JP6951465B2 - 3価クロムメッキ液およびこれを用いたクロムメッキ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3価クロムメッキ液およびこれを用いたクロムメッキ方法に関するものである。
クロムメッキは、銀白色の外観を有するため装飾用のコーティング膜として用いられている。このクロムメッキには6価のクロムが用いられていたが、近年ではこの6価のクロムが環境に影響を及ぼすため、その使用が制限されてきていて、3価のクロムを用いる技術へシフトしてきている。
このような3価のクロムを用いる技術としては、多数報告されていて、例えば、水溶性3価クロム塩、リンゴ酸等の3価クロムイオン用錯化剤、pH緩衝化合物、チオ尿素等の硫黄含有有機化合物およびサッカリン等の水溶性化合物を含有し、pHが2.8〜4.2のクロム電解メッキ溶液が知られている(特許文献1)。
しかしながら、この3価のクロムメッキ液は、メッキの析出速度が遅く、実用的なものではなかった。
特許第5696134号
本発明の課題は、3価のクロムメッキ液であって、メッキの析出速度が速く、実用的なものを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、3価クロムイオン用錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩を用い、これに加えて硫黄含有有機化合物としてサッカリンまたはその塩とアリル基を有する化合物を組み合わせて用いることにより、3価のクロムメッキ液は、メッキの析出速度が速く、実用的なものとなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、3価クロム化合物、錯化剤、伝導性塩として硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウム、pH緩衝剤、硫黄含有有機化合物を含有する3価クロムメッキ液であって、
錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩を用い、
硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物を組み合わせて用いる、
ことを特徴とする3価クロムメッキ液である。
また、本発明は、被メッキ物を、上記3価クロムメッキ液で電気メッキすることを特徴とする被メッキ物へのクロムメッキ方法である。
更に、本発明は、被メッキ物を、上記3価クロムメッキ液で電気メッキして得られるクロムメッキ製品である。
本発明の3価クロムメッキ液は、3価のクロムを用いたメッキであるものの6価のクロムを用いたメッキと同程度の外観が得られ、しかも、メッキの析出速度が速く、実用的なものである。
実施例1のハルセル試験において付きまわりの距離を測定した位置を示す図である。 実施例1のハルセル試験において、3価クロムメッキ液中に含まれる硫酸カリウムと硫酸アンモニウムの比と、付きまわりの関係を示す図である。 耐食性試験(CASS試験)を行った結果を示す図である。
本発明の3価クロムメッキ液(以下、「本発明メッキ液」という)は、3価クロム化合物、錯化剤、伝導性塩として硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウム、pH緩衝剤、硫黄含有有機化合物を含有する3価クロムメッキ液であって、
錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩を用い、
硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物を組み合わせて用いるものである。
本発明メッキ液に用いられる3価クロム化合物は、特に限定されないが、例えば、塩基性硫酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム、スルファミン酸クロム、酢酸クロムであり、好ましくは塩基性硫酸クロム、硫酸クロムである。これら3価クロム化合物は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明メッキ液における3価クロム化合物の含有量は特に限定されないが、例えば金属クロムとして1〜25g/Lであり、好ましくは5〜15g/Lである。
本発明メッキ液に用いられる錯化剤は、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩である。この錯化剤としては、例えば、酒石酸等のカルボン酸、酒石酸ジアンモニウム、ロッシェル塩、酒石酸ナトリウム等の前記カルボン酸の塩である。これら錯化剤は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明メッキ液におけるカルボン酸またはその塩の含有量は特に限定されないが、例えば、5〜90g/Lであり、好ましくは10〜60g/Lである。なお、本発明においては、カルボキシ基中のヒドロキシ基は、ヒドロキシ基として数えない。
