JP2017046330A - 弾性波素子および弾性波装置 - Google Patents

弾性波素子および弾性波装置 Download PDF

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成彦 長峰
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成彦 長峰
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Abstract

【課題】信頼性の高い弾性波素子および弾性波装置を提供する。【解決手段】基板3と、基板3の主面3a上に配置された、弾性波を発生させる励振電極2と、基板3の主面3aと間隔を開けて配置される、基板3よりも線膨張係数の小さい材料からなる蓋体4と、蓋体4と基板3とを接合する接合部5と、を備える。接合部5は、基板3の主面3a上に配置された第1接合部15と、第1接合部15と蓋体4との間に配置される第2接合部17と、を含み、第1接合部15の外縁は、第2接合部17の外縁よりも内側にある【選択図】図3

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子や圧電薄膜共振器(F
BAR:Film Bulk Acoustic Resonator)などの弾性波素子および弾性波装置に関する。
小型化などを目的とした、いわゆるウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer Level Package)型の弾性波素子が知られている。このWLP型の弾性波素子は、圧電基板と、圧電基板に設けられた励振電極と、励振電極を封止するカバーとを有する。
また、このカバーの上面は、例えば、端子を配置するためのスペース、あるいは励振電極の振動空間の変形を防止するための、金属材料からなる補強部材を設けるためのスペースとして利用される(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−142770号公報
近年、さらにカバーにかかる応力が高まる環境においても、カバーの変形を抑え、かつ、振動空間を確保できる弾性波素子が求められている。
本願はかかる事情のもと勘案されたものであり、その目的は、高い応力が加わっても振動空間を確保することのできる弾性波素子および弾性波装置を提供することにある。
本発明の一態様としての弾性波素子は、基板と、該基板の主面上に配置された、弾性波を発生させる励振電極と、前記基板の前記主面と間隔を開けて配置される、前記基板よりも線膨張係数の小さい材料からなる蓋体と、前記蓋体と前記基板とを接合する接合部と、を備える。そして、前記接合部は、前記基板の前記主面上に配置された第1接合部と、前記第1接合部と前記蓋体との間に配置される第2接合部と、を含み、前記第1接合部の外縁は、前記第2接合部の外縁よりも内側にある。
本発明の一態様としての弾性波装置は、上記弾性波素子と、前記弾性波素子が実装される回路基板と、前記弾性波素子と前記回路基板の実装面とを覆う樹脂と、を含むものである。
本発明によれば、高い応力が付加されても振動空間を確保することのできる弾性波素子および弾性波装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る弾性波素子の外観図である。 図1の弾性波素子の蓋体を外した状態の平面図である。 (a)は図2のIIIa−IIIa線における断面図であり、(b)は図2のIIIb−IIIb線における断面図である。 図3(b)のMで示した部分の拡大断面図である。 (a)から(f)は、シミュレーションに用いる各モデルにおける、図3(b)のMで示した部分の拡大断面図である。 シミュレーションによる各モデルの発生応力を比較する線図であり、(a)は高温下の,(b)低温下における結果である。 (a)は、弾性波素子1Aの蓋体を外した状態の平面図であり、(b)は(a)のb−b線における断面図である。 図1に示す弾性波装置の変形例を示す図4に対応する部分の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る弾性波装置の断面図である。
<弾性波素子の構造>
図1は、本発明の実施形態に係る弾性波素子1の外観上面図であり、図2は、図1の弾性波素子において蓋体を外した状態の平面図であり、図3(a)は図2のIIIa−IIIa線における断面図であり、図3(b)は図2のIIIb−IIIb線における断面図である。ここで、本例では弾性波としてSAWを用いた場合を示し、弾性波素子1をSAW素子1と呼ぶこととする。後述する弾性波装置についてもSAW装置とする。
