JP6955365B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、貯蔵室の背面に冷気通路を設けた冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫は特許文献1に開示されている。この冷蔵庫は断熱壁を介して隣接する冷蔵室、冷凍室、野菜室を有する。冷凍室の背面には冷却器及び送風機を配した冷気通路が設けられる。冷却器により冷気が生成され、送風機により冷気が送出される。冷気通路には冷凍室に臨む吐出口が設けられる。吐出口は冷凍室の背面の両側部に配置される。
上記構成の冷蔵庫において、送風機が駆動されると、冷却器で生成された冷気が冷気通路を流通して吐出口から冷凍室内に吐出される。これにより、冷凍室が冷却される。
特開平7‐260315号公報(第6頁、第1図〜第3図)
上記従来の冷蔵庫によると、冷凍室の背面の両側部に配置される吐出口から前方に冷気が吐出され、冷凍室の側壁に沿って流通する冷気が多くなる。これにより、側壁を介して冷熱が庫外に放出され易くなり、冷蔵庫の冷却効率が悪くなる。吐出口は庫内の機器により配置を制限される場合があるため、簡単な構成で側壁から離れる方向に冷気を吐出できる冷蔵庫が望まれる。また、側壁から離れる方向だけでなく、配置を制限される吐出口から簡単な構成で所望の方向に向けて冷気を吐出できることが望まれる。
本発明は、簡単な構成で所望の方向に向けて冷気を吐出できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、前面に開口面を有して貯蔵物を冷却保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の背面に配される冷気通路とを備える冷蔵庫において、
前記冷気通路が冷気を前方に案内する案内部と、前記案内部の少なくとも前面上に開口する吐出口とを有し、
前記案内部の第1周壁の前端から第1周壁に対向する第2周壁に向かう対向方向に延びて吐出口の周縁を形成する遮蔽部を設け、
前記吐出口と前記第1周壁との前記対向方向の距離が、前記吐出口と前記第2周壁との前記対向方向の距離よりも大きいことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記遮蔽部が前記対向方向に平行に配されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記吐出口が前記第2周壁に接して形成されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記吐出口が前記第2周壁の側方に面して開口することが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、複数の前記案内部を備え、一の前記案内部が前記第1周壁により左側壁を形成され、他の前記案内部が前記第1周壁により右側壁を形成されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記第1周壁が前記第2周壁よりも前記貯蔵室の側壁に近い位置に配されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記吐出口が格子状のリブにより複数の開口部に分割されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記リブの前面と前記遮蔽部の前面とが前記開口面に平行な同一面上に配されることが好ましい。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記リブの背面と前記遮蔽部の背面とが前記開口面に平行な同一面上に配されることが好ましい。
本発明の冷蔵庫によると、冷気通路が冷気を前方に案内する案内部と、案内部の少なくとも前面上に開口する吐出口とを有し、案内部の第1周壁の前端から第1周壁に対向する第2周壁に向かう対向方向に延びて吐出口の周縁を形成する遮蔽部が設けられる。そして、吐出口と第1周壁との対向方向の距離が、吐出口と第2周壁との対向方向の距離よりも大きい。これにより、第1周壁の内面に沿う冷気の気流(冷気流)は遮蔽部に衝突して吐出口側に曲げられ、第2周壁の内面に沿う冷気流に遮蔽部側から当たって合流する。これにより、吐出口から吐出される冷気流は吐出口に対して遮蔽部と反対方向に曲げられる。したがって、簡単な構成で所望の方向に向けて冷気を吐出することができる。
