JP2004285912A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーボタイマ機構と逆進角特性のロードタイマ機構とを有し、エロージョンの発生防止が可能な燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】ロードタイマ機構は、ガバナシャフト45に形成され、燃料の低圧側に連通する逃がし通路76と、ガバナスリーブ46に形成され、ガバナスリーブ46の前進時、後退時に逃がし通路76に対して遮断、連通する貫通孔77とを有すると共に、タイマ機構24は、タイマピストン51に形成され、サーボバルブ挿入孔61a、および高圧室54に連通しサーボバルブ挿入孔61aに開口する燃料通路62と、サーボバルブ挿入孔61aに摺動自在なサーボバルブ60とを備え、サーボバルブ60は、ポンプ室の燃料の圧力変化に応じて燃料通路62と連通、遮断可能な排出通路65を有し、排出通路65には、流入した燃料が略大気圧以下で閉弁する制御弁66を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置に関し、特に燃料噴射装置の燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射装置は、例えばディーゼル機関の燃料噴射装置に用いられる分配型燃料噴射ポンプにおいて、燃料噴射時期制御装置に、サーボバルブを備えたものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1の開示による技術では、タイマピストン内に形成された挿入孔に摺動可能にサーボバルブが支持されている。このサーボバルブは、フィードポンプから供給される燃料油の圧力変化により挿入孔内を摺動移動する。そして、その供給圧力が上昇したときには、フィードポンプから高圧室に燃料油が供給され、タイマピストンを進角側へ移動する。一方、その供給圧力が低下したときには、サーボバルブが開弁して高圧室と低圧室とを連通させ、タイマピストンを遅角側へ移動するように構成されている。この種の燃料噴射時期制御装置は、サーボバルブを有しないものに比べて制御力が高く、ポンプ駆動反力の影響を受けにくく、サーボタイマ機構として現在広く使用されている。
【0003】
なお、高圧室と低圧室はタイマピストンを挟んで形成され、例えば高圧室はタイマピストンと高圧側タイマカバーとで形成される。
【0004】
近年、建産機等の産業用機械においても、乗用車等の車両と同様にディーゼル機関の排気ガス規制が強化されつつある。これに伴い、低負荷域での排気ガス浄化対策として、逆進角特性が得られるロードタイマ機構(特許文献2参照)を実用化したいという要求がある。特許文献2の開示による技術では、従来の進角特性が負荷の減少に従い遅角したのに対して、逆に負荷の増加に従い遅角する。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−32928号公報
【0006】
【特許文献2】
実開閉4−1644号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報開示の技術では、サーボタイマ機構と逆進角特性のロードタイマ機構とを有する燃料噴射装置を実用化しようとすると、高負荷域にてタイマピストンが最遅角状態にあるため、タイマピストンが高圧側タイマカバーを押圧する。タイマピストンには高駆動反力が作用しているため、高圧側タイマカバーが歪むことにより高圧室内のキャビティ発生により、タイマピストン高圧側端面にキャビテーションエロージョンが発生する可能性がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、したがってその目的は、サーボタイマ機構と逆進角特性のロードタイマ機構とを有するとともに、エロージョンの発生防止が可能な燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によれば、ポンプ室内に燃料を供給するフィードポンプと、ポンプ室内に配置されたガバナシャフト、およびガバナシャフトの外周に摺動