスメンバは備えていないが、第2後側クロスメンバ36(図3参照)に相当するクロスメンバとして、ダンパ支持部32,32間を車幅方向に橋渡しする後側クロスメンバ36Aを備えている。
前側クロスメンバ21と第2後側クロスメンバ36Aとの間には、左右一対のアッパサイドフレーム28を備えるとともに、これらアッパサイドフレーム28,28よりも車幅方向内側に車両平面視でクロス状に配設された一対のセンタメンバ41A,41Aを備えている。
具体的に図12に示すように、一対のセンタメンバ41A,41Aのうち一方は、前端が前側クロスメンバ21の車幅方向の一方の外端に接続されるとともに、後端が後側クロスメンバ36Aの車幅方向の他方の外端近傍のアッパサイドフレーム28に接続されている。さらに、一対のセンタメンバ41A,41Aのうち他方は、前端が前側クロスメンバ21の車幅方向の他方の外端に接続されるとともに、後端が後側クロスメンバ36Aの車幅方向の一方の外端近傍のアッパサイドフレーム28に接続されている。
これにより、一対のセンタメンバ41A,41Aは、前側クロスメンバ21と後側クロスメンバ36Aと左右一対のアッパサイドフレーム28,28とによって車両平面視で囲まれる領域において対角線状に配設されている。
本実施形態においては、左右のダンパ支持部32,32に対して前方で平面視対角線状に交差して配設した一対のセンタメンバ41A,41Aによって、リヤサスペンション装置90の上下動するダンパ91からの上方への突き上げを効果的に押さえ込むようにしてダンパ支持部32を支持することができる。
さらに、左右のダンパ支持部32,32間に橋渡しした後側クロスメンバ36Aによって、ダンパ91の上下動に伴う車幅方向の振動も抑制することができる。
ここで上述した実施形態の後部車体構造Vにおいては、図3に示すように、第1後側クロスメンバ35および第2後側クロスメンバ36を備えたものである。このような実施形態の後部車体構造Vにおいて、図示省略するが、アッパアーム92を有するサスペンション装置90の代わりにストラットタイプのようにアッパアーム92を有しないタイプのサスペンション装置を適用した場合には、左右のアッパアーム支持部34,34間を車幅方向に橋渡しする第1後側クロスメンバ35による、サスペンション装置90からの入力荷重に対する支持強度の寄与度が低減する。
よって後側クロスメンバとして後側クロスメンバ36Aのみを備えた、図12に示すような本実施形態の後部車体構造VAは、アッパアーム92を有しないストラットタイプのサスペンション装置を備えた後部車体構造に適用した場合に、サスペンション装置90からの入力荷重に対する支持強度の寄与度が低減する第1後側クロスメンバ35を備えずに構成できるため、車体の軽量化の観点で有利な構成とすることができる。