JP6956576B2 - トルク負荷部材およびトルク伝達装置 - Google Patents

トルク負荷部材およびトルク伝達装置 Download PDF

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Description

本発明は、使用時にトルクを負荷され、かつ、該トルクを測定するために用いられるトルク負荷部材、およびトルク伝達装置に関する。
自動車の分野では、近年、パワートレイン(動力伝達機構)を構成する回転軸により伝達しているトルクを測定し、その測定結果を利用して、動力源であるエンジンや電動モータの出力制御や、変速機の変速制御を実行するシステムの開発が進んでいる。
また、従来、回転軸などのトルク負荷部材により伝達しているトルクを測定する技術として、磁歪式のものが知られている(たとえば、特開2017−96825号公報、特開2017−96826号公報参照)。磁歪式のトルク測定技術では、トルク負荷部材の透磁率が、負荷されるトルクに応じて変化する現象(逆磁歪効果)を利用して、該トルクを測定する。具体的には、トルク負荷部材に対向させたトルクセンサを用いて、該トルク負荷部材に負荷されたトルクを、該トルク負荷部材の表層部の透磁率の変化として測定する。
特開2017−96825号公報 特開2017−96826号公報
磁歪式のトルク測定技術では、トルク測定のヒステリシスを抑えつつ、トルク測定の感度を効果的に向上させることができる具体的な手段を提供することが望まれている。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルク測定のヒステリシスを抑えつつ、トルク測定の感度を効果的に向上させることができる具体的な手段を提供することにある。
本発明のトルク負荷部材は、磁歪式のトルクセンサを対向させる被検出面を有し、該被検出面からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている。
本発明のトルク負荷部材では、前記被検出面からの深さが7.5μm〜100μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力を800MPa以上とすることができる。
本発明のトルク伝達装置は、被検出面を有するトルク負荷部材と、前記被検出面に対向させた磁歪式のトルクセンサとを備える。
特に、本発明のトルク伝達装置では、前記トルク負荷部材が、本発明のトルク負荷部材である。
なお、前記トルクセンサとしては、周囲に交流磁界を発生させるコイルを有し、かつ、該交流磁界の磁束が、前記トルク負荷部材の被検出面の表層部を通過することに基づいて、該表層部の透磁率に応じた検出信号を出力するものを採用することができる。
本発明のトルク伝達装置では、使用時にも回転しない部分に対して前記トルク負荷部材を回転可能に支持する転がり軸受をさらに備え、かつ、前記トルクセンサが前記転がり軸受に支持されている構成を採用することができる。
本発明によれば、トルク測定のヒステリシスを抑えつつ、トルク測定の感度を効果的に向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示す、トルク伝達装置の断面図である。 図2(a)は、図1に示したトルク伝達装置から回転軸およびトルクセンサのみを取り出して示す、径方向外側から見た図であり、図2(b)は、図2(a)を軸方向から見た図である。 図3は、トルクセンサの検出部を構成する第一〜第四コイル層を径方向外側から見た展開図である。 図4(a)〜図4(d)は、トルクセンサの検出部を構成する第一〜第四コイル層をそれぞれ単体の状態で径方向外側から見た展開図である。 図5は、トルクセンサの検出部を構成する第一〜第四コイル層を含んで構成されるブリッジ回路を示す図である。 図6は、実施例1〜実施例7および比較例1〜比較例5に関して、回転軸の被検出面からの深さと周方向残留応力σRとの関係を示すグラフである。 図7は、トルクとセンサ出力との関係を表す線図である。 図8は、実施例1〜実施例7および比較例1〜比較例5に関して、トルク測定の感度およびヒステリシスを示すグラフである。
[実施の形態の1例]
実施の形態の1例について、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、トルク伝達装置を示している。このトルク伝達装置は、回転軸1と、転がり軸受2と、トルクセンサ3とを備える。本例では、回転軸1が、トルク負荷部材に相当する。
