JP6953193B2 - タイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド陸部のタイヤ踏面側に3Dサイプが形成されたタイヤに関するもので、特に、優れた氷上性能を有するタイヤに関する。
従来、スタッドレスタイヤのトレッドパターンとして、氷上性能を向上させるため、周方向溝に交差する方向に延長するラグ溝を設けるとともに、周方向溝とラグ溝とにより区画されたブロックの表面にタイヤ幅方向に延長するサイプを形成したものが多く用いられている。
しかし、上記の構成では、氷上性能は向上するものの、ブロックがサイプにより細分化されるため、ブロック剛性が低下し、その結果、接地性が低下するおそれがあった。
そこで、サイプを、タイヤ踏面側だけでなくタイヤ径方向にも形状を変化させた3Dサイプとすることで、サイプ接触力を向上させ、ブロック剛性の低下を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−49971号公報
ところで、3Dサイプは、深さ方向に屈曲する形状を有するため、加硫済みのタイヤを金型から引く抜く際の引き抜き抵抗が大きく、その結果、大きな引き抜け力を必要としていた。引き抜け力が大きくなると、サイプの屈曲部が広がってしまうなど、形状不良が発生しやすいといった問題点が発生する。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、入力時におけるサイプ接触力を確保できるとともに、加硫釜抜け時における引き抜け力を低減できる3Dサイプを備えたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部の踏面に開口するサイプを備えたタイヤであって、サイプは、踏面を平面視した場合において、一端側が当該サイプの延在方向中心線上に位置し、延在方向中心線から離れる方向に傾斜して延長する第1傾斜区間と、一端側が第1傾斜区間の他端側に接続され、延在方向中心線に沿う方向に延長する離間区間と、一端側が離間区間の他端側に接続され、第1傾斜区間が離間区間に交差する角度で、延在方向中心線まで延長する第2傾斜区間とを基本形状とし、当該基本形状を延在方向中心線を挟んで反転させながら交互に設けることにより台形波状に形成され、第1傾斜区間及び第2傾斜区間は、離間区間に交差する角度が115度〜160度の範囲にあるとともに、連続する第1傾斜区間と離間区間と第2傾斜区間の延在方向中心線に沿う長さを半周期とするときの一周期長さが、当該サイプの溝深さDの0.8倍〜2.0倍であることを特徴とする。
このように、第2サイプ部の形状を設定することにより、サイプ接触力を確保しつつ、入力時の接触力を確保しつつ、加硫釜抜け時における引き抜け力を低減させることができる。
また、サイプの波高は、該サイプの溝深さDの0.2倍〜2.0倍であることや、離間区間の延在方向中心線に沿う長さが該サイプの溝深さDの0.15倍〜0.40倍であることや、第1傾斜区間及び第2傾斜区間それぞれの傾斜区間の延在方向中心線に沿う長さが、離間区間の延在方向中心線に沿う長さの0.35倍〜0.94倍であることを特徴としている。
また、サイプは、前記踏面に沿って該サイプの連続する方向に垂直な面により断面視したときの形状において、踏面への開口端側に位置する第1サイプ部と、第1のサイプ部のタイヤ径方向内側に位置する第2サイプ部とを有し、サイプの踏面への開口端であるサイプ最外部とタイヤ径方向最内部であるサイプ最内部とを結ぶ直線であるサイプ中心線と第1のサイプ部の延長方向とが、ともに、タイヤ径方向に対して傾斜しており、かつ、その傾斜角度が互いに反対方向であるように形成されていることを特徴としている。
タイヤのトレッドパターンの一実施形態を示す図である。 トレッドの要部斜視図である。 サイプ形状の詳細を示す図である。 サイプの配置例を示す図である。 加硫モールドの要部断面図である。 タイヤ成型時におけるサイプ形成の釜抜け特性を説明するための図である。 入力時におけるサイプの動作を説明するための図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の例を示す図である。 他の実施形態に係るトレッドの要部斜視図である。 他の実施形態に係るサイプ形状の詳細を示す図である。 サイプ形状の詳細を説明をするための図である。 サイプの配置例を示す図である。 加硫モールドの要部断面図である。 本発明のタイヤの加硫釜抜け特性を説明するための図である。 入力時におけるサイプの動作を説明するための図である。 本発明によるサイプの他の形状を示す図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の配置例を示す図である。 サイプの他の例を示す図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本実施の形態に係るタイヤ10のトレッドパターンの一例を示す図、図2はトレッド11の要部斜視図である。
トレッド11は、タイヤ円周方向に沿って延長するように形成された周方向溝12と、周方向溝12に交差する方向に沿って延長する横溝13と、周方向溝12と横溝13とにより区画された複数のブロック14と、各ブロック14のタイヤ踏面側にそれぞれ形成されたサイプ15とを備える。なお、図1の符合CLはタイヤ10の幅方向中心を示すセンターラインである。また、以下の説明では、各部の長さや角度等の寸法は、サイプ15の溝幅の中心面で定義される。サイプ15の平面視や断面視における中心面は、中心線15xとして示し、これに基づいて各部の長さや角度等の寸法を定義する。
サイプ15は、ブロック14の表面(踏面14k)においてタイヤ幅方向に平行な方向に延長し、タイヤ幅方向に垂直な面内においてはタイヤ半径方向に形状を変化させた3Dサイプである。
サイプ15の踏面14kにおける表面形状は、タイヤ幅方向に平行な直線状であっても良いが、本例では、図1に示すように、タイヤ幅方向に平行な直線部15mとタイヤ幅方向に対して傾斜する傾斜部15nとを有し、直線部15mと傾斜部15nとを交互に設けることにより台形波状としている。
具体的には、図1の拡大図に示すように、サイプ15は、踏面14kに開口する形状において、一端側が当該サイプ15の延在方向中心線c上に位置し、延在方向中心線cから離れる方向に傾斜して延長する第1傾斜区間31と、一端側が第1傾斜区間31の他端側に接続され、延在方向中心線cに沿う方向に所定距離離間して例えば延長線状に延長する離間区間32と、一端側が離間区間32の他端側に接続され、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θで、延在方向中心線cまで傾斜して延長する第2傾斜区間33を基本形状とし、当該基本形状を延在方向中心線cを挟んで反転させながら交互に設けることにより台形波状に形成される。延在方向中心線cとは、踏面14kを平面視したときのサイプ15の延在方向に対して交差方向に振れる波高の中心線である。また、傾斜して延長するとは、サイプ15の延在方向に平行なものを除き垂直や鋭角、鈍角を含む。また、延在方向中心線cに沿う方向とは、該中心線cに平行な方向、又は±20度の傾斜角度として延在方向中心線cに向うものも含む。また、第1傾斜区間31、第2傾斜区間33、離間区間32のいずれも直線に限定されず、湾曲した曲率を有するものであっても良い。