本発明の第1実施形態の冷蔵庫を示す正面図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫を示す右側面断面図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫の背面パネルを示す斜視図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫の背面パネルを示す正面図 図4のA−A断面図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫のカバー部を前方から見た斜視図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大斜視図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大平面断面図 本発明の第1実施形態の冷蔵庫の案内部の成形時の状態を示す平面断面図 本発明の第2実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大斜視図 本発明の第2実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大平面断面図 本発明の第3実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大斜視図 本発明の第3実施形態の冷蔵庫の案内部を拡大した拡大平面断面図
以下に図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。なお、本明細書では、冷蔵庫1において、扉2a、3a、4a、5a、6aが閉じる面(開口面OF)側を「前面側」とし、内箱11に対して扉2a、3a、4a、5a、6aの反対側を「背面側」とする。「背面側」から「前面側」に向かう方向を「前方」とするとともに「前面側」から「背面側」に向かう方向を「後方」とする。
また、「前面」側から冷蔵庫1を見て右側の側面を「右側面」とするとともに左側の側面を「左側面」とする。「左側面」側から「右側面」側に向かう方向を「右方向」とするとともに「右側面」側から「左側面」側に向かう方向を「左方向」とする。
また、冷蔵庫1において、室内の床面FLに向かう方向を「下方向」とするとともに床面FLから離れる方向を「上方向」とする。
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1及び図2は第1実施形態の冷蔵庫の正面図及び右側面断面図を示している。冷蔵庫1は室内の床面FL上に設置され、塗装鋼板等により形成された外箱10と樹脂成形品により形成された内箱11との間に発泡ウレタン等の発泡断熱材12を充填した断熱箱体7を有する。断熱箱体7によって冷蔵庫1の上部には冷蔵室2(貯蔵室)が形成される。冷蔵室2は食品等の貯蔵物を冷蔵保存する。
冷蔵室2の下方には左右に並設された製氷室5(貯蔵室)及び冷凍室4(貯蔵室)が断熱材を充填した仕切壁11aを介して配される。冷凍室4及び製氷室5の下方には仕切部50を介して冷凍室3(貯蔵室)が配される。冷凍室3、4及び製氷室5は仕切部50の後方を介して内部で連通し、冷凍室4の容積は冷凍室3の容積よりも小さくなっている。製氷室5は自動製氷装置(不図示)によって製氷された氷を貯氷し、冷凍室3、4は食品等の貯蔵物を冷凍保存する。
冷凍室3の下方には断熱材を充填した仕切壁11bを介して野菜室6が配される。野菜室6内の温度は冷蔵室2の温度よりも高く設定され、野菜等を冷蔵保存する。野菜室6の前面の開口面OFは収納ケース6bと一体に前後にスライド移動する引出式の扉6aにより開閉される。野菜室6は連通路26(図4、図6参照)を介して冷蔵室2と連通している。また、野菜室6の背面には戻り口30cが設けられる。
冷蔵室2の前面の開口面OFは側端に回動軸を有する回動式の扉2aにより開閉される。冷蔵室2の両側壁には前後に延びる複数の支持部(不図示)が上下に並んで突設される。各支持部上には透明の樹脂から成る棚60が着脱可能に設置され、棚60上には貯蔵物が載置される。
製氷室5の前面の開口面OFは貯氷ケース5b(不図示)と一体に前後にスライド移動する引出式の扉5aにより開閉される。冷凍室3、4の前面の開口面OFは収納ケース3b、4bと一体に前後にスライド移動する引出式の扉3a、4aによりそれぞれ開閉される。また、収納ケース3b上には収納ケース3cが載置される。
外箱10の背面板10aの内面にはパネル状の真空断熱材14がホットメルト接着剤または両面粘着テープ等により貼着される。真空断熱材14は袋状の外被材14a内にガラス繊維等の芯材(不図示)を内包する。また、真空断熱材14は外被材14aの内部を真空引きにより減圧され、外被材14aの端部を密着して封止される。外被材14aはアルミニウムの蒸着フィルム等を含む積層フィルムから成り、ガスバリア性を有する。真空断熱材14は発泡断熱材12よりも熱伝導率が低いため、断熱箱体7の断熱性能を向上させることができる。
