[1]第1実施例
図1は第1実施例に係る特典提供システム1の全体構成を表す。特典提供システム1は、商品の購入時に利用可能な特典をユーザに提供して、販売を促進するためのシステムである。商品には、物品の形態で提供されるもの(日用品、食品、飲料品及び衣料品等)と、サービスの形態で提供されるもの(交通、宿泊、外食及びコンテンツ等)の両方が含まれる。
本実施例では、複数の店舗で共通して利用可能な共通ポイントが特典として提供される場合を説明する。共通ポイントは、一般的なポイントと同様に、累積させて利用させることができる。また、共通ポイントは、複数の店舗でそれぞれ付与され、それら複数の店舗の各々で利用可能である。言い換えると、共通ポイントを取り扱う複数の店舗においては、どの店舗でも共通ポイントが付与され、且つ、付与された共通ポイントをどの店舗で利用してもよい。
共通ポイントを取り扱う複数の店舗には、客が現地に訪問して商品を購入するいわゆる実店舗の他、インターネット上で商品を購入するいわゆるネットショップ及びテレビで紹介された商品を電話で連絡して購入するテレビショッピング等が含まれる。特典提供システム1は、ネットワーク2と、複数の店舗端末10と、ポイント管理サーバ装置20と、特典情報サーバ装置30と、ユーザ端末40とを備える。
ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む通信システムであり、自システムにアクセスする装置同士のデータのやり取りを仲介する。ネットワーク2には、店舗端末10、ポイント管理サーバ装置20及び特典情報サーバ装置30が有線通信でアクセスしており、ユーザ端末40が無線通信でアクセスしている。なお、ネットワーク2とのアクセスは有線通信及び無線通信のどちらでもよい。
複数の店舗端末10は、それぞれが店舗に設置されて、その店舗における商品の電子決済処理及びその際に利用される特典に関する処理等を行う情報処理装置である。各店舗端末10は、例えば、自端末が設置された店舗におけるユーザの購入履歴と、その店舗においてユーザが利用した共通ポイントをポイント管理サーバ装置20に通知する。
ポイント管理サーバ装置20は、共通ポイントを管理する処理を行う情報処理装置であり、各ユーザについて付与された共通ポイントの累積値を記憶する。店舗端末10が電子決済処理を行う際に、店舗端末10又はその電子決済を制御する電子決済システムのサーバ装置からポイント管理サーバ装置20に対してユーザが現在保持する共通ポイント(共通ポイントの累積値のこと)の問い合わせが行われる。ポイント管理サーバ装置20は、その問い合わせに対して記憶している累積値を回答し、電子決済時にユーザが共通ポイントを利用すれば、利用された共通ポイントをその累積値から減算する。
特典情報サーバ装置30は、ユーザに提供する特典を示す特典情報を出力する処理を行う情報処理装置である。特典情報サーバ装置30の処理により提供される特典は、各店舗において付与された特典と利用された特典との差を小さくするための特典である。共通ポイントを取り扱う複数の店舗においては、付与される共通ポイントが多い割に利用される共通ポイントが少ない付与過剰の店舗と、付与される共通ポイントが少ない割に利用される共通ポイントが多い利用過剰の店舗と、付与される共通ポイントと利用される共通ポイントとが拮抗していてバランスがよい店舗とが生じ得る。
共通ポイントは、例えば付与した店舗が費用を負担するものとする。その場合、付与過剰の店舗は、費用負担ばかり大きくて、特典を付与したので次回以降も来店が見込まれていた客が他の店舗に来店している状態になるので、メリット(来客数の増加等)よりもデメリット(費用負担等)の方が大きく、共通ポイントという特典の仕組みに対して不公平感が生じる。従って、特典の仕組みを運営していく上では、特典の差(付与された特典と利用された特典との差)が小さいほど、言い換えると特典の付与と利用のバランスがよいほど、店舗の運営者からの不満が生じにくくなって望ましい。
特典情報サーバ装置30は、付与される共通ポイントと利用される共通ポイントとの差を小さくするための特典を示す特典情報を出力する。例えば、付与過剰の店舗Aと、利用過剰の店舗Bとがあり、商品を購入すると購入金額に付与率α1を乗じた値が共通ポイントとして付与されるものとする。その場合に、特典情報サーバ装置30は、例えば付与過剰の店舗Aにおいて共通ポイントを利用した場合には共通ポイントを2倍に換算して利用可能なことを示す情報を特典情報としてポイント管理サーバ装置20に対して出力する。
ポイント管理サーバ装置20は、受け取った特典情報に基づいて、店舗Aからの共通ポイントの問い合わせに対しては保持されている共通ポイント(つまり累積値)を2倍にして回答し、店舗Aでその回答された2倍の共通ポイント(実際には2倍に換算された共通ポイント)の一部又は全部が利用されると、利用された共通ポイント(2倍に換算された共通ポイント)の2分の1(実際に利用された共通ポイント)を累積値から減算する。その結果、店舗Aでは保持する共通ポイントが2倍の価値に換算されることになるので、付与過剰の店舗Aにおいても共通ポイントを積極的に利用するユーザが増えて利用される共通ポイントが増え、付与される共通ポイントと利用される共通ポイントとの差が小さくなる。
また、特典情報サーバ装置30は、利用過剰の店舗Bにおける共通ポイントの付与率をα2(α2はα1の2倍)にすることを示す情報を特典情報として出力する。ポイント管理サーバ装置20は、受け取った特典情報に基づいて、店舗Bで商品が購入されると付与率α2を用いて共通ポイントを付与する。その結果、店舗Bでは商品を購入したときに付与される共通ポイントが2倍になるので、利用過剰の店舗Bにおいて商品自体を積極的に購入するユーザが増えて付与される共通ポイントが増え、付与される共通ポイントと利用される共通ポイントとの差が小さくなる。
また、特典情報サーバ装置30は、上記のとおり店舗毎に異なる特典を示す特典情報をユーザ端末40に対して出力する。この特典情報は、店舗毎の特典の状況をユーザに通知する役割を果たす。ユーザ端末40は、ユーザが利用するスマートフォン等の端末装置であり、出力されてきた特典情報を表示する。ユーザは、表示された特典情報を見ることで、店舗Aで商品を購入する際には共通ポイントを2倍に換算して利用可能であり、店舗Bで商品を購入すれば2倍の共通ポイントが付与されることを知ったうえで、商品を購入する店舗及び共通ポイントを利用する店舗を決定することができる。
図2は店舗端末10、ポイント管理サーバ装置20及び特典情報サーバ装置30のハードウェア構成を表す。これらの装置は、いずれも、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14と、入力装置15と、出力装置16と、バス17という各装置を備えるコンピュータである。なお、ここでいう「装置」という文言は、回路、デバイス及びユニット等に読み替えることができる。また、各装置は、1つ又は複数含まれていてもよいし、一部の装置が含まれていなくてもよい。
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ11は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を、ストレージ13及び/又は通信装置14からメモリ12に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
