JP6948585B2 - 画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6948585B2
JP6948585B2 JP2016253789A JP2016253789A JP6948585B2 JP 6948585 B2 JP6948585 B2 JP 6948585B2 JP 2016253789 A JP2016253789 A JP 2016253789A JP 2016253789 A JP2016253789 A JP 2016253789A JP 6948585 B2 JP6948585 B2 JP 6948585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
density
detection
output
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016253789A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017207728A (ja
Inventor
吉田 晃
晃 吉田
菜摘 松江
菜摘 松江
勇一郎 植松
勇一郎 植松
小菅 明朗
明朗 小菅
桂子 松本
桂子 松本
一暁 神原
一暁 神原
慶太 曽根
慶太 曽根
松本 浩平
浩平 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Publication of JP2017207728A publication Critical patent/JP2017207728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6948585B2 publication Critical patent/JP6948585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法に関するものである。
従来、トナー像担持体の表面上に濃度検出用画像を作像し、この画像の画像濃度を光学センサによって検出し、その検出結果に基づいて画像形成条件を設定する画像形成装置が知られている。
この種の画像形成装置として、特許文献1には、トナー像担持体の表面上の濃度検出用画像に発光手段で光を照射し、その反射光を受光手段で受光して、受光した光量に基づいて画像濃度を検出する反射型の光学センサを備えた構成が開示されている。この画像形成装置では、基準となる反射特性を有する基準部材を備え、発光手段から基準部材に光を照射し、その反射光の測定結果に基づいて、光学センサによる濃度検出用画像の検出条件を補正している。
しかしながら、基準部材または光学センサの周辺の部材の交換等により基準部材と光学センサとの位置関係が変化すると、基準部材の反射光の測定結果が変化する。具体的には、光学センサから基準部材までの距離が変化した場合、距離が近いほど基準部材で反射した反射光が光学センサの受光手段で受光され易くなって受光する光量は大きくなり、逆に距離が遠くなるほど受光する光量は小さくなる。このように受光する光量が変化すると基準部材の反射光の測定結果が変化する。その結果、光学センサによる濃度検出用画像の検出条件を適切に補正することができず、画像濃度を精度良く検出できなくなるおそれがある。
上述した課題を解決するために、本発明は、像担持体の表面上に画像を形成する作像手段と、前記像担持体の表面上の画像濃度を検出する像担持体上濃度検出手段と、前記像担持体上濃度検出手段の検出結果に基づいて前記作像手段による作像条件を制御する作像条件制御手段と、基準となる反射特性を有する基準部材と、前記像担持体の表面上の画像を記録媒体に転写する転写手段と、接触部材と、を備え、前記像担持体上濃度検出手段によって前記基準部材を検出した検出結果に基づいて、前記像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件を算出する画像形成装置において、前記像担持体上濃度検出手段は、前記像担持体の表面上の画像及び前記基準部材に光を照射する発光手段と、前記像担持体の表面上の画像または前記基準部材に反射した反射光を受光する受光手段と、を有し、前記受光手段は受光素子を一方向に複数並べて配置した構成であり、前記基準部材は、前記受光素子を一方向に複数並べて配置した構成よりも前記一方向に長い被検知表面を有し、記録媒体上に出力した画像濃度を検出するための出力濃度検出画像を前記像担持体に作像し、前記転写手段によって記録媒体に転写したときの記録媒体上での前記出力濃度検出画像の画像濃度を検出する出力濃度検出手段の検出結果の情報を取得する出力濃度情報取得手段を備え、前記接触部材は前記出力濃度検出画像が転写された記録媒体の表面に接触し、
記録媒体に転写する前の前記像担持体上の前記出力濃度検出画像を前記像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果と、前記出力濃度情報取得手段が取得した検出結果と、
前記像担持体上濃度検出手段で前記基準部材を検出した検出結果と、に基づいて、前記補正条件を修正し、記録媒体の表面における前記接触部材と対向する位置を、前記出力濃度検出画像の画像濃度の検出結果を前記補正条件の修正に用いない除外位置とし、前記像担持体の表面上における前記除外位置に転写する画像を担持する位置の画像濃度の前記検出条件の前記補正条件を修正する修正条件は、前記除外位置以外の位置に転写する画像を担持する位置の前記修正条件に基づいて求め、前記出力濃度検出画像は、前記像担持体の表面上における表面移動方向に直交する方向に延在する帯状の画像であり、前記除外位置に画像濃度の検出を除外することを示す画像を作成すること、を特徴とするものである。
本発明によれば、像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動しても、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になるという優れた効果がある。
実施形態1に係る複写機を備えた画像形成システムの概略図。 同複写機の画像形成部を示す概略構成図。 同複写機によって行われる画像データ処理の流れの一例を示すブロック図。 ドット状の面積階調パターンの一例を示す模式図。 ライン状の面積階調パターンの一例を示す模式図。 階調特性が変動した際の入力画像面積率と紙上画像濃度との関係の一例を示すグラフ。 濃度センサを示す概略構成図。 濃度センサが中間転写ベルトに対向する位置を斜め下方から見た斜視説明図。 ラインセンサ及び基準板と、中間転写ベルト上の濃度調整用トナー像との位置関係を示す説明図。 検出窓が開いた状態の濃度センサの概略構成図。 検出窓が閉じた状態の濃度センサの概略構成図。 中間転写ベルトを濃度センサとともに示す下面図。 階調パターン像の第一被検部群を示す拡大模式図。 被検部のエッジ部の画像濃度が高くなっている状態を示す中間転写ベルトの断面図。 「調整値算出モード」の制御を示すフローチャート。 中間転写ベルト上に作像された、シート上濃度検出用トナー像の説明図。 記録シート画像濃度検出装置の概略上面図。 記録シート上のトナー像の画像濃度と、同じトナー像を転写する前の中間転写ベルト上でのトナー像の画像濃度との関係を示すグラフ。 濃度センサの実特性が狙いの特性からずれている状態の一例を示すグラフ。 マゼンタトナー像の分光反射率分布と、「Red」の光の発光波長分布とを重ねたグラフ。 変形例1の複写機の中間転写ベルト上に作像された、シート上濃度検出用トナー像の説明図。 基準板が直線的に傾いて設置されたときの濃度センサの長手方向の位置と、その位置に対応した「Pi/P」の値との関係を示すグラフ。 変形例2の複写機の中間転写ベルト上に作像された、シート上濃度検出用トナー像の説明図。 基準板が直線的に傾いて設置されたときの濃度センサの両端部の推定データと検出値から得たデータとの関係を示すグラフ。 基準板に反りが生じたときの濃度センサの両端部の推定データと検出値から得たデータとの関係を示すグラフ。 変形例3における記録シートの説明図。 変形例4における記録シートの説明図。 濃度センサに対して基準板が正しく取り付けられた状態の説明図。 濃度センサに対して基準板が傾いて取り付けられた状態の説明図。 実施例1の記録シートと搬送コロとの説明図。 実施例1の記録シート上のシアン用シート上濃度検出用トナー像の画像濃度の検出結果を示すグラフ。 実施例1の中間転写ベルト上のシアン用シート上濃度検出用トナー像の出力値を10[mm]ピッチで平均化したグラフ。 実施例1における除外位置の調整値の算出方法の説明図。 実施例1の構成で作像条件を調節したベタ画像をラインセンサで検出した結果を示すグラフ。 実施例2の記録シートと搬送コロとの説明図。 実施例2における除外位置の調整値の算出方法の説明図。 記録シートに形成されたシート上濃度検出用トナー像に搬送コロが接触する場合の説明図、(a)は搬送コロが接触する状態の模式図、(b)は記録シート濃度センサの検出値のグラフ、(c)はラインセンサの検出値のグラフ。 図37(b)の検出結果に基づいて主走査方向の濃度を調整する制御を実行した後のベタ画像のラインセンサの検出値のグラフ。
〔実施形態1〕
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式で画像を形成する複写機の一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」と呼ぶ)について説明する。
まず、実施形態1に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態1に係る複写機(以下、「複写機600」という)を備えた画像形成システム700の概略図である。図1に示すように、画像形成システム700は、記録媒体である記録シートS上に形成されたトナー像の画像濃度を検出する記録シート画像濃度検出装置60と複写機600とを備える。記録シート画像濃度検出装置60についての詳細は後述する。
図2は、複写機600の画像形成部を示す概略構成図である。
複写機600は、画像形成手段としての画像形成部100、記録シート供給手段としての給紙部400、画像読取手段としてのスキャナ200、原稿供給手段としての原稿自動搬送装置300等を備えている。
画像形成部100は、記録シートに画像を形成するものである。給紙部400は、画像形成部100に対して記録シートを供給するものである。スキャナ200は、原稿画像を読み取って画像データを生成するものである。原稿自動搬送装置300は、スキャナ200に原稿シートを自動給紙するものである。
複写機600の筐体内には、像担持体としての無端状の中間転写ベルト31を複数の支持ローラによって支持している転写手段としての転写ユニット30が配設されている。複数の支持ローラとして、駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ32と、従動ローラ33と、二次転写バックアップローラ35とを備える。
中間転写ベルト31は、例えば、伸びの少ないポリイミド樹脂に、電気抵抗を調整するためのカーボン粉末を分散させた材料からなっている。中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写バックアップローラ35、従動ローラ33及び四つの一次転写ローラ34によって支持され、駆動ローラ32の回転に伴って図2中の時計回り方向(矢印A方向)に無端移動する。
一次転写電源から出力される一次転写バイアスが印加されるY,C,M,K用の一次転写ローラ34は、潜像担持体であるドラム状の感光体1(Y,C,M,K)との間に中間転写ベルト31を挟み込んでY,C,M,K用の一次転写ニップを形成している。感光体1(Y,C,M,K)の表面上に形成されたイエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),黒(K)のトナー像は、Y,C,M,K用の一次転写ニップで中間転写ベルト31のおもて面に一次転写される。
作像ユニット10(Y,C,M,K)の上方には、潜像書込手段としての光書込ユニット20が配設されている。光書込ユニット20は、出力対象の入力画像等の画像情報に基づいて、レーザー制御部によって四つの半導体レーザー(LD)を駆動して四つの書込光を出射する。作像ユニット10(Y,C,M,K)は、感光体1(Y,C,M,K)を有している。以下、Y,C,M,Kの各色を区別せずに、各色に共通の事柄を説明する際には、符号の末尾に添えるY,C,M,Kという添字を省略することもある。
作像ユニット10の感光体1の周囲には、帯電手段である帯電ユニット2、現像手段である現像ユニット3、クリーニング手段であるクリーニングユニット4などが配設されている。感光体1は図2中の反時計回り方向の回転に伴ってその表面が帯電ユニット2との対向位置を通過する際に、帯電ユニット2によってその表面が一様に帯電される。感光体1における一様帯電後の表面は、光書込ユニット20から発せられる書込光によって暗中で光走査されることで、静電潜像を担持する。
光書込ユニット20は、光源としての半導体レーザー(LD)、ポリゴンミラー等の光偏向器、反射ミラー及び光学レンズなどを有している。光書込ユニット20は、半導体レーザーから出射したレーザー光を光偏向器によって偏向しながら、反射ミラーで反射したり光学レンズに通したりすることで、四つの感光体1(Y,C,M,K)のそれぞれの表面を光走査する。これにより、四つの感光体1(Y,C,M,K)のそれぞれの表面にY,C,M,K用の静電潜像を書き込む。光書込ユニット20としては、半導体レーザーから発したレーザー光によって光走査を行うものに代えて、光源としてのLEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
四つの作像ユニット10(Y,C,M,K)は、使用するトナーの色が異なる点の他は、互いにほぼ同様の構成になっている。作像ユニット10の現像ユニット3は、感光体1上の静電潜像を、現像剤担持体としての現像ローラ3aに担持されたトナーによって現像する。互いに回転可能な感光体1と現像ローラ3aとは、所定の間隙(現像ギャップ)を介して互いに対向している。クリーニングユニット4は、一次転写ニップを通過した後の感光体1の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするものである。
光書込ユニット20によって感光体1上に書き込まれた静電潜像は、現像ユニット3によって現像されてトナー像になる。感光体1上のトナー像は、中間転写ベルト31のおもて面に順次重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト31上に四色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、二次転写バックアップローラ35に対する掛け回し箇所のおもて面には、搬送ベルト36が当接して二次転写ニップを形成している。
記録シートは、給紙部400内に多段に配設された給紙トレイ41(41a、41b)の何れか一つから給紙路42内に送り出される。給紙路42に送り出された記録シートは、第一搬送ローラ対43、第二搬送ローラ対44及び第三搬送ローラ対45を経てからレジストローラ対46まで搬送される。レジストローラ対46は、ローラ間に挟み込んだ記録シートを、二次転写ニップ内で中間転写ベルト31のおもて面の四色重ね合わせトナー像に重ね合わせるタイミングで送り出す。二次転写ニップ内では、二次転写バックアップローラ35に印加される二次転写バイアスによる二次転写電界やニップ圧の作用により、中間転写ベルト31上の四色重ね合わせトナー像が記録シートに一括二次転写され、記録シート上でフルカラー画像になる。
二次転写ニップを通過した記録シートは、搬送ベルト36のおもて面に保持されながら移動して定着ユニット38に送られる。定着ユニット38内では、定着ニップ圧や加熱の作用により、記録シートの表面にフルカラー画像が定着される。その後、記録シートは、機外の排紙トレイ39等に排出される。
図1に示されるように、複写機600は制御部15を有している。この制御部15は、後述する各種の制御行うマイクロコンピュータ等からなる中央演算処理装置(CPU)、各種制御回路、入出力装置、クロック、タイマー、不揮発性メモリ及び揮発性メモリからなる記憶手段(記憶部)、などを備えている。制御部15の記憶部には、各種の制御用プログラムや、各種センサからの出力、各種演算データなどの様々な情報が記憶されている。
図3は、実施形態1に係る複写機600によって行われる画像データ処理の流れの一例を示すブロック図である。外部のホストコンピュータ500上のアプリケーションソフトからプリンタドライバに受け渡された画像データは、複写機600に出力される。このとき画像データは、プリンタドライバによってPDL(ページ記述言語)に変換される。PDLによって記述された画像データが入力データとして入力されると、ラスタ化処理部601において解釈され、ラスタイメージが形成される。このとき、それぞれのオブジェクトについて、例えば文字、線、写真、グラフィックス画像などの種別や属性を示す信号を生成する。その信号を、入出力特性補正部602、MTFフィルタ処理部603、色・階調補正処理部604、及び擬似中間調処理部605などへ出力する。
入出力特性補正部602では、入出力特性補正信号によって所望の特性が得られるようにラスタイメージ内の各階調値が補正される。入出力特性補正部602は、濃度センサ出力部610からの出力を用いるとともに、不揮発メモリ及び揮発メモリから構成される記憶部606との間で情報を授受することにより、入出力特性補正信号の生成や補正動作を行う。生成された入出力特性補正信号は、記憶部606の不揮発メモリに保存され、次回からの作像に使用される。
MTFフィルタ処理部603では、ラスタ化処理部601から送られてくる属性の信号にしたがって各属性に対して最適なフィルタが選択された状態で強調処理が行われる。MTFフィルタ処理については周知の技術と同一であるので、詳細の説明は省略する。MTFフィルタ処理を行った後の画像データは、次工程である色・階調補正処理部604に引き渡される。
色・階調補正処理部604では、次のような色補正及び階調補正など各種の補正処理が行われる。
色補正では、ホストコンピュータ500から入力されたPDLの色空間であるRGB色空間から、画像形成部100で用いるトナーの色からなる色空間であるCMYK色空間への色変換を行う。この色補正は、ラスタ化処理部601から送られてくる属性の信号にしたがって、各属性に最適な色補正係数を用いて行われる。
階調補正では、後述の階調パターン像Itにおける各被検部の画像濃度を濃度センサ50で検出した結果に基づいて作成した階調特性データに基づいて、出力対象の多階調画像の画像データを補正する階調補正処理を行う。
