以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、機能が同じ構成要素及び処理には全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は、本実施の形態に係る端末処理システム100の一例を示す構成図である。図1に示すように、端末処理システム100は、端末処理装置10及び複数の機器20A、20Bを含み、端末処理装置10と機器20A、及び端末処理装置10と機器20Bがそれぞれ無線回線30で接続されている。
図1に示す端末処理装置10は2台の機器20A、20Bと接続するが、端末処理装置10が接続する機器の数に制限はなく、N台(Nは1以上の整数)の機器と接続してもよい。以降では、各機器を「デバイス」と呼び、デバイス20A、20Bを区別して説明する必要のない場合には、「デバイス20」と表すことにする。
端末処理装置10は、例えば無線回線30を介してデバイス20に接続する通信機能を備えた携帯型の情報機器であり、具体的には、例えばスマートフォン、タブレット端末、及びユーザの体に装着するウェアラブル端末が用いられる。
デバイス20は、端末処理装置10からの指示により、生成物を生成する装置である。具体的には、デバイス20として、端末処理装置10で指定されたファイルの内容を記録媒体に形成する画像形成機能、プラテンガラスに配置された原稿の内容を端末処理装置10の指示に従って光学的に読み取るスキャナ機能、読み取った原稿の内容を記録媒体に画像として形成するコピー機能、及びファクシミリ回線を介して画像データを送受信し、受信した画像データを記録媒体に画像として形成するファクシミリ(facsimile:FAX)機能といった複数の機能のうち少なくとも1つの機能を備える画像形成装置が用いられる。
なお、画像形成装置はデバイス20の一例であり、デバイス20は、例えば3次元情報を受け付けて3次元造形物を造形する3次元造形装置であってもよい。
図1では、端末処理装置10とデバイス20が無線回線30で接続される例を示しているが、端末処理装置10とデバイス20は、無線と有線が混在する回線で接続されてもよい。具体的には、例えばデバイス20とルータが有線で接続され、ルータと端末処理装置10が無線回線30で接続されるような接続形態であってもよい。
図2は、端末処理装置10の機能ブロック図の一例である。端末処理装置10は、表示部11、受付部12、検索部13、取得部14、及び制御部15の各機能部と、表示ユニット16、入力ユニット17、及び通信ユニット18の各ユニットを含む。
表示部11は、制御部15及び表示ユニット16と接続され、制御部15の指示に従って、制御部15で処理された情報を画像として表示ユニット16に表示する。
表示ユニット16は、表示部11から通知される情報を視覚的にユーザに表示するユニットであり、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。
受付部12は、制御部15及び入力ユニット17と接続され、入力ユニット17を介して入力されたデバイス20におけるデータの生成条件、及びデバイス20の選択操作をそれぞれ受け付ける第1受付手段及び第2受付手段の一例である。受付部12は、受け付けた生成条件及びデバイス20の選択操作内容を制御部15に通知する。
入力ユニット17は、端末処理装置10に対するユーザの操作を電気信号に変換するユニットであり、例えばボタン及びタッチパネル等で構成される。
なお、表示ユニット16には入力ユニット17の一例であるタッチパネルが重畳して取り付けられており、タッチパネルが押下された場所に表示されているアイコン等のオブジェクトが選択されると選択したオブジェクトに対応する指示が受付部12に通知される。
検索部13は、制御部15及び通信ユニット18と接続され、制御部15の指示に従って、通信ユニット18からデバイス20の検索信号を送信させ、端末処理装置10の周囲に存在するデバイス20を検索する検索手段の一例である。ここで「端末処理装置10の周囲」とは、例えば検索信号のように端末処理装置10から送信される無線信号が到達する範囲をいう。
通信ユニット18は、端末処理装置10から約100mまでの距離(「近距離」という)にあるデバイス20と無線回線30を介してデータ通信を行うユニットである。具体的にはBluetooth(登録商標)、及びZigBee(登録商標)といった、いわゆる近距離通信プロトコルを含む。なお、通信ユニット18は近距離通信プロトコルだけではなく、例えばインターネット等の通信回線と接続し、インターネットに接続されたコンピュータ等の外部装置とデータ通信を行う通信プロトコルを備えてもよい。
取得部14は、制御部15及び通信ユニット18と接続され、検索部13で検索されたデバイス20から、デバイス20において生成されるデータの生成に関わる性能を取得する取得手段の一例であり、取得部14は、取得した性能を記憶装置に記憶する。
ここで「データの生成に関わる性能」とは、データの生成結果に影響を与える属性の性能を指す。具体的には、デバイス20に備えられる機能が画像形成機能であれば、例えばモノクロに対応しているかカラーに対応しているかを示すカラーモードがデータの生成に関わる性能の一例となる。デバイス20に備えられる機能がスキャナ機能であれば、例えば原稿の読み取り解像度がデータの生成に関わる性能の一例となる。デバイス20に備えられる機能がコピー機能であれば、例えばカラーモード及び原稿の読み取り解像度がデータの生成に関わる性能の一例となる。また、デバイス20に備えられる機能がFAX機能であれば、原稿の読み取り解像度がデータの生成に関わる性能の一例となる。以降では、データの生成に関わる性能を単に「性能」ということにする。
制御部15は、表示部11、受付部12、検索部13、取得部14、及び通信ユニット18とそれぞれ接続され、接続される各々の機能部及び通信ユニット18の処理を各機能部から通知される情報に基づいて制御する制御手段の一例である。
図3は、デバイス20の機能ブロック図の一例である。デバイス20は、操作表示部21、画像形成部22、画像読み取り部23、FAX処理部24、通信部25、及び制御部26の各機能部と、操作ユニット27、画像形成ユニット28、スキャナユニット29、及び通信ユニット31の各ユニットを含む。
操作表示部21は、制御部26及び操作ユニット27と接続され、操作ユニット27で受け付けたユーザの操作内容を制御部26に通知すると共に、制御部26から受け付けた情報を操作ユニット27に表示する。
操作ユニット27は、ユーザがデバイス20を操作するためのユニットであり、ボタン及びタッチパネルが配置された操作パネルと、デバイス20の動作状況が表示される表示パネルが含まれる。
画像形成部22は、制御部26及び画像形成ユニット28と接続され、制御部26の指示に従って、例えば端末処理装置10から受け付けた画像データを画像の形成に適したデータ(例えばラスタデータ)に変換し、画像形成ユニット28を用いて記録媒体に画像を形成する。なお、ラスタデータのように、受け付けた画像データから生成される各種データは、デバイス20で生成されるデータの一例である。