各種処理を実行するプロセッサ11は1つでもよいし、2以上であってもよく、2以上のプロセッサ11は、同時又は逐次に各種処理を実行してもよい。また、プロセッサ11は、1以上のチップで実装されてもよい。プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ12は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及びRAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ及びメインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ12は、前述したプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を保存することができる。
ストレージ13は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ13は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ12及び/又はストレージ13を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置14は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。入力装置15は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。
出力装置16は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置15及び出力装置16は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。また、プロセッサ11及びメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17を介して互いにアクセス可能となっている。バス17は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、店舗端末10、ポイント管理サーバ装置20及び特典情報サーバ装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ11は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
図3はユーザ端末40のハードウェア構成を表す。ユーザ端末40は、プロセッサ41と、メモリ42と、ストレージ43と、通信装置44と、入力装置45と、出力装置46と、測位装置47と、バス48という各装置を備えるコンピュータである。プロセッサ41から出力装置46及びバス48は、図2に表す同名の各装置と共通するハードウェアである。測位装置47は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を用いて自身の位置を測定するセンサを有し、測定した位置を緯度及び経度で表す位置データをプロセッサ41に供給する。
特典提供システム1が備える各装置のプロセッサがプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図4は特典提供システム1が実現する機能構成を表す。店舗端末10は、決済情報通知部101と、共通ポイント表示部102と、利用ポイント通知部103とを備える。
ポイント管理サーバ装置20は、共通ポイント付与部201と、共通ポイント管理部202と、共通ポイント回答部203と、利用ポイント減算部204とを備える。特典情報サーバ装置30は、特典処理開始指示部301と、特典関連情報取得部302と、付与・利用差検出部303と、対象店舗抽出部304と、特典決定部305と、特典情報生成部306と、特典情報出力部307とを備える。ユーザ端末40は、位置情報送信部401と、特典情報表示部402とを備える。
店舗端末10の決済情報通知部101は、ユーザが商品を購入した際の決済に関する決済情報をポイント管理サーバ装置20に通知する。決済情報通知部101は、例えば、自端末が設置された店舗を識別する店舗ID(Identification)と、商品を購入したユーザを識別するユーザIDと、その商品の商品ID及び購入金額とを示す情報を決済情報として生成し、生成した決済情報をポイント管理サーバ装置20に送信することでこの通知を行う。
ポイント管理サーバ装置20の共通ポイント付与部201は、ユーザの商品の購入実績に応じた共通ポイントをそのユーザに付与する。共通ポイントは、購入される商品毎に、付与の有無と、付与率(購入金額に対する共通ポイントの割合)とが決まっている。ポイント管理サーバ装置20は、商品IDと、付与の有無と、付与率とを対応付けた付与率テーブルを記憶している。
共通ポイント付与部201は、決済情報通知部101から通知された決済情報に基づき、購入された商品の商品IDに付与率テーブルにおいて対応付けられた付与率を読み出し、読み出した付与率をその商品の購入金額に乗じた値(すなわち共通ポイント)と、購入者であるユーザのユーザID及び購入された店舗を示す店舗IDとを対応付けた付与情報を共通ポイント管理部202に供給する。
共通ポイント管理部202は、共通ポイントを管理する機能である。共通ポイント管理部202は、ユーザのユーザIDに対応付けてそのユーザについて累積された共通ポイントを記憶している。共通ポイント管理部202は、共通ポイント付与部201から付与情報が供給されると、その付与情報が示すユーザIDに対応付けて記憶している共通ポイントに、その付与情報が示す共通ポイントを加算する。これにより、新たに付与された共通ポイントが累積される。
店舗端末10の共通ポイント表示部102は、ユーザが保持している共通ポイントを自端末の表示手段に表示する。共通ポイント表示部102は、例えばユーザが商品を購入する際に、そのユーザの共通ポイントを表示する。その際、共通ポイント表示部102は、まず、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶されている共通ポイント(詳細には共通ポイントの現在の累積値)をポイント管理サーバ装置20に問い合わせる。
ポイント管理サーバ装置20の共通ポイント回答部203は、店舗端末10からユーザの共通ポイントの問い合わせを受け取ると、その店舗端末10に対して問い合わせされたユーザの共通ポイント(共通ポイントの現在の累積値)を回答する。共通ポイント回答部203は、問い合わせされたユーザIDに対応付けて記憶されている共通ポイントを共通ポイント管理部202から読み出し、読み出した共通ポイントを店舗端末10に回答する。共通ポイント表示部102は、回答された共通ポイントを表示する。
店舗端末10の利用ポイント通知部103は、ユーザが利用した共通ポイントをポイント管理サーバ装置20に通知する。店舗端末10を利用する店員は、共通ポイント表示部102によって表示された共通ポイントのうちユーザによって指示された利用ポイント(商品購入に際して利用するとユーザが決めた共通ポイント)を店舗端末10に入力する。利用ポイント通知部103は、こうして入力された利用ポイントと、自端末が設置された店舗の店舗ID及び共通ポイントを利用するユーザのユーザIDとを対応付けた利用情報をポイント管理サーバ装置20に通知する。
ポイント管理サーバ装置20の利用ポイント減算部204は、ユーザが消費した利用ポイントをそのユーザの共通ポイントから減算する。利用ポイント減算部204は、利用ポイント通知部103からユーザの利用ポイントを含む利用情報が通知されると、そのユーザの共通ポイントを共通ポイント管理部202から読み出し、読み出した共通ポイントから利用ポイントを減算する。利用ポイント減算部204は、減算後の共通ポイントを利用情報とともに共通ポイント管理部202に供給し、共通ポイント管理部202は、供給された共通ポイントで読み出された共通ポイントを更新する。
