(本開示の基礎となった知見)
上述した従来の構成では、顧客に、食品選択機への入力、および、レジ精算をさせるという二度手間が発生する。また、この構成では、顧客一人あたりの、店員の作業時間(精算、加熱)が短縮されず、顧客のレジ待ち時間が短縮されないという課題を有している。
店員の作業時間を短縮する対策として、電子レンジでの加熱をセルフ化し、レジ精算後の商品を、顧客自身が、店内に配置された電子レンジにて加熱する方法が検討されている。
電子レンジでの加熱をセルフ化する方法、および、電子レンジにて課金する方法が導入された店舗において、加熱対象の商品、および、加熱しない商品を購入する場合には、例えば以下の購入方法が想定される。
購入方法1:顧客は、全ての商品をレジで精算した後、加熱対象の商品を電子レンジで加熱する。
購入方法2:顧客は、加熱しない商品をレジで精算した後、加熱対象の商品を電子レンジで加熱および課金する。
上記したような、電子レンジでの加熱をセルフ化する方法が導入された店舗では、顧客が、未課金の商品を電子レンジに投入し、電子レンジから取り出す可能性がある。このとき、その商品が課金済みか否かの判別がつかないと、未精算商品を、顧客が所有して店を出てしまう可能性もある。
さらに、電子レンジでの加熱をセルフ化する方法、および、電子レンジで課金する方法が導入された店舗では、課金済みの商品が電子レンジに投入される可能性がある。この場合にも、その商品が課金済みか否かの判別がつかないと、重複課金が行われてしまう可能性がある。
本開示の一態様の加熱調理器は、加熱庫と、加熱庫内に置かれた商品の課金処理を行う課金処理部と、商品が購入済みか否かを判定する購入判定部と、を備える。課金処理部は、購入判定部により、商品が購入済みでないと判定された場合には課金処理を行い、購入判定部により、商品が購入済みであると判定された場合には課金処理を行わない。
本態様によれば、商品が課金済みか否かを判定して課金を行うので、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、加熱調理器は、外部機器と通信を行う通信部をさらに備えてもよい。課金処理部は、商品の課金処理を行った際に、課金処理に対応する購入履歴情報を、通信部を用いて外部機器に送信する。購入判定部は、通信部を用いて外部機器から取得された購入履歴情報に基づいて、商品が購入済みか否かを判定してもよい。
本態様によれば、さらに、外部機器に保存された購入履歴に基づいて、商品が課金済みか否かを判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、加熱調理器は、顧客を識別する顧客識別部と、加熱庫内に置かれた商品の品目を識別する商品識別部と、をさらに備えてもよい。課金処理部は、商品の課金処理を行った際に、顧客識別部で識別された顧客情報とともに、課金処理に対応する購入履歴情報を、通信部を用いて外部機器に送信し、購入判定部は、通信部を用いて外部機器から取得された、顧客の購入履歴情報に基づいて、商品が購入済みか否かを判定してもよい。
本態様によれば、さらに、顧客ごとの商品購入履歴に基づき、商品が課金済みか否かを判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、顧客識別部は、顧客識別カードを読込むことにより顧客を識別し、商品識別部は、商品の画像、および、商品に付与されたバーコード情報のうち、少なくともいずれかを解析して、商品の品目を識別してもよい。
本態様によれば、さらに、顧客ごとの商品購入履歴に基づき商品が課金済みか否かを判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、購入判定部は、商品の品目に加えて、商品を個別に区別する情報を参照して、商品が購入済みか否かを判定してもよい。
本態様によれば、さらに、同一品目の商品が複数存在する場合であっても、個々の商品が課金済みか否かを個別判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、購入判定部は、商品を個別に区別する情報として、商品に予め付与されたシリアル番号を用いてもよい。
本態様によれば、さらに、同一品目の商品が複数存在する場合であっても個々の商品が課金済みか否かを個別判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、購入判定部は、商品を個別に区別する情報として、商品の購入時に、商品に付与された画像情報を用いてもよい。
本態様によれば、さらに、同一品目の商品が複数存在する場合であっても、個々の商品が課金済みか否かを個別判定することができる。これにより、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、加熱調理器は、情報を表示する表示部をさらに備えてもよい。購入判定部は、商品が購入されていないと判定した場合に、表示部に、課金処理を行うメッセージが表示させてもよい。
本態様によれば、さらに、顧客は商品が未購入であることを判別できる。これにより、未課金商品の取り出しを防ぐことができる。
上記態様において、購入判定部は、商品が購入されていないと判定した場合に、表示部に、課金処理を実施することを促す表示、例えば警告が表示されてもよい。
本態様によれば、さらに、顧客は商品が未購入であることを判別できる。これにより、未課金商品の取り出しを防ぐことができる。
上記態様において、購入判定部は、商品の品目に加えて、商品が購入された時刻を参照し、商品が購入済みか否かを判定してもよい。
本態様によれば、さらに、個々の商品が購入済みか否かを判定する際の精度を高めることが可能となる。
