JP6948852B2 - 車上通信装置、車上通信システムおよび車上通信装置を搭載した車両 - Google Patents

車上通信装置、車上通信システムおよび車上通信装置を搭載した車両 Download PDF

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Description

本発明は、車上通信装置、車上通信システムおよび車上通信装置を搭載した車両に関する。例えば、鉄道車両において、複数の共振回路を切り替える機能を持つ車上通信装置を対象とする。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許第3842142号公報(特許文献1)には、「無電源地上子を駆動するために、列車の車上装置からトランスポンダを利用して車上子から無電源地上子に送信する電力波の送信周波数を、車上装置側の切替条件で異なる周波数に切替えて、周波数の異なる無電源地上子を1種類の車上子で駆動する車上送受信装置」に関する発明が開示され、また、車上送受信装置の構成に関して、「電力波伝送部は、2組の電力波周波数発振器と電力波増幅器と、電力波送信切替回路を有し、一方の電力波周波数発振器は周波数f1の電力波を発生し、他方の電力波周波数発振器は周波数f1と異なる周波数f2の電力波を発生し、一方の電力波増幅器は電力波送信周波数選択条件で周波数f1が選択されているときに、一方の電力波周波数発振器から出力される周波数f1の電力波を規定レベルまで増幅して出力し、他方の電力波増幅器は電力波送信周波数選択条件で周波数f2が選択されているときに、他方の電力波周波数発振器から出力される周波数f2の電力波を規定レベルまで増幅して出力し、電力波送信切替回路は電力波送信周波数選択条件に応じて周波数f1の電力波と周波数f2の電力波を切替えて車上子に送り、車上子の電力波送信部には周波数f1の共振回路と周波数f2の共振回路と、共振回路切替部を有し、周波数f1の共振回路は共振コンデンサと電力波送信アンテナの最大の巻き数で形成されるコイルで直列共振回路を構成し、周波数f1より高い周波数f2の共振回路は共振コンデンサと電力波送信アンテナの中間タップで形成される巻き数のコイルで直列共振回路を構成し、共振回路切替部は電力波送信周波数選択条件に応じて周波数f1の共振回路と周波数f2の共振回路を切替えて電力波伝送部から送られた電力波を送り出す」と記載されている。
特許第3842142号公報
前記特許文献1には、車上子の周波数f1の共振回路は、共振コンデンサと電力波送信アンテナの最大の巻き数で形成されるコイルで直列共振回路を構成し、周波数f1より高い周波数f2の共振回路は、共振コンデンサと電力波送信アンテナの中間タップで形成される巻き数のコイルで直列共振回路を構成し、共振回路切替部は、電力波送信周波数選択条件に応じて周波数f1の共振回路と周波数f2の共振回路を切替えて電力波伝送部から送られた電力波を送り出すと記載されている。
しかし、特許文献1に記載の上記構成によると、周波数f1送信時と周波数f2送信時とでは電力波送信アンテナの巻き数が変化する。つまり、周波数f1送信時と周波数f2送信時とではアンテナの特性が変化し、アンテナ1ターンあたりのアンテナ電流と地上子に送り出す電力波の電力量との関係が変化する。仮に、アンテナ送信電流をモニタして送信レベルを調整する場合であっても、一定の電力を送信する場合にf1送信時とf2送信時とでは目標電流が変化し送信レベルの調整が難しくなるので、送信レベルの調整を容易にしたいという課題がある。
さらに、特許文献1に記載の電力波伝送部は、2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器と、電力波送信切替回路を有し、どちらの出力を選択するかは電力波送信周波数選択条件により決まる。つまり、2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器のうち、実際に車上子と接続して機能している電力波周波数発振器および電力波増幅器は、どちらか一方であり、残る一方は機能していない。したがって、上記構成では2組の回路の合計稼働率は0.5であり、実装回路を効率よく機能させているものではない。また、実装面積も2組分必要であることから、電力波周波数の切替えを行わない従来の構成に対し2倍の実装面積が必要となる。
また、共振回路の切替えを行う場合には、リレーの故障などが原因で、車上送受信器が出力する電力波周波数と車上子の設定周波数が不一致となる異常(周波数設定異常)が発生することが考えられ、この周波数設定異常を検知するための仕組みも必要である。
そこで、本発明では、電力波の周波数f1送信時と周波数f2送信時とで電力波送信アンテナのアンテナ巻き数を変化させずに、周波数が異なる複数の電力波に対応した複数の共振回路の切替が可能な、車上通信装置を提供する。