自在に外嵌され、フライウェイトの開動作に連動して軸方向に前進し、フライウェイトの閉動作に連動して軸方向に後退するガバナスリーブを有するガバナと、ポンプ室内の燃料が高圧であるときには燃料噴射時期を進角させ、低圧であるときには燃料噴射時期を遅角させるタイマ機構とを備えた燃料噴射装置において、ガバナシャフトの内部に形成され、一端がガバナシャフトの外周面に開口し、他端が燃料の低圧側に連通する逃がし通路と、ガバナスリーブに形成され、ガバナシャフトとの嵌合部における内外面を貫通し、ガバナスリーブの前進時には逃がし通路に対して遮断され、後退時には逃がし通路と連通する貫通孔とを有するとともに、
タイマ機構は、燃料噴射時期を調整可能なローラリングに係合されたタイマピストンと、タイマピストンの最遅角位置を規定する高圧側カバーとを備え、タイマピストンを摺動自在に支持する摺動孔が二つの圧力室に分けられ、圧力室の一方をローラリングに作用する駆動トルク反力をタイマピストンを介して受け、高圧側タイマカバーとで区画される高圧室とし、他方を燃料の低圧側に通じる低圧室とし、タイマピストン内に形成され、低圧室に開口するサーボバルブ挿入孔、ポンプ室の燃料が供給される流入通路、および高圧室に連通し、サーボバルブ挿入孔に開口する燃料通路と、サーボバルブ挿入孔に摺動自在なサーボバルブとを備え、
サーボバルブは、その一端で流入通路から導かれるポンプ室の燃料の圧力を受け、その他端でその燃料圧力に対抗してサーボバルブスプリングが付勢され、ポンプ室の燃料の圧力変化に応じて燃料通路と連通、遮断可能な排出通路を有し、排出通路には、燃料通路を介して流入した燃料が略大気圧以下になると閉弁する制御弁を備えている。
【0010】
まず、ガバナスリーブの貫通孔は、ガバナスリーブの前進時に逃がし通路に対して遮断され、後退時に逃がし通路と連通するロードタイマ構造を構成するため、ガバナスリーブの後退つまり内燃機関の負荷の増加に従ってポンプ室内の燃料を、逃がし通路を介して低圧側へ流出させる。結果として、このロードタイマ構造により、高負荷状態で、タイマ機構における燃料噴射時期を、低負荷域に比べて遅角させる。
【0011】
さらに、タイマ機構は、タイマピストンに形成されたサーボバルブ挿入孔に摺動自在に支持されるサーボバルブと、前記サーボバルブの一端側に加わるポンプ室の燃料圧力に対抗して他端側を付勢するサーボバルブスプリングを備え、ポンプ室の燃料の圧力変化に応じてサーボバルブの位置を移動させる。その結果、サーボバルブに形成された排出通路と、高圧室と連通する燃料通路とが連通、遮断を切換えるタイマピストン位置にタイマピストンを制御する。
【0012】
その排出通路には、燃料通路を介して流入したポンプ室の燃料が略大気圧以下になると閉弁する制御弁を備えているので、高負荷域でタイマピストンが最遅角状態にあるとき、駆動トルク反力によってタイマピストンが高圧側タイマカバーを押圧することで、高圧側タイマカバーが変形して高圧室内の体積が増加する。この際、制御弁の閉弁動作によって、排出通路を介して高圧室から低圧室への燃料の流出が防止される。したがって、高圧室内の燃料の負圧の発生が防止でき、負圧発生により生じるキャビティの形成を防止するので、キャビテーションエロージョンの発生防止が図れる。
【0013】
なお、高圧室の燃料は、例えばタイマピストン内に形成されるオリフィスを通じて、ポンプ室に流入できる。
【0014】
本発明の請求項2によれば、制御弁は、排出通路内に形成された弁座に当接、離間可能な弁体部と、弁体部を弁座側に所定押圧力で付勢する付勢スプリングとを備え、所定押圧力を、ほぼ0.1MPaにできる。
【0015】
本発明の請求項3によれば、制御弁は、排出通路を塞ぐことが可能な薄板状のリードバルブで形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料噴射装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料噴射装置に係るタイマ機構を示す横断面図である。図2は、図1中のサーボバルブを示す拡大断面図である。図3は、本実施形態に係わるロードタイマ機構を示す縦断面図である。図4は、ロードタイマ機構により進角特性を表すグラフであって、図4(a)は負荷の増加に従い遅角する逆進角特性、図4(b)は負荷の減少に従い遅角する比較例の進角特性を示すグラフである。図5は、実施形態の燃料噴射装置を示す縦断面図である。
