JPWO2006041184A1 - 転がり、摺動部材、これを用いたトロイダル型無段変速機および転がり、摺動部材の製造方法 - Google Patents

転がり、摺動部材、これを用いたトロイダル型無段変速機および転がり、摺動部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

転がり、摺動部材は、C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により形成される。球状炭化物の平均粒径を0.6μm以下、球状炭化物の量を面積率で6.0%以下とする。転がり、摺動部材を、トロイダル型無段変速機における側面に凹状軌道面を有するディスク4、9、およびディスク4、9の軌道面4b、9b上を転動するローラ16のうちの少なくともいずれか1つに用いる。この発明の転がり、摺動部材を用いたトロイダル型無段変速機によれば、長寿命化を図ることができる。

Description

この発明は、転がり、摺動部材、これを用いたトロイダル型無段変速機および転がり、摺動部材の製造方法に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、転がり、摺動部品とは、純然たる転がり接触、純然たるすべり接触、および転がり接触とすべり接触とが混在した接触を行う部品をいうものとする。
車両、たとえば自動車に用いられるトロイダル型無段変速機として、フルトロイダル型やハーフトロイダル型が知られているが、これらトロイダル型無段変速機において、トルク伝達部材である転がり、摺動部材としての入出力ディスクとローラとの接触部は高温(100℃以上)かつ高面圧(数千MPa以上、たとえば最大接触面圧で4000MPa以上)にさらされ、また入出力ディスクの軌道面は、例えば3個のローラが配置されているときは3点から大きな垂直応力が繰り返し作用するとともに、動力伝達の際に油膜のせん断応力に相当する大きなせん断応力が繰り返し作用する。一方、ローラの外周面には大きな垂直応力と大きなせん断応力が繰り返し作用する。よって、入出力ディスクの軌道面やローラの外周面は、表面に垂直応力のみが主に作用する通常の転がり軸受の転動面などと比較すると、特有の過酷な接触条件といえる。このような過酷な接触条件では、一般的な転がり疲労組織である 黒色組織(Dark Etching Area)の他に白色組織(White Etching Area)が発生し、短寿命になることが判明した。白色組織は、応力誘起変態により表層部の残留オーステナイトがマルテンサイトへ変態することにより発生すると考えられる。
このため、上述したような組織変化に伴う剥離などの表面損傷が発生しない高い疲労強度が要求される。
このような要求を満たすべく、トロイダル型無段変速機のローラや各ディスクの表面の残留圧縮応力を1000MPa以上、微小硬度をHv750以上、残留オーステナイト量を10%以下とする技術が提案されている(例えば、特許文献1、請求項1参照)。ところが、特許文献1記載のローラやディスクは、所定形状に形成された加工済み素材に、浸炭または浸炭窒化処理を施し、その後ショットピーニングを施すことにより製造されている(特許文献1、請求項2参照)。そのため、製造コストが高くなるという問題がある。
特開2002−188702号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、長寿命化を図ることができるとともに、安価に製造することができる転がり、摺動部材、これを用いたトロイダル型無段変速機および転がり、摺動部材の製造方法を提供することにある。
この発明による転がり、摺動部材は、C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により形成され、球状炭化物の平均粒径が0.6μm以下、球状炭化物の量が面積率で6.0%以下となされているものである。
この発明の転がり、摺動部材において、用いられる鋼中の各元素含有量、球状炭化物の平均粒径および量の限定理由は次の通りである。
C含有量