また、本発明では、電力波の周波数f1送信時と周波数f2送信時とで電力波周波数発振器の送信周波数を切替えることにより、2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器と電力波送信切替回路とを必要とせず、1組の電力波周波数発振器および電力波増幅器のみで周波数が異なる複数の電力波送信を可能とする車上通信装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係る車上通信装置は、車両に搭載され、固定巻き数を有し地上子に対して電力波を送信する電力波送信アンテナと、2つ以上の共振コンデンサおよび2つ以上の共振インダクタンスから2つ以上の直列回路を構成して電力波送信アンテナに接続する共振回路群と、切替指令に基づいて2つ以上の直列回路からいずれか1つの直列回路を選択して切り替える切替部と、切替指令を出力すると共に当該切替指令に基づいて切り替わったいずれか1つの直列回路と電力波送信アンテナにより決まる共振周波数と一致する周波数を電力波の周波数として選択する周波数選択部と、周波数選択部が選択した周波数の電力波を出力する電力波生成部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の異なる送信周波数の電力波を送信する場合において、周波数に応じた共振回路を切替えることでアンテナ巻き数を変化させる必要がないため、アンテナの特性が変化せず、送信レベルの制御を容易に行うことができる。また、アンテナ巻き数が固定であるため、アンテナの構造を簡略化し装置コストの低減が可能となる。
さらに、本発明によれば、1組の電力波周波数発振器および電力波増幅器のみで複数の異なる送信周波数の電力波を生成することが可能であるため、電力波生成部の実装面積を小さくするともに1組のみで構成可能であることから、装置コストを低減することが可能となる。
加えて、本発明によれば、共振コンデンサと共振インダクタを用いて共振周波数を切替えることで、共振周波数以外の周波数帯域の送信出力インピーダンスを高めることができる。これにより、前述した周波数設定の異常が発生したときには、正常動作時と比較して電力波電流が大幅に低下するため、電力波モニタ回路でこの電力波電流の低下を検知することにより周波数設定の異常を検出することができる。
図1は、本発明に係る車上通信装置の実施例1の構成を示す図である。 図2は、列車と地上信号システム間で、情報を送受信するシステムの構成を示す図である。 図3は、実施例1の車上通信装置の動作態様(共振回路の切替え手順)のフローを示す図である。 図4は、本発明に係る車上通信装置の実施例2の構成を示す図である。 図5は、本発明に係る車上通信装置の実施例3の構成を示す図である。 図6は、本発明に係る車上通信装置の実施例4の構成を示す図である。 図7は、実施例4の車上通信装置において、複数の電力波送信アンテナをレベルモニタアンテナと兼用する場合の構成を示す図である。 図8は、実施例4の共振回路切替部を車上送受信器内に備える場合の構成を示す図である。 図9は、本発明に係る車上通信装置の実施例5の構成を示す図である。 図10は、直列共振回路の送信出力インピーダンス特性を示す図である。 図11は、共振コンデンサおよび共振インダクタを用いて共振周波数を切替える場合の送信出力インピーダンス特性を示す図である。
以下、本発明の実施形態として、実施例1〜5について、図を参照しつつ詳細に説明を行う。
図1は、本発明に係る車上通信装置の実施例1の構成を示す図である。
本発明に係る車上通信装置が採用する構成の一例として、図1には、トランスポンダ送受信システムで使用する車上送受信器11と車上子1とを示している。車上子1は、例えば、共振回路切替部13、電力波送信アンテナ15、情報波送受信アンテナ16および電力波送信アンテナ15との組み合わせで直列共振回路を構成する共振回路18から構成される。その中で、共振回路18は、共振コンデンサ14および共振インダクタ17から構成され、艤装線(車上子接続ケーブル)12を介して車上送受信器11に接続される。
以上の車上通信装置は、上述のように、トランスポンダ送受信システムで使用する車上子に適用できることから、トランスポンダ送受信システムを用いるATS−P(Automatic Train Stop−Pattern)、自動運転システムであるATO(Automatic Train Operation)およびデジタル式ATC(Automatic Train Control)などの鉄道用保安システムに適用できる。
ここで、本発明に係る車上通信装置を使用する環境の一例を、図2によって説明する。
図2は、例えばトランスポンダ送受信システムを用いて、列車21と地上信号システム間で、列車制御情報や運転支援用の情報などを送受信するシステムの構成を示す図である。
列車21が搭載する車上子1は、車上送受信器11からの送受信情報を地上子24との間で電磁波により送受信し、地上側の信号設備である地上子24と通信を行う。地上子24が自身で電源を持たない無電源地上子である場合には、列車21から地上子24を駆動するための電力を無線により非接触で供給する必要がある。以下、この無線で送信する電力を電力波と呼ぶ。電力波は、一定周波数の無変調信号である。
地上子24は、この無変調の電力波を受信後整流し、直流変換した電力で自身の地上子内の回路を起動し、列車21から電力波の供給を受け回路が起動している間(つまり、列車が地上子近傍に接近している間)、車上子1に対して制御情報を送信する。以下、この制御情報の電磁波を情報波と呼ぶ。なお、制御情報は、地上側だけではなく車両側からも送信している。
このように、無電源地上子を起動するためには、列車21は、自らが搭載する車上子1を介して電力を供給する必要がある。ところが、この電力波の信号周波数は、区間や事業者により異なり、複数の周波数が存在する。これは、トランスポンダ送受信システムを導入する際に、既存の列車無線や沿線の設備等と周波数干渉が生じない周波数を検討のうえ、その路線で使用する電力波周波数を決定しているためである。
したがって、複数路線を相互乗り入れしている列車などで無電源地上子を駆動するためには、例えば、図2に示すように、ある区間1では、地上子24を駆動するための電力波として電力波周波数f1を送信する必要があり、別の区間2では、地上子25を駆動するための電力波として電力波周波数f2を送信する必要が出てくる。
