JP6954277B2 - 化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体 - Google Patents

化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体 Download PDF

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Description

本発明は、化学強化ガラス板の製造方法及びそれに用いる化学強化用ガラス板収容体に関する。
近年、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC等のディスプレイ装置が普及している。ディスプレイ装置の前面には、化学強化ガラス板がカバーガラスとして取り付けられており、液晶ディスプレイ(LCD)を保護する機能を果たしている。化学強化ガラス板は、Naイオンを含むガラス板を、Kイオンを含む溶融塩に浸漬するなどして製造される。実際の製造においては、複数のガラス板を間隔をあけて載置可能な支持装置を用いてガラス板を溶融塩に浸漬することが従来からおこなわれている。
化学強化ガラス板の製造に利用可能な支持装置が記載された文献として、下記特許文献1を提示する。特許文献1には、ガラス板を熱処理加工する際に用いられる支持装置が示されている。この支持装置は、ガラス板の下端エッジを分離コームの溝に差し込んで支持するとともに、ガラス板の上端エッジを分離コームや分離ロッドで支持する構造となっている。
日本国特表2010‐526753号公報
ところで、化学強化処理における塩浴処理は、ガラス板を、ガラス転移点以下の温度(例えば、400℃〜530℃)の溶融塩に浸漬させてイオン交換させることで、ガラス板の表面に圧縮応力層を形成し、ガラス板の内部に引張応力層を形成する処理である。
このとき、上記特許文献1に記載された支持装置のように、ガラス板の下端エッジを溝に差し込んで支持した場合、塩浴処理中にガラス板の自重によって、ガラス板に低温クリープによる曲げや歪みなどの変形が生じてしまうことが不可避であった。特に、大型で薄いガラス板では、低温クリープによる変形が顕著に現れるため、品質及び歩留りが低下し、生産効率が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス板を高品質かつ高い歩留りで化学強化させて化学強化ガラス板の生産性を大幅に向上させることが可能な化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の化学強化ガラス板の製造方法は、
ガラス板の第一の側縁を把持し、
把持した前記第一の側縁を上方にして前記ガラス板を吊り下げ、
前記ガラス板を吊り下げながら溶融塩中へ浸漬させて塩浴処理を行うことで化学強化することを特徴とする。
この化学強化ガラス板の製造方法によれば、ガラス板を吊り下げながら溶融塩中へ浸漬させて塩浴処理を行うので、塩浴処理中におけるガラス板への自重による荷重の付与を抑制することができる。したがって、例えば、ガラス板を立て掛けて塩浴処理させる場合と比較し、塩浴処理中にガラス板に自重などの荷重が付与されることで生じる低温クリープによる変形を抑えることができる。これにより、大型で薄いガラス板を高品質かつ高い歩留りで化学強化することができ、化学強化ガラス板の生産性を大幅に向上させることができる。
また、本発明の化学強化用ガラス板収容体は、
上記の化学強化ガラス板の製造方法において用いられ、複数の前記ガラス板を収納したまま前記溶融塩中に投入される化学強化用ガラス板収容体であって、
複数の前記ガラス板が収容される枠体と、
該枠体の上部に設けられ、それぞれの前記ガラス板の前記第一の側縁を把持してガラス板同士の隙間をあけて吊り下げる第一の治具と、
を備えることを特徴とする。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、第一の治具にガラス板の第一の側縁を把持させて吊り下げた状態で溶融塩中に投入されることで、自重による荷重の付与を極力抑制しながら複数のガラス板に塩浴処理を行うことができる。これにより、低温クリープによる変形を抑えつつ大型で薄い複数のガラス板を化学強化することができる。
