JP6949564B2 - 補強ボード - Google Patents

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Description

本発明は、乗り物の外板材に貼り付けられる補強ボードに関する。
特許文献1に示される車両のルーフ構造では、ルーフパネルに取り付けられたリンフォースとルーフトリムとの間に吸音材が取り付けられている。
実登第2511754号公報(図1)
特許文献1のルーフ構造において、軽量化を図るために、ルーフパネルを薄くしたり、リンフォースを廃止したりすると、ルーフパネルに必要とされる剛性が確保できなくなるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、外板材の軽量化と剛性の確保が可能な補強ボードの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明の第1態様は、乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材の前記内装材側を向く面に貼り合わされる補強ボードであって、連続気泡構造を有する発泡シートを基材として有すると共に、その発泡シートの両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シートを有する補強ボードである。
発明の第2態様は、第1態様に記載の補強ボードにおいて、前記1対のガラス繊維シートのうち前記内装材側に配される前記ガラス繊維シートの目付量が130g/m以上である補強ボードである。
発明の第3態様は、第1態様又は第2態様に記載の補強ボードにおいて、前記1対のガラス繊維シートのうち前記外板材側に配される前記ガラス繊維シートの目付量が130g/m以上である補強ボードである。
発明の第4態様は、第1態様から第3態様のうち何れか1の態様に記載の補強ボードにおいて、前記1対のガラス繊維シートの目付量の合計が700g/m以下である補強ボードである。
発明の第5態様は、第1態様から第4態様のうち何れか1の態様に記載の補強ボードにおいて、前記発泡シートとの間に前記ガラス繊維シートを挟んで前記補強ボードの外面を構成する面材をさらに有する補強ボードである。
本発明に係る補強ボードは、乗り物の外板材のうち内装材側を向く面に貼り合わされる。この補強ボードは、連続気泡構造を有する発泡シートを基材として有すると共に、その発泡シートの両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シートを有する構成となっているので、外板材を薄くしたり、リンフォースを廃止したりしても、外板材の剛性を確保することが可能となる。即ち、本発明によれば、外板材の軽量化と剛性の確保が可能となる。しかも、本発明の補強ボードでは、発泡シートによって吸音機能を発揮することが可能となる。
ここで、内装材側に配されるガラス繊維シートの目付量は、外板材の曲げ弾性の観点から、130g/m以上であることが好ましい(発明の第2態様)。また、外板材側に配されるガラス繊維シートの目付量は、外板材の曲げ強度の観点から、130g/m以上であることが好ましい(発明の第3態様)。また、1対のガラス繊維シートの目付量の合計は、軽量化の観点から、700g/m以下であることが好ましい(発明の第4態様)。
また、発泡シートとの間にガラス繊維シートを挟んで補強ボードの外面を構成する面材を備えることで、補強ボードの外板材への接着性の向上や補強ボードの吸音性能の向上が図られる。なお、補強ボードの吸音性能の向上には、面材として不織布シートを用いることが好ましい。
(A)本発明の一実施形態に係る補強ボードが取り付けられた車両の斜視図、(B)車両の天井部の断面図 ルーフパネル及び補強ボードの断面図 実験例1〜7の組成と降伏点を示すテーブル 実験例8〜12の組成と荷重変位曲線の勾配の関係を示すテーブル
図1(A)に示されるように、本実施形態の補強ボード10は、車両90のルーフパネル91に取り付けられる。具体的には、図1(B)に示されるように、補強ボード10は、ルーフパネル91と内装用の成形天井92との間に配置され、ルーフパネル91の成形天井92側(即ち、車室側)を向く面に接着材93(図2参照)を介して貼り付けられる。接着材93は、特に限定されるものではなく、湿気硬化型の接着剤であってもよいし、ホットメルト接着剤であってもよいし、両面テープであってもよい。ここで、ルーフパネル91は、中央部が車両90の外側へ膨出するように湾曲し、ルーフパネル91の成形天井92側を向く面は凹状の湾曲面91Mとなっている。
図1(B)に示されるように、補強ボード10は、複数のシートが貼り合わされた積層シート20がルーフパネル91の湾曲面91Mに沿った形状に賦形されてなる。図2には、積層シート20の層構造の詳細が示されている。同図に示されるように、積層シート20は、基材としての発泡シート21と、発泡シート21の両面にバインダを介して貼り合わされる1対のガラス繊維シート22,22と、を有している。そして、発泡シート21が1対のガラス繊維シート22,22によって補強されている。