画像形成ユニット28は、記録媒体に画像を形成するためのユニットである。デバイス20が電子写真方式で記録媒体に画像を形成する場合、画像形成ユニット28には、例えば光を照射する露光装置、露光装置の光によって静電潜像が形成される感光体、静電潜像を現像剤で現像する現像器、現像剤で現像された現像画像を記録媒体に転写する転写器等が含まれる。なお、デバイス20における画像の形成方式は電子写真方式に限られず、例えばインクジェット方式であってもよい。
画像読み取り部23は、制御部26及びスキャナユニット29と接続され、スキャナユニット29で原稿の内容を読み取ると共に、読み取った原稿の画像データを制御部26に通知する。
スキャナユニット29は、例えば原稿の内容を光学的に読み取るCCDセンサを備え、原稿の読み取り面であるプラテンガラスに置かれた原稿の内容を、例えば赤、緑、青の各色の濃度成分で表した画像データに変換する。原稿の画像データは、デバイス20で生成されるデータの一例である。
FAX処理部24は、制御部26及び通信ユニット31と接続され、制御部26の指示に従って、スキャナユニット29で読み取った原稿の画像データを指定された宛先に通信ユニット31を介して送信する。また、FAX処理部24は、通信ユニット31から受信した画像データを、制御部26を介して画像形成部22に受け渡す。画像形成部22は、受信した画像データに対応する画像を記録媒体に形成する。
通信ユニット31は、例えばFAX回線と接続する通信プロトコルの他、インターネット等の通信回線に接続してデータ通信を行う通信プロトコルを備えると共に、端末処理装置10とデータ通信するための近距離通信プロトコルを備える。
通信部25は、制御部26及び通信ユニット31と接続され、制御部26の指示に従って、通信ユニット31を用いてデータ通信を行う。
制御部26は、操作表示部21、画像形成部22、画像読み取り部23、FAX処理部24、及び通信部25とそれぞれ接続され、接続される各々の機能部の処理を制御する。
なお、生成条件に従ったデータを生成する画像形成ユニット28、及びスキャナユニット29は、生成手段の一例である。
上述した端末処理装置10及びデバイス20は、コンピュータを用いて構成される。図4は、コンピュータを用いて構成された端末処理装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ40は、本実施の形態に係る表示部11、受付部12、検索部13、取得部14、及び制御部15として機能するCPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、不揮発性メモリ44、及び入出力インターフェース(I/O)45を備える。そして、CPU41、ROM42、RAM43、不揮発性メモリ44、及びI/O45がバス46を介して各々接続されている。なお、コンピュータ40で用いられるオペレーションシステムに制限はない。
不揮発性メモリ44は、不揮発性メモリ44に供給される電力を遮断しても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。
I/O45には、例えば表示ユニット16、入力ユニット17、及び通信ユニット18が接続されるが、例えば端末処理装置10の位置を取得するGPS(Global Positioning Sytem)ユニットのように、他のユニットが接続されてもよいことは言うまでもない。
一方、図5は、コンピュータを用いて構成されたデバイス20における電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ50は、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリ54、及びI/O55を備える。そして、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリ54、及びI/O55がバス56を介して各々接続されている。
不揮発性メモリ54には、端末処理装置10の不揮発性メモリ44と同じく半導体メモリが用いられるが、ハードディスクを用いてもよい。
I/O55には、例えば操作ユニット27、画像形成ユニット28、スキャナユニット29、及び通信ユニット31が接続されるが、例えば記録媒体に穴を開けるフィニッシャーのように、他のユニットが接続されてもよいことは言うまでもない。
次に、図6〜図9を用いて、端末処理装置10がデバイス20の機能を利用する場合の動作について説明する。なお、端末処理装置10が利用するデバイス20の機能はどのようなものであってもよいが、ここでは、スキャナ機能を利用する例を用いて端末処理装置10の動作について説明する。また、デバイス20Aのスキャナユニット29における原稿の読み取り解像度は300dpi(dots per inch)であり、デバイス20Bのスキャナユニット29における原稿の読み取り解像度は600dpiとする。
図6〜図8は、端末処理装置10でデバイス20のスキャナ機能を利用するためのアプリケーションが起動された後に、CPU41によって実行される端末処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、図6〜図8で示される端末処理が実行された場合に、端末処理装置10とデバイス20を接続する無線回線30で送受信されるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
端末処理を規定する端末処理プログラムは、例えば端末処理装置10のROM42に予め記憶されている。端末処理装置10のCPU41は、ROM42に記憶される端末処理プログラムを読み込んで端末処理を実行する。
まず、図6のステップS10において、CPU41は、ユーザがデバイス20に要求するデータの生成条件を受け付け、通信ユニット18の近距離通信プロトコルを制御して、端末処理装置10の周囲に存在するデバイス20を検索するデバイス検索処理を実行する。
そして、ステップS20において、CPU41は、ステップS20で検索したデバイス20の中から、設定された生成条件以上の性能を有するデバイス20を用いて原稿を読み取らせるデバイス実行処理を実行する。本実施の形態では、スキャナ機能を利用する端末処理装置10を例にして端末処理装置10の作用を説明することから、例えば原稿の読み取り解像度がデバイス20に要求する生成条件として設定される。すなわち、CPU41は、原稿の画像データの生成条件を受け付ける第1受付手段として機能し、ユーザに設定された読み取り解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20で原稿を読み取らせるように端末処理装置10を制御する。
図7は、図6のステップS10でCPU41によって実行されるデバイス検索処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。