また、延在方向の端部には、第1傾斜区間31、第2傾斜区間33に連続し、延在方向中心線cに沿って直線状に延長する延長部34が設けられている。そして当該延長部34がブロック14を区画する溝壁に開口している。
サイプ15は、第1傾斜区間31、離間区間32及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う区間長さを半周期とする一周期長さL1は、踏面14kを平面視したときの第1傾斜区間31、離間区間32、第2傾斜区間33、第1傾斜区間31、離間区間32、第2傾斜区間33とで構成され、各区間31,32,33におけるサイプ延在方向の最短寸法であって、サイプ15の溝深さD(図3参照)の0.8倍〜2.0倍の範囲で設定される。好ましくは、1.08倍〜1.64倍の範囲で設定すると良い。
また、延在方向中心線cを挟んで両側に位置する離間区間32,32の延在方向中心線cに直交する方向の寸法であるサイプ15の波高は、台形波状に形成されたサイプ15の振幅Aである延在方向中心線cから離間区間32までの直角な方向の長さを2倍した寸法であって、溝深さDの0.2倍〜2.0倍の範囲で設定される。このように、サイプ15の波高を設定することにより、ブロック内に配設できるサイプ数を最適化して、路面(例えば凍結した路面や氷上)と接触するときの入力時におけるサイプ接触力を確保できるとともに、加硫釜抜け時におけるタイヤからのブレードの引き抜き力を低減できる。例えば、サイプ15の波高が上記範囲より大きくすると、サイプ接触力が大きくなりブロック剛性が向上するものの、ブロック内に配設できるサイプ数が減少し、氷上走行時にサイプによる十分なエッジ効果が得られなくなる虞がある。さらに、サイプを形成するブレードのタイヤからの引き抜き力も大きくなるため、サイプの形成において不良が生じうる懸念もある。また、サイプ15の波高を上記範囲より小さくすると、ブロック内に配設できるサイプ数を多くできるものの、サイプ接触力が小さくなりブロック剛性が低下する虞がある。好ましくは、サイプ15の波高は、0.3倍〜1.0倍の範囲で設定すると良い。
離間区間32の延在方向中心線cに沿う長さL3は、溝深さDの0.15倍〜0.4倍の範囲で設定される。このように、離間区間32の延在方向中心線cに沿う長さL3を設定することにより、入力時におけるサイプ接触力を確保できるとともに、加硫釜抜け時におけるタイヤからのブレードの引き抜け力を低減できる。例えば、離間区間32の延在方向中心線cに沿う長さL3を上記範囲より長くすると、ブレードの引き抜き力が小さくなるものの、サイプ接触力も小さくなりブロック剛性が低下する虞がある。また、離間区間32の延在方向中心線cに沿う長さL3を上記範囲より短くすると、サイプ接触力は大きくなりブロック剛性が向上するものの、ブレードの引き抜き力も大きくなるため、サイプ形成時の不良の発生やブレードの耐久性を低下させてしまう虞がある。好ましくは、離間区間32の延在方向中心線cに沿う長さL3は、0.2倍〜0.35倍の範囲で設定すると良い。
また、長さL3は、一周期長さL1の0.12倍〜0.28倍の範囲で設定される。好ましくは、0.16倍〜0.24倍の範囲で設定すると良い。
第1傾斜区間31及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う長さL2は、溝深さDの0.2〜0.6倍の範囲で設定される。好ましくは、0.3倍〜0.5倍の範囲で設定すると良い。
また、長さL2は、長さL3の0.35倍〜0.94倍の範囲で設定される。このように、第1傾斜区間31及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う長さL2を設定することにより、上記入力時におけるサイプ接触力を確保できるとともに、加硫釜抜け時におけるタイヤからのブレードの引き抜け力を低減できる。例えば、第1傾斜区間31及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う長さL2を上記範囲より長くすると、ブレードの引き抜き力が小さくなるものの、サイプ接触力も小さくなりブロック剛性が低下する虞がある。また、第1傾斜区間31及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う長さL2を上記範囲より短くすると、サイプ接触力が大きくなりブロック剛性が向上するものの、ブレードの引き抜き力が大きくなり、サイプ形成時の不良の発生やブレードの耐久性を低下させてしまう虞がある。好ましくは、第1傾斜区間31及び第2傾斜区間33の延在方向中心線cに沿う長さL2は、0.5倍〜0.8倍の範囲で設定すると良い。第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θは、90度〜175度の範囲で設定される。このように、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θを設定することにより、入力時におけるサイプ接触力を確保できるとともに、加硫釜抜け時におけるタイヤからのブレードの引き抜き力を低減できる。例えば、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θを上記範囲よりも大きくすると、ブレードの引き抜き力が小さくなるものの、サイプ接触力が小さくなりブロック剛性が低下する虞がある。また、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θを上記範囲より小さくすると、サイプ接触力が大きくなりブロック剛性が向上するものの、ブレードの引き抜き力が大きくなり、サイプ形成時の不良の発生やブレードの耐久性を低下させてしまう虞がある。より好ましくは、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θは、115度〜160度の範囲で設定すると良い。
なお、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θは、同一でなくても良い。
例えば、サイプ15を形成する上での好ましい例として、サイプ15は、振幅Aが1.0mm≦A≦1.2mm、離間区間32の長さL3が1.0mm≦L3≦1.6mm、第1傾斜区間31が離間区間32に交差する角度θ及び第2傾斜区間33が離間区間32に交差する角度θが、135度≦θ≦145度で形成されることが好ましい。
これにより、タイヤ円周方向だけでなく、タイヤ幅方向にもエッジ成分を持たせることができるので、氷上走行時の操縦安定性能を向上させることができる。
