JP2016060918A - 装飾用3価クロムめっき液およびこれを利用した装飾クロムめっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3価クロムを用いる装飾クロムめっきで、これまで用いられていた6価クロムめっき液と同等の性能を誇るものを提供する。【解決手段】3価クロム化合物、伝導性塩、pH緩衝剤および錯化剤を含有する3価クロムめっき液であって、伝導性塩としてスルファミン酸塩を2種以上組み合わせて使用することを特徴とする装飾用3価クロムめっき液およびこれを利用した装飾クロムめっき方法。【選択図】なし
Description
本発明は、装飾用に用いられる3価クロムめっき液およびこれを利用した装飾クロムめっき方法に関する。
クロムめっきは各種の分野で広く利用され、硬さが要求される硬質クロムめっきと、外観の美しさが要求される装飾クロムめっきに分けられる。
これまでクロムめっきのクロム源としては、6価のクロムが用いられていたが、6価クロムは人体に影響があるとされ、その使用が大きく制限されている。そのため、近年では6価のクロムに代えて人体に安全な3価のクロムを用いる技術が多数報告されている。
例えば、硬質クロムめっきであれば、例えば、3価クロム化合物、pH緩衝剤、アミノカルボン酸化合物、スルファミン酸塩化合物およびアミノカルボニル化合物を含有する水溶液からなる3価クロムめっき液やそれを利用したクロムめっき方法等の技術が報告されている(特許文献1)。
また、装飾クロムめっきについても、3価クロムを用いるものは報告されているが、6価クロムを用いる装飾クロムめっきと同等の性能を誇るようなものはあまり報告されておらず、さらなる改良が要求されている。
本発明が解決しようとする課題は、3価クロムを用いる装飾クロムめっきで、これまで用いられていた6価クロムめっき液と同等の性能を誇るものを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、3価クロムめっき液に用いられる伝導性塩としてスルファミン酸塩を2種以上組み合わせて使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は3価クロム化合物、伝導性塩、pH緩衝剤および錯化剤を含有する3価クロムめっき液であって、伝導性塩としてスルファミン酸塩を2種以上組み合わせて使用することを特徴とする装飾用3価クロムめっき液である。
また、本発明は被めっき部材を、上記装飾用3価クロムめっき液で処理することを特徴とする装飾クロムめっき方法である。
本発明の装飾用3価クロムめっき液でめっきを行うと、外観に優れ、付きまわりが良いため、これまで用いられていた6価クロムめっき液と同様に装飾クロムめっきを行うことができる。
また、本発明の装飾用3価クロムめっき液は、ハロゲンフリーとすることもできるので、めっき中にハロゲンガスを発生させないこともできる。更に、めっき液中のクロム濃度や錯化剤濃度を低くすることもできるので、コストも減少させることができる。
従って、本発明の装飾用3価クロムめっき液は、主に自動車外装部品の装飾めっきをするのに適している。
本発明の装飾用3価クロムめっき液は、3価クロム化合物、伝導性塩、pH緩衝剤および錯化剤を含有する3価クロムめっき液の伝導性塩としてスルファミン酸塩を2種以上組み合わせて使用するものである。
本発明の装飾用3価クロムめっき液に使用されるスルファミン酸塩は、特に限定されないが、例えば、スルファミン酸アンモニウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸ナトリウム等、スルファミン酸のアンモニウム塩やアルカリ金属塩等が挙げられる。これらのスルファミン酸塩は2種以上、好ましくはスルファミン酸アンモニウムおよびスルファミン酸カリウムを組み合わせて使用することが好ましい。本発明の装飾用3価クロムめっき液におけるスルファミン酸塩の含有量は、特に限定されないが、例えば、1種が30〜300g/L、好ましくは80〜250g/Lであり、総量で150〜450g/L、好ましくは200〜400g/Lである。
本発明の装飾用3価クロムめっき液に使用される3価クロム化合物は、特に限定されないが、例えば、塩基性硫酸クロム、硫酸クロム、スルファミン酸クロム、酢酸クロム、塩化クロム等が挙げられる。これらの3価クロム化合物の中でも塩基性硫酸クロム、硫酸クロム、スルファミン酸クロムが好ましく、塩基性硫酸クロムがより好ましい。これら3価クロム化合物は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の装飾用3価クロムめっき液における3価クロム化合物の含有量は特に限定されないが、例えば、金属クロムとして1〜15g/L、好ましくは2〜10g/Lである。
