JP6950659B2 - 電子部品モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、一般に電子部品モジュールに関し、より詳細には、弾性波装置と、この弾性波装置が実装される実装基板とを有する電子部品モジュールに関する。
従来、弾性波装置として、支持基板上に、圧電薄膜を含む積層膜が積層されている弾性波装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された弾性波装置は、支持基板と、圧電薄膜等の圧電膜と、IDT電極と、絶縁層と、配線電極と、支持層等のスペーサ層と、カバー部材と、アンダーバンプメタル層等の貫通電極と、金属バンプ等の外部接続電極と、を備える。
そして、特許文献1には、外部接続電極を形成する工程において圧電膜の割れや欠けが生じ難い旨が記載されている。
特開2017−011681号公報
特許文献1に記載された弾性波装置では、外部接続電極を形成する工程において圧電膜の割れや欠けが生じ難いというメリットがある。しかしながら、実装基板に上記弾性波装置を実装した電子部品モジュールでは、支持基板の線膨張係数と実装基板の線膨張係数とが異なることが多いので、支持基板にクラックが発生する場合がある、という問題があった。
本発明の目的は、圧電膜の割れや欠けを抑制し、かつ、支持基板のクラックの発生を抑制することが可能な電子部品モジュールを提供することにある。
本発明の一態様に係る電子部品モジュールは、弾性波装置と、実装基板と、を有する。前記実装基板には、前記弾性波装置が実装されている。前記弾性波装置は、支持基板と、圧電膜と、IDT電極と、絶縁層と、配線電極と、外部接続電極と、を備える。前記支持基板は、結晶基板からなる。前記圧電膜は、前記支持基板上に直接又は間接的に形成されている。前記IDT電極は、前記圧電膜上に形成されている。前記絶縁層は、前記支持基板上に形成されている。前記配線電極は、少なくとも一部が前記絶縁層上に形成されている。前記配線電極は、前記IDT電極と電気的に接続されている。前記外部接続電極は、前記配線電極と電気的に接続されている。前記外部接続電極と前記圧電膜は、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に、重なっていない。前記弾性波装置は、前記外部接続電極を介して前記実装基板に実装されている。前記実装基板は、前記支持基板の線膨張係数と異なる線膨張係数を有している。前記絶縁層の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差は、前記圧電膜の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差よりも大きい。前記支持基板における前記圧電膜側の面が{100}面である。
本発明の一態様に係る電子部品モジュールは、弾性波装置と、実装基板と、を有する。前記実装基板には、前記弾性波装置が実装されている。前記実装基板は、プリント配線基板又はLTCC基板からなる。前記弾性波装置は、支持基板と、圧電膜と、IDT電極、絶縁層と、配線電極と、外部接続電極と、を備える。前記圧電膜は、前記支持基板上に直接又は間接的に形成されている。前記IDT電極は、前記圧電膜上に形成されている。前記絶縁層は、前記支持基板上に形成されている。前記配線電極は、少なくとも一部が前記絶縁層上に形成されている。前記配線電極は、前記IDT電極と電気的に接続されている。前記外部接続電極は、前記配線電極と電気的に接続されている。前記外部接続電極と前記圧電膜は、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に、重なっていない。前記弾性波装置は、前記外部接続電極を介して前記実装基板に実装されている。前記絶縁層の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差は、前記圧電膜の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差よりも大きい。前記支持基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板又はダイヤモンド基板である。前記支持基板における前記圧電膜側の面が、{100}面である。
本発明の一態様に係る電子部品モジュールは、圧電膜の割れや欠けを抑制し、かつ、支持基板のクラックの発生を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態1に係る電子部品モジュールの断面図である。 図2は、同上の電子部品モジュールにおける弾性波装置に関し、カバー部材を省略した平面図である。 図3は、シリコンの結晶面を説明するための模式図である。 図4は、本発明の実施形態2に係る電子部品モジュールの断面図である。 図5は、本発明の実施形態3に係る電子部品モジュールの断面図である。 図6は、本発明の実施形態4に係る電子部品モジュールの断面図である。 図7は、本発明の実施形態5に係る電子部品モジュールの断面図である。
以下、実施形態1〜5に係る電子部品モジュールについて、図面を参照して説明する。
以下の実施形態1〜5等において参照する図1〜7は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
(1.1)電子部品モジュールの全体構成
以下、実施形態1に係る電子部品モジュール100について、図面を参照して説明する。
実施形態1に係る電子部品モジュール100は、図1及び2に示すように、弾性波装置1と、実装基板2と、を有する。実装基板2には、弾性波装置1が実装されている。図1における弾性波装置1は、図2のX−X線断面に対応する断面図である。図2では、後述のカバー部材18(図1参照)の図示を省略してある。
弾性波装置1は、支持基板11と、圧電膜122と、IDT(Interdigital Transducer)電極13と、絶縁層16と、配線電極15と、複数(2つ)の外部接続電極142と、を備える。圧電膜122は、支持基板11上に形成されている。ここにおいて、弾性波装置1では、圧電膜122は、支持基板11上に間接的に形成されている。IDT電極13は、圧電膜122上に形成されている。ここにおいて、「圧電膜122上に形成されている」とは、圧電膜122上に直接的に形成されている場合と、圧電膜122上に間接的に形成されている場合と、を含む。絶縁層16は、支持基板11上に形成されている。ここにおいて、「支持基板11上に形成されている」とは、支持基板11上に直接的に形成されている場合と、支持基板11上に間接的に形成されている場合と、を含む。配線電極15は、少なくとも一部が絶縁層16上に形成されており、IDT電極13と電気的に接続されている。ここにおいて、「絶縁層16上に形成されている」とは、絶縁層16上に直接的に形成されている場合と、絶縁層16上に間接的に形成されている場合と、を含む。外部接続電極142は、配線電極15と電気的に接続されている。外部接続電極142と圧電膜122は、支持基板11の厚さ方向から平面視した場合に、重なっていない。外部接続電極142は、配線電極15と電気的に接続されている。弾性波装置1は、外部接続電極142を介して実装基板2に実装されている。弾性波装置1は、支持基板11とIDT電極13との間において支持基板11上に形成され少なくとも圧電膜122を含む機能膜12を備えている。
また、弾性波装置1は、スペーサ層17と、カバー部材18と、を更に備える。スペーサ層17は、少なくとも一部が絶縁層16上に形成されている。ここにおいて、「絶縁層16上に形成されている」とは、絶縁層16上に直接的に形成されている場合と、絶縁層16上に間接的に形成されている場合と、を含む。スペーサ層17は、支持基板11の厚さ方向から平面視した場合にIDT電極13の外側に形成されている。スペーサ層17は、貫通孔173を有する。カバー部材18は、スペーサ層17上に形成されている。ここにおいて、「スペーサ層17上に形成されている」とは、スペーサ層17上に直接的に形成されている場合と、スペーサ層17上に間接的に形成されている場合と、を含む。カバー部材18は、スペーサ層17の貫通孔173を塞ぐようにスペーサ層17上に形成されている。
電子部品モジュール100では、弾性波装置1は、実装基板2と電気的かつ機械的に接続されている。電子部品モジュール100では、支持基板11と実装基板2とで線膨張係数が異なる。つまり、実装基板2は、支持基板11の線膨張係数と異なる線膨張係数を有している。
また、実施形態1に係る電子部品モジュール100は、弾性波装置1を保護する保護層3を更に備える。
(1.2)弾性波装置の各構成要素
次に、弾性波装置1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
(1.2.1)支持基板