上記態様において、加熱調理器は、加熱庫内に置かれた商品を加熱する加熱部と、加熱部を制御する加熱制御部と、情報を表示する表示部と、をさらに備えてもよい。商品識別部は、加熱庫内に置かれた商品の加熱制御情報を読取り、購入判定部が、商品が購入されていないと判定した場合に、課金処理部は、商品の課金処理を行い、加熱制御部は、加熱制御情報に基づき商品を加熱してもよい。購入判定部が、商品が購入済みであると判定した場合に、加熱制御情報に基づく加熱を行うか、または、加熱制御情報を設定して加熱するかを、顧客に選択させるメッセージが表示部に表示されてもよい。
本態様によれば、さらに、購入判定結果が未購入の場合と購入の場合とで、商品の加熱方法を異ならせることが可能となる。
本開示の別の態様に係る加熱調理器は、加熱庫と、加熱庫内に置かれた商品を加熱する加熱部と、加熱部を制御する加熱制御部と、商品が購入済みか否かを判定する購入判定部と、を備える。加熱制御部は、購入判定部が、商品が購入されていないと判定した場合に、加熱部による加熱を行わない。
本態様によれば、店舗内のレジ、または、オフィスの購買システム等で事前に課金を行う構成の場合に、未課金の商品は加熱せず、課金済みの商品のみを加熱することができる。
上記態様において、店舗システムは、上述した加熱調理器と、商品を課金するレジと、加熱調理器およびレジで行われた課金処理に関する、購入履歴情報を格納する外部機器であるサーバ装置と、を備えてもよい。
本態様によれば、さらに、商品が課金済みか否かを判定することができる。よって、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、店舗システムは、上述した加熱調理器と、商品を課金するレジと、を備えてもよい。商品に、商品の購入時に付与される画像情報は、商品がレジにて課金された場合には、商品に付与された画像情報であり、商品が加熱調理器で課金された場合には、加熱調理器が課金と連動して発行した画像情報であってもよい。
本態様によれば、さらに、同一品目の商品が複数存在する場合であっても、個々の商品が課金済みか否かを個別判定することができる。よって、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
本開示の一態様に係る加熱調理器の制御方法は、加熱庫内に置かれた商品の課金処理を行う加熱調理器の制御方法であって、商品が購入済みか否かを判定するステップと、商品が購入済みであると判定された場合には課金処理を行わず、商品が購入済みでないと判定された場合には、課金処理を行うステップと、を含む。
本態様によれば、商品が課金済みか否かを判定することができる。よって、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
上記態様において、さらに、加熱調理器は、加熱庫と、加熱庫内に置かれた商品の課金処理を行う課金処理部と、商品が購入済みか否かを外部機器に問い合わせる問合部と、商品が購入済みか否かの結果を外部機器から取得する取得部と、を備えていてもよい。そして、課金処理部は、結果が、商品が購入済みでないことを示す場合には課金処理を行い、結果が、商品が購入済みであることを示す場合には課金処理を行わない。
本態様によれば、未課金商品の取り出し、および、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。さらに、外部機器によって商品が購入済みか否かが判断されるので、加熱調理器側の回路、プログラム等を小さく、軽くすることができる。
以下、適宜、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略される場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、および、実質的に同一の構成に対する重複説明は省略される場合がある。これは、説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより、請求の範囲に記載された主題を限定することは意図されていない。
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の第1の実施の形態における、加熱調理器の一例である電子レンジ100の外観を示す斜視図である。
図1において、電子レンジ100は、筐体102と、筐体102に開閉可能に軸支されたドア103と、加熱庫301とを有している。
ドア103は、顧客が筐体102の内部を見ることを可能とするために、透明のガラス窓104を有している。さらに、ドア103は、顧客がドア103を掴みやすいようにするために、取手105を有している。
ドア103の隣には、操作表示部106が配置されている。操作表示部106は、液晶表示器107、時間設定ボタン群108、加熱開始ボタン109、取消ボタン110および一時停止ボタン111を有している。
図2は、本開示の第1の実施の形態における、電子レンジ100、および、電子レンジ100が設置された店舗システム280の構成を示す図である。
図2において、店舗システム280には、電子レンジ100が設置されている。店舗システム280には、さらに、店員が商品の精算を行うレジ270が設置されている。
履歴管理サーバ290(外部機器の一例)は、ネットワークを介して、電子レンジ100およびレジ270に接続されている。履歴管理サーバ290には、顧客が購入した商品の購入履歴情報が格納されている。履歴管理サーバ290は、電子レンジ100およびレジ270で行われた課金処理の情報を格納する。