側縁とは、ガラス板を把持する領域である。側縁は、ガラス板の外周端部から30mm以内の範囲であることが好ましく、外周端部から20mm以内の範囲であることがさらに好ましく、外周端部から15mm以内がことさらに好ましく、外周端部から10mm以内が特に好ましい。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記枠体の下部に、吊り下げられたそれぞれの前記ガラス板の前記第一の側縁に対向する第二の側縁を把持する第二の治具が設けられていてもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、上部の第一の治具で吊り下げられたガラス板の下方側の他側縁である第二の側縁を下部の第二の治具で把持することで、吊り下げられたガラス板同士の揺れによる接触を防止することができる。これにより、隣接するガラス板同士の接触による損傷なく塩浴処理を行って化学強化することができる。
吊り下げられたガラス板の下方側の他側縁である第二の側縁を把持する第二の治具は、ガラス板同士の揺れによる接触を防止できればよく、ガラス板の揺れを抑えることができる程度に把持できればよい。すなわち、第二の治具の把持力は、第一の治具の把持力よりも小さくてもよい。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第一の治具は、互いに間隔をあけて前記ガラス板の前記第一の側縁に沿って複数設けられているものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、複数の第一の治具でガラス板の第一の側縁を把持することで、単数の第一の治具で把持するのに比べ、第一の治具に付与される外力を複数の第一の治具へ分散させることができ、第一の治具で把持することで付与される外力によるガラス板への影響を極力抑えることができる。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第一の治具は、可撓性を有する支持部材を介して前記枠体に支持されているものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、枠体に対して可撓性を有する支持部材によって第一の治具が支持されているので、ガラス板の揺れ等に追従させて第一の治具が柔軟に変位することとなる。これにより、第一の治具での把持箇所でガラス板に付与される外力を極力抑えることができる。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第一の治具は、前記ガラス板を挟んで把持する一対の挟持板と、該挟持板における前記ガラス板との対向面にそれぞれ設けられた緩衝材と、を備えるものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、第一の治具のガラス板を挟んで把持する挟持板が、緩衝材を備えているので、ガラス板を把持する際にガラス板に傷がつきづらくなる。特に、緩衝材として、ガラス板と同質のガラスクロスを用いれば、ガラス板と緩衝材との熱膨張率が略同等であるため、化学強化工程時の温度変動によるダメージを極力抑えることができる。
また、ガラスクロス以外の緩衝材としては、シリカクロス、セラミッククロス、石英ガラス、ガラスボード、ブランケットを用いることができる。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第二の治具は、互いに間隔をあけて前記ガラス板の前記第二の側縁に沿って複数設けられているものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、複数の第二の治具でガラス板の第二の側縁を把持することで、単数の第二の治具で把持するのに比べ、第二の治具に付与される外力を複数の第二の治具に分散させることができ、第二の治具で把持することで付与される外力によるガラス板への影響を極力抑えることができる。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第二の治具は、可撓性を有する支持部材を介して前記枠体に支持されているものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、枠体に対して可撓性を有する支持部材によって第二の治具が支持されているので、ガラス板の揺れ等に追従させて第二の治具が柔軟に変位することとなる。これにより、第二の治具での把持箇所でガラス板に付与される外力を極力抑えることができる。
本発明の化学強化用ガラス板収容体において、前記第二の治具は、前記ガラス板を挟んで把持する一対の挟持板と、該挟持板における前記ガラス板との対向面にそれぞれ設けられた緩衝材と、を備えるものであってもよい。