画像データは、色・階調補正処理部604における処理が施された後、擬似中間調処理部605に引き渡される。擬似中間調処理部605では擬似中間調処理を行い、出力画像用データを生成する。例えば、色補正及び階調補正の処理を施されたデータに対して、ディザ法によって擬似中間調処理を行う。具体的には、予め記憶されたディザマトリクスとの比較参照を行うことによって量子化を行う。
擬似中間調処理部605から出力された出力用画像データは、ビデオ信号処理部607で処理されてビデオ信号に変換される。このビデオ信号に基づいて、PWM信号生成部608において光源制御信号としてPWM(パルス幅変調)信号が生成される。LD駆動部609は、PWM信号生成部608から受けたPWM信号に基づいて、光書込ユニット20の光源としての半導体レーザー(LD)を駆動するLD駆動信号を出力する。
図4は、ドット状の面積階調パターンの一例を示す模式図である。また、図5は、ライン状の面積階調パターンの一例を示す模式図である。実施形態1に係る複写機600では、このような面積階調パターンに従って面積階調を実施することで、擬似中間調を再現するようになっている。ラスタ化処理部601から送られてくる属性の信号にしたがって、最適な線数とスクリーン角に設定されたディザマトリクスが選択され、最適な擬似中間調処理が施される。
図6は、階調特性が変動した際の入力画像面積率と記録紙等の記録媒体上の画像濃度との関係の一例を示す図である。周囲環境の変動や画像形成部の劣化、現像ユニット3内のトナー濃度などが変動した場合に、図6の実線に示されるように入力画像面積率に対して所望の階調特性が得られなくなる。一般に、同一の潜像に対しては、現像ユニット3内のトナー濃度が高く変動した場合には、トナーの帯電量が低下するために付着量が増加して、記録媒体上の画像濃度は全体的に高くなる。逆に、現像ユニット3内のトナー濃度が低下した場合には、トナー帯電量が増加し付着量が減少するため、全体的に画像濃度が低くなる傾向がある。このような階調特性の変動は、色を重ねた二次色や三次色の色味に大きな影響を与えるため、目標階調特性に戻すための補正が必要となる。
そこで、制御部15は、中間転写ベルト31上に各色の濃淡パターン像である階調パターン像を作成する。各色について、階調パターン像における互いに異なる階調で作像された複数の被検部の画像濃度を濃度センサ50で検出した結果に基づいて、図6に示されるような階調特性データを構築する。そして、各階調のそれぞれで目標の画像濃度が得られるように階調特性データを補正する。具体的には、各階調のそれぞれについて、入力画像面積率[%]に対し、実際に出力する出力画像面積率を目標の画像濃度が得られる値に関連付けた階調特性データにする。
感光体1上に形成された後、中間転写ベルト31上に転写された階調パターン像における各被検部の画像濃度は、図1や図2に示される像担持体上濃度検出手段としての濃度センサ50によって検出される。
複写機600が備える濃度センサ50は、中間転写ベルト31の表面上に形成されたトナー像を光学的に読み取る。濃度センサ50は、四つの一次転写ローラ34(Y,C,M,K)のうち、中間転写ベルト31の走行方向(図中の矢印A方向)の最下流に配置された黒用一次転写ローラ34Kよりも中間転写ベルト31の走行方向(図中の矢印A方向)の下流側に配置される。また、濃度センサ50は、二次転写ニップよりも中間転写ベルト31の走行方向(図中の矢印A)の上流側に配置される。
実施形態1では、主走査方向に均一な画像濃度となるように設定されたベタ画像の作像条件で濃度調整用トナー像Ta(図7及び図9参照)を中間転写ベルト31上に形成する(濃度検出用画像作像工程)。この濃度調整用トナー像Taを濃度センサ50で読み取るようにしている(像担持体上画像濃度検出工程)。
制御部15は、濃度調整用パターンである濃度調整用トナー像Taを作成する位置を決めるパターン作成部と、複数の波長からなる濃度センサ50の出力から付着量を算出する付着量算出部とを備える。付着量算出は出力と付着量の関係を示すLUT(ルックアップテーブル)を用いて行う。
図7は、濃度センサ50を示す概略構成図であり、図8は、転写ユニット30における濃度センサ50が中間転写ベルト31に対向する位置を斜め下方から見た斜視説明図である。
図7に示すように、濃度センサ50は、センサ筐体58の内部に、発光手段である光源51と、受光手段であるラインセンサ52と、レンズアレイ53とを備える。また、濃度センサ50は、センサ筐体58の中間転写ベルト31側に設けられた開口部である検出窓54aに光を透過する透明ガラスからなる光透過部材54を備える。さらに、濃度センサ50は、センサ筐体58と中間転写ベルト31との間を図7中の矢印D方向に移動し、光透過部材54と対向する位置と光透過部材54に対向しない位置との間で移動可能なシャッター部材55を備える。シャッター部材55の検出窓54aと対向し得る側の表面には基準板56が固定されている。
図9は、濃度センサ50が備えるラインセンサ52及び基準板56と、中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taとの位置関係を示す説明図である。図9に示すように、ラインセンサ52は、光の明暗を電気信号に変換する画像素子52aが線状に一列または複数列に並べて配置されている。実施形態1のラインセンサ52は、図9中の矢印Aで示す中間転写ベルト31の走行方向に直交する幅方向(図9中の矢印B方向)に複数の画像素子52aを三列に並べて配置した構成である。
濃度センサ50は、受光手段が幅方向に複数の画像素子52aを並べて配置したラインセンサ52であるため、中間転写ベルト31の表面上における主走査方向である幅方向(矢印B方向)の全域にわたり、トナーの付着量を検出可能である。
ラインセンサ52は、主走査方向の全域にわたり画像濃度を検出できるため、ページ内における主走査方向の位置の違いによる画像濃度のムラを検出することが可能となる。そして、その検出結果に基づいて作像条件を制御することで、ページ内での画像濃度の安定化を図ることが可能となる。ラインセンサ52としては、スキャナの読み取り部に搭載されたCIS(密着型イメージセンサ)や縮小光学系ユニットに使用されているものを用いることができる。
発光手段である光源51は白色光を照射するLED(発光ダイオード)であり、受光手段であるラインセンサ52は、三列に並べて配置した画像素子52aの各列の表面にRed(R)、Green(G)、Blue(B)のフィルタをそれぞれ設けた構成である。これにより、レッド画像素子52aR、グリーン画像素子52aG及びブルー画像素子52aBのそれぞれの画像素子52aが、白色光の反射光をその表面のフィルタの色に応じて、R、G、Bに分けて受光することができる。それぞれの画像素子52aは、レンズアレイ53によって結像されたR(レッド)光、G(グリーン)光、B(ブルー)光を個別に受光し、それぞれが受光した光に応じた信号を出力する。画像素子52aとしては、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等を用いることができる。
光源51は、LEDを幅方向に複数個並べて配置することで、中間転写ベルト31や基準板56の表面上に、幅方向に延在する線状の光を照射する。光源51としては、発光素子が導光体の端部に設けられたものやLEDアレイなどが使用可能である。
レンズアレイ53としては、セルフォック(登録商標)レンズを用いることができるが、これに限るものではない。
実施形態1の濃度センサ50は、発光手段である光源51が白色光を発するLEDであり、受光手段であるラインセンサ52が複数の画像素子52aを三列に配置した構成である。濃度センサ50の発光手段と受光手段との構成としてはこれに限るものではない。例えば、発光手段である光源51がR、G、Bのそれぞれの光をそれぞれ個別に発するLEDで、受光手段であるラインセンサ52が複数の画像素子52aを一列に配置した構成でもよい。この構成では、光源51が、R、G、Bそれぞれの光を順番に点灯させることで、R、G、Bのそれぞれの光に対する反射光の出力を画像素子52aで検出できる。
図7及び図9に示すように、基準板56は、表面の色が、白、黒、シアン、マゼンタ及びイエローとなるように作成された白色基準板56W、黒色基準板56K、シアン基準板56C、マゼンタ基準板56M及びイエロー基準板56Yを備える。
各色の基準板56の長手方向の長さ(図8及び図9中の矢印B方向の長さ)は、ラインセンサ52の読取幅(ラインセンサ52が中間転写ベルト31の表面上のトナー像の反射光を読み取る幅方向の長さ)以上である。そして、各色の基準板56は、幅方向(矢印B方向)の全域に渡って均一な色(均一な分光反射率分布特性)を有する。基準板56は、後述するシェーディング補正で用いるデータ(基準板出力)の取得に使用される。
図7に示すように、基準板56は濃度センサ50のセンサ筐体58の開口部である検出窓54aを覆うシャッター部材55の裏面に設ける。濃度センサ50は、シャッター部材55が閉じた状態で基準板56の表面で反射した反射光の光量を検出し、シャッター部材55を開けて中間転写ベルト31の表面上のトナー像で反射した反射光の光量を検出する。
シャッター部材55は、アクチュエーターの駆動によって図7中の矢印Dで示すようにベルト移動方向に沿って往復移動することが可能になっており、その往復移動に伴って検出窓54aを開閉する。図7では、シャッター部材55が検出窓54aの直上から待避して検出窓54aを開いている状態を示している。
白色基準板56Wとしては、例えば、東レ株式会社製の白色フィルムであるルミラーE20(商品名)からなるものを用いることができる。白色基準板56Wは両面テープ等によってシャッター部材55の裏面に固定されており、シャッター部材55と一体となってベルト移動方向に沿って往復移動する。他色の基準板56(56K,56C,56M及び56Y)も同様である。
図10は、検出窓54aが開いた状態の濃度センサ50の概略構成図であり、図11は、検出窓54aが閉じた状態の濃度センサ50の概略構成図である。
図8及び図9に示すように、濃度センサ50の長手方向の寸法は、中間転写ベルト31上のベルト幅方向(図中の矢印B方向)の寸法よりも大きくなっている。これにより、濃度センサ50は、中間転写ベルト31上に形成される階調パターン像Itや濃度調整用トナー像Taの長手方向の全域を読み取ることができる。濃度センサ50の長手方向の寸法をベルト幅より大きくしなくても、ベルト幅方向における有効画像領域の寸法と同等以上にすれば、濃度センサ50に対して中間転写ベルト31上の画像の全域を読み取らせることができる。
濃度センサ50においては、複数の画像素子52aの並び方向がセンサ全体の長手方向になっている。この濃度センサ50は、中間転写ベルト31の表面と対向する位置でベルト表面移動方向(図中の矢印A方向)に占める長さよりも、ベルト表面移動方向に直交するベルト幅方向(図中の矢印B方向)に占める長さを大きくする姿勢で配設されている。具体的には、その長手方向を中間転写ベルト31のおもて面におけるベルト幅方向に延在させる姿勢で配設されている。そして、図10に示すように、検出窓54aを開いた状態で、中間転写ベルト31上の階調パターン像Itや濃度調整用トナー像Taを読み取ることができる。
濃度センサ50によるトナー像の読み取りが行われないときには、制御部15の制御により、図11に示すようにシャッター部材55を検出窓54aの直上に移動し、検出窓54aを閉じる。これにより、検出窓54aに汚れが付着することを抑えることができる。シャッター部材55によって検出窓54aを閉じた状態では、濃度センサ50により、中間転写ベルト31上のトナー像を読み取ることができないが、シャッター部材55の裏面に固定された基準板56を読み取ることができる。
制御部15は、所定のタイミングで、階調特性データを補正するための補正処理を実施する。そして、その補正処理において、階調パターン像Itを中間転写ベルト31上に形成し、その階調パターン像Itに具備される複数の被検部の画像濃度を濃度センサ50によって読み取る。そして、その読み取り結果に基づいて、Y,C,M,K用の階調特性データのそれぞれを個別に補正する。これにより、各階調で所望の画像濃度(擬似中間調濃度)が得られるようにする。
また、制御部15は、工場出荷後の初回の運転時に、シェーディング補正データ構築処理を実施する。このシェーディングデータ構築処理では、各色の基準板56を濃度センサ50に読み取らせて得た画像データの各画素のデータに基づいてシェーディング補正データを構築する。具体的には、各色の基準板56や検出窓54aに汚れが全く付着していない状態では、理論的には、各色の基準板56の読み取りによって得られる画像データの各画素が何れも各色(イエロー、シアン、マゼンタ、黒、白)として読み取られるはずである。
例えば、各画素のR,G,Bの階調を8[bit]の自然数で表現し、且つ「0〜255」のうち「200〜255」を一律に「200」として扱って(上限を「200」として)「0〜200」の「201階調」で階調を表現するとする。この場合、白色基準板56Wや検出窓54aに汚れが全く付着していなければ、白色基準板56Wを読み取って得た画像データの各画素の画素値が何れも(R=200,G=200,B=200)になるはずである。ところが、実際には、ラインセンサ52の画像素子52aの感度誤差や光源51の発光量のムラなどにより、各画素の画素値に若干のバラツキが発生してしまう場合がある。この場合、そのままでは濃度ムラが誤検知されてしまう。そこで、この濃度ムラの誤検知を防止するために、全ての画素について各色であると認識するための補正データをシェーディング補正データとして構築する。
図12は、中間転写ベルト31を濃度センサ50とともに示す下面図である。実施形態1に係る複写機600の制御部15は、階調パターン像Itとして、中間転写ベルト31の表面上でベルト表面移動方向(図12中の矢印A方向)に占める長さよりも、ベルト幅方向(図12中の矢印B方向)に占める長さを大きくしたものを形成する。具体的には、図12に示すように、階調パターン像Itを、ベルト幅方向に沿って延在させる形状で形成する。階調パターン像Itについては、ベルト幅方向に厳密に沿わせて延在させる必要はない。例えば、ベルト幅方向から僅かに傾けて形成してもよい。相対的にベルト幅方向に延在させる形状になっていればよい。
図12において、シート対応領域Aは、中間転写ベルト31のおもて面における全域のうち、二次転写ニップで記録シートSに密着する領域である。ユーザーの命令に基づく画像は、そのシート対応領域Aの内側に形成される。また、シート間対応領域Aは、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、互いに隣り合う二つのシート対応領域Aの間の領域である。このシート間対応領域A内には、ユーザーの命令に基づく画像が形成されることはない。制御部15は、図12に示すように、シート間対応領域A内に階調パターン像Itを形成するように画像形成部100を制御する。
受光手段としてラインセンサ52を備える濃度センサ50は、単純な反射型光学センサとは異なり、300〜1200[dpi]というような高解像度で階調パターン像Itを撮像することができる。反射型光学センサによって、例えば数センチメートル角のパッチ状の被検部における画像濃度を検出するような従来構成とは異なり、数ミリメートル角の小さな被検部であっても、その画像濃度を検出することが可能である。よって、各被検部の大きさを小さくして、階調パターン像Itの小型化を図ることができる。更には、反射型光学センサとは異なり、撮像した各画素の画素値(R,G,B)に基づいて、被検部の色を検出することもできる。
階調パターン像Itは、ベルト幅方向に沿って順に並ぶ第一被検部群901、第二被検部群902、第三被検部群903、第四被検部群904、第五被検部群905、及び第六被検部群906の六つの被検知群を具備している。
図13は、図12に示す第一被検部群901の拡大模式図である。図13に示すように、第一被検部群901は、四色の被検部(Ek,Ec,Em,Ey)を一つずつ具備している。具体的には、Kトナーによって形成された黒被検部Ek、Cトナーによって形成されたシアン被検部Ec、Mトナーによって形成されたマゼンタ被検部Em及びYトナーによって形成されたイエロー被検部Eyを一つずつ具備している。これらの被検部は、図13中の左側から右側に向けてK,C,M,Yの順で並んでおり、その並び方向はベルト幅方向に沿っている。
黒被検部Ek、シアン被検部Ec、マゼンタ被検部Em、及びイエロー被検部Eyは、互いにそれぞれの一次色で同じ階調値になる条件で面積階調されたものである。一次色は、一色のトナーだけで再現される色であり、実施形態1に係る複写機600ではY,C,M,Kのそれぞれが一次色である。互いに異なる二つの一次色の重ね合わせによる色は二次色、三つの一次色の重ね合わせによる色は三次色である。
図12に示す階調パターン像Itは、第一被検部群901の他に、五つの被検部群(902〜906)を具備しているが、これらの被検部群も第一被検部群901と同様に、各色の被検部を一つずつ具備している。同じ被検部群(901〜906)に具備される各色の被検部(Ek,Ec,Em,Ey)は、互いに同じ階調値になる条件で面積階調されている。図12中の左側から右側に向けて、順に被検部(Ek,Ec,Em,Ey)の中間調濃度が薄くなるように、六つの被検部群(901〜906)が並べられている。被検部群の数としては、互いに異なる階調のものを六つ以上形成することが、図6のような階調特性グラフを得る上で望ましい。
各色の被検部(Ek,Ec,Em,Ey)については、図13に示すように、互いに隣り合う被検部間に間隙を設けて形成することが望ましい。具体的には、例えば、Y,C,M,Kの各色の間において最大で120[μm]の位置ずれを生ずるおそれのある機種では、前述の間隙として、ベルト幅方向の寸法を120[μm]よりも大きくしたものを設けることが望ましい。このようにすることにより、何れかの被検部(Ek,Ec,EmまたはEy)が最大に位置ずれしたとしても、各被検部を確実に重ねずに独立させることができる。これにより、互いに異なる色の被検部を重ねてしまうことに起因する被検部の画像濃度の誤検出を回避することができる。
図14は、被検部(Ec,Em,Ey)のエッジ部の画像濃度が高くなっている状態を示す中間転写ベルト31の断面図である。
実施形態1に係る複写機600のように、電子写真方式でトナー像を形成するものでは、画像のエッジ部にエッジ効果が作用してエッジ部の画像濃度が他の部分に比べて濃くなり易い。これは、画像周囲から画像のエッジ部に向かって電気力線が集中して延びることで、図14に示すように、画像(図示の例では被検部)のエッジ部に対して画像の他の部分(以下、非エッジ部という)よりも多くのトナーが付着するからである。