車上子1の電力波送信アンテナ15は、効率よく電力波を送信するために、電力波送信アンテナ15のLとコンデンサのCでLC共振回路を構成し、特定したひとつの電力波周波数に共振周波数を合わせている。そのため、区間1と区間2で送信すべき電力波周波数が異なる場合、それぞれ区間1のf1を共振周波数とする区間1専用の車上子と区間2のf2を共振周波数とする区間2専用の車上子の2台を設置することになり、車上子の設置スペースが十分に確保できないことが想定される。本発明では、2つの異なる周波数(ここでは、f1およびf2)の電力波を1つの車上子1で送信可能な構成とする。
次に、図1により、実施例1の車上通信装置の構成について、詳細に説明する。
車上子1は、共振回路切替部13、共振コンデンサ14と共振インダクタ17とで構成される共振回路18、電力波送信アンテナ15および情報波送受信アンテナ16から構成される。その内、共振回路切替部13は、共振回路18の接続を切替えるためのスイッチやリレー接点131、および、これらスイッチやリレー接点131を動作させるためのリレーコイル132から構成され、リレーコイル132には、艤装線12の共振回路切替指令信号線123を介して切替指令入力133が供給される。更に、共振回路18は、複数の異なる電力波周波数とLC共振をとるために、周波数f1用のコンデンサC1 141と周波数f1用のインダクタL1 171からなる周波数f1用共振回路181、および、周波数f2用のコンデンサC2 142と周波数f2用のインダクタL2 172からなる周波数f2用共振回路182の2種の共振回路を備える。
一方、車上送受信器11は、入出力として、共振回路切替部13に対する切替指令入力133のための共振回路切替指令の出力、情報波送受信アンテナ16に対する情報波信号の入出力および電力波送信アンテナ15に対する電力波信号の出力を行う。車上送受信器11は、電力波送信回路として、電力波信号の生成および出力を行う電力波生成部111、送信出力する電力波周波数の選択信号および共振回路切替部13へ共振回路切替信号を出力する電力波周波数選択部114とを備え、その内、電力波生成部111は、少なくとも電力波周波数を生成するための電力波周波数発振器112および電力波を必要なレベルまで増幅するための電力波増幅器113を備える。また、車上送受信器11は、電力波モニタ回路117を併設し、電力波増幅器113の出力電流を監視する。
車上子1と車上送受信器11とは、艤装線12で接続される。艤装線12は、電力波送信線121、情報波送受信線122および共振回路切替指令信号線123から構成される。
情報波送受信アンテナ16は、地上子とデータの送受信を行うためのアンテナであって、図1に示す構成では、区間に応じて送受信周波数が変わることがなく、また、共振回路を有さない構成のため共振回路切替部13と共振回路18を示していないが、情報波についても共振を取る場合には、電力波と同様に、共振回路切替部13および共振回路18を構成することで共振周波数の切替を可能にする。
次に、実施例1の車上通信装置の動作態様(共振回路の切替え手順)を、図3に示すフローに沿って説明する。
車上送受信器11の電力波周波数選択部114は、列車が走行する線区や区間に応じて、電力波周波数をf1またはf2のどちらの周波数で送信するか選択する。ステップ301で、電力波周波数を選択する判断ステップとして、送信すべき周波数がf2か否かを判断する。
送信すべき周波数がf2の場合(YES)、ステップ302で、電力波周波数選択部114は、共振回路切替信号指令線123への信号印加を停止する。この信号印加の停止により、ステップ303で、共振回路切替部13の共振回路切替リレーコイル132への電圧印加が停止するため、リレーコイル132が非励磁状態となる。
リレーコイルが非励磁状態となると、ステップ304で、共振回路切替部13の共振回路切替リレー接点131が非動作状態となる。その結果、ステップ305で、周波数f2用の共振回路LC2 182が電力波送信アンテナ15に接続され、他方の周波数f1用の共振回路LC1 181は電力波送信アンテナ15と非接続状態になる。
したがって、電力波送信アンテナ15のインダクタンス、f2用共振コンデンサC2 142のキャパシタンスおよびf2用共振インダクタL2 172のインダクタンスにより共振周波数f2となるLC直列共振回路が構成され、周波数f2に対する送信出力インピーダンスを最小にして、電力波送信アンテナ15から地上装置に対して、周波数f2の電力波が必要十分な電力量分を送り出す状態となる。
ステップ306で、電力波周波数選択部114が周波数f2を電力波生成部111に設定し、車上送受信器11は周波数f2の電力波を車上子1に入力する。以上のステップを経て、ステップ307で、電力波送信アンテナ15から周波数f2の電力波が送信されることになる。なお、ステップ306を先に実施した後に、ステップ302以降を実施する態様としても構わない。
一方、列車が走行する線区や区間が変化し、送信すべき周波数がf1となると、ステップ301の判断ステップでの判断結果がNOとなる。ステップ308で、車上送受信器11の電力波周波数選択部114は、共振回路切替信号指令線123へ指令信号を印加する。この指令信号の印加により、ステップ309で、共振回路切替部13の共振回路切替リレーコイル132へリレーコイル駆動用電圧が印加されてリレーコイル132が励磁状態となる。
リレーコイルが励磁状態となることにより、ステップ310で、共振回路切替部13の共振回路切替リレー接点131が動作状態となる。その結果、ステップ311で、周波数f1用の共振回路LC1 181が電力波送信アンテナ15に接続され、他方の周波数f2用の共振回路LC2 182は電力波送信アンテナ15に非接続状態となる。