この構成の化学強化用ガラス板収容体によれば、第二の治具のガラス板を挟んで把持する挟持板が、緩衝材を備えているので、ガラス板を把持する際にガラス板に傷がつきづらくなる。特に、緩衝材として、ガラス板と同質のガラスクロスを用いれば、ガラス板と緩衝材との熱膨張率が略同等であるため、化学強化工程時の温度変動によるダメージを極力抑えることができる。
また、ガラスクロス以外の緩衝材としては、シリカクロス、セラミッククロス、石英ガラス、ガラスボード、ブランケットを用いることができる。
本発明によれば、ガラス板を高品質かつ高い歩留りで化学強化させて化学強化ガラス板の生産性を大幅に向上させることが可能な化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体を提供できる。
本発明の化学強化ガラス板の製造方法に用いられる一実施形態に係る化学強化用ガラス板収容体の概略斜視図である。 図1のガラス板収容体におけるD矢視図である。 ガラス板収容体に設けられた上部治具の一実施形態の正面図である。 ガラス板収容体に設けられた上部治具の一実施形態の側面図である。 ガラス板収容体に設けられた上部治具の他の実施形態の正面図である。 ガラス板収容体に設けられた上部治具の他の実施形態の側面図である。
以下、本発明に係る化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、化学強化ガラス板の製造方法に用いる化学強化用ガラス板収容体について説明する。
図1は、本発明の化学強化ガラス板の製造方法に用いられる本実施形態に係る化学強化用ガラス板収容体の概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の化学強化用ガラス板収容体(以下、ガラス板収容体と呼ぶ)1は、直方体形状の箱型の枠体11を備えており、この枠体11の内側に複数枚のガラス板Gが収容される。
枠体11は、矩形状の上フレーム12と、同じく矩形状の下フレーム14とを備えており、これらの上フレーム12と下フレーム14は、それぞれの四隅に配置された四本の側方枠材16で連結されて上下に配置されている。そして、ガラス板収容体1の枠体11の内部には、複数のガラス板Gが、長手方向が左右方向(図中矢印A)に且つ短手方向が鉛直方向(図中矢印B)になるように前後方向(図中矢印C)に並べて収容される。
ガラス板収容体1に並べて収納されるガラス板Gの形状は特に制限されない。矩形状のガラス板Gであってもよいし、ガラス板Gのコーナー部がラウンド形状となっていてもよいし、三角形状などの多角形形状、楕円形状、円形状であってもよい。
上フレーム12は、長辺を構成する二本の枠材12aと短辺を構成する二本の枠材12bとから構成されており、同様に、下フレーム14は、長辺を構成する二本の枠材14aと短辺を構成する二本の枠材14bとから構成されている。上フレーム12の枠材12a,12b、下フレーム14の枠材14a,14b及び側方枠材16は、例えば、SUS304製の断面U字形状のチャンネルまたは中空状の角パイプで構成されている。さらに、下フレーム14の枠材14a、14bで囲まれた内部全面には、SUS304製のエキスパンドメタル14cが取り付けられており、ガラス板収容体1の内部に複数のガラス板Gを収容しても、搬送及び溶融塩への浸漬に対して十分耐え得るようになっている。
また、枠体11には、上フレーム12のうち前後方向に延びる2本の枠材12b上における前後方向中央部に吊具18が設けられている。これらの吊具18には、ガラス板収容体1を吊り上げる際に、例えばクレーン等のフック(図示略)が係止される。また、吊具18は、左右方向に延びる2本の枠材12aと前後方向に延びる2本の枠材12bとが接続される箇所に設けられていてもよい。
上フレーム12には、ガラス板Gの並び方向である前後方向に延びるトップバー21が複数(図では3本示されているが、3本に限定されるものではない。)設けられている。また、下フレーム14には、ガラス板Gの並び方向である前後方向に延びるボトムバー22が複数(図では2本示されているが、2本に限定されるものではない。)設けられている。トップバー21は、枠体11の長手方向である左右方向に等間隔に配置されており、2本が両端近傍に配置され、1本が中央部に配置されている。ボトムバー22は、それぞれ左右方向におけるトップバー20同士の間に配置されている。これにより、トップバー21とボトムバー22とは、左右方向に沿って交互に配置されている。
なお、図1においては、トップバー21及びボトムバー22が、枠体11の短手方向に延在するように配置されているが、これに限らず、トップバー21およびボトムバー22は、枠体11の長手方向に延在するように配置されていてもよい。この場合、複数のガラスGが矢印A方向に並べて収容される。また、トップバー21及びボトムバー22の間隔は、必ずしも等間隔でなくてもよい。