共通ポイント管理部202は、こうしてユーザ毎に保持されている共通ポイントの最新の累積値を記憶する。それとともに、共通ポイント管理部202は、共通ポイント付与部201から供給された付与情報(共通ポイントが付与された店舗の店舗IDと、その共通ポイントが付与されたユーザのユーザIDと、付与された共通ポイントとを対応付けた情報)と、利用ポイント減算部204から供給された利用情報(共通ポイントが利用された店舗の店舗IDと、その共通ポイントを利用したユーザのユーザIDと、利用された共通ポイントとを対応付けた情報)とを記憶する。付与情報及び利用情報は、店舗における共通ポイントの付与及び利用の状況を示す情報である。
以上が、共通ポイントの通常の付与及び利用に関する構成である。続いて、特典情報サーバ装置30が特典情報を出力する構成について説明する。特典情報サーバ装置30の特典処理開始指示部301は、特典処理(特典情報を出力するための処理)の開始を指示する。特典処理開始指示部301は、例えば、特典提供システム1を運用する事業者が特典処理を開始させる操作を行った場合に、特典処理の開始を指示する。
なお、特典処理開始指示部301は、決められた時間の間隔で又は決められた時刻に特典処理の開始を指示してもよい。また、ユーザ端末40の位置情報送信部401が、自装置の位置を示す位置情報を特典情報サーバ装置30に送信し、特典処理開始指示部301が、送信されてきた位置情報が示す位置と店舗等の特定の位置との距離が閾値未満になった場合に、そのユーザ端末40の利用者として対応付けられたユーザについての特典処理の開始を指示してもよい。
特典処理開始指示部301は、具体的には、特典関連情報取得部302に対して各店舗から特典関連情報を取得するよう指示する。特典関連情報とは、店舗において扱われる特典、すなわち店舗で付与される特典及び店舗で利用される特典に関する情報のことである。特典関連情報には、例えば、店舗で付与された共通ポイントの値と、その共通ポイントが付与された際の購入商品、購入金額及び購入日時と、店舗で利用された共通ポイントの値と、その共通ポイントが利用された際の購入商品、購入金額及び購入日時とが含まれている。このように、特典関連情報は、店舗における特典の付与及び利用の状況を示している。これらの情報は、前述したポイント管理サーバ装置20の共通ポイント管理部202に記憶されている。
特典関連情報取得部302は、前述した特典関連情報を取得することで、店舗における付与及び利用の状況を取得する。特典関連情報取得部302は本発明の「取得部」の一例である。特典関連情報取得部302は、特典処理開始指示部301から特典関連情報を取得するよう指示されると、上述した各店舗の付与情報及び利用情報の要求を示す要求データをポイント管理サーバ装置20に送信する。
ポイント管理サーバ装置20の共通ポイント管理部202は、この要求データを受け取ると、記憶している各店舗についての付与情報及び利用情報を特典情報サーバ装置30に送信する。特典関連情報取得部302は、こうして送信されてきた各店舗の付与情報及び利用情報を、複数の店舗の各々における付与及び利用の状況を示す特典関連情報として取得し、付与・利用差検出部303に供給する。
特典情報サーバ装置30の付与・利用差検出部303は、特典関連情報取得部302により取得された店舗における付与及び利用の状況に基づき、その店舗で付与された特典及びその店舗で利用された特典の差を検出する。付与・利用差検出部303は本発明の「検出部」の一例である。以下では、単に「特典の差」と言った場合、付与された特典及びその店舗で利用された特典の差を意味するものとする。
付与・利用差検出部303は、上記のとおり付与及び利用の状況が取得された複数の店舗の各々における特典の差であり、且つ、数値で表された特典の差を検出する。具体的には、付与・利用差検出部303は、過去の決められた期間(例えば1カ月、半年、1年間等)において店舗において付与された共通ポイントの合計値と、その期間にその店舗において利用された共通ポイントの合計値との差分を特典の差として検出する。付与・利用差検出部303は、この検出を、複数の店舗のそれぞれについて行う。
例えばその期間に店舗Aでは50万ポイントの共通ポイントを付与し、30万ポイントの共通ポイントが利用される場合、付与・利用差検出部303は、50万付与ポイント−30万利用ポイント=+20万ポイントを店舗Aにおける特典の差として検出する。また、その期間に店舗Bでは40万ポイントの共通ポイントを付与し、70万ポイントの共通ポイントが利用される場合、付与・利用差検出部303は、40万付与ポイント−70万利用ポイント=−30万ポイントを店舗Bにおける特典の差として検出する。
本実施例では、上記のとおり、特典の差が正の値であれば、その店舗においては付与ポイントの方が利用ポイントよりも多かったことを表し、特典の差が負の値であれば、その店舗においては利用ポイントの方が付与ポイントよりも多かったことを表す。付与・利用差検出部303は、こうして算出した特典の差を表す値を検出結果として対象店舗抽出部304及び特典決定部305に供給する。
なお、特典の差の正負の符号は反対でもよいし、特典の差を絶対値で表して、付与ポイント及び利用ポイントのうち多かった方を示す符号を付加した情報を検出結果としてもよい。要するに、特典の差の絶対値と、付与及び利用のどちらが多かったかが分かるようになっていれば、検出結果はどのような形式であってもよい。
対象店舗抽出部304は、付与・利用差検出部303によって検出された特典の差の絶対値が閾値Th1以上となっている店舗を複数の店舗から抽出する。対象店舗抽出部304は本発明の「抽出部」の一例である。例えば閾値Th1が25万ポイントであれば、対象店舗抽出部304は、特典の差の絶対値が20万ポイントの店舗Aは抽出せず、特典の差の絶対値が30万ポイントの店舗Bを抽出する。また、閾値Th1が10万ポイントであれば、対象店舗抽出部304は、店舗A及び店舗Bの両方を抽出する。対象店舗抽出部304は、抽出した店舗の店舗IDを特典決定部305に供給する。
特典決定部305は、付与・利用差検出部303により検出された特典の差が小さくなる価値の特典を、その特典の差が検出された店舗において独自に付与され又は利用される店舗独自の特典として決定する。本実施例では、特典決定部305は、対象店舗抽出部304により抽出された店舗、すなわち検出された特典の差の絶対値が閾値Th1以上の店舗について店舗独自の特典を決定する。
つまり、特典決定部305は、対象店舗抽出部304により抽出されなかった店舗、すなわち特典の差が閾値Th1未満の場合は、店舗独自の特典を決定しない。従って、特典の差の絶対値が閾値Th1未満の店舗においては、通常の付与率で特典が付与され、保持されている共通ポイントがそのまま利用ポイントとして扱われる。これに対し、特典の差の絶対値が閾値Th1以上の店舗においては、特典決定部305は、扱われる店舗によって価値が異なる特典を、前述した特典の差が小さくなる価値の特典として決定する。
具体的には、特典決定部305は、利用よりも付与が多い店舗の場合(つまり利用された共通ポイントよりも付与された共通ポイントが多い店舗の場合)は、特典の差が閾値Th1未満の店舗に比べて、利用するときの価値が大きくなる特典を店舗独自の特典として決定する。また、特典決定部305は、付与よりも利用が多い場合(つまり付与された共通ポイントよりも利用された共通ポイントが多い場合)は、特典の差が閾値Th1未満の店舗に比べて、付与されるときの価値が大きくなる特典を店舗独自の特典として決定する。この決定方法について、具体例を挙げて説明する。