ステップS12において、CPU41は、ユーザが入力ユニット17を操作して設定した、デバイス20に要求する生成条件を受け付けたか否かを判定する。具体的には、CPU41は、原稿の読み取り解像度を受け付けたか否かを判定する。
ステップS12の判定が否定判定の場合、すなわち、原稿の読み取り解像度を受け付けていない場合には、原稿の読み取り解像度を受け付けるまでステップS12の処理を繰り返し実行して、デバイス20に要求する生成条件の受け付けを監視する。一方、原稿の読み取り解像度を受け付けた場合には、ステップS14に移行する。以降の説明では、ユーザが原稿の読み取り解像度として600dpiを設定したものとして説明を行う。
ステップS14において、CPU41は、通信ユニット18の近距離通信プロトコルを制御して検索信号を送信し、端末処理装置10の周囲に存在するデバイス20を検索する(図9のF1)。検索信号を受信した各々のデバイス20は、予め設定されているデバイス名、デバイス20を一意に識別するデバイス識別子、及びデバイス20が有する各種性能を含む応答情報を送信する(図9のF2)。
ここで、デバイス名とはデバイス20の各々に設定されたデバイスの名称であり、ユーザによって自由に設定される。したがって、場合によっては複数のデバイス20でデバイス名が重複する場合がある。本実施の形態では、デバイス20Aのデバイス名が「デバイスA」、デバイス20Bのデバイス名が「デバイスB」に設定されているものとする。
デバイス識別子としては、例えばデバイス20に設定されたIPアドレス、MACアドレス、及び製造番号等、他のデバイス20と重複しない値が用いられる。
ステップS16において、CPU14は、ステップS14で検索信号を送信してから予め定めた規定時間が経過したか否かを判定する。規定時間が経過していない場合にはステップS16の処理を繰り返し実行して、規定時間が経過するまでデバイス20からの応答情報を受け付ける。このように規定時間に亘ってデバイス20からの応答情報を受け付けるのは、デバイス20の中には、例えば他の処理を実行している等の理由により、検索信号に対する応答情報の送信が遅延するデバイス20も存在するためである。応答情報の受信期間を規定する規定時間は、例えば不揮発性メモリ44に予め記憶しておけばよい。
ステップS16の判定処理で、検索信号を送信してから規定時間が経過したと判定した場合にはステップS18に移行する。
ステップS18において、CPU41は、検索されたデバイス20、すなわち検索信号に対して応答情報を送信してきたデバイス20を表示する検索画面を表示ユニット16に表示する。そして、CPU41は、検索画面に表示したデバイス20と、当該デバイスが送信した応答情報を対応付けてRAM43に記憶する。このように、デバイス20を検索して、デバイス20でのデータの生成に関わる性能をデバイス20毎に取得し、RAM43に記憶することを「デバイス20の性能を保持する」という。したがって、図2に示した取得部14は保持手段の一例でもある。
図10は、端末処理装置10の表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。検索画面32は、検索されたデバイス20を表示するデバイス表示領域34と、利用しようとしたデバイス20に関する情報を表示する情報領域36を含む。
本実施の形態では、デバイス20A、20Bが検索信号に対して応答情報を送信するため、2つのデバイス20がデバイス表示領域34に表示される。なお、検索画面32における検索されたデバイス20の表示方法に制限はなく、検索されたデバイス20の一覧が表示されるものであればよい。したがって、図10の例では、デバイス20に対して予め設定したアイコンをそれぞれ表示し、各々のデバイス20に対してデバイス名を表示している。なお、デバイス20のデバイス名は重複する場合があるため、デバイス名の代わりに、各々のデバイス20に対応付けられたデバイス識別子を表示するようにしてもよい。
以上により、図7で示されるデバイス検索処理を終了する。引き続き、図6のステップS20で示されるデバイス実行処理が実行される。
なお、図7に示したデバイス検索処理では、各デバイス20が備える性能を各デバイス20からの応答情報により取得したが、例えば各デバイス20の性能をデバイス識別子と対応付けて、予め端末処理装置10の不揮発性メモリ44に記憶しておいてもよい。この場合、不揮発性メモリ44を参照すれば、応答電文に含まれるデバイス識別子から検索されたデバイス20の性能が得られるため、デバイス20は、デバイス20が有する各種性能を応答情報に含めなくてもよい。
このように、端末処理装置10の不揮発性メモリ44にデバイス20の性能を予め記憶しておくことも、デバイス20の性能を保持する形態の一例である。また、各々のデバイス20の性能を記憶する不揮発性メモリ44は、記憶手段の一例である。
図8は、図6のステップS20でCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。
ステップS22において、CPU41は、図7のステップS18でRAM43に記憶した対応情報を参照し、検索されたデバイス20の中に、図7のステップS12で受け付けた性能、すなわち、設定された原稿の読み取り解像度(「設定解像度」という)以上の読み取り解像度を有するデバイス20が存在するか否かを判定する。
設定解像度未満の読み取り解像度を有するデバイス20しか存在しない場合には、ステップS50に移行する。
この場合、ユーザは検索されたデバイス20の何れを利用しても、ユーザが要求する読み取り解像度以上の性能で原稿が読み取られることはない。したがって、ステップS50において、CPU41は、例えば検索画面32の情報領域36に、「設定解像度(600dpi)を有するデバイスは検出されませんでした。」といったメッセージを表示して、ユーザが設定した生成条件以上の性能を有するデバイス20が検索されなかったことをユーザに通知する。
図11は、ステップS50によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。
なお、この場合、必ずしも情報領域36にメッセージを表示する必要はなく、例えばデバイス表示領域34の各アイコンにバツ印を重畳する等、図形や画像を用いて、受け付けた生成条件以上の性能を有するデバイス20が存在しないことをユーザに通知してもよい。また、端末処理装置10にスピーカーが備えられている場合には音声で通知してもよい。また、端末処理装置10に端末処理装置10本体を振動させる振動子が備えられている場合には、端末処理装置10の振動で通知してもよい。このように、文字、図形、画像、音声、及び振動等の様々な手段を用いてユーザに端末処理の処理状況を知らせることを、ユーザに「報知する」ともいう。
そして、CPU41は、図8に示すデバイス実行処理を終了すると共に、図6に示した端末処理を終了する。