本実施の形態では、履歴管理サーバ290が店舗システム280の外部に設置された形態について説明する。しかしながら、本開示はこの例に限定されず、履歴管理サーバ290が店舗システム280の内部に設置されてもよい。さらに、履歴管理サーバ290が有する、履歴情報を管理する機能が、電子レンジ100内部に設けられる構成であってもよい。
電子レンジ100は、店舗システム280内に設置され、店舗内の商品を対象として、投入された商品の加熱および課金を行う。電子レンジ100および店舗内のレジ270の少なくともいずれかにおいて、店舗内の商品の精算を行うことができる。
本実施の形態においては、電子レンジ100が店舗内に設置された例を説明する。しかしながら、電子レンジ100の設置場所は店舗内に限定されない。例えば、電子レンジ100が、オフィス内に設置され、オフィスの社員用に販売される商品の加熱および課金を行う構成としても、実施可能である。
なお、本実施の形態においては、電子レンジ100が課金機能を有する形態を説明する。しかしながら、電子レンジ100が課金機能を有さず、店舗内のレジ270、または、オフィスの購買システムもしくは社内システムで、加熱前に課金が行われる構成としてもよい。商品が購入済み(課金済み)の場合に、電子レンジ100は加熱を行い、商品が購入されていない場合には、電子レンジ100は加熱を行わない。そして、商品が購入されていない場合に、電子レンジ100は、商品が未購入であることを示すメッセージ、および、購入を促すメッセージのうち、少なくともいずれかを表示する構成であってもよい。
これにより、商品の温め手段を有するセルフレンジにおいて、未課金の商品は加熱せず、課金済みの商品のみを加熱する構成を実現することができる。
電子レンジ100は、課金処理部210、商品識別部220、顧客識別部230、表示部240、表示制御部241、マグネトロン250、加熱制御部251、通信部260および購入判定部211を備える。
商品識別部220は、加熱庫内に投入された商品の品目を識別する。商品識別部220は、さらに、電子レンジ100の加熱庫内に投入された個々の商品を識別する機能を有する。
商品識別部220は、カメラ221(撮影部の一例)、画像解析部222、および、個商品区別情報解析部223を備える。カメラ221は、加熱庫内を撮影して、画像を取得する。カメラ221は、レンズ等の光学部材と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサとを有する。
画像解析部222は、カメラ221で撮影された画像中の、商品の画像およびバーコード情報のうち、少なくともいずれかを解析して、商品品目を識別する。
図3Aは、本開示の第1の実施の形態において、商品に添付された商品情報300の一例を示す図である。
画像解析部222は、カメラ221で撮影された商品の画像から、商品に添付された商品情報を特定し、例えば、図3Aに示される商品情報300を抽出する。
商品情報300は、商品品目310、加熱制御情報320、商品価格330およびバーコード340等を含む。画像解析部222は、商品品目310を示す文字を解析する処理、および、バーコード340を解析する処理のうち、少なくともいずれかの処理を行うことにより、商品品目を識別する。
画像解析部222は、商品価格330を示す文字を解析する処理、および、バーコード340を解析する処理のうち、少なくともいずれかの処理を行うことにより、商品の価格を識別する。画像解析部222は、加熱制御情報320を読み取り、加熱制御部251に加熱制御情報を引き渡して、加熱制御部251が加熱部の一例であるマグネトロン250に対して加熱指示を行う。
なお、本実施の形態では、加熱庫301内をカメラ221で撮影し、その画像情報に基づいて、商品の品目を識別する例について説明する。しかしながら、本開示はこの例に限定されず、例えば、電子レンジ100にバーコードリーダを設け、バーコードリーダに、商品に添付された商品情報のうち、バーコード340に該当する部分を読み込ませることにより、商品の品目が識別されてもよい。商品識別部220が用いる識別方法は、加熱対象となる商品の品目を識別できる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。
個商品区別情報解析部223は、カメラ221で撮影された画像を解析し、後述する個商品区別情報を取得する。個商品区別情報は、個々の商品を区別するための情報である。同一品目の商品であっても、異なる商品であれば、互いの個商品区別情報は異なる。
図3Bは、本開示の第1の実施の形態において、商品に付与された、個商品区別情報の一例を示す図である。
個商品区別情報は、例えば、商品に予め付与されたシリアル番号350、および、購入時に付与される購入済みスタンプ360のうち、少なくともいずれかを含む情報である。
顧客識別部230は、商品の購入および加熱を行う顧客を識別する。顧客識別部230は、カード読取部231およびカード識別部232を有する。
カード読取部231は、顧客が保持するIDカード(顧客識別カードの一例)をかざす、または、顧客がIDカードを通すことにより、カードに記録された情報(カード情報とも記載)を読取る。カード読取部231は、磁気読取り、および、近距離通信のうち、少なくともいずれか等に対応し、カード情報を読取るハードウェアで構成される。
カード識別部232は、カード読取部231で読取られたカード情報に基づいて、顧客を識別する。なお、本実施の形態では、カード識別部232が電子レンジ100内に設けられる形態について説明するが、カード識別部232を外部機器、例えばサーバに設けて、そのサーバと電子レンジ100との間で情報のやりとりを行うことにより、顧客を特定してもよい。
