以下、本開示の実施の形態が、図面を参照しながら、説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示す図である。
図1(a)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx−z図(1A断面図)である。
図1(b)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1000は、第1発電要素110と、第1集電体210と、第2集電体220と、第1封止部分310と、第1空隙410と、第1ガス検出部510と、を備える。
第1発電要素110は、第1電極層111と、第1対極層112と、を備える。
第1集電体210は、第1電極層111に接する。
第2集電体220は、第1対極層112に接する。
第1封止部分310は、第1集電体210と第2集電体220との間を封止する。
第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110とに挟まれる。
第1ガス検出部510は、第1空隙410におけるガスを検出する。
以上の構成によれば、ガス(例えば、硫化水素ガス、など)の検出感度を高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110が存在する空間を、第1封止部分310により、より狭小な空間である第1空隙410に狭めることができる。これにより、より狭小な空間である第1空隙410を、ガスが検出される対象空間とすることができる。これにより、電池内部のより広い空間(例えば、外装体の内側の空間、など)を検出対象空間とする場合と比較して、第1発電要素110から発生するガスが、広い空間に拡散して薄まることを抑制できる。すなわち、第1発電要素110から発生するガスは、より狭小な空間である第1空隙410に留まる。このため、第1ガス検出部510は、第1空隙410におけるガスを、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を高めることができる。
また、以上の構成によれば、電池の安全性を高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110の周りを、第1封止部分310により、包囲する(例えば、密閉する)ことができる。例えば、電池がさらに外装体などを備える場合には、第1封止部分310とともに、多重の安全構造を構成することができる。このため、第1発電要素110から発生するガスが、電池内部の空間(例えば、外装体の内側の空間、など)または電池外部に、直ちに拡散することを抑制できる。このため、ガスが検出された際に、密閉外装体の破損または腐食などが発生した場合であっても、電池外部への有害なガス(例えば、硫化水素ガス、など)の流出リスクを、大幅に低減させることができる。したがって、電池の安全性を高めることができる。
図24は、比較例における電池の概略構成を示す断面図である。
図24に示される比較例の電池は、第1封止部分310を備えていない。このため、比較例の電池は、第1空隙410を有していない。
比較例の電池は、外装体900を備える。外装体900は、第1発電要素110と、第1集電体210と、第2集電体220と、第1ガス検出部510と、を内包する。
比較例の電池においては、第1ガス検出部510は、外装体900の内側に配置される。
このように、比較例の電池においては、第1ガス検出部510の検出対象空間が、電池内部のより広い空間(外装体900の内側の空間)となってしまう。したがって、ガスを早期に高濃度のまま検出することが困難となる。また、比較例の電池には第1封止部分310が無いため、ガスが検出された際に、外装体900の破損または腐食などが発生した場合には、電池外部へガスが流出するリスクが高まる。
これに対して、実施の形態1の電池1000であれば、上述したように、より狭小な空間である第1空隙410をガス検出の対象空間とすることで、ガスの検出感度を高めることができる。また、実施の形態1の電池1000であれば、第1封止部分310を備えることにより、電池外部への有害なガスの流出リスクを、大幅に低減させることができる。
第1電極層111は、第1電極材料を含む層である。
第1対極層112は、第1電極層111の対極となる層である。第1対極層112は、第1対極材料を含む層である。
第1発電要素110においては、第1電極層111と第1対極層112とは、一方は正極層であり、もう一方は負極層である。
例えば、第1電極層111は正極層であってもよい。このとき、第1電極材料は、正極材料である。第1対極層112は負極層である。第1対極材料は、負極材料である。第1集電体210は、正極集電体である。第2集電体220は、負極集電体である。
もしくは、第1電極層111は負極層であってもよい。このとき、第1電極材料は、負極材料である。第1対極層112は正極層である。第1対極材料は、正極材料である。第1集電体210は、負極集電体である。第2集電体220は、正極集電体である。
なお、実施の形態1における第1発電要素110は、例えば、充電および放電の特性を有する発電要素である。
以下に、実施の形態1における発電要素および集電体の具体例が、説明される。
実施の形態1における発電要素は、例えば、正極層と負極層と固体電解質層とを備える。
正極層は、例えば、正極活物質層である。正極活物質層は、正極材料である正極活物質を含む層である。正極活物質層に含有される正極活物質としては、公知の正極活物質(例えば、コバルト酸リチウム、LiNO、など)が用いられうる。正極活物質の材料としては、Liを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
なお、正極層は、正極活物質層の含有材料を含む正極合剤層として、設けられてもよい。正極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。正極活物質の表面は、固体電解質でコートされていてもよい。また、正極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
正極層は、正極活物質と含有材料とを溶媒と共に練りこんだペースト状の塗料を正極集電体面上に塗工乾燥して作製されうる。正極層の密度を高めるために、正極層を乾燥後にプレスしてもよい。このようにして作製される正極層の厚みは、例えば、5〜300μmである。
負極層は、例えば、負極活物質層である。負極活物質層は、負極材料である負極活物質を含む層である。負極活物質層に含有される負極活物質としては、公知の負極活物質(例えば、グラファイト、など)が用いられうる。負極活物質の材料としては、Liを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
なお、負極層は、負極活物質層の含有材料を含む負極合剤層として、設けられてもよい。負極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。また、負極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
負極層は、負極活物質と含有材料とを溶媒と共に練りこんだペースト状の塗料を負極集電体面上に塗工乾燥して作製されうる。負極層の密度を高めるために、負極層を乾燥後にプレスしてもよい。このようにして作製される負極層の厚みは、例えば、5〜300μmである。
また、発電要素においては、負極活物質層の形成範囲は、正極活物質層の形成範囲よりも、大きくてもよい。これにより、例えば、リチウム析出による、電池の不具合(例えば、信頼性の低下)を防止できる可能性がある。
もしくは、発電要素においては、正極活物質層と負極活物質層の形成範囲は、同じでもよい。
固体電解質層は、固体電解質を含む層である。固体電解質層は、例えば、正極層と負極層との間に設けられる。
固体電解質層に含有される固体電解質としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。硫化物固体電解質は、高いイオン伝導を有し、柔軟性にも優れる。
また、固体電解質層の含有材料としては、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
固体電解質層は、固体電解質と含有材料とを溶媒と共に練りこんだペースト状の塗料を正極活物質層または負極活物質層上に塗工乾燥して作製されうる。正極集電体と正極層と固体電解質層と負極層と負極集電体との積層体を加圧圧迫することで、発電要素が作製されうる。加圧圧迫により、各層が緻密で互いに良好な接合状態とすることができる。接合の際、正極層の形成面内位置が、対向する負極層の形成面内位置から、はみ出さないようにしてもよい。
また、発電要素においては、正極層と負極層とは、いずれも、正極集電体および負極集電体よりも、狭い範囲に形成されてもよい。このとき、固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層のいずれよりも、大面積に形成されてもよい。これにより、正極層と負極層との直接接触による短絡を防止できる。
また、発電要素においては、固体電解質層は、正極集電体または負極集電体と同じ範囲に、形成されてもよい。
もしくは、発電要素においては、固体電解質層は、正極集電体または負極集電体よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
正極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Al箔)、など、が用いられうる。正極集電体の厚みは、例えば、5〜100μmであってもよい。
負極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Cu箔)、など、が用いられうる。負極集電体の厚みは、例えば、5〜100μmであってもよい。
なお、製造工程における、発電要素の各層の形成順は、特に限定されない。また、発電要素の各層の形成方法としては、例えば、順次積層、貼り合わせ、転写、または、これらを組合せた工法、など、が用いられうる。
なお、実施の形態1における電池1000においては、図1に示されるように、第1発電要素110は、第1固体電解質層113を備えてもよい。
第1固体電解質層113は、第1電極層111と第1対極層112との間に設けられる。