したがって、電力波送信アンテナ15のインダクタンス、f1用共振コンデンサC1 141のキャパシタンスおよびf1用共振インダクタL1 171のインダクタンスにより共振周波数f1となるLC直列共振回路を構成され、周波数f1に対する送信出力インピーダンスを最小にして、電力波送信アンテナ15から地上装置に対して、周波数f1の電力波が必要十分な電力量分を送り出す状態となる。
ステップ312で、電力波周波数選択部114が周波数f1を電力波生成部111に設定し、車上送受信器11は周波数f1の電力波を車上子1に入力する。以上のステップを経て、ステップ313で、電力波送信アンテナ15から周波数f1の電力波が送信されることになる。なお、ステップ312を先に実施した後に、ステップ308以降を実施する態様としても構わない。
以上で示したように、実施例1では、LC共振回路の切替えのみであり、電力波送信アンテナ15は切替え前後で同一のアンテナを使用する。すなわち、アンテナ巻き数やL値はLC共振回路の切替え前後で変化することはない。したがって、f1用共振回路LC1 181を接続して周波数f1の電力波を送信する場合と、f2用共振回路LC2 182を接続して周波数f2の電力波を送信する場合とで、電力波送信アンテナ15の特性が変化することはなく、共振周波数のみがシフトすることとなる。
このように、アンテナ巻き数の変化がないため、必要な電力量を地上に送信する際の電力波送信アンテナ15のアンテナ1ターンあたりの電流値は、共振回路の切替え前後で変化することはない。また、電力波モニタ回路117により電力波電流を監視して送信レベルの制御やレベル低下による故障検知を行う場合に、共振回路の切替え前後で監視する目標値や故障判定閾値は同一とすることができる。
更に、共振コンデンサと共振インダクタを用いて共振周波数を切替えることで、共振回路切替指令信号線123の切断や共振回路切替部13の故障などにより車上子1の共振周波数設定が電力波生成部111の出力周波数と不一致となる異常(周波数設定異常)が発生したときに、電力波モニタ回路117で監視する電力波電流を大幅に低下させることが可能になり、この変化を利用して周波数設定異常を検知することができる。以下に、この異常検知の原理について説明する。
図10は、直列共振回路の送信出力インピーダンス特性を示す図である。
電力波送信アンテナ15と共振コンデンサC2 142の直列共振回路を考える場合、周波数が高い帯域では、電力波送信アンテナ15のインダクタンスによる誘導性リアクタンスXL 201が支配的であり、周波数が低い帯域では、共振コンデンサC2 142のキャパシタンスによる容量性リアクタンスXC2 203が支配的である。これらのリアクタンスの和がゼロとなる周波数が、この直列共振回路の共振周波数f2であり、送信出力インピーダンス特性は、図10の”Z2 205となる。
ここで、共振周波数f2における直列共振回路のインピーダンスZres 206は、同回路上の銅損、鉄損および放射損失などによる等価直列抵抗値であり、同回路のLCを変化させて共振周波数を切替えてもZres 206の値はほとんど変わらない。
共振コンデンサ14のみで共振周波数をf2からf1に切替えるときの動作を、図10を用いて説明する。ここで、f2はf1より大きいとする。共振周波数は、インダクタンスとキャパシタンスの積の平方根に反比例するため、共振周波数をf2からf1に下げるためにはインダクタンスとキャパシタンスの積を増加させる必要がある。ここでは、電力波送信アンテナのインダクタンスが一定であるため、共振コンデンサのキャパシタンスを増加させる。共振コンデンサ14のキャパシタンスを、C2 142からC1 141に増加すると、容量性リアクタンスがXC2 203からXC1 202に低下する。一方、電力波送信アンテナ15のインダクタンスは変わらないため、誘導性リアクタンスXL 201は変化しない。その結果、送信出力インピーダンス特性は、図10のZ1 204となる。
このとき、電力波生成部111が周波数f2の電力波を出力する周波数設定異常が発生すると、送信出力インピーダンスは、図10のZerr 207となる。Zerr 207は、Zres 206より大きいため、電力波生成部111が周波数f1の電力波を出力する正常時に比べて、周波数f2の電力波を出力する異常時の電力波電流が小さくなる。これを利用して、異常時電流と正常時電流の間に閾値を設定し、電力波モニタ回路117で監視する電力波電流が閾値より高ければ正常、低ければ異常であると判断することができる。
しかし、実際には、アンテナ共振周波数f1、f2のばらつき、電力波増幅器113におけるゲインのばらつきおよび電力波モニタ回路117における精度のばらつきなどが原因で、電力波電流もばらつくため、Zerr 207とZres 206の差が十分に大きくならず、すなわち、正常時電流と異常時電流の差が小さくなってしまい、その差を検知することが困難になる問題がある。
これに対し、本発明に係る車上通信装置の構成(直列共振回路)において、図1に示す共振コンデンサ14と共振インダクタ17で共振周波数をf2からf1に切替える場合の動作態様を、図11を用いて説明する。
図1に示す直列共振回路において、共振周波数切替えのために、共振コンデンサ14のキャパシタンスをC2 142からC1 141に増加して容量性リアクタンスをXC2 203からXC1 202に低下させ、かつ、共振インダクタ17のインダクタンスをL2 172からL1 171に増加して誘導性リアクタンスをXL2 212からXL1 211に上昇させる。