本実施の形態では、顧客が保持するIDカードを読み込んで、顧客を特定する方法について説明する。しかしながら、顧客識別部230の用いる方法は、顧客を一意に識別できる方法であれば、どのような方法であってもよい。例えば、予め顧客の声を登録しておき、顧客との対話を音声認識して顧客を識別する方法、顧客のスマートフォンとの通信により顧客を識別する方法、または、電子レンジ100の外に設置されたカメラ等によって撮影された画像から顧客を識別する方法等を用いてもよい。
課金処理部210は、識別された顧客に対して、加熱庫301内に投入された商品が未購入(未精算)の場合には、その商品の課金を行う。課金処理部210は、加熱庫301内に投入された商品が購入済みの場合には、課金を行わない。ここで、顧客の識別は顧客識別部230が行い、加熱庫301内に投入された商品の識別は商品識別部220が行い、その商品が購入済か否かの判定は購入判定部211が行う。
ここで、課金処理(具体的には、課金要求処理)として、例えば、顧客識別部230で識別された顧客が保持するクレジットカード、または、決済機能付きポイントカード等の情報に基づき、通信部260を用いて、顧客の識別情報および商品の識別情報をカード会社等のサーバに送信して、課金を要求する。その要求に基づき、カード会社のサーバにおいて、顧客に対する課金が行われる。なお、課金処理部210は、顧客が保持するプリペイドカードを読取り、その残額から商品代金を差し引くことで、電子レンジ100側で課金を行ってもよい。また、課金対象は、通貨およびポイント等に加えて、暗号通貨等の仮想通貨であってもよい。もちろん、現金を用いた課金処理が行われてもよい。
課金処理部210は、課金時に、顧客識別情報と商品の品目情報とが紐づいた購入履歴情報(第1の購入履歴情報)を、通信部260を介して、履歴管理サーバ290に送信し、第1の購入履歴情報は、履歴管理サーバ290に保存される。
課金処理部210は、さらに、課金時に、顧客識別情報と個商品区別情報とが紐づいた購入履歴情報(第2の購入履歴情報)を、通信部260を介して、履歴管理サーバ290に送信し、第2の購入履歴情報は、履歴管理サーバ290に保存される。本明細書中で、購入履歴情報と記載した場合には、上述の第1の購入履歴情報および第2の購入履歴情報のうち、少なくともいずれかを含む情報を示す。
ここで、個商品区別情報は、個々の商品に「予め付与」されたシリアル番号等の個体情報、または、個々の商品に「購入時に付与」される、画像(本体に貼り付けされるスタンプまたはシール等)を含む情報である。個商品区別情報解析部223は、画像解析部222から受け取った画像解析結果に基づいて、個商品区別情報を抽出する。
ここで、個商品区別情報は、同一品目の商品が複数存在する場合に、個々の商品が購入済みか否かを判定するために用いられる識別情報である。個商品区別情報は、個々の商品が購入済か否かを判定可能な識別情報であればよく、シリアル番号、スタンプ、およびシール等の情報が挙げられるが、これらの例に限定されない。
課金処理部210は、個商品区別情報が、「予め付与」されたシリアル番号等の個体情報の場合には、課金時に、購入履歴情報の、履歴管理サーバ290への通知(送信)と保存を行う。
課金処理部210は、個商品区別情報が、「購入時に付与」される、スタンプまたはシール等の画像情報の場合には、課金時には、購入履歴情報の、履歴管理サーバ290への通知(送信)と保存を行わない。
なお、課金処理部210は、個商品区別情報が、「購入時に付与」されるスタンプまたはシール等の画像情報の場合にも、履歴管理サーバ290への、購入履歴情報の通知と保存を行ってもよい。この場合、購入判定部211は、個商品区別情報解析部223が解析した個商品区別情報と、履歴管理サーバ290に保存された、個商品区別情報と紐つけられた購入履歴情報とを照らし合わせて、個々の商品が購入済みか否かの判定を行ってもよい。この場合の個商品区別情報は、例えば、購入時に付与される番号付のスタンプまたはシール等であって、購入履歴情報と照らし合わせることで、より厳重に、購入済であることを判定できる情報である。これにより、顧客が勝手に過去のシールを貼りかえる等の不正行為を防止することができる。
ここで、“購入時に付与“されるスタンプまたはシールの付与方法としては、レジでの課金の場合には、購入済を示す共通のスタンプまたはシールを店員が商品に付与する方法、および、レジでの課金と連動して発行される、購入済番号付のシールを、店員が商品に貼る等の方法等が挙げられる。また、電子レンジ100で課金する場合には、電子レンジ100での課金と連動して発行される、購入済番号付のシールまたは購入済を示すシールを、顧客が商品に貼る等の方法が挙げられる。
課金処理部210は、例えば、顧客識別部230で識別された顧客が保持するクレジットカード、または、決済機能付きポイントカード等の情報に基づいて、通信部260を用いて、カード会社のサーバと情報のやりとりを行う。これにより、顧客に対する課金が行われる。課金処理部210は、顧客が保持するプリペイドカードを読取り、その残額から商品代金を差し引くことで、課金を行ってもよい。
購入判定部211は、商品品目が購入済みか否かの判定、および、個々の商品が購入済か否かの判定を行う。
なお、本開示においては、購入判定部211が電子レンジ100側に設けられた例を示したが、本開示はこの例に限定されない。外部機器、例えば履歴管理サーバ290に購入判定部を設け、電子レンジ100から必要な情報を受け取って、商品品目が購入済みか否かの判定、および、個々の商品が購入済みか否かの判定を行ってもよい。このような場合、電子レンジ100の通信部260は、履歴管理サーバ290に、購入判定を問い合わせる問合部、および、購入判定された結果を取得する取得部として機能する。