また、図2に示されるように、積層シート20は、発泡シート21との間にガラス繊維シート22,22を挟んで補強ボード10の外面を構成する第1面材23及び第2面材24を有している。第1面材23は、ルーフパネル91側に配され、第2面材24は、成形天井92側に配される。なお、第1面材23及び第2面材24は、ガラス繊維シート22に含浸したバインダによってガラス繊維シート22,22に接着されている。
積層シート20を構成する各シート、即ち、発泡シート21、ガラス繊維シート22、第1面材23及び第2面材24の詳細については、以下のようになっている。
発泡シート21は、連続気泡構造の発泡体で構成されている。具体的には、本実施形態では、発泡シート21は、硬質ウレタンフォームである。発泡シート21の密度は、20〜80kg/mであり、発泡シート21の厚みは、6.5〜14mmである。なお、積層シート20全体の厚み、即ち、補強ボード10の厚みは、7〜15mmとなっていて、発泡シート21は、例えば、補強ボード10の厚みの43〜93%を占めることになる。
発泡シート21は、補強ボード10の補強効果の観点から、アスカーC硬さ(JIS K7312に準拠。)が30以上のものが好ましく、35以上のものがさらに好ましい。また、発泡シート21は、通気性を有することが好ましい。これにより、発泡シート21に吸音性を付与することが可能となる。発泡シート21の通気量(JIS L1096 通気性A法に準拠。)は、補強ボード10を構成する発泡シート21の厚みにおいて測定を行い、好ましくは、2〜20cc/cm/秒であり、より好ましくは、5〜10cc/cm/秒である。発泡シート21の通気量が5cc/cm/秒より低いと、高周波の吸音性が低下する。発泡シート21の通気量が20cc/cm/秒より高いと低周波の吸音性が低下する。
発泡シート21としては、ポリウレタン発泡体に代表される公知の連続気泡構造の発泡体で構成されたシートを用いることができる。ポリウレタン発泡体は、硬質ポリウレタン発泡体であっても軟質ポリウレタン発泡体であってもよいが、補強ボード10への補強性能の観点から、硬質ポリウレタン発泡体であることが好ましい。また、発泡シート21を連続気泡構造の発泡体で構成することにより、発泡シート21に吸音性を付与することが可能となる。なお、補強ボード10の断熱性能の観点から、発泡シート21がポリウレタン発泡体で構成されていることが好ましい。
ガラス繊維シート22は、ガラス繊維がフェルト状に加工されたガラスマットであってもよいし、ガラス繊維が格子状に織られてなるガラスクロスであってもよい。積層シート20の成形性の観点からは、ガラス繊維シート22は、ガラスマットであることが好ましく、チョップストランドマットであることがより好ましい。
後述する確認実験の結果に示されるように、ルーフパネル91側に配置されるガラス繊維シート22の目付量は、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の降伏点に影響を及ぼす。また、成形天井92側に配置されるガラス繊維シート22の目付量は、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の荷重変位曲線の勾配に影響を及ぼす。ルーフパネル91に求められる曲げ強度の観点から、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量は、130〜600g/mであることが好ましく、150〜600g/mであることがより好ましい。ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量を130g/m以上とすることで、積層された本構成の補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ強度(降伏点)を60N以上とすることができ、さらにこのガラス繊維シート22の目付量を150g/m以上とすることで、積層された補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ強度(降伏点)を80N以上とすることができる。
また、ルーフパネル91に求められる曲げ弾性の観点から、成形天井92側のガラス繊維シート22の目付量は、130〜600g/mであることが好ましく、150〜600g/mであることがより好ましい。成形天井92側(車室側)のガラス繊維シート22の目付量を130g/m以上とすることで、積層された本構成の補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ弾性(荷重変位曲線の勾配)を4N/mm以上とすることができ、さらにこのガラス繊維シート22の目付量を150g/m以上とすることで、積層された補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ弾性(荷重変位曲線の勾配)を6N/mm以上とすることができる。