なお、本例に関する以下の説明中、トルク伝達装置に関して、軸方向片側は、図1における右側であり、軸方向他側は、図1における左側である。
回転軸1は、自動車のパワートレインを構成する、変速機の回転軸、デファレンシャルギヤの回転軸、プロペラシャフト、ドライブシャフトなどのトルク伝達軸である。回転軸1は、磁歪特性を有する材料である、SCr420(クロム鋼)、SCM420(クロムモリブデン鋼)、SNCM420(ニッケルクロムモリブデン鋼)などの鋼(鉄合金)製で、円柱状または円筒状に構成されている。
回転軸1は、軸方向一部外周面に円筒状の内輪軌道4を有する。また、回転軸1は、外周面のうちで内輪軌道4の軸方向片側に隣接する箇所(図1および図2において、斜格子を付した箇所)に被検出面5を有する。回転軸1は、被検出面5の表層部のうちで、被検出面5からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている。
なお、本例では、回転軸1を造る際に、回転軸1の中間素材の外周面に浸炭処理を施した後、被検出面5にショットピーニング処理を施すことによって、被検出面5からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になるように調整している。被検出面5の表層部のうち、少なくとも被検出面5から深さが50μmまでの範囲は、ショットピーニング処理によって形成された圧縮加工硬化層になっている。ただし、本発明を実施する場合、被検出面5の表層部の周方向残留圧縮応力の調整方法は、特に問わない。このような回転軸1は、転がり軸受2により、自動車のパワートレインを構成するハウジングなどの使用時に回転しない静止部材に対して回転自在に支持されている。
転がり軸受2は、ニードル軸受であり、外輪6と、複数個のニードル7と、保持器8とを備える。
外輪6は、軸受鋼などの鋼製で、円筒状に構成されている。外輪6は、軸方向両端部に内向鍔部9を有する。また、外輪6は、1対の内向鍔部9に挟まれた軸方向中間部内周面に、円筒状の外輪軌道10を有する。このような外輪6は、自動車のパワートレインを構成するハウジングなどの静止部材に内嵌された状態で、使用時にも回転しない。
複数個のニードル7は、それぞれが軸受鋼などの鋼製で、円柱状に構成されている。これらのニードル7は、外輪軌道10と内輪軌道4との間に転動自在に配置されている。
保持器8は、鋼製または合成樹脂製で、円筒状に構成されている。保持器8は、円周方向複数箇所にポケットを有しており、これらのポケット内にニードル7が1つずつ転動自在に保持されている。
トルクセンサ3は、センサホルダ11を介して、外輪6に支持されている。センサホルダ11は、金属、合成樹脂などにより円筒状に構成されており、外輪6の軸方向片側に隣接配置された状態で、外輪6に取り付けられている。このために、具体的には、センサホルダ11の軸方向他端部に設けられた嵌合筒部12を、外輪6の軸方向片側の内向鍔部9に内嵌固定している。ただし、センサホルダ11は、外輪6と一体に形成することもできる。
トルクセンサ3は、磁性材製で円筒状のバックヨーク13と、該バックヨーク13の径方向内側に保持された検出部14とを備える。このようなトルクセンサ3は、回転軸1の被検出面5の周囲に、該被検出面5と同軸に配置された状態、すなわち、被検出面5に検出部14を対向させた状態で、センサホルダ11に内嵌保持されている。
検出部14は、それぞれが円筒状に構成された4つのコイル層である、第一〜第四コイル層15〜18を備える。第一〜第四コイル層15〜18は、径方向内側から、第一コイル層15、第二コイル層16、第三コイル層17、第四コイル層18の順に並べた状態で、径方向に積層配置されている。第一コイル層15と第二コイル層16とは、図示しない帯状のフレキシブル基板の片側面と他側面とに分けて成形され、かつ、該フレキシブル基板を円筒状に丸めることにより、円筒状に構成されている。第三コイル層17と第四コイル層18とは、図示しない別の帯状のフレキシブル基板の片側面と他側面とに分けて成形され、かつ、該フレキシブル基板を円筒状に丸めることにより、円筒状に構成されている。また、第二コイル層16と第三コイル層17との間には、絶縁層が設けられている。
図3は、検出部14を径方向外側から見た展開図を示している。また、図4(a)〜図4(d)は、検出部14を構成する第一〜第四コイル層15〜18をそれぞれ個別に径方向外側から見た展開図を示している。