購入判定部211は、商品識別部220によって識別された商品品目と、履歴管理サーバ290に保存された、顧客識別情報と商品品目情報とが紐つけられた購入履歴情報とを参照して、識別された商品品目が購入済みか否かを判定する。
具体的には、購入判定部211は、履歴管理サーバ290に保存された購入履歴情報を参照し、顧客識別部230で識別された顧客識別情報と紐つけられた商品品目の中に、商品識別部220によって識別された商品品目と一致する商品品目が存在するか否かを判定する。購入判定部211は、顧客識別部230で識別された顧客識別情報と紐つけられた商品品目の中に、商品識別部220によって識別された商品品目と一致する商品品目が存在する場合には、その商品品目が購入済みであると判断し、存在しない場合には、その商品品目が未購入であると判断する。
購入判定部211は、さらに、購入履歴情報の中に、同一品目の商品が複数存在する場合には、商品識別部220によって識別された個商品区別情報と、履歴管理サーバ290に保存された、顧客識別情報と個商品区別情報とが紐つけられた購入履歴情報とを参照して、識別された個々の商品が購入済みか否かを判定する。
先述の課金処理部210の説明にて記載した通り、個商品区別情報が、「予め付与」されたシリアル番号等の個体情報の場合、購入判定部211は、個商品区別情報解析部223が解析した個商品区別情報と、履歴管理サーバ290に保存された、個商品区別情報と紐つけられた購入履歴情報とを照らし合わせて、個々の商品が購入済みか否かの判定を行う。
具体的には、購入判定部211は、履歴管理サーバ290に保存された購入履歴情報を参照し、顧客識別部230で識別した顧客識別情報と紐つけられた「シリアル番号」の中に、個商品区別情報解析部223が解析した「シリアル番号」と一致する「シリアル番号」が存在するか否かを判定する。そして、購入判定部211は、顧客識別部230で識別した顧客識別情報と紐つけられた「シリアル番号」の中に、一致するシリアル番号が存在する場合に、その個別商品が購入済みであると判断し、存在しない場合には、その個別商品が未購入であると判断する。
先述の課金処理部210の説明にて記載した通り、個商品区別情報が「購入時に付与」されるスタンプまたはシール等の画像情報の場合、購入判定部211は、個商品区別情報解析部223が解析した個商品区別情報を参照して、個々の商品が購入済みか否かの判定を行う。
具体的には、購入判定部211は、履歴管理サーバ290を参照せずに、個商品区別情報解析部223が解析した画像情報が、店舗ごとに定められた「スタンプまたはシール等の画像情報」と一致する場合に、その個別商品が購入済みであると判定し、存在しない場合には、その個別商品が未購入であると判定する。
なお、個商品区別情報が「購入時に付与」されるスタンプまたはシール等の画像情報の場合であっても、購入判定部211は、個商品区別情報解析部223が解析した個商品区別情報と、履歴管理サーバ290に保存された、個商品区別情報と紐つけられた購入履歴情報とを照らし合わせてもよい。そして、その結果に基づいて、購入判定部211が、個々の商品が購入済みか否かの判定を行うとしてもよい。
具体的には、購入判定部211は、履歴管理サーバ290に保存された購入履歴情報を参照する。そして、購入判定部211は、顧客識別部230で識別された顧客識別情報と紐つけられた「スタンプまたはシール等の画像情報」の中に、個商品区別情報解析部223が解析した「スタンプまたはシール等の画像情報」と一致する「スタンプまたはシール等の画像情報」が存在する場合に、その個別商品が購入済みであると判定し、存在しない場合には、その個別商品が未購入であると判定する。
購入判定部211は、さらに別の例として、同一品目の商品が複数存在する場合に、商品識別部220によって識別された商品品目と、所定の時間内に履歴管理サーバ290に保存された、顧客識別情報と商品品目情報とが紐つけられた購入履歴情報とを参照し、識別された商品品目が購入済みか否かを判定する構成であってもよい。また、購入判定部211が、このような処理を行う手段を、時間参照部(図示しない)として有する構成であってもよい。
時間参照部は所定時間を予め記憶している。例えば、所定の時間を15分とする。商品識別部220が商品を識別した日時が、2017年1月15日18時15分00秒である場合、時間参照部は、履歴管理サーバ290に保存された購入履歴情報を参照し、2017年1月15日18時00分00秒(商品識別部220による識別日時よりも所定時間前)以降に購入されたことを示す購入履歴情報を取得する。購入判定部211は、取得された購入履歴情報から、顧客識別部230で識別された顧客識別情報と紐つけられた商品品目の中に、商品識別部220によって識別された商品品目と一致する商品品目が存在する場合に、その商品が購入済みであると判断し、存在しない場合には、その商品が未購入であると判断する。
なお、この所定時間を、商品に応じて異ならせてもよい。弁当もしくは総菜の消費期間、賞味期間等(例えば6時間以内)、または、消費期限もしくは賞味期限(具体的な日時)等を所定時間として用いることができる。また、弁当の製造時刻または調理時刻(具体的な日時)を所定時間として用いることもできる。弁当以外であれば、保証期間または使用期限を所定時間として用いることができる。
この理由は、第一に、店舗が消費期間または賞味期限を過ぎた商品を販売することは考えにくいからである。そして、製造された時刻、または、調理された時刻より前に、その商品を購入することは不可能であるからである。第二の理由は、購入済みの商品であっても、消費期間または賞味期限を過ぎた商品を、購入者が飲食目的で加熱することは考えにくいからである。