第1電極層111と第1対極層112と第1固体電解質層113のうちの少なくとも1つは、第1硫黄系材料を含んでもよい。
ガスは、第1硫黄系材料に起因して発生する硫化水素ガスを含んでもよい。
第1ガス検出部510は、第1空隙410における硫化水素ガスを検出してもよい。
以上の構成によれば、固体電解質を用いた積層型の電池(全固体リチウム二次電池)を実現しながら、硫化水素ガスの検出感度を、より高めることができる。
第1固体電解質層113は、第1固体電解質を含む層である。第1固体電解質は、例えば、上述の固体電解質であってもよい。
第1硫黄系材料は、例えば、上述の硫化物系固体電解質であってもよい。
第1硫黄系材料は、例えば、水分と反応することで、硫化水素(H2S)ガスを発生する材料である。
第1封止部分310としては、一般に公知の封止材料(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、など)が用いられうる。第1封止部分310の材料としては、水分および封入ガスおよび第1発電要素110から発生しうるガスなどに対して、高い浸透防止能力を有する材料であってもよい。第1封止部分310により水分の浸入を防止することで、集電体の腐食劣化、および、固体電解質の変質、および、有毒ガスの発生、など、を防止できる。
第1封止部分310は、図1に示されるように、第1発電要素110の周囲(例えば、四方)を封止してもよい。
第1空隙410は、少なくとも第1封止部分310と第1発電要素110とに挟まれる空隙(空間)である。
すなわち、「第1空隙410は第1封止部分310と第1発電要素110とに挟まれる」との表現は、「第1空隙410は第1封止部分310と第1発電要素110と他の部材とに挟まれる(囲まれる)」ことも包含する。
例えば、第1空隙410は、図1に示されるように、第1封止部分310と第1発電要素110と第1集電体210と第2集電体220とに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1発電要素110を構成する部材(第1電極層111または第1固体電解質層113)が第1集電体210の表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110と第2集電体220とに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1発電要素110を構成する部材(第1対極層112または第1固体電解質層113)が第2集電体220の表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110と第1集電体210とに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1発電要素110を構成する部材が第1集電体210と第2集電体220との表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110とのみに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1封止部分310が第1集電体210の表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110と第2集電体220とに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1封止部分310が第2集電体220の表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110と第1集電体210とに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
もしくは、第1封止部分310が第1集電体210と第2集電体220との表面を覆っている場合には、第1空隙410は、第1封止部分310と第1発電要素110とのみに囲まれる空隙(空間)であってもよい。
第1空隙410は、図1に示されるように、第1発電要素110の周囲(例えば、四方)に形成されてもよい。
第1ガス検出部510は、第1発電要素110から発生しうるガスを検知する部材である。第1ガス検出部510としては、一般に公知のガス検知センサ(たとえば、定電位電解式、半導体式、熱伝導式、など)が、単独または2種類以上を組み合わせて、用いられうる。
第1ガス検出部510は、例えば、ガス(例えば、硫化水素)との化学反応により電気抵抗が変化する抵抗変化材料(例えば、銅などの金属材料)を含んでもよい。
第1ガス検出部510は、図1に示されるように、薄膜型のセンサであってもよい。これにより、第1ガス検出部510の封入構造を簡便にできる。また、第1ガス検出部510の占有体積を小さくすることができる。
なお、実施の形態1における電池1000においては、図1に示されるように、第1ガス検出部510は、第1空隙410に配置されてもよい。
以上の構成によれば、ガスの検出感度を、より高めることができる。すなわち、第1発電要素110から発生して第1空隙410に留まっているガスを、第1空隙410において、検出することができる。このため、第1ガス検出部510は、第1空隙410におけるガスを、より高濃度、かつ、より早期に、検出できる。
なお、本開示においては、「第1ガス検出部510が第1空隙410に配置される」とは、図1に示されるように、「第1ガス検出部510の全体が第1空隙410に配置される」ことを包含する。
さらに、本開示においては、「第1ガス検出部510が第1空隙410に配置される」とは、図2と図3と図4とに示されるように、「第1ガス検出部510の一部が第1空隙410に配置される」ことも包含する。
図2は、実施の形態1における電池1001の概略構成を示す図である。
図2(a)は、実施の形態1における電池1001の概略構成を示すx−z図(2A断面図)である。
図2(b)は、実施の形態1における電池1001の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1001においては、図2に示されるように、第1ガス検出部510の一部(例えば、端部)が、第1封止部分310により、埋没される。この結果、第1ガス検出部510の一部が、第1空隙410に配置される。
以上の構成によれば、第1封止部分310が第1ガス検出部510の一部に触れることを許容できる。このため、第1封止部分310を形成する際に、高い精度での第1封止部分310の位置決めを不要にできる。すなわち、第1封止部分310を作製するプロセスを簡便化できる。
図3は、実施の形態1における電池1002の概略構成を示す図である。
図3(a)は、実施の形態1における電池1002の概略構成を示すx−z図(3A断面図)である。
図3(b)は、実施の形態1における電池1002の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1002においては、図3に示されるように、第1ガス検出部510の一部(例えば、1つの端部以外の部分)が、第1封止部分310により、埋没される。この結果、第1ガス検出部510の一部(例えば、端部)が、第1空隙410に配置される。
以上の構成によれば、第1封止部分310が第1ガス検出部510の大部分に触れることを許容できる。このため、第1封止部分310を形成する際に、高い精度での第1封止部分310の位置決めを不要にできる。すなわち、第1封止部分310を作製するプロセスを簡便化できる。
図4は、実施の形態1における電池1003の概略構成を示す図である。
図4(a)は、実施の形態1における電池1003の概略構成を示すx−z図(4A断面図)である。
図4(b)は、実施の形態1における電池1003の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1003においては、図4に示されるように、第1ガス検出部510の一部(例えば、主面の一部)が、第1封止部分310により、埋没される。この結果、第1ガス検出部510の一部(例えば、端部)が、第1空隙410に配置される。
以上の構成によれば、第1封止部分310が第1ガス検出部510の大部分に触れることを許容できる。このため、第1封止部分310を形成する際に、高い精度での第1封止部分310の位置決めを不要にできる。すなわち、第1封止部分310を作製するプロセスを簡便化できる。
また、実施の形態1における電池1000は、図1に示されるように、2本の第1接続線511を、さらに備えてもよい。
第1ガス検出部510のセンシング領域(例えば、抵抗変化材料からなる部分)は、2本の第1接続線511の一端と接続されてもよい。
実施の形態1における電池1000においては、2本の第1接続線511のもう一端は、第1封止部分310を通過して、例えば、電池1000の外部に引き出される。
電池1000の外部に引き出された2本の第1接続線511は、ガスを検出するための検出装置に、接続されてもよい。すなわち、電池1000と検出装置とを備える電池システム(検出システム)が構成されてもよい。
例えば、検出装置は、2本の第1接続線511との間に電流を印加して、2本の第1接続線511との間における電圧を、検出してもよい。この電圧の大きさおよび変化などから、ガス検出の有無の判定が行われうる。このとき、検出装置は、例えば、電流印加部(例えば、電流源)と、電圧計測部(例えば、電圧計)と、を備えていてもよい。電流印加部と電圧計測部との構成としては、一般に公知の構成が、用いられうる。
もしくは、検出装置は、2本の第1接続線511との間に電圧を印加して、2本の第1接続線511との間における電流を、検出してもよい。この電流の大きさおよび変化などから、ガス検出の有無の判定が行われうる。このとき、検出装置は、例えば、電圧印加部(例えば、電圧源)と、電流計測部(例えば、電流計)と、を備えていてもよい。電圧印加部と電流計測部の構成としては、一般に公知の構成が、用いられうる。
なお、検出装置は、制御部をさらに備えてもよい。制御部は、電流印加部と電圧計測部と電圧印加部と電流計測部とを制御してもよい。また、制御部により、ガス検出の有無の判定が行われてもよい。
制御部は、例えば、プロセッサとメモリとにより、構成されてもよい。当該プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro−Processing Unit)などであってもよい。このとき、当該プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、本開示で示される制御方法を実行してもよい。