図2は、ガラス板が収容されたガラス板収容体を説明するガラス板収容体の図1におけるD矢視図である。
図2に示すように、枠体11の上部には、複数の上部治具(第一の治具)31が設けられている。これらの上部治具31は、ガラス板Gの一側縁である第一の側縁G1を把持するものである。上部治具31は、それぞれのトップバー21に支持されており、これにより、上部治具31は、互いに間隔をあけてガラス板Gの第一の側縁G1に沿って複数(本例では3つ)設けられている。そして、これらの上部治具31によって、ガラス板Gは、その第一の側縁G1が、両端近傍と中央部とで把持されて吊り下げられる。各トップバー21には、その長手方向に複数の上部治具31が間隔をあけて配列されている。これにより、複数枚のガラス板Gは、上部治具31によって並び方向である前後方向に隙間をあけて吊り下げられる。
また、枠体11の下部には、複数の下部治具(第二の治具)32が設けられている。これらの下部治具32は、ガラス板Gの第一の側縁G1に対向する他側縁である第二の側縁G2を把持するものである。下部治具32は、それぞれのボトムバー22に支持されており、これにより、下部治具32は、互いに間隔をあけてガラス板Gの第二の側縁G2に沿って複数(本例では2つ)設けられている。そして、これらの下部治具32によって、ガラス板Gは、その第二の側縁G2が、左右方向における上部治具31での把持位置間で把持される。各ボトムバー22には、その長手方向に複数の下部治具32が間隔をあけて配列されている。これにより、複数枚のガラス板Gは、下部治具32によって並び方向である前後方向に隙間をあけて把持される。
次に、上部治具31及び下部治具32の構造について説明する。なお、上部治具31と下部治具32とは、同一構造であるので、ここでは、上部治具31の構成を説明し、下部治具32については、その構成の説明を省略する。
図3は、ガラス板収容体に設けられた上部治具の一実施形態を示す正面図である。図4は、ガラス板収容体に設けられた上部治具の一実施形態を示す側面図である。
図3及び図4に示すように、上部治具31は、治具本体41と、挟持板42と、締結ボルト43とを有している。治具本体41は、互いに対向する一対の側板部45と、これらの側板部45の一側縁を繋ぐ固定板部46とを有するコ字状に形成されている。それぞれの側板部45には、少なくとも一つのネジ孔45aが形成されており、これらのネジ孔45aには、側板部45の外側から少なくとも一つの締結ボルト43がねじ込まれている。挟持板42は、治具本体41における両側板部45の間に、それぞれの挟持板42が互いに対向するように配置されている。一対の挟持板42は、挟持板42の互いに対向する対向面51aに、緩衝材61が設けられている。この緩衝材61は、耐熱性とともに、柔軟性や弾性を有する材料からなるもので、例えば、ガラス繊維、特に、ガラス板Gと同質のガラス繊維から作った織布からなるガラスクロスを用いるのが好ましい。
互いに対向する挟持板42の間にガラス板Gを配置した状態で少なくとも一つの締結ボルト43をねじ込むことで、緩衝材61を介してガラス板Gを挟持板42によって挟持して把持する。
また、図5は、ガラス板収容体に設けられた上部治具の他の実施形態を示す正面図である。図6は、ガラス板収容体に設けられた上部治具の他の実施形態を示す側面図である。
図5及び図6に示すように、上部治具31は、治具本体41と、挟持板42と、締結ボルト43とを有している。治具本体41は、互いに対向する一対の側板部45と、これらの側板部45の一側縁を繋ぐ固定板部46とを有するコ字状に形成されている。互いに対向する一対の側板部45の片側には、少なくとも一つ(図5、6においては二つ)のネジ孔45aが形成されており、これらのネジ孔45aには、側板部45の外側から少なくとも一つの締結ボルト43がねじ込まれている。挟持板42は、治具本体41における両側板部45の間に配置されている。挟持板42の締結ボルト43が接触する面とは反対側の面51aと、挟持板42に対向する側板部45の面51bと、固定板部46の下部面に、ガラス板Gを囲むように緩衝材61が設けられている。
この緩衝材61は、耐熱性とともに、柔軟性や弾性を有する材料からなるもので、例えば、ガラス繊維、特に、ガラス板Gと同質のガラス繊維から作った織布からなるガラスクロスを用いるのが好ましい。緩衝材61は、挟持板42に固着されていてもよく、また、挟持板42と別体に設けたものであってもよい。
挟持板42と側板部45の間にガラス板Gを配置した状態で少なくとも一つの締結ボルト43をねじ込むことで、緩衝材61を介してガラス板Gを挟持板42と側板部45によって挟持して把持する。