その結果、直列共振回路の送信出力インピーダンス特性は、図11のZ1A 213となる。このとき、電力波生成部111が周波数f2の電力波を出力する周波数設定異常が発生すると、送信出力インピーダンスは、図11のZerrA 214となる。共振インダクタ17により誘導性リアクタンスが上昇しているため、ZerrA 214が図10のZerr 207より高くなり、周波数設定異常時と正常時との電力波電流の差分が増大する。その結果、電力波モニタ回路117により、周波数設定異常時と正常時の両電流値の差をマージンを持って検知することが可能となり、周波数設定異常を確実に検出することができる。
なお、共振コンデンサ14のキャパシタンスC1 141および共振インダクタ17のインダクタンスL1 171は、電力波送信アンテナ15のインダクタンスLと共振周波数f1を用いて、以下の式で表される。
Figure 0006948852
すなわち、L1とC1の値は、上式を満たす範囲で任意に設定できる。L1が大きくC1が小さいほど共振周波数以外の周波数帯域の送信出力インピーダンスが高くなるため、周波数設定異常時の電力波電流がより減少する。このことから、前述のばらつき要因を考慮しても、周波数設定異常時に十分に電力波電流を低下させられるLC値に設定することが可能となる。
また、図1に示す電力波周波数選択部114は、図2に示す運転区間切替SW(スイッチ)22や列車制御部23といった車上送受信器11の外部の装置から入力される電力波周波数選択条件に応じて、電力波周波数発振器112に対する送信周波数選択指令および共振回路切替部13のリレーコイル132に対する共振回路切替指令信号を出力する。
ここにおいて。電力波周波数発振器112は、図1に示すように、電力波周波数と一致する任意の周波数の正弦波を演算する正弦波演算素子115および演算した正弦波をアナログ信号として出力するDA変換器116を備える。正弦波演算素子115としては、マイコン、CPU、DSPおよびFPGAなどの数値演算が可能な素子により構成することができる。また、正弦波演算素子115およびDA変換器116は、DDS(Direct Digital Synthesizer)により構成することも可能である。
電力波周波数選択部114から出力される指令に応じて、電力波周波数発振器112は、正弦波演算素子115で生成する正弦波の周波数を切替えることで、任意の複数の周波数を出力可能な発振器を構成することができ、実施例1では、周波数f1およびf2の両周波数を出力可能とする。電力波周波数発振器112からの出力は、電力波の送信レベルまで電力波増幅器113で増幅したのち、電力波送信線121を経由して車上子1のLC直列共振回路に入力される。また、電力波増幅器113の出力は、必要に応じてフィルタを介してノイズを除去してから車上子1に入力してもよい。なお、車上送受信器11において、情報波送受信線122を介して送受される情報波を処理する回路部については、本発明の要旨に直接に関係する部分ではないので省略した。
以上のとおり、電力波周波数選択部114の周波数選択指令を電力波周波数発振器112に入力し、かつ、電力波周波数発振器112を複数の周波数を切替出力可能な構成とすることにより、1組の電力波生成部111で周波数f1およびf2の2つの異なる周波数の電力波を生成することが可能となる。したがって、従来の(例えば、特許文献1で示される)2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器を、1組の電力波周波数発振器および電力波増幅器に削減できるだけではなく、電力波送信切替回路を排すことも可能となり、回路の実装面積の縮減やそれに伴う製造コストの低減が可能となる。
また、実施例1では、インダクタンスL2を明示したが、アンテナインダクタンスLのみで十分である場合には、インダクタンスL2を0(ショート)とすることが可能であることは言うまでもない。
図4は、本発明に係る車上通信装置の実施例2の構成を示す図である。
実施例2は、共振回路切替部13を、実施例1のように車上子1の内部ではなく、車上送受信器11の内部に構成したことを特徴とする。図4に示すように、共振回路切替部13を車上送受信器11の内部に構成しても、共振回路18の切替は可能であり、機能上も問題はない。一般的に、車上子1の内部は、防水・耐振動対策により樹脂モールドされるため、分解不可の構造である。したがって、車上子1の内部に共振回路切替部13を構成するとリレーなどの機械的駆動部のメンテナンスが課題となる。しかし、共振回路切替部13を車上送受信器11の内部に構成することで、機械的駆動部のメンテナンス性が向上し、動作の信頼性を上げることが可能である。なお、車上送受信器11において、情報波送受信線122を介して送受される情報波を処理する回路部については、実施例1と同様に省略した。
図5は、本発明に係る車上通信装置の実施例3の構成を示す図である。
実施例3は、車上子1において、複数の共振周波数に対して共振回路内の共振コンデンサおよび共振インダクタを共用することを特徴とする。なお、情報波送受信アンテナ16の構成は実施例1と同様であるため、その図示を省略する。
車上子1は、共振回路切替部51、共振コンデンサC3 54、共振コンデンサC4 55、共振インダクタL3 56、共振インダクタL4 57、電力波送信アンテナ15および図示しない情報波送受信アンテナ16から構成される。
その内、共振回路切替部51は、共振コンデンサC3 54に対して共振コンデンサC4 55を並列接続するためのスイッチまたはリレー接点A52、共振インダクタL3 56に対して共振インダクタL4 57を並列接続するためのスイッチまたはリレー接点B59、並びに、スイッチまたはリレー接点A52およびスイッチまたはリレー接点B59を動作させるためのリレーコイルから構成される。