一方、ステップS22の判定処理において、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が存在すると判定された場合には、ステップS24に移行する。
ステップS24において、CPU41は、検索画面32の情報領域36に、例えば「設定解像度(600dpi)を有するデバイス(デバイスB)を検出しました。」といったメッセージを表示して、ユーザが設定した生成条件以上の性能を有するデバイス20が検索されたことをユーザに通知する。CPU41は、情報領域36にメッセージを表示する際、デバイス表示領域34にデバイス識別子が表示していれば、例えば「設定解像度(600dpi)を有するデバイス(192.16.0.1)を検出しました。」というように、デバイス名の代わりにデバイス識別子を表示することで、デバイス表示領域34のアイコンと、情報領域36で通知されたデバイス20を対応付けてもよい。ここで、「192.16.0.1」はIPアドレスの一例を示す。
図12は、ステップS24によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。
なお、この場合、必ずしも情報領域36にメッセージを表示する必要はなく、例えばデバイスBに対応するデバイス表示領域34のアイコンに丸印を重畳する等、図形や画像を用いて、受け付けた生成条件以上の性能を有するデバイス20が存在することをユーザに通知してもよい。また、端末処理装置10にスピーカーが備えられている場合には音声で通知してもよい。また、端末処理装置10に端末処理装置10本体を振動させる振動子が備えられている場合には、端末処理装置10の振動で通知してもよい。
本実施の形態に係るデバイス20の利用例のように、デバイス20のスキャナ機能を利用する場合、ユーザは、読み取り対象となる原稿をスキャナユニット29のプラテンガラスに配置するため、何れかのデバイス20まで移動することになる。スキャナユニット29は、プラテンガラスに置いた原稿を平らに保つため、プラテンガラスをプラテンカバーで覆う構造を有している。したがって、ユーザは原稿をプラテンガラスに配置する際にプラテンカバーを開けてプラテンガラスに原稿を配置する操作を行う。
こうしたデバイス20の利用(本実施の形態の場合、スキャナ機能の実行)に先立ってデバイス20に対する操作が行われると、デバイス20は、操作が行われたことを示す操作情報を端末処理装置10に送信する(図9のF3)。具体的には、デバイス20はプラテンカバーの開閉を検知する変位センサを備え、変位センサがプラテンカバーの位置の変化を検知した場合に、無線回線30を介して端末処理装置10に操作情報を送信する。なお、操作情報にはデバイス20のデバイス識別子が含まれる。
デバイス20に対するユーザの操作とは、プラテンカバーの開閉、及び操作ユニット27のタッチパネルの押下のように、ユーザがデバイス20に直接触れて行う行為をいう。また、変位センサは、デバイス20に対するユーザの操作を検知する検知手段の一例である。
したがって、ステップS26において、CPU41は、何れかのデバイス20から操作情報を取得したか否かを判定する。何れのデバイス20からも操作情報を取得していない場合はステップS26を繰り返し実行し、デバイス20からの操作情報を監視する。操作情報を取得した場合はステップS28に移行する。
ステップS28において、CPU41は、ステップS26で取得した操作情報に含まれるデバイス識別子と同じデバイス識別子を有する応答情報をRAM43から取得する。そして、CPU41は、取得した応答情報に含まれる性能から、図7のステップS12で受け付けた生成条件に対応する性能、すなわち、原稿の読み取り解像度を取得する。これにより、操作情報を送信したデバイス20における原稿の読み取り解像度が得られる。以降では、操作情報を送信したデバイス20における原稿の読み取り解像度を「操作デバイス解像度」といい、ユーザが操作したデバイス20を「操作デバイス」という場合がある。
引き続き、CPU41は、操作デバイス解像度が設定解像度以上であるか否かを判定する。
ユーザは、ステップS24によって、端末処理装置10の周囲にユーザが要求する読み取り解像度以上の性能を有するデバイス20が存在することはわかるが、端末処理装置10の周囲に実際に設置された何れのデバイス20が、ユーザが要求する読み取り解像度以上の性能を有するデバイス20かを知ることは困難である。したがって、場合によっては、プラテンカバーを開けてプラテンガラスに原稿を配置したデバイス20が、ユーザが要求する読み取り解像度未満の性能しか備えていないデバイス20Aであることもある。
このように、設定解像度未満の性能しか備えていないデバイス20がユーザによって操作された場合には、ステップS30に移行する。
ステップS30において、CPU41は、検索画面32の情報領域36に、例えば「操作したデバイス(デバイスA)の解像度は設定解像度未満(300dpi)です。他のデバイスを使用してください。」といったメッセージを表示して、ユーザが原稿を配置したデバイス20が、設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないことをユーザに通知する。
図13は、ステップS30によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。
なお、ユーザが原稿を配置したデバイス20が、設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないことをユーザに通知する方法はこれに限られない。例えば、端末処理装置10にスピーカーが備えられている場合には音声で通知してもよい。また、端末処理装置10に端末処理装置10本体を振動させる振動子が備えられている場合には、端末処理装置10の振動で通知してもよい。
ユーザは、原稿をプラテンガラスに配置したデバイス20が、設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないことを端末処理装置10から通知されることで、他のデバイス20(具体的にはデバイス20B)のスキャナ機能を利用するよう促されることになる。この場合、ユーザがデバイス20Bのプラテンガラスに原稿を配置することで、デバイス20Bから操作情報が送信される(図9のF4)。
したがって、ステップS30の後、再びステップS26に移行し、新たなデバイス20からの操作情報を監視する。
一方、ステップS28において、取得した操作デバイス解像度が設定解像度以上である場合には、ステップS32に移行する。
そして、ステップS32において、CPU41は、例えば検索画面32の情報領域36に、「操作したデバイス(デバイスB)の解像度は設定解像度以上のデバイスです。」といったメッセージを表示する。
図14は、ステップS32によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。