図5は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示す図である。
図5(a)は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示すx−z図(5A断面図)である。
図5(b)は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1100においては、第1集電体210は、第1引出部分610を備える。
第1ガス検出部510は、第1接続線511を備える。
第1接続線511は、第1引出部分610から引き出される。
以上の構成によれば、第1ガス検出部510の第1接続線511を第1封止部分310から引き出す場合(上述の電池1000)と比べて、第1接続線511の引き出し構造を設けるための加工を容易とすることができる。
第1引出部分610は、例えば、第1集電体210に形成された開口部分と、当該開口部分と第1接続線511との隙間を封止する封止部分と、を含んでもよい。このとき、当該封止部分に用いられる材料としては、上述の第1封止部分310と同じ材料が、用いられうる。
図6は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示す図である。
図6(a)は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示すx−z図(6A断面図)である。
図6(b)は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1200においては、第1集電体210は、第1連通孔710を備える。
第1連通孔710の一方の開口は、第1空隙410に通じる。
第1ガス検出部510は、第1連通孔710のもう一方の開口を覆って、配置される。
以上の構成によれば、第1ガス検出部510を、第1空隙410の外側(例えば、第1集電体210の第1電極層111と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第1連通孔710を通じることで、第1空隙410におけるガスを、第1空隙410の外側に配置された第1ガス検出部510に導入できる。これにより、第1空隙410の内側に第1ガス検出部510を配置できない場合であっても、第1空隙410の外側に配置された第1ガス検出部510により、第1空隙410におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第1空隙410の内側に第1ガス検出部510を配置(封入)するプロセスを省略できる。また、後述される第1センサ室810のような追加構造をさらに形成するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
なお、実施の形態1における電池1200においては、図6に示されるように、第1連通孔710は、第1ガス検出部510のセンシング領域よりも、小さい開口部分であってもよい。
もしくは、第1連通孔710は、第1ガス検出部510のセンシング領域よりも、大きい開口部分であってもよい。この場合には、第1ガス検出部510のセンシング領域と第1連通孔710との隙間は、封止部材などで封止されてもよい。
なお、第1連通孔710の一方の開口を覆って第1ガス検出部510が配置される際に、第1ガス検出部510と第1集電体210との連結を補強する部材が、用いられてもよい。これにより、第1ガス検出部510が、第1集電体210から、分離する(例えば、剥がれる)ことを防止できる。
第1ガス検出部510と第1集電体210との連結を補強する部材は、例えば、接着剤であってもよい。すなわち、第1ガス検出部510と第1集電体210との接触部分に接着剤が付与されることで、第1ガス検出部510と第1集電体210とが接着されてもよい。
もしくは、第1ガス検出部510と第1集電体210との連結を補強する部材は、例えば、後述される第1センサ室810のような、構造物であってもよい。
図7は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示す図である。
図7(a)は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示すx−z図(7A断面図)である。
図7(b)は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態1における電池1300は、第1センサ室810をさらに備える。
第1ガス検出部510は、第1センサ室810に配置される。
第1集電体210は、第1連通孔710を備える。
第1連通孔710は、第1空隙410と第1センサ室810とを連通する。
以上の構成によれば、第1ガス検出部510を、第1空隙410の外側(例えば、第1集電体210の第1電極層111と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第1連通孔710を通じることで、第1空隙410におけるガスを、第1空隙410の外側に配置された第1ガス検出部510に導入できる。これにより、第1空隙410の内側に第1ガス検出部510を配置できない場合であっても、第1空隙410の外側に配置された第1ガス検出部510により、第1空隙410におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第1空隙410の内側に第1ガス検出部510を配置(封入)するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
また、以上の構成によれば、第1連通孔710の開口の大きさを、第1センサ室810にガスを導入できる程度の大きさに小型化できる。すなわち、第1ガス検出部510が第1連通孔710の開口を覆って配置される場合(上述の電池1200)と比較して、第1連通孔710の開口を小さくできる。例えば、第1ガス検出部510の検出領域の大きさよりも、第1連通孔710の開口の大きさを、小さくできる。これにより、第1集電体210において、第1連通孔710を設けるためのスペースを小さくできる。したがって、電池を、より小型化できる。
なお、実施の形態1における電池1300においては、図7に示されるように、第1センサ室810は、第1センサ室壁811により囲まれて形成される空間であってもよい。
第1センサ室壁811の材料としては、例えば、一般に公知の電池の外装体の材料が、用いられうる。
また、実施の形態1における電池1300においては、図7に示されるように、第1センサ室810は、第1集電体210に接して(さらに、平行して)、設けられてもよい。このとき、第1センサ室810の主面の大きさは、第1集電体210の主面の大きさよりも、小さくてもよい。これにより、ガス検出の対象空間(すなわち、第1センサ室810)を、より狭小な空間とすることができる。
また、実施の形態1における電池1300においては、図7に示されるように、第1センサ室810の大きさは、第1ガス検出部510のセンシング領域よりも、大きくてもよい。すなわち、第1ガス検出部510のセンシング領域は、第1センサ室壁811により、内包(例えば、密閉)されてもよい。このとき、第1ガス検出部510に接続される第1接続線511は、第1センサ室壁811を通過して、電池外部へ引き出されてもよい。
また、実施の形態1における電池1300を内包する外装体が設けられる場合には、第1センサ室810は、当該外装体の内側に配置されてもよい。もしくは、第1センサ室810は、当該外装体の外側に配置されてもよい。
なお、実施の形態1においては、第1連通孔710は、図6または図7に示されるように、矩形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第1連通孔710は、円形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第1連通孔710は、スリット状の開口部分であってもよい。
また、実施の形態1においては、第1連通孔710は、図6または図7に示されるように、1つの開口部分として、形成されてもよい。もしくは、第1連通孔710は、複数の開口部分として、形成されてもよい。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。なお、上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
図8は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示す図である。
図8(a)は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示すx−z図(8A断面図)である。
図8(b)は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示すx−y図(上面透視図)である。
実施の形態2における電池2000は、上述の実施の形態1における電池の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2000は、第2発電要素120と、第3集電体230と、第2封止部分320と、第2空隙420と、をさらに備える。
第2発電要素120は、第2電極層121と、第2対極層122と、を備える。
第2電極層121は、第2集電体220に接する。
第3集電体230は、第2対極層122に接する。
第2封止部分320は、第2集電体220と第3集電体230との間を封止する。
第2空隙420は、第2封止部分320と第2発電要素120とに挟まれる。
第2集電体220は、第2連通孔720を備える。
第2連通孔720は、第1空隙410と第2空隙420とを連通する。
以上の構成によれば、第2発電要素120から発生するガスを、第2空隙420と第2連通孔720とを通じて、第1空隙410にまで、導入することができる。これにより、第1空隙410において、第1ガス検出部510により、第2発電要素120から発生するガスを、検出することができる。このため、第2発電要素120から発生するガスを検出するためのガス検出用センサを、第1ガス検出部510とは別に、さらに備える必要がない。したがって、ガス検出用センサの数を低減することができる。また、ガス検出用センサの数を低減することで、多数のガス検出用センサを電池内部に配置(封入)するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。これにより、より簡便かつより安価に、ガスの検出構造を電池に設けることができる。また、多数のガス検出用センサを封止することによる信頼性の低下を防止できる。また、多数のガス検出用センサの接続線の配線構造および検出信号の処理が不要となる。このため、電池構造の複雑化を防止できる。すなわち、電池の構造および製造工程を、より簡略化・単純化できる。