野菜室6の後方には機械室19が設けられる。機械室19の底面及び背面はそれぞれ底面板19a及び背面カバー19bにより覆われる。機械室19内には冷凍サイクルを運転する圧縮機20が配される。圧縮機20には冷却器21が接続される。
冷凍室3、4及び製氷室5の背面にはABS樹脂等の樹脂成形品の背面パネル35が配され、背面パネル35と内箱11の背面との間には冷気通路30が形成される。冷気通路30は主通路31、案内部32及び吐出口33、34を有する。
主通路31は内箱11の内面(背面)に沿って上下に延び、前部31a及び後部31bを有する。後部31bはカバー部31cを介して前部31aよりも後方に配置され、後部31bには冷気を生成する冷却器21が配置される。カバー部31cには貫通孔31d(図6も参照)が設けられ、貫通孔31d内には冷気を送出する送風機15(図6も参照)が配置される。貫通孔31dを介して後部31bと前部31aとは連通する。
図3及び図4は背面パネル35を示す斜視図及び正面図である。図5は図4のA−A断面図である。背面パネル35の下端部には冷凍室3に臨む戻り口30bが設けられる。筒状の案内部32は主通路31の前部31aから前方に延びて複数形成され、冷気を前方に案内する。本実施形態では、案内部32の開口面OF(図2参照)に平行な断面は略矩形に形成される。なお、案内部32の開口面OFに平行な断面は円形、楕円形または五角形以上の多角形であってもよい。
本実施形態では、案内部32は4個設けられる。4個の案内部32は背面パネル35の上端部の右端部、上端部の左部、上下方向中央部の右端部、及び略中央部にそれぞれ配置され、それぞれ上段右方、上段左方、下段右方、下段左方の案内部32と呼ぶ。上段右方及び上段左方の案内部32はそれぞれ冷凍室4及び製氷室5に臨んでいる。下段右方及び下段左方の案内部32は冷凍室3に臨み、収納ケース3cと略同じ高さに配置される。
吐出口34は下段右方及び下段左方の案内部32よりも下方に設けられ、左右方向に延びて形成される。吐出口34は上下に延びる複数(本実施形態では2本)のリブ34aにより複数(本実施形態では3個)の開口部34bに分割されている。また、吐出口34の左右方向の長さは後述の吐出口33の左右方向の長さよりも長く、吐出口34の開口面積は吐出口33の開口面積よりも大きくなっている。
図6はカバー部31cを前方から見た斜視図である。カバー部31cの右端部には上下に延びる連通路26が配置される。連通路26の前面及び両側面は連通路カバー26aにより覆われる。カバー部31cにおいて連通路26よりも左方には背面パネル35が取り付けられる。
図7及び図8は下段右方の案内部32を拡大した拡大斜視図及び拡大平面断面図である。下段右方以外の案内部32も下段右方の案内部32と同様の構成であるため、下段右方の案内部32を代表して説明する。案内部32は第1周壁32aと、第1周壁32aに対向する第2周壁32bとを有する。吐出口33は案内部32の前面上に開口し、第2周壁32bに接して形成される。図4において、上段右方及び上段左方の吐出口33はそれぞれ冷凍室4及び製氷室5に臨む。図4において、下段右方及び下段左方の吐出口33は冷凍室3に臨み、収納ケース3c(図2参照)と略同じ高さに配置される。
案内部32の前端部には遮蔽部32cが設けられる。遮蔽部32cは第1周壁32aの内面の前端から第2周壁32bに向かう対向方向Fに延びて吐出口33の周縁を形成する。具体的には、遮蔽部32cは前面側から見て吐出口33の対向方向Fの一端辺(右端辺)を形成する。また、遮蔽部32cは対向方向Fに平行に配される。本実施形態では、吐出口33は第2周壁32bに接して形成される。具体的には、前面側から見て吐出口33の上記一端辺に対向方向Fで対向する他端辺(左端辺)は第2周壁32bに接している。これにより、吐出口33と第1周壁32aとの対向方向Fの距離は、吐出口33と第2周壁32bとの対向方向Fの距離(本実施形態では0)よりも大きくなっている。
図3に示すように、上段右方及び下段右方の案内部32の右側壁及び左側壁はそれぞれ第1周壁32a及び第2周壁32bにより形成される。上段左方及び下段左方の案内部32の右側壁及び左側壁はそれぞれ第2周壁32b及び第1周壁32aにより形成される。これにより、第1周壁32aは第2周壁32bよりも冷凍室3の側壁3s(不図示)に近い位置に配される。
吐出口33は格子状のリブ33a、33cにより複数の開口部33bに分割される。本実施形態では、上下に延びる1本のリブ33a及びリブ33aに交差して左右に延びる1本のリブ33cにより吐出口33は4個の開口部33bに分割される。なお、リブ33a、33cを複数設けてもよい。また、リブ33a及びリブ33cの一方または両方を省いてもよい。