ユーザが検索画面32の情報領域36に表示されたデバイス20(この場合、デバイス20B)に対応したデバイス表示領域34上のアイコンを押下すると共に、例えばアイコンを押下することで検索画面32に表示される図示しない実行ボタンを更に押下することで、スキャナ機能を実行するデバイス20が選択される。
デバイス20に対応したアイコンを押下することで、例えばスキャナ機能を実行させるデバイス20のデバイス識別子等の情報がCPU41に通知され、図示しない実行ボタンが押下されることで、CPU41は、通知されたデバイス20との間で無線回線を接続し、通知されたデバイス20に対してスキャナ機能の実行を指示する。
本実施形態において、デバイス20を複数のデバイス20の中から選択する操作とは、通知されたデバイス20との間で無線回線を接続するための操作、又は、通知されたデバイス20に対してデバイス20が有する機能の実行を、無線回線を介して指示する操作のことをいう。しかしながら、デバイス表示領域34上で押下したアイコンに対応するデバイス20の情報をCPU41に通知する操作も、デバイス20を複数のデバイス20の中から選択する操作の一例である。
CPU41は、デバイス20を選択する操作を受け付ける第2受付手段として機能し、スキャナ機能を実行するデバイス20が選択された場合、ステップS34において、選択されたデバイス20との間で接続処理を行い、ユーザが設定した読み取り解像度でスキャナ機能を開始して画像データを生成させる生成指示を送信する。生成指示を受信したデバイス20は、指定された読み取り解像度で原稿の読み取りを開始し、読み取った原稿の画像データを端末処理装置10に送信する。
以上により、図8で示されるデバイス実行処理が終了し、図6に示した端末処理が終了する。
このように本実施の形態に係る端末処理システム100は、ユーザが操作したデバイス20が、ユーザが要求する生成条件未満の性能しか有していない場合、ユーザが検索画面32から機能を実行するデバイス20を選択する前に、他のデバイス20を利用するように報知する。
<第1実施形態の変形例1>
上述した端末処理システム100では、設定解像度未満の性能しか備えていないデバイス20がユーザによって操作された場合、図13に示したように図8のステップS30で、ユーザが操作したデバイス20が、設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないことを通知した。
この場合、CPU41は、検索されたデバイス20からの応答情報により、検索された各デバイス20における原稿の読み取り解像度の情報を既に有している。したがって、CPU41は、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20のデバイス名をユーザに通知するようにしてもよい。具体的には、デバイス20Bは設定解像度以上の原稿の読み取り解像度を有していることから、図13に示した情報領域36のメッセージの代わりに、例えば図15に示すように、「操作したデバイス(デバイスA)の解像度は設定解像度未満(300dpi)です。デバイスBに原稿をセットしてください。」といったメッセージを表示するようにしてもよい。
この場合、設定解像度以上の読み取り解像度を有する具体的なデバイス20がユーザに通知されることになる。
更に、CPU41は、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20に報知指示を送信してもよい。報知指示を受け付けたデバイス20は、デバイス20の設置位置をユーザに知らせる。具体的には、報知指示を受け付けたデバイス20は、例えば操作ユニット27の表示パネルに備えられたLED等を点灯又は点滅させて、デバイス20の設置位置をユーザに知らせる。デバイス20にスピーカーが備えられている場合、報知指示を受け付けたデバイス20は音声でデバイス20の設置位置をユーザに知らせてもよい。
<第1実施形態の変形例2>
図1に示した端末処理システム100では、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20がデバイス20Bの1台である状況について説明した。しかしながら、場合によっては設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が複数存在することもある。本変形例では、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が複数存在する場合における、端末処理装置10のデバイス実行処理について説明する。
図16は、図6のステップS20で端末処理装置10のCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。CPU41は、図6に示した端末処理において、ステップS10のデバイス検索処理を実行した後、ステップS20で図16に示すデバイス実行処理を実行する。
図16に示すデバイス実行処理が図8に示したデバイス実行処理と異なる点は、ステップS36、S38、及びS40が追加された点であり、その他の処理は図8に示したデバイス実行処理と同じである。
図16に示すデバイス実行処理において、操作デバイス解像度が設定解像度未満の場合、ステップS36が実行される。
ステップS36において、CPU41は、図7のステップS18でRAM43に記憶した対応情報を参照し、検索されたデバイス20の中に、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が複数存在するか否かを判定する。設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が1台しか存在しない場合には、ステップS40に移行する。
ステップS40において、CPU41は、1台しかない設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20を選択する。
一方、ステップS36の判定処理において、設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が複数存在すると判定された場合には、ステップS38に移行する。
ステップS38において、CPU41は、設定解像度以上の読み取り解像度を有する複数のデバイス20のうち、端末処理装置10から最も近い場所に設置されているデバイス20を選択する。
具体的には、CPU41は、例えば検索信号を再度送信し、各デバイス20から応答情報を受信した際のそれぞれの受信強度を通信ユニット18から取得する。応答情報の受信強度は、端末処理装置10の位置から近くに設置されているデバイス20ほど大きくなる傾向を示す。したがって、CPU41は、設定解像度以上の読み取り解像度を有する複数のデバイス20のうち、応答情報の受信強度が最も大きいデバイス20を、端末処理装置10から最も近い場所に設置されているデバイス20として選択すればよい。