また、以上の構成によれば、ガスの検出感度を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第2発電要素120が存在する空間を、第2封止部分320により、より狭小な空間である第2空隙420に狭めることができる。これにより、より狭小な空間である第2空隙420と第1空隙410とを、ガスが検出される対象空間とすることができる。これにより、電池内部のより広い空間(例えば、外装体の内側の空間、など)を検出対象空間とする場合と比較して、第1発電要素110と第2発電要素120とから発生するガスが、広い空間に拡散して薄まることを抑制できる。すなわち、第1発電要素110と第2発電要素120とから発生するガスは、より狭小な空間である第2空隙420と第1空隙410とに行き渡って留まる。このため、第1ガス検出部510は、第1空隙410におけるガス(第1空隙410において発生したガス、および、第2空隙420において発生して第1空隙410に到達したガス)を、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
また、以上の構成によれば、電池の安全性を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110と第2発電要素120の周りを、第1封止部分310と第2封止部分320とにより、包囲する(例えば、密閉する)ことができる。例えば、電池がさらに外装体などを備える場合には、第1封止部分310と第2封止部分320とともに、多重の安全構造を構成することができる。このため、第1発電要素110と第2発電要素120とから発生するガスが、電池内部の空間(例えば、外装体の内側の空間、など)または電池外部に、直ちに拡散することを抑制できる。このため、ガスが検出された際に、密閉外装体の破損または腐食などが発生した場合であっても、電池外部への有害なガス(例えば、硫化水素ガス、など)の流出リスクを、大幅に低減させることができる。したがって、電池の安全性を、より高めることができる。
第2電極層121は、第2電極材料を含む層である。
第2対極層122は、第2電極層121の対極となる層である。第2対極層122は、第2対極材料を含む層である。
第2発電要素120においては、第2電極層121と第2対極層122とは、一方は正極層であり、もう一方は負極層である。
例えば、第1電極層111が正極層である場合には、第2電極層121は正極層である。このとき、第2電極材料は、正極材料である。第2対極層122は負極層である。第2対極材料は、負極材料である。第3集電体230は、負極集電体である。
もしくは、第1電極層111が負極層である場合には、第2電極層121は負極層である。このとき、第2電極材料は、負極材料である。第2対極層122は正極層である。第2対極材料は、正極材料である。第3集電体230は、正極集電体である。
なお、実施の形態2における電池2000においては、図8に示されるように、第2発電要素120は、第2固体電解質層123を備えてもよい。
第2固体電解質層123は、第2電極層121と第2対極層122との間に設けられる。
第2電極層121と第2対極層122と第2固体電解質層123のうちの少なくとも1つは、第2硫黄系材料(例えば、上述の硫化物系固体電解質、など)を含んでもよい。
ガスは、第2硫黄系材料に起因して発生する硫化水素ガスを含んでもよい。
なお、実施の形態2においては、第2発電要素120の各材料・形状・大きさなどは、上述の第1発電要素110の各材料・形状・大きさと同じであってもよいし、上述の第1発電要素110の各材料・形状・大きさのうちの一部または全部と異なってもよい。
実施の形態2においては、第2集電体220は、その表裏面に正極層と負極層とが形成されるバイポーラ集電体である。
第2封止部分320の材料としては、上述の第1封止部分310の材料として説明された材料が、用いられうる。
第2封止部分320は、図8に示されるように、第2発電要素120の周囲(例えば、四方)を封止してもよい。
第2空隙420は、少なくとも第2封止部分320と第2発電要素120とに挟まれる空隙(空間)である。
すなわち、上述の第1空隙410の場合と同様に、「第2空隙420は第2封止部分320と第2発電要素120とに挟まれる」との表現は、「第2空隙420は第2封止部分320と第2発電要素120と他の部材とに挟まれる(囲まれる)」ことも包含する。
第2空隙420は、図8に示されるように、第2発電要素120の周囲(例えば、四方)に形成されてもよい。
図9は、実施の形態2における電池2100の概略構成を示す断面図である。
実施の形態2における電池2100は、上述の電池2000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2100は、第3発電要素130と、第4集電体240と、第3封止部分330と、第3空隙430と、をさらに備える。
第3発電要素130は、第3電極層131と、第3対極層132と、を備える。
第3電極層131は、第3集電体230に接する。
第4集電体240は、第3対極層132に接する。
第3封止部分330は、第3集電体230と第4集電体240との間を封止する。
第3空隙430は、第3封止部分330と第3発電要素130とに挟まれる。
第3集電体230は、第3連通孔730を備える。
第3連通孔730は、第2空隙420と第3空隙430とを連通する。
以上の構成によれば、第3発電要素130から発生するガスを、第3空隙430と第3連通孔730と第2空隙420と第2連通孔720とを通じて、第1空隙410にまで、導入することができる。これにより、第1空隙410において、第1ガス検出部510により、第3発電要素130から発生するガスを、検出することができる。このため、第3発電要素130から発生するガスを検出するためのガス検出用センサを、第1ガス検出部510とは別に、さらに備える必要がない。したがって、ガス検出用センサの数を低減することができる。また、ガス検出用センサの数を低減することで、多数のガス検出用センサを電池内部に配置(封入)するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。これにより、より簡便かつより安価に、ガスの検出構造を電池に設けることができる。また、多数のガス検出用センサを封止することによる信頼性の低下を防止できる。また、多数のガス検出用センサの接続線の配線構造および検出信号の処理が不要となる。このため、電池構造の複雑化を防止できる。すなわち、電池の構造および製造工程を、より簡略化・単純化できる。
また、以上の構成によれば、ガスの検出感度を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第3発電要素130が存在する空間を、第3封止部分330により、より狭小な空間である第3空隙430に狭めることができる。これにより、より狭小な空間である第3空隙430と第2空隙420と第1空隙410とを、ガスが検出される対象空間とすることができる。これにより、電池内部のより広い空間(例えば、外装体の内側の空間、など)を検出対象空間とする場合と比較して、第1発電要素110と第2発電要素120と第3発電要素130とから発生するガスが、広い空間に拡散して薄まることを抑制できる。すなわち、第1発電要素110と第2発電要素120と第3発電要素130とから発生するガスは、より狭小な空間である第3空隙430と第2空隙420と第1空隙410とに行き渡って留まる。このため、第1ガス検出部510は、第1空隙410におけるガス(第1空隙410において発生したガス、および、第2空隙420において発生して第1空隙410に到達したガス、および、第3空隙430において発生して第1空隙410に到達したガス)を、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
また、以上の構成によれば、電池の安全性を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110と第2発電要素120と第3発電要素130の周りを、第1封止部分310と第2封止部分320と第3封止部分330とにより、包囲する(例えば、密閉する)ことができる。例えば、電池がさらに外装体などを備える場合には、第1封止部分310と第2封止部分320と第3封止部分330とともに、多重の安全構造を構成することができる。このため、第1発電要素110と第2発電要素120と第3発電要素130から発生するガスが、電池内部の空間(例えば、外装体の内側の空間、など)または電池外部に、直ちに拡散することを抑制できる。このため、ガスが検出された際に、密閉外装体の破損または腐食などが発生した場合であっても、電池外部への有害なガス(例えば、硫化水素ガス、など)の流出リスクを、大幅に低減させることができる。したがって、電池の安全性を、より高めることができる。
第3電極層131は、第3電極材料を含む層である。
第3対極層132は、第3電極層131の対極となる層である。第3対極層132は、第3対極材料を含む層である。
第3発電要素130においては、第3電極層131と第3対極層132とは、一方は正極層であり、もう一方は負極層である。
例えば、第1電極層111が正極層である場合には、第2電極層121と第3電極層131とは正極層である。このとき、第3電極材料は、正極材料である。第3対極層132は負極層である。第3対極材料は、負極材料である。第4集電体240は、負極集電体である。
もしくは、第1電極層111が負極層である場合には、第2電極層121と第3電極層131とは負極層である。このとき、第3電極材料は、負極材料である。第3対極層132は正極層である。第3対極材料は、正極材料である。第4集電体240は、正極集電体である。
なお、実施の形態2における電池2100においては、図9に示されるように、第3発電要素130は、第3固体電解質層133を備えてもよい。
第3固体電解質層133は、第3電極層131と第3対極層132との間に設けられる。