治具本体41には、正面から見て固定板部46の中央部に、係止部46aが設けられており、この係止部46aには、支持部材65が係止されている。支持部材65は、可撓性及び耐熱性を有する材料からなる線材であり、この線材からなる支持部材65は、係止部46aに緊結されている。この支持部材65は、枠体11の上フレーム12に固定されたトップバー21に巻回されて固定される。これにより、上部治具31は、可撓性を有する支持部材65を介して枠体11の上フレーム12に固定されたトップバー21に支持される。
なお、下部治具32では、係止部46aに係止させた支持部材65を、枠体11の下フレーム14に固定されたボトムバー22に巻回して固定する。これにより、下部治具32は、可撓性を有する支持部材65を介して枠体11の下フレーム14に固定されたボトムバー22に支持される。上部治具31及び下部治具32の幅寸法は、20mm〜60mm程度とするのが望ましい。
治具本体41の固定方法はこれに限定されるものではなく、線材による支持部材65に替えて、固定板部46の中央部や、係止部46aに係止される支持部材65の端部にフックを備えるようにして、トップバー21に掛止してもよい。
次に、上記構成の化学強化用ガラス板収容体1を用いた一実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法は、特に限定されるものではないが、サイズが大きく薄いガラス板(例えば、サイズ:2421mm〜1200mm×1500mm〜1000mm、厚さ:0.3mm〜0.4mm)を化学強化するのに有用である。
(治具取付工程)
まず、処理対象のガラス板Gに対して、その一側縁である第一の側縁G1に上部治具31を装着する。具体的には、それぞれの挟持板42の挟持板部51の間にガラス板Gの第一の側縁G1を配置して締結ボルト43をねじ込む。これにより、ガラス板Gを挟持板部51によって両側から挟んで把持させる。上部治具31は、ガラス板Gの第一の側縁G1における両端近傍及び中央部に装着する。
次に、ガラス板Gの第一の側縁G1と対向する他側縁である第二の側縁G2に下部治具32を装着する。具体的には、それぞれの挟持板42の挟持板部51の間にガラス板Gの第二の側縁G2を配置して締結ボルト43をねじ込む。これにより、ガラス板Gを挟持板部51によって両側から挟んで把持させる。下部治具32は、ガラス板Gの第二の側縁G2における上部治具31の間に装着する。なお、下部治具32をガラス板Gに装着した後に、上部治具31をガラス板Gに装着しても良い。
(吊り下げ工程)
次に、ガラス板Gを、上部治具31が装着された第一の側縁G1が上方となり、下部治具32が装着された第二の側縁G2が下方となるように、鉛直に配置させて枠体11の内部に収容させる。
そして、例えば、支持部材65を係止部46a内に挿通させ、トップバー21に巻回した後に、緊結することで、上部治具31を支持部材65によって上フレーム12のトップバー21に支持させる。これにより、枠体11の内部において、ガラス板Gを、その一側縁である第一の側縁G1を上にした状態で吊り下げる。このとき、上部治具31は、締結ボルト43をねじ込むことで、ガラス板Gを挟持板部51によって両側から挟んで把持している。したがって、各締結ボルト43のねじ込み量を調整してガラス板Gの把持位置を上部治具31における前後方向(図4における左右方向)の中央位置とすれば、ガラス板Gの把持位置が支持部材65による吊り下げ位置と鉛直方向に略一致される。このようにすると、吊り下げられたガラス板Gにおける上部治具31での把持箇所への曲げモーメントの作用を極力抑えることができる。
さらに、下部治具32を支持部材65によって下フレーム14のボトムバー22に支持させる。これにより、枠体11の内部で吊り下げたガラス板Gの他側縁である第二の側縁G2を枠体11に保持させる。なお、ガラス板Gを吊り下げた後に、ガラス板Gの第二の側縁G2に下部治具32を装着し、この下部治具32をボトムバー22に支持させても良い。
そして、処理対象の全てのガラス板Gについて、第一の側縁G1を上にした状態で枠体11内において吊り下げ、下方の第二の側縁G2を枠体11に保持させる。
このようにすると、各ガラス板Gは、枠体11内で吊り下げられ、しかも、互いに隙間をあけた状態で、枠体11内に収容される。
(化学強化工程)
ガラス板収容体1に収容したガラス板Gに対して、化学強化のための各種の処理を施す。
この化学強化工程では、まず、ガラス板収容体1を予熱炉に投入して加熱処理を施す(加熱処理)。予熱炉では、ガラス板Gを、時間をかけて加熱し、徐々に温度を高める。