サイプ15は、図3に示すように、ブロック14の表面である踏面14kへの開口端側に位置する第1サイプ部15pと、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側に位置する第2サイプ部15qとを備える。本例では、第1及び第2サイプ部15p,15qを直線状とするとともに、第1サイプ部15pの壁面間の距離dpと第2サイプ部15qの壁面間の距離dqとを同じとした。すなわち、サイプ15内における互いに対向する壁面間の距離を、開口端側から最内部まで同一とした。
例えば、距離dp及び距離dqは、例えば、0.1mm〜0.8mmに設定される。好ましくは、0.2mm〜0.5mmに設定すると良い。
ここで、サイプ15の開口端であるサイプ最外部をP0、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側の端部P1(以下第1の変曲点P1という。)、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端部であるサイプ最内部P3とし、サイプ最外部P0とサイプ最内部P3とを通る直線をサイプ中心線mとする。なお、端部P1は、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端部P2(以下第2の変曲点P2という)でもある。
サイプ15のサイプ中心線mは、タイヤ半径方向に対して、ブロック14のタイヤ円周方向端部側に傾斜しており、サイプ最外部P0と第1の屈曲点P1とを通る直線である第1サイプ傾斜線nは、サイプ中心線mとは反対側(ブロック14のタイヤ円周方向中心側)に傾斜している。
以下、サイプ中心線mと踏面14kとの成す角度を中心線傾斜角α、第1サイプ傾斜線nと踏面14kとの成す角度を第1サイプ傾斜角β、第2サイプ傾斜線sと踏面14kとの成す角度を第2サイプ傾斜角ωとする。
本例では、中心線傾斜角αは、60度〜90度の範囲、好適には67度〜82度の範囲で設定される。第1サイプ部15pの第1サイプ傾斜角βは、60度〜90度の範囲、好適には70度〜85度の範囲で設定される。中心線傾斜角α及び第1サイプ傾斜角βは、上記範囲を満たしつつ中心線傾斜角αが第1サイプ傾斜角βよりも大きくなるように設定することが好ましい。
また、第2サイプ部15qの第2サイプ傾斜角ωは、30度〜60度の範囲、好適には37度〜52度の範囲で設定すると良い。
さらに、第1サイプ部15p及び第2サイプ部15qは、第1サイプ傾斜角β及び第2サイプ傾斜角ωがそれぞれ上記範囲を満たしつつ、第1サイプ傾斜角βに対する第2サイプ傾斜角ωの比が0.45〜0.67の範囲となるように設定されることが好ましい。より好ましくは、0.50〜0.61の範囲で設定すると良い。
第1サイプ部15pのタイヤ半径方向の長さ寸法である半径方向深さd1は、サイプ15のタイヤ半径方向の溝深さDに対して0.25倍〜0.52倍に設定される。好ましくは、0.30倍〜0.44倍に設定すると良い。
また、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向の長さ寸法である半径方向深さd3は、サイプ15のタイヤ半径方向の溝深さDに対して0.44倍〜0.81倍に設定される。好ましくは、0.53倍〜0.71倍に設定すると良い。
また、第2サイプ部15qの半径方向深さd3は、第1サイプ部15pの半径方向深さd1の0.8倍〜5.0倍に設定される。好ましくは1.0倍〜3.4倍、より好ましくは、1.2倍〜2.5倍に設定すると良い。
また、踏面14kに沿ってサイプ15が連続する方向に垂直な面によりサイプ15を断面視したときのタイヤ半径方向に直交する方向の第1サイプ部15pの幅をw1、第2サイプ部15qの幅をw2したとき、w2≧2w1としている。
本実施形態では、サイプ15における第2サイプ部15qの幅w2は、全体の幅として見なすことができ、例えば、溝深さDの0.18倍〜0.44倍の範囲の寸法で設定される。好ましくは0.25〜0.38の範囲で設定すると良い。
また、断面視における第1サイプ部15pの幅寸法W1は、溝深さDの0.01倍〜0.3倍の範囲で設定される。好ましくは0.05倍〜0.1倍の範囲で設定すると良い。
また、サイプ中心線mの幅寸法W4は、溝深さDの0.1倍〜0.4倍の範囲で設定される。好ましくは0.2倍〜0.3倍の範囲で設定すると良い。
本例では、図4に示すように、4個のサイプ151〜154を、ブロック14の中心線vに対して線対称になるように配置するとともに、ブロック端部14pとブロック端部14p側のサイプ151との間隔及びブロック端部14qとブロック端部14q側のサイプ154との間隔bを、隣接するサイプ間の間隔a以上としている。
上記間隔aと間隔bとは、a≦b≦1.3aなる関係にあることが好ましい。
すなわち、間隔bがaよりも小さいと、ブロック端部14p,14q側の小ブロック141,145の剛性は低下するので、ブロックエッジ効果が低減する。一方、間隔bが1.3aを超えると、ブロック端部14p,14q側の小ブロック141,145が浮き上がり易くなり、接地性能が低下するので、a≦b≦1.3aとすることが好ましい。なお、隣接するサイプ15,15の間隔aについても、一定ではなく、ブロック14の端部14p,14q側で大きく中心側で小さくなるように設定してもよい。このように、サイプを傾斜させることで、剪断入力時の変形に加えて、垂直方向荷重によるサイプ接触が生じ、入力方向によらずサイプ接触力が増加するので、接地面積の低下を抑制することができる。
図5は、図4に示したタイヤ10を加硫成形するための加硫モールド20の要部断面図で、サイプ151〜154は、周方向溝12及び横溝13を形成するための骨部21に囲まれた溝部22からキャビティ23方向に突出するように設けられる、ブレード24と呼ばれる金属薄板により形成される。
ブレード24(241〜244)は、それぞれ、溝部22に埋設される埋め込み部24aと、サイプ15と同形状の突出部24bとを備える。突出部24bは、第1サイプ部15pに対応する平板部24pと、第2サイプ部15qに対応する曲面部24qと、屈曲部15rに対応する円弧部24rとから成り、平板部24pの根元Q0がサイプ15の開口端である最外部P0に対応し、曲面部24qの先端Q3がサイプ15の最内部P3に対応する。
一般に、途中に屈曲部を有する3Dサイプは、加硫後に加硫モールド20からの引き抜け力が大きくなってしまう傾向にあるが、本発明のサイプ15は、タイヤ半径方向に対して互いに逆方向に傾斜する第1サイプ部15pとを備えるので、ブレード24も、タイヤ半径方向に対して互いに逆方向に傾斜する、平板部24pと曲面部24qととを備えている。したがって、ブレード24の引き抜き時には、図6に示すように、平板部24pが第1サイプ部15pが隣接するブロック14の中央側の小ブロックをブロック14の中央側に押し、曲面部24qが第2サイプ部15qが隣接するブロック14の端部の小ブロックをブロック14の端部側を押すことになる。したがって、加硫モールド20からの引き抜け力を更に低減することができる。
一方、形成されたサイプ15は、サイプ最外部P0であるタイヤ踏面側とサイプ最内部P3であるタイヤ半径方向最内部とを結んだマクロな傾斜(中心線傾斜角αを有する傾斜)と、タイヤ踏面側と屈曲開始点(第1の変曲点P1)とを結んだローカルな傾斜(第1サイプ傾斜角βを有する傾斜)とを有し、かつ、マクロな傾斜と、ローカルな傾斜とが、タイヤ踏面に対する垂直線であるタイヤ半径方向に対して互いに反対側にあるので、入力方向によらずサイプ接触力を増加させることができる。