本実施形態では、4個の案内部32の周壁は、同じ方向に延びて形成されている。また、吐出口33を分割するリブ33a、33cは、図7及び図8に示すように、吐出口33から吐出される冷気の方向を所望の方向に曲げるための傾斜面を有していない。すなわち、案内部32の周壁や、リブ33a、33cは冷気の方向を所望の方向に曲げる風向偏向板の機能を有していない。
図9は案内部32の成形時の状態を示す平面断面図である。案内部32の金型90はブロック91と、ブロック91に対して図中上下方向に移動するブロック92とから成る。ブロック92の図中の下面には紙面に直交する方向に延びる凹部92aと図中左右方向に延びる凹部92b(不図示)が凹設される。なお、図中、矢印Rはブロック92の抜き方向を示している。
ブロック91は第1周壁32aの外面、前面、第2周壁32bの外面、前面、遮蔽部32cの前面、及びリブ33a、33cの前面を形成する。ブロック92は第1周壁32aの内面、第2周壁32bの内面、遮蔽部32cの背面、左側面、リブ33aの両側面、背面、リブ33cの上面、下面、背面を形成する。なお、凹部92aはリブ33aの両側面及び背面を形成し、凹部92bはリブ33cの上面、下面、背面を形成する。
前述の通り、案内部32の周壁や、リブ33a、33cは、単独で冷気の方向を所望の方向に曲げる風向偏向板の機能を有していない。このため、案内部32の周壁や、リブ33a、33cをブロック92の抜き方向(矢印R)に対して所定の抜き勾配以上に傾斜させる必要がない。また、リブ33a、33cを風向偏向板として機能させるためにリブ33a、33cの前後方向の長さを長く確保する必要がない。したがって、リブ33a、33cの形成のためにブロック91とブロック92との合わせ面MF上に大きな凹凸や傾斜角度の大きい傾斜面を設ける必要がなく、合わせ面MFは抜き方向に対して略垂直な平面に小さい凹凸を有して形成される。したがって、金型90を容易に作製することができる。また、金型90によって案内部32を、背面パネル35に一体に容易に成形することができる。
図2に示すように、冷気通路30の前部31aの上方にはダンパ16を介して冷気通路40が連結される。冷気通路40は冷蔵室2の内箱11の内面(背面)に沿って上下に延びて形成され、冷蔵室2に臨む複数の吐出口41を有する。また、野菜室6と冷却器21の下方とを連結する戻り通路70が形成される。野菜室6内を流通した冷気は戻り通路70を介して冷却器21の下方に戻る。
上記構成の冷蔵庫1において、圧縮機20(図2参照)の駆動により冷凍サイクルが運転されると、冷却器21が低温に維持される。送風機15の駆動によって冷気通路30の後部31bを流通する空気は冷却器21と熱交換する。これにより、冷気が生成される。生成された冷気は送風機15の駆動により貫通孔31dを介して前部31aに流入する。前部31aに流入した冷気の一部は案内部32を流通し、吐出口33を介して冷凍室3、4及び製氷室5に吐出される。また、前部31aを流通した冷気の一部は吐出口34を介して冷凍室3に吐出される。吐出口33から吐出された冷気は冷凍室3、4及び製氷室5内を流通するとともに、吐出口34から吐出された冷気は冷凍室3内を流通し、戻り口30bを介して冷却器21に戻る。これにより、冷凍室3、4及び製氷室5が冷却される。
この時、案内部32内を前方へ向かって流通する冷気は案内部32により整流されるため、吐出口33に向かう冷気の速度や密度の偏りが軽減される。
そして、案内部32には第1周壁32aの前端から対向方向Fに延びて吐出口33の周縁を形成する遮蔽部32cが設けられている。すなわち、遮蔽部32cは前面側から見て吐出口33の対向方向Fの一端辺(右端辺)を形成している。これにより、図8の矢印Sに示すように、第1周壁32aの内面に沿う冷気の気流(冷気流)は遮蔽部32cに衝突して吐出口33側に曲げられ、第2周壁32bの内面に沿う冷気流に遮蔽部32c側から当たって合流する。この時、第2周壁32bの内面は吐出口33の周縁に接している。すなわち、前面側から見て吐出口33の上記一端辺に対向方向Fで対向する他端辺(左端辺)は第2周壁32bに接している。このため、第2周壁32bの内面に沿う冷気流は第2周壁32bの内面の前端で第1周壁32a側には曲がらない。これにより、合流して吐出口33から吐出された冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。すなわち、吐出口33から吐出された冷気は第1周壁32a側の冷凍室3の側壁3sから離れる方向に流通する。