【0018】
ディーゼル機関(図示せず)の各気筒ごとに燃料を圧送する燃料噴射装置1には、図5に示すように、ディーゼル機関によって回転駆動されるドライブシャフト2が装着されている。ドライブシャフト2の途中には、ベーン式のフィードポンプ3が設けられ、このフィードポンプ3は、ドライブシャフト2の回転に伴って回転駆動される。
【0019】
ドライブシャフト2の基端側には、ガバナ4を駆動するための駆動ギヤ5が取付けられている。ガバナ4については後述する。駆動ギヤ5とカムプレート6との間には、ローラリング7が配置されている。このローラリング7には、カムプレート6のカム山フェイス6aに対向する複数のカムローラ8が取付けられている。カム山フェイス6aは、ディーゼル機関の気筒数と同数設けられている。また、カムプレート6はスプリング9によってカムローラ8に押付けられている。
【0020】
カムプレート6は、燃料加圧用のプランジャ10が取付けられており、カップリング11を介してドライブシャフト2と一体的に回転する。このカップリング11には、カムプレート6に設けられた爪部6bおよびドライブシャフト2に設けられた爪部5aがそれぞれ挿通されており、カムプレート6はドライブシャフトにより一体回転する。
【0021】
カム山フェイス6aは、カムローラ8に転接している。このカムローラ8がカム山フェイス6aに転接することにより、カムプレート6およびプランジャ10は、ドライブシャフトによる1回転中に複数回、すなわち機関の気筒数に応じて複数回往復移動する。つまり、カム山フェイス6aがローラリング7のカムローラ8に乗り上げる過程で往動(リフトアップ)され、逆にカム山フェイス6aがローラリング7のカムローラ8を乗り下げる過程でプランジャ10が復動(リフトダウン)される。
【0022】
ポンプハウジング12には、プランジャ10が挿入した状態で配置されるシリンダ13が設けられている。そして、プランジャ10の先端とシリンダ13の底面を形成するヘッドプラグ13aとの間がプランジャ高圧室14となっている。プランジャ10の先端側の外周には、気筒数と同数の吸入溝15aが形成されている。この吸入溝15aは、プランジャ10が復動して高圧室14が減圧されるときに、ポンプハウジング12に形成された吸入ポート15を介して後述するポンプ室16に連通して、そのポンプ室16の燃料をプランジャ高圧室14に導くためのものである。また、プランジャ10の先端側の内部には、圧縮された燃料をポンプハウジング12に形成された吐出ポート17に導くための分配ポートが形成されている。吐出ポート17は、ディーゼル機関の気筒数だけ等間隔にシリンダ13内に開口するものである。
【0023】
吐出ポート17の出口部分には、デリバリバルブ20が配置されている。このデリバリバルブ20は、吐出ポート17から燃料圧送配管(図示せず)へ圧送される燃料の逆流を防ぐためのものであり、ある一定の燃料圧力に達した際に開弁して、吐出ポート17に圧送された高圧燃料を燃料圧送配管へ導くものである。
【0024】
また、ポンプハウジング12には、燃料タンク(図示せず)に連通されたインレット(図示せず)が取付けられている。このインレットは、フィードポンプ3の吸入側と導入ポート23(燃料の低圧側に相当)を介して連通する。なお、この導入ポート23は、後述するタイマ機構24の低圧室25(図1参照)にも連通している。
【0025】
ポンプハウジング12の内部には、フィードポンプ3から燃料の供給を受けるポンプ室16が形成されている。このポンプ室16は、プランジャ高圧室14に吸い込まれる燃料を蓄えるとともに、プランジャ10、シリンダ13等の機械的な摺動部に燃料を満たすものである。
【0026】
フィードポンプ3はドライブシャフト2の回転によって駆動されると、燃料を燃料タンクからインレットを経て導入ポート23に導入して、フィードポンプ3へ吸い込む。フィードポンプ3へ吸い込まれた燃料は導出ポート(図示せず)に圧送されてポンプ室16に供給される。