具体的には、図7に示すように、ブロック14の端部である一端14q側からブロック14の端部である他端14p側に向かう力が入力したとすると、入側(踏込側)である一端14q側では、ローカルな傾斜kの効果が浮き上がり側である小ブロック146の端部に作用するので、小ブロック145の浮き上がりが抑制される。一方、出側(蹴出側)である他端14p側では、マクロな傾斜Kの効果が浮き上がり側である端部の小ブロック141の端部に作用するので、端部の小ブロック141の浮き上がりが抑制される。これは、入力方向が逆であっても同様であるので、入力方向によらずサイプ接触力を増加させることができる。
本例では、上記のように、中心線傾斜角α>第1サイプ傾斜角βとするとともに、中心線傾斜角αを60度〜90度の範囲とし、第1サイプ傾斜角βを、60度〜90度の範囲としている。これは、中心線傾斜角αを90度に設定すると、踏面14kに対する角度が直角方向に近づくため、引き抜け力は減少するがサイプ接触力が低下する虞がある。また、中心線傾斜角αが60度未満では、サイプ接触力は増大するものの引き抜け力も大きくなる虞がある。この点を勘案すると、中心核傾斜角αは、67度〜82度の範囲で設定することが好ましい。
第1サイプ傾斜角βについても同様で、第1サイプ傾斜角βを90度近傍とすると、傾斜が緩い分だけ引き抜け力は減少するがサイプ接触力が低下し、第1サイプ傾斜角βを60度よりも小さくすると、サイプ接触力は増大するものの引き抜け力も大きくなる虞がある。
そこで、本例では、中心線傾斜角α及び第1サイプ傾斜角βを上記範囲で設定するとともに、第2サイプ部15qの幅w2を、第1サイプ部15pの幅w1の2倍以上とすることにより、3Dサイプの接触力を確保しつつ、加硫釜抜け時における引き抜け力を低減させることができるようにしている。
また、前記実施の形態では、4本のサイプ151〜154の中心線傾斜角αと第1サイプ傾斜角βとを同じにしたが、図8に示すように、中心線傾斜角αと第1サイプ傾斜角βとを、ブロック14の端部14p,14q側で大きく中心側で小さくなるように設定すれば、ブロック端部14p,14q側のサイプ151,154のによるエッジ効果を高めることができるとともに、中央の小ブロック142〜145にて、接地面積を確保することができるので、タイヤの接地性能及び氷上性能の両方を向上させることができる。
また、前記実施の形態では、4本のサイプ151〜154を、ブロック14の中心線vに対して線対称になるように配置したが、サイプ15の個数はこれに限るものではなく、ブロック14に複数個形成されていればよい。また、配置についても、図9に示すように、サイプ中心線mの方向を全てタイヤ円周方向としてもよい。図9に示した配置は、制動特性を優先するなど、入力が一方向からの入力が大きい場合に特に有効である。
また、図10(a)に示すように、ブロック14の中心にサイプがある場合には中心に位置するサイプ15Cとして、2Dサイプとすることが好ましい。これにより、入力方向が逆であっても、同じサイプ接触力を得ることができる。
また、図10(b)に示すように、ブロック14の中心にサイプがない場合にも、ブロック中心に隣接するにサイプ15C、15Cとして、2Dサイプとしてもよい。
なお、図10(c)に示すように、ブロック14の中心にサイプがある場合にも、中心に位置するサイプ15Cと、このサイプ15Cに隣接するサイプ15C’とを2Dサイプとしてもよい。
このように、小ブロックの浮き上がりに対する寄与の少ないブロック中心近傍のサイプに、簡単な構造のブレードを用いることができるので、タイヤの製造が容易となる。
また、前記実施の形態では、サイプ15の表面形状を台形波状としたが、ジグザグ状、もしくは、タイヤ幅方向に平行な直線部とタイヤ幅方向に対して傾斜する斜面部とを有する2Dサイプとしてもよい。
また、前記実施の形態では、サイプ15を、タイヤ幅方向に平行な方向に延長する3Dサイプとしたが、図11(a)に示すような、タイヤ円周方向に平行な方向に延長するサイプ18(181〜184)としてもよい。この場合には、サイプ181〜184のうちの、タイヤ端部側サイプ181,184の径方向傾斜角を中央側サイプ182〜184の径方向傾斜角よりも大きくなるように、サイプ181〜184を形成すればよい。これにより、ブロック14に、横力などのタイヤ幅方向に平行な入力があった場合には、サイプ181〜184により区画された小ブロックの路面からの浮き上がりを効果的に抑制することができる。
また、図11(b)に示すように、タイヤ円周方向とタイヤ幅方向とに交差する方向に延長するサイプ19を設ければ、多方向からの入力に対して、サイプ19により区画された小ブロックの路面からの浮き上がりを効果的に抑制することができる。この場合には、サイプ19のうちの、ブロック14のタイヤ円周方向端部側に位置するサイプの一方及び他方のサイプの径方向傾斜角の絶対値が、一方及び他方のサイプ以外のサイプの径方向傾斜角の絶対値よりも大きくすればよい。なお、図11(b)では、タイヤ踏面側から見たブロック14の形状を、タイヤ円周方向に平行な2辺14a,14cと、タイヤ円周方向と幅方向とに交差する互いに平行な2辺14b,14dとからなる平行四辺形とした。
また、図11(c)に示すように、前記実施の形態のサイプ15は、ブレーキなどの前後力に対するエッジ効果に寄与するリブ状陸部16(もしくは、リブ状陸部16を横溝で区画したセンターブロック)に、前記のサイプ18は、横力に対するエッジ効果に寄与するショルダーブロック14Cに、前記のサイプ19は、リブ状陸部16とショルダーブロック14Cとの間に配置される中間ブロック14Bに設けることが好ましい。
これにより、リブ状陸部16及び各ブロック14B,14Cの、サイプ15,18,19により区画された小ブロックが路面から浮き上がることを効果的に抑制することができる。したがって、前後力だけでなく横力に対しても、氷上性能を確保しつつ、タイヤの接地性能を効果的に向上させることができる。
また、前記実施の形態では、周方向溝12の延長方向をタイヤ円周方向に平行な方向とし、横溝13の延長方向をタイヤ幅方向に平行な方向としたが、周方向溝12としては、タイヤ円周方向に隣接する溝部が互いに反対方向へ傾斜しているジグザグ状であってもよい。また、横溝13も、タイヤ円周方向に対して傾斜した直線もしくは曲線であってもよい。
また、サイプ15は、タイヤ幅方向またはタイヤ円周方向のみに延在させてもよいし、タイヤ円周方向に対して傾斜していてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
図12は他の実施形態に係るトレッド11の要部斜視図である。図13は、他の実施形態に係るサイプ形状の詳細を示す図である。
例えば、前記実施の形態では、第2サイプ部15qを直線状としたが、図12,図13に示すように、第2サイプ部15qを曲線状にするとともに、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側の端部P1と第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端部P2とを、円弧状の屈曲部15rにより結ぶ構成としてもよい。