本発明メッキ液に用いられる伝導性塩は、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムである。本発明メッキ液における硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムの含有量は特に限定されないが、例えば、総量で100〜300g/Lであり、好ましくは120〜240g/Lである。また、硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムの質量比(硫酸カリウム/硫酸アンモニウム)は0.5〜60であり、好ましくは1.0〜30である。硫酸カリウム/硫酸アンモニウムの質量比が上記範囲内であると良好な被覆力を示し、複雑な形状の被メッキ物に対しても低電流密度部までクロムメッキ皮膜を形成可能となる。
本発明メッキ液に用いられるpH緩衝剤は、特に限定されないが、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、リン酸、リン酸水素2カリウム等であり、好ましくはホウ酸、ホウ酸ナトリウムである。これらpH緩衝剤は1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明メッキ液におけるpH緩衝剤の含有量は特に限定されないが、例えば、30〜150g/Lであり、好ましくは50〜110g/Lである。
本発明メッキ液に用いられる硫黄含有有機化合物は、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物を組み合わせて用いるものである。サッカリンまたはその塩としては、例えば、サッカリン、サッカリン酸ナトリウム等が挙げられる。また、アリル基を有する硫黄含有有機化合物としては、例えば、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルチオ尿素、2−メチルアリルスルホン酸アンモニウム、アリルイソチアシアネート等が挙げられる。これらアリル基を有する硫黄含有有機化合物は1種または2種以上を組み合わせてもよく、アリルスルホン酸ナトリウムおよび/またはアリルチオ尿素が好ましい。これら硫黄含有有機化合物の好ましい組み合わせはサッカリン酸ナトリウムとアリルスルホン酸ナトリウムである。本発明メッキ液における硫黄含有有機化合物の含有量は特に限定されないが、例えば、0.5〜10g/Lであり、好ましくは2〜8g/Lである。
本発明メッキ液には、更に、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、過酸化水素、ポリエチレングリコール等を含有させてもよい。
本発明メッキ液のpHは酸性であれば特に限定されず、例えば、2〜4.5が好ましく、2.5〜4.0がより好ましい。
本発明メッキ液の調製法は特に限定されず、例えば、40〜50℃の水に3価クロム化合物、錯化剤、伝導性塩、pH緩衝剤を添加、混合し、溶解した後に硫黄含有有機化合物を添加、混合し、最後に硫酸、アンモニア水等でpHを調整することにより、調製することができる。
本発明メッキ液は、従来のクロムメッキ液と同様に、被メッキ物を本発明メッキ液で電気メッキすることにより被メッキ物へクロムメッキをすることができる。
電気メッキの条件は特に限定されないが、例えば、浴温が30〜60℃、アノードがカーボンあるいは酸化イリジウム、陰極電流密度が2〜20A/dm、で1〜15分間電気メッキを行えばよい。
電気メッキすることのできる被メッキ物としては、例えば、鉄、ステンレス、真鍮等の金属、ABS、PC/ABS等の樹脂が挙げられる。なお、この被メッキ部材は本発明のメッキ液で処理する前に予め銅メッキ、ニッケルメッキ等の処理をしておいてもよい。
斯くして得られるクロムメッキ製品は、6価のクロムを用いたのと同程度の外観、つきまわり性、析出速度を有するクロムメッキ製品となる。
次に、本発明メッキ液の別の形態として、メッキの析出速度が速く、色調と耐食性が良く、実用的なものとなる3価クロムメッキ液を説明する。
上記した本発明メッキ液の錯化剤として、上記したものに加えて、更に、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩を組み合わせて用いる。カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、ピメリン酸、セバシン酸等のカルボン酸、前記カルボン酸の塩等が挙げられる。錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩と、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩とを組み合わせて用いる場合には、これら2種類の錯化剤はそれぞれの1種または2種以上を組み合わせてもよい。また、錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩と、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩とを組み合わせて用いる場合には、本発明メッキ液における錯化剤の含有量の合計は特に限定されないが、例えば、全ての錯化剤の合計で5〜90g/Lであり、好ましくは10〜60g/Lである。