支持基板11は、図1に示すように、圧電膜122とIDT電極13とを含む積層体を支持している。支持基板11は、その厚さ方向D1において互いに反対側にある第1主面111及び第2主面112を有する。第1主面111及び第2主面112は、互いに背向する。支持基板11の平面視形状(支持基板11を厚さ方向D1から見たときの外周形状)は、長方形状であるが、長方形状に限らず、例えば正方形状であってもよい。支持基板11は、結晶基板である。具体的には、支持基板11は、立方晶系の結晶構造を有する結晶基板である。一例として、支持基板11は、シリコン基板である。支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が(100)面である。(100)面は、図3に示すようなダイヤモンド構造を有するシリコンの結晶構造において、〔100〕の結晶軸に直交する。図3において18個の球体は、シリコン原子である。「支持基板11の第1主面111が(100)面である」とは、支持基板11の第1主面111が(100)面のみに限らず、(100)面からのオフ角が0度よりも大きく5度以下の結晶面を含むことを意味する。シリコン基板では、(100)面と(001)面と(010)面とが互いに等価な結晶面なので、「支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が(100)面である」とは、支持基板11における圧電膜122側の第1主面111が{100}面であることを意味する。支持基板11は、圧電膜122を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板を構成している。支持基板11は、結晶構造を有する結晶基板としては、シリコン基板以外に、例えば、ゲルマニウム基板、ダイヤモンド基板等であってもよい。したがって、支持基板11の材料は、シリコンに限らず、例えば、ゲルマニウム、ダイヤモンド等であってもよい。
(1.2.2)IDT電極
IDT電極13は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金などの適宜の金属材料により形成することができる。また、IDT電極13は、これらの金属又は合金からなる複数の金属膜を積層した構造を有していてもよい。
IDT電極13は、図2に示すように、一対のバスバー131、132(以下、第1バスバー131及び第2バスバー132ともいう)と、複数の電極指133(以下、第1電極指133ともいう)と、複数の電極指134(以下、第2電極指134ともいう)と、を含む。
第1バスバー131及び第2バスバー132は、支持基板11の厚さ方向D1(第1方向)に直交する一方向(第2方向)を長手方向とする長尺状である。IDT電極13では、第1バスバー131と第2バスバー132とは、支持基板11の厚さ方向D1(第1方向)と第2方向との両方に直交する第3方向において対向し合っている。
複数の第1電極指133は、第1バスバー131に接続され第2バスバー132に向かって延びている。ここにおいて、複数の第1電極指133は、第1バスバー131から第1バスバー131の長手方向(第2方向)に直交する方向(第3方向)に沿って延びている。複数の第1電極指133の先端と第2バスバー132とは離れている。例えば、複数の第1電極指133は、互いの長さ及び幅が同じである。
複数の第2電極指134は、第2バスバー132に接続され第1バスバー131に向かって延びている。ここにおいて、複数の第2電極指134は、第2バスバー132から第2バスバー132の長手方向に直交する方向に沿って延びている。複数の第2電極指134のそれぞれの先端は、第1バスバー131とは離れている。例えば、複数の第2電極指134は、互いの長さ及び幅が同じである。図2の例では、複数の第2電極指134の長さ及び幅は、複数の第1電極指133の長さ及び幅それぞれと同じである。
IDT電極13では、複数の第1電極指133と複数の第2電極指134とが、第1バスバー131と第2バスバー132との対向方向に直交する方向において、1本ずつ交互に互いに離隔して並んでいる。したがって、第1バスバー131の長手方向において隣り合う第1電極指133と第2電極指134とは離れている。IDT電極13の電極指周期は、隣り合う第1電極指133と第2電極指134との互いに対応する辺間の距離の2倍の値である。複数の第1電極指133と複数の第2電極指134とを含む一群の電極指は、複数の第1電極指133と複数の第2電極指134とが、第2方向において、離隔して並んでいる構成であればよく、複数の第1電極指133と複数の第2電極指134とが交互に互いに離隔して並んでいない構成であってもよい。例えば、第1電極指133と第2電極指134とが1本ずつ離隔して並んでいる領域と、第1電極指133又は第2電極指134が第2方向において2つ並んでいる領域と、とが混在してもよい。
(1.2.3)機能膜
機能膜12は、圧電膜122を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である低音速膜121と、低音速膜121上に直接または間接的に積層された圧電膜122と、を含む。圧電膜122は、高音速支持基板を構成する支持基板11上に間接的に積層されている。この場合、低音速膜121が、高音速支持基板である支持基板11と圧電膜122との間に形成されていることにより、弾性波の音速が低下する。弾性波は本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中する。したがって、弾性波装置1は、圧電膜122内及び弾性波が励振されているIDT電極13内への弾性波エネルギーの閉じ込め効果を高めることができる。そのため、弾性波装置1は、低音速膜121が設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。機能膜12は、低音速膜121及び圧電膜122以外の他の膜として、例えば低音速膜121と圧電膜122との間に介在する密着層を含んでいてもよい。これにより、低音速膜121と圧電膜122との密着性を向上させることができる。密着層は、例えば、樹脂(エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等)、金属等からなる。また、機能膜12は、密着層に限らず、誘電体膜を、低音速膜121と圧電膜122との間、圧電膜122上、又は低音速膜121下のいずれかに備えていてもよい。
圧電膜122は、例えば、リチウムタンタレート(LiTaO3)、リチウムニオベイト(LiNbO3)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、又は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のいずれかからなる。
低音速膜121は、酸化ケイ素、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素にフッ素又は炭素又はホウ素を加えた化合物、又は、上記各材料を主成分とする材料のいずれかからなる。
低音速膜が酸化ケイ素の場合、温度特性を改善することができる。リチウムタンタレートの弾性定数は負の温度特性を有し、酸化ケイ素は正の温度特性を有する。したがって、弾性波装置1では、周波数温度特性(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)の絶対値を小さくすることができる。加えて、酸化ケイ素の固有音響インピーダンスはリチウムタンタレートの固有音響インピーダンスより小さい。したがって、弾性波装置1では、電気機械結合係数の増大すなわち比帯域の拡大と、周波数温度特性の改善との双方を図ることができる。
圧電膜122の膜厚は、IDT電極13の電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたときに、3.5λ以下であることが望ましい。なぜならば、Q値が高くなるためである。また、圧電膜122の膜厚を2.5λ以下とすることで、周波数温度特性が良くなる。さらに、圧電膜122の膜厚を1.5λ以下とすることで、音速の調整が容易になる。
低音速膜121の膜厚は、IDT電極13の電極指周期で定まる弾性波の波長をλとすると、2.0λ以下であることが望ましい。低音速膜121の膜厚を2.0λ以下とすることにより、膜応力を低減することができ、その結果、製造時に支持基板11の元になるシリコンウェハを含むウェハの反りを低減することが可能となり、良品率の向上及び特性の安定化が可能となる。
(1.2.4)配線電極
配線電極15は、外部接続電極142とIDT電極13とを電気的に接続している。配線電極15は、アルミニウム、銅、白金、金、銀、チタン、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金などの適宜の金属材料により形成することができる。また、配線電極15は、これらの金属又は合金からなる複数の金属膜を積層した構造を有していてもよい。
配線電極15は、支持基板11の厚さ方向において、IDT電極13の一部と圧電膜122の一部と絶縁層16の一部とに重なっている。配線電極15は、絶縁層16上に形成されている部分151上に外部接続電極142が形成されている。配線電極15は、平面視において、絶縁層16の外周よりも内側に位置している。
(1.2.5)絶縁層
絶縁層16は、電気絶縁性を有する。図1及び2に示すように、絶縁層16は、支持基板11の第1主面111上において支持基板11の外周に沿って形成されている。絶縁層16は、圧電膜122の側面を囲んでいる。ここにおいて、弾性波装置1では、絶縁層16は、機能膜12の側面を囲んでいる。絶縁層16の平面視形状は、枠形状(例えば、矩形枠状)である。絶縁層16の一部は、支持基板11の厚さ方向D1において圧電膜122の外周部に重なっている。ここにおいて、弾性波装置1では、絶縁層16の上記一部は、支持基板11の厚さ方向D1において機能膜12の外周部に重なっている。圧電膜122の側面は、絶縁層16により覆われている。ここにおいて、機能膜12の側面は、絶縁層16により覆われている。
絶縁層16の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド等の合成樹脂である。絶縁層16の線膨張係数と支持基板11の線膨張係数との差は、圧電膜122の線膨張係数と支持基板11の線膨張係数との差よりも大きい。
(1.2.6)スペーサ層