即ち、本実施形態に係るサイプ15は、図13(a)に示すように、踏面14kにおけるサイプ15の延在方向に垂直な面によりサイプ15を断面視したときに、踏面14kへの開口端側に位置する第1サイプ部15pと、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側に位置する第2サイプ部15qと、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側の端部P1と第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端部P2を結ぶ円弧状の屈曲部15rとを備える。本実施形態におけるサイプ15は、当該サイプ15を区画する互いに対向する溝壁15a,15bが同一幅を維持しながら踏面14kからタイヤ半径方向内側に向けて奥行方向に延長している。つまり、サイプ15は、図17における加硫モールド20に設けられた厚みが一定の金属薄板24(ブレード)により成型される。
また、本実施形態では、説明の便宜上、第1サイプ部15pと、第2サイプ部15qとは直接屈曲部15rと連続しているものとして説明する。即ち、第1の変曲点P1は、屈曲部15rの一方の端部であるとともに第1サイプ部15pの端部でもある。また、第2の変曲点P2は、屈曲部15rの他方の端部であるとともに第2サイプ部15qの端部でもある。なお、第1サイプ部15pと屈曲部15rとの間の端部同士を結ぶ直線や曲線の接続部や、第2サイプ部15qと屈曲部15rとの間の端部同士を結ぶ直線や曲線の接続部があっても良い。この場合、屈曲部15rの両端は、接続部から曲率が変化する変曲点となる。
図13(b)に示すように、サイプ15の開口端であるサイプ最外部P0とタイヤ半径方向最内部であるサイプ最内部P3とを通る直線をサイプ中心線mとすると、サイプ15のサイプ中心線mは、タイヤ半径方向に対して傾斜している。以下、踏面14kとサイプ中心線mとの成す角度を中心線傾斜角αとする。
一方、第1サイプ部15pは直線状である。ここで、サイプ最外部P0と第1の変曲点P1とを通る直線を第1サイプ傾斜線nとすると、サイプ15の第1サイプ傾斜線nは、サイプ中心線mとは反対側(ブロック14のタイヤ円周方向中心側)に傾斜している。また、踏面14kと第1サイプ傾斜線nとの成す角度である第1サイプ傾斜角βは、中心線傾斜角αよりも小さい。
上記中心線傾斜角αは、60度〜90度の範囲、好適には67度〜82度の範囲で設定される。第1サイプ部15pの第1サイプ傾斜角βは、60度〜90度の範囲、好適には70度〜85度の範囲で設定される。なお、後述するように、第1サイプ傾斜線nがサイプ中心線mとは反対側に傾斜していること、及び、第1サイプ傾斜角βが中心線傾斜角αよりも大きいことは、本発明の必須事項ではない。
第2サイプ部15qは、タイヤ半径方向外側の端からタイヤ半径方向内側の端に向けて踏面14kに対する接線の傾斜角度が漸次大きくなるように、屈曲部15rの曲率半径rよりも大きな曲率半径Rを有する円弧状で、屈曲部15rの曲率中心はブロック14のタイヤ円周方向端部側にあり、第2サイプ部15qの曲率中心はブロック14のタイヤ円周方向中心側方にある。すなわち、第2サイプ部15qの曲率中心と屈曲部15rの曲率中心とは、サイプ15を挟んで互いに反対側にある。サイプ15のサイプ最内部P3における接線の傾斜角度は、例えば踏面14kに対して垂直に延長するように形成されることが望ましい。また、サイプ最内部P3側は、直線部を含んでいてもよく、また、第2サイプ部の曲率半径が大きくなって曲率半径無限大の直線に漸近的になってもよい。
直線であれば釜抜け性がよくなるし、直線部のタイヤ半径方向外側の部分で十分にサイプ接触によるブロック倒れ込み抑制により接地面積を確保することができる。
第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端の傾斜角度は、30度〜60度、好適には37度〜52度に設定される。
第1サイプ部15pのタイヤ半径方向の長さ寸法である半径方向深さd1は、サイプ15のタイヤ半径方向の溝深さDに対して0.25倍〜0.52倍に設定される。好ましくは、0.30倍〜0.44倍に設定される。
また、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向の長さ寸法である半径方向深さd3は、サイプ15のタイヤ半径方向の溝深さDに対して0.44倍〜0.81倍に設定される。好ましくは、0.53倍〜0.71倍に設定される。また、第2サイプ部15qの半径方向深さd3は、第1サイプ部15pの半径方向深さd1の0.8倍〜5.0倍に設定される。好ましくは1.0倍〜3.4倍、より好ましくは、1.2倍〜2.5倍に設定すると良い。
また、断面視におけるサイプ15の全体としての幅寸法W3は、溝深さDの0.18倍〜0.44倍の範囲で設定される。好ましくは0.25〜0.38の範囲で設定すると良い。この幅寸法W3は、屈曲部15rを除いてほぼ第2サイプ部15qの幅である。
また、断面視における第1サイプ部15pの幅寸法W1は、溝深さDの0.01倍〜0.3倍の範囲で設定される。好ましくは0.05倍〜0.1倍の範囲で設定すると良い。
また、サイプ中心線mの幅寸法W4は、溝深さDの0.1倍〜0.4倍の範囲で設定される。好ましくは0.2倍〜0.3倍の範囲で設定すると良い。
上記幅寸法W1,W3,W4は、踏面14kに沿ってサイプ15の連続する方向に垂直な面によりサイプ15を断面視したときのタイヤ半径方向に直交する方向で測定される。
サイプ15は、第1サイプ部15p、屈曲部15r、第2サイプ部15qの厚さ寸法である。
第1サイプ部15pの壁面間の距離dpと、屈曲部15rの壁面間の距離drと、第2サイプ部15qの壁面間の距離dqとを同じとした。すなわち、サイプ15内における互いに対向する壁面間の距離を、開口端側から最内部まで同一とした。例えば、距離dp、dr、dqは、例えば、0.1mm〜0.8mmに設定される。好ましくは、0.2mm〜0.5mmに設定すると良い。
また、サイプ15は、図13(c)に示すように、サイプ中心線mに対して、ブロック14の中心側へ膨らむ凸部15uとブロック14の端部側へ膨らむ凸部15vとを有している。ここで、タイヤ半径方向外側の凸部15uを踏面側凸部、タイヤ半径方向内側の凸部15vを内側凸部とし、サイプ中心線mと前記踏面側凸部15uとの距離の最大値を第1振幅Wp、サイプ中心線mと前記内側凸部15vとの距離の最大値を第2振幅Wqとしたとき、Wq<Wpとするとともに、図13(d)に示すように、踏面14kに沿ってサイプ15が連続する方向に垂直な面によりサイプ15を断面視したときのタイヤ半径方向に直交する方向の第1サイプ部15pの幅をW1、第2サイプ部15qの幅をW2としたとき、W2≧2W1としている。第1振幅Wpは、踏面側凸部15uの各点からサイプ中心線mまでの最短距離の最大値であり、第2振幅Wqは、内側凸部15vの各点からサイプ中心線mまでの最短距離の最大値である。図13(c)では、第1振幅Wpをほぼ0としている。また、同図の破線で示す、Wq’>Wpであるような内側凸部15v’は、上記の条件を満たさない。