スイッチまたはリレー接点A52は、常開接点(a接点)であり、周波数f1の設定時に両端を接続し周波数f2の設定時に両端を解放する。一方、スイッチまたはリレー接点B59は、常閉接点(b接点)であり、周波数f1の設定時に両端を解放し周波数f2の設定時に両端を接続する。スイッチまたはリレー接点A52およびB59共に、共振コンデンサC3 54、共振インダクタL3 56および電力波送信アンテナ15を直列に接続することを妨げるものではない。ここで、周波数f1と周波数f2との関係は、f2>f1とする。
周波数f1の送信時は、共振コンデンサC3 54およびC4 55の並列合成キャパシタンスと共振インダクタL3 56とで共振回路を形成し、周波数f2の送信時は、共振インダクタL3 56およびL4 57の並列合成インダクタンスと共振コンデンサC3 54とで共振回路を形成する。これにより、周波数f1およびf2の共振回路としては、共振コンデンサC3および共振インダクタL3を共用する構成となる。
ところで、コンデンサとインダクタの部品サイズを考慮すると、コンデンサはキャパシタンスが大きいほど、インダクタは許容電流値が高いほど、部品サイズが大きくなる傾向がある。そのため、共振コンデンサC3のキャパシタンスを大きく、かつ、共振コンデンサC4のキャパシタンスを小さく設定する。また、共振インダクタL3のインダクタンスを小さく(すなわち電力波送信時の電流を大きく)、かつ、共振インダクタL4のインダクタンスを大きく設定する。これにより、実施例1の共振コンデンサC2および共振インダクタL2と比較して、実施例3の共振コンデンサC4および共振インダクタL4の部品サイズを小型化し、かつ低コスト化を図ることができる。
なお、当然のことながら、リレー接点52として常開接点(a接点)ではなく常閉接点(b接点)を用い、リレー接点59として常閉接点(b接点)ではなく常開接点(a接点)を用いることで、リレーコイルへの指令信号印加が停止時に、共振コンデンサC3 54とC4 55および共振インダクタL3 56により周波数f1で共振可能な構成とし、リレーコイルへの指令信号印加時に、共振コンデンサC3 54および共振インダクタL3 56とL4 57により周波数f2で共振可能な構成としてもよい。
また、実施例3では、インダクタンスL4を実体として用いたが、アンテナインダクタンスLで十分である場合には、インダクタンスL4を用いることなく、リレー接点59によりインダクタンスL3を単に短絡することで対応可能であることは言うまでもない。
図6は、本発明に係る車上通信装置の実施例4の構成を示す図である。
実施例4は、実施例1の電力波送信アンテナ15に替えて、周波数f1用の共振回路LC1 181に常時接続する電力波送信アンテナA62および周波数f2用の共振回路LC2 182に常時接続する電力波送信アンテナB63の2つのアンテナを用いることに特徴がある。なお、実施例4においても、情報波送受信アンテナの図示を省略している。共振回路切替部61によって、f1用共振回路LC1 181を選択した時は、電力波送信アンテナA62を用いて電力波を送信し、f2用共振回路LC2 182を選択した時は、電力波送信アンテナB63を用いて電力波を送信する。
実施例4のように、送信する電力波周波数に応じて複数の電力波送信アンテナを備える構成としても、周波数が異なる複数の電力波送信に対応した車上通信装置を実現することが可能である。
また、複数の電力波送信アンテナを備えることで、電力波送信に使用していない方のアンテナを、電力波送信レベルを監視するモニタアンテナとして活用することが可能となる。
図7は、実施例4の車上通信装置において、複数の電力波送信アンテナをレベルモニタアンテナと兼用する場合の構成を示す図である。
周波数f1で送信時には、電力波送信に使用してしないアンテナである電力波送信アンテナB63を、電力波送信アンテナA62の出力を監視するモニタアンテナとして使用する。一方で、周波数f2で送信時には、電力波送信に使用してしないアンテナである電力波送信アンテナA62を、電力波送信アンテナB63の出力を監視するモニタアンテナとして使用する。
具体的に、周波数f1で送信する時には、電力波送信線121は、電力波送信アンテナA62に接続され、電力波送信アンテナB63には接続されない。それに合わせて、電力波送信レベルモニタ線72は、電力波送信アンテナB63に接続され、電力波送信アンテナA62には接続されない。これにより、電力波送信アンテナA62から送信する周波数f1の電力波の一部電力を電力波送信アンテナB63で受信し、その受信レベルを車上送受信器11にフィードバックすることにより、車上送受信器11で電力波送信アンテナA62からの電力波送信をレベル監視することが可能となる。その際に、電力波送信レベルモニタ線72の終端抵抗73をハイインピーダンス接続とすることで、送信レベルを監視するために必要なわずかな電力のみを電力波送信レベルモニタ線72に分配する。これにより、地上子に対して送信する電力波の電力レベルを損なうことなくレベル監視が可能となる。
次に、図8は、実施例4の共振回路切替部61を車上送受信器11の内部に備える場合の構成を示す図である。この構成により、先の実施例2で説明したように、機械的駆動部のメンテナンス性が向上し動作信頼性を上げることが可能である。
また、実施例4においても、電力波送信アンテナA62および電力波送信アンテナB63を同じ固定巻き数のアンテナとすることにより、共振回路の切替え前後でアンテナ巻き数は変化しないことから、アンテナ特性を共振回路の切替え前後で同一とすることが可能である。ただし、電力波送信アンテナA62および電力波送信アンテナB63を異なる巻き数で構成することが除外されるものではなく、もちろん可能である。