続いて、ガラス板収容体1の吊具18にフックを係止させてクレーンで持ち上げ、溶融塩が貯留された溶融塩貯留槽内にガラス板収容体1を投入し、ガラス板Gをガラス板収容体1内において吊り下げた状態で溶融塩に浸漬させる(塩浴処理)。
この塩浴処理は、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きなアルカリイオン(典型的にはKイオン)に交換することで、ガラス表面に圧縮応力層を、ガラス内部に引張応力層を、各々形成する処理である。
塩浴処理後、溶融塩貯留槽からガラス板収容体1を引き揚げて徐冷炉に投入してガラス板Gを徐冷する(徐冷処理)。徐冷処理は、例えば、電気ヒータにより、その出力が制御された熱量を徐冷炉内の必要位置に供給して徐冷炉内を搬送されるガラス板Gを常温に近い温度域までゆっくり冷却する。このようにすることにより、ガラス板Gに反りや割れが発生するのを抑制することができる。
次に、ガラス板収容体1を洗浄槽に入れ、ガラス板Gを洗浄し、最後にシャワーにより、ガラス板Gの表面についた洗浄液を洗い流す(洗浄処理)。
上記工程により、ガラス板Gは、化学強化された化学強化ガラス板とされる。
ところで、化学強化工程の塩浴処理では、ガラス転移点以下の温度(例えば、400℃〜530℃)の溶融塩に浸漬されているガラス板Gに自重などの荷重が集中して作用すると、ガラス板Gに低温クリープによる曲げや歪みなどの変形が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法によれば、ガラス板Gを吊り下げながら溶融塩中へ浸漬させて塩浴処理を行うので、塩浴処理中におけるガラス板Gへの自重による荷重の付与を抑制することができる。したがって、例えば、ガラス板Gを立て掛けて塩浴処理させる場合と比較し、塩浴処理中にガラス板Gの下端に自重などの荷重が集中して付与されることで生じる低温クリープによる変形を抑えることができる。これにより、大型で薄いガラス板Gを高品質かつ高い歩留りで化学強化することができ、化学強化ガラス板の生産性を大幅に向上させることができる。
そして、本実施形態に係る化学強化ガラス板の製造方法において用いられる化学強化用ガラス板収容体1によれば、上部治具31にガラス板Gの一側縁である第一の側縁G1を把持させて吊り下げた状態で溶融塩中に投入されることで、自重による荷重の付与を極力抑制しながら複数のガラス板Gに塩浴処理を行うことができる。これにより、低温クリープによる変形を抑えつつ大型で薄い複数のガラス板Gを化学強化することができる。
また、上部治具31で吊り下げられたガラス板Gの下方側の他側縁である第二の側縁G2を下部治具32で把持することで、化学強化工程における吊り下げられたガラス板Gの動きを抑制することで、ガラス板G同士の揺れによる接触を防止し、さらに、ガラス板Gの局所変形も防止することができる。これにより、隣接するガラス板G同士の接触による損傷や局所変形なく塩浴処理を行って化学強化することができる。
しかも、複数の上部治具31でガラス板Gの上方側の第一の側縁G1を把持し、複数の下部治具32でガラス板Gの下方側の第二の側縁G2を把持することで、上部治具31及び下部治具32で把持する際に付与される外力を分散させることができる。これにより、上部治具31及び下部治具32で把持することで付与される外力によるガラス板Gへの影響を極力抑えることができる。
また、枠体11に対して可撓性を有する支持部材65によって上部治具31及び下部治具32が支持されているので、ガラス板Gの揺れ等に追従させて上部治具31及び下部治具32が柔軟に変位することとなる。これにより、上部治具31及び下部治具32での把持箇所で、ガラス板Gに付与されるガラス板収容体の揺れ等に起因する外力を抑えることができる。さらに、化学強化工程中にガラス板の自重によって、ガラス板に低温クリープによる曲げや歪みなどの変形が生ずることを抑えることができる。
さらに、上部治具31及び下部治具32のガラス板Gを挟んで把持する挟持板42が、緩衝材61を備えているので、ガラス板Gを把持する際にガラス板Gに傷がつきづらくなる。特に、緩衝材61として、ガラス板Gと同質のガラスクロス(ガラス繊維)を用いれば、ガラス板と緩衝材との熱膨張率が略同等であるため、化学強化工程時の温度変動によるダメージ(ガラス板Gの割れやガラス板G表面の傷発生)を極力抑えることができる。
なお、上記実施形態では、複数の上部治具31でガラス板Gの第一の側縁G1を把持して吊り下げたが、一つの長尺の上部治具31によってガラス板Gの第一の側縁G1を略全長にわたって把持して吊り下げても良い。同様に、複数の下部治具32に代えて、一つの長尺の下部治具32によってガラス板Gの第二の側縁G2を略全長にわたって把持しても良い。