被検部(Ek,Ec,Em,Ey)の画像濃度を精度良く検出するためには、被検部における非エッジ部の画像濃度を検出することが望ましく、そのためには、非エッジ部を発生させるのに十分な大きさの被検部を形成する必要がある。そこで、制御部15は、被検部(Ek,Ec,Em,Ey)としてそれぞれ、被検部の並び方向(ベルト幅方向)における大きさを外郭からのエッジ効果領域の大きさの二倍よりも大きくしたものを形成するように画像形成部100を制御する。具体的には、実施形態1に係る複写機600では、画像のエッジ(外郭)から1.5[mm]程度まで画像中心に向かう領域がエッジ効果領域になることから、被検部の最小幅の大きさを3[mm]よりも大きくしている。
受光手段がラインセンサ52である実施形態1の濃度センサ50は、画素単位で色や濃度を検出することが可能である。よって、撮像によって得られた各画素のデータから、色の重なりやエッジ部のエッジ効果で濃くなっている画素のデータを排除して、画像濃度の検出に適した画素のデータだけを抽出して画像濃度の算出に利用することも可能である。具体的には、各画素のデータから、Y,C,M,Kの領域をもともとのパターン書き込みデータなどに基づいて特定し、画像の外縁部に相当する画素を色の重なりや、エッジ効果の影響などの観点から除外し、それ以外の画素だけを抽出することが可能である。
制御部15は、中間転写ベルト31上の階調パターン像Itが濃度センサ50の対向位置に進入するタイミングを計時処理によって把握する。具体的には、黒用感光体1Kのシート間対応領域に対する黒被検部Ek用の光書込を終えた時点を基準にする。この基準時点から、前述の光書込による黒被検部Ek用の静電潜像が現像され、黒被検部EkがK用の一次転写ニップで中間転写ベルト31に一次転写され、中間転写ベルト31の移動に伴って濃度センサ50の対向位置に進入するまでの時間は、予め判明している。
基準時点から前述の時間が経過した時点(以下、検出位置進入時点という)で、黒被検部Ekを具備する階調パターン像Itが濃度センサ50との対向位置に進入することになる。制御部15は、検出位置進入時点よりも少し前のタイミングで、濃度センサ50のシャッター部材55を開いて、濃度センサ50による撮像を開始させる。その後、階調パターン像Itが濃度センサ50との対向位置を通過するまで、撮像を継続する。そして、撮像によって得られた各画素のデータの中から、前述のようにして各被検部の画像濃度の算出に適した画素のデータだけを抽出する。そして、同じ被検部について抽出した複数の画素のデータを平均化して、その被検部の画像濃度として求める。
このようにして、Y,C,M,Kの各色のそれぞれについて、図6のような階調特性グラフのデータを構築する。そして、構築したデータに基づいて、各階調で目標の擬似中間調濃度が得られるように、各階調のそれぞれについて、入力画像面積に対する出力画像面積の値を決定する。最後に、それらの値に基づいて、各階調のそれぞれについて入力画像面積を所定の出力画像面積に変換する階調特性データを構築する。
制御部15は、階調パターン像Itの撮像を終えると、濃度センサ50の光源51をオフにした後、シャッター部材55を閉じる。複数のシート間対応領域Aに対して階調パターン像Itを連続的に形成する場合には、全ての階調パターン像Itの撮像を終えるまで、シャッター部材55を開いたままにしておいてもよい。
上述した基準板56の検出結果に基づいたシェーディング補正は、濃度センサ50と基準板56との位置関係、及び、濃度センサ50と中間転写ベルト31との位置関係が変わらないという前提がある。
しかし、濃度センサ50の長手方向(図8中の矢印B方向)の位置によって中間転写ベルト31との距離が異なるように、濃度センサ50が中間転写ベルト31に対して傾斜していると次のような不具合が生じる。すなわち、光源51の各LEDから照射された光が、中間転写ベルト31に反射してラインセンサ52のそれぞれの画像素子52aに入るまでの距離が、画像素子52a毎に異なることになる。このような距離の違いにより中間転写ベルト31上に同じ濃度のトナーパターンがあっても、濃度センサ50で検出した値は画像素子52aによって異なった値として検出される。その結果、正確な濃度検出ができず、安定した画像濃度制御を実施することができなくなる。
また、濃度センサ50の長手方向(図8中の矢印B方向)の位置によって、濃度センサ50との距離が異なるように、濃度センサ50に対して基準板56が長手方向で傾斜していると次のような不具合が生じる。
以下、図28及び図29を用いて、濃度センサ50に対して基準板56が傾斜して取り付けられた場合について具体的に説明する。
図28は、濃度センサ50に対して基準板56が正しく取り付けられた状態の説明図であり、図29は、濃度センサ50に対して基準板56が傾いて取り付けられた状態の説明図である。図28及び図29中の「F」は、複写機600の図1及び図2中の手前側であることを示し、「R」は、奥側であることを示す。
図28(a)及び図29(a)は、主走査方向(濃度センサ50の長手方向、ベルト幅方向)における濃度センサ50、基準板56及び中間転写ベルト31の位置関係の模式図である。図28(b)及び図29(b)は、基準板56と中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taとをそれぞれ検出したときの主走査方向(Y軸方向)における位置が異なるそれぞれの画像素子52aの検出結果(「K(y)」及び「P(y)」)を示すグラフである。
図28(c)及び図29(c)の「K(y)r」は、基準板56の検出結果(「K(y)」)を予め定めた理想の基準板56の検出値(K0)とする係数(「K0/K(y)」)を、基準板56の検出結果(「K(y)」)に乗じた補正後の値を示すグラフである。また、図28(c)及び図29(c)の「P(y)r」は、同じ係数(「K0/K(y)」)を、中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taの検出結果(「P(y)」)に乗じた補正後の値を示すグラフである。
図28に示す場合、基準板56を用いて画像素子52aの出力値の補正を実施すると、基準板56を検出したときの検出結果が主走査方向で一定の値となるように補正が実施される。上述したようにラインセンサ52は、画像素子52aが幅方向(主走査方向)に複数ならべて配置されており、画像素子52aごとに受光感度にばらつきがある。これのばらつきは、画像素子52a自体の部品ばらつきに加えて、画像素子52aをラインセンサ52に配置する際の光軸の向きのズレ等に起因して発生する。
基準板56は、主走査方向に渡って均一な色(均一な分光反射率分布特性)であるため、基準板56を検出した結果、全ての画像素子52aの検出結果は同じ値になるはずである。しかし、上述したように、画像素子52aごとに受光感度にばらつきがあるため、検出結果にも図28(b)に示すようなばらつきが生じることになる。そのため、基準板56を検出した結果が同じ値となるように、個々の画像素子52aの検出結果に所定の係数を乗じて補正を行う。図28に示す例では、図28(b)に示す基準板56の検出値「K(y)の補正後の値を「K(y)r」としたときに、「K(y)r=K(y)×{K0/K(y)}」という補正を行うことで、図28(c)に示すように補正後の値が一定の値「K0」となる。
そして、この補正(図28に示す例では、検出値に「K0/K(y)」を乗じる補正)を行う状態で、中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taを検出する。この場合、個々の画像素子52aの検出結果の出力の差異は濃度調整用トナー像Taの濃度差によるものだと判断することができる。図28に示す例では、濃度調整用トナー像Taの検出値「P(y)」に「K0/K(y)」を乗じた値(P(y)r=P(y)×{K0/K(y)})が主走査方向で一定となっているので、濃度調整用トナー像Taに濃度ムラがない状態を検出している。
上述した補正を行う状態での濃度調整用トナー像Taを検出した画像素子52aの出力が一定となるように作像条件(例えばLDパワーの調整など)にフィードバックして作像を行う(作像工程)ことで、主走査方向の濃度を均一に補正することが可能となる。
一方、図29に示すように、基準板56が長手方向で傾いて取り付けられている場合、光源51のLEDから照射された光が、基準板56に反射してラインセンサ52の画像素子52aに入るまでの距離(検出距離)が、画像素子52a毎に異なることになる。その結果、基準板56を検出したときの個々の画像素子52aの検出結果(図29(b)の「K(y)」)に差異が生じることとなる。例えば、検出距離が近い場合は画像素子52aに光が入り易いため出力が増加し、検出距離が遠い場合は出力が減少するなど、検出結果に差異が発生する。
しかしながら、基準板56を用いて補正を行う際には、基準板56の検出結果を基準とするため、基準板56の取り付けによって生じている検出結果の差異も、個々の画像素子52aのばらつきだと判断して補正を行ってしまう。そのため、仮に画像素子52aとしては全く誤差が発生しないとしても、基準板56の傾きに起因して出力が低くなっている画像素子52aの出力に対しては出力が上がるように係数を乗じる補正が実施される。また、基準板56の傾きに起因して出力が高くなっている画像素子52aの出力に対しては出力が下がるように係数を乗じる補正が実施される。
図29に示す例では、「K(y)」の補正値である「K(y)r」が一律の値「K0」となるように、「K(y)」に係数「K0/K(y)」を乗じる補正が実施される。
その結果、基準板56の検出結果を補正した値は、図29(c)中の「K(y)r」で示すように主走査方向ですべての出力が一定となる。しかし、中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taの検出結果を補正した値は、濃度調整用トナー像Taの検出結果を補正した値は、図29(c)中の「P(y)r」で示すように主走査方向でズレが生じてしまう。
例えば、中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taが均一な濃度であった場合、その検出結果を補正した値は図29(c)中の破線で示すように、一定の値となることが理想である。
しかし、基準板56を検出した際の補正前の出力「K(y)」が低い箇所(図29(b)中の左側)は、乗じる係数「K0/K(y)」の値が大きくなり、画像素子52aの出力が高くなるように補正される。このため、濃度調整用トナー像Taの検出結果を補正した値(P(y)r)は高くなる。
一方、基準板56を検出した際の補正前の出力(K(y))が高い箇所(図29(b)中の右側)は、乗じる係数「K0/K(y)」の値が小さくなり、画像素子52aの出力が低くなるように補正される。このため、濃度調整用トナー像Taの検出結果を補正した値(P(y)r)は低くなる。
このように、基準板56が傾いていると、検出対象の濃度調整用トナー像Taの濃度が実際には均一な場合であっても、主走査方向で濃度ムラが発生していると判断してしまうこととなる。この判断結果を用いて作像条件にフィードバックを行うと、中間転写ベルト31上に形成されるトナー像に主走査方向の濃度差が発生することになる。
基準板56と濃度センサ50との位置関係のズレは、それぞれの部品を交換した場合に発生する可能性がある。複写機600の出荷時では治具などを用いて基準板56と濃度センサ50との位置関係が狙い通りであるかをきっちり確認してから出荷を行うことが可能である。しかし、市場でメンテナンスなどを行った際に部品が交換される可能性がある。市場で交換を実施する場合、位置関係をきっちりと管理することが困難であるため、上述したように、濃度センサ50に対して基準板56が傾いて取り付けられることに起因してい画像濃度の誤検出が発生する可能性がある。
図1に示すように、実施形態1の画像形成システム700では、複写機600の制御部15を、記録シート画像濃度検出装置60の記録シート濃度センサ61に接続し、制御部15が記録シート濃度センサ61の検出結果を取得できる構成となっている。
複写機600は、作像条件の調整を行うために以下の制御1〜制御3を行う。
〔制御1〕
中間転写ベルト31上の濃度調整用トナー像Taを濃度センサ50で検出し、個々の画像素子52aの検出結果を所定の補正式で補正し、補正後の出力に基づいてトナー濃度を算出し、主走査方向の濃度を均一にするように作像条件の調整を行う。
この制御1の実行タイミングとしては、所定枚数の画像形成毎の紙間や電源投入時等に実行する。
〔制御2〕
基準板56を濃度センサ50で検出し、基準板56の検出結果に基づいて上記「制御1」で用いる所定の補正式を算出する。実施形態1では、基準板56を検出したときの個々の画像素子52aの検出結果「K(n)」に対して、補正後の出力「K(n)r」が同一の値となる補正係数「K0/K(n)」を個々の画像素子52a毎について算出する。そして、この補正係数「K0/K(n)」に基づいて上記「制御1」で用いる所定の補正式を算出する。
この制御2の実行タイミングとしては、経時変化によって画像素子52a等の受光素子やLED等の発光素子の特性が変化することがあるため、制御1よりも頻度の低いタイミングの所定枚数の画像形成毎の紙間や電源投入時等に実行する。受光素子の受光特性や発光素子の発光特性は温度変化等の環境変化によって変化することがあるため、周辺温度が所定温度以上変化した場合等、環境条件について所定量以上の変化を検知して場合に、この制御2を実行しても良い。
〔制御3〕
記録シートSにシート上濃度検出用トナー像を形成し、記録シート濃度センサ61でシート上濃度検出用トナー像を検出する。また、記録シートSに転写する前の中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像を濃度センサ50で検出する。この制御3の検出結果に基づいて、上記「制御2」で算出された上記「制御1」で用いる所定の補正式による補正条件を修正する。実施形態1では、補正条件を修正する「調整値」を算出する。
この制御3の実行タイミングとしては、濃度センサ50、基準板56及び中間転写ベルト31の位置関係に変動が生じた可能性がある、濃度センサ50や基準板56の交換が行われたメンテナンス時等に実行する。また、振動等によって経時で位置関係に変動が生じる可能性もあるので上記制御2よりも頻度の低いタイミングの所定枚数の画像形成毎の紙間や電源投入時等に実行してもよい。
実施形態1の複写機600では、「制御3」では、記録シート画像濃度検出装置60で画像濃度を検出するためのシート上濃度検出用トナー像Tsを各色のトナーで作成する(出力濃度検出画像作像工程)。そして、このシート上濃度検出用トナー像Tsが記録シートSに転写される前の中間転写ベルト31上に位置する状態で濃度センサ50によって検出し、濃度センサ出力「P(n)」を取得する(像担持体上濃度検出工程)。「P(n)」の「n」は、複数の画像素子52aのそれぞれに対応する番号である。次に、この中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像を記録シートSに転写する(出力濃度検出画像転写工程)。そして、記録シートS上に出力し、複写機600の外部の記録シート画像濃度検出装置60によって画像濃度を検出して、シート上センサ出力「Di(n)」を取得する(記録媒体上濃度検出工程)。また、「制御3」では、濃度センサ50によってシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する直前または直後に濃度センサ50によって基準板56を検出する(基準部材検出工程)。
そして、このシート上センサ出力「Di(n)」に基づいて、基準板56を検出した際の出力値に基づいて算出される補正式を修正する。修正する対象としては、補正式に含まれる基準板56を検出したときの出力値「K(n)」でも良い。
実施形態1では、シート上濃度検出用トナー像Tsとして、各色とも幅方向の濃度が均一なベタパターンを作成するが、これに限るものではなく、中間調のパターンでもよい。
このように補正式を修正することで、濃度センサ50、基準板56及び中間転写ベルト31の位置関係に変動が生じても、変動後の位置関係に応じた補正式を得ることが出来、安定した画像濃度検出が可能となる。その結果として、画像濃度が安定した画像を提供することができる。
図15は、上述した制御3において記録シート濃度センサ61によって検出したシート上濃度検出用トナー像の画像濃度に基づいて、制御1の所定の補正式を修正する「調整値」を算出する「調整値算出モード」の制御を示すフローチャートである。
上述したように、制御3を実行するタイミングは、基準板56や濃度センサ50の交換時、あるいは、転写ユニット30のメンテナンス時に実行する。このようなメンテナンスの前後では、濃度センサ50、基準板56及び中間転写ベルト31の位置関係が、傾いたり、距離が変化したりする可能があるからである。
所定の補正式の修正は、「調整値算出モード」として、制御部15に図15に示すような制御フローで動作するモードを用意し、サービスマンまたはユーザーが調整値算出動作の開始を指示するようにする。
調整値算出モードがスタートすると、まず、濃度センサ50の発光素子であるLEDの発光が開始される(S1)。LEDの発光量が安定する時間まで待った後に、シャッター部材55が駆動され、受光素子である画像素子52aの出力モニタが開始される(S2)。上述したようにシャッター部材55の裏面には基準板56が設けられているため、シャッター部材55の動きと共にシアン、マゼンタ、イエロー、白に対応する出力変化をモニタできる。この四つの基準板56による出力変化をモニタし、各色の基準板56の位置を特定した後、シャッター部材55の動きを逆にして、イエロー、マゼンタ及びシアンの基準板56の検出時の出力データであるY(n)、M(n)及びC(n)を取得する(S3)。
基準板56の検出時の出力データについて、C、M及びYの検出時の出力データをまとめて、以降の説明では基準板データK(n)と呼ぶ。
各色の基準板56の検出時の出力データを取得する際、データ取得前後いずれかまたは両方で、出力データ取得時のシャッター部材55の位置のままLEDを消灯して、フレア光出力「B(n)」を取得しても良い。この場合、基準板データを「K(n)=K(n)−B(n)」のように補正しても良い。
濃度センサ50の発光素子としては、白色光源のものとRGBを順次高速に切り替えて発光するものとがある。実施形態1のように、白色光源を用いたタイプのセンサでは受光素子(画像素子52a)にRGBの偏光フィルタを設けており、RGB出力を分離して検出する。一方で発光素子がRGBを切り替えるタイプのセンサでは「R」発光時の検出結果が「R」の出力となる。
複数の基準板56において、色によってRGBの検出結果の感度に差異がある。実施形態1では各色の基準板56で最も感度が高いRGB出力の値を用いて基準板56の反射光量の検出を行う。具体的には、イエロー基準板56Yを検出する場合には、最も感度が高いRの出力を用いる。
次にシャッター部材55を開放して(S4)、各色のシート上濃度検出用トナー像Tsを中間転写ベルト31上に作像し、濃度センサ50のそれぞれの画像素子52aで出力「P(n)」を取得する(S5)。図16は、中間転写ベルト31上に作像された、シート上濃度検出用トナー像Tsの説明図である。