なお、補強ボード10の重量の観点から、2つのガラス繊維シート22,22の目付量の合計は、700g/m以下であることがより好ましい。これにより、発泡シート21の厚みや密度にもよるが、補強ボード10の単位面積当たりの重量を1600g/m以下に軽量化することが可能となる。
上述のバインダとしては、例えば、熱硬化性樹脂からなるものが挙げられる。このようなバインダの例としては、安価で且つ接着性が良好な液状イソシアネートが挙げられる。液状イソシアネートは、熱及び触媒の存在下で水との反応により硬化して、接着材として機能するものである。液状イソシアネートの例としては、例えば、芳香族系のTDI(トルエンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(4,4'ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(1,5−ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、TMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネート)、及びそれらの変性体(具体的には、ウレタン変性、アロファネート変性、ビューレット変性、カルボイミド/ウレトニミン変性等種々の変性がなされたもの)が挙げられるが、好ましくは、ポリメリックMDI、TDI変性体、MDI変性体、又はそれらの混合物である。また、これらの液状イソシアネートとしては、粘度3〜300cpのものが、浸透性や塗布性等に優れるので、より好ましい。また、これらのうち特にポリメリックMDIは蒸気圧が低くガラス繊維との親和性が良好で、反応性・接着性、作業性の面で適している。これら液状イソシアネートの種類は、接着性・反応性・積層シート20の強度・作業性等に応じて適宜選択される。
第1面材23は、通気性を有しない樹脂フィルムで構成されている。第1面材23は、接着材93との接着性やバインダとの接着性の観点から、表面が平滑な樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムを構成する樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン等の樹脂が挙げられる。また、第1面材23は、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等の不織布で構成することもできる。第1面材23を不織布で構成することにより、補強ボード10の吸音性を高めることができ、車両90の車室内の会話や音楽をより聞き取りやすくすることが可能となる。
第2面材24は、不織布シートで構成されている。具体的には、第2面材24は、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等で構成される。第2面材24の通気量(JIS L1096 通気性A法に準拠。)は、10〜200cc/cm/秒であることが好ましい。第2面材24の通気性が10cc/cm/秒より低いと、補強ボード10の吸音性能が低下し、200cc/cm/秒より高いと、第2面材24からのバインダの染み出しが生じる。また、第2面材24の厚みは、0.5mm以上であることが好ましい。積層シート20への賦形を容易にするために、第2面材24の引張破断伸び(JIS L1913 一般不織布試験方法 6.3引張強さ及び伸び率に準拠。)は、20%以上が好ましい。なお、本実施形態では、第2面材24が通気性を有することから、成形天井92側、即ち、車室側からの音を発泡シート21で吸収し易くなっている。
本実施形態の補強ボード10の構成に関する説明は以上である。なお、本実施形態では、ルーフパネル91が本発明の「外板材」に相当し、成形天井92が本発明の「内装材」に相当する。
次に、本実施形態の補強ボード10の作用効果について説明する。本実施形態の補強ボード10は、車両90のルーフパネル91のうち車室側(成形天井92側)を向く面に接着材93(例えば、湿気硬化型等の接着剤、両面テープ等)で貼り合わされる。補強ボード10は、連続気泡構造を有する発泡シート21を基材として有すると共に、その発泡シート21の両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シート22,22を有する構成となっているので、ルーフパネル91を薄くしたり、ルーフパネル91に取り付けられるリンフォースを廃止したりしても、ルーフパネル91の剛性を確保することが可能となる。即ち、本実施形態によれば、ルーフパネル91の軽量化と剛性の確保が可能となる。しかも、補強ボード10では、発泡シート21によって吸音機能を発揮することが可能となる。