【0027】
ここで、プランジャ10が復動してプランジャ高圧室14が減圧される吸入行程では、プランジャ10の先端外周に形成された吸入溝15aの1つが吸入ポート15を介してポンプ室16に連通して、ポンプ室16の燃料がプランジャ高圧室14に吸入される。逆に、プランジャ10が往動してプランジャ高圧室14が加圧される圧縮行程では、高圧室14で加圧された高圧の燃料が、吐出ポート17、デリバリバルブ20、燃料圧送配管を経て、機関の気筒ごとに取付けられた燃料噴射ノズル(図示せず)の1つに圧送される。この圧送された燃料の圧力がノズル開弁圧に達すると、その燃料噴射ノズルが燃料を気筒内に噴射する。
【0028】
一方、プランジャ10には、一端が分配ポート18に連通して高圧室14で圧縮された高圧燃料をポンプ室に溢流する(以下、スピルするという)スピルポート32が形成されている。このスピルポート32の他端は、ポンプ室16内で開口するものであり、プランジャ10の周囲には、スピルポート32を開閉するリング状のスピルリング33が摺動自在に外嵌されている。プランジャ10の圧送行程においてスピルポート32がスピルリングから露出すると燃料噴射が終了することから、スピルリング33を図5の右側へ移動させると燃料噴射量が増大し、逆に左側へ移動させると燃料噴射量が減少する。
【0029】
このスピルリング33は、レバーアセンブリ35のコントロールレバー34の端部に係合されており、コントロールレバー34の回動位置に応じて位置が設定される。レバーアセンブリ35は、ポンプハウジウング12に対して回転位置が設定されるガイドレバー36と、このガイドレバー36の支持軸37を介して回転自在に取付けられたテンションレバー38およびコントロールレバー34とを主要な構成要素とするものである。
【0030】
コントロールレバー34は、テンションレバー38に対してスタートスプリング39を介して接触している。このコントロールレバー34は、始動時以外はスタートスプリング39が撓んでテンションレバー38とともに支持軸37を中心にして回動する。コントレールレバー34の下端は、スピルリング33に係合しており、図5の左回転方向へ回動すると、スピルリング33が右方へ移動して燃料噴射量が増大する。逆に図示右回転方向へ回転すると、スピルリング33が左方へ移動して燃料噴射量が減少する。
【0031】
ポンプハウジング12には、テンションレバー38に操作力を与えるアジャスティングレバー40が軸41を介して回動自在に回動自在に取付けられている。ポンプ室16内に突出する軸41の一端には、偏心ピン42が取付けられており、この偏心ピン42とテンションレバー38との間には、テンションレバー38を図5の左方向に引きつけるコントロールスプリング43が介在されている。このコントロールスプリング43の張力は、アジャスティングレバー40を燃料噴射量の増量側へ回動させると増大し、減量側へ回動させると減少するものである。
【0032】
また、コントレールレバー34は、遠心力を利用したガバナ4の作用を受ける。このガバナ4は、ポンプ室16内に突出するようにポンプハウジング12に固定されたガバナシャフト45と、このガバナシャフト45の外周に摺動自在に外嵌されているガナバスリーブ46と、フライウェイト47とを主要な構成要素とする。
【0033】
ガバナスリーブ46は、一端がコントロールレバー34に当接し、他端がワッシャ48を介してフライウェイト47に当接するものであり、フライウェイト47の開動作に連動して軸方向に前進(図5の右方向へ移動)し、フライウェイト47の閉動作に連動して軸方向に後退(図5の左方向へ移動)する。
【0034】
フライウェイト47は、ドライブシャフト2と一体に回転する駆動ギヤ5によって駆動される従動ギヤ49によって回転するものであり、その回転の遠心力によって開閉する。
【0035】
コントロールレバー34およびテンションレバー38の回転位置は、コントロールスプリング43と、フライウェイト47によるガバナスリーブ46の押圧力との釣合いによって決定されることになる。その結果、スピルリング33のプランジャ10上の軸方向位置が決定されて燃料噴射量の調整がなされる。
【0036】