ダンパ16(図2参照)が開かれると、冷気通路30の前部31aを流通する冷気の一部が冷気通路40に流入する。図2の矢印Sに示すように、冷気通路40を流通した冷気は吐出口41から冷蔵室2内に吐出され、冷蔵室2内を流通した後に流出口(不図示)から流出する。これにより、冷蔵室2が冷却される。
冷蔵室2の流出口から流出した冷気は連結路26を流通し、流入口(不図示)を介して野菜室6に流入する。野菜室6に流入した冷気は野菜室6内を流通し、戻り口30cを介して冷却器21に戻る。これにより、野菜室6が冷却される。
本実施形態によると、冷気通路30が冷気を前方に案内する案内部32と、案内部32の前面上に開口する吐出口33とを有する。案内部32の第1周壁32aの前端から対向方向Fに延びて吐出口33の周縁を形成する遮蔽部32cが設けられる。
これにより、第1周壁32aの内面に沿う冷気流は遮蔽部32cに衝突して吐出口33側に曲げられ、第2周壁32bの内面に沿う冷気流に遮蔽部32c側から当たって合流する。このため、合流して吐出口33から吐出された冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。したがって、冷蔵庫1は簡単な構成で所望の方向に向けて冷気を吐出することができる。
また、遮蔽部32cが対向方向Fに平行に配される。これにより、第2周壁32bに沿う冷気流の流通方向と、遮蔽部32cに沿う冷気流の流通方向とが略直交する。したがって、吐出口33から吐出される冷気流を吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向により容易に曲げることができる。
また、吐出口33が第2周壁32bに接して形成される。これにより、第2周壁32bに沿う冷気流は第2周壁32bの内面の前端で第1周壁32a側には曲がらない。したがって、吐出口33から吐出される冷気流を吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向により一層容易に曲げることができる。
上述の通り、案内部32の周壁や、リブ33a、33cは、単独で冷気の方向を所望の方向に曲げる風向偏向板の機能を有していない。このため、案内部32の周壁や、リブ33a、33cを金型90の抜き方向(図9の矢印R)に対して所定の抜き勾配以上に傾斜させる必要がない。そして、案内部32の第1周壁32aの前端から対向方向Fに延びて吐出口33の周縁を形成する遮蔽部32cが設けられることにより、案内部32を流通した冷気は吐出口33から吐出される際に吐出方向を曲げられる。すなわち、吐出口33の周縁を形成する遮蔽部32cの配置によって冷気の吐出方向を制御することができるため、任意の吐出方向が設定された案内部32を背面パネル35に一体に金型90により成形することができる。
図3に示すように、上段右方の案内部32の右側壁及び左側壁はそれぞれ第1周壁32a及び第2周壁32bにより形成される。上段左方の案内部32の右側壁及び左側壁はそれぞれ第2周壁32b及び第1周壁32aにより形成される。すなわち、第1周壁32aは第2周壁32bよりも冷凍室3の側壁3sに近い位置に配される。これにより、冷凍室3の側壁3sに沿って流通する冷気を少なくすることができる。したがって、側壁3sを介して冷熱が庫外に放出されにくくなり、冷蔵庫1の冷却効率を向上させることができる。
また、下段左方の案内部32(一の案内部32)が第1周壁32aにより左側壁を形成され、下段右方の案内部32(他の案内部32)が第1周壁32aにより右側壁を形成される。これにより、右方及び左方の吐出口33から吐出された冷気により冷凍室3の左右方向の中央部を集中して冷却することができる。また、例えば、下段右方の案内部32(一の案内部32)が第1周壁32aにより左側壁を形成されるとともに下段左方の案内部32(他の案内部32)が第1周壁32aにより右側壁を形成されてもよい。この場合には、冷凍室3の左部及び右部を集中して冷却することができる。このように、一の背面パネル35に複数の案内部32を設けて遮蔽部32cにより冷気の吐出方向を互いに異なるようにする場合であっても、各案内部32の周壁やリブ33a、33cを、冷気の吐出方向に応じて夫々異なる傾斜面とする必要がない。すなわち、図9の矢印Rに示す所定の抜き方向とした金型90により、様々な冷気の吐出方向を有する複数の案内部32を背面パネル35に一体に成形することができ、冷蔵庫1の製造コストを削減することができる。
また、吐出口33が格子状のリブ33a、33cにより複数の開口部33bに分割される。これにより、吐出口33から吐出される冷気流を容易に整流することができ、吐出口33から冷気流を円滑に吐出することができる。