第3電極層131と第3対極層132と第3固体電解質層133のうちの少なくとも1つは、第3硫黄系材料(例えば、上述の硫化物系固体電解質、など)を含んでもよい。
ガスは、第3硫黄系材料に起因して発生する硫化水素ガスを含んでもよい。
なお、実施の形態2においては、第3発電要素130の各材料・形状・大きさなどは、上述の第1発電要素110または第2発電要素120の各材料・形状・大きさと同じであってもよいし、上述の第1発電要素110または第2発電要素120の各材料・形状・大きさのうちの一部または全部と異なってもよい。
実施の形態2においては、第3集電体230は、その表裏面に正極層と負極層とが形成されるバイポーラ集電体である。
第3封止部分330の材料としては、上述の第1封止部分310の材料として説明された材料が、用いられうる。
第3封止部分330は、第3発電要素130の周囲(例えば、四方)を封止してもよい。
第3空隙430は、少なくとも第3封止部分330と第3発電要素130とに挟まれる空隙(空間)である。
すなわち、上述の第1空隙410の場合と同様に、「第3空隙430は第3封止部分330と第3発電要素130とに挟まれる」との表現は、「第3空隙430は第3封止部分330と第3発電要素130と他の部材とに挟まれる(囲まれる)」ことも包含する。
第3空隙430は、第3発電要素130の周囲(例えば、四方)に形成されてもよい。
図10は、実施の形態2における電池2200の概略構成を示す断面図である。
実施の形態2においては、図10に示されるように、第2集電体220は、集電体221と集電体222とを含んでもよい。
集電体221と集電体222とは、一方は正極集電体であり、もう一方は負極集電体である。
例えば、第1対極層112が正極層である場合には、集電体221は正極集電体である。このとき、集電体222は、負極集電体である。
もしくは、第1対極層112が負極層である場合には、集電体221は負極集電体である。このとき、集電体222は、正極集電体である。
集電体221と集電体222との間の一部または全面には、接着剤が付与されてもよい。これにより、集電体221と集電体222とが接合されることで、第2集電体220が構成されてもよい。
集電体221と集電体222とは、図10に示されるように、それぞれ、開口部分を備える。これらの開口部分の位置が重ね合わされることにより、第2連通孔720が形成されてもよい。
また、実施の形態2においては、図10に示されるように、第3集電体230は、集電体231と集電体232とを含んでもよい。
集電体231と集電体232とは、一方は正極集電体であり、もう一方は負極集電体である。
例えば、第2対極層122が正極層である場合には、集電体231は正極集電体である。このとき、集電体232は、負極集電体である。
もしくは、第2対極層122が負極層である場合には、集電体231は負極集電体である。このとき、集電体232は、正極集電体である。
集電体231と集電体232との間の一部または全面には、接着剤が付与されてもよい。これにより、集電体231と集電体232とが接合されることで、第3集電体230が構成されてもよい。
集電体231と集電体232とは、図10に示されるように、それぞれ、開口部分を備える。これらの開口部分の位置が重ね合わされることにより、第3連通孔730が形成されてもよい。
図11は、実施の形態2における電池2300の概略構成を示す断面図である。
実施の形態2においては、図11に示されるように、第1封止部分310と第2封止部分320と第3封止部分330とは、一体構造の封止部分でもよい。例えば、第1封止部分310と第2封止部分320と第3封止部分330とは、一括して封止されることで形成される封止部分でもよい。これによれば、第1封止部分310と第2封止部分320と第3封止部分330とを個々に封止する場合と比べて、封止プロセスを容易にすることができる。
図12は、実施の形態2における電池2400の概略構成を示す断面図である。
実施の形態2においては、図12に示されるように、4つ以上の発電要素が積層されて、電池が構成されてもよい。
図12に示される電池2400においては、第4集電体240の上に、さらに4つ目以降の発電要素が積層される。4つ目以降の発電要素のそれぞれの周囲は、封止部分により封止される。これにより、4つ目以降の発電要素のそれぞれと封止部分に挟まれる4つ目以降の空隙が形成される。
また、図12に示される電池2400においては、第4集電体240には、第4連通孔740が形成される。さらに、より上段に位置する集電体のそれぞれにも、連通孔が形成される。これにより、第3空隙430と4つ目以降の空隙が連通される。
以上のように、実施の形態2における電池は、複数の発電要素(単電池)が直列に接続されたバイポーラ電池として、構成されてもよい。
その表裏面に正極層と負極層とが形成されたバイポーラ集電体を、固体電解質層を介して、繰り返し積み重ねることで、バイポーラ電池(バイポーラ全固体電池)は作製されうる。このとき、複数の発電要素が加圧圧迫されてもよい。これにより、各発電要素の直列配置と接続状態を、より安定化できる。
複数の発電要素(単電池)が直列に接続されたバイポーラ電池であれば、例えば、高電圧を得ることができる。
実施の形態2における電池における発電要素の積層数は、例えば、2〜200個であってもよい。発電要素の積層数を調整することで、電池の用途(電子機器、電気器具装置、電気車輌、定置蓄電池、など)に応じた出力の調整を実現できる。
なお、実施の形態2においては、第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、矩形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、円形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、スリット状の開口部分であってもよい。
また、実施の形態2においては、第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、1つの開口部分として、形成されてもよい。もしくは、第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、複数の開口部分として、形成されてもよい。
また、実施の形態2においては、第1連通孔710と第2連通孔720と第3連通孔730と第4連通孔740とは、それぞれ、互いに同じ形状および大きさであってもよいし、互いに異なる形状または大きさであってもよい。
なお、集電体に設けられる連通孔の大きさ(開口部分の面積)は、100μm2〜1cm2であってもよい。
もしくは、集電体に設けられる連通孔の大きさ(開口部分の面積)は、0.01mm2〜25mm2であってもよい。これにより、加工コストの増加、集電特性の劣化、耐久性の低下、など、を防止できる。
また、実施の形態2においては、第1ガス検出部510の配置・構成としては、上述の実施の形態1において図1から図7に示された配置・構成が、用いられてもよい。
また、実施の形態2においては、複数の空隙が連通されることで、ガスの検出対象となる空間が、より大きくなる。しかし、このガスの検出対象となる空間の拡大は、実用的な全固体電池においては、十分に小さい変化である。このため、第1ガス検出部510の検出感度の顕著な低下は生じない。
また、実施の形態2においては、第1ガス検出部510は、電池の下部に配置されてもよい。このとき、各空隙において発生するガスは、各集電体に設けられた連通孔により、電池の下部に配置された第1ガス検出部510に導入される。
以上の構成によれば、電池内部に外気(例えば、大気)が侵入した場合に発生するガス(例えば、大気よりも重い硫化水素ガス、など)が電池の下部に充満する場合でも、電池の下部に配置された第1ガス検出部510により、電池の下部に充満したガスを検出できる。このため、第1ガス検出部510は、各空隙におけるガスを、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3が説明される。なお、上述の実施の形態1または実施の形態2と重複する説明は、適宜、省略される。
図13は、実施の形態3における電池3000の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3における電池3000は、上述の実施の形態1における電池の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態3における電池3000は、第2発電要素120と、第3集電体230と、第2封止部分320と、第2空隙420と、第2ガス検出部520と、をさらに備える。
第2発電要素120は、第2電極層121と、第2対極層122と、を備える。
第2電極層121は、第2集電体220に接する。
第3集電体230は、第2対極層122に接する。
第2封止部分320は、第2集電体220と第3集電体230との間を封止する。
第2空隙420は、第2封止部分320と第2発電要素120とに挟まれる。
第2ガス検出部520は、第2空隙420におけるガスを検出する。
以上の構成によれば、第1ガス検出部510と第2ガス検出部520とにより、第1空隙410と第2空隙420とから発生したガスを、より精度良く、検出できる。
また、以上の構成によれば、ガス(例えば、硫化水素ガス、など)の検出感度を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第2発電要素120が存在する空間を、第2封止部分320により、より狭小な空間である第2空隙420に狭めることができる。これにより、より狭小な空間である第2空隙420を、ガスが検出される対象空間とすることができる。これにより、電池内部のより広い空間(例えば、外装体の内側の空間、など)を検出対象空間とする場合と比較して、第2発電要素120から発生するガスが、広い空間に拡散して薄まることを抑制できる。すなわち、第2発電要素120から発生するガスは、より狭小な空間である第2空隙420に留まる。このため、第2ガス検出部520は、第2空隙420におけるガスを、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
