JP6948898B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6948898B2
JP6948898B2 JP2017185890A JP2017185890A JP6948898B2 JP 6948898 B2 JP6948898 B2 JP 6948898B2 JP 2017185890 A JP2017185890 A JP 2017185890A JP 2017185890 A JP2017185890 A JP 2017185890A JP 6948898 B2 JP6948898 B2 JP 6948898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
timer
pressure chamber
fuel
chamber
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017185890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019060292A (ja
Inventor
根岸 貞夫
貞夫 根岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Robert Bosch GmbH
Original Assignee
Robert Bosch GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Robert Bosch GmbH filed Critical Robert Bosch GmbH
Priority to JP2017185890A priority Critical patent/JP6948898B2/ja
Publication of JP2019060292A publication Critical patent/JP2019060292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6948898B2 publication Critical patent/JP6948898B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関における分配型燃料噴射装置は、燃料噴射時期を機械的に進角側又は遅角側へ調整するためのタイマ機構を備えている。タイマ機構は、フェイスカムに対するローラリングの回転位置を変更することで、フェイスカムのカム山がローラリングに乗り上げる時期及びローラリングから下る時期を変更し、プランジャが往復動する時期を変更する。
タイマ機構は、ポンプハウジングに回動自在に支持されたローラリングと、ローラリングに一端側が挿通されたスライドピンと、スライドピンの他端側が挿通されたタイマピストンとを備えている。タイマピストンが油圧駆動されることにより、ローラリングの回転位置が変更される。
具体的には、特許文献1に記載されているように、タイマピストンを支持する摺動孔がタイマピストンにより区画されてタイマ高圧室が形成されている。タイマ高圧室は、摺動孔とタイマピストンとタイマカバーとにより区画されている。タイマピストンには、ポンプ室の燃料をタイマ高圧室に導く燃料通路が形成されており、タイマ高圧室にはポンプ室の圧力が供給される。このタイマピストンは、タイマスプリングによりタイマ高圧室側に付勢されている。ポンプ回転数が上昇し、ポンプ室内の圧力が上昇すると、タイマピストンがタイマスプリングを縮める方向に移動し、ローラリングが進角方向に回転する。また、ポンプ回転数が低下し、ポンプ室内の圧力が低下すると、タイマスプリングによりタイマピストンがタイマ高圧室側に移動し、ローラリングが遅角方向に回転する。
特開2003−239820号公報
ここで、ポンプ回転数が高くポンプ室内が高圧になっている状態で燃料噴射が終了すると、フェイスカムがリフトダウンされることによる駆動反力でタイマピストンが急激にタイマ低圧室側に戻される。ポンプ室の燃料をタイマ高圧室に導く燃料通路には、タイマ特性の安定性を確保するために、オリフィスが設けられている。このため、タイマピストンがタイマ低圧室側に移動するときにタイマ高圧室内への燃料供給流量が不足することによってタイマ高圧室内が負圧になり、タイマ高圧室内にキャビティが発生する。