以上のように、本実施の形態の電子レンジ100において、購入判定部211は、商品品目に加えて、購入時刻を参照し、個々の商品が購入済みか否かを判定してもよい。これによって、個々の商品が購入済みか否かを判定の精度を高めることが可能となる。
加熱制御部251は、商品識別部220からの加熱制御情報に従い、マグネトロン250(加熱部の一例)を制御する。
なお、加熱制御部251が行う制御方法は、商品識別部220から指示された加熱制御情報に従って制御を行う方法に限定されず、電子レンジ100の時間設定ボタン群108を用いて、顧客が入力した加熱制御情報に従って制御を行う方法であってもよい。
マグネトロン250は、加熱庫301内に高周波を出力し、食品の加熱を行う。
表示部240は、商品の情報、および、顧客の購入履歴情報のうち、少なくともいずれかに基づく情報を表示する。表示部240は、例えば液晶ディスプレイである。この場合、表示部240は、図1における液晶表示器107と同一である。
表示制御部241は、商品識別部220からの商品情報、顧客識別部230からの顧客情報、および、通信部260を介して履歴管理サーバ290より取得された顧客の購入履歴情報を用いて、加熱庫301内に投入された商品の食品情報、カロリー情報、および、購入履歴から分析された顧客の嗜好に基づく広告のうち、少なくともいずれか等の情報を生成し、表示部240に表示する。
通信部260は、有線LAN、無線LAN(Wi−Fi)、および、キャリア回線(3G、4G、LTE等)のうち、少なくともいずれかに対応したハードウェアで構成される。
電子レンジ100は、図示しないマイクロコンピュータおよびメモリ等の周辺回路を備える。課金処理部210、画像解析部222、カード識別部232、表示制御部241および加熱制御部251は、マイクロコンピュータ、その上で動作するソフトウェアおよびソフトウェアを記憶するメモリ等により実現されてもよい。
なお、このマイクロコンピュータおよび周辺回路は、後述する制御を行うものであれば、どのような形態であってもよい。課金処理部210、画像解析部222、カード識別部232、表示制御部241および加熱制御部251のうち、少なくともいずれかは、演算処理部と、制御プログラムを記憶する記憶部とで構成されていてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、およびCPU(Central Processing Unit)が例示される。記憶部としては、メモリが例示される。記憶部に記録されている制御プログラムが、演算処理部によって実行される。
また、課金処理部210、画像解析部222、カード識別部232、表示制御部241および加熱制御部251のうち、少なくともいずれかは、ハードロジックで構成されてもよい。ハードロジックで構成すれば、処理速度の向上に有効である。各構成要素は、一つの半導体チップで構成されてもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成されてもよい。複数の半導体チップで構成した場合には、後述する各制御を、それぞれ別の半導体チップで実現することもできる。
履歴管理サーバ290は、電子レンジ100およびレジ270等、他の課金場所における顧客の購入履歴情報を収集(受信)し、保存する。
電子レンジ100における購入履歴情報の一例は、顧客識別部230が識別した顧客情報と、商品識別部220が識別した商品品目情報とが紐付けられた情報、および、顧客識別部230が識別した顧客情報と、商品識別部220が識別した個商品区別情報とが紐付けられた情報である。
ここで、顧客情報、商品品目情報、および個商品区別情報は、本実施の形態の店舗システム280内において定められたフォーマットに従って記述された情報である。レジ270等、他の課金場所における購入履歴情報も、このフォーマットに従うものとする。購入履歴情報は、課金時に作成、登録される情報であり、店舗システム280内において参照可能である。
以上のように構成された、電子レンジ100および店舗システム280について、その動作を説明する。
図4は、本開示の第1の実施の形態における電子レンジ100の動作を示すフローチャートである。
顧客は、IDカードの読取り部分をカード読取部231に通す、または、読取り部分をかざす等の動作を行う。カード読取部231は、顧客のIDカードから情報を読取る。カード識別部232は、カード読取部231で読取られたカード情報を基に、顧客を識別する。顧客識別部230は、識別された顧客情報を、課金処理部210に出力する(S401)。
顧客は、電子レンジ100のドア103を開け、商品を加熱庫301内に置いた後、ドア103を閉める。商品識別部220は、ドア103が閉められたことを検出して、カメラ221を用いて、加熱庫301内の画像を撮影する。画像解析部222は、カメラ221で撮影された画像中の、商品画像およびバーコード情報のうち、少なくともいずれかの情報を解析し、商品品目、および商品価格を識別する。個商品区別情報解析部223は、画像解析部222で解析された情報を基に、個商品区別情報を識別する。商品識別部220は、識別した商品品目、個商品区別情報、および、商品価格を、課金処理部210へ出力する(S402)。
なお、本実施の形態の形態では、ステップS401の顧客識別処理を行った後に、ステップS402の商品識別処理が行われているが、ステップS402の商品識別処理を行った後に、ステップS401の顧客識別処理が行われてもよい。また、ステップS401の顧客識別処理とステップS402の商品識別処理とが並行して行われてもよい。