また、以上の構成によれば、電池の安全性を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110と第2発電要素120の周りを、第1封止部分310と第2封止部分320とにより、包囲する(例えば、密閉する)ことができる。例えば、電池がさらに外装体などを備える場合には、第1封止部分310と第2封止部分320とともに、多重の安全構造を構成することができる。このため、第1発電要素110と第2発電要素120とから発生するガスが、電池内部の空間(例えば、外装体の内側の空間、など)または電池外部に、直ちに拡散することを抑制できる。このため、ガスが検出された際に、密閉外装体の破損または腐食などが発生した場合であっても、電池外部への有害なガス(例えば、硫化水素ガス、など)の流出リスクを、大幅に低減させることができる。したがって、電池の安全性を、より高めることができる。
第2ガス検出部520の構成・形状・材料としては、上述の第1ガス検出部510の構成・形状・材料として示されたものが、用いられうる。
なお、第2ガス検出部520の構成・形状・材料は、上述の第1ガス検出部510の構成・形状・材料と、同じであってもよいし、異なってもよい。
なお、実施の形態3における電池3000においては、図13に示されるように、第2ガス検出部520は、第2空隙420に配置されてもよい。
以上の構成によれば、ガスの検出感度を、より高めることができる。すなわち、第2発電要素120から発生して第2空隙420に留まっているガスを、第2空隙420において、検出することができる。このため、第2ガス検出部520は、第2空隙420におけるガスを、より高濃度、かつ、より早期に、検出できる。
また、実施の形態3における電池3000は、図13に示されるように、2本の第2接続線521を、さらに備えてもよい。
第2ガス検出部520のセンシング領域(例えば、抵抗変化材料からなる部分)は、2本の第2接続線521の一端と接続されてもよい。
実施の形態3における電池3000においては、2本の第2接続線521のもう一端は、第2封止部分320を通過して、例えば、電池3000の外部に引き出される。
電池3000の外部に引き出された2本の第2接続線521は、ガスを検出するための検出装置に、接続されてもよい。当該検出装置は、上述の第1接続線511(言い換えれば、第1ガス検出部510)が接続される検出装置と同じ装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
図14は、実施の形態3における電池3100の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3における電池3100においては、第3集電体230は、第2引出部分620を備える。
第2ガス検出部520は、第2接続線521を備える。
第2接続線521は、第2引出部分620から引き出される。
以上の構成によれば、第2ガス検出部520の第2接続線521を第2封止部分320から引き出す場合(上述の電池3000)と比べて、第2接続線521の引き出し構造を設けるための加工を容易とすることができる。
第2引出部分620は、例えば、第3集電体230に形成された開口部分と、当該開口部分と第2接続線521との隙間を封止する封止部分と、を含んでもよい。このとき、当該封止部分に用いられる材料としては、上述の第1封止部分310と同じ材料が、用いられうる。
図15は、実施の形態3における電池3200の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3における電池3200においては、第3集電体230は、第3連通孔730を備える。
第3連通孔730の一方の開口は、第2空隙420に通じる。
第2ガス検出部520は、第3連通孔730のもう一方の開口を覆って、配置される。
以上の構成によれば、第2ガス検出部520を、第2空隙420の外側(例えば、第3集電体230の第2対極層122と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第3連通孔730を通じることで、第2空隙420におけるガスを、第2空隙420の外側に配置された第2ガス検出部520に導入できる。これにより、第2空隙420の内側に第2ガス検出部520を配置できない場合であっても、第2空隙420の外側に配置された第2ガス検出部520により、第2空隙420におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第2空隙420の内側に第2ガス検出部520を配置(封入)するプロセスを省略できる。また、後述される第2センサ室820のような追加構造をさらに形成するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
なお、実施の形態3における電池3200においては、図15に示されるように、第3連通孔730は、第2ガス検出部520のセンシング領域よりも、小さい開口部分であってもよい。
もしくは、第3連通孔730は、第2ガス検出部520のセンシング領域よりも、大きい開口部分であってもよい。この場合には、第2ガス検出部520のセンシング領域と第3連通孔730との隙間は、封止部材などで封止されてもよい。
なお、第3連通孔730の一方の開口を覆って第2ガス検出部520が配置される際に、第2ガス検出部520と第3集電体230との連結を補強する部材が、用いられてもよい。これにより、第2ガス検出部520が、第3集電体230から、分離する(例えば、剥がれる)ことを防止できる。
第2ガス検出部520と第3集電体230との連結を補強する部材は、例えば、接着剤であってもよい。すなわち、第2ガス検出部520と第3集電体230との接触部分に接着剤が付与されることで、第2ガス検出部520と第3集電体230とが接着されてもよい。
もしくは、第2ガス検出部520と第3集電体230との連結を補強する部材は、例えば、後述される第2センサ室820のような、構造物であってもよい。
図16は、実施の形態3における電池3300の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3における電池3300は、第2センサ室820をさらに備える。
第2ガス検出部520は、第2センサ室820に配置される。
第3集電体230は、第3連通孔730を備える。
第3連通孔730は、第2空隙420と第2センサ室820とを連通する。
以上の構成によれば、第2ガス検出部520を、第2空隙420の外側(例えば、第3集電体230の第2対極層122と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第3連通孔730を通じることで、第2空隙420におけるガスを、第2空隙420の外側に配置された第2ガス検出部520に導入できる。これにより、第2空隙420の内側に第2ガス検出部520を配置できない場合であっても、第2空隙420の外側に配置された第2ガス検出部520により、第2空隙420におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第2空隙420の内側に第2ガス検出部520を配置(封入)するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
また、以上の構成によれば、第3連通孔730の開口の大きさを、第2センサ室820にガスを導入できる程度の大きさに小型化できる。すなわち、第2ガス検出部520が第3連通孔730の開口を覆って配置される場合(上述の電池3200)と比較して、第3連通孔730の開口を小さくできる。例えば、第2ガス検出部520の検出領域の大きさよりも、第3連通孔730の開口の大きさを、小さくできる。これにより、第3集電体230において、第3連通孔730を設けるためのスペースを小さくできる。したがって、電池を、より小型化できる。
なお、実施の形態3における電池3300においては、図16に示されるように、第2センサ室820は、第2センサ室壁821により囲まれて形成される空間であってもよい。
第2センサ室壁821の材料としては、例えば、一般に公知の電池の外装体の材料が、用いられうる。
また、実施の形態3における電池3300においては、図16に示されるように、第2センサ室820は、第3集電体230に接して(さらに、平行して)、設けられてもよい。このとき、第2センサ室820の主面の大きさは、第3集電体230の主面の大きさよりも、小さくてもよい。これにより、ガス検出の対象空間(すなわち、第2センサ室820)を、より狭小な空間とすることができる。
また、実施の形態3における電池3300においては、図16に示されるように、第2センサ室820の大きさは、第2ガス検出部520のセンシング領域よりも、大きくてもよい。すなわち、第2ガス検出部520のセンシング領域は、第2センサ室壁821により、内包(例えば、密閉)されてもよい。このとき、第2ガス検出部520に接続される第2接続線521は、第2センサ室壁821を通過して、電池外部へ引き出されてもよい。
また、実施の形態3における電池3300を内包する外装体が設けられる場合には、第2センサ室820は、当該外装体の内側に配置されてもよい。もしくは、第2センサ室820は、当該外装体の外側に配置されてもよい。
なお、実施の形態3においては、第3連通孔730は、矩形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第3連通孔730は、円形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第3連通孔730は、スリット状の開口部分であってもよい。
また、実施の形態3においては、第3連通孔730は、1つの開口部分として、形成されてもよい。もしくは、第3連通孔730は、複数の開口部分として、形成されてもよい。
また、実施の形態3においては、第2発電要素120は、第2固体電解質層123を備えてもよい。
第2固体電解質層123は、第2電極層121と第2対極層122との間に設けられてもよい。
第2電極層121と第2対極層122と第2固体電解質層123のうちの少なくとも1つは、第2硫黄系材料を含んでもよい。
ガスは、第2硫黄系材料に起因して発生する硫化水素ガスを含んでもよい。
第2ガス検出部520は、第2空隙420における硫化水素ガスを検出してもよい。
以上の構成によれば、固体電解質を用いた積層型の電池(バイポーラ全固体電池)を実現しながら、硫化水素ガスの検出感度を、より高めることができる。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4が説明される。なお、上述の実施の形態1から3のいずれかと重複する説明は、適宜、省略される。