シート上濃度検出用トナー像Tsとしては、イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsY、マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsM及びシアン用シート上濃度検出用トナー像TsCを作像する。図16に示すように、各色のシート上濃度検出用トナー像Tsに対して幅方向の等間隔に黒ラインを入れているのは、後述する記録シート画像濃度検出装置60によって記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する際に利用するためである。
中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像Tsは、画像出力時と同じ動作で、記録シートS上に転写定着されて出力される。図1に示すように複写機600は、紙詰まり検知用に排紙センサ39aを備えている。そして、この排紙センサ39aによってシート上濃度検出用トナー像Tsを載せた記録シートSが排紙トレイ39に排出されたことを検知すると、複写機600の制御部15は、「シート上センサ出力データ要求」を出す(S6)。「シート上センサ出力データ要求」は、複写機600の操作パネルに表示しても良いし、複写機600に接続されているパーソナルコンピューター等の外部機器に表示してもよい。
「シート上センサ出力データ要求」を出した後、制御部15が「シート上センサ出力データ」を受信するまで複写機600は待機モードに入る(S7)。ここで、ユーザーまたはサービスマンが至急に複写機600を使用したい場合などに備えてリセット信号を受けられるようにしている(S8)。リセット信号は、複写機600の操作パネルに入力ボタンを設けても良いし、パーソナルコンピューター等の外部機器から受信できるようにしても良い。リセット信号を受信したら(S8で「Yes」)、今までのフローで取ったデータを消去し、前のデータを用いて画像形成できるようにして複写機600は待機状態に入る(S9)。
図17は、記録シート画像濃度検出装置60の概略上面図である。記録シート画像濃度検出装置60は、記録シートSを載置するシート台62と、シート台62上に載置された記録シートSの表面上の画像濃度を検出する記録シート濃度センサ61とを備える。また、記録シート濃度センサ61を図17中の矢印H方向にスライド可能に保持し、シート台62に対して図17中の矢印I方向にスライド可能なセンサガイド63を備える。さらに、シート台62の端には、記録シートSが突き当たり、シート台62上における記録シートSの位置決めを行う位置合わせガイド64を備える。記録シート濃度センサ61としては、分光測色計を用いることができるが、記録シートS上のトナー像の画像濃度を検出することができるものであればこれに限るものではない。
図17に示す記録シート画像濃度検出装置60は、記録シート濃度センサ61をセンサガイド63に沿ってスライドさせて記録シートSの幅方向に延在するシート上濃度検出用トナー像Tsを検出している。記録シート濃度センサ61としては、記録シートSの幅方向にスライドするものに限らず、記録シートSの幅方向に複数の撮像素子を並べて配置したラインセンサを用いてもよい。
しかし、ラインセンサを用いる構成では、発光素子同士や撮像素子同士の製造誤差等に起因する発光特性や受光特性のばらつきの影響が生じる。一方、図17に示す記録シート濃度センサ61は発光素子と撮像素子とを幅方向にスライドさせて画像濃度を検出しているため、検出結果が素子間の特性のばらつきの影響を受けることを抑制できる。
「シート上センサ出力データ」を取得する際には、シート上濃度検出用トナー像Tsが形成された記録シートSをシート台62の上に、位置合わせガイド64に突き当てて位置決めして載せる。次に、記録シート濃度センサ61によってシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度の測定を行う。記録シート濃度センサ61内には発光素子と受光素子とが内蔵されており、画像の反射濃度に応じた出力が得られる。
記録シート濃度センサ61は、記録シートS上を図17中の矢印I方向にスライド可能なセンサガイド63に保持されている。そして、記録シート濃度センサ61をセンサガイド63に沿って図17中の矢印H方向にスライドさせることで、シート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度を測定することができる。
図17に示すように四色のシート上濃度検出用トナー像Tsが一枚の記録シートS上に転写定着されて出力される。全てのシート上濃度検出用トナー像Tsを一ページに収まるように配置したことにより、使用する記録シートSは一枚でよく、出力までに要する時間も低減できる。
実施形態1の記録シート画像濃度検出装置60は、記録シート濃度センサ61を手で動かして測定を行う。このため、動かすスピードを一定に維持はできない。しかし、上述したように各色のシート上濃度検出用トナー像Tsに対して幅方向の等間隔に黒ラインを入れており、この黒ラインの部分で記録シート濃度センサ61からの出力が変化する。このため、シート上濃度検出用トナー像Tsにおけるどの位置の濃度を測定しているかを、出力データから特定することができる。記録シート濃度センサ61の出力は、通信可能に接続された複写機600の制御部15に送信される。
制御部15の側では、黒ラインによる変動で挟まれた検出領域「X(m)」の記録シート濃度センサ61の出力データを平均して、シート上センサ出力データ「Di(m)」として記憶する。「Di(m)」の「m」は、シート上濃度検出用トナー像Tsにおける黒ラインで挟まれた領域に対応する数値である。
記録シート画像濃度検出装置60の記録シート濃度センサ61の移動をモータ駆動にすることで、移動速度を定速とすることで、シート上濃度検出用トナー像Tsの黒ラインをなくすことも可能である。また、シート上濃度検出用トナー像Tsのトナー付着量によっては、記録シートSの地肌部の反射濃度が記録シート濃度センサ61の出力に影響することがある。このため、シート上濃度検出用トナー像Tsの測定を行う際に、記録シートSの地肌濃度を測定し、地肌部の反射濃度の影響を排除するように制御しても良い。
以上の動作により制御部15は、記録シート濃度センサ61からのデータ「Di(m)」、濃度センサ50でシート上濃度検出用トナー像Tsを検出した濃度センサ出力「P(n)」及び濃度センサ50で基準板56を検出した濃度センサ出力「K(n)」を得る。記録シート濃度センサ61と濃度センサ50とでデータ数を揃えるため、制御部15では、「P(n)」及び「K(n)」について、黒ラインで挟まれた領域に対応した範囲の平均値を算出して、「P(m)」及び「K(m)」を取得する計算を行う。
図18は、記録シートS上のトナー像の画像濃度の測定値と、同じトナー像を記録シートSに転写する前の中間転写ベルト31上でのトナー像の画像濃度の測定値との関係を示すグラフである。記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度とシート上濃度検出用トナー像Tsを検出した濃度センサ50の出力との間には図18に示すような一定の相関関係がある。
この相関関係は、実験的に予め測定して決定しておき、制御部15内に近似関数「Pi=f(Di)」の形で記憶しておくことができる。
ここで、「Di」は上述した複写機600機外の分光測色計などの記録シート濃度センサ61からのデータ「Di(m)」であり、「Pi」は、濃度センサ50でシート上濃度検出用トナー像Tsを検出したときに得られるべき本来の出力データ「Pi(m)」である。ここで「本来」と述べたのは、実際の濃度センサ50による検出で得た濃度センサ出力「P(m)」には、濃度センサ50の中間転写ベルト31などに対する傾きや距離のバラツキなどによって、得られるべき本来の値からのズレが含まれているからである。
濃度制御にあたっては、一定の濃度のトナー像に対して一定の濃度センサ50からの出力が得られる関係となるように、濃度センサ50の実際の検出値を補正する必要がある。例えば、ある濃度のトナー像検出したときに「2[V]」の出力が得られた場合に、同じ濃度のトナー像を違うタイミングで読んでも「2[V]」という出力が得られるようにする必要がある。
図19は、ある画像濃度のトナー像に対して、濃度センサ50の実特性が狙いの特性からずれている状態の一例を示すグラフである。図19中の実線が狙いの特性を示すグラフであり、一点鎖線が実特性を示すグラフである。上述したような濃度制御を行うには、図19に示すように、実特性が狙いの特性からずれているとき、濃度センサ50の発光素子の発光量を変える、受光素子からの出力に補正係数をかける、回路構成により受光素子出力を増減する等を実行する。これらの何れかを実行するようにしてセンサ出力を補正してやればよい。
図19に示す状態では、実特性「P」と記録シートS上に出力した画像濃度から判明した狙いの特性における狙いのセンサ出力「Pi」がわかったので、濃度センサ50の出力を「Pi/P」倍してやれば良い。それには、濃度センサ50の受発光素子を調整して、改めて、シート上濃度検出用トナー像Tsを出力して確認してもできるが、煩雑な測定作業と紙の無駄が発生する。
実施形態1では、上述した「制御2」で検出した基準板56の検出結果に基づいて、「制御1」で用いる所定の補正式を算出する。そして、この所定の補正式、または、「制御2」で取得する基準板56を検出したときのセンサ出力、の何れかを「制御3」で検出した狙いのセンサ出力「Pi」に基づいて算出する調整値によって修正する。
濃度センサ50は、経時環境によってLEDの発光性能や画像素子52aの受光感度が変動することがある。実施形態1では、上述した「制御3」で算出した調整値と、「制御2」で検出した基準板56の検出結果とに基づいて、「制御1」で用いる補正式を算出する。これにより、濃度センサ50、中間転写ベルト31及び基準板56の位置関係が変わらない限り、狙いの特性に濃度センサ50の出力とパターントナー像の濃度との関係を維持できる。一度組みつけてしまえば、これらの位置関係はほとんど変わらない。
以上より、基準板56の検出結果に基づいて補正式を算出することで、記録シートS上に画像を出力しなくても濃度センサ50の特性を一定の狙いの範囲に保つことができる。
よって、図15に示す制御フローでは、最後に複数の画像素子52aのそれぞれについて補正式を修正する調整値をメモリに記憶し(S10)、画像素子52aの調整をして調整値算出モードを終了して、次の画像形成動作に備える(S11)。
画像素子52aの調整としては、実際にもう一度、基準板56を調整後の特性値で検出して確認してもよいが、単に調整値を記憶するだけでも良い。
以上のように、基準板56の検出結果に基づいた補正条件を、記録シートS上のパターントナー像の検出結果に基づいて修正することで、基準板56等の位置関係のズレに対して補正を行うことができる。よって、図15に示す制御フローを実行した後は、基準板56の検出結果を用いて濃度センサ50の検出値を補正する制御を実行すれば適正な画像濃度を維持することが可能となる。基準板56を用いた補正動作は複写機600の内部で自動に実行することができるため、濃度センサ50の出力が変化すると想定される条件に応じて実行することが可能となる。例えば、環境の変化や経時変化に対して補正する制御を実行すればよい。
また、濃度センサ50としては、発光素子を点灯することによって温度が上昇し、自身の温度上昇によって特性が変化するため、発光素子の点灯時間によって出力が変化しやすいセンサがある。このようなセンサを用いる場合には、パターントナー像を検出する直前で基準板56を検出し、補正を行ってから、パターントナー像の検出を行うようにすることも可能となる。特にプロダクションプリンタのように画像安定性に対して要求が厳しい画像形成装置に対しては、上述した制御フローを適用することで、より正確に画像濃度制御を実施することが可能となる。
各色の基準板56としては、複写機600が用いる各色のトナーと同一色のものとすることが望ましい。これは、濃度センサ50の発光素子(LED)の発光波長分布や受光素子(画像素子52a)の分光感度分布が、素子ごとにばらついたり、経時環境で変動したりすることがあるからである。発光波長分布や分光感度分布が変動するとトナーの分光反射率との関係で同じトナー量でも出力が変わり、結果的に画像濃度制御が狙いから外れてしまうからである。
より具体的に図20を用いて説明する。
図20は、「Mトナー」で示すマゼンタトナー像の分光反射率分布と、「LED(R)」で示す「Red」の光の発光波長分布とを重ねたグラフである。「LED(R)」の実線、破線及び一点鎖線は、発光素子であるLEDの温度によって発光波長分布にばらつきが生じている状態の一例を示している。具体的には、ある温度において「LED(R)」の実線で示す発光波長分布特性を有する場合、温度が高くなると「LED(R)」の破線で示すように波長のピーク位置が長波長側へシフトする。一方、ある温度から温度が低くなると「LED(R)」の一点鎖線で示すように波長のピーク位置が短波長側へシフトする。
トナー付着量を検出するときの画像素子52aの出力は、各波長における『「LEDの発光量」×「トナー像の反射率」×「画像素子の感度」』の値の全波長域での総和に依存する。このため、ある波長における発光強度が高くても、その波長におけるトナー像の分光反射率が低い場合は画像素子52aの出力は小さくなる。また、ある波長における発光強度及びトナー像の分光反射率が高くても、その波長における画像素子52aの分光感度が低い場合は画像素子52aの出力は小さくなる。
一方、基準板56を検出するときの画像素子52aの出力は、各波長における『「LEDの発光量」×「基準板の反射率」×「画像素子の感度」』の値の全波長域での総和に依存する。
トナー像と白色の基準板56とでは、分光反射率分布特性が異なる。
具体的には白色の基準板56は可視光域の全域に渡って高い反射率を有し、トナー像は反射率が低くなる波長域があり、この波長域では上記「基準板の反射率」と上記「トナー像の反射率」とが異なる。
図20に示すように、トナー像の分光反射率が下がり始めている領域(波長の違いによる反射率の変動幅が大きい領域)に発光素子のピーク波長があり、発光素子の発光波長分布が図20のように変化する場合が現実にある。
このような場合、基準板56が白色であると発光素子の発光分布変化を検出できない。そして、結果的に、同じトナー量でも、濃度センサ50の出力が変動してしまい、濃度を安定的に制御できない。
そこで、実施形態1ではトナーの濃度の検出結果の補正に用いる基準板56をトナーと同色のもの等、分光反射率分布がトナーの分光反射率分布に倣うような基準板56を用いる。そうすれば、図20のような発光波長分布の変動が起きても、トナーに倣った分光反射率を有する基準板56であれば、この変動が検出され、濃度センサ50の検出結果を適切に補正することができ、画像濃度変動を防止できる。
ここで、基準板56の分光反射率分布がトナーの分光反射率分布に倣った構成は、具体的には、400[nm]〜700[nm]の波長領域において、次のような分光反射分布特性を有する基準板56を用いる構成である。
すなわち、基準板56での反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長が、トナー像での反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長に対し、±20[nm]の分光反射分布特性を持つ校正板を用いる。ここで、トナー像での反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長を算出するときのトナー像の分光反射率分布は、白紙の上にベタ画像のトナー像を定着したものを測定した値である。
ここで、各色のトナー像での反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長の算出方法について説明する。
図20中の「Mトナー」に示すように、マゼンタトナー像は、400[nm]〜700[nm]の波長領域において、反射率が最大となるのは、波長が680[nm]以上の光であり、その値は約92[%]である。一方、反射率が最小となるのは、波長が約580[nm]以下の光であり、その値は約7[%]である。このため、マゼンタトナー像での「最大値−最小値」の値は、「約92[%]−約6[%]」の約85[%]である。この反射率の70[%]の値となる反射率は、約60[%]である。
そして、図20中の「Mトナー」に示すマゼンタトナー像の分光反射率分布において反射率が約60[%]となる波長は、約610[nm]である。よって、マゼンタトナー像での反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長は、約610[nm]である。
マゼンタ基準板56Mとしては、同様の算出方法によって算出した表面における反射率の「最大値−最小値」の70[%]となる波長が、約610[nm]の±20[nm]の範囲内の波長となっているものを用いる。
また、同様の算出方法によって算出すると、シアントナー像では、反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長は、約420[nm]及び約510[nm]である。よって、シアン基準板56Cとしては、同様の算出方法によって算出した表面における反射率の「最大値−最小値」の70[%]となる波長が、約420[nm]の±20[nm]及び約510[nm]の±20[nm]の範囲内の波長となっているものを用いる。
さらに、同様の算出方法によって算出すると、イエロートナー像では、反射率が「最大値−最小値」の70[%]となる波長は、約510[nm]である。よって、イエロー基準板56Yとしては、同様の算出方法によって算出した表面における反射率の「最大値−最小値」の70[%]となる波長が、約510[nm]の±20[nm]の範囲内の波長となっているものを用いる。
このような特性を有する各色のトナー像に対応した各色の基準板56を備えることで、トナー像と基準板56との分光反射率分布特性が異なることに起因する誤検知の不具合の発生を抑制できる。
以下、図29に示すように基準板56が傾斜して取り付けられることが起こり得る構成での補正式の具体的な算出方法の一例について説明する。
複写機600の内部に配置された濃度センサ50が備える画像素子52aは複数あり、上述したシート上濃度検出用トナー像Tsの黒ラインで仕切られた検出領域「X(m)」は、画像素子52aよりも数が少ない。このため、一つの検出領域「X(m)」に対して複数の画像素子52aが対応する関係となっている。
そして、M番目の検出領域「X(m)」に対応する一つの画像素子52aに関係する検出値としては、以下の三つの検出値がある。