Cは、基地に固溶してマルテンサイトを強化し、焼戻し後の硬度を確保するとともに転動疲労寿命特性を向上させる効果を有するが、0.9wt%未満であるとこのような効果が得られず、1.1wt%を越えると巨大炭化物が生成して転動疲労寿命特性が低下する。C含有量は0.95〜1.05wt%であることが好ましい。
Si含有量
Siは、マルテンサイト組織中の微細炭化物の析出を抑制し、転がり疲労に伴うマルテンサイトの強度低下を抑制する効果を有するが、0.5wt%未満であると強度低下抑制効果が少なく、3wt%を越えると靭性が低下して転がり疲労寿命が低下する。Si含有量は1.0〜2.0wt%であることが好ましい。
Mn含有量
Mnは、鋼の焼入性を向上させることにより基地マルテンサイトの靭性を高め、硬度および転動疲労寿命特性を向上させる効果を有するが、0.05wt%未満であるとこのような効果が得られず、0.5wt%を越えると被削性が著しく低下する。Mn含有量は0.3〜0.48wt%であることが好ましい。
Cr含有量
Crは、炭化物形成を促進するとともに、マルテンサイト変態が完了するMf点を下げることにより残留オーステナイト相を増加(安定化)させる効果を有するが、2.0wt%未満であると炭化物の析出量が少なくなり、5.0wt%を越えると炭化物の析出量が多くなりすぎて熱処理後の硬度が低くなり、転がり疲労寿命が低下する。Cr含有量は2.0〜3.5wt%であることが好ましい。
Mo含有量
Moは、基地に固溶して焼戻し後の硬度を確保するとともに転動疲労寿命特性を向上させる効果を有するが、0.05wt%未満であるとこのような効果が得られず、0.5wt%を越えると上記効果が飽和状態になるとともに、コストが高くなる。Mo含有量は0.2〜0.45wt%であることが好ましい。
球状炭化物の平均粒径
球状炭化物の平均粒径が0.6μmを越えると、転がり接触時の応力集中源として働くので、0.6μm以下とする。なお、球状炭化物の平均粒径の下限は、0.2μmであることが好ましい。これよりも小さいと、耐摩耗性が低下するおそれがあるからである。球状炭化物の平均粒径は0.4〜0.6μmであることが好ましい。
球状炭化物の面積率
球状炭化物の面積率が6%を越えると、マルテンサイト中の固溶炭素量が低下してマルテンサイトの硬度が低下し、その結果転がり疲労寿命が低下するので、6%以下とする。なお、球状炭化物の面積率の下限は、0.3%であることが好ましい。これよりも少ないと、マトリクス中の固溶炭素濃度が高くなり、転がり寿命が低下するおそれがあるからである。球状炭化物の面積率は4〜6%であることが好ましい。
この発明による転がり、摺動部材において、残留オーステナイト量が10〜25%であることが好ましい。残留オーステナイトは、転がり接触時の応力集中を緩和し、転がり疲労寿命を向上させる効果を有するが、残留オーステナイト量が10%未満であると応力集中の緩和効果が少なくなる。一方、残留オーステナイトは準安定組織であるため、長年の使用期間における寸法変化の原因になることから、残留オーステナイト量の上限を25%にすることが好ましい。残留オーステナイト量は、11〜21%であることが望ましい。
この発明によるトロイダル型無段変速機は、側面に凹状軌道面を有するディスク状動力伝達部材と、ディスク状動力伝達部材の軌道面上を転動するローラ状動力伝達部材とを備えたトロイダル型無段変速機であって、両動力伝達部材のうちの少なくともいずれか1つが、上述したこの発明による転がり、摺動部品からなるものである。
この発明による転がり、摺動部材の製造方法は、C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により所定の形状に形成された加工済み素材に、850〜950℃に加熱して急冷する焼入処理を施した後250〜350℃に加熱する焼戻し処理を施し、これにより球状炭化物の平均粒径を0.6μm以下、球状炭化物の量を面積率で6.0%以下とするものである。
焼入処理時の加熱温度を850〜950℃、焼戻し処理時の加熱温度を250〜350℃に限定したのは、C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼から形成された素材に、上記温度範囲で焼入処理および焼戻し処理を施すことにより、球状炭化物の平均粒径を0.6μm以下、球状炭化物の量を面積率で6.0%以下とすることができるからである。なお、焼入処理時の加熱温度は860〜940℃であることが好ましく、焼戻し処理時の加熱温度は260〜300℃であることが好ましい。