スペーサ層17は、貫通孔173を有する。スペーサ層17は、支持基板11の厚さ方向からの平面視において、IDT電極13の外側に形成され、IDT電極13を囲んでいる。スペーサ層17は、支持基板11の厚さ方向からの平面視において、支持基板11の外周に沿って形成されている。スペーサ層17の平面視形状は、枠形状である。スペーサ層17の外周形状及び内周形状は、例えば、長方形状である。スペーサ層17は、支持基板11の厚さ方向D1において絶縁層16に重なっている。スペーサ層17の外周形は、絶縁層16の外周形よりも小さい。スペーサ層17の内周形は、絶縁層16の内周形よりも大きい。スペーサ層17の一部は、絶縁層16の表面上の配線電極15も覆っている。スペーサ層17は、絶縁層16の表面上に直接形成されている第1部分と、絶縁層16の表面上に配線電極15を介して間接的に形成されている第2部分と、を含む。ここにおいて、第1部分は、絶縁層16の表面の全周に亘って形成されている。
スペーサ層17は、電気絶縁性を有する。スペーサ層17の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド等の合成樹脂である。スペーサ層17の材料は、絶縁層16の材料と主成分が同じであるのが好ましく、同じ材料であるのがより好ましい。
スペーサ層17の厚さと絶縁層16の厚さとの合計厚さは、機能膜12の厚さとIDT電極13の厚さとの合計厚さよりも大きい。
(1.2.7)カバー部材
カバー部材18は、平板状である。カバー部材18の平面視形状(支持基板11の厚さ方向D1から見たときの外周形状)は、長方形状であるが、長方形状に限らず、例えば正方形状であってもよい。カバー部材18の外周形は、支持基板11の外周形と略同じ大きさである。カバー部材18は、スペーサ層17の貫通孔173を塞ぐようにスペーサ層17上に配置されている。カバー部材18は、厚さ方向D1においてIDT電極13から離れている。弾性波装置1では、カバー部材18は、電気絶縁性を有する。カバー部材18の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド等の合成樹脂である。カバー部材18の材料は、スペーサ層17の材料と主成分が同じであるのが好ましく、同じ材料であるのがより好ましい。
弾性波装置1では、カバー部材18と、スペーサ層17と、絶縁層16と、支持基板11上の積層体(圧電膜122とIDT電極13とを含む積層体)と、で囲まれた空間S1を有する。弾性波装置1では、空間S1に気体が入っている。気体は、例えば、空気、不活性ガス(例えば、窒素ガス)等である。
(1.2.8)外部接続電極
弾性波装置1は、外部接続電極142を複数(2つ以上)備える。外部接続電極142は、弾性波装置1において実装基板2と電気的に接続するための電極である。また、弾性波装置1は、IDT電極13には電気的に接続されていない複数(2つ)の実装用電極19を有している場合がある。実装用電極19は、実装基板2に対する弾性波装置1の平行度を高めるための電極であり、電気的接続を目的とした電極とは異なる。つまり、実装用電極19は、弾性波装置1が実装基板2に対して傾いて実装されるのを抑制するための電極であり、外部接続電極142の数及び配置、弾性波装置1の外周形状等によっては必ずしも設ける必要はない。
弾性波装置1では、支持基板11の厚さ方向D1からの平面視において、カバー部材18の4つの角部のうち互いに対向する2つの角部に2つの外部接続電極142が1つずつ配置され、残りの2つの角部に2つの実装用電極19が1つずつ配置されている。弾性波装置1では、支持基板11の厚さ方向D1からの平面視において、2つの外部接続電極142及び2つの実装用電極19のそれぞれが、圧電膜122に重なっていない。
弾性波装置1は、支持基板11の厚さ方向D1においてスペーサ層17とカバー部材18とを貫通している、貫通電極141を含む。貫通電極141は、配線電極15上に形成されており、配線電極15と電気的に接続されている。貫通電極141は、アンダーバンプメタル層を構成する。また、外部接続電極142は、貫通電極141上に形成されている。外部接続電極142は、例えば、バンプである。外部接続電極142は、導電性を有する。外部接続電極142は、貫通電極141と接合されており、貫通電極141と電気的に接続されている。また、弾性波装置1は、実装用電極19の直下において、支持基板11の厚さ方向D1においてスペーサ層17とカバー部材18とを貫通している、貫通電極を含む。また、実装用電極19は、貫通電極上に形成されているバンプである。
貫通電極141は、例えば、銅、ニッケル又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金などの適宜の金属材料により形成することができる。外部接続電極142は、例えば、はんだ、金、銅等により形成することができる。実装用電極19直下の貫通電極は、外部接続電極142直下の貫通電極141と同じ材料により形成されている。また、実装用電極19は、外部接続電極142と同じ材料により形成されている。
(1.3)実装基板
実装基板2は、外部接続電極142を介して、弾性波装置1が実装される基板である。電子部品モジュール100では、実装基板2に1つの弾性波装置1が実装されている。実装基板2は、支持基板11の厚さ方向D1からの平面視において弾性波装置1よりも大きい。
実装基板2は、支持体21と、支持体21に支持された複数(2つ)の第1導体部23と、支持体21に支持された複数(2つ)の第2導体部25と、を有する。また、実装基板2は、複数(2つ)の第1導体部23と複数(2つ)の第2導体部25とを一対一で電気的に接続している複数(2つ)の貫通電極24と、を更に有する。第2導体部25は、電子部品モジュール100を回路基板等と電気的に接続するために利用される。
支持体21は、電気絶縁性を有する。支持体21は、平板状であり、厚さ方向において互いに反対側にある第1主面211及び第2主面212を有する。第1主面211及び第2主面212は、互いに背向する。支持体21の外周形状は、例えば、長方形状である。
第1導体部23は、支持体21の第1主面211上に形成されている。第1導体部23は、弾性波装置1の外部接続電極142が電気的に接続される導電層である。第1導体部23の材料は、例えば、銅等である。第1導体部23は、弾性波装置1の支持基板11の厚さ方向D1において外部接続電極142と重なるように配置されている。外部接続電極142は、貫通電極141と第1導体部23との間に介在している。支持体21の第1主面211上には、弾性波装置1の実装用電極19が接続される導電層も形成されている。この導電層は、弾性波装置1の支持基板11の厚さ方向D1において実装用電極19と重なるように配置されている。この導電層の厚さは、第1導体部23の厚さと同じである。また、この導電層の材料は、第1導体部23の材料と同じである。
第2導体部25は、支持体21の第2主面212上に形成されている。第2導体部25は、第1導体部23が貫通電極24を介して電気的に接続される導電層である。第2導体部25の材料は、例えば、銅等である。
実装基板2は、一例として、プリント配線基板により構成されている。プリント配線基板の線膨張係数は、例えば、15ppm/℃程度である。プリント配線基板は、ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている。
支持体21は、プリント配線基板における絶縁基板により構成されている。絶縁基板は、電気絶縁性を有する。
第1導体部23及び第2導体部25は、プリント配線基板における銅はくを含む。
(1.4)保護層
電子部品モジュール100では、実装基板2に実装された弾性波装置1は、保護層3により覆われている。電子部品モジュール100では、弾性波装置1の支持基板11の第2主面112及び各側面113が保護層3により覆われている。保護層3の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド等の合成樹脂である。保護層3は、実装基板2上の弾性波装置1を封止する封止層としての機能を有する。保護層3は、略直方体状である。保護層3の一部は、弾性波装置1のカバー部材18と実装基板2との間において外部接続電極142の周囲にも形成されている。つまり、保護層3の一部は、アンダーフィル部を構成している。電子部品モジュール100は、実装基板2とは別のマザー基板等に表面実装することができる。電子部品モジュール100では、実装基板2と保護層3とで、弾性波装置1を保護しかつ外部の電気回路等の接続を可能とするパッケージを構成している。電子部品モジュール100におけるパッケージは、表面実装型パッケージである。
支持基板11の厚さ方向D1からの平面視において、保護層3の外周形は、実装基板2の外周形と略同じ大きさである。
(1.5)弾性波装置の製造方法
以下では、弾性波装置1の製造方法の一例について簡単に説明する。
弾性波装置1の製造方法では、まず、複数の弾性波装置1それぞれの支持基板11の元になるシリコンウェハを準備する。
弾性波装置1の製造方法では、シリコンウェハの一の主面上に圧電膜122を含む機能膜12を形成してから、IDT電極13、絶縁層16、配線電極15、スペーサ層17を順次形成し、その後、スペーサ層17の貫通孔173を塞ぐようにカバー部材18をスペーサ層17に接合し、続いて、カバー部材18及びスペーサ層17における貫通電極141の形成予定部位に貫通孔を形成し、この貫通孔を埋めるように貫通電極141を形成し、貫通電極141上に外部接続電極142を形成する。これにより、弾性波装置1の製造方法では、シリコンウェハに複数の弾性波装置1が形成されたウェハを得ることができる。シリコンウェハの一の主面は、シリコン基板からなる支持基板11の第1主面111に対応する。
弾性波装置1の製造方法では、ウェハをダイシングするダイシング工程を行うことにより、1枚のウェハから複数の弾性波装置1を得ることができる。ダイシング工程では、例えば、ダイシングソー(Dicing Saw)等を用いる。