一つ目は、複写機600の外部の記録シート濃度センサ61で記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsを検出したときの検出値である「Di(m)」に基づいて算出される、狙いのセンサ出力「Pi(m)」である。
二つ目は、複写機600の内部の濃度センサ50で中間転写ベルト31上のパターントナー像を検出したときの検出値「P(m)」である。
三つ目は、複写機600の内部の濃度センサ50で基準板56を検出したときの検出値「K(m)」である。
上記「Pi(m)」は、「制御3」を実行したときに出力される。
上記「P(m)」は、「制御3」または「制御1」を実行したときに出力される。この「P(m)」のうち、「制御1」で濃度調整用トナー像Taを検出したときの出力を「P(m)1」とし、「制御3」でシート上濃度検出用トナー像Tsを検出したときの出力を「P(m)3」とする。
上記「K(m)」は、「制御3」を実行したときに、濃度センサ50でシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する直前または直後と、「制御2」を実行したときと、に出力される。この「K(m)」のうち、「制御3」のときの出力を「K(m)3」とし、「制御2」のときの出力を「K(m)2」とする。
「制御1」でのトナー濃度の算出に用いる値は、濃度センサ50によって濃度調整用トナー像Taに対する検出値「P(m)1」を、基準板56を検出したときの出力値「K(m)2」を用いてシェーディング補正したものである。この補正後の値を「P(m)1r」とする。以下、検出値を補正した値には、検出値を示す表記の後に「r」を付加する。
実施形態1では、「K(m)」を用いて「P(m)」の値をシェーディング補正する補正式として、以下の(1)式を用いる。
P(m)r=P(m)×{K0/K(m)}×α・・・(1)
このため、「制御1」で用いるトナー濃度の算出に用いる値である「P(m)1r」は、以下の(2)式で表すことができる。
P(m)1r=P(m)1×{K0/K(m)2}×α・・・(2)
「制御3」で検出する各値を上記(1)式に代入すると、以下の(3)式で表すことができる。
P(m)3r=P(m)3×{K0/K(m)3}×α・・・(3)
ここで、「制御3」で算出する「Pi(m)」と「P(m)3r」とは同じ値となることが理想であるため、以下の(4)式の関係が成り立つ。
P(m)3r=Pi(m) ・・・・(4)
この(4)式を上記(3)式に代入すると、
α=Pi(m)/[P(m)3×{K0/K(m)3}]・・・(5)
実施形態1では、上記(5)式で表される「α」の値が、「制御3」で算出する調整値である。
「制御1」のトナー濃度の算出に用いる値は、上記(2)式で表される「P(m)1r」であるため、個々の画像素子52aによる画像濃度の検出条件を補正する所定の補正式は、上記(2)式である。また、上記(2)式中の「K(m)2」の値は「制御2」を実行する毎に更新され、上記(2)式中の「α」の値は、上記(5)式より、「制御3」を実行する毎に更新される。
上記(2)式で示される補正式を算出することで、基準板56が傾いて配置された場合であっても、基準板56の検出結果に基づいた補正条件を修正することができる。その結果、「制御1」で正確な濃度データを取得することができ、画質を安定に制御することができる。
上述した「K0」は、濃度センサ50で基準板56を検出したときの基準となる値であり、実施形態1では、出荷前に濃度センサ50で基準板56を検出した値を用いるが、これに限るものではない。
画像素子52aによる濃度調整用トナー像Taの検出条件の補正としては、濃度調整用トナー像Taに光を照射したときの画像素子52aの出力データを基準板56の検出結果に基づいて補正するものに限らない。例えば、基準板56の検出結果に基づいて、濃度調整用トナー像Taを検出するときのLEDの出力を調整したり、画像素子52aの感度を調整したりすることによって検出条件を補正する構成としてもよい。
そして、基準板56と濃度センサ50との位置関係が変動した可能性がある場合には、濃度センサ50及び記録シート濃度センサ61によるシート上濃度検出用トナー像Tsの検出結果に基づいて検出条件を補正する補正条件を修正する。
従来、画像形成装置の出力画像を濃度変動等発生させることなく安定して出力させるため像担持体の表面に形成した濃淡パターン像の画像濃度を像担持体上濃度検出手段によって検出し作像条件を調整する画像形成装置が知られている。像担持体上濃度検出手段は、経時、環境で出力が変動するので、定期的に像担持体上濃度検出手段の出力の校正を行う必要がある。
例えば、特許文献1ではデジタルカラー複写機で単色モード時転写ベルトの位置が変わるのを利用してキャリブレーションを行う画像形成装置が開示されている。
上述した校正においては、基準板と濃度センサとの位置関係、濃度センサと検出対象との位置関係が一定である必要がある。しかしながら、実際には基準板と濃度センサとの位置関係、濃度センサと検出対象との位置関係にはバラツキが発生する。
同一画像形成装置では装置の出荷工程において一度組み付けを行えば、一定の関係をある程度維持できる。しかし、濃度センサ、基準板、検出対象の像担持体(例えば転写ベルトやベルトユニット)を交換した場合などでは、その前後において、濃度センサ、基準板等の位置関係が変化し画像濃度検出出力が変化してしまうことがある。
このような不具合を避ける手段として、基準板を利用せず転写ベルトなど検出対象からの反射光を利用して校正する方法がある。この手法は像担持体上に作成したパターントナー像の検出結果を用いて濃度センサの校正を実施するため、基準板を設ける必要がない。そのため、部品の交換による基準板と濃度センサの位置関係にズレが生じることがない。また、基準板を設置するための機構も不要なためコストの点で有利である。
しかしながら、濃度センサの構成として拡散反射光のみを用いる方式では黒色の転写ベルトの場合、転写ベルトの地肌部(パターンが無い状態)からは拡散反射光が得られず濃度センサの校正を行うことができない。
別の方法として、特許文献2に記載の構成のように、紙などの画像出力に濃度検出用のパターントナー像を出力し、スキャナでこれを読み取って制御を行うものもある。しかし、これは補正制御のたびに紙上に画像出力するため、手間がかかり無駄紙が発生すると言う不具合がある。
また、大量の印刷を連続して行うような場合では濃度センサの使用環境によっては温度変化が生じる場合があり、このような場合には濃度センサの校正を印刷の途中で実施することが望ましい。濃度センサは温度が変化すると発光素子と受光素子との特性が変化する可能性があるため、校正を実施する必要がある。特に濃度センサの発光素子を点灯してからの時間に応じて光学素子の特性が変化しやすい濃度センサにおいては所定の頻度で校正を実施する必要がある。そのため、記録紙上にパターントナー像を作成して校正を行う方式では印刷を中断する必要があり生産性が低下するといった問題が生じる。
以上より、濃度センサは定期的に校正を行う必要があるため画像形成装置に基準板を設けて自動で校正動作を行う構成が望ましい。しかし、上述したように交換時などの取り付けにおいてズレが生じてしまうと画像濃度検出出力に誤差が生じてしまうという問題が生じる。
これに対して実施形態1の複写機600は、「制御3」で、トナー像担持体である中間転写ベルト31上にパターントナー像であるシート上濃度検出用トナー像Tsを作成し、そのときの濃度センサ50の出力データ「P(m)3」を取得する。これとともに、このシート上濃度検出用トナー像Tsを記録シートS上に出力して別の濃度センサである記録シート濃度センサ61によってデータ「Di(m)」を取得する。さらに、このときの基準板56を検出したときの濃度センサ50の出力データ「K(m)3」を取得する。これら三つの出力データに基づき、基準板56を検出したときの検出値に基づいて算出する濃度センサ50の検出値の補正式を修正する制御を実行する。この結果、交換時等の位置関係の変化の影響を校正することができ、正確な濃度データを取得することが可能となり、画質を安定に制御することが可能となるため、従来の画像形成装置で発生していた濃度変動を抑えることができる。
上記(5)式の右辺を並べ替えると、以下の(6)式のようになる。
α=×{K(m)3/K0}×{Pi(m)/P(m)3}・・・(6)
上記(6)式において、シート上濃度検出用トナー像Tsを検出することによって出力される値は、「Pi(m)」及び「P(m)3」である。そして、上述した実施形態1では、調整値「α」の「Pi(m)/P(m)3」を算出するために、シート上濃度検出用トナー像Tsを幅方向の全域に渡って作像している。
以下、「Pi(m)/P(m)3」の算出方法が上述した実施形態1と異なる変形例1及び変形例2について説明する。
〔変形例1〕
図21は、変形例1の複写機600の中間転写ベルト31上に作像された、シート上濃度検出用トナー像Tsの説明図である。
変形例1は、図21に示すように、シート上濃度検出用トナー像Tsを濃度センサ50の検出領域の両サイドだけに形成するというものである。他の構成については基本的に上述した実施形態1と同じである。
濃度センサ50と、中間転写ベルト31及び基準板56との位置関係は、中間転写ベルト31を支持するベルトユニットと基準板56とが一定の強度を持つものであれば、直線的に傾いた状態か、全体的に距離が近くなったり遠くなったりする関係となる。
この場合、シート上濃度検出用トナー像Tsについては、幅方向の両端のデータ(「Pi(F)/P(F)3」及び「Pi(R)/P(R)3」)を取得する。
図22は、基準板56が直線的に傾いて設置されたときの濃度センサ50の長手方向の位置と、その位置に対応した「Pi/P」の値との関係を示すグラフである。長手方向の両端の間は、図22に示すように、横軸に長手方向に置ける位置、縦軸に「Pi/P」をプロットした一次関数を算出する。そして、各位置の座標から長手方向のそれぞれの位置に対応する「Pi(m)/P(m)3」の値を計算・設定すれば十分なことが多い。
変形例1では、イエロー用のシート上濃度検出用トナー像Tsとして、手前側イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsYF及び奥側イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsYRを作像する。同様に、手前側マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsMF及び奥側マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsMRと、手前側シアン用シート上濃度検出用トナー像TsCF及び奥側シアン用シート上濃度検出用トナー像TsCRと、を作像する。
各色のシート上濃度検出用トナー像Tsの手前側と奥側とは同じ画像濃度となるように設定された作像条件で作像されたものである。
変形例1では、長手方向の両端部のみにシート上濃度検出用トナー像Tsを作成し、それぞれの「Pi(m)/P(m)3」を検出し、他の位置については、その座標に応じて補間した「Pi(m)/P(m)3」の値を算出する。このような変形例1では、「制御3」で調整値を算出する工程において、トナーの消費量を大幅に削減し、記録シート画像濃度検出装置60でのシート上濃度検出用トナー像Tsの測定の手間も大幅に減らすことができる。
〔変形例2〕
図23は、変形例2の複写機600の中間転写ベルト31上に作像された、シート上濃度検出用トナー像Tsの説明図である。
変形例2は、図23に示すように、シート上濃度検出用トナー像Tsを濃度センサ50の検出領域の両サイドと中央にだけに形成するというものである。他の構成については基本的に上述した変形例1と同じである。
基準板56は、スペース上の制約から厚みを厚くすることができないことが多い。そうすると樹脂材料を使うことが多くなる。樹脂材料は、まれに経時で反ってくるように曲げが生じることがある。そのような恐れがあるときは、変形例1の両サイドに加えて中央部にもシート上濃度検出用トナー像Tsを作成し、補正式の修正を行うと良い。このようなときに、調整値の算出に用いる「Pi(m)/P(m)3」の値は、手前側端部と中央部、奥側端部と中央部とでそれぞれ図22に示すような直線関数を想定して一次関数を算出する。そして、各位置の座標から「Pi(m)/P(m)3」を計算・設定してやればよい。
変形例2では、イエロー用のシート上濃度検出用トナー像Tsとして、手前側イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsYF、奥側イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsYR及び中央部イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsYCを作像する。同様に、手前側マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsMF、奥側マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsMR及び中央部マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsMCを作像する。さらに、手前側シアン用シート上濃度検出用トナー像TsCF、奥側シアン用シート上濃度検出用トナー像TsCR及び中央部シアン用シート上濃度検出用トナー像TsCCを作像する。
各色のシート上濃度検出用トナー像Tsの手前側と奥側と中央部とは同じ画像濃度となるように設定された作像条件で作像されたものである。
変形例2では、長手方向の両端部と中央部のみにシート上濃度検出用トナー像Tsを作成し、それぞれの「Pi(m)/P(m)3」を検出し、他の位置については、その座標に応じて補間した「Pi(m)/P(m)3」の値を算出する。このような変形例2では、「制御3」で調整値を算出する工程において、トナーの消費量を大幅に削減し、記録シート画像濃度検出装置60でのシート上濃度検出用トナー像Tsの測定の手間も大幅に減らすことができる。さらに、基準板56に曲げが生じても概ね適切に補正式の修正を行うことができる。
上述した実施形態1では、濃度センサ50の検出精度が重要である。濃度センサ50は検出距離に対して検出誤差が大きくなり易い。しかし、実施形態1の複写機600では、パターントナー像が形成される中間転写ベルト31と濃度センサ50との位置関係は、これらの交換などで取り付けかえたとき以外は変わらない。したがって、濃度センサ50とパターントナー像との距離の変化に伴う誤差はない。
また、記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する記録シート濃度センサ61による検出精度も重要である。
特許文献3には、紙面上のトナー像を検出するために、紙搬送路内を移動する転写紙の紙面上のトナー像を検出する構成が記載されているが、紙搬送路内では、転写紙はバタついて上下に振れ易い。そして、この振れによって検出距離にばらつきが生じ、検出結果のばらつきが大きくなり易いため、複数枚の転写紙上にパターントナー像を出力してその平均を取る必要がある。このような構成では、パターントナー像が作成される無駄紙が多く発生するという不具合がある。
これに対して実施形態1の複写機600では、外部装置である記録シート画像濃度検出装置60のシート台62の上で停止した記録シートSに対して記録シート濃度センサ61を用いて画像濃度の検出動作を行っている。停止した記録シートSに対して検出動作を行うことで、搬送時のバタツキの影響がなく、一枚の記録媒体上に作成したシート上濃度検出用トナー像Tsを検出することで精度の高い画像濃度の検出を行うことが出来る。
よって、実施形態1の複写機600では、シート上濃度検出用トナー像Tsを一枚の記録媒体としての記録シートS上に収まるように作成する。
一枚の記録シートS内にシート上濃度検出用トナー像Tsを収めて、精度のよい検出結果が得られるため、パターントナー像の出力枚数を増やして検出データを平均化する必要がない。このようにすることで、基準板56の検出結果を用いて濃度センサ50の出力を補正する補正式の修正を行う際に使用する紙量を低減できる。さらに、パターントナー像作成に使用するトナー量を低減することが出来る。
実施形態1の複写機600では、補正式を修正するためのパターントナー像の出力に使う時間、および、トナーと紙とのコストを低減できる。また、記録シート濃度センサ61のように、測色器が複写機600の外部の場合には、一枚の記録シートSに収めることで、測色の手間を低減できる。
図17に示すように、シート上濃度検出用トナー像Tsは、イエロー用シート上濃度検出用トナー像TsY、マゼンタ用シート上濃度検出用トナー像TsM及びシアン用シート上濃度検出用トナー像TsCが一枚の記録シートSに収まるように配置されている。
実施形態1ではシート上濃度検出用トナー像Tsとして各色のベタパターンを作像しているが、濃度ムラを検出できるパターントナー像であれば網点面積率は限定されない。
出力紙は、A4サイズの横通紙で、シート上濃度検出用トナー像Tsの主走査方向(中間転写ベルト31の幅方向)のサイズは出力紙の最大画像領域サイズと同じである。シート上濃度検出用トナー像Tsの主走査方向のサイズは、より正確に補正式を修正するには濃度センサ50の検出範囲の両端まで検出できる大きさであることが好ましい。但し、検出範囲の両端まで検出できなくても、あるいは、検出範囲内の途中で検出データが抜けていても、後述するように補間できるため問題ない。
パターントナー像の副走査方向(中間転写ベルト31の移動方向)のサイズは、必要なパターントナー像を配置して一枚の出力紙に収められるならば、どのような大きさでも良い。パターントナー像の大きさはトナー消費量に影響するため、濃度センサ50や記録シート濃度センサ61で画像濃度を検出可能な範囲で小さいほうが、無駄なトナー消費を抑えられる。
停止した記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する記録シート濃度センサ61としては、上述した実施形態1のように、複写機600の外部装置に配置する構成に限るものではない。例えば、排紙トレイ39に記録シート濃度センサ61を配置してシート上濃度検出用トナー像Tsを検出する構成としてもよい。しかし、実施形態1のように複写機600の外部装置である記録シート画像濃度検出装置60が備える記録シート濃度センサ61の検出結果を用いる構成であれば、使用頻度が低い記録シート濃度センサ61を複写機600に設ける必要がなくなる。これにより、複写機600の部品点数及び製造コストの低下を図ることができる。
ここで、一方向に複数個並んだ濃度センサ50の画像素子52aの一部でパターントナー像の反射光に対する出力データが取れなかった場合の補間例について説明する。
実施形態1では、濃度センサ50の両端部の画像素子52aであり、A4横の主走査方向の最大画像領域の外側を検出する部分である。