このキャビティが圧壊するときに、タイマカバー等にエロージョンが発生し、燃料漏れが引き起こされるおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料噴射装置のタイマ機構のタイマ特性を確保しつつ、タイマ高圧室内が負圧になることを抑制可能な、燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ポンプ室に燃料を送るフィードポンプと、ポンプ室内の圧力によって燃料噴射時期を進角又は遅角させるタイマ機構と、を備えた燃料噴射装置において、タイマ機構は、ポンプハウジングに回動自在に支持されたローラリングと、ローラリングに一端側が挿通され、他端側がローラリングの外方に突出するスライドピンと、スライドピンの他端側が挿通され、スライドピンを駆動するタイマピストンと、タイマピストンを移動自在に支持する摺動孔がタイマピストンにより区画されてタイマピストンの一端面側に形成されたタイマ高圧室及びタイマピストンの他端面側に形成されたタイマ低圧室と、タイマ低圧室に設けられタイマピストンをタイマ高圧室側に付勢する第1の弾性部材と、を備え、タイマピストンは、少なくともタイマ高圧室内の圧力及び第1の弾性部材の付勢力のバランスにより変位し、タイマピストンは、ポンプ室の燃料をタイマ高圧室に導く第1の燃料通路及び第2の燃料通路と、タイマ高圧室内の圧力がポンプ室内の圧力よりも所定以上小さいときに開弁するチェック弁と、を備える、燃料噴射装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、燃料噴射装置のタイマ機構のタイマ特性を確保しつつ、タイマ高圧室内が負圧になることを抑制することができる。
本実施形態に係る燃料噴射装置の構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る燃料噴射装置のタイマ機構の構成例を示す模式図である。 タイマ機構の遅角動作を示す説明図である。 タイマ機構の進角動作を示す説明図である 燃料噴射後のタイマ機構の動作を示す説明図である。 燃料噴射後のタイマ機構の動作を示す説明図である。 タイマ高圧室内の圧力変化を示す説明図である。 参考例による燃料噴射装置のタイマ特性を示す説明図である。 同実施形態に係る燃料噴射装置のタイマ特性を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(燃料噴射装置の構成例)
まず、本実施形態に係る燃料噴射装置の構成例を説明する。図1は、本実施形態に係る燃料噴射装置1の構成例を部分的に示した模式図である。
本実施形態に係る燃料噴射装置1は、ディーゼルエンジンに適用される分配型燃料噴射装置である。燃料噴射装置1は、ドライブシャフト11と、フィードポンプ13と、駆動ギヤ15と、ローラリング21と、ポンプハウジング31と、プランジャ25と、フェイスカム19と、タイマ機構70とを備えている。
ドライブシャフト11は、図示しないディーゼルエンジンのクランクシャフトの回転に対して所定の減速比で同期して回転駆動される。フィードポンプ13は、ベーンタイプのポンプであり、ドライブシャフト11の途中に設けられ、ドライブシャフト11の回転に伴って回転駆動される。なお、図1において、フィードポンプ13は、ドライブシャフト11の軸方向に対して90度回転させた展開図とともに示されている。ドライブシャフト11の基端側には、図示しないガバナを駆動するための駆動ギヤ15が取り付けられている。駆動ギヤ15は、カップリング17を介してフェイスカム19と一体に回転するように連結されている。
駆動ギヤ15とフェイスカム19との間にはローラリング21が設けられている。ローラリング21には、フェイスカム19のカム山19aに対向する複数のカムローラ23が取り付けられている。カム山19aは、ディーゼルエンジンの気筒数と同数設けられている。フェイスカム19には、燃料加圧用のプランジャ25が一体回転するように係合している。プランジャ25は、プランジャスプリング27及びロアシート29によって、フェイスカム19に向けて押し付けられており、フェイスカム19と一体に往復動する。
フェイスカム19は、ドライブシャフト11と一体回転し、カムローラ23に係合しながら回転する。フェイスカム19が回転しながら気筒数と同数だけドライブシャフト11の軸方向に往復駆動されると、プランジャ25が軸回転しながら同方向へ往復駆動される。つまり、カム山19aがローラリング21のカムローラ23に乗り上げる過程でプランジャ25がリフトアップされ、逆にカム山19aがローラリング21のカムローラ23から下る過程でプランジャ25がリフトダウンされる。