(1.6)電子部品モジュールの製造方法
電子部品モジュール100の製造方法では、弾性波装置1を実装基板2に実装し、実装基板2上の弾性波装置1を覆うように保護層3を形成する。これにより、電子部品モジュール100が形成される。
(1.7)実施例に係る電子部品モジュールと比較例に係る電子部品モジュールとの比較
実施形態1の実施例1に係る電子部品モジュール100では、支持基板11がシリコン基板であり、支持基板11の第1主面111が(100)面である。支持基板11の線膨張係数は、4ppm/℃程度である。
比較例に係る電子部品モジュールは、実施例1に係る電子部品モジュール100と基本構成が同じであって、実施例1に係る電子部品モジュール100の支持基板11の代わりに、第1主面が(111)面のシリコン基板からなる支持基板を用いている点が相違する。
以下、実施例1に係る電子部品モジュール100及び比較例に係る電子部品モジュールの両方の試料について熱衝撃試験を行った結果について説明する。ここにおいて、熱衝撃試験は、JIS C 60068−2−14及びIEC 60068−2−14に準拠した二液槽温度急変試験である。
実施例1に係る電子部品モジュール100では、低音速膜121の材料を酸化ケイ素、圧電膜122の材料をリチウムタンタレート(LiTaO3)とし、IDT電極13の材料をアルミニウム(Al)、絶縁層16の材料をエポキシ樹脂、スペーサ層17の材料をエポキシ樹脂、カバー部材18の材料をエポキシ樹脂、貫通電極141の材料を銅(Cu)、外部接続電極142をバンプとし、バンプの材料をはんだとした。また、実施例1に係る電子部品モジュール100では、シリコン基板の厚さを125μm、低音速膜121の厚さを600nm、圧電膜122の厚さを600nm、IDT電極13の厚さを150nmとした。実施例1に係る電子部品モジュール100では、支持基板11の線膨張係数が4ppm/℃程度、実装基板2の線膨張係数が15ppm/℃程度である。ここでいう実装基板2の線膨張係数は、実装基板2を構成するプリント配線基板における絶縁基板(実装基板2における支持体21)の線膨張係数である。
比較例に係る電子部品モジュールでは支持基板の第1主面付近において、支持基板の側面から支持基板の第1主面に沿ったクラックが発生したのに対し、実施例1に係る電子部品モジュール100では支持基板11にクラックは発生しなかった。
また、実施例2に係る電子部品モジュール100では、実装基板2としてプリント配線基板に変えてLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板を用いた。この場合の実装基板2の線膨張係数は、10ppm/℃程度である。
実施例2に係る電子部品モジュール100の試料について信頼性評価の1つとして熱衝撃試験を行った場合、実施例2に係る電子部品モジュール100の支持基板11にはクラックは発生しなかった。
(1.8)効果
実施形態1に係る電子部品モジュール100は、弾性波装置1と、実装基板2と、を有する。実装基板2には、弾性波装置1が実装されている。弾性波装置1は、支持基板11と、圧電膜122と、IDT電極13と、絶縁層16と、配線電極15と、外部接続電極142と、を備える。支持基板11は、結晶基板からなる。圧電膜122は、支持基板11上に間接的に形成されている。IDT電極13は、圧電膜122上に形成されている。絶縁層16は、支持基板11上に形成されている。配線電極15は、少なくとも一部が絶縁層16上に形成されている。配線電極15は、IDT電極13と電気的に接続されている。外部接続電極142と圧電膜122は、支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に、重なっていない。弾性波装置1は、外部接続電極142を介して実装基板2に実装されている。実装基板2は、支持基板11の線膨張係数と異なる線膨張係数を有している。支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面である。
実施形態1に係る電子部品モジュール100では、外部接続電極142と圧電膜122は支持基板11の厚さ方向から平面視した場合に重なっていないため、製造時に外部接続電極142を形成する工程において、外部接続電極142から圧電膜122に力が加わるのを抑制でき、圧電膜122に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。また、実施形態1に係る電子部品モジュール100では、支持基板11と実装基板2の線膨張係数が異なるため、支持基板11と実装基板2との線膨張係数差による熱応力が支持基板11にかかってしまう。しかしながら、支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面であるので、支持基板11と実装基板2との線膨張係数差による熱応力が支持基板11にかかったとしても、支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が(111)面の場合と比べて、支持基板11の各側面113がクラックの発生によって剥離されにくい面方位となっている(支持基板11の結晶構造におけるシリコン原子が、支持基板11の一部がクラック発生によって剥離されにくいような配列となっている)ため、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
なお、実施形態1に係る電子部品モジュール100は、支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に外部接続電極142と重なる位置に圧電膜122(及び圧電膜122を含む機能膜12)が存在しない構造である。また、仮に、支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に外部接続電極142と重なる位置に圧電膜122(及び圧電膜122を含む機能膜12)が存在する構造を比較例とした場合に、圧電膜122と支持基板11との線膨張係数差よりも絶縁層16と支持基板11との線膨張係数差が大きいときには、電子部品モジュール100は比較例よりも支持基板11にクラックがより発生し易くなる。
なぜならば、絶縁層16が、圧電膜122と支持基板11との線膨張係数差よりも支持基板11との線膨張係数差が大きい材料の場合に、電子部品モジュール100では、例えば熱衝撃試験を行われた場合のように熱衝撃がかかったときに、支持基板11と実装基板2との線膨張係数差による熱応力だけでなく、支持基板11と絶縁層16との線膨張係数差による熱応力も支持基板11にかかってしまう。一方、比較例では、熱衝撃がかかったときに、支持基板11と実装基板2との線膨張係数差による熱応力だけでなく、支持基板11と圧電膜122との線膨張係数差による熱応力が支持基板11にかかる。しかしながら、支持基板11と圧電膜122との線膨張係数差による熱応力は、支持基板11と絶縁層16との線膨張係数差による熱応力よりも小さいので、電子部品モジュール100の方が比較例よりも支持基板11にクラックがより発生し易くなる。
上述した通り、その場合でも、電子部品モジュール100では、支持基板11として圧電膜122側の面(第1主面111)が(100)面であるので、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る電子部品モジュール100では、実装基板2は、プリント配線基板である。これにより、電子部品モジュール100では、実装基板2をLTCC基板により構成する場合と比べて、低コスト化を図ることが可能となる。
また、実施形態1に係る電子部品モジュール100では、支持基板11の厚さ方向D1からの平面視において圧電膜122(及び圧電膜122を含む機能膜12)が支持基板11外周よりも内側に形成されている。これにより、電子部品モジュール100では、製造時のダイシング工程において圧電膜122(及び圧電膜122を含む機能膜12)が支持基板11側から剥離するのを抑制することが可能となり、信頼性の向上を図れる。
また、実施形態1に係る電子部品モジュール100は、さらに、スペーサ層17と、カバー部材18と、貫通電極141と、備える。スペーサ層17は、少なくとも一部が絶縁層16上に形成されている。スペーサ層17は、支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合にIDT電極13の外側に形成されている。カバー部材18は、スペーサ層17上に形成されている。貫通電極141は、絶縁層16及び配線電極15上に形成されている。貫通電極141は、配線電極15と電気的に接続されている。貫通電極141は、スペーサ層17とカバー部材18とを貫通している。外部接続電極142は、配線電極15及び貫通電極141と電気的に接続されている。外部接続電極142は、貫通電極141及びカバー部材18上に形成されている。
(実施形態2)
実施形態2に係る電子部品モジュール100aは、図4に示すように、外部接続電極142aが配線電極15上に直接的に形成されている点等で、実施形態1に係る電子部品モジュール100と相違する。実施形態2に係る電子部品モジュール100aに関し、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る電子部品モジュール100aでは、弾性波装置1aが、実施形態1に係る電子部品モジュール100の弾性波装置1におけるスペーサ層17、カバー部材18、貫通電極141等を備えていない。そして、電子部品モジュール100aでは、外部接続電極142aが配線電極15上に直接的に形成されている。外部接続電極142aは、バンプである。バンプの材料は、例えば、はんだ、Au等である。