SAW素子1は、いわゆるWLP型のパッケージにより構成されている。SAW素子1は、基板3と、基板3の主面3aに配置された励振電極2と、基板3と間隔をあけて配置されている蓋体4と、蓋体4の上方に配置された複数の端子パッド7とを有している。
SAW素子1は、複数の端子パッド7のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、SAW素子1によりフィルタリングされる。そして、SAW素子1は、フィルタリングした信号を複数の端子パッド7のいずれかを介して出力する。SAW素子1は、例えば、蓋体4の側の面を不図示の回路基板などの実装面に対向させて当該実装面に載置された状態で樹脂封止されることにより、複数の端子パッド7を実装面上のパッドに接続した状態で実装される。
基板3は、圧電基板により形成されている。例えば、基板3は、タンタル酸リチウム単結晶(LiTaO),ニオブ酸リチウム単結晶(LiNbO),水晶などの圧電性を有する直方体状の単結晶基板である。具体的には、例えば、基板3は、36°〜48°Y−XカットのLiTaO基板によって構成されている。
基板3の平面形状は適宜に設定されてよいが、例えば、所定方向(Y方向)を長手方向とする矩形である。基板3の大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、厚さは0.1mm〜0.5mm、1辺の長さは0.5mm〜2mmである。
基板3の主面3aには、励振電極2、接続配線11といった各種の電極および配線が設けられている。
基板3の主面3aとは反対側の面である裏面3bには導体層13が取り付けられている。裏面3bに導体層13が取り付けられていることによって、基板3に蓄積された余分な電荷が放電され、SAW装置のフィルタとしての特性を安定化させることができる。なお、導体層13を設けずに基板3の裏面が露出した状態とされていてもよい。
励振電極2は、SAWを発生させるためのものである。図2に示すように励振電極2は、複数の電極指を有する櫛歯状の複数のIDT電極と複数のIDT電極の両端に配置された反射器電極とを含む。このような励振電極2が圧電性の基板3の主面に配置されることによって、例えば、ラダー型フィルタや2重モードSAW共振器フィルタなどが構成されている。また、複数の励振電極2が直列接続や並列接続などの方式で接続され、ラダー型SAWフィルタなどが構成されてもよい。励振電極2は、例えばAl−Cu合金などのAl合金によって形成されている。
励振電極2は、接続配線11および引出電極9を介して端子パッド7と接続されている。接続配線11は、例えば、励振電極2と同じ材料により形成され、Al−Cu合金などのAl合金によって形成されている。また接続配線11の配線抵抗を小さくするために、配線接続11の厚みを励振電極2の厚みよりも大きくしてもよい。
引出電極9は、接続配線11と端子パッド7とを電気的に接続するものであり、導電性を備える材料であれば特に限定されず、複数の導体層が積層されて成ってもよい。例えば、接続配線11と同様の材料でもよいし、Au,Ni,Cu,Ti等やその化合物としてもよい。
基板3の主面3aに形成された励振電極2などの各種の電極および配線は、不図示の保護層で覆われている。この保護層は、励振電極2など基板3の主面3aに設けられた各種の電極および配線の酸化防止などに寄与する。保護層は、例えば、絶縁性を有するとともに、SAWの伝搬に影響を与えない程度に質量の軽い材料により形成される。例えば、保護層14は、酸化珪素、窒化珪素、シリコンなどからなる。
基板3の主面3aに配置された各種の電極および配線を保護するとともに、励振電極2の振動空間6を確保するための蓋体4が基板3の主面3aと間隔をあけて配置されている。蓋体4の平面形状は、例えば、基板3の平面形状と同様であり、矩形状である。ただし、蓋体4は、平面視したときに基板3の主面3aの外周部が露出するように基板3の主面3aよりもやや小さく形成されている。蓋体4の厚さは、フィルム状の樹脂膜等と比べると十分厚く、例えば、10μm〜100μmである。蓋体4の厚みは後述の接合部5の厚みよりも大きくなっている。
蓋体4は、線膨張係数が、基板3を構成する材料の線膨張係数以下となるような材料からなる、このような材料の一例として、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶、Si基板、サファイア基板、水晶、有機基板等を用いる。例えば、基板3としてタンタル酸リチウム単結晶を用いた場合には、蓋体4としてシリコン基板等を用いればよい。蓋体4としてこのような厚みおよび材料を用いることで、応力が加わっても変形を抑制することができる。