また、上記実施形態では、上部治具31で吊り下げたガラス板Gの下方側の第二の側縁G2を下部治具32で把持したが、塩浴処理中にガラス板G同士が揺れて接触することがなければ、下部治具32は、必ずしも設けなくても良い。例えば、ガラス板G同士が揺れて接触しないように、ガラス板G同士の間に介在する仕切り壁がボトムバー22から起立してもよい。
G6サイズ(1800mm×1500mm)で厚さ0.3mmのガラス板を各種の支持方法によって支持して化学強化し、化学強化後の仕上がりの評価を行った。なお、ガラス板は、溶融させたガラスを溶融錫上に流して平滑なガラス板とするフロート法によって製造し、フロート成形時における溶融錫側を下面側とし、フロート成形時における溶融錫と反対側を上面側とする。
(1)支持方法
(1.1)比較例1
第一の側縁(一側縁)を上方にして第二の側縁(他側縁)を下方にしたガラス板を等間隔に配置した3本のボトムバーに架け渡すように載せ、ガラス板が倒れないように、上方の第一の側縁及び両端縁を保持させた。
(1.2)実施例1
幅寸法60mmの上部治具でガラス板の第一の側縁における両端近傍及び中央部を把持して吊り下げ、幅寸法60mmの下部治具でガラス板の第二の側縁における上部治具での把持位置の間を把持した。
(1.3)実施例2
幅寸法40mmの上部治具でガラス板の第一の側縁における両端近傍及び中央部を把持して吊り下げ、幅寸法40mmの下部治具でガラス板の第二の側縁における上部治具での把持位置の間を把持した。
(2)化学強化処理
硝酸カリウム(KNO)を主成分とする400℃の溶融塩に4時間浸漬させることで化学強化を行った。
(3)評価項目
(3.1)歪み
化学強化後のガラス板を定盤上に載せ、ガラス板の外観における歪み等の変形の有無を確認して評価した。
(3.2)下面側反り
化学強化後のガラス板の下面側における仮想平面に対する反りの最大値をゲージで測定して評価した。
(3.3)上面側反り
化学強化後のガラス板の上面側における仮想平面に対する反りの最大値をゲージで測定して評価した。
(3.4)小片反り
化学強化後のガラス板を切断して小片(156mm×77mm)に加工し、その小片における反りの最大値及び反りが0.3mm以下の領域の割合を測定して評価した。
(4)評価結果
各評価における合否を表1に示す。
Figure 0006954277
各評価項目の結果は以下のようになった。
(4.1)歪みの評価結果
(4.1.1)比較例1
面全体における歪みや窪みがあり、外観から面品質が良くないことが確認された。その結果、歪みの評価は不合格(×)であった。
(4.1.2)実施例1
上部治具での把持部分に僅かな反りが生じたが、面全体における歪みはほとんどなく、面品質が非常に良好であることが確認できた。その結果、歪みの評価は合格(○)であった。
(4.1.3)実施例2
実施例1と同様に、上部治具での把持部分に僅かな反りが生じたが、面全体における歪みはほとんどなく、面品質が非常に良好であることが確認できた。その結果、歪みの評価は合格(○)であった。
(4.2)下面側反りの評価結果
(4.2.1)比較例1
ボトムバーとの接触箇所に大きな反りが生じ、反りの最大値は1.35mmとなった。その結果、下面側反りの評価は不合格(×)であった。
(4.2.2)実施例1
大きな反りはなく、反りの最大値は0.75mmに抑えられていた。その結果、下面側反りの評価は合格(○)であった。
(4.2.3)実施例2
実施例1と同様に、大きな反りはなく、反りの最大値は0.55mmとさらに抑えられていた。その結果、下面側反りの評価は合格(○)であった。
(4.3)上面側反りの評価結果
(4.3.1)比較例1
大きな反りはなく、反りの最大値は0.37mmであった。その結果、上面側反りの評価は合格(○)であった。
(4.3.2)実施例1
反りの最大値は0.45mmとなり、許容範囲内の反りであるため、上面側反りの評価は合格(○)であった。
(4.3.3)実施例2
大きな反りはなく、反りの最大値は0.15mmに抑えられていた。その結果、上面側反りの評価は合格(○)であった。
(4.4)小片反りの評価結果
(4.4.1)比較例1
小片の反りの最大値は0.65mmと大きくなり、反りが0.3mm以下の領域の割合は77.8%と少なかった。その結果、小片反りの評価は不合格(×)であった。
(4.4.2)実施例1
小片の反りの最大値は0.35mmに抑えられ、反りが0.3mm以下の領域の割合は90.1%と大きな割合であった。その結果、小片反りの評価は合格(○)であった。
(4.4.3)実施例2
小片の反りの最大値は0.20mmに抑えられ、反りが0.3mm以下の領域の割合は100%であった。その結果、小片反りの評価は合格(○)であった。