本発明の装飾用3価クロムめっき液に使用されるpH緩衝剤は、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、リン酸、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム等のホウ酸、リン酸またはそのアルカリ金属塩等が挙げられる。これらpH緩衝剤の中でもホウ酸が好ましい。本発明の装飾用3価クロムめっき液におけるpH緩衝剤の含有量は特に限定されず、10〜150g/L、好ましくは50〜100g/Lである。
本発明の装飾用3価クロムめっき液に使用される錯化剤は、特に限定されないが、例えば、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸カリウム、クエン酸、クエン酸三アンモニウム等の脂肪族カルボン酸またはそのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等が挙げられる。これら錯化剤の中でもギ酸、ギ酸アンモニウムが好ましく、ギ酸アンモニウムがより好ましい。本発明の装飾用3価クロムめっき液における錯化剤の含有量は特に限定されないが、めっき液中の金属クロム濃度に対して、0.3〜2倍モル濃度、好ましくは0.8〜1.5倍モル濃度である。
更に、本発明の装飾用3価クロムめっき液には、本発明の効果を損なわない範囲で、鉄、コバルト等の金属、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、炭化チタン、炭化タングステン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等の微粒子、サッカリン酸ナトリウム、メチオニン、システィン、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿素等のイオウ化合物等のその他の成分を含有させてもよい。
また更に、本発明の装飾用3価クロムめっき液のpHは特に限定されないが、例えば、1〜5、好ましくは2〜4である。
なお、本発明の装飾用3価クロムめっき液は、何れの成分もハロゲンを含まないもので構成することができる。このような装飾用3価クロムめっき液としては、例えば以下の組成のもの等が挙げられる。
・(塩基性)硫酸クロム(クロムとして) 1〜15g/L
・スルファミン酸アンモニウム 50〜200g/L
・スルファミン酸カリウム 50〜200g/L
・ホウ酸 30〜100g/L
・ギ酸アンモニウム 1.25〜22g/L
※ギ酸アンモニウム/クロム比 0.8〜1.6
(モル濃度比)
・pH 2〜4
・(塩基性)硫酸クロム(クロムとして) 1〜15g/L
・スルファミン酸アンモニウム 50〜200g/L
・スルファミン酸カリウム 50〜200g/L
・ホウ酸 30〜100g/L
・ギ酸アンモニウム 1.25〜22g/L
※ギ酸アンモニウム/クロム比 0.8〜1.6
(モル濃度比)
・pH 2〜4
本発明の装飾用3価クロムめっき液の調製法は特に限定されず、例えば、40〜50℃の水に3価クロム化合物、スルファミン酸塩、pH緩衝剤、錯化剤を添加、混合したり、必要によりその他の成分を添加、混合したり、pHを調整することにより調製することができる。
斯くして得られる本発明の装飾用3価クロムめっき液で、従来の装飾用クロムめっきと同様に、被めっき部材を処理することにより、被めっき部材へ装飾クロムめっきをすることができる。
本発明の装飾用3価クロムめっき液の被めっき部材は、特に限定されず、例えば、鉄鋼、ステンレス、銅、真鍮等の金属、ABS、PC/ABS等のプラスチックが挙げられる。なお、この被めっき部材は本発明の装飾用3価クロムめっき液で処理する前に、予め銅めっき、ニッケルめっき、銅−スズ合金めっき等の処理をしておいてもよい。
本発明の装飾用3価クロムめっき液で、被めっき部材を処理する方法は特に限定されず、例えば、被めっき部材を本発明の装飾用3価クロムめっき液に浸漬して電気めっきする方法等が挙げられる。また、電気めっきの際には適宜撹拌を行ってもよい。
被めっき部材を本発明の装飾用3価クロムめっき液に浸漬して電気めっきする場合の条件は特に限定されず、例えば、浴温が30〜50℃、アノードが酸化イリジウム、陰極電流密度が4〜20A/dm2、で2〜30分間電気めっきを行えば、生成する皮膜の厚さは概ね0.05〜2.0μmとなる。
なお、被めっき部材を本発明の装飾用3価クロムめっき液で処理した後は、更にクロメート等の処理をしてもよい。