蓋体4は接合部5を介して配置される。接合部5は、基板3の主面3aに積層される第1接合部15と、第1接合部15に積層される第2接合部17とで構成されている。言い換えると、第1接合部15は下面を基板3に上面を第2接合部17に接合され、第2接合部17は下面を第1接合部15に上面を蓋体4に接合されている。この接合部5により、基板3と蓋体4とを間隔を開けて配置させることができる。
具体的には、主面3aに第1接合部15が形成された基板3と、下面に第2接合部17が形成された蓋体4とを向き合わせ、第1接合部15と第2接合部17とを接合することにより基板3と蓋体4とを接合する接合部5が形成される。第1接合部15と第2接合部17とは、接触させた状態で電圧や熱、圧力等を印加して接合させてもよいし、接合面を活性化させて常温で接触させることで接合させてもよい。
接合部5は、概ね一定の厚さの層により構成されている。第1接合部15,第2接合部17の厚さはそれぞれ、例えば、2μm〜30μmである。
この例では、接合部5を構成する第1接合部15,第2接合部17はそれぞれ、Cu,Ni,Cr,Au等の導電材料およびこれらの積層体で構成してもよいし、感光性の樹脂により形成されもよい。感光性の樹脂は、例えば、アクリル基やメタクリル基などのラジカル重合により硬化する、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系の樹脂である。
第1接合部15および第2接合部17は、同一の材料により形成されていてもよいし、互いに異なる材料により形成されていてもよい。図では説明の便宜上、第1接合部15と第2接合部17との境界線を明示しているが、実際の製品においては、第1接合部15と第2接合部17とが同一材料により形成され、一体的に形成されていてもよい。この場合に接合界面iを特定するためには、例えば、形状により推定したり、厚み方向で微小元素分布を確認し、C,Ar等の不純物濃度が増加する厚み位置を接合界面iと推定したりすることができる。
接続配線11を振動空間6の外側に引き出すために、接合部5と接続配線11とが平面視で重なる領域が生じる。接合部5として導電性材料を用いる場合には、このような領域において、図3(a)に示すように両者の間に絶縁層17を介在させて絶縁性を確保する。このように、第1接合部15は基板3に直接接合されていなくてもよい。同様に、第2接合部17は蓋体4に直接接合されていなくてもよい。
接合部5には開口部16が形成されている。開口部16は、接合部5を平面視したときに励振電極2と重なる部分に設けられている。換言すれば、接合部5の内壁は励振電極2を取り囲んでいる。この開口部16が蓋体4によって塞がれることで、基板3の主面3aと蓋体4との間に振動空間6が形成されることとなる。
振動空間6は空洞部であり、励振電極2の上面に設けられている。励振電極2の上面に振動空間6が設けられていることにより、励振電極2により発生するSAWが基板3を伝搬しやすくなる。振動空間6は図2に示すように、平面形状が概ね矩形状に形成されている。図2では振動空間6を1つだけ設けた例を示しているが、例えば、複数の励振電極2を設けた場合には、複数の励振電極2ごとに複数の振動空間6を設けてもよい。
基板3の主面3aのうち蓋体4と接合部5とで構成されるカバーの外側に露出する領域には接合部5の外側面を覆うように絶縁体9を設けてもよい。絶縁体9により振動空間6への水分・汚染源の侵入を抑制することができる。さらに、接続配線11のうち第1接合部15の外縁よりも外側に位置する領域に絶縁体9が設けられている場合には、絶縁体9により接合部5の外側面と引出電極9との絶縁性を確保することができる。
このように、蓋体4として基板を用いることで、応力が加わっても蓋体4の変形を抑制することができ、その結果、振動空間6を確保することのできる信頼性の高いSAW素子1を提供することができる。さらに、加熱または冷却されることで加わる接合部5への熱応力を抑制することができる。
ここで、接合部5について詳述する。図4に、図3(b)において破線Mで囲んだ領域の拡大図を示す。図4において、接合部5の構成を分かりやすくするために、一部の構成の図示を省略している。
図4からも明らかなように、線膨張係数の大きい側の基板(基板3)に接合される第1接合部15の外縁e11は、線膨張係数の小さい側の基板(蓋体4)に接合される第2接合部17の外縁e21よりも内側に位置している。言い換えると、第1接合部15の幅方向における中心C1は、第2接合部17の幅方向における中心C2よりも内側に位置して
いる。
