JP2019078671A - トルク伝達装置 - Google Patents

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優香 金子
Yuka Kaneko
優香 金子
潤司 小野
Junji Ono
潤司 小野
豊田 俊郎
Toshiro Toyoda
俊郎 豊田
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Abstract

【課題】トルクセンサを配置し易く、しかも小型に構成できる構造を実現する。【解決手段】軸方向に離隔した2箇所に入力歯車3および出力歯車4を固定したトルク伝達軸2を、筒状に構成する。トルク伝達軸2の径方向内側に内軸6を、トルク伝達軸2との相対回転を可能に配置する。トルク伝達軸2の径方向内側で、かつ、入力歯車3と出力歯車4との間に挟まれた軸方向位置に、トルク伝達軸2に生じる逆磁歪効果を利用してトルク伝達軸2が伝達するトルクを測定するためのトルクセンサ7を配置し、かつ、トルクセンサ7を内軸6に支持する。【選択図】図1

Description

本発明は、伝達トルクを測定するためのトルクセンサを備えたトルク伝達装置に関する。
自動車用の自動変速機を構成するトルク伝達軸により伝達しているトルクを測定し、その測定結果を利用して、当該変速機の変速制御やエンジンの出力制御を行うことが、従来から行われている。また、トルク伝達軸により伝達しているトルクを測定する技術として、たとえば特開2017−96826号公報には、当該トルクを、トルク伝達軸の周囲に配置された磁歪式のトルクセンサにより測定する技術が記載されている。
特開2017−96826号公報
しかしながら、自動車用の自動変速機では、トルク伝達軸の周囲に歯車などの多くの変速機部品が密集しているため、トルク伝達軸の周囲にトルクセンサを配置することが難しいという問題がある。また、トルク伝達軸の周囲にトルクセンサを配置すると、トルクセンサの存在が自動変速機の大型化に結び付きやすいという問題もある。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルクセンサを配置し易く、しかも小型に構成できる構造を実現することにある。
本発明のトルク伝達装置は、トルク伝達軸と、内軸と、トルクセンサとを備える。
前記トルク伝達軸は、筒状に構成され、軸方向に離隔したトルク入力部とトルク出力部とを有し、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間でトルクを伝達する。
前記内軸は、前記トルク伝達軸の径方向内側に、前記トルク伝達軸との相対回転を可能に配置されている。
前記トルクセンサは、前記トルク伝達軸の径方向内側で、かつ、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた軸方向位置に配置されると共に、前記内軸に支持され、前記トルク伝達軸に生じる逆磁歪効果を利用して、前記トルク伝達軸により伝達しているトルクを測定するためのものである。
本発明のトルク伝達装置では、たとえば、前記トルク伝達軸のうちで、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた部分の内周面の表層部が、ショットピーニング処理により磁歪特性が改善された改質層になっている構成を採用することができる。
本発明のトルク伝達装置では、たとえば、前記内軸のうちで前記トルクセンサを支持した部分を挟んだ軸方向両側部のそれぞれが、前記トルク伝達軸に対して、転がり軸受、滑り軸受などの軸受により、回転可能に支持されている構成を採用することができる。
本発明のトルク伝達装置では、たとえば、前記トルク伝達軸のうちで、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた部分の外周面に、周方向溝が存在する構成を採用することができる。
本発明のトルク伝達装置によれば、トルクセンサを配置するための設計を容易に行えて、しかも小型に構成し易い。
図1は、実施の形態の第1例に係るトルク伝達装置の概略断面図である。 図2は、実施の形態の第2例に係るトルク伝達装置の概略断面図である。 図3は、実施の形態の第3例に係るトルク伝達装置の概略断面図である。 図4は、実施の形態の第4例に係るトルク伝達装置の概略断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1を用いて説明する。
本例のトルク伝達装置は、自動車用の自動変速機に組み込んで使用されるもので、ハウジング(ミッションケース)1と、カウンタ軸として機能するトルク伝達軸2と、それぞれがカウンタギヤとして機能する入力歯車3および出力歯車4と、1対の転がり軸受5a、5bと、内軸6と、トルクセンサ7とを備える。