例えばコントロールスプリング43の張力を一定に維持した状態の場合では、ドライブシャフト2の回転速度が高まると、フライウェイト47が遠心力によって開いてガバナスリーブ46を前進させ、コントロールレバー34をコントロールスプリング43に抗して図5の右回転方向へ回動させる。その結果、スピルリング33が図示左方向へ移動し、燃料噴射量が減少する。逆に、
ドライブシャフト2の回転速度が低下すると、フライウェイト47に作用する遠心力が弱まり、コントロールスプリング43がコントロールレバー34を図5の左回転方向へ回動させる。その結果、スピルリング33が図示右方向へ移動し、燃料噴射量が増加する。
【0037】
一方、ドライブシャフト2の回転速度を一定にした状態の場合では、アジャスティングレバー40を燃料噴射量の増量側へ回動させると、コントロールスプリング43の張力が増加するため、コントロールレバー34が図5の左回転方向へ回動してスピルリング33が図示右方向へ移動し、燃料噴射量が増加する。このとき、ガバナスリーブ46は、コントロールレバー34の回動に伴って後退し、その分だけフライウェイト47が閉じる。逆に、アジャスティングレバー40を燃料噴射量の減量側へ回動させると、コントロールスプリング43の張力が減少するため、コントロールレバー34に対するガバナスリーブ46の押圧力が相対的に大きくなる。その結果、コントロールレバー34が図5の右回転方向へ回動してスピルリング33が図示左方向へ移動し、燃料噴射量が減少する。
【0038】
ポンプハウジング12の下側には、燃料噴射時期をポンプ室16内の圧力によって進角側あるいは遅角側へ調整するためのタイマ機構24が設けられている。このタイマ機構24は、ドライブシャフト2の回転方向に対するローラリング7の回転位置を変更することにより、カム山フェイス6aがカムローラ8に乗り上げる時期および乗り下げる時期、すなわちプランジャ10が往復動される時期を変更するものである。
【0039】
このタイマ機構24は、図1に示すように、タイマピストン51を備え、ポンプハウジング12内にドライブシャフト2と略直交する方向に形成された摺動孔12aに摺動自在に挿入されて支持されている。このタイマピストン51は、スライドピン52を介してローラリング7に連結されている。このタイマピストン51により摺動孔12a内が圧力室(以下、タイマ高圧室)54と低圧室(以下、タイマ低圧室)25とに分けられている。タイマ圧力室54は、タイマピストン51、摺動孔12a、および高圧側タイマカバー56とで区画されている。高圧側タイマカバー56はタイマピストン51の最遅角位置を規定している。タイマ低圧室25は、タイマピストン51、摺動孔12a、および低圧側タイマカバー57とで区画されている。
【0040】
タイマピストン51内には、図1に示すように、高圧側オリフィス53、サーボバルブ60、流入通路63、燃料通路62とが設けられている。高圧側オリフィス53は、ポンプ室16の燃料をタイマ高圧室54へ導く。サーボバルブ60は、タイマピストン51内に軸方向に配置されたサーボバルブ挿入孔61aに摺動自在に支持されている。サーボバルブ挿入孔61aは燃料通路62が連通しており、燃料通路62がサーボバルブ挿入孔61aに開口している。なお、サーボバルブ挿入孔61aは、タイマピストン51内に形成さていても、サーボバルブ60とタイマピストン51の間に挿嵌したブッシュ61内に形成されるものであってもよい。
【0041】
以下、本実施例では、図1および図2に示すように、ブッシュ61内にサーボバルブ挿入孔61aが形成されているものとする。ブッシュ61はタイマピストン51の一部を構成している。図2に示すように、ブッシュ61内の外周には周方向に延びる略環状溝61bが形成され、内外面を貫通する連絡孔61cが設けられている。なお、略環状溝61bおよび連絡孔61cは、燃料通路62の一部を構成し、連絡孔61は、燃料通路62がサーボバルブ挿入孔61aの内周面に開口する開口部を形成している。さらになお、この連絡孔61cは複数設けられ、複数の連絡孔61cからサーボバルブ挿入孔61aに流入する燃料によるサーボバルブ60への作用力が打ち消し合う方向に連通孔61cが配置されていることが好ましい。サーボバルブ挿入孔61aに支持されるサーボバルブ60の摺動性を向上させ、サーボバルブ60とサーボバルブ挿入孔61aとの摺動による局部的磨耗を防止する等の波及効果がある。