図17は、実施の形態4における電池4000の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4における電池4000は、上述の実施の形態3における電池の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態4における電池4000は、第3発電要素130と、第4集電体240と、第3封止部分330と、第3空隙430と、第3ガス検出部530と、をさらに備える。
第3発電要素130は、第3電極層131と、第3対極層132と、を備える。
第3電極層131は、第3集電体230に接する。
第3集電体230は、第2集電体220と電気的に接続される。第3集電体230は、例えば、図17に示されるように、第2発電要素120を介して、第2集電体220と電気的に接続されてもよい。
第4集電体240は、第3対極層132に接する。
第3封止部分330は、第3集電体230と第4集電体240との間を封止する。
第3空隙430は、第3封止部分330と第3発電要素130とに挟まれる。
第3ガス検出部530は、第3空隙430におけるガスを検出する。
以上の構成によれば、第1ガス検出部510と第3ガス検出部530とにより、第1空隙410と第3空隙430とから発生したガスを、より精度良く、検出できる。
また、以上の構成によれば、ガス(例えば、硫化水素ガス、など)の検出感度を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第3発電要素130が存在する空間を、第3封止部分330により、より狭小な空間である第3空隙430に狭めることができる。これにより、より狭小な空間である第3空隙430を、ガスが検出される対象空間とすることができる。これにより、電池内部のより広い空間(例えば、外装体の内側の空間、など)を検出対象空間とする場合と比較して、第3発電要素130から発生するガスが、広い空間に拡散して薄まることを抑制できる。すなわち、第3発電要素130から発生するガスは、より狭小な空間である第3空隙430に留まる。このため、第3ガス検出部530は、第3空隙430におけるガスを、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
また、以上の構成によれば、電池の安全性を、より高めることができる。具体的には、ガスが発生しうる第1発電要素110と第3発電要素130の周りを、第1封止部分310と第3封止部分330とにより、包囲する(例えば、密閉する)ことができる。例えば、電池がさらに外装体などを備える場合には、第1封止部分310と第3封止部分330とともに、多重の安全構造を構成することができる。このため、第1発電要素110と第3発電要素130とから発生するガスが、電池内部の空間(例えば、外装体の内側の空間、など)または電池外部に、直ちに拡散することを抑制できる。このため、ガスが検出された際に、密閉外装体の破損または腐食などが発生した場合であっても、電池外部への有害なガス(例えば、硫化水素ガス、など)の流出リスクを、大幅に低減させることができる。したがって、電池の安全性を、より高めることができる。
第3ガス検出部530の構成・形状・材料としては、上述の第1ガス検出部510の構成・形状・材料として示されたものが、用いられうる。
なお、第3ガス検出部530の構成・形状・材料は、上述の第1ガス検出部510または第2ガス検出部520の構成・形状・材料と、同じであってもよいし、異なってもよい。
なお、実施の形態4における電池4000においては、図17に示されるように、第3ガス検出部530は、第3空隙430に配置されてもよい。
以上の構成によれば、ガスの検出感度を、より高めることができる。すなわち、第3発電要素130から発生して第3空隙430に留まっているガスを、第3空隙430において、検出することができる。このため、第3ガス検出部530は、第3空隙430におけるガスを、より高濃度、かつ、より早期に、検出できる。
また、実施の形態4における電池4000は、図17に示されるように、2本の第3接続線531を、さらに備えてもよい。
第3ガス検出部530のセンシング領域(例えば、抵抗変化材料からなる部分)は、2本の第3接続線531の一端と接続されてもよい。
実施の形態4における電池4000においては、2本の第3接続線531のもう一端は、第3封止部分330を通過して、例えば、電池4000の外部に引き出される。
電池4000の外部に引き出された2本の第3接続線531は、ガスを検出するための検出装置に、接続されてもよい。当該検出装置は、上述の第1接続線511(言い換えれば、第1ガス検出部510)が接続される検出装置と同じ装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
図18は、実施の形態4における電池4100の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4における電池4100においては、第4集電体240は、第3引出部分630を備える。
第3ガス検出部530は、第3接続線531を備える。
第3接続線531は、第3引出部分630から引き出される。
以上の構成によれば、第3ガス検出部530の第3接続線531を第3封止部分330から引き出す場合(上述の電池4000)と比べて、第3接続線531の引き出し構造を設けるための加工を容易とすることができる。
第3引出部分630は、例えば、第4集電体240に形成された開口部分と、当該開口部分と第3接続線531との隙間を封止する封止部分と、を含んでもよい。このとき、当該封止部分に用いられる材料としては、上述の第1封止部分310と同じ材料が、用いられうる。
図19は、実施の形態4における電池4200の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4における電池4200においては、第4集電体240は、第4連通孔740を備える。
第4連通孔740の一方の開口は、第3空隙430に通じる。
第3ガス検出部530は、第4連通孔740のもう一方の開口を覆って、配置される。
以上の構成によれば、第3ガス検出部530を、第3空隙430の外側(例えば、第4集電体240の第3対極層132と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第4連通孔740を通じることで、第3空隙430におけるガスを、第3空隙430の外側に配置された第3ガス検出部530に導入できる。これにより、第3空隙430の内側に第3ガス検出部530を配置できない場合であっても、第3空隙430の外側に配置された第3ガス検出部530により、第3空隙430におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第3空隙430の内側に第3ガス検出部530を配置(封入)するプロセスを省略できる。また、後述される第3センサ室830のような追加構造をさらに形成するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
なお、実施の形態4における電池4200においては、図19に示されるように、第4連通孔740は、第3ガス検出部530のセンシング領域よりも、小さい開口部分であってもよい。
もしくは、第4連通孔740は、第3ガス検出部530のセンシング領域よりも、大きい開口部分であってもよい。この場合には、第3ガス検出部530のセンシング領域と第4連通孔740との隙間は、封止部材などで封止されてもよい。
なお、第4連通孔740の一方の開口を覆って第3ガス検出部530が配置される際に、第3ガス検出部530と第4集電体240との連結を補強する部材が、用いられてもよい。これにより、第3ガス検出部530が、第4集電体240から、分離する(例えば、剥がれる)ことを防止できる。
第3ガス検出部530と第4集電体240との連結を補強する部材は、例えば、接着剤であってもよい。すなわち、第3ガス検出部530と第4集電体240との接触部分に接着剤が付与されることで、第3ガス検出部530と第4集電体240とが接着されてもよい。
もしくは、第3ガス検出部530と第4集電体240との連結を補強する部材は、例えば、後述される第3センサ室830のような、構造物であってもよい。
図20は、実施の形態4における電池4300の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4における電池4300は、第3センサ室830をさらに備える。
第3ガス検出部530は、第3センサ室830に配置される。
第4集電体240は、第4連通孔740を備える。
第4連通孔740は、第3空隙430と第3センサ室830とを連通する。
以上の構成によれば、第3ガス検出部530を、第3空隙430の外側(例えば、第4集電体240の第3対極層132と接している側とは逆側)に、配置することができる。このとき、第4連通孔740を通じることで、第3空隙430におけるガスを、第3空隙430の外側に配置された第3ガス検出部530に導入できる。これにより、第3空隙430の内側に第3ガス検出部530を配置できない場合であっても、第3空隙430の外側に配置された第3ガス検出部530により、第3空隙430におけるガスを検出できる。
また、以上の構成によれば、第3空隙430の内側に第3ガス検出部530を配置(封入)するプロセスを省略できる。このため、電池の製造工程を、より簡略化・単純化できる。
また、以上の構成によれば、第4連通孔740の開口の大きさを、第3センサ室830にガスを導入できる程度の大きさに小型化できる。すなわち、第3ガス検出部530が第4連通孔740の開口を覆って配置される場合と比較して、第4連通孔740の開口を小さくできる。例えば、第3ガス検出部530の検出領域の大きさよりも、第4連通孔740の開口の大きさを、小さくできる。これにより、第4集電体240において、第4連通孔740を設けるためのスペースを小さくできる。したがって、電池を、より小型化できる。
なお、実施の形態4における電池4300においては、図20に示されるように、第3センサ室830は、第3センサ室壁831により囲まれて形成される空間であってもよい。
第3センサ室壁831の材料としては、例えば、一般に公知の電池の外装体の材料が、用いられうる。