ポンプハウジング31には、プランジャ25が挿入される摺動孔33aを有するプランジャバレル33が設けられている。プランジャ25の先端面と摺動孔33aの底面との間が加圧室35として形成されている。プランジャ25の先端側の外周面には、気筒数と同数の吸入溝37が形成されている。吸入溝37は、プランジャ25がリフトダウンして加圧室35が減圧されるときに、ポンプハウジング31に形成された吸入ポート41を介してポンプ室43に連通し、ポンプ室43の燃料を加圧室35に導く。
プランジャ25の先端側の内部には、加圧された燃料をポンプハウジング31に形成された吐出ポート45に導くための分配ポート39が形成されている。吐出ポート45は、プランジャバレル33内にも開口し、ディーゼルエンジンの気筒数と同数だけ等間隔に設けられている。吐出ポート45の出口部分には、デリバリバルブ47が配置されている。デリバリバルブ47は、吐出ポート45から圧送された燃料の逆流を防ぐためのものであり、所定の燃料圧力に達した際に開弁して吐出ポート45に圧送された高圧燃料を外部の燃料圧送配管49を介して燃料噴射ノズル48へ向けて吐出させる。
ポンプハウジング31には、図示しないインレットを介して燃料タンクに連通された導入ポート51が形成されている。導入ポート51は、フィードポンプ13の吸入側とインレットとを連通する。導入ポート51は、後述するタイマ機構70のタイマ低圧室71にも連通している。ポンプハウジング31の内部には、フィードポンプ13から燃料の供給を受けるポンプ室43が形成されている。ポンプ室43は、加圧室35に吸引される燃料を保持するとともに、プランジャ25又はプランジャバレル33等の機械的な摺動部に燃料を導き、潤滑油として機能させる。
フィードポンプ13は、ドライブシャフト11の回転によって駆動されると、燃料タンクの燃料を導入ポート51に導入し、フィードポンプ13内へ吸い込む。フィードポンプ13に吸い込まれた燃料は、ポンプハウジング31内に形成された図示しない導出ポートに圧送されてポンプ室43に供給される。
プランジャ25がリフトダウンして加圧室35が減圧される吸入行程では、プランジャ25の先端部の外周に形成された吸入溝37の1つが吸入ポート41を介してポンプ室43に連通して、ポンプ室43の燃料が加圧室35に吸入される。また、プランジャ25がリフトアップして加圧室35が加圧される圧縮行程では、加圧室35で加圧された高圧燃料が、吐出ポート45、デリバリバルブ47及び燃料圧送配管49を介して燃料噴射ノズル48に圧送される。圧送された燃料の圧力がノズル開弁圧に到達すると、燃料噴射ノズル48が燃料をディーゼルエンジンの気筒内に噴射する。
この他、燃料噴射装置1には、燃料カット等を実施するための電磁開閉弁や、燃料噴射特性を制御するガバナ機構が設けられている。
タイマ機構70は、燃料噴射時期を機械的に進角側又は遅角側へ調整する。タイマ機構70は、ポンプハウジング31の下部に設けられている。タイマ機構70は、ドライブシャフト11の軸方向に直交する方向に設けられた摺動孔75aを有するタイマハウジング75を有する。摺動孔75a内には、タイマピストン77が往復変位可能に配設されている。摺動孔75a及びタイマピストン77の軸方向は、ドライブシャフト11の軸方向に直交する方向に延びている。なお、図1において、タイマ機構70は、摺動孔75a及びタイマピストン77の軸方向を90度回転させた状態で示されている。
タイマ機構70は、ドライブシャフト11の回転方向に対するローラリング21の回転位置を変更させることにより、カム山19aがカムローラ23に乗り上げる時期及びカムローラ23から下る時期を変更させる。これにより、プランジャ25が往復動する時期が変更される。つまり、ローラリング21は、タイマ機構70によって回転位置が変更されるように、ポンプハウジング31に対して回転自在に支持されている。
タイマ機構70は、油圧によって駆動される。タイマピストン77は、スライドピン79を介してローラリング21に連結されている。スライドピン79の一端部はローラリング21に挿通され、他端部はローラリング21の外方に突出してタイマピストン77の円筒孔83に挿入されている。スライドピン79は、タイマピストン77の軸方向の移動をローラリング21に伝達し、ローラリング21の回転位置を変更する。
タイマピストン77の一端側には、導入ポート51に連通するタイマ低圧室71が形成され、他端側には、ポンプ室43に連通するタイマ高圧室73が形成されている。本実施形態において、タイマ高圧室73が、本発明の圧力室に相当する。タイマ低圧室71には、タイマピストン77をタイマ高圧室73側に付勢するタイマスプリング81が備えられている。タイマ高圧室73には、フィードポンプ13によって加圧されてポンプ室43に供給された燃料が導入される。