図17は、デバイス20A、20B、20Cを含む端末処理システム100Aの一例を示す構成図である。端末処理システム100Aにおいて、デバイス20A、20B、20Cにおける原稿の読み取り解像度はそれぞれ300dpi、600dpi、600dpiであり、ユーザが設定した設定解像度は600dpiとする。また、デバイス20Bよりデバイス20Cの方が、端末処理装置10から近い場所に設置されているとする。この状況において、ユーザがデバイス20Aを操作した場合、端末処理装置10は、図16のステップS30で、例えば「操作したデバイス(デバイスA)の解像度は設定解像度未満(300dpi)です。デバイスCに原稿をセットしてください。」といったメッセージを検索画面32の情報領域36に表示することになる。
本変形例では、無線回線30におけるデータの受信強度を用いて端末処理装置10から各デバイス20までの距離を推定したが、受信強度を参照する以外の方法を用いて、端末処理装置10から各デバイス20までの距離を推定してもよい。例えば、端末処理装置10及びデバイス20がGPSユニットを備えている場合、デバイス20が送信する応答情報にデバイス20が設置されている場所の位置情報を含ませるようにして、端末処理装置10の位置情報と比較することで端末処理装置10から各デバイス20までの距離を推定してもよい。
<第1実施形態の変形例3>
これまでの実施形態では、ユーザが操作したデバイス20は、図6におけるステップS10のデバイス検索処理で検索され、検索画面32のデバイス表示領域34に表示されているデバイス20であった。
しかしながら、端末処理装置10でデバイス検索処理が行われる期間に、例えば節電のため休止状態にあり、検索信号に対して応答情報を送信しなかったデバイス20のプラテンガラスにユーザが原稿を配置した場合、端末処理装置10は操作が行われたデバイス20の応答情報を受信していないため、当該デバイス20の性能が不明である状況が発生することがある。
本変形例では、デバイス検索処理で検索されなかったデバイス20に対してユーザの操作が行われた場合の端末処理装置10の動作について説明する。
図18は、図6のステップS20で端末処理装置10のCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。CPU41は、図6に示した端末処理において、ステップS10のデバイス検索処理を実行した後、ステップS20で図18に示すデバイス実行処理を実行する。
図18に示すデバイス実行処理が図8に示したデバイス実行処理と異なる点は、ステップS27、並びに、ステップS42、S44、S46、及びS48が追加された点であり、その他の処理は図8に示したデバイス実行処理と同じである。
図18に示すデバイス実行処理において、何れかのデバイス20から操作情報を取得した場合、ステップS27が実行される。
ステップS27において、CPU41は、取得した操作情報に含まれるデバイス識別子と同じデバイス識別子を有する応答情報がRAM43に記憶されているか否かを判定する。操作情報に含まれるデバイス識別子と同じデバイス識別子を有する応答情報がRAM43に記憶されていない場合、すなわち、操作デバイスの性能が不明の場合には、ステップS42に移行する。
ステップS42において、CPU41は、検索画面32の情報領域36に、例えば「操作したデバイスの解像度が不明です。」といったメッセージを表示して、操作デバイスにおける原稿の読み取り解像度が設定解像度以上ではない可能性があることをユーザに通知する。
なお、この場合、必ずしも情報領域36にメッセージを表示する必要はなく、例えばデバイス表示領域34に図形や画像を表示して、操作デバイスの性能が不明であることをユーザに通知してもよい。また、端末処理装置10にスピーカーが備えられている場合には音声で通知してもよい。また、端末処理装置10に端末処理装置10本体を振動させる振動子が備えられている場合には、端末処理装置10の振動で通知してもよい。
ステップS44において、CPU41は、図7のステップS14と同じ処理を実行して、端末処理装置10の周囲に存在するデバイス20を再度検索する。
ステップS46において、CPU41は、図7のステップS16と同じ処理を実行して、ステップS44で検索信号を送信してから予め定めた規定時間が経過したか否かを判定する。規定時間が経過していない場合にはステップS46の処理を繰り返し実行して、規定時間が経過するまでデバイス20からの応答情報を受け付ける。一方、規定時間が経過した場合にはステップS48に移行する。
ステップS48において、CPU41は、ステップS44で検索されたデバイス20を検索画面32のデバイス表示領域34に表示して、デバイス表示領域34の表示を更新する。デバイス表示領域34の更新後、ステップS22に移行して、デバイス実行処理を最初から再度実行する。
一方、ステップS27の判定処理において、操作情報に含まれるデバイス識別子と同じデバイス識別子を有する応答情報がRAM43に記憶されている場合、すなわち、操作デバイスの性能が判明している場合にはステップS28に移行して、これまでに説明した処理を実行する。
このように本変形例に係る端末処理装置10によれば、操作デバイスの性能が不明の場合にはユーザに警告を報知した上で、デバイス20の再検索を行う。デバイス20の再検索を行うことでユーザが操作した操作デバイスの性能が得られる。
なお、図18に示したデバイス実行処理では、ステップS44でデバイス20の再検索を行った後にステップS22に移行したが、デバイス20の再検索によって操作デバイスの操作デバイス解像度が得られるため、ステップS22に移行する代わりにステップS28に移行してもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態に示した端末処理システム100、100Aは、ユーザが設定した設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が存在しない場合、端末処理装置10の検索画面32にメッセージを表示してデバイス実行処理を中止するものであった。しかし、ユーザの中には設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないデバイス20であっても、スキャナ機能を利用したいユーザも存在する。
第2実施形態では、周囲にユーザが要求する生成条件未満の性能を有するデバイス20しか設置されていない場合における端末処理装置10の動作について説明する。
図19は、デバイス20A、20Dを含む端末処理システム100Bの一例を示す構成図である。デバイス20Aにおける原稿の読み取り解像度は300dpiであり、デバイス20Dにおける原稿の読み取り解像度は400dpiとする。
図20は、こうした端末処理システム100Bにおいて、図6のステップS20で端末処理装置10のCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。CPU41は、図6に示した端末処理において、ステップS10のデバイス検索処理を実行した後、ステップS20で図20に示すデバイス実行処理を実行する。