また、踏面側凸部15uのブロック中心側に最も突出する端部Puからサイプ最内部P3までの最短の距離W3は、1.2mm≦W3≦2.2mmであることが好ましい。また、端部Puからサイプ最内部P3までの半径方向深さd2は、4.0mm≦d2≦5.5mmであることが好ましい。
また、サイプ15は、断面領域zにおける最大幅W5が、サイプ最内部P3までの溝深さDの0.4〜1.2倍の範囲で設定される。好ましくは、0.6倍〜1.0倍の範囲で設定すると良い。
断面領域zとは、断面視におけるサイプ15を形成する溝壁15a,15b及び溝底15cで囲まれる部分をいい、該断面領域zにおける最大幅W5とは、一方の溝壁15aから踏面14kに向けてタイヤ半径方向に延長した直線と、他方の溝壁15bから踏面14kに向けてタイヤ半径方向に延長した直線との踏面14kにおける長さ寸法が最大となる寸法をいう。
図14(a)に示すように、サイプ15は、踏面14k側に位置する第1サイプ部15pと、第1サイプ部15pよりもタイヤ半径方向内側に位置する第2サイプ部15qと、第1サイプ部15pのタイヤ半径方向内側の端である第1変曲点P1と第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端である第2変曲点P2とを結ぶ屈曲部15rとを有し、図14(b)に示すサイプ15のタイヤ半径方向内側の端であるサイプ最内部P3と第2変曲点P2とを結ぶ直線f1と、第2サイプ部のタイヤ半径方向外側の端における接線f2と、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端における接線f3とで囲まれた面積S1に対し、図14(c)に示す第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端における接線f2と、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端における接線f3と第2サイプ部15qとで囲まれた面積S2の割合が0.05以上1.0未満であることが好ましい。
本実施形態では、上述のように第1サイプ部15pと、第2サイプ部15qとは直接屈曲部15rと連続しているものとしたため、面積S1は、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の変曲点P2とタイヤ半径方向外側のサイプ最内部P3とを結ぶ直線f1と、タイヤ半径方向外側の変曲点P2における接線f2と、タイヤ半径方向内側のサイプ最内部P3における接線f3とで囲まれた部分、面積S2は、第2サイプ部15qの延長する中心線15xと、タイヤ半径方向外側の変曲点P2における接線f2と、タイヤ半径方向内側のサイプ最内部P3における接線f3とで囲まれた部分である。
また、サイプ15は、図14(c)に示す面積S2が、図14(d)に示す屈曲部15rの前記第1サイプ部15p側の端における接線と、屈曲部15rの第2サイプ部15q側の端における接線と、屈曲部15rとで囲まれた面積S3よりも大きいことが好ましい。即ち、上記面積S2は、屈曲部15rのタイヤ半径方向外側の端点である変曲点P1における接線f4と、屈曲部15rのタイヤ半径方向内側の端点である変曲点P2における接線f2と、屈曲部15rと、に囲まれた面積S3よりも大きくなるように形成される。
また、サイプ15は、図14(e)に示す第1サイプ部15pの踏面14k側の端(本実施形態ではP0)と第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端(本実施形態ではP3)とを結ぶ直線とサイプ15とで囲まれた面積S4に対する面積S2の割合が0.1以上0.9以下の範囲となるように形成されることが好ましい。
また、図14(a)に示すように、サイプ15は、踏面14kに対し、第1サイプ部15pの踏面側の端(本実施形態ではP0)における傾斜角度γ1が、第2変曲点P2における傾斜角度γ2よりも大きいことが好ましい。傾斜角度γ1は、第1サイプ部15pの踏面側の端(本実施形態ではP0)における接線f5と踏面14kとの間の鋭角側の角度である。なお、第1サイプ部15pが直線であり、屈曲部15rと直接接続されている場合には、傾斜角度γ1は、第1サイプ傾斜線nの傾斜角度βと等しい。
また、サイプ15は、踏面14kに対し、第2サイプ部15qのタイヤ半径方向内側の端(本実施形態ではP3)における傾斜角度γ3が、第2変曲点P2における傾斜角度γ2よりも大きいことが好ましい。この第2サイプ部15qのタイヤ半径方向外側の端である傾斜角度γ2は、例えば30度〜60度の範囲で設定される。好ましくは、37度〜52度の範囲で設定される良い。また、傾斜角度γ2は、第1サイプ傾斜角βの0.45倍〜0.67倍の範囲で設定される。好ましくは、0.5倍〜0.61倍の範囲で設定すると良い。
図14(f)は、サイプ15の延在方向と平行な踏面14kに垂直な平面に、サイプ15を投影した図である。同図に示すように、上述のように各部の角度や長さの設定においてサイプ15は、サイプ15の延在方向と平行な踏面14kに垂直な平面に投影したときに、サイプ15の延在方向と平行な踏面14kに垂直な平面にサイプ15を投影したときの全体面積Sa(延在方向長さL×溝深さD)に対して第1サイプ部15pの占める面積Sp及び第2サイプ部15qの占める面積Sqが、以下の関係となるように設定される。
第1サイプ部15pの面積Spは、全体面積Saの0.22倍〜0.54倍の範囲で設定される。好ましくは、0.3倍〜0.46倍の範囲で設定すると良い。
また、第2サイプ部15qの面積Sqは、全体面積Saの0.48倍〜0.82倍の範囲で設定される。好ましくは、0.52倍〜0.72倍の範囲で設定すると良い。
本例では、図15に示すように、4個のサイプ151〜154を、踏面におけるサイプの延在方向が互いに平行、かつブロック14の中心線vに対して線対称になるように配置するとともに、ブロック端部14pとブロック端部14p側のサイプ151との間隔及びブロック端部14qとブロック端部14q側のサイプ154との間隔bを、隣接するサイプ間の間隔a以上としている。なお、平行とは、完全に平行の他、±20度以内の傾斜を含む。
上記間隔aと間隔bとは、a≦b≦1.3aの関係にあることが好ましい。すなわち、間隔bがaよりも小さいと、ブロック端部14p,14q側の小ブロック141,145の剛性が低下するため、ブロックエッジ効果が低減する。一方、間隔bが1.3aを超えると、ブロック端部14p,14q側の小ブロック141,145が浮き上がり易くなり、接地性能が低下するため、a≦b≦1.3aとすることが好ましい。
また、サイプ151〜154は、隣接するサイプとの最短の間隔であるサイプ最短距離xが溝深さDの0.4〜1.2倍の範囲で設定される。好ましくは、0.6倍〜1.0倍の範囲で設定すると良い。サイプ最短距離xとは、例えば、サイプ151,152のようにサイプ中心線mが同一方向に傾斜して設けられている場合には、小ブロック142を区画する溝壁151aと溝壁152bとの最短距離をいい、サイプ152,153のようにサイプ中心線mが互いに交差するように設けられている場合には、小ブロック143を区画する溝壁152aと溝壁153aとの最短距離をいう。