第一コイル層15(第二コイル層16、第三コイル層17、第四コイル層18)は、図4(a){図4(b)、図4(c)、図4(d)}に示すように、複数個の第一検出コイル19(第二検出コイル20、第三検出コイル21、第四検出コイル22)を備える。これらの第一検出コイル19(第二検出コイル20、第三検出コイル21、第四検出コイル22)は、円周方向に関して等ピッチに並べて配置されている。また、これらの第一検出コイル19(第二検出コイル20、第三検出コイル21、第四検出コイル22)は、円周方向に隣り合うもの同士(前記フレキシブル基板の両端縁を挟んで互いに隣り合うもの同士を除く。)が直列に接続されている。また、第一検出コイル19および第四検出コイル22のそれぞれは、円周方向両側部に、回転軸1の軸方向に対して+45゜傾斜した配線を含んで構成されている。これに対し、第二検出コイル20および第三検出コイル21のそれぞれは、円周方向両側部に、回転軸1の軸方向に対して−45゜傾斜した配線を含んで構成されている。なお、本発明を実施する場合、第一〜第四コイル層15〜18は、ボビンなどの支持部材にコイルを巻き付けることによって構成することもできる。
また、第一〜第四コイル層15〜18は、図5に示すような、ブリッジ回路23を構成している。ブリッジ回路23は、第一〜第四コイル層15〜18の他、A点とB点との間に交流電圧を印加するための発振器24と、C点とD点との間の電位差(中点電圧、差動電圧)を検出・増幅するためのロックイン増幅器25とを含んで構成されている。
本例のトルク伝達装置の使用時には、発振器24により、ブリッジ回路23のA点とB点との間に交流電圧を印加し、第一〜第四コイル層15〜18に交流電流を流す。すると、第一〜第四コイル層15〜18には、図4(a)〜図4(d)に矢印イ、ロ、ハ、ニで示すように、円周方向に隣り合う検出コイル同士で互いに逆向きの電流が流れる(言い換えれば、このような向きの電流が流れるように各検出コイルが巻かれている)。この結果、第一〜第四コイル層15〜18の周囲に交流磁界が発生し、この交流磁界の磁束の一部が、回転軸1の被検出面5の表層部を通過する。
この状態で、回転軸1に、図2(a)に示す方向のトルクTが加わると、回転軸1には、軸方向に対して+45゜方向の引っ張り応力(+σ)と、軸方向に対して−45゜方向の圧縮応力(−σ)とが作用する。そして、逆磁歪効果により、引っ張り応力(+σ)が作用する方向である+45゜方向では、回転軸1の透磁率が増加し、圧縮応力(−σ)が作用する方向である−45゜方向では、回転軸1の透磁率が減少する。
一方、第一コイル層15および第四コイル層18は、回転軸1の軸方向に対して+45゜傾斜した配線を含んで構成されており、該配線の周囲に発生する交流磁界の磁束の一部は、回転軸1の被検出面5の表層部を、透磁率が減少した方向である−45゜方向に通過する。このため、第一コイル層15および第四コイル層18のインダクタンスは、それぞれ減少する。また、第二コイル層16および第三コイル層17は、回転軸1の軸方向に対して−45゜傾斜した配線を含んで構成されており、該配線の周囲に発生する交流磁界の磁束の一部は、回転軸1の被検出面5の表層部を、透磁率が増加した方向である+45゜方向に通過する。このため、第三検出コイル17および第四検出コイル18のインダクタンスは、それぞれ増大する。
これに対し、回転軸1に、図2(a)に示す方向とは逆方向のトルクTが加わると、上述した場合とは逆の作用により、第一コイル層15および第四コイル層18のインダクタンスが増大し、第二コイル層16および第三コイル層17のインダクタンスが減少する。
何れにしても、ブリッジ回路23では、C点とD点との間の電位差(中点電圧、差動電圧)をロックイン増幅器25により検出・増幅することによって、回転軸1に負荷されるトルクTの方向および大きさに応じた出力Vが得られるようになっている。したがって、予め、出力VとトルクTとの関係を調べておけば、出力VからトルクTの方向および大きさを求められる。
特に、本例では、回転軸1の被検出面5の表層部のうちで、被検出面5からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている。すなわち、回転軸1の被検出面5の表層部のうちで、トルクセンサ3から発生した磁束が通過する部分の磁気的特性が良好になっているため、トルク測定のヒステリシスを抑えつつ、トルク測定の感度を効果的に向上させることができる。
本発明の対象となるトルク負荷部材は、回転軸に限らず、たとえば、回転軸に外嵌固定され、かつ、該回転軸と共にトルクを負荷されるスリーブとすることもできる。
また、トルク負荷部材は、周面に被検出面を有する部材に限らず、たとえば特開2017−96825号公報や特開2017−96826号公報に記載されているような、軸方向側面に被検出面を有する部材とすることもできる。