タイマピストン77の位置は、タイマ高圧室73内に導入された燃料圧力と、タイマスプリング81の付勢力と、ローラリング21に働く力がスライドピン79を介してタイマピストン77に伝達される力とのバランスによって決定される。ローラリング21に働く力とは、フェイスカム19のカム山19aがカムローラ23に乗り上げ又はカムローラ23から下るときにローラリング21に作用する力である。タイマピストン77の位置に応じてローラリング21の位置が決定され、プランジャ25を往復動させる進角時期が決定される。
(タイマ機構の具体的構成例)
次に、本実施形態に係る燃料噴射装置1のタイマ機構70の具体的構成例を説明する。図2は、タイマ機構70の構成例を示す模式図である。
タイマ機構70は、内部に摺動孔75aを有するタイマハウジング75を備えている。摺動孔75a内には、タイマピストン77が軸方向移動自在に配設されている。タイマピストン77は、摺動孔75aをタイマ低圧室71とタイマ高圧室73とに区画している。タイマピストン77の一端側には、タイマピストン77とタイマハウジング75と高圧側タイマカバー93とによりタイマ高圧室73が形成されている。タイマピストン77の他端側には、タイマピストン77とタイマハウジング75と低圧側タイマカバー91とによりタイマ低圧室71が形成されている。タイマ低圧室71には、タイマスプリング81が備えられている。タイマスプリング81は、タイマピストン77を常時タイマ高圧室73側に付勢している。本実施形態において、タイマスプリング81が、本発明の第1の弾性部材としての機能を有する。
タイマピストン77の円筒孔83は、タイマピストン77の軸方向に直交する方向に延びて形成されている。円筒孔83内には、タイマピストン77の軸方向移動をスライドピン79に伝達するとともに、スライドピン79及びタイマピストン77の摩耗を抑制するサブピストン111が回転自在に挿入されている。スライドピン79の端部がサブピストン111の挿入孔111aに挿入されることで、タイマピストン77に対して回転自在に連結されている。
タイマピストン77は、常時タイマスプリング81によりタイマ高圧室73側、つまり、スライドピン79がローラリング21をドライブシャフト11の回転方向に回転させる遅角方向に付勢されている。フィードポンプ13の回転数の上昇に伴い、ポンプ室43からの燃料の供給を受けるタイマ高圧室73内の圧力が上昇し、タイマピストン77がタイマスプリング81の付勢力に抗してタイマ低圧室71側に移動する。これに伴って、スライドピン79がローラリング21をドライブシャフト11の回転方向とは逆方向(進角方向)に回転させ、燃料噴射時期が早められる。
タイマピストン77には、ポンプ室43の燃料をタイマ高圧室73に導く第1の燃料通路101と第2の燃料通路103とが形成されている。第1の燃料通路101は、オリフィスとして機能する小径部101aと、小径部101aに連設された大径部101bとを有する。小径部101aがポンプ室43側に位置し、大径部101bがタイマ高圧室73側に位置している。第1の燃料通路101は、常時ポンプ室43とタイマ高圧室73とを連通している。
第2の燃料通路103は、小径部103aと、小径部103aに連設された大径部103bとを有する。小径部103aがポンプ室43側に位置し、大径部103bがタイマ高圧室73側に位置している。第2の燃料通路103は、サブピストン111の周面に形成されたスリット状の燃料通路113を介してポンプ室43に連通可能になっている。大径部103b内には、弁体105と、弁スプリング109と、スプリング受け部材107とが備えられている。スプリング受け部材107は、大径部103b内に圧入等により固定されている。スプリング受け部材107は、大径部103b内をタイマ高圧室73側に連通させる燃料通過孔107aを有する。
弁体105は、小径部103aの開口部分に配置され、弁体105とスプリング受け部材107との間に配設された弁スプリング109によって常時小径部103a側、つまり、閉弁方向に付勢されている。本実施形態において、弁スプリング109が、本発明の第2の弾性部材としての機能を有する。小径部103aと大径部103bとの境界となる段差面は弁座面としての機能を有する。弁体105には、小径部103a側からポンプ室43内の圧力を受け、大径部103b側からタイマ高圧室73内の圧力を受ける。このため、弁体105を開弁方向に付勢するポンプ室43内の圧力と、弁体105を閉弁方向に付勢するタイマ高圧室73内の圧力及び弁スプリング109の付勢力の総和とのバランスによって、弁体105の位置が決定される。