ここで、ルーフパネル91側に配されるガラス繊維シート22の目付量が130g/m以上であると、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ強度の上昇が図られる。また、成形天井92側(車室側)に配されるガラス繊維シート22の目付量が130g/m以上であると、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の曲げ弾性の向上が図られる。
また、補強ボード10は、発泡シート21との間にガラス繊維シート22を挟んで補強ボード10の外面を構成する第1面材23及び第2面材24を備える。ここで、ルーフパネル91側に配される第1面材23が樹脂フィルムで構成されることで、補強ボード10のルーフパネル91への接着性の向上が図られる。また、車室側(成形天井92側)に配される第2面材24は不織布シートで構成されているので、補強ボード10の吸音性能の向上が図られる。
[確認実験]
<補強性能>
ガラス繊維シート22の目付量と、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の剛性と、の関係を実験により確認した。図3には、実験例1〜7における補強ボード10の構成要素と該補強ボードが取り付けられたルーフパネル91の降伏点が示されていて、図4には、実験例8〜12における補強ボード10の構成要素と該補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の荷重変位曲線の勾配が示されている。なお、実験例1〜12では、発泡シート21としての連続気泡構造の硬質ウレタンフォームの両面に、ガラス繊維シート22としてガラスマットを積層し、バインダとしてポリメリックMDIを45g/m散布し、さらに、第1面材23としてPP樹脂フィルム(厚み30μm)を、第2面材24として不織布シート(目付量30g/m)を積層し、加熱して、補強ボード10を成形した。
降伏点の測定は、ルーフパネル91としての鉄板(厚み0.7mm)に補強ボード10を両面テープで貼り付けたサンプルを準備し、JIS K 7171に準拠した治具を用い、鉄板側を試験面として荷重を加え行った。サンプルのサイズは150mm×500mmとし、補強ボード10を鉄板に貼り付けた後、24時間常温で放置したものを用いた。測定は、サンプルの支点間の距離が400mm、荷重の押し込み速度が10mm/minの条件で行った(例えば、SHIMADZU製の装置(型番AG−Xplus)を使用した。測定方法については、JIS K 7171に準拠)。サンプルの降伏点の値が、60N未満を×、60N以上80N未満を△、80N以上200N未満を○、200N以上を◎、と評価した。
荷重変位曲線の勾配の測定は、降伏点の測定と同様に、ルーフパネル91としての鉄板(厚み0.7mm)に補強ボード10を両面テープで貼り付けたサンプルを準備し、JIS K 7171に準拠した治具を用い、鉄板側を試験面として荷重を加え行った。サンプルのサイズは150mm×500mmとし、補強ボード10を鉄板に貼り付けた後、24時間常温で放置したものを用いた。測定は、サンプルの支点間の距離が400mm、荷重の押し込み速度が10mm/minの条件で行った(例えば、SHIMADZU製の装置(型番AG−Xplus)を使用した。測定方法については、JIS K 7171に準拠)。サンプルの荷重変位曲線の勾配の値が、4N/mm未満を×、4N/mm以上6N/mm未満を△、6N/mm以上8N/mm未満を○、8N/mm以上を◎、と評価した。
図3に示されるように、実験例1,2の間、実験例3,4の間、実験例5,6の間では、発泡シート21の密度及び厚みと車室側のガラス繊維シート22の目付量が同じであって、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量のみが異なっている。そして、実験例1,2の比較、実験例3,4の比較、実験例5,6の比較から、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量が大きくなると、降伏点が大きくなることが分かる。なお、図3には示されていないが、実験例1,2の間、実験例3,4の間、実験例5、6の間では、荷重変位曲線の勾配は約7〜16N/mmとなり、全て○以上の評価であった。以上から、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量は、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の降伏点に影響を与えることが確認できた。