本発明の対象となるトルク負荷部材を自動車のパワートレインに組み込んで使用する場合、対象となる装置は、特に問わない。たとえば、マニュアルトランスミッション(MT)、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式無段変速機、トロイダル型無段変速機、オートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)などの車側の制御で変速を行うトランスミッション、またはトランスファーを対象とすることができる。また、対象となる車両の駆動方式(FF、FR、MR、RR、4WDなど)も、特に問わない。
本発明の対象となるトルク負荷部材は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、たとえば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸等、各種機械装置の回転軸などを採用することができる。
本発明のトルク伝達装置を実施する場合、トルクセンサは、転がり軸受に限らず、ハウジングなどの他の部材に支持されていても良い。
本発明のトルク伝達装置を実施する場合で、トルクセンサが転がり軸受に支持されている構成を採用する場合には、当該転がり軸受は、ニードル軸受に限らず、玉軸受、ころ軸受、円すいころ軸受などの他の形式の転がり軸受であっても良い。
本発明のトルク伝達装置を実施する場合、磁歪式のトルクセンサは、上述した実施の形態のものに限らず、たとえば、特開2017−96825号公報、特開2017−96826号公報などに記載されて従来から知られている各種のものを採用することができる。
本発明の効果を確かめるために行った実験について説明する。
本実験では、試料として、複数本の回転軸(実施例1〜7、比較例1〜5)を用意した。これらの回転軸は、外周面の軸方向一部に被検出面を有し、かつ、被検出面の表層部の周方向残留圧縮応力が、互いに異なるものである。そして、これらの回転軸のそれぞれについて、被検出面に対向させた磁歪式のトルクセンサ3(図1および図2参照)により、負荷されたトルクを測定した。
[試料ついて]
それぞれの回転軸(実施例1〜7、比較例1〜5)についての諸元は、以下の通りである。
(実施例1)
軸径D(図1参照):18mm
材質:SCr420H
処理:外周面に熱処理を施した後、被検出面にショットピーニング処理を施した。
熱処理の条件:浸炭(950℃、5時間、カーボンポテンシャル1.25%)
→焼き戻し(175℃、1時間)
→焼き入れ(820℃、1時間)
→焼き戻し(240℃、2時間)
ショットピーニング処理の条件:投射材・・・スチール(球状)
投射材直径・・・0.6mm
投射材硬度・・・Hv700
タンク(エアー)圧・・・0.2MPa
カバレージ・・・300%
(実施例2)
ショットピーニング処理におけるタンク圧を0.3MPaとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
ショットピーニング処理におけるタンク圧を0.5MPaとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
浸炭処理におけるカーボンポテンシャルを0.70%、焼き戻し温度を175℃、および、ショットピーニング処理におけるタンク圧を0.5MPaとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
焼き戻し温度を175℃としたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
焼き戻し温度を175℃としたこと、および、ショットピーニング処理におけるタンク圧を0.3MPaとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
焼き戻し温度を175℃としたこと、および、ショットピーニング処理におけるタンク圧を0.5MPaとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
ショットピーニング処理を省略したこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例2)
ショットピーニング処理における投射材直径を0.05mmとしたこと以外は、実施例3と同様である。
(比較例3)
ショットピーニング処理を省略したこと以外は、実施例4と同様である。
(比較例4)