図24は、基準板56が直線的に傾いて設置されたときの濃度センサ50の長手方向の位置と、その位置に対応した「Pi/P」の値との関係を示すグラフで、濃度センサ50の両端部の推定データと検出値から得たデータとの関係を示すグラフである。
変形例1で述べたように、ベルトユニットと基準板56とが一定の強度を持つものの場合、濃度センサ50と、中間転写ベルト31及び基準板56との位置関係は、直線的に傾いた状態か、全体的に距離が近くなったり遠くなったりする関係となる。
この場合は、図24に示すように、検出値から得た「Pi(m)/P(m)3」の値を用いて、横軸に長手方向の位置、縦軸に「Pi(m)/P(m)3」をプロットした一次関数を算出する。これにより、パターントナー像が作成された部分以外の位置についても調整値「α」の算出に用いる値「Pi(m)/P(m)3」を推定できる。
補間を行う別の例としては、基準板56として樹脂材料を使う場合がある。
図25は、基準板56に反りが生じたときの濃度センサ50の長手方向の位置と、その位置に対応した「Pi/P」の値との関係を示すグラフで、濃度センサ50の両端部の推定データと検出値から得たデータとの関係を示す他の例のグラフである。
変形例2で述べたように、基準板56は、スペース上の制約から厚みを厚くすることができないことが多く、樹脂材料を使う場合がある。樹脂材料は、まれに経時で反ってくるようなことがある。このような場合、図25のように横軸に位置、縦軸に「Pi(m)/P(m)3」をプロットすると直線的にはならないので、多項式関数で近似式を算出する。これにより、パターントナー像が作成された部分以外の位置についても調整値「α」の算出に用いる値「Pi(m)/P(m)3」を推定できる。
〔変形例3〕
図26は、同一色のシート上濃度検出用トナー像Tsを記録媒体搬送方向に複数作成する変形例3における記録シートSの説明図である。図26に示すシート上濃度検出用トナー像Tsを作像する変形例3では、パターントナー像が同一色について、記録シートSの搬送方向において複数あり、記録シートSの一ページ上に収まるように配置されたものである。変形例3では、図16及び図17に示すシート上濃度検出用トナー像Tsを一組とすると、これが二組収まったものである。他の部分は、基本的には、上述した実施形態1と同じである。
ただし変形例3では、一色につきパターントナー像二組分の「Di(m)」と「P(n)」とが得られる。このため、一組目の「Di(m)」と「P(n)」とを使った調整値「α」のデータと、二組目の「Di(m)」と「P(n)」とを使った調整値「α」のデータとを平均し、調整値「α」としてメモリに記憶する。
このように変形例3では、一枚の出力であっても記録媒体搬送方向に複数の同色のシート上濃度検出用トナー像Tsがあることにより、補正式の調整値「α」のデータ数が増え、補正精度の向上を図ることができる。
〔変形例4〕
図27は、シート上濃度検出用トナー像Tsの記録媒体搬送方向のサイズを上述した実施形態1よりも小さくした変形例4における記録シートSの説明図である。
変形例4は、上述した実施形態1よりもシート上濃度検出用トナー像Tsの副走査方向(記録媒体搬送方向)のサイズを小さくして、「7[mm]」としたものである。他の部分は基本的に上述した実施形態1と同じである。
上述した通り、電子写真方式でトナー像を形成するものでは、画像のエッジ部にエッジ効果が作用してエッジ部の画像濃度が他の部分に比べて濃くなり易い。そこで変形例4では、シート上濃度検出用トナー像Tsの検出データからエッジ効果領域となるシート上濃度検出用トナー像Tsの先端と後端とのそれぞれ「1.5[mm]」分を除外し、非エッジ部となる「4[mm]」分のデータだけを利用している。
補正式の調整値「α」のデータ数が多くするには、シート上濃度検出用トナー像Tsは小さいほうが好ましい。また、トナー消費量を少なく抑えるためにもシート上濃度検出用トナー像Tsは小さいほうが好ましい。しかし、小さくしすぎると、エッジ効果で本来の付着量ではないところを検出してしまう。
変形例4の濃度センサ50は、上述した実施形態1の濃度センサ50と同様に、画素単位で色や濃度を検知することが可能であるため、エッジ効果分を除外でき、非エッジ部だけを抽出できる。
このようにして、変形例4では、上述した実施形態1よりも小さいシート上濃度検出用トナー像Tsであっても、エッジ効果領域より大きければ、実施形態1と遜色ない精度の補正式の調整値「α」のデータが得られる。また、シート上濃度検出用トナー像Tsの出力に消費するトナー量も低減できる。
〔実施形態2〕
次に、複写機の二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」と呼ぶ)について説明する。実施形態2の複写機は、上述した実施形態1の制御3で算出する調整値「α」の算出方法が一部異なる点で実施形態1と異なるが、他の点は共通する。
上述した実施形態1では、ラインセンサ52で基準板56を検出したときの出力を補正するために、シート上濃度検出用トナー像Tsを作成する。そして、ラインセンサ52による中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像Tsの検出値と、基準板56の検出値と、シート上濃度検出用トナー像Tsを記録シートSに出力したものの記録シート濃度センサ61による検出値とを紐づける。これにより、基準板56と中間転写ベルト31上のトナーパターンとの位置関係のずれの影響を補正する。
また、基準板56の長手方向の長さは、ラインセンサ52の読取幅以上であり、基準板56の表面の色の濃度は長手方向で完全に均一ではない場合がある。このため、基準板56の位置のずれの影響に加え、基準板56の表面の色の濃度のムラの影響も補正する。この補正では、基準板56の長手方向の各位置ごとに中間転写ベルト31上のトナーパターンをラインセンサ52で検出した出力と、記録シートS上のトナーパターンの画像濃度を記録シート濃度センサ61で検出した出力とを得る。そして、これらの出力から補正式を修正する「調整値」を求める。
一方、画像形成装置は記録シートS等の記録媒体を搬送する搬送経路内に、記録媒体に搬送力を付与する搬送コロや、記録媒体を案内するガイドリブを備える。さらに、中間転写ベルト31等のトナー像担持体や定着部材からの記録媒体の分離を促す分離爪を備える。搬送コロ、ガイドリブ及び分離爪は、搬送経路内で記録媒体の表面に接触する。
このため、実施形態1のように横帯状のトナーパターンを形成し、主走査方向全域に渡って画像濃度の検出を行うと、搬送経路内の搬送コロやガイドリブ、分離爪が配置された位置などで、記録媒体上のトナーパターンが搬送経路内の部材と接触する。記録媒体上におけるトナーパターンが搬送経路内の部材と接触する位置では、トナーパターンの画像濃度が他の位置に比べて高くなり、上記「α」のような調整値を適切に算出できない、という問題が生じることがある。特にプロダクションプリンティング分野の画像形成装置では、記録媒体の搬送経路が長いため、二次転写ニップ等の二次転写部以降の記録媒体の搬送経路内に複数の搬送コロが存在し、その影響が無視できない。
図37は、実施形態1のようにシート上濃度検出用トナー像Tsを作像する構成で、複写機600の搬送経路内で、記録シートSに形成されたシート上濃度検出用トナー像Tsに搬送コロ37が接触する場合の説明図である。図37(a)は、矢印G方向に搬送される記録シートSの主走査方向(図37(a)中の左右方向)の二箇所に搬送コロ37が接触する状態を示す模式図である。図37(b)は、図37(a)に示す記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsを記録シート画像濃度検出装置60の記録シート濃度センサ61で検出したときのシート上センサ出力データ「Di(m)」のグラフである。図37(c)は、記録シートSに転写される前の中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像Tsをラインセンサ52で検出したときの「P(m)3×K0/K(m)3」のグラフである。
図38は、図37(b)及び(c)の検出結果に基づいて、調整値及び補正式を算出して、上述した制御1で主走査方向の画像濃度が均一になるように作像条件を調節したベタ画像をラインセンサ52で検出したときの「P(m)×K0/K(m)」のグラフである。
詳しくは、図37(b)に示す「Di(m)」から算出される「Pi」と図37(c)に示すグラフを得る際に検出する「P(m)3」、{K0}及び「K(m)3」とを用いて、上記(5)式から調整値「α」を算出する。
そして、補正式として、
P(m)1r=P(m)1×{K0/K(m)3}×α・・・(2)’
を算出する。
この補正式より算出される「P(m)1r」の値が主走査方向で均一になるように作像条件を調節して、調整した条件で作像したベタ画像をラインセンサ52で検出する。そして、その検出結果「P(m)」を、上述した補正係数「K0/K(m)」で補正した値「P(m)×{K0/K(m)}」を算出する。
図37(a)に示すシート上濃度検出用トナー像Tsは、各色ともに幅方向の濃度が均一のベタパターンである。
図37(b)に示すように、搬送コロ37が接触する位置において、画像濃度が周りより高く測定されていることがある。これは記録シートS上のトナーパターンがコロと接触することによって画像濃度が変化したためである。記録シートSの搬送経路にはローラやリブ、コロなどが多数存在する。これらの部材と記録シートSが接触することで、紙粉により接触部材に傷がついたり、接触部材にトナーが付着し汚れたりするため上述した画像濃度の変化が生じる。
図37(c)に示すように、転写前の中間転写ベルト31上のトナー付着量は、幅方向における位置が搬送コロ37に対応する位置でも周りと同等で多いということはない。そのため、搬送コロ37に接触した位置におけるシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度が正しいとして調整値「α」を算出し、主走査方向の画像濃度が均一になるように調整を行うと、図38に示すような検出結果となる。すなわち、中間転写ベルト31上における、主走査方向の位置が搬送コロ37と同じ位置となる箇所では、トナー付着量が少なくなってしまう。
そこで、実施形態2では、記録シートSの搬送経路中にあり、記録シートSに対して接触する部材である、ローラ、コロ、リブなどの接触部材が存在する主走査方向の位置を通過した部分の記録シートS上の画像濃度は測定しない。すなわち、記録シートSの表面上において、搬送経路中で接触部材が接触する位置の画像濃度は測定しない構成である。そして、接触部材が接触する位置の周囲の位置の調整値「α」を元に、補間処理を行い、接触部材が接触する位置の調整値を算出する構成である。補間処理は記録シート濃度センサ61が接続されている複写機600の制御部15で行う。
〔実施例1〕
実施形態2の複写機600の一つ目の実施例(以下、「実施例1」とよぶ)について説明する。
図30は、シート上濃度検出用トナー像Tsとして主走査方向に長いベタの横帯に加え、搬送コロ37の位置を示す「×」印の非読込部トナー像TsNを作成する実施例1の複写機600で出力する記録シートSと搬送コロ37との説明図である。
図31は、記録シートS上のシアン用シート上濃度検出用トナー像TsCについて、非読込部トナー像TsNに対応する部分を除き、10[mm]ピッチで画像濃度(Di(m))を検出した結果を示すグラフである。
図32は、主走査方向における「×」印の非読込部トナー像TsNの位置を除いた位置について中間転写ベルト31上のシアン用シート上濃度検出用トナー像TsCの出力(P(m)3×K0/K(m)3)の値を10[mm]ピッチで平均化したグラフである。
図31及び図32では、濃度センサ長手方向位置及び主走査方向の位置「Y4」及び「Y20」が、シート上濃度検出用トナー像Tsに搬送コロ37が接触する位置である。この位置は、シート上濃度検出用トナー像Tsの検出結果に基づいて調整値「α」の算出を行わない除外位置である。
搬送コロ37に対応する位置以外の調整値「α」は、実施形態1と同様に算出する。すなわち、記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度「Di(m)」に対応する中間転写ベルト31上の出力「Pi(m)」と、中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像Tsを実際に検出した出力「P(m)」とを取得する。さらに、基準板56の理想の検出値「K0」と基準板56の実際の検出値「K(m)」と取得し、取得した「Pi(m)」、「P(m)」、「K0」及び「K(m)」と上記(5)式とに基づいて調整値「α」をそれぞれの位置について算出する。
図33は、実施例1における搬送コロ37が接触する除外位置の調整値「α」の算出方法の説明図である。実施例1では、除外位置に作像されたシート上濃度検出用トナー像Tsは調整値「α」の算出に用いず、除外位置以外の位置の調整値「α」に基づいて除外位置の調整値「α」を算出する。
二つの搬送コロ37が接触する位置の一方の「Y4」に対応する調整値を「α4」としたときに、「Y4」を挟んで両側の位置となる「Y3」及び「Y5」の調整値「α3」及び「α5」を線形補間して「α4」を算出する。同様に、他方の位置「Y20」についても「Y20」を挟んで両側の調整値(「α19」及び「α21」)から線形補間して調整値「α20」を算出する。線形補間を行うことでシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度を検出しなかった部分に対応する調整値「α」を容易な方法で精度良く算出することができる。
上述のような算出方法によって搬送コロ37が接触する位置に対応する調整値「α」を補間処理によって求め、主走査方向の画像濃度が均一になるように作像条件を調節したベタ画像をラインセンサ52で検出した結果(P(m)×K0/K(m))を図34に示す。図34に示すように、搬送コロ37が接触する位置の調整値「α」を補間処理によって算出することで、搬送コロ37が接触する位置の実際の検出結果に基づいて調整値「α」を算出して作像条件を調節した図38と比較しても均一な画像となっている。
実施例1では、中間転写ベルト31上に主走査方向に長い帯状のシート上濃度検出用トナー像Tsを作像し、それを記録シートS上に転写して出力する。この際、中間転写ベルト31上のシート上濃度検出用トナー像Tsをラインセンサ52で検出した出力と、基準板56を検出した出力も取得する。そして、ラインセンサ52で読み取ったシート上濃度検出用トナー像Tsを記録シートSに転写した結果を、記録シート濃度センサ61で検出する際に、シート上濃度検出用トナー像Tsにおける搬送コロ37と接触しない部分を検出する。搬送経路内で接触部材が接触しない部分のシート上濃度検出用トナー像Tsを検出して調整値「α」を算出し、接触部材が接触する部分の調整値「α」は周辺の部分の調整値「α」に基づいて算出する。すなわち、接触部材が接触する除外位置におけるシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度は調整値「α」の算出に用いず、除外位置の周辺の位置の調整値「α」に基づいて除外位置の調整値「α」を算出する。
これにより、接触部材である搬送コロ37が接触することに起因するシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度の変動の影響を受けることなく、シート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度の算出が可能になる。よって、中間転写ベルト31上のトナー付着量を検出する際の補正条件を適切に修正することが可能となり、画像濃度の検出精度の向上を図ることができる。
〔実施例2〕
実施形態2の複写機600の二つ目の実施例(以下、「実施例2」とよぶ)について説明する。
図35は、シート上濃度検出用トナー像Tsを搬送コロ37が接触しない位置に形成する実施例2の複写機600で出力する記録シートSと搬送コロ37との説明図である。実施例2では、図35に示す構成では、主走査方向の中央部に実施例1の搬送コロ37よりも長い搬送コロ37が一つ配置されている。このため、この搬送コロ37が接触する位置を挟んで主走査方向の両側に二つのトナーパターンを作成する。
図36は、実施例2における搬送コロ37が接触する位置の調整値「α」の算出方法の説明図である。
実施例2では、搬送コロ37が接触する位置は、「Y11」、「Y12」、「Y13」、「Y14」及び「Y15」である。これらの位置の調整値「α11」〜「α15」の算出は、「Y11」〜「Y15」を挟んで両側の位置となる「Y10」及び「Y16」の調整値「α10」及び「α16」を線形補間して「α11」〜「α15」を算出する。
搬送コロ37が主走査方向に長い場合に、搬送コロ37の接触する位置の全てを同じ調整値とするのではなく、線形補間してそれぞれの位置の調整値を算出することで、画像濃度調整の精度を高めることができる。また、搬送コロ37が主走査方向に長い場合、実施例2のようにシート上濃度検出用トナー像Tsを主走査方向の全域に作成せず、搬送コロ37が接触する位置を除いて作成することで、実施例1と比較してトナーの消費量を低減することができる。
実施形態2では、記録シートS上のシート上濃度検出用トナー像Tsに接触する接触部材が搬送コロ37である場合について説明した。接触部材としては、細かいリブを多数有する構成であっても同様の補間処理を行う構成とすることができる。細かいリブを多数有する構成では、上述した実施例2のように接触部材の位置を避けてシート上濃度検出用トナー像Tsを作像すると、エッジ部となる箇所が多くなる。これにより、トナー像のエッジ部のトナー付着量が増加するエッジ効果の影響によってシート上濃度検出用トナー像Tsのトナー付着量を正しく算出できない不具合が発生してしまう。このような場合、実施例2のようにシート上濃度検出用トナー像Tsを区切らずに、実施例1のように、横帯状に作成し、画像濃度を検出しない位置を示す印(「×」印等の非読込部トナー像TsN)をつける方法が好ましい。これにより、エッジ効果の影響を抑制でき、シート上濃度検出用トナー像Tsのトナー付着量の検出精度の向上を図ることができる。
記録シートSにおけるコロやリブのような接触部材と接触する位置のシート上濃度検出用トナー像Tsの画像濃度が、他の位置に比べて高くなるのは、画像形成を繰り返して記録シートSと接触する部分がトナーで汚れたり、紙粉で削られたりした後である。
このため、使用開始からの画像形成枚数が少ないときは接触部材がある位置の画像濃度は高くなく、画像濃度を検出する位置として接触部材が接触する位置を除外する必要はない。
そこで、使用開始からの画像形成枚数の累積値が所定値以下の場合は除外位置を設けずにすべての位置について調整値を求め、所定値を超えた場合は、接触部材の位置を除外し補間処理によってその位置の調整値を算出する制御に切り替える構成としてもよい。このような構成では、制御部15が制御を切り替える切替手段としての機能を有する。