図4に示されるように、実験例8,9の間、実験例10〜12の間では、発泡シート21の密度及び厚みとルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量が同じであって、車室側のガラス繊維シート22の目付量のみが異なっている。そして、実験例8,9の比較、実験例10〜12の比較から、車室側のガラス繊維シート22の目付量が大きくなると、荷重変位曲線の勾配が大きくなることが分かる。なお、図4には示されていないが、実験例8では降伏点は81Nで○評価であり、実験例9〜12では、降伏点は約180〜260Nとなり、〇以上の評価であった。以上から、車室側のガラス繊維シート22の目付量は、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の荷重変位曲線の勾配に影響を与えることが確認できた。
このように、補強ボード10では、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量を調整することで、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の降伏点が調整され、車室側のガラス繊維シート22の目付量を調整することで、補強ボード10が取り付けられたルーフパネル91の荷重変位曲線の勾配が調整されることが確認できた。なお、ルーフパネル91に求められる曲げ強度を考慮すると、ルーフパネル91側のガラス繊維シート22の目付量は、130g/m以上であることが好ましい。また、ルーフパネル91に求められる曲げ弾性を考慮すると、車室側のガラス繊維シート22の目付量は、130g/m以上であることが好ましい。
<吸音性能>
上述のようにして得られた実験例5,9の補強ボード10について、JIS A1409「残響室法吸音率の測定方法」に準じ、残響室にて測定し吸音率を求めた。実験例5の補強ボード10では、周波数1050Hzにおける吸音率が0.13、周波数1600Hzにおける吸音率が0.24、周波数4000Hzにおける吸音率が0.39、であった。また、実験例9の補強ボード10では、周波数1050Hzにおける吸音率が0.19、周波数1600Hzにおける吸音率が0.28、周波数4000Hzにおける吸音率が0.45、であった。なお、実験例5に使用した発泡シート21の通気量は6cc/cm/秒、実験例9に使用した発泡シート21の通気量は14cc/cm/秒であった。
実験例5,9では、第1面材23がPP樹脂フィルムであったが、これを不織布シート(目付量30g/m)に変更し、他はそれぞれ実験例5,9の積層構成と同じ補強ボード10を成形した。これをそれぞれ実験例13,14とする。実験例13の補強ボード10では、周波数1050Hzにおける吸音率が0.80、周波数1600Hzにおける吸音率が0.87、周波数4000Hzにおける吸音率が0.56、であった。また、実験例14の補強ボードでは、周波数1050Hzにおける吸音率が0.58、周波数1600Hzにおける吸音率が0.91、周波数4000Hzにおける吸音率が0.65、であった。第1面材23は、ルーフパネル91(外板材)に接着材93(例えば、湿気硬化型等の接着剤や両面テープ)で貼り合される部分であるにもかかわらず、実験例13,14の補強ボード10では、1000〜1600Hzにおける中周波数域の残響室法吸音率が0.5以上〜0.91と非常に良くなっている。
<制振性能>
制振性能は、パネル加振法により評価した。パネル加振法は、600mm×500mmで、厚さが1.6mmの鋼板パネルの周囲をフレームで固定し、その鋼板パネルを、または、その鋼板パネルの上に補強ボード10を両面テープで貼り付けたものをサンプルとして、上記フレームを低周波(50〜500Hz)にて振動させ、このときのフレームの加速度aとサンプル表面中央部の加速度bを測定し、両者の比a/bを算出した。そして、各共振点での半値幅法により損失係数を求めた。なお、補強ボード10は、鋼板パネルの中央に、480mm×380mmの大きさで貼り付けた。損失係数は、その値が大きい程制振性が高いとされ、0.05以上の値であれば制振性が高いと判断され、0.02以上で制振性があると判断される。以下では、損失係数の値が、0.05以上であれば、〇と評価し、0.02以上0.05未満であれば、△と評価した。
まず、鋼板パネル(厚み1.6mm)単独のサンプルの制振性の測定を行った。その結果、周波数68Hzにおける損失係数は0.018、周波数204Hzにおける損失係数は0.009、周波数287Hzにおける損失係数は0.005、であった。
次に、実験例3の補強ボード10を鋼板パネル(厚み1.6mm)に貼り付けたサンプルでは、周波数78Hzにおける損失係数は0.088、周波数235Hzにおける損失係数は0.050、周波数326Hzにおける損失係数は0.036、であった。この構成では、周波数78Hzと235Hzにおいて損失係数が0.050以上となり高い制振性が得られ(評価○)、周波数326Hzにおいても、鋼板パネル単独に比べ制振性を有している(評価△)ことがわかる。