また、リブ33aの前面と遮蔽部32cの前面とが開口面OFに平行な同一面上に配される。これにより、案内部32の成形時に金型90のブロック91とブロック92との合わせ面MFが抜き方向に対して略垂直な平面に形成される。したがって、金型90を容易に作製することができ、冷蔵庫1の製造コストを削減することができる。
なお、リブ33aの背面と遮蔽部32cの背面とが開口面OFに平行な同一面上に配されてもよい。この場合でも、案内部32の成形時に金型90のブロック91とブロック92との合わせ面MFが抜き方向に対して略垂直な平面に形成される。したがって、金型90を容易に作製することができ、冷蔵庫1の製造コストを削減することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10及び図11は第2実施形態の冷蔵庫1の案内部32を拡大した拡大斜視図及び拡大平面断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図9に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。第2実施形態では吐出口33の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
本実施形態では、左右に延びるリブ33cを省き、上下に延びる2本のリブ33aを設けている。案内部32の左側壁(第2周壁32b)の前端は右側壁(第1周壁32a)の前端よりも後方に配置される。これにより、案内部32の吐出口33は左側壁(第2周壁32b)の側方に面して開口する。なお、第1周壁32aの前端と第2周壁32bの前端の前後方向の位置を同じにし、案内部32の第2周壁32bの前端近傍に貫通孔または切欠きを設けてもよい。
上記構成の冷蔵庫1において、送風機15を駆動させると、第1実施形態と同様に、吐出口33から吐出される冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。この時、案内部32の吐出口33は第2周壁32bの側方に面して開口している。これにより、案内部32内を流通した冷気を吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向により容易に吐出することができる。
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、吐出口33が第2周壁32bの側方に面して開口する。これにより、案内部32内を流通した冷気を吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向により容易に吐出することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図12及び図13は第3実施形態の冷蔵庫1の案内部32を拡大した拡大斜視図及び拡大平面断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図9に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。第3実施形態では案内部32の吐出口33の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
本実施形態ではリブ33a、33cを省き、吐出口33は一の開口部33bにより形成されている。また、案内部32の第2周壁32bの前端に遮蔽部32cと同様の遮蔽部が設けられる。この時、吐出口33と第1周壁32aとの対向方向Fの距離D1は、吐出口33と第2周壁32bとの対向方向Fの距離D2よりも大きくなっている。第1実施形態では距離D2は0であるが、本実施形態では距離D2は0よりも大きくなっている。
上記構成の冷蔵庫1において、送風機15を駆動させると、第1実施形態と同様に、吐出口33から吐出される冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。この時、吐出口33と第1周壁32aとの対向方向Fの距離D1が、吐出口33と第2周壁32bとの対向方向Fの距離D2よりも大きくなっている。これにより、吐出口33の下流近傍の冷気流に対して側方から当る冷気の量は第2周壁32b側よりも第1周壁32aの遮蔽部32c側からの方が多い。このため、吐出口33から吐出された冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。すなわち、吐出口33から吐出された冷気は第1周壁32a側の冷凍室3の側壁3sから離れる方向に流通する。
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、リブ33a、33cを設けないため、金型90を容易に作製することができ、冷蔵庫1の製造コストをより削減することができる。なお、リブ33a、33cを省かずに第1実施形態と同様にリブ33a、33cの一方または両方を設けてもよい。