この構成では、使用開始からの画像形成枚数を記憶しておき、あらかじめ設定しておいた枚数以下の場合は、シート上濃度検出用トナー像Tsとして主走査方向につながった横帯状のトナーパターンを形成する。そして、所定の枚数を超えた場合に、シート上濃度検出用トナー像Tsを実施例1や実施例2で説明したように、接触部材が接触する位置の画像濃度の情報を用いないトナーパターンに変更する。コロやリブ等の接触部材の劣化は、通紙する記録シートSの種類によっても変わるため、記録シートSの種類に応じて上述した所定の枚数の設定を変更しておいても良い。このように、調整値を算出する制御を切り替えることによって、画像形成枚数が少ない状態で、除外位置を設けず、トナー付着量を検出する全ての位置についてシート上濃度検出用トナー像Tsの検出結果に基づいた調整値「α」を算出することができる。よって、中間転写ベルト31上のトナー付着量を精度良く算出することが可能となる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
中間転写ベルト31等の像担持体の表面上に画像を形成する作像ユニット10等の作像手段と、像担持体の表面上の画像濃度を検出する濃度センサ50等の像担持体上濃度検出手段と、像担持体上濃度検出手段の検出結果に基づいて作像手段による作像条件を制御する制御部15等の作像条件制御手段と、基準となる反射特性を有する基準板56等の基準部材と、像担持体の表面上の画像を記録シートS等の記録媒体に転写する転写ユニット30等の転写手段と、を備え、像担持体上濃度検出手段によって基準部材を検出した検出結果に基づいて、像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件(所定の補正式等)を算出する複写機600等の画像形成装置において、記録媒体上に出力した画像の濃度を検出するためのシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を像担持体に作像し、転写手段によって記録媒体に転写したときの記録媒体上での出力濃度検出画像の画像濃度を検出する記録シート濃度センサ61等の出力濃度検出手段の検出結果の情報を取得する制御部15等の出力濃度情報取得手段を備え、記録媒体に転写する前の像担持体上の出力濃度検出画像を像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果(「P(m)3」等)と、出力濃度情報取得手段が取得した検出結果(「Di(m)」等)と、像担持体上濃度検出手段で基準部材を検出した検出結果(「K(m)3」等)と、に基づいて、補正条件を修正する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、基準部材と像担持体上濃度検出手段との位置関係が変動しても、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。これは、以下の理由による。
すなわち、基準部材を用いた補正条件の算出は、像担持体上濃度検出手段が基準部材を検出した検出結果(K(m)2等)を予め入力された基準値(K0等)と比較することによって行う。例えば、像担持体上濃度検出手段による基準部材の検出結果が基準値よりも小さい場合は、像担持体上濃度検出手段によって像担持体上の画像を検出したときの検出結果の値が大きくなるように補正条件を算出する。これにより、発光素子同士や撮像素子同士の製造誤差等に起因する発光特性や受光特性のばらつき等の像担持体上濃度検出手段の特性に起因する検出誤差を抑制できる。
この補正では、像担持体上濃度検出手段から基準部材までの距離と、像担持体上濃度検出手段から像担持体までの距離との何れかが変動すると、像担持体上の画像濃度が同じ場合でも、補正後の検出条件での検出結果が異なる値となってしまう。例えば、像担持体上濃度検出手段から基準部材までの距離が離れるように変動すると、基準部材の検出結果の値が小さくなり、像担持体上の画像濃度の検出結果の値を大きくするような補正がなされる。その結果、像担持体上の画像濃度が同じ場合でも、補正後の検出条件での検出結果は、像担持体上濃度検出手段から基準部材までの距離が離れたときの方が大きい値となってしまう。また、像担持体上濃度検出手段から像担持体までの距離が離れるように変動すると、基準部材の検出結果の値は同じだが、像担持体上の画像濃度の検出結果の値が小さくなる。その結果、像担持体上の画像濃度が同じ場合でも、補正後の検出条件での検出結果は、像担持体上濃度検出手段から像担持体までの距離が離れたときの方が小さい値となってしまう。
そこで態様Aでは、部材の交換等、像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動した可能性がある場合に、出力濃度検出画像の検出結果に基づいて補正条件を修正する。具体的には、出力濃度検出画像を像担持体上に作像し、記録媒体上に転写する。この際、記録媒体上での出力濃度検出画像の検出結果の情報を出力濃度情報取得手段が取得するとともに、像担持体上濃度検出手段によって像担持体上での出力濃度検出画像の検出結果と、基準部材の検出結果とを取得する。また、記録媒体上の画像の検出結果と、この画像が像担持体上にあるときに像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果と、の間の一定の相関関係を、実験等により予め定めておく。さらに、記録媒体上での出力濃度検出画像の検出結果と一定の相関関係とに基づいて、像担持体上の出力濃度検出画像を像担持体上濃度検出手段で検出したときに得られるべき理想の検出結果(Pi(m)等)を算出する。
像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動した場合でも、像担持体上の出力濃度検出画像の画像濃度が同じ場合は、記録媒体上での出力濃度検出画像の検出結果は同じとなり、理想の検出結果も同じとなる。
そして、理想の検出結果と、像担持体上濃度検出手段による出力濃度検出画像の検出条件を基準部材の検出結果に基づいて補正して算出される値と、が一致するように補正条件を修正する。
これにより、像担持体上の画像の画像濃度が同じ場合であれば、上述した位置関係が変動した場合でも、同じ検出結果を得ることができる補正条件に修正することができる。
そして、修正した補正条件を、その後の像担持体上での画像濃度の検出条件の補正に用いる。これにより、像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動しても、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。
(態様B)
態様Aにおいて、記録シート濃度センサ61等の出力濃度検出手段は、中間転写ベルト31等の像担持体からシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像が転写された記録シートS等の記録媒体が停止している状態(シート台62上に載置された状態等)で出力濃度検出画像の画像濃度を検出する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、停止した記録媒体に対して検出動作を行うことで、搬送時のバタツキ等のように出力濃度検出手段と記録媒体との距離の変動が生じることを抑制できる。このため、距離の変動が検出結果に影響することを抑制でき、記録媒体上に作成した出力濃度検出画像を精度良く検出することができる。このため、出力濃度検出画像を作像する記録媒体を一枚で済ませることが可能となる。よって、複数枚の記録媒体上に出力濃度検出画像を作像して、複数の検出結果の平均を算出する必要がなくなり、記録媒体やトナー等の画像形成物質の消費を抑制することができる。さらに、実施形態1のように出力濃度検出手段を複写機600等の画像形成装置の装置外に備える構成の場合、出力濃度検出画像が形成された記録媒体を出力濃度検出手段によって検出する位置に配置する手間を低減することができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、濃度センサ50等の像担持体上濃度検出手段は、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上の濃度調整用トナー像Ta等の濃度検出用画像及び基準板56等の基準部材に光を照射する光源51等の発光手段と、濃度検出用画像または基準部材に反射した反射光を受光するラインセンサ52等の受光手段と、を有し、受光手段は画像素子52a等の受光素子を幅方向等の一方向に複数並べて配置した構成である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、像担持体の表面上の一方向の全域にわたり、トナーの付着量等の画像濃度を検出することが可能となる。
(態様D)
態様Cにおいて、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を中間転写ベルト31等の像担持体の表面上におけるラインセンサ52等の受光手段の幅方向等の一方向の手前側端部及び奥側端部等の両端部に対応する位置に形成する。
これによれば、上記変形例1について説明したように、画像濃度の検出条件を適切に補正しつつ、トナー等の画像形成物質の消費量を削減することができる。これは以下の理由による。
すなわち、濃度センサ50等の像担持体上濃度検出手段と基準板56等の基準部材とが傾斜するように配置されると、基準部材の検出結果が変動し、この検出結果に基づいて算出される所定の補正式等の補正条件が変動する。このような補正条件を修正する場合、一方向の両端部における出力濃度検出画像の検出結果に基づいて、両端部以外の検出結果を補間することができる。このため、一方向の全域に渡って出力濃度検出画像を検出しなくても、一方向に複数並べて配置したそれぞれの画像素子52a等の受光素子による画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。出力濃度検出画像を一方向の両端部のみに作像するため、全域に渡って作像する構成に比べて画像形成物質の消費量を削減することができる。
(態様E)
態様Cにおいて、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を中間転写ベルト31等の像担持体の表面上におけるラインセンサ52等の受光手段の検出範囲の幅方向等の一方向の手前側端部及び奥側端部等の両端部と中央部とに対応する位置に形成する。
これによれば、上記変形例2について説明したように、基準板56等の基準部材に曲げが生じても、画像濃度の検出条件を適切に補正しつつ、トナー等の画像形成物質の消費量を削減することができる。これは以下の理由による。
すなわち、基準板56等の基準部材に曲げが生じると、基準部材の検出結果が変動し、この検出結果に基づいて算出される所定の補正式等の補正条件が変動する。このような補正条件を修正する場合、一方向の両端部と中央部とにおける出力濃度検出画像の検出結果に基づいて、両端部と中央部との検出結果を補間することができる。このため、一方向の全域に渡って出力濃度検出画像を検出しなくても、一方向に複数並べて配置したそれぞれの画像素子52a等の受光素子による画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。出力濃度検出画像を一方向の両端部及び中央部のみに作像するため、全域に渡って作像する構成に比べて画像形成物質の消費量を削減することができる。
(態様F)
態様Cにおいて、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を中間転写ベルト31等の像担持体の表面上における幅方向等の一方向のラインセンサ52等の受光手段による検出範囲に延在するように形成する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、一方向に並べて配置された複数の画像素子52a等の受光素子のそれぞれについて、画像濃度の検出条件を適切に補正することができる。また、それぞれの受光素子について補正条件を算出するため、基準板56等の基準部材の色(分光反射率分布特性)が一方向においてムラがある場合においても、画像濃度の検出条件を適切に補正することができる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、基準板56等の基準部材の分光反射率部分布特性は、白色の分光反射率分布特性に比べて、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上の濃度調整用トナー像Ta等の濃度検出用画像を形成するトナー等の画像形成物質の分光反射率分布特性に近い。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、白色の基準部材を用いる構成よりも画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。これは、以下の理由による。
すなわち、画像形成物質の分光反射率分布特性に近い分光反射率特性を有する基準部材を用いることで、画像濃度の検出に影響する発光手段の発光特性や受光手段の受光特性等の像担持体上濃度検出手段の特性のばらつきの影響を反映した補正が可能となる。よって、白色の基準部材を用いる構成よりも、画像濃度の検出条件を適切に補正することが可能となり、画像濃度を精度よく検出することが可能となる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、分光反射率分布特性が互いに異なる複数の基準部材(シアン基準板56C、マゼンタ基準板56M及びイエロー基準板56Y等)を備え、濃度調整用トナー像Ta等の画像を形成するトナー等の画像形成物質の分光反射率分布特性によって、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上の画像濃度の検出条件の補正に用いる基準部材が異なる。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、白色の基準部材を用いる構成よりも画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。これは、以下の理由による。
すなわち、複数の基準部材のうち、画像濃度を検出する画像の画像形成物質の分光反射率分布特性に最も近似する、または、同一の分光反射率特性分布特性を有する基準部材を選択することが可能となる。そして、この基準部材からの反射光を受光した受光手段の出力に基づいて画像濃度の検出条件を補正することで、画像濃度の検出に影響する発光手段の発光特性や受光手段の受光特性のばらつきの影響を反映した補正が可能となる。よって、画像形成物質と基準部材との分光反射率分布特性が大きく異なることに起因して画像濃度の検出条件を適切に補正できなくなる不具合を防止できる。よって、態様Hでは、白色の基準部材を用いる構成よりも、画像濃度の検出条件を適切に補正することが可能となり、画像濃度を精度よく検出することが可能となる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、記録媒体は記録シートS等のシート状であり、記録媒体の搬送方向の複数箇所に同一色のシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を作成し、複数箇所の出力濃度検出画像を一枚の記録媒体に作成する。
これによれば、上記変形例3について説明したように、調整値「α」等の補正条件の修正に用いるデータのデータ数が増え、補正精度の向上を図りつつ、一枚の記録媒体に作成することで、記録媒体の消費を抑制することができる。
(態様J)
態様A乃至Iの何れかの態様において、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像の大きさは、エッジ効果領域の二倍以上である。
これによれば、上記変形例4について説明したように、出力濃度検出画像におけるエッジ効果分を除外でき、非エッジ部だけの検出結果を抽出できるため、出力濃度検出画像の本来の画像濃度を検出することができる。
(態様K)
態様A乃至Jの何れかの態様において、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像が転写された記録シートS等の記録媒体の表面に接触する搬送コロ37等の接触部材を備え、記録媒体の表面における接触部材と対向する位置(「Y4」等)を、出力濃度検出画像の画像濃度の検出結果を前記補正条件の修正に用いない(出力濃度検出画像を検出しない、または、出力濃度検出画像を作像しない等)除外位置とし、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上における除外位置に転写する画像を担持する位置の画像濃度の検出条件を補正する補正条件(所定の補正式等)を修正する修正条件(「α4」等)は、除外位置以外の位置(「Y3」及び「Y5」等)に転写する画像を担持する位置の修正条件(「α3」及び「α5」等)に基づいて求める。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、接触部材が接触することに起因する出力濃度検出画像の画像濃度の変動の影響を受けることなく、出力濃度検出画像の画像濃度の算出が可能になる。これにより、像担持体上の画像濃度を精度よく検出することが可能になる。
(態様L)
態様Kにおいて、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像は、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上における表面移動方向に直交する方向(主走査方向等)に延在する帯状の画像であり、除外位置(「Y4」等)に画像濃度の検出を除外することを示す画像(非読込部トナー像TsN等)を作成する。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、出力濃度検出画像をある方向に延在する帯状の画像とすることで、当該方向に複数の分割した出力濃度検出画像を作成する構成に比べてエッジ効果の影響を抑制することができる。このため、トナー付着量等の画像濃度の検出精度の向上を図ることができる。
(態様M)
態様Kにおいて、除外位置にシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を作成しない。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、画像濃度の検出結果を補正条件の修正に用いない部分である除外位置に出力濃度検出画像を作成しないことでトナー等の画像形成物質の消費量を低減することができる。
(態様N)