購入判定部211は、顧客識別部230が識別した顧客情報、ならびに、商品識別部220が識別した商品品目および個商品区別情報を取得し、商品品目が購入済みか否かの判定を行う(S413)。さらに、商品品目が購入済と判定された場合には(S413,YES)同一品目の商品が複数存在するか否かが判定される(S423)。同一品目の商品が複数存在する場合(S423、YES)には、さらに、購入判定部211は、その個商品(その商品そのもの)が購入済か否かの判定を行う(S403)。
なお、ステップS413において、商品品目が購入済みでないと判定された場合(S413,NO)には、ステップS404に進む。
また、ステップS423において、同一品目商品が複数ないと判定された場合(S423,NO)、および、個別の商品が購入済みであると判定された場合(S403,YES)には、課金を行わず、ステップS405に進む。
ここで、購入判定部211は、商品品目が購入済みか否かの判定(S413)を行わずに、最初から、その個商品が購入済みか否かの判定(S403)を行ってもよい。
商品が購入済みであると判定された場合(S403,YES)には、課金処理部210は課金を行なわず、ステップS405に移行する。
商品が購入済でないと判定された場合(S403,NO)には、課金処理部210は、顧客識別部230で識別された顧客に対して、商品識別部220で識別された商品の課金を行う(S404)。
課金処理部210は、商品が購入済みでないと判定された場合(S403,NO)には、表示部240に、課金を行うことを示すメッセージを表示する。そして、課金処理部210は、例えば、顧客のクレジットカードが利用不可である場合、または、プリペイドカードの残額が商品価格より少ない場合等の理由により、課金処理に失敗した場合には、表示部240に、課金処理が失敗したこと、および、その要因を表示する。
なお、本実施の形態では、ステップS403の購入判定の後に、ステップS404の課金処理が行われている。このとき、課金処理部210が、課金処理を行う前に、購入判定部211に、顧客情報、商品品目および個商品区別情報を引き渡し、課金処理部210の指示を受けて、購入判定部211が購入判定を行うこととしてもよい。
加熱制御部251は、商品識別部220で抽出された加熱制御情報を受け取り、マグネトロン250に加熱を指示する。加熱制御部251は、加熱についての情報である加熱情報を表示部240に表示する(S405)。加熱制御部251は、表示部240に加熱表示を行った後、顧客が、時間設定ボタン群108を用いて加熱時間を変更した場合には、変更後の加熱時間を表示部240に表示する。
加熱情報が表示された後、顧客が、加熱開始ボタン109を押すことにより、加熱が開始される(S406)。
なお、本実施の形態では、ステップS404の課金処理を行った後に、ステップS405の加熱指示とステップS406の加熱開始とが行われているが、本開示はこれに限定されない。ステップS404の課金処理、ステップS405の加熱指示、および、ステップS406の加熱開始の処理が、並行して行われてもよい。
また、課金処理部210は、課金処理が失敗した場合には、それ以降、その商品に対する加熱処理を行わないように構成されてもよい。商品を一旦加熱してしまうと、その商品を他の顧客に販売できなくなるが、これにより、精算が済んでいない商品を加熱してしまうことを防止できる。
商品の加熱中、表示制御部241は、商品識別部220からの商品情報、顧客識別部230からの顧客情報、課金処理部210からの課金情報、および、通信部260を介して履歴管理サーバ290より取得された顧客の購入履歴情報を取得する。表示制御部241は、取得された情報を用いて、加熱庫301内に投入された商品の食品情報、カロリー情報、課金情報、および、購入履歴から分析した顧客の嗜好に基づく広告情報のうち、少なくとも一つ等の情報を生成し、表示部240に表示する(S407)。
加熱制御情報に記載された加熱時間が経過すると、加熱制御部251は、マグネトロン250を制御して加熱を終了する(S408)。
課金処理部210は、顧客の購入履歴情報を、通信部260を介して送信し、履歴管理サーバ290に保存する(S409)。
以上、本実施の形態における電子レンジ100、および、電子レンジ100が設置された店舗システム280には、セルフ化した電子レンジにおいて、課金済みの商品と未課金の商品とを判別する機能が導入されている。
そして、電子レンジ100および店舗システム280は、課金済みの商品の場合には課金処理を行わず、未課金の商品の場合には、電子レンジ100にて課金処理を行う。これにより、顧客の入店から出店までのトータル時間を削減すると共に、未課金商品の加熱および取り出し、ならびに、課金済み商品への重複課金を防ぐことができる。
図5は、本開示の第1の実施の形態の電子レンジ100を導入することにより、店舗システム280における、顧客の入店から出店までのトータル時間が削減される効果を示す模式図である。
図5の(A)の部分は、従来の、レジ奥に電子レンジが設置され、店員が電子レンジを操作して加熱を行う際の、顧客Aおよび店員が行う動作の流れを示す図である。
図5の(B)の部分は、電子レンジが課金処理部を備えておらず、顧客Aが、操作可能な場所に置かれた電子レンジ(以降、セルフレンジと称す)を自ら操作して加熱を行う際の、顧客Aおよび店員が行う動作の流れを示す図である。
図5(C)の部分は、本開示の実施の形態における電子レンジ100を用いた際の、顧客Aおよび店員が行う動作の流れを示す図である。
図5において、上段には顧客Aが行う動作の流れが示されており、下段には、店員が行う動作の流れが示されている。