電子部品モジュール100aは、配線電極15において絶縁層16上に形成されている部分151の周部を覆うレジスト層155を更に備えている。電子部品モジュール100aでは、配線電極15において絶縁層16上に形成されている部分151のうちレジスト層155で覆われていない部分が、パッド電極152を構成している。外部接続電極14aは、配線電極15のパッド電極152上に形成されている。
実施形態2に係る電子部品モジュール100aは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、外部接続電極142aと圧電膜122とが支持基板11の厚さ方向から平面視した場合に重なっていない(離れている)ので、外部接続電極142aから圧電膜122に力が加わるのを抑制でき、圧電膜122に割れが発生するのを抑制することが可能となる。また、実施形態2に係る電子部品モジュール100aは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、支持基板11として圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面のシリコン基板を備えているので、圧電膜122側の面が(111)面のシリコン基板を支持基板として備える場合と比べて、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
実施形態2に係る電子部品モジュール100aでは、外部接続電極142aは、バンプである。バンプの材料は、はんだ又は金である。これにより、実施形態2に係る電子部品モジュール100aでは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と比べて、弾性波装置1aの構成の簡略化を図ることが可能となる。
実施形態2の電子部品モジュール100aは、実施形態1に係る電子部品モジュール100の保護層3と同様に、実装基板2上の弾性波装置1aを覆う保護層を備えていてもよい。
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る電子部品モジュール100bについて図5を参照して説明する。
実施形態3に係る電子部品モジュール100bは、実施形態1に係る電子部品モジュール100の貫通電極141及び外部接続電極142の代わりに、絶縁層16及び支持基板11を貫通する貫通電極141bと、外部接続電極142bと、を備える点等で、実施形態1に係る電子部品モジュール100と相違する。実施形態3に係る電子部品モジュール100bに関し、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
外部接続電極142bは、支持基板11の厚さ方向D1において配線電極15のうち絶縁層16上に形成されている部分151に重なっている。外部接続電極142bは、支持基板11の厚さ方向D1において絶縁層16と支持基板11とを貫通する貫通電極141b上に形成されている。貫通電極141bと支持基板11との間には電気絶縁膜114が介在している。電気絶縁膜114は、例えば、酸化ケイ素により形成されている。貫通電極141bは、配線電極15bと電気的に接続されている。要するに、貫通電極141bは、配線電極15bを介してIDT電極13と電気的に接続されている。配線電極15bは、圧電膜122の一部とIDT電極13の一部とを覆うように形成されている。貫通電極141bは、例えば、銅、ニッケル又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金などの適宜の金属材料により形成することができる。外部接続電極142bは、例えば、はんだ、金、銅等により形成することができる。
実施形態3に係る電子部品モジュール100bは、実施形態1に係る電子部品モジュール100のスペーサ層17及びカバー部材18の代わりに、スペーサ層17b及びカバー部材18bを備える。
スペーサ層17bは、支持基板11上に形成されている。より詳細には、スペーサ層17bは、支持基板11の第1主面111上に、絶縁層16(図1参照)を介さずに、直接的に形成されている。スペーサ層17bは、貫通孔173を有する。スペーサ層17bの材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド等の合成樹脂である。
スペーサ層17bの厚さは、機能膜12の厚さとIDT電極13の厚さとの合計厚さよりも大きい。
カバー部材18bは、スペーサ層17bの貫通孔173を塞ぐようにスペーサ層17b上に形成されている。カバー部材18bは、支持基板11の厚さ方向D1においてIDT電極13から離れている。
電子部品モジュール100bは、カバー部材18bと支持基板11との線膨張係数差が、実装基板2と支持基板11との線膨張係数差よりも小さい。カバー部材18bの材料は、シリコンである。言い換えれば、カバー部材18bは、シリコン基板である。したがって、カバー部材18bと実装基板2との線膨張係数差は、実装基板2と支持基板11との線膨張係数差と同じである。カバー部材18bは、シリコン基板の他に、シリコン基板に積層された絶縁膜等の薄膜を含んでいてもよい。電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bにおける支持基板11側の面と反対側の面が、{100}面である。カバー部材18bは、複数のカバー部材18bの元になるシリコンウェハをダイシングすることにより形成されている。カバー部材18bの厚さは、支持基板11の厚さと異なっていてもよいし、同じであってもよい。
弾性波装置1bでは、カバー部材18bと、スペーサ層17bと、支持基板11上の積層体(圧電膜122とIDT電極13とを含む積層体)と、で囲まれた空間S1bを有する。弾性波装置1bでは、空間S1bに気体が入っている。気体は、例えば、空気、不活性ガス(例えば、窒素ガス)等である。
実施形態3に係る電子部品モジュール100bでは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、外部接続電極142bと圧電膜122は支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に重なっていない。これにより、実施形態3に係る電子部品モジュール100bでは、製造時に外部接続電極142bを形成する工程において、外部接続電極142bから圧電膜122に力が加わるのを抑制でき、圧電膜122に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。また、実施形態3に係る電子部品モジュール100bは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面であるので、支持基板11における圧電膜122側の面が(111)面である場合と比べて、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
また、電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bと支持基板11との線膨張係数差が、実装基板2と支持基板11との線膨張係数差よりも小さい。これにより、電子部品モジュール100bでは、支持基板11にクラックが発生するのをさらに抑制することが可能となる。
また、電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bの材料は、シリコンである。これにより、電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bと支持基板11との線膨張係数差をより小さくすることができ、カバー部材18bから支持基板11にかかる熱応力を低減することが可能となる。また、電子部品モジュール100bでは、貫通電極141bが支持基板11を貫通するように形成されているので、実施形態1に係る電子部品モジュール100のように貫通電極141が樹脂により形成されたスペーサ層17及び樹脂により形成されたカバー部材18を貫通している場合と比べて、放熱性を向上させることが可能となる。また、電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bの材料がシリコンなので、例えば樹脂によりモールドする際のモールド耐性を高めることができる。
また、電子部品モジュール100bでは、シリコン基板を含むカバー部材18bにおける支持基板11側の面と反対側の面が{100}面である。これにより、電子部品モジュール100bでは、例えば製造する際のダイシング工程においてカバー部材18bの面が(111)面である場合と比べて、支持基板11とカバー部材18bとで面方位を揃えることができるので、カバー部材18bにチッピングが発生するのを抑制することが可能となる。
(実施形態4)
実施形態4に係る電子部品モジュール100cでは、図6に示すように、弾性波装置1cにおける機能膜12が、高音速膜120と、低音速膜121と、圧電膜122と、を含む。高音速膜120は、支持基板11上に直接又は間接的に設けられている。高音速膜120は、圧電膜122を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である。低音速膜121は、高音速膜120上に直接又は間接的に設けられている。低音速膜121は、圧電膜122を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である。圧電膜122は、低音速膜121上に直接又は間接的に設けられている。実施形態4に係る電子部品モジュール100cに関し、実施形態1に係る電子部品モジュール100(図1参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態4に係る電子部品モジュール100cにおける弾性波装置1cでは、高音速膜120は、弾性波が高音速膜120より下の構造に漏れないように機能している。