このような構成とすることにより第1接合部15と第2接合部17との接合界面iにかかる応力を低減することができる。さらに、第1接合部15の内縁e12は、第2接合部17の内縁e22に比べて内側に位置している。これにより、応力が集中する角部を接合界面iからずらして設けることができ、さらに接合界面iへの応力発生を抑制することができる。 さらに、図4に示す例では、第2接合部17は、蓋部4の端部よりも距離Lだけ内側において蓋部4と接合されている。このような構成により、蓋部4を引き剥がす方向に発生する力が集中する蓋部4の端部から接合部5を離すことができる。これにより、さらに接合界面iへの応力発生を抑制することができ、信頼性の高いSAW素子1を提供することができる。
ここで、図4に示す構成の接合部5によって、熱履歴により生じる接合界面iにおける応力が低減されていることを確認するためにシミュレーションを行なった。SAW素子の基本構造は以下の通りとした。
[基本構造]
基板3の材料:タンタル酸リチウム単結晶基板
基板3の直径:1400μm
基板3の厚み:100μm
基板3の特性:ヤング率 230GPa
線膨張係数 x方向 13.4ppm/K,y方向 11.9ppm/K
ポアソン比 0.3
蓋体4の材料:Si単結晶基板
蓋体4の直径:1400μm
蓋体4の厚み:100μm
蓋体4の特性:ヤング率 190GPa
線膨張係数 2.4ppm/K
ポアソン比 0.27
第1接合部15の材料:Cu
第1接合部15の幅:50μm
第1接合部15の厚み:10μm
第1接合部15の特性:ヤング率 128GPa
線膨張係数 16.5ppm/K
ポアソン比 0.34
降伏応力 113MPa
第2接合部17は第1接合部15と同様とした。
上述の基本構造を元に、モデル1〜モデル6の接合部5の構造についてシミュレーションを行なった。各モデルの構造を図5に示す。図5は図3(b)の破線Mで囲む領域に相当する部分の要部拡大断面図である。
モデル1は、図5(a)に示すように、第1接合部15と第2接合部17との内縁e12,e22および外縁e11,e21が一致しており同一面となっている。なお、距離Lは50μmである。
モデル2は、図5(b)に示すように、蓋体4の端部と第1接合部15と第2接合部17と外縁e11,e21とが一致しており同一面となっている。なお、蓋体4の直径は1200μmとした。
モデル3は、図5(c)に示すように、蓋体4の端部と第2接合部17と外縁e12とが一致しており同一面となっており、第1接合部15と第2接合部17との内縁e12,e22が一致しており同一面となっている。さらに第1接合部15の幅が60μmとなっており、その外縁e11が蓋体4の端部および第2接合部17の外縁e12よりも外側に位置している。
モデル4は、図5(d)に示すように、第1接合部15および第2接合部17のそれぞれが厚みの途中で幅を変えることで接合部5の外縁を階段状としている。ここで、第1接合部15と第2接合部17との接合界面iにおいては両者は同一面となる領域を有している。そして、第1接合部15および第2接合部17のそれぞれが厚みの半分の位置で幅を変えており、第1接合部15は60μmから50μmに、第2接合部は50μmから45μmへと幅を変えている。
モデル5は、図5(e)に示すように、概ね図4に示す構造である。第2接合部17は第1接合部15よりも10μm外側に位置させている。
モデル6は、図5(f)に示すように、第1接合部15の外縁e11が第2接合部e21の外縁よりも外側に位置している。そして、第1接合部15は第2接合部17よりも10μm外側に位置させている。
このようなモデル1〜6について、150℃の環境下と−65℃の環境下における接合界面iに加わる応力を測定した結果を図6に示す。図6において、横軸は各モデルの別を示し、縦軸は界面応力(単位:MPa)を示す。ここで、界面応力はマイナスの絶対値が大きくなるほど、剥離を引き起こすこととなる。図6に示す通り、図4に示す本実施形態のSAW素子1は、高温下においても低温下においても接合界面iに加わる応力を小さくすることができるので、接合を維持し、振動空間6を安定して確保できることを確認した。
また、上述のシミュレーションにより、接合界面iの面内における応力の分布を確認した。特に、接合界面iのうち振動空間4側における応力を確認したところ、モデル5を除く全てのモデルは引き剥がし方向の応力がかかっているのに対して、モデル5では、圧着方向の力が働いていることを確認した。このことから、第1接合部15と第2接合部17は外縁のみでなく、内縁側の位置関係もモデル5の構成とすることで、よりSAW素子1の接合強度を高めることができる。
なお、接合部5の一部が上述のモデル5に示す構成であれば、接合強度を高めることができるが、例えば、トランスファーモールドの際に特に応力の集中する可能性のある振動空間6の角部に対応する部分(四隅)や、振動空間6を平面視したときの長辺側の部分において上述のモデル5に示す構成とすることが好ましい。特に、接合部5全体(この例にでは全周)において、第1接合部15と第2接合部17とを上述のモデル5に示す位置関係にすると、接合強度を高め、信頼性の高いSAW素子1を提供することができる。