【0042】
流入通路63は、サーボバルブ60の一端60aにポンプ室16の燃料を導くように構成されている。他端60bには一端60aに作用するポンプ室16の燃料圧力に対抗してサーボバルブスプリング64が付勢されている。サーボバルブ60は、一端がサーボバルブ挿入孔61aに対向するサーボバルブ60の外周面に開口し、他端がタイマ低圧室25に開口する排出通路65を備えている。この排出通路65は、サーボバルブ60の軸方向移動に応じて、燃料通路62の連絡孔61cと連通、遮断可能である。この様な構成により、サーボバルブ60は、その一端60aで流入通路63を経て導かれるポンプ室16の燃料圧力を受け、その他端60bでその燃料圧力に対向するサーボバルブスプリング64が付勢されるので、ポンプ室16の燃料の圧力変化に応じて、サーボバルブ挿入孔61a上のサーボバルブ60の位置を移動させる。その結果、排出通路65と連絡孔61cとが連通、遮断を切換えるタイマピストン51の位置にタイマピストン51を制御する。
【0043】
排出通路65内には、図2に示すように、制御弁66を備えている。この制御弁66は、排出通路65内に形成された弁座65aに当接、離間可能な弁体部としてのボール67と、ボール67を弁座65a側に所定押圧力で付勢する付勢スプリング68とを備えている。この付勢スリング68の所定押圧力は、ほぼ0.1MPaに設定されている。これにより、制御弁66は、燃料通路を経て排出通路65へ導かれたタイマ高圧室54の燃料圧力がほぼ大気圧以下になると閉弁する。なお、ボール67側とは反対側の付勢スリング68には、排出通路65に嵌合するストッパ69が設けられ、排出通路65内におけるストッパ69の軸方向位置を調整することで上記所定押圧力が設定される。
【0044】
なお、タイマ低圧室内には、図1に示すように、タイマピストン51を高圧側カバー56側へ付勢するアウタスプリング55が設けられている。
【0045】
燃料噴射装置1には、上記タイマ機構24を利用し、内燃機関の負荷が大きい場合には遅角させ、負荷が小さい場合には進角させる逆進角特性を有するロードタイマ機構を備えている。
【0046】
ロードタイマ機構は、図3に示すように、ガバナシャフト45の内部に形成され、一端がガバナシャフト45の外周面に開口し、他端が燃料の低圧側に連通する逃がし通路76と、ガバナスリーブ46に形成され、ガバナシャフト45の嵌合部における内外面を貫通する貫通孔77とを備えている。逃がし通路76は、ガバナシャフト45の略中心に形成された横孔78と、この横孔78に交差してガバナシャフト45の径方向に延びる縦孔79と、この縦孔79の開口部が底面に開口する環状溝80とから構成されている。横孔78の図3の右先端は栓(図示せず)によって封止されている。また、横孔78の基端側は、ポンプハフジング12に形成された低圧ポート82(図1参照)を介して導入ポート23に接続されている。貫通孔77は、ガバナシャフト45との嵌合部に形成されており、ガバナスリーブ46を貫通するポート83と、ガバナスリーブ46の内周面に形成されてポート83が底面に開口する環状溝84とから構成されている。
【0047】
これら逃がし通路76と貫通孔77の位置関係は、図3に示すように、ガバナスリーブ46の前進時には逃がし通路76と貫通孔77とが遮断され、後退時には逃がし通路76と貫通孔77とが連通するように配置されている。
【0048】
上述の構成を有する燃料噴射装置1の作動について説明する。ここでは、本発明に係るタイマ機構およびロードタイマ機構の作動を中心に説明する。内燃機関を駆動すると、内燃機関の回転に同期してドライブシャフト2およびフィードポンプ3が回転する。すると、例えばローラリング7に配置されたカムローラ8を介してカムプレート6が図5の左方向にリフトダウンする。そして、再びカムローラ8を介してカムプレート6がカム山フェイス6aに沿って上昇すると、プランジャ10の回転を伴いながら、図5の右方向にリフトアップし、プランジャ高圧室14内の燃料を加圧する。その結果、フィードポンプ3の回転により燃料タンクから汲み上げた燃料は、ポンプ室16、プランジャ高圧室14、吐出ポート、デリバリバルブ20を介して、各気筒の燃料噴射ノズルに圧送される。