これにより、弾性波装置1cでは、フィルタや共振子の特性を得るために利用する特定のモードの弾性波のエネルギーは、圧電膜122及び低音速膜121の全体に分布し、高音速膜120の低音速膜121側の一部にも分布し、支持基板11には分布しないことになる。高音速膜120により弾性波を閉じ込めるメカニズムは、非漏洩なSH波であるラブ波型の表面波の場合と同様のメカニズムであり、例えば、文献「弾性表面波デバイスシミュレーション技術入門」、橋本研也、リアライズ社、p.26−28に記載されている。上記メカニズムは、音響多層膜によるブラッグ反射器を用いて弾性波を閉じ込めるメカニズムとは異なる。
高音速膜120は、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、マグネシア、ダイヤモンド、又は、上記各材料を主成分とする材料、上記各材料の混合物を主成分とする材料からなる。
高音速膜120の膜厚に関しては、弾性波を圧電膜122及び低音速膜121に閉じ込める機能を高音速膜120が有するため、高音速膜120の膜厚は厚いほど望ましい。機能膜12は、高音速膜120、低音速膜121及び圧電膜122以外の他の膜として密着層、誘電体膜等を有していてもよい。
実施形態4に係る電子部品モジュール100cでは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、外部接続電極142と圧電膜122は支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に重なっていない。これにより、実施形態4に係る電子部品モジュール100cでは、製造時に外部接続電極142を形成する工程において、外部接続電極142から圧電膜122に力が加わるのを抑制でき、圧電膜122に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。また、実施形態4に係る電子部品モジュール100cは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、支持基板11における圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面であるので、支持基板11における圧電膜122側の面が(111)面である場合と比べて、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
(実施形態5)
実施形態5に係る電子部品モジュール100dでは、図7に示すように、弾性波装置1cにおける機能膜12が、圧電膜122である。圧電膜122は支持基板11上に直接的に形成されている。実施形態5に係る電子部品モジュール100dに関し、実施形態1に係る電子部品モジュール100(図1参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
支持基板11は、圧電膜122を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板を構成している。機能膜12は、圧電膜122以外の他の膜として、例えば、圧電膜122における支持基板11側に設けられた密着層又は誘電体膜等を有していてもよい。また、機能膜12は、圧電膜122におけるIDT電極13側に設けられた誘電体膜等を有していてもよい。
実施形態5に係る電子部品モジュール100dでは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、外部接続電極142と圧電膜122は支持基板11の厚さ方向D1から平面視した場合に重なっていない。これにより、実施形態5に係る電子部品モジュール100dでは、製造時に外部接続電極142を形成する工程において、外部接続電極142から圧電膜122に力が加わるのを抑制でき、圧電膜122に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。また、実施形態5に係る電子部品モジュール100dは、実施形態1に係る電子部品モジュール100と同様、支持基板11として圧電膜122側の面(第1主面111)が{100}面であるので、支持基板11として圧電膜122側の面が(111)面である場合と比べて、支持基板11にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
上記の実施形態1〜5は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1〜5は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、実装基板2を構成するプリント配線基板は、ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている場合に限らず、例えば、ガラス布・ポリイミド系樹脂銅張積層板、紙・エポキシ樹脂銅張積層板、紙・ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板、ガラス不織布・ガラス布エポキシ樹脂銅張積層板等から形成されていてもよい。
また、実装基板2は、プリント配線基板に限らず、例えば、LTCC基板であってもよい。LTCC基板は、アルミナ基板の焼成温度に比べて比較的低温である1000℃以下(例えば、850℃〜1000℃)で焼成された基板である。LTCC基板の線膨張係数は、例えば、10ppm/℃程度である。
また、電子部品モジュール100、100a、100b、100c、100dは、実装基板2に電子部品として1つの弾性波装置1、1a、1b、1c、1dのみが実装された構成に限らず、例えば、複数の弾性波装置1、1a、1b、1c、1dが実装された構成でもよいし、弾性波装置1、1a、1b、1c、1dと弾性波装置1、1a、1b、1c、1d以外の電子部品とが実装されていてもよい。
また、機能膜12は、音響インピーダンス層を備えていてもよい。音響インピーダンス層は、圧電膜122と支持基板11との間に形成される。音響インピーダンス層は、IDT電極13で励振された弾性波が支持基板11に漏洩するのを抑制する機能を有する。音響インピーダンス層は、音響インピーダンスが相対的に高い少なくとも1つの高音響インピーダンス層と音響インピーダンスが相対的に低い少なくとも1つの低音響インピーダンス層とが支持基板11の厚さ方向D1において並んだ積層構造を有する。上記の積層構造では、高音響インピーダンス層が複数設けられてもよいし、低音響インピーダンス層が複数設けられてもよい。この場合、上記の積層構造は、複数の高音響インピーダンス層と複数の低音響インピーダンス層とが支持基板11の厚さ方向D1において一層ごとに交互に並んだ構造である。
高音響インピーダンス層は、例えば、白金、タングステン、窒化アルミニウム、リチウムタンタレート、サファイア、リチウムニオベイト、窒化シリコン又は酸化亜鉛からなる。
低音響インピーダンス層は、例えば、酸化ケイ素、アルミニウム又はチタンからなる。
また、弾性波装置1、1a、1b、1c、1dでは、圧電膜122上に1つのIDT電極13が形成されているが、IDT電極13の数は1つに限らず、複数であってもよい。弾性波装置1、1a、1b、1c、1dでは、複数のIDT電極13を備える場合、例えば、複数のIDT電極13それぞれを含む複数の弾性表面波共振子が電気的に接続されて帯域通過型フィルタが構成されていてもよい。
また、弾性波装置1、1b、1c、1dにおける絶縁層16及びスペーサ層17、17bの材料は、合成樹脂等の有機材料に限らず、無機材料であってもよい。
電子部品モジュール100bでは、カバー部材18bと支持基板11との線膨張係数差が、実装基板2と支持基板11との線膨張係数差よりも小さければよく、カバー部材18bは、シリコン基板に限らず、例えば、硼珪酸ガラス基板等であってもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態1〜5等から以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)は、弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)と、実装基板(2)と、を有する。実装基板(2)には、弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)が実装されている。弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)は、支持基板(11)と、圧電膜(122)と、IDT電極(13)、絶縁層(16)と、配線電極(15;15b)と、外部接続電極(142;142a;142b)と、を備える。支持基板(11)は、結晶基板からなる。圧電膜(122)は、支持基板(11)上に直接又は間接的に形成されている。IDT電極(13)は、圧電膜(122)上に形成されている。絶縁層(16)は、支持基板(11)上に形成されている。配線電極(15;15b)は、少なくとも一部が絶縁層(16)上に形成されている。配線電極(15;15b)は、IDT電極(13)と電気的に接続されている。外部接続電極(142;142a;142b)は、配線電極(15)と電気的に接続されている。外部接続電極(142;142a;142b)と圧電膜(122)は、支持基板(11)の厚さ方向(D1)から平面視した場合に、重なっていない。弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)は、外部接続電極(142;142a;142b)を介して実装基板(2)に実装されている。実装基板(2)は、支持基板(11)の線膨張係数と異なる線膨張係数を有している。支持基板(11)における圧電膜(122)側の面(第1主面111)が{100}面である。