図5は検出された店舗A〜Eの特典の差の一例を表す。図5の例では、店舗Aの特典の差Fa1、店舗Bの特典の差Fb1、店舗Cの特典の差Fc1、店舗Dの特典の差Fd1、店舗Eの特典の差Fe1が検出されている。各特典の差と閾値Th1(Th1は正の値)との大小関係が、Fe1<Fb1<−Th1<0<Fc1<Th1<Fa1<Fd1となっている。つまり、特典の差Fa1、Fb1、Fd1、Fe1については、絶対値が閾値Th1以上になっており、それらの特典の差が検出された店舗A、B、D、Eは、店舗独自の特典が決定される対象の店舗となっている。
特典決定部305は、店舗Cについては、特典の差の絶対値がTh1未満なので店舗独自の特典を決定しない。特典決定部305は、店舗A及び店舗Dについては、特典の差が正の値で且つその絶対値が閾値Th1以上であるため、利用よりも付与が多かったと判断し、保持されている共通ポイントを2倍に換算して利用可能という特典を店舗独自の特典として決定する。この店舗独自の特典は、特典の差が閾値Th1未満の店舗Cで扱われる特典に比べて、利用されるときの価値が大きくなる特典である。
また、特典決定部305は、店舗B及び店舗Eについては、特典の差が負の値で且つその絶対値が閾値Th1以上であるため、付与よりも利用が多かったと判断し、共通ポイントの付与率を2倍にするという特典を店舗独自の特典として決定する。この店舗独自の特典は、特典の差が閾値Th1未満の店舗Cで扱われる特典に比べて、付与されるときの価値が大きくなる特典である。特典決定部305は、こうして決定した店舗独自の特典の内容を特典情報生成部306に通知する。
特典情報生成部306は、特典決定部305により決定された店舗独自の特典を示す特典情報を生成する。特典情報生成部306は、例えば、店舗独自の特典を反映させる全ての店舗の店舗IDと、それらの店舗でそれぞれ提供される店舗独自の特典の内容(2倍の付与率又は2倍に換算して利用可能な共通ポイント等)とを示す情報を特典情報として生成する。特典情報生成部306は、この特典情報を、2種類のフォーマットで生成する。
1種類目は、ポイント管理サーバ装置20が共通ポイントに店舗独自の特典を反映させるためのフォーマットである。2種類目は、ユーザ端末40が店舗情報を表示してユーザに店舗独自の特典を通知するためのフォーマットである。以下では、1種類目のフォーマットで生成された特典情報を特典反映情報といい、2種類目のフォーマットで生成された特典情報を特典通知情報というものとする。特典情報生成部306は、こうして2種類のフォーマットでそれぞれ生成した特典情報を特典情報出力部307に供給する。
特典情報出力部307は、特典情報生成部306から供給された特典情報、すなわち特典決定部305により決定された店舗独自の特典を示す特典情報を出力する。特典情報出力部307は本発明の「出力部」の一例である。特典情報出力部307は、供給された特典反映情報をポイント管理サーバ装置20に対して出力し、供給された特典通知情報をユーザに対応する宛先に対して出力する。ユーザに対応する宛先とは、そのユーザの電子メールアドレス、SNS(Social Networking Service)のアカウント又はそのユーザが利用するユーザ端末40のIP(Internet Protocol)アドレス等であり、そのユーザのユーザIDに対応付けて特典情報サーバ装置30に記憶されている。
ポイント管理サーバ装置20が備える各部は、出力されてきた特典情報を受け取り、その特典情報が示す店舗独自の特典を共通ポイントに反映させる処理を行う。例えば、店舗Aの店舗IDと利用されるときの価値が大きくなる特典とを対応付けた特典情報を受け取った場合、共通ポイント回答部203は、店舗Aの店舗端末10からの或るユーザの共通ポイントの問い合わせに対して、共通ポイント管理部202に保持されているそのユーザの共通ポイントの2倍の共通ポイントを回答する。そして店舗Aでそのユーザが共通ポイントを利用すると、利用ポイント減算部204は、利用ポイントの2分の1を保持されている利用ポイントから減算する。
例えば1000共通ポイントを保持するユーザであれば、店舗Aにおいては2000共通ポイントが利用可能だと回答され、そのうちの200共通ポイントを利用すると、保持していた1000共通ポイントから利用ポイントの2分の1の100共通ポイントが減算されて900共通ポイントを保持することになる。つまり、このユーザは、店舗Aにおいて、元々保持していた共通ポイントのうちの100共通ポイントを2倍の共通ポイントに換算して利用したことになる。
また、店舗Bの店舗IDと付与されるときの価値が大きくなる特典とを対応付けた特典情報を受け取った場合、共通ポイント付与部201は、店舗Bの店舗端末10から或るユーザの決済情報を通知されると、付与率を2倍にして算出した共通ポイントを示す付与情報を共通ポイント管理部202に供給する。これにより、このユーザは、店舗Bにおいて商品を購入した際に例えば店舗独自の特典が決定されていない店舗Cで同じ商品を購入する場合に比べて2倍の共通ポイントが付与されたことになる。
ユーザ端末40の特典情報表示部402は、特典情報サーバ装置30から出力されてきた特典情報(特典通知情報)を表示する。
図6は表示された特典情報の一例を表す。図6の例では、特典情報表示部402が、自装置の出力装置46に、「特典のお知らせ」という画面で、「以下の店舗では独自の特典が提供されます!」という文字列を特典情報として表示している。
また、特典情報表示部402は、「店舗A、D、・・・」及び「共通ポイントを利用すると2倍に換算!」という文字列と、「店舗B、E、・・・」及び「2倍の共通ポイントを付与!」という文字列とを特典情報として表示している。これらの特典情報を見ることで、ユーザは、保持している共通ポイントを利用する場合には店舗AかDで商品を購入し、付与された共通ポイントを使わずに蓄える場合には店舗BかEで商品を購入しやすくなる。
特典提供システム1が備える各装置は、上記の構成に基づいて、店舗独自の特典を示す特典情報を出力する出力処理を行う。
図7は出力処理における各装置の動作手順の一例を表す。この動作手順は、例えば、特典提供システム1の運用事業者が特典処理を開始させる操作を行うことを契機に開始される。まず、特典情報サーバ装置30(特典関連情報取得部302)は、ポイント管理サーバ装置20に各店舗の付与情報及び利用情報を要求する(ステップS11)。
次に、ポイント管理サーバ装置20(共通ポイント管理部202)は、要求された各店舗の付与情報及び利用情報を読み出し(ステップS12)、特典情報サーバ装置30に送信する(ステップS13)。特典情報サーバ装置30(特典関連情報取得部302)は、送信されてきた付与情報及び利用情報を受け取ることで、店舗における付与及び利用の状況を取得する(ステップS14)。次に、特典情報サーバ装置30(付与・利用差検出部303)は、取得されたそれらの状況に基づき、店舗で付与された特典及びその店舗で利用された特典の差を検出する(ステップS15)。
続いて、特典情報サーバ装置30(対象店舗抽出部304)は、複数の店舗から検出された特典の差の絶対値が閾値Th1以上となっている店舗を抽出する(ステップS16)。次に、特典情報サーバ装置30(特典決定部305)は、抽出された店舗について、検出された特典の差が小さくなる価値の特典を店舗独自の特典として決定する(ステップS17)。続いて、特典情報サーバ装置30(特典情報生成部306)は、決定された店舗独自の特典を示す特典情報(詳細には特典反映情報及び特典通知情報)を生成する(ステップS18)。
次に、特典情報サーバ装置30(特典情報出力部307)は、生成された特典情報(特典反映情報)をポイント管理サーバ装置20に対して出力する(ステップS21)。ポイント管理サーバ装置20は、受け取った特典情報が示す店舗独自の特典を共通ポイントに反映させる反映処理を行う(ステップS22)。また、特典情報サーバ装置30(特典情報出力部307)は、生成された特典情報(特典通知情報)をユーザ端末40に対して出力する(ステップS23)。ユーザ端末40(特典情報表示部402)は、出力されてきた特典情報を表示する(ステップS24)。ステップS21及びS22の動作と、ステップS23及びS24の動作とは、並行して行われてもよいし、どちらかが先に行われてもよい。