また、上記した本発明メッキ液の硫黄含有有機化合物として、上記したものに加えて、更に、ビニル基を有するスルホン酸またはその塩を組み合わせて用いる。ビニル基を有するスルホン酸またはその塩としては、例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム、メチルビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等が挙げられる。硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物と、ビニル基を有するスルホン酸またはその塩とを組み合わせて用いる場合には、これら3種の硫黄含有有機化合物はそれぞれの1種または2種以上を組み合わせてもよい。本発明メッキ液における硫黄含有有機化合物の含有量は特に限定されないが、例えば、全ての硫黄含有有機化合物の合計で0.5〜10g/Lであり、好ましくは2〜8g/Lである。
上記のような錯化剤と硫黄含有有機化合物を用いた本発明メッキ液は、上記した調製法で調製することができる。また、上記した方法で被メッキ物へクロムメッキをすることができる。
斯くして得られるクロムメッキ製品は、6価のクロムを用いたのと同程度の色調が得られ、しかも、耐食性も高く、実用性の高いクロムメッキとなる。そのため、このクロムめっき製品は耐食性が必要とされる、車、オートバイ、水栓金具などの部品にするのに好適である。
なお、通常の3価クロムメッキ液には、低電流密度へのつきまわりを向上させるために、鉄やコバルトを含有させるが、上記した本発明メッキ液は、鉄および/またはコバルトを含有させなくてもつきまわりが向上する。また、鉄やコバルトを含有するメッキ液の場合、メッキ皮膜中に鉄やコバルトの共析により耐食性が低下するといった傾向がある。そのため、本発明メッキ液には鉄および/またはコバルトを実質的に含有させないことが好ましい。本発明メッキ液が鉄および/またはコバルトを実質的に含有しないとは、鉄および/またはコバルトが2ppm以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0.5ppm以下であることを言う。この鉄および/またはコバルトの量はICP−MS法や原子吸光度法等で分析することができる。
また、本発明メッキ液が鉄および/またはコバルトを実質的に含有しない場合には、得られるクロムメッキ製品も鉄および/またはコバルトを実質的に含有しない。本発明のクロムメッキ製品が鉄および/またはコバルトを実質的に含有しないとは、クロムメッキ中に鉄および/またはコバルトが0.5at%未満、好ましくは0.4at%以下であることを言う。この鉄および/またはコバルトの量はEDSやXPS等で分析することができる。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
クロムメッキ:
表1に記載の成分を水に溶解して、3価クロムメッキ液を調製した。この3価クロムメッキ液について、ニッケルメッキを施した真鍮板を用いてハルセル試験を行った。ハルセル試験の条件は電流4A、メッキ時間3分である。メッキ後、真鍮板の左端からメッキ被膜が析出している距離を図1のように測定し、これをつきまわりとした。また、真鍮板の電流密度8ASDに該当する箇所の膜厚を蛍光X線で測定した。更に、メッキ後の外観は色彩色差計(コニカミノルタ社製)を用いてL値、a値、b値により評価した。それらの結果も表1に示した。
Figure 0006951465
この結果から、3価クロムメッキ液において、錯化剤として、酒石酸ジアンモニウム(ヒドロキシ基を2つ、カルボキシ基を2つ)を用い、硫黄含有有機化合物として、サッカリン酸ナトリウムと、アリルスルホン酸ナトリウムやアリルチオ尿素(アリル基を有する硫黄含有有機化合物)を組み合わせて用いることにより(組成1、4、5)、外観は6価クロムメッキと同程度で、膜厚(析出速度)はそれを用いない場合と比較して2倍程度となることがわかった。
なお、上記した3価クロムメッキ液中の鉄およびコバルトをICP−MS法で測定した結果、それぞれ0.5ppm未満であった。また、得られたクロムメッキ中の鉄およびコバルトをEDSによる元素分析で測定した結果、それぞれ0.4at%未満であった。
実 施 例 2
クロムメッキ:
表2に記載の成分を水に溶解して、3価クロムメッキ液を調製した。この3価クロムメッキ液について、ニッケルメッキを施した真鍮板を用いてハルセル試験を行った。ハルセル試験の条件は電流4A、メッキ時間3分である。メッキ後、真鍮板の左端からメッキ被膜が析出している距離を測定した。その結果も表2に示した。また、つきまわりと硫酸カリウム/硫酸アンモニウムの関係を図2に示した。
Figure 0006951465