また、吐出口33と第1周壁32aとの対向方向Fの距離D1が、吐出口33と第2周壁32bとの対向方向Fの距離D2よりも大きい。
これにより、吐出口33の下流近傍の冷気流に対して側方から当る冷気の量は、第2周壁32b側よりも第1周壁32aの遮蔽部32c側からの方が多くなる。このため、第2周壁32bの前端に遮蔽部32cと同様の遮蔽部を設けた場合でも吐出口33から吐出された冷気流は吐出口33に対して遮蔽部32cと反対方向に曲げられる。したがって、冷蔵庫1は簡単な構成で所望の方向に向けて冷気を吐出することができる。
第1実施形態〜第3実施形態において、冷気通路40が案内部32と同様の案内部を有してもよい。
また、第1実施形態〜第3実施形態において、第1周壁32aにより案内部32の上壁または下壁が形成されてもよい。これにより、吐出口33から吐出される冷気流を下方または上方に曲げることができる。
また、一の背面パネル35上に第1実施形態〜第3実施形態の案内部32を適宜組み合わせて設けてもよい。例えば、図4において、上段左方の案内部32を第3実施形態の案内部32と同様な案内部により形成し、上段右方の案内部32を第2実施形態の案内部32と同様な案内部により形成してもよい。
また、第1実施形態〜第3実施形態において、案内部32は背面パネル35の前面から前方に突出しているが、背面パネル35の前面から後方に突出してもよい。案内部32を背面パネル35の前面から前方に突出して形成すると、案内部32の第1周壁32a及び第2周壁32bによる主通路31内の冷気の流通妨害を防止できるため望ましい。
本発明によると、貯蔵室の背面に冷気通路を設けた冷蔵庫に利用することができる。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室(貯蔵室)
2a、3a、4a、5a、6a 扉
3、4 冷凍室(貯蔵室)
3b、3c、4b、5b、6b 収納ケース
3s 側壁
5 製氷室(貯蔵室)
6 野菜室
7 断熱箱体
10 外箱
10a 背面板
11 内箱
11a、11b 仕切壁
12 発泡断熱材
14 真空断熱材
15 送風機
16 ダンパ
20 圧縮機
21 冷却器
30、40 冷気通路
30b、30c 戻り口
31 主通路
31a 前部
31b 後部
31c カバー部
31d 貫通孔
32 案内部
32a 第1周壁
32b 第2周壁
32c 遮蔽部
33、34、41 吐出口
33a、33c リブ
33b 開口部
33s 側壁
35 背面パネル
50 仕切部
60 棚
70 戻り通路
F 対向方向
FL 床面
OF 開口面
N 法線
S 矢印

Claims (6)

  1. 前面に開口面を有して貯蔵物を冷却保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の背面に配される冷気通路とを備える冷蔵庫において、
    前記冷気通路が冷気を前方に案内する複数の案内部を備え、
    前記案内部は、少なくとも前面上に開口する吐出口と、
    前記案内部の第1周壁の前端から第1周壁に対向する第2周壁に向かう対向方向に延びて、前記吐出口と前記第1周壁との前記対向方向の距離が、前記吐出口と前記第2周壁との前記対向方向の距離よりも大きくなるように、前記吐出口の周縁を形成する遮蔽部とを有し、
    一の前記案内部が前記第1周壁により左側壁を形成され、
    他の前記案内部が前記第1周壁により右側壁を形成されることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記第1周壁が前記第2周壁よりも前記貯蔵室の側壁に近い位置に配されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記遮蔽部が前記対向方向に平行に配されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記吐出口が前記第2周壁に接して形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載の冷蔵庫。
  5. 前記吐出口が前記第2周壁の側方に面して開口することを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記吐出口が格子状のリブにより複数の開口部に分割されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の冷蔵庫。
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