本実施例では、上記の特典情報が出力されることで、店舗A及びCのように付与過剰の店舗において共通ポイントの利用が増えやすくなり、店舗B及びEのように利用過剰の店舗において共通ポイントの付与が増えやすくなる。これにより、店舗で特典が付与される機会と利用される機会とを均等に近づけること(言い換えると、各店舗における特典の付与と利用のバランスを取ること)ができる。つまり、上述した特典の差(付与された特典と利用された特典との差)が小さくなり特典の付与と利用のバランスがよくなって、このバランスが悪い場合に比べて、特典の仕組みに対する店舗運営者の満足度を向上させることができる。
また、本実施例では、扱われる店舗によって価値が異なる店舗独自の特典がユーザに提供されることで、特典の差が大きかった店舗における共通ポイントの付与及び利用が増えるようにしている。店舗独自の特典は、店舗によって価値が異なるという以外は、特典の利用条件が変わっていないので、ユーザは、例えば特典の価値が高い店舗に行きさえすれば、通常と同じように店舗独自の特典を付与させたり利用したりすることができる。
[2]第2実施例
本発明の第2実施例について、以下、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第1実施例では、扱われる店舗によって価値が異なる特典が店舗独自の特典として提供されたが、第2実施例では、扱われる店舗によって利用条件が異なる特典が店舗独自の特典として提供される。
本実施例の特典決定部305は、扱われる店舗によって利用条件が異なる店舗独自の特典を、付与・利用差検出部303により検出された特典の差が小さくなる特典として決定する。具体的には、特典決定部305は、特典の差の絶対値が閾値Th1以上の店舗において利用よりも付与が多い場合(つまり付与過剰の店舗の場合)は、その特典の差が閾値Th1未満の店舗に比べて利用しやすい利用条件の特典を店舗独自の特典として決定する。
本実施例では、上述した共通ポイントは、利用条件として有効期間が決められており、付与されてから有効期間が経過すると失効するものとする。例えば図5に表す付与及び利用のバランスがよい店舗Cでは、通常の有効期間(例えば1年間)が経過すると共通ポイントが失効する。一方、図5に表す付与過剰の店舗A、Dについては、特典決定部305は、特典の差が閾値Th1未満である店舗Cに比べて長い有効期間(例えば2年間)の特典を店舗独自の特典として決定する。
有効期間が長くなるほど共通ポイントは利用しやすくなるので、今までは失効して利用されなかった共通ポイントが、店舗A、Dにおいて利用されやすくなる。その結果、店舗A及びCのように付与過剰の店舗において共通ポイントの利用が増え、店舗で特典が付与される機会と利用される機会とを均等に近づけることができる。
また、特典決定部305は、特典の差の絶対値が閾値Th1以上の店舗において付与よりも利用が多い場合は、その差が閾値Th1未満の店舗に比べて付与しやすい利用条件の特典を店舗独自の特典として決定する。本実施例では、上述した共通ポイントは、共通ポイントが付与される対象商品の範囲が利用条件として決められているものとする。例えば図5に表す店舗Cでは、食品、飲料品、日用品及び衣料品等の全商品カテゴリのうち2分の1の商品カテゴリが対象商品の範囲である。
一方、図5に表す図5に表す利用過剰の店舗B、Eについては、特典決定部305は、特典の差が閾値Th1未満である店舗Cに比べて特典が付与される対象商品の範囲が広い特典を店舗独自の特典として決定する。特典決定部305は、例えば、店舗Cが上記のとおり2分の1の商品カテゴリを対象商品の範囲とする場合、全ての商品カテゴリを対象商品の範囲とする共通ポイントを店舗独自の特典として決定する。
共通ポイントが付与されやすい利用条件が用いられるほど、共通ポイントをより効率よく貯めることを目的としたユーザが店舗B、Eに来店しやすくなる。共通ポイントを貯めることを目的とするユーザは、店舗B、Eで商品を購入しても、共通ポイントを利用することは控えて、共通ポイントを貯めることを優先しやすい。その結果、店舗B及びEのように利用過剰の店舗において共通ポイントの付与が増え、店舗で特典が付与される機会と利用される機会とを均等に近づけることができる。
[3]第3実施例
本発明の第3実施例について、以下、上記の各実施例と異なる点を中心に説明する。上記の各実施例では、店舗において独自に付与され又は利用される特典(店舗独自の特典)が提供されたが、第3実施例では、特定のユーザについて独自に付与され又は利用されるユーザ独自の特典が提供される。
図8は第3実施例の特典提供システム1aが実現する機能構成を表す。特典提供システム1aは、特典情報サーバ装置30aを備え、特典情報サーバ装置30aは、図4に表す各部に加えてユーザ特定部308を備える。ユーザ特定部308は、付与・利用差検出部303により検出された特典の差の減少に寄与する度合いが他の者に比べて大きいユーザを特定する。ユーザ特定部308は本発明の「特定部」の一例である。以下ではこのユーザのことを他のユーザと区別するために「寄与度の大きいユーザ」という。
本実施例では、特典関連情報取得部302が、特典関連情報として、第1実施例で述べた各情報(店舗で付与された共通ポイントの値、店舗で利用された共通ポイントの値、付与及び利用における購入商品、購入金額及び購入日時)に加え、共通ポイントの付与又は利用がされたときに商品を購入したユーザのユーザIDを含む情報を取得する。所得された特典関連情報は、付与・利用差検出部303及び対象店舗抽出部304を介してユーザ特定部308に供給される。また、対象店舗抽出部304による店舗の抽出結果もユーザ特定部308に供給される。
ユーザ特定部308は、抽出された店舗について、過去の決められた期間におけるユーザ毎の付与ポイントの累積値と、その期間におけるユーザ毎の利用ポイントの累積値とを算出する。
図9はユーザ毎の共通ポイントの累積値の一例を表す。図9(a)では、図5に表す付与過剰の店舗AにおけるユーザUa1、Ua2、Ua3、Ua4、Ua5の付与ポイントの累計値が大きい順番に表されている。図9(b)では、図5に表す利用過剰の店舗BにおけるユーザUb1、Ub2、Ub3、Ub4、Ub5の利用ポイントの累計値が大きい順番に表されている。
ユーザ特定部308は、店舗Aにおける寄与度の大きいユーザとして、付与ポイントの累計値が閾値Th11以上のユーザ(図9の例ではユーザUa1、Ua2、Ua3)を特定する。これらのユーザは、店舗Aにおいて他のユーザよりも多くの共通ポイントが付与されているユーザなので、これらのユーザが、例えば店舗Aにおける利用ポイントを増やすか、店舗Aで購入している商品を他の店舗で購入して付与ポイントを他の店舗に分散させることで、他のユーザが同じことをする場合よりも、店舗Aにおける特典の差が小さくなることが見込まれる。つまり、これらのユーザは、検出された特典の差の減少に寄与する度合いが他の者に比べて大きいユーザ、すなわち寄与度の大きいユーザである。
また、ユーザ特定部308は、店舗Bにおける寄与度の大きいユーザとして、利用ポイントの累計値が閾値Th12以上のユーザ(この例ではユーザUb1、Ub2)を特定する。これらのユーザは、店舗Bにおいて他のユーザよりも多くの共通ポイントを利用しているユーザなので、これらのユーザが、例えば他の店舗で利用する共通ポイントを増やすか、他の店舗で購入している商品を店舗Bで購入して店舗Bの付与ポイントを増やすことで、他のユーザが同じことをする場合よりも、店舗Bにおける特典の差が小さくなることが見込まれる。