また、実施の形態4における電池4300においては、図20に示されるように、第3センサ室830は、第4集電体240に接して(さらに、平行して)、設けられてもよい。このとき、第3センサ室830の主面の大きさは、第4集電体240の主面の大きさよりも、小さくてもよい。これにより、ガス検出の対象空間(すなわち、第3センサ室830)を、より狭小な空間とすることができる。
また、実施の形態4における電池4300においては、図20に示されるように、第3センサ室830の大きさは、第3ガス検出部530のセンシング領域よりも、大きくてもよい。すなわち、第3ガス検出部530のセンシング領域は、第3センサ室壁831により、内包(例えば、密閉)されてもよい。このとき、第3ガス検出部530に接続される第3接続線531は、第3センサ室壁831を通過して、電池外部へ引き出されてもよい。
また、実施の形態4における電池4300を内包する外装体が設けられる場合には、第3センサ室830は、当該外装体の内側に配置されてもよい。もしくは、第3センサ室830は、当該外装体の外側に配置されてもよい。
なお、実施の形態4においては、第4連通孔740は、矩形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第4連通孔740は、円形形状の開口部分であってもよい。もしくは、第4連通孔740は、スリット状の開口部分であってもよい。
また、実施の形態4においては、第4連通孔740は、1つの開口部分として、形成されてもよい。もしくは、第4連通孔740は、複数の開口部分として、形成されてもよい。
なお、実施の形態4における電池4300においては、図20に示されるように、第2空隙420において発生するガスは、第2集電体220に設けられた第2連通孔720により、電池4300の下部に配置された第1ガス検出部510に導入される。
以上の構成によれば、電池4300内部に外気(例えば、大気)が侵入した場合に発生するガス(例えば、大気よりも重い硫化水素ガス、など)が電池4300の下部に充満する場合でも、電池4300の下部に配置された第1ガス検出部510により、電池4300の下部に充満したガスを検出できる。このため、第1ガス検出部510は、第2空隙420におけるガスを、早期に高濃度のまま検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
図21は、実施の形態4における電池4400の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4における電池4400においては、第1空隙410と第3空隙430とは、互いに、連通している。
以上の構成によれば、第1空隙410と第2空隙420と第3空隙430とにおいて発生したガスを、第1ガス検出部510と第3ガス検出部530との両方において、検出することができる。例えば、電池4400内部に外気(例えば、大気)が侵入した場合に発生するガス(例えば、大気よりも重い硫化水素ガス、など)が電池4400の下部に充満する場合でも、電池4400の下部に配置された第1ガス検出部510により、電池4400の下部に充満したガスを検出できる。また、例えば、電池4400内部に外気(例えば、大気)が侵入した場合に発生するガス(例えば、大気よりも軽いガス、など)が電池4400の上部に充満する場合でも、電池4400の上部に配置された第3ガス検出部530により、電池4400の上部に充満したガスを検出できる。したがって、ガスの検出感度を、より高めることができる。
なお、図21に示されるように、第1空隙410と第3空隙430とは、例えば、第2連通孔720と第2空隙420と第3連通孔730とを介して、連通してもよい。
図22は、実施の形態4における電池4500の概略構成を示す断面図である。
実施の形態4においては、図22に示されるように、4つ以上の発電要素が積層されて、電池が構成されてもよい。
図22に示される電池4500においては、第2発電要素120と第3集電体230との間に、複数の発電要素と集電体とが積層される。
図22に示される電池4500においては、第3集電体230は、第2発電要素120と第3集電体230との間に設けられる発電要素と集電体および第2発電要素120を介して、第2集電体220と電気的に接続される。
また、図22に示される電池4500においては、複数の発電要素のそれぞれの周囲は、封止部分により封止される。これにより、複数の発電要素のそれぞれと封止部分に挟まれる空隙が形成される。
また、図22に示される電池4500においては、各空隙のそれぞれに対応する、複数の検出用センサが設けられる。
なお、第2発電要素120と第3集電体230との間に設けられる集電体のそれぞれは、連通孔を備えてもよい。これにより、複数の発電要素のそれぞれと封止部分に挟まれる空隙が、互いに、連通してもよい。
また、実施の形態4においては、第3発電要素130は、第3固体電解質層133を備えてもよい。
第3固体電解質層133は、第3電極層131と第3対極層132との間に設けられてもよい。
第3電極層131と第3対極層132と第3固体電解質層133のうちの少なくとも1つは、第3硫黄系材料を含んでもよい。
ガスは、第3硫黄系材料に起因して発生する硫化水素ガスを含んでもよい。
第3ガス検出部530は、第3空隙430における硫化水素ガスを検出してもよい。
以上の構成によれば、固体電解質を用いた積層型の電池(バイポーラ全固体電池)を実現しながら、硫化水素ガスの検出感度を、より高めることができる。
(実施の形態5)
以下、実施の形態5が説明される。なお、上述の実施の形態1から4のいずれかと重複する説明は、適宜、省略される。
図23は、実施の形態5における電池5000の概略構成を示す断面図である。
実施の形態5における電池5000は、上述の実施の形態1から4における電池の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態5における電池5000は、外装体900と、外側ガス検出部590と、をさらに備える。
外装体900は、第1発電要素110を内包(例えば、密閉)する。
外側ガス検出部590は、ガスを検出する。
外側ガス検出部590は、第1封止部分310と第1集電体210と第2集電体220とで囲まれる空間の外側であり、かつ、外装体900の内側である位置に、配置される。
以上の構成によれば、外装体900が破損した場合などにおいて、外装体900の外部から流入するガスの成分を、外側ガス検出部590により、検出することができる。また、外側ガス検出部590により、発電要素から発生するガスを、検出することができる。
なお、実施の形態5においては、図23に示されるように、外装体900は、第1発電要素110と第2発電要素120と第3発電要素130とを内包(例えば、密閉)してもよい。すなわち、外装体900は、上述の実施の形態1から4における電池を内包(例えば、密閉)してもよい。
また、実施の形態5においては、図23に示されるように、外側ガス検出部590は、第1集電体210と第4集電体240と各封止部分とに囲まれる空間の外側であり、かつ、外装体900の内側である位置に、配置されてもよい。すなわち、外側ガス検出部590は、上述の実施の形態1から4における電池の外側であり、かつ、外装体900の内側である位置に、配置されてもよい。
外装体900としては、一般に公知の外装材料(アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、樹脂フィルム、アルミニウムと樹脂との複合フィルム、など)が用いられうる。外装体900の材料としては、水分および封入ガスおよび発電要素から発生しうるガスなどに対して、高い浸透防止能力を有する材料であってもよい。外装体900により水分の浸入を防止することで、集電体の腐食劣化、および、固体電解質の変質、および、有毒ガスの発生、など、を防止できる。
外側ガス検出部590の構成・形状・材料としては、上述の第1ガス検出部510の構成・形状・材料として示されたものが、用いられうる。
なお、外側ガス検出部590の構成・形状・材料は、上述の第1ガス検出部510の構成・形状・材料と、同じであってもよいし、異なってもよい。
また、実施の形態5における電池5000は、接続線591を、さらに備えてもよい。
外側ガス検出部590のセンシング領域(例えば、抵抗変化材料からなる部分)は、接続線591の一端と接続されてもよい。
実施の形態5における電池5000においては、接続線591のもう一端は、外装体900を通過して、例えば、電池5000の外部に引き出される。このとき、接続線591と外装体900との隙間は、例えば、封止部分941により、封止されてもよい。
電池5000の外部に引き出された接続線591は、ガスを検出するための検出装置に、接続されてもよい。当該検出装置は、上述の第1接続線511(言い換えれば、第1ガス検出部510)が接続される検出装置と同じ装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
なお、上述の実施の形態1から4における電池は、実施の形態5と同様に、外装体900を備えてもよい。
このとき、実施の形態1から5における電池は、第1リード線910と、第2リード線920と、をさらに備えてもよい。
第1リード線910の一端は、第1集電体210に接続される。また、第1リード線910のもう一端は、外装体900の外側に引き出される。このとき、第1リード線910と外装体900との隙間は、例えば、封止部分911により、封止されてもよい。
第2リード線920の一端は、第1集電体210と対極となる集電体(例えば、図23であれば、第4集電体240)に接続される。また、第2リード線920のもう一端は、外装体900の外側に引き出される。このとき、第2リード線920と外装体900との隙間は、例えば、封止部分921により、封止されてもよい。
第1リード線910と第2リード線920とは、実施の形態1から5における電池から電力を供給される負荷、または、実施の形態1から5における電池を充電する充電装置、など、に接続されうる。
また、実施の形態1から5における電池においては、第1ガス検出部510のセンシング領域に接続される第1接続線511は、外装体900の外側に引き出されてもよい。このとき、第1接続線511と外装体900との隙間は、例えば、封止部分931により、封止されてもよい。また、複数のガス検出部を備える場合には、複数のガス検出部に接続される接続線は、同様に、外装体900の外側に引き出されてもよい。
なお、上述の実施の形態1から5のそれぞれに記載の構成は、適宜、互いに、組み合わされてもよい。