図9は、本発明に係る車上通信装置の実施例5の構成を示す図である。ただし、図9では、車上子1の構成のみを示し、車上送受信器11については実施例1と同様として、情報波送受信アンテナ16と共に省略した。
実施例5は、リレー接点を共振回路の両端に配置することを特徴とする。すなわち、共振回路切替部91として、共振回路の両端に、車上送受信器11(図示せず)からみて、入力側となるリレー接点93と出力側となるリレー接点94を設ける。2つのリレー接点93および94は、リレーコイル92に印加される共振回路切替指令によって両方同時に動作する。
リレー接点を共振回路の両端に設けることで、共振回路を切替る時に、電力波送信アンテナ15との接続を共振回路の両端で切り離すことから、リレー接点の両端にかかる電圧を減らすことができる。実施例1から実施例4では、共振回路の片端のみを電力波送信アンテナ15から切り離す構成を示したが、実施例1から実施例4においても、実施例5と同様に、共振回路の両端での接続および切り離しを実施することが可能である。
次に、図2を用いて、上述した実施例1から実施例5の車上通信装置による適用例について示す。
区間1において、地上子24が無電源地上子である場合に、車上送受信器11は、地上子24を駆動するために、周波数f1の電力波を車上子1に送信する。このとき、車上子1では、実施例1から実施例5で示したように、周波数f1に応じたLC共振回路が選択され、周波数f1の電力波が地上に送信される。
車上送受信器11が周波数f1を送信するための方法(条件)として、以下の方法が考えられる。
1)運転台などに備えられる運転区間切替SW22(スイッチ)の選択状態を車上送受信器11の電力波周波数選択部114に取り込む方法
2)車上送受信器11に接続される他の装置(例えば、ATC、ATSなどの保安装置を含む列車制御部23など)からの周波数選択情報を車上送受信器11の電力波周波数選択部114で受信し、周波数f1を選択する方法
3)地上子24や地上子25の内部に、それぞれの区間で必要とする電力波の周波数を示すデータを格納し、地上子との通信情報の内に電力波の周波数選択を示すビット情報を設け、車上送受信器11が地上子からの受信情報により電力波周波数選択部114で周波数f1を選択する方法
4)パルスカウンタなどを用いて走行区間を自己推定し、車上送受信器11の電力波周波数選択部114で周波数f1を選択する方法
以上の方法の中で、地上子から受信した情報より電力波周波数選択部114で周波数f1を選択する方法の場合には、電力波による地上子起動を必要としなくても地上子からの情報を受信可能な有電源地上子との通信情報内に、電力波周波数選択を示すビット情報を設け、車上送受信器11が地上子24から受信した情報より電力波周波数選択部114で周波数f1を選択する方法や、区間1に進入する前に送信しているところのf1以外の電力波周波数で起動する無電源地上子との通信情報の内に、電力波周波数選択を示すビット情報を設け、車上送受信器11が地上子24からの受信情報により電力波周波数選択部114で周波数f1を選択する方法のどちらでも実施可能である。
列車が区間2に進入すると、上記の1)〜4)で説明した方法により、区間2内で使用する無電源地上子25に対応した電力波周波数f2を選択する情報が車上送受信器11に設定され、車上送受信器11は周波数f2の電力波を車上子1に送信する。車上子1からは、先の実施例1から実施例5で示したように、周波数f2に応じたLC共振回路が選択され、車上子から周波数f2の電力波を地上に送信する。
以上の構成および方法により、地上子を駆動するための電力波周波数が異なる複数の走行区間を走行する列車においても、走行区間に応じて複数の周波数の電力波を送信し、地上−車上間の通信をひとつの車上子で行うことが可能となる。
なお、実施例1から実施例5では、トランスポンダ送受信システムにおける電力波周波数の切替えおよび周波数に応じた共振回路の切替えについて説明したが、もちろん、本発明は、複数の信号周波数を送信し、該複数の周波数に対応した複数の共振回路を利用する様々なシステムに適用することが可能である。
また、実施例1から実施例5では、2つの異なる信号周波数に対応した共振回路を切替える場合を例にしたが、本発明に係る車上通信装置は、3つ以上の異なる信号周波数に対しても、それらに応じて設けた共振回路を切替え、3つ以上の共振周波数を持つ電力波を送信することも可能である。その場合、実施例4では、3つ以上の異なる信号周波数に対応させて電力波送信アンテナを3本以上備えるようにしてもよい。
以上の説明のように、本発明に係る車上通信装置によれば、電力波周波数としてf1送信時とf2送信時とで電力波送信アンテナのアンテナ巻き数を変化させることなく、周波数が異なる複数の電力波に対応した複数の共振回路を切替えることを可能にする。これにより、アンテナ巻き数に変更がないことから、電力波送信アンテナ15が地上に必要な電力量を送信する際に、アンテナ1ターンあたりの電流値は共振回路の切替え前後で変化することはない。よって、アンテナ電流を監視して送信レベルの制御やレベル低下の故障検知を行う場合に、共振回路の切替え前後で監視する目標値や故障判定の閾値を同一のままとすることができる。また、アンテナ巻き数が固定巻き数であるため、中間タップを有することなくアンテナの構造を簡略化し装置のコスト低減を図ることが可能となる。