つまり、これらのユーザは、検出された特典の差の減少に寄与する度合いが他の者に比べて大きいユーザ、すなわち寄与度の大きいユーザである。ユーザ特定部308は、以上のとおり特定した寄与度の大きいユーザのユーザIDを、対応する店舗の店舗IDに対応付けて特典決定部305に供給する。
特典決定部305は、ユーザ特定部308により特定された寄与度の大きいユーザに提供することで、そのユーザが特定された店舗における特典の差が小さくなる価値の特典を上述したユーザ独自の特典として決定する。特典決定部305は、扱われる店舗によって価値が異なる特典を、ユーザ独自の特典として決定する。
具体例を挙げると、特典決定部305は、図9の例で店舗Aについて特定された寄与度の大きいユーザであるユーザUa1、Ua2、Ua3については、例えば保持している共通ポイントを店舗Aで利用すると2倍に換算して利用可能な特典をユーザ独自の特典として決定する。また、特典決定部305は、図9の例で店舗Bについて特定された寄与度の大きいユーザであるユーザUb1、Ub2については、例えば店舗Bで商品を購入した際の付与率が2倍になる特典をユーザ独自の特典として決定する。
特典決定部305は、決定したユーザ独自の特典の内容を特典情報生成部306に通知する。特典情報生成部306は、例えば、ユーザ独自の特典が提供されるユーザ(つまり寄与度の大きいユーザ)のユーザIDと、ユーザ独自の特典が扱われる店舗の店舗IDと、ユーザ独自の特典の内容(2倍の付与率又は2倍に換算して利用可能な共通ポイント等)とを示す情報を特典情報として生成する。以降は、第1実施例と同様に、特典情報生成部306が特典反映情報及び特典通知情報を生成し、特典情報出力部307が生成された特典反映情報をポイント管理サーバ装置20に対して出力し、ポイント管理サーバ装置20の各部が、特典情報が示す店舗独自の特典を共通ポイントに反映させる処理を行う。
また、特典情報出力部307は、生成された特典通知情報、すなわち、特典決定部305により決定されたユーザ独自の特典を示す特典情報を、ユーザ特定部308により特定された寄与度の大きいユーザに対応する宛先に対して出力する。特典情報サーバ装置30aには、第1実施例と同様に、電子メールアドレス、SNSのアカウント又はユーザ端末40のIPアドレス等がユーザIDに対応付けて記憶されている。特典情報出力部307は、寄与度の大きいユーザのユーザIDに対応付けて記憶されている宛先に特典情報を出力する。ユーザ端末40の特典情報表示部402は、こうして出力されてきた特典情報を表示する。
図10は表示された特典情報の一例を表す。図10(a)の例では、ユーザUa1が利用するユーザ端末40が、自装置の出力装置46に、「特典のお知らせ」という画面で、「ユーザUa1様に以下の特典が提供されました。」という文字列と、「店舗Aで利用すると共通ポイントが2倍に換算されます!」という文字列とを特典情報として表示している。このユーザ独自の特典が寄与度の大きいユーザであるユーザUa1に提供されることで、ユーザUa1が他の店舗よりも店舗Aで共通ポイントを利用しやすくなり、付与過剰だった店舗Aにおける特典の差を小さくすることができる。
図10(b)の例では、ユーザUb1が利用するユーザ端末40が、自装置の出力装置46に、「特典のお知らせ」という画面で、「ユーザUb1様に以下の特典が提供されました。」という文字列と、「店舗Bで商品を購入すると共通ポイントの付与率が2倍になります!」という文字列とを特典情報として表示している。このユーザ独自の特典が寄与度の大きいユーザであるユーザUb1に提供されることで、ユーザUb1が他の店舗よりも店舗Bで商品を購入して共通ポイントを貯めようとしやすくなり、利用過剰だった店舗Bにおける特典の差を小さくすることができる。
なお、上記のユーザ独自の特典が提供されたのが寄与度の大きいユーザ以外のユーザであったとしても、寄与度の大きいユーザに提供される場合と同様に店舗における特典の差をより小さくすることができる。ただし、共通ポイントをより多く付与され又は利用している寄与度の大きいユーザの方が、それ以外のユーザに比べて、上記の例であれば店舗Aで利用する共通ポイントが多くなりやすく、店舗Bで付与される共通ポイントが多くなりやすい。従って、本実施例によれば、寄与度の大きいユーザ以外のユーザにユーザ独自の特典が提供される場合よりも、店舗における特典の差をより小さくすることができる。
なお、本実施例において、第2実施例のように扱われる店舗によって利用条件が異なる特典が提供されてもよい。この場合、特典決定部305は、扱われる店舗によって利用条件が異なる特典を、ユーザ独自の特典として決定する。具体例を挙げると、特典決定部305は、図9の例で店舗Aについて特定された寄与度の大きいユーザUa1、Ua2、Ua3については、店舗Aで扱われた場合に、特典の差が閾値Th1未満である店舗Cで扱われる場合に比べて有効期間が長くなる特典(例えば店舗Cでは有効期間が1年間だが店舗Aでは有効期間が2年間になる特典)をユーザ独自の特典として決定する。
また、特典決定部305は、図9の例で店舗Bについて特定された寄与度の大きいユーザUb1、Ub2については、店舗Bで扱われた場合に、特典の差が閾値Th1未満である店舗Cで扱われる場合に比べて特典が付与される対象商品の範囲が広くなる特典をユーザ独自の特典として決定する。これらの場合も、扱われる店舗によって利用条件が異なる特典が提供される場合と同様に、特典の差が大きい店舗での共通ポイントの付与又は利用が促進されて、それらの店舗における特典の差を小さくすることができる。
[4]変形例
上述した各実施例はそれぞれが本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、各実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
[4−1]貯蓄重視ユーザ
第3実施例における寄与度の大きいユーザは上述したユーザに限らない。例えば、共通ポイントを貯め続けている貯蓄を重視したユーザも、寄与度の大きいユーザとして捉えてもよい。例えば付与過剰の店舗で共通ポイントを利用してもらっても、貯めている共通ポイントが少ないユーザでは店舗の特典の差を小さくする効果が小さいが、貯蓄を重視して共通ポイントを大量に貯めたユーザであればその効果が大きくなるからである。
本変形例では、図8に表すユーザ特定部308が、付与された共通ポイントを利用せずに蓄えている量が閾値以上のユーザを寄与度が大きいユーザとして特定する。そして、特典決定部305が、付与された特典の量よりも利用された特典の量の方が少ない店舗(付与過剰の店舗)において、利用するときの価値が他の店舗に比べて大きくなる特典(例えば利用するときに共通ポイントが2倍に換算される特典)を、特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定する。
なお、特典決定部305は、付与過剰の店舗において、他の店舗に比べて利用しやすくなる利用条件の特典(例えば有効期間が他の店舗で利用する場合の2倍になる特典)を、特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定してもよい。いずれの場合も、貯蓄を重視するユーザが蓄えた共通ポイントが、他の店舗よりも付与過剰の店舗で利用されやすくなり、その付与過剰の店舗における特典の差を小さくすることができる。
[4−2]付与店舗・利用店舗が偏ったユーザ