【0049】
この様にカムプレート6のリフトダウンおよびリフトアップは、カム山フェイス6aに対するカムローラ8の乗り上げ、乗り下げ動作を繰り返し、内燃機関への高圧燃料噴射終了時の駆動反力Fが、図1に示すように、カムプレート6からカムローラ8、ローラリング7、スライドピン52を介してタイマピストン51に作用する。その結果、タイマ高圧室54はタイマピストン51の高圧室側端面51aによって駆動反力Fによる押圧を受ける。なお、駆動反力Fは、ローラリング7に作用する駆動トルク反力を、ローラリング7からタイマピストン51の中心距離で除したものである。
【0050】
ロードタイマ機構において、逃がし通路76と貫通孔77の位置関係は、図3に示すように、ガバナスリーブ46の前進時には逃がし通路76と貫通孔77とが遮断され、後退時には逃がし通路76と貫通孔77とが連通するように配置されているため、内燃機関の負荷の増加に従いタイマピストン51を遅角させる(図4(a)参照)。
【0051】
ここで、高負荷時に、上記ロードタイマ機構の動作によりポンプ室16内の燃料圧力が低くなる。ポンプ室16の燃料は高圧側オリフィス53を通じてタイマ高圧室54に導かれている。一方、タイマ高圧室54の燃料は、サーボバルブ60の連通、遮断動作によって、燃料通路62を経て排出通路65を通じて、タイマ低圧室25へ排出される。このため、タイマ高圧室54内の燃料圧力は上がらず、タイマピストン51は、アウタスプリング55の付勢力により高圧側タイマカバー56に当接する場合がある。
【0052】
駆動反力Fがタイマピストン51に加わると、タイマピストン51は高圧側タイマカバー56を押圧し、高圧側タイマカバー56に駆動反力Fが作用する。その結果、高圧燃料噴射に伴い発生する駆動反力Fによって、高圧側タイマカバー56が歪んで変形し、タイマ高圧室54の体積が増加する。タイマ高圧室54がさらに低下する。このとき、サーボバルブ60の排出通路には、燃料通路62を介して流入した燃料が略大気圧以下になると閉弁する制御弁66を備えているので、そのタイマ高圧室54の圧力低下に伴って閉弁し、排出通路65からタイマ低圧室25への燃料流出を防止する。したがって、タイマ高圧室54内の燃料の負圧発生の防止ができる。負圧発生により生じるキャビティの形成を防止するので、タイマピストン51の高圧室側端面51aにおけるキャビテーションエロージョンの発生防止が図れる。
【0053】
なお、ここで、タイマ機構24およびロードタイマ機構は、燃料噴射装置1の燃料噴射時期を調整する燃料噴射時期制御装置を構成している。
【0054】
(第2の実施形態)
第2の実施形態を、図6に従って説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。図6は、本実施形態に係るサーボバルブを示す拡大断面図である。
【0055】
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した制御弁を、図6に示すように、薄板で形成されたリードバルブ90とする。リードバルブ90は、一端側が排出通路65内を塞ぐように形成された形状を有し、他端が固定部材91によって排出通路65内に固定されている。なお、固定部材91は、図6に示すように、排出通路65に形成した孔92に嵌合するピン等の嵌合部材で形成されている。リードバルブ90はばね材で形成する。これにより、リードバルブ90は、排出通路65を連通、遮断可能な弁体部であるともに、ばね材で形成された薄板状の肉厚等を所定厚にすることで、所定押圧力を得ることが可能である。したがって、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の燃料噴射装置に係るタイマ機構を示す横断面図である。
【図2】図1中のサーボバルブを示す拡大断面図である。
【図3】第1の実施形態に係わるロードタイマ機構を示す縦断面図である。