(5)結論
上記の評価結果から、比較例1の支持方法によって化学強化する場合、塩浴処理中にガラス板の第二の側縁(下側縁)に自重などの荷重が集中して作用し、ガラス板に低温クリープによる変形が生じたと考えられる。これに対して、実施例1,2の支持方法によって化学強化する場合、塩浴処理中において、吊り下げたガラス板には自重などの荷重の集中的な付与が抑制されるため、低温クリープによる変形が抑えられたと考えられる。
このことから、大型で薄いガラス板を高品質かつ高い歩留りで化学強化するには、ガラス板を吊り下げた状態で塩浴処理を行う本発明に係る製造方法が有効であり、この製造方法によれば、化学強化ガラス板の生産性を大幅に向上させることができることがわかった。
また、実施例1と実施例2の評価結果から、塩浴処理中にガラス板を吊り下げる上部治具及び下部治具としては、幅寸法が小さい方がより変形を抑えられることがわかった。ただし、上部治具及び下部治具の幅寸法が小さ過ぎると、把持力が集中してガラス板に付与され、ガラス板Gが破損したり、かえって変形が増加したりするおそれがある。このことから、上部治具及び下部治具の幅寸法は、20mm〜60mm程度とするのが好ましい。
以上、本発明の化学強化ガラス板の製造方法及び化学強化用ガラス板収容体について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本出願は、2016年5月30日出願の日本特許出願2016−107494に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:化学強化用ガラス板収容体
11:枠体
31:上部治具(第一の治具)
32:下部治具(第二の治具)
42:挟持板
61:緩衝材
65:支持部材
G:ガラス板
G1:第一の側縁
G2:第二の側縁

Claims (7)

  1. 化学強化ガラス板の製造方法において用いられ、複数のガラス板を収納したまま溶融塩中に投入される化学強化用ガラス板収容体であって、
    複数のガラス板が収容される枠体と、
    該枠体の上部に設けられ、それぞれの前記ガラス板の第一の側縁を把持して互いに隙間をあけて吊り下げる第一の治具と、
    前記枠体の下部に、吊り下げられたそれぞれの前記ガラス板の前記第一の側縁に対向する第二の側縁を把持する第二の治具と、
    を備え
    前記第二の治具は、互いに間隔をあけて前記ガラス板の前記第二の側縁に沿って複数設けられている、
    ことを特徴とする化学強化用ガラス板収容体。
  2. 前記第一の治具は、互いに間隔をあけて前記ガラス板の前記第一の側縁に沿って複数設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の化学強化用ガラス板収容体。
  3. 前記第一の治具は、可撓性を有する支持部材を介して前記枠体に支持されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化学強化用ガラス板収容体。
  4. 前記第一の治具は、
    前記ガラス板を挟んで把持する一対の挟持板と、
    該挟持板における前記ガラス板との対向面にそれぞれ設けられた緩衝材と、
    を備えることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の化学強化用ガラス板収容体。
  5. 前記第二の治具は、可撓性を有する支持部材を介して前記枠体に支持されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化学強化用ガラス板収容体。
  6. 前記第二の治具は、
    前記ガラス板を挟んで把持する一対の挟持板と、
    該挟持板における前記ガラス板との対向面にそれぞれ設けられた緩衝材と、
    を備えることを特徴とする請求項から請求項5のいずれか一項に記載の化学強化用ガラス板収容体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化学強化用ガラス板収容体を用いて、前記ガラス板の前記第一の側縁を前記第一の治具により把持するとともに、前記第二の側縁を前記第二の治具により把持し、
    把持した前記第一の側縁を上方にして前記ガラス板を吊り下げ、
    前記ガラス板を吊り下げながら溶融塩中へ浸漬させて塩浴処理を行うことで化学強化する
    ことを特徴とする化学強化ガラス板の製造方法。
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