この弁体105、弁スプリング109及びスプリング受け部材107の構成は、チェック弁5として機能する。つまり、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さいときにチェック弁5が開き、第2の燃料通路103を介してポンプ室43からタイマ高圧室73へと燃料が導かれる。一方、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さいとき以外にはチェック弁5が閉じ、第2の燃料通路103は遮断される。
(タイマ機構の動作)
次に、図3〜図6を参照して、タイマ機構70の動作を説明する。図3は、タイマピストン77が最遅角側に位置した状態を示し、図4は、タイマピストン77が進角方向に移動した状態を示している。図5〜図6は、燃料噴射終了後のタイマピストン77の挙動を示している。
図3は、ディーゼルエンジンの運転状態において、フィードポンプ13の回転数が低く、ポンプ室43内の圧力が低い場合を示している。この場合、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さくならないため、第2の燃料通路103に設けられたチェック弁5は閉じた状態で維持される。ポンプ室43の燃料は、第1の燃料通路101を介してタイマ高圧室73に導かれる。また、この状態では、タイマ高圧室73内の圧力が、タイマスプリング81の付勢力を上回ることがなく、タイマピストン77は最遅角側に保持されている。
図4は、フィードポンプ13の回転数が上昇して、ポンプ室43内の圧力が上昇した場合を示している。この場合、第1の燃料通路101を介してタイマ高圧室73に燃料が導かれてタイマ高圧室73内の圧力も上昇する。したがって、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さくならないため、第2の燃料通路103に設けられたチェック弁5は閉じた状態で維持される。そして、タイマ高圧室73内の圧力がタイマスプリング81の付勢力を上回るときにタイマピストン77が進角方向に移動する。
図5は、図4に示す高圧高回転の状態で燃料噴射が行われた場合を示している。燃料噴射が終了した場合、タイマピストン77は、スライドピン79を介して、フェイスカム19がリフトダウンすることによる駆動反力を受けて、急激にタイマ低圧室71側に移動し始める。この駆動反力は、上述したローラリング21がフェイスカム19から受ける力に起因する力である。タイマピストン77がタイマ低圧室71側に移動し始める初期の状態では第2の燃料通路103に設けられたチェック弁5は閉じており、小径部101aを有する第1の燃料通路101を介したポンプ室43への燃料供給流量が十分ではないために、タイマ高圧室73内の圧力が急激に降下する。
そうすると、図6に示すように、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さくなって、第2の燃料通路103に設けられたチェック弁5が開かれる。このため、ポンプ室43の燃料は、第1の燃料通路101及び第2の燃料通路103を介してタイマ高圧室73に供給される。したがって、ポンプ室43からタイマ高圧室73への燃料供給流量が十分に確保されるようになって、タイマ高圧室73内の圧力が負圧になることを抑制することができる。
(タイマ高圧室内の圧力変化)
図7は、燃料噴射装置が高圧高回転状態で駆動されている場合におけるフェイスカム19のリフトダウン(L.D.)に伴うタイマ高圧室73内の圧力変化を示す説明図である。図7において、実線が、本実施形態に係る燃料噴射装置1の例を示し、破線が、チェック弁5を備えた第2の燃料通路103を有しない参考例による燃料噴射装置の例を示している。
実施例及び参考例いずれも、フェイスカム19のリフトアップ時において、タイマピストン77は、スライドピン79を介してフェイスカム19の駆動反力を受けてタイマ高圧室73側に移動するため、タイマ高圧室73内の圧力が上昇している。
また、実施例及び参考例いずれも、フェイスカム19のリフトダウン時において、タイマピストン77は、スライドピン79を介してフェイスカム19の駆動反力を受けてタイマ低圧室71側に急激に移動し、タイマ高圧室73内の圧力が急激に降下する。このとき、参考例では、第1の燃料通路101のみを介してポンプ室43からタイマ高圧室73に燃料が導かれることから燃料供給流量が不足し、タイマ高圧室73内の圧力は負圧となっている。