【図4】ロードタイマ機構により進角特性を表すグラフであって、図4(a)は負荷の増加に従い遅角する逆進角特性、図4(b)は負荷の減少に従い遅角する比較例の進角特性を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の燃料噴射装置を示す縦断面図である。
【図6】第2の実施形態に係るサーボバルブを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置
2 ドライブシャフト
3 フィードポンプ
4 ガバナ
6 カムプレート
7 ローラリング
8 カムローラ
10 プランジャ
12 ハウジング
12a 摺動孔
14 プランジャ高圧室
24 タイマ機構
25 タイマ低圧室(低圧室)
45 ガバナシャフト
46 ガバナスリーブ
47 フライウェイト
51 タイマピストン
53 高圧側オリフィス
54 タイマ高圧室(高圧室)
55 アウタスプリング
56 高圧側タイマカバー
60 サーボバルブ
61a サーボバルブ挿入孔
61b 略環状溝(燃料通路の一部)
61c 連絡孔(燃料通路の一部)
62 燃料通路
63 流入通路
64 サーボバルブスプリング
65 排出通路
66 制御弁
67 ボール(弁体部)
68 付勢スプリング
76 逃がし通路(ロードタイマ機構の一部)
77 貫通孔(ロードタイマ機構の一部)

Claims (3)

  1. ポンプ室内に燃料を供給するフィードポンプと、
    前記ポンプ室内に配置されたガバナシャフト、および前記ガバナシャフトの外周に摺動自在に外嵌され、フライウェイトの開動作に連動して軸方向に前進し、前記フライウェイトの閉動作に連動して軸方向に後退するガバナスリーブを有するガバナと、
    前記ポンプ室内の燃料が高圧であるときには燃料噴射時期を進角させ、低圧であるときには燃料噴射時期を遅角させるタイマ機構とを備えた燃料噴射装置において、
    前記ガバナシャフトの内部に形成され、一端が前記ガバナシャフトの外周面に開口し、他端が燃料の低圧側に連通する逃がし通路と、前記ガバナスリーブに形成され、前記ガバナシャフトとの嵌合部における内外面を貫通し、前記ガバナスリーブの前進時には前記逃がし通路に対して遮断され、後退時には前記逃がし通路と連通する貫通孔とを有するとともに、
    前記タイマ機構は、燃料噴射時期を調整可能なローラリングに係合されたタイマピストンと、前記タイマピストンを摺動自在に支持する摺動孔が二つの圧力室に分けられ、前記圧力室の一方を前記ローラリングに作用する駆動トルク反力を前記タイマピストンを介して受ける高圧室とし、他方を燃料の低圧側に通じる低圧室とし、前記高圧室側に配置され、前記タイマピストンの最遅角位置を規定する高圧側カバーと、前記タイマピストン内に形成され、前記低圧室に開口するサーボバルブ挿入孔、前記ポンプ室の燃料が供給される流入通路、および前記高圧室に連通し、前記サーボバルブ挿入孔に開口する燃料通路と、前記サーボバルブ挿入孔に摺動自在なサーボバルブとを備え、
    前記サーボバルブは、その一端で前記流入通路から導かれる前記ポンプ室の燃料の圧力を受け、その他端で該燃料圧力に対抗してサーボバルブスプリングが付勢され、前記ポンプ室の燃料の圧力変化に応じて前記燃料通路と連通、遮断可能な排出通路を有し、
    前記排出通路には、前記燃料通路を介して流入した燃料が略大気圧以下になると閉弁する制御弁を備えていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記制御弁は、前記排出通路内に形成された弁座に当接、離間可能な弁体部と、前記弁体部を前記弁座側に所定押圧力で付勢する付勢スプリングとを備え、
    前記所定押圧力は、ほぼ0.1MPaであることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記制御弁は、前記排出通路を塞ぐことが可能な薄板状のリードバルブであることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
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