図5の(A)の部分において、顧客Aは入店し、商品を選択し、レジに並んで精算を行う。その後、顧客Aは、店員に商品の温めを依頼し、温めが完了するのを待って商品を受け取り、店を出る。店員は、温めを依頼した複数の顧客の商品を順次温める必要があるため、対応に時間を要する。図5の(A)の部分に示されるように、店員は顧客Aの対応と並行して、顧客Bの対応を行う必要がある。
図5の(B)の部分において、顧客Aは、入店し、商品を選択し、レジに並んで精算を行う。顧客Aは、商品を受け取った後、セルフレンジに並んで、商品をセルフレンジに投入し、セルフレンジの設定およびスタートボタンを押すことで、商品の温めを行う。この場合、顧客Aには、セルフレンジを用いて自ら温めるため、図5の(A)の例と比較して、追加の時間および手間が発生する。一方、店員は、商品の温め作業を行う必要がなくなるため、一人の顧客に対応する作業時間を、図5の(A)の例と比較して短縮できるので、より多くの顧客への対応が可能となる。
図5の(C)の部分において、顧客Aは、入店し、商品を選択後、本実施の形態の電子レンジ100に並び、商品を電子レンジ100に投入し、IDカードのタッチ等を行うことにより、温めと精算とを並行して行うことができる。商品の温めを待った後、顧客Aは、商品を電子レンジ100から取り出して、店を出る。このため、顧客Aは、レジに並んで精算する時間および手間を省くことができ、入店から出店までのトータル時間を削減することができる。また、店員は、顧客の電子レンジ100操作時のサポートを行うだけでよく、図5の(B)の部分に示された例よりも、さらに、顧客に対応する作業時間を短縮でき、より多くの顧客への対応が可能となる。
以上のように、本実施の形態における電子レンジ100、および、電子レンジ100が設置された店舗システム280によれば、顧客が加熱庫301内に商品を置くことにより精算を済ませることができる。これにより、店員の作業時間を短縮できるとともに、顧客の入店から出店までのトータル時間を削減することができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、第1の実施の形態の変形例を、図6、図7Aおよび図7Bを用いて説明する。
本変形例の電子レンジの構成は、第1の実施の形態で説明した電子レンジ100の構成と同様である。
図6は、本開示の第1の実施の形態の変形例における電子レンジ100の動作を示すフローチャートである。
図6において、図4と同じ処理に関しては、同じ符号を付与して、説明を省略する。
図7Aおよび図7Bは、本開示の第1の実施の形態の変形例における電子レンジ100の表示部240に表示されるメッセージの一例を示す図である。
図4の例では、商品が購入済みであっても、未購入であっても、同じように加熱指示(S405)がなされる。そこで本変形例では、商品が未購入である場合(S413,NO、および、S403,NO)には、初めての加熱なので、ステップS405のように、加熱庫301内に投入された商品の加熱制御情報320を読み取り、加熱指示する(自動加熱)。
その一方で、商品が購入済であるときは(S423,NO、および、S403,YES)、すでに一度加熱された商品が再加熱または追加加熱される場合がある。
本変形例では、ステップS413およびステップS403における、商品品目、個別商品が購入済みであるか否かの判定結果に応じて、加熱指示を異ならせる(図6のステップS405およびステップS605を参照)。
ステップS405において、加熱制御部251は、商品識別部220で抽出された加熱制御情報を受け取り、マグネトロン250に出力する(自動加熱)。加熱制御部251は、加熱情報を表示部240に表示する(図7A参照)。加熱制御部251は、表示部240に加熱表示を行った後、顧客が時間設定ボタン群108を用いて加熱時間を変更した場合には、変更後の加熱時間を表示部240に表示する。
加熱情報が表示された後、顧客が加熱開始ボタン109を押すことにより、加熱が開始される(S406)。
ステップS605においては、加熱制御部251が、表示部240に、図7Bの案内を表示させ、自動加熱するのか、自分で加熱条件を設定(マニュアル加熱)するのかを顧客に選択させる。マニュアル加熱の場合には、顧客が時間設定ボタン群108を用いて加熱時間を設定し、加熱情報が表示部240に表示される。加熱情報が表示された後、顧客が加熱開始ボタン109を押すことにより、加熱が開始される(S406)。
なお、電子レンジ100は、商品の加熱状態(温度等)を検出するセンサ(図示せず)を備えていてもよい。この場合には、ステップS605において、加熱制御部251は、表示部240に案内を表示し、自動加熱にするのか、センサによる制御による加熱(センサ加熱)にするのかを顧客に選択させる。顧客が時間設定ボタン群108を用いて加熱方法を選択し、加熱情報が表示部240に表示される。加熱情報が表示された後、顧客が加熱開始ボタン109を押すことで、加熱が開始される(S406)。
以上のように、本変形例の電子レンジ100は、商品の課金を行う課金処理部と、商品が購入済みか否かを判定する購入判定部と、加熱制御部とを備えている。そして、本変形例の電子レンジ100は、商品が未購入の場合には課金処理を行って商品の加熱制御情報に基づいて商品を加熱し、購入済みの場合には課金処理を行なわず、商品の加熱制御情報とは異なる加熱(マニュアル加熱またはセンサ加熱)をするセルフ自動認識レンジである。
これによって、購入判定結果が未購入の場合と購入の場合とで、商品の加熱方法を異ならせることが可能となる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において、種々の変更、置き換え、付加、および、省略等を行うことができる。