態様K乃至Mの何れかの態様において、中間転写ベルト31等の像担持体の表面上における除外位置(「Y4」等)に転写する画像を担持する位置の修正条件(「α4」等)を、除外位置を挟んで両側の位置(「Y3」及び「Y5」)に転写する画像を担持する位置の修正条件(「α3」及び「α5」)に基づいて求める。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、像担持体の表面上における除外位置に転写する画像を担持する位置の修正条件を容易な方法で精度良く求めることができる。
(態様O)
態様K乃至Mの何れかの態様において、記録シートSへの画像形成枚数等の画像形成量が所定量に満たない場合は、除外位置を設定しない。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、画像形成量が少ない状態では、トナー付着量等の画像濃度を検出する全ての位置について、シート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像の検出結果に基づいた修正条件(「α」等)の算出ができる。このため、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。
(態様P)
中間転写ベルト31等の像担持体の表面上に画像を形成する作像ユニット10等の作像手段と、像担持体の表面上の画像濃度を検出する濃度センサ50等の像担持体上濃度検出手段と、像担持体上濃度検出手段の検出結果に基づいて作像手段による作像条件を制御する制御部15等の作像条件制御手段と、基準となる反射特性を有する基準板56等の基準部材と、像担持体の表面上の画像を記録シートS等の記録媒体に転写する転写ユニット30等の転写手段と、を備え、像担持体上濃度検出手段によって基準部材を検出した検出結果に基づいて、像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件(所定の補正式等)を算出する複写機600等の画像形成装置を備える画像形成システム700等の画像形成システムにおいて、像担持体から記録媒体に転写された画像の画像濃度を検出する記録シート濃度センサ61等の出力濃度検出手段を備え、記録媒体上での画像濃度を検出するためのシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を像担持体に作像し、記録媒体に転写する前の像担持体上の出力濃度検出画像を像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果(「P(m)3」等)と、像担持体から記録媒体に転写された出力濃度検出画像を出力濃度検出手段で検出した検出結果(「Di(m)」等)と、像担持体上濃度検出手段で前記基準部材を検出した検出結果(「K(m)3」等)とに基づいて、補正条件を修正する。
これによれば、上記態様Aと同様に、像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動しても、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になる。
(態様Q)
中間転写ベルト31等の像担持体の表面上に濃度調整用トナー像Ta等の濃度検出用画像を形成する濃度検出用画像作像工程と、像担持体の表面上の濃度検出用画像の画像濃度を検出する像担持体上画像濃度検出工程と、像担持体上画像濃度検出工程での検出結果に基づいた作像条件で画像を形成する作像工程と、を実施して画像を形成する構成で、像担持体上画像濃度検出工程では、基準となる反射特性を有する基準板56等の基準部材の検出結果に基づいて像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件を算出する画像形成方法において、記録シートS等の記録媒体上での画像濃度を検出するためのシート上濃度検出用トナー像Ts等の出力濃度検出画像を像担持体に作像する出力濃度検出画像作像工程と、出力濃度検出画像を像担持体から記録媒体に転写する出力濃度検出画像転写工程と、像担持体上での出力濃度検出画像の画像濃度を検出する像担持体上出力濃度検出工程と、記録媒体上での出力濃度検出画像の画像濃度を検出する記録媒体上濃度検出工程と、基準部材を検出する基準部材検出工程と、を実施し、像担持体上出力画像濃度検出工程での検出結果(「P(m)3」等)と、記録媒体上濃度検出工程での検出結果(「Di(m)」等)と、基準部材検出工程での検出結果(「K(m)3」等)と、に基づいて、補正条件を修正する。
これによれば、上記態様Aと同様に、像担持体上濃度検出手段に対する基準部材や像担持体の位置関係が変動しても、画像濃度の検出条件を適切に補正し、画像濃度を精度よく検出することが可能になり、画像濃度が安定した画像形成が可能となる。
1 感光体
2 帯電ユニット
3 現像ユニット
4 クリーニングユニット
10 作像ユニット
15 制御部
20 光書込ユニット
30 転写ユニット
31 中間転写ベルト
32 駆動ローラ
33 従動ローラ
34 一次転写ローラ
34K 黒用一次転写ローラ
35 二次転写バックアップローラ
36 搬送ベルト
38 定着ユニット
39 排紙トレイ
39a 排紙センサ
41 給紙トレイ
42 給紙路
46 レジストローラ対
50 濃度センサ
51 光源
52 ラインセンサ
52a 画像素子
53 レンズアレイ
54 光透過部材
54a 検出窓
55 シャッター部材
56 基準板
58 センサ筐体
60 記録シート画像濃度検出装置
61 記録シート濃度センサ
62 シート台
63 センサガイド
64 位置合わせガイド
100 画像形成部
200 スキャナ
300 原稿自動搬送装置
400 給紙部
500 ホストコンピュータ
600 複写機
700 画像形成システム
It 階調パターン像
S 記録シート
Ta 濃度調整用トナー像
Ts シート上濃度検出用トナー像
特許4011323号 特開2012−150434号公報 特開2015−226128号公報

Claims (4)

  1. 像担持体の表面上に画像を形成する作像手段と、
    前記像担持体の表面上の画像濃度を検出する像担持体上濃度検出手段と、
    前記像担持体上濃度検出手段の検出結果に基づいて前記作像手段による作像条件を制御する作像条件制御手段と、
    基準となる反射特性を有する基準部材と、
    前記像担持体の表面上の画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    接触部材と、を備え、
    前記像担持体上濃度検出手段によって前記基準部材を検出した検出結果に基づいて、前記像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件を算出する画像形成装置において、
    前記像担持体上濃度検出手段は、前記像担持体の表面上の画像及び前記基準部材に光を照射する発光手段と、前記像担持体の表面上の画像または前記基準部材に反射した反射光を受光する受光手段と、を有し、
    前記受光手段は受光素子を一方向に複数並べて配置した構成であり、
    前記基準部材は、前記受光素子を一方向に複数並べて配置した構成よりも前記一方向に長い被検知表面を有し、
    記録媒体上に出力した画像濃度を検出するための出力濃度検出画像を前記像担持体に作像し、前記転写手段によって記録媒体に転写したときの記録媒体上での前記出力濃度検出画像の画像濃度を検出する出力濃度検出手段の検出結果の情報を取得する出力濃度情報取得手段を備え、
    前記接触部材は前記出力濃度検出画像が転写された記録媒体の表面に接触し、
    記録媒体に転写する前の前記像担持体上の前記出力濃度検出画像を前記像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果と、
    前記出力濃度情報取得手段が取得した検出結果と、
    前記像担持体上濃度検出手段で前記基準部材を検出した検出結果と、に基づいて、前記補正条件を修正し、
    記録媒体の表面における前記接触部材と対向する位置を、前記出力濃度検出画像の画像濃度の検出結果を前記補正条件の修正に用いない除外位置とし、
    前記像担持体の表面上における前記除外位置に転写する画像を担持する位置の画像濃度の前記検出条件の前記補正条件を修正する修正条件は、前記除外位置以外の位置に転写する画像を担持する位置の前記修正条件に基づいて求め、
    前記出力濃度検出画像は、前記像担持体の表面上における表面移動方向に直交する方向に延在する帯状の画像であり、前記除外位置に画像濃度の検出を除外することを示す画像を作成すること、を特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記除外位置に前記出力濃度検出画像を作成しないことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面上における前記除外位置に転写する画像を担持する位置の前記修正条件を、前記除外位置を挟んで両側の位置に転写する画像を担持する位置の前記修正条件に基づいて求めることを特徴とする画像形成装置。
  4. 像担持体の表面上に画像を形成する作像手段と、
    前記像担持体の表面上の画像濃度を検出する像担持体上濃度検出手段と、
    前記像担持体上濃度検出手段の検出結果に基づいて前記作像手段による作像条件を制御する作像条件制御手段と、
    基準となる反射特性を有する基準部材と、
    前記像担持体の表面上の画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    接触部材と、を備え、
    前記像担持体上濃度検出手段によって前記基準部材を検出した検出結果に基づいて、前記像担持体の表面上の画像濃度の検出条件を補正する補正条件を算出する画像形成装置において、
    前記像担持体上濃度検出手段は、前記像担持体の表面上の画像及び前記基準部材に光を照射する発光手段と、前記像担持体の表面上の画像または前記基準部材に反射した反射光を受光する受光手段と、を有し、
    前記受光手段は受光素子を一方向に複数並べて配置した構成であり、
    前記基準部材は、前記受光素子を一方向に複数並べて配置した構成よりも前記一方向に長い被検知表面を有し、
    記録媒体上に出力した画像濃度を検出するための出力濃度検出画像を前記像担持体に作像し、前記転写手段によって記録媒体に転写したときの記録媒体上での前記出力濃度検出画像の画像濃度を検出する出力濃度検出手段の検出結果の情報を取得する出力濃度情報取得手段を備え、
    前記接触部材は前記出力濃度検出画像が転写された記録媒体の表面に接触し、
    記録媒体に転写する前の前記像担持体上の前記出力濃度検出画像を前記像担持体上濃度検出手段で検出した検出結果と、
    前記出力濃度情報取得手段が取得した検出結果と、
    前記像担持体上濃度検出手段で前記基準部材を検出した検出結果と、に基づいて、前記補正条件を修正し、
    記録媒体の表面における前記接触部材と対向する位置を、前記出力濃度検出画像の画像濃度の検出結果を前記補正条件の修正に用いない除外位置とし、
    前記像担持体の表面上における前記除外位置に転写する画像を担持する位置の画像濃度の前記検出条件の前記補正条件を修正する修正条件は、前記除外位置以外の位置に転写する画像を担持する位置の前記修正条件に基づいて求め、
    画像形成量が所定量に満たない場合は、前記除外位置を設定しないこと、を特徴とする画像形成装置。
JP2016253789A 2016-05-16 2016-12-27 画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法 Active JP6948585B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016098264 2016-05-16
JP2016098264 2016-05-16

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017207728A JP2017207728A (ja) 2017-11-24
JP6948585B2 true JP6948585B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=60417139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016253789A Active JP6948585B2 (ja) 2016-05-16 2016-12-27 画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6948585B2 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05268440A (ja) * 1992-03-23 1993-10-15 Canon Inc 画像形成装置
JPH09272229A (ja) * 1996-04-05 1997-10-21 Tec Corp 多色画像形成装置
JPH10171184A (ja) * 1996-12-09 1998-06-26 Konica Corp 画像形成プロセス制御装置
JP2001349778A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Fuji Xerox Co Ltd 光量測定装置及びカラー画像形成装置
US6982812B2 (en) * 2001-01-22 2006-01-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Calibration of printing devices
JP2003005563A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Canon Inc 画像形成装置
JP4944321B2 (ja) * 2001-09-26 2012-05-30 キヤノン株式会社 カラー画像形成装置
JP4061896B2 (ja) * 2001-12-06 2008-03-19 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP4442879B2 (ja) * 2004-07-28 2010-03-31 キヤノン株式会社 画像形成装置及び色信号変換方法
JP5232610B2 (ja) * 2008-12-04 2013-07-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP5533449B2 (ja) * 2010-08-30 2014-06-25 株式会社リコー 画像形成装置
JP2012088660A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像読み取り装置、画像形成装置、プログラムおよび画像調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017207728A (ja) 2017-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6691683B2 (ja) 画像濃度検出装置、画像形成装置、画像濃度検出方法及び画像形成方法
US9195159B2 (en) Image forming apparatus
US9165227B2 (en) Color image forming apparatus
US10948864B2 (en) Image density correction for an image forming apparatus
US8760724B2 (en) Gradation correction for an image forming apparatus
US9036198B2 (en) Optical-writing control device, image forming apparatus, and method of controlling optical writing device
JP2007030340A (ja) 画像形成装置、出力濃度調整方法及びプログラム
JP2007274438A (ja) 画像形成装置及びその制御方法
US7652790B2 (en) Image forming apparatus, gradation correction method and control method of image forming apparatus
KR101401750B1 (ko) 화상 형성 장치 및 화상 처리 방법
US9651910B2 (en) Image forming apparatus incorporating line sensor
US8879113B2 (en) Image forming apparatus forming images in accordance with image forming conditions
JP5914309B2 (ja) ラスタ出力スキャナのファセット固有電子バンディング補正プロファイルの作成プロセス
US7773897B2 (en) Image forming apparatus and control method thereof
US9310744B1 (en) Image forming apparatus and method for correcting color misregistration by the same
JP5120402B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2002307745A (ja) 画像形成装置
JP6948585B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法
JP2017187722A (ja) 画像濃度検出装置及び画像形成装置
JP2008197554A (ja) 画像形成装置
JP2006091467A (ja) 画像形成装置
JP2007286509A (ja) 画像形成装置
JP6745062B2 (ja) 画像形成装置
US11960218B2 (en) Image forming and correction apparatus
JP2008068509A (ja) 画像形成装置及び光量制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210902

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6948585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151