図20に示すデバイス実行処理が図8に示したデバイス実行処理と異なる点は、ステップS50がステップS52、S54に置き換えられ、ステップS54の実行後はステップS26に移行するように変更された点である。その他の処理は図8に示したデバイス実行処理と同じである。
図20に示すデバイス実行処理において、検索された何れのデバイス20も原稿の読み取り解像度が設定解像度未満である場合、ステップS52が実行される。具体的には、図19に示した端末処理システム100Bにおいて、ユーザが設定解像度として例えば600dpiを設定した場合、ステップS52が実行される。
この場合、ユーザの要求を満たす読み取り解像度を備えたデバイス20は存在しない。したがって、ステップS52において、CPU41は、検索されたデバイス20のうち、読み取り解像度が最も高いデバイス20を代替デバイスとしてユーザに通知する。
図21は、ステップS52によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。
図21に示すように、CPU41は、検索画面32の情報領域36に、例えば「設定解像度(600dpi)を有するデバイスは検出されませんでした。デバイスAよりデバイスDの解像度の方が高いので、デバイスDに原稿をセットしてください。」といったメッセージを表示して、ユーザが要求する生成条件に最も近い性能を有するデバイス20をユーザに通知する。
ステップS54において、CPU41は、ステップS52で代替デバイスとしてユーザに通知したデバイス20が有する原稿の読み取り解像度を、新たな設定解像度として更新する。設定解像度を更新することによって、原稿の読み取り解像度が最も高いデバイス20(図19の例ではデバイス20D)をユーザが操作した場合に、ステップS28の判定処理が肯定判定となり、スキャナ機能が実行される。一方、原稿の読み取り解像度が最も高いデバイス20とは異なるデバイス20をユーザが操作した場合には、ステップS28の判定処理が否定判定となり、ステップS30で他のデバイス20の利用が促されることになる。
このように本実施の形態に係る端末処理装置10によれば、検索された何れのデバイス20の性能もユーザが要求する生成条件未満の性能である場合、検索されたデバイス20の中で性能が最も高いデバイス20を代替デバイスとしてユーザに通知する。そして、端末処理装置10は、操作デバイスの性能が代替デバイスの性能未満である場合、ユーザが代替デバイスを利用するように警告を通知する。
<第2実施形態の変形例1>
上述した第2実施形態の例では、検索されたデバイス20の中に設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が存在せず、かつ、検索されたデバイス20の中で最も原稿の読み取り解像度が高いデバイス20が1台である場合について説明した。しかしながら、場合によっては検索されたデバイス20の中に、最も原稿の読み取り解像度が高いデバイス20が複数存在することもある。
本変形例では、検索されたデバイス20の中に設定解像度以上の読み取り解像度を有するデバイス20が存在せず、かつ、最も原稿の読み取り解像度が高いデバイス20が複数存在する場合における端末処理装置10のデバイス実行処理について説明する。
図22は、デバイス20A、20D、20Eを含む端末処理システム100Cの一例を示す構成図である。デバイス20Aにおける原稿の読み取り解像度は300dpiであり、デバイス20D、20Eにおける原稿の読み取り解像度は共に400dpiであるとする。
図23は、こうした端末処理システム100Cにおいて、図6のステップS20で端末処理装置10のCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。CPU41は、図6に示した端末処理において、ステップS10のデバイス検索処理を実行した後、ステップS20で図23に示すデバイス実行処理を実行する。
図23に示すデバイス実行処理が図20に示したデバイス実行処理と異なる点は、ステップS56、S58、及びS60が追加された点であり、その他の処理は図20に示したデバイス実行処理と同じである。
図23に示すデバイス実行処理において、操作デバイスにおける原稿の読み取り解像度が設定解像度未満であった場合、ステップS56が実行される。
具体的には、図22に示した端末処理システム100Cにおいて、ユーザが設定解像度として例えば600dpiを設定した場合、設定解像度がステップS54で代替デバイス(デバイス20D及びデバイス20E)の読み取り解像度(400dpi)に更新される。その後、ユーザがデバイス20Aのプラテンガラスに原稿を配置した場合、ステップS28の判定処理が否定判定となり、ステップS56が実行される。
ステップS56において、CPU41は、図7のステップS18でRAM43に記憶した対応情報を参照し、検索されたデバイス20の中に、操作デバイス解像度を超えるデバイス20が複数存在するか否かを判定する。操作デバイス解像度を超えるデバイス20が1台しか存在しない場合にはステップS30に移行し、ステップS30で、原稿を配置したデバイス20が、設定解像度未満の読み取り解像度しか備えていないことをユーザに通知する。
一方、操作デバイス解像度を超えるデバイス20が複数存在する場合にはステップS58に移行する。
ステップS58において、CPU41は、操作デバイス解像度を超える読み取り解像度を有する各々のデバイス20の読み取り解像度が同じであるか否かを判定する。各々のデバイス20の読み取り解像度が異なる場合にはステップS30に移行する。
一方、各々のデバイス20の読み取り解像度が同じ場合にはステップS60に移行する。
ステップS60において、CPU41は、操作デバイス解像度を超える読み取り解像度を有する各々のデバイス20のうち、端末処理装置10から最も近い場所に設置されているデバイス20をユーザに通知する。端末処理装置10からデバイス20までの距離は、図16のステップS38で説明したように、応答情報の受信強度から推定すればよい。
このように本変形例に係る端末処理装置10によれば、検索された何れのデバイス20の性能もユーザが要求する生成条件未満の性能である場合、検索されたデバイス20の中で性能が最も高いデバイス20を代替デバイスとしてユーザに通知する。代替デバイスが複数存在する場合、端末処理装置10は端末処理装置10に最も近いデバイス20をユーザに通知する。
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態では、スキャナ機能を利用する例を用いて端末処理装置10における端末処理を説明したが、第3実施形態では、端末処理装置10から無線回線30を介してデバイス20に画像データを送信し、画像データに対応する画像を記録媒体に形成する画像形成機能を利用する例を用いて、端末処理装置10の作用について説明する。
端末処理装置10で画像形成機能を利用するためのアプリケーションが起動されると、CPU41によって図6に示した端末処理が実行される。