この発明の転がり、摺動部材によれば、長時間使用したとしても、白色組織の発生を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。しかも、浸炭または浸炭窒化や、ショットピーニングを施すことなく、焼入処理および焼戻し処理を施すだけで製造することが可能になり、製造コストが安価になる。
この発明のトロイダル型無段変速機によれば、ディスク状動力伝達部材およびローラ状動力伝達部材の長寿命化を図ることができる。
この発明の転がり、摺動部材の製造方法によれば、製造コストが安価になる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1はこの発明による転がり、摺動部材をディスク状動力伝達部材およびローラ状動力伝達部材に用いたトロイダル型無段変速機としてのフルトロイダル型無段変速機のバリエータの部分を示す。
図1において、トロイダル型無段変速機のバリエータ(1)には、自動車の動力源(2)により回転駆動される入力軸(3)が設けられており、入力軸(3)の軸方向両端部にはそれぞれ入力側の動力伝達部材としての入力ディスク(4)(ディスク状動力伝達部材)が嵌め被せられている。
各入力ディスク(4)の中心部にはスプライン穴(4a)が形成され、各入力ディスク(4)の軸方向内側面、すなわち他の入力ディスク(4)を向いた側面には、円環状の凹状軌道面(4b)が入力軸(3)と同心状に形成されている。そして、入力軸(3)に形成されたスプライン軸部(3a)が入力ディスク(4)のスプライン穴(4a)内に挿入されることにより、入力ディスク(4)が入力軸(3)と一体に回転するとともに、入力軸(3)の長さ方向に若干移動しうるようになっている。入力軸(3)における入力ディスク(4)よりも軸方向外側に係止リング(5)が固定されており、これにより両入力ディスク(4)の互いに離反する方向への移動が阻止されている。
入力軸(3)における両入力ディスク(4)間の部分の外周に、筒状の出力軸(8)が、入力軸(3)に対して同心状にかつ相対回転可能に嵌め被せられている。出力軸(8)の両端と入力ディスク(4)との間には所定の間隔があけられている。出力軸(8)の軸方向両端部にはそれぞれ動力伝達部材としての出力ディスク(9)(ディスク状動力伝達部材)が嵌め被せられている。
各出力ディスク(9)の中心部にはスプライン穴(9a)が形成され、各出力ディスク(9)の軸方向外側面、すなわち入力ディスク(4)を向いた側面には、円環状の凹状軌道面(9b)が入力軸(3)および出力軸(8)と同心状に形成されている。そして、出力軸(8)に形成されたスプライン軸部(8a)が出力ディスク(9)のスプライン穴(9a)内に挿入されることにより、出力軸(8)が出力ディスク(9)と一体に回転するとともに、出力ディスク(9)が出力軸(8)の長さ方向に若干移動しうるようになっている。また、出力軸(8)における両出力ディスク(9)よりも軸方向内側の部分にはそれぞれ有歯ベルト車(8b)が一体に形成されており、有歯ベルト車(8b)に巻掛けられた有歯ベルト(11)を介して、図示しない従動側に動力が伝達されるようになっている。
各出力ディスク(9)における軌道面(9b)とは反対の側面側には、隙間(12)を介してバックアップ板(13)が配置されている。隙間(12)はケーシング(14)および図示しないシール手段により密封されており、隙間(12)に対して油圧源(15)から油圧を供給することによっって出力ディスク(9)を対向する入力ディスク(4)側へ付勢し、これにより所定の端末負荷が加えられるようになっている。
互いに対向する入力ディスク(4)の軌道面(4b)と出力ディスク(9)の軌道面(9b)との間の部分はそれぞれトロイド状隙間として構成されており、各トロイド状隙間に、両軌道面(4b)(9b)と転動接触する複数、ここでは3つの動力伝達部材としてのローラ(16)(ローラ状動力伝達部材)が円周方向に等間隔をおいて配置されている。各ローラ(16)は、キャリッジ(17)によって回転自在に支持されており、各ローラ(16)の両軌道面(4b)(9b)に対する接触位置がキャリッジ(17)の傾動によって変更されるようになっている。