上記3価クロムメッキ液でメッキをした場合、外観や膜厚は全ての組成でほぼ同じであったが、付きまわりについては硫酸カリウム/硫酸アンモニウムが大きくなるほどつきまわりが良好になり、1.0〜30では付きまわりが特に良好であることがわかった。
なお、上記した3価クロムメッキ液中の鉄およびコバルトをICP−MS法で測定した結果、それぞれ0.5ppm未満であった。また、得られたクロムメッキ中の鉄およびコバルトをEDSによる元素分析で測定した結果、それぞれ0.4at%未満であった。
実 施 例 3
クロムメッキ:
表3に記載の成分を水に溶解して、3価クロムメッキ液を調製した。この3価クロムメッキ液について、ニッケルメッキを施した真鍮板を用いてハルセル試験を行った。ハルセル試験の条件は電流4A、メッキ時間3分である。メッキ後、真鍮板の左端からメッキ被膜が析出している距離を図1のように測定し、これをつきまわりとした。また、真鍮板の電流密度8ASDに該当する箇所の膜厚を蛍光X線で測定した。更に、メッキ後の外観は色彩色差計(コニカミノルタ社製)を用いてL値、a値、b値により評価した。それらの結果も表3に示した。
Figure 0006951465
この結果から、3価クロムメッキ液において、錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩と、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩とを組み合わせて用い、硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物と、ビニル基を有するスルホン酸またはその塩とを組み合わせて用いることにより、外観は6価クロムメッキと同程度となることがわかった。
なお、上記した3価クロムメッキ液中の鉄およびコバルトをICP−MS法で測定した結果、それぞれ0.5ppm未満であった。また、得られたクロムメッキ中の鉄およびコバルトをEDSによる元素分析で測定した結果、それぞれ0.4at%未満であった。
実 施 例 4
CASS試験:
表3に記載の組成16、18、20、21の組成の3価クロムメッキ液を調製した。この3価クロムメッキ液で、ニッケルメッキ(2μm)を施した銅板に、浴温45℃、電流密度8A/dm、3分という条件でクロムめっきを行い、試験片を得た。この試験片についてCASS試験(JIS H 8502)を行った。CASS試験24時間後の試験片の顕微鏡写真を図3に示した。
CASS試験の結果、3価クロムメッキ液において、錯化剤として、ヒドロキシ基を2つ以上、カルボキシ基を2つ以上有するカルボン酸またはその塩と、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩とを組み合わせて用い、硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物と、ビニル基を有するスルホン酸またはその塩とを組み合わせて用いることにより腐食孔が小さく分散することで耐食性が向上するとわかった。
本発明の3価クロムメッキ液は、6価のクロムを用いたメッキと同様に各種用途に用いることができる。
以 上

Claims (8)

  1. 3価クロム化合物、錯化剤、伝導性塩として硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウム、pH緩衝剤、硫黄含有有機化合物を含有する3価クロムメッキ液であって、
    錯化剤として、酒石酸ジアンモニウムを用い、
    硫黄含有有機化合物として、サッカリンまたはその塩と、アリル基を有する硫黄含有有機化合物を組み合わせて用いる、
    ことを特徴とする3価クロムメッキ液。
  2. 硫酸カリウムおよび硫酸アンモニウムの質量比(硫酸カリウム/硫酸アンモニウム)が1.0〜30である請求項記載の3価クロムメッキ液。
  3. アリル基を有する硫黄含有有機化合物がアリルスルホン酸ナトリウムおよび/またはアリルチオ尿素である請求項1または2記載の3価クロムメッキ液。
  4. 錯化剤として、更に、カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩を用い、硫黄含有有機化合物として、更に、ビニル基を有するスルホン酸またはその塩を用いるものである請求項1〜のいずれかに記載の3価クロムメッキ液。
  5. カルボキシ基を2つ以上有し、炭素数が4以上であるカルボン酸またはその塩が、フタル酸またはアジピン酸である請求項記載の3価クロムメッキ液。
  6. ビニル基を有するスルホン酸またはその塩がビニルスルホン酸ナトリウムである請求項記載の3価クロムメッキ液。
  7. 鉄および/またはコバルトが2ppm以下である請求項1〜に記載の3価クロムメッキ液。
  8. 被メッキ物を、請求項1〜の何れかに記載の3価クロムメッキ液で電気メッキすることを特徴とする被メッキ物へのクロムメッキ方法。
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