ショットピーニング処理を省略したこと以外は、実施例5と同様である。
(比較例5)
ショットピーニング処理における投射材直径を0.05mmとしたこと以外は、実施例7と同様である。
それぞれの回転軸(実施例1〜7、比較例1〜5)の被検出面の表層部の周方向残留応力σRを、表1および図6に示す。
なお、図6のグラフ(および後述する図8のグラフ)では、実施例1を「実1」と略記し、比較例1を「比1」と略記している。その他の実施例および比較例についても同様である。
また、周方向残留応力σRの符号が負であることは、周方向残留応力σRが周方向残留圧縮応力であることを意味する。
Figure 0006956576
[トルク測定の感度およびヒステリシスの評価]
それぞれの回転軸(実施例1〜7、比較例1〜5)について、負荷されたトルクを、被検出面に対向させた磁歪式のトルクセンサ3により測定した。
具体的には、図5に示した発振器24により、ブリッジ回路23のA点とB点と間に交流電圧を印加することで、第一〜第四コイル層15〜18の周囲に交流磁界を発生させ、この交流磁界の磁束が、被検出面の表層部(被検出面から深さDまでの範囲)を通過する状態とした(一般的な表皮効果の計算によると、この際の深さDは、約300μm〜500μmであった)。そして、この状態で、回転軸に負荷するトルクを、正負の定格トルク(T1、T2)間で往復変化させながら、トルク測定を行い、図7に示すような、トルク測定に関する特性データを得た。そして、この特性データから、トルク測定の感度およびヒステリシスを求めた。なお、感度およびヒステリシスは、次のように定義した。
感度(mV)=α/γ=|A1−A2|/|T1−T2
ヒステリシス(%FS)=β/γ=|a1−a2|/|T1−T2
表2および図8に、それぞれの回転軸(実施例1〜7、比較例1〜5)についての、トルク測定の感度およびヒステリシスを示す。
Figure 0006956576
表2および図8に示したように、ショットピーニング処理を省略した例(比較例1、比較例3、比較例4)よりも、ショットピーニング処理を行った例(比較例1に対する「実施例1〜実施例3、比較例2」、比較例3に対する「実施例4」、比較例4に対する「実施例5〜実施例7、比較例5」)の方が、トルク測定の感度が向上することが認められる。
特に、被検出面からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている例(実施例1〜実施例7)では、トルク測定のヒステリシスを抑えつつ(2.0%FS程度以下に留めつつ)、トルク測定の感度を効果的に向上させることができる点が認められる。
さらに、被検出面からの深さが7.5μm〜100μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている例(実施例2、3、4、7)では、トルク測定のヒステリシスをより抑えつつ、トルク測定の感度をより効果的に向上させることができる点が認められる。
1 回転軸
2 転がり軸受
トルクセンサ
4 内輪軌道
被検出面
6 外輪
7 ニードル
8 保持器
9 内向鍔部
10 外輪軌道
11 センサホルダ
12 嵌合筒部
13 バックヨーク
14 検出部
15 第一コイル層
16 第二コイル層
17 第三コイル層
18 第四コイル層
19 第一検出コイル
20 第二検出コイル
21 第三検出コイル
22 第四検出コイル
23 ブリッジ回路
24 発振器
25 ロックイン増幅器

Claims (4)

  1. 磁歪式のトルクセンサを対向させる被検出面を有し、該被検出面からの深さが7.5μm〜50μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっているトルク負荷部材。
  2. 前記被検出面からの深さが7.5μm〜100μmまでの範囲の周方向残留圧縮応力が800MPa以上になっている、請求項1に記載のトルク負荷部材。
  3. 被検出面を有するトルク負荷部材と、
    前記被検出面に対向させた磁歪式のトルクセンサと、を備え、
    前記トルク負荷部材が、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載のトルク負荷部材である、
    トルク伝達装置。
  4. 使用時にも回転しない部分に対して前記トルク負荷部材を回転可能に支持する転がり軸受をさらに備え、かつ、前記トルクセンサが前記転がり軸受に支持されている、
    請求項3に記載のトルク伝達装置。
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