上記バリエータ(1)においては、油圧源(15)により出力ディスク(9)を入力ディスク(4)側に付勢すると、トロイド状隙間内の各ローラ(16)が両ディスク(4)(9)の軌道面(4b)(9b)に対して高荷重で転がり接触をし、ローラ(16)を介して両ディスク(4)(9)が連結されることによって、入力軸(3)から出力軸(8)へのトルク伝達が行われる。この際、各ローラ(16)の両ディスク(4)(9)の軌道面(4b)(9b)に対する接触位置をキャリッジ(16)の傾動により変更することによって、出力ディスク(9)の回転数を増減することが可能となり、その結果変速比が可変となる。
上記構成のフルトロイダル型無段変速機において、一方の入力ディスク(4)、この入力ディスク(4)の軌道面(4b)に対向する軌道面(9b)を有する出力ディスク(9)、および両ディスク(4)(9)の軌道面(4b)(9b)に転がり接触するローラ(16)のうち互いに接触する2つの部材のうちの少なくともいずれか一方、すなわち両ディスク(4)(9)およびローラ(16)、両ディスク(4)(9)のみ、またはローラ(16)のみが、C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により形成され、球状炭化物の平均粒径が0.6μm以下、球状炭化物の量が面積率で6.0%以下となされている。
上記実施形態においては、この発明による転がり、摺動部材を用いたフルトロイダル型無段変速機を例示したが、この発明による転がり、摺動部材をハーフトロイダル型無段変速機にも適用可能であることはもちろんである。特に、ディスクとローラとの接触部のスピン成分が大きいフルトロイダル型無段変速機において、本発明の効果は大きくなる。
また、この発明による転がり、摺動部材は、その他転がり軸受、一方向クラッチなどの各種転がり、摺動部材にも適用可能である。特に、振動衝撃の大きい用途、たとえばオルタネータ用転がり軸受の転動体や軌道輪に好適に用いられる。
以下、図2を参照して、この発明の具体的実施例を比較例とともに説明する。
実施例1〜3および比較例1〜3
表1に示す組成を有する6種類の鋼を用いて直径58mm、厚み8mmの円板状被検ローラ(20)および円板状ディスク(22)を次の方法により製造した。すなわち、上記鋼に旋削加工を施して所定の形状に形成した後、表1に示す温度で45分間加熱した後急冷する焼入処理と、表1に示す温度で120分間加熱する焼戻し処理を施し、さらに研磨することによって、被検ローラ(20)および円板状ディスク(22)を製造した。
Figure 2006041184
また、実施例1の組成を有する鋼を用いて直径58mm、厚み8mmの円板状ダミーローラ(21)を次の方法により製造した。すなわち、上記鋼に旋削加工を施して所定の形状に形成した後、850℃で45分間加熱した後急冷する焼入処理と、260℃で120分間加熱する焼戻し処理を施し、さらに研磨することによって、ダミーローラ(21)を製造した。
そして、被検ローラ(20)外周面の転動面の表層部における球状炭化物の平均粒径および量(面積率)と、残留オーステナイト量とを測定した。これらの測定位置は、後述する運転時の最大接触面圧から計算したせん断応力が最大になる深さである。
ついで、図2に示すように、両ローラ(20)(21)およびディスク(22)の中心にそれぞれ回転軸(20a)(21a)(22a)を固定し、両ローラ(20)(21)の回転軸(20a)(21a)が水平でかつ互いに平行になるとともに、ディスク(22)の回転軸(22a)が垂直になり、さらに両ローラ(20)(21)の転動面(外周面)が、ディスク(22)両側面の軌道面における径方向および周方向の同一位置に転がり接触するように配置した。両ローラ(20)(21)は、1つのモータ(23)により、変速機(24)を介して異なる回転数で回転させられるようになっており、被検ローラ(20)がディスク(22)の軌道面に対してスリップする。
ついで、清浄な潤滑油を使用し、表2に示す運転条件で、被検ローラ(20)の転動面に剥離が生じるまで両ローラ(20)(21)を回転させた。