(変形例1)
図1〜図4に示す例では、接合部5は環状であったが、図7に示すように接合部5は点在していてもよい。図7(a)は、変形例1に係るSAW素子1Aにおいて、蓋体4を外した状態の上面図であり、図7(b)は図7(a)のb−b線における断面図である。
SAW素子1Aでは、接合部5を基板3から蓋体4へとつなぐポスト電極として用いている。絶縁体9はその外周を囲う枠体として機能している。この場合には、熱履歴がかかってもポスト電極の接合を保持することができる。
ここでも、上述の実施形態と同様に、第1接合部15の外縁e11が、第2接合部17の外縁e21より内側に位置する。ここで、「内側」とは、平面視における振動空間6の中心に向かう方向をさすものとする。
なお、図7に示す例では、接合部5から端子パッド7までを蓋体4の外周面を経て接続する導電層18により接続しているがこの例に限定されることはない。例えば、蓋体4を貫通させるビアを用いたり、蓋体4の内部に内部配線を形成したりして、蓋体4の上面まで電気的に導出させてもよい。
このような接合部5が複数ある場合には、そのうちの1つが、第1接合部15の外縁e11が、第2接合部17の外縁e21より内側に位置する構成であれば、接合強度を高めることができる。ただし、例えば、トランスファーモールドの際に特に応力の集中する可能性のある振動空間6の角部に対応する部分(四隅)や、振動空間6を平面視したときの長辺側の部分に配置された接合部5において上述の構成とすることが好ましい。また、空洞の振動空間4を支える観点から、共振子を挟んで配置された接合部5において上述の構成とすることが好ましい。
(変形例2)
図1〜図4に示す例では、基板3は単一材料であったが、SAW素子1,1Aにおいて、基板3の下面3bには支持基板が接合され、いわゆる貼り合せ基板を構成していてもよい。
基板3の厚さは、例えば、一定であり、その大きさは、SAW素子1,1Aが適用される技術分野やSAW素子1,1Aに要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。一例として、基板3の厚さは、1〜30μmである。
支持基板は、例えば、基板3の材料よりも熱膨張係数が小さい材料によって形成されている。このような構成とすることにより、基板3と支持基板とで構成される素子基板によれば、温度変化が生じると基板3に熱応力が生じ、この際、弾性定数の温度依存性と応力依存性とが打ち消し合い、ひいては、SAW素子1,1Aの電気特性の温度変化が補償される。このような材料としては、例えば、サファイア等の単結晶、シリコン等の半導体および酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックを挙げることができる。なお、支持基板は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層されて構成されていてもよい。
支持基板の厚さは、例えば、一定であり、その厚さは、基板3の厚さと同様に適宜に設定されてよい。ただし、支持基板の厚さは、温度補償が好適に行われるように、基板3の厚さを考慮して設定される。一例として、基板3の厚さ5〜30μmに対して、支持基板の厚さは75〜300μmである。
基板3および支持基板は、例えば、不図示の接着層を介して互いに貼り合わされている。接着層の材料は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。有機材料としては、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiOが挙げられる。また、両基板は、接着面をプラズマやイオンガン,中性子ガンなどで活性化処理した後に接着層無しに貼り合わせる、いわゆる直接接合によって貼り合わされていてもよい。
ここで、支持基板と蓋体4とを同一材料とした場合には、熱履歴が生じても蓋体4と素子基板との熱膨張差を小さくすることができるので、その結果、接合部5への応力も小さくなり、より信頼性の高いSAW素子1,1Aを提供できるものとなる。
(変形例3)
図1〜図4に示す例は、第1接合部15および第2接合部17共に幅が一定であったが、それに限定されず、厚み位置によって幅が異なっていてもよい。図8に、変形例3に係るSAW素子1Bを示す。図8は図3(b)のMで示す領域の構造を示す要部断面図である。
図8において、第2接合部17の外周側において段差部Dを備える。厚み方向において接合界面i周辺の外周側は同一面を形成している。そしてこの段差部Dにより、接合界面iから離れた位置に角部が形成される。このような角部には応力が集中する。従って、段差部Dを形成することで、接合界面iから離れた位置において応力を集中させ、接合界面iに生じる応力を抑制することができる。