また、実験例7の補強ボード10を鋼板パネル(厚み1.6mm)に貼り付けたサンプルでは、周波数75Hzにおける損失係数は0.083、周波数212Hzにおける損失係数は0.038、周波数297Hzにおける損失係数は0.017、であった。この構成では、周波数75Hzにおいて損失係数が0.050以上となり高い制振性が得られ(評価○)、周波数212Hzにおいても、鉄板パネル単独に比べ制振性を有している(評価△)ことがわかる。なお、実験例7の荷重変位曲線の勾配は、5.7N/mm(評価△)であった(図3参照)。
以上により、本実施形態の補強ボード10によれば、ルーフパネル91に取り付けられる補強ボードに要求される補強性能に加えて、吸音性能、制振性能についても、付随的に発揮可能となることが確認できた。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、補強ボード10がルーフパネル91に取り付けられる例を示したが、車両90のドアパネルに取り付けられてもよい。
(2)上記実施形態において、補強ボード10は、第1面材23と第2面材24のうち一方又は両方の面材を備えない構成としてもよい。
10 補強ボード
21 発泡シート
22 ガラス繊維シート
23 第1面材
24 第2面材
91 ルーフパネル(外板材)
92 成形天井(内装材)

Claims (10)

  1. 乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材の前記内装材側を向く面に貼り合わされる補強ボードであって、
    連続気泡構造を有する発泡シートを基材として有すると共に、その発泡シートの両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シートを有し、
    前記内装材側から前記発泡シートとの間に前記ガラス繊維シートを挟む面材を有する補強ボード。
  2. 乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材の前記内装材側を向く面に貼り合わされる補強ボードであって、
    連続気泡構造を有する発泡シートを基材として有すると共に、その発泡シートの両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シートを有し、
    前記1対のガラス繊維シートの目付量の合計が480g/m 以上である補強ボード。
  3. 乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材の前記内装材側を向く面に貼り合わされる補強ボードであって、
    連続気泡構造を有する発泡シートを基材として有すると共に、その発泡シートの両面に貼り合わされる1対のガラス繊維シートを有し、
    前記発泡シートの密度は、20〜80kg/m である補強ボード。
  4. 請求項1から3のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードにおいて、
    前記1対のガラス繊維シートのうち前記内装材側に配される前記ガラス繊維シートの目付量が130g/m 以上である補強ボード。
  5. 請求項1から4のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードにおいて、
    前記1対のガラス繊維シートのうち前記外板材側に配される前記ガラス繊維シートの目付量が130g/m 以上である補強ボード。
  6. 請求項1から5のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードにおいて、
    前記1対のガラス繊維シートの目付量の合計が700g/m 以下である補強ボード。
  7. 請求項1から6のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードにおいて、
    前記発泡シートとの間に前記ガラス繊維シートを挟んで前記補強ボードの外面を構成する面材を有している補強ボード。
  8. 請求項1から7のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードであって、
    前記発泡シートと前記1対のガラス繊維シートとを含む積層シートが、前記外板材における前記内装材側を向く面に沿った形状に、熱成形により賦形されてなり、
    前記発泡シートと前記1対のガラス繊維シートとの間は、熱硬化性のバインダが熱成形により硬化することで接着されている補強ボード。
  9. 請求項1から8のうち何れか1の請求項に記載の補強ボードが、前記外板材としてのルーフパネルに貼り合わされてなるルーフ構造。
  10. 請求項9に記載のルーフ構造であって、
    前記補強ボードが貼り合わされた前記ルーフパネルの曲げ弾性が4N/mm以上であるか、又は、前記補強ボードが貼り合わされた前記ルーフパネルの曲げ強度が60N以上であるルーフ構造。
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