また、本発明によれば電力波周波数発振器の送信周波数を切替え可能な構成とすることで電力波周波数f1送信時と周波数f2送信時とで2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器を必要とせず、1組の電力波周波数発振器および電力波増幅器のみで周波数が異なる複数の電力波送信が可能となる車上通信装置を提供することができる。したがって、本発明によれば、特許文献1で示される2組の電力波周波数発振器および電力波増幅器を1組の電力波周波数発振器および電力波増幅器に削減できるだけではなく、電力波送信切替回路を排すことが可能となる。したがって、回路の実装面積の縮減や実装部品の縮減による製造コストの低減が可能である。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した各実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであるが、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも、可能である。更に、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除および置換をすることが可能である。
1 車上子、11 車上送受信器、111 電力波生成部、
112 電力波周波数発振器、113 電力波増幅器、114 電力波周波数選択部、
115 正弦波演算素子、116 DA変換器、117 電力波モニタ回路、
12 艤装線、121 電力波送信線、122 情報波送受信線、
123 共振回路切替指令信号線、13,51,61,71,91 共振回路切替部、
131 リレー接点、92,132 リレーコイル、133 切替指令入力、
14,53 共振コンデンサ、141 周波数f1用共振コンデンサC1、
142 周波数f2用共振コンデンサC2、15 電力波送信アンテナ、
16 情報波送受信アンテナ、17,56 共振インダクタ、
171 周波数f1用共振インダクタL1、172 周波数f2用共振インダクタL2、
18 共振回路、181 周波数f1用共振回路LC1、
182 周波数f2用共振回路LC2、21 列車、
22 運転区間切替SW(スイッチ)、23 列車制御部、24,25 地上子、
52 リレー接点A、54 コンデンサC3、55 コンデンサC4、
57 インダクタL3、58 インダクタL4、59 リレー接点B、
62 電力波送信アンテナA、63 電力波送信アンテナB、
72 電力波送信レベルモニタ線、73 終端抵抗、93 リレー接点(入力側)、
94 リレー接点(出力側)

Claims (6)

  1. 車両が搭載する車上通信装置であって、
    固定巻き数を有し地上子に対して電力波を送信する電力波送信アンテナと、
    2つ以上の共振コンデンサおよび2つ以上の共振インダクタンスから2つ以上の直列回路を構成して前記電力波送信アンテナに接続する共振回路群と、
    切替指令に基づいて前記2つ以上の直列回路からいずれか1つの直列回路を選択して切り替える切替部と、
    前記切替指令を出力すると共に、当該切替指令に基づいて切り替わった前記いずれか1つの直列回路と前記電力波送信アンテナにより決まる共振周波数と一致する周波数を前記電力波の周波数として選択する周波数選択部と、
    前記周波数選択部が選択した前記周波数の前記電力波を出力する電力波生成部と
    を備え
    前記共振回路群は、前記共振コンデンサのいずれか1つおよび前記共振インダクタンスのいずれか1つから成る直列回路を2つ以上並列に設けて構成され、
    前記電力波送信アンテナは、2以上のアンテナから構成され、前記並列に設けた直列回路と当該電力波送信アンテナとが対応付けてそれぞれ接続されると共に、前記電力波を送信するために使用していないアンテナのいずれか1つが、前記電力波を送信するアンテナから送信される当該電力波の送信状態を監視する
    ことを特徴とする車上通信装置。
  2. 請求項1に記載の車上通信装置であって、
    車上子を備え、
    前記車上子は、前記電力波送信アンテナおよび前記共振回路群を含む、または、前記電力波送信アンテナ、前記共振回路群および前記切替部を含む
    ことを特徴とする車上通信装置。
  3. 請求項1または2に記載の車上通信装置であって、
    前記切替部は、選択的に前記2つ以上の直列回路を切断または接続をするリレー接点および該リレー接点を前記切替指令に基づいて駆動するリレーコイルにより構成される
    ことを特徴とする車上通信装置。
  4. 請求項1または2に記載の車上通信装置であって、
    前記切替部は、選択的に前記2つ以上の直列回路のそれぞれ両端を同時に切断または接続をするリレー接点および該リレー接点を前記切替指令に基づいて駆動するリレーコイルにより構成される
    ことを特徴とする車上通信装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車上通信装置を搭載する車両
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車上通信装置を備える車両通信システムであって、
    前記地上子は、前記車両の走行路に沿って設置され、自らが設置される区間に対応する前記電力波の周波数を示す情報を含む情報波信号を前記車両に送信し、
    前記車上通信装置は、前記情報波信号を受信し自らも別の情報波信号を送信する情報波送受信アンテナを備え、前記地上子から前記電力波の周波数を示す情報を受信した場合には、前記周波数選択部が、当該電力波の周波数を示す情報に従って前記切替指令を出力すると共に前記電力波の周波数を選択する
    ことを特徴とする車両通信システム
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