上記サイプ最短距離xで設定されたサイプ151〜154間の間隔aは、2.4mm≦a≦7.0mmであることが好ましい。このようにサイプ15の間隔aを設定することにより、小ブロック142〜144のブロック剛性を確保することができる。
なお、隣接するサイプ15,15の間隔aについても、一定ではなく、ブロック端部14p,14q側で大きく中心側で小さくなるように設定してもよい。
このように、サイプ15を傾斜させることにより、剪断入力時の変形に加えて、垂直方向荷重によるサイプの接触が生じ、入力方向によらずサイプ接触力が増加するので、接地面積の低下を抑制することができる。
図16は、図15に示したタイヤ10を加硫成形するための加硫モールド20の要部断面図で、サイプ151〜154は、周方向溝12及び横溝13を形成するための骨部21に囲まれた溝部22からキャビティ23方向に突出するように設けられる、ブレード24と呼ばれる金属薄板により形成される。
ブレード24(241〜244)は、それぞれ、溝部22に埋設される埋め込み部24aと、サイプ15と同形状の突出部24bとを備える。突出部24bは、第1サイプ部15pに対応する平板部24pと、第2サイプ部15qに対応する曲面部24qと、屈曲部15rに対応する円弧部24rとから成り、平板部24pの根元Q0がサイプ15の開口端である最外部P0に対応し、曲面部24qの先端Q3がサイプ15の最内部P3に対応する。
一般に、途中に屈曲部を有する3Dサイプは、加硫後に加硫モールド20からの引き抜け力が大きくなってしまう傾向にあるが、図13(a)に示すように、本発明のサイプ15は、屈曲部15rを円弧状とするとともに、タイヤ半径方向内側に位置する第2サイプ部15qを緩やかな曲線(曲率半径の大きな円弧状)としているので、第1サイプ部15p及び第2サイプ部15qによりサイプ接触力を確保しつつ、加硫釜抜け時における引き抜け力を大幅に低減させることができる。
また、ブレード24は、タイヤ半径方向に対して互いに逆方向に傾斜する、平板部24pと曲面部24qとを備えているので、ブレード24の引き抜き時には、図17に示すように、平板部24pが第1サイプ部15pが隣接するブロック14の中央側の小ブロックをブロック14の中央側に押し、曲面部24qが第2サイプ部15qが隣接するブロック14の端部の小ブロックをブロック14の端部側を押すことになる。したがって、加硫モールド20からの引き抜け力を更に低減することができる。
一方、形成されたサイプ15は、サイプ最外部P0であるタイヤ踏面側とサイプ最内部P3であるタイヤ半径方向最内部とを結んだマクロな傾斜(中心線傾斜角αを有する傾斜)と、タイヤ踏面側と屈曲開始点(第1変曲点P1)とを結んだローカルな傾斜(第1サイプ傾斜角βを有する傾斜)とを有し、かつ、マクロな傾斜と、ローカルな傾斜とが、タイヤ踏面に対する垂直線であるタイヤ半径方向に対して互いに反対側にあるので、入力方向によらずサイプ接触力を増加させることができる。
具体的には、図18に示すように、ブロック14の一端側(14q側)から他端側(14p側)に向かう力が入力したとすると、入側である一端14q側では、ローカルな傾斜kの効果が浮き上がり側である小ブロック145の端部に作用するので、小ブロック145の浮き上がりが抑制される。一方、出側である他端側では、マクロな傾斜Kの効果が浮き上がり側である端部の小ブロック141の端部に作用するので、端部の小ブロック141の浮き上がりが抑制される。これは、入力方向が逆であっても同様であるので、入力方向によらずサイプ接触力を増加させることができる。
なお、中心線傾斜角αは、上述したように、60度〜90度の範囲で設定することが好ましい。中心線傾斜角αを90度に設定すると、踏面14kに対する角度が直角方向に近づくため、引き抜け力は減少するがサイプ接触力が低下する虞がある。また、中心線傾斜角αが60度未満では、サイプ接触力は増大するものの引き抜け力も大きくなる虞がある。この点を勘案すると、中心核傾斜角αは、67度〜82度の範囲で設定することが好ましい。
第1サイプ傾斜角βについても同様であるが、本発明のサイプ15は、図13(a)に示すように、屈曲部15rと屈曲部15rの曲率半径rよりも大きな曲率半径Rを有する第2サイプ部15qを備えているので、β>90(第1サイプ部15pがサイプ中心線mと同じ方向に傾斜している)であっても、サイプ接触力を確保しつつ、加硫釜抜け時における引き抜け力を低減させることができる。
また、図13(c)に示したように、第2振幅Wqを第1振幅Wpよりも小さくすることが好ましい。これは、図13(c)の破線のように、第2振幅Wqを第1振幅Wpよりも大きくすると、サイプの15のタイヤ半径方向内側に、サイプ中心線mから大きく張り出した凸部ができてしまため、加硫釜抜け時における引き抜け力が増加してしまうからである。
一方、釜抜け性を向上させるため、第2振幅Wqを狭くすると、3Dサイプの接触力が低下してしまう。そこで、本例では、Wq<Wpとするとともに、図13(d)に示したように、第2サイプ部15qの幅W2を、第1サイプ部15pの幅W1の2倍以上とすることで、3Dサイプの接触力を確保しつつ、加硫釜抜け時における引き抜け力を低減させることができるようにしている。
例えば、前記実施の形態では、第2サイプ部15qを曲率半径がRの円弧状としたが、湾曲した形状であってもよい(湾曲は、曲率半径を非常に大きくした直線も含む)。また、図19(a)に示すように、複数の曲率半径R1,R2,……,Rnの異なる円弧Ck(k=1〜n)から成る曲線状としてもよい。この場合、各円弧Ckの曲率の中心を全て第1サイプ部15pの曲率中心とは反対側に位置させることはいうまでもない。
また、屈曲部15r側の円弧をC1、サイプ最内部P3側の円弧をCnとしたとき、各円弧Ck(k=1〜n)の曲率半径Rkを、タイヤ半径方向内側に行くにしたがって大きくすれば、第2サイプ部15qの形状がより滑らかになり、かつ、タイヤ半径方向内部ほどサイプ中心線mとの距離が小さくなるので、加硫釜抜け時における引き抜け力を更に低減させることができる。
また、図19(b)に示すように、第2サイプ部15qの最深部を直線(Rn=∞)としてもよい。
なお、隣接する2つの円弧Ck,Ck+1の曲率半径Rk,Rk+1は、必ずしも、Rk<Rk+1なる関係を満たす必要はないが、本例のように、Rk<Rk+1とした方が、第2サイプ部15qの形状をより滑らかにできるため好ましい。
なお、屈曲部15rも曲線であればよく、円弧状でなくてもよい。
また、前記実施の形態では、4本のサイプ151〜154の中心線傾斜角αと第1サイプ傾斜角βとを同じにしたが、図20に示すように、中心線傾斜角αと第1サイプ傾斜角βとを、ブロック端部14p,14q側で大きく、中心側で小さくなるように設定すれば、ブロック端部14p,14q側のサイプ151,154によるエッジ効果を高めることができるとともに、中央の小ブロック142〜144にて、接地面積を確保することができるので、タイヤの接地性能と氷上性能とをともに向上させることができる。