なお、本例に関する以下の説明中、軸方向に関して「片側」は、図1の左側であり、軸方向に関して「他側」は、図1の右側である。
トルク伝達軸2は、中空円筒状に構成されている。
入力歯車3は、トルク伝達軸2にトルクを入力するための歯車であり、トルク伝達軸2の軸方向片端寄り部の外周面に固定されている。
出力歯車4は、トルク伝達軸2からトルクを出力するための歯車であり、トルク伝達軸2の軸方向他端寄り部の外周面に固定されている。
本例では、トルク伝達軸2のうちで、入力歯車3が固定された部分がトルク入力部に相当し、出力歯車4が固定された部分がトルク出力部に相当する。入力歯車3および出力歯車4のそれぞれは、トルク伝達軸2と別体に造られた部材とすることもできるし、トルク伝達軸2と一体に造られた部材とすることもできる。
1対の転がり軸受5a、5bは、トルク伝達軸2のうちで、入力歯車3および出力歯車4が固定された部分を挟んだ軸方向両端部を、ハウジング1に対して回転可能に支持している。
内軸6は、中実円柱状に構成されたもので、トルク伝達軸2の径方向内側に配置されている。より具体的には、内軸6は、トルク伝達軸2の軸方向片端部乃至中間部の径方向内側に、トルク伝達軸2と同軸に、かつ、トルク伝達軸2との相対回転を可能に配置されている。また、この状態で、内軸6の軸方向片端部は、トルク伝達軸2の外部に突出しており、かつ、ハウジング1に対して直接または他の部材を介して、圧入、螺合、ねじ止めなどの適宜の方法で固定されている。
トルクセンサ7は、入力歯車3と出力歯車4との間でトルク伝達軸2が伝達するトルクを測定するためのもので、円環状に構成され、トルク伝達軸2の径方向内側に配置されている。より具体的には、トルクセンサ7は、トルク伝達軸2の径方向内側で、入力歯車3と出力歯車4との間に挟まれた軸方向位置に配置されている。また、トルクセンサ7は、内軸6の軸方向他端部に外嵌支持されており、その検出部を、トルク伝達軸2の被検出部、すなわち、トルク伝達軸2のうちで入力歯車3と出力歯車4との間に挟まれた軸方向中間部の内周面に近接対向させている。また、トルクセンサ7は、ブリッジ回路を構成する複数のコイルを備えた磁歪式のものであり、トルク伝達軸2が伝達するトルクを、トルク伝達軸2に生じる逆磁歪効果を利用して測定する。すなわち、トルク伝達軸2の被検出部の透磁率は、トルク伝達軸2が伝達するトルクに応じて、すなわち、トルク伝達軸2に生じる逆磁歪効果に基づいて変化する。トルクセンサ7は、このような被検出部の透磁率の変化を、前記複数のコイルを流れる電流の変化として検出することにより、前記トルクを測定する。このため、トルク伝達軸2は、被検出部を含む一部又は全部が、磁歪特性を有する材料により造られている。
上述のような構成を有する本例のトルク伝達装置では、トルク伝達軸2が伝達するトルクを、トルクセンサ7により測定することができる。このため、このトルクの測定結果を利用して、自動変速機の変速制御やエンジンの出力制御などを行うことができる。
また、本例では、トルク伝達軸2を中空円筒状に構成すると共に、トルクセンサ7をトルク伝達軸2の径方向内側に配置している。このため、トルク伝達軸2の周囲に歯車などの多くの部品が密集している状況に拘わらず、トルクセンサ7の配置を容易に行うことができる。また、トルク伝達軸2の周囲にトルクセンサを配置する場合に比べて、トルク伝達装置を小型に構成することができる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図2を用いて説明する。
本例では、トルク伝達軸2は、鋼などの磁歪特性を有する材料により造られている。また、トルク伝達軸2のうちで入力歯車3と出力歯車4との間に挟まれた部分の内周面の表層部、すなわち、トルク伝達軸2の内周面のうちでトルクセンサ7と対向する部分の表層部(図2に斜格子を付して示した部分)は、ショットピーニング処理により磁歪特性が改善された改質層8になっている。
本例では、トルク伝達軸2の内周面のうちでトルクセンサ7と対向する部分の表層部が上述のような改質層8になっているため、トルクセンサ7によるトルク測定の感度およびヒステリシスを改善することができる。
その他の構成および作用は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図3を用いて説明する。
本例では、内軸6aが円管状に構成されている。このため、この内軸6aを配油管として機能させることができる。
その他の構成および作用は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
実施の形態の第4例について、図4を用いて説明する。