一方、実施例では、タイマ高圧室73内の圧力の低下に伴ってチェック弁5が開かれ、第1の燃料通路101と併せて第2の燃料通路103を介してポンプ室43からタイマ高圧室73に燃料が導かれる。このため、燃料供給流量が確保されて、タイマ高圧室73内が負圧になることが回避されている。したがって、タイマ高圧室73内にキャビティが発生することによるエロージョンを低減することができる。
(タイマ応答性)
図8及び図9は、タイマ機構70の応答性を説明するために示す図である。それぞれ横軸がポンプ回転数(ドライブシャフト11の回転数)を示し、縦軸がタイマピストン77の移動量(TA)を示している。図8は、チェック弁5を備えた第2の燃料通路103を有しない参考例による燃料噴射装置のタイマ機構の応答性を示し、図9は、本実施形態に係る燃料噴射装置1のタイマ機構70の応答性を示している。
図8に示すように、参考例による燃料噴射装置では、ポンプ回転数が上昇する場合と低下する場合とで、同じポンプ回転数でのタイマピストン77の移動量に最大2.6mmの差が生じている。一方、図9に示すように、本実施形態に係る燃料噴射装置1では、ポンプ回転数が上昇する場合と低下する場合とで、同じポンプ回転数でのタイマピストン77の移動量が最大1.3mmに抑えられている。これは、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さいとき以外には第2の燃料通路103が閉じられており、オリフィスとして適切に設計された第1の燃料通路101の小径部101aを介してポンプ室43からタイマ高圧室73に燃料が導かれることによる。
つまり、ポンプ室43からタイマ高圧室73への燃料供給流量を確保するために、単に小径部101aの断面積を大きくするのではなく、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さいときに第2の燃料通路103が開かれることが有効であることが分かる。このようにして、本実施形態に係る燃料噴射装置1は、タイマ機構70の安定性あるいは直線性を向上させることができる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る燃料噴射装置1は、ポンプ室43からタイマ高圧室73に燃料を導く燃料通路として、オリフィスとして機能する小径部101aを有する第1の燃料通路101と併せて、タイマ高圧室73内の圧力がポンプ室43内の圧力よりも所定以上小さいときに開弁するチェック弁5を備えた第2の燃料通路103を備えている。このため、燃料噴射装置が高圧高回転で駆動している状態で燃料噴射が終了したとき等、タイマピストン77が急激にタイマ低圧室71側に移動してタイマ高圧室73内の圧力が急激に降下する場合であっても、比較的速やかにタイマ高圧室73に燃料を供給することができる。これにより、タイマ高圧室73内が負圧になることが抑制され、キャビティの圧壊によるエロージョンを抑制することができる。
また、本実施形態に係る燃料噴射装置1は、タイマ高圧室73内の圧力が急激に降下するような場合以外は、第1の燃料通路101の小径部101aを介してタイマ高圧室73へと燃料が供給されることから、タイマの応答性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1・・・燃料噴射装置、5・・・チェック弁、19・・・フェイスカム、19a・・・カム山、21・・・ローラリング、23・・・カムローラ、43・・・ポンプ室、70・・・タイマ機構、71・・・タイマ低圧室、73・・・タイマ高圧室、77・・・タイマピストン、79・・・スライドピン、81・・・タイマスプリング、101・・・第1の燃料通路、101a・・・小径部、103・・・第2の燃料通路、105・・・弁体、107・・・スプリング受け部材、109・・・弁スプリング

Claims (1)

  1. ポンプ室に燃料を送るフィードポンプと、前記ポンプ室内の圧力によって燃料噴射時期を進角又は遅角させるタイマ機構と、を備えた燃料噴射装置において、
    前記タイマ機構は、
    ポンプハウジングに回動自在に支持されたローラリングと、
    前記ローラリングに一端側が挿通され、他端側が前記ローラリングの外方に突出するスライドピンと、
    前記スライドピンの他端側が挿通され、前記スライドピンを駆動するタイマピストンと、