斯くして装飾めっきされた被めっき部材は従来の6価クロムめっきを施した装飾品と同様な外観となる。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
装飾用3価クロムめっき液の調製:
以下の表1に記載の各成分を水に添加、混合することにより装飾用3価クロムめっき液を調製した。また、対照として、スルファミン酸塩を1種、あるいは硬質クロムめっき液で用いられる錯化剤を用いた3価クロムめっき液も同様に調製した。
装飾用3価クロムめっき液の調製:
以下の表1に記載の各成分を水に添加、混合することにより装飾用3価クロムめっき液を調製した。また、対照として、スルファミン酸塩を1種、あるいは硬質クロムめっき液で用いられる錯化剤を用いた3価クロムめっき液も同様に調製した。
試 験 例 1
ハルセル試験:
実施例1で調製した装飾用3価クロムめっき液を用いてハルセル試験を以下の条件で行った。その結果について、自由評価したものを表2に示した。
ハルセル試験:
実施例1で調製した装飾用3価クロムめっき液を用いてハルセル試験を以下の条件で行った。その結果について、自由評価したものを表2に示した。
<ハルセル試験条件>
装置:加温型267mlのハルセル容器
試料:光沢ニッケルめっきを2μm施した真鍮板
アノード:酸化イリジウム
全電流:5A
浴温:35℃
攪拌:空気攪拌
めっき時間:9分
装置:加温型267mlのハルセル容器
試料:光沢ニッケルめっきを2μm施した真鍮板
アノード:酸化イリジウム
全電流:5A
浴温:35℃
攪拌:空気攪拌
めっき時間:9分
以上の結果から、2種のスルファミン酸塩を用いた実施例1および2はハルセル試験において、スルファミン酸塩を1種のみ用いた場合に確認された焦げや電流効率の低下、付きまわりを改善し、良好な外観を示した。
本発明の装飾用3価クロムめっき液は、これまで用いられていた装飾用の6価クロムめっき液と同様に、被めっき部材の外観を向上させるのに利用することができる。
以 上
以 上
Claims (6)
- 3価クロム化合物、伝導性塩、pH緩衝剤および錯化剤を含有する3価クロムめっき液であって、伝導性塩としてスルファミン酸塩を2種以上組み合わせて使用することを特徴とする装飾用3価クロムめっき液。
- スルファミン酸塩が、スルファミン酸アンモニウムおよびスルファミン酸カリウムである請求項1記載の装飾用3価クロムめっき液。
- 3価クロム化合物が、塩基性硫酸クロム、硫酸クロムおよびスルファミン酸クロムからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の装飾用3価クロムめっき液。
- 3価クロム化合物を、金属クロムとして1〜15g/Lで含有するものである請求項1記載の装飾用3価クロムめっき液。
- pHが2〜4である請求項1〜4の何れかに記載の装飾用3価クロムめっき液。
- 被めっき部材を、請求項1〜5の何れかに記載の装飾用3価クロムめっき液で処理することを特徴とする装飾クロムめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014187236A JP2016060918A (ja) | 2014-09-16 | 2014-09-16 | 装飾用3価クロムめっき液およびこれを利用した装飾クロムめっき方法 |
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JP (1) | JP2016060918A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3378973A1 (en) * | 2017-03-21 | 2018-09-26 | Tata Steel IJmuiden B.V. | Method for manufacturing chromium-chromium oxide coated blackplate |
WO2020079977A1 (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 株式会社Adeka | 表面処理液及びニッケル含有材料の表面処理方法 |
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2014
- 2014-09-16 JP JP2014187236A patent/JP2016060918A/ja active Pending
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