第1の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、圧電膜(122)の割れや欠け、及び、支持基板(11)のクラック発生を抑制することが可能となる。
第2の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)は、弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)と、実装基板(2)と、を有する。実装基板(2)には、弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)が実装されている。実装基板(2)は、プリント配線基板又はLTCC基板からなる。弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)は、支持基板(11)と、圧電膜(122)と、IDT電極(13)、絶縁層(16)と、配線電極(15;15b)と、外部接続電極(142;142a;142b)と、を備える。圧電膜(122)は、支持基板(11)上に直接又は間接的に形成されている。IDT電極(13)は、圧電膜(122)上に形成されている。絶縁層(16)は、支持基板(11)上に形成されている。配線電極(15;15b)は、少なくとも一部が絶縁層(16)上に形成されている。配線電極(15;15b)は、IDT電極(13)と電気的に接続されている。外部接続電極(142;142a;142b)は、配線電極(15)と電気的に接続されている。外部接続電極(142;142a;142b)と圧電膜(122)は、支持基板(11)の厚さ方向(D1)から平面視した場合に、重なっていない。弾性波装置(1;1a;1b;1c;1d)は、外部接続電極(142;142a;142b)を介して実装基板(2)に実装されている。支持基板(11)は、シリコン基板、ゲルマニウム基板又はダイヤモンド基板である。支持基板(11)における圧電膜(122)側の面(第1主面111)が、{100}面である。
第2の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、圧電膜(122)の割れや欠け、及び、支持基板(11)のクラック発生を抑制することが可能となる。
第3の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第1又は2の態様において、絶縁層(16)の線膨張係数と支持基板(11)の線膨張係数の差は、圧電膜(122)の線膨張係数と支持基板(11)の線膨張係数の差よりも大きい。
第4の態様に係る電子部品モジュール(100)は、第1〜3の態様のいずれか一つにおいて、さらに、スペーサ層(17)と、カバー部材(18)と、貫通電極(141)と、備える。スペーサ層(17)は、絶縁層(16)上に形成されている。カバー部材(18)は、スペーサ層(17)上に形成されている。貫通電極(141)は、絶縁層(16)及び配線電極(15)上に形成されている。貫通電極(141)は、配線電極(15)と電気的に接続されている。貫通電極(141)は、厚さ方向(D1)においてスペーサ層(17)とカバー部材(18)とを貫通している。外部接続電極(142)は、貫通電極(141)及びカバー部材(18)上に形成されている。外部接続電極(142)は、配線電極(15)及び貫通電極(141)と電気的に接続されている。
第5の態様に係る電子部品モジュール(100b)は、第1又は2の態様において、さらに、スペーサ層(17b)と、カバー部材(18b)と、貫通電極(141b)と、を備えている。スペーサ層(17b)は、少なくとも一部が絶縁層(16)上に形成されている。スペーサ層(17b)は、支持基板(11)の厚さ方向(D1)から平面視した場合にIDT電極(13)の外側に形成されている。カバー部材(18b)は、スペーサ層(17b)上に形成されている。貫通電極(141b)は、配線電極(15b)と電気的に接続されている。貫通電極(141b)は、絶縁層(16)と支持基板(11)とを貫通している。外部接続電極(142b)は、貫通電極(141b)と電気的に接続されている。外部接続電極(142b)は、支持基板(11)の厚さ方向(D1)から平面視した場合に貫通電極(141b)と重なっている。外部接続電極(142b)は、支持基板(11)における圧電膜(122)側の面(第1主面111)と反対の面(第2主面112)側に形成されている。
第5の態様に係る電子部品モジュール(100b)では、貫通電極(141b)が支持基板(11)を貫通するように形成されているので、貫通電極が樹脂により形成されたスペーサ層及び樹脂により形成されたカバー部材を貫通している場合と比べて、放熱性を向上させることが可能となる。
第6の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第4又は5の態様において、カバー部材(18;18b)と支持基板(11)との線膨張係数差が、実装基板(2)と支持基板(11)との線膨張係数差よりも小さい。
第6の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、支持基板(11)にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
第7の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第4〜6の態様のいずれか一つにおいて、カバー部材(18;18b)は、シリコンである。
第7の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、カバー部材(18;18b)と支持基板(11)との線膨張係数差をより小さくすることができる。
第8の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第7の態様において、カバー部材(18;18b)における支持基板(11)側の面と反対側の面が、{100}面である。
第8の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、例えば製造する際のダイシング工程においてカバー部材(18b)の表面が(111)面である場合と比べて、カバー部材(18;18b)にチッピングが発生するのを抑制することが可能となる。
第9の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第1〜8の態様のいずれか一つにおいて、実装基板(2)は、プリント配線基板である。
第9の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、実装基板(2)をLTCC基板により構成する場合と比べて、例えば実装基板(2)内にインダクタを形成しやすいという利点がある。
第10の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第1〜9の態様のいずれか一つにおいて、外部接続電極(142;142a;142b)は、バンプである。バンプの材料は、はんだ又は金である。
第11の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b)では、第1〜10の態様のいずれか一つにおいて、弾性波装置(1;1a;1b)は、さらに、低音速膜(121)を備える。低音速膜(121)は、支持基板(11)上に形成されており、圧電膜(122)を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である。支持基板(11)は、圧電膜(122)を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板を構成している。
第11の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b)では、弾性波装置(1;1a;1b)において、低音速膜(121)が設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
第12の態様に係る電子部品モジュール(100c)では、第1〜10の態様のいずれか一つにおいて、弾性波装置(1c)は、さらに、高音速膜(120)と、低音速膜(121)と、を備える。高音速膜(120)は、支持基板(11)上に形成されており、圧電膜(122)を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である。低音速膜(121)は、高音速膜(120)上に形成されており、圧電膜(122)を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である。
第12の態様に係る電子部品モジュール(100c)では、弾性波が支持基板(11)に漏れるのを抑制することが可能となる。
第13の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第1の態様において、支持基板(11)の材料は、シリコン、ゲルマニウム、又は、ダイヤモンドである。
第14の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b;100c;100d)では、第1〜13の態様のいずれか一つにおいて、圧電膜(122)の材料は、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、又は、チタン酸ジルコン酸鉛である。