第3実施例において、共通ポイントが付与される店舗又は共通ポイントを利用する店舗が決まった店舗に偏っているユーザを寄与度の大きいユーザとして捉えてもよい。付与店舗と利用店舗が同じ店舗に偏っているユーザであれば特典の差を大きくすることはないが、そうではなく、付与店舗は偏っているが特典の利用は様々な店舗で行うユーザと、利用店舗は偏っているが特典の付与は様々な店舗で行うユーザは、他のユーザに比べて特典の差を大きくしやすい。
つまり、これらのユーザは、特典の差を大きくするのに関与しているユーザである。そのようなユーザは、見方を変えると、特典の付与及び利用を行う店舗を意図した店舗にしてもらえれば、他のユーザよりも特典の差を小さくすることに寄与するユーザ、すなわち寄与度の大きいユーザということになる。本変形例では、例えば、図8に表すユーザ特定部308が、特定の店舗で付与された特典の量が他の店舗で付与された特典の量よりも所定の割合以上多いユーザを寄与度の大きいユーザとして特定する。
ここでいう付与された特典の量とは、例えば、過去の決められた期間に付与された共通ポイントの累積値である。また、他の店舗で付与された特典の量とは、他の全ての店舗でその期間に付与された特典を合計した量であってもよいし、特定の店舗を除いてその期間に付与された特典の量が最大の店舗におけるその期間の特典の量であってもよい。どちらを用いるかによって、付与店舗が偏っていると判断するのに妥当と思われる所定の割合を定めておけばよい。
上記ユーザが特定された場合、特典決定部305が、特定の店舗において利用すると他の店舗に比べて価値が大きくなる特典(例えば特定の店舗では利用するときに共通ポイントが2倍に換算される特典)を、上述した特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定する。なお、特典決定部305は、特定の店舗において利用すると他の店舗に比べて利用しやすくなる特典(例えば有効期間が他の店舗で利用する場合の2倍になる特典)を、特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定してもよい。どちらの場合も、付与店舗が特定の店舗に偏っているユーザが蓄えた共通ポイントが他の店舗よりもその特定の店舗で利用されやすくなり、その特定の店舗における特典の差が小さくなりやすいようにすることができる。
なお、そのユーザの共通ポイントを特定の店舗で利用されやすくするのではなく、そのユーザの付与店舗を他の店舗に分散させるようにしてもよい。その場合、特典決定部305は、例えば、他の店舗において付与されるとその特定の店舗に比べて価値が大きくなる特典(例えば他の店舗では付与率が2倍になる特典)を、特典の差が小さくなる特典として決定する。
また、特典決定部305は、他の店舗において付与されるとその特定の店舗で付与される場合に比べて付与されやすくなる特典(例えば他の店舗では特典が付与される対象商品の範囲が広くなる特典)を、特典の差が小さくなる特典として決定してもよい。どちらの場合も、付与店舗が特定の店舗に偏っているユーザが他の店舗で商品を購入しやすくなり、その結果、そのユーザに対して共通ポイントが付与される店舗が分散し、特定の店舗における特典の差が小さくなりやすいようにすることができる。
ここまでは、共通ポイントが付与される店舗が決まった店舗に偏っているユーザが寄与度の大きいユーザである場合について述べたが、以下では、共通ポイントを利用する店舗が決まった店舗に偏っているユーザが寄与度の大きいユーザである場合について説明する。この場合、ユーザ特定部308は、特定の店舗で利用した特典の量が他の店舗で利用した特典の量よりも所定の割合以上多いユーザを寄与度の大きいユーザとして特定する。
利用した特典の量と他の店舗で利用した特典の量についての考え方は、上述した付与された特典の量と他の店舗で付与された特典の量の考え方と共通である。このユーザが特定された場合、特典決定部305は、特定の店舗において付与されると他の店舗で付与される場合に比べて価値が大きくなる特典(例えば特定の店舗では付与率が2倍になる特典)を、上述した特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定する。
なお、特典決定部305は、特定の店舗において付与されると他の店舗で付与される場合に比べて付与されやすくなる特典(例えば特定の店舗では特典が付与される対象商品の範囲が広くなる特典)を、特典の差が小さくなるユーザ独自の特典として決定してもよい。どちらの場合も、利用店舗が特定の店舗に偏っているユーザが他の店舗よりもその特定の店舗で商品を購入しやすくなり、その結果、その特定の店舗における特典の差が小さくなりやすいようにすることができる。
なお、上記ユーザが特定の店舗で商品を購入しやすいようにするのではなく、そのユーザの利用店舗を他の店舗に分散させるようにしてもよい。その場合、特典決定部305は、例えば、他の店舗において利用されると特定の店舗に比べて価値が大きくなる特典(例えば他の店舗では利用するときに共通ポイントが2倍に換算される特典)を、特典の差が小さくなる特典として決定する。
また、特典決定部305は、他の店舗において利用されるとその特定の店舗で利用される場合に比べて利用しやすくなる特典(例えば有効期間が特定の店舗で利用する場合の2倍になる特典)を、特典の差が小さくなる特典として決定してもよい。どちらの場合も、利用店舗が特定の店舗に偏っているユーザが他の店舗で特典を利用しやすくなり、特定の店舗における特典の差が小さくなりやすいようにすることができる。
[4−3]特典の価値・利用条件を多段階に決定
特典決定部305は、例えば図5に表す利用よりも付与が多かった付与過剰の店舗A、Dについて価値の大きさが同じ特典を一律に決定し、付与よりも利用が多かった利用過剰の店舗B、Eについても価値の大きさが同じ特典を一律に決定した。これに限らず、特典決定部305は、付与過剰の店舗同士又は利用過剰の店舗同士においても、店舗によって価値の大きさが異なる特典を決定してもよい。
図11は本変形例で検出された店舗A〜Eの特典の差の一例を表す。図11では、店舗Aの特典の差Fa1と閾値Th1との差分Ga1と、店舗Dの特典の差Fd1と閾値Th1との差分Gd1と、店舗Bの特典の差Fb1と閾値−Th1との差分Gb1と、店舗Eの特典の差Fe1と閾値−Th1との差分Ge1とが表されている。特典決定部305は、各店舗について付与過剰又は利用過剰と判断すると、例えばそれぞれの差分に応じた倍率で表される価値の大きさの特典を店舗独自の特典として決定する。
特典決定部305は、差分の範囲と倍率とを対応付けた倍率テーブルを用いて特典を決定する。
図12は倍率テーブルの一例を表す。図12の例では、「Th2未満」、「Th2以上」という差分の範囲に「1.5倍」、「2.0倍」という倍率がそれぞれ対応付けられている。差分Ga1、Gb1がTh2未満である場合、特典決定部305は、店舗Aで共通ポイントを利用すると1.5倍に換算される特典と、店舗Bで商品を購入すると1.5倍の共通ポイントが付与される特典とを決定する。
また、差分Gd1、Ge1がTh2以上である場合、特典決定部305は、店舗Dで共通ポイントを利用すると2.0倍に換算される特典と、店舗Eで商品を購入すると2.0倍の共通ポイントが付与される特典とを決定する。これにより、特典の差が大きい店舗ほど特典が付与される機会と利用される機会とを均等に近づける効果が高い特典が提供されることになる。その結果、付与過剰の店舗同士又は利用過剰の店舗同士において特典の価値が一律である場合に比べて、店舗毎の特典の差の違いがより早く小さくなりやすい。