Figure 2006041184
運転終了後、被検ローラ(20)外周面の転動面の表層部における球状炭化物の平均粒径および量(面積率)と、残留オーステナイト量とを、上述した測定位置で測定した。
ついで、球状炭化物の平均粒径変化指数X、球状炭化物の面積率変化指数Yおよび残留オーステナイトの応力誘起変態指数Zを、次式(i)〜(iii)により求めた。
平均粒径変化指数X=(A0−Aa)/(Na−N0) …(i)
面積率変化指数Y=(B0−Ba)/(Na−N0) …(ii)
応力誘起変態指数Z=(γ0−γa)/(Na−N0) …(iii)
ここで、A0:運転開始前の平均粒径、Aa:運転終了後の平均粒径、B0:運転開始前の面積率、Ba:運転終了後の面積率、γ0:運転開始前の残留オーステナイト量、γa:運転終了後の残留オーステナイト量、Na:剥離発生時の応力繰り返し数、N0:10(残留オーステナイト量が低下し始める応力繰り返し数)である。
これらの結果を表3および図3〜図5に示す。
Figure 2006041184
表3および図3〜図5に示す結果から、実施例1〜3の被検ローラ(20)においては、剥離発生までの応力繰り返し数が、比較例1〜3の被検ローラ(20)に比べて著しくなっており、その結果この発明による転がり、摺動部材の寿命が長くなることが分かる。また、運転終了後の被検ローラ(20)の転動面を観察したところ、実施例1〜3の被検ローラ(20)には白色組織は発生していなかった。一方、比較例1〜3の被検ローラ(20)の剥離は白色組織剥離であった。
また、上述した試験を行って平均粒径変化指数Xが0〜0.005、面積率変化指数Yが0〜0.01、応力誘起変態指数Zが0.2以下の場合に、その鋼からなる転がり、摺動部材が長寿命になるということを評価することができる。
この発明による転がり、摺動部材は、たとえばトロイダル型無段変速機のローラや各ディスクとして好適に使用される。
フルトロイダル型無段変速機のバリエータの部分を示す概略縦断面図である。 実施例1〜3および比較例1〜3を評価するために行った試験の被検ローラ、ダミーローラおよびディスクの配置を示す概略図である。 球状炭化物平均粒径変化指数と応力繰り返し数との関係を示すグラフである。 球状炭化物面積率変化指数と応力繰り返し数との関係を示すグラフである。 残留オーステナイトの応力誘起変態指数と応力繰り返し数との関係を示すグラフである。
符号の説明
(4):入力ディスク(ディスク状動力伝達部材)
(4b):軌道面
(9):出力ディスク(ディスク状動力伝達部材)
(9b):軌道面
(16):ローラ(ローラ状動力伝達部材)

Claims (3)

  1. C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により形成され、球状炭化物の平均粒径が0.6μm以下、球状炭化物の量が面積率で6.0%以下となされている転がり、摺動部材。
  2. 側面に凹状軌道面を有するディスク状動力伝達部材と、ディスク状動力伝達部材の軌道面上を転動するローラ状動力伝達部材とを備えたトロイダル型無段変速機であって、両動力伝達部材のうちの少なくともいずれか1つが、請求項1記載の転がり、摺動部品からなるトロイダル型無段変速機。
  3. C:0.9〜1.1wt%、Si:0.5〜3.0wt%、Mn:0.05〜0.5wt%、Cr:2.0〜5.0wt%、Mo:0.05〜0.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼により所定の形状に形成された加工済み素材に、850〜950℃に加熱して急冷する焼入処理を施した後250〜350℃に加熱する焼戻し処理を施し、これにより球状炭化物の平均粒径を0.6μm以下、球状炭化物の量を面積率で6.0%以下とする転がり、摺動部材の製造方法。
JP2006540998A 2004-10-15 2005-10-17 転がり、摺動部材、これを用いたトロイダル型無段変速機および転がり、摺動部材の製造方法 Withdrawn JPWO2006041184A1 (ja)

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