ここで、第1接合部15の外縁e11は接合界面iの外縁であり、第2接合部15の外縁e21は最も外側に位置する部分とする。
この例では、第2接合部17の外周側のみに段差部Dを設けたが、内周側にも設けてもよいし、第1接合部15に設けてもよい。
<SAW装置>
SAW装置100は、図9に示すように、SAW素子1と、実装面110aに、SAW素子1の端子パッド7に接続されるパッド120を備えた回路基板110とを備えている。回路基板110において、SAW素子1はパワーアンプモジュールまたはIC等に電気的に接続される。SAW素子1は、バンプ130を介してパッド120に実装されている。
そしてSAW素子1は樹脂140でモールドされる。樹脂140は、実装面110aの一部とSAW素子1とを覆うように設けられる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。例えば、上述の例では弾性波としてSAWを用いた例について説明したが、バルク波を用いてもよい。その場合であっても、厚み方向に積層した圧電膜を含む構造体をの振動を確保するために、振動空間6が必要となる。
(追記)
本明細書から以下の別概念の発明を抽出することができる。
[構成1]
基板と、
該基板の主面上に配置された、弾性波を発生させる励振電極と、
前記基板の前記主面と間隔を開けて配置される、前記基板よりも線膨張係数の小さい材料からなる蓋体と、
前記蓋体と前記基板とを接合する接合部と、を備え、
前記接合部は、前記基板の前記主面上に配置された第1接合部と、前記第1接合部と前記蓋体との間に配置される第2接合部と、を含み、
前記接合部の外周は、少なくとも1つの段差部を備えるとともに、前記第1接合部と前記第2接合部との接合面を挟む両側は同一面となっている弾性波素子。
[構成2]
構成1の弾性波素子において、前記第2接合部は前記蓋体の端部よりも内側に配置されている、弾性波素子。
上記の構成により、モデル4(図6(d))や、変形例3のように、接合界面から離れた位置に応力を集中させることで、接合界面への応力発生を抑制することができる。
このような段差部を第1接合部、第2接合部にそれぞれ設けたときには、SAW素子がどの方向に沿った場合でも応力を緩和することができる。
1・・・弾性表面波素子(SAW素子,弾性波素子)
2・・・励振電極
3・・・基板
4・・・蓋体
5・・・接合部
6・・・振動空間
7・・・端子パッド
9・・・引出電極
11・・・接続配線

Claims (6)

  1. 基板と、
    該基板の主面上に配置された、弾性波を発生させる励振電極と、
    前記基板の前記主面と間隔を開けて配置される、前記基板よりも線膨張係数の小さい材料からなる蓋体と、
    前記蓋体と前記基板とを接合する接合部と、を備え、
    前記接合部は、前記基板の前記主面上に配置された第1接合部と、前記第1接合部と前記蓋体との間に配置される第2接合部と、を含み、前記第1接合部の外縁は、前記第2接合部の外縁よりも内側にある弾性波素子。
  2. 前記第1接合部の内縁は、前記2第接合部の内縁よりも内側に位置する、請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記接合部は、前記励振電極が形成された領域の外側に位置し、前記領域を囲む環状である、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 前記蓋体の前記基板と反対側の主面における外縁は、前記第2接合部の外縁よりも外側に位置している、請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性波素子。
  5. 前記基板の下面に、支持基板が接合された、請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性波素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波素子と、前記弾性波素子が実装される回路基板と、前記弾性波素子と前記回路基板の実装面とを覆う樹脂と、を含む弾性波装置。
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JP2019106698A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 株式会社村田製作所 電子部品モジュール

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