第15の態様に係る電子部品モジュール(100;100a;100b)では、第11又は12の態様において、低音速膜(121)の材料は、酸化ケイ素、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素にフッ素又は炭素又はホウ素を加えた化合物からなる群から選択される少なくとも1種の材料である。
第16の態様に係る電子部品モジュール(100c)では、第12の態様において、高音速膜(120)の材料は、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、マグネシア及びダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種の材料である。
1、1a、1b、1c、1d 弾性波装置
11 支持基板
111 第1主面
112 第2主面
114 電気絶縁膜
12 機能膜
120 高音速膜
121 低音速膜
122 圧電膜
13 IDT電極
141、141b 貫通電極
142、142a、142b 外部接続電極
15、15b 配線電極
151 部分
152 パッド電極
16 絶縁層
17 スペーサ層
173 貫通孔
18、18b カバー部材
2 実装基板
21 支持体
211 第1主面
212 第2主面
23 第1導体部
24 貫通電極
25 第2導体部
3 保護層
100、100a、100b、100c、100d 電子部品モジュール
D1 厚さ方向
S1、S1b 空間

Claims (15)

  1. 弾性波装置と、前記弾性波装置が実装される実装基板と、を有する電子部品モジュールであって、
    前記弾性波装置は、
    結晶基板からなる支持基板と、
    前記支持基板上に直接又は間接的に形成されている圧電膜と、
    前記圧電膜上に形成されているIDT電極と、
    前記支持基板上に形成されている絶縁層と、
    少なくとも一部が前記絶縁層上に形成され、前記IDT電極と電気的に接続されている配線電極と、
    前記配線電極と電気的に接続されている、外部接続電極と、
    を備え、
    前記外部接続電極と前記圧電膜は、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に、重なっておらず、
    前記弾性波装置は、前記外部接続電極を介して前記実装基板に実装されており、
    前記実装基板は、前記支持基板の線膨張係数と異なる線膨張係数を有しており、
    前記絶縁層の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差は、前記圧電膜の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差よりも大きく、
    前記支持基板における前記圧電膜側の面が、{100}面である、
    電子部品モジュール。
  2. 弾性波装置と、前記弾性波装置が実装されるプリント配線基板又はLTCC基板からなる実装基板と、を有する電子部品モジュールであって、
    前記弾性波装置は、
    支持基板と、
    前記支持基板上に直接又は間接的に形成されている圧電膜と、
    前記圧電膜上に形成されているIDT電極と、
    前記支持基板上に形成されている絶縁層と、
    少なくとも一部が前記絶縁層上に形成され、前記IDT電極と電気的に接続されている配線電極と、
    前記配線電極と電気的に接続されている、外部接続電極と、
    を備え、
    前記外部接続電極と前記圧電膜は、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に、重なっておらず、
    前記弾性波装置は、前記外部接続電極を介して前記実装基板に実装されており、
    前記絶縁層の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差は、前記圧電膜の線膨張係数と前記支持基板の線膨張係数の差よりも大きく、
    前記支持基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、又はダイヤモンド基板であり、
    前記支持基板における前記圧電膜側の面が、{100}面である、
    電子部品モジュール。
  3. 前記弾性波装置は、さらに、スペーサ層と、カバー部材と、貫通電極と、を備えており、
    前記スペーサ層は、少なくとも一部が前記絶縁層上に形成されており、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に前記IDT電極の外側に形成されており、
    前記カバー部材は、前記スペーサ層上に形成されており、
    前記貫通電極は、前記絶縁層及び前記配線電極上に形成されており、前記配線電極と電気的に接続されており、かつ、前記スペーサ層と前記カバー部材とを貫通しており、
    前記外部接続電極は、前記貫通電極及び前記カバー部材上に形成されており、前記配線電極及び前記貫通電極と電気的に接続されている、
    請求項1又は2に記載の電子部品モジュール。
  4. 前記弾性波装置は、さらに、スペーサ層と、カバー部材と、貫通電極と、を備えており、
    前記スペーサ層は、少なくとも一部が前記絶縁層上に形成されており、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に前記IDT電極の外側に形成されており、
    前記カバー部材は、前記スペーサ層上に形成されており、
    前記貫通電極は、前記配線電極と電気的に接続されており、前記絶縁層と前記支持基板とを貫通しており、
    前記外部接続電極は、前記貫通電極と電気的に接続されており、前記支持基板の厚さ方向から平面視した場合に前記貫通電極と重なっており、かつ、前記支持基板における前記圧電膜側の面と反対の面側に形成されている、
    請求項1又は2に記載の電子部品モジュール。
  5. 前記カバー部材と前記支持基板との線膨張係数差が、前記実装基板と前記支持基板との線膨張係数差よりも小さい、
    請求項3又は4に記載の電子部品モジュール。
  6. 前記カバー部材の材料は、シリコンである、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  7. 前記カバー部材における前記支持基板側の面と反対側の面が、{100}面である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子部品モジュール。
  8. 前記実装基板は、プリント配線基板である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  9. 前記外部接続電極は、バンプであり、
    前記バンプの材料は、はんだ又は金である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  10. 前記弾性波装置は、さらに、
    前記支持基板と前記圧電膜との間において前記支持基板上に設けられており、前記圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である低音速膜を備え、
    前記支持基板は、前記圧電膜を伝搬する弾性波の音速より伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板を構成している、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  11. 前記弾性波装置は、さらに、
    前記支持基板と前記圧電膜との間において前記支持基板上に形成されており、前記圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速膜と、
    前記支持基板と前記圧電膜との間において前記高音速膜上に形成されており、前記圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である低音速膜と、を備える、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  12. 前記支持基板の材料は、シリコン、ゲルマニウム、又は、ダイヤモンドである、
    請求項1に記載の電子部品モジュール。
  13. 前記圧電膜の材料は、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、又は、チタン酸ジルコン酸鉛である、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子部品モジュール。
  14. 前記低音速膜の材料は、酸化ケイ素、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素にフッ素又は炭素又はホウ素を加えた化合物からなる群から選択される少なくとも1種の材料である、
    請求項10又は11に記載の電子部品モジュール。
  15. 前記高音速膜の材料は、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、マグネシア及びダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種の材料である、
    請求項11に記載の電子部品モジュール。
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