図24は、画像形成機能を利用する場合に、図6のステップS10でCPU41によって実行されるデバイス検索処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。
図24に示すデバイス検索処理が図7に示したデバイス検索処理と異なる点は、ステップS12がステップS12Aに置き換えられた点であり、その他の処理は図7に示したデバイス検索処理と同じである。
ステップS12Aにおいて、CPU41は、記録媒体に画像を形成する際に、ユーザによって要求される生成条件を受け付けたか否かを判定する。画像の生成条件であればどのような生成条件を受け付けてもよいが、ここでは一例として、画像をモノクロで形成するか、又はカラーで形成するかを指定するカラーモード指定を受け付ける場合について説明する。
ステップS12Aの判定が否定判定の場合、すなわち、ユーザによってカラーモード指定が設定されていない場合には、カラーモード指定が設定されるまでステップS12Aの処理を繰り返し実行して、デバイス20に要求する生成条件の受け付けを監視する。一方、ユーザによってカラーモード指定が設定された場合には、ステップS14に移行し、CPU41は、図7で説明したステップS14以降の処理を実行して、検索されたデバイス20を検索画面32に表示する。
図25は、図24で説明したデバイス検索処理に引き続いて、図7のステップS20でCPU41によって実行されるデバイス実行処理の流れの一例を詳細に示すフローチャートである。
図25に示すデバイス実行処理が図8に示したデバイス実行処理と異なる点は、ユーザによって設定された生成条件の違いによって、ステップS22がステップS22Aに置き換えられると共に、ステップS28がステップS28Aに置き換えられた点である。また、利用するデバイス20の機能の違いによって、ステップS34がステップS34Aに置き換えられた点である。
ステップS22Aにおいて、CPU41は、図24のステップS18でRAM43に記憶した対応情報を参照し、検索されたデバイス20の中に、図24のステップS12Aで受け付けた生成条件、すなわち、指定されたカラーモードを有するデバイス20が存在するか否かを判定する。
指定されたカラーモードを有するデバイス20が存在しない場合にはステップS50に移行し、ステップS50で、ユーザが設定した生成条件を満たす性能を有するデバイス20が検索されなかったことをユーザに通知する。
一方、指定されたカラーモードを有するデバイス20が存在する場合にはステップS24に移行し、生成条件を満たす性能を有するデバイス20が検索されたことをユーザに通知する。
そして、ユーザが画像形成機能を利用するためにデバイス20を操作してデバイス20から操作情報を取得すると、ステップS28Aが実行される。なお、画像形成機能を利用するために行うデバイス20に対する操作は、例えば記録媒体の補給、及び節電モードの解除操作等、どのような操作であってもよい。
ステップS28Aにおいて、CPU41は、ステップS26で取得した操作情報に含まれるデバイス識別子と同じデバイス識別子を有する応答情報をRAM43から取得する。そして、CPU41は、取得した応答情報に含まれる性能から、図24のステップS12Aで受け付けた生成条件に対応する性能、すなわち、カラーモードを取得する。そして、CPU41は、操作デバイスが指定されたカラーモードを有しているか否かを判定する。
ユーザが画像形成機能を利用しようとして操作した操作デバイスが、ユーザに指定されたカラーモードを有していない場合にはステップS30に移行する。ステップS30でCPU41は、操作したデバイス20が、ユーザが要求するカラーモードを備えていないことをユーザに通知する。
図26は、ステップS30によって表示ユニット16に表示される検索画面32の一例を示す図である。図26において、例えばデバイスAはモノクロの画像に対応したデバイス20であり、デバイスBはモノクロ及びカラーの両方の画像に対応したデバイス20とする。ユーザによって指定されたカラーモードがカラーで、かつ、ユーザがデバイスAを操作した場合、CPU41は、例えば検索画面32の情報領域36に、「操作したデバイス(デバイスA)はモノクロ対応です。デバイスBを使用してください。」といったメッセージを表示する。
一方、ユーザが画像形成機能を利用しようとして操作した操作デバイスが、ユーザに指定されたカラーモードを有している場合にはステップS32に移行する。
ステップS32で、ユーザが設定した生成条件を満たす性能を操作デバイスが有していることを通知し、画像形成機能を実行するデバイス20がデバイス表示領域34から選択された場合、ステップS34Aが実行される。
ステップS34Aにおいて、CPU41は、選択されたデバイス20に対して、ユーザが設定したカラーモードで画像形成機能を開始して記録媒体に画像を形成させる生成指示を画像データと共に送信する。生成指示を受信したデバイス20は、指定されたカラーモードで画像データに対応した画像を記録媒体に形成する。
以上により、図25で示されるデバイス実行処理が終了し、図6に示した端末処理が終了する。
なお、本実施の形態に係るデバイス実行処理に対しても、第1実施形態及び第2実施形態で示した各変形例の内容を適用してもよいことは言うまでもない。
このように本実施の形態に係る端末処理装置10によれば、スキャナ機能以外の機能に対しても、操作デバイスが生成条件を満たしていない場合、ユーザが検索画面32から機能を実行するデバイス20を選択する前に、他のデバイス20を利用するように報知する。
以上、各実施の形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
また、各実施の形態では、一例として端末処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、図6、図7、図8、図16、図18、図20、図23、図24、及び図25に示したフローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)に実装し、ハードウエアで処理させるようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、端末処理プログラムがROMにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る端末処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る端末処理プログラムを、CD(Compact Disc)−ROM、又はDVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、本発明に係る端末処理プログラムを、USBメモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。更に、端末処理装置10はインターネット等の通信回線を介して、通信回線に接続された外部装置から本発明に係る端末処理プログラムを取得するようにしてもよい。