なお、特典決定部305は、各店舗における上記の差分に応じた利用条件の特典を店舗独自の特典として決定してもよい。例えば、特典情報サーバ装置30が、差分と利用条件とを対応付けた利用条件テーブルを記憶しておき、特典決定部305は、検出された特典の差が表す差分に利用条件テーブルにおいて対応付けられている利用条件の特典を店舗独自の特典として決定する。この場合も、特典の差が大きい店舗ほど特典が付与される機会と利用される機会とを均等に近づける効果が高い利用条件(つまり特典の差が大きい店舗ほど利用されやすい又は付与されやすい利用条件)の特典が決定されることが望ましい。
[4−4]1つの店舗
特典の中には、共通ポイントのように複数の店舗で共通して利用可能なもの以外に、1つの店舗でのみ付与及び利用されるものがある。本発明は、そのような1店舗で利用可能な特典にも適用される。以下では、店舗Fで利用可能で且つ有効期間が1カ月のクーポンαが特典としてユーザに提供される場合を説明する。
本変形例では、特典関連情報取得部302が、店舗Fで付与されたクーポンαによる値引きの値と、そのクーポンαが付与された際の購入商品、購入金額及び購入日時と、店舗Fで利用されたクーポンαの値と、そのクーポンαが利用された際の購入商品、購入金額及び購入日時とを含む特典関連情報を、店舗Fにおける特典関連情報を管理するサーバ装置等から取得する。
付与・利用差検出部303は、取得された店舗Fにおける付与及び利用の状況に基づき、店舗Fで付与された特典及び店舗Fで利用された特典の差を検出する。
図13は検出された店舗Fにおける特典の差の一例を表す。図13の例では、店舗Fにおける1月から5月までの特典の差が検出されている。1月から4月までは特典の差の絶対値が閾値Th1未満であったが、5月の特典の差は正の値であり且つ閾値Th1以上となっている。つまり、5月は店舗Fにおいてクーポンαが付与過剰な状態であったことが表されている。
このまま6月を迎えると、5月に付与されたクーポンαが利用され、図中に二点鎖線で示したように利用過剰になることが予想される。そこで、特典決定部305は、利用時期が分散しやすくなる特典を、前述した1店舗で利用可能な特典の差が小さくなる特典として決定する。利用時期が分散しやすくなる特典とは、例えばクーポンαの有効期間を長くする特典である。特典決定部305は、例えば、付与されたクーポンαと合わせて利用すると、クーポンαの有効期間が3カ月になるクーポンβを、特典の差が小さくなる特典として決定する。
5月にクーポンαが付与されたユーザは、6月にクーポンαを利用したい買い物がなくても、有効期間が1カ月ならクーポンαを利用するが、クーポンβが提供されていれば、7月以降までクーポンαの利用を待つことができる。その結果、5月に付与されたクーポンαが6月から8月にかけて利用され(つまり利用時期が分散し)、6月に利用過剰になる可能性が少なくなる。
なお、6月の利用をさらに少なくするため、特典決定部305は、例えば7月及び8月にクーポンα・βを利用すると値引き価格が大きくなる特典を決定してもよい。また、上記の例では各月の特典の差が検出されたが、それ以外の期間(各週及び各四半期等)における特典の差が検出されてもよい。要するに、本変形例では、1店舗で利用可能な特典の各期間における特典の差を小さくする別の特典が決定されればよい。
[4−5]特典決定部
特典決定部305が決定する特典は上述したものに限らない。特典決定部305は、例えば、付与過剰の店舗で共通ポイントを利用すると、おまけがもらえたり商品のグレードを向上させたりできる特典を店舗独自の特典として決定してもよい。この場合でも、ユーザは、提供された特典を利用するため付与過剰の店舗で共通ポイントを利用しやすくなり、その店舗における特典の差が小さくなりやすくなる。
また、特典決定部305は、利用過剰の店舗で共通ポイントを利用することなく商品を購入すると、おまけがもらえたり商品のグレードを向上させたりできる特典を店舗独自の特典として決定してもよい。この場合、ユーザは、提供された特典を利用するため利用過剰の店舗で共通ポイントを利用せずに商品を購入しやすくなり、その店舗における特典の差が小さくなりやすくなる。
[4−6]特典
ユーザに提供される特典は、上述した共通ポイントに限らない。例えば、共通ポイント以外にも、商品価格を値引きするもの(クーポン、割引券及びマイレージ等)があるし、また、特定の商品の購入に利用可能な金券(ギフト券及び商品券等)、特定の商品又は特定の物品がもらえる特典(交換券及びくじ引き券等)、商品のグレードを向上させるもの(飛行機の席やホテルの部屋のグレードをアップグレードするクーポンなど)等がある。これらの特典は、共通クーポンと同様に電子データの形態で提供されてもよいし、紙の形態で提供されてもよい。要するに、ユーザに何らかの価値を提供するものであれば、どのような特典が提供されてもよい。
[4−7]特典の差
付与・利用差検出部303が検出する特典の差は上述したもの(共通ポイントの合計値同士の差分)に限らない。付与・利用差検出部303は、例えば特典の付与回数と利用回数との差分を特典の差として検出してもよい。また、特典が商品、物品又は商品のグレードを向上させるものである場合に、付与・利用差検出部303は、それらの金銭的価値を算出し、付与された金額と利用された金額との差分を特典の差として検出してもよい。要するに、特典の差としては、その差が少ないほど店舗同士のメリット(来客数の増加等)とデメリット(費用負担等)のバランスがとれるものが用いられるとよい。
[4−8]各部を実現する装置
図4等に表す各機能を実現する装置は、それらの図に表された装置に限らない。例えばポイント管理サーバ装置20及び特典情報サーバ装置30が備える各機能を1台の装置が実現してもよい。また、ポイント管理サーバ装置20及び特典情報サーバ装置30が備える各機能をそれぞれ2以上の装置が実現してもよい。要するに、特典提供システム全体としてこれらの機能が実現されていれば、特典提供システムが何台の装置を備えていてもよい。
[4−9]発明のカテゴリ
本発明は、店舗端末、ポイント管理サーバ装置、特典情報サーバ装置及びユーザ端末のような情報処理装置の他、それらの装置を備える特典提供システムのような情報処理システムとしても捉えられる。また、本発明は、各装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
[4−10]処理手順等
本明細書で説明した各実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾がない限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
[4−11]入出力された情報等の扱い
入出力された情報等は特定の場所(例えばメモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
[4−12]ソフトウェア
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
[4−13]情報、信号
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
[4−14]システム、ネットワーク
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
[4−15]「に基づいて」の意味
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
[4−16]「及び」、「又は」
本明細書において、「A及びB」でも「A又はB」でも実施可能な構成については、一方の表現で記載された構成を、他方の表現で記載された構成として用いてもよい。例えば「A及びB」と記載されている場合、他の記載との不整合が生じず実施可能であれば、「A又はB」として用いてもよい。
[4−17]態様のバリエーション等
本明細書で説明した各実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。