    前記タイマピストンを移動自在に支持する摺動孔が前記タイマピストンにより区画されて前記タイマピストンの一端側に形成されたタイマ低圧室及び前記タイマピストンの他端側に形成されたタイマ高圧室と、
    前記タイマ低圧室に設けられ前記タイマピストンを前記タイマ高圧室側に付勢する第1の弾性部材と、を備え、
    前記タイマピストンは、
    少なくとも前記タイマ高圧室内の圧力及び前記第1の弾性部材の付勢力のバランスにより変位し、
    前記タイマピストンは、
    前記ポンプ室の燃料を前記タイマ高圧室に導く第1の燃料通路及び第2の燃料通路と、
    前記タイマ高圧室内の圧力が前記ポンプ室内の圧力よりも所定以上小さいときに開弁するチェック弁と、を備える、燃料噴射装置。
JP2017185890A 2017-09-27 2017-09-27 燃料噴射装置 Active JP6948898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185890A JP6948898B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185890A JP6948898B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019060292A JP2019060292A (ja) 2019-04-18
JP6948898B2 true JP6948898B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=66176470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017185890A Active JP6948898B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6948898B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019060292A (ja) 2019-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010048122A (ja) 高圧燃料ポンプ
KR20060129463A (ko) 고압 펌프 피스톤/실린더 유닛
JP2009097505A (ja) 燃料ポンプ
JP6948898B2 (ja) 燃料噴射装置
US6406269B1 (en) Fuel pump
JPS5912131A (ja) 燃料噴射ポンプの噴射率制御装置
JP3812695B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
JP5984303B2 (ja) 燃料噴射補助装置及び燃料噴射補助装置を備える燃料噴射ポンプ
KR20070020074A (ko) 엔진의 연료 분사 장치용 고압 펌프
EP2635796B1 (en) Injection pump
JP2004285912A (ja) 燃料噴射装置
JP3906775B2 (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
WO2015045600A1 (ja) 燃料噴射ポンプ
JP2005147096A (ja) 燃料噴射ポンプのデリベリバルブ
JP3918767B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2020143596A (ja) 高圧ポンプ
JP2010190081A (ja) ベーンポンプ
JPH08144891A (ja) 内燃機関用燃料噴射ポンプ
JP2003247472A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
JPS5822993Y2 (ja) 分配型燃料噴射ポンプの噴射時期調整装置
JP2019065789A (ja) 高圧ポンプ
JPH0633799A (ja) 分配型インジェクションポンプ
JPS63113176A (ja) ユニツトインジエクタ
JP2004116475A (ja) 燃料噴射ポンプ
JPH02146254A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6948898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150