また、前記実施の形態では、4個のサイプ151〜154を、ブロック14の中心線vに対して線対称になるように配置したが、サイプ15の個数はこれに限るものではなく、ブロック14に複数個形成されていればよい。また、配置についても、図21に示すように、サイプ中心線mの方向を全てタイヤ円周方向としてもよい。図21に示した配置は、制動特性を優先するなど、一方向からの入力が大きい場合に特に有効である。
また、図22(a)に示すように、ブロック14の中心にサイプがある場合には中心に位置するサイプ15Cとして、2Dサイプとすることが好ましい。これにより、入力方向が逆であっても、同じサイプ接触力を得ることができる。
また、図22(b)に示すように、ブロック14の中心にサイプがない場合にも、ブロック中心に隣接するにサイプ15C、15Cとして、2Dサイプとしてもよい。
なお、図22(c)に示すように、ブロック14の中心に中心にサイプがある場合にも、中心に位置するサイプ15Cと、このサイプ15Cに隣接するサイプ15C’とを2Dサイプとしてもよい。
このように、小ブロックの浮き上がりに対する寄与の少ないブロック中心近傍のサイプに、簡単な構造のブレードを用いることができるので、タイヤの製造が容易となる。
また、前記実施の形態では、サイプ15の表面形状を台形波状としたが、ジグザグ状、もしくは、タイヤ幅方向に平行な直線部とタイヤ幅方向に対して傾斜する傾斜部とを有する2Dサイプとしてもよい。
また、前記実施の形態では、サイプ15を、タイヤ幅方向に平行な方向に延長する3Dサイプとしたが、図23(a)に示すような、タイヤ円周方向に平行な方向に延長するサイプ18(181〜184)としてもよい。この場合には、サイプ181〜184のうちの、タイヤ端部側サイプ181,184のタイヤ半径方向の傾斜角を中央側サイプ182,183の径方向傾斜角よりも大きくなるように、サイプ181〜184を形成すればよい。これにより、ブロック14に、横力などのタイヤ幅方向に平行な入力があった場合には、サイプ181〜184により区画された小ブロックの路面からの浮き上がりを効果的に抑制することができる。
また、図23(b)に示すように、タイヤ円周方向とタイヤ幅方向とに交差する方向に延長するサイプ19を設ければ、多方向からの入力に対して、サイプ19により区画された小ブロックの路面からの浮き上がりを効果的に抑制することができる。この場合には、サイプ19のうちの、ブロック14のタイヤ円周方向端部側に位置するサイプの一方及び他方のサイプの径方向傾斜角の絶対値が、一方及び他方のサイプ以外のサイプの径方向傾斜角の絶対値よりも大きくすればよい。なお、図23(b)では、タイヤ踏面側から見たブロック14の形状を、タイヤ円周方向に平行な2辺14a,14cと、タイヤ円周方向と幅方向とに交差する互いに平行な2辺14b,14dとからなる平行四辺形とした。
また、図23(c)に示すように、前記実施の形態のサイプ15は、ブレーキなどの前後力に対するエッジ効果に寄与するリブ状陸部16(もしくは、リブ状陸部16を横溝で区画したセンターブロック)に、前記のサイプ18は、横力に対するエッジ効果に寄与するショルダーブロック14Cに、前記のサイプ19は、リブ状陸部16とショルダーブロック14Cとの間に配置される中間ブロック14Bに設けることが好ましい。
これにより、リブ状陸部16及び各ブロック14B,14Cの、サイプ15,18,19により区画された小ブロックが路面から浮き上がることを効果的に抑制することができる。したがって、前後力だけでなく横力に対しても、氷上性能を確保しつつ、タイヤの接地性能を効果的に向上させることができる。
また、前記実施の形態では、周方向溝12の延長方向をタイヤ円周方向に平行な方向とし、横溝13の延長方向をタイヤ幅方向に平行な方向としたが、周方向溝12としては、タイヤ円周方向に隣接する溝部が互いに反対方向へ傾斜しているジグザグ状であってもよい。また、横溝13も、タイヤ円周方向に対して傾斜した直線もしくは曲線であってもよい。
また、サイプ15は、タイヤ幅方向またはタイヤ円周方向のみに延在させてもよいし、タイヤ円周方向に対して傾斜していてもよい。
10 タイヤ、11 トレッド、12 周方向溝、13 横溝、14 ブロック、
15,151〜156 サイプ、15m 直線部、15n 傾斜部、
15p 第1サイプ部、15q 第2サイプ部、15r 屈曲部、
16 リブ状陸部。

Claims (5)

  1. トレッド部の踏面に開口するサイプを備えたタイヤであって、
    前記サイプは、前記踏面を平面視した場合において、
    一端側が当該サイプの前記延在方向中心線上に位置し、前記延在方向中心線から離れる方向に傾斜して延長する第1傾斜区間と、
    一端側が前記第1傾斜区間の他端側に接続され、延在方向中心線に沿う方向に延長する離間区間と、
    一端側が前記離間区間の他端側に接続され、前記第1傾斜区間が前記離間区間に交差する角度で、前記延在方向中心線まで延長する第2傾斜区間とを基本形状とし、当該基本形状を延在方向中心線を挟んで反転させながら交互に設けることにより台形波状に形成され、
    前記第1傾斜区間及び前記第2傾斜区間は、前記離間区間に交差する角度が115度〜160度の範囲にあるとともに、
    連続する前記第1傾斜区間と前記離間区間と前記第2傾斜区間の前記延在方向中心線に沿う長さを半周期とするときの一周期長さが、当該サイプの溝深さDの0.8倍〜2.0倍であることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記サイプの波高は、該サイプの溝深さDの0.2倍〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記離間区間の前記延在方向中心線に沿う長さは、該サイプの溝深さDの0.15倍〜0.4倍である請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記第1傾斜区間及び前記第2傾斜区間それぞれの前記延在方向中心線に沿う長さは、前記離間区間の前記延在方向中心線に沿う長さの0.35倍〜0.94倍である請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記サイプは、前記踏面に沿って該サイプの連続する方向に垂直な面により断面視したときの形状において、
    前記踏面への開口端側に位置する第1サイプ部と、
    前記第1のサイプ部のタイヤ径方向内側に位置する第2サイプ部とを有し、
    前記サイプの前記踏面への開口端であるサイプ最外部とタイヤ径方向最内部であるサイプ最内部とを結ぶ直線であるサイプ中心線と前記第1のサイプ部の延長方向とが、ともに、タイヤ径方向に対して傾斜しており、かつ、その傾斜角度が互いに反対方向であるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ。
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