本例では、トルク伝達軸2のうちで入力歯車3と出力歯車4との間に挟まれた部分の外周面、より具体的には、トルク伝達軸2のうちでトルクセンサ7と径方向に重畳する部分の外周面に、全周に亙る周方向溝10が存在している。この周方向溝10が存在する軸方向位置では、トルク伝達軸2の剛性が低くなるため、トルク伝達時に内周面に作用する応力を大きくすることができる。この結果、磁歪式のトルクセンサ7によるトルク測定の感度を向上させることができる。
また、本例では、内軸6のうちでトルクセンサ7を支持した部分を挟んだ軸方向両側部が、トルク伝達軸2に対して1対の転がり軸受9a、9bにより回転可能に支持されている。このため、トルク伝達軸2と内軸6との平行度を安定的に保持することができ、延いては、トルク伝達軸2とトルクセンサ7との径方向に関する互いの位置関係を安定的に保持することができる。この結果、トルクセンサ7によるトルク測定の信頼性を長期間保持することができる。
その他の構成および作用は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
本発明は、上述した各実施の形態の構成を、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
また、本発明を実施する場合には、トルクセンサとして、検出部にホール素子などの磁気検出素子を組み込んだ磁気センサを用いることもできる。この場合には、トルク伝達軸の被検出部を磁化しておき、トルク伝達軸が伝達するトルクに応じて、すなわち、トルク伝達軸に生じる逆磁歪効果に基づいて、被検出部の外部に発生する磁束を変化させる。そして、この磁束の変化を磁気センサにより検出することに基づいて、トルクを測定する。
また、本発明を実施する場合には、トルク伝達軸のうちで、トルクセンサを対向させる被検出部およびその周辺の部分を、他の部分と別体に造ることもできる。このような構成を採用すれば、これらの部分同士を結合する前に、被検出部の表層部に改質層を形成するためのショットピーニング処理を容易に行うことができる。
本発明のトルク伝達装置を自動車のパワートレインに組み込んで使用する場合、対象となる装置は、特に問わない。たとえば、マニュアルトランスミッション(MT)、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式無段変速機、トロイダル型無段変速機、オートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)などの車側の制御で変速を行うトランスミッション、またはトランスファーを対象とすることができる。また、対象となる車両の駆動方式(FF、FR、MR、RR、4WDなど)も、特に問わない。
また、本発明のトルク伝達装置は、自動車のパワートレインに限らず、たとえば、風車、圧延機、鉄道車両、工作機械、建設機械、農業機械、家庭用電気器具、モータなど、各種機械装置に組み込んで使用することができる。
1 ハウジング
2 トルク伝達軸
3 入力歯車
4 出力歯車
5a、5b 転がり軸受
6、6a 内軸
7 トルクセンサ
8 改質層
9a、9b 転がり軸受
10 周方向溝

Claims (4)

  1. 軸方向に離隔したトルク入力部とトルク出力部とを有し、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間でトルクを伝達する筒状のトルク伝達軸と、
    前記トルク伝達軸の径方向内側に、前記トルク伝達軸との相対回転を可能に配置された内軸と、
    前記トルク伝達軸の径方向内側で、かつ、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた軸方向位置に配置されると共に、前記内軸に支持され、前記トルク伝達軸に生じる逆磁歪効果を利用して、前記トルク伝達軸により伝達しているトルクを測定するためのトルクセンサと、を備えた
    トルク伝達装置。
  2. 前記トルク伝達軸のうちで、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた部分の内周面の表層部が、ショットピーニング処理により磁歪特性が改善された改質層になっている、
    請求項1に記載のトルク伝達装置。
  3. 前記内軸のうちで前記トルクセンサを支持した部分を挟んだ軸方向両側部のそれぞれが、前記トルク伝達軸に対して軸受により回転可能に支持されている、
    請求項1または2に記載のトルク伝達装置。
  4. 前記トルク伝達軸のうちで、前記トルク入力部と前記トルク出力部との間に挟まれた部分の外周面に、周方向溝が存在する、
    請求項1〜3のうちの何れか1項に記載のトルク伝達装置。
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